JP2012210907A - 車両の衝撃吸収構造 - Google Patents

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Hideki Matsui
秀樹 松井
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Kojima Industries Corp
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Abstract

【課題】インストルメントパネル部で衝撃吸収を可能とすることにより、小型車においても車両前突時の車両乗員保護のために必要な衝撃吸収部を設ける。
【解決手段】車室内前方のインストルメントパネル部の乗員に近い側に車両衝突時の衝撃を受け止める強度部材2を車両幅方向に渡って設け、該強度部材の車両前方側に車両衝突時の衝撃を受けて、自ら変形しながら衝撃を吸収する衝撃吸収部を設けた。衝撃吸収部は、強度部材2との間に衝撃吸収に必要なスペースを車両前後方向に確保するように、強度部材2と平行に衝撃受部材1を設け、強度部材及び衝撃受部材の両部材間に車両衝突時の衝撃を受けて変形する変形部材3を設けた。ダッシュボード前方のエンジンルーム部分に衝撃吸収部を設けることができない場合でも、インストルメントパネル部に衝撃吸収部を設けて、車両衝突時の衝撃を吸収することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両前突時の衝撃を吸収する車両の衝撃吸収構造に関する。
車両前突時の車両乗員保護のため、車両前方には衝撃吸収部が設けられている。衝撃吸収部は一般的にエンジンルームと車室内とを区画しているダッシュボードより前方、つまりエンジンルームを形成する車体構造に設けられている(下記特許文献1参照)。
特開平9−216575号公報
しかし、電気自動車のような小型車の場合、エンジンルームが小さいため、ダッシュボード前方のエンジンルーム部分に従来のような衝撃吸収部に必要なスペースを確保することが困難である。そのため、小型車では車両前突時の車両乗員保護のために従来と同様の衝撃吸収部を設けることができない。
本発明は、このような問題に鑑み、インストルメントパネル部で衝撃吸収を可能とすることにより、小型車においても車両前突時の車両乗員保護のために必要な衝撃吸収部を設けることを課題とする。
本発明の第1発明は、車室内前方のインストルメントパネル部の乗員に近い側に車両衝突時の衝撃を受け止める強度部材を車両幅方向に渡って設け、該強度部材の車両前方側に車両衝突時の衝撃を受けて、自ら変形しながら衝撃を吸収する衝撃吸収部を設けたことを特徴とする車両の衝撃吸収構造である。
第1発明によれば、ダッシュボード前方のエンジンルーム部分に衝撃吸収部を設けることができない場合でも、インストルメントパネル部に衝撃吸収部を設けて、車両衝突時の衝撃を吸収することができる。
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記衝撃吸収部は、前記強度部材との間に衝撃吸収に必要なスペースを車両前後方向に確保するように、前記強度部材と平行に衝撃受部材を設け、前記強度部材及び衝撃受部材の両部材間に車両衝突時の衝撃を受けて変形する変形部材を設けたことを特徴とする車両の衝撃吸収構造である。
第2発明によれば、車両衝突に伴う衝撃を衝撃受部材で受け止め、その衝撃を変形部材が変形しながら吸収するので、強度部材より車両前方側で衝撃を吸収できる。しかも、強度部材と衝撃受部材との間に形成されたスペースを乗員に見せるようにデザインすれば、小型車として独特な車室内意匠を実現することができる。
本発明の第3発明は、上記第2発明において、前記変形部材は、前記強度部材と前記衝撃受部材とを連結するブラケットであり、該ブラケットが変形することにより車両衝突時の衝撃を吸収することを特徴とする車両の衝撃吸収構造である。
第3発明によれば、衝撃吸収部が強度部材と衝撃受部材とをブラケットによって連結するのみの構成のため、衝撃吸収部を簡単な構成で実現することができる。
本発明に係る車両の衝撃吸収構造の第1の実施形態を示す部分断面側面図である。 上記第1の実施形態の斜視図である。 上記第1の実施形態の車両衝突時における状態を示す説明図である。 本発明に係る車両の衝撃吸収構造の第2の実施形態を示す部分断面側面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、小型車である電気自動車に本発明を適用した場合を示し、エンジン車におけるエンジンルームに相当する部分4には、エンジンに代わる動力源としてモータ5が配置されており、モータ5は一般にエンジンに比べて小型で済むため、エンジンルーム相当部分4はコンパクトに形成されている。
