JP2012240270A - 液体吐出装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents

液体吐出装置およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体が流通する流路内から液体を回収でき、液体に含まれる固形物が流路内に沈降することを防止できる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る液体吐出装置10は、媒体に液体を吐出する液体吐出部22と、その液体を貯留する液体貯留部17と、液体貯留部17と液体吐出部22との間を液体が流通可能に連結された第1の液体流路31とを備え、第1の液体流路31には、分岐部35が設けられ、分岐部35から分岐して液体が流通可能な第2の液体流路32をさらに備え、第2の液体流路32には、第1の液体流路31内および第2の液体流路32内の液体を回収するための回収タンク33が設けられると共に、該液体を回収タンク33へ搬送するための搬送手段37が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体吐出装置およびインクジェット記録装置に関し、さらに詳細には、媒体に液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置、および記録メディアにインクを吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に関する。
上記液体吐出装置の例としてインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が挙げられ、従来より種々の構成のものが知られている。例えば、被印刷対象物であるシート状の記録メディアを支持するためのプラテン、およびこのプラテンの上側にプラテンに対向させた記録ヘッドを設けた構成が知られている。記録ヘッドは、例えば、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)等の色毎に設けられており、プラテンに対向した面には多数の吐出ノズルが形成されている。当該吐出ノズルから吐出されるインクは、インクカートリッジから記録ヘッドに供給される。この構成の液体吐出装置においては、記録ヘッドを左右に往復移動させる動作と、これに対して直交する前後方向に記録メディアを相対移動させる動作とを組み合わせて行いながら、プラテンに支持された記録メディアに向けて吐出ノズルからインク(インク滴)を吐出させる制御を行い、記録メディアの表面に所望の印刷を施すようになっている。
上記構成に例示されるインクジェットプリンタの従来例として、図8に示すインクジェットプリンタ100が知られている(特許文献1参照)。当該インクジェットプリンタ100は、補給用インク保持容器111からその途中に補給用インク供給制御電磁弁114を介在してインク供給管103に接続されるインク補給管113を流れる補給用インクを前記補給用インク保持容器111に戻す補給用インク循環管115と、該補給用インク循環管115の途中に介在した補給用インク循環制御電磁弁116とを備え、インク補給管113内の補給用インクを補給用インク循環ポンプ117によって循環させて該補給管113内のインクの顔料沈殿及び凝集を解消するというものである。なお、同図8中の符号101は記録用インク保持容器、103は記録用インク供給管、110は記録ノズルである。
特開平5−185600号公報
ところで、特許文献1に例示されるインクジェットプリンタにおいては、非印刷時においてインクの流路(例えば、図8における記録用インク供給管103)内に滞留しているインクに対して循環および攪拌が行われないため、インクに含まれる色材が流路内に沈降してしまうという課題があった。当該色材の沈降は、印刷濃度もしくは色味の変動、または記録ヘッドにおけるインクの吐出安定性の低下等の原因となるため、その解決が要望されていた。なお、当該課題が発生し易いインクの例としては、顔料系インク、白色系インク、金属光沢色インク等が挙げられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、液体が流通する流路内から液体を回収でき、それによって液体に含まれる固形物が流路内に沈降することを防止できる液体吐出装置を提供することを目的とする。
一実施形態として、以下に開示するような解決手段により、前記課題を解決する。
開示の液体吐出装置は、媒体に液体を吐出する液体吐出部と、前記液体吐出部から吐出する前記液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部と前記液体吐出部との間を前記液体が流通可能に連結された第1の液体流路と、を備えた液体吐出装置において、前記第1の液体流路には、分岐部が設けられ、前記分岐部から分岐して前記液体が流通可能な第2の液体流路をさらに備え、前記第2の液体流路には、前記第1の液体流路内および前記第2の液体流路内の前記液体を回収するための回収タンクが設けられると共に、該液体を前記回収タンクへ搬送するための搬送手段が設けられていることを特徴とする。これによれば、液体吐出部からの液体の非吐出時において、液体が流通する流路内から液体を回収することできるため、液体に含まれる固形物が流路内に沈降してしまうことを防止することができる。また、その際に、流路内に滞留した液体を廃棄することがない、もしくは、廃棄する量を軽減することができるという効果も得られる。
また、本発明において、前記第1の液体流路には、前記液体貯留部の近傍に第1の開閉バルブが設けられると共に、前記液体吐出部の近傍に第2の開閉バルブもしくは逆止弁が設けられていることが好ましい。これによれば、開閉バルブや逆止弁のような簡易な手段によって確実に流路を遮断することができるので、流路内の減圧度を高めることができ、液体の回収率を向上させることができる。
また、本発明において、前記回収タンクと前記第1の液体流路との間に前記液体が流通可能に連結された第3の液体流路を備えることが好ましい。これによれば、回収タンクに回収した液体を、第3の液体流路を経由させて第1の液体流路に戻すことができる。したがって、例えば、搬送手段としてチュービングポンプ等のように駆動しなければ液体を搬送することができないポンプを使用した場合であっても、当該ポンプを駆動することなく液体を第1の液体流路に戻すことができる。
