JP2012255719A - 引き摺り試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】引き摺り試験を簡易かつ適正に行うことができる技術を提供する。
【解決手段】引き摺り試験装置1は、鉛直方向に沿って配置された回転軸部11と、回転軸部11を回転させる駆動部12と、回転軸部11と連結され、回転軸部11の回転に連動して回転する回転体13と、回転体13における回転軸部11を中心とする円周上に配置され、被試験物であるケーブル片9を、その一部が床面と接触した引き摺り状態で保持する保持部14と、を備える。駆動部12に回転軸部11を回転させると回転体13が回転し、これに伴って保持部14に保持されたケーブル片9が回転体13の回転に追従して円軌道上を周回しながら引き摺られる。
【選択図】図1
【解決手段】引き摺り試験装置1は、鉛直方向に沿って配置された回転軸部11と、回転軸部11を回転させる駆動部12と、回転軸部11と連結され、回転軸部11の回転に連動して回転する回転体13と、回転体13における回転軸部11を中心とする円周上に配置され、被試験物であるケーブル片9を、その一部が床面と接触した引き摺り状態で保持する保持部14と、を備える。駆動部12に回転軸部11を回転させると回転体13が回転し、これに伴って保持部14に保持されたケーブル片9が回転体13の回転に追従して円軌道上を周回しながら引き摺られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ケーブル(例えば、電動車両のバッテリへ電力を供給する給電ケーブル)の引き摺りに対する耐摩耗性を試験する技術に関する。
自動車用の電線の耐摩耗性を試験する態様として、例えば非特許文献1には、テープ摩耗試験が規定されている。テープ摩耗試験は、ヤスリ状のテープを定められた荷重で電線に接触させた状態でテープを電線に対して動かして、電線の摩耗度合いを調べる試験である。また、例えば非特許文献2には、スクレープ摩耗試験が規定されている。スクレープ摩耗試験は、ブレードの先端を定められた荷重で電線に押し当てた状態でブレードを電線に対して動かして、電線の摩耗度合いを調べる試験である。いずれの試験も、電線の耐摩耗性を評価するための試験として広く知られている。
ISO 6722
JASO D611
ところで、近年、電気自動車及びハイブリッド自動車など、大容量のバッテリを備える電動車両が普及しつつある。電動車両のバッテリの充電は、電動車両に電力を供給する車両用給電局等にて行われる。具体的には、給電ケーブルの一次側プラグ(電源側のプラグ)を車両用給電局等に設置された電力出力ポートに接続するとともに、二次側プラグ(車両側のプラグ、充電コネクタ)を電動車両の充電ポートに接続すると、電力出力ポートから出力される電力が給電ケーブルおよび充電ポートを通じて電動車両のバッテリへ供給され、バッテリが充電されることになる。
ところで、給電ケーブルは、充電を行わない間は、例えば車両のトランク内等において巻回等された状態でしまわれている。そして、充電が行われる際には、給電ケーブルは、電源側のプラグの側から引っ張り出されて車両の駐車場所から電力出力ポートの設置場所まで地面を引き摺られていき、充電が完了すると再び地面を引き摺られて元通りに巻回されてトランクにしまわれることになる。このように、給電ケーブルは、充電が行われる度に、地面を引き摺られることになるため、充電回数が重ねられると給電ケーブルの被覆が摩耗しやすい。したがって、給電ケーブルの製造開発の段階において、給電ケーブルが引き摺りに対する十分な耐摩耗性を有しているかを試験により確認しておく必要がある。
上述したとおり、車両用電線については、その耐摩耗性を評価するための試験の態様が各種存在する。しかしながら、従来の試験は、定められた対象物(定められた材質のテープ、あるいは、定められた材質および形状のニードル)を電線に押し当てた場合の摩耗試験である。したがって、従来の試験態様では、その試験結果から、引き摺りに対する耐摩耗性を正確に把握することは困難である。このため、引き摺りに対する耐摩耗性を正確に把握するためには、人間が実際にケーブルを引き摺ることによって引き摺り試験を行わざるをえず、大変な労力がかかっていた。また、この試験態様では、引き摺り速度、引き摺り距離等の試験条件の均一性が担保されにくいという問題もあった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされてものであり、引き摺りに対する耐摩耗性を評価するための引き摺り試験を、簡易かつ適正に行うことができる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、引き摺り試験装置であって、鉛直方向に沿って配置された回転軸部と、前記回転軸部を回転させる駆動部と、前記回転軸部と連結され、前記回転軸部の回転に連動して回転する回転体と、前記回転体の回転軸を中心とする円周上に配置され、被試験物を、その一部が床面と接触した引き摺り状態で保持する保持部と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係る引き摺り試験装置であって、前記保持部が、前記回転体における前記回転軸部を中心とする円周上に複数個配置される。
