以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<携帯電話機の構成>
図1は、携帯電話機1の外観構成を示す図である。図1(a)、(b)は、それぞれ、正面図および携帯電話機1の右側から見た側面図である。
携帯電話機1は、正面および背面を含むキャビネット10を有する。キャビネット10の正面には、タッチパネルが配されている。タッチパネルは、表示面11cに画面を表示するディスプレイ11と、ディスプレイ11に重ねられるタッチセンサ12とを備える。
ディスプレイ11は、液晶パネル11aと、液晶パネル11aを照明するパネルバックライト11bにより構成されている(図2参照)。液晶パネル11aは、画像を表示するための表示面11cを有し、表示面11cが外部に現れる。なお、ディスプレイ11に代えて有機ELディスプレイ、LEDディスプレイなど他の表示装置が用いられてもよい。
タッチセンサ12は表示面11cの上に重ねて配される。タッチセンサ12は透明なシ
ート状に形成され、表示面11cはタッチセンサ12を透して外部を臨む。タッチセンサ12は、マトリクス状に配された第1透明電極、第2透明電極およびカバーを備えている。タッチセンサ12は、第1および第2透明電極間の静電容量の変化を検出することによって、ユーザが触れた表示面11c上の位置(以下、「入力位置」と言う。)を検出し、その入力位置に応じた位置信号を後述のCPU100へ出力する。なお、タッチセンサ12は、静電容量式のタッチセンサ12に限られず、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等、各種の方式によるものであってもよい。
なお、ユーザが表示面11cに触れるとは、たとえば、ユーザが指、ペンなどの接触部材(簡単のため、以下、単に「指」と言う。)によって表示面11cをタッチ、スライド、タップ、フリック等の操作をすることである。また、表示面11cに触れるとは、実際には、タッチセンサ12を覆うカバーの表面における表示面11cの画像が映る領域を触れることである。「スライド」とは、ユーザが表示面11cに指を接触したまま動かす動作を言う。「タップ」とは、ユーザが指で表示面11cを軽く叩くように、表示面11c上のある箇所に指をタッチさせ、そして短時間のうちにリリースする動作である。「フリック」とは、ユーザが指により表示面11cを素早く弾くような動作であり、表示面11cに指を接触して、所定時間内に所定距離以上指を動かし、リリースする動作を言う。
キャビネット10の正面には、マイクロホン(以下、「マイク」と言う。)13およびスピーカ14が配されている。ユーザは、スピーカ14からの音声を耳で捉え、マイク13に対して音声を発することにより通話を行うことができる。
キャビネット10の側面には、複数のキー15が配される。キー15は、音量調節のためのキー、カメラ機能を利用するためのキー、電源キーなどを含む。キャビネット10に内蔵されるキー入力回路(図2参照)が各キー15の押下を検出し、押下されたキーに応じた信号を出力する。
キャビネット10の背面には、カメラモジュール16のレンズ窓16aが配されている。レンズ窓16aを通して、被写体の画像がカメラモジュール16に取り込まれる。
キャビネット10の背面の右側、左側、上側および下側には、4つの圧力センサ17R、17L、17U、17Dが、それぞれ配されている。圧力センサ17R、17L、17Uおよび17Dは、携帯電話機1を握る強さを圧力として検出する。圧力センサ17R、17L、17Uおよび17Dのそれぞれは、検出した圧力に応じた信号を、携帯電話機1が内蔵する圧力センサモジュール(後述)へ出力する。
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、通信モジュール303、バックライト駆動回路304、映像デコーダ305、音声デコーダ306、タイマ307、キー入力回路308、圧力センサモジュール309および加速度センサ310を備えている。
カメラモジュール16は、CCD等の撮像素子を有し、動画および静止画を、レンズ窓16aを通して撮像する撮像部を含む。カメラモジュール16は、撮像素子から出力された撮像信号をデジタル化し、その撮像信号にガンマ補正等の各種補正を施して映像エンコーダ301へ出力する。映像エンコーダ301は、カメラモジュール16からの撮像信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
マイク13は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ302へ出力する。
音声エンコーダ302は、マイク13からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
通信モジュール303は、通話や通信のための電波を送受信するアンテナ(図示せず)を備える。通信モジュール303は、CPU100から入力される信号を無線信号に変換し、変換された無線信号を、アンテナを介して基地局や他の通信装置等の通信先へ送信する。また、通信モジュール303は、アンテナを介して受信した無線信号をCPU100が利用できる形式の信号へ変換し、変換された信号をCPU100へ出力する。
バックライト駆動回路304は、CPU100からの制御信号に応じた駆動信号をパネルバックライト11bに供給する。パネルバックライト11bは、バックライト駆動回路304からの駆動信号により点灯し、液晶パネル11aを照明する。
映像デコーダ305は、CPU100からの映像信号を液晶パネル11aで表示できるアナログ若しくはデジタルの映像信号に変換し、液晶パネル11aに出力する。液晶パネル11aは、映像信号に応じた画像を表示面11c上に表示する。CPU100がディスプレイ11を駆動することにより、すなわちパネルバックライト11bを点灯させ、且つ液晶パネル11aを駆動して表示面11cに画面を表示させることにより、ユーザが表示面11cに表示された画面を視認できる。
音声デコーダ306は、CPU100からの音声、着信音、アラーム音等の音信号にデコード処理およびD/A変換を施し、スピーカ14へ出力する。スピーカ14は、音声デコーダ306からの音信号に基づいて音を出力する。
タイマ307は、CPU100からの制御信号に基づき、時間の経過を計るとともに、時間の経過に応じた信号をCPU100へ出力する。
キー入力回路308は、各キー15の押下に応じた信号をCPU100出力する。
圧力センサモジュール309は、圧力センサ17R、17L、17Uおよび17Dから、圧力に応じた信号をデジタルの圧力信号へ変換し、CPU100へ出力する。
加速度センサ310は、3軸加速度センサであり、図1のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の3方向に生じる加速度を検出する。加速度センサ310は、検出した加速度に応じた加速度信号をCPU100へ出力する。CPU100は、加速度センサ310からの加速度信号に基づき、携帯電話機1が、縦向き(図3参照)および横向き(図20参照)の何れの方向を向いているかを検出する。CPU100は、検出される加速度(重力加速度)の向きがY軸方向に近い方向を向く場合に、携帯電話機1が縦向きであると判定し、検出される加速度(重力加速度)がX軸方向に近い方向を向く場合に横向きであると判定する。
メモリ200は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ200には、電子文書(Electronic Document)のデータおよび電子文書を閲覧するためのア
プリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」と言う。)が記憶される。電子文書を閲覧するためのアプリケーションは、後述の速読用画面生成処理およびページ送り表示処理を実行するためのプログラムを含む。本発明において、「電子文書」は、閲覧できる任意の電子媒体のコンテンツを言う。電子文書は、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示させて閲覧することができる。電子文書は、電子書籍を含む。
また、メモリ200は、各種のアプリケーションが実行される際に、CPU100のワーキングメモリとしても利用される。たとえば、メモリ200は、電子文書を閲覧するためのアプリケーションが実行される際、このアプリケーションの操作入力に関する情報、表示面11cに表示させる電子文書のページのページ番号、各ページの画面(以下、「ページ画面」と言う。)の画像データ、ページ画面を生成するためのデータ(以下、「ページ画面データ」と言う。)、各ページの速読用画面の画面データ等を記憶する。
CPU100は、タッチセンサ12、映像エンコーダ301、音声エンコーダ302、通信モジュール303、タイマ307などからの入力信号に従って、制御プログラムに基づいて、マイク13、通信モジュール303、パネルバックライト11b、液晶パネル11a、スピーカ14等を動作させる。これにより、各種のアプリケーションが実行される。
<電子文書の閲覧>
さて、図3(a)は、電子文書を閲覧するためのアプリケーションが実行されているときの、表示画面を説明するための図である。図3(a)では、たとえば、表示面11cに、電子文書の45ページのページ画面P45が表示されている。表示面11cの右上隅には、「45」なるページ番号401が表示されている。この他、ページ画面P45は、写真画像402や、その他各種の文字列403〜409を含む。
なお、「nページが表示される」とは、正確には、現在表示対象となっているページのページ番号(以下、「現在のページ番号」と言う。)がnであるページのページ画面が表示面11cに表示されることを意味する。
図3(b)は、電子文書を閲覧するためのアプリケーションの実行時において、携帯電話機1が縦向きに手に持たれ、表示させるページを前または後ろへ移動させるためのページ送り操作がなされているときの、携帯電話機1の様子を説明するための図である。「ページ送り操作」とは、紙媒体の書籍を手で持ったまま連続的に素早くめくるように、表示面11cに表示された電子文書のページを、所定の速さで連続的に送るための操作である。本実施の形態では、このように所定の速さで電子文書のページを所定の速さで連続的に更新させるための手段として、圧力センサ17R、17L、17U、17Dが利用される。
CPU100は、電子文書閲覧の際、メモリ200に保持される電子文書のデータに基づいて、表示対象となっているページのページ画面を表示面11cに表示させる。CPU100は、さらに、ページ送り操作に基づき、ページを前または後ろへ連続的に更新するとともに、ページの更新中に、速読(斜め読み)に適した「速読用画面」を表示するページ送り表示処理を実行する。
圧力センサ17Rまたは17Lが押下されることにより、上記ページ送り表示処理において、ページが前または後ろへ更新されることとなる。具体的には、右側の圧力センサ17Rが所定閾値以上の圧力を検出している間、CPU100は、所定速度で、表示面11cに表示させるページのページ番号を増加させる。また、左側の圧力センサ17Lが所定閾値以上の圧力を検出している間、CPU100は、所定速度で、表示面11cに表示させるページのページ番号を減少させる。
なお、上下の圧力センサ17U、17Dは、携帯電話機1が横向き(図20参照)に手に持たれた場合において実行されるページ送り表示処理において、ページを前または後ろへ進めるための操作の手段として用いられる。
電子文書は、たとえば、構造化電子文書である。構造化電子文書のデータは、たとえばHTML形式、XHTML形式、XML形式等のマークアップ言語により記述されたファイル、ページ画面に含めて表示されるための画像データを含む。当該ファイルでは、上記マークアップ言語に基づくタグにより、ページ画面に含まれて表示される文字列や画像に、各種の構造が付加される。付加される構造は、たとえば、電子文書における章節等の全体的な構造を定義する階層構造、ページ画面に表示される文字のフォントサイズ、フォントの色、フォントの書体(ボールド体、イタリック体等)、下線、などの各種の装飾の情報、画像データの位置情報等である。
電子文書閲覧の際、CPU100は、対象ページのページ画面データ(必要な文書ファイルや画像データを含む)に基づき、ページ画面を生成して表示面11cに表示する。
<実施例1>
本実施の形態に係る携帯電話機1は、上述の通り、ページ送り表示処理の際、速読用画面を表示面11cに表示する機能を備える。本実施例において、構造化電子文書の閲覧の際、連続送り操作に基づいてページが更新されている間、ページ画面データから画像のみが抽出され、さらに抽出された画像が拡大されて含まれる速読用画面が表示面11cに表示される。以下に、詳細を説明する。
図3(a)を参照して、45ページのページ画面P45は写真画像402を含む。画面P45は、写真画像402の他に文字列を含む。文字列は、章タイトル403、青色文字列404、節タイトル405、小節タイトル406、赤色文字列407、青色文字列408、フォントサイズが大きい文字列409等を含む。
図4(a)は、対象とされるページに対応する速読用画面を生成するための、速読用画面生成処理を説明するフローチャートである。図4(b)は、図4(a)の速読用画面生成処理の結果として生成された45ページの速読用画面Q45の表示例である。図4(a)の速読用画面生成処理は、ページ送り操作に基づいて後述のページ送り表示処理(図6参照)が実行されているときに、速読用画面を表示面11cに表示させるために実行される。ページ送り表示処理の際、ページが更新されているときに、そのページに対応する速読用画面が、表示面11cに表示される。
図4(a)のフローチャートにおいて、CPU100は、対象ページのページ画面データをメモリ200から読み込み(S101)、ページ画面データから画像データを抽出する(S102)。CPU100は、文書ファイルのタグ情報を検索することにより、対象ページのページ画面に含めるための画像データを特定する。たとえば、図3(a)の45ページのページ画面P45は、写真画像402を含む。CPU100は、45ページのページ画面データからこの写真画像402の画像データを特定する。
そして、CPU100は、特定した画像データが表す画像を拡大して速読用画面を生成し(S103)、メモリ200に記憶させる(S104)。図3(a)のページ画面P45の例の場合、図4(b)に示すような、画面に表示できる最大の大きさまで拡大された写真画像402を含む、速読用画面Q45が生成される。
図5は、別のページ画面を例にした、速読用画面生成処理の説明のための図である。図5(a)、(b)は、それぞれ、68ページのページ画面P68と速読用画面Q68を模式的に表す図である。図5(a)のページ画面P68は、「68」なるページ番号410、3つの画像411、412、413そして文字列414を含む。