また、本発明において、前記第1の液体流路には、前記第2の開閉バルブもしくは逆止弁と前記液体吐出部との間に脱気装置が設けられていることが好ましい。これによれば、液体が流通する流路内を減圧することによって同流路内のインクに気泡が発生した場合に、当該インクの気泡を除去することが可能となる。
また、本発明において、前記第1の液体流路における前記第2の開閉バルブもしくは逆止弁と前記分岐部との間から分岐して前記液体が流通可能な第4の液体流路をさらに備え、前記第4の液体流路には、容積が可変であり且つ容積を拡大する方向に付勢力を発生させる付勢部材を有する容積可変タンクが設けられていることが好ましい。これによれば、液体の流路内から回収タンクへ液体を回収する際に、容積可変タンク内のインクを当該流路へ供給することができ、当該流路内の液体が減圧されることによる気泡発生を防止することができる。
また、本発明において、前記分岐部は、四方分岐もしくは四方弁からなることが好ましい。これによれば、第2の液体流路を一つの分岐部のみで設けることができ、流路を短く構成することができるため、流路内に滞留する液体を減らすことができる。
開示のインクジェットプリンタは、記録メディアにインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから吐出する前記インクを貯留するインクカートリッジと、前記インクカートリッジと前記記録ヘッドとの間を前記インクが流通可能に連結された第1の液体流路と、を備えたインクジェット記録装置において、前記第1の液体流路には、分岐部が設けられ、前記分岐部から分岐して前記インクが流通可能な第2の液体流路をさらに備え、前記第2の液体流路には、前記第1の液体流路内および前記第2の液体流路内の前記インクを回収するための回収タンクが設けられると共に、該インクを前記回収タンクへ搬送するための搬送手段が設けられていることを特徴とする。これによれば、非印刷時において、インクが流通する流路内からインクを回収することできるため、インクに含まれる沈降性物質が流路内に沈降してしまうことを防止することができる。また、その際に、流路内に滞留したインクを廃棄することがない、もしくは、廃棄する量を軽減することができるという効果も得られる。
開示の液体吐出装置によれば、液体が流通する流路内から液体を回収することが可能となる。したがって、液体に含まれる固形物が流路内に沈降することの防止が可能となる。
本発明の第一の実施形態に係る液体吐出装置の例を示す概略図である。 図1の液体吐出装置における液体の流路とその周辺構成の概略図である。 本発明の第二の実施形態に係る液体吐出装置における液体の流路とその周辺構成の概略図である。 本発明の第三の実施形態に係る液体吐出装置における液体の流路とその周辺構成の概略図である。 本発明の第四の実施形態に係る液体吐出装置における液体の流路とその周辺構成の概略図である。 本発明の第五の実施形態に係る液体吐出装置における液体の流路とその周辺構成の概略図である。 本発明の第六の実施形態に係る液体吐出装置における液体の流路とその周辺構成の概略図である。 従来の実施形態に係る液体吐出装置の例を示す概略図である。
(第一の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。ここでは、本実施形態に係る液体吐出装置として、インクジェットプリンタの場合を例に挙げて説明を行う。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図1に、第一の実施形態に係る液体吐出装置(ここでは、インクジェットプリンタ)10の構成を示す。なお、説明の便宜上、図1において矢印方向でインクジェットプリンタ10の左右、および上下方向を示す。また、図1における紙面の前後方向をインクジェットプリンタ10の前後方向とする。以下、これらの方向を用いて説明を行う。
インクジェットプリンタ10は、図1に示すように、支持脚11により支持された中央ボディ部12と、中央ボディ部12の左側に設けられた左ボディ部13と、中央ボディ部12の右側に設けられた右ボディ部14と、左右ボディ部13、14を繋ぐと共に中央ボディ部12の上側に離間して平行に延びた上ボディ部15とを備えて構成される。このインクジェットプリンタ10は、左ボディ部13の内部に設けられたコントロールユニット40により、各部の動作制御が行われるようになっている。
上ボディ部15の内部には、左右に延びたガイドレール15aが設けられており、このガイドレール15aに対してヘッドユニット20が取り付けられている。ヘッドユニット20は、ガイドレール15aに取り付けられて左右に移動自在となったキャリッジ21、およびキャリッジ21に搭載された記録ヘッド22から構成される。記録ヘッド22は、一例として、ブラックインクを吐出するブラックヘッド22K、マゼンタインクを吐出するマゼンタヘッド22M、イエローインクを吐出するイエローヘッド22Y、シアンインクを吐出するシアンヘッド22C、およびホワイトインクを吐出するホワイトヘッド22Wから構成されており、キャリッジ21に装着される。記録ヘッド22の下面には、インクを記録メディアMに向けて下方へ吐出する複数の吐出ノズル(図示せず)が形成されている。例えば、180個の吐出ノズルを前後方向に直線状に整列させて形成されたノズル列が、左右方向に8列並べられて形成される。各吐出ノズルにおけるインクの吐出制御は、コントロールユニット40から各記録ヘッド22に出力される駆動制御信号により行われる。
中央ボディ部12の上面には、左右に延びた平板状のプラテン12aが露出して設けられ、このプラテン12aの後側に左右に延びた送りローラ(図示せず)が露出して設けられている。この送りローラは、中央ボディ部12の内部に設けられた前後駆動モータ19により回転駆動される。そのため、被印刷対象であるシート状の記録メディアMを、上ボディ部15に設けられたピンチローラ(図示せず)と送りローラとの間に挟持した状態で、コントロールユニット40からの駆動制御信号に従って前後駆動モータ19を駆動させることにより、記録メディアMを駆動制御量に応じた送り量で前後に送ることができるようになっている。
右ボディ部14の上部には、カートリッジ装着部16が設けられており、このカートリッジ装着部16に対して複数のインクカートリッジ17が前後に挿入されている。この複数のインクカートリッジ17は、後述するインクの流路を介して記録ヘッド22と接続されている。そして、記録ヘッド22におけるインクの消費量に応じて、インクカートリッジ17のインクが当該インクの流路を介して記録ヘッド22へ供給されるようになっている。また、右ボディ部14の内部には、ガイドレール15aに沿ってヘッドユニット20を左右に移動させるための左右駆動モータ29が設けられている。この左右駆動モータ29を、コントロールユニット40からの駆動制御信号に従って駆動させることにより、駆動制御量に応じた送り量で左右に移動させることができるようになっている。なお、本実施形態においては、液体(インク)貯留部としてインクカートリッジを用いる例を挙げているが、これに代えてインクタンクを用いる構成等も考えられる(図示せず)。
