JP2012204534A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、裏面保護部材にガラス板を用いた場合にも、改善された歩留りで出力配線と端子ボックスの端子部との間を半田付けすることができる太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】 透光性表面保護部材12と裏面ガラス13との間に、複数の太陽電池11が封止材14により封止され、裏面ガラス13に設けた開口部13aを介して取り出される出力配線20を有し、この出力配線20を裏面ガラス13上で端子部40bに接続した太陽電池モジュールであって、出力配線20と裏面ガラス13との間に封止材14より熱伝導率の小さい断熱材30を配されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、太陽電池モジュールおよびその製造方法に関するものである。
太陽電池は、クリーンで無尽蔵に供給される太陽光を直接電気に変換することができるため、新しいエネルギー源として期待されている。
一般に、太陽電池1枚当たりの出力は数W程度である。このため、家屋やビル等の電源として太陽電池を用いる場合には、複数の太陽電池を接続することにより出力を高めた太陽電池モジュールが用いられる。太陽電池モジュールは、複数の太陽電池がその表裏面の電極に電気的に接続された配線部材により直列又は並列に接続された構造を有している。
上記した太陽電池モジュールは、複数の太陽電池を配線部材で接続したものを、透光性部材からなる表面保護部材と裏面保護部材との間に配設し、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)などを主成分とする樹脂で封止することで、耐候性や耐衝撃性を高め、屋外で実用的な電気出力を取り出すことができるように構成されている。
また、耐候性の向上や裏面側からの光の入射を図るために、裏面保護部材に可撓性板ガラスを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)
上記した太陽電池モジュールは、裏面側に太陽電池の出力を取り出すための端子ボックスが設けられている場合が多い。裏面側に端子ボックスを設けた太陽電池モジュールにおいては、太陽電池の出力を裏面側に取り出すために、裏面保護部材に開口部を設け、この開口部から出力用の配線を取り出している。端子ボックスには、外部に電力を出力する出力ケーブルと接続される端子部が設けられている。この端子部に太陽電池モジュール内から取り出された出力配線が半田付けにより接続される。
特開2001−244486号公報
このような太陽電池ジュールを製造するにあたっては、良好な歩留りで製造できる方法が望まれている。
この発明は、裏面保護部材にガラス板を用いた場合にも、改善された歩留りで出力配線と端子ボックスの端子部との間を半田付けすることができる太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
この発明は、透光性表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数の太陽電池が封止材により封止され、前記裏面保護部材に設けた開口部を介して取り出される配線を有し、この配線を前記裏面保護部材上で端子部に接続した太陽電池モジュールであって、前記配線と裏面保護部材との間に前記封止材より熱伝導率の小さい断熱材が配されている。
また、この発明は、透光性表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数の太陽電池が封止材により封止され、太陽電池の出力を取り出すための出力配線を前記裏面保護部材に設けた開口部を介して取り出し、この出力配線を前記裏面保護部材上に設けた端子ボックス内の端子部と接続する太陽電池モジュールの製造方法であって、前記出力配線と裏面保護部材との間に前記封止材より熱伝導率の小さい断熱材を配し、前記出力配線と端子ボックス内の端子部とを半田で接続する。
この発明は、透光性表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数の太陽電池が封止材により封止され、前記裏面保護部材に設けた開口部を介して取り出される配線を有し、この配線を前記裏面保護部材上で端子部に接続する太陽電池モジュールの製造方法であって、前記配線と裏面保護部材との間に前記封止材より熱伝導率の小さい断熱材を配し、前記配線を前記端子部に接続する。
この発明の実施形態に係る太陽電池モジュールの概略断面図である。 この発明の実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を示す模式的断面図である。 この発明の実施形態の太陽電池モジュールの出力配線部分を示す平面図である。 この発明の実施形態のラミネート前の出力配線の取り出し部分を示す部分断面図である。 太陽電池モジュールを製造する製造装置の概略構成図である。
