JP2012203527A - 医療機器及び医療機器の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操作者が接触した医療機器10に対して自動的に通信を開始する操作者側通信装置13と、操作者側通信装置と通信を行うために医療機器に配置される機器側通信装置12と、を有し、機器側通信装置は、操作者側通信装置から、少なくとも、操作者を識別する操作者識別情報を受信し、操作者識別情報には、医療機器の操作権限情報に関する地位情報が含まれ、地位情報と、これに関する医療機器の操作権限情報を関連付けた地位操作権限情報41aを有し、操作者側通信装置から取得した地位情報と、地位操作権限情報に基づいて、当該操作者の医療機器の操作可能範囲を特定する医療機器10。
【選択図】図1
Description
このような輸液ポンプ等の医療機器は、薬液の供給等について緻密な制御を行っているため、医師や看護師等の医療従事者以外の者、例えば、患者や見舞客等が勝手に操作等をすることができるとすると、不測の事態が発生するおそれがある。
そのため、例えば、各医療従事者が、自己のIDデータ等を記憶させたICカードやRFID等を保持し、輸液ポンプの操作をする際には、必ず、事前に自己のRFIDを輸液ポンプにかざし、認証工程を経てからでないと、輸液ポンプの操作ができないとする提案があった。
このため、医療機器を操作しようとする操作者は、当該医療機器の筐体等に触れるだけで、自動的に通信が行われ、操作者を識別する操作者識別情報が医療機器に送信される。
したがって、従来のように、操作者がICカード等を医療機器の該当部分にかざす等の動作をすることなく、極めて簡単に医療機器の操作を許可する認証等を開始させることができる。
例えば、患者の側で様々の医療機器の操作を短時間で行う医療従事者等は、従来のように、各医療機器の該当部分に、自己のICカード等をかざす必要がないので、極めて効率的に医療機器を操作することができる。
したがって、医療機器の操作者は、医療従事者、訪問者等の自己の地位情報に基づいて、当該医療機器の操作可能範囲が自動的に特定されるので、当該医療機器に対し、自己の権限外の操作を誤って実行させることがない。このため、極めて使い易く安全な医療機器となる。
また、前記構成によれば、操作指示情報入力部とは異なる操作者による当該医療機器の変更動作なる行為情報も操作者識別情報と関連付けて記憶する。
従来、操作者が認証を経ないで行った行為、例えば、輸液ポンプのドアの開放等の行為は、医療機器に操作者との関連で記憶することができず、事後の操作者の教育等を行うことができなかった。
この点、前記構成では、操作者が医療機器に触れるだけで、通信が開始され、認証され、操作者を特定できるので、このデータとそれに続く、輸液ポンプのドアの開放等の事実データを関連付けて記憶することができ、かかる行為があったという事実データに基づき、事後に当該操作者の教育等を行うことができる。
したがって、医療従事者等の操作者にとって極めて容易に、操作のための認証を医療機器に対して実行することができる。
したがって、従来のように、認証と実際の操作との間に時間がかかるということはなく、その間に他人が操作を行うという事態の発生を未然に防止することができる。
特に医療機器は、その操作者が医師から訪問者に変更する場合等は、患者に重篤な結果が生じるおそれがあるので、特に有効となる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1に示すように、本実施の形態では、患者の側の点滴等に配置され、薬液等の点滴液の患者等へ供給を制御する装置である輸液ポンプ10を有している。
輸液ポンプ10は、弾力が高く自己拡張性のある輸液チューブを使用し、これを機械に挟み込んでローラーで押すことにより予め設定された薬液を患者に提供する構成となっている。
このため輸液ポンプ10は、精度良く動作することが求められる。そして、その動作を患者等が勝手に行うことを防ぐため、操作者によって、その操作ができる機能は予め定められている。
また、輸液ポンプ10の操作者である例えば、医療従事者の看護師甲は、操作者側通信装置である例えば、操作者側人体通信モジュール13を所持している。この操作者側人体送信モジュール13は、例えば、腕時計状の装置に配置されているため、看護師甲は、その腕に所持する形態となっている。
