JP2012227732A - ウェハの積層構造、圧電デバイス、圧電モジュール、電子機器、電子システム、圧電デバイスの製造方法 - Google Patents

ウェハの積層構造、圧電デバイス、圧電モジュール、電子機器、電子システム、圧電デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い生産性と良品率、層間の接合面の信頼性を高めたウェハの積層構造、圧電デバイス、圧電モジュール、圧電デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】互いに隣り合う第1基板14に対応する第1の個片同士を第1の梁68A、68Bで連結して形成された第1ウェハ66と、互いに隣り合う圧電振動基板26に対応する第2の個片同士を第2の梁72A,72Bで連結して形成され前記第1ウェハに積層された圧電振動ウェハ70と、を有し、前記第1の個片及び前記第2の個片には、前記第1の個片及び前記第2の個片を連通して前記第1の個片及び前記第2の個片の一辺を二分するように切り欠くスリット20及び30が設けられ、前記第2の個片は、前記スリット30を挟んで配置される一対の接続部32A、32Bを有し、前記接続部には、振動部34に設けられた励振電極に電気的に接続するパッド電極42A、42Bが配置された構造とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェハの積層構造、圧電デバイス、圧電モジュール、電子機器、電子システム、圧電デバイスの製造方法に関し、特に、量産性を向上させる技術に関する。
従来から、ダイアフラムに感圧素子を接続し、感圧素子がダイアフラムの撓み変形による応力を検知するタイプの圧力センサーが知られている。
図21に、特許文献1に記載の圧力センサーの模式図を示し、図21(a)は分解斜視図、図21(b)は断面図を示す。特許文献1には、第1層302と、感圧素子310(振動部)を有する感圧素子層308と、ダイアフラム324及びダイアフラム324に接続された一対の力伝達部326を有する第2層318と、の3層構造からなる圧力センサー300が開示されている。ここで、力伝達部326は、感圧素子310を構成する一対の基部312に接続される。また感圧素子310(振動部)は所定の共振周波数で振動可能なものである。
上記構成において、ダイアフラム324が外部から圧力を受けることにより、ダイアフラム324が圧力センサー300の内側に撓み変形する。そして、この撓み変形により力伝達部326同士の間隔が広がるため、基部312同士の間隔も広がることになる。よって、感圧素子310に対して引張応力が印加されこれにより感圧素子310の共振周波数が変化する。したがって、この共振周波数の変化をモニターすることにより圧力を検知することができる。
図22に、特許文献2に記載の圧力センサーの模式図を示し、図22(a)は分解斜視図、図22(b)は上面図を示す。特許文献2の圧力センサー400は、特許文献1の圧力センサー300と同様に第1層401、感圧素子層402、第2層412の3層構造を有し、全体的に平面矩形状に形成されている。感圧素子層402の枠部404の一方の短辺には、その両端部に振動部408に電気的に接続する一対のパッド電極410が配置されている。また、第2層412のパッド電極410に対向する部分にはパッド電極410を露出させる切欠き部414が形成されている。そして、第1層401、感圧素子層402、第2層412を積層することにより、切欠き部414に挟まれた領域に配置された凸部416が、切欠き部414により露出されたパッド電極410を互いに隔離させた圧力センサー400となる。
このような3層構造の圧電デバイスを製造する場合、例えば特許文献3に開示されたような製造工程が提案されている。図23に、特許文献3に記載の3層構造の圧電デバイスの製造工程を示し、図23(a)のウェハの積層前の工程、図23(b)はウェハの積層時の工程、図23(c)は個片化の工程を示す。
即ち、図23(a)に示すように、各層は個片(例えば上述の第1層302、感圧素子層308、第2層318)をアレイ状に連結してなる母基板502、504、506として構成し、図23(b)に示すように、これら3つの母基板502、504、506を積層し、図23(c)に示すように、ダイシングにより個片化して複数の圧電デバイス500を得ており、同様技術は特許文献4にも開示されている。
図24に特許文献5に記載の3層構造の圧電デバイスの製造工程を示し、図24(a)は溝形成工程、図24(b)は積層工程、図24(c)は個片化工程、図24(d)は、図24(c)の圧電デバイスの分解斜視図である。
特許文献5では、感圧素子基板618をアレイ状に配置した感圧素子ウェハ602を中央にして、第1基板616をアレイ状に配置した第1のウェハ604、第2基板620をアレイ状に配置した第2のウェハ606の3枚のウェハを重ね合わせて陽極接合を行い、圧電デバイス600の縁辺に対応する位置で切断して複数の圧電デバイス600を製造する方法である。特許文献5では陽極接合に起因する各ウェハに生じる熱歪みを緩和するため、第1のウェハ604、第2のウェハ606の非接合面の圧電デバイス600の縁辺に対応する位置において、断面がベベル形状の溝610(ハーフカット)をハーフカット用のダイシングブレード612で形成し(図24(a))、陽極接合により3層を積層したのち(図24(b))、前記溝610に沿ってフルカット用のダイシングブレード614にてフルカットして(図24(c))、図24(d)に示すように、第1基板616、感圧素子基板618、第2基板620の3層構造を有する圧電デバイス600を個片化している。
特開2010−230401号公報 特開2010−243207号公報 特開2007−325250号公報 特開2009−065520号公報 特開2006−157872号公報
しかしながら、上述のように3層の母基板(ウェハ)をダイシングして圧電デバイスを個片化するとき、ダイシングによる振動が各層の切り代に隣接する層間の接合部に伝達して、接合部の剥離が発生する虞があるという問題があった。また、その剥離に伴って圧電デバイスの切断位置においてチッピングによる損傷が発生する虞があるという問題があった。さらに、ダイシングの振動により感圧素子自体に破損が生じてしまうという虞があるという問題があった。
一方、上述の基板間の剥離の問題を回避するため、圧電デバイスを構成する各基板をダイシングにより個片化したのち、各基板の積層を行なうことも可能である。しかし各基板を個片化したのち積層する場合は、各基板間のアライメントが困難となり、圧電デバイスの製造の歩留が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題点に着目し、積層されたウェハから圧電デバイスを個片化するときに生じる不具合を解消し、高い生産性と良品率、基板間の接合面の信頼性を高めたウェハの積層構造、圧電デバイス、圧電モジュール、圧電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第1基板と、前記第1基板に積層され振動部を有する圧電振動基板と、を備える圧電デバイスに対応する複数の個片積層体を連結して配置したウェハの積層構造であって、前記第1基板に対応する複数の第1の個片が配置されるとともに、互いに隣り合う前記第1の個片同士を第1の梁で連結して形成された第1ウェハと、前記圧電振動基板に対応する複数の第2の個片が配置されるとともに、互いに隣り合う前記第2の個片同士を第2の梁で連結して形成され前記第1ウェハに積層された圧電振動ウェハと、を有し、前記第1の個片及び前記第2の個片には、前記第1の個片及び前記第2の個片を連通して前記第1の個片及び前記第2の個片の一辺を二分するように切り欠くスリットが設けられ、前記第2の個片は、前記スリットを挟んで配置される一対の接続部を有し、前記接続部には、前記振動部に設けられた励振電極に電気的に接続するパッド電極が配置されたことを特徴とするウェハの積層構造。
上記構成において、第1の梁、第2の梁は、アレイ状に配置された圧電デバイスの間に配置されている。よって、ダイシングに用いるダイシングブレードを、圧電デバイスの間に沿って走らせ、第1の梁、第2の梁を切断することにより圧電デバイスを個片化することができる。
このとき、第1の梁、第2の梁は、それぞれ第1基板に対応する第1の個片、圧電振動基板に対応する第2の個片の幅より十分細くなるように設計することができる。よって、ダイシングブレードの第1ウェハ、圧電振動ウェハとの切断時の接触断面積を小さくすることができる。したがって、ダイシングにより発生する振動を抑制して基板間の剥離や振動部の破損を防止して、歩留の高い圧電デバイスを量産することができる。また、第1基板、圧電振動基板をダイシングすることはないので、ダイシング時の各基板のチッピングを回避することができる。
そして、第1基板の前記接続部に対向する位置には一対のマウント部が形成され、マウント部は接続部の真下に配置されることになる。よってマウント部の下面に接合部材を塗布して、圧電デバイスを実装基板側に実装する場合は、接続部上のパッド電極の真下に接合部材が来る形となるので、ワイヤーを容易に接続することができる。またマウント部において二点支持状態で圧電デバイスを実装基板に実装した場合は、マウント部間に熱歪み等の応力が発生し得るが、マウント部の間にはスリットが配置されているので、マウント部は応力に応じて屈曲変形することができる。よってマウント部において応力を緩和させ振動部への悪影響を低減させることができる。したがって、電気的接続を容易にするとともに振動部への熱歪みの影響を緩和した圧電デバイスを量産することが可能なウェハの積層構造となる。
[適用例2]前記第2の個片は、前記振動部の両端に接続された一対の基部と、前記接続部に横並びに接続され、前記振動部及び前記一対の基部を囲み前記一対の基部を支持した状態で前記第1の個片に積層される枠部と、を有し、前記圧電振動ウェハには、前記振動部及び前記一対の基部に対向する位置に配置された凹部を有し前記枠部に積層される第3の個片が複数配列され、互いに隣り合う第3の個片同士を第3の梁により連結して形成された第2ウェハが積層されたことを特徴とする適用例1に記載のウェハの積層構造。
上記構成において、第3の梁も、第3の個片の幅より十分細くなるように設計することができる。よって、ダイシングにより発生する振動を抑制して基板間の剥離や振動部の破損を防止して、歩留の高い三層構造の圧電デバイスを量産することができる。また、第3の個片をダイシングすることはないので、ダイシング時の第3の個片のチッピングを回避することができる。
[適用例3]前記第3の個片は、前記凹部の底面に配置され、前記一対の基部を支持する一対の支持部が接続されたダイアフラムを有することを特徴とする適用例2に記載のウェハの積層構造。上記構成により、圧力を測定可能な圧電デバイスを高い歩留で製造することができる。
[適用例4]前記第1の梁、前記第2の梁、前記第3の梁は、積層方向から見て互いに重なる位置に配置され、前記第2の梁は、前記第1の梁及び前記第3の梁に挟まれた状態で、前記第1の梁及び前記第3の梁に接合されていることを特徴とする適用例2または3に記載のウェハの積層構造。
上記構成により、基板間の接着層を形成する接着剤が圧電デバイスの側面に流出することを防止し、この流出した接着剤による圧電デバイス全体応力分布のバラつきに起因する振動部の特性のバラつきを抑制し、圧電デバイスの特性のバラつきを抑制することができる。
[適用例5]前記第1の梁は、前記第1の個片の前記二分された前記一辺に接続され、前記第2の梁は、前記第2の個片の前記二分された前記一辺に接続され、前記第3の梁は、前記第3の個片の前記接続部側の一辺に接続されていることを特徴とする適用例3または4に記載のウェハの積層構造。
上記構成により、第1の梁、第2の梁はスリットに形成された側面には接続されることはなく、第1の梁、第2の梁は、第3の梁よりも短くなる。また第2の梁が、第1の梁、第3の梁に挟まれる態様で第1の梁、第2の梁、第3の梁は接合され、この接合位置においてダイシングが行われる。よって、第1の梁及び第2の梁のダイシング位置と、各梁の個片積層体(圧電デバイス)との接続位置と、が互いに接近するため、ダイシング時の個片積層体(圧電デバイス)に対するモーメントを小さくすることができる。したがって、ダイシング時に個片構造体(圧電デバイス)に印加される応力を緩和し、これに起因する個片構造体(圧電デバイス)の特性のバラつきの発生を抑制することができる。
[適用例6]前記第1の梁は、前記第1の個片の前記二分された前記一辺の前記スリットにより形成された端部に接続され、前記第2の梁は、前記第2の個片の前記二分された前記一辺の前記スリットにより形成された端部に接続され、前記第3の梁は、前記接続部の前記スリット側に積層されたことを特徴とする適用例3または4に記載のウェハの積層構造。
上記構成において、第1の梁、第2の梁、第3の梁をダイシングして圧電デバイスを個片化したとき、第3の梁の接続部に積層した部分は、積層方向から見てスリットの幅方向の両端となる位置に残ることになる。したがって、一対のパッド電極間に第3の梁が障壁として配置されることになるので、パッド電極間の短絡を防止することができる。