図5(a)のページ画面P68のように、ページ画面は、複数の画像を含み得る。この場合、CPU100は、図4(a)のステップ102において抽出した複数の画像データの画像を、画面に表示できる最大の大きさまで拡大して縦に配列し、これら複数の画像を含む速読用画面Q68を生成する(S103)。図5(a)の例の場合、CPU100は、画像411、412、413を、縦に配列して拡大し、図5(b)に示される速読用画面Q68を生成する。速読用画面Q68は、拡大された画像411、412、413を含む。
図6は、ページ送り表示処理を説明するフローチャートである。ページ送り表示処理は、表示面11cに表示させるページを連続的に前または後ろへ移動するために、電子文書閲覧の際に実行される。
CPU100は、ページ送り操作を検出すると(S111:YES)、ステップS112以降の処理を実行する。検出されるページ送り操作は、上述の通り、右の圧力センサ17Rの押下によるページを前へ進めるための操作と、左の圧力センサ17Lの押下によるページを戻すための操作である(図3(b)参照)。このようなページ送り操作が検出されると(S111:YES)、CPU100は、初期処理として、変数p(ページ番号p)に、現在表示面11cに表示されているページ画面のページ番号である「現在のページ番号」p0を代入する(S112)。
なお、CPU100は、圧力センサ17R、17Lが所定閾値以上の圧力を検出した場合に、ページ送り操作が検出されたと判定する(S111:YES)。
ステップS113において、CPU100は、ページ送り操作(ページを前へ進めるための操作、ページを後ろへ戻すための操作)の向きに応じて、p0+1ページ以降またはp0−1ページ以前の複数の速読用画面を順次生成するため、上述した速読用画面生成処理を開始する。この速読用画面生成処理は、これ以降のステップの処理に並行して繰り返し実行される。後述されるループ処理S114〜S119が繰り返されると、複数のページの速読用画面が表示面11cに表示されることとなる。すなわち、ページを進めるための操作がなされた場合、p0+1ページ以降の複数ページの速読用画面が表示面11cに表示されることとなる。また、ページを後ろに戻すための操作がなされた場合、p0−1ページ以前の複数ページの速読用画面が表示面11cに表示されることとなる。ステップS103では、メモリ200からの速読用画面の上記読み込みを可能とするために、速読用画面の生成処理が開始される。なお、図6のページ送り表示処理が終了される際には、ステップS113にて開始された速読用画面生成処理は終了(S121参照)されることとなる。
ステップS113の処理の後、ページの更新のためのページ送り操作が検出されなくなるまで、ループ処理S114〜S119が実行される。
CPU100は、連続的にページ番号を更新するための更新周期T0を所定値(たとえば、数100ミリ秒〜数秒)に設定するとともに、タイマをスタートさせ経過時間Tを計時する(S114)。そして、CPU100は、ページ送り操作の方向に基づいて、ページ番号pを1変化させる(S115)。具体的には、ステップS111においてページを進めるための操作が検出された場合には、ページ番号pを1増加させる。ステップS111においてページを戻すための操作が検出された場合には、ページ番号pを1減少させる。
そして、CPU100は、メモリ200に保持されているpページの速読用画面Qpを読み込み(S116)、表示面11cに表示させる(S117)。速読用画面Qpは、ス
テップS113に基づき生成されたものである。
図7(a)〜(d)は、図6のページ送り表示処理が実行される際の表示面11cに表示される画面の遷移例を示す図である。図7(a)〜(d)は、それぞれ、44ページのページ画面P44、45ページの速読用画面Q45、68ページの速読用画面Q68そして68ページのページ画面P68を示す図である。
図7(a)の「44」なるページ番号415に示されるように現在のページ番号p0が44ページ(p0=44)であるときに、ページを進めるための操作が検出された場合(S111:YES)、ステップS113の処理にもとづき、45ページ以降のページの複数の速読用画面Q45、Q46、Q47、・・・が順次生成され、メモリ200に記憶される。そして、CPU100は、45ページの速読用画面Q45を読み込み(S116)、これを表示面11cに表示させる(S117)。
図6に戻り、ステップS117の処理の後、CPU100は、タイマがスタートされてから時間T0が経過するまでの間、すなわちT<T0である間(S119:NO)、ステップS111において検出されたページ送り操作をまだ検出しているか否かを繰り返し判定する(S118)。ページ送り操作が検出されなくなった場合(S118:NO)、ステップS120以降の処理が実行されることとなる。ページ送り操作が検出されたまま所定時間T0が経過(T≧T0)した場合(S119:YES)、ステップS114の処理へ戻る。ステップS114において、再び所定時間T0の計時のために、タイマをリセット(T=0)させ経過時間Tの計時をリスタートする。
このようにして、ページ送り操作がまだ検出されている間(S118:YES)、ループ処理S114〜S119が繰り返し実行され、時間周期T0で、ページ番号pが、順次1増やすまたは1減らすように更新される(S115)。ページ番号pの更新に応じて、表示対象のpページの速読用画面Qpが表示面11cに表示される(S117)。
図7(b)のように速読用画面Q45が表示面11cに表示された後、ループ処理S114〜S119が繰り返されることにより、速読用画面Q46、Q47、・・・が順番に表示面11cに表示される。この結果、たとえば、図7(c)のように68ページの速読用画面Q68が表示面に表示される。このとき、ページ送り操作が検出されなくなると(S118:NO)、ステップS120以降の処理が実行される。
ステップS120において、CPU100は、現在のページ番号p0に変数pの値を設定し(S120)、ステップS113で開始された速読用画面生成のための処理を終了する(S121)。そして、CPU100は、p0ページのページ画面データをメモリ200から読み込み、p0ページのページ画面を生成する(S122)。最後に、CPU100が表示面11cに表示し(S123)、図6のページ送り表示処理が終了する。
上記例の場合、68ページの速読用画面Q68(図7(c))が表示面に表示されているときに、ページ送り操作が検出されなくなると(S118:NO)、68ページのページ画面P68(図7(d))が表示面11cに表示される(S123)。
なお、図7(a)〜(d)では、ページを進めるための操作(圧力センサ17Rに対する操作)がなされた場合の画面の遷移例が説明された。ユーザが、ページを戻すためのページ送り操作(左の圧力センサ17Lに対する操作)がなされた場合には、ステップS115において表示される速読用画面のページ番号pが1ずつ減らされるよう、処理が実行される。したがって、図7(a)のように44ページのページ画面P44がページ画面に表示された状態で、ページを戻すためのページ送り操作がされたときには、図6の処理に
基づき、表示面11cに、速読用画面Q43、Q42、Q41、・・・が、順次表示される。
なお、各ページ画面に含まれる画像の数が多いなどの理由により、ステップS113の処理に基づく速読用画面のペースが、更新周期T0で繰り返されるステップS116の速読用画面の読み込みの処理のペースに、追いつかない場合が起こり得る。この場合には、CPU100は、対象のページ(pページとする)の速読用画面Qpが生成されてメモリ200に書き込まれるまで、すなわち、速読用画面Qpの読み込みが可能となるまで、ステップS116の処理を一時停止して待機する。