左ボディ部13の前面側には、操作スイッチ類や表示装置類等から構成された操作表示部13aが設けられている。また、左ボディ部13の内部には、コントロールユニット40等が設けられている。
ここで、本実施形態に係る液体吐出装置において特徴的な液体の流路および周辺構成について詳しく説明する。
図2は、本実施形態に係る液体吐出装置(ここでは、インクジェットプリンタ)10における液体(ここでは、インク)の流路およびその周辺構成の概略図である。
同図2に示すように、インクジェットプリンタ10は、液体貯留部(ここでは、インクカートリッジ)17と液体吐出部(ここでは、記録ヘッド)22との間をインクが流通可能に連結された第1の液体流路31を備えている。なお、本実施形態および後述の各実施形態において、当該第1の液体流路31におけるインクカートリッジ17から記録ヘッド22へ向かう液体(ここでは、インク)の流通方向を順方向として、当該第1の液体流路31におけるインクカートリッジ17側を「上流側」、記録ヘッド22側を「下流側」と称する。
本実施形態においては、記録ヘッド22に対して水頭差が生じるようにインクカートリッジ17を配設している。これによれば、インク自重による記録ヘッド22からのインクの無用な流出を防ぐことが可能となる。
また、第1の液体流路31の流路途中には、インクカートリッジ17の近傍(可及的に近い位置であることが好ましい)に、流路を開閉する第1の開閉バルブ34が設けられていると共に、記録ヘッド22の近傍(可及的に近い位置であることが好ましい)に、順方向にのみインクの流通を可能とする逆止弁36が設けられている。これによれば、後述するインク回収動作においてインク回収可能領域を可及的に長くすることができる。なお、逆止弁に代えて、開閉バルブ(第2の開閉バルブ)を用いる構成としてもよい(図示せず)。
また、第1の液体流路31の流路途中であって、インクカートリッジ17と記録ヘッド22との間に、分岐部35が設けられている。
また、同図2に示すように、インクジェットプリンタ10は、分岐部35から分岐する構成によって液体を流通させる第2の液体流路32を備えている。本実施形態においては、第2の液体流路32が分岐部35から分岐して後述の回収タンク33に連通する構成を有すると共に、第3の液体流路39が当該回収タンク33から分岐部35へ連通する構成を有しており、当該分岐部35は、四方分岐により構成されている。
なお、分岐部35の変形例として、四方分岐に代えて、第1の液体流路31途中に二つの三方分岐を併設して、第2の液体流路32を一方の三方分岐から分岐させ、第3の液体流路39を他方の三方分岐に連結させる構成とすることも考えられる(図示せず)。
第2の液体流路32には、第1の液体流路31内および第2の液体流路32内のインクを回収して一時的に貯留することが可能な回収タンク33が設けられている。さらに、インクを回収タンク33へ回収(搬送)するための搬送手段37が設けられている。一例として、搬送手段37には、チューブポンプ等を用いることが考えられるが、これに限定されるものではない。なお、本実施形態および後述の各実施形態において、当該第2の液体流路32における分岐部35から搬送手段37を経由して回収タンク33に至り、次いで回収タンク33から第3の液体流路39を経由して、再び分岐部35へ向かう液体(ここでは、インク)の流通方向を順方向として、当該第2の液体流路32における始点である分岐部35側を「上流側」、当該第3の液体流路39における終点である分岐部35側を「下流側」と称する。
本実施形態においては、記録ヘッド22における吐出ノズル(図示せず)面のメニスカスを維持するために、当該吐出ノズル面と回収タンク33との水頭差を、当該吐出ノズル面とインクカートリッジ17との水頭差と同等とすることが好ましい。
ここで、回収タンク33には、当該回収タンク33内を大気開放するためのエア開放ポート54が設けられている。これによれば、回収タンク33内にインクを回収して貯留させることが可能となる。なお、エア開放ポート54は必須の構成ではなく、回収タンク33を大気圧によって容量変化が可能な構造(例えば、フィルムパック等のような容器構造)とすれば省略可能である(図示せず)。
また、第3の液体流路39の流路途中には、回収タンク33の下流側、すなわち回収タンク33と終点である分岐部35との間に、流路を開閉する第3の開閉バルブ38が設けられている。
以上、本実施形態に係る液体吐出装置の例として、インクジェットプリンタ10の構成について説明した。ここで、当該インクジェットプリンタ10の動作について、装置内部におけるインクの流通に沿って説明を行う。
先ず、インク通常吐出時の第1ステップについて説明する。第1ステップでは、第1の開閉バルブ34を開放状態とし、第3の開閉バルブ38を閉鎖状態とし、搬送手段37を非稼動状態とする。このときのインクの流通を矢印1(丸囲み数字)で示す。記録ヘッド22からインクが吐出されると記録ヘッド22内のインクが減圧され、同矢印1(丸囲み数字)のようにインクカートリッジ17から記録ヘッド22へインクが供給される。すなわち印刷可能状態となる。
次いで、インク回収時の第2ステップについて説明する。第2ステップでは、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とし、第3の開閉バルブを閉鎖状態とし、搬送手段37を稼動状態とする。このときのインクの流通を矢印2(丸囲み数字)で示す。搬送手段37が稼動することによって、同矢印2(丸囲み数字)のように、インク回収区間内(第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35までの区間および分岐部35から逆止弁36までの区間ならびに第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間内)に滞留していたインクが搬送手段37によって吸い上げられ、且つ、回収タンク33へ向けて送り出される。これにより、当該インクが回収タンク33へ回収され、一時的に貯留される作用が生じる。このとき、当該インク回収区間内には大きな負圧が生じることとなる。
また、このとき搬送手段37としてチューブポンプを用いることによって、当該搬送手段37を通過する際に、インクが十分に攪拌される作用も生じる。