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1に示されるように、太陽電池モジュール10は、太陽電池11、表面保護部材12、裏面保護部材としての裏面ガラス13及び封止部材14を備える。太陽電池モジュール10は、表面保護部材12と裏面ガラス13との間に、複数の太陽電池11を封止することにより構成される。
複数の太陽電池11は配線部材16によって互いに電気的に接続される。太陽電池11と配線部材16との接続は、半田または樹脂接着剤を用いて接続される。
一の方向に配列され、配線材16により電気的に接続された複数の太陽電池11…は、1単位ユニットであるストリングを構成している。これらストリング間は接続用配線、いわゆる渡り配線により接続されている。渡り配線の一部は、外部に電気を出力するための出力配線20と接続される。
太陽電池11は、例えば、厚みが0.15mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコンなどで構成される結晶系半導体からなり、1辺が125mmの略正方形状を有するが、これに限るものではなく、他の太陽電池を用いても良い。
この太陽電池11は、例えば、n型領域とp型領域を有し、n型領域とp型領域との界面部分でキャリア分離用の電界を形成するための接合部が形成されている。
配線部材16は、太陽電池11の電極と、この太陽電池11に隣接する他の太陽電池11の電極とに接続される。これにより、隣接する太陽電池11、11間は電気的に接続される。例えば、配線部材16は、薄板状の銅箔と、銅箔の表面にメッキされた半田とを含む。
配線部材16と太陽電池11とを半田で接続させる場合には、配線部材16の表面にメッキされた半田を溶融させて、太陽電池11の電極と接続させる。なお、太陽電池11と配線部材16との接続は、半田を用いた接続以外に、樹脂接着剤を用いて接続することも可能である。樹脂接着剤としては、異方導電性を有する樹脂接着剤が好適に用いられる。
上記した配線部材16は、太陽電池モジュール外部に出力を取り出す出力配線20と直接または渡り配線21を介して接続される
表面保護部材12は、太陽電池11の受光面側に配置されており、太陽電池モジュール10の表面を保護する。この実施形態においては、表面保護部材12は、透光性を有する強化ガラスで、その板厚は3.0mm〜3.2mm程度である。尚、表面保護部材12は、強化ガラスに限らず、透光性プラスチック等を用いることができる。
裏面ガラス13は、太陽電池11の裏面側に配置されており、太陽電池モジュール10の背面を保護する。この実施形態においては、裏面ガラス13は、板厚1.0mm以上4.0mm以下のガラス板が用いられ、耐候性を有するように構成している。裏面ガラス13は、透光性であっても良いし、非透光性であっても良い。裏面ガラス13の表面には、端子ボックス40が取り付けられる。
封止部材14は、表面保護部材12と裏面ガラス13との間で太陽電池11を封止する。表面保護部材12と太陽電池11との間に配される封止部材14は透光性を有する。封止部材14としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリオレフィン、環状ポリエチレン、アイオノマー、ポリアクリル酸系ポリマー又はこれらを複数種類重合させたコポリマーの中から選択される。この実施形態では、EVA樹脂を用いている。
出力配線20と裏面ガラス13との間に封止材14より熱伝導率の小さいシート状の断熱材30が配される。EVAをはじめ、多くの樹脂の熱伝導率は、約0.1W/m・K〜0.3W/m・Kである。断熱材30は、EVA樹脂の熱伝導率より小さく、太陽電池11に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、グラスウール、ポリスチレン、ウレタンなどの材料を用いることができる。また、熱伝導率が小さい程、断熱材30の厚みを薄くすることができるので、ラミネート時に断熱材30がある箇所に圧力が集中することが防止できる。この結果、ラミネート時の裏面ガラス13の割れなどの発生も抑制できる。
なお、以上のような構成を有する太陽電池モジュール10の外周には、Al(アルミニウム)フレーム(図示しない)を取り付けることができる。
図2及び図3に示されるように、配線部材16は、太陽電池モジュール外部に出力を取り出す出力配線20と直接または渡り配線21を介して接続される。出力配線20は、太陽電池11からの電気出力を外部に取出すもので、端子ボックス40内の端子と接続される。出力配線20は、通常、厚さ0.1mm〜0.3mm程度、幅6mmの銅箔にその全面を半田コートしたものを所定の長さに切断し、配線部材16または渡り配線21に半田付けされている。また、出力配線20の表面は、絶縁性フィルム等の絶縁部材によって被覆されている。
