JP2012212670A - 発光素子および照明装置 - Google Patents

発光素子および照明装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012212670A
JP2012212670A JP2012064798A JP2012064798A JP2012212670A JP 2012212670 A JP2012212670 A JP 2012212670A JP 2012064798 A JP2012064798 A JP 2012064798A JP 2012064798 A JP2012064798 A JP 2012064798A JP 2012212670 A JP2012212670 A JP 2012212670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
emitting layer
emitting
abbreviation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012064798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6009789B2 (ja
JP2012212670A5 (ja
Inventor
Tetsushi Seo
哲史 瀬尾
Takahiro Ushikubo
孝洋 牛窪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2012064798A priority Critical patent/JP6009789B2/ja
Publication of JP2012212670A publication Critical patent/JP2012212670A/ja
Publication of JP2012212670A5 publication Critical patent/JP2012212670A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6009789B2 publication Critical patent/JP6009789B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • H10K50/125OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers specially adapted for multicolour light emission, e.g. for emitting white light
    • H10K50/13OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers specially adapted for multicolour light emission, e.g. for emitting white light comprising stacked EL layers within one EL unit
    • H10K50/131OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers specially adapted for multicolour light emission, e.g. for emitting white light comprising stacked EL layers within one EL unit with spacer layers between the electroluminescent layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K2101/00Properties of the organic materials covered by group H10K85/00
    • H10K2101/27Combination of fluorescent and phosphorescent emission
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K2102/00Constructional details relating to the organic devices covered by this subclass
    • H10K2102/301Details of OLEDs
    • H10K2102/351Thickness
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/30Coordination compounds
    • H10K85/341Transition metal complexes, e.g. Ru(II)polypyridine complexes
    • H10K85/342Transition metal complexes, e.g. Ru(II)polypyridine complexes comprising iridium
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/631Amine compounds having at least two aryl rest on at least one amine-nitrogen atom, e.g. triphenylamine
    • H10K85/633Amine compounds having at least two aryl rest on at least one amine-nitrogen atom, e.g. triphenylamine comprising polycyclic condensed aromatic hydrocarbons as substituents on the nitrogen atom
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/631Amine compounds having at least two aryl rest on at least one amine-nitrogen atom, e.g. triphenylamine
    • H10K85/636Amine compounds having at least two aryl rest on at least one amine-nitrogen atom, e.g. triphenylamine comprising heteroaromatic hydrocarbons as substituents on the nitrogen atom
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • H10K85/657Polycyclic condensed heteroaromatic hydrocarbons
    • H10K85/6576Polycyclic condensed heteroaromatic hydrocarbons comprising only sulfur in the heteroaromatic polycondensed ring system, e.g. benzothiophene

Abstract

【課題】白色発光を実現する発光素子として、視感度の低い波長領域の光を用いても、発光素子の電力効率を向上させる。
【解決手段】白色発光を実現する発光素子として、3つの発光層を積層した発光素子に係るものである。発光素子は、透光性を有する電極と、光反射性を有する電極との間に3つの発光層を有し、各々の発光層からの発光は、光反射性の電極により反射され、透光性を有する電極側に取り出される。また、発光層は、光反射性の電極に近い発光層ほど光学距離が短い。そこで、反射性を有する電極からの距離に応じて各発光層の位置を限定し、各発光層の光学距離を調整することにより、高い電力効率を有した発光素子を提供する。
【選択図】図1

Description

エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子に関する。また、発光素子を用いた発光装置または照明装置に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用した発光素子に関する研究開発が盛んに行われている。エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を含む層(以下、発光層という)を挟んだものである。発光素子の電極間に電圧を印加することにより、発光性の物質から発光を得ることができる。
エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子のなかで、特に、発光性の物質が有機化合物であるものは、薄膜を積層して発光素子を形成することが可能である。そのため、薄型軽量に作製でき、大面積化も容易であることから、面光源としての応用が期待されている。また、当該発光素子は、白熱電球や蛍光灯をしのぐ発光効率が期待されるため、照明器具に好適であるとして注目されている。
上記発光素子は、発光性の物質の種類によって様々な発光色を提供することができる。特に、照明への応用を考えた場合、白色発光またはそれに近い色の発光が高効率で得られる発光素子が求められている。
白色発光が得られる発光素子として、例えば、赤、緑、青の各波長領域にピークを有する複数の発光ユニットを積層した白色発光素子が提案されている(例えば、特許文献1)。また、補色の関係にある各波長領域(例えば、青と黄)にピークを有する2つの発光層を積層した白色発光素子が提案されている(例えば、特許文献2)。
特表2008−518400号公報 特開2006−12793号公報
上記赤、緑、青の各波長領域にピークを有する複数の発光層を積層したものは、視感度の低い赤色と青色の波長領域を使うことで白色発光を実現している。
また、上記補色の関係にある各波長領域(例えば、青と黄)にピークを有する2つの発光層を積層したものは、視感度の低い色(例えば青色)の割合を多くすることで白色発光を実現している。
このように、これまで提案されている白色発光を実現する発光素子は、視感度の低い波長領域の光をある程度の割合で使わざるをえなかった。したがって、電力効率の向上には限界があった。電力効率[lm/W]の単位に含まれる光束[lm]は、視感度を考慮した物理量であるためである。
また、白色発光を実現する発光素子は、複数の発光層を積層することで、発光層に使用する有機材料の増加や、発光層を形成する蒸着時間の増加といった課題がある。
上記問題に鑑み、白色発光を実現する発光素子として、視感度の低い波長領域の光を用いても、発光素子の電力効率を向上させることを課題の一とする。また、発光層に使用する有機材料の使用量を抑制し、コストを低減させることを課題の一とする。また、該発光素子を光源として有する照明装置を提供することを課題の一とする。
本発明の一態様は、白色発光を実現する発光素子として、3つの発光層を積層した発光素子に係るものである。発光素子は、透光性を有する電極と、光反射性を有する電極との間に3つの発光層を有し、各々の発光層からの発光は、光反射性の電極により反射され、透光性を有する電極側に取り出される。そこで、各発光層からの発光の波長を決定することで、3つの発光層の積層順を限定する。また、光反射性を有する電極と各発光層との光学距離を決定することで、高い電力効率を有した発光素子を提供する。また、発光層に使用する有機材料を抑制した発光素子を提供する。より詳細には以下の通りである。
本発明の一態様は、透光性を有する電極と、光反射性を有する電極と、を有し、透光性を有する電極と光反射性を有する電極との間に、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層と、を有し、第1の発光層は、透光性を有する電極と第1の中間層との間に設けられ、第2の発光層は、第1の中間層と第2の中間層との間に設けられ、第3の発光層は、第2の中間層と光反射性を有する電極との間に設けられ、第1の発光層からの発光スペクトルのピークは、第2及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ長波長の位置にあり、第2の発光層からの発光スペクトルのピークは、第1及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ短波長の位置にあることを特徴とする発光素子である。なお、本明細書中で発光スペクトルのピークとは、複数のピークを有する発光スペクトルの場合、そのうち最大の発光強度のピークを指す。
本発明の他の一態様は、透光性を有する電極と、光反射性を有する電極と、を有し、透光性を有する電極と光反射性を有する電極との間に、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層と、を有し、第1の発光層は、透光性を有する電極と第1の中間層との間に設けられ、第2の発光層は、第1の中間層と第2の中間層との間に設けられ、第3の発光層は、第2の中間層と光反射性を有する電極との間に設けられ、第1の発光層からの発光スペクトルのピークは、第2及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ長波長の位置にあり、第2の発光層からの発光スペクトルのピークは、第1及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ短波長の位置にあり、光反射性を有する電極と、第1の発光層との光学距離は、第1の発光層からの発光のピーク波長の3/4であり、光反射性を有する電極と、第2の発光層との光学距離は、第2の発光層からの発光のピーク波長の3/4であり、光反射性を有する電極と、第3の発光層との光学距離は、第3の発光層からの発光のピーク波長の1/4であることを特徴とする発光素子である。なお、本明細書中で発光スペクトルのピーク波長とは、複数のピークを有する発光スペクトルの場合、そのうち最大の発光強度のピークにおける波長を指す。
なお、光学距離(光学的距離、光路長ともいう)とは、実際の距離に屈折率をかけたものであり、本明細書等においては、実膜厚にn(屈折率)をかけたものを表している。すなわち、「光学距離=実膜厚×n」である。
上記各構成において、第1の発光層は、発光のピークが黄色から橙色の波長領域(560nm以上620nm未満)にある発光性の物質を有し、発光性の物質は燐光性化合物であってもよい。燐光性化合物を用いることにより、蛍光性化合物を用いた場合と比べて電力効率を3〜4倍高めることができる。また、黄色や橙色の燐光性化合物を用いた素子は、青色の燐光性化合物を用いた素子に比べ、長寿命が得やすい。
上記各構成において、第2の発光層は、発光のピークが青色の波長領域(400nm以上480nm未満)にある発光性の物質を有し、発光性の物質は蛍光性化合物であってもよい。青色の発光性の物質として蛍光性化合物を用いることにより、青色の発光性の物質として燐光性化合物を用いた場合と比べて長寿命の発光素子を得ることができる。
上記各構成において、第3の発光層は、発光性の物質を有し、発光性の物質からの発光は、第1の発光層からの発光の波長以下であってもよい。
上記各構成において、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層と、の合計膜厚は400nm以下であってもよい。また、光反射性を有する電極は、陰極であってもよい。第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層と、の合計膜厚を400nm以下とすることで、発光層に使用する有機材料の量を抑制し、薄膜化した発光素子を得ることができる。
また、本発明の他の一態様は、上記各構成を有する発光素子を用いる照明装置である。
また、本明細書等において、発光層とは、少なくとも発光性の物質を含む構成である。発光性の物質以外にも機能層等を有していてもよい。
本発明の一態様によれば、3つの発光層を積層した白色発光を実現する発光素子において、高い電力効率を実現した発光素子を提供することができる。また、発光層に使用する有機材料を抑制した発光素子を提供することができる。
また、上記発光素子は、高い電力効率を有するので、屋内用の照明装置、または屋外用の照明装置の光源として用いることができる。上記発光素子を用いることにより、電力効率が高く、省電力な照明装置を提供することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の例を説明するための図。 本発明の一態様に係る発光素子の例、及び実施例1の発光素子1を説明するための図。 本発明の一態様に係る照明装置を説明するための図。 比較発光素子1を説明するための図。 発光素子1、及び比較発光素子1の発光スペクトル、及び輝度−外部量子効率特性を説明するための図。 発光素子1、及び比較発光素子1の輝度−電力効率特性を説明するための図。 発光素子2の発光スペクトル、及び輝度−外部量子効率特性を説明するための図。 発光素子2の輝度−電力効率特性を説明するための図。 発光素子3の発光スペクトル、及び輝度−外部量子効率特性を説明するための図。 発光素子3の輝度−電力効率特性を説明するための図。 発光素子4、及び発光素子5を説明するための図。 発光素子4の発光スペクトル、及び輝度−外部量子効率特性を説明するための図。 発光素子4の輝度−電力効率特性を説明するための図。 発光素子5の発光スペクトル、及び輝度−外部量子効率特性を説明するための図。 発光素子5の輝度−電力効率特性を説明するための図。
(実施の形態1)
本実施の形態では、発光素子の構成の一例について、図1を用いて説明する。
図1に示す発光素子100は、透光性を有する電極104と、光反射性を有する電極106と、を有し、透光性を有する電極104と光反射性を有する電極106との間に、第1の発光層108と、第2の発光層110と、第3の発光層112と、第1の中間層114と、第2の中間層116と、を有している。第1の発光層108は、透光性を有する電極104と第1の中間層114との間に設けられている。第2の発光層110は、第1の中間層114と第2の中間層116との間に設けられている。第3の発光層112は、第2の中間層116と光反射性を有する電極106との間に設けられている。なお、第1の発光層108と第2の発光層110と第3の発光層112は、第1の中間層114、及び第2の中間層116を介して積層され、直列に接続されている。このように、第1の発光層108と第2の発光層110と第3の発光層112とが積層された構造であるため、積層型の発光素子という。また、透光性を有する電極を陽極、光反射性を有する電極を陰極とすることができる。
また、第1の発光層108からの発光は、第2の発光層110からの発光、及び第3の発光層112からの発光と比較し最長のピーク波長を有し、第2の発光層110からの発光は、第1の発光層108からの発光、及び第3の発光層112からの発光と比較し最短のピーク波長を有する。なお、第3の発光層112からの発光は、第1の発光層108からの発光の波長以下であればよい。
このように、第1の発光層108からの発光が最長のピーク波長を有し、第2の発光層110からの発光が最短のピーク波長を有する構成とすることで、各発光層の光学距離(すなわち、発光層の膜厚)を最適化することが可能となる。各発光層の光学距離(発光層の膜厚)を最適化することにより、高い電力効率を有した発光素子を実現できる。
具体的には、光反射性を有する電極106と第1の発光層108との光学距離は、第1の発光層108からの発光のピーク波長の3/4であり、光反射性を有する電極106と第2の発光層110との光学距離は、第2の発光層110からの発光のピーク波長の3/4であり、光反射性を有する電極106と第3の発光層112との光学距離は、第3の発光層112からの発光のピーク波長の1/4である。
なお、図1において、光反射性を有する電極106から第1の発光層108の光学距離を3λa/4、光反射性を有する電極106から第2の発光層110の光学距離を3λb/4、光反射性を有する電極106から第3の発光層112の光学距離を1λc/4として図示している。また、λaは、第1の発光層108からの発光の波長であり、λbは第2の発光層110からの発光の波長であり、λcは第3の発光層112からの発光の波長である。
また、図1に示す発光素子100は、透光性を有する電極104と光反射性を有する電極106との間に生じた電位差により電流が流れ、第1の発光層108、第2の発光層110、及び第3の発光層112において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまり、第1の発光層108、第2の発光層110、及び第3の発光層112内部に発光領域が形成されるような構成である。すなわち、本明細書等においては、光反射性を有する電極106と第1乃至第3の発光層との光学距離とは、光反射性を有する電極106と、第1乃至第3の発光層内部の発光領域との光学距離とすることが好ましい。
また、光反射性を有する電極106と各発光層の光学距離は、各発光層の発光のmλx/4(mは奇数、λxは各発光層からの発光の波長)とすることで、電力効率が高められる。また、発光層は、発光層内における光の吸収などの損失の影響があるため、厚い膜厚よりも薄い膜厚の方が光学的に好ましい。
しかしながら、光反射性を有する電極106と第1の発光層108との光学距離を、第1の発光層108からの発光のピーク波長の1/4、光反射性を有する電極106と第2の発光層110との光学距離を、第2の発光層110からの発光のピーク波長の1/4、光反射性を有する電極106と第3の発光層112との光学距離を、第3の発光層112からの発光のピーク波長の1/4、とする構成が理論上最大の電力効率となるが、実際には各発光層及び各中間層の光学距離(各発光層の膜厚、及び各中間層の膜厚)を極限にまで短く(薄く)する必要があり、このような構成で発光素子を形成することが困難である。
したがって、従来までは、光反射性を有する電極106から第1の発光層108までの光学距離を、第1の発光層108からの発光のピーク波長の5/4、光反射性を有する電極106から第2の発光層110までの光学距離を、第2の発光層110の発光のピーク波長の3/4、光反射性を有する電極106から第3の発光層112までの光学距離を、第3の発光層112の発光のピーク波長の1/4とする構成を用いていた。しかし、この構成では発光層の膜厚が厚くなり、発光層内における光の吸収などの損失が無視できなくなる。
