JP2012500999A - 減衰全内部反射ディスプレイのための垂直放出型画素アーキテクチャ - Google Patents

減衰全内部反射ディスプレイのための垂直放出型画素アーキテクチャ Download PDF

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Abstract

この発明は、導波路と、内部にTIR光を含む導波路の上面に隣接して展開される1つ以上の画素とを含む装置を提供する。各々の画素は、第1の導体を有する変形可能な活性層と、第2の導体を有するドライバ電子機器層とを含む。ドライバ電子機器層は、活性層に対して間隔を空けた配置関係で、導波路の反対側に展開される。画素の静止状態では、活性層は、FTIRを介して外部で光を光学的に結合する(すなわち画素のON状態)ように導波路の上面と接触またはほぼ接触している。画素を作動させるために、電子機器層は、第2の導体に選択的に電位差を印加し、これにより活性層を上面から遠ざけて、導波路外への光の光学的結合(すなわち画素のOFF状態)を防ぐ。

Description

発明の背景
2008年8月22日に提出された米国仮出願連続番号第61/091,176号の先の有効出願日を米国特許法第119条に基づいてここで主張する。この仮出願は、この明細書中に逐語的に述べられているとおり、すべての目的で引用によりこの明細書中に援用されている。
1.発明の分野
この発明は概してディスプレイの分野に関し、より特定的には、ディスプレイ面上で画像変調を実行する画素シャッタ機構に光を与えるために透過的なスラブ導波路を利用する透過型ディプレイの視機能を向上させることに関する。
2.関連技術の説明
この段落は、以下に記載されるおよび/または添付の特許請求の範囲に規定されるこの発明の局面に関連し得る技術のさまざまな局面を読者に紹介することを意図したものである。この説明は、この発明をより理解し易くするために読者に背景情報を提供するのに有用であると考えられる。したがって、これらの記述はこの点に鑑みて読まれるべきであり、先行技術を容認するものとして読まれるべきではないと理解されなければならない。
最も一般的に使用されるディスプレイは、印加される電圧または電流に応じて光を生成する画素のアレイと称される電気光学素子のアレイを含む。たとえば、液晶ディスプレイ、または「LCDディスプレイ」は、2つの透明電極間に展開された分子層から形成される画素のアレイを含む。電圧が2つの透明電極の両端に印加されると、分子層が点灯する。別の例の場合、プラズマディスプレイは、ガラスパネル間に含まれる不活性ガスを含む画素のアレイを含む。不活性ガスに電界を印加することによってこれをプラズマに変えて、光を放出させる。これらのディスプレイにおける画素アレイは等しい数の赤、緑および青い色の画素を含んでおり、これらは、適切な制御信号が画素に与えられるとカラー画像を生成する。
上述の従来のディスプレイの代替案として、導波管内部を移動する光を抽出するために全内部反射の減衰(「FTIR」(Frustration of Total Internal Reflection ))を利用するフラットパネルディスプレイが挙げられる。典型的なFTIRディスプレイシステムは、上に被さっている画素のアレイのための光源として作用する透過的な長方形のスラブ導波路を含む。動作時には、注入された光が導波路の表面に全内部反射されるように、光(通常、単色光)が、選択された角度で導波管にエッジ注入される。場合によっては、導波路は、導波路内を移動する全内部反射(「TIR」(total internal reflectance))光線が通過する数を増やすために、スラブ導波路の側端面のうち1つ以上が鏡張りされている。次いで、導波路内を移動する光は、導波路内に閉じ込められた光の全内部反射を減衰させることにより、各々の画素位置で局所的、選択的かつ制御可能に抽出することができる。
さまざまなフラットパネルFTIRベースのディスプレイシステムが過去数十年にわたって開発されてきた。その中には、Martin G. Selbredeによる米国特許証5,319,491(以下、 「Selbrede’491」と称する)に開示された時分割光シャッタ(TMOS:Time Multiplexed Optical Shutter)があり、その全体が引用によりこの明細書中に援用されている。さらには、たとえば、全体が引用によりこの明細書中に援用されている米国特許第7,092,142号、第7,042,618号、第7,057,790号、第7,218,437号、第7,486,854号および第7,450,799号に開示される変形例が挙げられる。
Selbrede’491および他の上述の特許に記載されるFTIRベースの光学ディスプレイの一例として、平面のスラブ導波路にわたって分散される複数の画素を含むフラットパネルディスプレイが挙げられる。このようなディスプレイの一例を図1Aおよび図1Bに示す。図1Aは、ディスプレイにおける2つの隣接する画素100および105の基本的な概略断面図である。スラブ導波路130は、2の平方根、すなわち1.4146、よりも高い屈折率を有する材料から形成されており、光源注入エッジ132から最も遠く離れたスラブエッジ上に反射コーティング(図示せず)を有する。電子機器層112を導波路130の上面133に配置して、個々の画素の各々を選択的に制御および作動させる電子機器を設けることもできる。電子機器層112はドライバ電子機器、たとえば(以下により詳細に説明される)TFT 114および導電性相互接続部116、ならびに、各々の画素を選択的に作動させるために各画素位置にある電子機器層画素導体115、150などを含む。以下に単に「画素導体」と称される電子機器層画素導体115、150は、好ましくは、インジウムスズ酸化物などの透明な導体材料から形成される。活性層118は、電子機器層112の上面125上に配置される複数のスペーサ110によって導波路130に対して並列に支持され、導波路130から間隔を空けて配置されている。活性層118は、高分子材料(たとえばエラストマ)からなる薄板120、ディスプレイ上に配置される任意の数の画素にわたる共通の導体122、および非伝導性光結合層123を含み得る。高分子材料からなる薄板120は、弾力的に変形可能であり、好ましくは、FTIRを介して光を抽出する際に光の結合を最大限活用するよう選択された高屈折率を有する透明なエラストマ材料の薄板(または膜)を含む。共通の導体122は、好ましくは、インジウムスズ酸化物などの透明な導体材料から形成される。複数のスペーサ110は、電子機器層112の上面125に対して間隔を空けた配置関係で活性層118を位置決めし、これにより、その間に微小間隙135(たとえば真空またはガスで満たされた間隙)を形成する。スペーサ110は、活性層118が各々の画素位置を囲むスペーサ110によってつながれるように、個々の画素形状の周囲において電子機器層112の上面125の両端に分散されている。一例においては、スペーサ110は、電子機器層112の上面125上に配置されたアルミニウムからなる正方形の格子で形成されており、これにより、格子の各正方形が単一画素100および105の位置を囲んでいる。このため、各々の画素100および105は、ディスプレイの離散的な小区分を表わしており、各々の画素100および105は、各々の画素位置を囲むスペーサ110によって輪郭が定められた活性層118の一部と電子機器層112の一部とを含む。
動作時には、(たとえば、赤、緑および青などの原色光を連続して点灯する)フィールドシーケンシャルカラー光が、スラブ導波路130にエッジ注入され、導波路130と、その上に配置され同様の屈折率を有する層(たとえば電子機器層112)との内部で全内部反射(「TIR」)される。エッジ注入された光は、空隙135によって形成される低屈折率被覆層と導波路の底面134を囲む空気との界面においてTIRされ、これにより、導波路130およびその上に配置された層の内部にTIR光波145を閉じ込める。たとえば、図1Aに図示のとおり、TIR光波145は、電子機器層112の上面125と導波路130の底面134との空気界面によって抑制される。これは、上面125に隣接する低屈折率の空気充填間隙135(すなわち、被覆層)と、底面134を囲む空気とが存在することに起因している。
図1Bは、互いに隣接して位置し、1つ以上のスペーサ110によって隔てられている2つの画素100、105のそれぞれのOFF状態およびON状態を概念的に示している。画素100は、非活性状態または静止状態とも称される非作動位置にある単一画素を示す。静止状態では、活性層118のうち画素100に関連付けられるスペーサ110間の部分が、電子機器層112の上面125と平行に位置しており、画素位置において光が発せられない(すなわち、画素100がOFF状態になる)ように微小間隙135によって上面125から隔てられている。たとえば、活性層118の底面140は、好ましくは、約200ナノメートル(たとえば約200nmから6000nm以上の高さ)よりも大きな間隙高さ(h)(すなわち、距離)だけ上面125から隔てられており、これにより、本質的に、間隙135にわたる導波路130から活性層118へのTIR光波145の結合が確実に起こらないようにする。
画素105は、活性状態またはON状態位置とも称される作動状態にある単一画素を示す。図1において導体150の平行線模様で示されるように、画素導体150を帯電させることによって画素105がON状態に切替えられ、これにより、共通の導体122と電子機器層画素導体150との間に十分な電位差および付随する電界を生成して、共通の導体122およびそれに取付けられたエラストマ層120(すなわち、変形可能な活性層)を変形させて、電子機器層導体150の方に移動させる。こうして、活性層118が移動して電子機器層の上面125と接触(またはほぼ接触)し、これにより、導波路内のTIR光を減衰させる。このように電子機器層導体150を活性化させると、変形可能な活性層118を微小間隙135にわたって局所的に推し進めて電子機器層112の上面125と接触(またはほぼ接触)させることにより周囲のスペーサ110によって輪郭が定められる画素105の区域において活性層118の一部が選択的に制御され作動させられる。これにより、TIR光波145を減衰させ、放出された光波155が導波路130から出るよう方向付けられ、作動した画素位置において活性層118から解放される。
電子機器層112は、典型的には、アクティブマトリクス薄膜トランジスタ(「AM−TFT」)構造などの薄膜トランジスタ(「TFT」)114、および金属の電気トレースなどの導電性相互接続部116を含むドライバ電子機器を備える。ドライバ電子機器は、個々の画素100および105をON状態とOFF状態との間で電子的に切替えるのに用いられる。たとえば、各々の画素100および105はAM−TFT装置114を含み得る。このAM−TFT装置114は、画素導体115および150に適切な電圧を印加して、間隙135にわたって(すなわち、画素導体115、150と共通の導体122との間に)十分な電位差(ΔV)をもたらすことにより電界を生成して、活性層118の変形および導波路130に向かっての高速運動を引起こす。これは、画素105に関して先に説明したとおりである。画素の状態をOFFに切替えるために、AM−TFT装置114は、画素導体115、150に印加される電圧を適切な電圧に切替えて、画素導体115、150と共通の導体122との間の電位差を十分に低減させる(たとえば、ΔV=0)。これにより、変形した活性層118が、(画素100に関して先に説明した)画素の静止OFF状態で、変形していない平行な向きに弾性的に戻ることが可能となる。