このように非印刷時において、上記第2ステップを実行することによって、第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35を経て逆止弁36までの区間内ならびに第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間内に滞留しているインクを回収タンク33へ回収することができる。したがって、当該各区間内に滞留するインクの量を減らすことができるため、当該インク内に含まれる色材等の沈降性物質が流路内に沈降することの抑制が可能となる。ここで、インクの回収率は搬送手段37の減圧能力に応じて変化し、当該減圧能力が大きい程、インクの回収率を高めることができ、沈降を抑制する効果を高めることができる。なお、発明者の検証によれば、50%程度のインク回収率であっても、実用的レベルの沈降抑制効果が得られることが判明した。
次いで、回収インク再利用時の第3ステップについて説明する。第3ステップでは、先ず、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とし、第3の開閉バルブを閉鎖状態とし、搬送手段37を非稼動状態とする。その後、第3の開閉バルブ38を開放状態とする。このときのインクの流通を矢印3(丸囲み数字)で示す。同矢印3(丸囲み数字)のように、第3の開閉バルブ38が開放状態になると、大気圧および前記第2ステップによってインク回収区間内(第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35を経て第2の逆止弁36までの区間内ならびに第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間内)に生じている大きな負圧によって、回収タンク33内に貯留されていたインクが第3の液体流路39および分岐部35を経由して同インク回収区間内へ一気に流通する。すなわち、回収タンク33内に回収され、一時貯留されていたインクを印刷用として再利用することが可能となる。なお、当該インクは前述の通り搬送手段37によって攪拌されてから回収タンク33内に回収されているため、再利用する際にも、記録ヘッド22からの吐出つまり印字が薄くなる等の不具合が防止される効果を奏する。
第3ステップの後は、タイマー等のタイミング計測手段(図示せず)によって、回収タンク33が空になる前に、第3の開閉バルブ38を閉鎖状態とし、第1の開閉バルブ34を開放状態とすることによって、第3ステップから第1ステップへ移行可能となる。
(第二の実施形態)
続いて、第二の実施形態に係る液体吐出装置(ここでは、インクジェットプリンタ)10について説明する。なお、基本構成は図1に示す通りであり、繰り返しの説明を省略する。
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ10におけるインクの流路およびその周辺構成の概略図を図3に示す。
本実施形態における基本的な構成および作用効果は前述の第一の実施形態と同様であるが、本実施形態に特徴的な構成として、加圧ダンパーユニット60が設けられている。一例として、加圧ダンパーユニット60は、フィルター室61、および圧力室63の圧力が一定以下になると自動的に開放する開閉バルブ(第2の開閉バルブ)62を備えて構成されている。これによれば、記録ヘッド22(吐出ノズル)からインクが吐出される印刷時には圧力室63内の圧力が低下して当該第2の開閉バルブ62が開放状態となり、非印刷時には当該第2の開閉バルブ62が閉鎖状態となる。なお、前述の逆止弁36は設けない構成である。
ここで、加圧ダンパーユニット60は、第1の液体流路31の流路途中の分岐部35と記録ヘッド22との間において、当該記録ヘッド22の近傍(可及的に近い位置であることが好ましい)に設ける構成としている。これによれば、第1の液体流路31内の減圧可能領域すなわちインク回収可能領域を可及的に長くすることができ、インク回収率を高めることができる。
続いて、本実施形態に係る液体吐出装置(インクジェットプリンタ)10の動作について、装置内部におけるインクの流通に沿って説明を行う。なお、本実施形態における基本的な動作および作用効果は前述の第一の実施形態と同様であるため、特に相違する点を中心に説明を行う。
インク通常吐出時の第1ステップ(このときのインクの流通を矢印1(丸囲み数字)で示す)、およびインク回収時の第2ステップ(このときのインクの流通を矢印2(丸囲み数字)で示す)は、前述の第一の実施形態と同様である。
次いで、回収インク再利用時の第3ステップについて説明する。第3ステップでは、先ず、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とし、第3の開閉バルブを閉鎖状態とし、搬送手段37を非稼動状態とする。その後、第3の開閉バルブ38を開放状態とする。このときのインクの流通を矢印3(丸囲み数字)で示す。同矢印3(丸囲み数字)のように、第3の開閉バルブ38が開放状態になると、大気圧および前記第2ステップによってインク回収区間内(第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35を経て第2の開閉バルブ62までの区間内ならびに第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間内)に生じている大きな負圧によって、回収タンク33内に貯留されていたインクが第3の液体流路39および分岐部35を経由して同インク回収区間内へ一気に流通する。すなわち、回収タンク33内に回収され、一時貯留されていたインクを印刷用として再利用することが可能となる。なお、当該インクは前述の通り搬送手段37によって攪拌されてから回収タンク33内に回収されているため、再利用する際にも、記録ヘッド22からの吐出つまり印字が薄くなる等の不具合が防止される効果を奏する。
第3ステップの後は、第3の開閉バルブ38を閉鎖状態とし、第1の開閉バルブ34を開放状態とすることによって、第3ステップから第1ステップへ移行可能となる。
なお、本実施形態においては、第1ステップから第2ステップへ移行する際に、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とするタイミングを、第3の開閉バルブ38を閉鎖状態とするタイミングよりも所定時間遅らせることが好ましい。これによれば、インク回収区間内の容量よりも大きな容量のインクを回収タンク33に貯留することができる。したがって、第3ステップから第1ステップへ移行する際に、前述の第一の実施形態のようにタイマー等のタイミング計測手段(図示せず)を用いなくても、回収タンク33が空になるのを防いで、第1の液体流路31内に空気が大量に混入して記録ヘッド22の吐出状態が不安定になるのを防ぐことができる。
