JP2012241402A - 鉄筋コンクリート構造物における配筋構造および配筋方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物における配筋構造および配筋方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べてコストダウンを図りつつも鉄筋コンクリート構造物における軸方向鉄筋の座屈を好適に抑制できる技術を提供する。
【解決手段】部材外周側に部材軸方向に沿って配筋される軸方向鉄筋51と、軸方向鉄筋51の外周側に巻回された帯鉄筋52とを有する橋脚5物における配筋構造であって、帯鉄筋52同士の隙間から一の帯鉄筋52によって囲まれた内部コンクリートの途中まで挿入される定着部55、および定着部55の基端側に設けられると共に帯鉄筋52の外側面に係止する所定の係止形状を有する係止部56からなる座屈抑制定着鉄筋54と、各座屈抑制定着鉄筋54における定着部55の先端側に緊結され、定着部55を部材軸直交断面に沿うような姿勢に保持する姿勢保持部材57と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造物における配筋構造および配筋方法に関する。
例えば橋脚などの鉄筋コンクリート構造物では、コンクリート内に軸方向鉄筋(主筋)を配筋すると共に、構造断面の周長方向に軸方向鉄筋を取り囲むように帯鉄筋(帯筋)を配筋し、更に内部コンクリート断面を貫通するように中間帯鉄筋(中子筋)を配筋して構築する。
図6は、従来に係る橋脚1の配筋構造を示す図である。下段は、橋脚1の部材軸方向の断面(以下、「部材軸断面」という)を示し、上段は、部材軸断面と直交する断面(以下、「部材軸直交断面」という)を示す。この鉄筋コンクリート構造の橋脚1は、断面略四角形のコンクリート10と、このコンクリート10の外周側に配置された多数の軸方向鉄筋11と、これら軸方向鉄筋11の外周に巻回された多数の帯鉄筋12と、これらの帯鉄筋12の互いに対向する辺同士に係止された中間帯鉄筋13とを備える。
中間帯鉄筋13は、その両端部を帯鉄筋12に係止するため、両端部に半円形フック又は鋭角フックが設けられている。この中間帯鉄筋13は、コンクリート10の断面においてループ状をなす一の帯鉄筋12によって囲まれた領域である内部コンクリートを貫通するように配筋される。
地震時の塑性化を考慮した設計、即ち、一定以上の応力が発生したときにその応力を緩和するために橋脚を塑性変形させるように考慮した設計が行われている。このように塑性化を考慮した設計を行う場合には、塑性変形が確実に得られるようにするため、帯鉄筋12および中間帯鉄筋13を適切に配置する必要がある。
地震時において繰り返しの水平力を橋脚が受けると、軸方向鉄筋11が座屈し、次いで内部コンクリートの圧壊に至るケースが起こりやすい。これに対し、帯鉄筋12および中間帯鉄筋13は、軸方向鉄筋の座屈を防止すると共に内部コンクリートの横拘束を高める機能を担い、また、橋脚1のせん断破壊を防止するせん断補強筋として機能する。
ところで、上記の如く中間帯鉄筋13は帯鉄筋12によって囲まれた内部コンクリートを貫通するように配筋される。そのため、鉄筋コンクリート構造物における断面寸法が大きくなると、中間帯鉄筋13の長さが長くなることに起因して鋼材の使用量が増えてしまう。
これに対して、帯鉄筋の外側面に当接させて配置された保持部材と、この保持部材の側方に延び且つ所定の長さを有すると共に帯鉄筋間の隙間からコンクリート内に挿入されてコンクリートに定着される棒状且つ直線状の定着部材と、を有する座屈抑制部材に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第3755058号公報 特開2008−138507号公報
