JP2012210750A - 化粧板 - Google Patents

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重夫 木村
Hiroko Kawai
拡子 河合
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Abstract

【課題】芯材にバイオマス由来樹脂製の不織布を使用しながら、実用レベルの剛性等を有する化粧板を提供する。
【解決手段】バイオマス由来樹脂製の不織布にバインダー樹脂を含浸した不織布層と、クラフト紙層とを積層して芯材と成し、該芯材の表面に化粧層を備える。不織布層及び/又はクラフト紙層を複数層交互に積層し、芯材の最表面層はクラフト紙層とする。不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量は、重量基準で不織布重量に対して30%以上とし、30kg/cm2以上の圧力で熱圧成形する。
【選択図】なし

Description

本発明は、芯材の表面に化粧層を備え、家具や壁面の表面に配される化粧板に関する。
従来から、化粧層の裏面にポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステルなど、石油由来の合成樹脂からなる基材が配された化粧シートがある。しかし、合成樹脂は石油枯渇の問題があると共に、これを燃焼すると二酸化炭素が発生し、地球上の二酸化炭素量が積極的に増加して温暖化の一因となるなどの環境問題も生じる。そこで近年では、このような問題が生じないバイオマス資源の有効利用が着目されている。具体的には、従来の合成樹脂に替えてバイオマス由来の樹脂の利用が試みられている。
バイオマス由来の樹脂であれば、植物が存在している限り枯渇の心配が無い。また、バイオマス由来の樹脂を燃焼しても、原料となる植物が取り込んでいた二酸化炭素が排出されるだけであり、地球上の全体的な二酸化炭素量は増量しない(カーボンニュートラル)という点において環境負荷が小さい。
このようなメリットに鑑みて、特許文献1には、ポリ乳酸樹脂製フィルムを基材とした化粧シートが開示されている。バイオマス由来樹脂の一種であるポリ乳酸樹脂は生分解性樹脂なので、特許文献1では、化粧シートを燃焼することなくそのまま廃棄しても基材は生分解されるというメリットも有する。具体的な構成としては、ポリ乳酸樹脂製フィルムからなる基材上に着色層や絵柄層を設けたうえで、その上(最表面)にメラミン樹脂、フェノール樹脂、又はアクリル樹脂などからなる厚み2〜20μmの表面保護層を設けている。
一方、本出願人は、複数枚のクラフト紙を積層したものを芯材とし、その表裏両面に化粧紙を配した化粧板を特許文献2に提案している。
特開2008−207441号公報 特開2006−247935号公報
しかしながら、特許文献1の技術はあくまで化粧シートであり、そのままでは化粧板として使用できるものではない。そのため、特許文献1では化粧シートの裏面に不織布等を裏打ち材(芯材)として配してもよいことが開示されているが、実用的な化粧板としての具体的構成は記載されていない。すなわち、不織布を芯材として使用する場合、化粧板の耐水性や剛性等が問題となる。これに対し、特許文献1ではアクリル樹脂等からなる表面保護層を設けていることで、ある程度の耐水性や剛性等は有する。しかし、表面保護層のみによって実用レベルの耐水性や剛性等は得られない。
しかも、ポリ乳酸樹脂は環境にやさしいバイオマス由来樹脂であるが、剛性、耐熱性、耐水性、及び層間密着性などの物性において石油由来樹脂に比べて性能が劣ることが一般的であり、樹脂自体を改質することで各物性を担保することは難しい。したがって、不織布を積層するとしても、特許文献1のようにフィルム状のポリ乳酸樹脂を使用していると、剛性を担保できなかったり、化粧板に熱や水が作用したときにポリ乳酸樹脂フィルム部分において層間剥離するなど、耐熱性や耐水性の問題もある。
一方、特許文献2では芯材として不織布を使用することは想定していない。
そこで本発明者らは、芯材にバイオマス由来樹脂製の不織布を用いてバインダー樹脂を含浸せしめ、且つクラフト紙を併用したハイブリッドにすることで、剛性、耐熱性、耐水性、及び層間密着性などの上記バイオマス由来樹脂の欠点を補うことができること、さらには特殊な積層構造とすることによってより実用性のある芯材にできることを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、芯材にバイオマス由来樹脂製の不織布を使用しながら、良好な物性を有する化粧板を提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明の化粧板は、バイオマス由来樹脂製の不織布にバインダー樹脂を含浸した不織布層と、クラフト紙層とを積層して芯材と成し、該芯材の表面に化粧層を備えている。クラフト紙層には、バインダー樹脂未含浸のクラフト紙を使用することもできるし、バインダー樹脂含浸クラフト紙を使用することもできる。
