JP2012234075A - 位相変調素子及びその位相変調素子を用いた光学装置 - Google Patents

位相変調素子及びその位相変調素子を用いた光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液体の供給機構を必要せず、光の位相変調がより速く行われる位相変調素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 位相変調素子(100)は、二次元に配置され二次元方向の垂直方向で所定の厚さ(W1)を有する複数のセル(10)と、光を透過するとともに垂直方向にセル内を第1キャビティ(11a)及び第2キャビティ(11b)に分け垂直方向に移動可能である可動窓(13)と、第1キャビティに収納され第1屈折率(n1)を有し光を透過する第1透明媒質(12a)と、第2キャビティに収納され第1屈折率と異なる第2屈折率(n2)を有し光を透過する第2透明媒質(12b)と、可動窓を移動させて第1キャビティに収納される第1透明媒質及び第2キャビティに収納される第2透明媒質の垂直方向の厚さ(W2、W3)を変更させる駆動部(15)と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光を透過または反射させることにより、空間的に所望の位相分布を有する光波面を形成することができる位相変調素子、及びこれを適用した光学装置に関する。
位相変調素子は、光の位相を制御することにより、光の波面収差補正、集光分布補正、または各種の位相マスクとして利用されている。位相変調素子は、さらに光演算、光計測、記録、ディスプレイ、光通信分野でも利用されている。
特許文献1では、二次元的に複数のセルが配置された透過光の位相分布を変調する光学素子が開示されている。特許文献1に開示される光学素子は、透過構造体の各セルに屈折率の異なる液体又はそれらの混合液を供給することで、二次元空間の透過光の位相分布を変調している。
特開2006−243667号公報
しかしながら、特許文献1に開示された光学素子は位相変調条件を変えるたびに液体をセルから出したり入れたりしなければならない。このため、光学素子に液体を供給する供給機構を付随させなければならず、光学素子を含めた装置の小型化が困難である。また、複数の屈折率の異なる液体を調合する場合、液体が均一に馴染むまでに一定の時間がかかるので、光学素子に影響を与える。
本発明は、光の位相変調を短時間で行えるとともに小型化できる位相変調素子を提供することを目的とする。
第1観点の位相変調素子は、光を位相変調させる。また位相変調素子は、二次元に配置され二次元方向の垂直方向で所定の厚さを有する複数のセルと、光を透過するとともに垂直方向にセル内を第1キャビティ及び第2キャビティに分け垂直方向に移動可能である可動窓と、第1キャビティに収納され第1屈折率を有し光を透過する第1透明媒質と、第2キャビティに収納され第1屈折率と異なる第2屈折率を有し光を透過する第2透明媒質と、可動窓を移動させて第1キャビティに収納される第1透明媒質及び第2キャビティに収納される第2透明媒質の垂直方向の厚さを変更させる駆動部と、を備える。
第2観点の位相変調装置は、第1観点の位相変調素子と、位相変調素子の第1キャビティに配置され光を細分する分割部と、位相変調素子の第2キャビティに配置され分割部で細分された光をまとめる結合部と、を備える。
第3観点の記録装置は、第1観点の位相変調素子と、位相変調素子の第1キャビティに配置される空間変調素子と、位相変調素子の第2キャビティに配置される結像光学系と、結像光学系の垂直方向の焦点位置に配置される記録媒体と、を備える。
第4観点の撮像装置は、第1観点の位相変調素子を有する撮像光学系と、撮像光学系の焦点位置に配置される撮像素子と、撮像素子からの信号を処理する信号処理部と、を備える。
