JP2012246834A - 2サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な構造で過回転の防止を可能にするとともに全回転域で出力を向上させることのできる2サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン作業機を提供する。
【解決手段】2サイクルエンジン10は、ピストン9を往復動可能に収容し、ピストン9の往復動によりそれぞれ開閉する排気開口24および掃気開口が内周壁23に形成されるシリンダボア8と、掃気開口とクランクケース12内を接続する凹溝29と、燃料と空気を混合した混合気を供給する気化器19とを備える。また、気化器19と凹溝29とを接続するシリンダブロック側第1吸気通路18と、シリンダブロック側第1吸気通路18を流れる混合気の流量を制御するリード弁40と、リード弁40の開閉を制御する制御装置47と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、2サイクルエンジン、特にチェンソーや刈払機等の携帯型のエンジン作業機に好適な2サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン作業機に関する。
携帯型のエンジン作業機用2サイクルエンジンには、小型化、軽量化とともに、高出力化が求められている。2サイクルエンジンの高出力化を行う場合、十分な燃焼に起因する発熱過剰での自己着火による過回転、システム全体のメカニカルロスとのバランスが崩れることによる過回転を招く恐れがある。そこで、過回転を防止するために、例えば特許文献1に示すように、エンジンの回転数が所定回転数以上に上昇した場合に、混合気通路を遮断してエンジンの過回転の防止を行うガバナー装置を備えたものがある。
特開平7−253033号公報
ところで、特許文献1のガバナー装置は、部品点数が大幅に増えるため、製品の重量増およびコスト高になり、且つ製品出荷時のガバナー装置の調整も必要になるうえ、この構造では全回転域での出力向上には至らないという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、単純な構造で過回転の防止を可能にするとともに全回転域で出力を向上させることのできる2サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン作業機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点にかかる2サイクルエンジンは、
ピストンを往復動可能に収容し、前記ピストンの往復動によりそれぞれ開閉する排気開口、および掃気開口が内周壁に形成されるシリンダボアと、
前記掃気開口とクランクケース内を接続する掃気通路と、
燃料と空気を混合した混合気を供給する気化器と、
前記気化器と前記掃気通路とを接続する第1の吸気通路と、
前記第1の吸気通路を流れる混合気の流量を制御する制御弁と、
前記制御弁の開閉を制御する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする。
また、前記制御弁は磁性を有するリード弁であり、
通電時に前記リード弁を吸着して前記掃気通路を閉じる電磁石をさらに備え、
前記制御手段は前記電磁石の通電を制御してもよい。
さらに、前記リード弁は、開度を制限するストッパを備えてもよい。
また、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記エンジン回転数検出手段により所定以上のエンジン回転数が検出された場合に、前記第1の吸気通路を閉じるよう前記制御弁の開閉を制御してもよい。
さらに、前記シリンダボアの内周壁に形成され、前記ピストンの往復動により開閉する吸気開口と、
前記気化器と前記吸気開口とを接続する第2の吸気通路と、を備えてもよい。
また、前記第1の吸気通路及び前記第2の吸気通路は、前記気化器に接続されたインシュレータと前記シリンダボアが形成されるシリンダブロックとの接続部において分岐してもよい。
さらに、前記吸気開口は、前記シリンダボアの軸線方向視において、前記第1の吸気通路が接続される掃気通路を前記シリンダボアの周方向に挟んで一対以上設けられてもよい。