このとき、前記不織布層及び/又はクラフト紙層、すなわち前記不織布層及びクラフト紙層の双方、若しくは前記不織布層又はクラフト紙層のいずれか一方を、複数層積層することが好ましい。なお、本発明において「複数層積層」するとは、複数の「層」を有することを意味する。したがって、本発明では、1つの層が1枚の不織布やクラフト紙から成る場合は当然として、厚みや目付け等を調整するために複数枚の不織布やクラフト紙を重ねて1つの層が形成されている場合も含む。この意味において、特許文献2の芯材は1つのクラフト紙層のみからなる。
複数の層が積層された芯材において、少なくともその最表面層は前記クラフト紙層とすることが好ましい。すなわち、化粧層が配された側では当該化粧層の直下がクラフト紙層となっており、化粧層が配されていない側ではクラフト紙層が最外層となっている。
また、複数の前記不織布層及び/又はクラフト紙層を積層する場合、前記不織布層とクラフト紙層とは、交互に積層することが好ましい。
前記不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量としては、重量基準で前記バイオマス由来樹脂製不織布の重量に対して30%以上とすることが好ましい。また、30kg/cm以上の圧力で熱圧成形することが好ましい。
本発明によれば、芯材を構成する不織布層をバイオマス由来樹脂製としていることで、環境に優しい化粧板とすることができる。このとき、不織布層をバインダー樹脂によって結着しているので、各不織布層自体の剛性や耐水性等を向上できる。しかも、バイオマス由来の樹脂の中には、熱可塑性樹脂であったり熱水によって加水分解されるものもあるが、特許文献1のようにバイオマス由来樹脂をフィルムとして使用していないので、層間剥離の危険性も低減できる。すなわち、本発明は同じバイオマス由来樹脂でも特許文献1のようにフィルム状のものを積層した場合ではなし得なかった技術であり、バイオマス由来樹脂製の不織布としたうえで、バインダー樹脂を含浸してバイオマス由来樹脂の欠点を補うことができる点に特徴を有する。
しかし、当該バインダー樹脂を含浸した不織布層のみでは、化粧板全体として十分な剛性等を担保することは難しい。そこで、不織布層に加えてクラフト紙層も併用することで、化粧板全体において良好な物性を担保することができる。なお、クラフト紙層もバイオマス由来の材料なので、環境負荷が増大することはない。
不織布層とクラフト紙層の双方、又は少なくともいずれか一方を複数層積層していれば、化粧板の剛性等をより向上させることができる。クラフト紙層は不織布層に比して剛性や耐熱性等に優れる。そこで、外部から熱や力が作用した場合の影響が高い芯材の最表面層をクラフト紙層としていれば、化粧板の耐熱性等を的確に向上させることができる。また、不織布層とクラフト紙層とを交互に積層していれば、剛性や耐水性等をさらに向上させることができ、実用レベルの物性を有する化粧板とすることができる。
不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量を、バイオマス由来樹脂製不織布の重量に対して30%以上としていれば、的確に剛性や耐水性等を向上させることができる。また、30kg/cm以上の圧力で熱圧成形することで、確実に剛性や耐水性等を向上させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の化粧板は、不織布層とクラフト紙層とを併用した芯材の表面に、化粧層を配して成る。
(不織布層)
不織布層を構成する不織布には、バイオマス(植物)由来樹脂製の繊維が使用される。バイオマス由来の樹脂としては、代表的にはポリ乳酸(PLA)樹脂が挙げられるが、その他にもポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンサクシネート(PBS)樹脂、植物由来のエポキシ樹脂、セラック樹脂などが挙げられる。これらバイオマス由来樹脂製の繊維は、1種のみを単独で使用しても良いし、複数種を混合使用することもできる。
