JP2012202728A - 光部品の位相測定方法と位相測定装置 - Google Patents

光部品の位相測定方法と位相測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012202728A
JP2012202728A JP2011065164A JP2011065164A JP2012202728A JP 2012202728 A JP2012202728 A JP 2012202728A JP 2011065164 A JP2011065164 A JP 2011065164A JP 2011065164 A JP2011065164 A JP 2011065164A JP 2012202728 A JP2012202728 A JP 2012202728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
phase
axis
degree hybrid
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011065164A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuninori Hattori
邦典 服部
Jun Endo
潤 遠藤
Yasuhiko Nakanishi
泰彦 中西
Masaya Suzuki
賢哉 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2011065164A priority Critical patent/JP2012202728A/ja
Publication of JP2012202728A publication Critical patent/JP2012202728A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Communication System (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】特殊部品を用いることなく、光90°ハイブリッドの直交位相測定を行う。
【解決手段】光90度ハイブリッド35のポート35S,35Lに、信号光源33,34から単一波長レーザ光を入力する。光90度ハイブリッド35の出力ポートのうちI相信号及びQ相信号を出力する2ポートの出力光をフォトディテクタ36,37で光電変換し、得られた2つの電気信号の一方をX軸、他方をY軸としてオシロスコープ38のXY平面上に描画してリサージュ図形として描画する。X軸から45度回転させた軸にリサージュ図形が接する接点と原点との間の距離と、Y軸から45度回転させた軸にリサージュ図形が接する接点と原点との間の距離との比より、光90度ハイブリッド35の直交位相を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光部品の位相測定方法と位相測定装置に関するものであり、特に、40Gb/sや100Gb/sなどの超高速光通信における光QPSK(4値位相変調:Quadrature Phase Shift Keying)信号の復調に要する光90度ハイブリッドの直交位相測定に関する。
現在の日本の通信状況は、固定は世帯の7割が利用しており、無線ブロードバンドは国民(人口)の9割が利用し、日本のブロードバンドは固定でも無線でも世界のトップ水準にある。
日本国政府は2015年にすべての世帯でブロードバンドサービス利用の実現を目指す「光の道」を標榜しており、今後、少子高齢化や環境問題などの社会経済的課題の解決と持続的な経済成長の実現を目指すため、教育や医療、行政サービス分野でのICT利活用が進展し、ブロードバンドのさらなる利用率の向上が予想される。
これまで光通信によるブロードバンド化は波長多重により飛躍的に進展してきたが、最近では時間軸上に情報を多重する時分割多重のビットレート向上が著しい。特に、光DPSK(Differential Phase Shift Keying)、光DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)などの光信号の位相情報を利用する変復調技術が光通信に適応され始めており、ビットレートも10Gb/sから40Gb/sへの高速化が図られている。
さらに、最近になって、次世代の超高速通信技術に関して活発な動きを見せているのが通信業界の世界的な標準団体であるOptical Internetworking Forum(OIF)である。ここでは次世代の100Gb/s光通信を実現する通信方式/デバイス技術の標準化に関して活発に議論が交わされている。
具体的な通信方式として、偏波多重4値位相変調(DP-QPSK:Dual Polarization- Quadrature Phase Shift Keying)方式が100Gb/s級超高速長距離通信を目的として標準化が進んでいる。
QPSK(4値位相変調)では光信号の位相に0、1のデータ信号情報を割り付ける。受信側では位相の基準となる局発信号光源を有し、光90°ハイブリッドを用いて局発光と受信信号光との相関をとり演算処理を施すことによりデータ信号復調を行う。
