JP2012209194A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】低電圧で良好な画像表示を行うことができるプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】それぞれの内表面に放電を発生させる電極24、32が形成された一対の基板21、31が空間を介して対向配置され、前記一対の基板21、31のうちの一方の基板21に形成された前記電極24を覆う誘電体層26と前記誘電体層26を覆う保護膜27とを備え、前記保護膜27は、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、希土類酸化物のいずれか、またはこれらの混合物、もしくは、これらのいずれかとマグネシウムとの複合酸化物により形成され、前記一方の基板21に形成された電極24上の前記誘電体層26の厚さが20μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルに関し、特に、放電特性に優れたプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)として代表的な交流面放電型プラズマディスプレイパネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されているという基本構成を有する。
前面板は、ガラス製の前面基板とその内表面に形成された一対の走査電極と維持電極とからなる表示電極と、それらを覆う誘電体層および保護膜を有する。ここで保護膜は、電子放出を行って安定した放電を発生させるとともに、放電により発生したイオンが誘電体層をスパッタして静電容量が変動し、放電特性が変化してしまうことを防止する。
背面板は、ガラス製の背面基板とその内表面に形成されたデータ電極とそれを覆う誘電体層と隔壁と蛍光体層とを有する。そして、表示電極とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入される。表示電極とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成され、画像表示のための放電を発生させる。
プラズマディスプレイパネルでは、このように構成された各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線によって放電セル内に塗布された赤、緑、青各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
プラズマディスプレイパネルに用いられる保護膜としては、上記した、電子放出を行って安定した放電を発生させるとともに誘電体層を保護するというその配置目的から、電子放出特性やスパッタ耐性に優れた酸化マグネシウム(MgO)が主に使用されてきた。そして、近年のプラズマディスプレイパネルの省電力化に対する要求に応え、MgOを用いた保護膜でより低電力での安定した駆動を実現するために、例えば、MgOに所定濃度のセリウム(Ce)を添加することで、保護膜中の禁制帯にCeに起因するエネルギー準位を形成して2次電子放出係数と電荷保持特性の向上を図ることが提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−301841号公報
上記した従来のプラズマディスプレイパネルは、MgOを主成分とする保護膜において放電開始電圧を低減するという一定の効果があるものの、近年のエコロジーブームや液晶ディスプレイなどの他の平板型画像表示装置との比較から強まっている、プラズマディスプレイパネルへのさらなる省電力化の要請に十分に対応できているとは言えなかった。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたもので、低電圧で良好な画像表示を行うことができるプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
本発明のプラズマディスプレイパネルは、それぞれの内表面に放電を発生させる電極が形成された一対の基板が空間を介して対向配置され、前記一対の基板のうちの一方の基板に形成された前記電極を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護膜とを備え、前記保護膜は、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、希土類酸化物のいずれか、またはこれらの混合物、もしくは、これらのいずれかとマグネシウムとの複合酸化物により形成され、前記一方の基板に形成された電極上の前記誘電体層の厚さが20μm以下であることを特徴とする。
