JP2012232275A - 固液分離装置及び熱水分解装置 - Google Patents

固液分離装置及び熱水分解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマスの加水分解中であっても閉塞状態を解消することが可能な固液分離装置、及び当該装置を備える熱水分解装置を提供する。
【解決手段】固液分離装置30は、加圧熱水反応装置で処理された処理液W1に含まれる固体成分(例えば、不溶性のバイオマス成分)を分離する装置であって、磁性粒子33が充填されて処理液Wが導かれる分離筒31と、分離筒31に充填された磁性粒子33に対して振動を加える磁石34とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、固液分離装置及び熱水分解装置に関する。
近年、石油等の化石資源の代替資源としてバイオマスが注目されている。バイオマスは、その成長過程において光合成により大気中の二酸化炭素を吸収するため、燃焼させても全体として見れば大気中の二酸化炭素が増加することにはならないという利点を有する。このようなバイオマスは、例えばバイオ燃料の一種であるバイオエタノールを生成するために用いられる。尚、バイオエタノールは、バイオマスを糖化処理してグルコース(単糖類)を生成し、このグルコースをアルコール発酵させることで生成される。
以下の特許文献1には、バイオマスの主成分であるセルロースを加圧熱水により加水分解する技術が開示されている。具体的には、セルロース粉末を240〜280℃に加熱された加圧熱水と接触させて加水分解したのち、急冷することで水溶性オリゴ糖類を生成する方法が開示されている。また、以下の特許文献2には、雨水排水、都市下水、産業排水等を濾材で固液分離する固液分離装置が開示されている。
特許第3041380号公報 特開平6−15108号公報
ところで、上述した特許文献1に開示された技術を用いてバイオマスを加水分解する場合には、固体のバイオマスと可溶化成分とを分離して可溶化成分のみを加水分解を行う装置(加圧熱水反応装置)の外部に流出させる必要がある。このためには、例えば上述した特許文献2等に開示された固液分離装置を加圧熱水反応装置の出口部分に設置した構成にする必要がある。
ここで、上述した加圧熱水反応装置の処理液には、可溶化成分以外にも加水分解により低分子化したバイオマス成分が含まれる。このため、この処理液が加圧熱水反応装置の出口部分に設置された固液分離装置に流入すると、固液分離装置の閉塞が生ずる虞が考えられる。固液分離装置の閉塞が生じた場合には、加圧熱水反応装置を一旦停止させて固液分離装置の閉塞を解消する必要があるため、バイオマスの処理効率が低下するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、バイオマスの加水分解中であっても閉塞状態を解消することが可能な固液分離装置、及び当該装置を備える熱水分解装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の固液分離装置は、加圧熱水反応装置(20)で処理された処理液(W1)に含まれる固体成分を分離する固液分離装置(30)であって、粒子(33)が充填されており、前記処理液が導かれる分離筒(31)と、前記分離筒に充填された前記粒子に対して振動を加える振動装置(34)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の固液分離装置は、前記粒子に付着した前記固体成分を加熱して除去する除去装置(37、38)を備えることを特徴とする請求項1記載の固液分離装置。
また、本発明の固液分離装置は、前記除去装置が、前記粒子に付着した前記固体成分を可溶化させ得る温度の熱水(HW)を前記分離筒に供給して前記固体成分を除去することを特徴としている。
また、本発明の固液分離装置は、前記除去装置が、前記分離筒内に燃焼ガスを供給して燃焼させることにより前記固体成分を除去することを特徴としている。
また、本発明の固液分離装置は、前記粒子が、磁性粒子であり、前記振動装置が、前記磁性粒子に磁界を作用させることにより前記磁性に対して振動を加えることを特徴としている。