しかし、本実施の形態に示す発光素子100においては、光反射性を有する電極106と第1の発光層108までの光学距離を、第1の発光層108からの発光のピーク波長の3/4とすることができる。つまり、光反射性を有する電極106から最も離れた第1の発光層108においても、従来までの光学距離(第1の発光層108からの発光のピーク波長の5/4)よりも短くすることができる。しかも、第1の発光層108からの発光スペクトルのピークが、第2及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ長波長の位置にあり、第2の発光層110からの発光スペクトルのピークを第1及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ短波長の位置にある構成としているため、第1の発光層108、及び第2の発光層110は、形成可能な膜厚とすることができる。
たとえば、第1の発光層108からの発光の波長(λa)が620nmの赤色領域にあり、第2の発光層110からの発光の波長(λb)が460nmの青色領域にあり、屈折率(n)が、1.8とする構造を仮定する。この時、光反射性を有する電極106と第1の発光層108までの光学距離、光反射性を有する電極106と第2の発光層110までの光学距離が、それぞれの発光層の発光のピーク波長の1/4とすると、第1の発光層108と第2の発光層110の光学距離の差は、およそ22nmとなるため、発光素子の形成が困難な値である。しかし、光反射性を有する電極106と第1の発光層108までの光学距離、光反射性を有する電極106と第2の発光層110までの光学距離が、それぞれの発光層の発光のピーク波長の3/4とすると、第1の発光層108と第2の発光層110の光学距離の差は、およそ67nmとなるため発光素子を形成することができる。
また、第1の発光層108からの発光の波長(λa)が460nmの青色領域にあり、第2の発光層110からの発光の波長(λb)が620nmの赤色領域にあり、屈折率(n)が、1.8とする構造を仮定する。この時、光反射性を有する電極106と第1の発光層108までの光学距離、光反射性を有する電極106と第2の発光層110までの光学距離が、それぞれの発光層の発光のピーク波長の3/4とすると、第1の発光層108よりも第2の発光層110の方が、光学距離が長くなり発光素子を形成することができない。
従って、本実施の形態に示す発光素子100は、第1乃至第3の発光層からの発光の波長を決定し、3つの発光層の積層順を限定する。また、光反射性を有する電極106と各発光層の光学距離を決定することで、高い電力効率を有した発光素子とすることができる。
例えば、第1の発光層108としては、黄色から橙色の波長領域にピークを有する発光性の物質を用いることができる。例えば、黄色から橙色の波長領域にピークを有する発光性の物質として、アリールピリミジン誘導体を配位子とする有機金属錯体を用いることができる。また、発光性の物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させることにより、発光層を構成することもできる。上記黄色から橙色の波長領域にピークを有する発光性の物質として、燐光性化合物を用いることができる。燐光性化合物を用いることにより、蛍光性化合物を用いた場合と比べて電力効率を3〜4倍高めることができる。上述したアリールピリミジン誘導体を配位子とする有機金属錯体は燐光性化合物であり、発光効率が高い上に、黄色から橙色の波長領域の発光を得やすく、本発明に好適である。
また、第2の発光層110としては、青色の波長領域にピークを有する発光性の物質を用いることができる。例えば、青色の波長領域にピークを有する発光性の物質として、ピレンジアミン誘電体を用いることができる。上記青色の波長領域にピークを有する発光性の物質として、蛍光性化合物を用いることができる。青色の発光性の物質として蛍光性化合物を用いることにより、青色の発光性の物質として燐光性化合物を用いた場合と比べて長寿命の発光素子を得ることができる。上述したピレンジアミン誘導体は蛍光性化合物であり、極めて高い量子収率が得られる上に、長寿命であり、本発明に好適である。
また、第3の発光層112としては、第1の発光層108と同様に黄色から橙色の波長領域にピークを有する発光性の物質を用いることができる。ただし、第3の発光層112は、これに限定されず、第1の発光層108からの発光の波長以下にピークを有する発光性の物質を用いればよい。例えば、第2の発光層110と同様に青色の波長領域にピークを有する発光性の物質を用いてもよい。また、青色から橙色の間である緑色の波長領域にピークを有する発光性の物質を用いてもよい。
ここで、第1の発光層108に黄色から橙色の発光層を用い、第2の発光層110に青色の発光層を用い、第3の発光層112に黄色から橙色の発光層を用い、これらの3つの発光層を積層する場合を考える。この場合、第1の発光層108からの発光120と、第3の発光層112からの発光124と合わせた黄色から橙色の発光と、第2の発光層110からの発光122との強度比は、概ね8対1から6対1の範囲となる。したがって、2つの黄色から橙色の発光層を燐光性化合物で構成し、1つの青色の発光層を蛍光性化合物で構成し、これら3つの発光層を積層した発光素子100において、発光素子100から発光される色を電球色や温白色に近い白色とすることが可能となる。しかも、視感度の高い黄色から橙色の発光層を2つ用いている上に、それらの発光層の発光物質が燐光性化合物であるため、電力効率が高まる。
さらに、第1の発光層108は、黄色から橙色の発光層を用いており、光反射性を有する電極106と第1の発光層108との光学距離は、第1の発光層108からの発光のピーク波長の3/4である。また、第2の発光層110は、青色の発光層を用いており、光反射性を有する電極106と第2の発光層110との光学距離は、第2の発光層110からの発光のピーク波長の3/4である。また、光反射性を有する電極106と第3の発光層112との光学距離は、第3の発光層112からの発光のピーク波長の1/4である。このように、光反射性を有する電極106と、第1乃至第3の発光層の光学距離を決定することにより、各発光層、及び各中間層を薄膜化することができる。第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層の合計膜厚は、好ましくは400nm以下であり、更に好ましくは350nm以下である。このように各発光層、各中間層を薄膜化することにより、発光層内における光の吸収などの損失を抑制できる。したがって、発光素子100の電力効率をさらに高めることができる。
また、各発光層を薄膜化することにより、発光層に使用する有機材料を低減することができる。したがって、各発光層に用いる材料の抑制、及び蒸着時間等の時間の短縮などが可能となり、コスト的に有利である。
以上のように、本実施の形態に示した発光素子は、3つの発光層を積層した白色発光を実現する発光素子において、第1の発光層からの発光のピークが、視感度の高い黄色から橙色の波長領域にある発光層を用い、第2の発光層からの発光のピークが青色の波長領域にある発光層を用い、第3の発光層からの発光のピークが、視感度の高い黄色から橙色の波長領域にある発光層を用い、3つの発光層の積層順を決定し、各発光層を薄膜化し積層することで、発光素子全体の電力効率を向上させることができる。また、各発光層を薄膜化することで、発光層に使用する有機材料を抑制した発光素子を提供することができる。
また、上記発光素子は、高い電力効率を有するので、屋内用の照明装置、または屋外用の照明装置の光源として用いることができる。上記発光素子を用いることにより、電力効率が高く、省電力な照明装置を提供することができる。
また、本実施の形態に示した発光素子は、電球色や温白色に近い白色を有するので、屋内用の照明装置、または屋外用の照明装置の光源として用いることができる。本実施の形態に示した発光素子を用いることにより、電力効率が高く、省電力な照明装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態、または実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、発光素子の構成の一例について、図1を用いて説明する。本実施の形態では、実施の形態1で示した図1に示す発光素子100の具体的な構成について説明する。
実施の形態1でも説明したとおり、図1に示す発光素子100は、基板102上に設けられ、透光性を有する電極104と、光反射性を有する電極106と、を有し、透光性を有する電極104と光反射性を有する電極106との間に、第1の発光層108と、第2の発光層110と、第3の発光層112と、第1の中間層114と、第2の中間層116と、を有している。第1の発光層108は、透光性を有する電極104と第1の中間層114との間に設けられている。第2の発光層110は、第1の中間層114と第2の中間層116との間に設けられている。第3の発光層112は、第2の中間層116と光反射性を有する電極106との間に設けられている。なお、第1の発光層108と第2の発光層110と第3の発光層112は、第1の中間層114と第2の中間層116を介して積層され、直列に接続されている。このように、第1の発光層108と第2の発光層110と第3の発光層112とが積層された構造であるため、積層型の発光素子という。また、図1において、透光性を有する電極104が陽極であり、光反射性を有する電極106が陰極として機能する。
第1の発光層108、および第3の発光層112は、黄色から橙色の波長領域にピークを有する発光性の物質を有している。黄色から橙色の波長領域にピークを有する発光性の物質として、ルブレン、(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、ビス[2−(2−チエニル)ピリジナト]イリジウムアセチルアセトナート(略称:Ir(thp)(acac))、ビス(2−フェニルキノリナト)イリジウムアセチルアセトナート(略称:Ir(pq)(acac))、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)−5−メチルピラジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdppr−Me)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{2−(4−メトキシフェニル)−3,5−ジメチルピラジナト}イリジウム(III)(略称:Ir(dmmoppr)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)(acac)などを用いることができる。
また、黄色から橙色の波長領域にピークを有する発光性の物質としては、上述したとおり、Ir(thp)(acac)、Ir(pq)(acac)、Ir(pq)、Ir(bt)(acac)、Ir(Fdppr−Me)(acac)、Ir(dmmoppr)(acac)、Ir(mppr−Me)(acac)、Ir(mppr−iPr)(acac)、Ir(dppm)(acac)のような燐光性化合物が好ましい。中でも特に、Ir(Fdppr−Me)(acac)、Ir(dmmoppr)(acac)、Ir(mppr−Me)(acac)、Ir(mppr−iPr)(acac)のようなピラジン誘導体を配位子とする有機金属錯体、または、Ir(dppm)(acac)のようなアリールピリミジン誘導体を配位子とする有機金属錯体が、高効率であるため好ましい。
また、これらの発光性の物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させることにより、発光層を構成しても良い。この場合のホスト材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)や4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)などの芳香族アミン化合物や、2−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−3−フェニルキノキサリン(略称:Cz1PQ)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−3−フェニルキノキサリン(略称:Cz1PQ−III)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)のような複素環化合物が好適である。また、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いても良い。
第2の発光層110は、青色の波長領域にピークを有する発光性の物質を有している。青色の波長領域にピークを有する発光性の物質として、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)などを用いることができる。また、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)などのスチリルアリーレン誘導体や、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)などのアントラセン誘導体を用いることができる。また、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)等のポリマーを用いることができる。また、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)や、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)スチルベン−4,4’−ジアミン(略称:PCA2S)などのスチリルアミン誘導体を用いることができる。また、N,N’−ビス〔4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル〕−N,N’−ジフェニルピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス〔4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル〕−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−ピレン−1,6−ジアミン(1,6tBu−FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス〔3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル〕−ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)のようなピレンジアミン誘導体を用いることができる。
また、青色の波長領域にピークを有する発光性の物質としては、上述したとおり蛍光性化合物を用いることが好ましく、特に1,6FLPAPrn、1,6tBu−FLPAPrn、1,6mMemFLPAPrnのようなピレンジアミン誘導体は、460nm付近にピークを有している上に、極めて高い量子収率が得られ、長寿命であるため好ましい。
また、これらの発光性の物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させることにより、発光層を構成しても良い。この場合のホスト材料としては、アントラセン誘導体が好ましく、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuDNA)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)などが好適である。特に、CzPAやPCzPAは電気化学的に安定であるため好ましい。
なお、上記した発光性の物質の発光色は、ホスト材料や素子構成により、多少変化する場合がある。
図1において、基板102は、発光素子の支持体として用いられる。基板102としては、例えばガラス、またはプラスチックなどを用いることができる。なお、発光素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
透光性を有する電極104としては、透光性を有していればよく、様々な金属、合金、その他の導電性材料、およびこれらの混合物などを用いることができる。例えば、仕事関数の大きい材料である、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素または酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ(ITO−SiO)、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム等の導電性を有する金属酸化物膜を用いることができる。これらの金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。
光反射性を有する電極106としては、光反射性が高い金属材料が好ましく、例えば、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等を用いることができる。また、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、マグネシウム(Mg)、またはこれらを含む合金(マグネシウムと銀の合金、アルミニウムとリチウムの合金)を用いることができる。また、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属、またはこれらを含む合金等を用いることができる。また、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムを含む合金(AlSi)等を用いることができる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金の膜はスパッタリング法により形成することも可能である。また、これらの電極は、単層膜に限らず、積層膜で形成することもできる。
なお、キャリアの注入障壁を考慮すると、透光性を有する電極(すなわち陽極)としては、仕事関数の大きい材料を用いることが好ましい。また、光反射性を有する電極(すなわち陰極)としては、仕事関数の小さい材料を用いることが好ましい。
第1の中間層114は、第1の発光層108において電子を注入する機能を有し、第2の発光層110において正孔を注入する機能を有する。第2の中間層116は、第2の発光層110において電子を注入する機能を有し、第3の発光層112において正孔を注入する機能を有する。したがって、第1の中間層114および第2の中間層116は、少なくとも正孔を注入する機能を有する層と電子を注入する機能を有する層とを積層した積層膜を用いることができる。
また、第1の中間層114および第2の中間層116は、発光素子の内部に位置する層であるため、光の取り出し効率の点から、透光性を有する材料を用いることが好ましい。また、第1の中間層114および第2の中間層116のうちの一部は、透光性を有する電極104および光反射性を有する電極106に用いる材料と同じ材料を用いて形成することが可能である。または、第1の中間層114および第2の中間層116は、透光性を有する電極104および光反射性を有する電極106よりも導電率の低い材料を用いて形成することが可能である。
第1の中間層114および第2の中間層116のうち電子を注入する機能を有する層として、例えば、酸化リチウム、フッ化リチウム、炭酸セシウム等の絶縁体や半導体を用いることができる。または、電子輸送性の高い物質に、ドナー性物質を添加した材料を用いることもできる。
電子輸送性の高い物質としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)などのキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができる。また、この他に、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。また、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに挙げた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いることも可能である。
電子輸送性の高い物質に、ドナー性物質を添加することにより、電子注入性を高くすることができる。そのため、発光素子の駆動電圧を低減することができる。ドナー性物質としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第13族に属する金属またはその酸化物またはその炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物をドナー性物質として用いてもよい。
また、第1の中間層114および第2の中間層116のうち正孔を注入する機能を有する層として、例えば、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化レニウム、酸化ルテニウム等の半導体や絶縁体を用いることができる。あるいは、正孔輸送性の高い物質に、アクセプター物質を添加した材料を用いることができる。また、アクセプター物質からなる層を用いてもよい。
正孔輸送性の高い物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]−1,1’−ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに挙げた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。また、上述のホスト材料を用いてもよい。
正孔輸送性の高い物質に、アクセプター性物質を添加することにより、正孔注入性を高くすることができる。そのため、発光素子の駆動電圧を低減することができる。アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等を用いることができる。また、遷移金属酸化物を用いることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
また、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を添加した構成および電子輸送性の高い物質にドナー性物質を添加した構成のいずれか一方または両方の構成を用いることにより、第1の中間層114および第2の中間層116を厚膜化しても、駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、第1の中間層114および第2の中間層116を厚膜化することにより、微小な異物や衝撃等によるショートを防止することができ、信頼性の高い発光素子を得ることができる。ただし、第1の中間層114、および第2の中間層116の膜厚が厚くなることで、発光層内における光の吸収などの損失が無視できなくなるため、実施者が適宜最適な膜厚となるように第1の中間層114、および第2の中間層116の膜厚を調整することができる。
