こうした照明器具では、枠体から光が漏れることにより美観が損なわれることを未然に防ぐことはできるが、発光部から照射された光を利用して美観を優れたものとすることは何ら考慮されていない。このため、このような照明器具を用いても、所定の空間に光を供給することはできるが、所定の空間を光で美観を演出することはできないという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、例えば、天井等に照明装置が取り付けられた際、光の陰影で優れた美観を演出することができる照明装置用補助具及びこの照明装置用補助具を備えた照明装置を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の照明装置用補助具は、
光源を含む発光部が設けられた照明装置に取り付けられる照明装置用補助具であって、
前記照明装置と係合する取付部材と、
前記発光部から照射された光の少なくとも一部を拡散する二以上の拡散板と、
前記拡散板を前記発光部の先端よりも前記光源に近い中間位置にそれぞれ位置決めする位置決定部材と、
を備えたものである。
この照明装置用補助具では、照明装置に取付部を係合させて取り付けると、二以上の拡散板が発光部の先端より光源に近い中間位置に位置決めされる。このため、発光部から照射された光が拡散板によって拡散されることになり、拡散板を備えていない場合と比較して、より発光部からの光を広範囲に拡散することができ、優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記拡散板は、前記照明装置に前記取付部材が係合した際に、前記発光部の少なくとも一部が通過する第一通過孔を有していてもよい。こうすれば、照明装置用補助具が照明装置に取り付けられた際、拡散板の中央に発光部を位置決めすることができるため、円板状の拡散板を用いた場合には、いずれの方向から見た場合も同様の美観を演出することができる。この効果は、特に複数の照明装置に本発明の照明装置用補助具が取り付けられた際に、全体としての一体感を有する優れた美観を演出することができるため、特に有効である。
本発明の照明装置用補助具は、前記光源と前記拡散板との間の位置に、前記発光部の少なくとも一部が通過可能な第二通過孔を有する遮蔽板、を備えていてもよい。こうすれば、光が拡散される方向から見た場合に光源が遮蔽板によって視認され難くなる。言い換えると、光源の形状等によって美観が損なわれる可能性を未然に低減することができるため、遮蔽板を備えていない場合と比較して、より優れた美観を演出することができる。この態様を採用した本発明の照明装置用補助具において、前記遮蔽板は、前記拡散板側の表面が鏡面であってもよい。こうすれば、拡散板から遮蔽板の方向に拡散された光が鏡面で反射するため、鏡面を有しない場合と比較して、光量が増加し、拡散される光による陰影が明確になる。言い換えると、鏡面を有しない場合と比較して、より優れた美観を演出することができる。なお、ここで鏡面とは、拡散板で拡散された光を反射可能な状態に加工された面を意味し、例えば、鏡面加工やバフ加工等により表面加工が施された面を意味する。
本発明の照明装置用補助具は、前記拡散板は、端部が面取り加工されていてもよい。こうすれば、端部が面取り加工されていない場合と比較して、端部で光が拡散される方向が変化し、光がより多くの方向に拡散する。言い換えると、より優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記取付部材は、前記照明装置の少なくとも一部が通過可能な着脱孔を有し、前記着脱孔に前記照明装置の一部が挿入されると、前記発光部の少なくとも一部が前記第一通過孔を通過するとともに、前記照明装置の外面の一部と前記着脱孔の内面の一部とが係合することにより、前記照明装置に固定されるものであってもよい。こうすれば、照明装置を取付部材の着脱孔に挿入することで、照明装置の外面の一部と着脱孔の内面の一部が係合するため、照明装置を着脱孔に挿入するという簡単な操作で照明装置を取り付けることができる。言い換えると、取付部材が着脱孔を有しない場合と比較して、より少ない労力で優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記位置決定部材は、前記拡散板同士の距離が略同一の距離となる位置に位置決めしてもよい。