JP2012235851A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来技術では、ダンパが激しく振動することによって持ち上がったとき、取り付け板の上部にある弾性体の底面の一部が取り付け板から離れてしまい、該弾性体がダンパの傾きを抑制する力が弱まってしまうという問題があった。
【解決手段】 取り付け板に固定された加圧板抑え部材によって、ダンパが激しく振動しても、弾性体の底面が外枠支持部に接触する状態を保つ洗濯機を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドラム式洗濯機に関し、洗濯水槽を支えるダンパの取り付け構造に関する。
従来、ドラム式洗濯機の脱水回転時、特に起動時には、洗濯ドラム内で洗濯物が偏ることに起因して、洗濯機が激しく揺動し、異常音を発生したり、ひどい時には脱水動作が停止したりすることが知られている。
そこで、激しい揺動を抑える為に、例えば、特許文献1には、図9に示すように、外槽933に設けた外槽支持部942にダンパ932の一方を取り付け、洗濯機外枠930の底部に設けた外枠支持部941にダンパ932の他方を取り付ける支持手段940とを備え、図10に示すように、支持手段940は、外枠支持部941に設けた弾性体943と、弾性体943を囲むダンパ抑え945を設け、ダンパ932の揺動が大きくなると、弾性体943を囲むダンパ抑え945の胴部945aと変形した弾性体943とが当接し、ダンパ932の揺動を規制する洗濯機が開示されている。
特開2009−189538(平成21年8月27日公開)
しかしながら、特許文献1では、ダンパ932が激しく振動することによって持ち上がったとき、ダンパ抑え945は外枠支持部941に接触して持ち上がりを規制できるとは限らず、外枠支持部941の上部にある弾性体943の底面の一部が外枠支持部941から離れてしまい、該弾性体943がダンパ932の傾きを抑制する力が弱まってしまうなどの問題があった。
そこで、本発明は、ダンパが激しく振動しても、弾性体の底面が外枠支持部に接触する状態を保つ洗濯機を提供することを目的とする。
本発明に係る洗濯機は、外槽と、前記外槽内部に配設された水槽と、前記水槽内部に回転可能に配設され、洗濯物が収容されるドラムと、前記水槽下部と前記外槽内部にとの間に配設されたダンパと、前記ダンパの一方の端部を前記水槽と接続する第一の取り付け部と、前記ダンパの他方の端部を前記外槽と接続する第二の取り付け部とを備え、少なくとも前記第一の取り付け部もしくは前記第二の取り付け部の一方は、前記水槽または前記外槽に固定された取り付け板と、前記取り付け板を上下両方向から挟む一対の弾性体と、前記取り付け板と接する前記弾性体の面と反対の面に当接される加圧板とを有するとともに、前記加圧板を抑える加圧板抑え部材を有し、前記加圧板抑え部材は、前記加圧板が前記取り付け板から離れる方向への移動を規制する。
さらに、前記加圧板は、前記加圧板と前記加圧板抑え部材との当接部が曲面形状であってもよい。
さらに、前記加圧板は、前記加圧板と前記加圧板抑え部材との当接部に緩衝材を有する構成としてよい。
本発明によれば、ダンパが激しく振動しても、弾性体の底面が外枠支持部に接触する状態を保つ洗濯機することを目的とする。
実施形態1に係る洗濯機の断面図である。 実施形態1におけるダンパ取り付け部の断面図である。 実施形態1におけるダンパ軸が地面と略垂直な状態のダンパ取り付け部を示した断面図である。 実施形態1におけるダンパ軸が傾斜した状態のダンパ取り付け部を示した断面図である。 実施形態2における曲面状の当接部とその周辺を表した斜視図である。 実施形態2におけるダンパ取り付け部の断面図である。 実施形態3における緩衝材とその周辺を表した斜視図である。 実施形態3におけるダンパ取り付け部の断面図である。 従来技術に係る洗濯機の断面図である。 従来技術に係るダンパ周辺部の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
〔実施形態1〕
