JP2012256780A - スピンコート法によるレジスト塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋭利な端部形状を有するウェハーの面に、その端部に面取り加工などの追加加工を施さないで、ウェハーの最外周部までレジストの未塗布部や極めて薄い部分を発生させることなくレジストを塗布することができる、スピンコート法によるレジスト塗布方法を提供する。
【解決手段】通常のレジスト塗布のための回転ステップに続けて、その回転数および回転時間として、回転停止時のウェハー最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持できる遠心力を最外周部レジストに発生させるための回転数および回転停止時のウェハー最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持できる最外周部レジストの乾燥状態を得るための回転時間であり且つ紐状レジスト汚染を発生させない回転数および回転時間を有する回転ステップを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】通常のレジスト塗布のための回転ステップに続けて、その回転数および回転時間として、回転停止時のウェハー最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持できる遠心力を最外周部レジストに発生させるための回転数および回転停止時のウェハー最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持できる最外周部レジストの乾燥状態を得るための回転時間であり且つ紐状レジスト汚染を発生させない回転数および回転時間を有する回転ステップを備えている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ウェハー上にレジスト膜を塗布しパターニングしてウェハーを選択エッチングする技術に関するものであり、鋭利な外周端形状を有するウェハーへレジストを塗布する方法に関する。
シリコンウェハーなどを素材として、ICをはじめとする各種のデバイスが製造されている。それらのデバイスの製造技術の重要な一つとして、フォトレジスト(以下では単に「レジスト」と言う)膜を塗布し、そのレジスト膜をパターニングし、パターニングされたレジスト膜を保護膜として各種の加工を実行するフォトリソグラフィー技術がある。
ウェハー上へレジスト膜を塗布する最も一般的な方法には、スピンコート法がある。図4は、スピンコート法によるレジスト塗布工程を、経過時間とウェハーの回転数との関係でモデル的に示したタイムチャートである。
ウェハー上へレジスト膜を塗布する最も一般的な方法には、スピンコート法がある。図4は、スピンコート法によるレジスト塗布工程を、経過時間とウェハーの回転数との関係でモデル的に示したタイムチャートである。
先ず、停止しているウェハーまたは低速回転させているウェハーの上へレジストを滴下し、数十から数百rpmの低速回転でウェハーを回転させて、滴下したレジストをウェハー上に広げる。次に、ウェハーを数千rpmの高速回転で回転させて、余分のレジストを振り切って、均一な所定の厚さのレジスト膜を形成し、回転を停止させる。
このようにしてウェハーに塗布されたレジスト膜は、自然乾燥された後、ソフトベークされる。以上の工程を終了したウェハーがパターニング工程に送られる。
なお、図4には、低速回転と高速回転の2ステップだけの場合が示されているが、実際には、要求仕様や状況に応じてステップ数を増やしたり、特許文献1などに開示されているように、レジスト膜厚の測定結果や乾燥状況に連動させて、回転数を変化させたり、雰囲気を制御したりされている。
このようにしてウェハーに塗布されたレジスト膜は、自然乾燥された後、ソフトベークされる。以上の工程を終了したウェハーがパターニング工程に送られる。
なお、図4には、低速回転と高速回転の2ステップだけの場合が示されているが、実際には、要求仕様や状況に応じてステップ数を増やしたり、特許文献1などに開示されているように、レジスト膜厚の測定結果や乾燥状況に連動させて、回転数を変化させたり、雰囲気を制御したりされている。