[適用例7]前記第1の梁は、前記第1の個片の前記二分された前記一辺の外側端部となる位置に接続され、前記第2の梁は、前記第2の個片の前記二分された前記一辺の外側端部となる位置に接続され、前記第3の梁は、前記接続部の外側端部に積層されたことを特徴とする適用例3または4に記載のウェハの積層構造。
圧電デバイスを実装後パッド電極にワイヤーを接続したのち、ワイヤー接続部を保護するため、ワイヤー接続部に導電性の接着剤を塗布する場合がある。一方、上記構成において、第1の梁、第2の梁、第3の梁をダイシングして圧電デバイスを個片化したとき、第3の梁の接続部に積層した部分は、圧電振動基板の周縁に沿ってそのまま残ることになる。したがって、ワイヤー接続部に塗布する接着剤の圧電デバイスの側面への流れ出しを防止して、ワイヤーの保護を効率よく行うことができる。
[適用例8]前記第1の梁は、前記第1の個片の前記二分された前記一辺の外側端部と、前記スリットと、の間となる位置で接続され、前記第2の梁は、前記第2の個片の前記二分された前記一辺の外側端部と、前記スリットと、の間となる位置で接続され、前記第3の梁の前記接続部に対向する部分は、前記第3の梁の他の部分の厚みより薄く形成され、前記接続部との間に隙間が設けられたことを特徴とする適用例3または4に記載のウェハの積層構造。
上記構成において、第1の梁、第2の梁、第3の梁をダイシングして圧電デバイスを個片化したとき、第3の梁は接続部には積層されていないので折り取ることができる。また接続部に接触していないので接続部に配置されたパッド電極への損傷を回避することができる。
[適用例9]前記第3の梁の前記接続部に対向する部分の前記第3の個片の外側の主面側には前記第3の梁の厚み方向に切り込みが形成されたことを特徴とする適用例8に記載のウェハの積層構造。
上記構成において、第1の梁、第2の梁、第3の梁をダイシングして圧電デバイスを個片化したとき、第3の梁はダイシングの振動により第2基板から切断される。また切断されない場合であっても切り込みにより第3の梁を第2基板から容易に折り取ることができる。
[適用例10]前記振動部は、少なくとも一以上の柱状ビームにより形成され屈曲振動をすることを特徴とする適用例1乃至9のいずれか1例に記載のウェハの積層構造。
上記構成により、例えば柱状ビームが一本であれば高い感度を有する振動部となる。また2本以上であれば振動漏れを抑制したQ値の高い振動部を構築することができる。
[適用例11]前記振動部は、ATカット振動片により形成され厚みすべり振動をすることを特徴とする適用例1乃至9のいずれか1例に記載のウェハの積層構造。
上記構成により、厚みすべり振動を利用した圧電デバイスを構築することができる。
[適用例12]前記第1の梁の中央部には、第1の折り取り部が配置され、前記第2の梁の前記第1の折り取り部に対向する位置には、第2の折り取り部が配置され、前記第3の梁の前記第2の折り取り部に対向する位置には、第3の折り取り部が配置され、各折り取り部は、各梁の厚み方向、及び/若しくは、厚み方向に切れ込みを入れることにより形成されたことを特徴とする適用例2乃至11のいずれか1項に記載のウェハの積層構造。
上記構成により、ダイシングによらず、第1の梁、第2の梁、第3の梁を折り取って、圧電デバイスを個片化することができる。よって、層間の剥離や振動部の破損を効率的に防止して、歩留の高い圧電デバイスを量産することができる。
[適用例13]第1基板と、振動部を有し前記第1基板に積層された圧電振動基板と、を有する圧電デバイスであって、前記第1基板及び前記圧電振動基板には、前記第1基板及び前記圧電振動基板を連通して前記第1基板及び前記圧電振動基板の一辺を二分するように切り欠くスリットが設けられ、前記圧電振動基板には、前記スリットにより一対の接続部が形成され、前記接続部には、前記振動部に電気的に接続するパッド電極が配置されたことを特徴とする圧電デバイス。
上記構成において、第1基板にはスリットにより一対のマウント部が形成され、マウント部は接続部の真下に配置されることになる。よってマウント部の下面に接合部材を塗布して、圧電デバイスを実装基板側に実装する場合は、接続部上のパッド電極の真下に接合部材が来る形となるので、ワイヤーを容易に接続することができる。
またマウント部において二点支持状態で圧電デバイスを実装基板に実装した場合は、マウント部間に熱歪み等の応力が発生し得るが、マウント部の間にはスリットが配置されているので、マウント部は応力に応じて屈曲変形することができる。よってマウント部において応力を緩和させ振動部に対する熱歪みの影響を緩和することができる。したがって、電気的接続を容易にするとともに振動部への熱歪みの影響を緩和した圧電デバイスとなる。
[適用例14]前記圧電振動基板は、前記振動部の両端に接続された一対の基部と、前記接続部が横並びに接続され、前記振動部を囲み、前記一対の基部を支持した状態で前記第1基板に積層された枠部と、を有し、前記枠部には、前記振動部及び前記一対の基部に対向する位置に配置された凹部を有する第2基板が積層されたことを特徴とする適用例13に記載の圧電デバイス。
上記構成により、圧電振動基板のパッド電極が露出した三層構造の圧電デバイスとなる。
[適用例15]前記第2基板の前記接続部側の側面には剥離痕を有することを特徴とする適用例14に記載の圧電デバイス。
上記構成により、適用例9のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイスとなる。
[適用例16]前記第1基板の前記二分された前記一辺に接続された第1の凸部と、前記圧電振動基板の前記二分された前記一辺に接続された第2の凸部と、前記第2基板の前記スリット側の一辺から延出した延出部と、を有し、前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部は、積層方向から見て互いに重なるように配置されるとともに前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部の順に積層され、前記延出部は、前記接続部に積層されたことを特徴とする適用例14に記載の圧電デバイス。
上記構成により、適用例5のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイスとなる。
[適用例17]前記第1基板の前記二分された前記一辺の外側端部に接続された第1の凸部と、前記圧電振動基板の前記二分された前記一辺の外側端部に接続された第2の凸部と、前記第2基板の前記接続部側の一辺の外側端部から延出した延出部と、を有し、前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部は、積層方向から見て互いに重なるように配置されるとともに前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部の順に積層され、前記延出部は、前記接続部に積層されたことを特徴とする適用例14に記載の圧電デバイス。
圧電デバイスを実装後パッド電極にワイヤーを接続したのち、ワイヤー接続部を保護するため、ワイヤー接続部に導電性の接着剤を塗布する場合がある。このため、上記構成のように延出部が圧電デバイスの外周に沿って配置されているので、ワイヤー接続部に塗布する接着剤の圧電デバイスの側面への流れ出しを防止して、ワイヤーの保護を効率よく行うことができる。
[適用例18]前記圧電振動基板の振動部は、屈曲振動若しくは厚みすべり振動をすることを特徴とする適用例13乃至17のいずれか1例に記載の圧電デバイス。
上記構成により、高感度な振動部とすることができる。
[適用例19]前記第2基板は、前記凹部の底面に配置され、前記一対の基部を支持する一対の支持部が接続されたダイアフラムを有することを特徴とする適用例13乃至18のいずれか1例に記載の圧電デバイス。
上記構成により、圧力を測定可能な圧電デバイスとなる。
[適用例20]適用例1乃至12のいずれか1例に記載のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイス、または、適用例13乃至19のいずれか1例に記載の圧電デバイス、を実装基板に実装してなる圧電モジュールであって、前記圧電デバイスは、前記第1基板の前記圧電振動基板と積層する面とは反対面の主面の中央部、または、前記第1基板の前記圧電振動基板と積層する面とは反対面の主面の前記一対の接続部に対向する位置が、接合部材により前記実装基板に接合されることにより前記実装基板に実装されたことを特徴とする圧電モジュール。
上記構成において、接合部材と第1基板との間で熱歪み等の応力が発生するが、この応力は圧電デバイスを伝播するに従って緩和される。そして、圧電デバイスを第1基板の中央部に一点支持状態で実装基板した場合は、第1基板の接合部材が配置された位置から振動部への経路が最も長くなる。よって効率的に応力を緩和させ振動部への悪影響を低減させることができる。
一方、第1基板の前記圧電振動基板と積層する面とは反対面の主面の前記一対の接続部に対向する位置は一対のマウント部となる。そして、このマウント部において二点支持状態で実装基板に実装した場合は、マウント部間に熱歪み等の応力が発生し得るが、マウント部の間にはスリットが配置されているので、マウント部は応力に応じて屈曲変形することができる。よってマウント部において応力を緩和させ振動部への悪影響を低減させることができる。したがって、いずれの場合においても、熱歪み等の応力の伝達を緩和して振動部への悪影響を低減した圧電モジュールとなる。
[適用例21]前記第1基板と実装基板との間は充填材で充填されたことを特徴とする適用例20に記載の圧電モジュール。
上記構成により、圧電モジュールの耐衝撃性を高めることができる。
[適用例22]前記圧電デバイスに電気的に接続する集積回路を搭載したことを特徴とする適用例20または21に記載の圧電モジュール。
上記構成により、自ら発振する発振器としての機能、または自ら圧力を測定する圧力センサーとしての機能を有する圧電モジュールを構築することができる。
[適用例23]適用例1乃至12のいずれか1例に記載のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイス、または、適用例13乃至19のいずれか1例に記載の圧電デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
上記構成より、電気的接続を容易にするとともに振動部への熱歪みの影響を緩和した電子機器となる。
[適用例24]適用例1乃至12のいずれか1例に記載のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイス、または、適用例13乃至19のいずれか1例に記載の圧電デバイスを備えることを特徴とする電子システム。
上記構成により、電気的接続を容易にするとともに振動部への熱歪みの影響を緩和した電子システムとなる。
[適用例25]アレイ状に複数配置された第1基板と、互いに隣接する前記第1基板同士を連結する第1の梁と、を有する第1ウェハを形成し、アレイ状に複数配置されるとともに前記第1基板に積層され、振動部を有する圧電振動基板と、互いに隣接する前記圧電振動基板同士を連結するとともに前記第1の梁に積層される第2の梁と、を有する圧電振動ウェハを形成し、前記第1基板及び前記圧電振動基板を連通して前記第1基板及び前記圧電振動基板の一辺を二分するように切り欠くスリットを形成し、前記スリットにより前記圧電振動基板の一辺に形成された一対の接続部に前記振動部と電気的に接続するパッド電極を配置し、前記第1ウェハに前記第2ウェハを積層することにより、前記第1基板と、前記第1基板に積層された圧電振動基板との積層構造を有する圧電デバイスを複数形成し、前記第1の梁及び前記第2の梁を切断することにより、前記圧電デバイスを個片化することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
上記方法において、第1の梁、第2の梁は、それぞれ第1基板、圧電振動基板の幅より十分細くなるように設計することができる。よって、ダイシングブレードの第1ウェハ、第2ウェハとの切断時の接触断面積を小さくすることができる。したがって、ダイシングにより発生する振動を抑制して層間の剥離や振動部の破損を防止して、歩留の高い圧電デバイスを量産することができる。
また第1基板の接続部に対向する位置には一対のマウント部が形成され、マウント部は接続部の真下に配置されることになる。よってマウント部の下面に接合部材を塗布して、圧電デバイスを実装基板側に実装する場合は、接続部上のパッド電極の真下に接合部材が来る形となるので、ワイヤーを容易に接続することができる。