図1は、本発明に係るドラム式洗濯機の断面図である。本発明におけるドラム式洗濯機1は、外槽10、水槽11、ドラム12、モータ13、つりばね14、ダンパ15、およびダンパ取り付け部16を備える。外槽10は、その内部で4本のつりばね14と、4本のダンパ15とにより水槽11を弾性支持している。但し、図1では、つりばね14およびダンパ15は、2本ずつのみ記載している。水槽11は、該槽の下側に設置されたダンパ15によって荷重の大部分を支持され、上側からつりばね14によって補助的に支持される。ドラム12は、洗濯および脱水に用いられ、水槽11内部に回転可能に支持されており、ドラム12に直結したモータ13を制御することによってドラム12が回転駆動する。ダンパ15は、外槽10と水槽11の間に配設され、水槽11の振動を減衰させる。また、ダンパ15は、減衰機構と圧縮ばねを内蔵しており、ダンパ中心軸方向に伸縮が可能である。ダンパ15の減衰機構は、オイルなどの粘性流体を封入したシリンダおよびピストンで構成される。ダンパが伸縮する際にピストンが粘性流体中を移動することにより、粘性減衰が得られる。
さらに、ドラム式洗濯機1は、水槽11への給水手段、洗剤の投入手段、排水手段、温風乾燥手段等を有し(図示せず)、これらの手段を組み合わせてドラム12に投入された内容物の洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行う。
図2はダンパ15とダンパ取り付け部16の断面図である。ダンパ15は、ダンパ軸15a、およびダンパフランジ部15bを備える。また、ダンパ取り付け部16は、取り付け板30、固定具31、弾性体32、加圧板33、ナット34、および加圧板抑え部材100を備える。
取り付け板30は金属製の平板で、ダンパ軸15aを厚み方向に通す貫通穴が設けられている。固定具31は、水槽側の取り付け板30を水槽11に固定し、外槽側の取り付け板30を外槽10に固定している。弾性体32は、略円筒形状のゴム製で、弾性体32の円筒軸には、ダンパ軸15aを通す貫通穴が設けられている。一対の弾性体32が、取り付け板30の貫通穴一つに対して、弾性体32の貫通穴と取り付け板30の貫通穴とが重なるように、取り付け板30を厚み方向の両面から挟接する。加圧板33は、底面が弾性体32とほぼ同形の略円筒形状の金属製で、加圧板33の円筒軸には、ダンパ軸15aを通す貫通穴が設けられている。一対の加圧板33が、加圧板33の貫通穴と弾性体32の貫通穴とが重なるように、取り付け板30を挟む一対の弾性体32を、取り付け板30と接していない側の弾性体32の底面から挟接する。
ダンパ軸15aは、ダンパ15の取り付け軸で、水槽11および外槽10に取り付けられる。ダンパ軸15aは、取り付け板30、一対の弾性体32、および一対の加圧板33を、それぞれの貫通穴を通して設置されている。ダンパフランジ部15bは、ダンパ軸15aの端部に設けられ、ダンパ15が無変位時にはダンパフランジ部15bと加圧板33とが接するように配置される。ダンパフランジ部15bよりさらに端部側にはネジ溝(図示せず)が設けられる。ダンパフランジ部15bと、ネジ溝との間には、取り付け板30、一対の弾性体32、および一対の加圧板33が配置される。ネジ溝にナット34が螺入されることで、ナット34とフランジ部17aに挟まれた両弾性体32は潰れ、取り付け板30は厚み方向の両側から挟持される。
加圧板抑え部材100は、板金製で、外槽10側の取り付け板30にネジ止めにより固定される。但し、加圧板抑え部材100を取り付け板30に固定する方法は、ネジ止めに限定されず、例えば、溶接などによって固定してもよい。加圧板抑え部材100は、水槽側の取り付け板30に固定され、取り付け板30との間に加圧板33および弾性体32を厚み方向に挟む。加圧板抑え部材100は、ダンパフランジ部15bと隣接する側の加圧板33の底面に当接する。
本発明に係るドラム式洗濯機は、加圧板33と加圧板抑え部材100とが当接することによって、弾性体32の底面が取り付け板30から離れることを防ぎ、ダンパ軸15aが傾くと弾性体32が取り付け板30から受ける反力を得ることができる。ダンパ軸15aが地面と略垂直な状態で加圧板33と加圧板抑え部材100とは当接するため、傾きが一定の大きさに達さずとも、加圧板33が傾けば、弾性体32は、取り付け板30から、傾きを抑制する方向に力を受ける。
次に、脱水回転定常時のダンパ取り付け部16について説明する。脱水回転定常時には、水槽11は振幅が小さく振動数が大きい振動を生じる。弾性体32は、脱水回転定常時の水槽11の地面と略垂直な方向の振動が、ダンパ15を通して外槽10に伝わり騒音の原因となることを抑制する。
