JP2012209399A - 荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定領域内の描画データを簡易に効率よく抽出することが可能な荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法を提供する。
【解決手段】荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画するための描画データを記憶する記憶部1iと、複数の階層から構成される描画データのうち抽出が要求されるデータ抽出領域D内の描画データについて、連続する2つの階層間でデータ抽出領域D内の描画データを抽出するに適したデータ構造を備える抽出対応データを生成するデータ生成部10と、抽出対応データを基に抽出が要求されるデータ抽出領域D内の描画データを抽出するデータ抽出部1lとを備える。
【選択図】図9
【解決手段】荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画するための描画データを記憶する記憶部1iと、複数の階層から構成される描画データのうち抽出が要求されるデータ抽出領域D内の描画データについて、連続する2つの階層間でデータ抽出領域D内の描画データを抽出するに適したデータ構造を備える抽出対応データを生成するデータ生成部10と、抽出対応データを基に抽出が要求されるデータ抽出領域D内の描画データを抽出するデータ抽出部1lとを備える。
【選択図】図9
Description
本発明の実施の形態は、荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法に関する。
半導体デバイスに所望の回路パターンを形成するために、リソグラフィー技術が用いられる。リソグラフィー技術では、マスク(レチクル)と称される原画パターンを使用したパターンの転写が行われる。この際、高精度なレチクルを製造するために、優れた解像度を備える電子ビーム(電子線)描画技術が用いられる。
レチクルに電子ビーム描画を行う荷電粒子ビーム描画装置の一方式として、例えば以下のような可変成形方式を挙げることができる。すなわち、ここでは図示しないが、この可変成形方式は、第1成形アパーチャの開口と、第2成形アパーチャの開口とを通過することで成形された電子ビームによって可動ステージに載置された試料上に図形パターンが描画される。
このような描画処理が行われるに当たっては、まず半導体集積回路のレイアウトが設計され、パターンレイアウトが定義されたレイアウトデータ(設計データ)が生成される。次に、当該レイアウトデータが変換され、それぞれの荷電粒子ビーム描画装置に適応した描画データが生成される。さらにこの描画データは実際に描画を行う際に使用されるショットデータへと変換される(以下の特許文献1参照)。
従来このショットデータへの変換(生成)においては、例えば、次のような処理が行われる。図16は、ショットデータ生成の処理の一例を示す説明図である。図16(a)において最も外側に示される枠が処理領域100である。また処理領域100内の斜線で示される矩形はセル110である。セル110内には、ショットデータへの変換対象である図形120が含まれている(図16(c)参照)。
ショットデータの生成に当たっては、処理領域100の全域をまとめて処理することももちろん可能であるが、その処理をより効率よく行うために分散処理が採用される。例えば、図16(a)に示すように、処理領域100を、分散して処理するために例えば3つの領域101,102,103に分けるとともに、それぞれの領域ごとにセル110及び図形120を振り分ける。
図16(b)は、領域102及びこの領域102に振り分けられるセル110及び図形120(図示せず)を抜き出して示している。図形120はセル110内に単数、または複数定義されており、セル110内において必ずしも規則正しく定義されているわけではない。従って、領域102内に含まれる図形の配置としては、例えば図16(c)に示すような態様となる。図16(c)では、セル110を破線で示し、セル110内であって、かつ、領域102内に含まれる図形120を実線で示している。当該領域102について処理を行う場合には、領域102に振り分けられたセル110から図形120が抽出されることになる。
このような図形の抽出処理は、ショットデータ生成の処理に限らず、例えば、描画データのうち指定される領域を表示部に表示させる際にも行われる。すなわち、表示領域(例えば、図16(c)では、領域102が該当する)として指定された領域とセルとが重複する場合に、表示領域内であって、かつセル内に定義される図形の抽出処理である。
図17は、従来の図形の抽出処理を説明するための説明図である。図17では、ショットデータの生成処理や指定領域の表示処理において設定される領域(以下、このような領域をまとめて「データ抽出領域」と表わす)130が一点鎖線で示されており、また併せて3つのセルも示されている。これらのセルは、データ抽出領域130との関係で、データ抽出領域130の内部に包含されるセル111と、データ抽出領域130と全く重複する領域が存在しないセル112と、その一部がデータ抽出領域130と重複するセル113である。また、セル111ないし113の内部には図形120がそれぞれ定義されている。
このような前提において、セル111内に定義される図形120は全てデータ抽出領域130内に含まれるので、いずれも抽出されることになる。一方、セル112内に定義される図形120は、セル112自体がデータ抽出領域130と重複する領域が存在しないため、そもそも抽出処理の対象とはならない。
一方、セル113はデータ抽出領域130とその一部が重複し、図17に示す例では1つの図形121が重複領域内に存在する。従って、この図形121はデータ抽出領域130内に存在することから抽出処理の対象となる。
但し、データ抽出領域130と一部重複する領域を備えるセルが存在する場合、これまでの図形の抽出処理では、重複領域内の図形121のみを抽出することはせず、図形121を抽出するためにセル113内に定義される全ての図形を一旦全て読み込み、抽出対象となる図形であるか否かの判断を行った上で、重複領域内の図形121を抽出する処理を行っている。