こうすれば、拡散板が等距離に配置されることになるため、拡散板によって反射される光にも周期性が得られる。拡散板同士の距離が不同一な場合には拡散される光に雑然とした印象を得る可能性があるため、拡散板同士の距離を略同一とすることで、より優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記位置決定部材は、二以上の前記拡散板の全てを貫通する貫通棒と、前記拡散板と前記貫通棒とを固定する固定部と、からなるものであってもよい。こうすれば、二以上の拡散板が貫通棒によって固定されるため、拡散板が動く可能性を未然に低減することができる。言い換えると、拡散板が動くことによって拡散される光が変化し、美観が損なわれる可能性を未然に低減することで、より優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記位置決定部材は、弾性体であってもよい。こうすれば、弾性体の弾性力により、外力によって拡散板が一度動いた場合には、拡散板が振動し、拡散板によって拡散される光を振動させることができる。言い換えると、拡散板が固定されている場合と比較して、拡散板によって拡散される光に変化を持たせることができるため、より優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記拡散板は、いずれも略円板形状であり、略同一の大きさであってもよい。こうすれば、拡散板によって拡散される光の範囲も略同一となるため、拡散された光が全体として統一感を有し、拡散板の形状が異なる場合と比較して、より優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記拡散板は、略三角形状、略四角形状、略五角形状、略六角形状、略八角形状のいずれかの形状であり、略同一の大きさであってもよい。こうすれば、拡散板の形状に応じた形で光源から照射された光を拡散することができるため、所望の形状の拡散板を用いることで、所望の美観を演出することができる。
本発明の照明装置用補助具において、前記拡散板は、表面に所定の模様又は加工が施された拡散板であってもよい。こうすれば、拡散板の表面の模様又は加工に応じた形で光源から照射された光を拡散することができるため、所望の優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置は、上述したいずれかに記載の照明装置用補助具が前記取付部材によって取り付けられたものである。本発明の照明装置は、本発明の照明装置用補助具が取り付けられていることにより、例えば、優れた美観を演出することができるという本発明の照明装置用補助具と同様の効果が得られる。
本発明の照明装置において、前記発光部は、前記光源から照射された光を拡散する導光部と、が設けられていてもよい。こうすれば、光源から照射された光を導光部で拡散した後、さらに拡散板で拡散することができるため、より小さな光源や光源から収束された光が照射される光源を用いた場合であっても、広範囲に光を拡散し、優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置において、前記光源に当接する冷却部材を、備え、前記光源は、LED光源であってもよい。こうすることにより、LEDを使用することによって発生した熱を冷却することができ、LEDの寿命を延ばすことができる。言い換えると、長期間優れた美観を演出することができる。
本発明の照明装置において、前記照明装置の外殻形状と前記着脱孔の形状とが略同一であってもよい。こうすれば、照明装置を着脱孔に挿入した際、照明装置の外殻と着脱孔とがぴったりと当接するため、照明装置と着脱孔との間に空間が生まれる可能性を未然に低減することができる。言い換えると、照明装置と照明装置用補助具とをしっかりと固定することができる。