また、対象ページ(pページとする)の速読用画面Qpがメモリ200に既に保持されている場合があり得る。たとえば、以前実行されたページ送り表示処理が実行された場合などである。このような場合、CPU100は、速読用画面Qpの生成処理をスキップし、次のページ(p±1ページ)に対応する速読用画面の生成処理へ進む。
以上、本実施の形態によれば、電子文書のページを送る操作がなされると、CPU100は、速読用画面を表示面11cに表示する。所定ページの構成要素の中から所定の対象要素の画像が拡大されて、速読用画面が生成される。ページ送り表示処理において、連続的に増加または減少されるページ番号に応じて、ページ番号に対応する速読用画面が順次表示面11cに表示される。
ユーザは、ページが送られている間、すなわちページ送り表示処理において順次速読用画面が更新されて表示されている間、拡大により強調された画像を視認することができる。ページが送られている間、ユーザは、拡大された画像を視認することにより、対応するページの内容の概要を容易に認識できる。
<実施例2>
上記実施例1では、図6のページ送り表示処理では、一定の速さでページが更新された。すなわち、ループ処理S114〜S119の更新周期T0は一定であった。実施例2に係るページ送り表示処理では、更新の速さが、圧力センサ17R、17Lが検出する圧力に応じて変更される。すなわち、ユーザは、圧力センサ17Rまたは17Lを押す力を増減させながら携帯電話機1を持つことにより、更新速度を調節可能に、ページを送らせることができる。
さらに、本実施例では、ページ送り表示処理の際、更新の速さに基づいて、表示状態が切り替えられる。「表示状態」は、ページの更新中に速読用画面を表示する「速読モード」と、ページの更新中に、速読用画面ではなく、ページ画面を表示する「通常モード」とからなる。
図8は、本実施例にかかるページ送り表示処理を説明するフローチャートである。図8のフローチャートは、図6のフローチャートに対し、ステップS114の処理がステップS131の処理に置き換えられ、ステップS115とS116の間にステップS132の判定処理が追加され、さらにステップS133の処理が追加されている。
ステップS131は、ステップS114の処理と略同様に、タイマを(リ)スタートする。ただし、ステップS131において、CPU100は、更新の速さを、ページ送り操作のために押下されている圧力センサ(17Rまたは17L)が検出する圧力に応じて設定する。具体的には、CPU100は、圧力の強さに応じて、更新周期T0を小さく設定する。たとえば、更新周期T0は、検出される圧力に反比例するよう設定される。これによって、ステップS115〜S119、S131〜S133からなるループ処理が、圧力
に応じて設定された周期T0で繰り返し実行される。更新周期T0の設定の範囲は、たとえば、数10ミリ秒〜数秒である。更新周期T0が短いほど、すなわち検出される圧力が大きいほど、ページ番号pが速く増加または減少される。
ステップS132において、CPU100は、更新の速さが所定の速さを超えるか否かを判定する。具体的には、ステップS131において圧力に応じて設定された更新周期T0が、所定閾値T1(たとえば、数100ミリ秒)を超えるか否かを判定する。所定閾値T1は、たとえば、ユーザが表示面11cに表示されるページ画面の内容をおおまかに認識できる程度の長さに、設定される。
更新周期T0が所定閾値T1を超えない(T0<T1)場合(S132:YES)、ステップS116の処理へ進む。すなわち、速読モードでの画面表示のための処理(S116、S117)が実行される。更新周期T0が所定閾値T1以上(T0≧T1)である場合(S132:NO)、CPU100は、通常モードで、ページの更新をするよう処理を進める(S133、S117)。すなわち、CPU100は、pページのページ画面データをメモリ200から読み込み、pページのページ画面を生成し(S133)、表示面11cに表示する(S117)。このように、ステップS132の処理により、表示状態が切り替えられる。
ユーザは、通常モードで、ゆっくりページを送らせたいときには、弱く圧力センサ17Rまたは17Lを押すように、携帯電話機1を持てばよい。また、ユーザは、速読モードで、すばやくページを送らせたいときには、強く圧力センサ17Rまたは17Lを押すように、携帯電話機1を持てばよい。
図9は、通常モードおよび流し読みモードにおける、ページ送り表示処理の際の、表示面11cに表示される画面の遷移過程の例を模式的に示すタイミングチャートである。図9の横軸は時間tの経過を表す。時間軸線の上側には、通常モードでのページ遷移の状態が、模式的に示されている。時間軸線の下側には、速読モードでのページ画面の遷移の状態が、模式的に示されている。
図9に示されるように、通常モードでは、閲覧用の、いわゆる通常のページ画面P45、P46、P47、P48、・・・が順次表示面11cに表示される。表示が更新される周期は、T1より長い。速読モードでは、速読用画面Q45、Q46、Q47、Q48、・・・が順次表示面11cに表示される。表示が更新される周期は、T1より短い。図9の例では、流し読みモードでのページ(ページ番号)の更新の速さは、通常モードでのページの更新の速さの約2倍である。
ユーザは、ページ送り操作を継続しつつ、圧力を調節することによって、更新の速さを調節できる。ユーザは、圧力を大きして、ページの更新の速さを速くできるとともに、比較的速く更新されている速読用画面を見ることができる。また、ユーザは、圧力を小さくして、ページの更新の速さを遅くできるとともに、比較的遅く更新されているページ画面を見ることができる。ページが更新されている間、図8のページ送り表示処理に基づき、表示状態は複数回切り替えられることが可能である。
以上、本実施例によれば、ユーザは、ページ送り操作に加え、ページの送りの速さを調節するための操作(更新速度操作)をすることができる。CPU100は、圧力センサ(17R、17L)が検出する圧力に応じて、ページの更新の速さを変化させる。すなわち、検出する圧力が大きいほど、ページの更新周期T0を小さな値に設定する。これによって、ユーザは、圧力センサ17Rまたは17Lを押す力を調節することにより、直感的に、ページ更新の速さを調節できる。
さらに、CPU100は、ページの更新の速さに基づいて、ページの更新中の表示状態を、通常モードと速読モードとの間で切り替える(表示状態選択処理)。CPU100は、ページの更新周期T0が所定閾値を超える場合に、すなわちページの送りの速さが所定の閾値速度よりも速い場合に、表示状態を速読モードに設定する。そして、CPU100は、ページの更新周期T0が所定閾値を超えない場合に、すなわちページの送りの速さが所定の閾値速度よりも遅い場合に、表示状態を通常モードに設定する。ページの更新周期T0は、検出される圧力に応じて設定されるため、表示状態が、操作される圧力センサ(17Rまたは17L)が検出する圧力に基づいて切り替えられる。
よって、ユーザは、ページの更新の速さが速い時に、速読用画面を見ることができる。これによって、ページを速く更新するよう操作しつつも、更新されているページの内容の概要を、ページ画面に含まれていた画像を視認することによって知ることができる。これに対し、ページの更新の速さが遅い時に、閲覧時と同様のページ画面を見ることができる。よって、各ページ画面を比較的ゆっくり見ることができるときには、ページ画面を視認することによって、直接的にその内容の概要を知ることができる。
<実施例3>