FTIRディスプレイにおける複数の画素100および105は、静電的に制御された微小電気機械システム(「MEMS」)構造であり、微小間隙135にわたって活性層118を制御可能に変形させて推し進めて、電子機器層112の上面125と接触またはほぼ接触させる。このため、直接的な接触伝播によって、および/またはエバネッセント結合により、光が導波路130から活性層118まで通過する。したがって、各々の画素100および105は、活性層118の電気機械的な変形および/またはポンデロモーティブ(ponderomotive)による変形によって微小間隙135にわたって活性層118を推し進めることによってON位置にまで動かすことができる。スラブ導波路135に関連付けられる画素導体115、150と活性層118に関連付けられる共通の導体122との間の間隙135にわたって適切な電位を印加することにより、活性層118を変形させて導波路130の方に高速運動させる。活性層118の作動は、FTIRを介してTIR光145を導波路130外に結合することができるように活性層118が上面125と物理的に接触(またはほぼ接触)するときに完了すると考えられる。抽出され放出された光155の強度は、印加電圧のパルス幅変調(PWM:pulse width modulation)(すなわちデジタルグレイスケール)によって、または印加電圧の大きさ(すなわちアナロググレイスケール)を変えることによって制御することができる。さらに、ビデオフレームレートでいくつかの原色(たとえばフィールドシーケンシャルカラー光)のための十分なグレースケールレベルを生成することを可能にするために、そして、滑らかな映像生成を維持しつつ過剰な動きおよび色割れした生成物を避けるために、接触/ほぼ接触させる動作は極めて高速で行なうことができる。
上述のとおり、Selbrede’491および上述の特許出願に記載される画素動作モードが関与する画素アーキテクチャにおいては、画素の機械的に静止した(すなわち、非作動)位置が画素のOFF状態位置(たとえば、図1Bにおける静止画素100、および図1Aに示されるような両方の画素)に該当し、そして、画素の作動位置は、画素のON状態位置(たとえば、図1Bにおいては作動した画素105)に該当する。静止位置においては、画素100は光学的に非活性である。というのも、間隙135にわたる光結合(たとえばエバネッセント結合)がさほど重要でなくなるように、活性層118がスラブ導波路130に対して間隔を空けた配置関係にあるからである。作動位置においては、画素105は光学的に活性である。というのも、活性層120の電気機械的な変形またはポンデロモーティブによる変形により活性層118が間隙135にわたって物理的に導かれ、スラブ導波路130または電子機器層112と接触またはほぼ接触し、これにより、FTIRに、作動した画素領域105から光を放出させる。
しかしながら、導波路130にわたって配置されるように電子機器層112内にドライバ電子機器を配置することで、有害な光学効果がもたらされる可能性がある。特に、電子機器層112内にアクティブマトリクスコンテキスト(AM−TFT駆動機構)においてTFTに基づいてドライバ電子機器を展開させることにより、それぞれ散乱光160および反射光165として示される光散乱および/または光強度減衰が引き起こされる可能性があり、このようなディスプレイのコントラスト比および/または光学効率を低下させてしまう。たとえば、概して、トランジスタの適切な動作を確実にするのに適したいくつかの異なる材料からなる一連の誘電体層がAM−TFT構造に含まれているので、光学効率が損なわれる可能性がある。これらの層の数は1ダース以上であってもよく、各々の層は、原料となる材料に基づいて明確に異なる屈折率を有していてもよい。結果として、特定の層厚さで屈折率を特別に順序付けることにより、層のうちの1つ(以上)に入射する光のいくらかが、不所望にも、導波路130に反射し返され(たとえば反射光165)、吸収され、および/または非TIR光(たとえば散乱光160)として散乱してしまう可能性がある。これらの層は、光(たとえば反射光165)の多くを導波路の方に反射し返すことで光減衰を引き起こし、これにより、このような光が画素作動中に視聴者に向かって放出されるの防ぎ得る。加えて、スラブ導波路面133と、その面に対する(直交する)垂線とに対して傾斜面を有した可能性のある導電性相互接続部116およびTFT 114のさまざまな層は、このような領域から不所望な散乱を引き起こし、これにより、ノイズフロアを上げ、ディスプレイシステムの有効な信号対雑音比(およびこれによりコントラスト比)を低減させることができる。こうして、ドライバ電子機器(たとえば、相互接続部、TFT)が概してスラブ導波路130の表面および/またはその上に配置された層(たとえば電子機器層112)内に配置され、これにより導波路130の内部を移動するTIR光145の経路に永久的に位置することとなるいくつかのディスプレイアーキテクチャでは、システムノイズフロアを上昇させる過剰な散乱を引き起こすかまたは光出力を劣化させることによって有害な光学効果が生じる可能性がある。
光学ノイズの別の源として、スペーサ110から散乱する光が挙げられる。この光の散乱は、TIR光145が電子機器層112および導波路130内を移動する際に上面125から延在して生成されるエバネッセント場が存在することに起因している。エバネッセント場(すなわちエバネッセント波)が上面125上に載っているスペーサ110に遭遇すると、スペーサが不連続な境界条件を引起こして、エバネッセント波を、可視スペクトルではあるが典型的には非TIR角度で伝播波に変形させる(すなわち、散乱光)。これにより、ノイズフロアを上げてディスプレイシステムの有効な信号対雑音比(これによりコントラスト比)を低減させることにより、有害な光学効果がもたらされる。
開示された主題は、上述の問題のうちの1つ以上の効果に対処することに向けられている。
発明の概要
開示された主題のいくつかの局面の基本的理解を与えるために、開示された主題の簡略な概要を以下に述べる。この概要は開示された主題を網羅的にまとめたものではない。また、開示された主題の基幹もしくは重要な要素を識別するかまたは開示された主題の範囲を線引きするように意図されたものでもない。その唯一の目的は、以降に説明するより詳細な説明の前置きとして単純な形でいくつかの概念を提示することである。
一実施例においては、スラブ導波路と、スラブ導波路の上面に隣接して展開される1つ以上の画素とを含む装置が提供される。一実施例においては、スラブ導波路は、注入された光がスラブ導波路の上面および底面において全内部反射されるように構成される。各々の画素は、変形可能な活性層およびドライバ電子機器層を含む。静止画素状態では、活性層が、導波路の上面に隣接し、当該上面と平行に位置決めされる。ドライバ電子機器層は、活性層に対して間隔を空けた配置関係で、スラブ導波路の反対側に展開される。画素のON状態では、活性層がスラブ導波路の上面から第1の選択された距離内にある場合、活性層が、注入された光の全内部反射を減衰させ、これにより、注入された光の一部が当該画素を通ってスラブ導波路を出ることを可能にする。画素のOFF状態では、ドライバ電子機器層は、電子機器層と活性層との間に電位差を与えて、活性層をスラブ導波路の上面から遠ざけるよう推し進め、これにより、注入された光が当該画素を通ってスラブ導波路を出るのを防止するよう構成されている。
開示された主題は、添付の図面に関連付けられる以下の説明を参照することによって理解され得る。添付の図面においては、同様の参照符号は同様の要素を示す。
活性層とスラブ導波路との間に展開される従来の電子機器層を用いて活性化させることのできる隣接して位置する2つの画素を概念的に示す図である。 活性層とスラブ導波路との間に展開される従来の電子機器層を用いて活性化させることのできる隣接して位置する2つの画素を概念的に示す図である。 この発明の実施例に従った、電子機器層とスラブ導波路との間に活性層を展開させる反転したアーキテクチャを用いて活性化させることができ、隣接して位置する2つの画素を概念的に示す図である。 たとえば図1Aおよび図1Bに図示のとおり、従来の画素層スタックの一部を表わし得るモデルの3層スタックにおける光を概念的に示す図である。 0°から90°の入射角および二酸化ケイ素(「SiO」)層の可変厚さ(d)についての、図3Aに示されるモデルの3層スタックを通る光の透過率を示す図である。 SiO2層の厚さの関数として2つの代表的な入射角、すなわち、従来の画素層スタックにおけるSiO2層(すなわち電子機器層)に入射する光の入射角(たとえば、0度がSiO2層の面に対して垂直である場合、75度)と、反転した画素層スタックにおけるSiO2層(すなわち電子機器層)に入射する光の入射角(たとえば5度)とについての、図3Aに示されるモデルの3層スタックを通る光の透過率の比較を示す図である。 静止したON状態および作動したOFF状態にある画素の第1の具体的な実施例を概念的に示す図である。 静止したON状態および作動したOFF状態にある画素の第1の具体的な実施例を概念的に示す図である。 画素の周囲から光が漏れるのを防ぐために、隔離碍子に入って導波路に戻る光を再利用する手段を示すための、隔離碍子を囲むディスプレイの切断部分を概略的に示す図である。 画素の周囲から光が漏れるのを防ぐために、隔離碍子付近にあるスラブ導波路から光が出るのを防ぐ手段を示すための、隔離碍子を囲むディスプレイの切断部分を概略的に示す図である。 画素の周囲から光が漏れるのを防ぐために、隔離碍子付近にあるスラブ導波路から光が出るのを防ぐ手段を示すための、隔離碍子を囲むディスプレイの切断部分を概略的に示す図である。 画素の周囲から光が漏れるのを防ぐために光を消す手段を示すための、隔離碍子を囲むディスプレイの切断部分を概略的に示す図である。 光学微細構造の具体的な実施例のさまざまな形状を示す図である。 光学微細構造の具体的な実施例のさまざまな形状を示す図である。 光学微細構造の具体的な実施例のさまざまな形状を示す図である。 単一画素についての光学微細構造の例示的な分布を概略的に示すための、活性層の下面を示す概略的な上面図である。 図6に示される活性層の下面の表面トポグラフィ(topography)を示すSEM写真である。 単一画素についての光学微細構造の別の具体的な分布を概念的に示すための、活性層の下面を示す概略的な上面図である。 静止したON状態および作動したOFF状態にある画素の第2の具体的な実施例を概念的に示す図である。 静止したON状態および作動したOFF状態にある画素の第2の具体的な実施例を概念的に示す図である。 静止したON状態および作動したOFF状態にある画素の第3の具体的な実施例を概念的に示す図である。 静止したON状態および作動したOFF状態にある画素の第3の具体的な実施例を概念的に示す図である。 図10Aおよび図10Bに示される実施例に従った、単一画素についての光学微細構造の別の具体的な分布を概念的に示すための、活性層の下面を示す上面図である。 減衰全内部反射(「FTIR」)ディスプレイシステムを概念的に示す図である。