特許文献1に係る技術では、帯鉄筋の外側に保持部材が当接しつつこの保持部材に取り付けられた定着部材がコンクリートに定着するので、帯鉄筋が外側にはらみ出るのを抑制でき、中間帯鉄筋を帯鉄筋の対向辺同士に架け渡す場合に比べて、その鋼材使用量を大幅に抑える事ができる。
しかしながら、上記従来の座屈抑制部材では、帯鉄筋の外側に配置される保持部材と帯鉄筋間の隙間から挿入される定着部材とを互いに溶着して一体化することを想定しており、コスト的に不利となり易い。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、その目的は、従来に比べてコストダウンを図りつつも鉄筋コンクリート構造物における軸方向鉄筋の座屈を好適に抑制できる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を採用する。即ち、本発明は、部材外周側に部材軸方向に沿って配筋される軸方向鉄筋と、前記軸方向鉄筋の外周側に巻回された帯鉄筋とを有する鉄筋コンクリート構造物における前記軸方向鉄筋の座屈を抑制する配筋構造であって、前記帯鉄筋同士の隙間から一の帯鉄筋によって囲まれた内部コンクリートの途中まで挿入される定着部、および前記定着部の基端側に設けられると共に前記帯鉄筋の外側面に係止する所定の係止形状を有する係止部からなる座屈抑制部材と、各座屈抑制部材における前記定着部の先端側に緊結され、該定着部を部材軸直交断面に沿うような姿勢に保持する姿勢保持部材と、を備える鉄筋コンクリート構造物における配筋構造である。
本発明に係る配筋構造によれば、地震時に鉄筋コンクリート構造物に対して正負交番荷重が作用しても、座屈抑制部材における定着部が内部コンクリートに確りと定着されており、この定着部の基端側に一体形成されている係止部が帯鉄筋に引掛けられるなどして係止されるため、帯鉄筋が外側にはらみ出すことを抑制できる。よって、この帯鉄筋によって外側が拘束されている軸方向鉄筋の座屈を好適に抑制することができる。また、帯鉄筋による内部コンクリートの拘束効果が向上するので、鉄筋コンクリート構造物の靱性能が向上する。
また、本発明に係る座屈抑制部材および姿勢保持部材は、何れも一般的な鉄筋部材によって構成することができ、これらを結束線などを用いて緊結することで座屈抑制部材の定着部の姿勢を所望の姿勢に保持することができる。したがって、特許文献1に開示されている座屈抑制部材のように、帯鉄筋の外側に配置される保持部材と帯鉄筋同士間の隙間から挿入される定着部材とを互いに溶着して一体化する必要が無く、コスト的に有利である。
本発明によれば、一の帯鉄筋によって囲まれる内部コンクリートを貫通する中間帯鉄筋を間引き、この中間帯鉄筋を間引いた区間に亘り内部コンクリートの途中までしか挿入しない座屈抑制部材を設けることにより、従来に比べて使用する鉄筋量を低減することができ、コストダウンを図ることが可能である。
また、本発明に係る鉄筋コンクリート構造物における配筋構造は、一の前記帯鉄筋における互いに対向する辺同士を接続すると共に前記部材軸直交断面を貫通して設けられる中間帯鉄筋が、前記部材軸方向に所定のせん断破壊抑制用ピッチで配置されていてもよい。この場合、前記姿勢保持部材は、前記せん断破壊抑制用ピッチで配置される前記中間帯鉄筋同士に結束されて且つ前記部材軸方向に沿って配筋される補助用鉄筋であってもよい。
