(実施の形態)
本実施の形態にかかる情報処理システムは、本体機器と拡張機器とを備えている。以下、本体機器の構成、拡張機器の構成、本体機器を拡張機器へ装着する際の動作等について説明する。なお、本実施の形態では、本体機器の一例として、単一筐体からなるコンピューター装置を挙げている。また、本実施の形態では、拡張機器の一例として、コンピューター装置に電気的に接続可能であるとともに、コンピューター装置を機械的に保持可能な機器を挙げている。本実施の形態の拡張機器は、例えば「クレードル」と呼ばれている機器である。
〔1.コンピューター装置の構成〕
〔1−1.コンピューター装置単体の構成〕
図1Aは、本実施の形態にかかるコンピューター装置の正面図である。図1Bは、本実施の形態にかかるコンピューター装置の背面図である。図1Cは、本実施の形態にかかるコンピューター装置の側面図である。
コンピューター装置1は、本体機器の一例である。本実施の形態にかかる本体機器は、一例として単一筐体からなる携帯型のコンピューター装置1を挙げたが、少なくとも拡張機器に着脱可能な本体機器であれば、コンピューター装置以外の機器であってもよいし、単一筐体にも限定されない。コンピューター以外の機器としては、例えばPDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機、携帯電話端末、携帯型音楽プレーヤー等がある。また、単一筐体以外の機器としては、例えばノート型パーソナルコンピューター等のようにヒンジ機構で互いに支持された2つの筐体からなる機器がある。
コンピューター装置1は、筐体内に中央処理装置(CPU)や記憶素子等の電子部品が配されている。コンピューター装置1は、前面1a、背面1b、上面1c、下面1d、側面1e、および側面1fを有する略直方体の筐体で外郭が覆われている。なお、コンピューター装置1の側面1eおよび1fは、例えばユーザーが操作する状態で視認する方向で規定し、特定する必要がある場合には1eを左側面、1fを右側面と称する。また、コンピューター装置1の形状は、直方体に限らず、少なくとも本実施の形態の拡張機器に装着することができれば他の形状であってもよい。
図1A及び図1Cに示すように、コンピューター装置1は、前面1aにディスプレイパネル2を備えている。ディスプレイパネル2は、様々な映像を表示可能であり、例えば液晶ディスプレイパネルで構成することができる。ディスプレイパネル2は、指やスタイラスペン等による接触を検出することができるタッチパネルを備えていてもよい。
コンピューター装置1は、前面1aに、第1の位置決め凹部3及び第2の位置決め凹部4を備えている。第1の位置決め凹部3は、前面1aにおける下面1d及び左側面1eの近傍に形成されている。第2の位置決め凹部4は、前面1aにおける下面1d及び右側面1fの近傍に形成されている。第1の位置決め凹部3及び第2の位置決め凹部4は、本実施の形態では図1Aに示すように開口部分の形状を四角形としたが、他の形状であってもよい。
図1B及び図1Cに示すように、コンピューター装置1は、背面1bに、案内凹部5及びコネクタ6を備えている。案内凹部5は、背面1bにおける下面1dの近傍で、背面1bの長手方向の中央に形成されている。案内凹部5は、背面1bにおいて、上面1cから下面1dに向かう方向に沿って長尺に形成されている。コネクタ6は、拡張機器30に備わるコネクタ39(後述)に電気的に接続可能である。コネクタ6は、コンピューター装置1と拡張機器30との間で情報通信等を行う際に用いられる。
〔1−2.把持部材が装着されたコンピューター装置の構成〕
図2Aは、本実施の形態にかかる把持部材10を備えたコンピューター装置1の正面図である。図2Bは、本実施の形態にかかる把持部材10を備えたコンピューター装置1の背面図である。図2Cは、本実施の形態にかかる把持部材10を備えたコンピューター装置1の側面図である。図2Dは、本実施の形態にかかる把持部材10を備えたコンピューター装置1の上面図である。
コンピューター装置1の上面1cには、ハンドグリップ11を固定するためのネジ16(図2D参照)を螺合するネジ穴(後述)が形成されている。また、コンピューター装置1の背面1bには、グリップベルト12を固定するためのネジ16(図2B参照)を螺合するネジ穴(後述)が形成されている。
把持部材10は、ハンドグリップ11、グリップベルト12、および連結部13を備えている。
ハンドグリップ11は、コンピューター装置1の上面1cに固定されている。ハンドグリップ11は、略「C」形状に形成されているため、コンピューター装置1の上面1cに固定されている状態において、コンピューター装置1との間に空隙10aが形成される。空隙10aは、幅寸法W22、高さ寸法H22、および奥行き寸法D22を有し、ユーザーの手(例えば第2指、第3指、第4指、および第5指)が挿通する大きさとしている。
グリップベルト12は、コンピューター装置1の背面1bに固定されている。グリップベルト12は、略「C」形状に形成されているため、コンピューター装置1の背面1bに固定されている状態において、コンピューター装置1との間に空隙10bが形成される。空隙10bは、幅寸法W23、高さ寸法H23、および奥行き寸法D23を有し、ユーザーの手が挿通する大きさとしている。
連結部13は、ハンドグリップ11とグリップベルト12とを連結している。連結部13は、ハンドグリップ11がコンピューター装置1の上面1cに固定され、グリップベルト12がコンピューター装置1の背面1bに固定されている状態において、屈曲または湾曲変形している。
図3は、把持部材10の斜視図である。
把持部材10は、ハンドグリップ11、グリップベルト12、および連結部13が一体結合して構成されている。把持部材10は、伸縮および圧縮変形すると共にこの伸縮や圧縮から元の形状に復帰する復元性(以下、これらを弾性変形可能と称する)を有する軟質材料で形成することが好ましく、本実施の形態では一例としてシリコーンゴムで形成した。なお、把持部材10は、本実施の形態では単一材料により一体形成したが、ハンドグリップ11、グリップベルト12、および連結部13をそれぞれ異なる材料を用いて形成してもよい。
ハンドグリップ11は、把持部11a、凹部11b、凹部11c、孔部11d、および孔部11eを備えている。把持部11aは、ユーザーが手で把持する部位である。把持部11aは、ハンドグリップ11がコンピューター装置1の上面1cに固定されている状態において、コンピューター装置1の上面1cに対して空隙10a(図2A参照)を挟んで対向配置している。把持部11aは、ユーザーが手で握り易くするとともに剛性を確保するために、断面形状が円形、楕円形、半円形または半楕円形の他、ユーザーの手や指の形状に沿う凹凸を形成する等が好ましい。凹部11bは、把持部11aの長手方向における一方の端部側に形成されている。凹部11cは、把持部11aの長手方向における他方の端部側に形成されている。凹部11b及び11cは、ハンドグリップ保護部材14(後述)を嵌合する大きさを有する。孔部11dは、凹部11b内において、下面11fに到るまで貫通形成されている。孔部11eは、凹部11c内において、下面11gに到るまで貫通形成されている。下面11f及び11gは、ハンドグリップ11がコンピューター装置1の上面1cに固定されている状態において、上面1cに当接する面である。
グリップベルト12は、ベルト部12a、凹部12b、凹部12c、および孔部12d乃至12gを備えている。ベルト部12aは、グリップベルト12がコンピューター装置1の背面1bに固定されている状態において、コンピューター装置1の背面1bに対して空隙10b(図2D参照)を挟んで対向配置している。ベルト部12aは、空隙10b(図2D参照)にユーザーの手が挿通されている状態において、ユーザーの手の甲に隙間を挟んで対向するかまたは当接する。ベルト部12aは、柔軟性を確保するために薄肉に形成されていることが好ましい。ベルト部12aを薄肉に形成することで、ベルト部12aが空隙10b(図2D参照)に挿通されているユーザーの手の甲に対して、弾性変形可能に接触するため、ユーザーの手がベルト部12aに好適にフィットし易くなる。凹部12bは、ベルト部12aの長手方向における一方の端部側に形成されている。凹部12cは、ベルト部12aの長手方向における他方の端部側に形成されている。凹部12b及び12cは、グリップベルト保護部材15(後述)を嵌合できる大きさを有する。孔部12d及び12eは、凹部12b内において、下面12mに到るまで貫通形成されている。孔部12f及び12gは、凹部12c内において、下面12hに到るまで貫通形成されている。下面12m及び12hは、グリップベルト12がコンピューター装置1の背面1bに固定されている状態において、背面1bに当接する面である。
連結部13は、第1の連結部13aと第2の連結部13bとを備えている。第1の連結部13aは、一方の端部がハンドグリップ11の長手方向における一方の端部に一体結合され、他方の端部がグリップベルト12の長手方向における一方の端部に一体結合されている。第2の連結部13bは、一方の端部がハンドグリップ11の長手方向における他方の端部に一体結合され、他方の端部がグリップベルト12の長手方向における他方の端部に一体結合されている。第1の連結部13aは、薄肉部13cが形成されている。第2の連結部13bは、薄肉部13dが形成されている。薄肉部13c及び13dは、第1の連結部13a及び第2の連結部13bにおける他の部位の厚さよりも薄く形成されている。連結部13は、薄肉部13c及び13dを備えることにより、連結部13を曲げた際に生じる圧縮力と張力とを、薄肉部を備えない連結部に比べて低くすることができるため、亀裂等の損傷が生じにくい。なお、連結部13が弾性変形可能な材質の場合、薄肉部13cは省略することもできる。
図4は、ハンドグリップ保護部材14の斜視図である。ハンドグリップ保護部材14は、孔部14aを備え、2つの角と1つの円弧とを有する外形形状を端面14dとする柱状に形成されている。ハンドグリップ保護部材14は、ハンドグリップ11よりも硬い材料で形成され、本実施の形態では一例としてポリアセタール樹脂で形成した。ハンドグリップ保護部材14は、ハンドグリップ11をコンピューター装置1にネジ(後述)で固定する際に、ネジ(後述)の頭部からハンドグリップ11を保護するための部材である。ハンドグリップ保護部材14は、孔部14aを備える端面14d、および端面14dの反対側の端面14eには内部に孔部14cを有する突起部14bが形成されている。なお、ハンドグリップ保護部材14は、少なくともハンドグリップ11の凹部11b及び11cに嵌合しているときに、凹部11b及び11c内において回転しない形状であればよく、端面14dおよび14eの形状以外の形状であってもよい。このような構成とすることにより、ネジ(後述)を螺結し易く、ハンドグリップ保護部材14でネジ(後述)の緩みを防止することができる。