開示された主題はさまざまな変形例および代替的な形状にすることができ、その具体的な実施例が図面において例示として図示され、この明細書中に詳細に記載される。しかしながら、具体的な実施例についてのこの明細書中の説明が、開示された主題を開示された特定の形態に限定するように意図されたものではないことが理解されるはずである。むしろ、添付の特許請求の範囲内に収まるすべての変更例、同等例、組合せおよび代替例を包含するよう意図されている。
具体的な実施例の詳細な説明
以下の説明においては、この発明の理解を助けるために具体的な実施例が記載される。しかしながら、明瞭にするために、実際の実現例のすべての特徴がこの明細書に記載されるわけではない。このような実際の実施例の開発時にも、開発者の特定の目的、たとえば実現例ごとに異なるであろうシステム関連およびビジネス関連の制約条件の遵守などを達成するために、実現例特有の多数の決定がなされる必要があることが当然ながら認識されるだろう。さらに、このような開発努力が複雑で時間のかかるものになるかもしれないが、この開示の利益を有する当業者が負うべき慣例の手順になるであろうことが認識されるだろう。
ここでは、添付の図面に関連付けて開示された主題を説明する。さまざまな構造、システムおよび装置は、説明のみを目的として、当業者に周知の詳細でもってこの発明を不明瞭にすることを避けるために図面においては概略的に示されている。それでも、開示された主題の具体例を記載および説明するために添付の図面が含まれている。
一般に、この明細書中に記載される技術の実施例では、光学ディスプレイの光学性能(たとえば信号対雑音比、発光の均一性)を高めるさまざまな画素ドライバアーキテクチャが提供される。実施例の各々においては、個々の画素についての機械的に静止した(すなわち、非作動)位置は、画素が「ON位置」(すなわち「ON」状態)にある箇所に相当する。画素のON位置は、光を発し、好ましくは視聴者に光を向ける光学的に活性の画素を指している。これにより、画素は、画素を作動させるような時までそのON位置にある。画素を「OFF位置」(すなわち「OFF」状態)に切替えるために、画素を作動させて光学的に非活性にしなければならない。
図2は、隣接して位置して1つ以上のスペーサ210によって隔てられている2つの画素200、205のそれぞれのOFF状態およびON状態を概念的に示している。図2に示される画素200および205は、画素を制御するためのTFTベースの装置を維持しつつ視機能を高める、この発明の一実施例に従った反転した画素アーキテクチャを実現する。視機能を高める反転した画素アーキテクチャの注目すべき一局面は、ドライバ電子機器層215が導波路225内を移動するTIR光の経路に位置することのないように、ドライバ電子機器層215が導波路225の上方に位置し、導波路225から間隔を空けて配置されていることである。さらに、反転した画素アーキテクチャでは、この明細書中に説明されるように、画素を作動させるのに必要なパワーが有利にはより少なくなり得る。
反転したアーキテクチャにおいては、画素200および205は、導波路225に隣接して配置される活性層218に対して間隔を空けた配置関係で上方にドライバ電子機器層215を展開させることによって、形成される。ドライバ電子機器層215は、間に第1の間隙234が形成される複数のスペーサ210によって活性層218の上面224の上方で支持される。活性層218は、高分子材料(たとえばエラストマ)でできた薄板220と、画素200、205(またはディスプレイ上に配置される任意の数の画素)上にわたって延在する共通の導体222とを含む。高分子材料でできた薄板220は、弾性的に変形可能であり、好ましくは、FTIRを介して光を抽出する際に光の結合を最大限活用するよう選択された高屈折率を有する透明なエラストマ材料を含む。好適な高分子材料は、アクリレート(acrylate)、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ウレタン、および弾力性を呈する他の高分子材料を含む。共通の導体222は、好ましくは、インジウムスズ酸化物(「ITO」)などの透明な導体材料から形成される。活性層218が各々の画素位置を囲むスペーサ210によってつながれるように、スペーサ210は、個々の画素形状の周囲において活性層218の上面224にわたって分散される。スペーサ210を作製するのに適した材料はアルミニウムおよびフォトレジストを含むが、広範囲の透明または不透明なパターン化可能な材料(たとえば、金属、ポリマー、ガラス、セラミックなど)からスペーサ210が作製可能であることに留意されたい。一例においては、スペーサ210は活性層の上面224上に配置されたアルミニウムからなる正方形の格子から形成されており、このため、格子の正方形が単一画素200および205の位置を囲んでいる。ドライバ電子機器層215は、各々の画素を選択的に作動させるために画素位置の各々において、電子機器層画素導体245および255を含む。以下に単に「画素導体」と称される電子機器層画素導体245、255の各々は、好ましくは、インジウムスズ酸化物などの透明な導体材料を含む。ドライバ電子機器層215は、また、電子装置246(たとえばTFT)と、個々の画素200および205をON状態とOFF状態との間で選択的に切替えるための導電性相互接続部248(たとえば電気トレース)とを含み得る。
TIR光波240によって示されるように、導波路225に入る光が導波路225の上面242および下面243に全内部反射されるように、光源235は、光注入面241を介して導波路225に光を注入する。図2に図示のとおり、導波路225はスラブ導波路であってもよく、このスラブ導波路は反射エッジ面244を有しており、この反射エッジ面244は鏡張りされているため、注入されたTIR光240を反射させて導波路225に戻し、内部を通るTIR光が通過する数を増やす。図示しないいくつかの実施例には鏡張りされたエッジ面244が省かれている可能性があることに留意されたい。導波路225は、可撓性のあるプラスチック(すなわち、可撓導波路基板)を含む、光学グレードのガラスまたはプラスチックなどの好適な如何なる導波路材料から作製されてもよい。さらに、導波路225の形状が平面(たとえば平面の長方形スラブ)または湾曲した導波路基板などの非平面であってもよいことに留意されたい。
反転したアーキテクチャは、静止状態で活性層218を導波路225の上面242に接触(または、ほぼ接触)させることを可能にする点で(先に述べた)従来のアーキテクチャとは異なっている。したがって、画素200および205は、機械的に静止している(すなわち、作動されていない)場合、ON状態または活性状態(すなわち、光学的に活性)である。図2に図示のとおり、画素205は、ON状態にある非作動の単一画素を示す。画素導体245が(平行線が引かれた箱245によって示されるように)電気的にオンにされないというのは、画素を作動させるのに十分に電界または電位が画素205に印加されず、このため、画素205が作動されるまで静止した画素205がON状態のままになるという点においてである。静止状態では、活性層218のうち画素205に関連する部分が、画素205の領域内の導波路225の表面242に当たるTIR光240の全内部反射を減衰させるために、上面242に十分に近接して位置決めされる。こうして、導波路の上面242に対して活性層218を近接させることにより、FTIRを介して導波路225外にTIR光240が結合され、TIR光240が出射光250として視聴者の方に向けられる。
この開示の利益を有する当業者であれば、TIR光を減衰させるのに必要な活性層218と導波路225との間の分離が、活性層218および/または導波路225、さらには、導波路の上面242に隣接して形成され得る他のいずれかの層を作製するのに用いられる特定の材料に依存することを認識するだろう。さらに、出射光250の強度は、活性層218と導波路225との間の距離を変えることによって(たとえば、印加された電位および/もしくは電界を変えることによって)、または、画素がたとえばパルス幅変調を介して単一ビデオフレームまたはサブフレーム内でON状態になる時間とOFF状態になる時間との割合を変えることによって変更することができる。ビデオフレームレートで複数の原色(たとえばフィールドシーケンシャルカラー光)のための十分なグレースケールレベルを生成することを可能にするために、かつ、滑らかな映像生成を維持しつつ過剰な動きおよび色割れした産物を避けるために、接触させる/ほぼ接触させる動作を非常に高速で行なうことができる。
単一画素を作動させるために、印加電圧により、共通の導体222と画素導体245、255との間に電位差がもたらされ、これにより、画素の位置(すなわち画素のOFF状態)で導波路225外へのTIR光の結合を防止するために変形可能な活性層218が導波路の上面242から引き離される。たとえば、画素200は、OFF状態である作動した単一画素を示す。画素200をOFF状態に切替えるために、図2において導体255の平行線模様によって示されるように画素導体255を帯電させる。画素の電子装置246(たとえばTFT)を活性化させることにより、画素導体255において電圧または電荷が制御される。この画素導体255は、共通の導体222と組合されると電荷差(ΔV)を生成し、これにより、変形可能な活性層218を導波路225の上面242から離して画素導体255(すなわちドライバ電子機器層215)の方に局所的に推し進めて、活性層218と導波路225との間に第2の間隙260を形成することにより、周囲のスペーサ210によって輪郭が定められた画素200の区域における活性層218の対応する部分を選択的に作動させる。間隙260の高さはスペーサ210の高さにほぼ相当するものであり、画素の位置の領域においてTIR光240が導波路225から漏れ出たり活性層218に結合したりするのを実質的に防ぐのに十分に大きくなるよう選択されている。なお、この開示の利益を有する当業者であれば、この文脈において用いられる「実質的に」という語が、漏れ出る光の強度がいずれも選択された許容差を下回っていることを示すよう意図されたものであることを認識するはずである。特に、いくらか許容可能な量の光が、依然としてスラブ導波路225から漏れ出る可能性があるのは、たとえば、さまざまな層における欠陥からの散乱および/または反射に起因しており、そして、導波路(たとえば装着ブラケット)などの表面上の金属物体に遭遇するTIR光240によって形成される再構成されたエバネッセント波の放出に起因するものである。当業者であれば、選択された許容差が、所望のコントラスト比、スラブ導波路225の極めて平坦かつ平行な表面を実現するための費用、光が漏れ出るのを抑制するためのスラブ導波路225の光学的品質などの要因に依存した実現例特有のものになるであろうことを認識するだろう。