また、DP-QPSK(偏波多重4値位相変調)では2チャンネルのQPSK信号を直交するふたつの偏波に偏波多重することで多重度を上げ総伝送容量を拡大する。最終的には、シンボルレートを25Gb/s程度とし、QPSKの4値符号化により倍、偏波多重化によりさらに倍の伝送容量を確保することにより総伝送容量100Gb/s以上を実現する。
以上、40Gb/sや100Gb/sなどの超高速光通信において4値の位相変調方式である光QPSK変調技術が基本要素となり重要となる。ここで、光QPSK信号を復調するには一般に光90度ハイブリッドを用いる。
光90度ハイブリッドの一例として図7にPLC(平面光波回路:Planar Light-wave Circuit)による集積化の構成例を示す。この例はDP-QPSK信号を復調するためPBS機能を集積した偏波多重光ハイブリッド(DPOH:Dual Polarization Optical Hybrid)である。
このDPOHは、90°位相付与部4を有する光90°ハイブリッド2と、複屈折率制御部3を有する偏光ビームスプリッタ(PBS)1とを集積して構成されている。各々の偏波における各出力ポート間の直交性を保つために、各々の偏波に対し編込み構成の中に90度位相が付与されている。
本DPOHは入力ポートとして、信号光入力ポート5と局発光入力ポート6の二つを有しており、出力ポートとして二つの偏波それぞれにI相(In-Phase)、Q相(Quadrature-Phase)出力ポートがあり、I相、Q相ポートのそれぞれが180°位相反転する2つのポートから構成され、以上より合計8つの出力ポート7,8,9,10,11,12,13,14が具備される。
なお、ポート7はXIpを、ポート8はXInを、ポート9はXQpを、ポート10はXQn、ポート11はYIpを、ポート12はYInを、ポート13はYQpを、ポート14はYQnを、出力するポートである。
光QPSK信号の復調には信号光入力ポート5にDP-QPSK光信号を入力し、局発光入力ポート6にCW局発光を入力し、出力側は8つのポート7〜14のうち互いに直交する4つのポートを選択し、4つの光出力を高速の光電変換により電気信号に変換した後、ディジタル演算処理を施すことによって復調処理が行われる。
ここで、より正確に復調を行うには光90度ハイブリッドのI相、Q相出力ポート間の直交関係が精密に設定される必要がある。このように精度の高い光90度ハイブリッドを実現するには、高精度な直交位相の測定方法が必須となる。
[従来技術]
図8に従来の光90度ハイブリッドの直交位相の測定方法を示す(非特許文献1参照)。本測定法では光90度ハイブリッドを含むDPOH16の前段に遅延干渉部15を設ける。なお、図8において、17は信号光入力ポート、18〜25は出力ポートであり、ポート18はXIpを、ポート19はXInを、ポート20はXQpを、ポート21はXQn、ポート22はYIpを、ポート23はYInを、ポート24はYQpを、ポート25はYQnを、出力するポートである。
図9に8つの出力ポート18〜25(♯1〜♯8)の光スペクトルを示す。各偏波の4つのスペクトルが等間隔にならび、互いに直交関係にあることがわかる。
図10に本スペクトルから求められた直交部の位相測定結果を示す。C帯波長全域において90度±5度で直交位相が設定されていることがわかる。このように本測定法ではスペクトルを測ることで簡易に直交位相を求めることができる。
しかしながら、チップ(DPОH16)の前段に、光QPSK信号復調では本来不要な遅延干渉部15を設ける必要がある。
さらに、位相測定後に復調部を構成するため、この遅延干渉部15を切り落とさねばならず、遅延干渉部15の確保はチップの個取りを低減し、また、遅延干渉部15の切り落としは製造工程に本来必要のない無駄な工程の割り込みを招く。
これに対し、図11に示すように、光90度ハイブリッドの直交位相を測定する方法が考案されている(非特許文献2参照)。本方式では、信号光源26から発生した単一波長のレーザ光を3dBカプラ27により分岐し、分岐した一方のレーザ光をDPOH29の局発光入力ポートに入力し、分岐した他方のレーザ光を偏波コントローラ28aに通してからAO(Acousto-Optic)変調器(周波数シフタ28b)により周波数をf[Hz]シフトさせたのちにDPOH29の信号光入力ポートに入力する。
そして、直交関係を期待される二つの出力ポート(X偏波またはY偏波のI相とQ相、例えば#1と#3)をフォトディテクタ30,31に入力し、その電気信号をオシロスコープ32に接続しXY平面描画させる。ここでオシロスコープ32に描画されたリサージュ図形の楕円率から直交位相を求めることが出来る。
本測定方法においてAO変調器の変調はMHzオーダーであることからオシロスコープ32は低速〜中速のもので良く、簡易な測定方法として優れる。
Yohei Sakamaki, Yusuke Nasu, Toshikazu Hashimoto, Kuninori Hattori, Takashi Saida, Hiroshi Takahashi, "Reduction of phase-difference deviation in 90° optical hybrid over wide wavelength range", IEICE Electronics Express, vol. 7, No. 3, pp216-221, 2010. 長島茂雄,大塚勇治,坂巻陽平,那須悠介,鈴木賢哉,"ヘテロダイン法による光90度ハイブリッドの位相差測定",2010春電子情報通信学会総合大会,C-3-49,仙台,2010年3月.
