JP2012233560A - 変速機 - Google Patents

Abstract

【課題】風力発電設備の風車の回転を増速する増速機である遊星歯車装置を、水力発電装置の鉛直方向に配置して利用するときに、油漏れ、粉塵による歯面の摩耗、油量の計測、冷却対策ができる装置を提供する。
【解決手段】垂直方向を軸方向に入力軸１２と出力軸１８とを軸着し、外フレーム１０に内歯車１６を備え遊星歯車１４に噛合わせる歯車群とし、外周面に潤滑油Ｇを計量する透視面２０を備え、前記歯車群に下方位置の入力軸１２または出力軸１８の連結面をフリンガー構造にし、該フリンガー構造の周辺に潤滑油Ｇを保持する油溝２１を備え、入力・出力側支持枠９・１１の少なくとも一方に冷却用のフィン２３を備えて、外部駆動回転を入力軸と同軸上に配置する出力軸１８に伝達する構成にする。
【選択図】図２

Description

本発明は、できるだけ小型化したスペース内に鉛直方向に軸心を設置して、外部入力の駆動回転を効率良く伝達して、耐久性のある変速機に関するものである。

従来の遊星歯車装置は、風力発電設備の風車の回転を増速する増速機として備えられ、遊星歯車装置の軽量化を可能にし、軽量化により必要部分の寸法への影響や機能低下を伴うことが無いものとして、風力発電設備の軽量化と小型化を図ったものが提供されている。軽量化は、入力側の遊星歯車を回転自在に支承する軸を中空軸として、複数段に連結して高速用に増速している。

特開２００６−９５７５

しかし、この遊星歯車装置は入力軸と出力軸を同一軸線上に配置できなく、軸径方向に広がり、風力発電設備を大きくする欠点があり、この遊星歯車装置を水力発電装置の鉛直方向に配置して利用するとき、油漏れ、粉塵による歯面の摩耗、油量の計測、冷却対策ができない問題があった。

本発明は、鉛直方向に設置することができる小型で耐久性がある変速機を提供するもので、同軸方向に入力軸と出力軸を配置して、潤滑油の油漏れ対策としてシール面とその手前で遮断するフリンガー構造との二重の構成、粉塵・摩耗粉等を溜める沈殿層の油溝、潤滑油量を計測する透視面を備える。この透視面は、内歯車の外周面位置に配置することで軸方向の全長を短くできる。シール面は、支持枠に配置して、内部を覆うことで保護し、変速機を水力発電装置とか工作機械とかに取付けするときに、傾斜させても潤滑油が上部の軸受に流れないようにしたことで、耐久性を実現する。

フリンガー構造は、下方側の支持枠と、外フレームの内歯車に噛合う遊星歯車を支持するキャリア板と、が密接することで、シール面と合わせて二重に潤滑油を遮断させることで、変速機の外部に油漏れを起こすことが無い構造にするものである。

請求項１の発明では、垂直方向を軸方向にして入力軸と出力軸とを支持枠で軸着し、該支持枠を外フレームの上下に配置して連結することで、該入力軸の回転数を介在する歯車群に伝達して該出力軸を変速する変速機である。
前記外フレームは、内歯車として遊星歯車を噛合わせる歯車群を配置している。この内歯車の外周面には、潤滑油を計量する透視面を備えている。
前記歯車群は、下方位置の入力軸または出力軸に密着する密接部を備え、フリンガー構造にし、該フリンガー構造の周辺に潤滑油を沈殿させる沈殿層にする油溝を備える。
前記支持枠には、上下の少なくとも一方に冷却用のフィンを備えている。
外部駆動回転は、入力軸と同軸上に配置する出力軸に伝達する構成とする。

請求項２の発明では、請求項１の透視面は、前記外フレームの内周面を内歯車として、外周面に上下方向の内周面に流通する中空路を備え、該中空路に外部から透視できる面を備える構成とする。

請求項３の発明では、請求項１のフリンガ−構造は、遊星歯車を支承するキャリアの側面の平面と支持枠の面とを密接状態に配置する構成とする。

請求項４の発明では、請求項１の上部の支持枠は、逆流防止シールを配置して、軸受に潤滑油の侵入を阻止する構成とする。
請求項５の発明では、請求項１の支持枠は、シール材の外観をカバーで覆っている構成とする。

請求項１の構成では、小型で耐久性があり油量の計測が容易にできる作用がある。
請求項２の構成では、内歯車位置に油量計測する透視面があるので、軸方向が短くできる作用がある。

請求項３の構成では、面接触による密着により油の侵入を防止でき、キャリアが回転して付着した油を弾き飛ばす作用がある。
請求項４の構成では、取付時に横に傾斜させても、潤滑油が軸受に流れて、軸受のグリスを洗浄するのを防止できる作用がある。
請求項５の構成では、シール材が外観面に露出しないので、外部からの損傷を防止できる作用がある。