また、前記第1の吸気通路が接続される掃気通路は、前記シリンダボアの軸線方向視において、前記シリンダボアの軸線を挟んで前記排気開口と反対側に形成されてもよい。
さらに、前記掃気通路は、第1の所定位置から上死点方向に位置する第2の所定位置まで延びる凹溝と、前記ピストンの側壁との間に画定されてもよい。
本発明の第2の観点にかかるエンジン作業機は、上述の2サイクルエンジンを備えることを特徴とする。
本発明の2サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン作業機によれば、単純な構造で過回転の防止を可能にするとともに全回転域で出力を向上させることができる。
本発明に係るエンジンを搭載したチェンソーの側面図。 図1のチェンソーのエンジン部分の断面図。 ピストンを外した状態での図2のIII−III線断面図。 ピストンを外した状態での図2のIV−IV線断面図。 リード弁が開いた状態を示す図2の要部拡大図。 リード弁が閉じた状態を示す図2の要部拡大図。 回転数に対するエンジンの出力特性を示す図。
以下、本発明の実施形態を添付の図1乃至図7に沿って説明する。図1に示すように、エンジンチェンソー(チェンソー、エンジン作業機)1は、エンジンカバー2の内部に2サイクルエンジン(図示せず、以下エンジン)を収容する。エンジンカバー2からは、チェンソー1の前方(図の左方)に向かって、ソーチェン3を案内する平板状のガイドバー4が突出する。また、エンジンカバー2には、エンジンの出力を調整するトリガ5を備えガイドバー4の突出方向と反対を向く方向に向かって延びるリヤハンドル6が設けられる。作業者のトリガ5の操作により、エンジンの回転数が所定回転数以上になると、エンジンの回転出力は、遠心クラッチ(図示せず)を介してスプロケット(図示せず)に伝達される。そして、スプロケットに巻きつけられたソーチェン3は、ガイドバー4に沿って駆動される。
エンジンカバー2の内部には、図2に示すように、シリンダブロック7のシリンダボア8内をピストン9が上下(図の上下)に往復動するよう縦置きに配置されたエンジン10が収容される。ピストン9はコンロッド11を介してクランクケース12のクランク室13内に回転可能に支持されたクランク軸14に接続され、ピストン9の往復運動は回転運動に変換される。なお、クランク軸14の回転は図示しない遠心クラッチを介してソーチェン3に伝達される。また、クランク軸14には、マグネトロータ15(図1参照)が固定される。マグネトロータ15の外側には、イグニッションコイル16(図1参照)が配置され、イグニッションコイル16はシリンダブロック7の上方(図の上側)に設けられる点火プラグ17に接続される。イグニッションコイル16はマグネトロータ15の回転により高電圧パルスを発生させて点火プラグ17によりシリンダボア8内に火花放電を行う。
シリンダブロック7の後方(図の右側)には、シリンダブロック7に形成されたシリンダブロック側第1吸気通路(第1の吸気通路)18を通じてシリンダボア8に混合気を供給する気化器19がインシュレータ20に形成されるインシュレータ側吸気通路(第1の吸気通路、第2の吸気通路)21を介して接続される。また、シリンダブロック7の前方(図の左側)には、マフラ(図示せず)にシリンダボア8の排気を排出する排気通路22が形成される。そして、排気通路22は、シリンダボア8の内周壁23に開口する排気開口24に接続する。また、シリンダボア8の内周壁23には、シリンダボア8の軸線25方向に関して、排気開口24の上死点側の端部26より下死点側に位置する上死点側の所定位置27(第2の所定位置)からシリンダブロック7の下端28(第1の所定位置)に向かってクランク室13と連通するように延びる凹溝29が形成される。そして、シリンダブロック側第1吸気通路18は、凹溝29に形成される第1吸気開口30に接続する。