第5観点のレーザー加工装置は、垂直方向にレーザー光を射出するレーザー光源と、レーザー光を垂直方向で平行光にするコリメータレンズと、コリメータレンズからの平行光の一部を垂直方向に分割し一部を二次元方向に分割するビームスプリッタと、ビームスプリッタの垂直方向に配置された第1観点の位相変調素子と、位相変調素子からの光を結像する結像レンズと、結像レンズの垂直方向の焦点位置に配置される加工ターゲットと、ビームスプリッタの二次元方向に配置される波面検出器と、波面検出器及び位相変調素子に接続される制御部と、を備える。
本発明の位相変調素子は、光の位相変調を短時間で行うとともに小型化しやすい構造である。
(a)は、第1位相変調素子100の側面図である。 (b)は、第1位相変調素子100の平面図である。 図1の点線Bで囲まれた部分の拡大図で、駆動部15による光LLの位相変調を説明する図である。 (a)は、可動窓13の斜視図である。 (b)は、可動窓13のガイド部17の斜視図である。 駆動部25が可動窓23に直接に接続されている一例を示した図である。 第2位相変調素子200の側面図である。 第3位相変調素子300の側面図である。 (a)は、第1位相変調素子100を用いた位相変調装置PMXの概略図である。 (b)は、位相変調装置PMXでの画像IM1〜IM3の変化状態の説明図である。 (a)は、第1位相変調素子100を用いた記録装置RXの記録ステップの説明図である。 (b)は、第1位相変調素子100を用いた記録装置RXの再生ステップにおける入射光の説明図である。 (c)は、第1位相変調素子100を用いた記録装置RXの再生ステップにおける反射光の説明図である。 第1位相変調素子100を用いた撮像装置PXの概略図である。 第1位相変調素子100を用いたレーザー加工装置LWXの概略図である。
(第1実施形態)
<第1位相変調素子100の全体構成>
第1位相変調素子100の全体構成について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1(a)は第1位相変調素子100の側面図で、図1(b)は第1位相変調素子100の平面図である。第1実施形態では、6×6個のセル10から構成される第1位相変調素子100について説明する。第1位相変調素子は、用途によって縦(Y軸)、横(X軸)のセル数を変更することができる。
図1に示されたように、第1位相変調素子100はX軸方向に6個、Y軸方向に6個で二次元に配置された36個のセル10から構成されている。各セル10は、Z軸方向で厚さW1を有し、可動窓13は第1キャビティ11a及び第2キャビティ11bに分割している。第1キャビティ11aは、可動窓13と、−Z側の透明窓16aと、+Y側の封止弁14a及び固定栓18と、−Y側の固定栓18とで構成される。可動窓13から−Z側の透明窓16aまでのZ軸方向の厚さはW2である。同様に、第2キャビティ11bは、可動窓13と、+Z側の透明窓16bと、+Y側の封止弁14b及び固定栓18と、−Y側の固定栓18とで構成される。可動窓13から+Z側の透明窓16bまでのZ軸方向の厚さはW3である。
また、透明窓16bには開口部19が形成され、封止弁14bが大気に接する状態となる。すなわち、封止弁14bは常に大気圧を受ける状態である。さらに、封止弁14aと固定栓18との間のスペースVDは真空状態から大気圧状態となっている。
第1キャビティ11aには屈折率nの第1透明媒質12aが充填され、第2キャビティ11bには屈折率nの第2透明媒質12bが充填されている。ここで、屈折率nと屈折率nとは互いに異なる屈折率である。第1透明媒質12a又は第2透明媒質12bは気体又は液体であってよい。また第1透明媒質12a又は第2透明媒質12bは高い粘性を有する液体、いわゆる高分子ゲルであってもよい。第1透明媒質12a又は第2透明媒質12bは、具体的には、水、エタノール、パラフィン油、イマージョンオイル、空気(窒素及び酸素)、窒素ガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。
可動窓13、透明窓16a及び透明窓16bは、光を透過する石英ガラス、アクリル等の樹脂が用いられる。また、封止弁14a、14bとしては金属ボール又はゴムが用いられる。大気に接する封止弁14bは第1透明媒質12a及び第2透明媒質12bが液体の場合には油層でもよい。さらに、固定栓18及び封止弁14a、14bは光を透過しない金属、樹脂又はセラミック材料からなる。