孔部14aは、少なくともネジ(後述)の頭部を挿通する内径を有する。突起部14bは、円筒形状に形成されている。突起部14bは、グリップベルト11に形成されている孔部11d及び11eに嵌合する外径を有する。孔部14cは、突起部14bに貫通形成されている。孔部14cは、少なくともネジ(後述)の雄ネジ部の外径よりも大きく、ネジ(後述)の頭部の外径よりも小さい内径を有する。孔部14aと孔部14cとは、中心が互いに一致し、連続的に設けられている。
図5は、グリップベルト保護部材15の斜視図である。グリップベルト保護部材15は、基本的に四角柱形状に形成されている。グリップベルト保護部材15は、グリップベルト12よりも硬い材料で形成され、本実施の形態では一例としてポリアセタール樹脂で形成した。グリップベルト保護部材15は、グリップベルト12をコンピューター装置1にネジ(後述)で固定する際に、ネジ(後述)の頭部からグリップベルト12を保護するための部材である。グリップベルト保護部材15は、孔部15a、孔部15b、突起部15c、突起部15d、孔部15e、および孔部15fが形成されている。なお、グリップベルト保護部材15は、グリップベルト12の凹部12b及び12cに嵌合しているときに、ネジ(後述)で螺結する際に凹部12b及び12c内において少なくとも回転しない形状であればよい。このような構成とすることにより、ネジ(後述)を螺結し易く、グリップベルト保護部材15でネジの緩みを防止することができる。
孔部15a及び15bは、少なくともネジ(後述)の頭部を挿通する内径を有する。突起部15c及び15dは、円筒形状に形成されている。なお、後述するが、グリップベルト保護部材15は穴部12bと12cの両方に嵌合させることができる構成のため、突起部15c及び15dは、ハンドグリップ12に形成した孔部12d乃至12gに嵌合する外径を有する。孔部15e及び15fは、突起部15c及び15dに貫通形成されている。孔部15e及び15fは、少なくともネジ(後述)の雄ネジ部の外径よりも大きく、ネジ(後述)の頭部の外径よりも小さい内径を有する。孔部15aと孔部15eとは、中心が互いに一致し、連続的に設けられている。孔部15bと孔部15fとは、中心が互いに一致し、連続的に設けられている。
図6は、ハンドグリップ保護部材14、グリップベルト保護部材15、連結部13およびネジ16で構成される把持部材10の分解斜視図である。図7A、図7B、および図7Cは、把持部材10をコンピューター装置1へ取り付ける際の遷移を示す側面図である。なお、図6、図7A、図7B、および図7Cに示すハンドグリップ保護部材141及び142は、図4に示すハンドグリップ保護部材14と同一である。また、図6、図7B、および図7Cに示すグリップベルト保護部材151及び152は、図5に示すグリップベルト保護部材15と同一である。
まず、図6に示すように、ハンドグリップ保護部材141をハンドグリップ11の凹部11bに嵌合させ、ハンドグリップ保護部材142をハンドグリップ11の凹部11cに嵌合させる。嵌合の際、ハンドグリップ保護部材141に備わる突起部(図4に示す突起部14b)を、ハンドグリップ11に備わる孔部11d及び11eに嵌合させる。なお、ハンドグリップ保護部材141及び142は、いずれも図4に示す構成を有し、互いに同一形状である。したがって、ハンドグリップ保護部材141をハンドグリップ11の凹部11cに嵌合させることもできる。
次に、図7Aに示すように、ネジ16でハンドグリップ11をコンピューター装置1の上面1cに固定する。具体的には、ハンドグリップ保護部材141及び142が嵌合されたハンドグリップ11の下面11f及び11gを、コンピューター装置1の上面1cに当接させる。このとき、ハンドグリップ11の孔部11dと、ハンドグリップ保護部材141の孔部14cと、コンピューター装置1の一方のネジ穴1gとの位置を合わせる。また、ハンドグリップ11の孔部11eと、ハンドグリップ保護部材142の孔部14cと、コンピューター装置1の他方のネジ穴(不図示)との位置を合わせる。次に、ネジ16を、ハンドグリップ保護部材141の孔部14a及び14cに挿通させ、一方のネジ穴1gに螺合させる。また、他のネジ16を、ハンドグリップ保護部材142の孔部14a及び14cに挿通させ、他方のネジ穴(不図示)に螺合させる。これにより、ハンドグリップ11をコンピューター装置1の上面1cに固定することができる。
次に、図6に示すように、グリップベルト保護部材151をグリップベルト12の凹部12bに嵌合させ、グリップベルト保護部材152をグリップベルト12の凹部12cに嵌合させる。嵌合の際、グリップベルト保護部材151に備わる突起部(図5に示す突起部15c及び15d)を、グリップベルト12に備わる孔部12d及び12eに嵌合させる。また、グリップベルト保護部材152に備わる突起部(図5に示す突起部15c及び15d)を、グリップベルト12に備わる孔部12f及び12gに嵌合させる。なお、グリップベルト保護部材151及び152は、いずれも図5に示す構成を有し、互いに同一形状である。したがって、グリップベルト保護部材151をグリップベルト12の凹部12cに嵌合させることもできる。また、グリップベルト保護部材151および152は、その外形形状を長細い四角柱形状としているため、グリップベルト12に備える凹部12bや12cの中で回転することがなく、ネジ16とネジ穴1mおよび1nとの螺結関係が損なわれない。さらに、グリップベルト保護部材151および152は、ネジ16が螺結する方向の反対面に凹溝部15g(図5参照)を備える。凹溝部15gを備えることで、グリップベルト保護部材151および152は、グリップベルト12の凹部12bや12c中で弾性変形可能な樹脂部材が変形等で嵌合することができ、位置決めすることができる。したがって、ネジ16で螺結するとき、グリップベルト保護部材151および152が凹部12bや12c中で回転することがなく、確実に螺結することができる。
次に、図7Bに示すように、ネジ16でグリップベルト12をコンピューター装置1の背面1bに固定する。具体的には、グリップベルト保護部材151及び152が嵌合されたグリップベルト12の下面12m及び12hを、コンピューター装置1の背面1bに当接させる。このとき、把持部材10は、図7Aに示す状態から、連結部13を矢印Aに示す方向へ湾曲変形させながら、グリップベルト12を矢印Aに示す方向へ変位させる。連結部13は、湾曲変形させる際に、薄肉部13cで優先的に変形させることができる。また、グリップベルト12の孔部12d及び12e(図3参照)と、グリップベルト保護部材151の孔部15a及び15b(図5参照)と、コンピューター装置1の一方のネジ穴1m及び1nとの位置を合わせる。また、グリップベルト12の孔部12f及び12g(図3参照)と、グリップベルト保護部材152の孔部15a及び15b(図5参照)と、コンピューター装置1の他方のネジ穴(不図示)との位置を合わせる。次に、図7Bに示すように、ネジ16を、グリップベルト保護部材151の孔部15a及び突起部15cに挿通させ、ネジ穴1mに螺合させる。また、他のネジ16を、グリップベルト保護部材151の孔部15b及び突起部15dに挿通させ、ネジ穴1nに螺合させる。また、他のネジ16を、グリップベルト保護部材152の孔部15a及び15cに挿通させ、他方のネジ穴(不図示)に螺合させる。また、他のネジ16を、グリップベルト保護部材152の孔部15b及び15dに挿通させ、他方のネジ穴(不図示)に螺合させる。これにより、グリップベルト12をコンピューター装置1の背面1bに固定することができる。
以上により、図7Cに示すように、把持部材10をコンピューター装置1に固定することができる。
ユーザーは、把持部材10のハンドグリップ11を片手で把持することによって、片手でコンピューター装置1を運搬することができる。
ユーザーは、図8及び図9に示すように、グリップベルト12とコンピューター装置1との間の空隙10b(図2D参照)に手101(例えば左手)を配置することができる。また、手101の第2指102、第3指103、第4指104、および第5指105を、コンピューター装置1の背面1bとグリップベルト12との間の空隙10bに挿入し、コンピューター装置1の上面1cに掛けることで、手101に対するコンピューター装置1の姿勢が安定する。また、図9に示すように、ユーザーの腕106にコンピューター装置1の背面1bを当接させ、ユーザーの腕106の手の甲をベルト部12aの背面1b側に当接させることで、腕106に対するコンピューター装置1の姿勢が安定する。
これにより、図10に示すように、ユーザーは片手(例えば左手)でコンピューター装置1を支持することができる。また、図10に示すように、ユーザーは片手(例えば左手)でコンピューター装置1を支持しながら、右手でスタイラスペン51を持つことができる。ユーザーは、スタイラスペン51の先端をディスプレイパネル2(タッチパネルを備えている場合)に接触させることで、各種情報を入力することができる。なお、図10に示した構成では、コンピューター装置1を操作するユーザーが右利きの場合であるが、左利きのユーザーでも、左右が逆転するだけで、コンピューター装置1の操作は同じである。
本実施の形態によれば、把持部材10にハンドグリップ11を備えたことにより、ユーザーが片手でコンピューター装置1を運搬することができる。
また、本実施の形態によれば、把持部材10にグリップベルト12を備えたことにより、ユーザーは、ディスプレイパネル2に表示される映像を視認可能な姿勢で、片手でコンピューター装置1を支持することができる。
また、本実施の形態によれば、ハンドグリップ11とグリップベルト12とを連結部13で連結して一体形成したことにより、把持部材10の部品点数を削減することができ、部品の管理が容易になる。また、ハンドグリップ11とグリップベルト12とを連結部13で一体形成したことにより、把持部材10の成型時の金型費用や部品代を低減することができる。また、ユーザーがハンドグリップ11を把持して運搬する課程で、例えばハンドグリップ11と上面1cとの固着が損なわれたとき、連結部13は、グリップベルト12と一体的に形成しているため、コンピューター装置1が落下等による損傷を防止することができる。なお、ユーザーがグリップベルト12でコンピューター装置1を支持しているときも同様である。