裏面ガラス13には、出力配線20を取り出すために、開口部13aが設けられている。また、裏面側の封止部材14を構成するシート部材も後述するように、出力配線20を取り出すスリット14hが設けられている。
裏面ガラス13の開口部13aを覆うように、シリコーン樹脂などの接着剤50で端子ボックス40が取り付けられる。開口部13aから取り出された出力配線20が端子ボックス40内の端子部40bと接続され、外部の出力ケーブル(図示しない)と接続される。
出力配線20の太陽電池モジュールからの取り出しについて、図3ないし図4を参照して説明する。
図3に示されるように、本実施形態では6個のストリングを渡り配線21を用いて直列に接続している。一番左端のストリングの渡り配線21と接続された出力配線20が裏面ガラス13の開口部13aから引き出される。左から2番目と3番目のストリングが渡り配線21で接続され、渡り配線21と接続された出力配線20が裏面ガラス13の開口部13aから引き出される。
また、一番右端のストリングの渡り配線21と接続された出力配線20が、裏面ガラス13のスリット13aから引き出される。そして、右から2番目と3番目のストリングが渡り配線21で接続され、渡り配線21と接続された出力線20が裏面ガラス13の開口部13aから引き出される。
このようにして、6個のストリングから4本の出力配線20…として裏面ガラス13の開口部13aから引き出され、そして、端子ボックス40の所定の端子部40bに、半田付けを行って接続し太陽電池モジュールが構成されている。
出力配線20と裏面ガラス13との間に封止材14より熱伝導率の小さい断熱材30が配されている。このため、半田付け時に、出力配線20が加熱されて太陽電池モジュール内部に熱が伝わっても断熱材30により裏面ガラス13に熱が伝わるのを抑制でき、内部側と外側との間の温度差が緩和され、熱歪みによる裏面ガラス13の亀裂等の発生が防止できる。
開口部13aから導出される出力配線20は、この実施形態においては、4本ある。このため、端子ボックス40の端子部40bには、4つの端子板(図示せず)が設けられ、それぞれ該当する出力端子20…が半田によって接続される。端子ボックス40の端子間には逆流防止ダイオードが接続されている。
図4に示されるように、太陽電池モジュール10を製造するにあたっては、下側から表面保護部材12、表面側のEVAシート14a(封止部材)、配線部材16により接続された複数の太陽電池11…、EVAシート14b(封止部材)、出力配線20と裏面ガラス23との間に配されるシート状の断熱材30、裏面ガラス13をこの順序で積み重ねる。出力配線20は、EVAシート14bのスリット14hを通り、裏面ガラス13の開口部13aから引き出されている。このように配置された部材をラミネート装置でラミネートする。断熱材30は、裏面ガラス13との接着性を確保するため、片面もしくは両面にEVAを積層させている。
図2に示されるように、ラミネート後は、裏面ガラス13の開口部13aを閉塞するように、端子ボックス40の底部40aがシリコーン樹脂50などにより接着される。そして、端子ボックス40内の端子部40bの所定の端子板に、出力配線20が半田付けされる。そして、図示はしないが端子ボックス40のケース上蓋を底部40aに取り付けて太陽電池モジュール10が構成される。
次に、上記太陽電池モジュール10の製造方法について、図2及び図5を参照して説明する。図5に示されるように、太陽電池モジュール10を製造する製造装置は、下側ハウジング200とこの下側ハウジングに気密に結合される上側ハウジング202とを備える。下側ハウジング200の上部開口部には、略面一の状態でヒータプレート201が配置される。この上側ハウジング202には、下側ハウジング200の開口部に対向する側にゴム製のダイアフラム203が設けられている。下側ハウジング200と上側ハウジング202の周縁部には、両者を結合した時の気密状態を保持するためのパッキン204が全周に渡って取り付けられている。更に、下側ハウジング200には、図示はしないが真空ポンプが接続されている。
そして、太陽電池モジュール10を製造するにあたっては、まず、製造装置のヒータプレート201上に、下側から表面保護部材12、表面側のEVAシート14a(封止部材)、配線部材16により接続された複数の太陽電池11…、EVAシート14b(封止部材)、出力配線20と裏面ガラス23との間に配されるシート状の断熱材30、裏面ガラス13をこの順序で積み重ねる。裏面ガラス13の開口部13aには、出力配線20が挿入され、出力配線20が所定の位置に位置決めされて、仮保持されている。