また、本発明の固液分離装置は、前記分離筒に充填される前記粒子が、前記処理液が導かれる上流側と前記固体成分が分離された処理液が排出される下流側とで大きさが異なることを特徴としている。
また、本発明の固液分離装置は、前記分離筒が、充填されるべき粒子が供給される供給口(31a)と、前記分離筒に充填されていた粒子が排出される排出口(31b)とを備えることを特徴としている。
本発明の熱水分解装置は、加圧熱水を用いてバイオマスを加水分解する加圧熱水反応装置(20)と、前記加圧熱水反応装置で処理された処理液(W1)に含まれる固体成分を分離する上記の何れかに固液分離装置(30)と、前記固液分離装置を介した前記処理液を冷却する冷却装置(40)とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、加圧熱水反応装置で処理された処理液が導かれる分離筒に粒子を充填し、分離筒に充填された粒子に対して振動装置により振動を加えるようにしたため、バイオマスの加水分解中であっても閉塞状態を解消することが可能であるという効果がある。
本発明の一実施形態による熱水分解装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による固液分離装置を示す側断面図である。 本発明の一実施形態による固液分離装置で用いられる磁性粒子の大きさと隙間との関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態による固液分離装置の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による固液分離装置及び熱水分解装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による熱水分解装置を示すブロック図である。図1に示す通り、熱水分解装置1は、加圧熱水供給装置10、加圧熱水反応装置20、固液分離装置30、冷却装置40、及び制御装置50を備えており、例えば温度が150〜300℃程度であって圧力が飽和蒸気圧以上の加圧熱水を用いて原料としてのバイオマス(木質系バイオマス)をバッチ的(間欠的)に加水分解する。
このような熱水分解装置1は、例えばバイオマスからバイオエタノール(CO)を生成するプラントに設置され、バイオマスから多糖類(単糖分子が多数重合した糖)或いはオリゴ糖(単糖類同士が結合した糖であって多糖類という程は分子量が大きくない糖類、重合度:2〜6程度)を得るために用いられる。尚、バイオエタノールは、熱水分解装置1で得られた多糖類或いはオリゴ糖を分解してグルコース等の単糖類を生成し、この単糖類をアルコール発酵させることで生成される。
ここで、木質系バイオマスは、セルロース(多糖類)、ヘミセルロース(多糖類)、及びリグニン(木質素)を主成分とする。セルロースは、化学式(C10で表される多糖類であり、炭素原子6個を含むグルコースのみが重合した高分子化合物である。ヘミセルロースは、上記グルコースだけではなく、キシロース(五炭糖)やガラクトース(六炭糖)等の単糖類が重合したセルロースを除く多糖類の高分子化合物である。リグニンは、高度に重合した三次元網目構造体を有し、上記セルロース及びヘミセルロースを取り囲むことで木質を形成する高分子化合物である。
このようなセルロース、ヘミセルロース、及びリグニンを主成分とする木質系バイオマスに加圧熱水を作用させることにより、セルロースやヘミセルロースを更に重合度の低い多糖類(セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖、及びこれらより多少重合度が高い各種オリゴ糖)に分解することができる。このため、図1に示す熱水分解装置1は、具体的には、外部から供給される粒状のバイオマスに含まれるセルロースやヘミセルロースをセロオリゴ糖やキシロオリゴ糖に分解する。
