JP2012503196A - 固体生物学的物体の分析のための方法 - Google Patents

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Abstract

この発明は、固体物体の分析または診断の方法に関する。方法は、前記プローブの記録された結合曲線(131)が相互作用の性質(141)においてどのように分布するかの計算と組み合わされた、予め規定されたプローブ(111)がどのように固体物体(112)上または中に存在する構造と相互作用するかのリアルタイムな検出に基づいている。相互作用の性質は、固体物体の状態を自動的に決定する分類アルゴリズム(151)に入力される。方法は、抗体プローブと組み合わされた組織切片のような固体生物学的物体のために特に有利であり、前記抗体は、前記組織切片上で疾病状態において過剰表現されることが知られている受容体を認識する。

Description

本発明は、分析的または診断的目的に使われる固体物体の分析の分野に関する。より特定には、それは生物学的起源の1つ以上の固体物体が、前記物体中の予め規定された構造の存在と品質について分析される方法に関する。もっとより特定には、それは有機体からの組織中の予め規定された構造の存在と品質の分析による疾病または不調の診断に関する。
分析的および診断的手順は、近代社会における多くの機能において決定的に重要である。最も一般的なものの1つは、患者が特定の疾病を有しているかどうかを決定する目的で健康ケア組織(例えば、病院)において行われる診断的手順である。例えば、男性の血液中の前立腺特定抗原(PSA)の高められた濃縮は、患者における進行中の前立腺癌の指標である。しかしながら、これでは十分に特定ではなく、分析的結果に基づいた臨床的判断を向上するためにはPSAの異なる修飾を分析するより良い方法の必要がある。その他の分析的または診断的手順には、染色された組織生検の視覚分析に基づいた癌の診断、安全な食品を生産するための屠殺に先立つ家畜の診断、病気の動物を治療する目的での獣医学における診断的手順、動物または人間中の腫瘍の的を絞った放射線療法、食品または飼料中の病原体または毒素の検出、加工食品または飼料中の栄養剤(例えば、ビタミン)の濃度の決定、環境中の有害化学物質の検出等が含まれるが、それらに限定はされない。
固体物体構造が複合的である時はいつでも、現在使われている方法の殆どは、複合的サンプル中の1つの成分からの信号を増幅することに非常に特化された試薬を使用しなければならない。そのような複合的構造は、組織中または体液中の細胞上の細胞表面であることができる。更に他のタイプの複合的構造は、個々の蛋白質が立体配座を変化させるかまたは翻訳後修飾によって修飾されることができる蛋白質複合体のものである。
診断のための1つの特定の方法は、免疫組織化学法(IHC)である。診断的IHC手順は、多種多様な疾病、最も顕著には癌のために開発された。簡単には、IHCは、組織の薄い切片が顕微鏡ガラススライド上に置かれ、続いて選択された受容体が染色される方法である。染色された組織切片の画像が作られ、組織が疾病を示す染色パターンを含むかどうかを訓練されたオペレーターが判断している。IHCは世界中で使われており、癌のような深刻な疾病を診断する可能性を向上しているが、一般的なIHC方法論は、依然として貧弱な繰り返し可能性と長い組織準備プロトコルによって苦しめられている(ここに引用によって組み込まれるModern Pathology 2008 May;21 Suppl 2:S8-S15に出版されたAllen M Gownによる”Current issues in ER and HER2 testing by IHC in breast cancer”というリポートで明らかなように)。
免疫組織化学法は、組織切片の分析のための支配的な方法の1つである。主要な病院の大多数で使われているので、それは組織分析の当業者にとっては周知の方法である。簡単には、IHCは、生物学的組織中の抗原に特定に結合する抗体の使用によって組織セクションの細胞中の蛋白質を局所化するための方法である。IHC染色は、腫瘍のような異常組織の診断に一般的に使われる。組織中の細胞上または中の特定の分子構造は、疾病を示す特定の細胞的イベントに特徴的なものである。抗体−抗原相互作用を視覚化するために、抗体は、FITC、ローダミン、テキサスレッド、またはあらゆるその他の蛍光性成分(fluorescent moiety)のような蛍光体にタグ付けされることができる。手順では、薄い(典型的には20μm)切片が関心のある組織から取られる。組織はそれから、通常は洗浄剤(例えば、Triton X-100)を使うことによって、膜を破砕するために処理される。それらのステップの後、組織切片が、典型的には間接的アプローチに従う抗体処理のために準備される。間接的アプローチは、組織抗原と反応する一次的(ラベル無し)抗体と、一次的抗体と反応する二次的(ラベル付き)抗体が関わる。二次的抗体は、通常は蛍光性成分または酵素でラベル付けされる。IHCは強力な検出技術であり、組織サンプル中の正確にどこに与えられた蛋白質が位置しているかを示す能力がある。IHCは生物学の多くの分野、例えば神経科学で研究者が特定の脳構造内の蛋白質表現を検査することを可能にしたり、腫瘍(例えば、癌腫対黒色腫)のタイプ分けのために診断的外科病理学で、広く使われている。IHC分析の結果は常に、区別可能な色に染色された或る標的にされた受容体を含んでいるエリアをもった組織切片の画像である。そのため、IHCはエンドポイント測定である、即ち、それは時間の一点における抗体−抗原相互作用の状態を検出することだけが可能である。IHCはまた、画像のしばしば手動での解釈によって苦しめられている。訓練されたオペレーターは、全く同じ組織切片の染色の広がりおよび強度について意見が一致しないかも知れず、オペレーターや実験室に跨って結果を比較する時に不確定性に繋がる。IHCのもう1つの主要な不利点は、IHCでは染色が関心のある蛋白質に対応することを示すことが不可能であることである。臨床的実務で使われるIHCの記述は、ここで引用によって組み込まれる、Clinical Cancer Research 2005 Sep 15;11(18):6598-607に出版されたPress MF, Sauter G, Bernstein L, Villalobos IE, Mirlacher M, Zhou JY, Wardeh R, Li YT, Guzman R, Ma Y, Sullivan-Halley J, Santiago A, Park JM, Riva A, Slamon DJによる”Diagnostic evaluation of HER-2 as a molecular target: an assessment of accuracy and reproducibility of laboratory testing in large, prospective, randomized clinical trials”というリポートで入手可能である。
本発明の1つの目的は、固体物体の分析または診断を容易にすることであり、前記分析は前記物体上の構造と相互作用する1つ以上のプローブの使用からなる。発明は、生物学的または化学的起源のプローブの使用を通して生物学的起源の固体物体の分析のために特に有用である。
発明は特に、固体物体の分析または診断の改良された方法に関する。方法は、前記プローブの記録された結合曲線が相互作用の性質においてどのように分布するかの計算と組み合わされた、予め規定されたプローブがどのように固体物体上または中に存在する構造と相互作用するかのリアルタイムな検出に基づいている。相互作用の性質の分布は、固体物体の指紋として使われ、前記指紋は、固体物体の状態を示す区別された特徴を含む。分類アルゴリズムが指紋上に適用されて、固体物体の状態を自動的に決定する。方法は、抗体プローブと組み合わされた組織切片のような固体生物学的物体のために特に有利であり、前記抗体は、前記組織切片上で疾病状態において過剰表現されることが知られている受容体構造を認識する。この方法は従って、固体表面を規定するのにプローブがどのように固体表面と相互作用するかの情報を使うことによって、一般的に行われる分析的および診断的手順を改善するであろう。