図3(a)は、水槽の地面と略垂直な方向の振動によって、ダンパ15が軸方向に変位した状態を表すダンパ取り付け部の断面を、図3(b)は、ダンパ取り付け部の斜視図である。水槽11が地面と略垂直な方向に振動するときには、加圧板33がダンパの取り付け軸方向に振動する。ダンパフランジ部15bが、無変位時よりも取り付け板30に近づく方向に変位する際には、ダンパフランジ部15bは加圧板33を介して弾性体32を潰し、加圧板抑え部材100と加圧板33とは、非接触状態となる。
逆にダンパフランジ部15bが無変位時よりも取り付け板30から離れる方向に変位する際には、ダンパフランジ部15bと加圧板33が非接触状態となり、弾性体32は、ほぼ無負荷状態となり、取り付け板30を挟んでダンパフランジ部15bの反対側にある弾性体32によって、地面と略垂直な方向の振動は吸収される。
次に、脱水回転起動時のダンパ取り付け部16について図4を用いて説明する。図4(a)は、水槽11が揺動することによってダンパ軸15aが傾斜した状態を示す外槽側のダンパ取り付け部16の断面図であり、図4(b)は、比較例における外槽側のダンパ取り付け部16の断面図である。なお、比較例は、加圧板抑え部材100を備え無いこと以外は本実施形態と同様の構成とした。
実施形態1において、水槽11が揺動するときには、水槽11を支持するダンパ軸15aは、地面と略垂直な方向を基準として傾斜する。このとき加圧板33は、ダンパフランジ部15bまたはナット34に押し付けられているため、ダンパ軸15aに固定されたまま弾性体32を潰すように傾斜する。加圧板抑え部材100は、ダンパ軸15aが傾斜した際に、弾性体32および加圧板33が取り付け板30から離れる方向に変位することを規制する。弾性体32が取り付け板30から離れることが規制されることで、弾性体32の底面が全面的に圧迫され、弾性体32の一部が圧迫されるよりも大きな反力を得ることができ、ダンパ15の傾斜を抑制することができる。すなわち、外層10および水槽11に固定されたダンパ15の傾斜を抑制することで、水槽11の揺動を抑制することができる。
比較例は、加圧板抑え部材100を備えていないため、弾性体32の取り付け板30から離れる方向への変位が規制されず、弾性体32の一部が取り付け板30から離れてしまうことがあり、その場合には弾性体32の底面の一部だけが圧迫され、全体的に圧迫された場合に比べて、小さな反力しか得ることができない。
本発明に係るドラム式洗濯機では、ダンパ軸15aが地面と略垂直な状態で、加圧板33と加圧板抑え部材100とが当接するため、従来技術のように揺動が大きくならずとも、弾性体32は取り付け板30からの反力によって、ダンパ軸15aの傾斜を抑制することができ、水槽11の揺動を抑制することができる。
本実施形態に係る洗濯機において、弾性体32がダンパ軸15aの傾斜を抑制する力についてシミュレーションを行った。ここで、ダンパ軸15a、取り付け板30、弾性体32、および加圧板33のパラメータは、表1に示すヤング率、ポアソン比、摩擦係数、直径、および高さで計算した。
表2は、表1で示す条件下で、ダンパ軸15aが5度傾斜した場合のシミュレーション結果である。
表2に示すように、ダンパ軸15aの傾斜に対して、加圧板抑え部材100を有する構成とした場合には、比較例に対し、約6.22倍のモーメント反力(N・mm)を得ることができた。実施形態1および比較例では、1つのダンパ15に対して4つの弾性体32が設置されており、4つの弾性体32のモーメント反力の合計を比較すると、実施形態1におけるダンパ15全体のモーメント反力(N・mm)は、比較例の2.31倍となった。
つまり、実施形態1におけるダンパ15は、5度程度の小さな傾斜に対しても、弾性体32が取り付け板30から比較的大きな反力を受けることができるので、脱水回転起動時の揺動を十分に抑制することができる。
〔実施形態2〕
次に、加圧板抑え部材100が加圧板33の縁に集中的に当接することを防ぐ実施形態について、図5を用いて説明する。実施形態2に係る洗濯機1は、加圧板33の構成以外は実施形態1と同じ構成である。