また、本実施の形態によれば、グリップベルト12をコンピューター装置1の背面1bにおける上面1cに近い位置に配置したことにより、コンピューター装置1を傾斜させた姿勢で載置平面に載置することができる。これにより、ディスプレイパネル2の表示面2aが、コンピューター装置1に対峙するユーザー側を向くので、ユーザーはディスプレイパネル2の表示面2aを視認し易くなる。
また、本実施の形態によれば、ハンドグリップ11の凹部11b及び11cにハンドグリップ保護部材14を配置する構成としたことにより、ハンドグリップ11をコンピューター装置1に固定するネジ16とハンドグリップ11とを離間させることができる。したがって、ネジ16の頭部が例えばハンドグリップ11の凹部11b及び11cや孔部11d及び11eの内面に食い込むことによる損傷を防止することができ、ネジ16の頭部からハンドグリップ11を保護することができる。但し、ハンドグリップ11は、例えば金属材料を核にしてその外周をエラストマー性樹脂で被覆する二色成形法で作成した場合、凹部11bおよび11cに備える孔部11dおよび11eだけで、ハンドグリップ保護部材14を省くこともできる。
また、本実施の形態によれば、グリップベルト12の凹部12b及び12cにグリップベルト保護部材15を配置する構成としたことにより、グリップベルト12をコンピューター装置1に固定するためのネジ16とグリップベルト12とを離間させることができる。したがって、ネジ16の頭部が例えばグリップベルト12の凹部12b及び12cや孔部12d及び12eの内面に食い込むことによる損傷を防止することができ、ネジ16の頭部がコンピューター装置1の背面1bに備えるネジ穴1mおよび1nに螺結することで、グリップベルト12を支持することができる。さらに、グリップベルト保護部材15の外形形状は基本的に四角柱であるため、例えばネジ16を孔部15aで螺結する場合であっても、グリップベルト保護部材15が背面1bまたは302bに沿って回転することはない。また、グリップベルト保護部材15に凹溝部15gを備えている。このため、例えば下面12mが弾性変形し、凹溝部15に嵌合する凸状部を形成し、例えばネジ16を孔部15aで螺結する場合であっても、グリップベルト保護部材15が背面1bまたは302bに沿って回転することはない。さらに、本実施の形態では、グリップベルト保護部材15を、2本のネジ16で螺結するため、グリップベルト保護部材15の外形形状の関わらず回転を抑制することもできる。なお、グリップベルト12を、例えば背面1bと固着する12hおよび12mを含む部位に金属材料を供し、その外周およびベルト部12aをエラストマー性侍史で被覆する二色成形法で製造した場合等では、グリップベルト保護部材15は省略することもできる。
なお、本実施の形態では、把持部材10を単一材料で一体形成する構成としたが、複数の材料で一体形成する構成としてもよい。例えば、ハンドグリップ11とグリップベルト12とをポリアセタール樹脂等の硬質樹脂で形成し、連結部13をシリコーンゴム等で形成してもよい。
また、本実施の形態では、ハンドグリップ11をコンピューター装置1の上面1cに固定する構成としたが、他の面に固定する構成であってもよい。また、グリップベルト12をコンピューター装置1の背面1bに固定する構成としたが、他の面に固定する構成であってもよい。把持部材10は、少なくともハンドグリップ11とグリップベルト12とが一体形成され、コンピューター装置1等の電子機器に固定される構成であればよい。
また、本実施の形態では、ハンドグリップ11及びグリップベルト12は、略「C」形状に形成したが、コンピューター装置1に対向する部分が開放していない「O」形状や中空四角形状のような閉空間であってもよい。
また、本実施の形態では、ハンドグリップ11をコンピューター装置1の運搬時に使用し、グリップベルト12をコンピューター装置1の操作時に使用する使用例について挙げたが、これらの使用例は任意である。例えば、ハンドグリップ11を把持しながらコンピューター装置1を操作することもできるし、グリップベルト12をユーザーが手で把持してコンピューター装置1を運搬することもできる。
また、コンピューター装置1の上面1cにおけるネジ穴1gが形成されている領域に、ハンドグリップ11の下面11f及び11gが嵌合する凹部を備えてもよい。このような構成とすることにより、コンピューター装置1に対してハンドグリップ11を確実に位置決めすることができる。また、コンピューター装置1の上面1cにおけるネジ穴1gが形成されている領域に凸部を備え、ハンドグリップ11の下面11f及び11gに前記凸部が嵌合する凹部を備えても同様の効果が得られる。
また、コンピューター装置1の背面1bにおけるネジ穴1m及び1nが形成されている領域に、グリップベルト12の下面12m及び12hが嵌合可能な凹部を備えてもよい。このような構成とすることにより、コンピューター装置1に対してグリップベルト12を確実に位置決めすることができる。また、コンピューター装置1の背面1bにおけるネジ穴1m及び1nが形成されている領域に凸部を備え、グリップベルト12の下面12m及び12hに前記凸部が嵌合可能な凹部を備えても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、把持部材10をネジ16でコンピューター装置1に固定する構成としたが、固定方法はネジによる螺結に限らない。例えば、ハンドグリップ保護部材14の突起部14bを、ハンドグリップ11の孔部11d及び11eに挿通可能な形状とし、先端に爪部を設ける。この爪部を例えばコンピューター装置1の上面1cに形成した孔部に係合させる構成とすることで、ネジ16を用いずにハンドグリップ11をコンピューター装置1の上面1cに固定することができる。なお、グリップベルト12の固定方法についても、同様に爪係合による方法を採用することができる。また、把持部材10とコンピューター装置1とを接着固定してもよい。
また、本実施の形態によれば、ハンドグリップ11とグリップベルト12とを一体的に備えた把持部材10をコンピューター装置1に固定する構成としたが、ハンドグリップ11及びグリップベルト12のうちいずれか一方のみをコンピューター装置1に備える場合は、例えば作製後の把持部材10において連結部13の薄肉部13cを切断することで、ハンドグリップ11及びグリップベルト12の単品を作製することができる。本実施の形態では、把持部材10はシリコーンゴム等の柔らかい材料で形成されているため、カッターナイフ等で容易に切断することができる。
〔1−3.ハンドル部材が装着されたコンピューター装置の構成〕
図11は、ハンドル部材20が装着されたコンピューター装置1の平面図である。図11に示すように、本実施の形態のコンピューター装置1は、ハンドル部材20を装着することができる。ハンドル部材20は、回動可能である。図11は、ハンドル部材20をコンピューター装置1の上面1c側の回動端(背面1bに対してハンドル部材20を最大に回動した状態であるため「最大回動端」とも称す)へ回動させた状態を示す。なお、第1のヒンジ部22及び第2のヒンジ部23は、実際には例えばカバー等で覆われるため内部構造は外部から目視できない状態にある場合があるが、図11においては第1のヒンジ部22及び第2のヒンジ部23の内部構造を明確に図示するためにカバー等の図示は省略した。
図11に示すように、ハンドル部材20は、ネジ27により支持板金22b及び23bがコンピューター装置1の背面1bに螺結されることにより、コンピューター装置1の背面1bに固定される。ハンドル部材20は、コンピューター装置1の背面1bに露出して配置されている。ハンドル部材20は、図11に示す最大回動端にあるとき、把持部21と第1の脚部26a及び第2の脚部26bの一部とが、コンピューター装置1の背面1bに平行な面内からその面方向に突出、いわゆる上面1cから突出する。また、把持部21とコンピューター装置1との間には、空隙20aが形成される。
図12Aは、ハンドル部材20の平面図である。図12Bは、ハンドル部材20を図12Aの矢印Aに示す方向から見た側面図である。図12Cは、ハンドル部材20を図12Aの矢印Bに示す方向から見た側面図である。なお、本実施の形態では、符号20を付与している部材を「ハンドル部材」と称しているが、当該部材は上述したように背面1bに対して回動する構成であるため、ハンドル機能とスタンド機能とを兼ね備えている。したがって、ハンドル機能を備えた「スタンド部材」等と称する部材も本実施の形態における「ハンドル部材」と同義である。
ハンドル部材20は、図12Aに示すように、平面形状が略「C」形状に形成されている。ハンドル部材20は、把持部21、第1のヒンジ部22、第2のヒンジ部23、第1の足部24、第2の足部25、第1の脚部26a、および第2の脚部26bを備えている。なお、第1の脚部26aおよび第2の脚部26bは、第1のヒンジ部22a(後述)および第2のヒンジ部23a(後述)それぞれが背面1bに固定される端面から把持部21までの長さである。
把持部21は、例えば図11に示す最大回動端のとき、ユーザーが把持する部分である。把持部21は、本実施の形態では断面形状が円形または楕円形の円柱形状としたが、この形状に限らない。把持部21は、例えば人の手や指の形状に沿って凹凸を形成することにより、ユーザーが把持し易くなるため好ましい。把持部21の長手方向の長さL21は、ユーザーが手で把持し易いように、例えば100mm以上とすることが好ましい。なお、把持部21の長さL21は、極力短くすることで第1の足部24と第2の足部25との間隔を短くすることができる。このように構成することで、第1の足部24及び第2の足部25の高さ及び平面性の誤差を吸収させ易く、例えば平面上に載置しコンピューター装置1の前面1aを視認する際、設置の安定性を向上させることができる。また、把持部21の長さL21は、把持するユーザーの手の大きさ以上にすることが要請され、例えば100乃至150mm程度とすることが好ましい。把持部21は、強度を確保するためにマグネシウム等の金属で形成することが好ましいが、金属の表面をエラストマー性樹脂等で覆うことで、例えば背面1bやコンピューター装置1を載置する平面等に対し傷の付着を低減できるためさらに好ましい。
第1のヒンジ部22は、第1の脚部26aにおける把持部21が結合する一方の端部に対する逆側の他方の端部に一体的に結合している。第1のヒンジ部22は、ヒンジ機構22a、支持板金22bを備えている。ヒンジ機構22aは、支軸22dと、複数のワッシャ22eとを備えている。支軸22dは、支持板金22bに固定されている。複数のワッシャ22eは、支軸22dに固定されているワッシャと、第1の脚部26aに固定されているワッシャとを含む。複数のワッシャ22eは、互いに圧接され、第1のヒンジ部22に対する第1の脚部26aの回動に伴う第1の脚部26aに固定されたワッシャが回転する際に、回動に負荷を生じさせている。支持板金22bは、ネジ(後述)を挿通可能な孔部22cが形成されている。支持板金22bは、ネジ(後述)によってコンピューター装置1の背面1bに螺結固定される。孔部22cは、複数形成されていることにより、支持板金22bの取付強度を向上できるため好ましい。