しかしながら、上記説明したショットデータの生成処理や指定領域の表示処理における必要な図形の抽出処理においては、データ抽出領域とセルとが一部重複する場合に、簡便な工程で重複領域内の図形だけを抽出できない。特に重複領域が狭く重複しない領域が広い場合に、セル内に定義される図形を一旦全て読み込んで抽出対象の図形であるか否かの判断をするという処理は、決して効率の良い処理とは言えない。
このような不都合を回避する方法として、例えば、セル内に定義される図形をソートにより規則的に並べておくことにより、抽出処理時の負荷を軽減する方法も考えられるが、データ作成時のソート処理自体が負荷となり処理時間が長くなることも考えられる。
また、セルの下位に階層を設けセルをさらに細かく分割する方法も考えられる。但し、セルを分割した場合、分割されるセルの境界に跨る図形も併せて分割する必要があり、分割された図形の情報やセルの配置情報が増えることによるデータ量の増大を招来しかねない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、特定領域内の描画データを簡易に効率よく抽出することが可能な荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法を提供することにある。
本発明の実施の形態に係る特徴は、荷電粒子ビーム描画装置において、荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画するための描画データを記憶する記憶部と、複数の階層から構成される描画データのうち抽出が要求されるデータ抽出領域内の描画データについて、連続する2つの階層間でデータ抽出領域内の描画データを抽出するに適したデータ構造を備える抽出対応データを生成するデータ生成部と、抽出対応データを基に抽出が要求されるデータ抽出領域内の描画データを抽出するデータ抽出部とを備える。
また、上記荷電粒子ビーム描画装置において、データ生成部は、描画データの形式を確認する判断部と、描画データの第1の階層を予め定められる数に分割して設けられる個別領域と個別領域のうち隣接する領域を結合した結合領域とを生成する分割部と、第1の階層内に配置され第2の階層を構成するデータを、データを分割することなく個別領域、或いは、結合領域のいずれかに振り分ける振分部と、個別領域と結合領域の位置情報を領域情報として把握するとともに、個別領域、或いは、結合領域のいずれかに振り分けられたデータを実データ情報として把握する把握部と、把握部によって把握された各情報に基づいて抽出対応データを生成する生成部と、を備えることが望ましい。
また、上記荷電粒子ビーム描画装置において、データ生成部が生成する抽出対応データは、第1の階層の位置情報を主情報として定義するとともに、第2の階層に関する個別領域若しくは結合領域の位置情報である個別の領域情報と、また、個別領域若しくは結合領域に振り分けられるデータである実データ情報とを、第1の階層における従情報として定義することが望ましい。
さらに、上記荷電粒子ビーム描画装置において、分割部は、個別領域を生成する際に第1の階層を分割する分割ラインを中心に等距離に設けられ、分割後の個別領域が各々分割ラインの外側に設けられるマージンを含むように分割を行うことが望ましい。
また、上記荷電粒子ビーム描画装置において、データ生成部が生成する抽出対応データは、個別領域と結合領域の位置情報をそれぞれ個別の領域情報として、個別領域若しくは結合領域に振り分けられるデータを実データ情報としてそれぞれセグメントに分けて定義することが望ましい。
さらに、上記荷電粒子ビーム描画装置において、データ生成部が生成する抽出対応データは、実データ情報に関するオフセット情報を個別領域若しくは結合領域ごとの領域情報として定義することが望ましい。
本発明の実施の形態に係る特徴は、描画データの抽出方法において、描画データの形式を確認する工程と、描画データの第1の階層を予め定められる数に分割して設けられる個別領域と個別領域のうち隣接する領域を結合した結合領域とを生成する工程と、第1の階層内に配置され第2の階層を構成するデータを、データを分割することなく個別領域、或いは、結合領域のいずれかに振り分ける工程と、個別領域と結合領域の位置情報を領域情報として把握するとともに、個別領域、或いは、結合領域のいずれかに振り分けられたデータを実データ情報として把握する工程と、把握部によって把握された各情報に基づいて抽出対応データを生成する工程と、抽出対応データに基づいて抽出が要求される描画データを抽出する工程とを備える。
本発明によれば、特定領域内の描画データを簡易に効率よく抽出することが可能な荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における荷電粒子ビーム描画装置1の内部構成を示すブロック図である。なお、以下の実施の形態においては、荷電粒子ビームの一例として電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは電子ビームに限られるものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームであっても良い。
荷電粒子ビーム描画装置1は、試料に所定のパターンを描画する装置であり、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されてい
る。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iと、データ変換部1jと、描画部1kとが接続されている。さらに、入出力インターフェイス1dを介してデータ抽出部1lとデータ生成部10も接続されている。
る。入出力インターフェイス1dには、入力部1fと、表示部1gと、通信制御部1hと、記憶部1iと、データ変換部1jと、描画部1kとが接続されている。さらに、入出力インターフェイス1dを介してデータ抽出部1lとデータ生成部10も接続されている。
CPU1aは、入力部1fからの入力信号に基づいてROM1bから荷電粒子ビーム描
画装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、ショットデータを生成するための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