またマウント部において二点支持状態で圧電デバイスを実装基板に実装した場合は、マウント部間に熱歪み等の応力が発生し得るが、マウント部の間にはスリットが配置されているので、マウント部は応力に応じて屈曲変形することができる。よってマウント部において応力を緩和させ振動部に対する熱歪みの影響を緩和することができる。したがって、電気的接続を容易にするとともに振動部への熱歪みの影響を緩和した圧電デバイスを量産することが可能となる。
第1実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第1実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図である。 第1実施形態の圧電デバイスの拡大斜視図である。 図2の分解斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図であり、図5(a)は第1基板、圧電素子基板、第2基板の断面図、図5(b)は図5(a)における圧電素子基板の拡大図である。 第1実施形態のウェハの積層構造においてダイシングを行なう場合の模式図であり、図6(a)はダイシング前、図6(b)はダイシング後である。 第2実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第2実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図である。 第3実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第3実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図である。 第4実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図である。 第4実施形態の圧電デバイスの模式図であり、図10(a)は圧電デバイスを構成する圧電素子基板の下面を示し、図10(b)は図8のウェハの積層構造を個片化して得られる第3実施形態の圧電デバイスの斜視図である。 第4実施形態の圧電デバイスの拡大斜視図である。 第5実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第5実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図である。 本実施形態のウェハの積層構造において、折り取り部を形成した場合の模式図であり、図13(a)は、第1ウェハ、圧電素子ウェハ、第2ウェハのそれぞれの折り取り部の平面図、図13(b)は第1ウェハ、圧電素子ウェハ、第2ウェハを積層した場合の各折り取り部の側面図である。 本実施形態の電子デバイスを実装基板に搭載する場合の模式図であり、図14(a)は斜視図、図14(b)は第1基板の下面の中央部と実装基板とを接続部材により接合する場合、図14(c)は第1基板に形成されたマウント部と実装基板とを接続部材により接合する場合を示す。 本実施形態のウェハの積層構造及び圧電デバイスにおいて、振動部としてATカット振動片を用いた場合の分解斜視図と、圧電デバイス(図中右下)の斜視図を示す。また図中左上に圧電振動基板の下面の斜視図を示す。 本実施形態の圧電デバイスにおいて、振動部として音叉型振動片を用いた場合の分解斜視図と、圧電振動基板の下面の模式図である。 本実施形態の圧電デバイスにおいて、振動部としてATカット振動片を用いた場合の分解斜視図と、圧電振動基板の下面の模式図である。 本実施形態の圧電デバイスを燃料電池システムに搭載した場合の系統図である。 本実施形態の圧電デバイスを車両用情報記録装置に搭載した場合のブロック図である。 本実施形態の圧電デバイスを側面衝突検出装置に搭載した場合の模式図である。 特許文献1に記載の圧力センサーの模式図であり、図21(a)は分解斜視図、図21(b)は断面図である。 特許文献2に記載の圧力センサーの模式図であり、図22(a)は分解斜視図、図22(b)は上面図である。 特許文献3に記載の3層構造の圧電デバイスの製造工程を示す図であり、図23(a)のウェハの積層前の工程、図23(b)はウェハの積層時の工程、図23(c)は個片化の工程である。 特許文献5に記載の3層構造の圧電デバイスの製造工程を示す図であり、図24(a)は溝形成工程、図24(b)は積層工程、図24(c)は個片化工程、図24(d)は、図24(c)の圧電デバイスの分解斜視図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
第1実施形態においては、先ず、圧電デバイスの構成について説明し、次いで圧電デバイスを複数製造するウェハの積層構造について説明する。図2に、第1実施形態の圧電デバイスの拡大斜視図を示す。また、図3に、図2の分解斜視図を示し、図4に、図2のA−A線断面図を示す。
第1実施形態の圧電デバイス10は、第1基板14と、振動部34を有する圧電振動基板26と、ダイアフラム56を有しダイアフラム56に印加された圧力に伴う力を振動部34に伝達する第2基板48と、の順に積層された構造を有し、積層された後に壁面の一部がダイアフラム56となり内部空間13(図4)を有するパッケージ12が形成されたものである。また、内部空間13には、ダイアフラム56に接続した振動部34が配置されている。そして、ダイアフラム56が外部の圧力により撓み変形し、この撓み変形に伴う力を振動部34が受けることにより、振動部34の共振周波数が変化する。よって、振動部34の共振周波数の変化をモニターすることにより外部の圧力を測定可能な構成となっている。また第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48は、それぞれ短辺と長辺を有する矩形の水晶基板により形成されている。
第1基板14は、圧電デバイス10の最下層を構成するものである。第1基板14の圧電振動基板26に対向する面には凹部16が配置されている。凹部16は圧電振動基板26を構成する後述の振動部34、第1基部36、第2基部38、支持部40A、40Bに対向する位置に配置され、これらの構成要素と第1基板14との干渉を防止している。また第1基板14において、この凹部16の周囲を囲むように外周部18が配置される。外周部18は、第1基板14の一方の短辺側に偏って配置される。そして、外周部18には圧電振動基板26を構成する後述の枠部28が積層される。
一方、第1基板14の他方の短辺側には、その短辺側の周縁部を二分するように第1基板14の厚み方向であって一方の主面から他方の主面に亘って貫通して切り欠いたスリット20が配置されている。そしてスリット20の隣り合う側面の幅方向の両端、すなわち第1基板14の前記周縁部には、このスリット20より一対のマウント部22A、22Bが形成される。後述のように、このマウント部22A、22Bにおいて、その上面には圧電振動基板26を構成する接続部32A、32Bがそれぞれ積層され、その下面は実装基板に実装するための接合部材の塗布位置となる。
また第1基板14の側面には第1の凸部24が複数形成されている。第1の凸部24は、第1基板14の長辺を形成する2つの側面に1つずつ、一方の短辺(スリット20が形成されていない短辺)を形成する側面に2つ形成されている。また、第1の凸部24は、第1基板14のスリット20が形成された他方の短辺の側面、すなわち一対のマウント部22A、22Bの端面にもそれぞれ形成されている。よって第1の凸部24は、スリット20が形成された第1基板14の(辺)他方の短辺側の前記周縁部において、その前記他方の短辺の両端となる位置と、スリット20の隣り合う側面と、の間のそれぞれの位置においてスリット20を挟むように一対で配置されることになる。これら長辺側並びに短辺側に設けられた第1の凸部24は、後述の第1の梁68A、68Bをダイシングで切断することにより形成される。
圧電振動基板26は、水晶の結晶軸である、電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系のX軸を回転軸として、Z軸を+Y軸の方向へ約2度回転させた軸をZ′軸とし、このZ′軸を法線とした主面を有する水晶基板を用いている。そして圧電振動基板26には、矩形の枠形状を有する枠部28が配置される。枠部28は、圧電振動基板26の一方の短辺に偏って配置され、外周部18上に積層される。
一方、圧電振動基板26の他方の短辺側の周縁部を二分する位置において、圧電振動基板26の厚み方向であって一方の主面から他方の主面に亘って貫通して切り欠いたスリット30が配置されている。よって、このスリット30により、圧電振動基板26のスリット30が形成された前記周縁部には、圧電振動基板26の前記他方の短辺に沿って並べて配置された一対の接続部32A、32Bが形成される。よって枠部28と一対の接続部32A、32Bは圧電振動基板26の長辺方向に横並びに配置される。そして枠部28内には、振動部34、第1基部36、第2基部38、支持部40A、40Bが配置される。なお、第1基板14に形成されたスリット20と、圧電振動基板26に形成されたスリット30は、積層後に、第1基板14及び圧電振動基板26の前記他方の短辺において厚み方向(積層方向)に連通する一つのスリットとなる。
振動部34は、圧電振動基板26の長辺方向に長手方向を有する2本の平行した柱状ビームにより形成され、双音叉型の振動片となっている。即ち、圧電振動基板26の前記長辺に沿って、前記柱状ビームは伸びており、これを長手方向としている。そして振動部34の長手方向の両端のうちの一方には第1基部36が接続され、他方には第2基部38が接続される。また枠部28の長辺方向の内側側面の第1基部36に対向する位置からは、支持部40Aが第1基部36を圧電振動基板26の短辺方向から挟むように延出し、第1基部36に接続される。同様に枠部28の長辺方向の内側側面の第2基部38に対向する位置からは、支持部40Bが第2基部を圧電振動基板26の短辺方向から挟むように延出し、第2基部38に接続される。これにより、振動部34は、第1基部36、第2基部38、支持部40A、支持部40Bを介して枠部28に支持される。
第1基部36及び第2基部38は、振動部34を支持するものであるが、後述の力伝達部54A、54Bからの力を受けて、圧電振動基板26の長辺方向に相対位置を互いに変化させるものである。よってこの相対位置の変化により振動部34に応力を印加することができる。支持部40A、支持部40Bは圧電振動基板26の短辺方向に長手方向を有し、圧電振動基板26の長辺方向に屈曲する部材である。よって、支持部40A、40Bは、それぞれ第1基部36、第2基部38を支持するものの、第1基部36、第2基部38の変位に干渉しないようになっている。
一方、振動部34には互いに絶縁した一対の励振電極(不図示)が配置される。そして一対の接続部32A、32Bにそれぞれパッド電極42A、42Bが配置される。そして振動部34(一方の励振電極)からは、引出電極44Aが引き出され、第1基部36、支持部40A、枠部28、接続部32Aを経路してパッド電極42Aに接続される。また振動部34(他方の励振電極)からは引出電極44Bが引き出され、第1基部36、支持部40A、枠部28、接続部32Bを介してパッド電極42Bに接続される。
よって振動部34(一対の励振電極)とパッド電極42A、42Bとは電気的に接続され、パッド電極42A、42Bに交流電圧を印加することにより振動部34は所定の共振周波数で振動する。
ここで、第1基部36、第2基部38が圧電振動基板26の長辺方向に互いに離れる方向に変位した場合は、振動部34は引張応力を受けるので共振周波数は高くなり、逆に互いに近づく方向に変位した場合は、振動部34は圧縮応力を受けるので共振周波数は低くなる。
また圧電振動基板26の側面には第2の凸部46が複数形成されている。第2の凸部46は、圧電振動基板26の長辺(枠部28の長辺)を形成する2つの側面に1つずつ、短辺の一方(枠部28の短辺の一方)を形成する側面に2つ形成されている。また第2の凸部46は、スリット30が形成された側面、すなわち一対の接続部32A、32bの側面にもそれぞれ形成されている。よって第2の凸部46は、スリット30が形成された圧電振動基板26の辺(短辺)において、その両端となる位置と、スリット30の幅方向(圧電振動基板26の短辺方向)の両端となる位置と、の間の位置においてスリット30を挟むように一対で配置されることになる。この第2の凸部46は、後述の第2の梁72A、72Bをダイシングで切断することにより形成される。そして第2の凸部46は第1の凸部24に積層される。
第2基板48は、振動部34に力を伝達するダイアフラム56を有する基板である。第2基板48は、圧電振動基板26に対向する面に凹部50を有する。この凹部50は振動部34、第1基部36、第2基部38、支持部40A、40Bに対向する位置に形成されている。この凹部50により凹部50の周囲には、第2基板48の周縁に沿って外形が形成された外周部52が配置され、外周部52は、圧電振動基板26の枠部28に積層される。よって圧電振動基板26を構成する接続部32A、32Bは、第2基板48の積層後も外部に露出することになる。