上記実施例2では、ページ送り表示処理の実行の際、通常モードと速読モードとからなる表示状態は、ページの更新の速さまたは圧力に基づいて変更された。実施例3では、ページ送り操作とは別の操作に基づき、表示状態が切り替えられる。具体的には、以下に説明されるように、ページ送り表示処理の実行の際、キャビネット10の側面部に配されるキー15が押下されているか否かに基づき(S141参照)、表示状態が切り替えられる。
なお、本実施例において、ページの更新周期T0は、実施例1と同様に、一定である。
図10は、本実施例にかかるページ送り表示処理を説明するフローチャートである。図10のフローチャートは、実施例2に係る図8のフローチャートに対し、ステップS131の処理が、ステップS114(図6)に置き換えられ、ステップS132の処理がステップS141の処理に置き換えられている。
ステップS132において、CPU100は、キー15が押下されているか否かを判定する。キー15が押下されている場合(S141:YES)、ステップS116〜S119の処理へ進む。この場合、速読モードが選択される。すなわち、pページの速読用画面Qpが読み込まれ(S116)、表示面11cに表示される(S117)。キー15が押下されていない場合(S141:NO)、通常モードで、ページの更新をするよう処理を進める。すなわち、pページのページ画面Ppが生成され(S133)、表示面11cに表示される(S117)。
すなわち、ユーザは、通常のページ画面を表示させながらページを送らせたい場合は、ページ送り操作を継続するだけでよい。また、ユーザは、速読モードでページを送らせたい、つまり速読用画面を表示させながらページを送らせたい場合は、ページ送り操作を継続しつつ、キー15を押下すればよい。ページが更新されている間、図10のページ送り表示処理に基づき、表示状態は複数回切り替えられることが可能である。
以上、本実施例によれば、ユーザは、ページの更新速度に関係なく、所望のタイミングで、表示状態を切り替えさせることができ、便利である。
<実施例4>
実施例2および3の構成は互いに組み合わせ可能である。実施例4では、圧力センサ17R、17Lが検出する圧力に応じて、実施例2と同様に更新の速さが変化されるとともに、表示状態切り替えのための操作に基づき、実施例3と同様に表示状態が切り替えられる。
図11は、本実施例にかかるページ送り表示処理を説明するフローチャートである。図11のフローチャートは、実施例2に係る図8のフローチャートに対し、ステップS132の処理が、ステップS141(図10参照)の処理に置き換えられている。
図11のフローチャートによれば、実施例2のように、ステップS131の処理に基づき、更新の速さが設定される。すなわち、圧力センサ17R、17Lが検出する圧力に応じて、更新の周期T0が、実施例2と同様にして設定される(S131)。また、速読モードおよび通常モードのうち何れの表示状態での画面表示処理を行うかは、実施例3のように、キー15が押下されているか否かに基づいて決定される(S141)。
本実施例の構成によれば、ユーザは、ページ送り操作を継続させつつ、圧力センサ(17R、17L)に対する押下の圧力を調節することによって、更新の速さを調節できる。また、キー15を押下するまたは押下しないことにより、適時表示状態を、通常モードまたは速読モードに、適時切り替えることができる。
以上、本実施例によれば、圧力センサ(17R、17L)の押下によるページ更新の速さの調節のための操作と、キー15の押下による表示状態(通常モード、速読モード)の切替のための操作とが、それぞれ独立に受け付けられる。ユーザは、ゆっくりページを更新しているときであっても概要を知りたい場合には、キー15を押下しながらページ送り操作をすることによって、ゆっくりページを更新させながら速読用画面を表示させることができる。これによって、ユーザは、各ページの概要をより確実に知ることができる。
また、ユーザは、たとえば電子文書の内容の概要を知る必要がない場合に、通常のページ画面を表示面11cに表示させながら、速くページを更新させることができ、便利である。
以上、本発明に係る実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施例も、上記以外に、各種の変更が可能である。
上記実施例1〜4では、画像のみを含む速読用画面が生成された。しかしながら、画像以外の要素が速読用画面に含まれる構成がとられてもよい。
たとえば、図3(a)の45ページのページ画面P45は、写真画像402の他に、上述の通り文字列403〜409を含む。この文字列は、章タイトル403、青色文字列404(便宜上、図中の文字列に付される下線は、デフォルト色(たとえば、黒)とは異なる色(たとえば青、赤)が付された文字列を意味することとする。)、節タイトル405、小節タイトル406、赤色文字列407、青色文字列408、フォントサイズが(デフォルトサイズより)大きな文字列409等を含む。さらに、章タイトル403、青色文字列404、節タイトル405および青色文字列408は、それぞれ、アルファベット文字列403a、404a、405aおよび408aを含む。このように、ページ画面P45は、特徴となり得る要素を複数含む。
以下に説明される変更例1〜5では、ページ送り表示処理の際に表示面11cに表示される速読用画面の変更例が説明される。変更例において説明される速読用画面は、上記例の各種の特徴的な要素(文字列)を含む。
<変更例1>
変更例1では、章節のタイトルの文字列を含む速読用画面の例が説明される。章節のタイトルは、いわゆる章、節、小節等のタイトルである。章節のタイトルを含む速読用画面は、たとえば、実施例1に係るページ送り表示処理の実行時、表示面11cに表示される。この構成は、実施例1に限らず、実施例2〜4に適用可能である。
図12(a)は、変更例1に係る速読用画面生成処理を示すフローチャートである。図12(b)は、図12(a)の速読用画面生成処理に基づき生成された、45ページの速読用画面Q45aを示す図である。
図12(a)のフローチャートでは、図4(a)のフローチャートに対して、ステップS102、S103の処理が、ステップS151、S152の処理に置き換えられている。
ステップS151において、CPU100は、対象ページのページ画面データから、章節のタイトルを抽出する。章節のタイトルは、たとえば、CPU100が、電子文書のデータに付される、木構造の各階層のコンテンツを代表する見出しを定義するタグを検索することにより、取得可能である。階層の高さは、上記の章、節、小節の3段階に限らず、文書構造に応じて変化し得る。
図3(a)の例の場合、CPU100は、ステップS151において、ページ画面P45のページ画面データから、章タイトル403、節タイトル405、小節タイトル406を抽出する。そして、CPU100は、このように抽出した文字列を、拡大して配列して速読用画面Q45aを生成し(S152)、メモリ200に記憶させる。
上記例の場合、CPU100は、抽出した文字列である章タイトル403、節タイトル405および小節タイトル406を配列することによって、速読用画面Q45aを生成する。
なお、図12(b)に示すように、速読用画面Q45aにおいて、表示される文字列は、ページ画面P45において表示される順番に基づき、実施例1と同様に、上から下へ配列される。すなわち、速読用画面Q45aにおいて、ページ画面P45での順番と同様に、上から順番に、章タイトル403、節タイトル405、小節タイトル406が表示される。
また、表示される文字列のフォントサイズは、抽出元の階層が高い程大きくされる。すなわち、速読用画面Q45aにおいて、章タイトル403のフォントサイズが一番大きく、節タイトル405が2番目に大きく表示される。小節タイトル406のフォントサイズは、3番目に大きく表示される。