ここで、上記簡単に説明した図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本実施の形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施の形態の照明装置10が本発明の照明装置に相当し、照明装置用補助具20が照明装置用補助具に相当し、LED12が光源に相当し、金属部13が冷却部材に相当し、導光部材16が導光部に相当し、LED12及び導光部材16が発光部に相当し、固定用円盤22が取付部材に相当し、取付孔23が着脱孔に相当し、飾り用円盤28が拡散板に相当し、ボルト30が貫通棒に相当し、ナット32が固定部に相当し、ボルト30及びナット32が位置決定部材に相当し、通過孔27aが第二通過孔に相当し、通過孔27bが第一通過孔に相当し、ミラー円盤26が遮蔽板に相当する。なお、照明装置10に照明装置用補助具20を取り付ける取付方法を説明することにより、照明装置用補助具20の使用方法の一例を明らかにしている。
次に、図1〜図5を用いて、本発明の実施の形態の一例である照明装置用補助具20の構成を詳しく説明する。なお、照明装置用補助具20の構成をより明確にするため、図6〜図11に照明装置用補助具20の六面図を示す。この照明装置用補助具20は、図1に示すように、照明装置10の外面と係合する固定用円盤22と、固定用円盤22と略平行な状態で位置決めされる2枚の飾り用円盤28と、固定用円盤22と飾り用円盤28との間に位置決めされるミラー円盤26と、ミラー円盤26及び飾り用円盤28を固定用円盤22にそれぞれ固定するボルト30と、を備えている。
照明装置10は、図1に示すように、公知の白熱電球と同様に使用可能な照明装置であり、白熱電球用の取付口に口金14を螺合して使用する。取付口に口金14を螺合すると、通電し照明装置10に電力が供給可能な状態となる。この照明装置10には、口金14方向から、口金14、金属部13、LED12、導光部材16の順番で配置されており、口金14と金属部13、金属部13とLED12はそれぞれ当接している(図2参照)。このため、LED12によって発生した熱は、金属部13に伝えられることになり、LED12の温度が上昇することを未然に防止し、LED12が予期しない動作をする可能性を未然に低減することができる。また、LED12と対向する位置には、デザイン化された導光部材16が備えられており、LED12から照射された光は導光部材16で所望の方向に拡散され、周囲を明るく照らす。このとき、導光部材16を所望の形に形成することにより、拡散される光で描かれる模様を所望の模様にすることができるため、導光部材16のデザインと導光部材16で拡散された光で描かれる模様とで、優れた美観を演出することができる。
固定用円盤22は、図4Aに示すように、アクリル製の円盤状部材であり、中央部に略円形形状の取付孔23が設けられている。この取付孔23は、照明装置10の一部のみが通過可能な大きさに形成されており、内側方向に向かって略三角形状に突出した係合爪24が設けられている。このため、照明装置10を取付孔23に挿入すると、照明装置10の一部が通過した状態で、照明装置10の外面の一部に係合爪24がひっかかり、照明装置10に固定用円盤22を取り付けることができる。言い換えると、照明装置用補助具20に照明装置を挿入するという簡単な操作で、照明装置用補助具20を照明装置10に取り付けることができる。このとき、この係合爪24は、取付孔23の中心から対象の位置にそれぞれ6つ設けられているため、照明装置10に取り付けられた際には、それぞれの係合爪24に対して、略同一の力がかかることになる。このため、いずれかの係合爪24に力が集中し、いずれかの係合爪24が破損する可能性を未然に低減することができる。また、取付孔23の周囲には、略円形の貫通孔25aが固定用円盤22の中心から略同一の距離の位置にそれぞれ4つ設けられている。