画装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPU1aは、RAM1cや記憶部1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、ショットデータを生成するための処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
入力部1fは、荷電粒子ビーム描画装置1の操作者が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。
表示部1gは、例えば液晶ディスプレイである。この表示部1gは、CPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、例えば描画データの一部を示す画像、データ変換を行う際の諸条件の設定を行うにあたって必要な画像等、或いはCPU1aの処理結果等を表示する。
通信制御部1hは、LANカードやモデム等の手段であり、荷電粒子ビーム描画装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする手段である。通信制御部1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
記憶部1iは、半導体や磁気ディスクで構成されている。記憶部1iには、描画データの基となるレイアウトデータや描画データ、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。
データ変換部1jは、荷電粒子ビーム描画装置1に入力されたレイアウトデータを基に描画データを生成(変換)し、或いは、描画データを基にショットデータを生成(変換)する。なお、本発明の実施の形態においては、描画データからショットデータへの具体的な変換工程等については説明を省略する。
描画部1kは、具体的には図示されていないが、試料を載置するステージ、電子ビーム光学系から構成されている。この電子ビーム光学系を構成するのは、例えば、電子銃、各種レンズ、偏向器、アパーチャである。なお、描画部1kにおける動作、作用は既知であることから、本発明の実施の形態においてはその説明を省略する。
データ抽出部1lは、後述するデータ生成部10において生成された抽出対応データを用いて必要とされる描画データを抽出する。ここで抽出の対象となる描画データは、例えば、表示部1gに表示させるための描画データであったり、或いは、描画データからショットデータへと変換する際の分散処理を行うための描画データであったりするが、特にいずれかの処理のための抽出処理と限定されるものではない。
図2は、本発明の実施の形態におけるデータ生成部10の内部構成を示すブロック図である。データ生成部10は、受信部11と、判断部12と、分割部13と、振分部14と、把握部15と、生成部16と、送信部17とから構成される。データ生成部10の各部の詳細な機能については、必要とされる描画データ抽出の流れを説明する際に併せて説明する。
図3は、本発明の実施の形態における描画データXの階層構造の一例を示す説明図であ
る。描画データXは、内部構成単位ごとに複数の層からなる階層構造が採用されている。例えば、本発明の実施の形態における描画データXは、チップX1の層、チップX1の領域をある方向に向かって短冊状に仮想分割したストライプX2の層、ストライプX2を分割したブロックX3の層、少なくとも1つ以上の図形で構成されるセルX4の層、セルX4内に配置されセルX4を構成する図形(パターン)X5の層とから構成される。また、1つの試料の描画領域に対して複数のチップX1がレイアウトされていることも多い。
る。描画データXは、内部構成単位ごとに複数の層からなる階層構造が採用されている。例えば、本発明の実施の形態における描画データXは、チップX1の層、チップX1の領域をある方向に向かって短冊状に仮想分割したストライプX2の層、ストライプX2を分割したブロックX3の層、少なくとも1つ以上の図形で構成されるセルX4の層、セルX4内に配置されセルX4を構成する図形(パターン)X5の層とから構成される。また、1つの試料の描画領域に対して複数のチップX1がレイアウトされていることも多い。
なお、ストライプX2については、描画面と平行する方向であればいずれの方向に分割されていても良い。
次に、必要とされる描画データの抽出の流れについて、図4ないし図6に示すフローチャート、及び図7以下の図面を適宜使用して説明する。なお、以下の説明においては、描画データのうち、連続する2つの階層として第1の階層(セル)と第2の階層(当該セルを構成する図形)とを例に挙げて説明を行う。従って抽出される描画データは、セルを構成する図形である。但し、以下の説明は、上述した例えば、X1の層からX5の層へ向けてより下層となる構成において、描画データを構成する連続する2つの階層(より上層を第1の階層とし、この第1の階層に連続する下層を第2の階層)の間であれば該当するものであり、セルと図形との関係においてのみ該当するものではない。
また、以下に説明する抽出対応データの生成は、データ変換部1jがレイアウトデータから描画データを生成する際に行われる処理である。描画データへの変換処理を行う時点で、全ての描画データを、例えば、ショットデータの生成で必要とされうる分散処理を見据えたデータ構造としておくことで、データ抽出領域と例えばセルといった第1の階層とが重複した領域に第2の階層(図形)が存在した場合であっても当該図形を簡易かつ効率よく抽出することが可能となる。
また、分散処理等、実際のデータ抽出工程において当該処理をデータ抽出領域と第1の階層との抽出領域に限って適用すると、結局抽出対応データを生成するために当該第1の階層内の全ての図形を読み込まなければならず却って処理効率が低下することになる。
そこで、まずは本発明の実施の形態における描画データの抽出処理の流れを示すフローチャートである図4を用いて描画データの抽出処理の大きな流れを俯瞰した上で、抽出対象となる描画データを特定する処理の流れ(図5)及び、抽出処理を行う際に利用される抽出対応データの生成処理の流れ(図6)を説明する。また説明の理解を容易にするため、ショットデータへの変換のための分散処理を行うべく変換領域の抽出が要求される場面を例に挙げて必要とされる描画データの抽出の流れを説明する。
まず描画データをある領域に分割してショットデータへの変換処理を分散して行うに際して、データ生成部10の受信部11は、ショットデータへの変換のための分散処理を行うべく変換領域の抽出要求を受信する(図4のST1)。この抽出要求としては、「データ抽出領域に関する情報」及び「データ抽出処理を行う指示となる信号」が挙げられる。