第1位相変調素子100は、図1に示されたように封止弁14aの+Y側のスペースVDに封止弁14aをY軸方向で移動させる駆動部15をさらに備えている。ここで、駆動部15としては例えばピエゾ素子であればよい。駆動部15としてのピエゾ素子は、電圧の印加により伸びることができる。スペースVDは真空状態であり、封止弁14bは常に大気圧を受ける状態である。そのため、駆動部15に電圧が印加されていないとき、封止弁14aは大気圧に押圧される状態となる(図2(a)を参照)。また特に図示しないが封止弁14aと駆動部15とが一体に形成されていてもよい。また駆動部15がピエゾ素子である場合に、マイナス電圧を印加すれば縮ませることもできる。
駆動部15の動作について、図2を参照しながら説明する。図2は、図1の点線Bで囲まれた部分の拡大図である。なお、図2(a)は駆動部15が伸びていない初期状態を示した図で、図2(b)は電圧の印加により駆動部15が伸びている伸長状態を示した図である。
図2(a)に示されたように、初期状態では封止弁14bが大気圧により押圧され、第1透明媒質12a第2透明媒質12bを介して封止弁14aが押されている。このためスペースVDは小さくなり、第1透明媒質12aのZ軸方向の厚さW2aが狭く第2透明媒質12bのZ軸方向の厚さW3aが広くなる。すなわち、光LLは第1透明媒質12aを通過する距離は短く、第2透明媒質12bを通過する距離が長くなる。図2(a)に示された状態で、駆動部15に電圧が印加されると封止弁14aが−Y軸方向に押圧される。このとき、図2(b)に示されたように可動窓13が第1透明媒質12aに押圧されて+Z軸方向に移動する。これにより、第1透明媒質12aのZ軸方向の厚さW2bが広く第2透明媒質12bのZ軸方向の厚さW3bが狭くなる。すなわち、光LLは第1透明媒質12aを通過する距離は長く、第2透明媒質12bを通過する距離が短くなる。
可動窓13はZ軸方向に沿って平行移動することが好ましい。可動窓13の平行移動について、図3を参照しながら説明する。図3(a)は可動窓13の斜視図で、図3(b)は可動窓13のガイド部17の斜視図である。
図3(a)に示されたように、可動窓13は全体的に四角形形状であり、その四辺には外周に突出した突出部131が一辺に2つずつ形成されている。図3(a)では8個の突出部131が形成されているが、可動窓13が固定できるように適切な数の突起部131が形成されればよい。図3(b)に示されたように、ガイド部17の内側には可動窓13の突起部131に対応するように凹んだ8個のレール171が形成されている。つまり、突起部131がレール171に係合されることで、可動窓13がガイド部17内でZ軸方向に沿って平行移動することができる。
図3に示された可動窓13は駆動部15に押圧された第1透明媒質12a又は大気圧に押圧されてZ軸方向に沿って移動する。大気圧を利用しない代わりに、固定栓18と封止弁14bとの間(図2を参照)に、コイルバネなどの伸縮部材を配置してもよい。この場合には、透明窓16bに開口部19を設けなくてもよい。
図3では、駆動部25が第1透明媒質12aを介して可動窓13を移動させた。この方法ではなく、駆動部25が直接に可動窓23に接続されて可動窓23を駆動してもよい。図4は、駆動部25が可動窓23に直接に接続されている一例を示した図である。なお、図4(a)は駆動部25が伸びていない初期状態を示した図で、図4(b)は駆動部25が伸びている伸長状態を示した図である。
図4に示されたように、駆動部25は可動窓23の任意の突起部231に接続されている。また図4(a)に示された駆動部25の初期状態の長さはd1で、図4(b)に示された駆動部25の伸長状態の長さはd2である。つまり、駆動部25が図4(a)の長さd1から図4(b)の長さd2まで伸びた際、可動窓23がZ軸方向でΔd、すなわち(d2−d1)程度移動される。これにより、第1透明媒質12a及び第2透明媒質12bのZ軸方向の厚さが調整される(図2を参照)。図4に示された駆動部25は可動窓23の突起部231に接続されているが、可動窓が突起部を有していない形状で駆動部25が直接に可動窓に接続されてもよい。また、図4では1つの駆動部25により可動窓23を移動させるが、複数の駆動部25により1つの可動窓23を移動させる構成でもよい。