(第三の実施形態)
続いて、第三の実施形態に係る液体吐出装置(ここでは、インクジェットプリンタ)10について説明する。なお、基本構成は図1に示す通りであり、繰り返しの説明を省略する。
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ10におけるインクの流路およびその周辺構成の概略図を図4に示す。
本実施形態における基本的な構成および作用効果は前述の第二の実施形態と同様であるが、本実施形態に特徴的な構成として、分岐部35が、四方分岐による構成に代えて、二つの三方分岐35aおよび35bを連結した構成として設けられている。なお、二つの三方分岐35a、35bは図4に示すように中間流路35cを介して連結してもよく、あるいは中間流路35cを設けずに直接連結してもよい(図示せず)。
続いて、本実施形態に係る液体吐出装置(インクジェットプリンタ)10の動作について、装置内部におけるインクの流通に沿って説明を行う。
本実施形態における基本動作、すなわちインク通常吐出時の第1ステップ(このときのインクの流通を矢印1(丸囲み数字)で示す)、インク回収時の第2ステップ(このときのインクの流通を矢印2(丸囲み数字)で示す)、インク再利用時の第3ステップ(このときのインクの流通を矢印3(丸囲み数字)で示す)、および第3ステップから第1ステップへの移行動作は、前述の第二の実施形態と同様である。
(第四の実施形態)
続いて、第四の実施形態に係る液体吐出装置(ここでは、インクジェットプリンタ)10について説明する。なお、基本構成は図1に示す通りであり、繰り返しの説明を省略する。
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ10におけるインクの流路およびその周辺構成の概略図を図5に示す。
本実施形態における基本的な構成および作用効果は前述の第二の実施形態と同様であるが、本実施形態に特徴的な構成として、分岐部35が、四方分岐による構成に代えて、四方弁による構成として設けられている。ここで、四方弁において、インクカートリッジ17へ連通する第1の液体流路31の開閉を行う第1弁を「弁A」とし、記録ヘッド22へ連通する第1の液体流路31の開閉を行う第2弁を「弁B」とし、搬送手段37へ連通する第2の液体流路32の開閉を行う第3弁を「弁C」とし、回収タンク33へ連通する第3の液体流路39の開閉を行う第4弁を「弁D」として説明を行う。なお、本実施形態においては、弁Dが前述の他の実施形態における第3の開閉バルブ38に相当するため、別途、第3の液体流路39途中に第3の開閉バルブ38を設けていない。
続いて、本実施形態に係る液体吐出装置(インクジェットプリンタ)10の動作について、装置内部におけるインクの流通に沿って説明を行う。
先ず、インク通常吐出時の第1ステップについて説明する。第1ステップでは、第1の開閉バルブ34を開放状態とし、弁Aを開放状態とし、弁Bを開放状態とし、弁D(第3の開閉バルブ)を閉鎖状態とし、搬送手段37を非稼動状態とする。なお、弁Cは、開放状態もしくは閉鎖状態のいずれでもよい。このときのインクの流通を矢印1(丸囲み数字)で示す。同矢印1(丸囲み数字)のように、インクはインクカートリッジ17から記録ヘッド22へ流通する。すなわち印刷可能状態となる。
次いで、インク回収時の第2ステップについて説明する。第2ステップでは、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とし、弁Aを開放状態とし、弁Bを開放状態とし、弁Cを開放状態とし、弁D(第3の開閉バルブ)を閉鎖状態とし、搬送手段37を稼動状態とする。なお、非印刷状態であるため、第2の開閉バルブ62は閉鎖状態となっている。このときのインクの流通を矢印2(丸囲み数字)で示す。搬送手段37が稼動することによって、同矢印2(丸囲み数字)のように、インク回収区間内(第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35までの区間および分岐部35から加圧ダンパーユニット60の第2の開閉バルブ62までの区間ならびに第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間内)に滞留していたインクが搬送手段37によって吸い上げられ、且つ、回収タンク33へ向けて送り出される。これにより、当該インクが回収タンク33へ回収され、一時的に貯留される作用が生じる。このとき当該インク回収区間内は大きな負圧状態となっている。また、搬送手段37としてチューブポンプを用いることによって、当該搬送手段37を通過する際に、インクが十分に攪拌される作用も生じる。
このように非印刷時において、上記第2ステップを実行することによって、第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35を経て第2の開閉バルブ62までの区間内ならびに第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間内に滞留しているインクを回収タンク33へ回収することができる。したがって、当該インク回収区間内に滞留するインクの量を減らすことができるため、当該インク内に含まれる色材等の沈降性物質が流路内に沈降することの抑制が可能となる。ここで、インクの回収率は搬送手段37の減圧能力に応じて変化することは前述の実施形態と同様である。
次いで、本実施形態に特徴的なインク循環時の第3ステップについて説明する。第3ステップでは、弁Aを閉鎖状態とし、弁Bを閉鎖状態とし、弁Cを開放状態とし、弁D(第3の開閉バルブ)を開放状態とし、搬送手段37を稼動状態とする。なお、第1の開閉バルブ34は、開放状態もしくは閉鎖状態のいずれでもよい。また、非印刷状態であるため、第2の開閉バルブ62は閉鎖状態となっている。このときのインクの流通を矢印3(丸囲み数字)で示す。同矢印3(丸囲み数字)のように、第2の液体流路32および第3の液体流路39が還流経路として構成される。すなわち、回収タンク33内に貯留されているインクを、分岐部35(弁Dおよび弁C)、および搬送手段37を経由して再び回収タンク33へと還流(循環)させることができる。この還流(循環)作用によって、回収されたインクを攪拌することができるため、当該インクにおける沈降性物質の沈降防止効果をより一層高めることが可能となる。