一方、凹部50の第1基部36に対向する位置には凸状の力伝達部54Aが配置され、第2基部38に対向する位置には凸状の力伝達部54Bが配置される。そして、積層後に力伝達部54Aは第1基部36と接合し、力伝達部54Bは第2基部38に接合する。さらに凹部50の底面は、外力により撓み変形するダイアフラム56となっている。また、第2基板48の側面には第3の凸部58が配置されている。第3の凸部58は、第2基板48の長辺を形成する側面に1つずつ、一方の短辺を形成する側面に2つ配置されている。この第3の凸部58は後述の第3の梁76A、76Bをダイシングで切断することにより形成される。そして第3の凸部58は第2の凸部46に積層される。
さらに、第2基板48のスリット30に対向する側面には剥離痕60(図4参照)が形成されている。この剥離痕60は、後述のように、第3の梁76Bを、第2基板48の側面であって、この剥離痕60が形成される位置に形成して、積層時に第3の梁76Bを剥離した際に生じるものである。よって、第3の梁76B(剥離痕60)は、スリット30に対向する辺(短辺)において、その両端となる位置と、積層方向から見てスリット30を幅方向の両端となる位置から挟む位置、との間の位置においてスリット30を挟むように一対で形成される。
図4に示すように、圧電デバイス10は、第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48の順に積層して形成されるが、各基板間には接着剤による接着層62が形成される。このとき、第1基板14の外周部18と圧電振動基板26の枠部28とが接合し、マウント部22Aと接続部32Aとが接合し、マウント部22Bと接続部32Bが接合する。また圧電振動基板26の枠部28は第2基板48の外周部52と接合し、第1基部36は力伝達部54Aに接合し、第2基部38は力伝達部54Bに接合する。そして第2の凸部46は、第1の凸部24及び第3の凸部58に挟まれる形で、第1の凸部24、第3の凸部58に接合する。
このような積層構造の場合、これら構成要素の接合面が積層後に露出しないように設計することが好適である。これにより、層間の接着層62を形成する接着剤が圧電デバイス10の側面に流出することを防止し、この流出した接着剤による圧電デバイス10全体応力分布のバラつきに起因する振動部34の特性のバラつきを抑制し、圧電デバイス10の特性のバラつきを抑制することができる。
そして、上述のように各基板を積層することにより、内部空間13を有するパッケージ12が形成され、上面にはダイアフラム56が配置され、下面にはマウント部22A、22Bが配置され、マウント部22A上であって圧電振動基板26が露出した位置には接続部32A(パッド電極42A)が配置され、マウント部22B上であって圧電振動基板26が露出した位置には接続部32B(パッド電極42B)が配置された圧電デバイス10となる。よって、例えば内部空間13を真空とすることにより、真空を基準とした圧力を測定可能な圧電デバイス10となる。
上記構成において、ダイアフラム56に圧力が印加されると、ダイアフラム56は内部空間13側に撓み変形する。これにより力伝達部54A、54Bは互いに離間する方向に変位し、力伝達部54Aに接続された第1基部36、力伝達部54Bに接続された第2基部38に互いに離間する方向に力を受ける。よって、振動部34には引張応力が印加され振動部34の共振周波数が高くなる。したがって、振動部34の共振周波数の変化量をモニターすることによりダイアフラム56に印加された圧力を検知可能な圧電デバイス10となる。
なお、本実施形態では、振動部を2つの柱状ビームにより構成しているが、これを1つの柱状ビーム(シングルビーム)により構成することもできる。これにより、柱状ビームに対して第1基部36、第2基部38から印加される力が大きくなるので、共振周波数の変化量が大きくなり、圧電デバイス10の感度を向上させることができる。また振動部34を2つ以上の柱状ビームにより構成することが可能である。この場合、各柱状ビームの振動に対称性を持たせることにより、振動漏れを抑制してQ値の高い圧電デバイス10とすることができる。本実施形態のように柱状ビームが2つの場合は、柱状ビームの長手方向の中央が互いに離れ、且つ互いに近づく変位を繰り返す振動とすることにより一対の振動ビームは対称性を有する振動となり、外部への振動漏れを抑制することができる。
図1に、第1実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第1実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図を示す。本実施形態のウェハの積層構造64は、第1基板14に対応する複数の第1の個片が配置されるとともに、互いに隣り合う第1の個片同士を第1の梁68A、68Bで連結して形成された第1ウェハ66を有する。また圧電振動基板26に対応する複数の第2の個片が配置されるとともに、互いに隣り合う第2の個片同士を第2の梁72A、72Bで連結して形成され第1ウェハに66積層された圧電振動ウェハ70を有する。さらに、第2基板48に対応する複数の第3の個片が配置されるとともに、互いに隣り合う第3の個片同士を第3の梁76A,76Bで連結して形成され圧電振動ウェハ70に積層された第2ウェハ74を有する。
ここで、第1の個片、第2の個片、第3の個片は、それぞれ各ウェハにおいてダイシングされる前の第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48であり、図中において、それぞれ第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48と同一番号が付されたものである。そして、第1ウェハ66、圧電振動ウェハ70、第2ウェハ74と積層することにより、第1の個片、第2の個片、第3の個片による積層構造体が形成される。よって、ウェハの積層構造64において、互いに隣り合う積層構造体同士が、第1の梁68A、68B、第2の梁72A、72B、第3の梁76A、76Bにより連結された形となる。また本実施形態において、第1の梁68Bは、第1基板14のスリット20により二分された一辺(短辺)の外側端部と、スリット20と、の間となる位置で接続されている。また、第2の梁72Bは、圧電振動基板26のスリット30により二分された一辺(短辺)の外側端部と、スリット30と、の間となる位置で接続されている。
そして、図1に示すように、このウェハの積層構造64に対して二点鎖線で囲まれた範囲をダイシング領域(D)とするダイシングブレード94(図6)によりダイシングを行なうことにより、積層構造体がウェハの積層構造64から分離され、複数の圧電デバイス10を個片化することができる。
第1ウェハ66は、第1基板14(第1の個片)と同一の厚みとなる水晶基板により形成され、第1基板14をアレイ状に配置した上で、互いに隣接する第1基板14を第1の梁68A、68Bで連結するように水晶基板を刳り貫いて形成される。ここで、第1基板14の長辺同士が対向する位置では1本の第1の梁68Aで連結している。一方、マウント部22A、22B(スリット20)が配置された一の第1基板14の短辺と、前記短辺に対向する他の第1基板14の短辺との間は2本の第1の梁68Bにより連結されており、第1の梁68Bはマウント部22A、22Bにそれぞれ接続されている。
圧電振動ウェハ70は、上述のZ′軸を法線に持つ主面を有し、圧電振動基板26と同一の厚みとなる水晶基板により形成されている。そして、圧電振動基板26(第2の個片)をアレイ状に配置した上で、互いに隣接する圧電振動基板26を第2の梁72A、72Bで連結するように水晶基板を刳り貫いて形成される。ここで、圧電振動基板26の長辺同士が対向する位置では1本の第2の梁72Aで連結している。一方、接続部32A、32B(スリット30)が配置された一の圧電振動基板26の短辺と、前記短辺に対向する他の圧電振動基板26の短辺との間は2本の第2の梁72Bにより連結されており、第2の梁72Bは接続部32A、32Bにそれぞれ接続されている。
第2ウェハ74は、第2基板48(第3の個片)と同一の厚みとなる水晶基板により形成され、第2基板48をアレイ状に配置した上で、互いに隣接する第2基板48を第3の梁76A、76Bで連結するように水晶基板を刳り貫いて形成される。ここで、第2基板48の長辺同士が対向する位置では1本の第3の梁76Aで連結している。一方、第2基板48の短辺同士が対向する位置では2本の第3の梁76Bにより連結している。そして、第3の梁76Bは、積層後に接続部32A、32Bに対向する位置及び、前記位置に連続しダイシングにより消失する部分の一部となる位置は、圧電振動基板26に対向する面側から掘り込まれて第3の梁76Bの他の部分の厚みより薄く形成されている(図1左上拡大図、図6参照)。よって第2ウェハ74を圧電振動ウェハ70に積層すると、第3の梁76Bと接続部32A、32Bとの間には隙間78が形成される(図6参照)。また第3の梁76Bの第2基板48との接続位置には厚み方向に切り込み80が形成されている(図6参照)。
図5に、図2のB−B線断面図を示し、図5(a)は第1基板、圧電素子基板、第2基板の断面図、図5(b)は図5(a)における圧電素子基板の拡大図を示す。本実施形態において、第1ウェハ66、第2ウェハ74は、サンドブラストにより外形を形成し、圧電振動ウェハ70はエッチングにより外形を形成することが好適である。
第1基板14及び第1の梁68A、68Bは、第1基板14の母基板となる第1ウェハ66(図1参照)の両面から研削して外形を形成する。第2基板48及び第3の梁76A、76Bは、第2基板48の母基板となる第2ウェハ74(図1参照)の片面から研削して外形を形成する。また積層後に接続部32A、32Bに対向する第3の梁76Bは、圧電振動基板26に対向する面側からサンドブラストにより薄肉に形成する。
サンドブラストは、シリカ等の研削用粒子をエアとともに対象となる基板に吹き付けて機械的に基板を研削するものであるが、深さ方向を研削すると同時に横方向にも研削が進行する。例えば、サンドブラストにより基板に穴を形成すると、穴の底部から開口部に向かうにつれて内径が大きくなるテーパー状の穴が形成される。このため、基板の外形をサンドブラストにより形成すると、基板の側面は上述のテーパー状の穴を一方向に移動させて得られる軌跡として形成され、側面の法線は基板の法線と直交せず傾斜することになる。
よって、図5(a)に示すように、第1ウェハ66の両面からサンドブラストを行って第1基板14の外形を形成する場合は、第1基板14の側面は、厚み方向の中央部の側面が尖った形となる。また第1の梁68A、68Bも、第1基板14の厚み方向の中央部で側面が尖った形となる。
また、図5(a)に示すように、第2ウェハ74の圧電振動基板26に対向する面側からサンドブラストを行なって第2基板48の外形を形成する場合は、第2基板48の側面の法線が圧電振動基板26に対向する面側に傾斜することになる。また第3の梁76A、76Bも、その側面の法線が圧電振動基板26に対向する面側に傾斜することになる。なお、第1基板14の凹部16は、上述のサンドブラストにより形成してもよく、またエッチングにより形成してよい。また第2基板48の凹部50(ダイアフラム56)は、サンドブラストにより形成し、サンドブラストにより生じた凹部50(ダイアフラム56)への残留応力及び表面粗さを除去するため、短時間エッチングして凹部50(ダイアフラム56)の表面を平坦化するとともに残留応力を除去する。
圧電振動基板26及び第2の梁72A、72Bは、その母基板となる圧電振動ウェハ70(水晶基板)に対して、フッ酸等のエッチング液を用いて、その外形に合わせたエッチングを行なうことにより形成される。一方、水晶は結晶方位に起因したエッチング速度の異方性を有するため、エッチングの進行方向によりエッチングの進行速度が異なる。本実施形態の圧電振動基板26は、上述のようにZ′軸に平行な方向を主面の法線とするとともに、図5(b)の断面図から分かるように、Y′軸に平行な方向を長辺とし、X軸に平行な方向を短辺としている。よって圧電振動基板26においては、図5(b)に示すように、−X軸を向く側面及び+X軸に向く側面において、平坦とはならずに複数の側面が形成される。即ち、−X軸を向く圧電振動基板26の側面では、圧電振動基板26の厚み方向の中央部を境界として第1基板14側に配置された第1側面82と第2基板48側に配置された第2側面84と、の2つの側面が形成される。第1側面82の法線は、第1基板14側に傾斜し、第2側面84の法線は、第2基板48側に傾斜している。