ここで「データ抽出領域」とは、分散処理の対象となる領域を処理効率向上を図るために分割した、その分割後の領域を示している。例えば、上述した図16では、図16(b)に示される領域102が該当する。また、描画データの表示要求がなされた場合に行われる抽出処理においては、その表示領域が該当する。さらに、データ抽出処理信号は、描画データのショットデータへの変換要求がなされた場合に、例えば、データ変換部1jを介してデータ生成部10へと送信される。
受信部11においてデータ抽出処理信号を受信した場合、判断部12が、データ抽出領
域に関する情報を基に、データ抽出領域と重複するセルを確認する(ST2)。ここでデータ抽出領域とセルとが重複する態様としては、セルがデータ抽出領域内に完全に含まれている場合(全部重複)とセルの一部のみがデータ抽出領域に重複する場合(一部重複)の両者が含まれる。なお、データ抽出領域とセルとが全く重複しない場合には、このデータ抽出領域内には抽出すべき図形が存在しないことになるため、ここでは説明を省略する。
域に関する情報を基に、データ抽出領域と重複するセルを確認する(ST2)。ここでデータ抽出領域とセルとが重複する態様としては、セルがデータ抽出領域内に完全に含まれている場合(全部重複)とセルの一部のみがデータ抽出領域に重複する場合(一部重複)の両者が含まれる。なお、データ抽出領域とセルとが全く重複しない場合には、このデータ抽出領域内には抽出すべき図形が存在しないことになるため、ここでは説明を省略する。
データ抽出領域とセルとが全部重複するのではなく、セルの一部が重複する場合には(ST3のNO)、判断部12はさらにこの重複する領域内に抽出対象とされる図形が含まれるか否かを判断する(ST4)。データ抽出領域とセルとが一部重複する領域を備えていたとしても、その重複領域内に抽出対象となる図形が含まれていない場合には(ST4のNO)、データ抽出処理は行われず終了する。
一方、重複領域内に図形が存在することが判断部12において確認された場合には、重複領域を備えるセルに定義される図形を特定し、抽出対応データに基づいて当該図形及び抽出処理を行う(ST5)。これまではこの当該図形を含む、重複領域を備えるセルに定義される全ての図形を読み込んで抽出対象であるか否かを判断していた。本発明の実施の形態においては、そのような処理を行わず、重複領域内の図形のみを特定し抽出処理を行う点に特徴がある。これにより、より効率よくデータの抽出処理を行うことが可能となる。
なお、データ抽出領域内にセルが完全に含まれる場合には(ST3のYES)、当該セルの内部に含まれる図形の全てが抽出対応データを用いてデータ抽出の対象となる(ST6)。そこで、これら全ての図形について抽出処理が行われる(ST5)。但し、抽出対応データの効果は、データ抽出領域とセルとの重複領域内に図形が存在する場合により有効である。
以上、本発明の実施の形態における描画データの抽出処理の流れを大まかに説明した。そこで、次に、この描画データの抽出処理において利用される抽出対応データの生成について述べる。この抽出対応データの生成は、上述したように、レイアウトデータから描画データを生成する際に行われる処理であり、全てのセル(第1の階層)に対して行われる処理である。
データ抽出領域とセルとの重複領域内の図形を特定する流れは、図5のフローチャートに示す通りである。まずデータ変換部1jがレイアウトデータを抽出データへと変換(描画データを生成)する際に、データ生成部10に対して描画データの生成開始の信号を送信する(ST11)。なお、ここでは抽出対応データの生成及びその構造に焦点を当てるべく、データ変換部1jからデータ生成部10の機能を抜き出して説明する。但し、データ生成部10の機能がデータ変換部1j内に備えられていても良い。
受信部11が上述した描画データ生成開始の信号を受信した後、当該図形を特定する際に必要となる描画データの形式を判断部12において確認する(ST12)。描画データの形式には様々な形式が存在することから、それぞれの形式に最も適したデータ抽出方法を採用する必要があるからである。
描画データの形式が確認された後、セルの状態を確認する(ST13)。ここで確認されるセルの状態は、後述するセルの分割時に分割ラインを基準としてどのくらいマージンが確保されているか、ということである。マージンの有無によって分割の対象となるセルの分割ラインが相違するからである。但し、ここでは分割の方法を特定するためにマージンの有無を判断するだけであり、どのくらいのマージンが設けられているかは既に設定されている。また、マージンの有無によって異なるのは分割ラインがマージンを考慮して設
定されるかだけであり(この点については後述)、その他の図形を特定する流れ、或いは後述する抽出処理を行う際に利用される抽出対応データの生成処理の流れは同じである。
定されるかだけであり(この点については後述)、その他の図形を特定する流れ、或いは後述する抽出処理を行う際に利用される抽出対応データの生成処理の流れは同じである。
判断部12は、対象となるセル(以下、このようなセルを「セルC」と表わす)を分割するべく、分割部13に対して分割の指示を出す(ST14)。分割を行うのは、データ抽出領域との重複領域に含まれる図形のみの特定を可能にして抽出しやすくするためである。
分割部13は、予め設定されている数nにセルCを分割する。例えば、n=2としてセルCを2つに分割する場合、もともとのセルCは2つの領域に分かれる。このようにn分割されて生成される領域を、以下「個別領域」と表わす。従って、上述した例の場合、2つの個別領域が生成されることになる。
また、生成された隣接する2つの個別領域を結合すると、これらの個別領域はもともとセルCを2分割して生成されているので元のセルCと同じ大きさの領域が生成される。このように隣接する個別領域を結合した領域を、以下「結合領域」と表わす。上述の例の場合、1つの結合領域が生成されることになる。
以上のことを図を利用して説明する。図7は、本発明の実施の形態における抽出対応データの生成を説明するための説明図である。図7に示されているセルCは、その内部に複数の図形Fが定義(格納)されている。図7に示すセルC内には、図形F1ないしF8の8つの図形が定義されている。また、同じ図形Fが複数並び一つの塊を構成するアレイ図形AFがアレイ図形AF1ないしAF4まで4つの定義されている。