加圧熱水供給装置10は、ポンプ11、加熱器12、及び流量調節弁13を備えており、制御装置50の制御の下で加圧熱水反応装置20に対し、例えば温度が150〜300℃程度であって圧力が飽和蒸気圧以上の加圧熱水を供給する。ポンプ11は、外部から供給される水を加圧して加熱器12に送出する。加熱器12は、制御装置50からの温度制御信号C11に基づいてポンプ11からの加圧水を加熱し、加圧熱水として流量調節弁13に送出する。
ここで、加熱器12から流量調節弁13に送出される加圧熱水の温度は、温度制御信号C11によって常に一定の温度(上記の150〜300℃程度)に維持される。流量調節弁13は、制御装置50からの流量制御信号C12に基づいて開口度が調節される制御弁であり、加熱器12から供給される加圧熱水の流量を調整して加圧熱水反応装置20に送出する。
加圧熱水反応装置20は、外部から供給されるバイオマス(木質系バイオマス)を収容するとともに、加圧熱水供給装置10から供給される加圧熱水をバイオマスに流通させて加水分解する。この加圧熱水反応装置20は、具体的にはバイオマスを加水分解する管状の槽であり、バイオマスの分解物及び加圧熱水を処理液として固液分離装置30に向けて排出する。
この加圧熱水反応装置20は、その一端(図1に示す例では左端)に加圧熱水供給装置10からの加圧熱水が順次供給され、その他端(図1に示す例では右端)から処理液が固液分離装置30に向けて順次排出される。このため、加圧熱水反応装置20内に収容されたバイオマスには加圧熱水が順次流通することになる。この結果として、加圧熱水反応装置20内において、バイオマスに含まれるヘミセルロースやセルロースがキシロオリゴ糖やセロオリゴ糖に順次分解される。
ここで、加圧熱水供給装置10から加圧熱水反応装置20に供給される加圧熱水は、その流量が流量調節弁13によって調節されるため、加圧熱水反応装置20から排出される処理液の性状は時間的に異なったものになる。具体的には、加圧熱水反応装置20から最初に排出される処理液は、ヘミセルロースが分解されたオリゴ糖を主成分とするヘミセルロース分解物を含む加圧熱水であり、その後に排出される処理液は、セルロースが分解されたセロオリゴ糖を主成分とするセルロース分解物を含む加圧熱水である。
固液分離装置30は、加圧熱水反応装置20から排出される処理液に含まれる固体成分を分離する。加圧熱水反応装置20から排出される処理液には、上述したオリゴ糖やセロオリゴ糖等の可溶化成分以外に、加水分解により低分子化した不溶性のバイオマス成分が含まれる。このような不溶性のバイオマス成分を処理液から除去すべく固液分離装置30が設けられる。ここで、図2を参照して固液分離装置30の具体的構成例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による固液分離装置を示す側断面図である。図2に示す通り、固液分離装置30は、分離筒31、パンチングメタル32、磁性粒子33、磁石34(振動装置)、バルブ35a,35b、圧力計36a,36b、及び熱水供給バルブ37(除去装置)を備えており、加圧熱水反応装置20からの処理液W1に含まれる不溶性のバイオマス成分を分離し、分離後の処理液を処理液W2として排出する。
分離筒31は、加圧熱水反応装置20から冷却装置40に至る処理液の流路上に設けられた円筒状の部材であり、その内部に磁性粒子33が充填される。この分離筒31の一端(図2に示す例では上端)には加圧熱水反応装置20から排出される処理液W1が導かれ、他端(図2に示す例では下端)からは不溶性のバイオマス成分が除去された処理液W2が排出される。
分離筒31は、温度が150〜300℃程度である処理液W1に対する耐熱性を有し、且つ、内部に充填される磁性粒子33の振動に耐え得る強度を有する非磁性材料で形成されている。具体的に、分離筒31は、セラミックスや耐熱樹脂等で形成されている。ここで、非磁性材料で形成された分離筒31を用いるのは、分離筒31の内部に充填された磁性粒子33に対し、分離筒31の周囲に配設された磁石34の磁界を作用させて磁性粒子33を振動させるためである。