ドライバ電子機器層215を導波路225から離して間隔を空けて配置することにより、反転したアーキテクチャが、上述のとおり、従来のアーキテクチャに伴う光損失および光散乱を減らすことによって画素205の視機能/光学性能を向上させる。一局面においては、出射光250がドライバ電子機器層215に当たってこれを横切る角度にして、その内部の電子装置246(たとえばTFT)および導電性相互接続部248と遭遇して相互作用する機会を激減させた結果、光損失および光散乱が抑制される。特に、出射光250は、ドライバ電子機器層215の下面261に対して垂直な角度に近い角度θでドライバ電子機器層215に入射する。換言すれば、ほぼすべての出射光250が、臨界角θc(たとえば、θcはガラスと空気との境界面については42度である)を下回る角度θで、すなわちθcと0°との間の非TIR角度で、下面261に当たってこれを横切る。この場合、以下に記載される図3Aに概略的に示されるように、下面261に対して垂直な垂直角は0°に等しい。いずれかの2つの層の境界における臨界角も各々の層の屈折率によって決定されることに留意されたい。たとえば、臨界角は、空気界面に対するガラス媒体におけるTIR光については42°である。従来のアーキテクチャにおいては、TIR光145は、図1に図示のとおり、電子機器層112の下面126に対してより平行なTIR角度で電子機器層112に当たる。より具体的には、導波路130において移動するTIR光145はほぼすべて、臨界角θcを上回る角度θで、すなわち(図3Aに示される)θcと90°との間のTIR角度で、電子機器層112に当たる。こうして、スラブ導波路130におけるTIR光145が、そこに配置される電子機器層112に結合し、その内部(すなわちTIR光経路内)の電子装置114および導体116に遭遇する可能性が高くなり、これにより、電子機器層112内への光の不所望な散乱および/または閉じ込め(すなわち、光学ノイズおよび/または光損失)がもたらされる。対照的に、反転したアーキテクチャにおいて活性層218を介して導波路225から漏れ出た出射光250は、表面261に対して垂直により近い角度でドライバ電子機器層215に当たり、こうして、この出射光250は、ドライバ電子機器層215をより直接的に横切ることによって優先的に通される。この場合、出射光250が電子装置246(たとえばTFT)および導電性相互接続部248に遭遇し、これと相互作用して光の損失、散乱および反射を引き起こす可能性が比較的小さくなる。加えて、ほとんどの出射光250は、電子装置246および導電性相互接続部248から離れた区域においてドライバ電子機器層215に当たることにより、このような電子機器に遭遇する機会をさらに減らして、光学ディスプレイシステムにおける光損失および光学ノイズをさらに低減させる。
TIR角度に対して非TIR角度で移動する層(たとえば電子機器層)に対する入射光を優先的に透過させるという一般的な概念を図3A、図3Bおよび図3Cに示す。図3Aは、モデルの3層スタック302のガラス層において移動する光300を概念的に示す。3層スタック302は、(屈折率、RI=1.52を有する)ガラス層305、二酸化ケイ素(「SiO2」)層310(RI=1.46)、およびアクリレート層315(RI=1.58)を含む。このモデルの場合、層305、310、315は互いに密に接触している。3つの層305、310、315は、以下のa)〜c)に起因して選択された。すなわち、a)ガラスは導波路を表わす。というのも、FTIRディスプレイにおいては、導波路は通常ガラスであり、光が、従来のアーキテクチャおよび反転したアーキテクチャのどちらにおいてもこの層に注入されるからである。b)SiO2は電子機器層を表す。というのも、SiO2は、電子機器層内において低温ポリシリコン(LTPS)TFTアクティブマトリクス装置を製造するのに用いられる誘電体層の最低屈折率を有するからである。c)アクリレートは活性層を表わす。というのも、アクリレートは、(以下にさらに詳細に記載するように)導波路から光を抽出するためのFTIRディスプレイにおいて活性層を作製するのに用いられる共通の材料であるからである。したがって、3層スタック302は、図1Bの作動した画素105によって先に示されるような従来の画素層スタック、または、図2の静止画素205によって示されるような反転した画素層スタックにおいて実現され得る電子機器層112および215にわたる光透過を単純に表している。モデル3層スタック302についてマクスウェル方程式(Maxwell's equations)を解くことにより、SiO2層の入射角320および厚さ325の関数としてSiO2層に入射する(ガラス層305における)光300の透過率が決定される。
SiO2層310に入射する光300の透過率は、SiO2層310の3つの異なる厚さ(ナノメートルで「d」)に関して0°〜90°の入射角320の関数として図3Bにおいてグラフ化される。図3Aを参照すると、0°の入射角320を有する光300はSiO2層310の表面に対して垂直であり、90°の入射角320を有する光300はその表面に対して平行である。たとえば、ガラスについての臨界角がRI=1.0(たとえば空気)を有する境界層に対して42°である場合、図3Bは、臨界角を下回る角度で移動する光の反射(すなわち、被覆(cladding))がほとんどないことを示している。TIRが起こる場合には臨界角を上回っているのに対して、光の透過は、SiO2層310の厚さ325および入射角320に非常に依存している。
図3Cはまた、SiO2層310の厚さ325の関数として2つの代表的な入射角を有する光300についてのSiO2層310を通る光の透過率を示す。5度の入射角320を有する破線330は、反転したアーキテクチャにおいて電子機器層215に当たる光250の典型的な入射角であり、75度の入射角320を有する実線335は、従来のアーキテクチャにおいて電子機器層112に当たる平均的なTIR光145の典型的な入射角である。図3Cはさらに、5度の入射角を有する光、すなわち臨界角を下回る角度で移動する光の場合、光が通過するSiO2層310の厚さとは無関係に光の反射(すなわち、被覆)がほとんどないことを証明している。しかしながら、75度の入射角を有する光、すなわち、TIRが起こる場合に臨界角を上回る角度で移動する光、光の透過、およびその反射(すなわち被覆)は、SiO2層310の入射角320および厚さ325に極めて依存している。そのため、著しい光損失が起こり、SiO2層が厚くなるにつれてその損失が大きくなる。このモデルによって示される透過率によって容易に理解されることとして、ドライバ電子機器層215(またはTFTアレイ)に当たるほとんどの光250の入射角320が非TIR角度(たとえば、ガラスと空気との境界面に関する臨界角42度を下回る角度)をなしている反転したアーキテクチャにおいては、光反射(すなわち被覆)が最小限にされ、或る程度まで無視できるものであり、さらには、図2に示されるドライバ電子機器層215の厚さとは無関係であることが挙げられる。電子機器層112(またはTFTアレイ)がスラブ導波路130上に作製されている図1に示される従来のアーキテクチャにおいては、スラブ導波路130内にあり電子機器層112に入射するすべての光(すなわちTIR光145)が臨界角を上回るTIR角度320で移動しており、大部分のTIR光は約60度よりも大きい角度320で移動する。このため、従来のアーキテクチャにおいては、光反射(すなわち被覆)は、約75度よりも大きな入射角を有する光については実質的にまたほぼ100%の光損失となる可能性がある(すなわち、画素から抽出することができない)。
以下の具体的な実施例では、図2に示される画素アーキテクチャに関する上述の説明が組み込まれており、この発明のさまざまな実施例に従った画素アーキテクチャの付加的な詳細および特徴がさらに記載されている。図4Aおよび図4Bは、静止したON状態および作動したOFF状態にある画素400の第1の具体的な実施例をそれぞれ概念的に示す。画素400は、導波路402、活性層408、およびドライバ電子機器層430を含む。ドライバ電子機器層430は、図2に関して先に記載されたように、画素400の周囲に位置して間に第1の間隙434を形成する複数のスペーサ432によって活性層408の上面416に対して間隔を空けた配置関係で位置決めされている。導波路(すなわち光ガイド)402は、光が導波路402の上面405、下面407および複数のエッジ面(図示せず)に全内部反射されるように適切な角度(すなわち、特定のガラスと空気との境界面に対してθcよりも大きな角度)で導波路402に注入される光を含むよう構成されている。導波路402は、エッジ面のうちの1つ以上に隣接する光源(図示せず)によって照らされるエッジであってもよい。たとえば、導波路402は、典型的には光注入エッジと称される導波路402のエッジ面のうちの1つに光を注入する発光ダイオードによって照らされるエッジであり得る。エッジ注入された光は導波路402内で全内部反射され、これにより、TIR光404の例示的な光経路によって示されるように、TIR光404が閉じ込められる。先に述べたように、導波路402は、特定の用途に応じて剛性の導波路または可撓性のある導波路を設けるために、透明なガラスおよび可撓性または剛性のプラスチック材料から作製されてもよい。
図4Aは、画素の静止位置(すなわち、非作動)またはON状態にある画素400を示す。この場合、画素は、図2に関して先に記載したように、視聴者に向けて光を発するように光学的に活性である。活性層408は、導波路402の上面405と接触またはほぼ接触しており、これにより、活性層408は、画素400の位置で導波路402内の光404の全内部反射を減衰させることにより導波路402から光を抽出する。活性層408は、好ましくはFTIRを介して光を抽出する際に光の結合を最大限活用するよう選択された屈折率を有する高分子材料(たとえばエラストマ)の薄板で作製され得る可撓性のある膜406を含む。好適な高分子材料は、PET、ウレタン、アクリレートおよびその組合せなどの光学的に透明であるかまたは透過的な高分子材料を含む。活性層408は、膜406の上面415上に配置された共通の導体429を含む。共通の導体429の特定の位置が、先に示したように活性層上に配置され得るか、または図2において共通の導体222によって先に示されたように活性層408内に配置され得ることに留意されたい。共通の導体429は、好ましくは透明な導電性材料(たとえばITO)から作製された導電層である。
活性層408はまた、活性層408の下面414(すなわち導波路に面する表面)に配置された複数の光学微細構造410(たとえば、微細小型レンズアレイ)および複数の隔離碍子412を含む。光学微細構造410は、導波路402からの光抽出を容易にし、視野角を最適化する。隔離碍子412は活性層408を支持し、かつ個々の画素の形状の範囲を定めるのに必要な構造上の完全性を提供する。光学微細構造410および隔離碍子412は、当業者に公知の本質的に好適な如何なる処理技術によっても活性層408の下面414に形成され得る。たとえば、活性層408を成型するか、熱形成するか、エンボス加工するか、エッチングするかまたは幾つかの高分子加工技術で処理して、微細構造410および隔離碍子412を形成してもよい。各々の光学微細構造429の下面はアパーチャ416と称される。というのも、導波路402から抽出された光がこの面を通過し、導波路402の上面405と接触して導波路402内でTIR光404を減衰させ、これにより、導波路402からの光404を出射光418として局所的に抽出し、出射光418の例示的な光経路によって示されるように出射光418を視聴者に方向付けるからである。たとえば、コントラスト比を向上させ、光学ノイズ(ディスプレイ表面から漏れ出る過剰で不所望な光)を減らすことにより光学性能をさらに高めるために、図4Aに示されるように、不透明層420(たとえば、導電性または非導電性の光吸収物質)をさまざまな光学微細構造のまわりに配置して、輝度を高め、光学ノイズを減衰させることもできる。光学微細構造を利用する利点が、共有される米国特許7,486,854号により十分に記載されている。