図7にて説明する例では、矩形のセルCを長辺、短辺それぞれの中心に分割ラインB1,B2を設け、縦2分割、横2分割、計4分割する。セルCをn=4として4つに分割すると、個別領域が4つ、結合領域が5つ、合計で9つの領域が生成される。分割ラインは特に上述した図形やアレイ図形を避けて設けられるわけではないので、これらの中には、分割ラインと交わる(分割ラインを跨ぐ)ものも存在する。なお、分割ラインを対象となるセルCのどの位置に入れるかについては、セル(描画データ)の形式に合わせて任意に設定することが可能である。
図8は、本発明の実施の形態における描画データの分割方法の一例を示す説明図である。矢印を挟んで左側に分割前のセルCが表わされ、破線で2本の分割ラインB1,B2も表わされている。一方右側には、分割によって生成される個別領域、結合領域が表わされている。以下では生成される各領域を個別領域、結合領域の区別なく「データ取得領域」と表わし、それぞれに符号を振っている。なお、以下においては理解の便宜のためそれぞれのデータ取得領域に対応する個別領域、或いは結合領域についても対応するデータ取得領域と同じ符号を付して説明する。
セルCを4分割することによって、個別領域として4つのデータ取得領域D1ないしD4が生成される。また結合領域は上述したように5つ生成されるが、例えば、データ取得領域D5はセルCを分割ラインB1で分割した左側の領域であり、これは個別領域D1及びD3の結合領域である。一方、データ取得領域D6はセルCを分割ラインB1で分割した右側の領域となり、これは個別領域D2及びD4の結合領域である。
同じように、データ取得領域D7はセルCを分割ラインB2で分割した上側の領域であり、個別領域D1及びD2の結合領域である。データ取得領域D9はセルCを分割ラインB2で分割した下側の領域であり、個別領域D3及びD4の結合領域である。また、データ取得領域D10は、4つに分割されて生成された個別領域D1ないしD4の結合領域と
なる。
なる。
次に、判断部12は、セルCの内部に定義される図形のうち、分割ラインを跨ぐ図形の有無を確認する(ST15)。分割ラインを跨がず図形の全てを個別領域に振り分けることができる場合には、その図形が含まれる個別領域に振り分けられる。一方、図形の一部が分割ラインを跨ぐ場合には個別領域には振り分けることができず、この場合には結合領域に振り分けることになる。すなわち、抽出対象となり得る図形を分割して個別領域に振り分けてしまうと、例えば、抽出処理の際に再度対象となる図形を結合する必要が生ずる等、処理の負担が大きくなり処理効率が悪い。そこで、本発明の実施の形態における各領域への図形の振り分けの際には、図形を分割しないで振り分けることを前提とする。そのため、分割部13によるセルCの分割に当たっては、上述したように個別領域のみならず結合領域も生成することとしている。
判断部12は、分割ラインを跨ぐ図形の有無を判断し(ST16)、分割ラインを跨がない図形については個別領域へと振り分けるよう、振分部14に対して指示する(ST17)。一方、分割ラインを跨ぐ図形については、結合領域へと振り分けるよう、振分部14に対して指示する(ST18)。
図9は、本発明の実施の形態における描画データの振り分け方法の一例を示す説明図である。すなわち、図8を利用して説明した分割の方法を用いて、図7に示すセルCを各データ取得領域D1ないしD9へ振り分ける方法を示している。
図9の矢印を挟んで右側には、セルCと分割ラインB1,B2が示されている。このセルCの内部には複数の図形(アレイ図形AF1ないしAF4も含む。以下同じ)が定義されている。これを以下の通り振り分ける。
すなわち、まず個別領域であるデータ取得領域D1ないしD4に対しては、いずれも分割ラインB1,B2を跨がない図形が振り分けられる。具体的には、データ取得領域D1には、図形F2及びアレイ図形AF1が振り分けられる。データ取得領域D2には、アレイ図形AF3のみが振り分けられる。また、データ取得領域D3、D4には、図形F1、図形F8がそれぞれ振り分けられる。
結合領域であるデータ取得領域D5ないしD9に対しては、分割ラインB1,B2のいずれか、或いはいずれをも跨ぐ図形が振り分けられる。なお、個別領域に振り分けられた図形は、重ねて結合領域に振り分けられることはない。図形は分割されない状態で必ずいずれかの領域に振り分けられるが、一方で複数の領域に重ねて振り分けられることはない。
個別領域D1及びD3が結合した結合領域であるデータ取得領域D5には、図形F3が振り分けられる。また、個別領域D2及びD4が結合した結合領域であるデータ取得領域D6には、図形F6及びアレイ図形AF4が振り分けられる。一方、セルCを分割ラインB2で分割した上側、個別領域D1及びD2が結合した結合領域であるデータ取得領域D7には、図形F7及びアレイ図形AF2が振り分けられる。分割ラインB2の下側、個別領域D3及びD4が結合した結合領域であるデータ取得領域D9には、図形F7のみが振り分けられる。分割ラインB1及びB2が交わる付近に配置されており、分割ラインB1及びB2のいずれも跨いでいる図形F5に関しては、個別領域D1ないしD4の全てが結合して生成されるデータ取得領域D8に振り分けられる。
以上の説明では、2つの分割ラインB1,B2を用いてセルCを4分割した例を挙げているが、描画データの形式に合わせて別の分割方法が採用されても良い。図10は、本発
明の実施の形態における描画データの分割方法の別の一例を示す説明図である。図10に示す例では、分割ラインB3ないしB5の3つの分割ラインを用いてセルC1を4分割する態様を示している。各分割ラインB3ないしB5は、セルC1の長辺を通るように設けられ、これらの分割ラインが設けられることでセルC1の短辺を長辺とする短冊状に4つの(個別)領域が生成される。このように生成される領域は、個別領域E1ないしE4の4つの領域、及び結合領域E5ないしE8の4つの領域、合計8つの領域である。
明の実施の形態における描画データの分割方法の別の一例を示す説明図である。図10に示す例では、分割ラインB3ないしB5の3つの分割ラインを用いてセルC1を4分割する態様を示している。各分割ラインB3ないしB5は、セルC1の長辺を通るように設けられ、これらの分割ラインが設けられることでセルC1の短辺を長辺とする短冊状に4つの(個別)領域が生成される。このように生成される領域は、個別領域E1ないしE4の4つの領域、及び結合領域E5ないしE8の4つの領域、合計8つの領域である。