また+X軸を向く圧電振動基板26の側面では、圧電振動基板26の厚み方向の中央部を境界として第1基板14側に配置された第1側面86及び第2側面88、第2基板48側に配置された第3側面90及び第4側面92が形成される。第1側面86は、第2側面88よりも第1基板14側に配置された側面であり、その法線が第1基板14側に傾斜している。第2側面88は中央部を境界とする側面であり、その法線が第1側面86の法線よりもさらに第1基板14側に傾斜している。第3側面90は、第4側面92よりも第2基板48側に配置された側面であり、その法線が第2基板48側に傾斜している。第4側面92は中央部を境界とする側面であり、その法線が第3側面90の法線よりもさらに第2基板48側に傾斜している。よって圧電振動基板26の+X軸側の側面の厚み方向の中央部には、第2側面88及び第4側面92により幅方向が突出し+Y′軸方向に延びる稜線が形成されることになる。したがって、本実施形態では枠部28、振動腕34、第1基部36、第2基部38、第2の凸部46(第2の梁72B)の+X軸側の側面に上述の稜線が形成される(図2、図3、図5(a)参照)。
図6に、第1実施形態のウェハの積層構造においてダイシングを行なう場合の模式図を示し、図6(a)はダイシング前、図6(b)はダイシング後を示す。図1に示すように、ウェハの積層構造64においては、積層後に二点鎖線で囲まれた範囲をダイシング領域(D)とするダイシングブレード94によりダイシングを行なって、複数の圧電デバイス10を個片化することができる。よって図1、図6(a)に示すように、ダイシング領域(D)に沿ってダイシング(フルカット)を行なうと、第1の梁68A、68B、第2の梁72A、72B、第3の梁76A、76Bをダイシングすることになる。そして、図6(a)に示すように、第3の梁76B(第1の梁68B、第2の梁72B)をダイシングする場合は、第3の梁76Bの第2の梁72Bに接合する領域と、第3の梁76Bが薄肉に形成された部分とをダイシングすることになる。よって、ダイシング後の第3の梁76Bは第2の梁72Bから分離する。また、第3の梁76Bの接続部32A、32Bに対向する部分は、第3の梁76Bの他の部分の厚みより薄く形成され、接続部32A,32Bとの間に隙間78が設けられている。これにより、第3の梁76Bは、接続部32A、32Bに積層されることはない。よって、第3の梁76Bは、ウェハの積層構造64から圧電デバイス10を個片化したのち折り取ることができる。また、第3の梁76Bは、接続部32A、32Bに接触することはないので、接続部32Aに配置されたパッド電極42A,接続部32Bに配置されたパッド電極42Bへの損傷を回避することができる。さらに第3の梁76Bの第2基板48に接続する部分には、ハーフダイシング等により切り込み80が形成されているので、図6(b)に示すように、上述のフルカット時の振動で第3の梁76Bは第2基板48から剥離し、第2基板48には剥離痕60が形成される。またフルカット時の振動で第3の梁76Bが剥離しなくても、切り込み80において第3の梁76Bを容易に折り取ることができる。
上述のように本実施形態において、第1の梁68A、68B、第2の梁72A、72B、第3の梁76A、76Bは、アレイ状に配置された圧電デバイス10の間に配置されている。よって、ダイシングに用いるダイシングブレード94を、圧電デバイス10の間に沿って走らせ、第1の梁68A、68B、第2の梁72A、72B、第3の梁76A、76Bを切断することにより圧電デバイス10を個片化することができる。
このとき、第1の梁68Aの一部は、第1の凸部24として第1基板14の長辺に配置され、第1の梁68Bの一部は、第1の凸部24として第1基板14の短辺に配置される。また、第2の梁72Aの一部は、第2の凸部46として圧電振動基板26の長辺に配置され、第2の梁72Bの一部は、第2の凸部46として圧電振動基板26の短辺に配置される。さらに第3の梁72Aの一部は、第3の凸部58として第2基板48の長辺に配置される。そして、第3の梁72Bは、上述のダイシングにより、第2基板48の短辺に第3の凸部58として配置される部分と、第2基板48から分離するとともに第2基板48の接続部32A、32Bに対向する側面に剥離痕60を形成する部分と、に分離する。
上記構成において、第1の梁68A、68B、第2の梁72A、72B、第3の梁76A、76Bは、それぞれ第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48の幅より十分細くなるように設計することができる。よって、ダイシングブレード94の第1ウェハ66、圧電振動ウェハ70、第2ウェハ74との切断時の接触断面積を小さくすることができる。したがって、ダイシングにより発生する振動を抑制して層間の剥離や振動部34の破損を防止して、歩留の高い圧電デバイス10を量産することができる。また、第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48をダイシングすることはないので、ダイシング時の各基板のチッピングを回避することができる。
また本実施形態において、第1の梁68Bは、第1基板14のスリット20により二分された一辺に接続され、第2の梁72Bは、圧電振動基板26のスリット20により二分された一辺に接続され、第3の梁76Bは、第2基板48の接続部32A、32B側の一辺に接続されている。
これにより、第1の梁68B、第2の梁72Bはそれぞれスリット20、スリット30に形成された側面には接続されることはなく、第1の梁68B、第2の梁72Bは、第3の梁76Bよりも短くなる(図1、図6参照)。また第2の梁72Bが、第1の梁68B、第3の梁76Bに挟まれる態様で第1の梁68B、第2の梁72B、第3の梁76Bは接合され、この接合位置においてダイシングが行われる。よって、第1の梁68B及び第2の梁72Bのダイシング位置と、各梁の個片積層体(圧電デバイス10)との接続位置と、が互いに接近するため、ダイシング時の個片積層体(圧電デバイス10)に対するモーメントを小さくすることができる。したがって、ダイシング時に個片構造体(圧電デバイス10)に印加される応力を緩和し、これに起因する個片構造体(圧電デバイス10)の特性のバラつきの発生を抑制することができる。
図7に、第2実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第2実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図を示す。なお、以後の実施形態において、第1実施形態と共通する構成要素については同一の番号を付するものとし、必要な場合を除いてその説明を省略する。
第2実施形態のウェハの積層構造110および圧電デバイス100は、基本的には第1実施形態と構成が共通するが、第2実施形態において、第1の梁102は、スリット20により二分された第1基板14の一辺(短辺)のスリット20により形成された端部に接続されている。また、第2の梁104は、スリット30により二分された圧電振動基板26の一辺(短辺)のスリット30により形成された端部に接続されている。さらに、第3の梁106は、接続部32A、32Bのスリット20、30側に積層されている。
すなわち、第1の梁102は、スリット20が形成された第1基板14の辺(短辺)において、スリット20の幅方向の両端となる位置でスリット20を挟むように一対で配置されている。また、第2の梁104は、スリット30が形成された圧電振動基板26の辺(短辺)において、スリット30の幅方向の両端となる位置でスリット30を挟むように一対で配置されている。さらに第3の梁106は、スリット30(スリット20)に対向する第2基板48の辺(短辺)において、積層方向から見てスリット30(スリット20)の幅方向の両端となる位置でスリット30(スリット20)を挟むように一対で配置されている。そして、第3の梁106は、各ウェハの積層後に接続部32A、32Bに積層される。
第1の梁102、第2の梁104は、ウェハの積層後のダイシングにより、それぞれ第1の凸部24、第2の凸部46となる。またウェハの積層により接続部32A、32Bに積層される第3の梁106は、ウェハの積層後のダイシングにより延出部108として接続部32A、32B上に配置される。また残りの第3の梁106はウェハの積層後のダイシングにより第3の凸部58となる。
上記構成において、第1の梁102、第2の梁104、第3の梁106をダイシングして圧電デバイス100を個片化したとき、第3の梁106の接続部32A、32Bに積層した部分(延出部108)は、積層方向から見てスリット30(スリット20)の幅方向の両端となる位置に残ることになる。したがって、一対のパッド電極42A、42B間に第3の梁106(延出部108)が障壁として配置されることになるので、パッド電極42A、42B間の短絡を防止することができる。
なお、本実施形態において、第3の梁106の接続部32A、32Bに積層される部分(延出部108)は、第1実施形態のように薄肉に形成する必要はない。また第1ウェハ66、圧電振動ウェハ70、第2ウェハ74のダイシングの位置は第1実施形態と同様である。
図8に、第3実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第3実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図を示す。第3実施形態のウェハの積層構造130および圧電デバイス120は、基本的には第1実施形態と構成が共通するが、第1の梁122は、第1基板14のスリット20により二分された一辺(短辺)の外側端部となる位置に接続され、第2の梁124は、圧電振動基板26のスリット30により二分された一辺(短辺)の外側端部となる位置に接続され、第3の梁126は、接続部32A、32Bの外側端部に積層されている。
すなわち、第1の梁122は、第1基板14のスリット20が形成された辺(短辺)の両端となる位置でスリット20を挟むように一対で配置されている。また、第2の梁124は、圧電振動基板26のスリット30が形成された辺(短辺)の両端となる位置でスリット30を挟むように一対で配置されている。さらに第3の梁126は、第2基板48のスリット30(スリット20)に対向する辺(短辺)の両端となる位置でスリット30(スリット20)を挟むように一対で配置されている。第3の梁126は、各ウェハの積層後に接続部32A、32Bに積層されている。
第1の梁122、第2の梁124は、ウェハの積層後のダイシングにより、それぞれ第1の凸部24、第2の凸部46となる。また、ウェハの積層により接続部32A、32Bに積層される第3の梁126は、ウェハの積層後のダイシングにより延出部128として接続部32A、32B上に配置される。また残りの第3の梁126はウェハの積層後のダイシングにより第3の凸部58となる。
圧電デバイス10を実装後パッド電極にワイヤー196(図14参照)を接続したのち、パッド電極42A、42Bのワイヤー接続部を保護するため、ワイヤー196のパッド電極42A、42Bとの接合部分に導電性の接着剤を塗布する場合がある。一方、本実施形態において、第1の梁122、第2の梁124、第3の梁126をダイシングして圧電デバイス120を個片化したとき、第3の梁126の接続部32A、32Bに積層した部分(延出部128)は、圧電振動基板26の周縁に沿ってそのまま残ることになる。したがって、ワイヤー196に塗布する接着剤の圧電デバイス120の側面への流れ出しを防止して、ワイヤー196の保護を効率よく行うことができる。
図9に、第4実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図を示す。図10に、第4実施形態の圧電デバイスの模式図であり、図10(a)は圧電デバイスを構成する圧電素子基板の下面を示し、図10(b)は図8のウェハの積層構造を個片化して得られる第3実施形態の圧電デバイスの斜視図である。また、図11に、第4実施形態の圧電デバイスの拡大斜視図である。第4実施形態のウェハの積層構造162及び圧電デバイス140において、第1の梁142は、第1基板14のスリット20が形成された辺(短辺)において、その両端となる位置と、スリット20の幅方向の両端となる位置と、の間となる位置でスリット20を挟むように一対で配置されている。
第2の梁144は、圧電振動基板26のスリット30が形成された辺(短辺)において、その両端となる位置と、スリット30の幅方向の両端となる位置と、の間となる位置でスリット30を挟むように一対で配置されている。第3の梁146は、第2基板48のスリット30(スリット20)に対向する辺(短辺)において、その両端となる位置と、積層方向から見てスリット30(スリット20)の幅方向の両端となる位置と、の間となる位置でスリット30(スリット20)を挟むように一対で配置されるとともに接続部32A、32Bに積層されている。
第1の梁142、第2の梁144は、ウェハの積層後のダイシングにより、それぞれ第1の凸部24、第2の凸部46となる。またウェハの積層により接続部32A、32Bに積層される第3の梁146は、ウェハの積層後のダイシングにより延出部148として接続部32A、32Bに配置される。また残りの第3の梁146はウェハの積層後のダイシングにより第3の凸部58となる。
接続部32Aは、第3の梁146(延出部148)が接続部32Aに積層されることにより、スリット30に隣接する第1の分割接続部150Aと、第3の梁146により第1の分割接続部150Aと隔てられた第2の分割接続部152Aとに分割される。