この人体通信方式は、人の体に微弱な電流等を流すことで行われる通信であり、専用の装置を装着した人が他の同様の装置を装着した人等に触れることで通信が可能となる方式である。また、人体通信方式は、通信に際し、電流を流す場合と電界を発生させる場合があり、それぞれ、電流方式、電界方式と呼ばれる。
電流方式の場合は、人体の表面に数百マイクロアンペアの電流を流すことで通信を行う。実施の形態では、電流方式の人体通信方式を例に以下、説明する
すなわち、電流Eは、図1の操作者側人体通信モジュール13から看護師甲の人体上を流れ、輸液ポンプ10の装置側人体通信用モジュール12に到達することになり、この電流の流れにより、通信が可能となる。
また、本実施の形態では、操作者側人体通信モジュール13は、看護師甲が輸液ポンプ10に触れるだけで、装置側人体通信用モジュール12と通信可能となり、逆に、看護師甲が輸液ポンプ10から手等を離すことで、通信が終了する。
これに対し、本実施の形態では、図1の看護師甲が輸液ポンプ10に触れるだけで認証の工程を開始することができるので、極めて使い易い装置となっている。
図1及び図2に示す,操作者側人体通信用モジュール13及び装置側人体通信用モジュール12は、上述のように、例えば、電流方式の人体通信装置の一例である。
そして、操作者側人体通信用モジュール13を所持する看護師甲が、輸液ポンプ10に触れただけで通信が自動的に必ず開始される。
すなわち、看護師甲の意思にかかわらず、看護師甲が輸液ポンプ10に触れるという動作に対応して通信が開始される構成となっている。
一方、看護師甲が輸液ポンプ10から手等を離すだけで、その通信が停止する構成となっている。
この地位情報には、例えば、他に「訪問者データ」「一般患者データ」「PCA患者データ」「サービスエンジニアデータ」「メーカーエンジニアデータ」等が含まれる。
また、図2に示すように、輸液ポンプ本体11は、輸液ポンプ本体制御部30を有する。また、輸液ポンプ本体11は、装置側人体通信用モジュール12と通信するための装置本体側通信装置31、輸液ポンプ10の操作者が操作するための入力装置32、各種情報を表示する表示装置33等を有し、これらは、輸液ポンプ本体制御部30で制御されている。
なお、図2に示すように、輸液ポンプ本体制御部30が各処理部(プログラム)や各記憶部等も制御している。これらについての詳細は、後述する。
本実施の形態では、図1に示すように、看護師甲が輸液ポンプ10の操作をする例を中心に以下説明する。
先ず、ステップST(以下「ST」とする。)1で、看護師甲は、輸液ポンプ10を患者のベッドの側に配置し、点滴に輸液装置10を装着し、輸液ポンプ10のスイッチを「ON」とし、電源を入れる。
具体的には、図1の操作者側人体通信装置13を所持する看護師甲が、輸液ポンプ10を操作するために、輸液ポンプ10の筐体等の一部に触れ、これにより操作者側人体通信装置13と装置側人体通信モジュール12とが通信可能となり、操作者側人体通信装置13内に格納されている看護師甲の操作者IDデータ(例えば、看護師甲の識別番号と看護師データ(地位情報))が装置側人体通信モジュール12に送信され、装置本体通信装置31が受信する。
図5は、操作者データ記憶部30の操作者データ39aを示す概略図である。図5に示すように、操作者データ39aが記憶される。
ST3では、図2の操作者ID対応権限特定処理部(プログラム)40が動作し、取得した当該操作者IDデータを有する操作者の権限を特定する。
すなわち、本例では、看護師甲が輸液ポンプ10を操作する権限を有するか否か、有する場合は、権限の範囲はどこまでとされているか等について判断する。
図6は、操作者ID対応権限データ記憶部41内に記憶されている操作者ID対応権限データ41aの一例を示す概略図である。
図6に示すように、操作者IDデータに含まれている地位情報(例えば、看護師(医療従事者))によって、輸液ポンプ10の操作可能範囲が定められている。
本例では、看護師甲は、「輸液の流量設定」「輸液の送液開始及び停止」「警告の解除」の操作を認められるので、操作権限が存在すると判断される。
本実施の形態では、通信コストを下げるため、操作者側人体通信用モジュール13の通信は必要最小限度の時間とされている。したがって、ST5では、操作者側人体通信用モジュール13に例外的に「受信待ち」状態でその時間を延長するように指示することになる。
本例では、看護師甲が入力装置32を操作して、「輸液の流量設定」「輸液の送液開始及び停止」「警告の解除」の操作の実行を入力したか否かが判断される。