第2のヒンジ部23は、第2の脚部26bにおける把持部21が結合する一方の端部に対する逆側の他方の端部に一体的に結合している。第2のヒンジ部23は、ヒンジ機構23a、支持板金23bを備えている。ヒンジ機構23aは、支軸23dと、複数のワッシャ23eとを備えている。支軸23dは、支持板金23bに固定されている。複数のワッシャ23eは、支軸23dに固定されているワッシャと、第2の脚部26bに固定されているワッシャとを含む。複数のワッシャ23eは、互いに圧接され、第2のヒンジ部23に対する第2の脚部26bの回動に伴う第2の脚部26bに固定されたワッシャが回転する際に、回動に負荷を生じさせている。支持板金23bは、ネジ(後述)を挿通可能な孔部23cが形成されている。支持板金23bは、ネジ(後述)によってコンピューター装置1の背面1bに螺結固定される。孔部23cは、複数形成されていることにより、支持板金23bの取付強度を向上できるため好ましい。
第1の足部24は、第1の脚部26aの一方の端部(第1の脚部26aと把持部21との結合位置)近傍に配置されている。第1の足部24は、ハンドル部材20における、例えばコンピューター装置1を起立姿勢で設置する際に、載置面に接する位置に配置されている。第1の足部24は、第1の脚部26aにネジや接着剤を用いて固定することができる。第1の足部24は、例えば弾性または粘弾性を有する共重合体樹脂、内部可塑化樹脂またはゴム弾性を有する樹脂等のいわゆるエラストマー性を有する樹脂材料で形成することができる。第1の足部24は、例えばポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)で形成することができる。なお、ハンドル部材20が例えば金属材料の周囲にエラストマー性樹脂で被覆した場合、第1の足部24は、被覆材料と一体に構成することもできる。第1の足部24は、本実施の形態では三角柱形状に形成されているが、半円柱形状等の他の形状であってもよい。第1の足部24は、接地面24aを備えている。接地面24aは、第1の足部24における、コンピューター装置1を起立姿勢で設置する際に載置面に接する位置に形成されて、俗に言うタック性を表面に有する材質が滑りに対する係止性があるため好ましい。接地面24aは、本実施の形態では平面としているが、曲面であってもよい。
第2の足部25は、第2の脚部26bの一方の端部(第2の脚部26bと把持部21との結合位置)近傍に配置されている。第2の足部25は、ハンドル部材20における、例えばコンピューター装置1を起立姿勢で設置する際に、載置面に接する位置に配置されている。第2の足部25は、第2の脚部26bにネジや接着剤を用いて固定することができる。第2の足部25は、例えば弾性または粘弾性を有する共重合体樹脂、内部可塑化樹脂またはゴム弾性を有する樹脂等のいわゆるエラストマー性を有する樹脂材料で形成することができる。第2の足部25は、例えばポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)で形成することができる。なお、ハンドル部材20に例えば金属材料の周囲にエラストマー性樹脂で被覆した場合、第1の足部25は、被覆材料と一体に構成することもできる。第2の足部25は、本実施の形態では三角柱形状に形成されているが、半円柱形状等の他の形状であってもよい。第2の足部25は、接地面25aを備えている。接地面25aは、第2の足部25における、コンピューター装置1を起立姿勢で設置する際に載置面に接する位置に形成されて、俗に言うタック性を表面に有する材質が滑りに対する係止性があるため好ましい。接地面25aは、本実施の形態では平面としているが、曲面であってもよい。
なお、本実施の形態における「起立」とは、コンピューター装置1をハンドル部材20で支持して載置面に自立させた状態を言う。具体的には、本実施の形態における「起立」は、ハンドル部材20が、コンピューター装置1を傾斜した姿勢で支持して載置面に自立させた状態をいう。したがって、本実施の形態における「起立」には、ハンドル部材20がコンピューター装置1を傾斜姿勢で支持していない状態、コンピューター装置1のみが載置面に接して自立している状態、ユーザーがコンピューター装置1の一部またはハンドル部材20を把持してコンピューター装置1を載置面に立たせている状態等は、含まない。
第1の脚部26aは、一方の端部が把持部21の一方の端部に一体的に結合し、他方の端部が第1のヒンジ部22にネジ(図11および図12A参照)で螺結している。第1の脚部26aは、断面形状が四角形の角柱形状としているが、この形状に限定されない。第1の脚部26aは、強度を確保するためにマグネシウム等の金属で形成することが好ましいが、金属の表面をエラストマー性樹脂等で覆うことで、コンピューター装置1の背面1b等に係合する際に、背面1b等に傷が付着するのを低減できるためさらに好ましい。第1の脚部26aは、把持部21に対して角度A1を介して結合している。角度A1は、90度以上であることが、把持部21を把持する構成で好ましく、ハンドル部材20(特に把持部21)の剛性を高めることによる形状安定性と、コンピューター装置1をハンドル部材20で支持して載置面に載置した際の姿勢安定性とを考慮すると90乃至120度とすることがさらに好ましい。
第2の脚部26bは、一方の端部が把持部21の他方の端部に一体的に結合し、他方の端部が第2のヒンジ部23にネジ(図11および図12A参照)で螺結している。第2の脚部26bは、断面形状が四角形の角柱形状としているが、この形状に限定されない。第2の脚部26bは、強度を確保するためにマグネシウム等の金属で形成することが好ましいが、金属の表面をエラストマー性樹脂等で覆うことで、コンピューター装置1の背面1b等に係合する際に、背面11等に傷が付着するのを低減できるためさらに好ましい。第2の脚部26bは、把持部21に対して角度A2を介して結合している。角度A2は、90度以上であることが、把持部21を把持する構成で好ましく、ハンドル部材20(特に把持部21)の剛性を高めることによる形状安定性と、コンピューター装置1をハンドル部材20で支持して載置面に載置した際の姿勢安定性とを考慮すると90乃至120度とすることがさらに好ましい。
なお、本実施の形態では、把持部21の長さL21(第1の脚部26aおよび第2の脚部26bの間隙)と、支軸22dと支軸23dとの間隙L22と(相対向する支軸22dの面および支軸23dの面の間隙)を、以下の寸法関係となるようにした。
L21<L22 ・・・関係式(1)
また、第1のヒンジ部22及び第2のヒンジ部23の相対向する回動軸方向における、把持部21の一端(第1の脚部26a側)と支軸22d(支軸23dに対向する支軸22dの端面)との間隙L23と、把持部21の他端(第2の脚部26b側)と支軸23d(支軸22dに対向する支軸23dの端面)との間隙L24とを、以下の寸法関係となるようにした。
L23=L24 ・・・関係式(2)
寸法L21乃至L24を関係式(1)及び(2)に示す寸法関係とすることにより、把持部21が、第1のヒンジ部22及び第2のヒンジ部23における回動軸方向の中央に位置することなる。これにより、ユーザーが手で把持部21を把持してコンピューター装置1を運搬する際の重量バランスが安定する。
図13及び図14は、コンピューター装置1の側面図である。図13は、ハンドル部材20が第1の位置にある状態を示す。図14は、ハンドル部材20が第2の位置にある状態を示す。
ハンドル部材20は、図13に示す第1の位置と図14に示す第2の位置とを取り得ることができ、第1の位置と第2の位置との間を後述する図15のような状態に回動可能である。第1の位置は、図13に示すようにハンドル部材20がコンピューター装置1の上面1c側の最大回動端へ回動されたときの位置である。第2の位置は、図14に示すようにハンドル部材20がコンピューター装置1の下面1d側の回動端(背面1bに対してハンドル部材20を最小に回動した状態であるため「最小回動端」とも称す)へ回動されたときの位置である。また、ハンドル部材20は、第1の回動位置と第2の回動位置とを取り得る。第1の回動位置は、図13に示すように、把持部21がコンピューター装置1の上面1cから突出した位置にあるときの、ハンドル部材20の位置である。すなわち、第1の回動位置は、第1の位置を含む。第2の回動位置は、図15に示すように、ハンドル部材20がコンピューター装置1を傾斜姿勢で支持しているときの、ハンドル部材20の位置である。すなわち、第2の回動位置は、第1の位置と第2の位置との間における第1の回動位置を除く範囲に存在する。
ハンドル部材20は、図13に示す位置にあるとき、第1の脚部26a及び第2の脚部26bがコンピューター装置1の背面1bに当接または近接しているため、矢印Cに示す方向への回動が規制されている。すなわち、第1の位置は、ハンドル部材20の矢印Cに示す方向における最大回動端である。ハンドル部材20は、図13に示す位置にあるとき、矢印Dに示す方向へのみ回動可能である。
ハンドル部材20は、図13に示す第1の位置から矢印Dに示す方向へ変位させると、第1のヒンジ部22におけるヒンジ機構22a及び第2のヒンジ部23におけるヒンジ機構23a(図11参照)に支持されながら、矢印Dに示す方向へ回動する。このとき、支持板金22b及び23bは、コンピューター装置1に固定されているため回動しない。
ハンドル部材20は、図14に示す第2の位置まで回動させることができる。ハンドル部材20は、図14に示す位置にあるとき、第1の脚部26a及び第2の脚部26bがコンピューター装置1の背面1bに当接または近接しているため、矢印Dに示す方向への回動が規制されている。すなわち、第2の位置は、ハンドル部材20の矢印Dに示す方向における最小回動端である。ハンドル部材20は、図14に示す位置にあるとき、矢印Cに示す方向へのみ回動可能である。
ハンドル部材20は、図14に示す第2の位置から矢印Cに示す方向へ変位させると、ヒンジ機構22a及び23a(図11参照)に支持されながら、矢印Cに示す方向へ回動する。このとき、支持板金22b及び23bは、コンピューター装置1に固定されているため回動しない。