ポリ乳酸樹脂は、トウモロコシやジャガイモなどの植物から得たデンプンを発酵などによって乳酸としたうえで、当該乳酸を重合して得られるものである。ポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸、又はDL−乳酸単位を主成分とする重合体またはこれらの重合体の混合物である。また、乳酸の光学異性体を共重合したものであってもよい。すなわち、L−乳酸に対してD−乳酸を、D−乳酸に対してL−乳酸を共重合したものでもよい。また、ポリ乳酸は、少量(0〜30モル%程度)の共重合成分を含んでいてもよい。共重合可能な単量体成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。ポリ乳酸樹脂の重合方法としては特に限定されず、例えば縮合重合法、開環重合法等を使用できる。縮合重合法では、L−乳酸、D−乳酸又はこれらの混合物を直接脱水縮合重合することでポリ乳酸樹脂を得られる。開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら適当な触媒を用いてポリ乳酸樹脂を得られる。
ポリトリメチレンテレフタレート樹脂は、トウモロコシやサトウキビ等のデンプンから得られるグリコール成分を原料とするポリエステル系樹脂である。具体的には、テレフタル酸を酸成分とし、植物由来の1,3−プロパンジオールをグリコール成分として重合して得られる。このようなポリトリメチレンテレフタレート樹脂は、95モル%以上のトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位と、5モル%以下のその他のエステルの繰り返し単位から構成される。ポリブチレンサクシネート樹脂は、サトウキビやトウモロコシなどの植物から得られた糖質を発酵させたコハク酸と、1,4-ブタンジオールとから得られる。
植物由来のエポキシ樹脂は、植物から得られた油脂の不飽和基をエポキシ化して得られる。詳しくは、グリセリンの不飽和脂肪酸トリグリセリドの不飽和基をエポキシ化することにより得られる。植物油脂の具体例としては、大豆油、亜麻仁油、魚油、ひまわり油、桐油、ヒマシ油、トウモロコシ油、菜種油、ごま油、オリーブ油、パーム油、グレープシード油、米ヌカ油、綿実油、又はサフラワー油などから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
バイオマス由来樹脂製繊維の繊維径は特に限定されないが、0.5〜50μm程度、好ましくは3〜30μm程度、より好ましくは10〜20μm程度とすればよい。バイオマス由来樹脂製繊維の繊維径をこのような範囲とすることで、最終的に良好な剛性等を得やすい。バイオマス由来樹脂製繊維の繊維長は、少なくとも0.1mm以上、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは10mm以上とする。バイオマス由来樹脂製繊維の繊維長が短すぎると、剛性が低下するからである。一方、バイオマス由来樹脂製繊維の繊維長の上限は特に限定されず、製造された繊維をそのまま切断せずエンドレス繊維(長繊維)として使用することもできる。短繊維を使用する場合は、100mm程度以下を目安とすればよい。
このようなバイオマス由来樹脂製の繊維を、スパンボンド法、スパンレース法、又はニードルパンチ法等の公知の方法によって不織布とする。不織布層の目付けは、少なくとも20g/m以上、好ましくは30g/m以上、より好ましくは50g/m以上とする。不織布層の目付けが小さ過ぎると、不織布層自体の剛性が低くなり、結果として化粧板全体の剛性等も低下するからである。一方、不織布層の目付けの上限は、少なくとも200g/m以下、好ましくは150g/m以下、より好ましくは120g/m以下とする。不織布層の目付けが大き過ぎると、バインダー樹脂の含浸量が相対的に多くなることで、後述の熱圧成形時にバインダー樹脂が染み出してバリが発生し易くなり、不経済だからである。なお、各不織布層においては、上記範囲の目付けの不織布を1枚のみ使用することもできるし、比較的目付けの小さい不織布を複数枚重ねることで、最終的に上記範囲の目付けとすることもできる。
そのうえで、当該不織布層には、各繊維を結着するためのバインダー樹脂が含浸される。バインダー樹脂の含浸方法は特に限定されず、浸漬(ディッピング)、噴霧、又は塗布など公知の方法を利用できる。バインダー樹脂としては、代表的にはメラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられるが、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂や、植物由来のフェノール化リグニンを使用することもできる。後述のように、化粧層やクラフト紙層も樹脂を含む場合は、これらのバインダー樹脂と同種の樹脂を含浸させることが好ましい。化粧層やクラフト紙層の樹脂と同種であれば、各層間の接着性が向上することで層間剥離の防止性が高まると共に、剛性等の各物性も効果的に向上できる。アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂であれば不織布層自体の強度が高まり、層内破壊の防止に有利である。植物由来のフェノール化リグニンであれば、環境に優しい。フェノール化リグニンは、植物から熱酸処理等によって得られたリグニンと、フェノール誘導体とを反応させて得られる。