また、レジスト塗布面に比較的大きな凹凸がある場合には、特許文献2に開示されているように、短時間の高速回転の後に再度数秒から数十秒の低速回転のステップを設けているものもある。図5はこの状況を示したタイムチャートである。短時間の高速回転の後に低速回転させることによって、レジスト表面を平坦化しようとするものである。
ところが、以上で説明したようなレジスト塗布工程でレジスト膜が形成される場合には、以下に説明するような問題点を内包している。
ところが、以上で説明したようなレジスト塗布工程でレジスト膜が形成される場合には、以下に説明するような問題点を内包している。
すなわち、シリコンウェハーを用いてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を製作する場合には、可能な深堀り加工の限界のために、ウェハーの表面をグラインド研磨してウェハーを限界以内の厚さまで薄くすることが必要となることがある。ところが、グラインド研磨されたウェハーの表面には、通常、グラインド研磨傷および外周チッピングが無数に存在するため、研磨された表面に、図4に示すような通常の塗布条件によるスピンコート法でレジスト膜を塗布すると、ウェハーの最外周部に、ウェハーの端部の断面概念図である図7のグラインド研磨面(図7ではグラインド面)11およびグラインド面端部の断面モデルである図6(a)に示すような、レジスト2の極めて薄い部分が発生する。
このため、レジスト塗布工程に続くパターニング工程の現像ステップで、レジスト2の膜厚は幾らか減少し、ウェハーの最外周部には、図6(b)に示すような、レジスト2に被覆されていない部分(右端部)が発生し、この部分がトラブル発生の原因となる。例えば、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)等のプラズマエッチングによってそのようなウェハーに深掘りエッチングを実行すると、レジストに被覆されていない部分からエッチングが進行して、ウェハーの厚さが望ましくない状態まで薄くなった部分を発生させて、ウェハーの割れや欠け等を発生させ、製品歩留まりを悪化させ、更には、欠けた部分が周囲に飛散することによって、クリーンルームの環境を汚染する、などの問題を発生させる。
このような問題は、ウェハーの最外周部にレジストの塗布されていない部分が発生することと深掘りエッチングとが組み合わされる場合に発生する問題であって、深掘りエッチングと組み合わされない場合には発生しない。また、ウェハーの外周部の端面が図7の裏面12の端部のように面取りされた曲面に加工されている場合には、ウェハーの最外周部までレジストが塗布され、このような問題は発生しない。したがって、上記のようなグラインド研磨されたウェハーの場合でも、研磨された面の外周部の面取りや研磨面のエッチング処理などの工程が追加されれば、上記の問題は発生しなくなる。しかし、その分だけ工数が増加して歩留まりが減少するので、コストが高くなり、リードタイムも長くなる。
この発明の課題は、グラインド研磨された薄いウェハーの研磨面のような、鋭利な端部形状を有するウェハーの面にレジスト膜を塗布する場合において、そのウェハーの最外周部に面取り加工やエッチング加工などの追加加工を施さないで、ウェハーの最外周部にレジストの未塗布部や極めて薄い部分を発生させることのなくレジストを塗布することができる、スピンコート法によるレジスト塗布方法を提供することである。
スピンコート法によってウェハーに塗布されるレジスト膜の厚さは、滴下されるレジストの性状とウェハーの回転条件と雰囲気によって決まる。しかしながら、ウェハーの最外周部におけるレジストの厚さには、これらに加えて、回転停止時のレジストの性状と最外周部の端部の形状が関係する。
ウェハーが回転している場合には、レジストには回転による遠心力と表面張力が働いているが、回転が止まると、表面張力のみが働くことになる。したがって、回転が停止した場合には、ウェハーの平坦部上では表面張力がレジストの膜厚を均一化するように働くが、ウェハー最外周の端部では表面張力がレジストをウェハー側へ押し付けようとする力の成分を発生する。この力の成分によってレジストがウェハー最外周の端部から押し出され、この部分のレジスト膜厚が薄くなる。この力の成分はウェハーの端部形状(曲率半径)に関係する。ウェハー最外周部が面取りされている場合のような大きい曲率半径の場合には、この力の成分は小さく、最外周の端部のレジスト膜厚がそれほど薄くはならない。一方、グラインド研磨面の端部のような小さい曲率半径の場合には、この力の成分が大きくなり、最外周の端部からレジストが押し出され、最外周の端部のレジスト膜厚が薄くなり、レジスト膜厚が薄くなることによってレジスト表面の曲率半径がより小さくなり、レジスト膜厚の減少を加速させる。