ハンドル部材20は、ヒンジ機構22a及び23a(図11参照)における回転トルク(負荷)が比較的高く設定されているため、第1の位置と第2の位置との間における任意の角度で静止させることができる。すなわち、ハンドル部材20が図13に示す第1の位置にあるときの背面1bに対する第1の脚部26aの角度を0度とし、図14に示す第2の位置にあるときの背面1bに対する第1の脚部26aの角度を180度としたとき、ヒンジ機構22a及び23aは、ハンドル部材20を0乃至180度の間の任意の角度で静止させることができる程度の回転トルク(負荷)を有する。
なお、本実施の形態では、ハンドル部材20を静止させるために、ヒンジ機構22a及び23aにおける回転トルクを用いているため0乃至180度の間の任意の角度で静止させることができるが、ヒンジ機構22a及び23aにクリック機構を備えることで、0乃至180度の間における設定角度でハンドル部材20を静止させることもできる。クリック機構は、例えばヒンジ機構22a及び23a(図11参照)における複数のワッシャに凹部と凸部を備えて、所定の角度で凹部と凸部とが嵌合してクリック感を生じさせる構成である。なお、「設定角度」とは、クリック感を生じさせることができるハンドル部材20の回動角度のことであり、ヒンジ機構22a及び23aに含まれるワッシャに形成される凹部及び凸部の位置によって設定することができる。
なお、本明細書における「静止」とは、ハンドル部材20が自重により回動せず、停止している状態のことである。例えば、ハンドル部材20が図13に示す第1の位置にあるとき、ヒンジ機構22a及び23a(図11参照)における回転トルクが低ければ、ハンドル部材20は自重により矢印Dに示す方向へ回動してしまう場合がある。本実施の形態に記載している「静止」は、ハンドル部材20が自重により回動しうる位置にあっても回動せず、静止する状態を意味する。
図15は、ハンドル部材20を用いてコンピューター装置1を起立姿勢で支持している状態を示す側面図である。図15に示すハンドル部材20は、第2の回動位置にある。
図15に示すように、ハンドル部材20は、回動角A3を例えば160度にすることで、コンピューター装置1を起立姿勢で支持して載置面200に設置することができる。ハンドル部材20は、図15に示すような第2の回動位置にあるとき、ヒンジ機構22a及び23a(図11参照)に備わるワッシャにより回転トルクが与えられ、静止している。なお、ハンドル部材20は、ヒンジ機構22a及び23aによって任意の角度で静止させることができるので、回動角A3は160度に限らず、他の角度であっても静止させることができる。すなわち、ハンドル部材20は、第2の回動位置で静止させることで、コンピューター装置1を起立姿勢で載置面200に設置することができる。したがって、ユーザーは、ディスプレイパネル2の角度を視認し易い任意の角度に調整することができる。
第1の足部24及び第2の足部25(図15では第2の足部25のみ図示)は、ハンドル部材20が図15に示す第2の回動位置にあるとき、接地面24a及び25aが載置面200に接している。このとき、接地面24a及び25aは、図15のように側面から見たとき、載置面200に点当接または線当接していてもよいが、コンピューター装置1の姿勢の安定性を考えると載置面200に対し面当接(図15に示した線当接)していることが好ましい。コンピューター装置1は、図15に示す起立姿勢のとき、背面1bと下面1dとの境界近傍部分が載置面200に接している。なお、ハンドル部材20は、上述したように回転角A3を自由に設定することができるため、A3の角度によっては接地面24aおよび25a載置面200に対して直線関係とならない場合もある。このような場合に、接地面200に対する第1の足部24および第2の足部25の設置は、コンピューター装置1の安定性は損なわれるが、点当接とすることができる。
図15に示すように、コンピューター装置1を所定の角度傾けて載置面200に設置することにより、ディスプレイパネル2の表示面が載置面200に対してやや上方向を向くことになる。したがって、ディスプレイパネル2に対峙するユーザーの視野に対して、ディスプレイパネル2の表示面が平行対向し易くなるため、ユーザーにとってディスプレイパネル2に表示される映像を視認し易くなる。
図16は、ハンドル部材20を用いてコンピューター装置1を運搬している状態を示す側面図である。図16に示すハンドル部材20は、図13に示す第1の位置にある。第1の位置にあるハンドル部材20は、ヒンジ機構22a及び23a(図11参照)に備わるワッシャにより回転トルクが与えられ、静止している。なお、図16は、ハンドル部材20が第1の位置にある状態を示しているが、少なくとも第1の回動位置に位置していれば手提げ状態でコンピューター装置1を運搬する場合に都合がよい。但し、ハンドル部材20の回転角度A3は、任意に設定することが得きる。そのため、ハンドル部材20が例えば図15に示した第2の回転位置であっても、ユーザーは、コンピューター装置1に固着された把持部21を把持し、運搬することもできる。
図16に示すように、ユーザーは、ハンドル部材20の空隙20aに手の指101を挿通させることにより、把持部21を把持することができる。
ハンドル部材20は、図16に示すように第1の位置にあるとき、コンピューター装置1の重心P1と把持部21の軸心P2とがほぼ一致する形状である。したがって、ユーザーが把持部21を手で把持したとき、コンピューター装置1は、前面1aまたは背面1bが鉛直線に平行な姿勢となるため、安定した姿勢でコンピューター装置1を運搬することができる。
また、ハンドル部材20は、コンピューター装置1の重心P1と把持部21の軸心P2とがほぼ一致する形状であるため、ユーザーが把持部21を把持してコンピューター装置1を鉛直方向へ垂らして運搬する際、コンピューター装置1の前面1aをユーザー側へ向けて運搬することもできるし、コンピューター装置1の背面1bをユーザー側へ向けて運搬することもできる。
図17は、ユーザーがコンピューター装置1を手101で支持して操作している状態を示す斜視図である。図18は、ユーザーが図17に示すようにコンピューター装置1を支持している状態における側面図である。
ユーザーがコンピューター装置1を片手で支持して操作する場合は、まずハンドル部材20を第1の回動位置(把持部21をコンピューター装置1の上面1cに近付けた位置)へ変位させる。図17及び図18に示すハンドル部材20は、一例として第1の位置にある。
次に、図17に示すようにコンピューター装置1を例えば左腕の上に載置し、右手で持ったスタイラスペン51をディスプレイパネル2における任意の位置に接触させる。具体的には、図18に示すように、手101の指を、ハンドル部材20とコンピューター装置1との間の空隙20aに挿通させて、コンピューター装置1の上面1c及び前面1aに当接させる。また、コンピューター装置1は、腕106及び手の平107の上に載置する。
これにより、ユーザーは、片手(図17及び図18では左手)でコンピューター装置1を持つことができる。
なお、図17及び図18に示す使用形態では、ハンドル部材20を第1の位置に変位させているが、空隙20aに手や腕を挿通させることができれば、ハンドル部材20が他の回動角度になっている状態でも片手で持つことができる。
また、図18に示した使用状態で、ユーザーの手(図18では左手)が長い場合等では、把持部21(図12A参照)を左手で把持する構成であっても良い。なお、この構成でも、ハンドル部材20はコンピューター装置1に対して静止状態を保つため、例えば図17に示したタッチパネルにおけるスタイラスペン51での操作性を損なうことはない。
本実施の形態によれば、ハンドル機能とスタンド機能とを備えたハンドル部材20を備えたことにより、ハンドル部材とスタンド部材とを別部品として備えた場合に比べて、部品点数を削減し、製造時の金型費用を削減したり部品管理コストを削減したりすることができる。
本実施の形態によれば、ハンドル部材20は、ヒンジ機構22a及び23aを介してコンピューター装置1に固定されているため、任意の回動角度で静止させることが可能である。
本実施の形態によれば、コンピューター装置1の重心P1とハンドル部材20の把持部21の軸心P2とをほぼ一致させているため、ハンドル部材20を第1の位置へ変位させて把持した際に、コンピューター装置1の例えば前面1aが鉛直方向に対してほぼ平行となるため、安定した姿勢で運搬することができる。
本実施の形態によれば、ハンドル部材20の少なくとも把持部21をコンピューター装置1の背面1bに露出して配置したことにより、例えば図14に示す第2の位置や図15に示す第2の回動位置にハンドル部材20が存在するとき、コンピューター装置1を誤って床等に落下させてしまった際に、把持部21及び/またはハンドル部材20が落下した箇所に当接する可能性が高いため、コンピューター装置1へ伝わる衝撃を軽減することができる。したがって、コンピューター装置1が破損する可能性を低減することができる。特に、ハンドル部材20全体がコンピューター装置1の背面1bに対して露出している構成の場合、図17に示すようにユーザーがコンピューター装置1を持っている状態から、コンピューター装置1を床等に落下させてしまった場合、コンピューター装置1は背面1bが鉛直下向きとなる姿勢で落下する可能性が高い。ハンドル部材20はコンピューター装置1の背面1bに配置されているため、ハンドル部材20がコンピューター装置1よりも先に床等に衝突する可能性が高い。したがって、ハンドル部材20がコンピューター装置1へ伝わる衝撃を吸収し、コンピューター装置1が破損する可能性を低減することができる。
本実施の形態によれば、ハンドル部材20に第1の足部24及び第2の足部25を備えたことにより、ハンドル部材20を起立形態にしたときに、ハンドル部材20が載置面上を滑りにくくなるため、コンピューター装置1の姿勢(角度)が安定する。
本実施の形態によれば、図12Aに示すように把持部21と第1の脚部26aとの角度A1と、把持部21と第2の脚部26bとの角度A2とを、それぞれ90度以上とするとともに、把持部21の長さL21と支軸22d及び23dの間隔L22とを「L21<L22」の寸法関係とすることにより、ハンドル部材20(特に把持部21)の剛性を高めることによる形状安定性と、コンピューター装置1をハンドル部材20で支持して載置面に載置した際の姿勢安定性とを向上させることができる。また、ユーザーが把持部21を手で把持して運搬するとき、コンピューター装置1の運搬安定性を高めることもできる。
なお、本実施の形態では、コンピューター装置1の重心P1と把持部21の軸心P2とを略一致させるために、把持部21の軸心P2をヒンジ機構22a及び23aの回動軸に対してずらしているが、コンピューター装置1の重心P1が背面1b寄りに存在する場合は、把持部21の軸心P2をヒンジ機構22a及び23aの回動軸に対してずらなくても、コンピューター装置1の重心P1と把持部21の軸心P2とを略一致させることができる場合がある。