ミラー円盤26は、図4Bに示すように、アクリル製の円盤状部材であり、中央部に導光部材16が通過可能な大きさの略円形状の通過孔27aが設けられている。このミラー円盤26は、両面に鏡面加工が施されており、ミラー円盤26に照射された光を反射することができ、ミラー円盤26を光が透過することを未然に防ぐことができる。また、ミラー円盤26の外縁部及び通過孔27aの縁部の下面側は、図3に示すように、面取り加工により縁部方向が薄くなる向きに傾斜面21がそれぞれ設けられている。このため、導光部材16によって拡散された光が縁部に照射された際には、これらの縁部に面取り加工が施されていない場合と比較して、縁部で拡散される光の方向が変化し、より優れた美観を演出することができる。更に、図4Bに示すように、通過孔27aの周囲には、ボルト30のねじ山が通過可能な直径を有する略円形の貫通孔25bがミラー円盤26の中心から略同一の距離の位置にそれぞれ4つ設けられている。この貫通孔25bを固定用円盤22の中心とミラー円盤26の中心とが同一の位置となるように重ねた場合には、貫通孔25aと重なる位置に設けられているため、貫通孔25aにボルト30を挿入した際には、貫通孔25bにもボルト30が挿入され、固定用円盤22とミラー円盤26とが略平行に位置決めされることになる。
飾り用円盤28は、図4Cに示すように、アクリル製の円盤状部材であり、中央部に導光部材16が通過可能な大きさの略円形状の通過孔27bが設けられている。このため、飾り用円盤28の中心方向から照射された光が飾り用円盤28によって拡散され、優れた美観を演出することができる。また、飾り用円盤28の外縁部及び通過孔27bの縁部の下面側は、図3に示すように、面取り加工により縁部方向が薄くなる向きに傾斜面21がそれぞれ設けられている。このため、導光部材16によって拡散された光が縁部に照射された際には、これらの縁部に面取り加工が施されていない場合と比較して、縁部で拡散される光の方向が変化し、より優れた美観を演出することができる。更に、図4Cに示すように、通過孔27bの周囲には、ボルト30のねじ山が通過可能な直径を有する略円形の貫通孔25cがミラー円盤26の中心から略同一の距離にそれぞれ設けられている。この貫通孔25cを固定用円盤22の中心と飾り用円盤28の中心とが同一の位置となるように重ねた場合には、貫通孔25aと重なる位置に設けられているため、貫通孔25aにボルト30を挿入した際には、貫通孔25cにもボルト30が挿入可能である。なお、同様に貫通孔25bとも重なるため、貫通孔25aにボルト30を挿入した場合には、貫通孔25b及び貫通孔25cにもボルト30が挿入され、固定用円盤22とミラー円盤26及び飾り用円盤28とが略平行に位置決めされることになる。
ボルト30は、図2に示すように、金属製のボルトであり、ボルトの軸部分にはねじ溝が設けられている。このボルト30は、軸部分に予め3つのナット32が備えられており、このナット32は、ボルト30の軸部に設けられたねじ溝と螺合して所望の位置に固定される。このボルト30は、固定用円盤22に設けられた4つの貫通孔25aにねじ先方向からそれぞれ挿入され、ミラー円盤26及び飾り用円盤28に設けられた貫通孔25b及び貫通孔25cを通過して、固定用円盤22とミラー円盤26及び飾り用円盤28を固定する。
照明装置用補助具20を照明装置10に固定する際には、固定用円盤22に設けられた取付孔23、ミラー円盤26及び飾り用円盤28に設けられた通過孔27a及び通過孔27bのそれぞれに照明装置10を口金14側から挿入する。このとき、通過孔27a及び通過孔27bは、照明装置10が通過可能な大きさに形成されているため、照明装置10は通過孔27a及び通過孔27bを通過する。しかしながら、取付孔23は、照明装置10の一部のみが通過可能な大きさに形成されているため、照明装置10の一部が通過した状態で、照明装置10の外面の一部に係合爪24がひっかかり、照明装置10に照明装置用補助具20が固定されることになる。このため、例えば、天井に取り付けられた取付口に照明装置10の口金14を螺合した場合には、照明装置用補助具20の自重により、照明装置10に照明装置用補助具20が固定されることになる。
ここで、照明装置10と照明装置用補助具20との固定方法について、図5を用いて、更に詳しく説明する。照明装置10の基部は、図1に示すように、傾斜面を有している。この傾斜面の口金14側は取付孔23を通過可能であるが、導光部材16側は、取付孔23を通過することができない大きさに形成されている。このため、照明装置10が取付孔23を通過する際には、通過中に係合爪24が傾斜面に形成されている溝と係合し、固定用円盤22が照明装置10に固定されることになる。こうすることにより、係合爪24を有しない場合と比較して、照明装置用補助具20が回転する可能性を未然に低減することができる。