なお、第1の中間層114、または第2の中間層116において、正孔を注入する機能を有する層と電子を注入する機能を有する層との間に、必要に応じて他の層を導入しても良い。例えば、ITOのような導電層や電子リレー層を設けても良い。電子リレー層は、正孔を注入する機能を有する層と電子を注入する機能を有する層との間で生じる電圧のロスを低減する機能を有する。具体的には、LUMO準位がおよそ−5.0eV以上である材料を用いるのが好ましく、−5.0eV以上−3.0eV以下である材料を用いるのがより好ましい。例えば、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(略称:PTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビスベンゾイミダゾール(略称:PTCBI)などを用いることができる。
上記した発光素子100に対し、透光性を有する電極104をプラスに、光反射性を有する電極106をマイナスに電圧を印加すると、ある電流密度Jの電流が発光素子100に流れる。このとき、透光性を有する電極104から第1の発光層108に正孔が、第1の中間層114から第1の発光層108に電子がそれぞれ注入され、再結合に至ることにより、第1の発光層108からの発光が得られる。そして、第1の中間層114から第2の発光層110に正孔が、第2の中間層116から第2の発光層110に電子がそれぞれ注入され、再結合に至ることにより、第2の発光層110からの発光が得られる。そして、第2の中間層116から第3の発光層112に正孔が、光反射性を有する電極106から第3の発光層112に電子がそれぞれ注入され、再結合に至ることにより、第3の発光層112からの発光が得られる。
なお、等価回路上では、第1の発光層108、第2の発光層110および第3の発光層112に共通の電流密度Jの電流が流れ、それぞれその電流密度Jに対応した輝度で発光することになる。ここでは、第1の中間層114及び第2の中間層116および透光性を有する電極104に透光性の材料を用いることにより、第1の発光層108からの発光、第2の発光層110からの発光、第3の発光層112からの発光の全てを取り出すことができる。また、光反射性を有する電極106で発光を反射させ、光を取り出す面側に効率よく発光を取り出すことができる。
また、図1では、基板側に透光性を有する電極を設ける構成を示したが、基板側に光反射性を有する電極を設ける構成であってもよい。
また、光反射性を有する電極106と第1の発光層108との光学距離は、第1の発光層108からの発光のピーク波長の3/4であり、第1の発光層108、第1の中間層114、第2の発光層110、第2の中間層116、及び第3の発光層112の膜厚によって調整することができる。また、光反射性を有する電極106と第2の発光層110との光学距離は、第2の発光層110からの発光のピーク波長の3/4であり、第2の発光層110、第2の中間層116、及び第3の発光層112の膜厚によって調整することができる。また、光反射性を有する電極106と第3の発光層112との光学距離は、第3の発光層112からの発光のピーク波長の1/4であり、第3の発光層112の膜厚によって調整することができる。
このように、第1の発光層108、第1の中間層114、第2の発光層110、第2の中間層116、及び第3の発光層112の膜厚を調整することにより、光反射性を有する電極106と第1乃至第3の発光層との光学距離が決定される。なお、第1の発光層108と、第2の発光層110と、第3の発光層112と、第1の中間層114と、第2の中間層116と、の合計膜厚は、好ましくは400nm以下、更に好ましくは350nm以下である。
以上のように、本実施の形態に示した発光素子は、3つの発光層を積層した白色発光を実現する発光素子において、第1の発光層108からの発光のピークが、視感度の高い黄色から橙色の波長領域にある発光層を用い、第2の発光層110からの発光のピークが青色の波長領域にある発光層を用い、第3の発光層112からの発光のピークが、視感度の高い黄色から橙色の波長領域にある発光層を用い、3つの発光層の積層順を決定し、さらに各発光層の膜厚を調整し薄膜化することで、電球色や温白色に近い白色を有する発光素子とすることができる。また、このような構成とすることにより、発光素子全体の電力効率を向上させることができる。また、各発光層を薄膜化することで、発光層に使用する有機材料を抑制した発光素子を提供することができる。
また、上記発光素子は、高い電力効率を有するので、屋内用の照明装置、または屋外用の照明装置の光源として用いることができる。上記発光素子を用いることにより、電力効率が高く、省電力な照明装置を提供することができる。
また、本実施の形態に示した発光素子は、電球色や温白色に近い白色を有するので、屋内用の照明装置、または屋外用の照明装置の光源として用いることができる。本実施の形態に示した発光素子を用いることにより、電力効率が高く、省電力な照明装置を提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態、または実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、実施の形態1、及び実施の形態2に示した発光素子と異なる構成の発光素子について、図2を用いて説明を行う。
図2に示す発光素子は、基板502上に設けられ、透光性を有する電極504と、光反射性を有する電極506と、を有し、透光性を有する電極504と光反射性を有する電極506との間に、正孔注入層508aと、正孔輸送層508bと、発光層508cと、電子輸送層508dからなる第1の発光層508と、電子注入バッファー層514aと、電子リレー層514bと、電荷発生層514cからなる第1の中間層514と、正孔輸送層510aと、発光層510bと、電子輸送層510cからなる第2の発光層510と、電子注入バッファー層516aと、電子リレー層516bと、電荷発生層516cからなる第2の中間層516と、正孔輸送層512aと、発光層512bと、電子輸送層512cと、電子注入層512dからなる第3の発光層512と、を有している。
このように、第1の発光層508、第2の発光層510、及び第3の発光層512は、少なくとも発光層を含んで形成されていればよく、発光層以外の機能層を含む積層構造であっても良い。発光層以外の機能層としては、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層を用いることができる。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明においては、各発光層からの発光は、透光性を有する電極504側から外部に取り出される。従って、透光性を有する電極504は透光性を有する物質で成る。また、光反射性を有する電極506は、透光性を有する電極504側から発光を効率良く取り出すために、光反射性の高い物質で形成するのが好ましい。
また、第1の中間層514と、第2の中間層516は、有機化合物と金属酸化物の複合材料、金属酸化物、有機化合物とアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物との複合材料の他、これらを適宜組み合わせて形成することができる。有機化合物と金属酸化物の複合材料としては、例えば、有機化合物と酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10−6cm/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、第1の中間層514と、第2の中間層516に用いるこれらの材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、発光素子の低電流駆動、および低電圧駆動を実現することができる。
なお、第1の中間層514と、第2の中間層516は、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
このような構成を有する発光素子は、エネルギーの移動や消光などの問題が起こり難く、材料の選択の幅が広がることで高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子とすることが容易である。また、一方の発光層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容易である。
なお、第1の中間層514は、透光性を有する電極504と光反射性を有する電極506に電圧を印加したときに、第1の中間層514に接して形成される第1の発光層508に対して電子を注入する機能を有し、第1の中間層514に接して形成される第2の発光層510に対して正孔を注入する機能を有する。また、第2の中間層516は、透光性を有する電極504と光反射性を有する電極506に電圧を印加したときに、第2の中間層516に接して形成される第2の発光層510に対して電子を注入する機能を有し、第2の中間層516に接して形成される第3の発光層512に正孔を注入する機能を有する。
図2に示す素子構成は、第1の発光層508、第2の発光層510、及び第3の発光層512に用いる発光物質の種類を変えることにより様々な発光色を得ることができる。また、発光物質として発光色の異なる複数の発光物質を用いることにより、ブロードなスペクトルの発光や白色発光を得ることもできる。
なお、図2に示す発光素子を用いて、白色発光を得る場合、複数の発光層の組み合わせとしては、赤、青及び緑色の光を含んで白色に発光する構成であればよく、例えば、青色の蛍光材料を発光物質として含む発光層と、緑色と赤色の燐光材料を発光物質として含む発光層を有する構成が挙げられる。また、赤色の発光を示す発光層と、緑色の発光を示す発光層と、青色の発光を示す発光層とを有する構成とすることもできる。
ただし、第1の発光層508からの発光は、第2の発光層510からの発光、及び第3の発光層512からの発光と比較し、最長のピーク波長を有し、第2の発光層510からの発光は、第1の発光層508からの発光、及び第3の発光層512と比較し、最短のピーク波長を有する。なお、第3の発光層512からの発光は、第1の発光層508からの発光以下の波長であればよい。
このように、第1の発光層508からの発光が最長のピーク波長を有し、第2の発光層510からの発光が最短のピーク波長を有する構成とすることで、各発光層の光学距離(すなわち、発光層の膜厚)を最適化することが可能となる。各発光層の光学距離(発光層の膜厚)を最適化することにより、高い電力効率を有した発光素子を実現できる。
具体的には、光反射性を有する電極506と第1の発光層508との光学距離は、第1の発光層508からの発光のピーク波長の3/4であり、光反射性を有する電極506と第2の発光層510との光学距離は、第2の発光層510からの発光のピーク波長の3/4であり、光反射性を有する電極506と第3の発光層512との光学距離は、第3の発光層512からの発光のピーク波長の1/4である。
なお、図2に示す発光素子において、光反射性を有する電極506から第1の発光層508の光学距離を3λa/4、光反射性を有する電極506から第2の発光層510の光学距離を3λb/4、光反射性を有する電極506から第3の発光層512の光学距離を1λc/4としている。また、λaは、第1の発光層508からの発光の波長であり、λbは第2の発光層510からの発光の波長であり、λcは第3の発光層512からの発光の波長である。
また、図2に示す発光素子は、透光性を有する電極504と光反射性を有する電極506との間に生じた電位差により電流が流れ、第1の発光層508、第2の発光層510、第3の発光層512において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまり、第1の発光層508、第2の発光層510、第3の発光層512内部に発光領域が形成されるような構成である。よって、本明細書等においては、光反射性を有する電極506と第1乃至第3の発光層との光学距離とは、光反射性を有する電極506と、第1乃至第3の発光層内部の発光領域との光学距離とすることが好ましい。
すなわち、光反射性を有する電極506と第1の発光層508との光学距離は、光反射性を有する電極506と第1の発光層508の中に位置する発光層508cとの光学距離とすることが好ましい。同様に、光反射性を有する電極506と第2の発光層510との光学距離は、光反射性を有する電極506と第2の発光層510の中に位置する発光層510bとの光学距離とすることが好ましい。また、光反射性を有する電極506と第3の発光層512との光学距離は、光反射性を有する電極506と第3の発光層512の中に位置する発光層512bとの光学距離とすることが好ましい。
光反射性を有する電極506と第1乃至第3の発光層の中に位置する各発光層との光学距離は、第1の中間層514、または第2の中間層516、または第1乃至第3の発光層の中に位置する正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層の膜厚を変更することで、適宜調整することができる。
このように、本実施の形態に示す発光素子は、第1乃至第3の発光層からの発光の波長を決定し、3つの発光層の積層順を限定する。また、光反射性を有する電極506と各発光層の光学距離を決定することで、高い電力効率を有した発光素子とすることができる。
なお、上述した積層型素子の構成において、積層される発光層の間に第1の中間層、及び第2の中間層を配置することにより、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現することができる。また、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。
本実施の形態は、他の実施の形態、または実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態3で示した発光素子を用いた照明装置の例について、図3を参照して説明する。
図3(A)では、実施の形態1乃至実施の形態3の発光素子を適用した室内の照明装置401、及び卓上照明器具403を示す。本発明の一態様に係る発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。
なお、図3(A)では、全体として板状の発光装置の一例を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。発光部が曲面を有する照明装置を実現することも可能である。また、本発明の一態様では、シースルーの発光部を有する照明装置を実現することも可能である。また、本発明の一態様は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス上、天井等に照明を設置することもできる。その他、ロール型の照明装置402として用いることもできる。
図3(B)に別の照明装置の例を示す。図3(B)に示す卓上照明装置は、照明部405、支柱406、支持台407等を含む。照明部405は、本発明の一態様の発光装置を含む。このように、本発明の一態様では、曲げに強い樹脂材料を用いることで、曲面を有する、またはフレキシブルに曲がる照明部を有する照明装置を実現することができる。このように、フレキシブルな発光装置を照明装置として用いることで、照明装置のデザインの自由度が向上するのみでなく、曲面を有する場所にも照明装置を設置することが可能となる。
上述の照明装置に、本発明の一態様の発光素子を適用することにより、高効率な照明装置を得ることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態、または実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、実施の形態3に示した発光素子と同様の構成の発光素子1を作製し評価を行った。また、発光素子1と比較のため比較発光素子1も作製し評価を行った。発光素子1及び比較発光素子1について、図2、及び図4乃至図6を用いて説明を行う。
まず、以下に本実施例の発光素子1、及び比較発光素子1の作製方法について図2、及び図4を用いて説明を行う。
(発光素子1)
まず、発光素子1について説明する(図2参照)。基板502上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO−SiO)をスパッタリング法にて成膜し、透光性を有する電極504を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、透光性を有する電極504が形成された面が下方となるように、透光性を有する電極504が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、透光性を有する電極504上に、正孔輸送性の高い物質である4,4’,4’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II、下記構造式(101))、と、アクセプター性物質である酸化モリブデンとを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む、正孔注入層508aを形成した。その膜厚は13nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、正孔注入層508a上に4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP、下記構造式(102))を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層508bを形成した。
その後、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II、下記構造式(103))と、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP、下記構造式(104))と、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)]、下記構造式(105))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層508b上に40nmの膜厚の発光層508cを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(dppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(dppm)(acac)])となるように調節した。なお、[Ir(dppm)(acac)](略称)は、橙色の発光を示す燐光性化合物である。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層508c上に2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚10nm、次いでバソフェナントロリン(略称:BPhen、下記構造式(106))を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層508dを形成した。
これによって、正孔注入層508a、正孔輸送層508b、発光層508c、及び電子輸送層508dを含む第1の発光層508を形成した。
次いで、電子輸送層508d上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層514aを形成した。
次いで、銅フタロシアニン(略称:CuPc、下記構造式(107))を蒸着することにより、電子注入バッファー層514a上に、2nmの膜厚の電子リレー層514bを形成した。
次に、電子リレー層514b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層514cを形成した。その膜厚は13nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
これによって、電子注入バッファー層514a、電子リレー層514b、及び電荷発生層514cを含む第1の中間層514を形成した。
次いで、第1の中間層514上に第2の発光層510を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層514c上にBPAFLP(略称)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層510aを形成した。
その後、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA、下記構造式(108))と、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス〔3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル〕−ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn、下記構造式(109))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層510a上に30nmの膜厚の発光層510bを形成した。ここで、CzPA(略称)と1,6mMemFLPAPrn(略称)との重量比は、1:0.05(=CzPA:1,6mMemFLPAPrn)となるように調節した。なお、CzPA(略称)は電子輸送性を有する物質であり、ゲスト材料である1,6mMemFLPAPrn(略称)は青色の発光を示す蛍光性化合物である。
次いで、発光層510b上に、CzPA(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層510cを形成した。
これによって、正孔輸送層510a、発光層510b、及び電子輸送層510cを含む第2の発光層510を形成した。
次いで、電子輸送層510c上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層516aを形成した。
次いで、CuPc(略称)を蒸着することにより、電子注入バッファー層516a上に、2nmの膜厚の電子リレー層516bを形成した。
次に、電子リレー層516b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層516cを形成した。その膜厚は33nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。これによって、電子注入バッファー層516a、電子リレー層516b、及び電荷発生層516cを含む第2の中間層516を形成した。