また、図1及び図2で示した駆動部15もしくは図3で示した駆動部25の代わりに、電磁力で可動窓を移動させることも可能である。図2において、−Z側の透明窓16aと、+Z側の透明窓16bとにそれぞれITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)電極を形成する。そして可動窓13に電荷を持たせて、透明電極である透明窓16aと透明窓16bとに電圧を加える。このようにして、クーロン力の引力及び斥力により可動窓を移動させることができる。
<第1位相変調素子100による位相変調>
第1位相変調素子100による位相変調について、図1〜図4を参照しながら説明する。可動窓13、23のZ軸方向の変位をΔd(図2、図4を参照。)と、第1位相変調素子100の置かれる周囲媒質の屈折率をn(図示しない)とする。そして、光LLの入射角をθ(図1を参照。)と、第1透明媒質12aの屈折率をn(図1を参照)と、第2透明媒質12bの屈折率をn(図1を参照)とする。可動窓13、23がZ軸方向に変位Δd移動すると、光路長の変化量ΔLは数式(1)で示された量になる。
… 数式(1)
例えば、周囲媒質が空気(n=1)、第1透明媒質12aが水(n=1.33)、第2透明媒質12bが空気(n=1)で入射角が(θ=0度)の場合を説明する。可動窓13、23が変位Δd=1μmであると、光路長の変化量ΔL=0.33μmとなる。光が可視光の場合、波長λは0.40μm〜0.80μmなので、ΔL=0.8λ〜0.4λとなる。橙色の波長λは0.66μm程度であるので、可動窓13、23の変位Δd=1μm当たりの位相変調はπ程度となる。可動窓13、23の変位Δdに対する光路長変化ΔLの感度は、第1透明媒質12aと第2透明媒質12bとの屈折率差Δn(=n−n)を変えることで調整可能である。
数式(1)を簡略するとΔL≒Δn×Δdの関係である。仮に駆動部25の分解能が1μmであったとしても、Δn(=n−n)の絶対値が小さくなるように第1透明媒質12aと第2透明媒質12bとを選べば、可動窓13、23の変位Δdに対して、π/2又はπ/4等の位相変調が可能である。
(第2実施形態)
<第2位相変調素子200の全体構成>
第2位相変調素子200の全体構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、第2位相変調素子200の側面図である。なお、第1実施形態と同じ構成要件には同じ符号を付して説明する。
図5に示されたように、第2位相変調素子200は複数のセル10から構成されている。各セル10は、Z軸方向で厚さW1を有し、可動窓13は第1キャビティ11a及び第2キャビティ11bに分割している。第1キャビティ11aは、可動窓13と−Z側の反射ミラー26aとで挟まれている。第2キャビティ11bは、可動窓13と+Z側の透明窓26bとで挟まれている。ここで、透明窓26bは第1実施形態の透明窓16a、16bと同じ構成で、入射光LL1及び反射光LL2を透過することができる。反射ミラー26aは、透明窓26bを透過した入射光LL1を反射する。
第2実施形態でも、駆動部及び可動窓として図4に示された駆動部25及び可動窓23が用いられてもよい。
<第2位相変調素子200による位相変調>
第2位相変調素子200においては、透明窓26bを透過した入射光LL1が第2キャビティ11b内の第2透明媒質12b及び第1キャビティ11a内の第1透明媒質12aを順次に通過して反射ミラー26aに反射されて反射光LL2となる。その後、反射光LL2が再び第1キャビティ11a内の第1透明媒質12a及び第2キャビティ11b内の第2透明媒質12bを順次に通過して透明窓26bから外部に射出される。