このように照明装置10に固定用円盤22を固定した後に、ナット32をボルト30に設けられたねじ溝に沿って回転させ、所望の位置に位置決めする。こうすることにより、ナット32が下方からミラー円盤26及び飾り用円盤28を支持し、自重によりミラー円盤26及び飾り用円盤28が位置決めされる。このとき、ミラー円盤26がLED12と導光部材16との間の位置に位置決めすれば、ミラー円盤26によって導光部材16から拡散された光が反射され、優れた美観を演出することができる。同時に、ミラー円盤26によって視線が遮られるため、LED12を含む照明装置10の基部が見えにくくなり、照明装置10の基部等が見えることにより、美観が損なわれる可能性を未然に低減することができる。また、飾り用円盤28を導光部材16の側面に位置決めすることにより、ミラー円盤26によって反射された光や導光部材16によって拡散された光が飾り用円盤28によって拡散され、優れた美観を演出することができる。このとき、ボルト30同士の距離を略同一の距離とすることにより、ミラー円盤26と飾り用円盤28、飾り用円盤28同士の距離を略同一にすることができ、それぞれの円盤同士の距離が異なる場合と比較して、拡散される光に周期性が生じ、全体としての一体感をもたせ、優れた美観を演出することができる。
照明装置10から照明装置用補助具20を離脱する場合には、照明装置用補助具20を照明装置10に固定した時と逆の操作、すなわち、照明装置10を取付孔23及び通過孔27a及び通過孔27bから離脱させればよい。この後、ナット32をボルト30のねじ溝に沿ってボルト30の頭部方向に移動させることによって、図12に示すように、照明装置用補助具20を折り畳み状態にすることができる。こうすることにより、照明装置用補助具20の占有領域を小さくすることができるため、輸送時等に必要な占有スペースを低減することができる。
以上詳述した本実施の形態の照明装置用補助具20によれば、照明装置10を口金14方向から取付孔23に挿入すると、照明装置10と取付孔23とがひっかかり、取付孔23と照明装置10とが係合する。こうすることにより、照明装置用補助具20を照明装置10に容易に固定することができる。このとき、飾り用円盤28がLED12と導光部材16の先端との間の位置に位置決めされるため、導光部材16によって拡散された光が飾り用円盤28によって拡散され、飾り用円盤28を有しない場合と比較して、優れた美観を演出することができる。
また、飾り用円盤28には通過孔27bを有しているため、飾り用円盤28の中央に導光部材16を位置決めすることができる。こうすることにより、いずれの方向から見た場合も同様の美観を演出することができる。この効果は、特に複数の照明装置10に照明装置用補助具20が取り付けられた際に、全体としての一体感を有する優れた美観を演出することができるため、特に有効である。また、照明装置10を取付孔23に挿入する際、照明装置10をこの通過孔27bを通過させることで、容易に取り付けることができる。言い換えると、取り付け時の労力を低減しつつ、選りすぐれた美観を演出することができる。
更に、飾り用円盤28と固定用円盤22との間にミラー円盤26が備えられているため、照明装置10から照射された光が反射され、優れた美観を演出することができる。加えて、ミラー円盤26によってLED12等の照明装置10の基部が外部に露出する可能性を未然に低減し、照明装置10の基部によって美観が損なわれる可能性を未然に低減することができる。特に、光源としてLED12を用いた場合には、LED12の品質を保つためにLED12による発熱を放出する冷却機構として金属部13が必要となるが、この冷却機構は外部に露出する必要があるため、外部から視認され美観に与える影響が大きい。このため、ミラー円盤26を用いることによる効果が大きい。
更にまた、ミラー円盤26及び飾り用円盤28の縁部には、面取り加工により傾斜面21が設けられているため、縁部が面取り加工されていない場合と比較して、照明装置10から照射された光が拡散される方向が変化し、より優れた美観を演出することができる。