また、本実施の形態では、ハンドル部材20に第1の足部24及び第2の足部25を備えているが、これらの足部は必須ではない。例えば、把持部21、または第1の脚部26a及び第2の脚部26bの一方の端部を、弾性を有する材料で形成した場合は、足部を省略することができる。
〔2.拡張機器の構成〕
図19Aは、本実施の形態にかかる拡張機器の正面図である。図19Bは、本実施の形態にかかる拡張機器の側面図である。図19Cは、本実施の形態にかかる拡張機器を上から見た平面図である。
拡張機器30は、例えば図1A乃至図1Cに示すコンピューター装置1を装着可能である。拡張機器30は、コンピューター装置1が装着されることで、装着されたコンピューター装置1と他の機器等との間で情報通信を行ったり、コンピューター装置1へ電源を供給したりすることができる。拡張機器30は、外部機器と情報通信が可能な各種インターフェースや、商用電源に接続可能な電源端子等を備えている。拡張機器30は、本体保持部31、基台32、第1の壁部33、第2の壁部34、第1の位置決め凸部35、第2の位置決め凸部36、背面壁部37、案内凸部38、コネクタ39を備えている。
本体保持部31は、コンピューター装置1を保持可能な部材である。本実施の形態における本体保持部31は、基台32に対して独立した部材であり、基台32にネジ等を用いて固定されている。なお、本体保持部31は、基台32に一体形成されていてもよい。また、本体保持部31は、図19Bに示したように、背面壁部37と一体に成形した構成であるが、これは一例であり、本体保持部31は載置面31a(後述)だけとし、背面壁部37を別部材とすることもできる。本体保持部31は、本実施の形態では剛性を上げるために金属製のフレームを内蔵し、コンピューター装置1に傷等が付着するのを防ぐためフレームの外郭に樹脂筐体を接合した構成としている。なお、本体保持部31は、全体を樹脂で形成してもよいし、全体を金属で形成してもよく、材質は限定されない。本体保持部31は、コンピューター装置1が装着された際に、コンピューター装置1の下面1dが当接する載置面31aを備えている。載置面31aは、コンピューター装置1の姿勢が安定することを考えると、下面1d(図1C等参照)の外形形状に沿う面を有する面形状とすることが好ましく、本実施の形態では平面とした。載置面31aは、図19Cに示すように、平面形状が長方形に形成されている。載置面31aは、一対の長辺のうち一方の長辺31b近傍に第1の壁部33及び第2の壁部34が立設されている(すなわち、第1の壁部33及び第2の壁部34と載置面31aとが成す交線を一方の長辺31bとする)。載置面31aは、一対の長辺31bのうち他方の長辺31c近傍に背面壁部37が立設されている(すなわち、背面壁部37と載置面31aとが成す交線を他方の長辺31cとする)。載置面31aの一対の短辺近傍には、壁部に相当する構成は形成されていない。すなわち、本体保持部31は、載置面31aの長手方向の両端が開放し、載置面31aは第1の壁部33および第2の壁部34と背面壁部37とが相対向して挟持している。
基台32は、本体保持部31を保持している。基台32は、本体保持部31にコンピューター装置1が装着されている状態において、拡張機器30の姿勢が安定するように、接地面積が大きく確保されている。基台32は、本体保持部31にコンピューター装置1が装着されている状態において、拡張機器30の姿勢が安定するように、高い重量を有することが好ましい。基台32は、外部機器との間で通信が可能となるように、各種インターフェースケーブルを接続可能な端子や光ディスクドライブ等を備えているが、図示は省略した。
第1の壁部33及び第2の壁部34は、図19Cに示すように、載置面31aの一方の長辺31bに沿った位置において、載置面31aに略直交する方向に立設されている。第1の壁部33及び第2の壁部34は、図19Bに示すように、寸法D12の空隙を挟んで背面壁部37に対向している。なお、第1の壁部33と第2の壁部34とは、図19Aに示すように互いに離間して形成されているが、載置面31aの一方の長辺31bに沿って連続的に一体形成されていてもよい。
第1の位置決め凸部35は、図19B及び図19Cに示すように、第1の壁部33における背面壁部37に対向する面(すなわち、基台32と一方の長辺31bとで決定される本体保持部31の端面)に形成されている。第1の位置決め凸部35は、コンピューター装置1の第1の位置決め凹部3(図1A参照)に係合可能な位置に形成されている。第2の位置決め凸部36は、第2の壁部34における背面壁部37に対向する面(すなわち、基台32と一方の長辺31bとで決定される本体保持部31の端面)に形成されている。第2の位置決め凸部36は、コンピューター装置1の第2の位置決め凹部4(図1A参照)に係合可能な位置に形成されている。コンピューター装置1を本体保持部31の所定位置に配置したとき、第1の位置決め凸部35は第1の位置決め凹部3に係合し、第2の位置決め凸部36は第2の位置決め凹部4に係合する。
背面壁部37は、図19Bおよび図19Cに示すように、載置面31aの他方の長辺11cに沿った位置において、載置面31aに略直交するように立設されている。背面壁部37は、図19Bに示すように、寸法D12の空隙を挟んで第1の壁部33及び第2の壁部34に対向している。背面壁部37の高さ寸法H15は、少なくとも案内凸部38の高さ寸法H11以上に形成されている。背面壁部37の高さを低くすると、本体保持部31の高さを低くすることができ、拡張機器30を低背化できる。一方で、背面壁部37の高さを高くすると、本体保持部31に装着されたコンピューター装置1の背面1bを確実に支持することができ、コンピューター装置1の姿勢を安定させることができる。なお、本実施の形態の本体保持部31は、図19Bに示したように、背面壁部37を載置面31aと一体的に形成したが、背面壁部37と載置面31aとを別部材とすることもできる。また、載置面31aを背面壁部37および載置面31aと別部材とした構成では、載置面31aは、基台32の面とすることもできる。
案内凸部38は、背面壁部37の壁面37aに突出形成されている。案内凸部38は、四角柱形状に形成されている。案内凸部38は、図19Aに示すように平面形状が、長辺が短辺よりも大幅に長い長方形状に形成され、一方の短辺が載置面31aと壁面37aとの境界部分に位置している。案内凸部38の高さ寸法H11(図19B参照)は、コンピューター装置1の案内凹部5の高さ寸法H1(図1B参照)以下に形成されている。なお、案内凸部38の幅寸法W11(図19A参照)は、装着したときY方向にずれが生じないように、コンピューター装置1の案内凹部5の幅寸法W1(図1B参照)以下に形成されている。
コネクタ39は、背面壁部37の壁面37aに配されている。コネクタ39は、コンピューター装置1を本体保持部31の所定位置に装着したときに、コンピューター装置1に備わるコネクタ6(図1B参照)と電気的に接続される。
コンピューター装置1の各部と拡張機器30の各部との寸法関係をまとめると、以下の通りである。
H1≧H11 ・・・関係式(11)
W1≧W11 ・・・関係式(12)
W3≦W12 ・・・関係式(13)
W13≦W2 ・・・関係式(14)
H2≦H13 ・・・関係式(15)
H14≦H3 ・・・関係式(16)
D2<D12 ・・・関係式(17)
W4=W14 ・・・関係式(18)
W5=W15 ・・・関係式(19)
寸法H1は、案内凹部5の載置面31aからの高さ寸法である(図1B参照)。
寸法H2は、コンピューター装置1の下面1dから第1の位置決め凹部3及び第2の位置決め凹部4の下端(コンピューター装置1の下面1dに最も近い端部)までの高さ寸法である(図1A参照)。
寸法H3は、コンピューター装置1の下面1dから第1の位置決め凹部3及び第2の位置決め凹部4の上端(コンピューター装置1の上面1cに最も近い端部)までの高さ寸法である(図1A参照)。
寸法W1は、コンピューター装置1の背面1bにおける案内凹部5の立設幅寸法である(図1B参照)。
寸法W2は、第1の位置決め凹部3及び第2の位置決め凹部4の最長間隙(外法の間隙)の幅寸法である(図1A参照)。
寸法W3は、第1の位置決め凹部3と第2の位置決め凹部4との最短間隙(内法の間隙)の幅寸法である(図1A参照)。
寸法W4は、第1の位置決め凹部3の中央線から案内凹部5の中央線までの距離である(図1B参照)。
寸法W5は、第2の位置決め凹部4の中央線から案内凹部5の中央線までの距離である(図1B参照)。
寸法D2は、コンピューター装置1の厚さ寸法である(図1C参照)。
寸法H11は、案内凸部38の高さ寸法である(図19B参照)。
寸法H13は、載置面31aから第1の位置決め凸部35及び第2の位置決め凸部36の下端(載置面31aに最も近い端部)までの高さ寸法である(図19A参照)。
寸法H14は、載置面31aから第1の位置決め凸部35及び第2の位置決め凸部36の上端(載置面31aに最も遠い端部)までの高さ寸法である(図19A参照)。
寸法W11は、載置面31aにおける案内凸部38の立設幅寸法である(図19A参照)。
寸法W12は、第1の位置決め凸部35及び第2の位置決め凸部36の最短間隙(内法の間隙)の幅寸法である(図19A参照)。
寸法W13は、第1の位置決め凸部35及び第2の位置決め凸部36の最長間隙(外法の間隙)の幅寸法である(図19A参照)。
寸法W14は、第1の位置決め凸部35の中央線から案内凸部38の中央線までの距離である(図19C参照)。
寸法W15は、第2の位置決め凸部36の中央線から案内凸部38の中央線までの距離である(図19C参照)。
寸法D12は、第1の位置決め凸部35及び第2の位置決め凸部36と背面壁部37との対向間隙寸法である。
なお、「最長間隙寸法」とは、2個の部材における互いに最も遠い部分間の間隙寸法である。「最短間隙寸法」とは、2個の部材における互いに最も近い部分間の間隙寸法である。また、「中央線」とは、コンピューター装置1においては、左側面1eと右側面1fを結ぶ幅方向における中央のことであり、拡張機器30においては、背面壁部37と載置面31aとが成す交線方向の中央のことである。
〔3.拡張機器とコンピューター装置との着脱動作〕
〔3−1.拡張機器とコンピューター装置単体との着脱動作〕
コンピューター装置1を拡張機器30に装着する場合は、まず、図20に示すように、コンピューター装置1を、下面1dが載置面31aに対向し、背面1bが背面壁部37の壁面37aに対向する姿勢で、本体保持部31に装着する。