不透明層420は、活性層408の下面414上で光学微細構造410間に配置される。ディスプレイの基本操作に不透明層420の存在は不要である。しかしながら、不透明層420が存在することで、ディスプレイの全体的なコントラスト比が向上する。一実施例においては、光が主としてアパーチャ416を通ってまたはアパーチャ416だけを通って移動するはずであり、活性層408の下面414の残りの部分を通る光の量はわずかになるかまたは全くなくなるはずである。これにより、好ましくは、不透明層420は、光学微細構造410間の隙間区域422を実質的に満たして、光が隙間区域422を通って出て行くのを防ぐのを容易にする。不透明層420は、隙間区域422に配置され光学微細構造410の側面424の一部上に延在する相似被覆(conformal coating)(図示せず)を含み得る。これにより、間隔426によって導波路402の上面405から不透明層420が隔てられる。しかしながら、任意の不透明層が存在していない場合、間隔426により、導波路の上面405から活性層の下面414が隔てられることに留意されたい。光学微細構造のアパーチャ416および導波路の上面405が接触しているかまたはほぼ接触している場合、間隔426は最小限にされる。不透明層420を製造するための不透明材料は、活性層408を横断した後に視聴者によって見られる光だけが最初に光学微細構造410を通過することを確実にするために、光を吸収する。不透明層420は、当該技術において公知の多種多様な好適な不透明材料、たとえば、黒いフォトレジストなどの着色材料、フォトパターン可能な黒いポリマー、黒い超微細泡などを含み得る。任意には、不透明材料は、図9A、図9B、図10Aおよび図10Bに関して以下に説明するように、導電性であってもよい。
画素400のための駆動機構は、活性層408の共通の導体429と、第1の間隙434によって活性層から隔てられたドライバ電子機器430とを含む。図4Aおよび図4Bに示されるように、スペーサ432が共通の導体429上に直接配置される場合、画素400の作動中に共通の導体429に電荷が印加される際の帯電を防ぐために、スペーサは好ましくは非導電性材料(たとえば透明または不透明なフォトレジスト)から製造される。一例においては、スペーサ432は、ドライバ電子機器層430の下面436上に格子状のパターンで処理されて、正方形のフォトレジスト材料が各々の画素位置の周囲を囲んで範囲を規定するようにフォトレジスト材料を堆積させることによって作製されている。共通の導体429は、画素400を作動させることのできる電界を生成するのに使用可能なコンデンサのプレートを形成する透明な導電性材料(たとえばITO)を含む。
ドライバ電子機器層430は、図2に関連付けて先に述べたように、電子機器層画素導体440、電子装置446(たとえばTFT)および導電性相互接続部448を含む。画素導体440はまた、画素400を作動させることのできる電界を選択的に生成するのに用いられるコンデンサのプレートを形成する透明な導電性材料(たとえばITO)の層である。電子装置446および相互接続部448は、必要な電荷(すなわち電位差)を画素導体440に選択的に与えることにより、先に説明したように、画素400をON状態からOFF状態に切替えたり、画素400をOFF状態からON状態に切替えたりする。加えて、図4Aおよび図4Bに示されるように、ドライバ電子機器層430は、出射光418に対して実質的に透過的である誘電体層438、中間層442および基板444を含み得る。誘電体層438は、共通の導体429と画素導体440との間の電気的短絡およびアーク放電を防ぐ。中間層442は、典型的には電子装置446(たとえば、さまざまな屈折率を有する一連の導体、半導体および誘電体層によって形成されるTFT)ならびに/または相互接続部448の形成中に堆積した一連の層(図示せず)を含み得る。ドライバ電子機器層430内において導波路402の表面から離して電子機器446および448を配置することで、かつては従来の画素アーキテクチャにおける導波路上にそれらの層が存在することに関連付けられていた有害な光学効果が緩和される。
動作中に、画素400への電気信号が画素400をON状態からOFF状態に切替えた場合、機械的に静止した(すなわちON位置にある)画素を駆動するかまたは作動させると、FTIRを防止するために、活性層408を局所的に変形させて導波路402から引き離すのに十分に導体429と440との間に選択的に電位差を与えることが必要となる。換言すれば、図2に関連付けて先に記載したように、画素400がOFF状態に切替えられると、ドライバ電子機器が、(この明細書中では第1の導体とも称される)共通の導体429と(この明細書中では第2の導体とも称される)画素導体440との間に電位差をもたらす。十分な電位差が画素導体440と共通の導体429との間に形成されると、クーロン(または静電気)引力により、図4Bに図示のとおり、複数の光学微細構造410がそれ以上導波路402外に光を結合することができなくなるように、活性層408の少なくとも一部が十分な間隔を空けて導波路402の上面405から引き離される。特に、複数の光学微細構造410は、導波路402の上面405から物理的に除去され、導波路402の上面405に対して間隔を空けた配置関係で再度位置決めされ、これにより、その間に第2の間隙450を形成して、付随的に第1の間隙434を狭くする。
第2の間隙450は、光学微細構造410のアパーチャ416と導波路402の上面405との間に十分な高さ(すなわち距離)を有しており、これにより、間隙450にわたってTIR光波404の結合が無視できるほどになるかまたは全くなくなることが確実にされる。間隙高さは約200nmよりも大きくてもよく、たとえば、約200nmから約6000nm以上の高さであるか、好ましくは、約500nmから約700nmの高さであってもよい。こうして、画素400を作動させるかまたは駆動することにより、画素を光学的に非活性にするために周囲の隔離碍子412間に位置する活性層408の少なくとも一部を導波路の上面405から十分な間隔を空けて物理的に推し進めることが必要となる。図4Bに示される作動した画素400は、そのOFF状態またはOFF位置にあるものとみなされる。
さらに、動作中に、画素400に対する電気信号によって画素400がOFF状態からON状態に切替えられると、導体429と440との間の電位が等しくなり、これにより、活性層408がその静止した通常のON位置まで後退するように活性層408が解放されることとなる。電位差を(十分な電位差を下回る値にまで)下げるか、または電位差(ΔV=0)を完全になくすことにより、図4Bに示される変形したエラストマ活性層408に蓄えられたポテンシャルエネルギ(すなわち、蓄えられた機械エネルギ)が解放される。ポテンシャルエネルギがこのように解放されることにより、エラストマ活性層408が駆動されて通常の静止したON位置にまで戻され、ここで、光学微細構造410が図4Aに示されるように導波路402の上面405と接触する。
こうして、この明細書中に記載される画素の実施例により、FTIRベースのディスプレイシステムの反転したアーキテクチャが提供される。この場合、ドライバ電子機器(たとえば相互接続部、AM−TFT)は、導波路402の表面に対して間隔を空けた配置関係で(すなわち空隙の反対側に)位置するドライバ電子機器層430内に配置される。導波路402内部を移動するTIR光の経路において永続的にではなく画素の作動中に放出されている光の経路にのみ存在するようにドライバ電子機器に関連付けられる層を導波路402から遠ざけて配置することにより、この明細書中に記載されるように、重要かつ有益な光学上の結果(たとえば光散乱の低減、発光均一性の向上など)が得られる。
各々の画素位置の周囲における複数の隔離碍子412(すなわち、活性層408のうちスペーサ432と導波路の上面405との間につながれた部分)により、画素400の作動状態中および非作動状態中に導波路402の上面405との接触が維持される。これにより、隔離碍子412によって(すなわちFTIRを介して)導波路402から抽出された光404が、この明細書中では「光漏れ(light leakage)」と称される各画素の周囲における不所望な発光をもたらして、グローを視覚的に生じさせる可能性がある。隔離碍子412を介する光漏れおよび/またはスペーサ432による光散乱を最小限にするために、画素400は、(FTIRを介して)隔離碍子412に入って導波路402に戻っていく光を再利用する目的で各画素の周囲において隔離碍子構造412の上方かつスペーサ432の下方に位置する反射層452を任意に含み得る。反射層452の特定の位置は重要ではないが、反射層452は、活性層408の上または活性層408内に、隔離碍子構造412の上方で垂直に並んでまたは中心に配置されてもよい。図4Aおよび図4Bにおいては、反射層452は、活性層の可撓膜406内に配置され、隔離碍子412の上で垂直に中心に配置されている。(導波路402から)隔離碍子構造412に入るTIR光404は、反射層452の反射面453に反射し、反射した光線454の経路によって示されるように導波路402の内部に戻る。別の例においては、図4Cは、任意の反射層の代替位置を示す。図4Cは、隔離碍子412を囲む画素400の破断領域を示す。この例においては、反射層452は活性層408に配置され、この場合、反射層452が共通の導体429上に堆積している。隔離碍子412に入るTIR光404は、反射した光線456の経路によって示されるように、反射層452の反射面453に反射し、導波路402の内部に戻る。