そして、取付孔23は、照明装置10の口金14側は通過可能であるが、導光部材16側は通過することができない大きさに形成されているため、照明装置10を取付孔23に挿入すると、照明装置10の一部が通過した状態で取付孔23とひっかかり、照明装置用補助具20が照明装置10に取り付けられる。このため、照明装置10を取付孔23に挿入するという簡単な操作で、照明装置10に照明装置用補助具20を取り付け、優れた美観を演出することができる。
そしてまた、全ての飾り用円盤28は、ナット32によって互いに略同一の間隔で固定されているため、飾り用円盤28によって反射される光に全体として統一感が生じ、飾り用円盤28同士の距離が不同一な場合に生じる雑然とした印象を与える可能性を未然に低減することができる。
そして更にまた、全ての飾り用円盤28は、略円板形状であり、略同一の大きさであるため、飾り用円盤28によって拡散される光の範囲も略同一となり、拡散された光が全体として統一感を有し、飾り用円盤28の大きさに統一性がない場合と比較して、より優れた美観を演出することができる。
加えて、導光部材16によってLED12から照射された光が拡散されるため、LED12から照射された光が導光部材16と飾り用円盤28とのそれぞれで拡散されることになり、導光部材16を有しない場合と比較して、より優れた美観を演出することができる。
更に加えて、取付孔23には内側方向に突出する略三角形状の係合爪24が備えられており、この係合爪24が照明装置10の傾斜面に形成されている溝と係合するため、照明装置用補助具20を照明装置10に取り付けた際、ぴったりと当接した状態で取り付けることができる。このため、照明装置用補助具20が意図せず動いてしまうことで、拡散された光の演出が動き、美観が損なわれる可能性を未然に低減することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施の形態では、ミラー円盤26及び飾り用円盤28は円板状のものであるとしたが、略三角形状板や、略四角形状板、略五角形状板、略六角形状板、略八角形状板等の多角形状板であってもよい。こうすれば、それぞれの形状に応じて拡散される光の状態を変更することができるため、所望の美観を演出することができる。これらの多角形状の一例として、例えば、ミラー円盤26及び飾り用円盤28が略六角形形状である例を図13に示す。なお、略三角形状その他の形状についても同様に実施することができるため、ここでは説明を省略する。
この態様を採用した場合において、ミラー円盤26及び飾り用円盤28は同一の形状で無くともよく、例えば、ミラー円盤26が略円板状で飾り用円盤28が略六角形状板であってもよい。この場合には、ミラー円盤26で反射された略円形の拡散光に飾り用円盤28で拡散された略六角形状の拡散光が重なることにより、ミラー円盤26と飾り用円盤28とが同一の形状である場合と異なる美観を演出することができる。
上述した実施の形態では、ミラー円盤26及びそれぞれの飾り用円盤28は略同一の大きさであるものとしたが、それぞれの飾り用円盤28の大きさは異なっていてもよい。例えば、ミラー円盤26と比較して飾り用円盤28が小さくとも良い。こうすれば、ミラー円盤26で反射された光の範囲内に飾り用円盤28で拡散された光が重なるため、飾り用円盤28で拡散された光の周りをミラー円盤26で反射された光を囲うような美観を演出することができる。
上述した実施の形態では、飾り用円盤28を用いるものとしたが、飾り用円盤28の表面は、所望の模様又は加工が施されていても良い。この模様又は加工としては、例えば、皮・梨地・木目・布目などのデザイン模様を表面に施すシボ加工を行っても良いし、反対側が半透過する加工(例えば、反対側が霞がかかったような印象を与える加工や、反対側がぼんやりと見えるような印象を与える加工等)を行っても良いし、細かな粒状の模様がちりばめられた印象を与えるピンスポット加工を行っても良いし、小さなダイヤ形状等の多角形形状の模様がちりばめられた印象を与えるダイヤカット加工を行っても良いし、多数の溝が略平行となるようちりばめられた印象を与える線カット加工を行っても良い。いずれの場合であっても、表面加工の種類によって拡散される光の状態を変更することができるため、所望の美観を演出することができる。