次いで、第2の中間層516上に第3の発光層512を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層516c上にBPAFLP(略称)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層512aを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(dppm)(acac)](略称)と、を共蒸着することにより、正孔輸送層512a上に40nmの膜厚の発光層512bを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(dppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(dppm)(acac)])となるように調節した。
次いで、発光層512b上に、2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚25nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層512cを形成した。次いで、電子輸送層512c上に、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmで蒸着することにより電子注入層512dを形成した。
これによって、正孔輸送層512a、発光層512b、電子輸送層512c、及び電子注入層512dを含む第3の発光層512を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層512d上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、光反射性を有する電極506を形成することで、発光素子1を作製した。
(比較発光素子1)
次に、比較発光素子1について説明する(図4参照)。基板602上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO−SiO)をスパッタリング法にて成膜し、透光性を有する電極604を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、透光性を有する電極604が形成された面が下方となるように、透光性を有する電極604が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、透光性を有する電極604上に、正孔輸送性の高い物質である9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA、下記構造式(110))、と、アクセプター性物質である酸化モリブデンとを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む、正孔注入層608aを形成した。その膜厚は60nmとし、PCzPA(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=PCzPA:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、正孔注入層608a上にPCzPA(略称)を30nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層608bを形成した。
その後、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA、下記構造式(108))と、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス〔3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル〕−ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn、下記構造式(109))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層608b上に30nmの膜厚の発光層608cを形成した。ここで、CzPA(略称)と1,6mMemFLPAPrn(略称)との重量比は、1:0.05(=CzPA:1,6mMemFLPAPrn)となるように調節した。なお、CzPA(略称)は電子輸送性を有する物質であり、ゲスト材料である1,6mMemFLPAPrn(略称)は青色の発光を示す蛍光性化合物である。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層608c上にCzPA(略称)を膜厚5nm、次いでバソフェナントロリン(略称:BPhen、下記構造式(106))を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層608dを形成した。
これによって、正孔注入層608a、正孔輸送層608b、発光層608c、及び電子輸送層608dを含む第1の発光層608を形成した。
次いで、電子輸送層608d上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層614aを形成した。
次いで、銅フタロシアニン(略称:CuPc、下記構造式(107))を蒸着することにより、電子注入バッファー層614a上に、2nmの膜厚の電子リレー層614bを形成した。
次に、電子リレー層614b上に、正孔輸送性の高い物質であるPCzPA(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層614cを形成した。その膜厚は20nmとし、PCzPA(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=PCzPA:酸化モリブデン)となるように調節した。
これによって、電子注入バッファー層614a、電子リレー層614b、及び電荷発生層614cを含む第1の中間層614を形成した。
次いで、第1の中間層614上に第2の発光層610を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層614c上に4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP、下記構造式(102))を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層610aを形成した。
その後、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II、下記構造式(103))と、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP、下記構造式(104))と、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)]、下記構造式(105))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層610a上に40nmの膜厚の発光層610bを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(dppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(dppm)(acac)])となるように調節した。なお、[Ir(dppm)(acac)]は、橙色の発光を示す燐光性化合物である。
次いで、発光層610b上に、2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚15nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層610cを形成した。
これによって、正孔輸送層610a、発光層610b、電子輸送層610cを含む第2の発光層610を形成した。
次いで、電子輸送層610c上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層616aを形成した。
次いで、CuPc(略称)を蒸着することにより、電子注入バッファー層616a上に、2nmの膜厚の電子リレー層616bを形成した。
次に、電子リレー層616b上に、正孔輸送性の高い物質であるPCzPA(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層616cを形成した。その膜厚は67nmとし、PCzPA(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.05(=PCzPA:酸化モリブデン)となるように調節した。これによって、電子注入バッファー層616a、電子リレー層616b、及び電荷発生層616cを含む第2の中間層616を形成した。
次いで、第3の発光層612を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層616c上にBPAFLP(略称)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層612aを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(dppm)(acac)](略称)と、を共蒸着することにより、正孔輸送層612a上に40nmの膜厚の発光層612bを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(dppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(dppm)(acac)])となるように調節した。
次いで、発光層612b上に、2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚15nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層612cを形成した。電子輸送層612c上に、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmで蒸着することにより電子注入層612dを形成した。
これによって、正孔輸送層612a、発光層612b、電子輸送層612c、及び電子注入層612dを含む第3の発光層612を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層612d上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、光反射性を有する電極606を形成することで、比較発光素子1を作製した。
ここで、本実施例で作製した発光素子1、及び比較発光素子1の透光性を有する電極、光反射性を有する電極、第1乃至第3の発光層、第1の中間層、及び第2の中間層の膜厚構成を表1に示す。
表1に示すとおり、発光素子1においては、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層の合計膜厚は、およそ300nmであり、比較発光素子1においては、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層の合計膜厚は、およそ410nmである。このように発光素子1は比較発光素子1と比べ、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層の合計膜厚を薄膜化している。
また、発光素子1は、第1の発光層508に3つの発光層の中で最長のピーク波長の発光を示す発光層を用い、第2の発光層510に3つの発光層の中で最短のピーク波長の発光を示す発光層を用い、第3の発光層512に第1の発光層と同じ材料を用いている。また、比較発光素子1は、第1の発光層608に3つの発光層の中で最短のピーク波長の発光を示す発光層を用い、第2の発光層610、及び第3の発光層612に3つの発光層の中で最長のピーク波長の発光を示す発光層を用いている。
すなわち、本実施例の発光素子1、及び比較発光素子1の発光層の積層順は、発光素子1においては、透光性を有する電極504から順に、橙色\青色\橙色の発光を示す発光層の順に形成されており、比較発光素子1においては、透光性を有する電極604から順に、青色\橙色\橙色の発光を示す発光層の順に形成されている。
発光素子1において、光反射性を有する電極506と第1の発光層508の発光領域までの光学距離は、約270nmであり、第1の発光層508からの発光のピーク波長(すなわち橙色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極506と第2の発光層510の発光領域までの光学距離は、約185nmであり、第2の発光層510からの発光のピーク波長(すなわち青色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極506と第3の発光層512の発光領域までの光学距離は、約80nmであり第3の発光層512からの発光のピーク波長(すなわち橙色)の約1/4としている。なお、発光素子1において、各発光層の発光領域は各正孔輸送層と発光層の界面付近と考えられる。
比較発光素子1において、光反射性を有する電極606と第1の発光層608の発光領域までの光学距離は、約320nmであり第1の発光層608からの発光のピーク波長(すなわち青色)の約5/4としている。また、光反射性を有する電極606と第2の発光層610の発光領域までの光学距離は、約230nmであり第2の発光層610からの発光のピーク波長(すなわち橙色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極606と第3の発光層612の発光領域までの光学距離は、約70nmであり第3の発光層612からの発光のピーク波長(すなわち橙色)の約1/4としている。なお、比較発光素子1において、各発光層の発光領域は各正孔輸送層と発光層の界面付近と考えられる。
このように、各発光層の膜厚、及び各中間層の膜厚を調整することにより、光反射性を有する電極と各発光層との光学距離を調整することができる。なお、比較発光素子1に関しては、光反射性を有する電極606と第1の発光層608の発光領域までの光学距離を、第1の発光層608からの発光のピーク波長の3/4とした場合、約190nmであり形成することが困難である、従って、第1の発光層608からの発光のピーク波長の5/4としている。
以上により作製した発光素子1、及び比較発光素子1を窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子1、及び比較発光素子1が大気に曝されないように封止する作業を行った。その後、この発光素子1、及び比較発光素子1の動作特性について測定を行った。測定は、室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1、及び比較発光素子1の発光スペクトルを図5(A)に、発光素子1、及び比較発光素子1の輝度−外部量子効率特性を図5(B)に、発光素子1、及び比較発光素子1の輝度−電力効率特性を図6に、それぞれ示す。
図5(A)に示すとおり、発光素子1は、可視光領域において2つのピークを有しており、青色の発光領域である466nmに1つ目のピークを有し、橙色の発光領域である587nmに2つ目のピークを有している。一方、比較発光素子1においても、可視光領域において2つのピークを有しており、青色の発光領域である471nmに1つ目のピークを有し、橙色の発光領域である581nmに2つ目のピークを有している。
これは、発光素子1、及び比較発光素子1ともに、視感度の低い青色の波長領域の発光層と、視感度の高い橙色の発光領域の発光層とを積層しているためである。このように、発光素子1、及び比較発光素子1ともに、電球色や温白色に近い白色を有していることがわかる。
ただし、発光素子1においては、比較発光素子1と比較し橙色の波長領域がブロードになっている。これは、発光素子1と比較発光素子1とでは、発光層の積層順の違い、及び各発光層、及び各中間層の膜厚が異なるためである。
次に、図5(B)に示すように、発光素子1は、最大で55.9%の外部量子効率を有しており、比較発光素子1は、最大で51.9%の外部量子効率を有している。この外部量子効率の差異は、図5(A)に示した発光スペクトルにおいて、発光素子1の橙色の波長領域の発光スペクトルがブロードとなっているため、全光束での外部量子効率が向上している。
次に、図6に示すように、発光素子1は、最大で52.0lm/Wの電力効率を有しており、比較発光素子1は、最大で42.7lm/Wの電力効率を有している。この電力効率の差異は、図5(A)に示した発光スペクトルにおいて、発光素子1の橙色の波長領域の発光スペクトルがブロードとなっているため、全光束での電力効率が向上している。
以上のように、本発明の一態様である発光素子1は、可視光領域において、2つのピークを有し電球色や温白色に近い白色を有していることが確認された。また、本発明の一態様である発光素子1は、比較発光素子1と比較し高い電力効率を有していることが確認された。また、本発明の一態様である発光素子1は比較発光素子1と比較し発光層の膜厚を抑制した構造であることが確認された。
本実施例は、他の実施の形態、及び実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、実施の形態3に示した発光素子と同様の構成の発光素子2、及び発光素子3を作製し評価を行った。発光素子2、及び発光素子3について、図2、及び図7乃至図10を用いて説明を行う。
まず、以下に本実施例の発光素子2、及び発光素子3の作製方法について図2、及び図7乃至図10を用いて説明を行う。
(発光素子2)
まず、発光素子2について説明する(図2参照)。基板502上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO−SiO)をスパッタリング法にて成膜し、透光性を有する電極504を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、透光性を有する電極504が形成された面が下方となるように、透光性を有する電極504が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、透光性を有する電極504上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)(下記構造式(101))、と、アクセプター性物質である酸化モリブデンとを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む、正孔注入層508aを形成した。その膜厚は26.6nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、正孔注入層508a上にBPAFLP(略称)(下記構造式(102))を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層508bを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)(下記構造式(103))と、PCBA1BP(略称)(下記構造式(104))と、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)(dpm)])下記構造式(111))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層508b上に40nmの膜厚の発光層508cを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(tppr)(dpm)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(tppr)(dpm)])となるように調節した。なお、[Ir(tppr)(dpm)](略称)は、赤色の発光を示す燐光性化合物である。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層508c上に2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)(下記構造式(106))を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層508dを形成した。
これによって、正孔注入層508a、正孔輸送層508b、発光層508c、及び電子輸送層508dを含む第1の発光層508を形成した。
次いで、電子輸送層508d上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層514aを形成した。
次いで、CuPc(略称)(下記構造式(107))を蒸着することにより、電子注入バッファー層514a上に、2nmの膜厚の電子リレー層514bを形成した。
次に、電子リレー層514b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層514cを形成した。その膜厚は3.3nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
これによって、電子注入バッファー層514a、電子リレー層514b、及び電荷発生層514cを含む第1の中間層514を形成した。
次いで、第1の中間層514上に第2の発光層510を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層514c上にBPAFLP(略称)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層510aを形成した。
その後、CzPA(略称)(下記構造式(108))と、1,6mMemFLPAPrn(略称)(下記構造式(109))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層510a上に30nmの膜厚の発光層510bを形成した。ここで、CzPA(略称)と1,6mMemFLPAPrn(略称)との重量比は、1:0.05(=CzPA:1,6mMemFLPAPrn)となるように調節した。なお、CzPA(略称)は電子輸送性を有する物質であり、ゲスト材料である1,6mMemFLPAPrn(略称)は青色の発光を示す蛍光性化合物である。
次いで、発光層510b上に、CzPA(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層510cを形成した。