図3に示すように、排気開口24は、シリンダボア8を挟んで凹溝29あるいは第1吸気開口30と対向するようシリンダボア8の内周壁23に配置される。また、シリンダボア8の内周壁23には、それぞれ凹溝29に隣接する第2吸気開口(吸気開口)31と第3吸気開口(吸気開口)32とが開口する。そして、第2吸気開口31は、シリンダブロック7に形成されたシリンダブロック側第1吸気通路18に隣接するシリンダブロック側第2吸気通路(第2の吸気通路)33に接続する。また、第3吸気開口32は、シリンダブロック7に形成されたシリンダブロック側第1吸気通路18に隣接するシリンダブロック側第3吸気通路(第2の吸気通路)34に接続する。なお、シリンダブロック側第2吸気通路33とシリンダブロック側第3吸気通路34は、それぞれインシュレータ側吸気通路(第1の吸気通路、第2の吸気通路)21に接続する。
シリンダブロック7にはさらに、シリンダボア11を挟んで対向し、シリンダボア8の軸線25方向に延びる一対の第1掃気通路35と第2掃気通路36とがそれぞれ形成される。第1掃気通路35の上死点側の端部は図4に示す第1掃気開口37に接続し、第1掃気通路35の下死点側の端部はクランク室13(図2参照)に開口するクランク室側掃気開口38(図2参照)に接続する。同様に、第2掃気通路36の上死点側の端部は図4に示す第2掃気開口39に接続し、第2掃気通路36の下死点側の端部はクランク室13(図2参照)に開口するクランク室側掃気開口38(図2参照)に接続する。
図2、図3に示すように、インシュレータ側吸気通路21とシリンダブロック側第1吸気通路18との接続部分には、磁性体材料を使用した可撓性を有するリード弁(制御弁)40とストッパ41とが設けられる。図2に示すように、リード弁40は、インシュレータ20のシリンダブロック7との上死点側の境界部分42に、シリンダブロック側第1吸気通路18側に弾性変形して開くようねじ43により片持ち支持される。また、ストッパ41もリード弁40のシリンダブロック7側にネジ43によりリード弁40とともに、インシュレータ20の上死点側の境界部分42に固定され、変形時のリード弁40の開度を規制する。また、インシュレータ20には、シリンダブロック7との下死点側の境界部分にリード弁40の自由端44に対向するよう吸着部45が露出する電磁石46が設けられる。図4に示すように、リード弁40が閉じた状態では、リード弁40は、インシュレータ側吸気通路21とシリンダブロック側第1吸気通路18との接続部分を完全に覆う。つまり、リード弁40が電磁石46の吸着部45と接触する状態では、リード弁40はシリンダブロック側第1吸気通路18を閉鎖し、インシュレータ側吸気通路21からシリンダブロック側第1吸気通路18への混合気の流入を妨げる。なお、リード弁40は、取付状態において自由端44がインシュレータ20から露出する吸着部45と接触するように取付けられる。また、リード弁40は、シリンダブロック側第1吸気通路18の圧力がインシュレータ側吸気通路21の圧力に比べて所定値以上低くなるとストッパ41の方向に弾性変形する。
図2に示すように、リード弁40の吸着を行う電磁石46は、電磁石46への通電を制御する制御装置(制御手段)47と接続される。また、制御装置47は、エンジン回転数に対応した信号を出力するイグニッションコイル16と接続され、エンジン10の回転数を検出するエンジン回転数検出手段を構成する。制御装置47は、イグニッションコイル16から入力される信号によりエンジン10の回転数が、通常運転時の回転数を過度に越える、例えば12,000rpm以上の第1の所定値以上の回転数が検出された場合に、電磁石46に通電を行い、リード弁40を電磁石46に吸着させる。その後、エンジン10の回転数が第1の所定値より低い、例えば8,000rpm以下の第2の所定値以下の回転数が検出されると、電磁石46への通電を解除する。
このように構成されたエンジン10によれば、エンジン10が始動し、エンジン10の回転数が第1の所定値に達するまでは、制御装置47から電磁石46への通電が行われることがない。この間にピストン9が図2に示すように上死点に向かって上昇すると、クランク室13の圧力がインシュレータ側吸気通路21の圧力より低くなる。したがって、気化器19から供給される混合気が、インシュレータ側吸気通路21から、シリンダブロック側第2吸気通路33とシリンダブロック側第3吸気通路34それぞれに流入する。また、クランク室13とインシュレータ側吸気通路21の圧力差により、図5に示すようにリード弁40が弾性変形してストッパ41側に開き、インシュレータ側吸気通路21からシリンダブロック側第1吸気通路18にも混合気が流入する。そして、シリンダブロック側第2吸気通路33に流入した混合気は、第2吸気開口31からクランク室13に流入し、シリンダブロック側第3吸気通路34に流入した混合気は、第3吸気開口32からクランク室13に流入する。また、シリンダブロック側第1吸気通路18に流入した混合気は、第1吸気開口30から凹溝29を経てクランク室13に流入する。