しかしながら、従来のAO変調器を用いた測定方法では、追加部品としてAO変調器が必要となる。AO変調器は通常高電圧で駆動させる必要があることから、専用の高電圧ドライバも必要となる。これらAO変調器、ドライバのコストアップは経済性を追求する光トランシーバ部品の検査工程においては大きな障害となる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記光90度ハイブリッドの直交位相測定において、コストアップ要因となる特殊な部品を用いることが必須であるという問題を解決することにある。
上記課題を解決する本発明の光部品の位相測定方法の構成は、
光QPSK信号を復調する光90度ハイブリッドの信号光入力ポートと局発光入力ポートのそれぞれに単一波長レーザ光を入力し、
前記光90度ハイブリッドの出力ポートのうちI相信号及びQ相信号を出力する2ポートの出力光を光電変換し、
光電変換により得られた2つの電気信号の一方をX軸、他方をY軸としてXY平面上に描画してリサージュ図形として描画し、
X軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離と、Y軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離との比より、前記光90度ハイブリッドの直交位相を測定することを特徴とする。
また本発明の光部品の位相測定方法の構成は、
前記比を楕円率と定義し、この楕円率から直交角度ずれを判定することにより、前記光90度ハイブリッドの直交位相を測定することを特徴とする。
また本発明の光部品の位相測定装置の構成は、
光QPSK信号を復調する光90度ハイブリッドの信号光入力ポートに、単一波長レーザ光を入力する第1の信号光源と、
光QPSK信号を復調する光90度ハイブリッドの局発光入力ポートに、単一波長レーザ光を入力する第2の信号光源と、
前記光90度ハイブリッドの出力ポートのうちI相信号及びQ相信号を出力する2ポートの出力光を光電変換する光電変換部と、
光電変換により得られた2つの電気信号の一方をX軸、他方をY軸としてXY平面上に描画してリサージュ図形として描画すると共に、X軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離と、Y軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離との比を視認できるように表示するオシロスコープとを有することを特徴とする。
また本発明の光部品の位相測定装置の構成は、
前記光電変換部が、バランスレシーバとリニアアンプで構成され、
前記オシロスコープが、リアルタイムオシロスコープであることを特徴とする。
また本発明の光部品の位相測定装置の構成は、
前記信号光入力ポートに入力する単一波長レーザ光の光周波数と、前記局発光入力ポートに入力する単一波長レーザ光の光周波数の差周波数が、前記光電変換部の帯域より小さく、かつ、前記リアルタイムオシロスコープの帯域より小さいことを特徴とする。
本発明により、特殊な光部品を用いることなく、精密に光90度ハイブリッド部品の直交位相を測定することが可能となる。
さらに、2台の単一波長レーザ光源を単純に入力ポートに接続し、電気出力をオシロスコープに接続するだけで測定が実施できることから、OIFで標準化が進んでいる光90度ハイブリッドと光電変換器を一体化した一体集積型受信器(Integrated Dual Polarization Intradyne Coherent Receiver)における光90度ハイブリッドの直交位相の測定においてより効果を発揮する。
特に、トランシーバの組み立て工程における検査では、2台の単一波長レーザ光源はトランシーバの局発光源及び信号光源を変調器をバイパスして折り返して利用することが可能であることから、オシロスコープ以外追加の光部品は不要となる。また、オシロスコープは汎用のもので良い。
以上より、特殊な光部品を使うことなく、簡易に、かつ、高精度に光90度ハイブリッドの直交位相を測定することができる。
本発明の実施例1に係る光90度ハイブリッドの直交位相の測定方法の基本構成を示す構成図。 本発明の実施例1に係る光90度ハイブリッドの直交位相の測定方法により測定された測定結果を示す図。 本発明の実施例2に係る光90度ハイブリッドの直交位相の測定方法の基本構成を示す構成図。 本発明の実施例3の直交位相の測定方法により測定された測定結果を示す図。 本発明の実施例4の直交位相の測定方法により測定された測定結果を示す図。 本発明の実施例5の直交位相の測定方法により測定された測定結果を示す図。 一般的なDPOH(Dual Polarization Optical Hybrid)を示す構成図。 従来の光90度ハイブリッドの直交位相の測定方法の基本構成を示す構成図。 従来の測定方法により得た光スペクトルを示す特性図。 スペクトルから求められた直交部の位相測定結果を示す特性図。 従来の光90度ハイブリッドの直交位相の測定方法の基本構成を示す構成図。