さらに、表示される文字列の色は、抽出元の階層の高さに応じて変化される。図12(b)の速読用画面Q45aにおいて、電子文書の最上階層の見出しである章タイトル403は赤色で表示される。電子文書の2番目階層の見出しである節タイトル405は青色で表示される。電子文書の3番目以下の階層の見出しである小節タイトル406は黒色で表示される。
以上、本変更例の構成によれば、ページ送り表示処理の実行時、更新中のページ番号に対応する、章節のタイトルを含む速読用画面が表示面11cに表示される。
章節のタイトルは、装飾され拡大されて速読用画面に含まれることにより、速読用画面において強調されている。ユーザはこのように強調されて表示される文字列を容易に視認できる。これによって、ユーザはページ画面の内容の概要を、容易に知ることができる。特に、ユーザは、電子文書の内容の全体構成や、各章節のタイトルにもとづき各章節に書かれている内容を推測できる。
<変更例2>
変更例2では、ページ画面に含まれるフォントサイズが大きな文字列が、強調のために拡大され、画像として速読用画面に含められる例が説明される。フォントサイズが大きな文字列を含む速読用画面が、たとえば実施例1に係るページ送り表示処理の実行時に、表示面11cに表示される。この構成は、実施例1に限らず、実施例2〜4に適用可能である。
図13(a)は、変更例2に係る速読用画面生成処理を示すフローチャートである。図13(b)は、図13(a)の速読用画面生成処理に基づき生成された、45ページの速読用画面Q45bを示す図である。
図13(a)のフローチャートでは、変更例1に係る図12(a)のフローチャートに対して、ステップS151の処理が、ステップS161の処理に置き換えられている。
ステップS161において、CPU100は、対象ページのページ画面データから、本文の文字列のデフォルトサイズより大きな文字列を抽出する。
図3(a)に例示される45ページのページ画面P45の場合、CPU100は、ステップS161において、45ページのページ画面データから、章タイトル403、節タイトル405、小節タイトル406およびフォントサイズが大きな文字列409を抽出する。
CPU100は、このように抽出した文字列を配列して速読用画面Q45aを生成し(S152)、メモリ200に記憶させる。
上記例の場合、CPU100は、抽出した文字列を、階層に応じたフォントサイズで、章タイトル403、節タイトル405、小節タイトル406およびフォントサイズが大きな文字列409を拡大して配列し、速読用画面Q45aを生成する。図13(b)において、章タイトル403、節タイトル405、小節タイトル406およびフォントサイズが大きな文字列409が、所定サイズに拡大されて、表示面11cに表示される。
速読用画面Q45bにおいて、表示される文字列は、変更例1と同様に、ページ画面P45において表示される順番に基づき、上から下へ配列される。表示される文字列のフォントサイズは、変更例1と同様に、抽出元の階層が高い程大きくなる。
表示される文字列の色は、変更例1と同様に、抽出元の階層の高さに応じて変化される。すなわち、図13(b)の速読用画面Q45bにおいて、この例における電子文書の最上階層の見出しである章タイトル403は赤色で表示される。電子文書の2番目階層の見出しである節タイトル405は青色で表示される。電子文書の3番目以下の階層の見出しである小節タイトル406およびフォントサイズが大きな文字列409は、黒色で表示される。
以上、本変更例の構成によれば、ページ送り表示処理の実行時、フォントサイズの大きな文字列を含む速読用画面が表示面11cに表示される。抽出対象であるフォントサイズ
の大きな文字列は、装飾され拡大されて速読用画面に含まれることにより、速読用画面において強調されている。ユーザは、このような速読用画面を視認することにより、強調されて表示される文字列を視認できる。
ページ画面に含まれるフォントサイズの大きな文字列は、通常、他の部分よりも強調されることが、電子文書の作者等により意図されている。よって、ページ送り操作をしているときに、ユーザは、強調が意図されている可能性が高い、フォントサイズの大きな文字列を、速読用画面において視認することができ、ページ画面の内容の概要を容易に知ることができる。
<変更例3>
変更例3では、ページ画面に含まれる色付きの文字列が、強調のために拡大され、画像として速読用画面に含められる例が説明される。色付きの文字列は、デフォルト色(黒など)とは異なる色(赤、青等)の属性が付加された文字列である。色付きの文字列を含む速読用画面が、たとえば実施例1に係るページ送り表示処理の実行時、表示面11cに表示される。この構成は、実施例1に限らず、実施例2〜4に適用可能である。
図14(a)は、変更例3に係る速読用画面生成処理を示すフローチャートである。図14(b)は、図14(a)の速読用画面生成処理に基づき生成された、45ページの速読用画面Q45cを示す図である。
図14(a)のフローチャートでは、変更例1に係る図12(a)のフローチャートに対して、ステップS151の処理が、ステップS171の処理に置き換えられている。
ステップS171において、CPU100は、対象ページのページ画面データから、色付きの文字列を抽出する。
図3(a)に例示される45ページのページ画面P45の場合、CPU100は、ステップS171において、45ページのページ画面データから、青色文字列404、赤色文字列407および青色文字列408を抽出する。CPU100は、このように抽出した文字列を拡大して配列して速読用画面Q45cを生成し(S152)、メモリ200に記憶させる。
上記例の場合、CPU100は、抽出した青色文字列404、赤色文字列407および青色文字列408を配列し、速読用画面Q45cを生成する。図14(b)において、青色文字列404、赤色文字列407および青色文字列408が、拡大されて表示面11cに表示される。
速読用画面Q45cにおいて、表示される文字列は、変更例1と同様に、ページ画面P45において表示される順番に基づき、上から下へ配列される。表示される文字列のフォントサイズは、変更例1と同様に、抽出元の階層が高い程大きくなる。図14(b)の場合、何れの文字列404、407、408も同階層に属するため(図3(a)参照)、互いに同じ大きさで表示されている。
本変更例では、速読用画面Q45cにおける色付きの文字列の色は、変更例1の構成と異なり、ページ画面データにおいて指定された色と同じである。すなわち、青色文字列404および408は、青色で表示され、赤色文字列407は赤色で表示されている。なお、表示される文字列の色は、変更例1と同様にして、抽出元の階層の高さに応じて指定されてもよい。
以上、本変更例の構成によれば、ページ送り表示処理の実行時、色付きの文字列を含む速読用画面が表示面11cに表示される。色付きの文字列は、装飾され拡大されて速読用画面に含まれることにより、速読用画面において強調されている。ユーザはこのように強調されて表示される文字列を容易に視認できる。
ページ画面に含まれる色付きの文字列は、通常、他の部分と異なる所定の意味づけや強調が、電子文書の作者等により意図されている。よって、ページ送り操作をしているときに、ユーザは、他の部分と異なる所定の意味づけや強調が意図されている可能性が高い、色付きの文字列を、速読用画面において視認することができ、ページ画面の内容の概要を、文字列だけでなくその色からも容易に知ることができる。
<変更例4>