その後、ピストン9が下降すると、ピストン9の側壁により第2吸気開口31と第3吸気開口32が閉鎖され、クランク室13の圧力が上昇する。そして、ピストン9が下降すると、排気開口24が開口し、シリンダボア8内の燃焼ガスは排気開口24を通って排気通路22に流出する。さらにピストン9が下降し、ピストン9の頂面が、シリンダボア8の軸線25方向に関してほぼ同じ位置にある、凹溝29の上死点側の所定位置27、第1掃気開口37の上死点側の端部、および第2掃気開口39の端部より下方になると、クランク室13内の混合気が凹溝29、第1掃気通路35から第1掃気開口37、および第2掃気通路36から第2掃気開口39を経て、シリンダボア8内に流入する。この時、クランク室13の圧力はインシュレータ側吸気通路21の圧力より高いため、リード弁40はインシュレータ20の吸着部45と接触し、シリンダブロック側第1吸気通路18を閉鎖する状態に保持される。尚、第1掃気開口37及び第2掃気開口39は、排気開口24とシリンダボア8の軸線25を挟んで反対側の凹溝29側に向けられて形成されていると共に、凹溝29は、第1掃気開口37及び第2掃気開口39より上死点側を向くよう形成されている。このように構成することで、シリンダボア8に流入する掃気流が、凹溝29側で反転して上部を回って排気開口へと向かう反転掃気を好適に行うことができ、未燃焼ガスの低減や燃焼効率の向上を図ることが可能となる。
また、エンジン10の回転数が第1の所定値を越えた状態では、制御装置47は電磁石46への通電を行う。この間にピストン9が図2に示すように上死点に向かって上昇すると、クランク室13の圧力がインシュレータ側吸気通路21の圧力より低くなる。したがって、気化器19から供給される混合気が、インシュレータ側吸気通路21から、シリンダブロック側第2吸気通路33とシリンダブロック側第3吸気通路34それぞれに流入する。そして、シリンダブロック側第2吸気通路33に流入した混合気は、第2吸気開口31からクランク室13に流入し、シリンダブロック側第3吸気通路34に流入した混合気は、第3吸気開口32からクランク室13に流入する。一方、電磁石46への通電が行われているため、図6に示すように、リード弁40の自由端44は電磁石46の吸着部45に吸着した状態に保持される。このため、インシュレータ側吸気通路21の圧力がクランク室13の圧力より所定以上に上昇しても、リード弁40はシリンダブロック側第1吸気通路18を閉鎖し、インシュレータ側吸気通路21からシリンダブロック側第1吸気通路18への混合気の流入を妨げる。
その後、ピストン9が下降すると、ピストン9の側壁により第2吸気開口31と第3吸気開口32が閉鎖され、クランク室13の圧力が上昇する。そして、ピストン9が下降すると、排気開口24が開口し、シリンダボア8内の燃焼ガスは排気開口24を通って排気通路22に流出する。さらにピストン9が下降し、ピストン9の頂面が、シリンダボア8の軸線25方向に関してほぼ同じ位置にある、凹溝29の上死点側の所定位置27、第1掃気開口37の上死点側の端部、および第2掃気開口39の端部より下方になると、クランク室13内の混合気が凹溝29、第1掃気通路35から第1掃気開口37、および第2掃気通路36から第2掃気開口39を経て、シリンダボア8内に流入する。
エンジン10が第1の所定値より低い中低速回転域(図7のAより左側の領域)で運転される状態においては、シリンダブロック側第1吸気通路18から凹溝29を経てクランク室13に流入する分の混合気の増量が行われる。また、リード弁40が設けられることで、シリンダブロック側第1吸気通路18からインシュレータ側吸気通路21への吹き返しも抑えることができる。このため、図7に実線48で示す吸気開口の総面積がエンジン10の第2吸気開口31の面積と第3吸気開口32の面積との和と等しく、第1掃気通路35と第2掃気通路36のみ(つまり凹溝29を有さない)を掃気通路とする従来のエンジンに比べて、点線49で示すように出力を向上させることができる。尚、吸気通路の制御手段をリード弁40により構成していることにより、ピストン9の下降時にインシュレータ側吸気通路21側への吹き返しを抑えるために通電を必要とせず、消費電力の低減を図ることが可能となる。