飾り用円盤28の一例として、三菱レイヨン社製のアクリライト(「アクリライト」は三菱レイヨン社の登録商標)のピンスポット(K6 001)を例に説明する。表面加工が施された面が下方に位置するように配置した場合の光学特性は、反射率が26%、平行光線透過率が8%、拡散光線透過率が37%、全光線透過率が45%である。このとき、下面側から見る者に対して、光沢感がある印象を与えることができる。このような美観が演出される理由は明らかではないが、発明者らは、平行光線透過率が他の光学特性に比べて特に低いためであると考えている。一方、表面加工が施された面が上方に位置するように配置した場合の光学特性は、反射率が5%、平行光線透過率が13%、拡散光線透過率が79%、全光線透過率が92%である。このとき、下面側から見る者に対して、ぼんやりとした印象や奥深い位置で反射されているような印象を与えることができる。このような美観が演出される理由は明らかではないが、発明者らは、反射率が低く全光線透過率が高いためであると考えている。
上述した実施の形態では、ミラー円盤26及び飾り用円盤28の外縁部及び通過孔27a及び通過孔27bの縁部には、面取り加工により傾斜面21が設けられているものとしたが、ミラー円盤26及び飾り用円盤28の外縁部のみを面取り加工し、通過孔27a及び通過孔27bの縁部は面取り加工を行わなくとも良い。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、ミラー円盤26又は飾り用円盤28のいずれかの外縁部のみ面取り加工するものとしてもよいし、いずれも面取り加工しなくても良い。これらの場合には、面取り加工をする労力を低減しつつ、優れた美観を演出することができる。
上述した実施の形態では、ミラー円盤26及び飾り用円盤28の外縁部及び通過孔27a及び通過孔27bの縁部には、面取り加工により傾斜面21が設けられているものとしたが、ミラー円盤26及び飾り用円盤28の外縁部及び通過孔27a及び通過孔27bの縁部には、例えば、R面取り加工のように、丸みを帯びた形状による面取り加工が施されていても良い。こうすれば、縁部での光の拡散方向が丸みを帯びた形状に従って変化していくため、縁部に傾斜面21を有している場合とは、異なる美観を演出することができる。
上述した実施の形態では、飾り用円盤28をボルト30及びナット32によって固定するものとしたが、図14に示すように、ボルト30及びナット32の代わりに、雌ねじ121、スペーサーねじ122及び雄ねじ124を用いても良い。具体的には、図14に示すように、固定用円盤22を上側に配置した雌ねじ121と下側に配置したスペーサーねじ122とで挟んで固定する。このとき、スペーサーねじ122は固定用円盤22に設けられた貫通孔25aを一部が通過し、雌ねじ121とスペーサーねじ122とが螺合することにより、固定用円盤22を両側から固定することができる。スペーサーねじ120を固定用円盤22にそれぞれ固定した後、ミラー円盤26を配置する。続いて、ミラー円盤26に設けられている貫通孔25bにスペーサーねじ122の先端を挿入し、スペーサーねじ122同士を螺合する。スペーサーねじ122は予め所望の長さに形成されているため、ボルト30及びナット32を用いて固定する場合と比較して、固定用円盤22とミラー円盤26とを所望の距離だけ離れた状態で固定する際の労力を低減しつつ、所望の美観を演出することができる。なお、ミラー円盤26に飾り用円盤28を固定する方法及び飾り用円盤28同士を固定する方法についても同様であるため、ここでは説明を省略する。また、全ての円盤を取り付けた後には、最後に雄ねじ124を最下部に備えられたスペーサーねじ122に螺合する。こうすることにより、最も下部に取り付けられた飾り用円盤28が落下する可能性を未然に低減することができる。
上述した実施の形態では、飾り用円盤28をボルト30及びナット32によって固定するものとしたが、図15に示すように、ボルト30の代わりにワイヤ等の紐状部材131を用い、ナット32の代わりにゴムプッシュ等の紐状部材の所望の位置に位置決め可能な位置決め部材132を用いても良い。こうすれば、風等の影響により飾り用円盤28が動くため、飾り用円盤28によって拡散される光も同時に動かすこともできる。言い換えると、光の動きを演出することができるため、飾り用円盤28を固定した場合と比較して、より多彩な美観を演出することができる。また、輸送時には、飾り用円盤28同士の距離を近づけることにより、紐状部材がたわみ、コンパクトにまとめることができる。このとき、紐状部材130に固定された位置決め部材132を移動することなく全体がコンパクトにまとまるため、使用時に位置決め部材132を所望の位置に位置決めする労力を低減することもできる。