変更例4では、ページ画面データから、特定文字種の文字列、たとえばアルファベット文字列が、強調のために拡大され、画像として速読用画面に含められる例が説明される。アルファベット文字列を含む速読用画面が、たとえば実施例1に係るページ送り表示処理の実行時、更新中のページ番号に対応する速読用画面が表示面11cに表示される。この構成は、実施例1に限らず、実施例2〜4に適用可能である。
なお、「特定文字種の文字列」は、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット等、特定種類の文字からなる文字列である。また、特定文字種の文字列は、特定の国や地域において通常用いられる文字列(日本語文字列、中国語文字列、フランス語アルファベット文字列など)、日本語文字以外の文字からなる外国語文字列などでもよい。特定文字種の文字列は、速読用画面に含めるために選択できる、特定の種類の文字からなる文字列であればよい。本変更例の構成は、上記アルファベット文字列に限らず、各種の特定文字種の文字列に対して適用可能である。
図15(a)は、変更例4に係る速読用画面生成処理を示すフローチャートである。図15(b)は、図15(a)の速読用画面生成処理に基づき生成された、45ページの速読用画面Q45dを示す図である。
図15(a)のフローチャートでは、変更例1に係る図12(a)のフローチャートに対して、ステップS151の処理が、ステップS181の処理に置き換えられている。
ステップS181において、CPU100は、対象ページのページ画面データから、アルファベット文字列を抽出する。
図3(a)に例示される45ページのページ画面P45の場合、CPU100は、ステップS181において、45ページのページ画面データから、アルファベット文字列403a、404a、405aおよび408aを抽出する。
CPU100は、このように抽出した文字列を拡大して配列して速読用画面Q45aを生成し(S152)、メモリ200に記憶させる。
上記例の場合、CPU100は、抽出した文字列を、階層に応じたフォントサイズで、アルファベット文字列403a、404a、405aおよび408aを配列し、速読用画面Q45dを生成する。図15(b)において、アルファベット文字列403a、404a、405aおよび408aが、大きなフォントサイズで表示面11cに表示される。
速読用画面Q45dにおいて、表示される文字列は、変更例1と同様に、ページ画面P45において表示される順番に基づき、上から下へ配列される。表示される文字列のフォ
ントサイズは、変更例1と同様に、抽出元の階層が高い程大きくなる。
表示される文字列の色は、変更例1と同様に、抽出元の階層の高さに応じて変化される。すなわち、速読用画面Q45dにおいて、この例における電子文書の最上階層の見出しである章タイトル403に含まれるアルファベット文字列403aは、赤色で表示される。電子文書の2番目階層の見出しである節タイトル405に含まれるアルファベット文字列405aは、青色で表示される。電子文書の3番目以下の階層に属するアルファベット文字列404aおよび408aは、黒色で表示される。
以上、本変更例の構成によれば、ページ送り表示処理の実行時、アルファベット文字列を含む速読用画面が表示面11cに表示される。特定文字種の文字列は、装飾され拡大されて速読用画面に含まれることにより、速読用画面において強調されている。ユーザはこのように強調されて表示される文字列を容易に視認できる。
日本語での記述が主である電子文書において、原語の尊重や正確な用語の記述など、なんらかの必要性に基づいて、アルファベット文字列が含められ得る。よって、ページ送り操作をしているときに、ユーザは、原語の尊重や正確な用語の記述など、必要性に基づいて含められている可能性が高い、アルファベット文字列を、速読用画面において視認することができ、ページ画面の内容の概要を、アルファベット文字列から容易に知ることができる。
<変更例5>
上記実施例1〜4および変更例1〜4では、画像や所定条件を満たす文字列等(章節のタイトル、色付き、所定フォントサイズ、特定文字種の文字列)が、強調のために拡大され、画像として速読用画面に含められる例が説明された。速読用画面は、上記要素を、同時に複数種類組含んでいてもよい。ページ画面内の複数種類の要素を含む速読用画面が、たとえば実施例1に係るページ送り表示処理の実行時、表示面11cに表示される。この構成は、実施例1に限らず、実施例2〜4に適用可能である。
上記要素を組み合わせた速読用画面の生成の一例として、変更例5では、画像(実施例1参照)と章節のタイトル(変更例1参照)とが組み合わされた速読用画面が組み合わされて生成される例が説明される。
図16(a)は、変更例5に係る速読用画面生成処理を示すフローチャートである。図16(b)は、図16(a)の速読用画面生成処理に基づき生成された、45ページの速読用画面Q45eを示す図である。
図16(a)のフローチャートでは、図4(a)のフローチャートに対して、ステップS102、S103の処理が、ステップS191、S192に置き換えられている。
ステップS191において、CPU100は、対象ページの画面データから、実施例1のようにして画像データが抽出し、さらに、変更例1のようにして章節のタイトルの文字列を抽出する。
たとえば、CPU100は、ステップS191において、図3(a)に例示される45ページのページ画面P45のページ画面データから、写真画像402、章タイトル403、節タイトル405、小節タイトル406を抽出する。
CPU100は、このように抽出した要素(写真画像402および文字列403、405、406)を拡大して配列して、速読用画面Q45eを生成し(S192)、メモリ2
00に記憶させる。
速読用画面Q45eにおいて、表示される要素は、ページ画面P45において表示される順番に基づき、配列される。
表示される文字列のフォントサイズは、実施例1と同様に、抽出元の階層が高い程大きくなる。すなわち、フォントサイズは、章タイトル403、節タイトル405、小節タイトル406の順に大きくなる。また、表示される文字列の色は、抽出元の階層の高さに応じて変化される。すなわち、章タイトル403は赤色で表示され、節タイトル405は青色で表示され、小節タイトル406は黒色で表示される。
<その他>
上記実施例および変更例では、ページ画面データから抽出された要素(画像、文字列)の全てが、そのページの速読用画面に含まれた。しかしながら、抽出された要素のうち一部の要素のみが、速読用画面に含まれ得る。たとえば、電子文書における章節の階層構造の階層が所定レベルより低い要素が速読用画面に含まれないよう構成され得る。
たとえば、変更例1に係る図12(b)の速読用画面にかえて、図17(a)の速読用画面が構成され得る。図17(a)の例の速読用画面Q45fは、図12(b)の速読用画面に含まれていた小節タイトル406を含まない。この場合、変更例1にかかる速読用画面生成処理のステップS152において、小節タイトル以下の階層のタイトルが速読用画面に含まれないよう、処理が実行される。
上記例のように、階層の高さに閾値が設けられる場合、速読用画面に含まれる要素が制限される構成が採られる。また、速読用画面に含まれる要素の数に上限が設けられる構成が採られてもよい。
また、ページ送り表示処理において、複数の種類の速読用画面が用いられてもよい。たとえば、ページの更新の速さが所定閾値を超えない場合には、図12(b)の速読用画面Q45aが表示され、ページの更新の速さが所定閾値を超える場合には、図17(a)の速読用画面Q45fが表示される構成が採られ得る。このように、ページの更新の速さがさらに速くなったときには、速読用画面に含まれる要素の数が制限されることにより、ページ更新の速さが非常に速いときにも視認性の低下を低減し得る。