上記のようにヒータプレート201上に各構成部品を積み合わせた後、下側ハウジング200と上側ハウジング202とを結合させる。その後、下側ハウジング200を図示しない真空ポンプにより排気する。この時ヒータプレート201を約130℃〜200℃に加熱する。この状態で、ダイアフラム203がヒータプレート201上に載置された太陽電池モジュール10側に押し付けられる。そして、EVAシート14a、14bがゲル状化し、所定のEVA層(封止層)14を構成する。これにより、太陽電池11…が表面側の表面保護部材12と裏面側の裏面ガラス13との間に挟まれた状態でEVA層(封止層)14内に封止される。また、出力配線20と裏面ガラス13との間に封止材14より熱伝導率の小さいシート状の断熱材30が配される。
その後、端子ボックス40の底部40aに設けた開口部40hに裏面ガラス13の開口部13aから引き出された出力配線20を挿入し、そして裏面ガラス13の開口部13aを閉塞するようにして、端子ボックス40の底部40aが裏面ガラス13にシリコーン樹脂からなる接着剤50により取り付けられる。
しかる後、図2に示されるように、端子ボックス40内の端子部40bの所定の端子板にそれぞれ出力配線20を半田ごて60を用いて接続する。
この接続作業の際、半田ごて60からの熱が出力用配線20を伝わり、裏面ガラス13から太陽電池モジュール10内部まで伝わる。熱は出力配線20と裏面ガラス13との間に配された断熱材30により、裏面ガラス13の内部側の面13bに伝わるのが抑制される。半田付けは、半田ごて60の温度を250℃程度加熱して行う
ところで、冷却せずに端子部と出力配線とを半田ごてを用いて接続すると、半田ごて60からの熱が出力配線を伝わり、裏面ガラス13から太陽電池モジュール内部まで伝わる。この結果、裏面ガラス13の外側表面13fと太陽電池モジュール内部側との間に大きな温度差が発生する。裏面ガラス13として、可撓性ガラスなど薄いガラス部材を用いた場合、半田付け時の外側表面と内部側との温度差により発生する熱歪みにより、ガラスに亀裂が発生する等の問題があった。
これに対し、この発明では出力配線20と裏面ガラス13との間に配された断熱材30により、半田付け時に、出力配線20伝わる熱は裏面ガラス13の内部側の面13bに伝わるのが抑制される。この結果、裏面ガラス13の内部側の面13bと外側表面13fとの間の温度差が緩和され、熱歪みによる裏面ガラス13の亀裂等の発生を防止することができる。
そして、半田付けの作業が終了した後、端子ボックス40のケース上蓋(図示しない)を底部40aに取り付けて太陽電池モジュール10が構成される。
尚、この実施形態では、裏面保護部材として、薄板ガラスを用いたが、これに限らず、透光性プラスチック等を用いることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、この発明に係る太陽電池は、両面受光型の太陽電池でも良いし、片面受光型の太陽電池であっても良い。また、裏面接合型の太陽電池であっても良い。さらに、この発明は、結晶系太陽電池モジュールに限らず、薄膜系の太陽電池モジュールにも適用することができる。また、この発明における出力配線は、少なくとも正負の取出し用の配線を含むものであれば良い。このように、この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 太陽電池モジュール
11 太陽電池
12 表面保護部材
13 裏面ガラス
14 封止材
16 配線材
20 出力配線
30 断熱材
40 端子ボックス
40b 端子部
60 半田ごて

Claims (4)

  1. 透光性表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数の太陽電池が封止材により封止され、前記裏面保護部材に設けた開口部を介して取り出される配線を有し、この配線を前記裏面保護部材上で端子部に接続した太陽電池モジュールであって、前記配線と裏面保護部材との間に前記封止材より熱伝導率の小さい断熱材が配されている、太陽電池モジュール。
  2. 前記裏面保護部材は、薄板ガラスである、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 透光性表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数の太陽電池が封止材により封止され、前記裏面保護部材に設けた開口部を介して取り出される配線を有し、この配線を前記裏面保護部材上で端子部に接続する太陽電池モジュールの製造方法であって、前記配線と裏面保護部材との間に前記封止材より熱伝導率の小さい断熱材を配し、前記配線を前記端子部に接続する、太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記裏面部材は、薄板ガラスである、請求項3に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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