図5は、実施形態2における弾性体32、加圧板33、および曲面状の当接部331の斜視図である。加圧板33は、加圧板抑え部材100と当接する部分に、曲面状の当接部331を有し、ダンパ軸15aが傾斜した際に、加圧部32の縁に集中的に当接することを防ぐことが出来る。曲面状の当接部331は、加圧板33と中心軸を同じくする円環体を、中心軸に垂直な平面で2つに切断した半円環体形状をしている。
図6は、加圧板33が加圧板抑え部材100と当接する様子を表したダンパ取り付け部16の断面図である。一般的に、任意の2つの部材が接触する部位においては、両部材に接触応力が生じるが、平面の物体と平面でない物体の接触における接触応力は、平面でない物体の接触部の曲率が小さいほど小さくなるので、当接部を曲面形状とすることで、当接部に発生する応力集中を緩和する事が出来るため、曲面状の当接部331の変形や破損を防ぐ事が出来る。
〔実施形態3〕
実施形態3は、ダンパ15の揺動により、加圧板33と加圧板抑え部材100とが離れ、再度当接する際の衝突音を抑えたものである。実施形態3に係る洗濯機1は、加圧板33の構成以外は実施形態1と同じ構成である。
図7は、実施形態3における弾性体32、加圧板33、および緩衝材332の斜視図である。加圧板33は、加圧板抑え部材100と当接する部分に、円筒形状の緩衝材332を有する。
図8は、加圧板33が加圧板抑え部材100と当接する様子を表したダンパ取り付け部16の断面図である。緩衝材332は、ゴムなどの弾性素材からなり、ダンパ15の揺動によって、加圧板33と加圧板抑え部材100とが離れ、再度当接する際の衝突音を抑えることができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について、説明を行ったが、加圧板抑え部材100は、ダンパフランジ部15bと接する側の加圧板33に当接する構成としたが、本発明のドラム式洗濯機1はこれに限定されず、ナット34と接する側の加圧板33に当接するように設置してもよい。
また、加圧板抑え部材100は、外槽10側のダンパ取り付け部16に設置する構成としたが、本発明のドラム式洗濯機1はこれに限定されず、水槽11側のダンパ取り付け部16に設置する構成としてもよい。
また、1つのダンパ15に対して1つの加圧板抑え部材100を設置する構成としたが、本発明のドラム式洗濯機1はこれに限定されず、例えば、ナット34と接する側の加圧板33、および水槽11側のダンパ取り付け部16の加圧板33に設置することで、1つのダンパ15に対して、4つの加圧板抑え部材100を設置することができる。
本発明は洗濯機に利用できる。
10 外槽
11 水槽
12 ドラム
13 モータ
14 つりばね
15、932 ダンパ
15a ダンパ軸
15b ダンパフランジ部
16 ダンパ取り付け部
30 取り付け板
31 固定具
32,943 弾性体
33 加圧板
331 曲面状の当接部
332 緩衝材
34 ナット
100 加圧板抑え部材
945 ダンパ抑え
945a 胴部

Claims (3)

  1. 洗濯機の外槽と、
    前記外槽内部に配設された水槽と、
    前記水槽内部に回転可能に配設され、洗濯物が収容されるドラムと、
    前記水槽下部と前記外槽内部にとの間に配設されたダンパと、
    前記ダンパの一方の端部を前記水槽と接続する第一の取り付け部と、
    前記ダンパの他方の端部を前記外槽と接続する第二の取り付け部とを備え、
    少なくとも前記第一の取り付け部もしくは前記第二の取り付け部の一方は、
    前記水槽または前記外槽に固定された取り付け板と、
    前記取り付け板を上下両方向から挟む一対の弾性体と、
    前記取り付け板と接する前記弾性体の面と反対の面に当接される加圧板とを有するとともに、前記加圧板を抑える加圧板抑え部材を有し、
    前記加圧板抑え部材は、前記加圧板が前記取り付け板から離れる方向への移動を規制することを特徴とする洗濯機。
  2. 前記加圧板は、前記加圧板と前記加圧板抑え部材との当接部が曲面形状であることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記加圧板は、前記加圧板と前記加圧板抑え部材との当接部に緩衝材を有することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
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