図4Dおよび図4Eは、光が導波路420を出て、FTIRを介して隔離碍子412に入るのを防ぐことにより、隔離碍子412を介する光漏れを最小限にする代替的な手段を示す。図4Dに示される一例においては、隔離碍子は被覆隔離碍子458であり、これは、被覆特性を与えるよう低屈折率または負屈折率の材料を含んでいる。図4Dは、被覆隔離碍子458を囲む画素400の破断領域を示す。低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子458は活性層の下面414上に形成されてもよい。そのため、導波路の上面405と接触する低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子458は、光404が被覆隔離碍子458付近の導波路402を出ていくのを防ぐ。図4Eに示される別の例においては、光が隔離碍子412付近の導波路402を出るのを防ぐために、被覆層460が導波路の上面405に配置されている。被覆層460は、被覆特性を与えるために低屈折率または負屈折率の材料を含む。被覆層460は、光が隔離碍子412に入るのを防ぐために、各画素の周囲において隔離碍子構造412の下方に位置してもよい。被覆層460を特定の位置に置くことは重要ではないが、被覆層460は、導波路402の上にわたって(すなわち、導波路402上、または導波路の上面405と密に接触しているいずれかの層の上で)、隔離碍子構造412の下方で垂直に並んでまたは中心に配置されてもよい。図4Eに示されるように、被覆層460は導波路の上面405に配置され、隔離碍子412の下方で垂直に中心に配置される。そのため、低屈折率または負屈折率の被覆層460に当たるTIR光404は、導波路402に全内部反射し返され、これにより、光が隔離碍子412に入るのを防ぐ。
図4Fは、各画素の周囲において隔離碍子412を介する、および/またはスペーサ432を介する、もしくスペーサ432周りにおける光漏れを最小限にする別の代替的手段をさらに示す。画素400は、隔離碍子412を通過するFTIR光を取り込む(すなわち、吸収する)ために各画素の周囲において隔離碍子構造412の上方に位置する吸収層462を任意に含み得る。吸収層462を特定の位置に置くことは重要ではないが、吸収層462は、隔離碍子構造412の上方で活性層408の上または活性層408内に配置されてもよい。代替的には、スペーサ432が透明材料または半透明材料から作製される場合、吸収層462は、スペーサ432の上方に、たとえばドライバ電子機器層430の上またはドライバ電子機器層430内に配置されてもよい。吸収層462は、隔離碍子構造412および/またはスペーサ432の上方で垂直に並んで、または中心に配置されてもよい。図4Fに示されるように、吸収層462は電子機器層430内に配置され、透明なスペーサ432上にわたって垂直に中心に配置される。これにより、スペーサ構造432を通過するかまたはスペーサ構造432の周りを移動する出射光線418が、出射光線418の経路によって示されるように、吸収層462によって取り込まれて消滅する。吸収層462は光吸収物質を含んでおり、たとえば、1つの好適な材料として黒いフォトレジストが挙げられる。画素周囲における光漏れを減らすための、図4A/図4B、図4C、図4D、図4Eおよび図4Fに示される手段のうち1つ以上が、この明細書中に記載される画素の実施例のいずれかにおいて使用可能であることに留意されたい。たとえば、(以下に記載される)図9Aおよび図9Bに示される画素の実施例は、透明なスペーサ構造を通って移動する光を消滅させるために吸収層を展開させる。また、(以下に記載される)図10Aおよび図10Bに示される画素の実施例は、光が隔離碍子構造に入るのを防ぐために低屈折率または負屈折率の層を利用する。
図5A、図5Bおよび図5Cは、光学微細構造410のさまざまな形状を示す。光学微細構造410は、角錐台410a(図5A)、円錐台410b(図5B)および複合放物線410c(図5C)、複合楕円形、ポリオブジェクト(polyobject)、または回転されて立体を形成する任意の円錐部を有し得る。好ましくは、光学微細構造410は角錐台形状410aを有する。角錐台形状410aが有する側面424は概して平坦面であり、たとえば図5Aに示されるように、互いに隣接し、光学微細構造410の円周囲にある6つの平坦な側面424である。アパーチャ416(すなわち、角錐台の光学微細構造の底面)は、概して、多角形状、たとえば図5Aに示されるような6角形状のアパーチャ416、を有する平坦面であり、導波路の上面405と平行な向きを有している。角錐台410aの平坦面は如何なる特定の数にも限定されず、他の形状(たとえば、対応する三角形または正方形のアパーチャを備えた3つまたは4つの平坦な側面を有する角錐台)が用いられてもよいことが留意されなければならない。
図6は、画素400の第1の具体的な実施例において展開され得る例示的な活性層408の下面414の上面図を示す。図示のとおり、光学微細構造410dは、4つの平坦な側面424と正方形のアパーチャ416とを有する角錐台410aの形状を有する。活性層408の下面414にわたる光学微細構造410dの分布は、光学ディスプレイにおける個々の画素の光学性能および効率を最適化するよう変化し得る。たとえば、光学微細構造410dおよび隔離碍子412は、光学微細構造410dが好ましくは中心領域600に配置されるのに対して、隔離碍子412が画素の外側領域(すなわち周囲)602に配置されるように、画素400内に分散される。画素400の中間領域604に光学微細構造410が存在していないことにより、画素400をOFF位置に作動させた場合に光が導波路402外に結合されないことが確実にされる。換言すれば、すべての光学微細構造410を中心領域600内に含め得る。これにより、画素をOFF位置(たとえば図4Bおよび図9B)に作動させた場合に、光学微細構造410が導波路402の上面405から十分な距離を空けて位置する。こうして、FTIRを介する導波路402外へのTIR光404の結合が排除される。そうでない場合、OFF位置では、中間領域604内に光学微細構造410が存在していることで導波路402の上面405からの変動距離がわずかになり、結果として、いずれの光学微細構造も上面405からの距離が不十分となり、エバネッセント結合によって光がFTIRを介して導波路外に不所望に結合されることとなる。このため、個々の画素の中間領域604においては光学微細構造410をなくすことが好ましい。
隔離碍子412は、この明細書中に記載されるさまざまな光学微細構造のいずれの形状とも同様の形状を含む多種多様な形状で作製され得る。たとえば、図6に示される隔離碍子412は、複数の光学微細構造410と同じ形状であるが、サイズはより大きくなっている。図4A、図4Bおよび図4Cに関連付けて先に述べたように画素400の実施例内における反射層452の支援とともに、隔離碍子412の形状としてさまざまな光学微細構造形状のうちの1つを実現することは、隔離碍子412に入る光線418が入射角と本質的に等しいTIR角度で導波路402に再度差し込まれて、TIR光をうまく再利用する可能性を高めるのに有利となり得る。隔離碍子412の特定の形状(たとえば、隔離碍子が有する角度付き側面の向きまたは角度)および寸法は、所与の光学ディスプレイに対して最適化され得る。しかしながら、図4D、図4Eおよび図4Fに示される被覆隔離碍子、被覆層または吸収体層を使用することで、光学微細構造形状の隔離碍子の利点が不要になることにも留意されたい。
別の図においては、図7は、図6に示されるのと同様の光学微細構造および隔離碍子の分布を有する活性層408の下面414を示す上面図の顕微鏡写真を示している。この場合、視野が約45度だけ回転され、単一画素についての幅および長さ寸法(x)はともに約250ミクロンとなる。アクリレートを含む活性層は、複数の光学微細構造410と、当該光学微細構造410が中心領域600に閉じ込められ、光学微細構造が存在していない中間領域604によって囲まれるように活性層の下面414上に形成された複数の隔離碍子412とを有する。画素400の周囲における隔離碍子構造412は、中間領域604を囲む外側領域602に位置する。図示のとおり、単一画素の周囲における隔離碍子412は隣接する画素によって共有されてもよい。
図8は、画素400の第2の具体的な実施例において展開され得る別の例示的な活性層408の下面414の上面図を示す。図示のとおり、画素400の外側領域602(すなわち画素の周囲)に配置される複数の隔離碍子412はまた、中心領域600に配置された光学微細構造410と同じ寸法を有していてもよい。図8に示されるように、たとえば光学微細構造429と同じ寸法および形状を有する比較的小さな隔離碍子412を用いることで、画素の特定の実施例において活性層408を支持するための十分な構造上の完全性を与えるために、より多くのまたはより高い密度の隔離碍子構造412が必要となる可能性がある。光学微細構造形状の隔離碍子がより小さいことの利点は、図6に関連付けて先に記載したように、画素400の実施例内において反射層452と共に展開された場合にTIR角度で導波路に反射し返される可能性の高い角度で(導波路から)412に入るFTIR光をすべて方向付けるよう、より小さな隔離碍子がより良く適合され得ることである。加えて、より小さな光学微細構造形状の隔離碍子は典型的にはより小さなアパーチャを有していてもよく、これにより、複数の隔離碍子によって抽出される光の量を減らして、システム内の光学ノイズを低減させ得る。
図9Aおよび図9Bは、静止したON状態および作動したOFF状態での画素900の第2の具体的な実施例をそれぞれ概念的に示す。この実施例においては、画素900は、画素900をON状態とOFF状態との間で切替えるための4つの導体を含む。この実施例は、この明細書中において第1の導体429とも称される共通の導体429と、この明細書中において第2の導体440とも称される電子機器層画素導体440とを用いて、図4Aおよび図4Bにおいて画素400に関して先に記載したように、画素900をON位置からOFF位置へと作動させる。しかしながら、この実施例は、画素900をそのOFF位置からそのON位置へと作動させるのを支援するために、第3の導体902および第4の導体904が画素のアーキテクチャに導入され得ることを例示している。誘電体層908は、画素900を作動させて静止したON位置に戻す際に第3の導体902と第4の導体904との間に電気的短絡およびアーク放電を防ぐために、第4の導体904上にわたって配置されてもよい。
第3の導体902は活性層408の下面414上に配置される。第3の導体902は、ITO、銅などの多種多様な透明または不透明な導電性材料を含み得る。任意には、第3の導体902はまた、図4Aおよび図4Bに示される不透明層420に関して先に記載したように、光学微細構造410間の隙間区域422に配置された場合にディスプレイのコントラスト比を高めるために光吸収特性を有していてよい。第4の導体904は導波路402の上面405上に配置される。第4の導体904は、好ましくは、ITOなどの透明な導体材料から形成された導電層である。第4の導体904上に配置された誘電体層908は、好ましくは、導波路402の屈折率と同様の屈折率を有する誘電材料を含む。
図9Aおよび図9Bに示される例においては、第3の導体902は、導電性および光吸収特性を有する材料から作製される導電性の不透明層である。好適な導電性不透明材料は金属化層、銅被覆超微細泡、および多層導電性組成物を含むが、これらに限定されない。第3の導体902は、不透明な導体として、光が隙間区域に422を通って出ていくことを防ぐのを支援するために光学微細構造410間の隙間区域422を実質的に満たすように配置される。第3の導体902は、隙間区域422に配置されて光学微細構造410の側面424の一部上に延在する相似被覆(図示せず)を含み得る。このため、間隔426により、導波路402の上面910およびその上に配置されるいずれの層(たとえば誘電体層908)からも不透明層420が隔てたれている。そのため、光吸収物質を含む第3の導体902が存在することで、活性層408を横断した後に視聴者によって見られる光だけが最初に光学微細構造410を通過することが確実にされる。