また、本発明は鉄筋コンクリート構造物における配筋方法の一側面としても捉えることができる。即ち、本発明は、部材外周側に部材軸方向に沿って配筋される軸方向鉄筋と、前記軸方向鉄筋の外周側に巻回された帯鉄筋とを有する鉄筋コンクリート構造物における前記軸方向鉄筋の座屈を抑制する配筋方法であって、定着部および係止部からなる座屈抑制部材のうち、前記帯鉄筋同士の隙間から一の帯鉄筋によって囲まれた内部コンクリートの途中まで前記定着部を挿入しつつ、前記定着部の基端側に設けられると共に所定の係止形状を有する前記係止部を前記帯鉄筋の外側面に係止する座屈抑制部材配置工程と、前記座屈抑制部材の前記定着部を部材軸直交断面に沿うような姿勢に保持させる姿勢保持工程と、を含む、鉄筋コンクリート構造物における配筋方法である。本発明における配筋方法によれば、上述した配筋構造と同様な作用効果を奏する。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、従来に比べてコストダウンを図りつつも鉄筋コンクリート構造物における軸方向鉄筋の座屈を好適に抑制できる技術を提供することが可能である。
実施例1に係る橋脚の配筋構造を示す図である。 実施例1に係る橋脚の配筋構造を説明するための斜視図である。 実施例1に係る橋脚の部材軸方向における部分断面図である。 一般配筋構造と本配筋構造における使用鉄筋量を比較する図である。 座屈抑制定着鉄筋の変形例を示す図である。 従来に係る橋脚の配筋構造を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る鉄筋コンクリート構造物における配筋構造および配筋方法の実施をするための形態について説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる例示に過ぎない。ここでは、鉄筋コンクリート構造物として道路橋脚を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
〈実施例1〉
図1は、実施例1に係る橋脚5の配筋構造を示す図である。上段には橋脚5の部材軸直交断面を示し、下段には橋脚5の部材軸断面を示す。橋脚5は、断面四角形のコンクリート50と、このコンクリート50の外周側に部材軸方向に沿って配筋される軸方向鉄筋(主筋)51と、これら軸方向鉄筋51の外周側に巻回されて配筋された帯鉄筋(帯筋)52と、一の帯鉄筋52の互いに対向する辺同士に係止された中間帯鉄筋53と、軸方向鉄筋51の座屈を抑制するための座屈抑制定着鉄筋54(座屈抑制部材)および姿勢保持部材55を備える。
コンクリート50、軸方向鉄筋51、帯鉄筋52については、一般的に使用されているものと同様なので、ここでの詳細な説明を省略する。また、軸方向鉄筋51や帯鉄筋52などの鉄筋径、配筋本数、ピッチなどは例示的に図示したものであり、言うまでもなく特定の組み合わせには限定されない。中間帯鉄筋53についても、部材自体は公知のものと同様であり、図6でも説明したようにその両端部を帯鉄筋12に係止するため、両端部には半円形フック、あるいは鋭角フック等が設けられている。
上記のように、中間帯鉄筋53には帯鉄筋52のはらみ出しを抑制する役割の他、橋脚5のせん断破壊を抑制するせん断補強筋としての役割がある。そのため、中間帯鉄筋53は、橋脚5(鉄筋コンクリート構造物)のせん断破壊を抑制する観点から要求される(定められる)所定のせん断破壊抑制用ピッチごとに、部材軸方向における配筋ピッチが定められている。そのため、本実施例における中間帯鉄筋53は、図6に示すように帯鉄筋52と等ピッチで配置する中間帯鉄筋13に比べて、いわゆる間引かれた状態の配筋構造となっている。
次に、座屈抑制定着鉄筋54および姿勢保持部材57について詳しく説明する。図2は、実施例1に係る橋脚5の配筋構造を説明するための斜視図である。図3は、実施例1に係る橋脚5の部材軸方向における部分断面図である。
座屈抑制定着鉄筋54は軸方向鉄筋51の座屈を抑制するための部材であり、図2および図3に示すように、直線状且つ棒状の定着部55と、帯鉄筋52の外側面に係止(掛止)する係止部56とが一体となった部材である。座屈抑制定着鉄筋54の定着部55は、帯鉄筋52同士の隙間から一の帯鉄筋52によって囲まれた内部コンクリートの途中まで挿入され、配筋完了後に打設されるコンクリート50に定着する部材である。即ち、座屈抑制定着鉄筋54は、帯鉄筋52によって囲まれた内部コンクリートを貫通しない態様で配置される定着鉄筋である。座屈抑制定着鉄筋54の定着部55には、コンクリート50との定着性を高めるべく異形鉄筋が採用されているが、これには限定されない。また、座屈抑制定着鉄筋54の鉄筋径についても適宜の設計変更が可能である。