次いで、回収インク再利用時の第4ステップについて説明する。第4ステップでは、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とし、弁Aを開放状態とし、弁Bを開放状態とし、弁Cを閉鎖状態とし、弁D(第3の開閉バルブ)を開放状態とし、搬送手段37を非稼動状態とする。このときのインクの流通を矢印4(丸囲み数字)で示す。同矢印4(丸囲み数字)のように、弁D(第3の開閉バルブ)が開放状態になると、大気圧および前記第2ステップによってインク回収区間内(第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35を経て第2の開閉バルブ62までの区間内)に生じている大きな負圧によって、回収タンク33内に貯留されていたインクが第3の液体流路39および分岐部35を経由して同インク回収区間内へ一気に流通する。すなわち、回収タンク33内に回収され、一時貯留されていたインクを印刷用として再利用することが可能となる。なお、当該インクは前述の通り搬送手段37によって攪拌されてから回収タンク33内に回収され、さらに前記第3ステップによって攪拌されているため、再利用する際にも、記録ヘッド22からの吐出つまり印字が薄くなる等の不具合が防止される効果を奏する。
第4ステップの後は、タイマー等のタイミング計測手段(図示せず)によって、回収タンク33が空になる前に、弁D(第3の開閉バルブ)を閉鎖状態とし、第1の開閉バルブ34を開放状態とすることによって、第4ステップから第1ステップへ移行可能となる。なお、前述の第二の実施形態における第3ステップから第1ステップへの移行動作と同様の動作によって、第4ステップから第1ステップへ移行することもできる。
(第五の実施形態)
続いて、第五の実施形態に係る液体吐出装置(ここでは、インクジェットプリンタ)10について説明する。なお、基本構成は図1に示す通りであり、繰り返しの説明を省略する。
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ10におけるインクの流路およびその周辺構成の概略図を図6に示す。
本実施形態における基本的な構成および作用効果は前述の第一の実施形態と同様であるが、本実施形態に特徴的な構成として、第1の液体流路31の流路途中であって、逆止弁36と記録ヘッド22との間に脱気装置70が設けられている。一例として、脱気装置70は、本体部71の内部に気体透過性膜71aが設けられており。当該気体透過性膜71aを介してインクと大気とが接する構成となっている。当該気体透過性膜71aによって、インク内の溶存空気のみ気相側へ移動可能となっている一方で、インク自体は気相側へ移動不可能となっている。また、気相側には減圧ポート72が設けられており、当該減圧ポート72は減圧ポンプ73に接続されている。さらに、減圧ポンプ73の出口は大気開放ポート74に接続されて、大気開放されている。脱気装置70は、減圧ポンプ73の稼働によって本体部71内の気相側が大気圧より低い圧力(一例として、1[kPa]〜60[kPa])に保たれることで、インク内の溶存空気のみ気相側へ移動し、脱気作用が得られる。
続いて、本実施形態に係る液体吐出装置(インクジェットプリンタ)10の動作について、装置内部におけるインクの流通に沿って説明を行う。なお、本実施形態における基本的な動作および作用効果は、上記の脱気動作を除いて、前述の第一の実施形態と同様である。
図6において、インク通常吐出時の第1ステップにおけるインクの流通を矢印1(丸囲み数字)で示し、インク回収時の第2ステップにおけるインクの流通を矢印2(丸囲み数字)で示し、インク再利用時の第3ステップにおけるインクの流通を矢印3(丸囲み数字)で示す。なお、上記の脱気動作は、インク通常吐出時の第1ステップ、およびインク再利用時の第3ステップにおいて行われる。
ここで、第2ステップのインク回収時においては、インク回収区間内が減圧されることによって同区間内のインクに気泡が発生する課題が生じ得る。しかし、上記の脱気装置70を備える構成によれば、第3ステップのインク再利用時に、インクは記録ヘッド22に流通する直前に当該脱気装置70を通過するため、当該インクの気泡を除去することが可能となる。したがって、気泡が原因となって記録ヘッド22からの吐出状態が不安定になる等の不具合が防止される効果を奏する。
(第六の実施形態)
続いて、第六の実施形態に係る液体吐出装置(ここでは、インクジェットプリンタ)10について説明する。なお、基本構成は図1に示す通りであり、繰り返しの説明を省略する。
ここで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ10におけるインクの流路およびその周辺構成の概略図を図7に示す。
本実施形態における基本的な構成および作用効果は前述の第一の実施形態と同様であるが、本実施形態に特徴的な構成として、第1の液体流路31の流路途中における逆止弁36と分岐部35との間に設けられた三方分岐81によって当該第1の液体流路31から分岐してインクが流通可能な第4の液体流路82が設けられている。
また、第4の液体流路82には、容積が可変であって、インクの一時貯留が可能な容積可変タンク83が設けられている。一例として、容積可変タンク83は、その外殻がタンク内部とタンク外部との圧力差によって容易に変形し得る可塑性を有する構造(例えば、フィルムパック等のような容器構造)とすることが考えられるが、これに限定されるものではなく、ピストンとシリンダとを有する構造等としてもよい。
さらに、容積可変タンク83には、付勢部材84が設けられており、当該付勢部材84は、容積可変タンク83の容積を拡大する方向に付勢力を発生させる作用を生じる。当該付勢力は、第2ステップのインク回収時(後述)において搬送手段37の駆動によりインクを回収タンク33に回収する力よりも十分に小さく、且つインクの圧力が大気圧であるときに容積可変タンク83の容積を最大まで拡大できるように十分に大きく設定されていることが好ましい。これによれば、後述するインクの気泡発生防止効果を好適に奏することができる。なお、付勢部材84は、一例として、コイルバネを用いて構成されるが、これに限定されるものではない。
また、第4の液体流路82には、三方分岐81と容積可変タンク83との間に開閉バルブ(第4の開閉バルブ)85が設けられている。なお、第4の開閉バルブ85と容積可変タンク83との間に、スタティックミキサ86が設けられる構成が好ましい。スタティックミキサ86が設けられることで、容積可変タンク83に出入りするインクの攪拌が可能となる。したがって、特に、容積可変タンク83内にあらかじめ所定量収容されているインクが経時によって沈降性物質の沈降を生じ得るという課題の解決に有効である。