本発明に好適な実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る光90度ハイブリッド直交位相測定方法の基本構成を示す図である。
図1に示すように、光90度ハイブリッド35には、信号光入力ポート35Sに接続された信号光源33から単一波長レーザ光が入力され、局発光入力ポート35Lに接続された信号光源34から単一波長レーザ光が入力される。
更に、光90度ハイブリッド35の出力ポート35a(♯1),35b(♯2),35c(♯3),35d(♯4)のうち、直交関係を期待される二つの出力ポート(例えば#1と#3)をフォトディテクタ36,37に接続して、出力光をフォトディテクタ36,37に送出する。フォトディテクタ36,37により光電変換して得たそれぞれの電気信号を、リアルタイムオシロスコープ38に入力し波形の観測及びXY平面に描画させる。
図2は光時間波形及びXY平面で描画したリサージュ図形の基本形である。これらの結果は数値シミュレーションにより得られたものである。
図2(a)には二つの出力ポートから出力される光時間波形が描画されている。各出力ポートからは二つの単一波長レーザの発振周波数の差周波にあたるビート波形が観測される。図2(a)では時間周期を規格化しているが、例えば二つのレーザ光間のビート周波数が200MHzであった場合、周期は5nsecとなる。
このようにQPSK変調で用いられる単一波長レーザは線幅が細く光周波数が十分に安定な単色光を発生することから、観測される光ビート波形は光電変換でリニアに電気信号に変換・増幅されれば理想的なsin波を描く。
なお、この光時間波形では振幅を理想状態として1で規格化し、また、時間軸も一周期を1で規格化している。さらに、この光時間波形はACモードで描画しており、0を中心に上下に振幅が現れるよう表現されている。
ここで、光90度ハイブリッドの二つの出力ポート間が完全な直交関係にある場合、図2(a)に示すように、観測される光ビート波形間の位相差が90度となる。従って、この二つの信号をXY平面上で描画すると図2(b)のように円を描く。このように、一般的にsin波とcos波のように互いに位相が90度の関係にある波形をXY平面でリサージュ図形として描画させると真円となる。
ここで、図2(b)の斜めの軸(点線と実線、方位角45度の軸)とリサージュ図形が交差する点(AとB)の原点からの距離の比(AO/BO)を楕円率と定義すると、光90度ハイブリッドの二つの出力ポート間が完全な直交関係にある場合、楕円率は1となる。
本実施例では出力ポートとして#1と#3を選定したが、差動出力である#2と#4をフォトディテクタ36,37に接続しても良い。すなわち、組み合わせとしては(#1,#3)、(#1,#4) 、(#2,#3) 、(#2,#4)が考えられる。また、どちらを(#1か#3、#2か#4)リアルタイムオシロスコープ38のX軸側/Y軸側に接続するかは不問である。
なお、本実施例では一般的な光90度ハイブリッド光部品の直交位相測定方法を示しており、光90度ハイブリッド光部品としての材質や構成には依存しない。つまり、本測定法は、光90度ハイブリッド光部品としてバルク光学部品を組み合わせた空間光学系や、シリカガラス、シリコン、リチウムナイオベイト、インジウムリンなどの誘電体で構成された光導波路系に適用可能である。
また、本実施例では、光90度ハイブリッドの直交位相を測定する構成を示したが、従来技術で記述したDPOHの直交位相測定に用いることも可能である。さらには、冒頭でもふれたOIFで仕様化されたIntegrated Dual Polarization Intradyne Coherent Receiver(一体集積型受信器)が最近注目されているが、本発明はこの一体集積型受信器への適用も有効である。
次に、本発明を一体集積型受信器へ適用した場合の具体例を実施例2で示す。
図3は、偏波ビームスプリッタ(PBS)42、ビームスプリッタ(BS)43、光90度ハイブリッド44,45、バランスディテクタ46,47,48,49、リニアアンプ50,51,52,53を一体集積した一体集積型受信器(Integrated Dual Polarization Intradyne Coherent Receiver)41の直交位相測定方法を示す。
一体集積型受信器(Integrated Dual Polarization Intradyne Coherent Receiver)41には、信号光入力ポート41Sに接続された信号光源39から単一波長レーザ光が入力され、局発光入力ポート41Lに接続された信号光源40から単一波長レーザ光が入力される。