また、エンジン10が第1の所定値より低い高速回転域(図7のAとBの間の領域)で運転される状態においては、凹溝29が追加の掃気通路となるので、シリンダボア8内への混合気の充填率が向上する。このため、図7に実線で示す従来のエンジンに比べて、2点鎖線50で示すように出力を向上させることができる。
さらに、エンジン10が第1の所定値より高い過回転域(図7のBより右の領域)で運転される状態においては、電磁石46への通電によりリード弁40がシリンダブロック側第1吸気通路18を閉鎖する。このため、クランク室13内への混合気の供給は、シリンダブロック側第2吸気通路33とシリンダブロック側第3吸気通路34から行われる。したがって、図7に点線51で示すように、吸気量の減少によりエンジン10の出力が減少し、第2吸気開口31および第3吸気開口32の開口面積にて制限される回転数以上への回転数の上昇を抑制することができ、特に高回転域での自己着火による過回転を効果的に抑制することができる。また、制御装置47により電磁石46の作動を任意の回転速度に設定することで、エンジン10の回転数を容易に制限することが可能になる。このため、エンジン作業機として実用外の高回転域での使用を制限でき、騒音、振動過多を防止して、エンジン作業機の長寿命化も図ることができる。また、リード弁40は、ストッパ41により変形量が規制されるうえ、第1の所定値より高い過回転域では電磁石46に吸着して振動しないため、リード弁40そのものの長寿命化を図ることもできる。尚、リード弁40の制御は過回転時に完全に閉状態とせず、開状態を所定期間毎に行うよう制御しても良い。
また、エンジン10では、凹溝29と第2吸気開口31と第3吸気開口32をシリンダボア8の円周方向に並べて配置し、吸気開口を実質的にシリンダボア8の円周方向に広げることで面積を拡大している。このため、第2吸気開口31と第3吸気開口32のシリンダボア8の軸線25方向の長さを抑制し、膨張行程におけるクランク室13から気化器19への吹き返しを最小限に抑えることが出来る。また、第2吸気開口31と第3吸気開口32は、凹溝29を挟んで両側に配設される構造となっている。このようなレイアウトとすることで、気化器19が配置される側に纏まって配置することが可能であるため、通路設計に無理がなく、シリンダブロックの周囲に直接部品が配置される小型エンジンにおいてシリンダを大型化することがなく、全体をコンパクトに構成することが可能となる。また、インシュレータ側吸気通路21からシリンダブロック側第1吸気通路18、シリンダブロック側第2吸気通路33、及びシリンダブロック側第3吸気通路34への混合気の流入は、インシュレータ20とシリンダブロック7との接続部にて分岐するよう構成されているため、製造を容易とすることができる。また、シリンダブロック側第1吸気通路18と接続される掃気通路を凹溝29により構成したことにより、ピストン9との間に隔壁を有するものに対して製造コストを低減することができる。尚、凹溝29ではなく、隔壁を備えていてもよいし、別体の壁を取り付け掃気通路を画定するものであってもよい。
このように、エンジン10では、掃気通路として形成される凹溝29にシリンダブロック側第1吸気通路18を接続するとともに、シリンダブロック側第1吸気通路18をエンジン10の回転数に応じてリード弁40により制御する単純な構成の追加で、エンジン10の全回転域で出力を向上させることができるうえ、過回転の防止を可能にすることができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものでは無く、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本発明に係るエンジン10は、エンジンチェンソー1以外に、刈払機やヘッジトリマ等に適用することもできる。また、エンジン10は、必ずしも第1掃気開口37と第1掃気通路35、第2掃気開口39と第2掃気通路36をそれぞれ一対備えたものに限定されるものでは無く、例えば、掃気開口と掃気通路を一対のみ備えるものであってもよい。