車両乗員Pの居室である車室内の前方には計器類11を乗員Pに向けて配置したインストルメントパネルが設けられており、この場合、インストルメントパネルは車両前側部1と車両後側部2とに分割して形成されている。インストルメントパネルの車両前側部1には計器類11が配置され、車両後側部2にはステアリング操作ハンドルHが配置されている。車両前側部1と車両後側部2とは互いに車両前後方向に離間しており、両者間には貫通孔12が形成されている。そして、車両前側部1と車両後側部2は、それぞれの左右端部で2本のブラケット3により互いに連結されている。
ここで、インストルメントパネルの車両後側部2は本発明の強度部材であり、インストルメントパネルの車両前側部1は本発明の衝撃受部材であり、ブラケット3は本発明の変形部材である。
また、図1において、Bは電気自動車の車体であり、Sはシートであり、Wは車体Bの前後左右に配置された車輪である。
このように構成された電気自動車同士が衝突すると、図3にようにエンジンルーム相当部分4が潰れると同時に、ブラケット3が変形してインストルメントパネルの車両前側部1が車両後方へ移動して車両後側部2に接近する。このようにエンジンルーム相当部分4が潰れ、かつブラケット3が変形することによって車両衝突時の衝撃が吸収され、乗員Pへの衝撃が緩和される。
また、車両前突に伴う2次衝突により車両乗員Pがインストルメントパネルの車両後側部2に衝突した場合も、ブラケット3が変形し、車両後側部2が車両前側部1方向へ移動して2次衝突による衝撃を吸収する。
以上の第1の実施形態によれば、エンジンルーム相当部分4での衝撃吸収性能が充分でなくても、インストルメントパネル部分で衝撃吸収が行われるので、エンジンルーム相当部分4の小さい電気自動車でも必要な衝撃吸収性能を確保することができる。
しかも、図2に良く示されるように、インストルメントパネルが車両前側部1と車両後側部2とに分割されたデザインは今までにない斬新なものであり、独特の車室内意匠の車両を提供することができる。
<第2の実施形態>
図4は、上述の第1の実施形態と同様、電気自動車に本発明を適用した場合であり、衝撃吸収部としてインストルメントパネル2の前方に比較的大きな空間を形成し、インストルメントパネル2を車両両側方の車体強度部材に固定して構成されている。図4中、6はダッシュボードであり、その車室内側にはカーペットが貼られている。なお、この他の構成は図1と同一であり、同一部分には同一符号、同一記号を付して再度の説明は省略する。
かかる第2の実施形態の電気自動車が前突を起こすと、図1の場合と同様にエンジンルーム相当部分4が潰れて衝撃吸収すると同時に、インストルメントパネル2の車両両側方の車体強度部材が潰れて衝撃吸収を行う。このとき、インストルメントパネル2の前方の空間は車体強度部材の潰れ代となる。
従って、かかる第2の実施形態においても、上述の第1の実施形態の場合と同様に、エンジンルーム相当部分4での衝撃吸収性能が充分でなくても、インストルメントパネル部分で衝撃吸収が行われるので、エンジンルーム相当部分4の小さい電気自動車でも必要な衝撃吸収性能を確保することができ、しかも、インストルメントパネル2の前方に空間の形成された今までにない斬新な、独特の車室内意匠の車両を提供することができる。
本発明は、上記実施形態で説明した外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、
1.変形部材としては、強度部材と衝撃受部材とを連結したダンパーとすることもできる。
1 インストルメントパネルの車両前側部(衝撃受部材)
2 インストルメントパネルの車両後側部(強度部材)
3 ブラケット(変形部材)
4 エンジンルーム相当部分

Claims (3)

  1. 車室内前方のインストルメントパネル部の乗員に近い側に車両衝突時の衝撃を受け止める強度部材を車両幅方向に渡って設け、該強度部材の車両前方側に車両衝突時の衝撃を受けて、自ら変形しながら衝撃を吸収する衝撃吸収部を設けたことを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
  2. 請求項1の車両の衝撃吸収構造において、前記衝撃吸収部は、前記強度部材との間に衝撃吸収に必要なスペースを車両前後方向に確保するように、前記強度部材と平行に衝撃受部材を設け、前記強度部材及び衝撃受部材の両部材間に車両衝突時の衝撃を受けて変形する変形部材を設けたことを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
  3. 請求項2の車両の衝撃吸収構造において、前記変形部材は、前記強度部材と前記衝撃受部材とを連結するブラケットであり、該ブラケットが変形することにより車両衝突時の衝撃を吸収することを特徴とする車両の衝撃吸収構造。
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