分離筒31の側壁には、分離筒31の内部に充填されるべき磁性粒子33が供給される供給口31a、分離筒31の内部に充填されていた磁性粒子33が排出される排出口31bが形成されている。尚、図2に示す例では、排出口31bが供給口31aよりも上流側(上方)に形成されている例を図示しているが、これとは逆に供給口31aが排出口31bよりも上流側(上方)に形成されていても良い。また、供給口31a及び排出口31bよりも上流側(図2に示す例では上方)における分離筒31の側壁には、磁性粒子33に付着した不溶性のバイオマス成分を可溶化させ得る温度の熱水が供給される熱水供給口31cが形成されている。
パンチングメタル32は、磁性粒子33の径よりも小さな径の孔が多数形成され、外径が分離筒31の内径と同程度に設定された円板状の部材である。このパンチングメタル32は、分離筒31の内部に充填された磁性粒子33が処理液W1の流れによって分離筒31の外部に流出するのを防止して、磁性粒子33を分離筒31内に留めるために設けられる部材であり、供給口33aの下端部の位置に取り付けられる。尚、パンチングメタル32も、分離筒31と同様に、耐熱性と磁性粒子33の振動に耐え得る強度を有する非磁性材料で形成されたものを用いるのが望ましい。
磁性粒子33は、例えば磁性材料の一種である鉄によって形成された球状の粒子であり、処理液W1が導かれる分離筒31内に充填されて、処理液W1から不溶性のバイオマス成分を分離するために用いられるいわば濾材である。ここで、非磁性材料で形成された粒子ではなく磁性材料で形成された磁性粒子33を用いるのは、磁石34によって形成される磁界による磁性粒子33の振動を可能にするためである。
この磁性粒子33は、処理液W1から分離すべき固体成分である不溶性のバイオマス成分に応じて大きさが設定されている。上述の通り、磁性粒子33は球状の粒子であるため、分離筒31内に充填された状態で磁性粒子33間に生ずる隙間よりも大きさが小さなものは磁性粒子33を通過する一方で、その隙間よりも大きさが大きなものは磁性粒子33を通過することができない。固液分離装置30は、このような性質を利用して処理液W1に対して固液分離を行う。
図3は、本発明の一実施形態による固液分離装置で用いられる磁性粒子の大きさと隙間との関係を説明するための図である。いま、図3に示す通り、半径がrである3つの磁性粒子が互いに接触している状態を考える。かかる状態にある磁性粒子33の間に生ずる隙間Lは、以下の(1)式で示される。
L=(2√3/3−1)r …(1)
このように、磁性粒子33の大きさ(直径2r)は、上記(1)式を用いて除去すべき成分の大きさに応じて設定される。尚、磁性粒子33のおおよその大きさは、直径が数ミリメートル程度である。
磁石34は、分離筒31の周囲に配設され、例えば不図示のモータによって分離筒31の軸方向(図2に示す例では上下方向)に振動可能に構成されている。この磁石34は、分離筒31に充填された磁性粒子33に磁界を作用させて磁性粒子33を振動させることにより、磁性粒子33に付着した不溶性のバイオマス成分(閉塞を生じさせる成分)の破砕・除去をするものである。
上記の磁石34としては、例えば円環形状や円柱形状のものを用いることができる。円環形状の磁石34の場合には、その内部に分離筒31が介挿されて内周面と分離筒31の外周面とが対向するように配設される。円柱形状の磁石34の場合には、その軸が分離筒31の軸に対して交差するように配設される。また、磁石34の数は1つでも複数でも良い。複数の磁石34を設ける場合には、磁石34の全てを同じように振動させても良く、磁石34の各々を他の磁石34とは無関係に別個に振動させても良い。
バルブ35aは、分離筒31の供給口31aに連通して磁性粒子33の供給を行う供給管P1に取り付けられており、制御装置50の制御の下で供給管P1を開状態又は閉状態にする。バルブ35bは、分離筒31の排出口31bに連通して磁性粒子33の排出を行う排出管P2に取り付けられており、制御装置50の制御の下で排出管P2を開状態又は閉状態にする。バルブ35bは、分離筒31に充填されていた磁性粒子33を排出するときに制御装置50によって開状態にされ、バルブ35aは分離筒31に新たな磁性粒子33を充填するときに制御装置50によって開状態にされる。磁性粒子33は、衝突や摩擦により劣化することが考えられるため、分離筒31に充填される磁性粒子33の交換が可能に構成されている。