座屈抑制定着鉄筋54の係止部56は、定着部55の基端側に設けられると共に帯鉄筋52の外側面に係止する所定の係止形状を有する。本実施例における係止部56の係止形状としては、半円形フック形状を採用している。
姿勢保持部材57は、橋脚5の部材軸方向に沿って配置される部材であり、各定着部55の先端側部分が結束線などを用いて緊結されることによって定着部55の姿勢を橋脚5の部材軸直交断面に沿った姿勢(本実施例において水平姿勢)に保持するための部材である。本実施例では、結束線などを用いて各中間帯鉄筋53に緊結された補助用鉄筋によって姿勢保持部材57を構成している。
次に、橋脚5の部材軸方向における座屈抑制定着鉄筋54の配筋ピッチと、その定着部55の定着長さについて説明する。橋脚5の部材軸方向に沿ってせん断破壊抑制用ピッチで配置される二本の中間帯鉄筋53に挟まれた領域を「途中定着領域」と称呼する。座屈抑制定着鉄筋54は、途中定着領域における所定ピッチ毎に配置される。図3の配置例では、座屈抑制定着鉄筋54の配筋ピッチを帯鉄筋52の配筋ピッチと合致させているが、これに限定されるものではなく、設計変更を加えることができる。また、座屈抑制定着鉄筋の定着部55については、例えば地震時に定着部55に引き抜き力が作用した際に、定着部55の定着耐力が降伏耐力以上に確保されるようにその定着長さが設計されている。
橋脚5の配筋方法を説明すると、まず、座屈抑制部材配置工程においては、定着部55および係止部56からなる座屈抑制定着鉄筋54のうち、帯鉄筋52同士の隙間から一の帯鉄筋52によって囲まれた内部コンクリートの途中まで定着部55を挿入しつつ、この定着部55の基端側に設けられると共に所定の係止形状としての半円形フック形状を有する係止部56を帯鉄筋52の外側から引掛けることでその外側面に係止する。
次いで、姿勢保持工程では、座屈抑制定着鉄筋54の定着部55を所定の部材軸直交断面に沿うような姿勢に保持させる。具体的には、せん断破壊抑制用ピッチで設けられる中間帯鉄筋53に対して姿勢保持部材57を、結束線を用いて緊結するなどして、これを部
材軸方向に沿って予め配置しておく。そして、各座屈抑制定着鉄筋54の定着部55が部材軸直交断面に沿った姿勢となるように、結束線を用いて緊結するなどして各定着部55を姿勢保持部材57に固定する。尚、中間帯鉄筋53に対する姿勢保持部材57の緊結は、座屈抑制部材配置工程の前に行ってもよいし、同工程の後に行ってもよい。なお、各図において、軸方向鉄筋帯鉄筋54と姿勢保持部材57とを相互に緊結する部分以外の結束線の図示を割愛している。
以上のように構成される橋脚5によれば、例えば図3に示すように地震時に橋脚5に対して水平方向の交番荷重Fが作用すると、軸方向鉄筋51に圧縮力Wが作用し、これによって軸方向鉄筋51に座屈力が作用する。ここで、軸方向鉄筋51は、帯鉄筋52によって外側が拘束されており、更にこの帯鉄筋52はその外側が座屈抑制定着鉄筋54によって拘束されている。
座屈抑制定着鉄筋54は、定着耐力が降伏耐力以上に確保されるようにその定着長さが設定された定着部55がコンクリート50に定着されているため、帯鉄筋52に係止された係止部56を介して定着部55に引き抜き力が作用しても、定着部55の降伏前にこれがコンクリート50から抜け出すことがない。よって、地震時において帯鉄筋52を外側にはらみ出させるように作用する力は座屈抑制定着鉄筋54によって受け止められるので、帯鉄筋52が外側にはらみ出すことが抑制される。