第3の態様は、第2の態様に係る引き摺り試験装置であって、前記回転体が、前記回転軸部との連結部から放射状に伸びる複数の腕部、を備え、前記複数の腕部の各自由端に前記保持部が着設される。
第4の態様は、第1から第3のいずれかの態様に係る引き摺り試験装置であって、前記回転軸部とこれに連結される前記回転体とを回転可能状態で吊り下げ支持する支持フレームと、前記支持フレームの下端に設けられたキャスターと、を備える。
第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様に係る引き摺り試験装置であって、前記回転体および前記保持部に保持された被試験物の回転空間を内部に形成しつつ、前記回転空間の周囲を覆うカバー、を備える。
第6の態様は、第5の態様に係る引き摺り試験装置であって、前記カバーが外部から内側が視認可能に形成される。
第7の態様は、第5または第6の態様に係る引き摺り試験装置であって、前記カバーが取り外し可能とされる。
第1〜第7の態様によると、駆動部に回転軸部を回転させると回転体が回転し、これに伴って保持部に保持された被試験物が回転体の回転に追従して円軌道上を周回しながら引き摺られることになる。したがって、引き摺り試験を簡易かつ適正に行うことができる。
特に、第2の態様によると、複数の保持部のそれぞれに被試験物を保持させることによって、複数個の被試験物を同じ条件で同時に引き摺り試験することができる。
特に、第4の態様によると、支持フレームの下端にキャスターが設けられるので、引き摺り試験装置を容易に移動させることができる。これによって、引き摺り試験の環境条件を容易に変更可能となる。
特に、第5の態様によると、回転空間の周囲がカバーで覆われるので、引き摺り試験が行われている間に回転空間に人等が侵入する、あるいは、回転空間から石等が外部にはじき飛ばされる、といった事態を防止できる。
特に、第6の態様によると、カバーが外部から内側が視認可能に形成されるので、異常等が発生した場合にはこれを外部から直ちに検知できる。
特に、第7の態様によると、カバーが取り外し可能とされるので、引き摺り試験の環境条件を柔軟に調整できる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<1.装置構成>
引き摺り試験装置1の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は引き摺り試験装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は引き摺り試験装置1を図1の矢印Kからみた断面図である。
引き摺り試験装置1の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は引き摺り試験装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は引き摺り試験装置1を図1の矢印Kからみた断面図である。
引き摺り試験装置1は、回転ユニット10と、回転ユニット10を収容する筐体20と、回転ユニット10を制御する制御ユニット30とを備える。
<回転ユニット10>
回転ユニット10は、鉛直方向に沿って配置された回転軸部11を備える。回転軸部11の上端部付近には、回転軸部11を回転させる駆動部(例えば、モータ)12が設けられる。また、回転軸部11の下端部付近には、回転軸部11の回転に連動して回転する回転体13が連結される。
回転ユニット10は、鉛直方向に沿って配置された回転軸部11を備える。回転軸部11の上端部付近には、回転軸部11を回転させる駆動部(例えば、モータ)12が設けられる。また、回転軸部11の下端部付近には、回転軸部11の回転に連動して回転する回転体13が連結される。
回転体13は、具体的には、その中心部において回転軸部11と連結され、中心部から複数(図示の例では3個)の腕部131が放射状に伸びる形状とされる。
回転体13の各腕部131の自由端には、保持部14が着設される。ただし、各腕部131の長さは互いに等しく形成されており、各腕部131の自由端に着設される保持部14はいずれも、回転軸部11との連結部分(すなわち、回転体13の回転軸)を中心とする円周R上に位置している。保持部14は、被試験物となるケーブル片9を、その一部が床面と接触した引き摺り状態で保持する。保持部14は、例えば、ネジ締め式の挟持クリップにより形成することができる。