したがって、レジストの流動性が大きい状態でウェハーの回転が停止すれば、グラインド研磨面の端部のような場合には、最外周部のレジスト膜厚はほぼゼロになる。
この状況を抑制するためには、レジストの流動性をある程度まで低下させた状態でウェハーの回転を停止することが必要となる。この観点に基づいて考案されたのがこの発明である。
この状況を抑制するためには、レジストの流動性をある程度まで低下させた状態でウェハーの回転を停止することが必要となる。この観点に基づいて考案されたのがこの発明である。
ところが、ウェハーを回転させながらレジストを乾燥させると、ウェハーの最外周部から回転によって振り切られるレジストは、液滴状だけではなく液滴につながって紐状に伸びて振り切られ、同時にウェハーの最外周部の外側に紐状のレジストを残す。振り切られた紐状部を有するレジストは、スピナー内の気流によってウェハーの裏面に送られ付着する場合がある。ウェハーの最外周部の外側に残った紐状のレジストは、次工程でベークされると塊となって脱落しやすくなる。いずれも、その後の工程において汚染の問題を発生させることとなる。図8は、このような状況を模式的に示す概念図であり、(a)は、ウェハーの最外周部に付着している紐状レジスト21を示し、(b)はこれをベークした状態で、紐状レジストがレジストの塊22となっていることを示している。(c)は、ウェハーの裏面における外周近傍領域(図8(c)における破線部よりも外周側の領域)に付着したレジスト汚染23を示している。いずれの汚染も避けなければならない問題である。
このような汚染は、ウェハーの回転数およびレジストの乾燥状態に関係して発生するものであり、実施例の項で説明するように、回転数および回転時間の許容幅を制限するものである。
このような汚染は、ウェハーの回転数およびレジストの乾燥状態に関係して発生するものであり、実施例の項で説明するように、回転数および回転時間の許容幅を制限するものである。
請求項1の発明は、鋭利な端面形状を有するウェハーの面にレジスト膜を塗布するためのスピンコート法によるレジスト塗布方法であって、レジスト塗布時のウェハーの回転ステップとして、ウェハー面に滴下したレジストをウェハー全面に行き渡らせるための回転ステップおよびレジスト膜厚を制御し且つ余分のレジストを振り切るための回転ステップに続いて、その回転数および回転時間として、回転停止時のウェハーの最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持するのに必要な遠心力をウェハーの最外周部のレジストに発生させるための回転数および回転停止時のウェハーの最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持するのに必要な乾燥状態まで最外周部のレジストを乾燥させるための回転時間であり且つウェハーの最外周部から紐状レジストを飛散させたりウェハーの最外周部に紐状レジストを発生させたりすることのない回転数および回転時間を有する最外周部レジスト膜厚確保回転ステップを備えている。
この発明は、通常のスピンコート法によるレジスト塗布ステップに続いて、その回転数および回転時間として、回転停止時にウェハーの最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持するのに必要な回転数および回転時間であり且つウェハーの最外周部から紐状レジストを飛散させたりウェハーの最外周部に紐状レジストを発生させたりすることのない回転数および回転時間を有する最外周部レジスト膜厚確保回転ステップを備えているので、ウェハーの最外周部まで所望値以上の厚さのレジストを塗布することを可能とし、しかも紐状レジストなどによる汚染を避けることを可能とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記最外周部レジスト膜厚確保回転ステップにおいてレジスト塗布雰囲気を制御する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記最外周部レジスト膜厚確保回転ステップにおいてレジスト塗布雰囲気を制御する。