従って、発明の1つの側面は、固体物体を、悪性/良性、治療の良好な/不良な予後、受け入れ可能/受け入れ不能な品質等のような、予め規定されたクラスに分類することが可能な分析方法を提供する。
方法は、その上に取り付けられた固体物体と1つ以上のプローブを含んだ溶液を有する固体サポートを提供することと、プローブと固体物体の間の相互作用の存在とプローブと固体物体の複合体の形成のレートの両方の検出、からなる。前記検出からの出力はまず、結合曲線としても知られる、時間に対する結合したプローブの量を示すグラフに変換される。プローブ−物体相互作用を表す結合曲線を使って、相互作用の性質の分布が計算される。相互作用の性質の分布は、固体物体の指紋として使われ、前記指紋は、固体物体を悪性/良性、治療の良好な/不良な予後、受け入れ可能/受け入れ不能な品質等に分類するための、判断基準を確立するのに有用な区別された特徴を運んでいる。発明に従った方法が請求項1に規定されている。
よって、第一の側面における発明は、分析的または診断的手順で使用可能な固体物体の性質の測定のための方法であって、1つ以上のプローブであって、該プローブは問題の固体物体上の構造と相互作用して、プローブ−物体複合体を形成することが可能であるものを提供することと、固体物体を固体サポートに取り付けることと、関心のあるプローブの溶液を提供することと、前記溶液をサポートに取り付けられた固体物体との接触に持ち込むことと、プローブと固体物体の間の相互作用の存在と、プローブ−物体複合体の形成のレートを検出して、時間に渡って固体物体に結合したプローブの量を表す曲線を形成することと、前記曲線を、プリミティブ結合曲線の予め規定されたセット中の全てのプリミティブ曲線の荷重和で近似することと、前記荷重が、検出された結合曲線と荷重プリミティブ結合曲線の和の間の差を最小化するように、各プリミティブ結合曲線の荷重を計算することと、単独または更なるデータとの組み合わせのどちらかで、前記荷重に基づいた判断基準を使うことによって、分析的または診断的手順での使用のために前記固体物体を分類することと、からなる。
好ましい実施形態では、発明は、前記検出が検出器を前記固体サポートとの接触に持ち込むことなしに行われることからなる。
もっと更に好ましい実施形態では、前記検出器は、放射能検出器か蛍光性検出器のどちらかである。
好適には、プリミティブ結合曲線および対応する荷重の数は少なくとも9個である。
他の実施形態では、前記プローブは、蛋白質、DNA、RNAおよび有機化合物から選択され、前記プローブは可能性として、放射性または蛍光性成分のどちらかでラベル付けされている。
更には、前記固体物体は、生物学的起源の物体または哺乳類組織から選択されることができる。
更なる側面では、発明は、請求項1に規定された方法に従った分析からの結果に基づいた診断のための方法を提供する。
もっと更なる側面では、本発明はまた、発明に従った方法の使用による固体物体の品質制御または診断のために使用可能なプローブのキットに関する。
本発明は、添付の図面を参照して、以下の記載および例においてより詳細に開示される。
図1は、発明の方法の概略的表現である。 図2は、品質制御方法における測定を行うための、従来技術で既知の、好適な計器を示す。 図3は、相互作用マップとしての結合曲線の表現を描く。 図4は、同じ固体物体に結合している同様のプローブについて得られた2つの相互作用マップの比較を示す。 図5は、同様の固体物体に結合している同じプローブについて得られた2つの相互作用マップの比較を示す。 図6は、同様の固体物体に結合している同じプローブについて得られた4つの相互作用マップの比較を示す。 図7は、同様の固体物体に結合している同じプローブについて得られた6つの相互作用マップの比較を示す。
本出願の目的のためと明確さのために、分析中の固体物体は固体サポートに取り付けられ、固体物体上の構造と相互作用するように設計された予め規定されたプローブが、前記固体サポートと接触している液体中に存在する。可能な固体物体には、組織サンプル、埋め込まれた組織サンプルとそのセクション、細胞、バクテリア、ウィルス、磁性粒子、表面被膜(例えば、塗装)、多細胞有機体(生きているかまたは死んでいる)、有機体中への移植のために設計された材料(例えば、チタンスクリュー、セラミックプレート等)、またはそれらのあらゆる組み合わせが含まれるが、それらに限定はされない。固体物体は10mmより薄く、典型的には1mmより薄い。固体物体は更に、100cm未満の面積を有し、典型的には前記面積は1mmより大きく10cmより小さい。
前記固体物体の前記固体サポートへの取り付けは典型的には、いくつか挙げると共有結合された蛋白質、固体サポート上で成長された接着性細胞、または固体サポートに糊付けされた非生物学的物体のような、強固な取り付けである。しかしながら、弱く取り付けられた固体物体を使うことも可能であり、そこでは取り付け方法は、いくつかの可能性を挙げれば例えば静電相互作用、疎水相互作用および高粘度ゲル中への固体物体の捕捉、を通して仲介される。
この発明で使われるプローブは、2つの特徴的性質を有していなければならない:第一に、プローブは、調査中の固体物体中で探索される構造に取り付けられるかそれと相互作用しなければならない。第二に、それは、前記固体物体と相互作用しているプローブを、時間分解されたやり方で、検出することが可能でなければならない。生物学的な物体のための典型的なプローブは、或る受容体と特定に相互作用することが知られている蛋白質であっても良く、生物学的物体中の前記受容体の存在は疾病を示すものとして前もって知られている。前記プローブは、前記生物学的物体に結合したプローブの量の簡単な検出のために取り付けられた蛍光性タグ(例えば、FITC、Cy2、Cy3,Cy5、テキサスレッド、またはあらゆるその他の蛍光性タグ)を更に有していても良い。分析的または診断的手順での使用のために可能なプローブには、マクロ分子(例えば、蛋白質、DNA、RNA)、抗体、アプタマー、アフィボディ(affibodies),ナノボディ(nanobodies)、ペプチドとその他の化学化合物と液体中に溶解されることができるあらゆる種または液体中に懸濁されることができる細胞、細胞器官、有機体または粒子でさえもが含まれるが、それらに限定はされない。プローブへの要求は、それが液体中に溶解または懸濁されることができることと、それが(正常な重力の影響下で)24時間以内に沈殿しないことである。ブローブは、何らかのラベルが取り付けられていても良い。好適なラベルには、放射性ラベルと蛍光性ラベルが含まれるが、それらに限定はされない。
プリミティブ結合曲線という用語は、この文脈では、予め規定された相互作用モデルに従った結合の推移を表わしている曲線として定義され、前記プリミティブ結合曲線は、いくつかの(典型的には10より少ない)相互作用の性質を与えられて計算されている。プリミティブ結合曲線のファミリーの例は、一価相互作用モデルからの曲線であり、そこでは各プリミティブ結合曲線は、会合レート定数kと、解離レート定数kと、飽和した固体サポートにおける信号RMAXとを与えられて計算されることができる。
本発明はまた、方法によって分析的または診断的手順のために使われるプローブまたは固体サポートのキットも含む。
一般に、その第一の側面における発明は、5つの特徴的コンポーネンツの提供に基づいている。それらの5つの側面とは:
・ 可能性として検出可能なマーカーでラベル付けされた、分析的または診断的測定に好適な1つ以上のプローブ、
・ 研究中の固体物体、
・ プローブと固体物体の間の相互作用の時間分解された測定、
・ 時間分解された測定を表現するための方法であって、前記表現はプローブの固体物体との相互作用の性質の多次元的指紋を提供するもの、
・ 前記指紋上に分類アルゴリズムを適用して、物体の状態についての言明を得ること、