本発明のプラズマディスプレイパネルは、基板内表面に形成された電極を覆う誘電体層をさらに覆う保護膜材料として、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、希土類酸化物のいずれか、またはこれらの混合物、もしくは、これらのいずれかとマグネシウムとの複合酸化物を用い、誘電体層の厚さを20μm以下としている。このため、酸化カルシウムなどの二次電子放出係数の大きな材料の特性を活かして、低電圧で良好な画像表示を行うことができるプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
本発明の実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す要部分解斜視図である。 本発明の実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルの、放電セルの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルの、放電セル内における電界強度の分布を示す図である。 本発明の実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルの、誘電体層膜厚と発光効率との関係を示す図である。 誘電体層の膜厚を変化させた場合の、放電開始電圧と放電空間における電界強度の変化を示すイメージ図である。 本発明の実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルの変形例における、放電セルの構成を示す断面図である。
本発明のプラズマディスプレイパネルは、それぞれの内表面に放電を発生させる電極が形成された一対の基板が空間を介して対向配置され、前記一対の基板のうちの一方の基板に形成された前記電極を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護膜とを備え、前記保護膜は、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、希土類酸化物のいずれか、またはこれらの混合物、もしくは、これらのいずれかとマグネシウムとの複合酸化物により形成され、前記一方の基板に形成された電極上の前記誘電体層の厚さが20μm以下である。
上記本発明のプラズマディスプレイパネルは、保護膜として、二次電子放出係数の大きな材料を用いることで、放電開始電圧を低下させることができる。また、誘電体層の膜厚を20μm以下としているため、放電開始電圧が低下しても放電空間における放電電界強度を高く維持できるので、低電圧で良好な画像表示を行うことができる発光効率の高いプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
上記本発明のプラズマディスプレイパネルにおいて、前記電極上の前記誘電体層の厚さが10〜18μmであることが好ましい。前記誘電体の膜厚を薄くするほど、放電空間における放電電界強度を高く維持することが可能であるが、前記誘電体の膜厚を薄くする弊害として電離量が増加することによる電力ロスが生じ、紫外線生成効率の低下が見られるようになる。
また、前記一対の基板の内の他方の基板に、前記空間を放電セルに区切る隔壁が形成されていて、前記誘電体層の前記隔壁に対向する部分の厚みが前記電極上の厚みよりも厚いことが好ましい。このようにすることで、放電経路となる電極上の電界をより強くすることができる。
以下、本発明のプラズマディスプレイパネル、および、プラズマディスプレイパネルの製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す要部分解斜視図である。
本実施形態のプラズマディスプレイパネル10は、前面板20と背面板30とを空間を介して対向配置し、周辺部を図示しない封着材を用いて封着することにより構成されており、前面板20と背面板30との間に多数の放電セルが形成されている。
前面板20は、一方の基板であるガラス製の前面基板21と、前面基板21の内表面に形成された走査電極22と維持電極23とからなる表示電極24と、表示電極24を覆う誘電体層26と、誘電体層を覆う保護膜27とを有している。
表示電極24は、前面基板21の内表面上に形成された一対の走査電極22と維持電極23とからなっていて、前面基板21上に互いに平行に複数本が形成されている。なお、図1では、表示電極24が、走査電極22、維持電極23、走査電極22、維持電極23という順番に繰り返して形成されている例を示したが、表示電極24は、走査電極22、維持電極23、維持電極23、走査電極22というように、走査電極22と維持電極23との順序が交互に異なるように形成されていてもよい。
また、図1では、走査電極22および維持電極23が、それぞれ所定の幅を持った電極パターンで構成されているように示しているが、走査電極22と維持電極23によって放電セルからの発光が遮られることを避けるために、走査電極22と維持電極23とを、それぞれ透明導電膜を用いた透明電極と金属材料のバス電極の組み合わせとして構成することができる。また、走査電極22と維持電極23それぞれを、幅の狭い電極の対としてそれぞれ2本ずつ形成することもできる。
表示電極24上と電極が形成されていない前面基板21の内表面上を覆うように、誘電体層26が形成され、誘電体層26上には誘電体層26を覆うように保護膜27が形成されている。