第3の導体902および第4の導体904は、活性層408をそのOFF位置から静止したON位置へと電気的に駆動して、画素900をOFF位置からON位置へと作動させるのにかかる時間を少なくすることにより、全体的な画素速度を速めるという付加的な利点を提供する。動作中に、画素900に対する電気信号により画素900がOFF状態からON状態に切替えられると、電位差が第3の導体902および第4の導体904にわたって選択的に印加されて、エラストマ活性層408が駆動されてその静止したON位置まで戻され得る。第3の導体902および第4の導体904にわたって印加される電位差により電界(クーロン引力)が生成されて、第3の導体902およびそれに取付けられた可撓膜406(活性層)を第4の導体904の方に物理的に移動させ(推し進め)、これにより、活性層408を移動させて誘電体層908の上面910と接触(またはほぼ接触)させるのを支援する。これは、図9Aにおいて示されるとおりである。
こうして、動作中に、画素900がそのOFF状態からそのON状態に切替えられると、2つの力が作用して活性層408をその静止したON位置に戻す。図4Bに関連付けて先に説明した第1の力は、図9Bに示される変形したエラストマ活性層408に蓄えられたポテンシャルエネルギ(すなわち、蓄えられた機械エネルギ)が解放されることにより活性層408が後退するように活性層408を解放するために、第2の導体440と第1の導体429との電位差(ΔV1)が等しくなる(すなわちΔV1=0)(または、活性層408をOFF状態に保持するのに必要な十分な電位差よりも低減させる)と、作用する。ポテンシャルエネルギをこのように解放することにより、エラストマ活性層408を駆動して(すなわち、受動的に駆動して)その通常の静止したON位置に戻す。加えて、第2の力は、電位差(ΔV2)を第3の導体902および第4の導体904にわたって印加して活性層408を電気的に駆動してその静止したON位置に戻すと、作用する。こうして、弾性的に変形した活性層408に蓄えられたポテンシャルエネルギと、第3の導体902および第4の導体904にわたって印加された電位差によって生成されたクーロン引力による力とが、エラストマ活性層408を駆動して、図9Aに示されるその静止したON位置へと戻す。
別の局面においては、図9Aおよび図9Bは、図8に関連付けて先に記載されたように、隔離碍子412としての光学微細構造の使用を示す。複数の隔離碍子412は、画素900の外側領域602内(すなわち画素の周囲)に分散され、光学微細構造410は中心領域600に配置されている。図示のとおり、小さな隔離碍子412は、光学微細構造410と同じ寸法および形状を有している。画素の周囲における光漏れを最小限にするために、画素の外側領域602に位置する光学微細構造上にわたって延在する吸収層462が、画素アーキテクチャに導入される。吸収層462は、図4Fに関連付けて先に記載したように、電子機器層430内に配置され、隔離碍子構造412および透明なスペーサ432の上方において垂直に並んで位置決めされて中心に配置され得る。これにより、スペーサ構造432を通って移動する出射光線916は、出射光線916の経路によって示されるように吸収層462によって取り込まれて消滅し得る。
図10Aおよび図10Bは、静止したON状態および作動させたOFF状態にある画素の第3の具体的な実施例をそれぞれ概念的に示す。この実施例においては、画素1000は活性層1006を含んでおり、活性層1006の下面1007に沿って光学微細構造1010が均一に分散されている。図11は、図10Aおよび図10Bに示された活性層1006の下面の上面図を示す。
先に記載した実施例とは対照的に、この実施例は、活性層1006の下面1007に沿って光学微細構造が備わっていない中間領域を有しておらず、これにより、上述したように、画素1000をOFF位置に作動させる際に導波路402外への光の不所望な結合が確実に起こらないようにする。こうして、図10Bに図示のとおり、画素1000をOFF位置に作動させる場合、活性層1006の中心領域1002内の光学微細構造1010は、FTIRを介する導波路402外へのTIR光404の結合をなくすために誘電体層908の上面910から十分な距離(一定の距離)が空けられている。
しかしながら、外部領域1004に位置し誘電体層908の上面910からの変動距離がわずかである光学微細構造1010外に不所望に結合し得るいずれの光をも消すために、外部領域1004に位置する光学微細構造1010の下に延在する(図4Eに関連付けて記載された)被覆層460が画素アーキテクチャに導入される。図示のとおり、被覆層460は、第4の導体904の上面905に配置され、画素の周囲において隔離碍子として展開された光学微細構造1010の下方に位置しており、これにより、光404がこれらの光学微細構造1010に入るのを防ぐ。被覆層460は、これにぶつかる光線404が導波路402を出るのを防ぐことのできる本質的に低屈折率または負屈折率の如何なる材料をも含み得る。
この明細書中に説明されたすべての実施例においては、フッ素ベース成分などの反静止摩擦(anti-stiction)手段(図示せず)が活性層の底面上にコーティングされ得るかもしくは活性層に組込まれ、および/または、導波路の上面上にコーティングされ得るかもしくは導波路の上面層に組込まれ得る。これにより、活性層を導波路から引き離して画素をオフにするのを防ぐよう企図された活性層と導波路との境界面に存在し得るファンデルワールス力、トリボチャージング(tribocharging)効果および他の力に打ち勝つことができる。
図12は、減衰全内部反射(「FTIR」)ディスプレイシステム1200を概念的に示す。図示される実施例においては、システム1200は、この明細書中に記載された反転した画素アーキテクチャ実施例のうちの1つ以上を実現する画素1215のアレイ1210を利用するディスプレイ1205を含む。各々の画素1215に含まれる活性層は、この明細書中に記載されるようにスラブ導波路と接触(またはほぼ接触)しており、これにより、スラブ導波路内を移動する光の全内部反射が減衰され、画素が静止した状態である場合に光が画素1215を通って漏れ出ることが可能となる。
図示される実施例においては、ディスプレイ1205は、画素1215を作動させる信号および/または画素1215が静止状態に戻ることを可能にする信号を与えるコントローラ122に通信可能に結合されている。これらの信号を生成し、ディスプレイ1205内の画素位置に与えるための技術は、当該技術においては公知である。明確にするために、制御信号を生成し、これら制御信号を画素位置に供給するという、本願に記載される主題に関連する局面だけをこの明細書中に説明することとする。
一実施例においては、コントローラ1220は、データ記憶要素1230に記憶された情報にアクセスすることができる中央処理装置(「CPU」)1225を含む。データ記憶要素1230は、たとえば、コンピュータ読取可能記憶媒体上で符号化されたデータ構造(図示せず)を含んでいてもよい。記憶媒体は光学または磁気によるものであってもよい。例示的なデータ記憶要素1230は、内部ハードディスクドライブ、外部ハードディスクドライブ、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、デジタルテープなどを含み得る。
CPU 1225は、この情報を用いて、ディスプレイ1205における画素アレイ1210を制御することができる。たとえば、CPU 1225は、デジタルビデオディスク上で符号化された情報を用いて、ディスプレイ1205(さらには適切な光源および/または他の電子機器)において画素1215をオンおよび/またはオフにする制御信号を生成して供給することにより、デジタルビデオディスクに含まれる情報によって表わされる画像をディスプレイ1205上に出現させる。コントローラ1220はまた、図12におけるアンテナ1235などの外部源から信号を受信してもよい。これらの信号を用いて、制御信号を生成してディスプレイ1205に供給することもできる。
ディスプレイ1205による電力消費は、この明細書中に記載される反転した画素アーキテクチャを実現することによって従来のディスプレイと相対的に著しく低減させることもできる。電力消費が低減される1つの理由として、反転した画素がより低い電圧で作用可能であることが挙げられる。活性層を置換するのに必要な電圧は、画素コンデンサの導電性プレート間の距離の2乗にほぼ比例している。従来のアーキテクチャの場合、画素における導電性プレート間の距離は2μm以上であり得るのに対して、反転したアーキテクチャの実施例では、約600nm以下の導体間の距離を用いることができる。結果として、従来のディスプレイにおいて用いられる電圧は、反転した画素アーキテクチャを実現するディスプレイ1205によって用いられる電圧より少なくとも9倍大きくなり得る。電力消費が低減される別の理由として、従来の画素アーキテクチャにおいて画素を作動させるのに用いられる「コンデンサ」プレート(すなわち導電層)に比べて、反転したアーキテクチャを有する画素の「コンデンサ」プレート間の間隔がより小さいので、反転した画素における電界(および結果として得られる静電力)が(同じ印加された電圧に対して)従来の画素アーキテクチャにおける対応する電界よりも大きくなり得ることが挙げられる。
これで詳細な説明を終える。開示された主題がこの明細書中の教示の利点を有する当業者にとって明らかとなる、相違するが均等の態様で変更および実施され得るので、上に開示された特定の実施例は単に例示的なものに過ぎない。さらに、添付の特許請求の範囲に記載される以外の、この明細書中に図示される構造または設計の詳細に限定されるように意図されるものではない。したがって、上に開示した特定の実施例が変形または変更される可能性があり、このようなすべての変更例が開示された主題の範囲内にあると解釈されることは明らかである。したがって、この明細書中において求められる保護は添付の特許請求の範囲に規定されるとおりである。

Claims (28)

  1. 装置であって、
    注入された光の全内部反射率を示すスラブ導波路と、
    スラブ導波路に隣接する画素とを含み、前記画素は、
    活性層を含み、前記活性層は、活性層が上面から第1の選択された距離内にある場合、注入された光の全内部反射を減衰させ、これにより、注入された光の一部が画素を通ってスラブ導波路を出る、すなわち「ON状態」になる、ことを可能にし、前記画素はさらに、
    活性層に隣接しスラブ導波路の反対側に展開されるドライバ電子機器層を含み、前記ドライバ電子機器層は、第1の選択された距離を上回る距離だけスラブ導波路から離れるよう活性層を推し進める電圧を印加して、画素を「OFF状態」に駆動するよう構成される、装置。
  2. 画素は、画素の周囲を規定するために活性層とドライバ電子機器層との間に少なくとも1つの隔離碍子を含む、請求項1に記載の装置。
  3. ドライバ電子機器層が電圧を印加すると、活性層が最大で間隙の寸法までの距離だけスラブ導波路から隔てられ、間隙の寸法は、光がスラブ導波路から活性層に透過するのを阻止するのに十分に広い、請求項2に記載の装置。