つまり、第2実施形態では、光が入射光LL1及び反射光LL2として第2位相変調素子200の第1透明媒質12a及び第2透明媒質12bを二回透過する。これにより、可動窓13が初期位置にある状態に対して受ける光路長の変化量ΔLが第1実施形態の2倍となる。すなわち、以下の数式(2)に示されたとおりである。
… 数式(2)
(第3実施形態)
<第3位相変調素子300の全体構成>
第3位相変調素子300の全体構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、第3位相変調素子300の側面図である。なお、第1実施形態と同じ構成要件には同じ符号を付して説明する。
図6に示されたように、第3位相変調素子300は複数のセル30により構成される。各セル30は、可動窓33により第1キャビティ31a及び第2キャビティ31bに分割されている。なお、可動窓33はY軸及びZ軸方向に対して斜めに配置されている。すなわち、第1キャビティ31aは+Z側の可動窓33と、−Z側の透明窓16aと、+Y側の封止弁14a及び固定栓18と、−Y側の固定栓18とで密閉される台形である。同様に、第2キャビティ31bは−Z側の可動窓33と、+Z側の透明窓16bと、+Y側の封止弁14b及び固定栓18と、−Y側の固定栓18とで密閉される台形である。
つまり、各セル30の第1キャビティ31a及び第2キャビティ31bはそれぞれにY軸方向に連続した鋸歯状の格子構造を有する回折格子の役割をする。換言すれば、第3位相変調素子300全体が2つの回折格子を密着した回折素子の構成となる。
第3実施形態では、可動窓33がY軸及びZ軸方向に対して斜めに配置されたままにZ軸方向に沿って平行に移動する。ここで、可動窓33は図3又は図4に示されたように移動することができる。また、第2実施形態で説明されたように片方の透明窓16a又は16bが光を反射する反射ミラーとなってもよい。
(応用例1―位相変調装置PMX)
<位相変調装置PMXの全体構成>
応用例1では光学装置として第1位相変調素子100を用いた位相変調装置PMXを一例として説明する。位相変調装置PMXの全体構成について、図7(a)を参照しながら説明する。図7(a)は位相変調装置PMXの概略図である。
図7(a)に示されたように、位相変調装置PMXは分割部DP、第1位相変調素子100及び結合部SPで構成される。分割部DP及び結合部SPは、複数のイメージファイバIF及びコリメータレンズCLを含んでいる。ここで、1つのイメージファイバIF及びコリメータレンズCLがセットになって第1位相変調素子100の1つのセル10にそれぞれ対応するように配置されている。
上述のような位相変調装置PMXの構成によれば、第1位相変調素子100における光が遮断される固定栓18からなる遮光領域MA(図7(b)を参照)の影響を与えて有効に位相変調できない問題を解決することができる。
<位相変調装置PMXでの位相変調>
位相変調装置PMXでの位相変調について、図7(a)及び(b)を参照しながら説明する。図7(b)は位相変調装置PMXでの像IM1〜IM3の変化状態の説明図である。
図7に示されたように、像IM1は位相変調装置PMXに入射する前の被写体(図示しない)の像である。位相変調装置PMXに入射した像IM1の光は、点線で示されたように6×6に細分されて分割部DPの各イメージファイバIFにそれぞれ入射される。
そして、各イメージファイバIF及びコリメータレンズCLにより導かれた光は、それぞれに第1位相変調素子100の各セル10に入射し位相変調される。ここで、像IM1を構成するすべての光が固定栓18からなる遮光領域MAの影響を与えず第1位相変調素子100の各セル10に入射して像IM2を構成する。
その後、分割部DPにより細分され第1位相変調素子100の各セル10により位相変調された像IM2を構成する光が結合部SPの各コリメータレンズCL及びイメージファイバIFで導かれまとめられることで全体的に位相変調された像IM3が形成される。
応用例1では、第1位相変調素子100が用いられているが、第3実施形態の第3位相変調素子300が用いられてもよい。
(応用例2―記録装置RX)
<記録装置RXの全体構成>