上述したように、紐状のレジストをウェハーの最外周部から発生させないことが必要条件であるので、回転数の選択と同時に、レジストの乾燥過程における乾燥状態の制御が重要であり、レジスト塗布雰囲気の制御によってレジストの乾燥速さを調節することが有効な手段となる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記の鋭利な端面形状を有するウェハーがグラインド研磨された薄いウェハーである。
「背景技術」の項で説明したように、グラインド研磨された薄いウェハーは、その研磨面に研磨に伴う傷や外周チッピングを無数に有しており、レジスト膜による選択エッチングにおいてウェハーの割れや欠けなどを最も発生させやすいウェハーであるので、この発明はこのようなウェハーの選択エッチングにおいて非常に有効な手段となる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記の鋭利な端面形状を有するウェハーがグラインド研磨された薄いウェハーである。
「背景技術」の項で説明したように、グラインド研磨された薄いウェハーは、その研磨面に研磨に伴う傷や外周チッピングを無数に有しており、レジスト膜による選択エッチングにおいてウェハーの割れや欠けなどを最も発生させやすいウェハーであるので、この発明はこのようなウェハーの選択エッチングにおいて非常に有効な手段となる。
請求項1の発明においては、通常のスピンコート法によるレジスト塗布ステップに続けて、その回転数および回転時間として、回転停止時にウェハーの最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持するのに必要であり且つウェハーの最外周部から紐状レジストを飛散させたりウェハーの最外周部に紐状レジストを発生させたりすることのない回転数および回転時間を有する最外周部レジスト膜厚確保回転ステップを備えているので、この発明によれば、ウェハーの最外周部まで所望値以上の厚さのレジストを塗布することが可能となり、しかも紐状レジストなどによる汚染を避けることが可能となる。
したがって、この発明によれば、グラインド研磨された薄いウェハーの研磨面のような、鋭利な端部形状を有するウェハーの面にレジスト膜を塗布する場合において、そのウェハーの最外周部に面取り加工やエッチング加工などの追加加工を施さないで、ウェハーの最外周部にレジストの未塗布部や極めて薄い部分を発生させることのなくレジストを塗布することが可能な、スピンコート法によるレジスト塗布方法を提供することができる。
請求項2の発明においては、レジスト塗布雰囲気を制御するので、レジストの乾燥速さを調節でき、レジストを最適の乾燥状態に乾燥させることが容易となる。
したがって、この発明によれば、発明の課題をより確実に実現することができる。
請求項2の発明においては、レジスト塗布雰囲気を制御するので、レジストの乾燥速さを調節でき、レジストを最適の乾燥状態に乾燥させることが容易となる。
したがって、この発明によれば、発明の課題をより確実に実現することができる。
この発明は、ウェハーへスピンコート法によってレジストを塗布する工程において、レジストをウェハー上に行き渡らせて所望の厚さに制御し余分のレジストを振り切った後、ウェハーの回転を停止させるまでに、レジストの表面張力によってウェハーの最外周部から内側に引き戻されようとするレジストの動きを制限し、最外周部におけるレジスト厚を所望値以上に維持するための回転ステップ(請求項1における「最外周部レジスト膜厚確保回転ステップ」)を備えていることを特徴とする。
このような回転ステップには、表面張力に見合うだけの遠心力を得るための回転数と、回転停止時に内側へ引き戻そうとする表面張力に抵抗できるだけの粘度(乾燥状態)までレジストを乾燥させる回転時間とが必要である。これに加えて、紐状レジストを発生させてウェハーや雰囲気を汚染させないことが必須条件となる。
以下において、上記の条件を満たす回転ステップを確立するために実施した検討内容を通して発明の実施形態を説明する。
このような回転ステップには、表面張力に見合うだけの遠心力を得るための回転数と、回転停止時に内側へ引き戻そうとする表面張力に抵抗できるだけの粘度(乾燥状態)までレジストを乾燥させる回転時間とが必要である。これに加えて、紐状レジストを発生させてウェハーや雰囲気を汚染させないことが必須条件となる。