圧力計36aは、磁性粒子33が充填された分離筒31の上流側(図2に示す例では上方)に設けられ、加圧熱水反応装置20から排出される処理液W1の圧力(水圧)を計測する。これに対し、圧力計36bは、磁性粒子33が充填された分離筒31の下流側(図2に示す例ではパンチングメタル32の下方)に設けられ、磁性粒子33を介した処理液W2の圧力を計測する。これら圧力計36a,36bの計測結果は、制御装置50に出力されて固液分離装置30に閉塞が生じているか否かを判断するために用いられる。尚、圧力計36a,36bに代えて差圧計を設けても良い。
熱水供給バルブ37は、分離筒31の熱水供給口31cに連通して熱水HW(磁性粒子33に付着した不溶性のバイオマス成分を可溶化させ得る温度の熱水:150〜300℃)の供給を行う熱水供給管P3に取り付けられており、制御装置50の制御の下で熱水供給管P3を開状態又は閉状態にする。本実施形態では、分離筒31に充填された磁性粒子33を磁石34によって振動させることにより不溶性のバイオマス成分の破砕・除去を行って固液分離装置30が閉塞するのを防止している。しかしながら、磁性粒子33に不溶性のバイオマス成分が付着した場合には、磁性粒子33を振動させても除去できない場合が生じ、これが原因で閉塞が生じやすくなることが考えられる。このため、本実施形態では、熱水供給バルブ37から熱水HWを供給して可溶化させることにより、磁性粒子33に付着した溶性のバイオマス成分を除去して閉塞の発生を防止している。
図1に戻り、冷却装置40は、固液分離装置30から排出された処理液を、一定の温度(例えば、数十℃程度)まで冷却する装置である。この冷却装置40は、例えば固液分離装置30からの処理液が導かれる直線状の処理液流路と、処理液流路の周囲に巻回されて冷却液が循環される冷却配管とを備える構成であり、処理液流路を流れる処理液と冷却配管を流れる冷却液との間で熱交換が行われることによって処理液が冷却される。
制御装置50は、熱水分解装置1の動作を統括して制御する。具体的には、加圧熱水供給装置10に対して温度制御信号C11及び流量制御信号C12を出力し、加圧熱水反応装置20に供給される加圧熱水の温度及び流量を制御する。また、固液分離装置30に設けられた圧力計36a,36bの計測結果を示す計測信号D1に基づいて、固液分離装置30に閉塞が生じているか否かを判断し、その判断結果に応じて固液分離装置30に対して制御信号C21或いはバルブ制御信号C22を出力する。
ここで、制御信号C21は、固液分離装置30が備える分離筒31の周囲に配設された磁石34を振動させるか否かを制御する信号である。尚、この制御信号C21には、バルブ35a,35bの開閉を制御する信号も含まれる。また、バルブ制御信号C22は、熱水供給管P3に取り付けられた熱水供給バルブ37の開閉を制御する信号である。尚、図1では図示を省略しているが、制御装置50から冷却装置40に対して冷却液の循環量を制御する信号も出力されている。
次に、上記構成における熱水分解装置1を用いたバイオマスの処理方法について説明する。熱水分解装置1の動作が開始されると、制御装置50から加圧熱水供給装置10に対して温度制御信号C11及び流量制御信号C12が出力され、加熱器12による加圧水(ポンプ11からの加圧水)の加熱が行われるとともに、加圧熱水反応装置20に対する加圧熱水の流量制御が行われる。
加圧熱水供給装置10からの加圧熱水が加圧熱水反応装置20に供給されると、加圧熱水反応装置20に収容された原料としてのバイオマスに加圧熱水が作用し、バイオマスの主成分であるセルロース、ヘミセルロース、及びリグニンがセロオリゴ糖やキシロオリゴ糖に分解される。これらキシロオリゴ糖やセロオリゴ糖は可溶化成分であるため処理液に溶けた状態にある。他方、バイオマスに加圧熱水が作用することによって、上記の可溶化成分以外にも低分子化又は分解の過程で重合・炭化した不溶性のバイオマス成分が生ずる。
これら可溶化成分及び不溶性のバイオマス成分を含む処理液は、加圧熱水反応装置20の他端(図1に示す例では右端)から処理液が固液分離装置30に向けて排出される。尚、加圧熱水反応装置20の一端(図1に示す例では左端)からは加圧熱水が順次供給されるため、加圧熱水反応装置20内においてバイオマスに含まれるヘミセルロースやセルロースが順次分解され、上述した可溶化成分及び不溶性のバイオマス成分を含む処理液が順次排出されることになる。