上記変更例では、速読用画面に含まれる文字列は、各文字列の抽出元での階層や、ページ画面データにおいて各文字列に付されていた色に基づいて、色付けがなされる。速読用画面に含まれる文字列は、色付けや拡大を含め、各種の装飾が適用されてよい。たとえば、ページ送り表示処理の際に、変更例1に係る図12(b)の速読用画面にかえて、図17(b)のような速読用画面Q45gが表示面11cに表示され得る。図17(b)の場合、章タイトル403が白抜き強調文字で表示され、節タイトル405がイタリック体で表示される。上記装飾は、複数組み合わされて各文字列に適用可能である。ページ画面データから所定条件に基づいて抽出された文字列は、強調または視認性を向上させる効果を有せば、各種の方法で装飾が適用され得る。
上記実施例および変更例では、速読用画面の背景画像は特に指定されていない。しかしながら、速読用画面は、背景画面を含むよう生成され得る。たとえば、実施例1に係る図4(b)の速読用画面Q45に替えて、図18(a)に示される速読用画面Q45hのように、ページ画面P45が、背景画像として使用され得る。また、図18(b)に示される速読用画面Q45iのように、彩度、明度等が弱められたページ画面P45が背景画像として使用され得る。背景画像としてページ画面P45が利用されることによって、ユー
ザは、対象ページを特徴づける画像だけでなく、対象ページのおおまかなレイアウトをさらに視認可能である。
上記実施例および変更例では、ページ画面データから抽出された要素は、速読用画面において縦1列に配列された。しかしながら、抽出された要素の配列のためのレイアウトは、各種の方法が採られ得る。また、抽出された要素の配列のためのレイアウトは、抽出条件や、各ページ画面等に応じて、変化され得る。たとえば、図19(a)のように、ページ画面(たとえば、50ページのページ画面P50)が4つ以上の画像(416〜419)を含む場合、CPU100は、図19(b)のように画像416〜419が2列に並べられた速読用画面Q50を、ページ送り表示処理の際に表示できる。
上記実施例および変更例では、携帯電話機1が縦向き(図3(b)参照)に持たれているときのページ送り表示処理が説明された。ページ送り表示処理は、図20のように、携帯電話機1が横向きに手に持たれているときにも実行できる。電子書籍閲覧の際、表示面11cには、図21(a)のように、2ページずつページ画面が表示される。図21(a)では、44ページと45ページのページ画面P44、P45が横に並べられて、表示面11cに表示される例が示されている。
携帯電話機1が縦向きに持たれている場合、ページ送り操作は、図20のように、上下の圧力センサ17U、17Dの押下によってなされる。図20のように、下の圧力センサ17Dが右手に持たれる場合、ページ送り表示処理は、下の圧力センサ17Dが押下されたときに、ページ番号p(図6参照)が2ずつ増えるよう処理が実行される。そして、ページ送り表示処理は、上の圧力センサ17Uが押下されたときに、ページ番号pが2ずつ減るよう処理が実行される。さらに、ページ送り表示処理におけるページの更新のためのループ処理において、速読用画面やページ画面は、2ページずつ表示面11cに表示される。ページ送り表示処理によって速読用画面が表示面11cに表示される際、図21(b)のように速読用画面Q44、Q45が表示面に表示される。速読用画面Q44において、ページ画面P44に含まれる3つの画像420が拡大されて、速読用画面Q45において縦に配列される。
なお、下の圧力センサ17Uが右手に持たれるよう携帯電話機1が横向きに持たれた場合には、上述と同様にして、ページ送り表示処理においてページ番号が更新される。ただし、ページ番号の増減の方向は、上述とは逆にされる。すなわち、圧力センサ17U、17Dが押下されているとき、ページ番号は、それぞれ、2ずつ増えるまたは減るよう処理が実行される。
上記実施例および変更例では、項めくり表示処理は、右手での圧力センサの押下が、ページを前へ進めるための操作に対応された。しかしながら、右手での圧力センサの押下が、ページを後ろへ戻すための操作に対応されてもよい。
上記実施例および変更例では、ページ送り表示処理のステップS113において速読用画面の生成のための処理が開始された。この処理の開始に基づき、速読用画面生成処理が、当該ページ送り表示処理に並行して実行された。そして、速読用画面生成処理は、ページ送り表示処理が終了されるときに合わせて終了された(S121)。速読用画面生成処理は、上記のように並列しれ実行されず、たとえば、ステップS116において速読用画面が生成されるときに対象ページの速読用画面の生成だけのために実行されてよい。
あるいは、電子書籍が開かれて閲覧が開始されたときに、バックグラウンドで、速読用画面生成処理が実行されてよい。このように速読用画面が事前に生成されメモリ200に保持されることによって、ページ送り表示処理実行時にステップS113の処理の実行が
不要となりページ送り表示処理実行時のCPU100の負荷が低減し得る。
また、ステップS113に係る速読用画面生成処理の実行の際、作成すべき速読用画面がメモリ200に既に保持されている場合があり得る。この場合、CPU100は、そのページの速読用画面の生成の処理をスキップし、必要に応じてさらに次のページの速読用画面の生成の処理へ進む構成がとられてよい。これによって、速読用画面生成に要する時間を短縮し得る。
また、速読用画面は、予め電子文書のデータ等に予め含まれていてもよい。すなわち、CPU100が速読用画面生成処理を実行しない構成が採られてもよい。この場合、ページ送り表示処理の際、CPU100は、速読用画面表示のために、所定ページの画面データを参照するだけでよい。このように、ページ送り操作に基づき連続的にページが更新されるときに、速読用画面が表示面に表示されるのであれば、各種の形式で速読用画面がメモリ200に保持されてよい。
また、速読用画面生成処理が実行される構成の場合、ユーザにより入力された検索語を含む文字列、たとえば検索語を含む所定文字数の文字列を含む速読用画面が生成される構成が採られ得る。これにより、ユーザが興味のある内容に基づいた速読用画面が表示面11cに表示され、ページ画面の内容の概要をユーザの興味に関連付けて知ることができる。
上記実施例および変更例ではページ送り操作は、圧力センサ(17R、17L、17U、17D)に対する操作であった。しかしながら、ページ送り操作は、キー(ハードキーやタッチキー)の押下、表示面11cに対するタッチの操作、加速度センサを用いた操作(たとえば、携帯電話機1を所定方向へ傾ける操作)等、各種の操作であってよい。また、ページの更新の速度の調節も、圧力センサ(17R、17L、17U、17D)に対する操作に限らず、たとえば表示面11cに対するタッチの操作等、各種の操作により行われてもよい。
さらに、上記実施の形態では、いわゆるストレート式の携帯電話機(スマートフォン)に本発明が適用されている。しかしながら、これに限らず、いわゆる折り畳み式、スライド式等、いかなるタイプの携帯電話機に本発明が適用されてもよい。
さらに、本発明の携帯端末装置は、携帯電話機に限られず、PDA(PersonalDigital Assistant)、タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末等であってもよい。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。