各不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量(含浸率)は、重量基準でバイオマス由来樹脂製不織布の重量に対して少なくとも30%以上(不織布層全量基準では23.1重量%以上)、好ましくは40%以上(不織布層全量基準では28.6重量%以上)とする。バインダー樹脂の含浸量が不織布重量に対して30%未満では、バインダー樹脂の含浸量が少なすぎて十分な耐水性等を担保できないからである。一方、各不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量(含浸率)の上限は特に限定されないが、不織布重量に対して120%以下(不織布全体基準では54.5重量%以下)とすることが好ましい。バインダー樹脂の含浸量が不織布重量に対して120%を超えると、物性の面では好適であるが、バインダー樹脂の含浸量が多すぎて熱圧成形時に樹脂が染み出し、バリが発生し易くなるからである。
(クラフト紙層)
クラフト紙層は、バインダー樹脂未含浸クラフト紙またはバインダー樹脂含浸クラフト紙からなる。クラフト紙層を構成するクラフト紙は特に限定されず、基本的にはこの種の化粧板において従来から一般的に使用されている公知のクラフト紙であればよい。クラフト紙は木材パルプを抄造することで得られる。また、一旦抄造した紙を叩解したのち、再度抄造した再生クラフト紙を使用することもできる。再生クラフト紙の原料としては、新聞、古紙、封筒などを使用できる。さらに、適宜漂白した晒しクラフト紙であってもよい。
クラフト紙層の目付けは不織布層の目付けと同等以上とすることが好ましい。クラフト紙層によって不織布層における剛性等の不足を確実に補うためである。クラフト紙層の具体的な目付けとしては、60〜250g/m程度、好ましくは100〜220g/m程度、より好ましくは120〜200g/m程度とすればよい。クラフト紙層の目付けが小さすぎると、剛性等の向上効果を得られ難い。一方、クラフト紙層の目付けが大きすぎると、熱圧成形時にフクレが生じるおそれがある。なお、各クラフト紙層においても、上記範囲の目付けのクラフト紙を1枚のみ使用することもできるし、比較的目付けの小さいクラフト紙を複数枚重ねることで、最終的に上記範囲の目付けとすることもできる。
クラフト紙層にも、バインダー樹脂を含浸することが好ましい。すなわち、バインダー樹脂含浸クラフト紙を使用することが好ましい。クラフト紙層にもバインダー樹脂を直接含浸させることで、クラフト紙層自体の剛性、耐水性、耐熱性等が向上する。これにより、クラフト紙層の積層数をできるだけ少なくしながら、的確に化粧板の剛性等を向上することができる。クラフト紙層のバインダー樹脂としても、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、又は植物由来のフェノール化リグニンを使用できる。この場合、バインダー樹脂の含浸量(含浸率)は、クラフト紙層全量基準で20〜60重量%程度、好ましくは25〜45重量%程度とすればよい。バインダー樹脂の含浸方法は不織布層へのバインダー樹脂含浸方法と同じである。クラフト紙層のバインダー樹脂は、不織布層や化粧層のバインダー樹脂と同種のものが好ましい。
なお、クラフト紙層には必ずしもバインダー樹脂を直接含浸させる必要は無い。すなわち、バインダー樹脂未含浸クラフト紙を使用してもよい。クラフト紙層にバインダー樹脂を直接含浸させていなくても、熱圧成形時に不織布層中のバインダー樹脂が染み出してクラフト紙層にも浸透するからである。
(化粧層)
化粧層としては、化粧板の表面において種々の模様や柄を表現できるものであれば特に限定されず、例えばこの種の化粧板において従来から一般的に使用されている、メラミン樹脂含浸化粧紙など公知の化粧紙を好適に使用できる。または、芯材表面に種々の模様を直接印刷した印刷層であってもよい。この場合、印刷層の劣化を防ぐために、表面保護層を設けることが好ましい。さらには、種々の模様が印刷された樹脂フィルム等でもよい。化粧層は、芯材の表面のみならず、裏面に設けることもできる。
(芯材の積層構造)
芯材は、不織布層とクラフト紙層を積層して成る。不織布層とクラフト紙層の数はそれぞれ1層のみでも可能であるが、少なくともいずれか一方は複数層積層することが好ましい。この場合、クラフト紙層を複数層設けることが好ましい。クラフト紙層を複数層積層する場合は、芯材の最表面層をクラフト紙層とすることが好ましい。クラフト紙層は、不織布層に比べて剛性や耐熱性に優れるので、外部からの力や熱などの影響の強い最表面層をクラフト紙層にしておくことで、化粧紙全体の耐熱性等を効率良く向上することができる。