具体的には、まず図20に示すように、コンピューター装置1の少なくとも一部を傾斜姿勢にして、第1の壁部33及び第2の壁部34と背面壁部37との間に挿入する。コンピューター装置1の厚さD2と、第1の壁部33及び第2の壁部34と背面壁部37との間隙寸法D12との関係は、上記関係式(17)に示す寸法関係にあるため、コンピューター装置1の少なくとも一部を傾斜させる(図20では、第1の壁部33及び第2の壁部34の方向に傾斜させる)ことで、第1の壁部33及び第2の壁部34と背面壁部37との間に挿入することができる。すなわち、第1の壁部33及び第2の壁部34の載置面31aからの高さ寸法H12(図19B参照)は、背面壁部37の載置面31aからの最大高さ寸法H15(図19B参照)よりも低く構成した。このような構成とすることにより、コンピューター装置1は、第1の壁部33及び第2の壁部34を下側とし、第3の案内凸部38を上側に傾斜した状態で、拡張機器30への装着動作を開始することができる。したがって、ユーザーは、拡張機器30に備える案内凸部38が、コンピューター装置1が備える案内凹部35に摺動係合することを確認しながら、装着動作を開始することができる。
次に、拡張機器30の第1の位置決め凸部35をコンピューター装置1の第1の位置決め凹部3に係合させ、拡張機器30の第2の位置決め凸部36をコンピューター装置1の第2の位置決め凹部4に係合させる。このとき、第1の位置決め凹部3と第1の位置決め凸部35、および第2の位置決め凹部4と第2の位置決め凸部36は、上記関係式(13)、(14)、(15)、および(16)に示す寸法関係にあるため、それぞれ互いに係合させることができる。すなわち、コンピューター装置1における案内凹部5は、下面1dと背面1bとの境界を交差して配され、拡張機器30における第1の位置決め凸部35および第2の位置決め凸部34の載置面31aからの高さ寸法H14(図19A参照)は、第3の案内凸部38の載置面31aからの高さ寸法H11(図19Aおよび図19B参照)よりも低く構成した。このような構成としたことにより、ユーザーは、コンピューター装置1を拡張機器30に対して傾斜させた状態で、拡張機器30の案内凸部38とコンピューター装置1の案内凹部5とが左右にずれを生じることを低下させることができる。したがって、ユーザーは、第1の位置決め凸部35と第2の位置決め凹部3との確実な係合、および第2の位置決め凸部36と第2の落ち決め凹部4との確実な係合によって、コンピューター装置1を拡張機器30に安定して装着することができる。
このとき、第1の位置決め凸部35、第2の位置決め凸部36、第1の位置決め凹部3、および第2の位置決め凹部4は、上記関係式(13)乃至(16)に示す位置関係にあるため、第1の位置決め凸部35と第1の位置決め凹部3との係合、および第2の位置決め凸部36と第2の位置決め凹部4との係合を、同時に行うことができる。
第1の位置決め凸部35を第1の位置決め凹部3に係合させ、第2の位置決め凸部36を第2の位置決め凹部4に係合させることにより、コンピューター装置1のY軸方向(図1A参照)の位置が決まる。また、上記関係式(11)、(12)、(18)、および(19)に基づき案内凸部38が案内凹部5に係合する。
なお、コンピューター装置1の案内凹部5の深さ寸法D1と、拡張機器10の案内凸部18の高さ寸法D11との関係は、上記関係式(1)、(2)および(7)を満たしていれば任意であってもよい。但し、D1とD11とは、コンピューター装置1の薄型化や拡張機器10の小型化のためにはできるだけ等しい関係が好ましい。
次に、コンピューター装置1を、第1の位置決め凸部35と第1の位置決め凹部3との係合状態および第2の位置決め凸部36と第2の位置決め凹部4との係合状態を保ったまま、矢印Aに示す方向へ変位させる。このとき、コンピューター装置1は、第1の位置決め凸部35と第1の位置決め凹部3との係合部分および第2の位置決め凸部36と第2の位置決め凹部4との係合部分を中心にして矢印Aに示す方向へ回動する。また、コンピューター装置1は、矢印Aに示す方向へ変位する際、案内凹部5が案内凸部38に沿って案内されるため、Y軸方向の位置が規制されながら矢印Aに示す方向へ変位する。なお、コンピューター装置1を矢印A方向への回動変位する際に、第1の壁部33の前面1aおよび第2の壁部34の前面1aが当接している場合には、その当接部分を中心に変位する。すなわち、第1の位置決め凸部35および第2の位置決め凸部36は、コンピューター装置1を拡張機器30に装着するとき、第1の位置決め凹部3および第2の位置決め凹部4から左右方向へのずれを抑制する。
コンピューター装置1の下面1dが本体保持部31の載置面31aに面当接するまでコンピューター装置1を矢印Aに示す方向へ変位させることで、コンピューター装置1は本体保持部31に位置決めされる。このとき、第1の位置決め凸部35、第2の位置決め凸部36、第1の位置決め凹部3、および第2の位置決め凹部4は、上記関係式(15)、(16)に示す位置関係にあるため係合状態を維持する。
図21Aは、コンピューター装置1が装着された拡張機器30の正面図である。図21Bは、コンピューター装置1が装着された拡張機器30の側面図である。図21Cは、コンピューター装置1が装着された拡張機器30を上から見た平面図である。図21A乃至図21Cに示すように、コンピューター装置1は、拡張機器30に装着されることで、コネクタ6が拡張機器30に備わるコネクタ39に電気的に接続されるため、拡張機器30に電気的に接続される。
また、コンピューター装置1におけるディスプレイパネル2の下面1dからの距離は、拡張機器30における第1の壁部33および第2の壁部34の載置面31aからの距離よりも長く構成している。このため、コンピューター装置1は、拡張機器30に装着されたときに、ディスプレイパネル2が拡張機器30によって覆われず、ディスプレイパネル2の表示面が全て露出する。したがって、ユーザーは、ディスプレイパネル2に表示される映像を確実に視認することができる。また、ディスプレイパネル2にタッチパネルが備わる場合は、ユーザーはタッチパネルの任意の箇所を接触操作することができる。
図21A乃至図21Cに示すように、コンピューター装置1は、拡張機器30に装着されている状態において、前面1a側が第1の位置決め凸部35及び第2の位置決め凸部36によって位置決めされ、背面1b側が案内凸部38によって位置決めされていることにより、Y軸方向の位置が規制されている。また、コンピューター装置1は、拡張機器30に装着されている状態において、第1の壁部33及び第2の壁部34と背面壁部37との間の間隙に配置されていることにより、Z軸方向の位置が規制されている。また、コンピューター装置1は、拡張機器30に装着されている状態において、下面1dが本体保持部31の載置面31aに当接していることにより、X軸方向における下方向の位置が規制されている。これらの関係を満足しているため、コンピューター装置1のコネクタ6と拡張機器30のコネクタ39とを接続することができる。
なお、図21A乃至図21Cに示す装着状態のとき、コンピューター装置1の前面1aと第1の壁部33及び第2の壁部34とは、当接していてもよいし、僅かな隙間を挟んで離間していてもよい。また、コンピューター装置1の背面1bと背面壁部37とは、当接していてもよいし、僅かな隙間を挟んで離間していてもよい。
また、本体保持部31は、載置面31aの長手方向の両端が開放しているため、コンピューター装置1の幅寸法W6(図1A参照)が載置面31aの長手方向の幅寸法W16(図19A参照)よりも大きい場合であっても、コンピューター装置1を本体保持部31に保持させることができる。すなわち、本体保持部31は、図21A及び図21Cに示すように、コンピューター装置1の側面1e側と側面1f側とが本体保持部31から突出した状態でコンピューター装置1を保持することができる。これにより、本体保持部31は、上記関係式(11)乃至(19)を満たすことができれば、コンピューター装置1の幅寸法W6にかかわらず、コンピューター装置1を保持することができる。
コンピューター装置1を拡張機器30から離脱する場合は、コンピューター装置1を矢印Bに示す方向へ変位させる。このとき、第1の壁部33及び第2の壁部34の長さH12(図19B参照)が背面壁部37の高さよりも大幅に低く形成されているとともに、第1の位置決め凸部35が第1の位置決め凹部3に係合し第2の位置決め凸部36が第2の位置決め凹部4に係合しているため、コンピューター装置1は、第1の位置決め凸部35と第1の位置決め凹部3との係合部分および第2の位置決め凸部36と第2の位置決め凹部4との係合部分を中心にして矢印Bに示す方向へ回動させることができる。
コンピューター装置1を、下面1dが本体保持部31の載置面31aから離間する位置まで変位させると、図20に示す状態になる。図20に示す状態から、コンピューター装置1を矢印Cに示す方向へ変位させることにより、第1の位置決め凸部35と第1の位置決め凹部3との係合が外れ、第2の位置決め凸部36と第2の位置決め凹部4との係合が外れ、案内凸部38と案内凹部5との係合が外れる。これにより、コンピューター装置1は、本体保持部31から離脱する。
なお、上記説明では、単体のコンピューター装置1を拡張機器30に着脱する動作について説明したが、拡張機器30には、図2A等に示すように把持部材10を備えたコンピューター装置1や、図11等に示すようにハンドル部材20を備えたコンピューター装置1を着脱することもできる。把持部材10を備えたコンピューター装置1を拡張機器30に着脱する動作、およびハンドル部材20を備えたコンピューター装置1を拡張機器30に着脱する動作は、単体のコンピューター装置1を拡張機器30に着脱する動作と同等である。以下、把持部材10を備えたコンピューター装置1が拡張機器30に装着された状態、およびハンドル部材20を備えたコンピューター装置1が拡張機器30に装着された状態について説明する。
〔3−2.拡張機器と把持部材を備えたコンピューター装置との着脱動作〕
図22Aは、把持部材10を備えたコンピューター装置1が装着された拡張機器30の正面図である。図22Bは、把持部材10を備えたコンピューター装置1が装着された拡張機器30の背面図である。図22Cは、把持部材10を備えたコンピューター装置1の側面図である。
把持部材10は、図2Bに示すようにコンピューター装置1の背面1bにおいて、コンピューター装置1の下面1dから距離D24離れた位置に装着される。距離D24と、背面壁部37の高さ寸法H15(図19B参照)とは、以下の寸法関係を有する。
H15<D24 ・・・関係式(21)