背面板30は、他方の基板であるガラス製の背面基板31と、背面基板31の内表面上に形成されたデータ電極32と、データ電極32を覆うように形成された誘電体層33と、誘電体層33上に形成された隔壁34と、隔壁の表面に形成された蛍光体層35とを有している。
背面基板31上のデータ電極32は、複数本が互いに平行に形成されている。そしてデータ電極32を覆う誘電体層33上に、縦隔壁34aと横隔壁34bとを有する井桁状の隔壁34が形成されている。さらに誘電体層33の表面と隔壁34の側面とに赤(R)、緑(G)、青(B)各色の蛍光体層35が形成されている。なお、隔壁34を縦隔壁34a横隔壁34bとで格子状に構成すること、また、蛍光体としてRGBの三色を用いることは、いずれも本実施形態のプラズマディスプレイパネル10において必須の要件ではなく、縦もしくは横方向のみの隔壁を用いることや、RGB三色以外の色の蛍光体を用いることもできる。
前面板20と背面板30とは、それぞれの内表面に形成された表示電極24とデータ電極32とが略直交に立体交差するように対向配置され、表示電極24とデータ電極32とが対向して交差する部分に放電セルが形成される。前面基板21および背面基板31において、放電セルが形成された部分が画像を表示する画像表示領域となり、図1では図示しない、画像表示領域を外側から囲む前面基板21および背面基板31の周縁部分が、低融点ガラスの封着材により封着されている。前面板20と背面板30との間に形成された放電空間には、放電ガスが封入されている。
本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネル10では、保護膜27として厚さが一例として約800nmの酸化カルシウム(CaO)を主成分とする蒸着膜が用いられ、放電ガスとしてキセノン(Xe)が20%のNe−Xe混合ガスが用いられている。また、一画素に相当する放電セル一つの大きさは、縦480μm、横160μmとしている。なお、その他の表示電極24、アドレス電極32、隔壁34、蛍光体層35等の仕様は、一般的なプラズマディスプレイパネルのものと同様であるため詳細な説明は省略する。
図2は、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネル10の放電セルの状態を示す要部拡大断面図である。
図2に示すように、前面基板21の内表面に、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極24、誘電体層26、保護膜27が順次形成された前面板20と、背面基板31の内表面に、データ電極32、誘電体層33、横隔壁34bが形成され、誘電体層33と横隔壁34bが蛍光体層35で覆われている背面板30との対向部分が放電セルを形成している。なお、図2は、背面板30を表示電極24の配設方向から見た断面図であるため、図1に示した隔壁34の内、横隔壁34bの断面が見えている。
図2に示すように、前面板20と背面板30とは所定の間隔を隔てて対向していて、この間隙部分である放電空間に、前面板20の保護膜27が面している。そして、本実施形態のプラズマディスプレイパネル10では、走査電極22および維持電極23上の部分における誘電体層26の膜厚aが11μmとなっている。
図3は、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルにおいて、異なる膜厚の誘電体層が形成されている状態で放電電圧を印加した際の、走査電極および維持電極近傍における電界強度の分布状態を示している。
図3では、便宜上図の上部側が放電空間として示されているため、図2の放電セルの断面構成図を180度回転した状態となっている。また、走査電極22と維持電極23の位置をそれぞれ図中に点線で示している。
図3において一点鎖線41が誘電体層の膜厚5μm、二点鎖線42が膜厚11μm、点線43が膜厚21μm、実線44が膜厚27μmの状態をそれぞれ示している。
図3から明らかなように、走査電極22維持電極23の幅方向の端部に強い電界が生じており、特に走査電極22と維持電極23それぞれの間隙側の端部で電界が強くなっている。また、誘電体層の厚さが薄いほど放電電界が局所的に強いひずみを形成して、誘電体層の膜厚が5μmを示す一点鎖線41、誘電体層の膜厚が11μmを示す二点鎖線42では、走査電極22と維持電極23の端部で上に凸となるピーク上の電界分布を示している。
これに対し、誘電体層の膜厚21μmの点線43、膜厚27μmの実線44では、電界強度分布に凸状の部分は生じず、全体としてなだらかな分布を形成している。