応用例2では光学装置として第1位相変調素子100を用いた記録装置RXを一例として説明する。図8(a)は記録装置RXの記録ステップの説明図で、図8(b)は記録装置RXの再生ステップにおける入射光の説明図で、図8(c)は記録装置RXの再生ステップにおける反射光の説明図である。なお、円形で描かれた参照光RL及び信号光SLは光の断面図である。また、記録装置RXは例えばホログラム記録再生システムを含み、以下はホログラム記録再生システムを一例として説明する。
図8に示されたように、記録装置RXは光の空間強度を変調する空間光変調器SLMと、第1位相変調素子100と、結像レンズLSと、記録媒体RMと、撮像素子ISとで構成される。空間光変調器SLMは、例えば液晶パネルなどである。記録媒体RMは、ホログラム記録媒体を含み、光による記録/再生に好適なホログラム記録材料層を有している。撮像素子ISは、CCD(charge coupled device)などである。なお、記録媒体RMは結像レンズLSのZ軸方向の焦点位置に配置されている。
<記録装置RXによる記録及び再生>
記録時には、図8(a)に示されたように、光源(図示しない)からの入射光ILに対して空間光変調器SLMで空間光強度変調を施し、同一光軸Ax上に配置された信号光SLと参照光RLとを生成する。このとき、信号光SLとしては、画素単位で記録データに応じた強度変調を施して生成される。参照光RLは、所定パターンによる強度変調を施して生成される。
次に、空間光変調器SLMでの強度変調によって生成された信号光SL及び参照光RLに対して第1位相変調素子100で位相のランダム位相パターンを施し、結像レンズLSで集光されて記録媒体RMに照射される。これにより、記録媒体RMにおいては、信号光SL(記録像)に応じた干渉縞が形成され、この形成された干渉縞によってデータの記録が行われる。
再生時には、まず図8(b)に示されるように、入射光ILに対する空間光変調器SLMの空間光変調(強度変調)によって、参照光RLが生成される。そして、このように生成された参照光RLに対しては、第1位相変調素子100で記録時と同じ位相パターンが与えられる。
その後、第1位相変調素子100で位相変調を受けた参照光RLは、結像レンズLSを介して記録媒体RMに対して照射される。このとき、参照光RLは記録時と同じ位相パターンが与えられ、このような参照光RLが記録媒体RMに照射される。これにより、図8(c)に示すように、記録されたホログラムに応じた回折光DLが得られ、この回折光DLが記録媒体RMからの反射光として出力され、記録データに応じた再生像(再生光)が得られる。得られた再生像を撮像素子ISで受光し、撮像素子ISの受光信号に基づいて記録データの再生が行われる。
信号光SLは、記録データに応じて強度変調されて生成されるため、光強度(振幅)「0」「1」が必ずしもランダムに配置されるものとはならず、記録信号スペクトルの直流成分の発生を助長する。直流成分は、それによって記録材料が大きく反応してしまい、それ以上ホログラム(データ)を多重させて記録できなくし、記録の高密度化を阻害する。
したがって、第1位相変調素子100で、信号光SL及び参照光RLに対してランダムな位相変調パターンを与えることにより、信号光SLと参照光RLとの干渉効率の向上や、記録信号のスペクトルの拡散を図ることができ、記録媒体RM上に形成される干渉縞の直流成分を抑圧し、高記録密度化が図れる。
位相変調パターンとしては、例えば「0」「π」の2値によるランダム位相パターンを設定する。すなわち、位相変調を行わないピクセル(位相=0)と、位相をπ(180°)だけ変調するピクセルとが半々となるようなランダムな位相変調パターンを設定する。
空間光変調器SLMによる強度変調で信号光として、その光強度が記録データに応じて「0」「1」に変調された光が生成され、このような信号光に対して第1位相変調素子100で「0」または「π」の位相変調が施される。これにより、光の波面の振幅として、「−1」「0」「+1」の光がそれぞれ生成できる。光強度「1」で変調されたピクセルについて位相「0」の変調が与えられたときは、振幅は「1」であり、位相「π」による変調が与えられたときは、振幅は「−1」となる。光強度「0」のピクセルについては位相「0」又は「π」の何れの変調に対しても振幅は「0」のままである。