請求項１の発明では、鉛直方向の径を小型軽量にして、耐久性が高く、油の計測のメンテイを容易にする効果がある。
請求項２の発明では、内歯車に油量面を備えるので全長が短くできる効果がある。

請求項３の発明では、歯車群の潤滑油を油漏れによる外部に流出するのを防止することができる効果がある。
請求項４の発明では、設置及び搬送中に傾斜させても、潤滑油が軸受に流入しないのでグリスを保持でき、円滑に軸を回転させることができる効果がある。
請求項５の発明では、シール面の側面を保護材で覆うので、外部からの損傷を防止でき、シール効果を長く保持する効果がある。

本発明の変速機を採用した水力発電機の説明図。 変速機の構造を示す断面図。

本発明の変速機４は、鉛直方向に軸心を配置する構造であり、外形を小型にすることができ、潤滑油Ｇの点検及び交換を容易にすると共に、潤滑油の劣化と不純物の循環を防止して寿命を延ばすことができ、シール面を保護する構造と、軸受のグリスに潤滑油が循環しない構造の減速機又は増速機を提供するものである。

図１は、河川を流れる水を別途に設ける用水路Ｋに導き、その用水路Ｋに段差Ｄを付けて水量に落下速度つけることで、流水のエネルギーを増大させることで、回転エネルギーに変換して発電させるようにした設備である。用水路Ｋの水は、河川から引き入れる水門に流木・空缶・袋・紐等のごみを遮断する網が入口に設置してあり、水だけが流れるものである。落下する水は、縦方向の鉛直に設置してあるスクリュウ７が回転可能に軸着してある。

スクリュウ７は、用水路Ｋの床面に軸受を備え、鉛直にシャフト６を備え、変速機４に連結して、変速機４から連結継手５を介して発電機３を駆動回転させる。シャフト６は、スクリュウ７の回転を正確に効率よく伝達しなければならず、上部を外枠２の軸受２４に支持させ、外枠２を用水路Ｋの両岸からフレーム８を渡して固着して、支持している。

変速機４は、落下水を駆動源にして低速回転の大きなトルクを得るスクリュウ７の回転数を高速回転に変える増速機であり、高回転数にして発電機３のロータを回転させ電力を得ることになる。変速機４と発電機３との接続には、連結継手５を備えて、スクリュウ７の回転のムラを安定ある回転に維持するクラッチ機能と軸心を出す機能を備えている。発電機３は、図示略の制御盤により整流されて安定ある電圧と周波数にして送電される。外枠２は、防水製のもので発電機３と制御盤に水が掛ることが無く、粉塵等の侵入もなく、フレーム８で固着されている。

水量は、河川の状況により、大雨・台風等の悪条件では、入口を閉鎖して用水路Ｋの水Ｗの量を調整する。用水路Ｋを流れる水Ｗは、段差Ｄから落下してスクリュウ７の一方向側に当接することで回動させることができ、スクリュウ７の上部を支持するシャフト６が回転して変速機４に入力される。変速機４は、入力軸１２の回転を増速して出力軸１８を回転させる。前記出力軸１８は、連結継手５を介して適切な回転を発電機３に伝達され、制御盤にて商用電源をつくることができる。

図２は、変速機４を示し、増速タイプの図面であるが減速タイプにしてもよく、歯車群の１段変速を２段・３段に変速比にしてもよい。入力軸１２は、入力支持枠９に軸着され、一端を突出させてシャフト６に接続可能にし、他端をキャリア１３に嵌着して回転させる。入力支持枠９は、入力軸を軸受２４で回転可能にし、シール材２５で外部に軸受２４のグリスを漏れないようにして、シール材２５を外部から覆うようにしてシールカバー２６を備える。このシールカバー２６は、入力側支持枠９で形成したものでもよいが、樹脂性・ゴム製のものを嵌め込みしてもよい。

入力側支持枠９のキャリア１３側の一部面は、キャリア１３の面に密着する密接部２７を備え、その密接部２７の内周面に軸受２４を備え外周面に油溝２１を備えている。この密接部２７は、外周面の潤滑油Ｇを内周面の軸受２４に侵入できなくするフリンガ構造にしている。油溝２１は、キャリア１３の円周に断面上向きコ字状にして、磨耗粉・酸化物等の不純物を下方に沈殿させ油抜きボルト２２を脱着することで排出することができ、この油抜きボルト２２を磁石製にすれば不純物の鉄粉を付着させ回収することができ、歯車群に不純物が少ない潤滑油Ｇにしている。