同様に、接続部32Bは、第3の梁146(延出部148)が接続部32Bに積層されることにより、スリット30に隣接する第1の分割接続部150Bと、第3の梁146により第1の分割接続部150Bと隔てられた第2の分割接続部152Bとに分割される。
圧電振動基板154は、上述の振動部34、第1基部36、第2基部38、支持部40A、40B、枠部28を有する。また圧電振動基板154は、一対の基部(第1基部36、第2基部38)、または枠部28に接続された音叉型圧電振動片156と、第1の分割接続部150Aに配置され、音叉型圧電振動片156に電気的に接続する第2のパッド電極158Aと、第1の分割接続部150Bに配置され、音叉型圧電振動片156に電気的に接続する第2のパッド電極158Bと、を有する。そして、本実施形態において、振動部34に電気的に接続するパッド電極42Aは、第2の分割接続部152Aに配置され、パッド電極42Bは第2の分割接続部152Bに配置される。
音叉型圧電振動片156は、2本の振動腕により形成されている。そして振動腕には一対の励振電極(不図示)が形成されている。そして、一対の励振電極(不図示)のうちの一方の励振電極(不図示)と第2のパッド電極158Aとは引出電極160Aを介して電気的に接続され、他方の励振電極(不図示)と第2のパッド電極158Bとは引出電極160Bを介して電気的に接続される。
引出電極160Aは、一方の励振電極(不図示)から枠部28の第1基板14に対向する面を経由し、スリット30の内側の側面を経由し、第1の分割接続部150A側に配置された第2のパッド電極158Aに接続する。同様に、引出電極160Bは、一方の励振電極(不図示)から枠部28の第1基板14に対向する面であって引出電極160Aと短絡しない部分を経由し、スリット30の内側の側面を経由し、第1の分割接続部150B側に配置された第2のパッド電極158Bに接続する。
一方、振動部34に形成された一対の励振電極(不図示)のうち一方の励振電極(不図示)と第2の分割接続部152Aに配置されたパッド電極42Aとを接続する引出電極44Aは、励振電極(不図示)から枠部28の第2基板48に対向する面を経由してパッド電極42Aに接続する。同様に、一対の励振電極(不図示)のうち他方の励振電極(不図示)と第2の分割接続部152Bに配置されたパッド電極42Bとを接続する引出電極44Bは、励振電極(不図示)から枠部28の第2基板48に対向する面であって引出電極44Aと短絡しない部分を経由してパッド電極42Aに接続する。よって引出電極44A、44Bと引出電極160A、160Bとは互いに短絡することはない。
図9では、音叉型圧電振動片156は、圧電振動基板154と一体的に形成され、枠部28に接続されているが、第1基部36または第2基部38に接続してもよい。また、音叉型圧電振動片156は、温度に対応して共振周波数が変化する。よって音叉型圧電振動片156の共振周波数をモニターすることにより、振動部34の温度を測定することができる。したがって、振動部34の温度を測定することにより振動部34の共振周波数の温度補償を高精度に行うことが可能となる。
上記構成により、パッド電極42A、42Bと第2のパッド電極158A、158Bとは、延出部148(第3の梁146)により互いに隔てられているので、パッド電極42A、42Bと第2のパッド電極158A、158Bとの短絡を防止して音叉型圧電振動片156を有する圧電デバイス140の製造の歩留を高めることができる。
図12に、第5実施形態のウェハの積層構造の分解斜視図と、これを積層したのちに個片化して得られる第5実施形態の圧電デバイス(図中右下)の斜視図を示す。第5実施形態のウェハの積層構造180及び圧電デバイス170は、第1基板14と圧電振動基板154を連通し、第1基板14及び圧電振動基板26のスリット(スリット20、スリット30)が形成された辺に対向する辺を二分するように切り欠く第2のスリット(第2のスリット172、第2のスリット176)が設けられている。圧電振動基板154は、一対の基部(第1基部36、第2基部38)、または枠部28に接続された音叉型圧電振動片156と、第2のスリット176により形成された一対の第2の接続部178A、178Bが形成されている。枠部28は、接続部32A、32Bと第2の接続部178A、178Bとの間に配置されている。そして、第2の接続部178Aには、音叉型圧電振動片156に電気的に接続する第2のパッド電極158Aが配置され、第2の接続部178Aには、音叉型圧電振動片156に電気的に接続する第2のパッド電極158Bが配置される。
ここで、第2の接続部178A、178Bは、接続部32A、32B同様、圧電振動基板154に第2基板48を積層したのちも露出することになる。また第2のスリット172により、第1基板14の第2の接続部178Aが積層される位置には第2のマウント部174Aが形成され、第1基板14の第2の接続部178Bが積層される位置には第2のマウント部174Bが形成される。上記構成により、パッド電極42A、42Bと第2のパッド電極158A、158Bは第2基板48を挟んで互いに反対側に配置されることになる。したがってパッド電極42A、42Bと第2のパッド電極158A、158Bとの短絡を防止して音叉型圧電振動片156を有する圧電デバイス170の製造の歩留を高めることができる。
図13に、本実施形態のウェハの積層構造において、折り取り部を形成した場合の模式図を示し、図13(a)は、第1ウェハ、圧電素子ウェハ、第2ウェハのそれぞれの折り取り部の平面図、図13(b)は第1ウェハ、圧電素子ウェハ、第2ウェハを積層した場合の各折り取り部の側面図を示す。本実施形態は、上述の全ての実施形態に適用可能であるが、第1実施形態を例に説明する。さらに本実施形態では、第1の梁68B、第2の梁72B、第3の梁76Bに適用した場合について説明する。第1実施形態においては、第1の梁68A、68B、第2の梁72A、72B、第3の梁76A、76Bをダイシングすることにより圧電デバイス10を個片化することを前提として述べてきたが、本実施形態により、折り取りによっても個片化することが可能である。
図13(a)に示すように、第1の梁68Bには、第1の折り取り部182が配置され、第2の梁72Bには、第2の折り取り部184が配置され、第3の梁76Bには、第3の折り取り部186が配置されている。第1の折り取り部182は、第1の梁68Bの中央部において、その幅方向及び厚み方向にサンドブラストを施すことにより形成することができる。第3の折り取り部186も、第3の梁76Bの中央部において、その幅方向及び厚み方向にサンドブラストを施すことにより形成することができる。一方、第2の折り取り部184はエッチングにより形成することが可能である。すなわち、第2の折り取り部184を形成するための第2の梁72Bの幅方向のエッチングは、圧電振動基板26の外形(第2の梁72Bを含む)をエッチングで形成する工程と同時に形成することができる。一方、振動部34の発振効率を高めるため、振動部34を構成する柱状ビームに柱状ビームの厚み方向から溝を形成するハーフエッチングを施して柱状ビームの重量を軽減することが行なわれる。この工程は圧電振動基板26の外形を形成したのち、振動部34の厚み方向の両面に行なう。したがって、第2の折り取り部184を形成するための第2の梁72Bの厚み方向のハーフエッチングは、この溝の形成と同時に行うことができ、第2の梁72Bの厚み方向の両面からハーフエッチングを行なうことができる。
このようにして形成された、第1の折り取り部182、第2の折り取り部184、第3の折り取り部186は、積層方向から見て重なるように配置される。したがって各折り取り部に力を印加することにより、各折り取り部を破断させることができる。したがって、ダイシングによらず、第1の梁68B、第2の梁72B、第3の梁76Bを折り取ることができる。同様に、第1の梁68Aにも第1の折り取り部182を形成し、第2の梁72Aに第2の折り取り部184を形成し、第3の梁76Aに第3の折り取り部186を形成し、第1の梁68A、第2の梁72A、第3の梁76Aを破断することができる。これにより、圧電デバイス10を個片化することができる。よって、層間の剥離や振動部34の破損を効率的に防止して、歩留の高い圧電デバイス10を量産することができる。
図14に、本実施形態の電子デバイスを実装基板に搭載する場合の模式図であり、図14(a)は斜視図、図14(b)は第1基板の下面の中央部と実装基板とを接続部材により接合する場合、図14(c)は第1基板に形成されたマウント部と実装基板とを接続部材により接合する場合を示す。本実施形態においても第1実施形態を例にとって説明する。図14(a)に示すように、圧電デバイス10を実装基板192上に搭載した圧電モジュール190を構成することができる。図14(a)に示すように、パッド電極42A、42Bと実装基板上の接続電極194A、194Bをワイヤー196により接続することができる。そして圧電デバイス10と実装基板192の搭載方法としては図14(b)、図14(c)に示す方法で行なうことができる。
図14(b)では、第1基板14の下面の中央部にエポキシ系樹脂等の接合部材198を塗布し、この中央部において一点支持状態で実装基板192に接合している。さらに圧電デバイス10(第1基板14)と実装基板192との間には接合部材198による隙間が形成されるが、この隙間にシリコン系樹脂等による緩衝材200を充填している。
図14(c)では、第1基板14のマウント部22A、22Bの下面に接合部材198をそれぞれ塗布している。そして圧電デバイスの長手方向の一端となるマウント部22A、22Bの2点を固定端とし、圧電デバイス10の長手方向の他端を自由端とした片持ち支持状態で実装基板192に接合されている。そして、図14(b)と同様に圧電デバイス10と実装基板192との間を緩衝材200により充填している。
上記いずれの構成においても、接合部材198と第1基板14との間で熱歪み等の応力が発生するが、この応力は圧電デバイス10を伝播するに従って緩和される。そして、図14(b)に示すように、圧電デバイス10を第1基板の中央部に一点支持状態で実装基板192に実装した場合は、第1基板14の接合部材198が配置された位置から振動部34への経路が最も長くなる。よって効率的に応力を緩和させ振動部34への悪影響を低減させることができる。
また図14(c)に示すように、マウント部22A、22Bにおいて二点支持状態で実装基板192に実装した場合は、マウント部22A、22B間に熱歪み等の応力が発生し得るが、マウント部22A、22Bの間にはスリット20が配置されているので、マウント部22A、22Bは応力に応じて屈曲変形することができる。よってマウント部22A、22Bにおいて応力を緩和させ振動部34への悪影響を低減させることができる。また、マウント部22A、22Bは接続部32A、32Bの真下に配置されることになる。よってマウント部22A、22Bの下面に接合部材198を塗布して、圧電デバイス10を実装基板192に実装する場合は、接続部32A、32B上のパッド電極42A、42Bの真下に接合部材198が来る形となるので、ワイヤー196を容易に接続することができる。
したがって、いずれの場合においても、熱歪み等の応力の伝達を緩和して振動部34への悪影響を低減した圧電モジュール190となる。なお第5実施形態(図12)においては、マウント部22A、22B、第2のマウント部174A、174Bいずれか一方で二点支持を行なうことができる。また圧電デバイス10と実装基板192との間の隙間にシリコン系樹脂等の充填剤を充填することにより、圧電モジュール190の耐衝撃性を高めることができる。
図15に、本実施形態のウェハの積層構造及び圧電デバイスにおいて、振動部としてATカット振動片を用いた場合の分解斜視図と、圧電デバイス(図中右下)の斜視図を示す。また図中左上に圧電振動基板の下面の斜視図を示す。
上記実施形態において、振動部34は柱状ビームを用いたものであったが、図15に示すように、本実施形態の圧電デバイス210において、その振動部202としてATカット振動片を適用することができる。なお、その他の構成要素は、例えば第1実施形態と同様となっている。振動部202の圧電振動基板26の長辺方向の両端には、第1実施形態と同様に第1基部36と第2基部38が接続されている。そして振動部202の両面にはATカット振動片において厚みすべり振動を励振する励振電極204A、204Bが配置されている。
パッド電極42A、42Bは、第1実施形態と同様に接続部32A、32B(上面)に配置されている。このうち、パッド電極42Aは、第2基板48(ダイアフラム56)に対向する励振電極204Aと引出電極206Aを介して接続される。引出電極206Aは、圧電振動基板26の第2基板48に対向する面に配置され、励振電極204Aから、第1基部36、支持部40A、枠部28、接続部32A(上面)を経由してパッド電極42Aに接続する。