そして、個別領域E1には、図形F1及びF2が、個別領域E2には、図形F3が、個別領域E3には、図形F6が、個別領域E4には、アレイ図形AF4がそれぞれ振分部14によって振り分けられる。
また、結合領域E5には、アレイ図形AF1が、結合領域E6には、アレイ図形AF2、図形F4、図形F5及び図形F7が、結合領域E7には、アレイ図形AF3及び図形F6が振り分けられる。なお、これまでの各領域にセルC1内の全ての図形が振り分けられたので、結合領域E8に振り分けられる図形はない。
さらに、図11は、本発明の実施の形態における描画データの分割方法の別の一例を示す説明図である。セルCの状態によってはマージンが設けられている場合もある。判断部12においてマージンが設けられていると判断された場合には(図5のST12参照)、分割部13による分割時にマージンをもって分割される。図11には、分割の対象となるセルとしてセルC2が示されており、ここでは分割ラインB6によってセルC2が2分割される場合を例に挙げている。セルC2を分割すると個別領域G1,G2と結合領域G3が生成される。
セルC2内には、図形F9及びF10の2つの図形が定義されている。また、通常設けられるであろう分割ラインB6はセルC2の2つの長辺を通るように設けられている(図11では二点鎖線で示す)。但し、図11に示す位置に分割ラインB6を設定すると、図形F9,F10のいずれも分割ラインB6を跨ぎ、図形を分割することなくデータ取得領域に振り分けることができない。
一方で、例えば、図形F9は、分割ラインB6を跨ぐとはいえ、分割ラインB6を跨いで分かれる左右の領域には大きな差があり、いわば分割ラインB6を少しはみ出した程度と言えなくもない。
従って、このような場合にセルC2を分割ラインB6にて分割して分割ラインB6を跨ぐ図形F9,F10のいずれも個別領域であるデータ取得領域G1,G2には振り分けず結合領域であるデータ取得領域G3に振り分けることも可能である。しかしながら、この状態では結局セルC2のままで分散処理が行われないことになり、処理効率の面からは好ましいことではない。
そこで、セルC2に設けられているマージンの分分割ラインB6を移動させて、移動位置において分割することで図形を分割することなく各個別領域へと振り分けることが可能となる。具体的には、図11に示すセルC2には、マージンMが設定されている。このセルC2では、分割ラインB6から分割ラインB6を挟んで両側に等距離の位置にマージンMが設けられている様子が示されている。
なお、このマージンMの設定の仕方は、このように分割ラインから分割ラインB6を挟んで両側に「等距離」の位置に設けずとも良く、分割ラインB6の両側においてその距離が異なるようにそれぞれマージンMが設けられても良い。
まずセルC2のうち、データ取得領域G1の生成に当たって、分割ラインをマージンM1のラインに合わせてこの位置で分割する。マージンM1の位置で分割することで、そもそもの分割ラインで分割するよりもいわば分割ラインの外側で分割された個別領域が生成されることになる。この位置で分割するのであれば図形F9は個別領域であるデータ取得領域G1に分割されることなく振り分けられる。同じように、データ取得領域G2の生成に当たって、分割ラインをマージンM2のラインに合わせてこの位置で分割する。この位置で分割するのであれば図形F10は個別領域であるデータ取得領域G2に分割されることなく振り分けられる。
このようにマージンMが設定されている場合にこのマージンMの位置で分割することで複数のデータ取得領域に図形を分割することなく振り分けることができ、分散処理が可能となる。一方、結合領域であるデータ取得領域G3には、既に個別領域G1,G2に図形が振り分けられているので、図形が振り分けられることはない。
振分部14によって各データ取得領域D1ないしD9に図形が分割されることなく振り分けられた後、抽出対応データの生成が行われる(図5のST19参照)。
図6は、抽出処理を行う際に利用される抽出対応データの生成処理の流れを示すフローチャートである。この図6に示されるように、把握部15はデータ取得領域D1ないしD9に関する位置情報を各データ取得領域の「領域情報」として把握する(ST21)。この「領域情報」は、各データ取得領域の外形に関する情報であり、別に設定されている原点を基準に、例えば、データ取得領域の左下の座標(x座標、y座標)で示される位置情報である。さらにデータ取得領域の右上の座標(x座標、y座標)で示される位置情報をも把握することで、それぞれのデータ取得領域の位置を個々に確定させることができる。
把握部15は、併せて各データ取得領域に振り分けられた図形の情報を「実データ情報」として把握する(ST22)。これは図形(描画データ)そのものの情報である。なお、領域情報と実データ情報の把握の順番は特に上述した順に限られず、いずれが先でも或いは、並行して把握されることとしても良い。
把握部15において把握された各情報は生成部16へと送信され、生成部16において領域情報及び実データ情報をデータ取得領域ごとにセグメント分けして定義し、抽出対応データが仮生成される(ST23)。
図12は、本発明の実施の形態における抽出対応データのデータ構造の一例を示す説明図である。図7ないし図9を利用して説明した通り、セルCを2つの分割ラインB1,B2を利用して分割するとデータ取得領域は9つ生成される。従って、データ取得領域D1ないしD9それぞれの領域情報に対してそれぞれセグメント分けして定義され、また、実データ情報についてもデータ取得領域D1ないしD9ごとにそれぞれセグメント分けして定義されることになる。
また、抽出対応データは、ヘッダー側に領域情報が定義され、領域情報の後ろに実データ情報が定義される構造が採用される。従って、図12に示すようなデータ構造となる。
図12の説明図では、データ取得領域D1の領域情報として定義される情報の内容が示されている。ここでは、上述したように、データ取得領域D1自身の位置情報が定義される。また、実データ情報において、データ取得領域D1内の図形に関する情報として、データ取得領域D1内にはアレイ図形AF1及び図形F2に関するデータが定義されることが示されている。