である。
本発明は、相互作用マップを古典的分類アルゴリズムのための入力として提供することによって、分析的または診断的手順での使用のための固体物体の分類を向上することを狙いとしている。いくつかの分析的または診断的手順では、固体物体の都合のよい状態(例えば、受け入れ可能な品質または良性腫瘍)と都合の悪い状態(例えば、受け入れ不可能な品質または悪性腫瘍)の間の差は、固体サポート中の関連する構造の相対的部分によって構成されている。腫瘍学では、或る受容体の過剰表現は疾病の既知の指標であり、それは事実細胞の受容体過多の相対的な豊富さの変形である。薬物発見では、細胞内ターゲット受容体に到達するための細胞膜を通した潜在的薬物の搬送は、潜在的薬物と固体物体として使われた細胞培養または組織の両方の重要な品質測度である。人間の患者中への移植のために設計された物体では、移植された物体の表面は生体適合的であるべきである。非生物学的起源のその他の物体では、表面多孔性および表面の酸化の度合いは、物体の品質または性能のために不可欠なものであっても良い。
発明はプローブと固体物体の間の結合イベントの分析として記載されるが、発明がその実験的セットアップで排他的に使用される必要はない。例えば、クロムのような微量元素をプローブとして使用することが可能である。固体物体中の51Crの直接的でリアルタイムな検出は、WO2009029039に以前開示されており、それはここに引用によって組み込まれる。プローブの影響下で固体物体の生来的な起源のイベント(固体物体に跨る抵抗、インピーダンスまたはキャパシタンスのような)を測定することが更に可能である。例えば、時間に渡る細胞の単層に跨るインピーダンスの変化は、エネルギー補助剤としての異なる糖類分子(例えば、フルクトース、スクロースおよびグルコース)の存在があると測定することができる。この場合には、細胞の単層が固体物体であり、異なる糖類分子が異なるプローブである。
分析的または診断的目的のために使われる方法は、図1に概略が示されている5ステップの手順として記載されることができる。第一のステップ(110)では、固体物体(112)が固体サポート(113)に取り付けられ、液体に溶解された好適なプローブ(111)が利用可能にされる。第二のステップ(120)では、ブローブ(111)を含んでいる液体が固体サポート(113)および固体物体(112)と接触させられる。液体が固体サポート(113)と接触している時、固体物体(112)に結合しているプローブ(111)の量を測定するために測定装置(121)が起動される。予め決められた時間の後、プローブ(111)を含んでいる液体は、プローブ無しの液体で置き換えられても良い。第三のステップ(130)では、測定装置からの読み取り値が結合曲線(131)として提示され、それはプローブと固体物体の間の相互作用の存在とプローブ−物体複合体の形成のレートの両方を、時間に渡って固体物体に結合したプローブの量を表している曲線として示す。プローブ追加(132)とプローブ除去(133)のための時間点は、それらが前もって知れらていない限り、結合曲線中で同定される。第四のステップ(140)では、測定された結合曲線(131)がプリミティブ結合曲線の予め規定されたセットの和として表現され、そのようなプリミティブ曲線の各々は測定された結合曲線(131)を表す和における異なるプリミティブ曲線の振幅を調節するための重みが掛けられている。よって、各測定された結合曲線(131)は、複数の重みによって表されることができ、各重みはプリミティブ曲線と関連付けられている。そのような重みの集合は、重みのベクトルと呼ばれる。異なる測定された結合曲線は重みの異なるベクトルとして表現される。いくつかの場合には、重みのベクトルは一方で、地形図として提示されることができ、そこでは3重項(典型的には[会合レート、解離レート、重み])の表面は輪郭プロット(141)としてプロットされる。このプロット中の各「丘」(142)は、対応する会合および解離レート値が高められた重みを持つことを意味し、それは結合曲線(131)が対応する会合および解離レート値の相互作用で部分的に構成されていることを意味し、それは一方でプローブ(111)が対応する会合および解離レート値でもって固体物体(112)の構造と相互作用していることを意味する。生物学的物体の場合には、各プローブ−受容体相互作用は、少なくとも1つのそのような「丘」に結果としてなり、与えられた生物学的物体についての「丘」の位置と相対的高さは受容体表現濃度または生物学的物体の状態を表す。第五のステップ(150)では、前記重みが、可能性として更なるデータ(152)と一緒に、分類アルゴリズム(151)中に供給される。分類アルゴリズムは、ニューラルネットワーク、線形判別分類器、サポートベクトルマシン、k−最近傍分類器、または入力データのセットを前記入力データ中の特徴に基づいて少なくとも2つの異なるクラスに分類することが可能なあらゆるその他のアルゴリズムであっても良い。分類アルゴリズム(151)の出力は、3つの異なるクラス(153、154、155)として例示され、それは例えば組織サンプルの分類[健康;不明;疾病]を表すことができる。
調査中の固体物体は、固体サポートに取り付けられる必要がある。取り付けの方法は、固体物体のタイプに依存して異なっていても良い。生きているかまたは新鮮な生物学的物体は、或るプラスチックおよびガラス表面に自発的に付着しても良いが、いくつかの場合には、付着を容易にするために固体サポートは或る蛋白質(いくつかを挙げるとフィブロネクチン、コンカバリンA、ポリリシンまたは牛血清アルブミンのような)で被覆されていなければならない。固体物体が塗料またはその他の保護的表面被覆である場合には、それらは典型的には生来的に接着性である。更にその他の物体は固体サポートに糊付けされても良い。
発明で使われる固体サポートは剛体構造であり、典型的にはガラスまたはプラスチックで作られ、本質的に平坦である。サポートは通常は検出技術との関係で設計される。固体サポートの例には、ガラススライド(いくつかを挙げると、例えば、顕微鏡スライド、顕微鏡カバースライド、表面プラズモン共鳴検出器での検出のために設計された金フィルムで被覆されたガラススライド、干渉計検出のために異なる屈折率の複数の被覆をもったガラススライド、および刷りこみ印刷された回折格子をもったガラススライド)、透明プラスチックスライド(いくつかを挙げると、表面プラズモン共鳴検出器での検出のために設計された金フィルムで被覆されたプラスチックスライド、干渉計検出のために異なる屈折率の複数の被覆をもったプラスチックスライド、および刷りこみ印刷された回折格子をもったプラスチックスライド)、およびガラスまたはプラスチックのどちらかで作られたペトリ皿が含まれるが、それらに限定はされない。固体サポートは、いくつかを挙げると、薄金層、刷りこみ印刷された回折格子、埋め込まれた電極、および酵素活性をもった表面被覆を含む(がそれらの限定はされない)、検出原理に関連する特徴を含んでいても良い。