一方、パッド電極42Bは、第1基板14に対向する励振電極204Bと引出電極206Bを介して接続される。引出電極206Bは、圧電振動基板26の第1基板14の対向する面に配置され、励振電極204Bから、第1基部36、支持部40A、枠部28、接続部32Bのマウント部22Bに対向する面を経由し、スリット30の側面を経由して接続部32B(上面)に引き出されパッド電極42Bに接続する。よってパッド電極42A、42Bに交流電圧を印加すると振動部202は励振電極204A、204Bに印加された交流電圧により所定の共振周波数で厚みすべり振動を共振する。そして振動部202には第1実施形態と同様にダイアフラム56が受けた圧力に応じた引張応力を受けるため、この応力に応じて共振周波数が変化する。したがって、この共振周波数の変化をモニターすることによりダイアフラム56に印加された圧力を検知することができる。このように本実施形態の圧電デバイス10等の振動部としては双音叉型振動片やATカット振動片を用いることができ、感度の高い圧力センサーとして利用することができる。
いずれの実施形態においても、第1ウェハ66、圧電振動ウェハ70、第2ウェハ74の積層構造を形成したのち、ダイシング(若しくは折り取り)して圧電デバイス10等を個片化する旨説明したが、これに限定されない。即ち、上述の各ウェハにおいて、第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48をそれぞれ個片化したのち、第1基板14、圧電振動基板26、第2基板48を積層して圧電デバイス10等を構築することができる。このとき第1の凸部24、第2の凸部46、第3の凸部58が互いに重なるように配置されているので、各凸部を積層の際のアライメントの目印に用いることができ、積層を容易に行うことができる。またいずれの実施形態においても振動部34(振動部202)の長手方向(第1基部36と第2基部38とを結ぶ線の方向)が圧電デバイス10等の長辺に平行な方向に配置され、スリット20、30が圧電デバイス10等の短辺に配置されているが、振動部34(振動部202)の長手方向を圧電デバイス10等の短辺に平行な方向に配置し、スリット20、30を圧電デバイス10等の長辺に配置してもよい。
また上述の圧電モジュール190において、圧電デバイス10等に電気的に接続する集積回路(不図示)、すなわち振動部34(振動部202)を駆動させるとともに振動部34(振動部202)の周波数の情報を取得可能な集積回路(不図示)を搭載することが可能である、また上述の圧電デバイス10等において、第2基板48を取り払った場合は、振動部34(振動部202)を発振源とする発振器として機能させることができる。したがって、自ら発振する発振器としての機能、または自ら圧力を測定する圧力センサーとしての機能を有する圧電モジュール190を構築することができる。
なお、上述した実施形態では、圧電デバイスとして圧力センサーについて説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものでなく、その技術的範囲内で様々な変形又は変更を加えて実施することができる。
図16に、本実施形態の圧電デバイスにおいて、振動部として音叉型振動片を用いた場合の分解斜視図と、圧電振動基板の下面の模式図を示す。また、図17に、本実施形態の圧電デバイスにおいて、振動部としてATカット振動片を用いた場合の分解斜視図と、圧電振動基板の下面の模式図を示す。
例えば、本発明は、3層以上の構造を有し且つ中間層として圧電振動基板が含まれる温度センサー、圧電振動子等の圧電デバイスに適用することができる。圧電振動基板の振動部としては、図17に示すように音叉型振動片や、図18に示すようにATカット水晶振動片を適用することができる。また、水晶のX軸(電気軸)を中心にして所定の角度だけ回転して得られる回転Y板を用いた水晶振動子、その他のカットで切断された水晶振動子、水晶以外の圧電材料を用いた圧電振動子、等を広く適用できる。
図16においては、第1基板14、振動部212を有する圧電振動基板26、第2基板48からなる3層構造の圧電デバイス11となっている。そして圧電振動基板26において、パッド電極42Aに接続された引出電極214Aが振動部212に配置された励振電極216Aに接続され、パッド電極42Bに接続された引出電極214Bが振動部212に配置された励振電極216Bに接続されている。そして、パッド電極42A、42Bに交流電圧を印加することにより振動部212が屈曲振動をする。
図17においては、第1基板14、振動部218を有する圧電振動基板26、第2基板48からなる3層構造の圧電デバイス11aとなっている。そして圧電振動基板26において、パッド電極42Aに接続された引出電極220Aが振動部218に配置された励振電極222Aに接続され、パッド電極42Bに接続された引出電極220Bが振動部218に配置された励振電極222Bに接続されている。そして、パッド電極42A、42Bに交流電圧を印加することにより振動部218が厚みすべり振動をする。なお、図17、図18における他の構成要素は第1実施形態等と同様なので説明を省略する。
本発明の圧電デバイスは、上述した圧電モジュール以外に、例えば携帯電話、ハードディスク、パーソナルコンピューター、BS及びCS放送用の受信チューナー、同軸ケーブルや光ケーブル中を伝搬する高周波信号や光信号用の各種処理装置、広い温度範囲で高周波・高精度クロック(低ジッタ、低位相雑音)を必要とするサーバー・ネットワーク機器、無線通信用機器等の様々な電子機器、加速度センサー、回転速度センサー等の各種センサー装置にも広く適用することができる。
このような各種センサー装置及び電子機器としては、例えば一般工業用計測機器、電子血圧計、高度・気圧・水深計測機能付き電子機器、携帯機器、自動車などが挙げられる。そして、上述のように外力によるダイアフラムの機械的な変形を電気的信号として計測するものとして圧力センサーは携帯電話機やパソコン等の小型の携帯機器での高度計測に前記圧力センサーを応用してマイクロホンとして利用可能である。
更に、近年注目をされるようになった水素やメタノール等の燃料電池は、軽量化や利便性等に起因して、例えば、ビデオカメラ、ノート型パーソナルコンピューター、携帯用電話機、携帯情報端末機(PersonalDigital Assistants:PDA)、オーディオプレーヤ、プロジェクタ載置台、カプセル型医療機器の通信機能を具備した電子機器といった各種情報処理装置の燃料電池としての用途が考えられる。
図18に、本実施形態の圧電デバイスを燃料電池システムに搭載した場合の系統図を示す。図18に示すように、燃料電池システム224は、水素を燃料として電力を発生させる燃料電池セル226と、該燃料電池セル226に水素を供給する水素吸蔵合金容器228と、該水素吸蔵合金容器228と上記燃料電池セル226との間に配設された圧力検出用の圧力センサー230と、圧力調整弁232と安全弁234とを備えている。この燃料電池システム224において、本発明に係る圧電デバイス10等を圧力センサー230として使用することができる。
図19に、本実施形態の圧電デバイスを車両用情報記録装置に搭載した場合のブロック図を示す。図19に示すように、事故等のイベント発生時前後の必要な時間のみについて、デジタルタコグラフ238とドライブレコーダ248の双方が生成するデータを関連付けて記録し、その後の解析等に有用なデータを提供することが可能な車両用情報記録装置236がある。
この車両用情報記録装置236において、前記デジタルタコグラフ238は、車両の走行状況を検出する走行状況検知手段240と、前記ドライブレコーダ248との間で情報を送受信するデジタルタコグラフ通信手段242と、情報を記録するデジタルタコグラフ記録手段244と、前記走行状況検知手段240から入力した走行状況および前記デジタルタコグラフ通信手段242から受信した情報を受けて、前記デジタルタコグラフ記録手段244に情報を記録するデジタルタコグラフ制御部246と、を有しているが、走行状況検知手段240として、高精度な圧力(高度)検出が可能な本発明に係る圧電デバイス10を圧力センサーとして適用できる。
更に、被測定者にかかる負荷を検出する活動量計側システムにおいて、前記負荷を圧力として検出する場合においては、検出器として、本発明に係る圧力センサー(圧電デバイス10等)を適用できる。
また、警戒モードと、非警戒モードとに設定可能なセキュリティシステムであって、人体の少なくとも一部を検知可能な人体検知手段と、前記人体検知手段が前記人体の少なくとも一部を検知したことに応じて、信号を出力する出力手段と、前記出力手段からの出力信号を受けて、前記警戒モードを設定する警戒モード設定手段と、を備えるセキュリティシステムがある。このセキュリティシステムにおいて、外部からの侵入または異常を検知する異常検知センサーと、前記異常検知センサーが異常を検知したときに警報を発する警報手段とをさらに含み、前記警戒モード設定手段は、前記警戒モードに応じて、前記異常検知センサーと、前記警報手段とによる警戒動作を作動させる。このセキュリティシステムを構成する前記異常検知センサーとして、本発明に係る圧力センサー(圧電デバイス10等)を適用できる。
更に、本発明の電子機器の一例である腕時計型電子機器の本体には、本発明に係る圧力センサー(圧電デバイス10等)を備えることができ、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサー(圧電デバイス10等)を備えた電気機器となる。
更に、特に自動車においては、例えばインテークマニホールド圧若しくはチャージ圧、ブレーキ圧、エアサスペンション圧、タイヤ圧、ハイドロリック貯蔵圧、ショックアブソーバ圧、冷却媒体圧、自動変速機における変調圧、ブレーキ圧、タンク圧用の圧力検出に本発明に係る圧力センサー(圧電デバイス10等)を適用できる。
図20に、本実施形態の圧電デバイスを側面衝突検出装置に搭載した場合の模式図を示す。車両252のサイドドア254の内部に配設された圧力センサー258により、車両252の側面に加わる衝撃を検出する側面衝突検出装置250を構成することができる。この側面衝突検出装置250において、前記圧力センサー258は、圧力を検出するダイアフラム(ダイアフラム56)を有し、そのダイアフラムの受圧面が前記サイドドア254の内部空間256の圧力変動により歪むことを検出することによって車両252の側面に加わる衝撃を検出することができる。そして、例えば、ダイアフラムの受圧面の法線と、水平な前記車両252の前後方向の直線とのなす角を60度から90度に設定することにより、衝突時に圧力センサー252のダイアフラムが衝撃力を受けた場合に、これを圧力変化として検出する度合いを少なくして、圧力の変化をより高精度に検出することができる。この側面衝突検出装置250に用いる圧力センサー250として本実施形態の圧電デバイス10等を適用することができる。
10………圧電デバイス、11………圧電デバイス、11a………圧電デバイス、12………パッケージ、13………内部空間、14………第1基板、16………凹部、18………外周部、20………スリット、22A………マウント部、22B………マウント部、24………第1の凸部、26………圧電振動基板、28………枠部、30………スリット、32A………接続部、32B………接続部、34………振動部、36………第1基部、38………第2基部、40A………支持部、40B………支持部、42A………パッド電極、42B………パッド電極、44A………引出電極、44B………引出電極、46………第2の凸部、48………第2基板、50………凹部、52………外周部、54A………力伝達部、54B………力伝達部、56………ダイアフラム、58………第3の凸部、60………剥離痕、62………接着層、64………積層構造、66………第1ウェハ、68A………第1の梁、68B………第1の梁、70………圧電振動ウェハ、72A………第2の梁、72B………第2の梁、74………第2ウェハ、76A………第3の梁、76B………第3の梁、78………隙間、80………切り込み、82………第1側面、84………第2側面、86………第1側面、88………第2側面、90………第3側面、92………第4側面、94………ダイシングブレード、100………圧電デバイス、102………第1の梁、104………第2の梁、106………第3の梁、108………延出部、110………積層構造、120………圧電デバイス、122………第1の梁、124………第2の梁、126………第3の梁、128………延出部、130………積層構造、140………圧電デバイス、142………第1の梁、144………第2の梁、146………第3の梁、148………延出部、150A………第1の分割接続部、150B………第1の分割接続部、152A………第2の分割接続部、152B………第2の分割接続部、154………圧電振動基板、156………音叉型圧電振動片、158A………第2のパッド電極、158B………第2のパッド電極、160A………引出電極、160B………引出電極、162………積層構造、170………圧電デバイス、172………第2のスリット、174A………第2のマウント部、174B………第2のマウント部、176………第2のスリット、178A………第2の接続部、178B………第2の接続部、180………積層構造、182………第1の折り取り部、184