続いて、本実施形態に係る液体吐出装置(インクジェットプリンタ)10の動作について、装置内部におけるインクの流通に沿って説明を行う。
先ず、インク通常吐出時の第1ステップについて説明する。第1ステップでは、第1の開閉バルブ34を開放状態とし、第3の開閉バルブ38を閉鎖状態とし、第4の開閉バルブ85を閉鎖状態とし、搬送手段37を非稼動状態とする。このときのインクの流通を矢印1(丸囲み数字)で示す。同矢印1(丸囲み数字)のように、インクはインクカートリッジ17から記録ヘッド22へ流通する。すなわち印刷可能状態となる。
次いで、インク回収時の第2ステップについて説明する。第2ステップでは、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とし、第3の開閉バルブ38を閉鎖状態とし、第4の開閉バルブ85を開放状態とし、搬送手段37を稼動状態とする。このときのインクの流通を矢印2(丸囲み数字)で示す。搬送手段37が稼動することによって、第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35までの区間および分岐部35から逆止弁36までの区間、第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間、ならびに第4の液体流路82内における三方分岐81から容積可変タンク83内までの区間が減圧される。その結果、同矢印2(丸囲み数字)のように、当該各区間内に滞留していたインクが搬送手段37によって吸い上げられ、且つ、回収タンク33へ向けて送り出されることによって、当該回収タンク33へ回収され、一時的に貯留される作用が生じる。また、本実施形態においては、容積可変タンク83が設けられる上記構成によって、あらかじめ容積可変タンク83内に所定量貯留されていたインクが、当該容積可変タンク83の外部圧力(ここでは大気圧)との差圧によって第4の液体流路82へ流出する。
このように非印刷時において、上記第2ステップを実行することによって、第1の液体流路31内における第1の開閉バルブ34から分岐部35を経て第2の開閉バルブ62までの区間内、第2の液体流路32内における分岐部35から搬送手段37までの区間内、ならびに第4の液体流路82内における三方分岐81から容積可変タンク83内までの区間内に滞留しているインクを回収タンク33へ回収することができる。したがって、当該インク回収区間内に滞留するインクの量を減らすことができるため、当該インク内に含まれる色材等の沈降性物質が流路内に沈降することの抑制が可能となる。ここで、インクの回収率は搬送手段37の減圧能力に応じて変化することは前述の実施形態と同様である。
一方、第2ステップのインク回収時においては、インク回収区間内が減圧されることによって区間内のインクに気泡が発生する課題が生じ得る。しかし、本実施形態の構成によれば、容積可変タンク83内のインクがインク回収区間内へ供給されるため、インク回収区間内のインクにおいて減圧に起因する気泡発生を防止することが可能となる。したがって、気泡が原因となって記録ヘッド22からの吐出状態が不安定になる等の不具合が防止される効果を奏する。さらに、容積可変タンク83から流出するインクは、スタティックミキサ86を通過することによって攪拌されてから供給されるため、当該インクにおける沈降性物質の沈降防止効果をより一層高めることが可能となる。
次いで、回収インク再利用時の第3ステップについて説明する。第3ステップでは、第1の開閉バルブ34を閉鎖状態とし、第3の開閉バルブ38を開放状態とし、第4の開閉バルブ85を開放状態とし、搬送手段37を非稼動状態とする。このときのインクの流通を矢印3(丸囲み数字)で示す。同矢印3(丸囲み数字)のように、第3の開閉バルブ38が開放状態になると、大気圧および付勢部材84の付勢力(復元力)によって、回収タンク33内に貯留されていたインクが第3の液体流路39および分岐部35を経由して同インク回収区間内へ流通する。すなわち、回収タンク33内に回収され、一時貯留されていたインクを印刷用として再利用することが可能となる。また、このとき、容積可変タンク83は付勢部材84の付勢力によって容積が拡大し、インク回収区間内へ流出したインクが当該容積可変タンク83に収容される。
なお、印刷用として再利用することが可能となった上記インクは、前述の通り搬送手段37によって攪拌されてから回収タンク33内に回収され、さらに前記第2ステップによって攪拌されているため、再利用する際にも、記録ヘッド22からの吐出つまり印字が薄くなる等の不具合が防止される効果を奏する。
第3ステップの後は、容積可変タンク83が最大容積まで回復したタイミングで、第3の開閉バルブ38を閉鎖状態とし、第4の開閉バルブ85を閉鎖状態とし、第1の開閉バルブ34を開放状態とすることによって、第3ステップから第1ステップへ移行可能となる。
以上説明した通り、開示の液体吐出装置によれば、液体が流通する流路内から液体を回収することが可能となる。したがって、液体に含まれる固形物が流路内に沈降することの防止が可能となる。特に、本実施形態によれば、以下の特徴的な作用効果が奏される。
インクジェットプリンタ10は、記録メディアMにインクを吐出する記録ヘッド22と、記録ヘッド22から吐出するインクを貯留するインクカートリッジ17と、インクカートリッジ17と記録ヘッド22との間をインクが流通可能に連結された第1の液体流路31と、を備えたインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)において、第1の液体流路31には、分岐部35が設けられ、分岐部35から分岐してインクが流通可能な第2の液体流路32をさらに備え、第2の液体流路32には、第1の液体流路31内および第2の液体流路32内のインクを回収するための回収タンク33が設けられると共に、該インクを回収タンク33へ搬送するための搬送手段37が設けられていることを特徴とする。これによれば、非印刷時において、インクが流通する液体流路内(対象となるインク回収区間内)からインクを回収することできるため、インクに含まれる沈降性物質が当該流路内に沈降してしまうことを防止することができる。したがって、記録ヘッド22からのインク吐出において、印刷濃度もしくは色味の変動、または吐出安定性の低下を防止することができる。また、流路内に滞留したインクを廃棄することがない、もしくは、廃棄する量を軽減することができるという効果も得られる。