上述のような位相変調を第1位相変調素子100で施すことで、空間光変調器SLMから出力される信号光SL及び参照光RL内の光強度「1」のピクセルを振幅「1」と「−1」とにランダム(半々)に分けることができる。振幅「1」と「−1」の光をランダムに分けられることで、フーリエ面(周波数平面:この場合はメディア上での像と考えればよい)において均質にスペクトルをばらまくことができ、これによって記録信号に生じる直流成分の抑圧を図ることができる。
(応用例3―撮像装置PX)
応用例3では光学装置として第1位相変調素子100を用いた撮像装置PXを一例として説明する。図9は、撮像装置PXの概略図である。
図9に示されたように、撮像装置PXは位相マスクとしての第1位相変調素子100及び複数の撮像レンズPLを有する撮像光学系PSと、撮像光学系PSのZ軸方向の焦点位置に配置される撮像素子ISと、撮像素子ISに接続される信号処理部SCとで構成される。
撮像装置PXは、第1位相変調素子100により撮像光学系PSの瞳付近でデフォーカスに対して感度が鈍くなるよう波面をコード化し、撮像素子ISで取得した中間像を信号処理部SCでデジタル処理により被写界深度の深い画像撮影が可能である。
なお、第1位相変調素子100は駆動部15(図1を参照)で与える力の調整で、付与する空間位相分布が可変となる。このため、例えばカメラの撮像レンズのように画像のボケを効果的に使いたい用途が生じた場合も空間位相分布に変調を与えない状態(初期状態)に戻せば、位相マスクとしての第1位相変調素子100を取り外すことなくそのまま対応できる。
(応用例4―レーザー加工装置LWX)
応用例4では光学装置として第1位相変調素子100を用いたレーザー加工装置LWXを一例として説明する。図10は、レーザー加工装置LWXの概略図である。
レーザー光源LIからのレーザー光RLLを、空間フィルタSFを介して余分な回折波や反射波、キズやゴミなどの回折散乱波を取り除き、コリメータレンズCLで平行光にする。ビーム波面の歪みをモニターするためにビームスプリッタBSでビームの一部を波面検出器に導く。波面検出器としては、例えば、シャックハルトマンセンサーを用いる。波面検出器WSでモニターした波面データから制御部CPでビームの歪みを求め、その歪みを打ち消すように第1位相変調素子100の駆動部15(図1を参照)に与える力を制御する。位相変調によって、歪みの取れたビームが結像レンズLSで加工ターゲットWT上に集光させ、加工される。第1位相変調素子100は、与える空間位相変調が可変であるため、様々なビームの歪み補正に対応できる。
以上、本明細書では最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
10、30 … セル
11a、31a … 第1キャビティ、 11b、31b … 第2キャビティ
12a … 第1透明媒質、 12b … 第2透明媒質
13、23、33 … 可動窓
14a、14b … 封止弁
15、25 … 駆動部
16a、16b、26b … 透明窓
17 … ガイド部
18 … 固定栓
100、200、300 位相変調素子
131、231 … 突起部
171 … レール
Ax … 光軸
BS … ビームスプリッタ
CL … コリメータレンズ
CP … 制御部
DP … 分割部
IF … イメージファイバ
IM1〜IM3 … 画像
IS … 撮像素子
LI … レーザー光
LS … 結像レンズ
LWX … レーザー加工装置
MA … 遮光領域
、n、n … 屈折率
PMX … 位相変調装置
PL … 撮像レンズ
PS … 撮像光学系
PX … 撮像装置
RL … 参照光
RLL … レーザー光
RM … 記録媒体
RX … 記録装置
SC … 信号処理部
SF … 空間フィルタ
SP … 結合部
SL … 信号光
SLM … 空間光変調器
W1、W2、W2a、W2b、W3、W3a、W3b … 厚さ
WS … 波面検出器
WT … 加工ターゲット