これによって、正孔輸送層510a、発光層510b、及び電子輸送層510cを含む第2の発光層510を形成した。
次いで、電子輸送層510c上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層516aを形成した。
次いで、CuPc(略称)を蒸着することにより、電子注入バッファー層516a上に、2nmの膜厚の電子リレー層516bを形成した。
次に、電子リレー層516b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層516cを形成した。その膜厚は53.3nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。これによって、電子注入バッファー層516a、電子リレー層516b、及び電荷発生層516cを含む第2の中間層516を形成した。
次いで、第2の中間層516上に第3の発光層512を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層516c上にBPAFLP(略称)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層512aを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト)]イリジウム(III)(endo−,exo−混合物)(略称:[Ir(nbppm)(acac)])(下記構造式(112))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層512a上に40nmの膜厚の発光層512bを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(nbppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.03(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(nbppm)(acac)])となるように調節した。なお、[Ir(nbppm)(acac)](略称)は、緑色の発光を示す燐光性化合物である。
次いで、発光層512b上に、2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚25nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層512cを形成した。次いで、電子輸送層512c上に、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmで蒸着することにより電子注入層512dを形成した。
これによって、正孔輸送層512a、発光層512b、電子輸送層512c、及び電子注入層512dを含む第3の発光層512を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層512d上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、光反射性を有する電極506を形成することで、発光素子2を作製した。
(発光素子3)
次いで、発光素子3について説明する(図2参照)。基板502上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO−SiO)をスパッタリング法にて成膜し、透光性を有する電極504を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、透光性を有する電極504が形成された面が下方となるように、透光性を有する電極504が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、透光性を有する電極504上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)(下記構造式(101))、と、アクセプター性物質である酸化モリブデンとを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む、正孔注入層508aを形成した。その膜厚は26.6nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、正孔注入層508a上にBPAFLP(略称)(下記構造式(102))を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層508bを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)(下記構造式(103))と、PCBA1BP(略称)(下記構造式(104))と、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジイソブチリルメタノ)イリジウム(III)(別名:(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)ビス[4−メチル−2−(3−メチル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC]イリジウム(III))(略称:[Ir(5mdppm)(dibm)])(下記構造式(113))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層508b上に40nmの膜厚の発光層508cを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(5mdppm)(dibm)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(5mdppm)(dibm)])となるように調節した。なお、[Ir(5mdppm)(dibm)](略称)は、朱色の発光を示す燐光性化合物である。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層508c上に2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)(下記構造式(106))を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層508dを形成した。
これによって、正孔注入層508a、正孔輸送層508b、発光層508c、及び電子輸送層508dを含む第1の発光層508を形成した。
次いで、電子輸送層508d上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層514aを形成した。
次いで、CuPc(略称)(下記構造式(107))を蒸着することにより、電子注入バッファー層514a上に、2nmの膜厚の電子リレー層514bを形成した。
次に、電子リレー層514b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層514cを形成した。その膜厚は3.3nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
これによって、電子注入バッファー層514a、電子リレー層514b、及び電荷発生層514cを含む第1の中間層514を形成した。
次いで、第1の中間層514上に第2の発光層510を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層514c上にBPAFLP(略称)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層510aを形成した。
その後、CzPA(略称)(下記構造式(108))と、1,6mMemFLPAPrn(略称)(下記構造式(109))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層510a上に30nmの膜厚の発光層510bを形成した。ここで、CzPA(略称)と1,6mMemFLPAPrn(略称)との重量比は、1:0.05(=CzPA:1,6mMemFLPAPrn)となるように調節した。なお、CzPA(略称)は電子輸送性を有する物質であり、ゲスト材料である1,6mMemFLPAPrn(略称)は青色の発光を示す蛍光性化合物である。
次いで、発光層510b上に、CzPA(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層510cを形成した。
これによって、正孔輸送層510a、発光層510b、及び電子輸送層510cを含む第2の発光層510を形成した。
次いで、電子輸送層510c上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層516aを形成した。
次いで、CuPc(略称)を蒸着することにより、電子注入バッファー層516a上に、2nmの膜厚の電子リレー層516bを形成した。
次に、電子リレー層516b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層516cを形成した。その膜厚は53.3nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。これによって、電子注入バッファー層516a、電子リレー層516b、及び電荷発生層516cを含む第2の中間層516を形成した。
次いで、第2の中間層516上に第3の発光層512を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層516c上にBPAFLP(略称)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層512aを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(nbppm)(acac)](略称)(下記構造式(112))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層512a上に40nmの膜厚の発光層512bを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBA1BP(略称)と、[Ir(nbppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.03(=2mDBTPDBq−II:PCBA1BP:[Ir(nbppm)(acac)])となるように調節した。なお、[Ir(nbppm)(acac)](略称)は、緑色の発光を示す燐光性化合物である。
次いで、発光層512b上に、2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚25nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層512cを形成した。次いで、電子輸送層512c上に、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmで蒸着することにより電子注入層512dを形成した。
これによって、正孔輸送層512a、発光層512b、電子輸送層512c、及び電子注入層512dを含む第3の発光層512を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層512d上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、光反射性を有する電極506を形成することで、発光素子3を作製した。
ここで、本実施例で作製した発光素子2、及び発光素子3の透光性を有する電極、光反射性を有する電極、第1乃至第3の発光層、第1の中間層、及び第2の中間層の膜厚構成を表2に示す。
表2に示すとおり、発光素子2、及び発光素子3において、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層の合計膜厚は、およそ320nmであった。
また、発光素子2、及び発光素子3は、第1の発光層508に3つの発光層の中で最長のピーク波長の発光を示す発光層を用い、第2の発光層510に3つの発光層の中で最短のピーク波長の発光を示す発光層を用い、第3の発光層512に第1の発光層508からの発光以下の波長であり、且つ第2の発光層510からの発光以上の波長領域に発光を示す発光層を用いている。
すなわち、本実施例の発光素子2の発光層の積層順は、透光性を有する電極504側から順に、赤色\青色\緑色の順に形成されている。また、本実施例の発光素子3の発光層の積層順は、透光性を有する電極504側から順に、朱色\青色\緑色の順に形成されている。
また、発光素子2において、光反射性を有する電極506と、第1の発光層508の発光領域までの光学距離は、約270nmであり、第1の発光層508からの発光のピーク波長(すなわち赤色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極506と、第2の発光層510の発光領域までの光学距離は、約200nmであり、第2の発光層510からの発光のピーク波長(すなわち青色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極506と、第3の発光層512の発光領域までの光学距離は、約80nmであり、第3の発光層512からの発光のピーク波長(すなわち緑色)の約1/4としている。なお、発光素子2において、各発光層の発光領域は、各正孔輸送層と発光層との界面付近と考えられる。
また、発光素子3において、光反射性を有する電極506と、第1の発光層508の発光領域までの光学距離は、約270nmであり、第1の発光層508からの発光のピーク波長(すなわち朱色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極506と、第2の発光層510の発光領域までの光学距離は、約200nmであり、第2の発光層510からの発光のピーク波長(すなわち青色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極506と、第3の発光層512の発光領域までの光学距離は、約80nmであり、第3の発光層512からの発光のピーク波長(すなわち緑色)の約1/4としている。なお、発光素子3において、各発光層の発光領域は、各正孔輸送層と発光層との界面付近と考えられる。
このように、各発光層の膜厚、及び各中間層の膜厚を調整することにより、光反射性を有する電極と各発光層との光学距離を調整することができる。
以上により作製した発光素子2、及び発光素子3を窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子2、及び発光素子3が大気に曝されないように封止する作業を行った。その後、この発光素子2、及び発光素子3の動作特性について測定を行った。測定は、室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子2の発光スペクトルを図7(A)に、発光素子2の輝度−外部量子効率特性を図7(B)に、発光素子2の輝度−電力効率特性を図8に、それぞれ示す。また、発光素子3の発光スペクトルを図9(A)に、発光素子3の輝度−外部量子効率特性を図9(B)に、発光素子3の輝度−電力効率特性を図10に、それぞれ示す。
図7(A)に示すとおり、発光素子2は、可視光領域において3つのピークを有しており、青色の発光領域である473nmに1つ目のピークを有し、緑色の発光領域である539nmに2つの目のピークを有し、赤色の発光領域である622nmに3つ目のピークを有している。また、図9(A)に示すとおり、発光素子3は、可視光領域において3つのピークを有しており、青色の発光領域である473nmに1つ目のピークを有し、緑色の発光領域である541nmに2つの目のピークを有し、朱色の発光領域である607nmに3つ目のピークを有している。
また、図7(B)、及び図8に示すように、発光素子2は、最大で48.0%の外部量子効率を有しており、最大で43.7lm/Wの電力効率を有している。また、図9(B)、及び図10に示すように、発光素子3は、最大で48.2%の外部量子効率を有しており、最大で52.3lm/Wの電力効率を有している。
以上のように、本発明の一態様である発光素子2、及び発光素子3は、可視光領域において、3つのピークを有し電球色や温白色に近い白色を有していることが確認された。また、本発明の一態様である発光素子2、及び発光素子3は、高い電力効率を有していることが確認された。
本実施例は、他の実施の形態、及び実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子4、及び発光素子5を作製し評価を行った。発光素子4、及び発光素子5について、図11乃至図15を用いて説明を行う。
図11に示す発光素子は、基板702上に設けられ、透光性を有する電極704と、光反射性を有する電極706と、を有し、透光性を有する電極704と光反射性を有する電極706との間に、正孔注入層708aと、正孔輸送層708bと、発光層708cと、電子輸送層708dからなる第1の発光層708と、電子注入バッファー層714aと、電子リレー層714bと、電荷発生層714cからなる第1の中間層714と、正孔輸送層710aと、発光層710bと、電子輸送層710cからなる第2の発光層710と、電子注入バッファー層716aと、電子リレー層716bと、電荷発生層716cからなる第2の中間層716と、正孔輸送層712aと、発光層712b−1と、発光層712b−2と、電子輸送層712cと、電子注入層712dからなる第3の発光層712と、を有している。
図11に示す発光素子の詳細については、発光素子4、及び発光素子5の作製方法を用いて以下説明を行う。
(発光素子4)
まず、発光素子4について説明する(図11参照)。基板702上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO−SiO)をスパッタリング法にて成膜し、透光性を有する電極704を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、透光性を有する電極704が形成された面が下方となるように、透光性を有する電極704が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、透光性を有する電極704上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)(下記構造式(101))、と、アクセプター性物質である酸化モリブデンとを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む、正孔注入層708aを形成した。その膜厚は26.6nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、正孔注入層708a上にBPAFLP(略称)(下記構造式(102))を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層708bを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)(下記構造式(103))と、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)(下記構造式(114))と、[Ir(tppr)(dpm)](略称)(下記構造式(111))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層708b上に40nmの膜厚の発光層708cを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(tppr)(dpm)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBNBB:[Ir(tppr)(dpm)])となるように調節した。なお、[Ir(tppr)(dpm)](略称)は、赤色の発光を示す燐光性化合物である。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層708c上に2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)(下記構造式(106))を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層708dを形成した。
これによって、正孔注入層708a、正孔輸送層708b、発光層708c、及び電子輸送層708dを含む第1の発光層708を形成した。
次いで、電子輸送層708d上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層714aを形成した。
次いで、CuPc(略称)(下記構造式(107))を蒸着することにより、電子注入バッファー層714a上に、2nmの膜厚の電子リレー層714bを形成した。
次に、電子リレー層714b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層714cを形成した。その膜厚は3.3nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
これによって、電子注入バッファー層714a、電子リレー層714b、及び電荷発生層714cを含む第1の中間層714を形成した。
次いで、第1の中間層714上に第2の発光層710を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層714c上にBPAFLP(略称)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層710aを形成した。
その後、CzPA(略称)(下記構造式(108))と、1,6mMemFLPAPrn(略称)(下記構造式(109))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層710a上に30nmの膜厚の発光層710bを形成した。ここで、CzPA(略称)と1,6mMemFLPAPrn(略称)との重量比は、1:0.05(=CzPA:1,6mMemFLPAPrn)となるように調節した。なお、CzPA(略称)は電子輸送性を有する物質であり、ゲスト材料である1,6mMemFLPAPrn(略称)は青色の発光を示す蛍光性化合物である。
次いで、発光層710b上に、CzPA(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層710cを形成した。
これによって、正孔輸送層710a、発光層710b、及び電子輸送層710cを含む第2の発光層710を形成した。