複合体形成のレートと、プローブと固体物体の間の形成された複合体の大きさの測定のために、利用可能ないくつかの方法がある。Journal of Molecular Recognition 2007 Sep-Oct;20(5):300-66に出版されたRich RL and Myszka DGによる”Survey of the year 2006 commercial optical biosensor literature”というレポート(それはここに引用によって組み込まれる)に記載されているように、表面プラズモン共鳴および同様の技術に基づいた方法が利用可能である。Praus P, Kocisova E, Mojzes P, Stepanek J, Seksek O, Sureau F and Turpin PYによるAnnals of the New York Academy of Sciences 2008;1130:117-21に出版された”Time-resolved microspectrofluorometry and fluorescence imaging techniques: study of porphyrin-mediated cellular uptake of oligonucleotides”というレポート(それはここに引用によって組み込まれる)に記載されているように、時間分解された共焦点顕微鏡撮像および同様の撮像技術が代替的な方法である。図1のステップ120を完了するための好ましい方法は、以前に開示されており[WO2005080967、それはここに引用によって組み込まれる]、図2に概略的に記載されている。簡単には、方法は、固体物体(202)が、「活性エリア」と記された固体サポート(201)上の規定されたエリアに不動にされていることに依存している。同じ固体サポート上には、参照エリアもある(この場合には活性エリアの反対に)。溶解されたプローブを含んでいる液体は、物体とプローブの間の相互作用を可能とするように固体サポートと接触している。更には、固体サポートは傾けられ、モーター(203)を使ってゆっくりと回転される。固体サポートの持ち上げられた部分の上には、使われたプローブに取り付けられたラベルを検出することが可能な検出器が載置される(204)。前記検出器は典型的には、固体サポートと接触はしていないが、例えば放射性核種の放出された放射線または蛍光ラベルからの放出された光を記録する。活性エリアが検出器を通過する時に、リガンドがターゲットに結合している場合には、高められた信号が記録される。各回転について、参照エリアからの検出された信号を活性エリアからの検出された信号から引くことによって、結合レベル値が計算されることができる。一連の回転からの結合レベル値を収集している時には、時間分解された結合曲線が得られる。
この発明における検出方法は、空間的分解能を有していても良い。例えば、固体物体の高分解能デジタル写真が、測定の推移の間に繰り返し撮られても良い。物体の写真を異なるエリアに分割することによって、一つの測定における各エリアについて1つの結合曲線を得ることが可能である。よって、空間的に分解された検出装置を与えられると、この発明は、完全な固体物体に対してだけではなく、前記物体の選択された部分にも適用することができる。空間的に分解された検出は、組織の薄いセクションを分析している時の医学的判断にとっては特に関心を呼ぶものである。分解能に依って、いくつかの異なる組織セクションが、アレイ状の構造で1つの固体サポート上に適用されることができる。
いくつかのプリミティブ理論的結合曲線の和による1つ以上の結合曲線の表現は、図3に簡単に概略が描かれているように解釈されることができる。図1で141と記されたものと同様の、輪郭プロット(300)が与えられると、各「丘」は、丘と関連付けられているプリミティブ結合曲線が測定された結合曲線(350)中に存在することを指し示している。図3では、丘310が、多数の輪郭線によって示されるように最も高い振幅を有する。対応するプリミティブ曲線311は従って、測定された曲線(350)の表現への支配的な貢献である。丘320は振幅がより低いが、これもより遅い会合レートとより遅い解離レートを有している。これは、プローブアップテークとプローブ解離の両方について対応する曲線321の特徴的な形状がより遅いことを意味している。測定された曲線(350)の表現では、プリミティブ曲線321は小さな貢献である。丘330と340は、それぞれ対応するプリミティブ曲線331と341を有し、それらは上述した通り表現に加えられる。測定された曲線350はよって、輪郭プロット300の基礎を形成している全てのプリミティブ曲線の和によって表現され、そこでは相互作用マップ300に従って重み付けされるプリミティブ曲線311、321、331および341を除いて、全ての重みは小さい。
図3に概略が描かれた表現の背景は、Biophys J. 2003 Jun;84(6):4062-77に出版されたSvitel J, Balbo A, Mariuzza RA, Gonzales NR, and Schuck Pによる”Combined affinity and rate constant distributions of ligand populations from experimental surface binding kinetics and equilibria”というレポート(それはここに引用によって組み込まれる)に、光学的バイオセンサーとの関連で説明されている。アイデアは、ベースの交換としてもっと知られている、直交多項式の和としてのあらゆる曲線の表現に類似している。この発明の場合には、プリミティブ結合曲線は典型的には、一価相互作用のクラスから選択される。そのような相互作用モデルについての理論的結合曲線は、Khomyakova E, Livshits MA, Steinhauser MC, Dauphinot L, Cohen-Kaminsky S, Rossier J, Soussaline F, Potier MCによって、Biotechniques 2008 Jan;44(1):109-17に出版された”On-chip hybridization kinetics for optimization of gene expression experiments”というレポート(それはここに引用によって組み込まれる)に記載されているように、解析的に表現することができる。
プローブの1つの既知の濃度が時間点tassにおいて加えられ、プローブの無い液体で時間点tdissにおいて置き換えられるプローブ−固体物体相互作用の場合には、理論的一価相互作用モデルは、
Y=0 for t<tass
Y=RMAX*C/(C+kd/ka)*(1-EXP(-(ka*C+kd)*(t-tass)) for tass≦t<tdiss
Y=R0*EXP(-kd*(t-tdiss)) for t≧tdiss
に従って記載されることができる。ここで、RMAXは、固体物体上の全ての可能な結合サイトがそれに結合されたプローブを有する時に得られた信号、kは相互作用の会合レート定数、kは相互作用の解離レート定数、Rは時間tdissにおけるY値である。3つのパラメータは前もって知られている:tassはプローブ追加の時間、tdissはプローブ除去の時間、Cはプローブの濃度である。
プリミティブ結合曲線は、しかしながら、拡散制限についての修正(質量搬送制限についての修正としても知られる)をもった一価相互作用モデル、固体物体との相互作用によるプローブの減損についての修正をもった一価相互作用モデル、および二価相互作用モデルを含む(がそれらに限定はされない)、相互作用モデルのあらゆるその他のクラスから選択されることができる。固体物体(例えば、微量元素)と相互作用しないプローブを使って固体物体の状態の測定がなされる場合には、プローブの能動的な搬送(例えば、細胞膜中の流入および流出ポンプによる)をもつかまたはもたない固体物体の異なる区画への受動的な拡散のような、その他の曲線がプリミティブ曲線として使われても良い。プローブを使うことなしに固体物体の状態の測定がなされる場合には、更にその他の曲線がプリミティブ曲線として使われても良い。全ての状況下で、プリミティブ曲線の全てのクラスは典型的には、10個より少ない自由パラメータ(例えば、異なる区画への拡散の場合には拡散定数と区画容積)を有する。
測定された結合曲線(131)の表現のための理論的一価相互作用モデルに従ったプリミティブ曲線の使用を例示することが可能である。測定された曲線131はそれから、Yhatによって近似され、それはいくつかの理論的曲線Y,i=1...nの和であって、各々が対応する重みw,i=1...nを掛けられており、nは近似で使われる予め規定された[k,k]の総数である。
Yhati=1 to n(Wi*Yi)
ここで、典型的にはRMAX=1として選択される任意のRMAX>0について、Y=Y(kai,kdi)である。