<筐体20>
筐体20は、回転ユニット10を吊り下げ支持する天板付きの支持フレーム21を備える。支持フレーム21は、具体的には、矩形の板部材により形成される天板211と、これを支持する4本の支柱212とから形成される。各支柱212は、例えば、天板211の4隅のそれぞれに上端が着設され、鉛直下方に向かって伸びて下端に連なる棒状部材により形成される。天板211は平面視にて回転体13よりも十分大きく形成されており、この天板211の下側の主面に回転ユニット10の上端面(具体的には、駆動部12の上端面)が固定される。これによって、回転軸部11とこれに連結される回転体13とが、駆動部12を介して、支持フレーム21に回転可能状態で吊り下げ支持されることになる。
筐体20は、回転ユニット10を吊り下げ支持する天板付きの支持フレーム21を備える。支持フレーム21は、具体的には、矩形の板部材により形成される天板211と、これを支持する4本の支柱212とから形成される。各支柱212は、例えば、天板211の4隅のそれぞれに上端が着設され、鉛直下方に向かって伸びて下端に連なる棒状部材により形成される。天板211は平面視にて回転体13よりも十分大きく形成されており、この天板211の下側の主面に回転ユニット10の上端面(具体的には、駆動部12の上端面)が固定される。これによって、回転軸部11とこれに連結される回転体13とが、駆動部12を介して、支持フレーム21に回転可能状態で吊り下げ支持されることになる。
各支柱212の下端には、キャスター22が設けられる。これによって引き摺り試験装置1は容易に移動可能に構成される。
また、筐体20は、回転体13および保持部14に保持されたケーブル片9の回転空間Vを内部に形成しつつ、回転空間Vの周囲を覆うカバー23を備える。カバー23は、具体的には、支持フレーム21において、隣り合う支柱212の隙間のそれぞれに、これを塞ぐカバー板231が設けられることによって形成される。なお、少なくとも1個のカバー板231には、扉(図示省略)が形成されており、この扉を介してオペレータがカバー23の内部に入れるように形成されている。
カバー23は、取り外し可能に形成される。カバー23を取り外し可能に形成するには、例えば、各カバー板231を、支柱212間の隙間に着脱可能に設ければよい。具体的には、例えば、支柱212にその延在方向に沿う溝を形成しておき、この溝にカバー板231の幅方向の端縁をスライドさせてはめ入れて溝の端部をキャップ等で封じる構成としておけばよい。この場合、キャップを外して、カバー板231を溝に沿ってスライドさせて引き抜くだけでカバー板231を支柱212間の隙間から取り外すことができる。4枚のカバー板231の全てを取り外すと、カバー23が取り外されることになる。
また、カバー23は、外部から内側が視認可能に形成されることが好ましい。カバー23を外部から内側が視認可能に形成するには、例えば、カバー23を構成する各カバー板231を透明あるいは半透明の樹脂パネル、あるいは、メッシュ状のパネル等で形成すればよい。
<制御ユニット30>
制御ユニット30は、引き摺り試験装置1の各部を制御する制御部31と、オペレータからの各種の指示を受け付ける操作パネル32と、オペレータに各種の情報を表示する表示パネル33と、制御部31からの指示に応じて点灯する報知ランプ34とを備える。
制御ユニット30は、引き摺り試験装置1の各部を制御する制御部31と、オペレータからの各種の指示を受け付ける操作パネル32と、オペレータに各種の情報を表示する表示パネル33と、制御部31からの指示に応じて点灯する報知ランプ34とを備える。
制御部31は、有線あるいは無線で駆動部12と電気的に接続されており、操作パネル32を介してオペレータから入力された指示に応じて駆動部12を制御する。また、制御部31は、報知ランプ34とも電気的に接続されており、引き摺り試験の試験状況等に応じて報知ランプ34を点灯させる。
制御部31、操作パネル32、表示パネル33、および報知ランプ34はユニット化されて筐体20の外(例えば天板211の上)に載置される。ただし、制御ユニット30は、筐体20に対して取り外し可能に形成され、筐体20から離れた位置におくことも可能とされる。
<2.動作>
引き摺り試験装置1の動作について、図3、図4を参照しながら説明する。図3は、開放空間で引き摺り試験が行われる様子を示す図である。図4は、閉鎖空間で引き摺り試験が行われる様子を示す図である。
引き摺り試験装置1の動作について、図3、図4を参照しながら説明する。図3は、開放空間で引き摺り試験が行われる様子を示す図である。図4は、閉鎖空間で引き摺り試験が行われる様子を示す図である。