次いで、電子輸送層710c上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層716aを形成した。
次いで、CuPc(略称)を蒸着することにより、電子注入バッファー層716a上に、2nmの膜厚の電子リレー層716bを形成した。
次に、電子リレー層716b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層716cを形成した。その膜厚は60nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。これによって、電子注入バッファー層716a、電子リレー層716b、及び電荷発生層716cを含む第2の中間層716を形成した。
次いで、第2の中間層716上に第3の発光層712を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層716c上にBPAFLP(略称)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層712aを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)])(下記構造式(115))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層712a上に30nmの膜厚の発光層712b−1を形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(tBuppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBNBB:[Ir(tBuppm)(acac)])となるように調節した。なお、[Ir(tBuppm)(acac)](略称)は、緑色の発光を示す燐光性化合物である。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(dppm)(acac)])(略称)(下記構造式(105))と、を共蒸着することにより、発光層712b−1上に10nmの膜厚の発光層712b−2を形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(dppm)(acac)])(略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBNBB:[Ir(dppm)(acac)]))となるように調節した。なお、[Ir(dppm)(acac)])(略称)は、橙色の発光を示す燐光性化合物である。
次いで、発光層712b−2上に、2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚15nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層712cを形成した。次いで、電子輸送層712c上に、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmで蒸着することにより電子注入層712dを形成した。
これによって、正孔輸送層712a、発光層712b−1、発光層712b−2、電子輸送層712c、及び電子注入層712dを含む第3の発光層712を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層712d上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、光反射性を有する電極706を形成することで、発光素子4を作製した。
(発光素子5)
次いで、発光素子5について説明する(図11参照)。基板702上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO−SiO)をスパッタリング法にて成膜し、透光性を有する電極704を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、透光性を有する電極704が形成された面が下方となるように、透光性を有する電極704が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、透光性を有する電極704上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)(下記構造式(101))、と、アクセプター性物質である酸化モリブデンとを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む、正孔注入層708aを形成した。その膜厚は26.6nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、正孔注入層708a上にBPAFLP(略称)(下記構造式(102))を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層708bを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)(下記構造式(103))と、PCBNBB(略称)(下記構造式(114))と、[Ir(5mdppm)(dibm)](略称)(下記構造式(113))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層708b上に40nmの膜厚の発光層708cを形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(5mdppm)(dibm)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBNBB:[Ir(5mdppm)(dibm)])となるように調節した。なお、[Ir(5mdppm)(dibm)](略称)は、朱色の発光を示す燐光性化合物である。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層708c上に2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)(下記構造式(106))を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層708dを形成した。
これによって、正孔注入層708a、正孔輸送層708b、発光層708c、及び電子輸送層708dを含む第1の発光層708を形成した。
次いで、電子輸送層708d上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層714aを形成した。
次いで、CuPc(略称)(下記構造式(107))を蒸着することにより、電子注入バッファー層714a上に、2nmの膜厚の電子リレー層714bを形成した。
次に、電子リレー層714b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層714cを形成した。その膜厚は3.3nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。
これによって、電子注入バッファー層714a、電子リレー層714b、及び電荷発生層714cを含む第1の中間層714を形成した。
次いで、第1の中間層714上に第2の発光層710を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層714c上にBPAFLP(略称)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層710aを形成した。
その後、CzPA(略称)(下記構造式(108))と、1,6mMemFLPAPrn(略称)(下記構造式(109))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層710a上に30nmの膜厚の発光層710bを形成した。ここで、CzPA(略称)と1,6mMemFLPAPrn(略称)との重量比は、1:0.05(=CzPA:1,6mMemFLPAPrn)となるように調節した。なお、CzPA(略称)は電子輸送性を有する物質であり、ゲスト材料である1,6mMemFLPAPrn(略称)は青色の発光を示す蛍光性化合物である。
次いで、発光層710b上に、CzPA(略称)を膜厚5nm、次いでBPhen(略称)を10nm蒸着して積層することにより、電子輸送層710cを形成した。
これによって、正孔輸送層710a、発光層710b、及び電子輸送層710cを含む第2の発光層710を形成した。
次いで、電子輸送層710c上に、酸化リチウム(LiO)を0.1nm蒸着することにより、電子注入バッファー層716aを形成した。
次いで、CuPc(略称)を蒸着することにより、電子注入バッファー層716a上に、2nmの膜厚の電子リレー層716bを形成した。
次に、電子リレー層716b上に、正孔輸送性の高い物質であるDBT3P−II(略称)と、アクセプター性物質である酸化モリブデンと、を共蒸着することにより、電荷発生層716cを形成した。その膜厚は60nmとし、DBT3P−II(略称)と酸化モリブデンとの比率は、重量比で1:0.5(=DBT3P−II:酸化モリブデン)となるように調節した。これによって、電子注入バッファー層716a、電子リレー層716b、及び電荷発生層716cを含む第2の中間層716を形成した。
次いで、第2の中間層716上に第3の発光層712を作製した。その作製方法は、まず、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電荷発生層716c上にBPAFLP(略称)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層712aを形成した。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(tBuppm)(acac)](略称)(下記構造式(115))と、を共蒸着することにより、正孔輸送層712a上に30nmの膜厚の発光層712b−1を形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(tBuppm)(acac)](略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBNBB:[Ir(tBuppm)(acac)])となるように調節した。なお、[Ir(tBuppm)(acac)](略称)は、緑色の発光を示す燐光性化合物である。
その後、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(dppm)(acac)])(略称)(下記構造式(105))と、を共蒸着することにより、発光層712b−1上に10nmの膜厚の発光層712b−2を形成した。ここで、2mDBTPDBq−II(略称)と、PCBNBB(略称)と、[Ir(dppm)(acac)])(略称)との重量比は、0.8:0.2:0.06(=2mDBTPDBq−II:PCBNBB:[Ir(dppm)(acac)]))となるように調節した。なお、[Ir(dppm)(acac)])(略称)は、橙色の発光を示す燐光性化合物である。
次いで、発光層712b−2上に、2mDBTPDBq−II(略称)を膜厚15nm、次いでBPhen(略称)を15nm蒸着して積層することにより、電子輸送層712cを形成した。次いで、電子輸送層712c上に、フッ化リチウム(LiF)を膜厚1nmで蒸着することにより電子注入層712dを形成した。
これによって、正孔輸送層712a、発光層712b−1、発光層712b−2、電子輸送層712c、及び電子注入層712dを含む第3の発光層712を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層712d上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、光反射性を有する電極706を形成することで、発光素子5を作製した。
ここで、本実施例で作製した発光素子4、及び発光素子5の透光性を有する電極、光反射性を有する電極、第1乃至第3の発光層、第1の中間層、及び第2の中間層の膜厚構成を表3に示す。
表3に示すとおり、発光素子4、及び発光素子5において、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層の合計膜厚は、およそ315nmであった。
また、発光素子4、及び発光素子5は、第1の発光層708に3つの発光層の中で最長のピーク波長の発光を示す発光層を用い、第2の発光層710に3つの発光層の中で最短のピーク波長の発光を示す発光層を用い、第3の発光層712に第1の発光層708からの発光以下の波長であり、且つ第2の発光層710からの発光以上の波長領域に発光を示す発光層を2つ用いている。このように、第3の発光層712が2波長の発光層を用いた構造とすることもできる。また、本実施例においては、説明しないが、第1の発光層708、及び第2の発光層710においても2波長の発光層を用いた構造とすることもできる。
すなわち、本実施例の発光素子4の発光層の積層順は、透光性を有する電極704側から順に、赤色\青色\緑色−橙色の順に形成されている。また、本実施例の発光素子5の発光層の積層順は、透光性を有する電極704側から順に、朱色\青色\緑色−橙色の順に形成されている。
また、発光素子4において、光反射性を有する電極706と、第1の発光層708の発光領域までの光学距離は、約270nmであり、第1の発光層708からの発光のピーク波長(すなわち赤色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極706と、第2の発光層710の発光領域までの光学距離は、約200nmであり、第2の発光層710からの発光のピーク波長(すなわち青色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極706と、第3の発光層712の発光領域までの光学距離は、約70nmであり、第3の発光層712からの発光のピーク波長(すなわち緑色)の約1/4としている。なお、発光素子4において、第1の発光層708、及び第2の発光層710の発光領域は、各正孔輸送層と各発光層との界面付近と考えられる。また、第3の発光層712の発光領域は、2波長の発光層を用いているため、正確な発光領域の特定は困難であるが、発光層712b−1と発光層712b−2と、を比較した場合、発光層712b−1の膜厚が厚いため発光層712b−1からの発光の方が、発光に与える寄与率が大きいと考え、正孔輸送層と発光層712b−1の界面付近としている。
また、発光素子5において、光反射性を有する電極706と、第1の発光層708の発光領域までの光学距離は、約270nmであり、第1の発光層708からの発光のピーク波長(すなわち朱色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極706と、第2の発光層710の発光領域までの光学距離は、約200nmであり、第2の発光層710からの発光のピーク波長(すなわち青色)の約3/4としている。また、光反射性を有する電極706と、第3の発光層712の発光領域までの光学距離は、約70nmであり、第3の発光層712からの発光のピーク波長(すなわち緑色)の約1/4としている。第1の発光層708、及び第2の発光層710の発光領域は、各正孔輸送層と各発光層との界面付近と考えられる。また、第3の発光層712の発光領域は、2波長の発光層を用いているため、正確な発光領域の特定は困難であるが、発光層712b−1と発光層712b−2と、を比較した場合、発光層712b−1の膜厚が厚いため発光層712b−1からの発光の方が、発光に与える寄与率が大きいと考え、正孔輸送層と発光層712b−1の界面付近としている。
このように、各発光層の膜厚、及び各中間層の膜厚を調整することにより、光反射性を有する電極と各発光層との光学距離を調整することができる。
以上により作製した発光素子4、及び発光素子5を窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子4、及び発光素子5が大気に曝されないように封止する作業を行った。その後、この発光素子4、及び発光素子5の動作特性について測定を行った。測定は、室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子4の発光スペクトルを図12(A)に、発光素子4の輝度−外部量子効率特性を図12(B)に、発光素子4の輝度−電力効率特性を図13に、それぞれ示す。また、発光素子5の発光スペクトルを図14(A)に、発光素子5の輝度−外部量子効率特性を図14(B)に、発光素子5の輝度−電力効率特性を図15に、それぞれ示す。
図12(A)に示すとおり、発光素子4は、可視光領域において3つのピークを有しており、青色の発光領域である469nmに1つ目のピークを有し、緑色の発光領域である546nmに2つの目のピークを有し、赤色の発光領域である618nmに3つ目のピークを有している。また、図14(A)に示すとおり、発光素子5は、可視光領域において3つのピークを有しており、青色の発光領域である470nmに1つ目のピークを有し、緑色の発光領域である545nmに2つの目のピークを有し、朱色の発光領域である607nmに3つ目のピークを有している。
また、図12(B)、及び図13に示すように、発光素子4は、最大で47.8%の外部量子効率を有しており、最大で42.5lm/Wの電力効率を有している。また、図14(B)、及び図15に示すように、発光素子5は、最大で49.3%の外部量子効率を有しており、最大で48.0lm/Wの電力効率を有している。
以上のように、本発明の一態様である発光素子4、及び発光素子5は、可視光領域において、3つのピークを有し電球色や温白色に近い白色を有していることが確認された。また、本発明の一態様である発光素子4、及び発光素子5は、高い電力効率を有していることが確認された。
本実施例は、他の実施の形態、及び実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(参考例1)
上記実施例で用いた((アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(別名:ビス[2−(6−フェニル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC](2,4−ペンタンジオナト−κO,O’)イリジウム(III))(略称:[Ir(dppm)(acac)])の合成方法について具体的に説明する。[Ir(dppm)(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;4,6−ジフェニルピリミジン(略称:Hdppm)の合成>
まず、4,6−ジクロロピリミジン5.02g、フェニルボロン酸8.29g、炭酸ナトリウム7.19g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(略称:Pd(PPhCl)0.29g、水20mL、アセトニトリル20mLを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した。ここで更にフェニルボロン酸2.08g、炭酸ナトリウム1.79g、Pd(PPhCl0.070g、水5mL、アセトニトリル5mLをフラスコに入れ、再度マイクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した。その後この溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ピリミジン誘導体Hdppmを得た(黄白色粉末、収率38%)。なお、マイクロ波の照射は、マイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。以下にステップ1の合成スキーム(a−1)を示す。
<ステップ2;ジ−μ−クロロ−ビス[ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)](略称:[Ir(dppm)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mL、水5mL、上記ステップ1で得たHdppm1.10g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)0.69gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、ナスフラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣をエタノールで濾過し、次いで洗浄し、複核錯体[Ir(dppm)Cl]を得た(赤褐色粉末、収率88%)。以下にステップ2の合成スキーム(a−2)を示す。
<ステップ3;(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)(acac)])の合成>
さらに、2−エトキシエタノール40mL、上記ステップ2で得た[Ir(dppm)Cl]1.44g、アセチルアセトン0.30g、炭酸ナトリウム1.07gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、ナスフラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射し、反応させた。溶媒を留去し、得られた残渣をジクロロメタンに溶解して濾過し、不溶物を除去した。得られた濾液を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン:酢酸エチル=50:1(体積比)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。その後、ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより、目的物である橙色粉末を得た(収率32%)。以下にステップ3の合成スキーム(a−3)を示す。
上記ステップ3で得られた橙色粉末の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析を行い、この化合物が目的物である[Ir(dppm)(acac)]が得られたことが分かった。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR.δ(CDCl):1.83(s,6H),5.29(s,1H),6.48(d,2H),6.80(t,2H),6.90(t,2H),7.55−7.63(m,6H),7.77(d,2H),8.17(s,2H),8.24(d,4H),9.17(s,2H).