また、図3で示した膜厚の異なる誘電体層を形成したプラズマディスプレイパネルそれぞれにおいて、電極に印加されたパルス状の印加電圧の値とその電圧が印加されたときの蛍光体層の発光輝度から求めた発光効率の関係を実験により確認した結果、プラズマディスプレイパネルにおける通常の印加電圧である150〜200Vの領域では、誘電体層の膜厚が11μmのものが最も発光効率が高くなっている。特に、図3に示されるように放電電界の分布では、最も強いピーク状の強度分布を示していた誘電体層の膜厚が5μmの場合よりも、誘電体層の膜厚が11μmの場合のものの方が、発光効率は全体に高くなっている。誘電体層の厚さが5μmの場合には、膜厚が薄すぎて、放電中の電離量が多くなり、電子とイオンがより多く、高密度に生成される。このように電子・イオン密度が非常に高くなると、紫外線を放射するXe励起原子が紫外線を放射する前に電子と再衝突して電離する機会が増える。このため、全放電電力における紫外線生成に消費されるエネルギーが相対的に減少することになる。このように、誘電体層が薄くなりすぎると、紫外線生成効率を悪化させる現象が顕著になり、強電界による紫外線生成効率向上効果よりも優勢になることが、膜厚5μmでの効率低下の原因と考えられる。
また、図3で放電電界の強度分布に強いピークが生じなかった、誘電体層の膜厚が21μmの場合と、膜厚27μmの場合には、プラズマディスプレイパネルで通常用いられる印加電圧の領域でいずれも発光効率が低いことがわかる。
そこで、さらにサンプルを加えて、誘電体層の膜厚と発光効率との関係を測定した。その結果を図4に示す。
図4は、誘電体層の膜厚と発光効率の関係を示す図である。この図4は、誘電体層の膜厚を変化させたときに、放電が発生する最小駆動電圧と最大駆動電圧を求め、その最小駆動電圧と最大駆動電圧の中央数値における発光効率を測定した結果を示している。図4から明らかなように、誘電体層の膜厚が約11μmのときに発光効率が約2.6[lm/W]と最も高くなることがわかる。また、図4から、誘電体層の膜厚が20μm以下であれば、良好な発光効率の目安となる発光効率2[lm/W]を確保することができることがわかる。
図5は、本実施形態のプラズマディスプレイパネルにおいて、高い二次電子放出係数の部材を保護膜として用い、かつ、誘電体層の厚さを薄くすることにより、低電圧駆動が可能となる効果を説明するためのイメージモデル図である。
図5(a)は、保護膜材料として、従来のMgOに換えてCaOなどの二次電子放出係数の高い部材を用いた場合の、印加電圧Vf(Firing Voltage)と、そのときに生じる放電電界E(Electric Field)の変化を示している。
図5(a)に示すように、保護膜材料として二次電子放出係数の高い部材を用いた場合には、放電開始に必要な印加電圧を下げることができる。そして、放電開始時に印加されている電圧が下がることに伴って、電極間の電位差が小さくなるため放電セルに生じる放電電界も小さくなる。
一方、本実施形態のプラズマディスプレイパネルのように、保護膜材料として二次電子放出係数の高い部材を用いたことに加え、誘電体層の厚さを薄くすることを組み合わせると、図5(b)に示すように、放電開始電圧は、二次電子放出係数が高い物質を保護膜に用いたことによる電圧低下に加えて、さらに、誘電体層の膜厚が薄くなった効果が付加されて一層低下させることができる。
また、放電セルに生成する電界の強さは、図3に示したように誘電体層が薄くなると電界強度の歪みによって実効的に高くなる効果が得られるため、二次電子放出係数の高い部材を用いたことによる電界強度低下の効果を打ち消すように、誘電体層の膜厚を薄くすることの効果によって電界強度が回復する。
プラズマディスプレイパネルにおける放電が、低電圧で生じる場合、すなわち放電開始電圧が低いことは、電極に印加する電圧を下げることができるために、低電圧駆動の観点から効果がある。一方、蛍光体を十分に発光させるためには、放電により生じる紫外線を効率良く生成させることが必要である。しかし、放電セルに生じる電界強度が小さいと紫外線生成効率が悪くなり発光輝度も小さくなる。本実施形態のプラズマディスプレイパネルでは、図5(b)に模式的に示したように、誘電体層の膜厚を薄くすることで放電セルに生じる電界強度を引き上げる効果があり、その結果、紫外線生成効率が高くなり、蛍光体層からの可視発光の強度が上がって発光効率が高くなったと考えられる。
このように、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネル10では、保護膜27として酸化カルシウム(CaO)などの、従来代表的な保護膜材料として用いられているMgOと比較して部材自体の二次電子放出係数が高い材料を用いて放電開始電圧を下げることができる効果に加え、誘電体層の膜厚を20μm以下と従来よりも薄くすることで、さらに一層放電開始電圧を低下させることができ、また、電界強度の低下を抑制して高い発光効率を実現することができる。このため、本発明のプラズマディスプレイパネルは、低消費電力での動作を可能にすることができる。
なお、誘電体層の膜厚としては、図4に示すように、10〜18μmであることがより好ましい。これは、誘電体層の厚さが5μmの場合には、膜厚が薄すぎて電離量が多くなり、紫外線を放射するXe励起原子が多段階電離する機会が増え、結果として電力損失となってしまうことが原因と考えられる。
図6は、本実施形態にかかる変形例のプラズマディスプレイの放電セルの構成を示している。