最も好ましくは、不織布層とクラフト紙層の双方共に複数層積層する。この場合、不織布層とクラフト紙層とは、交互に積層することが好ましい。これにより、不織布層における剛性等の不足を各クラフト紙層によって効率良く補うことができ、結果として化粧板全体の剛性等を的確に向上することができる。なお、この場合も、芯材の最表面層をクラフト紙層とすることが好ましいことに変わりは無い。
なお、各不織布層の厚みは0.05〜0.2mm程度である。一方、各クラフト紙層の厚みは0.1〜0.3mm程度である。化粧板全体の厚みは、不織布層やクラフト紙層の積層数にもよるが、0.4〜2.0mm程度である。
(製造方法)
上記のように不織布層とクラフト紙層を積層したうえで、その表面又は表裏両面に化粧層を配し、全体を熱圧プレス成形することで、所望の化粧板を得ることができる。その際のプレス圧(荷重)は、30kg/cm以上が好ましく、より好ましくは40kg/cm以上、さらに好ましくは60kg/cm以上とする。プレス圧が低すぎると、良好な剛性や耐水性等を発現できないからである。ジアリルフタレート樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等であれば、10kg/cm2以上でも可能である。プレス圧の上限は特に限定されないが、150kg/cm程度を目安とすればよい。プレス圧が過度に大きくても剛性等の向上効果が頭打ちとなってコストの無駄となるからである。また、バインダー樹脂のダレや繊維損傷のおそれも生じる。プレス温度は、バイオマス由来樹脂繊維の溶融温度未満とする。具体的には、110〜150℃程度とすればよい。
本発明の化粧板は、家具、什器、壁面、間仕切り壁などの表面に貼着されて使用される。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明するが、これに限られることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
(試験1)
先ず、芯材の積層構造の相違に基づく物性の評価を行った。各層には次のものを使用した。
不織布層:繊維径18.9μmのポリ乳酸樹脂製エンドレス繊維からなる目付け80g/mの不織布を用いた。試料1ではバインダー樹脂未含浸とした。試料2〜6ではバインダー樹脂としてメラミン樹脂を用い、試料7ではバインダー樹脂としてアクリル樹脂を用いた。試料2〜7におけるバインダー樹脂の含浸量は、重量基準で不織布重量に対して80%とした。
クラフト紙層:メラミン樹脂含浸率45重量%のクラフト紙を用いた。
化粧層:メラミン樹脂含浸率54重量%の化粧紙を用いた。
上記不織布、クラフト紙、及び化粧紙を表1に示す構成で積層したうえで、全体を130℃、プレス圧75kg/cmで平板状に熱圧成形して、各種試料を作製した。なお、表1に示す構成中、「層(枚)」とあるのは、該当層では不織布やクラフト紙をその枚数重ねていることを意味する。特に枚数を記載していない層では、1枚の不織布やクラフト紙からなる。
次いで、得られた各試料の剛性(曲げ強度)、耐熱性(クラック試験)、耐水性(煮沸試験)について測定評価した。その結果も表1に示す。なお、各物性の測定方法は以下の通りである。
曲げ強さ:JIS K 6902-1998に準じて行った。具体的には、25mm×25mmの各試料の化粧面の縦及び横、並びに裏面の縦、横方向に対してそれぞれ荷重を掛け、曲げ強さを測定する。判定については、JIS K 6903-1998に準じて行い、実用レベルの参考基準として化粧面(表面)からは125MPa、裏面からは83MPa以上を○とした。
耐熱性試験:150mm×300mmの各試料を、パーティクルボード(150mm×300mm)に化粧面を上にして重ね、その両端150×50mmを接着剤で貼り合わせたうえで、300mm幅の中心に20mmの切り込みを入れた。そのうえで、各試料を150℃の乾燥機に入れ4時間まで処理した際のクラックやフクレの発生の有無について目視で確認した。
耐煮沸試験:JIS K 6902-2007に準じて行った。具体的には、50×50mmの各試料を、沸騰水中に2時間浸漬させた後の質量及び厚さの増加、並びに膨れ又は層間剥離が生じていないかを評価した。判定については、JIS K 6903-1998に準じて行い、実用レベルの参考基準として、質量増加率、厚さ増加率共に10%以下を○とした。
Figure 2012210750