重みwは、コスト関数の値を最小化するように選択される。一般的なコスト関数は、残差の2乗の和であり、それはまずYhatを測定された結合曲線(131)から引いて、それから各残差エレメントの2乗を計算し、最後に全ての残差エレメントの2乗を足し合わせることによって計算される。残差値の2乗の和は、Yhatが測定された結合曲線(131)に緊密に類似している時には小さい。
コスト関数の値を最小化することによって重みwを見つけるための自動化された方法がある。一つのそのような可能な方法は、Carrot C, Guillet J, May J-F, and Puaux J-Pによって、Macromolecular Theory and Simulations 1(4):215-231, 2003に出版された”Application of the Marquardt-Levenberg procedure to the determination of discrete relaxation spectra”というレポート(それはここに引用によって組み込まれる)に記載されているように、Marquardt-Levenbergによる方法である。その他の可能な方法には、シンプレックス最適化、遺伝的アルゴリズム、および勾配に基づいた最適化アルゴリズムが含まれるが、それらに限定はされない。
重みが計算されている時、重みを3次元プロットにプロットすることが可能であっても良い。典型的には、解離レート定数がx−軸に割り振られ、会合レート定数がy−軸に割り振られる。重みは、例えば赤から青への勾配が重み値を表わすのに使われる比色的プロットとしてか、またはまるで地形図のようにより高い重みが等重みレベル線でもって示される輪郭プロット(141)としてかのどちらかで、z−方向にプロットされる。よって、理論的一価相互作用モデルに従ったプリミティブ曲線の使用による測定された結合曲線(131)のこの例示的表現では、[k,k]の予め規定された値についての複数の重みが近似において使われる。
いくつかの場合には、最適化問題は過小決定されていても良い、即ち、測定された結合曲線(131)に等しいYhatを作り出すwのいくつかの異なるセットがあっても良い。そのような場合には、Yhatと測定された結合曲線(131)の間の差を最小化するwのセットを探す時に規則化アルゴリズム(例えば、Tichonov規則化)を適用することが好ましい。簡単には、規則化アルゴリズムは、大きなwの最も少ない数をもった解(それは可能な解の最も単純なものでもある)に向けての収束に繋がる高い分散をもったwのセット上にペナルティを加える。
異なる固体物体および/または異なるプローブの比較のために相互作用マップを使う時には、比較の対象となるケースについての相互作用マップを計算する時にプリミティブ曲線の同じ予め規定されたセットを使うことが重要であっても良い。また、比較の対象となるケースについての相互作用マップを計算する時に最小化アルゴリズムについての同じ初期値を使うことが重要であっても良い。
この発明の方法を使うことの恩恵は、多くのプローブ−物体相互作用が不均一な性質のものであり、そのような不均一性が固体物体中の同様な構造の分布についての情報を含むことにある。例えば、固体物体が組織の切片である場合には、組織中の癌性細胞は豊富な量があって受容体のアミノ酸シーケンス中に変異をもった或る受容体を表現していても良い。そのような受容体について選択されたプローブは、蛍光性成分でラベル付けされた単一クローン性抗体であることができる。癌細胞の変異した受容体との抗体の相互作用は、自然な受容体との相互作用とは異なる可能性が非常に高い。組織切片は恐らく癌性および正常細胞の両方を含むので、測定された結合曲線は、変異体との相互作 用と正常受容体との相互作用の両方を反映するであろうし、よって重みの3次元プロット中に2つのピークを生じせしめるであろう。2つのピークの相対的高さは、変異体と正常受容体の相対的数を更に指し示すであろう。
基本的にこの発明は、例えば癌発達および治療のために重要な蛋白質の遺伝的変種の濃度を測定することを可能にする。それは、治療のための薬剤または個別の患者中の生体内撮像のためのラベル付けされた分子の形での個人化された医療のためのバイオマーカーの測定のための基礎を形成することができる。例えば、疾病状態において過剰表現されることが知られている受容体構造を認識することが知られている抗体プローブを使った患者からの組織の分析は、重みのベクトルに結果としてなるであろうし、それは一方で前記疾病の状態の判断をすることを可能とする組織の分類のために使われることができる。
細胞成長制御システム中の蛋白質の遺伝的変異は、癌の発達のために重要である。例えば、蛋白質P53を表現している遺伝子中の遺伝的変異は、多くの癌において一般的である。蛋白質中の変化のその他の例は、顕著な生物学的重要性のものであることができる緊密に関連した分子を生じせしめる翻訳後修飾(例えば、1つの例を挙げると蛋白質のグリコシル化)である。そのような修飾は分析するのが非常に難しく、質量分析法が現在はそのようなタスクのための1つの可能な技術である。抗体技術が変異と翻訳後修飾の検出のために使われることができるが、抗体技術は第一にどの変異/翻訳を検出するのかの正確な知識を要求し、第二に非常に高い特定性と緊密に関連した抗原の間の親和性に大きな差をもった抗体の発達を要求する。そのような抗体を発達させることは困難である。
この発明は、固体物体上または中の変異した蛋白質のような緊密に関連した構造を同定することを可能にする。重み付けされたプリミティブ曲線の和に基づいた指紋と組み合わされた時間分解された検出が固体サポート中の構造の同定および構造の量の定量化のために使われることができるので、異なる運動的性質をもった緊密に関連する構造(例えば、1つの例を挙げれば異なる変異をもった受容体)を結合するプローブを使うことができる。複数の結合構造の間の差についての要求は、エンドポイントに基づいた検定についてよりも厳しくないので、そのような規定されたプローブは発達させるのがより容易である。
固体物体上または中の変異した蛋白質のような緊密に関連した構造はまた、親和性精製されたポリクローン性抗体プローブの使用によって同定されても良い。ポリクローン性抗体は、免疫化された動物血清から精製され、従って典型的には免疫原の異なる免疫原性表面に結合しているいくつかの異なる抗体を含んでおり、そのためポリクローン性と表記される。そのようなポリクローン性抗体は、免疫グロブリン部分かまたはグループ特定のリガンドあるいは抗原そのもの上での親和性精製された準備のように、異なる度合いまで精製されることができる。ポリクローン性抗体をプローブとして使う時には、相互作用は生来的に不均一となるが、全てのプローブが異なるメカニズムでだが同じ受容体表面構造に結合する。異なるメカニズムに依存しているいくつかの相互作用の1つだけが受容体構造中の変化により変化させられる必要があるので、受容体構造中の小さな変化(固体表面の構造の分子的結合性質を変化させる修飾のいくつかを挙げれば、例えば、変異、配座変化、翻訳後修飾、リン酸化)が検出される可能性は従って、ポリクローン性抗体プローブを使っている時により高い。1つまたはいくつかの「丘」の指紋中のそのような変化は、治療の効果の分子的性質または臨床的予測あるいは生体内診断的撮像方法のための分子の選択の両方と相関することができる。多数の既知または未知の均質なプローブを混合することによって、例えば同じ受容体に結合することが知られている5つの単一クローン性抗体を混合することによって、または人工的バインダーを生成する時に(例えば、ファージディスプレイ中および同様の方法で)パニングプロセス中に複数の潜在的バインダーを保持することによって、ポリクローン性抗体プローブの性質を模倣することが更に可能である。抗体、scFv、ナノボディ、アフィボディ、アプタマー、ペプチドまたは結合することができるあらゆるその他の分子の一部のような、分子のその他のタイプが、そのような混合物中で使われることができる。