以下において、上記の条件を満たす回転ステップを確立するために実施した検討内容を通して発明の実施形態を説明する。
この検討においては、「背景技術」の項で問題点として説明したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製作時に使用したのと同じシリコンウェハーを用いた。すなわち、使用したシリコンウェハーは、CMOS回路形成済の6インチシリコンウェハーであり、厚さ360μmまでグラインド研磨したが、研磨面側の面取りなどの追加加工を施していないウェハーである。このウェハーにMEMS用のレジストパターンを形成することによって、レジストの塗布条件が適切か否かを検討した。
検討したレジスト塗布工程のステップは、図1の通りである。図2には、その経過時間と回転数との関係を示すタイムチャートの一例を示した。
レジストの塗布ステップは次の通りである。
まず、スピンコーターにウェハーをセットした後、停止状態でウェハー上へレジストを滴下し、直ちにウェハーを覆うギルセットカバーを閉じ、サブ回転(例えば、700rpmで10sec)でウェハー面上にレジストを行き渡らせる。次に、ギルセットカバーを開いて、主回転((例えば、850rpmで35sec)でレジスト膜厚を制御し、2ステップの振り切り回転(例えば、1500rpmで1sec、3000rpmで3sec)で余分のレジストを振り切る。ここまでは、従来技術と同様である。このステップで回転を止め、レジストを乾燥させると、前述したように、最外周部のレジストが図6および図7に示したように薄くなってしまう。
最後の、最外周部膜厚確保回転で最外周部のレジスト膜厚を確保して、回転を止め、レジストを十分に乾燥させた後、レジストのソフトベークステップへ送る。
ここで、最外周部膜厚確保回転の検討結果を説明する。
レジストの塗布ステップは次の通りである。
まず、スピンコーターにウェハーをセットした後、停止状態でウェハー上へレジストを滴下し、直ちにウェハーを覆うギルセットカバーを閉じ、サブ回転(例えば、700rpmで10sec)でウェハー面上にレジストを行き渡らせる。次に、ギルセットカバーを開いて、主回転((例えば、850rpmで35sec)でレジスト膜厚を制御し、2ステップの振り切り回転(例えば、1500rpmで1sec、3000rpmで3sec)で余分のレジストを振り切る。ここまでは、従来技術と同様である。このステップで回転を止め、レジストを乾燥させると、前述したように、最外周部のレジストが図6および図7に示したように薄くなってしまう。
最後の、最外周部膜厚確保回転で最外周部のレジスト膜厚を確保して、回転を止め、レジストを十分に乾燥させた後、レジストのソフトベークステップへ送る。
ここで、最外周部膜厚確保回転の検討結果を説明する。
最外周部のレジストが十分な遠心力を得ると考えられる600 rpm以下の回転数、所望の膜厚を確保するために必要な乾燥状態を得ることができると考えられる100 sec以上の回転時間で検討を進めた。なお、雰囲気としてはギルセットカバーを開いた状態である。
400 rpm以上の回転数では、100 sec以上の回転時間において、全てで紐状レジストが発生した。このことは、回転数が多い場合すなわち周速が大きい場合には、最外周部のレジスト全体が必要な粘度(必要な乾燥状態)になる前から、紐状レジストを発生させることを意味している。
400 rpm以上の回転数では、100 sec以上の回転時間において、全てで紐状レジストが発生した。このことは、回転数が多い場合すなわち周速が大きい場合には、最外周部のレジスト全体が必要な粘度(必要な乾燥状態)になる前から、紐状レジストを発生させることを意味している。
逆に、200 rpm以下では回転時間を長くしても十分な厚さのレジスト膜を形成することができなかった。このことは、200 rpm以下の回転数では、回転している状態で既に最外周部膜厚が所望値未満になっていることを意味している。