1 エンジンチェンソー(エンジン作業機)
7 シリンダブロック
8 シリンダボア
9 ピストン
10 エンジン
12 クランクケース
13 クランク室
14 クランク軸
16 イグニッションコイル
18 シリンダブロック側第1吸気通路(第1の吸気通路)
19 気化器
20 インシュレータ
21 インシュレータ側吸気通路(第1の吸気通路、第2の吸気通路)
22 排気通路
23 シリンダボアの内周壁
24 排気開口
25 シリンダボアの軸線
29 凹溝
30 第1吸気開口
31 第2吸気開口
32 第3吸気開口
33 シリンダブロック側第2吸気通路(第2の吸気通路)
34 シリンダブロック側第3吸気通路(第2の吸気通路)
35 第1掃気通路
36 第2掃気通路
37 第1掃気開口
38 クランク室側掃気開口
39 第2掃気開口
40 リード弁(制御弁)
41 ストッパ
45 吸着部
46 電磁石
47 制御装置(制御手段、エンジン回転数検出手段)

Claims (10)

  1. ピストンを往復動可能に収容し、前記ピストンの往復動によりそれぞれ開閉する排気開口、および掃気開口が内周壁に形成されるシリンダボアと、
    前記掃気開口とクランクケース内を接続する掃気通路と、
    燃料と空気を混合した混合気を供給する気化器と、
    前記気化器と前記掃気通路とを接続する第1の吸気通路と、
    前記第1の吸気通路を流れる混合気の流量を制御する制御弁と、
    前記制御弁の開閉を制御する制御手段と、を備える、
    ことを特徴とする2サイクルエンジン。
  2. 前記制御弁は磁性を有するリード弁であり、
    通電時に前記リード弁を吸着して前記掃気通路を閉じる電磁石をさらに備え、
    前記制御手段は前記電磁石の通電を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の2サイクルエンジン。
  3. 前記リード弁は、開度を制限するストッパを備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の2サイクルエンジン。
  4. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記エンジン回転数検出手段により所定以上のエンジン回転数が検出された場合に、前記第1の吸気通路を閉じるよう前記制御弁の開閉を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  5. 前記シリンダボアの内周壁に形成され、前記ピストンの往復動により開閉する吸気開口と、
    前記気化器と前記吸気開口とを接続する第2の吸気通路と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  6. 前記第1の吸気通路及び前記第2の吸気通路は、前記気化器に接続されたインシュレータと前記シリンダボアが形成されるシリンダブロックとの接続部において分岐する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の2サイクルエンジン。
  7. 前記吸気開口は、前記シリンダボアの軸線方向視において、前記第1の吸気通路が接続される掃気通路を前記シリンダボアの周方向に挟んで一対以上設けられる、
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の2サイクルエンジン。
  8. 前記第1の吸気通路が接続される掃気通路は、前記シリンダボアの軸線方向視において、前記シリンダボアの軸線を挟んで前記排気開口と反対側に形成される、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  9. 前記掃気通路は、第1の所定位置から上死点方向に位置する第2の所定位置まで延びる凹溝と、前記ピストンの側壁との間に画定される、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の2サイクルエンジンを備える、
    ことを特徴とするエンジン作業機。
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