今日、遺伝的変異性は、細胞中のDNAまたはRNAレベルで検出される。定量的ポリマー連鎖反応(PCR)技術および関連した方法を使って、そのような分子種を高い感度で検出することが可能である。しかしながら、Ellmark P, Hogerkorp CM, Ek S, Belov L, Berglund M, Rosenquist R, Christopherson RI, and Borrebaeck CAによって、Cancer Letters 28;265(1):98-106, 2008に出版された”Phenotypic protein profiling of different B cell sub-populations using antibody CD-microarrays”というレポート(それはここに引用によって組み込まれる)に説明されているように、RNAの細胞的内容は蛋白質濃度の完全な鏡ではない。また、伝染性エージェント、例えば、重要なウィルス規定された蛋白質中に変異をもったウィルス株、が決定されることができる。この発明は、頻繁に変異した遺伝子によって表現された蛋白質の可変なエリアを標的にしているプローブの使用によって、そのような差を検出する可能性を有する。細胞状ネットワーク中の同定された相互作用している分子は、関係のある結合または調節サイト中の異なる結合性質の同定のためのプローブとして非常に有用である。
2つ以上の結合サイトをもったあらゆるプローブが使われることができ、発明は、アビディティ効果による1つ、2つまたはそれより多くの結合サイトによる構造結合間を区別することを可能にする。特に関心を呼ぶのは、二官能または多官能プローブを使う可能性である。二官能プローブは複合体を形成している分子上の2つの独立した結合表面に結合することができ、多官能プローブは2つより多くの独立した結合表面に結合することができる。発明が一価および二価の結合の貢献を同定することを可能にするので、緊密に分布した物質の内容を定量化することが可能である。多くの生物学的制御経路は形成された分子的複合体の帰結であるので、これは特に関心を呼ぶものである。
小さな差をもった構造を標的としている時には、輪郭プロット中の2つの丘が重複するかもしれない。そのような場合には、プローブ−構造相互作用の熱力学的性質が過多の異なる構造の間で異なるかもしれないので、高められた温度で(即ち、室温での代わりに37℃で)測定を行うことが有利であることができる。もう1つの可能性は、通常重複している丘を分離するために異なる環境で測定を行うことである。Andersson K, Choulier L, Hamalainen MD, van Regenmortel MH, Altschuh D, and Malmqvist MによってJournal of Molecular Recognition 14(1):62-71, 2001に出版された”Predicting the kinetics of peptide-antibody interactions using a multivariate experimental design of sequence and chemical space”というレポート(それはここに引用によって組み込まれる)に報告されているように、検定環境の小さな変化が1つのプローブと同様の構造の間の相互作用に衝撃を与えることができることは以前から知られている。従って、測定の化学的環境を適応させることによって、重複している丘を分離されたようにし得て、それは一方で測定の分析的品質を向上し得る。同じ理由付けはまた、1つより多くのプローブが使われ、2つのプローブが同様の相互作用性質でもってそれらそれぞれのターゲットと相互作用する状況にも適用される。
この発明は、異なるプローブの混合を使うことを可能にする。そのような場合には、各個別のプローブは、規定された結合性質を有し、従って独自のやり方で固体物体上の構造との相互作用に貢献する。これは、測定を多重化することを可能にする。測定された信号を異なるラベル(いくつかを挙げると、例えば、異なる放射性核種についての放射線エネルギー、または蛍光ラベルについての異なる放出波長)から分離することができる検出器を使うことによって、相当な多重化を達成することができる。各プローブは固体サポート上の構造とのその結合性質で予め規定されているので、その他のラベル付けされた分子をもった混合中のプローブとその固体サポート上の反応への貢献でさえもが同定されることができる。そのような場合には、固体物体上およびプローブの混合中の構造の相対的割合を決定することができる。これは、混合があらゆる構造に不特定に吸着する物質を含み、吸着プロセスが時間分解された性質中で分離されることができる時に特に関係のあることである。
この発明はまた、例えば酵素基板をプローブとして使うことによって、固体物体上または中の酵素活性の測定を許容する。基板が規定された性質を有する場合には、形成された酵素生産物が固体物体上または極近傍の構造に結合される。これは、固体相上の構造としての官能酵素について有効であることができる。酵素は、規定された性質をもった結合と、増加された信号生成による結合の酵素的増幅を組み合わせている、二官能プローブの結合を検出するのに使われる。そのような形成された酵素生産物は、不溶性生産物であるか、または生産物を固体相上の構造の極近傍に保持するように表面に係留されたラベルをもったポリマーの形成であることができる。
例1
以下の例では、同じ固体物体上に適用されたプローブの小さな差が、異なる相互作用マップに結果としてなり得ることが示される。HNSCC細胞ラインSCC−9(American Type Culture Collectionから入手された)が固体物体として使われた。簡単には、SCC−9細胞が、5%のCOをもつ加湿された空気を含んだ大気中で37℃において完全培地中で培養された。この例の2つのプローブは、キレーターCHXA”−DTPAを使って111Inまたは177Luのどちらかでラベル付けされた抗体cMAb U36であった。SCC−9細胞がLigandTracer Yellow (Ridgeview Instruments AB, Uppsala, Sweden)での測定に好適なやり方でプラスチックペトリ皿上で成長された。放射線ラベル付けされた抗体(1−15μg)が皿に加えられ、測定が開始された。全ての場合において、結合曲線が抗体が存在する中で少なくとも4時間の間追従され、いくつかの場合には相互作用の洗い流しフェーズに追従するために液体が純粋媒体で置き換えられた。細胞培養、抗体ラベル付け、LigantCurver Yellowセットアップ、およびその他の実用的な事項についての詳細な教えは、Nestor M, Andersson K, Lundqvist H によるJournal of Molecular Recognition 2008 May-Jun;21(3):179-83に出版された”Characterization of 111In and 177Lu-labeled antibodies binding to CD44v6 using a novel automated radioimmunoassay”と題されたレポート(それはここに引用によって組み込まれる)で入手可能である。
図4は、SCC−9物体に結合しているU36−111In(410)およびU36−177Lu(460)プローブの測定された結合曲線を示す。U36−111In(410)の場合には、U36−111Inの異なる濃度:1μg/ml(411)、15μg/ml(412)、10μg/ml(413)、5μg/ml(414)および5μg/ml(415)でもって、5つの個別の曲線が記録された。更には、測定415は洗い流しフェーズを含んでおり、そこではプローブが時間の或る点において除去されて、プローブの開放が測定された。U36−177Lu(460)の場合には、U36−177Luの異なる濃度:15μg/ml(461)、10μg/ml(462)、5μg/ml(463)、1μg/ml(464)および5μg/ml(465)でもって、5つの個別の曲線が記録された。更には、測定465は洗い流しフェーズを含んでおり、そこではプローブが時間の或る点において除去されて、プローブの開放が測定された。図4の結合曲線の両方のプロットでは、強化された視認性のために個別の測定された曲線はy−方向にシフトされている。更には、測定された曲線(ノイズのあるライン)と合計されたプリミティブ曲線による表現(スムーズなライン)の両方が示されている。