(参考例2)
上記実施例で用いた(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト)]イリジウム(III)(endo−,exo−混合物)(略称:[Ir(nbppm)(acac)])の合成方法について具体的に説明する。[Ir(nbppm)(acac)](略称)の構造を以下に示す。
≪ステップ1; 4−クロロ−6−フェニルピリミジンの合成≫
まず、4,6−ジクロロピリミジン3.35gとフェニルボロン酸3.02g、トリシクロヘキシルホスフィン(略称:CyP)1.7mL、炭酸セシウム14.7g、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(略称:Pd(dba) )0.31g、ジオキサン30mLを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射することで加熱し、反応させた。この反応溶液の溶媒を留去し、得られた残渣を、ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒(体積比1/1)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4−クロロ−6−フェニルピリミジンを得た(淡い黄色粉末、収率34%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。ステップ1の合成スキームを下記(b−1)に示す。
≪ステップ2; 4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジン(endo−,exo−混合物)(略称:Hnbppm)の合成≫
次に、exo−2−ブロモノルボルナン2.99gとマグネシウム0.50g、テトラヒドロフラン(THF)10mLを反応容器に入れ、この反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)を10分間照射することで加熱し、グリニャール試薬を調整した。上記ステップ1で得た4−クロロ−6−フェニルピリミジン5.02gとTHF30mLを混合し、−15℃で撹拌しながら、得られたグリニャール試薬を添加し、さらに[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)ジクロリド(略称:Ni(dppe)Cl )30mgを添加して、室温まで昇温した。この反応溶液に塩化アンモニウム水溶液を加えて、有機層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(体積比5:1)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、目的のピリミジン誘導体Hnbppmを得た(黄色油状物、収率43%)。ステップ2の合成スキームを下記(b−2)に示す。
≪ステップ3; ジ−μ−クロロ−ビス[ビス{4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト}イリジウム(III)](endo−,exo−混合物)(略称:[Ir(nbppm)Cl])の合成≫
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ2で得たHnbppm0.83g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)0.49gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を30分間照射し、反応させた。反応溶液をろ過し、得られたろ物をエタノールで洗浄し、複核錯体[Ir(nbppm)Cl] を得た(褐色粉末、収率74%)。ステップ3の合成スキームを下記(b−3)に示す。
<ステップ4; (アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(endo−,exo−混合物)(略称:[Ir(nbppm)(acac)])の合成>
さらに、2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ3で得た複核錯体[Ir(nbppm)Cl] 0.89g、アセチルアセトン0.19mL、炭酸ナトリウム0.65gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を30分間照射し、反応させた。反応溶液をろ過し、得られたろ物を水、次いでエタノール、次いでヘキサンにて洗浄した。ろ物をジクロロメタンに溶解し、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)をろ過補助剤としてろ過した。ろ液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒(体積比50/1)を展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)で精製し、目的物を橙色粉末として得た(収率54%)。ステップ4の合成スキームを下記(b−4)に示す。
上記ステップ4で得られた橙色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による分析を行い、この化合物が目的物である[Ir(nbppm)(acac)]が得られたことがわかった。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。なお、得られた橙色粉末はendo体とexo体のシグナルが混在し、H−NMRにおいて分離出来なかったため、ケミカルシフト値は範囲として記述する。
H−NMR.δ(CDCl):1.24−1.51,1.61−2.06,2.07,2.48,2.69,3.03,3.56,5.24,6.34,6.74−6.86,7.64,8.99.
(参考例3)
上記実施例で用いた(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)])の合成方法について具体的に説明する。[Ir(tBuppm)(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;4−tert−ブチル−6−フェニルピリミジン(略称:HtBuppm)の合成>
まず、4,4−ジメチル−1−フェニルペンタン−1,3−ジオン22.5gとホルムアミド50gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部を窒素置換した。この反応容器を加熱することで反応溶液を5時間還流させた。その後、この溶液を水酸化ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥した後の溶液を濾過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ピリミジン誘導体HtBuppmを得た(無色油状物、収率14%)。ステップ1の合成スキームを下記(c−1)に示す。
<ステップ2;ジ−μ−クロロ−ビス[ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)](略称:[Ir(tBuppm)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たHtBuppm1.49g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)1.04gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣をエタノールで吸引濾過、洗浄し、複核錯体[Ir(tBuppm)Cl]を得た(黄緑色粉末、収率73%)。ステップ2の合成スキームを下記(c−2)に示す。
<ステップ3;(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)(acac)]の合成>
さらに、2−エトキシエタノール40mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(tBuppm)Cl] 1.61g、アセチルアセトン0.36g、炭酸ナトリウム1.27gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射し、反応させた。溶媒を留去し、得られた残渣をエタノールで吸引濾過し、水、エタノールで洗浄した。この固体をジクロロメタンに溶解させ、セライト(和光純薬工業株式会社、カタログ番号:531−16855)、アルミナ、セライトの順で積層した濾過補助剤を通して濾過した。溶媒を留去して得られた固体をジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶することにより、目的物を黄色粉末として得た(収率68%)。ステップ3の合成スキームを下記(c−3)に示す。
上記ステップ3で得られた黄色粉末の核磁気共鳴分光法(H−NMR)による分析を行い、この化合物が目的物である[Ir(tBuppm)(acac)]が得られたことが分かった。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H−NMR.δ(CDCl):1.50(s,18H),1.79(s,6H),5.26(s,1H),6.33(d,2H),6.77(t,2H),6.85(t,2H),7.70(d,2H),7.76(s,2H),9.02(s,2H).
(参考例4)
上記実施例で用いたビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジイソブチリルメタノ)イリジウム(III)(別名:(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)ビス[4−メチル−2−(3−メチル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC]イリジウム(III))(略称:[Ir(5mdppm)(dibm)])の合成方法について具体的に説明する。[Ir(5mdppm)(dibm)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジン(略称:H5mdppm)の合成>
まず、4,6−ジクロロピリミジン4.99g、3−メチルフェニルボロン酸9.23g、炭酸ナトリウム7.18g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(略称:Pd(PPhCl)0.29g、水20mL、アセトニトリル20mLを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、内部をアルゴン置換した。この反応容器にマイクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した。ここで更に3−メチルフェニルボロン酸2.31g、炭酸ナトリウム1.82g、Pd(PPhCl0.070g、水5mL、アセトニトリル5mLをフラスコに入れ、再度マイクロ波(2.45GHz 100W)を60分間照射することで加熱した。その後この溶液に水を加え、ジクロロメタンにて有機層を抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液を濾過した。この溶液の溶媒を留去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的のピリミジン誘導体H5mdppmを得た(淡黄色粉末、収率15%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。以下にステップ1の合成スキーム(d−1)を示す。
<ステップ2;ジ−μ−クロロ−ビス{ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)}(略称:[Ir(5mdppm)Cl])の合成>
次に、2−エトキシエタノール15mL、水5mL、上記ステップ1で得たH5mdppm1.06g、塩化イリジウム水和物(IrCl・HO)(Sigma−Aldrich社製)0.60gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を1時間照射し、反応させた。溶媒を留去した後、得られた残渣をエタノールで吸引濾過、洗浄し、複核錯体[Ir(5mdppm)Cl]を得た(赤褐色粉末、収率86%)。以下にステップ2の合成スキーム(d−2)を示す。
<ステップ3;ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジイソブチリルメタノ)イリジウム(III)(別名:(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κO,O’)ビス[4−メチル−2−(3−メチル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC]イリジウム(III))(略称:[Ir(5mdppm)(dibm)])の合成>
次に、2−エトキシエタノール30mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(5mdppm)Cl]1.27g、ジイソブチリルメタン0.40g、炭酸ナトリウム0.90gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 120W)を60分間照射することで加熱した。ここで更にジイソブチリルメタン0.13gをフラスコに入れ、再度マイクロ波(2.45GHz 200W)を60分間照射することで加熱した。溶媒を留去し、得られた残渣をエタノールで吸引濾過した。得られた固体を水、エタノールで洗浄し、ジクロロメタンを展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。その後、ジクロロメタンとエタノールの混合溶媒にて再結晶することにより、橙色粉末を得た(収率15%)。以下に合成スキーム(d−3)を示す。
上記ステップ3で得られた橙色粉末の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析を行い、
この化合物が目的物である[Ir(5mdppm)(dibm)]が得られたことが分かった。
得られた化合物のH NMRデータを以下に示す。
H NMR.δ(CDCl):0.84(d,6H),0.94(d,6H),2.19−2.25(m,8H),2.51(d,6H),5.25(s,1H),6.40(d,2H),6.65(d,2H),7.36(d,2H),7.48(t,2H),7.60(s,2H),8.03(d,2H),8.08(s,2H),8.13(s,2H),9.05(s,2H).