なお、上述したステップST23において、抽出対応データが仮に生成されると説明したのは、この領域情報に追加する情報があるからである。ステップST23の時点では各データ取得領域の領域情報としてデータ取得領域の位置を特定する左下及び右上の座標が把握部15によって把握されている。抽出対応データを仮生成することによって、図12に示すようなデータ構造となるが、この時点で各データ取得領域の実データ情報がいずれの位置に定義されているかの情報を把握することができる。
実データ情報の定義位置の把握については様々な方法で示すことが可能であるが、例えば、データ取得領域D1の領域情報からのバイト(byte)数で示すことができる。これは例えば、データ取得領域D1の領域情報の先頭を0バイトとし、ここを基準として、データ取得領域D1の実データ情報が定義される位置をバイト数で示す。例えば、データ取得領域D1の実データ情報のセグメントはデータ取得領域D1の領域情報から58バイトの位置にある。そこで、このような実データ情報のセグメントの位置情報をオフセット情報としてデータ取得領域D1の領域情報内に定義する。
また、図12に示したデータ構造の場合、データ取得領域D2の実データ情報は、データ取得領域D1の領域情報から68バイトの位置にあるセグメントに定義されており、データ取得領域D9の実データ情報は、データ取得領域D1の領域情報から142バイトの位置にある。
なお、ここでのオフセット情報を示すバイト数はあくまでも説明のために記載したものであり、これらの数字が実際の各データ取得領域の実データ情報のセグメントの位置を示すものではない。また、上述の説明では、データ取得領域D1の領域情報の先頭を0バイトとした場合の各実データ情報のセグメント位置をオフセット情報としたが、各データ取得領域の領域情報の先頭をそれぞれ0バイトとし、その位置から各データ取得領域の実データ情報までの位置をオフセット情報として規定することも可能である。
生成部16は、実データ情報が定義されるセグメントに関するオフセット情報をデータ取得領域ごとに領域情報として定義する(ST24)。例えば、図12に示されている通り、データ取得領域D1の領域情報内にデータ取得領域D1自身の位置情報とともに「データ取得領域D1のデータ(実データ情報)を定義したセグメントのオフセット情報」が定義される。このオフセット情報が揃うことによって、生成部16は、「抽出対応データ」を生成する(ST25)。
なお、抽出対応データの構造としては、図12に挙げた構造の他、例えば、図13に挙げる構造も採用しうる。
上述した、例えば図12に示すデータ構造では、データ取得領域についての領域情報及び実データ情報については、分割されるセルC自身の位置情報とは別にセグメントに分けて構成されている。但し、データ取得領域、いわば第2の階層についての領域情報及び実データ情報を分割されるセルC自身(第1の階層)の位置情報に従属させる構成とすることも可能である。
すなわち、第1の階層の位置情報を主情報として定義するとともに、第2の階層についての領域情報及び実データ情報を従情報として定義する。図13では、第1の階層をメインセルと表わし、このメインセルについての位置情報が領域情報として定義される。この情報に続いて、サブセルに関する領域情報が定義される。ここでの「サブセル」が、第2の階層におけるデータ取得領域に該当する。各サブセルの領域情報として、或いは、実データ情報として定義される情報は、これまで説明した通りセグメントに分けて定義される場合と同じである。
従って、図13に示すように、サブセル1(データ取得領域D1)が抽出されると、当該領域情報として定義されるオフセット情報に基づいてサブセル1(データ取得領域D1)の実データ情報が直接抽出される。
最後に判断部12は、全ての描画データに関して抽出対応データが生成されたか否かを判断し、全ての生成が終了していない場合には(図5のST20のNO)、再度ステップST2に戻り、上述した工程を経て抽出対応データを生成する。全ての描画データに関して抽出対応データが生成された場合には(ST20のYES)、抽出対応データの生成処理は終了する。
抽出対応データが生成されることによって、レイアウトデータから描画データへの変換(描画データの生成)の際、その後に例えば描画データからショットデータを生成する際にデータ抽出領域との重複領域を備えるセル内に定義される図形の特定を行うに適した描画データが生成されたことになる。そして、生成された抽出対応データは、データ抽出部1lに送信され、データ抽出部1lは当該抽出対応データに基づいて必要とされる描画データを抽出する(図4のST5)。
次に具体的に上述したデータ抽出領域との重複領域を備えるセル内に定義される図形のうち重複領域内に図形(描画データ)が存在する場合に(図4のST4のYES)、当該図形を抽出する流れを図14及び図15を利用して説明する。
図14は、本発明の実施の形態におけるデータ抽出領域との重複領域内における描画データの抽出を説明するための説明図である。また、図15は、本発明の実施の形態における抽出対応データを利用した描画データの抽出をデータ構造の面から説明するための説明図である。
図14において矢印の左側にデータ抽出領域HとセルCとが重複して示されている。データ抽出領域Hは一点鎖線で示されている領域であり、その一部がセルCの領域と重複している。このような状態で、データ生成部10においてセルCに関する抽出対応データが生成される。図14に示すデータ抽出領域HとセルCとの重複領域内には、図形F5ないしF7の3つの図形とアレイ図形AF2ないしAF4の3つのアレイ図形が含まれる。そこで、セルCが分割されて生成されたデータ取得領域のうち、これら6つの図形及びアレイ図形を分割することなく含む領域が抽出される。具体的には、図14に示すように、データ取得領域D2,D6,D7,D8である。
なお、図13に示すデータ取得領域は説明の便宜のために示しているだけであり、実際にデータ生成部10において抽出対応データが生成される場合には、図14に示すようなデータ取得領域が、例えば表示部1gに表示されるものではない。
データ生成部10では、セルCに関して生成されたデータ取得領域の全てに対応した抽出対応データが生成される、また、判断部12では、データ抽出領域HとセルCのどの領域が重複するかについては、重複領域内の図形の有無を把握しているので(ST6)、生成された抽出対応データと併せて重複領域に関する情報もデータ抽出部1lに送信する。