  4. 活性層のうち画素の周囲内の部分は、ドライバ電子機器層によって電圧が印加されない場合、第1の選択された距離未満だけスラブ導波路から隔てられ、第1の選択された距離は、スラブ導波路の上面における全内部反射を減衰させて、前記注入された光が前記少なくとも1つの画素の周囲内の領域からスラブ導波路を出ることを可能にするのに十分に短い、請求項2に記載の装置。
  5. 少なくとも1つの反射層をさらに含み、前記少なくとも1つの反射層は前記少なくとも1つの隔離碍子と並んで活性層内または活性層上に形成され、これにより、前記少なくとも1つの反射層は、隔離碍子付近のスラブ導波路を出てスラブ導波路に戻る光を再利用することができる、請求項2に記載の装置。
  6. 少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子をさらに含み、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子は隔離碍子と並んで形成され、これにより、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子は、光が隔離碍子付近にあるスラブ導波路を出るのを防ぐことができる、請求項2に記載の装置。
  7. 少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層をさらに含み、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層は隔離碍子と並んで形成され、これにより、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層は、光が隔離碍子付近にあるスラブ導波路を出るのを防ぐことができる、請求項2に記載の装置。
  8. 活性層は複数の光学微細構造を含み、前記複数の光学微細構造は活性層の下面に形成され、これにより、前記光学微細構造は、上面から第1の選択された距離内にある場合にスラブ導波路の上面において全内部反射を減衰させる、請求項1に記載の装置。
  9. ドライバ電子機器層は、
    活性層の上面に配置された第1の導電層と、
    第1の導電層の上方に配置され、第2の選択された距離だけ第1の導電層から隔てられた第2の導電層と、
    電子要素とを含み、前記電子要素は、前記電子要素に供給される信号に応じて第1の導電層と第2の導電層との間に印加電圧を生成するよう構成される、請求項1に記載の装置。
  10. 減衰全内部反射ディスプレイであって、
    注入された光の全内部反射率を示すスラブ導波路と、
    スラブ導波路に光を注入することのできる光源と、
    スラブ導波路の上面に隣接して展開される複数の画素とを含み、各々の画素は、
    活性層を含み、前記活性層は、上面から第1の選択された距離内にある場合に上面において前記注入された光の全内部反射を減衰させ、これにより、注入された光の一部が、前記少なくとも1つの画素を通ってスラブ導波路を出るのを可能にし、各々の画素はさらに、
    活性層に隣接しスラブ導波路の反対側に展開されるドライバ電子機器層を含み、前記ドライバ電子機器層は、スラブ導波路の上面から離れるよう活性層を推し進める電圧を印加するよう構成され、各々の画素はさらに、
    コントローラを含み、前記コントローラはドライバ電子機器層に信号を供給するよう構成されており、これにより、スラブ導波路の上面のうち画素に隣接する部分からの全内部反射を制御可能に減衰させることによって、選択された画像を生成するよう画素の動作が調整される、減衰全内部反射ディスプレイ。
  11. 各々の画素が、画素の周囲を規定するよう活性層とドライバ電子機器層との間に展開される複数の隔離碍子を含む、請求項10に記載の減衰全内部反射ディスプレイ。
  12. ドライバ電子機器層が電圧を印加すると、隔離碍子により、最大で間隙の寸法までの距離だけドライバ電子機器層から活性層が隔てられ、間隙の寸法は、光がスラブ導波路から活性層に透過するのを阻止するのに十分に広い、請求項11に記載の減衰全内部反射ディスプレイ。
  13. コントローラはドライバ電子機器層に可変信号を供給することができ、ドライバ電子機器層は、可変信号に応じて可変電圧を印加することができ、印加された電圧が大きくなると各々の画素における間隙の寸法が大きくなる、請求項12に記載の減衰全内部反射ディスプレイ。
  14. 活性層のうち画素の周囲内の部分は、ドライバ電子機器層によって画素に電圧が印加されない場合、第1の選択された距離未満だけスラブ導波路から隔てられ、第1の選択された距離は、スラブ導波路の上面における全内部反射を減衰させるのに十分に短く、これにより、前記注入された光が画素の周囲内の領域からスラブ導波路を出ることを可能にする、請求項12に記載の減衰全内部反射ディスプレイ。
  15. 反射層を含み、前記反射層は、前記反射層が、隔離碍子に入ってスラブ導波路に戻る光を再利用することができるように、各々の隔離碍子と並んで活性層内または活性層上に形成される、請求項12に記載の減衰全内部反射ディスプレイ。
  16. 少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子をさらに含み、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子は隔離碍子と並んで形成され、これにより、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子は、光が隔離碍子付近にあるスラブ導波路を出るのを防ぐことができる、請求項12に記載の装置。
  17. 少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層をさらに含み、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層は隔離碍子と並んで形成され、これにより、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層は、光が隔離碍子付近にあるスラブ導波路を出るのを防ぐことができる、請求項12に記載の装置。
  18. 各画素の周囲を規定する隔離碍子によって囲まれる活性層の部分は複数の光学微細構造を含み、前記複数の光学微細構造は活性層の下面に形成され、これにより、光学微細構造が上面から第1の選択された距離内にある場合に、光学微細構造がスラブ導波路の上面において全内部反射を減衰させる、請求項12に記載の減衰全内部反射ディスプレイ。
  19. 各々の画素のドライバ電子機器層は、
    各画素における活性層の一部の上面に配置された第1の導電層と、
    第1の導電層の上方に配置され、第2の選択された距離だけ第1の導電層から隔てられた第2の導電層と、
    電子要素とを含み、前記電子要素は、コントローラによって供給される信号に応じて第1の導電層と第2の導電層との間に印加電圧を生成するよう構成される、請求項12に記載の減衰全内部反射ディスプレイ。
  20. 減衰全内部反射ディスプレイのための反転した画素アーキテクチャであって、
    スラブ導波路に注入された光の全内部反射率を示すスラブ導波路と、
    スラブ導波路において前記注入された光の全内部反射を選択的に減衰させることができる活性層と、
    活性層を静止したON状態と非静止のOFF状態との間で駆動することができるドライバ電子機器層とを含む、反転した画素アーキテクチャ。
  21. 前記活性層は、スラブ導波路から第1の選択された距離内にある場合に前記注入された光の全内部反射を減衰させて、前記注入された光の一部が、ON状態の画素を通ってスラブ導波路を出ることを可能にし、
    ドライバ電子機器層は、第1の選択された距離を上回る距離だけ活性層をスラブ導波路から遠ざけるよう推し進める電圧を印加して、画素を非静止のOFF状態に駆動する、請求項20に記載の反転した画素アーキテクチャ。
  22. 反射層は少なくとも1つの反射層を含み、前記少なくとも1つの反射層は、隔離碍子に入りスラブ導波路に戻る光を前記反射層が選択的に再利用することができるように、各々の隔離碍子と並んでいる、請求項21に記載の装置。
  23. 少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子をさらに含み、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子は隔離碍子と並んで形成され、これにより、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆隔離碍子は、光が隔離碍子付近にあるスラブ導波路を出るのを防ぐことができる、請求項21に記載の装置。
  24. 少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層をさらに含み、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層は隔離碍子と並んで形成され、これにより、前記少なくとも1つの低屈折率または負屈折率の被覆層は、光が隔離碍子付近にあるスラブ導波路を出るのを防ぐことができる、請求項21に記載の装置。
  25. 活性層は複数の光学微細構造を含み、前記複数の光学微細構造は、スラブ導波路に面するその第1の表面に形成され、これにより、光学微細構造は、第1の選択された距離内にある場合にスラブ導波路の全内部反射を減衰させる、請求項20に記載の装置。
  26. ドライバ電子機器層は、
    活性層の上面に配置された第1の導電層と、
    第1の導電層の上方に配置され、第2の選択された距離だけ第1の導電層から隔てられた第2の導電層と、
    複数の電子要素とを含み、前記複数の電子要素は、前記電子要素に供給される信号に応じて第1の導電層と第2の導電層との間に印加電圧を生成するよう構成される、請求項20に記載の装置。
  27. 減衰全内部反射ディスプレイを動作させるのに用いられる方法であって、反転した画素アーキテクチャを静止したON状態と非静止のOFF状態との間で駆動するステップを含む、方法。
  28. スラブ導波路が、スラブ導波路に注入される光の全内部反射率を示すステップと、
    活性層が、スラブ導波路において前記注入された光の全内部反射を選択的に減衰させ得るステップと、
    ドライバ電子機器層が、活性層を静止したON状態と非静止のOFF状態との間で駆動し得るステップと、
    反転した画素アーキテクチャを静止したON状態と非静止のOFF状態との間で駆動するステップとを含み、前記駆動するステップは、第1の選択された距離を上回る距離だけスラブ導波路から離れるよう活性層を推し進める電圧を印加して、画素を静止したON状態から非静止のOFF状態に駆動するステップを含み、活性層は、前記注入された光の全内部反射を減衰させて、前記注入された光の一部がスラブ導波路を出ることを可能にする、請求項27に記載の方法。
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