したがって、ST6で「受信待ち」となった操作者側人体通信用モジュール13は、所定期間の経過後、電力コストを低減するため、「受信待ち」状態を解除する構成ともなっている。
したがって、従来のように、認証等と実際の操作との間に時間がかかるということはなく、その間に他人が操作等を行うという事態の発生を未然に防止することができる。
特に輸液ポンプ10は、その操作者が看護師甲から単なる訪問者に変わる場合は、患者等に重篤な結果が生じるおそれがあるので、かかる事態の発生を未然に防止する本実施の形態は、特に効果を奏する。
具体的には、図5に示すように、操作者IDと関連付けて、その操作指示情報が記録される。
したがって、看護師甲等の各操作者の入力装置32からの操作指示情報を全て自動的に入力履歴として記録でき、その後の教育等の資料として利用することができる。
ST13では、看護師甲等の操作者が、権限外の動作の指示を入力装置32に入力した事実を図5の操作者データ記憶部39に操作者IDデータとの関連で記録する。
また、本実施の形態では、操作者が輸液ポンプ10の扉を物理的に開けたという行為(医療機器の変更動作の一例)等を検知した場合、その操作者を特定することができる。
このため、ST13では、入力装置32の操作と関係がない上述の場合でも、操作者IDデータを自動的に取得し、当該取得した操作者IDデータと上述の行為とを関連付けて、図5の操作者データ記憶部39に記憶することができる構成となっている。
この点、本実施の形態では、上述のように、看護師甲等の操作者が輸液ポンプ10に触れるだけで、通信が開始され、認証等され、操作者を特定できるので、事後に当該操作者の教育等の資料等として利用することができる。
さらに、本実施形態では、接触することで自動的に人体通信が行われる内容で説明しているが、接触だけでなく、近接でも構わない。例えば、1cm以内に近づく時点で、上述した人体通信を実現しても良い。さらには、近接時では人体通信を開始し、接触時では、認証(識別)作業を行う、といった近接と接触の各段階に分けた人体通信も可能である。
Claims (5)
- 操作者が接触した医療機器に対して、自動的に通信を開始する操作者側通信装置と、前記操作者側通信装置と通信を行うために前記医療機器に配置される機器側通信装置と、を有し、
前記機器側通信装置は、前記操作者側通信装置から、少なくとも、操作者を識別する操作者識別情報を受信し、
前記操作者識別情報には、医療機器の操作権限情報に関する地位情報が含まれ、
前記地位情報と、これに関する医療機器の前記操作権限情報を関連付けた地位操作権限情報を有し、
前記操作者側通信装置から取得した前記地位情報と、前記地位操作権限情報に基づいて、当該操作者の医療機器の操作可能範囲を特定する構成となっていることを特徴とする医療機器。 - 操作者の操作指示情報を入力する操作指示情報入力部から入力された操作指示情報を前記操作者識別情報と関連付けて記憶すると共に、
前記操作指示情報入力部とは異なる操作者による当該医療機器の変更動作なる行為情報を、前記操作者識別情報と関連付けて記憶する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。 - 操作者が所持する前記操作者側通信装置と前記機器側通信装置との間の通信は、操作者の身体を介して行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医療機器。
- 前記操作者の当該医療機器の前記操作可能範囲を特定した結果、前記操作者が前記操作権限を有していると認めた場合、前記操作者に重ねて前記操作者識別情報を求める構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の医療機器。
- 操作者が接触した医療機器に対して、自動的に通信を開始する操作者側通信装置と、前記操作者側通信装置と通信を行うために前記医療機器に配置される機器側通信装置と、を有し、
前記機器側通信装置は、前記操作者側通信装置から、少なくとも、操作者を識別する操作者識別情報を受信し、
前記操作者識別情報には、医療機器の操作権限情報に関する地位情報が含まれ、
前記地位情報と、これに関する医療機器の前記操作権限情報を関連付けた地位操作権限情報を有し、
前記操作者側通信装置から取得した前記地位情報と、前記地位操作権限情報に基づいて、当該操作者の医療機器の操作可能範囲を特定することを特徴とする医療機器の制御方法。
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