加圧熱水反応装置20から排出された処理液は、固液分離装置30に導かれて分離筒31内に充填された磁性粒子33を介することにより、不溶性のバイオマス成分が分離される。尚、処理液に含まれる不溶性のバイオマス成分の全てが固液分離装置30で分離される訳ではなく、分離筒31内に充填された磁性粒子33の隙間よりも小さなものは、上述した可溶化成分とともに磁性粒子33を通過して分離されない。固液分離装置30から排出された処理液は、冷却装置40に導かれて冷却される。
以上の処理が行われている間、制御装置50は、固液分離装置40に設けられた圧力計36a,36bから出力される計測信号D1に基づいて、固液分離装置30に閉塞が生じているか否かを判断する。ここで、固液分離装置30に閉塞が生じていると判断した場合には、制御装置50は、固液分離装置30に対して制御信号C21を出力し、分離筒31の周囲に配設された磁石34を振動させる。
磁石34が振動すると、磁石34によって形成される磁界も磁石34の振動に合わせて振動する。これにより、分離筒31内に充填された磁性粒子33が振動して、閉塞している不溶性のバイオマス成分が破砕されて除去される。ここで、制御信号C21を出力しても閉塞状態が解消されない場合には、制御装置50は再び制御信号C21を出力して磁石34を振動させる。
また、制御装置50は、固液分離装置30に対し、制御信号C21に代えて或いは制御信号C21とともにバルブ制御信号C22を出力する。バルブ制御装置C22が出力されると熱水供給バルブ37が開状態になり、これにより分離筒31内に熱水HWが供給される。分離筒31に供給された熱水HWにより磁性粒子33に付着しているバイオマス成分が可溶化されるため、閉塞状態が解消されやすくなる。尚、熱水HWの供給とともに磁性粒子33を振動させれば、更に閉塞状態が解消されやすくなる。
ここで、衝突や摩擦により磁性粒子33の劣化が生じた場合に、例えば作業者によって磁性粒子33の交換指示がなされると、制御装置50は固液分離装置30に対してバルブ35a,35bを開状態にさせる制御信号C21を出力する。この制御信号C21が出力されるとバルブ35a,35bが開状態になり、分離筒31に収容されていた磁性粒子33が排出管P2に排出されるとともに、供給管P1から供給される新たな磁性粒子33が分離筒31に充填される。このようにして、分離管31に充填されていた磁性粒子33の交換が行われる。尚、磁性粒子33の交換が終了した後は、制御装置50の制御によってバルブ35a,35bが共に閉状態にされる。
以上の通り、本実施形態では、分離すべき不溶性のバイオマス成分に応じて大きさが設定された磁性粒子33を処理液W1が導かれる分離筒31に充填し、分離筒31に充填された磁性粒子33を振動させるようにしているため、バイオマスの加水分解中であっても閉塞状態を解消することが可能である。また、不溶性のバイオマス成分を可溶化させる熱水HWを分離筒31内に供給することで、より効果的に閉塞状態を解消することができる。
以上、本発明の一実施形態による固液分離装置及び熱水分解装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、磁性材料で形成された磁性粒子33を分離筒31に充填し、分離筒31の外部に配設された磁石34の磁界を作用されることにより磁性粒子33を振動させる例について説明した。しかしながら、磁性粒子33に代えて非磁性体で形成された粒子(例えば、ガラスによって形成された粒子)を用いることも可能である。このような粒子を用いる場合には、例えばパンチングメタル32を分離筒31の軸方向に振動可能に構成して粒子を振動させても良く、或いは分離筒31全体を軸方向に振動可能に構成して粒子を振動させても良い。
また、上記実施形態では、分離筒31内に熱水HWを供給することで磁性粒子33に付着した不溶性のバイオマス成分を可溶化する例について説明した。しかしながら、熱水HWに代えて燃焼ガス及び酸素を分離筒31内に供給して燃焼させることによって不溶性のバイオマス成分を除去するようにしても良い。但し、この方法は、燃焼ガス等の供給中は加圧熱水反応装置20からの処理液W1の排出を一時的に停止する必要がある。