上記関係式(21)により、図22B及び図22Cに示すように、把持部材10を備えたコンピューター装置1を拡張機器30に装着したとき、グリップベルト12と背面壁部37とは離隔配置する。これにより、コンピューター装置1を拡張機器30の正規の位置に装着することができ、コンピューター装置1のコネクタ6と拡張機器30のコネクタ39とを確実に接続することができる。
高さ寸法H15は、把持部材10を固定したコンピューター装置1を拡張機器30に載置したとき、背面壁部37における外郭で、グリップベルト12が最も近接する部位の載置面31aからの高さ寸法以下に構成すればよい。すなわち、載置面31aから背面壁部37の高さ寸法H15は、把持部材10を固定したコンピューター装置1を載置面31aに載置したとき、背面1bの面から背面壁部37の方向へ突出するグリップベルト12と当接や接触(以下、両者を「干渉」と称す)しなければよい。
なお、把持部材10が、コンピューター装置1を拡張機器30に装着したときにグリップベルト12と背面壁部37とが干渉する位置に装着されていた場合、コンピューター装置1を拡張機器30の正規の位置に装着することができず、コンピューター装置1のコネクタ6と拡張機器30のコネクタ39とを確実に接続することができない場合がある。
〔3−3.拡張機器とハンドル部材を備えたコンピューター装置との着脱動作〕
図23Aは、ハンドル部材20を備えたコンピューター装置1が装着された拡張機器30の正面図である。図23Bは、ハンドル部材20を備えたコンピューター装置1が装着された拡張機器30の背面図である。図23Cは、ハンドル部材20を備えたコンピューター装置1が装着された拡張機器30の側面図である。図23A乃至図23Cに示すハンドル部材20は、図13に示す第1の位置にある。
ハンドル部材20は、図11に示すようにコンピューター装置1の背面1bにおいて、コンピューター装置1の下面1dから距離L25離れた位置に装着される。具体的には、距離L25は、コンピューター装置1の背面1bにおける、下面1dから第1の脚部26aまたは第2の脚部26bの他端までの距離である。なお、支持板金22b及び23bは、コンピューター装置1内に固定されていることとし、背面1bからコンピューター装置1の厚さ方向に突出していないこととした。
ハンドル部材20を備えたコンピューター装置1は、拡張機器30に装着したとき、ヒンジ機構22aおよび23aか第1の脚部26aおよび26bの内のいずれかが、最も背面壁部37に近接する。そこで、背面壁部37は、この背面壁部37に対して最近接する部分と干渉することがない構成とすればよい。
距離L25と、背面壁部37の載置面31aからの最大高さ寸法H15(図19B参照)とは、以下の寸法関係とすることが好ましい。
H15<L25 ・・・関係式(22)
上記関係式(22)により、ハンドル部材20を備えたコンピューター装置1を拡張機器30に装着したとき、ハンドル部材20と背面壁部37とは離隔配置する。これにより、コンピューター装置1を拡張機器30の正規の位置に装着することができ、コンピューター装置1のコネクタ6と拡張機器30のコネクタ39とを確実に接続することができる。
なお、高さ寸法H15は、本実施の形態のハンドル部材20の第1の脚部26aと第2の脚部26bと把持部21とで構成する領域に侵入する構成であっても、図11からも明らかなように、適用することができる。すなわち、背面壁部37の外郭形状は、ハンドル部材20を固定したコンピューター装置1を載置面31aに載置したとき、背面1bの面から背面壁部37の方向へ突出するハンドル部材20と干渉しなければよい。
また、本実施の形態における板金22bおよび23bは、図11に示したように、第1の脚部26aおよび第2の脚部26bに対し把持部21側(すなわち、平面形状が略「C」形状の内側)に備えた構成であるが、第1の脚部26aおよび第2の脚部26bに対し把持部21の反対側に備える場合には、板金22bおよび23bはコンピューター装置1の背面1bから突出した構成であってもよい。
また、距離L25と背面壁部37の高さ寸法H15とは、上記関係式(22)に含まれる寸法関係に限らず、以下の関係式(23)に含まれる寸法関係であってもよい。図23B及び図23Cに示すコンピューター装置1と拡張機器30とにおけるハンドル部材20と背面壁部37との位置関係は、以下の関係式(23)に含まれる。
H15≧L25 ・・・関係式(23)
ハンドル部材20と背面壁部37との位置関係が上記関係式(23)に含まれる位置関係にある場合は、ハンドル部材20または背面壁部37の形状を、互いに干渉し合わない形状とする必要がある。本実施の形態では、背面壁部37は、図23Bに示すように傾斜部37c及び37dを備え、上端部37bがハンドル部材20の第1の脚部26aと第2の脚部26bとの間および支持板金22bと支持板金23bとの間に位置する形状とした。このような構成とすることにより、ハンドル部材20を備えたコンピューター装置1を拡張機器30に装着したとき、ハンドル部材20と背面壁部37とは離隔配置する。これにより、コンピューター装置1を拡張機器30の正規の位置に装着することができ、コンピューター装置1のコネクタ6と拡張機器30のコネクタ39とを確実に接続することができる。
なお、関係式(23)の場合には、
L22≧W17 ・・・関係式(24)
L22≧W18 ・・・関係式(25)
の関係式を満足すると、拡張機器30の載置面31aにコンピューター装置1を載置した状態で、ハンドル部材20が背面壁部37に対して緩衝することがないため好ましい。なお、寸法W17は、背面壁部37の幅寸法である(図19A参照)。寸法W18は、背面壁部37の上端部37bの幅寸法である(図23B参照)。寸法W18は、具体的には上端部37bの平坦部分の幅寸法である。寸法W18は、「L21≧W18」の寸法関係を有していてもよい。関係式(25)は、背面壁部37の上端部37bが支軸22d及び23dの軸線と一致または近傍に配置されている場合に有効となるが、背面壁部37の上端部37bが支軸22d及び23dの軸線から離れている場合等では必須ではない。
ハンドル部材20は、ユーザーがコンピューター装置1を運搬する際にコンピューター装置1の姿勢を安定させることを考慮すると、図11に示すようにコンピューター装置1に対する固定部分(支持板金22b及び23b等)をできるだけ離して配置したほうがよい。本実施の形態の拡張機器30は、このようなハンドル部材20の形状的特徴を利用し、コンピューター装置1に対するハンドル部材20の固定部分(支持板金22b及び23b等)の間に背面壁部37の少なくとも一部を配置することで、ハンドル部材20と背面壁部37との干渉を防いでいる。
なお、図23A乃至図23Cは、ハンドル部材20が第1の位置にある場合について説明したが、ハンドル部材20がコンピューター装置1の正規位置への装着を妨げない範囲であれば、第1の位置以外の位置にある場合でもコンピューター装置1を拡張機器30の正規位置に装着することができる。例えば、ハンドル部材20が図14に示す第2の位置にある場合は、コンピューター装置1を拡張機器30の正規位置に装着しようとしたときにハンドル部材20と背面壁部37とが干渉し、コンピューター装置1を拡張機器30の正規位置に装着することができない。しかし、ハンドル部材20を図14に示す位置から矢印Cに示す方向へ回動させ、例えば回動角度A3(図15参照)が160度未満となる位置に配置させることで、ハンドル部材20と背面壁部37とが干渉せず、コンピューター装置1を拡張機器30の正規位置に装着することができる。
また、図23Bに示す支持板金22b及び23bは、背面壁部37に重なる位置に配置されているが、コンピューター装置1の内部に固定されて背面1bに突出していない。したがって、コンピューター装置1を拡張機器30の正規位置に装着することができる。
〔4.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、把持部材10、ハンドル部材20、および背面壁部37を、関係式(21)及び(22)に示す寸法関係、または関係式(21)及び(23)に示す寸法関係とすることで、把持部材10またはハンドル部材20が装着されたコンピューター装置1を拡張機器30に装着した際に、把持部材10またはハンドル部材20と背面壁部37との干渉を防ぐことができる。すなわち、背面壁部37は、把持部材10やハンドル部材20を固定したコンピューター装置1を載置面31aに載置したとき、背面1bの面から背面壁部37の方向へ突出するグリップベルト12やハンドル部材20と当接しなければよい。換言すると、背面壁部37の外郭形状は、グリップベルト12やハンドル部材20に当接や接触(すなわち「干渉」)しなければ、図示した単純な凸状に限定されるものではない。したがって、背面壁部37は、グリップベルの12のベルト部12aの外形形状を、ユーザーの手が馴染み易くするため、例えば幅広の形状としたとき等の場合、グリップベルト12における幅広形状と干渉しない形状(例えば凹状の外形形状)とすることができる。
したがって、コンピューター装置1に把持部材10またはハンドル部材20を装着したまま、コンピューター装置1を拡張機器30に装着することができるので、コンピューター装置1を拡張機器30に装着する際に把持部材10またはハンドル部材20を取り外す手間を省くことができる。
また、本実施の形態では、背面壁部37は、図23Bに示すように傾斜部37c及び37dを備え、上端部37bがハンドル部材20の第1の脚部26aと第2の脚部26bとの間および支持板金22bと支持板金23bとの間に位置する形状とした。このような構成とすることにより、ハンドル部材20を備えたコンピューター装置1を拡張機器30に装着したとき、ハンドル部材20と背面壁部37とは離隔配置する。これにより、コンピューター装置1を拡張機器30の正規の位置に装着することができ、コンピューター装置1のコネクタ6と拡張機器30のコネクタ39とを確実に接続することができる。また、このような構成とすることにより、背面壁部37の高さ寸法H15を極力高くすることができるので、コンピューター装置1の背面1bに対する支持面積を大きく確保でき、コンピューター装置1を安定して支持することができる。
なお、本実施の形態では、図23Bに示すように背面壁部37に傾斜部37c及び37dを備えたが、少なくとも背面壁部37とハンドル部材20との干渉を防ぐことができれば、傾斜形状であることは必須ではない。例えば、矩形であってもよい。
また、コンピューター装置1は、本体機器の一例である。拡張機器30は、拡張機器の一例である。把持部材10、ハンドル部材20は、把持装置の一例である。コンピューター装置1の背面1bは、本体機器の一主面の一例である。コンピューター装置1の下面1dは、本体機器の他主面の一例である。載置面31aは、載置部の一例である。背面壁部37は、壁部の一例である。