引き摺り試験装置1に引き摺り試験を行わせる場合、まず、引き摺り試験の環境条件(例えば、床面条件、温度条件等)を設定する。環境条件は、例えば、引き摺り試験装置1を、所望する環境条件が成立している場所に移動させることによって設定することができる。例えば、コンクリート面に対する引き摺り試験を行いたい場合、引き摺り試験装置1を平坦なコンクリート面がある場所まで移動させればよい。また例えば、特定の温度で引き摺り試験を行いたい場合、引き摺り試験装置1を当該温度で温度管理された試験器4(図4)の内部に移動させればよい。なお、床面条件については、引き摺り試験装置1を所望の床面状態が形成されている場所まで移動させるのではなく、引き摺り試験装置1の筐体20の下に所望の床面状態を形成したシート5(図4)を差し込むことによって設定することもできる。
引き摺り試験の環境条件を設定した結果、引き摺り試験を開放空間(例えば、屋外)で行うことになった場合、カバー23で回転空間Vが覆われた状態としておくことが好ましい(図3)。一方、引き摺り試験を閉鎖空間(例えば、温度管理された試験器4の内部)で行うことになった場合、試験器4内の温度とカバー23内部の温度とに差が生じないようにカバー23を外しておくことが好ましい(図4)。さらに、引き摺り試験を高温(例えば、80度程度)の環境下(例えば、高温状態に温度管理された試験器4の内部)で行うことになった場合、駆動部12の温度上昇を抑えるために、駆動部12を断熱部材で形成された断熱カバー121で覆うことが好ましい(図4)。また、断熱カバー121と駆動部12との間に例えば空冷機構(図示省略)を設けることがさらに好ましい。さらに、この場合、熱的影響を受けやすい精密部品等を保護するために、制御ユニット30を試験器4の外部に出しておくことも好ましい(図4)。
引き摺り試験の環境条件が設定されると、続いて、被試験物となるケーブル片9が保持部14に保持された状態とする。この工程は、オペレータが、カバー23に形成された扉を介してカバー23の中に入って(回転空間Vがカバー23で覆われている場合)、被試験物となるケーブル片9を引き摺り状態で保持部14に保持させることによって行われる。上述したとおり、引き摺り試験装置1は3個の保持部14を備えており、3本のケーブル片9を3個の保持部14にそれぞれ保持させれば、当該3本のケーブル片9を同じ条件で引き摺り試験することができる。
なお、ここで、ケーブル片9の引き摺られる部分の重さが重くなればなるほど、ケーブル片9における地面との接触部分にかかる荷重が大きくなる。したがって、例えば、比較的長いケーブル片9を準備し、その先端をとぐろ状に形状固定しておくことによって、接触部分にかかる荷重を大きくすることができる。また、ケーブル片9の先端に重り等をくくりつけておくことでも、接触部分にかかる荷重を大きくすることができる。
続いて、引き摺り試験の実行条件(例えば、引き摺り速度および引き摺り距離)を設定する。実行条件の設定は、例えば、制御部31が、操作パネル32を介してオペレータから実行条件の指定を受け付けることによって行われる。実行条件の指定を受け付けると、制御部31は、予めメモリ等に記憶された保持部14の回転半径(すなわち、腕部131の長さ)の値を参照して、指定された引き摺り速度を実現するために必要な回転軸部11の回転数を算出する。また、指定された引き摺り距離を実現するために回転軸部11を回転させるべき回数(あるいは、回転時間)を算出する。
引き摺り試験の環境条件および実行条件が設定された上で、オペレータが、試験開始の指示を操作パネル32を介して入力すると、制御部31は、駆動部12を制御して、先に算出された回転数で回転軸部11を回転させる。また、制御部31は、回転軸部11の回転が開始されると同時に報知ランプ34を点灯させて、引き摺り試験が開始されたことを外部に報知する。
駆動部12の駆動をうけて回転軸部11が一定の回転数で回転すると、これに伴って、各保持部14に保持されたケーブル片9が、回転体13の回転に追従して円軌道上を周回しながら一定の速度で引き摺られる。なお、制御部31は、引き摺り試験の実行中に何らかの異常を検知した場合(例えば、カバー23の扉のロック部に設けられたセンサが非ロックを検知した場合、支持フレーム21に設けられた温度センサが温度の異常上昇を検知した場合、操作パネル32の緊急停止ボタンが操作されたことを検知した場合等)、駆動部12に回転軸部11の回転を緊急停止させるとともに、例えば報知ランプ34の点灯色を変更させて(あるいは、点灯の態様を例えば点滅に変更させる等して)、異常の発生を外部に報知する。
回転軸部11が、指定された引き摺り距離を実現するために必要な回数(あるいは時間)だけ回転されると、制御部31は、駆動部12を制御して回転軸部11の回転を停止させる。また、制御部31は、回転軸部11の回転が停止されると報知ランプ34を消灯させて、引き摺り試験が終了したことを外部に報知する。