図6に示す、変形例のプラズマディスプレイパネル10’は、誘電体層26’の厚さが一定ではない点が、図2に示した本実施形態のプラズマディスプレイパネル10と異なる。なお、変形例のプラズマディスプレイパネル10’は、誘電体層26’の膜厚が異なる点以外は図2に示した本実施形態のプラズマディスプレイパネル10と同じであるため、同じ部材には同じ符号を振り、詳細な説明は省略する。
図6に示すように、変形例のプラズマディスプレイパネル10’の誘電体層26’は、その厚さが一定ではなく、走査電極22および維持電極23が配置されている放電セルの中央部分で薄く、隣り合う放電セルとの境界部分である背面板30に形成された横隔壁34bに対向する部分で厚くなっている。
この、変形例のプラズマディスプレイパネル10’においても、走査電極22および維持電極23上の誘電体層の膜厚bを、5〜20μm、より好ましくは10〜18μmとすることで、発光効率が高く低消費電力での動作が可能なプラズマディスプレイパネル10’を実現することができる。なお、背面板30の横隔壁34bに対向する厚い部分の誘電体層26’の膜厚cは、一例として、従来のMgO保護膜を用いた場合の誘電体層の膜厚と同様に20〜30μmとすることができる。
図6に示した変形例プラズマディスプレイパネル10’のように、走査電極22と維持電極23が実際にデータ電極32と対向する放電経路が形成される部分で誘電体層26’の膜厚を薄くして、放電経路ではない部分で膜誘電体層26’の膜厚を厚くすることにより、走査電極22および維持電極23上により電界を集中させることができる。このため、誘電体層26’の膜厚を薄くして、放電のための電界強度を確保するという効果がより強く発揮され、高い発光効率での放電を得ることができる。
なお、変形例の保護層27は、下地となる誘電体層26’の表面が平坦ではないためにその表面の位置が図2に示した本実施形態のプラズマディスプレイパネル10のものと異なっているが、膜厚は約800nmであって図2に示した本実施形態のプラズマディスプレイパネル10と同じとなっている。
以上、本発明のプラズマディスプレイパネルの説明においては、保護膜材料として電子放出特性の高いCaOを用いたものを例示して説明してきた。しかし、本発明にかかるプラズマディスプレイパネルにおいて、保護膜材料はCaOに限られるものではない。
CaOと同様に、従来用いられてきたMgOと比較して電子放出特性が高くいわゆる高γ特性の保護膜部材として、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)を用いることができる。また、ランタン(La)、セシウム(Ce)、ネオジム(Nd)などの希土類の酸化物である、La23、CeO2、Nd23などの二次電子放出係数の高い材料を保護膜材料として用いることができる。
さらに、上記したCaO、SrO、BaO、La23、CeO2、Nd23の2以上の物質を含む混合物、CaO、SrO、BaO、La23、CeO2、Nd23のいずれかとMgOとの複合酸化物も、二次電子放出係数の高い材料として好適に保護膜に使用することができる。
そして、いずれの材料を用いた保護膜においても、放電電極上の誘電体層の膜厚を20μm以下、より好ましくは、10〜18μmとすることで、発光効率の高く低消費電力で動作可能なプラズマディスプレイパネルを得ることができる。
以上説明したように、本発明のプラズマディスプレイパネルは、消費電力を抑制した低電圧で駆動するプラズマディスプレイ装置を提供する上で有用である。
10 プラズマディスプレイパネル
20 前面板
21 前面基板(一方の基板)
24 表示電極(電極)
26 誘電体層
27 保護膜
28 Ir微粒子
30 背面板
31 背面基板
32 データ電極

Claims (3)

  1. それぞれの内表面に放電を発生させる電極が形成された一対の基板が空間を介して対向配置され、
    前記一対の基板のうちの一方の基板に形成された前記電極を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護膜とを備え、
    前記保護膜は、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、希土類酸化物のいずれか、またはこれらの混合物、もしくは、これらのいずれかとマグネシウムとの複合酸化物により形成され、
    前記一方の基板に形成された電極上の前記誘電体層の厚さが20μm以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記電極上の前記誘電体層の厚さが10〜18μmである請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記一対の基板の内の他方の基板に、前記空間を放電セルに区切る隔壁が形成されていて、前記誘電体層の前記隔壁に対向する部分の厚みが前記電極上の厚みよりも厚い請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
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