300 rpmでの回転の場合には、300 sec以上の回転時間で、より高速回転の場合と同様に、紐状レジストが発生した。一方、100 secから200 secの回転時間では、図3に示したようなレジスト塗布状態が得られ、実用に耐えるレジスト膜を形成することができた。すなわち、図3は、実施例の効果を説明するためのウェハー端部の状況を示す断面概念図であって、図3(a)はレジスト塗付後の状況を示し、図3(b)はパターニング後の状況を示している。図3に示されるように、レジスト塗付後の状態でウェハーの最外周部においてもレジスト2の膜厚は十分であり、レジスト塗布工程に続くパターニング工程の現像ステップでレジスト2の膜厚は幾らか減少するが、ウェハーの最外周部において図6(b)に示すようなレジスト2に被覆されていない部分は発生していない。
以上の検討は、特別な雰囲気制御を実施していない場合であるが、ギルセットカバーの開閉や温度制御など雰囲気を制御することによってレジストの乾燥速度を調節すれば、課題を解決できる回転条件の範囲を拡大することができる。
300 rpmでの回転の場合には、300 sec以上の回転時間で、より高速回転の場合と同様に、紐状レジストが発生した。一方、100 secから200 secの回転時間では、図3に示したようなレジスト塗布状態が得られ、実用に耐えるレジスト膜を形成することができた。すなわち、図3は、実施例の効果を説明するためのウェハー端部の状況を示す断面概念図であって、図3(a)はレジスト塗付後の状況を示し、図3(b)はパターニング後の状況を示している。図3に示されるように、レジスト塗付後の状態でウェハーの最外周部においてもレジスト2の膜厚は十分であり、レジスト塗布工程に続くパターニング工程の現像ステップでレジスト2の膜厚は幾らか減少するが、ウェハーの最外周部において図6(b)に示すようなレジスト2に被覆されていない部分は発生していない。
以上の検討は、特別な雰囲気制御を実施していない場合であるが、ギルセットカバーの開閉や温度制御など雰囲気を制御することによってレジストの乾燥速度を調節すれば、課題を解決できる回転条件の範囲を拡大することができる。
1 ウェハー
11 グラインド面 12 裏面
2 レジスト
21 紐状レジスト 22 レジストの塊
23 裏面のレジスト汚染
11 グラインド面 12 裏面
2 レジスト
21 紐状レジスト 22 レジストの塊
23 裏面のレジスト汚染
Claims (3)
- 鋭利な端面形状を有するウェハーの面にレジスト膜を塗布するためのスピンコート法によるレジスト塗布方法であって、
レジスト塗布時のウェハーの回転ステップとして、ウェハー面に滴下したレジストをウェハー全面に行き渡らせるための回転ステップおよびレジスト膜厚を制御し且つ余剰レジストを振り切るための回転ステップに続いて、その回転数および回転時間として、回転停止時のウェハーの最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持するのに必要な遠心力をウェハーの最外周部のレジストに発生させるための回転数および回転停止時のウェハーの最外周部のレジスト厚を所望値以上に維持するのに必要な乾燥状態までウェハーの最外周部のレジストを乾燥させるための回転時間であり且つウェハーの最外周部から紐状レジストを飛散させたりウェハーの最外周部に紐状レジストを発生させたりすることのない回転数および回転時間を有するウェハー最外周部レジスト膜厚確保回転ステップを有する、
ことを特徴とするスピンコート法によるレジスト塗布方法。 - 前記ウェハー最外周部レジスト膜厚確保回転ステップにおいてレジスト塗布雰囲気を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピンコート法によるレジスト塗布方法。 - 前記の鋭利な端面形状を有するウェハーがグラインド研磨された薄いウェハーである、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピンコート法によるレジスト塗布方法。
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---|---|---|---|
JP2011129924A JP2012256780A (ja) | 2011-06-10 | 2011-06-10 | スピンコート法によるレジスト塗布方法 |
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2011
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