また、分離筒31に対する熱水HWや燃焼ガス等の供給に代えて、分離筒31を加熱する加熱器38(除去装置)を設け、加熱を行って不溶性のバイオマス成分を除去するようにしても良い。図4は、本発明の一実施形態による固液分離装置の変形例を示す平面図である。図4に示す例では、分離筒31を左右方向に挟む状態で磁石34が配設されており、この左右方向に公差する方向に挟む状態で加熱器38が配設されている。磁石34及び加熱器38を図4に示す配置とすることで、加熱器38により加熱を行いながら磁石34により磁性粒子33を振動させることが可能である。
また、上記実施形態では、径が同じ磁性粒子33が分離筒31に充填される例について説明したが、異なる径の磁性粒子33を分離筒31に充填しても良い。例えば、処理液W1が供給される上流側に径が大きな磁性粒子を配置し、下流側には上流側に配置される磁性粒子よりも径が小さな磁性粒子を配置するといった具合である。このような配置を行うことにより、閉塞の発生を防止しつつ不溶性のバイオマス成分を精度良く分離することができる。
20 加圧熱水反応装置
30 固液分離装置
31 分離筒
31a 供給口
31b 排出口
33 磁性粒子
34 磁石
37 熱水供給バルブ
38 加熱器
40 冷却装置
HW 熱水
W1 処理液

Claims (8)

  1. 加圧熱水反応装置で処理された処理液に含まれる固体成分を分離する固液分離装置であって、
    粒子が充填されており、前記処理液が導かれる分離筒と、
    前記分離筒に充填された前記粒子に対して振動を加える振動装置と
    を備えることを特徴とする固液分離装置。
  2. 前記粒子に付着した前記固体成分を加熱して除去する除去装置を備えることを特徴とする請求項1記載の固液分離装置。
  3. 前記除去装置は、前記粒子に付着した前記固体成分を可溶化させ得る温度の熱水を前記分離筒に供給して前記固体成分を除去することを特徴とする請求項2記載の固液分離装置。
  4. 前記除去装置は、前記分離筒内に燃焼ガスを供給して燃焼させることにより前記固体成分を除去することを特徴とする請求項2記載の固液分離装置。
  5. 前記粒子は、磁性粒子であり、
    前記振動装置は、前記磁性粒子に磁界を作用させることにより前記磁性に対して振動を加える
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の固液分離装置。
  6. 前記分離筒に充填される前記粒子は、前記処理液が導かれる上流側と前記固体成分が分離された処理液が排出される下流側とで大きさが異なることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の固液分離装置。
  7. 前記分離筒は、充填されるべき粒子が供給される供給口と、
    前記分離筒に充填されていた粒子が排出される排出口と
    を備えることを特徴とする固液分離装置。
  8. 加圧熱水を用いてバイオマスを加水分解する加圧熱水反応装置と、
    前記加圧熱水反応装置で処理された処理液に含まれる固体成分を分離する請求項1から請求項7の何れか一項に記載の固液分離装置と、
    前記固液分離装置を介した前記処理液を冷却する冷却装置と
    を備えることを特徴とする熱水分解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5838276B1 (ja) * 2015-04-17 2016-01-06 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 リグノセルロース系バイオマスの糖化監視制御装置及び糖化監視制御方法
KR102114227B1 (ko) * 2018-11-23 2020-05-22 (주) 시온텍 필터

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