この態様を採用した場合において、紐状部材130として、ワイヤの代わりに、釣り糸やピアノ線など視認しにくい素材を用いて位置決めしても良い。こうすれば、一見すると飾り用円盤28が空中に浮いているような印象を演出することができる。言い換えると、飾り用円盤28によって拡散された光がボルト30によって遮られ、美観が損なわれる可能性を未然に低減することができる。
上述した実施の形態では、飾り用円盤28をボルト30及びナット32によって固定するものとしたが、図16に示すように、コイルばね等の弾性体を用いて固定用円盤22、ミラー円盤26及び飾り用円盤28をそれぞれ固定しても良い。こうすれば、ばねの振動に伴って飾り用円盤28が振動し、飾り用円盤28によって拡散される光を振動させることができる。言い換えると、ボルト30及びナット32で固定した場合と比較して、拡散される光に変化を持たせることができるため、より優れた美観を演出することができる。
また、飾り用円盤28同士、又は、飾り用円盤28と固定用円盤22との位置決めは、コイルばね等の弾性部材や付勢部材を用いて位置決めしても良い。こうすれば、付勢力によって、飾り用円盤28を周期的に動かすことができるため、飾り用円盤28の動きに伴って拡散される光も周期的に動かすことができる。言い換えると、飾り用円盤28が固定されている場合と比較して、より躍動的な美観を演出することができる。
上述した実施の形態では、固定用円盤22はアクリル製であるものとしたが、固定用円盤22は、金属製であっても良い。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態では、ミラー円盤26を備えるものとしたが、ミラー円盤26は無くても良い。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態では、ミラー円盤26の両面が鏡面加工されているものとしたが、飾り用円盤28と対向する面のみ鏡面加工してもよい。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、いずれの面も鏡面加工されていなくても良い。この場合であっても、アクリル素材そのものの有する遮蔽効果及び反射効果を期待することができる。また、ミラー円盤26として、鏡を用いても良い。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態では、飾り用円盤28は2つ備えられるものとしたが、飾り用円盤28は1枚であってもよいし、3枚以上であってもよい。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態では、ボルト30に固定されたナット32によって飾り用円盤28を固定するものとしたが、ナット32に代えて、例えば、ゴムブッシュのように、ボルト30を締め付けることで固定する固定具を用いても良い。このような場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態では、発光部はLED12から照射された光を導光部材16で拡散するものとしたが、例えば、電球型蛍光灯のように、光源が貫通孔25cを通過する発光部であってもよい。この場合には、光源から照射された光が飾り用円盤28によって拡散されることになり、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
上述した実施の形態では、照明装置10を取付孔23に挿入することによって照明装置10に照明装置用補助具20を取り付けるものとしたが、照明装置10と照明装置用補助具20との取り付け方法はこれに限定されるものではない。例えば、公知のクリップ等を用いても良いし、接着等により直接固定しても良い。これらの方法を用いて固定した場合には、照明装置10が下方向に取り付けられている場合に限らず、横方向や上方向に取り付けられている場合であっても、優れた美観を演出することができる。