測定された結合曲線はMATLAB6.5(The Mathworks, Natick, MA)にインポートされ、一価相互作用ファミリーに属する720個の異なるプリミティブ曲線についての重みが、残差の2乗の和コスト関数とシンプレックス最適化方法を使って計算された。結果として得られた重みが、解離レート定数kの対数をx−軸上に、会合レート定数kの対数をy−軸上に、重み値を輪郭線として示されたz−軸とした、輪郭プロットとしてプロットされた。U36−111In(416)についての輪郭プロットは、特に−5<log10(解離レート)<−3の領域において、U36−177Lu(466)についてのものとは異なる。U36−111In(416)はlog10(解離レート)〜−4.2をもった僅かな高い丘を持つ一方、U36−177Lu(466)はlog10(解離レート)〜−3.5から−4をもった分散された丘を持つ。これは、プローブデザインの小さな差が分類アルゴリズム無しでさえ視認可能であることを描写いている。
例2
以下の例では、同じプローブを適用する時に、固体物体の小さな差が、異なる相互作用マップに結果としてなり得ることが示される。細胞ラインSKBR−3とSKOV−3(American Type Culture Collectionから入手された)が固体物体として使われた。簡単には、細胞が、5%のCOをもつ加湿された空気を含んだ大気中で37℃において完全培地中で培養された。この例のプローブは、蛍光マーカーAlexaFluo488でラベル付けされた抗体trastuzumabであった。Trastuzumabは、受容体HER2に結合することが知られており、細胞ラインSKOV−3とSKBR−3は、そのような受容体を表現することが知られている。細胞がLigandTracer Green prototype (Ridgeview Instruments AB, Uppsala, Sweden)での測定に好適なやり方でプラスチックペトリ皿上で成長された。短いベースライン読み取りの後で、蛍光的にラベル付けされた抗体が皿に加えられ、測定が開始された。全ての場合において、結合曲線が抗体が存在する中で少なくとも1時間の間追従され、その後で相互作用の洗い流しフェーズに追従するために液体が純粋媒体で置き換えられた。結果として得られた結合曲線はMATLABにインポートされ、例1で記載された通りに処理された。結果として得られた曲線と輪郭プロットが図5に示されている。グラフ510は、SKBR−3細胞上のtrastuzumab−HER2の測定された結合曲線(ノイズのある曲線)と、測定された曲線を表わしているプリミティブ曲線の和(スムーズな曲線)を示す。プリミティブ曲線の和で使われた重みは、輪郭プロット520に示されている。2つの支配的な丘がプロット520中に見られ、1つは強い相互作用(521)を表わし、1つは弱くて素早く解離している相互作用(522)を表わしている。僅かな低い丘(523)も見られるが、丘523の低い大きさはそれらをより重要ではなくしている。
グラフ550は、SKOV−3細胞上のtrastuzumab−HER2の測定された結合曲線(ノイズのある曲線)と、測定された曲線を表わしているプリミティブ曲線の和(スムーズな曲線)を示す。プリミティブ曲線の和で使われた重みは、輪郭プロット560に示されている。2つの支配的な丘がプロット560中に見られ、1つは強い相互作用(561)を表わし、1つは弱くて素早く解離している相互作用(562)を表わしている。僅かな低い丘(563)も見られるが、丘563の低い大きさはそれらをより重要ではなくしている。
グラフ520と560を比較した時、支配的ピークは僅かに異なる位置にある。SKBR−3(521)についての強い成分は、SKOV−3(561)についての強い成分よりも高い会合レートを有する。更には、より弱い成分は近似的に同じ親和性を有するが、SKBR−3(522)の弱い成分は、SKOV−3の弱い成分(562)よりももっと速くオン−速くオフする特性を有する。そのような微妙な差は、細胞膜中の全体的受容体環境によるか、または異なる細胞タイプ中のホモおよびヘテロダイマーライゼーションバランスにおける変形によるものであり得る。SKBR−3は乳癌腫瘍から導出される一方SKOV−3は卵巣癌腫瘍から導出され、それはHER2受容体の表現パターンと翻訳後修飾ルートに影響を与えることができることにも注意すべきである。
この例の選択されたプローブに対するHER2応答の差は、臨床的な帰結を有することができる。そのような場合には、第一に未知の固体物体についての2つの支配的なピークの位置を決定することによって、第二に検出されたピーク位置を各予め規定された位置が示唆された臨床的帰結と関連付けられている予め規定された位置のセットと比較することによって、最適な服用量または治療またはその他の臨床的帰結が判断されるであろう。
例3
以下の例では、同じプローブを適用する時に、固体物体の小さな差が、異なる相互作用マップに結果としてなり得ることが示される。細胞ラインSKBR−3とA431(American Type Culture Collectionから入手された)が固体物体として使われた。簡単には、細胞が、5%のCOをもつ加湿された空気を含んだ大気中で37℃において完全培地中で培養された。この例のプローブは、ヨウ素−125でラベル付けされた上皮細胞成長因子(EGF)であった。EGFは上皮細胞成長受容体(EGFR)のリガンドである。A431が多量のEGFRを表現し、SKBR−3が顕著により低い度合いでEGFRを表現し得ることが知られている。細胞がLigandTracer Grey (Ridgeview Instruments AB, Uppsala, Sweden)での測定に好適なやり方でプラスチックペトリ皿上で成長された。短いベースライン読み取りの後で、1nMの放射線ラベル付けされたEGFが皿に加えられ、測定が開始された。全ての場合において、結合曲線が放射線ラベル付けされたEGFが存在する中で約1時間の間追従され、その後で相互作用の洗い流しフェーズに追従するために液体が純粋媒体で置き換えられた。結果として得られた結合曲線はMATLABにインポートされ、例1で記載された通りに処理された。これらの測定は、細胞ラインA431とSKBR−3の両方について2回行われた。結果として得られた輪郭プロットが図6に示されている。輪郭プロット610は、A431測定の1つからの相互作用マップを示す。破線円(611)によって示されるように、7つの支配的な丘が同定されたので、この相互作用は複合的な性質のものであることが証明された。対応する結合曲線619は、記録された結合信号が約160カウント毎秒(CPS)であったことを示す。測定は、新たなA431細胞皿を使って繰り返され、それは輪郭プロット620に結果としてなり、そこでは7−ピークパターンが視認可能である(破線円621によって強調されている)。輪郭プロット630は、SKBR−3測定の1つからの相互作用マップを示す。7−ピークパターンが無くなっているので、記録された相互作用がA431細胞についてのものと同様であるという明確な証拠は無い。対応する結合曲線639は、約30C
PSの結合レベルを有する。SKBR−3細胞に結合している放射線ラベル付けされたEGFの第二の測定は、輪郭プロット640に結果としてなり、それもまた7−ピークパターンを欠いている。A431細胞はEGFRを高い度合いで表現することが良く知られているので、プロット610と620において7−ピークパターンに結果としてなる大きな記録された結合信号は、強いEGF−EGFR相互作用を指し示している可能性が高い。多量のEGFR(もしあれば)を表現しないことが知られているもう1つの細胞ラインSKBR−3は、はるかにより低い記録された信号と、明らかに異なる輪郭プロット(630、640)を示したので、放射線ラベル付けされたEGFは、A431上のEGFRについてとは完全に異なるやり方でSKBR−3上の少量のEGFRに結合するか、放射線ラベル付けされたEGFは、SKBR−3細胞表面上に存在する何か他のものに結合するかのどちらかである、という結論に導かれる。