100 発光素子
102 基板
104 電極
106 電極
108 第1の発光層
110 第2の発光層
112 第3の発光層
114 第1の中間層
116 第2の中間層
120 発光
122 発光
124 発光
401 照明装置
402 照明装置
403 卓上照明器具
405 照明部
406 支柱
407 支持台
502 基板
504 電極
506 電極
508 第1の発光層
508a 正孔注入層
508b 正孔輸送層
508c 発光層
508d 電子輸送層
510 第2の発光層
510a 正孔輸送層
510b 発光層
510c 電子輸送層
512 第3の発光層
512a 正孔輸送層
512b 発光層
512c 電子輸送層
512d 電子注入層
514 第1の中間層
514a 電子注入バッファー層
514b 電子リレー層
514c 電荷発生層
516 第2の中間層
516a 電子注入バッファー層
516b 電子リレー層
516c 電荷発生層
602 基板
604 電極
606 電極
608 第1の発光層
608a 正孔注入層
608b 正孔輸送層
608c 発光層
608d 電子輸送層
610 第2の発光層
610a 正孔輸送層
610b 発光層
610c 電子輸送層
612 第3の発光層
612a 正孔輸送層
612b 発光層
612c 電子輸送層
612d 電子注入層
614 第1の中間層
614a 電子注入バッファー層
614b 電子リレー層
614c 電荷発生層
616 第2の中間層
616a 電子注入バッファー層
616b 電子リレー層
616c 電荷発生層
702 基板
704 電極
706 電極
708 第1の発光層
708a 正孔注入層
708b 正孔輸送層
708c 発光層
708d 電子輸送層
710 第2の発光層
710a 正孔輸送層
710b 発光層
710c 電子輸送層
712 第3の発光層
712a 正孔輸送層
712b−1 発光層
712b−2 発光層
712c 電子輸送層
712d 電子注入層
714 第1の中間層
714a 電子注入バッファー層
714b 電子リレー層
714c 電荷発生層
716 第2の中間層
716a 電子注入バッファー層
716b 電子リレー層
716c 電荷発生層

Claims (9)

  1. 透光性を有する電極と、光反射性を有する電極と、を有し、
    前記透光性を有する電極と前記光反射性を有する電極との間に、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層と、を有し、
    前記第1の発光層は、前記透光性を有する電極と前記第1の中間層との間に設けられ、
    前記第2の発光層は、前記第1の中間層と前記第2の中間層との間に設けられ、
    前記第3の発光層は、前記第2の中間層と前記光反射性を有する電極との間に設けられ、
    前記第1の発光層からの発光スペクトルのピークは、
    前記第2及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ長波長の位置にあり、
    前記第2の発光層からの発光スペクトルのピークは、
    前記第1及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ短波長の位置にある
    ことを特徴とする発光素子。
  2. 透光性を有する電極と、光反射性を有する電極と、を有し、
    前記透光性を有する電極と前記光反射性を有する電極との間に、第1の発光層と、第2の発光層と、第3の発光層と、第1の中間層と、第2の中間層と、を有し、
    前記第1の発光層は、前記透光性を有する電極と前記第1の中間層との間に設けられ、
    前記第2の発光層は、前記第1の中間層と前記第2の中間層との間に設けられ、
    前記第3の発光層は、前記第2の中間層と前記光反射性を有する電極との間に設けられ、
    前記第1の発光層からの発光スペクトルのピークは、
    前記第2及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ長波長の位置にあり、
    前記第2の発光層からの発光スペクトルのピークは、
    前記第1及び第3の発光層からの発光スペクトルのピークに比べ短波長の位置にあり、
    前記光反射性を有する電極と、前記第1の発光層との光学距離は、前記第1の発光層からの発光のピーク波長の3/4であり、
    前記光反射性を有する電極と、前記第2の発光層との光学距離は、前記第2の発光層からの発光のピーク波長の3/4であり、
    前記光反射性を有する電極と、前記第3の発光層との光学距離は、前記第3の発光層からの発光のピーク波長の1/4である
    ことを特徴とする発光素子。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1の発光層は、
    発光のピークが黄色から橙色の波長領域にある発光性の物質を有し、
    前記発光性の物質は燐光性化合物である
    ことを特徴とする発光素子。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記第2の発光層は、
    発光のピークが青色の波長領域にある発光性の物質を有し、
    前記発光性の物質は蛍光性化合物である
    ことを特徴とする発光素子。
  5. 請求項1または請求項2において、
    前記第3の発光層は、
    発光性の物質を有し、該発光性の物質からの発光は、前記第1の発光層からの発光の波長以下であることを特徴とする発光素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記第1の発光層と、前記第2の発光層と、前記第3の発光層と、前記第1の中間層と、前記第2の中間層と、の合計膜厚は、400nm以下である
    ことを特徴とする発光素子。
  7. 請求項1または請求項2において、
    前記光反射性を有する電極は、陰極であることを特徴とする発光素子。
  8. 請求項1または請求項2において、
    第1の発光層は黄色から橙色の発光を有する発光性物質を含有し、第2の発光層は青色の発光を有する発光性の物質を含有し、第3の発光層は黄色から橙色の発光を有する発光性の物質を含有することを特徴とする発光素子。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一における前記発光素子を光源として用いることを特徴とする照明装置。
JP2012064798A 2011-03-23 2012-03-22 発光素子、発光装置および照明装置 Active JP6009789B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012064798A JP6009789B2 (ja) 2011-03-23 2012-03-22 発光素子、発光装置および照明装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011063867 2011-03-23
JP2011063867 2011-03-23
JP2012064798A JP6009789B2 (ja) 2011-03-23 2012-03-22 発光素子、発光装置および照明装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012212670A true JP2012212670A (ja) 2012-11-01
JP2012212670A5 JP2012212670A5 (ja) 2015-04-16
JP6009789B2 JP6009789B2 (ja) 2016-10-19

Family

ID=46876583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012064798A Active JP6009789B2 (ja) 2011-03-23 2012-03-22 発光素子、発光装置および照明装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9252380B2 (ja)
JP (1) JP6009789B2 (ja)
CN (1) CN105309047B (ja)
TW (1) TWI538246B (ja)
WO (1) WO2012128188A1 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103972400A (zh) * 2013-01-31 2014-08-06 海洋王照明科技股份有限公司 有机电致发光器件及其制备方法
JP2014185146A (ja) * 2013-02-21 2014-10-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 有機金属錯体、発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置
KR20150114388A (ko) * 2014-03-31 2015-10-12 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR20150140356A (ko) * 2013-04-08 2015-12-15 메르크 파텐트 게엠베하 지연 형광을 갖는 유기 발광 디바이스
WO2016140180A1 (ja) * 2015-03-02 2016-09-09 Lumiotec株式会社 有機エレクトロルミネッセント素子及び照明装置
JP2016167441A (ja) * 2015-03-02 2016-09-15 Lumiotec株式会社 有機エレクトロルミネッセント素子及び照明装置
WO2016151772A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 パイオニア株式会社 発光装置
WO2016151773A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 パイオニア株式会社 発光装置
JP2021040150A (ja) * 2015-01-30 2021-03-11 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012103292A1 (en) * 2011-01-26 2012-08-02 Massachusetts Institute Of Technology Device and method for luminescence enhancement by resonant energy transfer from an absorptive thin film
TWI529238B (zh) * 2011-04-15 2016-04-11 半導體能源研究所股份有限公司 有機發光元件、有機金屬錯合物發光裝置、電子用具及照明裝置
TWI547208B (zh) * 2012-03-19 2016-08-21 友達光電股份有限公司 有機電致發光裝置
GB2508092B (en) 2012-10-31 2015-09-23 Lg Display Co Ltd Light emitting device and organic light emitting display device including the same
US9203045B2 (en) * 2012-11-29 2015-12-01 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting element, light-emitting device, electronic device, and lighting device
CN103972403A (zh) * 2013-01-31 2014-08-06 海洋王照明科技股份有限公司 有机电致发光器件及其制备方法
CN104183746A (zh) * 2013-05-21 2014-12-03 海洋王照明科技股份有限公司 一种白光有机电致发光器件及其制备方法
CN103531721B (zh) * 2013-11-05 2015-04-22 京东方科技集团股份有限公司 叠层有机发光二极管器件和显示装置
US9685622B2 (en) 2014-03-31 2017-06-20 Lg Display Co., Ltd. White organic light emitting device
KR20150130224A (ko) * 2014-05-13 2015-11-23 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 소자, 발광 장치, 표시 장치, 전자 기기, 및 조명 장치
WO2016020515A1 (en) * 2014-08-07 2016-02-11 Oledworks Gmbh Light emitting device
JP2016072250A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置、電子機器、及び照明装置
EP3016159B1 (en) * 2014-10-27 2021-12-08 LG Display Co., Ltd. White organic light emitting device
KR102317991B1 (ko) * 2014-11-28 2021-10-27 엘지디스플레이 주식회사 유기발광 표시장치
EP3309853B1 (en) * 2014-12-08 2019-03-13 LG Display Co., Ltd. Organic light emitting display device
KR102463518B1 (ko) * 2014-12-08 2022-11-04 엘지디스플레이 주식회사 유기발광 표시장치
CN106856205B (zh) * 2016-12-29 2020-01-10 上海天马有机发光显示技术有限公司 有机发光显示器件及其制造方法、以及有机发光显示装置
US10892296B2 (en) 2017-11-27 2021-01-12 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting device having commonly connected LED sub-units
US10892297B2 (en) 2017-11-27 2021-01-12 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting diode (LED) stack for a display
US11527519B2 (en) 2017-11-27 2022-12-13 Seoul Viosys Co., Ltd. LED unit for display and display apparatus having the same
US11282981B2 (en) 2017-11-27 2022-03-22 Seoul Viosys Co., Ltd. Passivation covered light emitting unit stack
US10748881B2 (en) 2017-12-05 2020-08-18 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting device with LED stack for display and display apparatus having the same
US10886327B2 (en) 2017-12-14 2021-01-05 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting stacked structure and display device having the same
US11552057B2 (en) 2017-12-20 2023-01-10 Seoul Viosys Co., Ltd. LED unit for display and display apparatus having the same
US11522006B2 (en) 2017-12-21 2022-12-06 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting stacked structure and display device having the same
US11552061B2 (en) 2017-12-22 2023-01-10 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting device with LED stack for display and display apparatus having the same
US11114499B2 (en) 2018-01-02 2021-09-07 Seoul Viosys Co., Ltd. Display device having light emitting stacked structure
US10784240B2 (en) 2018-01-03 2020-09-22 Seoul Viosys Co., Ltd. Light emitting device with LED stack for display and display apparatus having the same
CN111584597B (zh) * 2020-05-26 2021-10-15 云谷(固安)科技有限公司 显示面板及显示装置
CN113178526B (zh) * 2021-04-26 2022-07-26 京东方科技集团股份有限公司 一种电致发光器件及显示装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003272860A (ja) * 2002-03-26 2003-09-26 Junji Kido 有機エレクトロルミネッセント素子
WO2006093007A1 (ja) * 2005-03-02 2006-09-08 Konica Minolta Holdings, Inc. 有機エレクトロルミネッセンス素子、画像表示装置および照明装置
JP2009181755A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Seiko Epson Corp 発光素子、表示装置および電子機器
JP2009266524A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Canon Inc 有機el表示装置
JP2010287484A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Sony Corp 有機発光素子、並びにこれを備えた表示装置および照明装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1965613B (zh) 2004-05-21 2010-06-16 株式会社半导体能源研究所 发光元件及使用该元件的发光装置
US7560862B2 (en) 2004-10-22 2009-07-14 Eastman Kodak Company White OLEDs with a color-compensated electroluminescent unit
JP4939809B2 (ja) 2005-01-21 2012-05-30 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置
KR101356094B1 (ko) * 2005-04-11 2014-01-28 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광장치의 제작방법
JP2007012369A (ja) * 2005-06-29 2007-01-18 Sony Corp 有機発光素子および有機発光装置
KR100736623B1 (ko) * 2006-05-08 2007-07-09 엘지전자 주식회사 수직형 발광 소자 및 그 제조방법
JP2009301731A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Rohm Co Ltd 有機発光装置及び有機発光装置の製造方法
US8288763B2 (en) * 2008-12-10 2012-10-16 Fujifilm Corporation Organic electroluminescence device

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003272860A (ja) * 2002-03-26 2003-09-26 Junji Kido 有機エレクトロルミネッセント素子
WO2006093007A1 (ja) * 2005-03-02 2006-09-08 Konica Minolta Holdings, Inc. 有機エレクトロルミネッセンス素子、画像表示装置および照明装置
JP2009181755A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Seiko Epson Corp 発光素子、表示装置および電子機器
JP2009266524A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Canon Inc 有機el表示装置
JP2010287484A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Sony Corp 有機発光素子、並びにこれを備えた表示装置および照明装置

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103972400A (zh) * 2013-01-31 2014-08-06 海洋王照明科技股份有限公司 有机电致发光器件及其制备方法
JP2014185146A (ja) * 2013-02-21 2014-10-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 有機金属錯体、発光素子、発光装置、電子機器、及び照明装置
JP2019038814A (ja) * 2013-02-21 2019-03-14 株式会社半導体エネルギー研究所 有機金属錯体、発光装置、電子機器および照明装置
KR102144262B1 (ko) 2013-04-08 2020-08-13 메르크 파텐트 게엠베하 지연 형광을 갖는 유기 발광 디바이스
KR20150140356A (ko) * 2013-04-08 2015-12-15 메르크 파텐트 게엠베하 지연 형광을 갖는 유기 발광 디바이스
KR20220163324A (ko) * 2014-03-31 2022-12-09 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR102151412B1 (ko) 2014-03-31 2020-10-27 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR102471755B1 (ko) 2014-03-31 2022-11-28 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR20210130686A (ko) * 2014-03-31 2021-11-01 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR102319871B1 (ko) 2014-03-31 2021-11-01 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR102595367B1 (ko) 2014-03-31 2023-10-30 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR20150114388A (ko) * 2014-03-31 2015-10-12 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
KR20200103616A (ko) * 2014-03-31 2020-09-02 엘지디스플레이 주식회사 백색 유기 발광 소자
JP7055856B2 (ja) 2015-01-30 2022-04-18 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置
JP2021040150A (ja) * 2015-01-30 2021-03-11 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置
JP2016167441A (ja) * 2015-03-02 2016-09-15 Lumiotec株式会社 有機エレクトロルミネッセント素子及び照明装置
CN107409456B (zh) * 2015-03-02 2019-03-12 路米奥科技株式会社 有机电致发光元件以及照明装置
US10084146B2 (en) 2015-03-02 2018-09-25 Lumiotec Inc. Organic electroluminescent element and lighting device
CN107409456A (zh) * 2015-03-02 2017-11-28 路米奥科技株式会社 有机电致发光元件以及照明装置
WO2016140180A1 (ja) * 2015-03-02 2016-09-09 Lumiotec株式会社 有機エレクトロルミネッセント素子及び照明装置
JPWO2016151773A1 (ja) * 2015-03-24 2017-12-21 パイオニア株式会社 発光装置
WO2016151773A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 パイオニア株式会社 発光装置
WO2016151772A1 (ja) * 2015-03-24 2016-09-29 パイオニア株式会社 発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
US9252380B2 (en) 2016-02-02
JP6009789B2 (ja) 2016-10-19
TW201301555A (zh) 2013-01-01
US20120241794A1 (en) 2012-09-27
WO2012128188A1 (en) 2012-09-27
CN105309047A (zh) 2016-02-03
TWI538246B (zh) 2016-06-11
CN105309047B (zh) 2017-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6009789B2 (ja) 発光素子、発光装置および照明装置
JP7413417B2 (ja) 発光素子、発光装置、電子機器および照明装置
US20200194692A1 (en) Light-Emitting Element
JP6441411B2 (ja) 発光素子、発光装置、照明装置および電子機器
JP5784926B2 (ja) 発光素子および照明装置
JP2019068095A (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6009789

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250