また、第1の液体流路31には、インクカートリッジ17の近傍に第1の開閉バルブ34が設けられると共に、記録ヘッド22の近傍に第2の開閉バルブ62もしくは逆止弁36が設けられていることが好ましい。これによれば、開閉バルブや逆止弁のような簡易な手段によって確実に流路を遮断することができるので、インクが流通する液体流路内(対象となるインク回収区間内)の減圧度を高めることができ、インクの回収率を向上させることができる。
また、回収タンク33と第1の液体流路31との間にインクが流通可能に連結された第3の液体流路39を備えることが好ましい。これによれば、回収タンク33に回収したインクを、第3の液体流路39を経由させて第1の液体流路31に戻すことができる。したがって、例えば、搬送手段37としてチュービングポンプ等のように駆動しなければインクを搬送することができないポンプを使用した場合であっても、当該ポンプを駆動することなくインクを第1の液体流路31に戻すことができる。
また、第1の液体流路31には、第2の開閉バルブ62もしくは逆止弁36と記録ヘッド22との間に脱気装置70が設けられていることが好ましい。これによれば、インクが流通する液体流路内(対象となるインク回収区間内)を減圧することによって同液体流路内のインクに気泡が発生した場合に、当該インクの気泡を除去することが可能となる。
また、第1の液体流路31における第2の開閉バルブ62もしくは逆止弁36と分岐部35との間から分岐してインクが流通可能な第4の液体流路82をさらに備え、第4の液体流路82には、容積が可変であり且つ容積を拡大する方向に付勢力を発生させる付勢部材84を有する容積可変タンク83が設けられていることが好ましい。これによれば、インクの流路内(対象となるインク回収区間内)から回収タンク33へ液体を回収する際に、容積可変タンク83内のインクを当該流路内に供給することができ、当該流路内のインクが減圧されることによる気泡発生を防止することができる。
また、分岐部35は、四方分岐もしくは四方弁からなることが好ましい。これによれば、第2の液体流路32を一つの分岐部のみによって第1の液体流路31から分岐させ、再び第1の液体流路31へ連結させることができるため、流路を短く構成することができる。したがって、流路内に滞留するインク量を減らすことができ、その結果、インクに含まれる沈降性物質が当該流路内に沈降してしまうことを防止することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。特に、液体吐出装置の例としてインクジェットプリンタを挙げ、液体の例とてインクを挙げて説明したが、これらに限定されるものではなく、その他の装置、その他の液体に対しても適用が可能である。
10 液体吐出装置
17 インクカートリッジ
20 ヘッドユニット
22 記録ヘッド
31 第1の液体流路
32 第2の液体流路
33 回収タンク
34 第1の開閉バルブ
35 分岐部
36 逆止弁
37 搬送手段
39 第3の液体流路
38 第3の開閉バルブ
40 コントロールユニット
54 エア開放ポート
60 加圧ダンパーユニット
62 第2の開閉バルブ
81 三方分岐
82 第4の液体流路
83 容積可変タンク
84 付勢部材
85 第4の開閉バルブ
86 スタティックミキサ

Claims (7)

  1. 媒体に液体を吐出する液体吐出部と、前記液体吐出部から吐出する前記液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部と前記液体吐出部との間を前記液体が流通可能に連結された第1の液体流路と、を備えた液体吐出装置において、
    前記第1の液体流路には、分岐部が設けられ、
    前記分岐部から分岐して前記液体が流通可能な第2の液体流路をさらに備え、
    前記第2の液体流路には、前記第1の液体流路内および前記第2の液体流路内の前記液体を回収するための回収タンクが設けられると共に、該液体を前記回収タンクへ搬送するための搬送手段が設けられていること
    を特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第1の液体流路には、前記液体貯留部の近傍に第1の開閉バルブが設けられると共に、前記液体吐出部の近傍に第2の開閉バルブもしくは逆止弁が設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
  3. 前記回収タンクと前記第1の液体流路との間に前記液体が流通可能に連結された第3の液体流路を備えること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の液体吐出装置。
  4. 前記第1の液体流路には、前記第2の開閉バルブもしくは逆止弁と前記液体吐出部との間に脱気装置が設けられていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第1の液体流路における前記第2の開閉バルブもしくは逆止弁と前記分岐部との間から分岐して前記液体が流通可能な第4の液体流路をさらに備え、
    前記第4の液体流路には、容積が可変であり且つ容積を拡大する方向に付勢力を発生させる付勢部材を有する容積可変タンクが設けられていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記分岐部は、四方分岐もしくは四方弁からなること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 記録メディアにインクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドから吐出する前記インクを貯留するインクカートリッジと、前記インクカートリッジと前記記録ヘッドとの間を前記インクが流通可能に連結された第1の液体流路と、を備えたインクジェット記録装置において、
    前記第1の液体流路には、分岐部が設けられ、
    前記分岐部から分岐して前記インクが流通可能な第2の液体流路をさらに備え、
    前記第2の液体流路には、前記第1の液体流路内および前記第2の液体流路内の前記インクを回収するための回収タンクが設けられると共に、該インクを前記回収タンクへ搬送するための搬送手段が設けられていること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
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