例4
以下の例では、同じプローブを適用する時に、固体物体の小さな差が、異なる相互作用マップに結果としてなり得ることが示される。細胞ラインA431(American Type Culture Collectionから入手された)が固体物体として使われた。簡単には、細胞が、5%のCOをもつ加湿された空気を含んだ大気中で37℃において完全培地中で培養された。細胞は、3つの異なる条件で成長された:完全細胞培養培地(HAMS−F10+10%胎児ふくらはぎ血清)、グルコース(1g/L)で補われた完全細胞培養培地、およびFCS無しの細胞培養培地。この例のプローブは、ヨウ素−125でラベル付けされた抗体cetuximabであった。Cetuximabは受容体EGFRに結合することが知られており、A431細胞はそのような受容体を表現することが知られている。細胞がLigandTracer Grey (Ridgeview Instruments AB, Uppsala, Sweden)での測定に好適なやり方でプラスチックペトリ皿上で成長された。短いベースライン読み取りの後で、4.4nMの放射線ラベル付けされたcetuximabが皿に加えられ、測定が開始された。全ての場合において、結合曲線が放射線ラベル付けされたcetuximabが存在する中で約2時間の間追従され、その後で相互作用の洗い流しフェーズに追従するために液体が純粋媒体で置き換えられた。結果として得られた結合曲線はMATLABにインポートされ、例1で記載された通りに処理された。これらの測定は、各成長条件について2回行われた。結果として得られた輪郭プロットが図7に示されている。概略的プロット700は、cetuximab−EGFR相互作用が支配的な丘に結果としてなる相互作用マップ中の3つの領域を示す。領域701は、約10分の寿命をもった素早い相互作用成分に対応する。領域702は、遅くて(即ち、何時間もの)強い成分に対応する。領域703は、視認可能となる(701および702と比較した時に)ためにプローブのより高い濃度を要求する弱い成分を表わす。その他の6つの相互作用マップは、完全細胞培養培地中で培養されたA431細胞での2つの独立した測定(710と711)からと、グルコースで補われた完全細胞培養培地で培養されたA431細胞での2つの独立した測定(720と721)からと、胎児ふくらはぎ血清無しの細胞培養培地で培養されたA431細胞での2つの独立した測定(730と731)からの結果を含む。完全培地との相互作用(710、711)は、3つの領域(701、702、703)全ての中に丘を有する。領域702と703中の丘は、近似的に同じ大きさを有し、領域701中の丘はより少なく目立っている。グルコースで補われた培地との相互作用(720、721)は、領域702と703中に丘を有する。領域702中の丘は領域703中の丘よりも高い大きさを有する。飢餓培地との相互作用(730、731)もまた、領域702と703中に丘を有するが、領域703中の丘が領域702中の丘よりも高い大きさを有する。よって、相互作用マップの使用により、同様の固体物体の間を差別化することが可能である。相互作用マップは、関心を呼ぶものであることができる生物学的情報を明らかにすることが更に可能である。例えば、EGFR受容体は、それ自身と(ホモダイマー)および関連した受容体と(ヘテロダイマー)の両方で、細胞膜中にダイマーを形成することが知られている。一つの仮説は、3つの領域701、702および703が実際に、モノマーのEGFR、ホモダイマーのEGFRおよびヘテロダイマーのEGFRを表わすというものである。
発明は、発明者に現在知られているベストモードを構成するその好ましい実施形態について記載されたが、ここに添付された請求項に規定された発明の範囲から逸脱することなく、当業者に自明であろうような様々な変更および変形を行っても良いことが理解されるべきである。

Claims (13)

  1. 分析的または診断的手順で使用可能な固体物体の性質の測定のための方法であって、
    1つ以上のプローブであって、該プローブは問題の固体物体上の構造と相互作用して、プローブ−物体複合体を形成することが可能であるものを提供することと、
    固体物体を固体サポートに取り付けることと、
    関心のあるプローブの溶液を提供することと、
    前記溶液をサポートに取り付けられた固体物体との接触に持ち込むことと、
    プローブと固体物体の間の相互作用の存在と、プローブ−物体複合体の形成のレートを検出して、時間に渡って固体物体に結合したプローブの量を表す曲線を形成することと、
    前記曲線を、プリミティブ結合曲線の予め規定されたセット中の全てのプリミティブ曲線の荷重和で近似することと、
    前記荷重が、検出された結合曲線と荷重プリミティブ結合曲線の和の間の差を最小化するように、各プリミティブ結合曲線の荷重を計算することと、
    単独または更なるデータとの組み合わせのどちらかで、前記荷重に基づいた判断基準を使うことによって、分析的または診断的手順での使用のために前記固体物体を分類することと、
    を含む方法。
  2. 前記検出は、検出器を前記固体サポートとの接触に持ち込むことなしに行われる、請求項1記載の方法。
  3. 前記検出器は、放射能検出器か蛍光性検出器のどちらかである、請求項1記載の方法。
  4. プリミティブ結合曲線および対応する荷重の数は少なくとも9個である、請求項1−3のいずれかに記載の方法。
  5. 溶液中のプローブと固体サポート上の固体物体の間の相互作用を検出するための方法が、
    固体物体を固体サポートの選択された部分上で不動にすることと、
    前記測定を行う前に、サポートの選択された部分を覆っている溶液の量を削減することと、
    相互作用が起こっていない前記サポートの部分上で参照測定を行うことと、
    を更に含む、請求項1−4のいずれかに記載の方法。
  6. 検出と参照測定の間の差が計算される、請求項5記載の方法。
  7. 固体サポートは、その境界内に閉じ込められた溶液を保持することが可能な本質的に平坦な皿である、請求項1−6のいずれかに記載の方法。
  8. 溶液の量の削減は、サポートを水平からずれた角度に向き付けして前記サポートの持ち上げられた部分とより低い部分を提供し、持ち上げられた部分がより低い部分よりも少ない溶液によって覆われるようにすることであって、サポートは予め決められた回転速度で回転されることによって達成される、請求項5記載の方法。
  9. 形成された複合体の1つのメンバーが、放射性マーカーまたは蛍光性マーカーのようなマーカーによってラベル付けされる、請求項1−8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記プローブは、蛋白質、DNA、RNAおよび有機化合物から選択され、前記プローブは可能性として、放射性または蛍光性成分のどちらかでラベル付けされている、請求項1−9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記固体物体は、生物学的起源の物体または哺乳類組織から選択される、請求項1−10のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項1記載の方法を行うことを含んだ診断の方法であって、固体生物学的物体は、蛋白質プローブと組み合わされた組織切片であり、前記蛋白質は、前記組織切片上で疾病状態において過剰表現されることが知られている受容体構造を認識し、分類の結果は、前記疾病の状態の判断をするために使われる、方法。
  13. 請求項1記載の方法によって固体物体の品質制御または診断のために使用可能なプローブと含む、キット。
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