………第2の折り取り部、186………第3の折り取り部、190………圧電モジュール、192………実装基板、194A………接続電極、194B………接続電極、196………ワイヤー、198………接合部材、200………緩衝材、202………振動部、204A………励振電極、204B………励振電極、206A………引出電極、206B………引出電極、210………圧電デバイス、212………振動部、214A………引出電極、214B………引出電極、216A………励振電極、216B………励振電極、218………振動部、220A………引出電極、220B………引出電極、222A………励振電極、222B………励振電極、224………燃料電池システム、226………燃料電池セル、228………水素吸蔵合金容器、230………圧力センサー、232………圧力調整弁、234………安全弁、236………車両用情報記録装置、238………デジタルタコグラフ、240………走行状況検出手段、242………デジタルタコグラフ通信手段、244………デジタルタコグラフ記録手段、246………デジタルタコグラフ制御部、248………ドライブレコーダ、250………側面衝突検出装置、252………車両、254………サイドドア、256………内部空間、258………圧力センサー、300………圧力センサー、302………第1層、308………感圧素子層、310………感圧素子、312………基部、318………第2層、324………ダイアフラム、326………力伝達部、400………圧力センサー、401………第1層、402………感圧素子層、404………枠部、408………振動部、410………パッド電極、412………第2層、414………切欠き部、416………凸部、500………圧電デバイス、502………母基板、504………母基板、506………母基板、600………圧電デバイス、602………感圧素子ウェハ、604………第1のウェハ、606………第2のウェハ、610………溝、612………ダイシングブレード、614………ダイシングブレード、616………第1基板、618………感圧素子基板、620………第2基板。

Claims (25)

  1. 第1基板と、前記第1基板に積層され振動部を有する圧電振動基板と、を備える圧電デバイスに対応する複数の個片積層体を連結して配置したウェハの積層構造であって、
    前記第1基板に対応する複数の第1の個片が配置されるとともに、互いに隣り合う前記第1の個片同士を第1の梁で連結して形成された第1ウェハと、
    前記圧電振動基板に対応する複数の第2の個片が配置されるとともに、互いに隣り合う前記第2の個片同士を第2の梁で連結して形成され前記第1ウェハに積層された圧電振動ウェハと、を有し、
    前記第1の個片及び前記第2の個片には、
    前記第1の個片及び前記第2の個片を連通して前記第1の個片及び前記第2の個片の一辺を二分するように切り欠くスリットが設けられ、
    前記第2の個片は、
    前記スリットを挟んで配置される一対の接続部を有し、
    前記接続部には、
    前記振動部に設けられた励振電極に電気的に接続するパッド電極が配置されたことを特徴とするウェハの積層構造。
  2. 前記第2の個片は、
    前記振動部の両端に接続された一対の基部と、
    前記接続部に横並びに接続され、前記振動部及び前記一対の基部を囲み前記一対の基部を支持した状態で前記第1の個片に積層される枠部と、を有し、
    前記圧電振動ウェハには、
    前記振動部及び前記一対の基部に対向する位置に配置された凹部を有し前記枠部に積層される第3の個片が複数配列され、互いに隣り合う第3の個片同士を第3の梁により連結して形成された第2ウェハが積層されたことを特徴とする請求項1に記載のウェハの積層構造。
  3. 前記第3の個片は、
    前記凹部の底面に配置され、前記一対の基部を支持する一対の支持部が接続されたダイアフラムを有することを特徴とする請求項2に記載のウェハの積層構造。
  4. 前記第1の梁、前記第2の梁、前記第3の梁は、積層方向から見て互いに重なる位置に配置され、
    前記第2の梁は、前記第1の梁及び前記第3の梁に挟まれた状態で、前記第1の梁及び前記第3の梁に接合されていることを特徴とする請求項2または3に記載のウェハの積層構造。
  5. 前記第1の梁は、
    前記第1の個片の前記二分された前記一辺に接続され、
    前記第2の梁は、
    前記第2の個片の前記二分された前記一辺に接続され、
    前記第3の梁は、
    前記第3の個片の前記接続部側の一辺に接続されていることを特徴とする請求項3または4に記載のウェハの積層構造。
  6. 前記第1の梁は、
    前記第1の個片の前記二分された前記一辺の前記スリットにより形成された端部に接続され、
    前記第2の梁は、
    前記第2の個片の前記二分された前記一辺の前記スリットにより形成された端部に接続され、
    前記第3の梁は、
    前記接続部の前記スリット側に積層されたことを特徴とする請求項3または4に記載のウェハの積層構造。
  7. 前記第1の梁は、
    前記第1の個片の前記二分された前記一辺の外側端部となる位置に接続され、
    前記第2の梁は、
    前記第2の個片の前記二分された前記一辺の外側端部となる位置に接続され、
    前記第3の梁は、
    前記接続部の外側端部に積層されたことを特徴とする請求項3または4に記載のウェハの積層構造。
  8. 前記第1の梁は、
    前記第1の個片の前記二分された前記一辺の外側端部と、前記スリットと、の間となる位置で接続され、
    前記第2の梁は、
    前記第2の個片の前記二分された前記一辺の外側端部と、前記スリットと、の間となる位置で接続され、
    前記第3の梁の前記接続部に対向する部分は、前記第3の梁の他の部分の厚みより薄く形成され、前記接続部との間に隙間が設けられたことを特徴とする請求項3または4に記載のウェハの積層構造。
  9. 前記第3の梁の前記接続部に対向する部分の前記第3の個片の外側の主面側には前記第3の梁の厚み方向に切り込みが形成されたことを特徴とする請求項8に記載のウェハの積層構造。
  10. 前記振動部は、少なくとも一以上の柱状ビームにより形成され屈曲振動をすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウェハの積層構造。
  11. 前記振動部は、ATカット振動片により形成され厚みすべり振動をすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のウェハの積層構造。
  12. 前記第1の梁の中央部には、第1の折り取り部が配置され、
    前記第2の梁の前記第1の折り取り部に対向する位置には、第2の折り取り部が配置され、
    前記第3の梁の前記第2の折り取り部に対向する位置には、第3の折り取り部が配置され、
    各折り取り部は、各梁の厚み方向、及び/若しくは、厚み方向に切れ込みを入れることにより形成されたことを特徴とする請求項2乃至11のいずれか1項に記載のウェハの積層構造。
  13. 第1基板と、
    振動部を有し前記第1基板に積層された圧電振動基板と、を有する圧電デバイスであって、
    前記第1基板及び前記圧電振動基板には、
    前記第1基板及び前記圧電振動基板を連通して前記第1基板及び前記圧電振動基板の一辺を二分するように切り欠くスリットが設けられ、
    前記圧電振動基板には、
    前記スリットにより一対の接続部が形成され、
    前記接続部には、
    前記振動部に電気的に接続するパッド電極が配置されたことを特徴とする圧電デバイス。
  14. 前記圧電振動基板は、
    前記振動部の両端に接続された一対の基部と、
    前記接続部が横並びに接続され、
    前記振動部を囲み、前記一対の基部を支持した状態で前記第1基板に積層された枠部と、を有し、
    前記枠部には、
    前記振動部及び前記一対の基部に対向する位置に配置された凹部を有する第2基板が積層されたことを特徴とする請求項13に記載の圧電デバイス。
  15. 前記第2基板の前記接続部側の側面には剥離痕を有することを特徴とする請求項14に記載の圧電デバイス。
  16. 前記第1基板の前記二分された前記一辺に接続された第1の凸部と、
    前記圧電振動基板の前記二分された前記一辺に接続された第2の凸部と、
    前記第2基板の前記スリット側の一辺から延出した延出部と、を有し、
    前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部は、
    積層方向から見て互いに重なるように配置されるとともに前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部の順に積層され、
    前記延出部は、前記接続部に積層されたことを特徴とする請求項14に記載の圧電デバイス。
  17. 前記第1基板の前記二分された前記一辺の外側端部に接続された第1の凸部と、
    前記圧電振動基板の前記二分された前記一辺の外側端部に接続された第2の凸部と、
    前記第2基板の前記接続部側の一辺の外側端部から延出した延出部と、を有し、
    前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部は、
    積層方向から見て互いに重なるように配置されるとともに前記第1の凸部、前記第2の凸部、前記延出部の順に積層され、
    前記延出部は、前記接続部に積層されたことを特徴とする請求項14に記載の圧電デバイス。
  18. 前記圧電振動基板の振動部は、屈曲振動若しくは厚みすべり振動をすることを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
  19. 前記第2基板は、
    前記凹部の底面に配置され、前記一対の基部を支持する一対の支持部が接続されたダイアフラムを有することを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
  20. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイス、または、請求項13乃至19のいずれか1項に記載の圧電デバイス、を実装基板に実装してなる圧電モジュールであって、
    前記圧電デバイスは、
    前記第1基板の前記圧電振動基板と積層する面とは反対面の主面の中央部、または、前記第1基板の前記圧電振動基板と積層する面とは反対面の主面の前記一対の接続部に対向する位置が、接合部材により前記実装基板に接合されることにより前記実装基板に実装されたことを特徴とする圧電モジュール。
  21. 前記第1基板と実装基板との間は充填材で充填されたことを特徴とする請求項20に記載の圧電モジュール。
  22. 前記圧電デバイスに電気的に接続する集積回路を搭載したことを特徴とする請求項20または21に記載の圧電モジュール。
  23. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイス、または、請求項13乃至19のいずれか1項に記載の圧電デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
  24. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のウェハの積層構造から個片化された圧電デバイス、または、請求項13乃至19のいずれか1項に記載の圧電デバイスを備えることを特徴とする電子システム。
  25. アレイ状に複数配置された第1基板と、互いに隣接する前記第1基板同士を連結する第1の梁と、を有する第1ウェハを形成し、
    アレイ状に複数配置されるとともに前記第1基板に積層され、振動部を有する圧電振動基板と、
    互いに隣接する前記圧電振動基板同士を連結するとともに前記第1の梁に積層される第2の梁と、を有する圧電振動ウェハを形成し、
    前記第1基板及び前記圧電振動基板を連通して前記第1基板及び前記圧電振動基板の一辺を二分するように切り欠くスリットを形成し、
    前記スリットにより前記圧電振動基板の一辺に形成された一対の接続部に前記振動部と電気的に接続するパッド電極を配置し、
    前記第1ウェハに前記第2ウェハを積層することにより、前記第1基板と、前記第1基板に積層された圧電振動基板との積層構造を有する圧電デバイスを複数形成し、
    前記第1の梁及び前記第2の梁を切断することにより、前記圧電デバイスを個片化することを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015119911A (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 セイコーエプソン株式会社 生体情報検出装置

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