更に、本実施例に係る橋脚5の配筋構造によれば、定着部55の水平姿勢を保持するための姿勢保持部材57が定着部55の先端部同士を接続しているので、定着部55の抜け出しがより一層起こり難い構造とすることができる。
以上のように、本実施例に係る橋脚5の配筋構造および配筋方法によれば、座屈抑制定着鉄筋54および姿勢保持部材が協働して、地震時に帯鉄筋52が外側にはらみ出すことを抑制できるので、この帯鉄筋52によって外側が拘束されている軸方向鉄筋51の座屈を好適に抑制できる。また、帯鉄筋52によるコンクリート50(内部コンクリート)の拘束効果が向上して、橋脚5の靱性能が向上する。
更に、本実施例に係る座屈抑制定着鉄筋54および姿勢保持部材57は、何れも一般的な鉄筋であり、かつ、結束線などを用いて緊結するといった一般的な配筋方法を採用している。したがって、特許文献1に開示されている座屈抑制部材のように、帯鉄筋の外側に配置される保持部材と帯鉄筋同士間の隙間から挿入される定着部材とを互いに溶着して一体化する必要がなく、コスト的に有利である。
また、図6に示した従来の配筋構造のように中間帯鉄筋13を帯鉄筋11と同ピッチにて配置する代わりに、中間帯鉄筋53の配筋ピッチをせん断破壊抑制用ピッチとする事で中間帯鉄筋53を間引き、この中間帯鉄筋53同士に挟まれた途中定着領域に内部コンクリートの途中までしか挿入しない座屈抑制定着鉄筋54を所定ピッチで配置するようにしたので、従来の配筋構造に比べて鉄筋使用量を少なくすることができ、コスト的に有利である。
図4に、一般配筋構造と本配筋構造における使用鉄筋量の比較例を示す。ここでいう一般配筋構造とは、図6に示したものと同様な配筋構造であり、中間帯鉄筋を帯鉄筋の配筋ピッチに合わせている。図4の上段に一般配筋構造を示し、下段に本配筋構造を示す。更に、本比較例において、橋脚の部材幅、軸方向鉄筋(主鉄)の配筋パターン(鉄筋径、本数など)、帯鉄筋の配筋パターン(鉄筋径、形状、配筋ピッチなど)、中間帯鉄筋の鉄筋径および形状は同条件としている。また、本配筋構造に係るせん断破壊抑制用ピッチは、帯鉄筋の配筋ピッチの9倍に設定した。
その他の条件として、橋脚の部材幅を3000mm、中間帯鉄筋の直線部長さを2800mm、座屈抑制定着鉄筋の定着部長さを600mm、姿勢保持部材の長さを1550mmとした。上記条件の場合、一般配筋構造の使用鉄筋量に対する本発明配筋構造の使用鉄筋量は0.65として試算された。鉄筋コンクリート構造物の施工において、施工元請会社と鉄筋工事業者との間にける鉄筋工事の請負金額は、鉄筋量に応じて決定されることも多く、このような実情を鑑みても、一般配筋構造に比べて鉄筋使用量を少なくできることは、施工コストの低減に極めて有効である。
以上のことから、本実施例に係る橋脚5の配筋構造および配筋方法によれば、従来に比べてコストダウンを図りつつも鉄筋コンクリート構造物における軸方向鉄筋の座屈を好適に抑制できる技術を提供することが可能となる。
〈変形例〉
上述した実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。図5は、座屈抑制定着鉄筋54の変形例を示す図である。図示のように、座屈抑制定着鉄筋54における定着部55の先端に、コンクリート50からの抜け出しを防止するための頭部55aを設けてもよい。この頭部54は、定着部55よりも径の大きな円形、矩形などのプレートであってもよい。また、定着部55に対して頭部54を溶接によって固定してもよいし、定着部55および頭部54にねじ加工を施してこれらを互いに接続してもよく、種々の接続方式を適用することができる。また、定着部55の先端を加熱加工することで頭部55aを設けてもよい。
上記のように、定着部55の先端に頭部55aを設けることによって、座屈抑制定着鉄筋54のコンクリート50への定着耐力が増加するため、軸方向鉄筋51の座屈をより確実に抑制できると共に、橋脚5の靱性能がより優れたものとなる。