Claims (10)

  1. 光を位相変調させる位相変調素子であって、
    二次元に配置され前記二次元方向の垂直方向で所定の厚さを有する複数のセルと、
    前記光を透過するとともに、前記垂直方向に前記セル内を第1キャビティ及び第2キャビティに分け、前記垂直方向に移動可能である可動窓と、
    前記第1キャビティに収納され第1屈折率を有し前記光を透過する第1透明媒質と、
    前記第2キャビティに収納され前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、前記光を透過する第2透明媒質と、
    前記可動窓を移動させて前記第1キャビティに収納される前記第1透明媒質及び前記第2キャビティに収納される前記第2透明媒質の前記垂直方向の厚さを変更させる駆動部と、
    を備える位相変調素子。
  2. 前記セルの前記垂直方向に、前記第1透明媒体を前記可動窓と挟み込み前記光を透過する透明窓と前記第2透明媒体を前記可動窓と挟み込み前記光を透過する透明窓とを備える請求項1に記載の位相変調素子。
  3. 前記セルの前記垂直方向に、前記第1透明媒体を前記可動窓と挟み込み前記光を透過する透明窓と前記第2透明媒体を前記可動窓と挟み込み前記光を反射するミラーとを備える請求項1に記載の位相変調素子。
  4. 前記可動窓が前記垂直方向に対して斜めに配置されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位相変調素子。
  5. 前記可動窓は前記垂直方向に平行移動する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の位相変調素子。
  6. 前記第1透明媒質を封止するとともに、移動可能な第1封止弁と、
    前記第2透明媒質を封止するとともに、移動可能な第2封止弁とを備え、
    前記駆動部は前記第1封止弁又は第2封止弁を移動させることにより、前記可動窓を移動させる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の位相変調素子。
  7. 請求項2に記載の前記位相変調素子と、
    前記位相変調素子の前記第1キャビティに配置され前記光を細分する分割部と、
    前記位相変調素子の前記第2キャビティに配置され前記分割部で細分された前記光をまとめる結合部と、
    を備える位相変調装置。
  8. 請求項2に記載の前記位相変調素子と、
    前記位相変調素子の前記第1キャビティに配置される空間変調素子と、
    前記位相変調素子の前記第2キャビティに配置される結像光学系と、
    前記結像光学系の前記垂直方向の焦点位置に配置される記録媒体と、
    を備える記録装置。
  9. 請求項2に記載の前記位相変調素子を有する撮像光学系と、
    前記撮像光学系の焦点位置に配置される撮像素子と、
    前記撮像素子からの信号を処理する信号処理部と、
    を備える撮像装置。
  10. 前記垂直方向にレーザー光を射出するレーザー光源と、
    前記レーザー光を前記垂直方向で平行光にするコリメータレンズと、
    前記コリメータレンズからの前記平行光の一部を前記垂直方向に分割し一部を前記二次元方向に分割するビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタの前記垂直方向に配置された請求項2に記載の前記位相変調素子と、
    前記位相変調素子からの前記光を結像する結像レンズと、
    前記結像レンズの前記垂直方向の焦点位置に配置される加工ターゲットと、
    前記ビームスプリッタの前記二次元方向に配置される波面検出器と、
    前記波面検出器及び前記位相変調素子に接続される制御部と、
    を備えるレーザー加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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