変速機４は、入力軸１２を突出させた入力側支持枠９と、内歯車１６を内周面に備えた外フレーム１０と、出力軸１８を突出した出力側支持枠１１とを接続して一体に形成している。入力側支持枠９は、入力軸１２を回転自在に支持する軸受２４を備え、軸受２４のグリスの漏れ防止又は不純物の混入を防止するシール材２５を備えている。
シール材２５は、外部からの損傷を防止するためのシールカバー２６を外側面に配置して、用水路Ｋを流れる水Ｗに含まれる砂利等の不純物が飛散しても、シール材２５を保護することで耐久性をより強くすることができる。

外フレーム１０は、内周面を内歯車１６にして、前記キャリア１３に遊星歯車１４を複数個等分して、キャリア１３に嵌着されたピン１５に軸着されて、内歯車１６に噛合って回動する。前記複数個の遊星歯車１４は、出力軸１８のピニオン１７に噛合い、出力軸１８を増速する回転に変速させる。内歯車１６は、遊星歯車１４とピニオン１７が噛合い回転する位置より上に潤滑油Ｇを満たしている。外フレーム１０と内歯車１６の肉厚間には、一本の中空管１９が備えてあり、この中空管１９の上下端を内歯車１６に解放して潤滑油Ｇを通して同気圧であり潤滑油Ｇの高さを同じ位置を示している。

この中空管１９は、外フレーム１０の外周面から中空管１９を透視できるゲージを備えた透視面２０が配置してあり、内歯車１６の位置にオイルゲージを備えることができる。出力側支持枠１１は、出力軸１８を軸受２４で支持して、入力軸１２と軸心Ｏを同じにして、ピニオン１７に噛合う遊星歯車１４から伝達されて増速回転を支持し、軸受２４を挟むように上下にシール材２５を備えている。

シール材２５は、出力軸１８が上部に位置するので、潤滑油Ｇが漏れ出ることがなく、水力発電装置１に組み付けるときとか搬送するときに傾斜させることがあり、その傾斜時に潤滑油Ｇが軸受２４に流れると軸受２４のグリスに浸透してグリスを劣化させるために、防止している。この実施形態の変速機４では、増速機の一例を示すもので、減速機にしてもの同様な作用を得るもので、軸が高速回転する側の出力側支持枠１１が発熱するので外周面にフィン２３を備えている。フィン２３は、板材の形状で複数枚を等間隔にして、出力軸１８の軸受２４の外周面近傍に立設して固着している。

本発明の変速機は、鉛直方向に軸心を配置するもので、駆動回転を減速したり増速したりするもので、ねじ棒に沿って上下動する昇降機に採用したり、地面に穴を掘り進む掘削機にも採用できる。

１ 水力発電装置
２ 外枠
３ 発電機
４ 変速機
５ 連結継手
６ シャフト
７ スクリュウ
８ フレーム
９ 入力側支持枠
１０ 外フレーム
１１ 出力側支持枠
１２ 入力軸
１３ キャリア
１４ 遊星歯車
１５ ピン
１６ 内歯車
１７ ピニオン
１８ 出力軸
１９ 中空溝
２０ 透視面
２１ 油溝
２３ フィン
２４ 軸受
２５ シール材
２６ シールカバー
２７ 密接部
Ｏ 軸心
Ｇ 潤滑油

Claims (5)

1. 垂直方向を軸方向にして入力軸と出力軸とを支持枠で軸着し、該支持枠を外フレームの上下に連結して、該入力軸の回転数を介在する歯車群に伝達して該出力軸に変速する変速機において、
   前記外フレームは内歯車として遊星歯車を噛合わせる歯車群とし、外周面に潤滑油を計量する透視面を備え、
   前記歯車群に下方位置の入力軸または出力軸の連結面をフリンガー構造にし、該フリンガー構造の周辺に潤滑油を沈殿させる油溝を備え、
   前記支持枠の少なくとも一方に冷却用のフィンを備えて、
   外部駆動回転を入力軸と同軸上に配置する出力軸に伝達することを特徴とする変速機。
2. 前記透視面は、前記外フレームの内周面を内歯車として、外周面に上下方向の内周面に流通する中空路を備え、該中空路に外部から透視できる面を備えていることを特徴とする請求項１記載の変速機。
3. 前記フリンガー構造は、遊星歯車を支承するキャリアの側面の平面と支持枠の面とに接触面を配置して、密接状態にすることを特徴とする請求項１記載の変速機。
4. 前記上部の支持枠に逆流防止シールを配置して、軸受に潤滑油の侵入を阻止することを特徴とする請求項１記載の変速機。
5. 前記支持枠は、シール材をカバーで覆っていることを特徴とする請求項１記載の変速機。

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