また、座屈抑制定着鉄筋54における係止部56の係止形状として、本実施例では半円形フック形状を採用したが、例えば鋭角フックであってもよいし、直角フックであってもよく、帯鉄筋52に係止(掛止)することのできる形状であればその他の形状を呈していてもよい。
また、本実施例においては、姿勢保持部材57として、橋脚5の部材軸方向に沿って配置される補助用鉄筋を採用しているがこれには限られない。橋脚5を構築する構造用鋼材(構造用鉄筋、構造用鉄骨部材など)を利用し、この構造用鋼材に種々の方法で固定することによって定着部55の姿勢を部材軸直交断面に沿った姿勢(水平姿勢)に保持してもよい。また、当然ながら、補助用鉄筋以外の非構造部材(例えば、上下二本の中間帯鉄筋に挟まれた途中定着領域に設置された金属メッシュ枠体など)を姿勢保持部材57として採用し、定着部55の姿勢を部材軸直交断面に沿った姿勢に保持するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る鉄筋コンクリート構造物における配筋構造および配筋方法はこれらに限らず、可能な限りこれらの組み合わせを含むことができる。また、本実施形態では、本発明に係る配筋構造および配筋方法を橋脚に適用する場合を例示的に説明したが、他の構造物、例えば所謂ラーメン構造物なども適用できるのは勿論である。また、例えば橋脚などのいわゆる鉛直部材(柱部材)に適用する代わりに、水平部材(梁部材)にも好適に適用することができる。
5・・・橋脚
50・・・コンクリート
51・・・軸方向鉄筋
52・・・帯鉄筋
53・・・中間帯鉄筋
54・・・座屈抑制定着鉄筋
55・・・定着部
56・・・係止部
57・・・姿勢保持部材

Claims (3)

  1. 部材外周側に部材軸方向に沿って配筋される軸方向鉄筋と、前記軸方向鉄筋の外周側に巻回された帯鉄筋とを有する鉄筋コンクリート構造物における前記軸方向鉄筋の座屈を抑制する配筋構造であって、
    前記帯鉄筋同士の隙間から一の帯鉄筋によって囲まれた内部コンクリートの途中まで挿入される定着部、および前記定着部の基端側に設けられると共に前記帯鉄筋の外側面に係止する所定の係止形状を有する係止部からなる座屈抑制部材と、
    各座屈抑制部材における前記定着部の先端側に緊結され、該定着部を部材軸直交断面に沿うような姿勢に保持する姿勢保持部材と、
    を備える、
    鉄筋コンクリート構造物における配筋構造。
  2. 一の前記帯鉄筋における互いに対向する辺同士を接続すると共に前記部材軸直交断面を貫通して設けられる中間帯鉄筋が、前記部材軸方向に所定のせん断破壊抑制用ピッチで配置され、
    前記姿勢保持部材は、前記せん断破壊抑制用ピッチで配置される前記中間帯鉄筋同士に結束されて且つ前記部材軸方向に沿って配筋される補助用鉄筋である、
    請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物における配筋構造。
  3. 部材外周側に部材軸方向に沿って配筋される軸方向鉄筋と、前記軸方向鉄筋の外周側に巻回された帯鉄筋とを有する鉄筋コンクリート構造物における前記軸方向鉄筋の座屈を抑制する配筋方法であって、
    定着部および係止部からなる座屈抑制部材のうち、前記帯鉄筋同士の隙間から一の帯鉄筋によって囲まれた内部コンクリートの途中まで前記定着部を挿入しつつ、前記定着部の基端側に設けられると共に所定の係止形状を有する前記係止部を前記帯鉄筋の外側面に係止する座屈抑制部材配置工程と、
    前記座屈抑制部材の前記定着部を部材軸直交断面に沿うような姿勢に保持させる姿勢保持工程と、
    を含む、
    鉄筋コンクリート構造物における配筋方法。
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