これによって、引き摺り試験が終了し、設定された環境条件および実行条件で引き摺り試験されたケーブル片9が得られることになる。したがって、当該ケーブル片9の摩耗度をみて、当該環境条件および実行条件の下での引き摺りに対するケーブル片9の耐摩耗性を評価することができる。
<3.効果>
上記の実施形態によると、引き摺り試験を簡易かつ適正に行うことができる。すなわち、引き摺り試験装置1にて行われる引き摺り試験では、実行条件が確実に担保される(具体的には、ケーブル片9の引き摺り速度が指定された速度で一定に保たれ続け、また、ケーブル片9の引き摺り距離も正確に計測される)ので、信頼できる試験結果を得ることができる。また、引き摺り試験において、ケーブル片9は保持部14に固定された状態で引き摺られるので、引き摺られている間に、ケーブル片9と床面とが接触する接触領域がケーブル片9の周方向あるいは延在方向にずれてしまうことがない。つまり、常に同じ接触領域が摩耗され続けるので、耐摩耗性を正しく評価することができる。
上記の実施形態によると、引き摺り試験を簡易かつ適正に行うことができる。すなわち、引き摺り試験装置1にて行われる引き摺り試験では、実行条件が確実に担保される(具体的には、ケーブル片9の引き摺り速度が指定された速度で一定に保たれ続け、また、ケーブル片9の引き摺り距離も正確に計測される)ので、信頼できる試験結果を得ることができる。また、引き摺り試験において、ケーブル片9は保持部14に固定された状態で引き摺られるので、引き摺られている間に、ケーブル片9と床面とが接触する接触領域がケーブル片9の周方向あるいは延在方向にずれてしまうことがない。つまり、常に同じ接触領域が摩耗され続けるので、耐摩耗性を正しく評価することができる。
また、上記の実施形態によると、引き摺り試験装置1を移動させる、あるいは、引き摺り試験装置1の下にシート5を差し込むだけで、引き摺り試験の環境条件を変更することができる。つまり、多様な環境条件の下での引き摺り試験を簡易に行うことができる。特に、支柱212の下端にキャスター22が設けられるので、引き摺り試験装置1を容易に移動させることができ、これによって、引き摺り試験の環境条件を容易に変更することができる。また、人間が実際にケーブルを引き摺ることによって引き摺り試験を行う場合には実現が困難であるような試験環境(例えば、高温条件等の特殊環境)の下での引き摺り試験も難なく行うことができる。各種の環境条件の下での引き摺り試験を行うことによって、各種の条件下での引き摺りに対する耐摩耗性(例えば、熱された真夏のコンクリートの地面を引き摺られた場合のケーブルの耐摩耗性、濡れた地面を引き摺られた場合のケーブルの耐摩耗性、等)をそれぞれ正確に把握することが可能となる。
また、上記の実施形態によると、回転軸部11の回転数、あるいは回転時間を変えるだけで、引き摺り試験の実行条件を変更することができる。つまり、多様な実行条件の下での引き摺り試験を簡易に行うことができる。
また、上記の実施形態においては、保持部14を複数個備えるので、複数の保持部14のそれぞれにケーブル片9を保持させておけば、複数個のケーブル片9を同じ条件で同時に引き摺り試験することができる。
また、上記の実施形態においては、回転空間Vの周囲をカバー23で覆うことができるので、引き摺り試験が行われている間に回転空間Vに人等が侵入する、あるいは、回転空間Vから石等が外部にはじき飛ばされる、といった事態を防止できる。また、カバー23が外部から内側が視認可能に形成されるので、異常等が発生した場合にはこれを外部から直ちに検知できる。また、カバー23が取り外し可能とされるので、例えば試験器4の内部で引き摺り試験を行う場合などは、カバー23を取り外して引き摺り試験の環境条件を一定に保つことを優先することができる。このように、カバー23が取り外し可能とされることによって、各種の試験条件に柔軟に対応することができる。
また、上記の実施形態においては、制御部31が引き摺り試験の実施状況に応じて報知ランプ34の点灯を制御する。したがって、オペレータは、報知ランプ34をみて引き摺り試験の実施状況を知得することができるとともに、異常が発生した場合にはこれを速やかに知得することができる。
<4.変形例>
上記の実施形態においては、引き摺り試験装置1は、中心部から複数の腕部131が放射状に伸びる形状の回転体13を備えていたが、これに代えて、図5に示されるように、回転軸部11を中心とする円板状に形成された回転体13aを備えてもよい。この場合、複数の保持部14aは、回転体13aの外縁に間隔をあけて着設すればよい。
上記の実施形態においては、引き摺り試験装置1は、中心部から複数の腕部131が放射状に伸びる形状の回転体13を備えていたが、これに代えて、図5に示されるように、回転軸部11を中心とする円板状に形成された回転体13aを備えてもよい。この場合、複数の保持部14aは、回転体13aの外縁に間隔をあけて着設すればよい。