表1の結果から、試料1及び試料2のように芯材を不織布層のみで構成すれば、剛性が極端に低いと共に、耐熱性も悪いことが確認された。特に、バインダー樹脂未含浸の試料1では耐水性も極端に悪いことが確認された。これに対し、試料3〜7のように不織布層に加えてクラフト紙層も併用することで剛性を向上でき、実用レベルの剛性を担保できることが確認された。さらに、試料3の結果から、芯材の最表面層、特に化粧層の直下をクラフト紙層としなければ、耐熱性に劣ることも確認できた。
(試験2)
次に、バインダー樹脂の含有量の相違に基づく各物性変化について評価した。ここでは、目付け80g/mの不織布に、重量基準で不織布重量に対しバインダー樹脂の含浸量を20%(試料8)、30%(試料9)、80%(試料10)、100%(試料11)、130%(試料12)としたものを不織布層とした。バインダー樹脂、クラフト紙層、化粧層には試験1と同じものを使用し、表2に示す構成としたうえで、試験1と同様の製造条件で試料を得た。得られた各試料について、プレス後外観を確認後、剛性(曲げ強さ)、耐熱性(耐熱性試験)、耐水性(耐煮沸試験)を試験1と同様に測定し、同様の基準で○×判定した結果を表2に示す。
Figure 2012210750
表2の結果から、不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量が少ないと、剛性、耐熱性、耐水性共に劣る傾向が確認された。特にバインダー樹脂の含浸量が20%では、耐煮沸試験で層間剥離が生じていた。これにより、不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量は、重量基準で不織布の重量に対して少なくとも30%以上とすることが好ましいことがわかった。一方、不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量が120%を超えると、物性面では問題ないが、熱圧成形時にバリが発生することが確認された。
(試験3)
続いて、熱圧成形時のプレス荷重の相違に基づく各物性変化について評価した。化粧層、不織布層、クラフト紙層には試験1と同じものを使用し、表3に示す構成にてプレス圧120kg/cm(試料13、14)、30kg/cm(試料15,16)、20kg/cm(試料17)で熱圧成形した試料を作製した。プレス温度も試験1と同様である。得られた各試料について、剛性(曲げ強さ)、耐熱性(耐熱性試験)、耐水性(耐煮沸試験)を試験1と同様に測定し、同様の基準で○×判定した。その結果を表3に示す。
Figure 2012210750
表3の結果から、プレス圧が低いと密度が小さくスカスカな状態となることで、耐水性が低下する傾向が確認された。特に、プレス圧が20kg/cmでは、耐水性及び剛性が極端に悪くなっていた。一方、プレス圧が高くても大きな問題は発生しないことが確認された。これにより、熱圧成形時のプレス圧(荷重)は少なくとも30kg/cm以上とすることが好ましいことがわかった。
(試験4)
最後に、各層を1枚構成とした場合と複数枚重ねた構成とした場合の相違について評価した。具体的には、目付け50g/mの不織布を2枚重ねて不織布層とした場合(試料18)と、目付け100g/mの不織布1枚によって不織布層とした場合(試料19)とを比較評価した。両者とも、結果としては各不織布層の目付けは同じである。各試料の構成を表4に示し、その他は試験1と同様である。また、得られた各試料について、剛性(曲げ強さ)、耐熱性(耐熱性試験)、耐水性(耐煮沸試験)を試験1と同様に測定し、同様の基準で○×判定した。その結果を表4に示す。
Figure 2012210750
表4の結果から、各層を1枚構成としても複数枚構成としても、物性的には大差は見られなかった。

Claims (6)

  1. バイオマス由来樹脂製の不織布にバインダー樹脂を含浸した不織布層と、クラフト紙層とを積層して芯材と成し、該芯材の表面に化粧層を備える化粧板。
  2. 前記不織布層及び/又はクラフト紙層が複数層積層されている、請求項1に記載の化粧板。
  3. 前記芯材の最表面層が前記クラフト紙層である、請求項2に記載の化粧板。
  4. 前記不織布層とクラフト紙層とが交互に積層されている、請求項2または請求項3に記載の化粧板。
  5. 前記不織布層におけるバインダー樹脂の含浸量が、重量基準で前記バイオマス由来樹脂製不織布の重量に対して30%以上である、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の化粧板。
  6. 30kg/cm2以上の圧力で熱圧成形されて成る、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化粧板。

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