データ抽出部1lにおいては、データ生成部10から送信された抽出対応データ及び重複領域に関する情報を基に重複領域内に定義されている図形のみを抽出する。図14に示すように、ここでの重複領域は、データ取得領域D2,D6,D7,D8であることから、それぞれのデータ取得領域の領域情報として定義されるオフセット情報を基に、直接それぞれのデータ取得領域内の図形に関するデータ(実データ情報)を抽出する(図15参
照)。
照)。
これまではデータ抽出領域とセルとが重複した場合に、当該セルに定義される全ての図形に関する情報を読み込んだ上でデータ抽出領域内に含まれる図形のみを抽出していた。但し、この方法では重複領域内の図形を抽出するためには一旦重複するセル内の全ての図形に関する情報を読み込む必要があり、処理効率が低下する。
本発明の実施の形態においては、以上説明した通り、レイアウトデータから描画データを生成する際に全ての図形について抽出対応データを生成することで、データ抽出領域とセルとが重複する領域に含まれる図形のみを抽出することを可能とする。併せて、抽出対応データを領域情報と実データ情報とに分けて規定するとともに領域情報内に実データ情報が定義されるセグメントの位置を示すオフセット情報をも規定することで、該当するデータ取得領域に関する実データ情報へのアクセスを容易にしている。従って、特定領域内の描画データを簡易に効率よく抽出することが可能な荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法を提供することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 荷電粒子ビーム描画装置
10 データ生成部
11 受信部
12 判断部
13 分割部
14 振分部
15 把握部
16 生成部
17 送信部
AF アレイ図形
B 分割ライン
C セル
D データ取得領域
E データ取得領域
F 図形
G データ取得領域
H データ抽出領域
10 データ生成部
11 受信部
12 判断部
13 分割部
14 振分部
15 把握部
16 生成部
17 送信部
AF アレイ図形
B 分割ライン
C セル
D データ取得領域
E データ取得領域
F 図形
G データ取得領域
H データ抽出領域
Claims (5)
- 荷電粒子ビームを用いて試料にパターンを描画するための描画データを記憶する記憶部と、
複数の階層から構成される前記描画データのうち抽出が要求されるデータ抽出領域内の前記描画データについて、連続する2つの前記階層間で前記データ抽出領域内の前記描画データを抽出するに適したデータ構造を備える抽出対応データを生成するデータ生成部と、
前記抽出対応データを基に抽出が要求されるデータ抽出領域内の前記描画データを抽出するデータ抽出部と、
を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。 - 前記データ生成部は、
前記描画データの形式を確認する判断部と、
前記描画データの第1の階層を予め定められる数に分割して設けられる個別領域と前記個別領域のうち隣接する領域を結合した結合領域とを生成する分割部と、
前記第1の階層内に配置され第2の階層を構成するデータを前記データを分割することなく前記個別領域、或いは、前記結合領域のいずれかに振り分ける振分部と、
前記個別領域と前記結合領域の位置情報を領域情報として把握するとともに、前記個別領域、或いは、前記結合領域のいずれかに振り分けられた前記データを実データ情報として把握する把握部と、
前記把握部によって把握された各情報に基づいて抽出対応データを生成する生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。 - 前記データ生成部が生成する前記抽出対応データは、前記第1の階層の位置情報を主情報として定義するとともに、前記第2の階層に関する個別領域若しくは結合領域の位置情報である個別の領域情報と、また、前記個別領域若しくは前記結合領域に振り分けられる前記データである前記実データ情報とを、前記第1の階層における従情報として定義することを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
- 前記分割部は、前記個別領域を生成する際に前記第1の階層を分割する分割ラインを中心に等距離に設けられ、分割後の前記個別領域が各々前記分割ラインの外側に設けられるマージンを含むように分割を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
- 描画データの形式を確認する工程と、
前記描画データの第1の階層を予め定められる数に分割して設けられる個別領域と前記個別領域のうち隣接する領域を結合した結合領域とを生成する工程と、
前記第1の階層内に配置され第2の階層を構成するデータを前記データを分割することなく前記個別領域、或いは、前記結合領域のいずれかに振り分ける工程と、
前記個別領域と前記結合領域の位置情報を領域情報として把握するとともに、前記個別領域、或いは、前記結合領域のいずれかに振り分けられた前記データを実データ情報として把握する工程と、
把握部によって把握された各情報に基づいて抽出対応データを生成する工程と、
前記抽出対応データに基づいて抽出が要求される前記描画データを抽出する工程と、
を備えることを特徴とする描画データの抽出方法。
Priority Applications (1)
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JP2011073339A JP2012209399A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2011073339A Pending JP2012209399A (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 荷電粒子ビーム描画装置及び描画データの抽出方法 |
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-
2011
- 2011-03-29 JP JP2011073339A patent/JP2012209399A/ja active Pending
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