また、上記の実施形態においては、制御部31は、操作パネル32を介してオペレータから引き摺り試験の実行条件の入力を受け付ける構成としたが、この際に、引き摺り速度、引き摺り時間の各値として、オペレータが任意の値を入力できる構成としてもよいし、予め準備された複数の候補値からオペレータに一の値を選択させる構成としてもよい。
また、上記の実施形態においては、実行条件として引き摺り速度と引き摺り距離との指定を受け付ける構成としたが、必ずしも引き摺り速度と引き摺り距離との指定を受け付ける構成とする必要はない。例えば、引き摺り速度と引き摺り時間との指定、あるいは、引き摺り距離と引き摺り時間との指定等を受け付ける構成としてもよい。
また、上記の実施形態においては、回転体13には3個の保持部14が着設される構成としたが、保持部14は必ずしも3個である必要はなく、4個以上であってもよいし、1個あるいは2個であってもよい。
また、上記の実施形態においては、被試験物はケーブル片9であるとしたが、被試験物は必ずしもケーブル片9でなくともよい。
1 引き摺り試験装置
11 回転軸部
12 駆動部
13 回転体
14 保持部
21 支持フレーム
22 キャスター
23 カバー
31 制御部
9 ケーブル片
11 回転軸部
12 駆動部
13 回転体
14 保持部
21 支持フレーム
22 キャスター
23 カバー
31 制御部
9 ケーブル片
Claims (7)
- 鉛直方向に沿って配置された回転軸部と、
前記回転軸部を回転させる駆動部と、
前記回転軸部と連結され、前記回転軸部の回転に連動して回転する回転体と、
前記回転体の回転軸を中心とする円周上に配置され、被試験物を、その一部が床面と接触した引き摺り状態で保持する保持部と、
を備える引き摺り試験装置。 - 請求項1に記載の引き摺り試験装置であって、
前記保持部が、前記回転体における前記回転軸部を中心とする円周上に複数個配置される、引き摺り試験装置。 - 請求項2に記載の引き摺り試験装置であって、
前記回転体が、前記回転軸部との連結部から放射状に伸びる複数の腕部、
を備え、
前記複数の腕部の各自由端に前記保持部が着設される、引き摺り試験装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の引き摺り試験装置であって、
前記回転軸部とこれに連結される前記回転体とを回転可能状態で吊り下げ支持する支持フレームと、
前記支持フレームの下端に設けられたキャスターと、
を備える、引き摺り試験装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の引き摺り試験装置であって、
前記回転体および前記保持部に保持された被試験物の回転空間を内部に形成しつつ、前記回転空間の周囲を覆うカバー、
を備える、引き摺り試験装置。 - 請求項5に記載の引き摺り試験装置であって、
前記カバーが外部から内側が視認可能に形成される、引き摺り試験装置。 - 請求項5または6に記載の引き摺り試験装置であって、
前記カバーが取り外し可能とされる、引き摺り試験装置。
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JP2011129023A JP2012255719A (ja) | 2011-06-09 | 2011-06-09 | 引き摺り試験装置 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN106198283A (zh) * | 2016-06-24 | 2016-12-07 | 芜湖顺成电子有限公司 | 电线耐磨检测装置 |
CN113588471A (zh) * | 2021-07-07 | 2021-11-02 | 神宇通信科技股份公司 | 一种电缆耐磨性能试验方法 |
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2011
- 2011-06-09 JP JP2011129023A patent/JP2012255719A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106198283A (zh) * | 2016-06-24 | 2016-12-07 | 芜湖顺成电子有限公司 | 电线耐磨检测装置 |
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CN113588471B (zh) * | 2021-07-07 | 2023-10-20 | 神宇通信科技股份公司 | 一种电缆耐磨性能试验方法 |
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