更に、一体集積型受信器41の出力ポート♯1〜♯8のうち、直交関係を期待される二つの出力ポート(例えば#1と#3)をリアルタイムオシロスコープ54に接続し波形の観測及びXY平面に描画させる。
実施例1同様、本構成によりリサージュ図形を描画し、楕円率を求めることで、一体集積型受信器41に内蔵されている光90度ハイブリッド44の直交位相を測定することが出来る。
本実施例では一体集積型受信器41の二つの被測定出力ポートとして#1と#3を組み合わせることでX偏波側の直交位相の測定構成例を示したが、差動出力の別ポート、すなわち、#2と#4を組み合わせることでも同様にX偏波側の直交位相の測定が可能となる。この場合、組み合わせとしては(#1,#3)、(#1,#4) 、(#2,#3) 、(#2,#4)が考えられる。
さらに、Y偏波側の直交位相を測定するには、二つの被測定出力ポートとして#5と#7を組み合わせるか、またはその差動出力対である#6と#8を組み合わせることで可能となる。この場合、組み合わせとしては(#5,#7)、(#5,#8) 、(#6,#7) 、(#6,#8)が考えられる。
例えば、一体集積型受信器41の出力ポート♯1〜♯8のうち、直交関係を期待される二つの出力ポート(例えば#5と#7)をリアルタイムオシロスコープ54に接続し、波形の観測及びXY平面への描画をし、リサージュ図形を描画し、楕円率を求めることで、一体集積型受信器41に内蔵されているもう一つの光90度ハイブリッド45の直交位相を測定することが出来る。
なお、本実施例では一体集積型受信器41の直交位相を測定する構成法を示したが、一体集積型受信器であればその中身(構成や素材)に左右されるものではない。すなわち、光90度ハイブリッドが空間光学系や光導波路系、フォトディテクタが面型や光導波路型、リニアアンプがInP系やSiGe系やGaAs系であっても、本実施例に示す構成により直交位相を測定することができる。
本実施例では、光90度ハイブリッドの直交位相が90度からずれた場合を説明する。
図4は光90度ハイブリッドの直交位相が20度ずれた場合(直交角度70度に相当)のリサージュ図形である。これらの結果は実施例1同様数値シミュレーションにより得られたものである。
図4(a)は二つの出力ポートから出力される光時間波形である。実施例1同様、各出力ポートからは二つの単一波長レーザの発振周波数の差周波にあたるビート波形が観測されるが、観測される光ビート波形間の位相差が90度からずれていることがわかる。その結果、この二つの信号をXY平面上で描画すると図4(b)のように楕円を描く。
ここで、実施例1同様図4(b)の斜めの軸(点線と実線)とリサージュ図形が交差する点(AとB)の原点からの距離の比(AO/BO)を楕円率と定義すると、光90度ハイブリッドの直交位相が20度ずれた場合、楕円率は約1.43となる。
本実施例では、光90度ハイブリッドの直交位相が90度であるが、二つの出力ポートからの光時間波形の強度が異なる場合を示す。
図5は光90度ハイブリッドの直交位相が90度で振幅が30%ずれた場合(二つの光時間波形の振幅が1.3と0.7に相当)の光時間波形とリサージュ図形である。これらの結果は実施例1同様数値シミュレーションにより得られたものである。
実施例1同様、各出力ポートからは二つの単一波長レーザの発振周波数の差周波にあたるビート波形が観測され、観測される光ビート波形間の位相差が90度となっていることがわかる。この二つの信号をXY平面上で描画すると実施例1と異なり位相が90度であるにもかかわらず楕円を描く。
ここで、実施例1同様、図5(b)の斜めの軸(点線と実線)とリサージュ図形が交差する点(AとB)の原点からの距離の比(AO/BO)を楕円率と定義すると、光90度ハイブリッドの出力振幅がずれた場合、楕円率は1となる。つまり、二つの出力ポートの光時間波形の振幅が異なる場合であっても、AO/BOで定義される楕円率は1となり、実施例1で示した90度の場合と同様な結果が得られる。このことから、二つの出力ポート間に振幅のずれが発生したとしても楕円率をAO/BOで定義することにより、直交位相と楕円率が一義的に決定することが明らかとなった。
なお、二つの出力ポート間に振幅のずれが発生する要因としては、光90度ハイブリッドのポート間光損失のばらつき、光電変換における電気信号への変換・増幅のばらつきなどが挙げられ、実際のデバイス特性としては必ずしも同一振幅になるとは限らない。
しかしながら、本測定法を用いれば、これらの振幅ずれ要因とは独立に直交部の位相を測定することが可能となる。なお、楕円率を求める際に簡易に求めるという利点から、二つの出力ポート間の振幅ずれをX軸、Y軸との交点の値が等しくなるよう規格化することは非常に有用である。
以上の実施例の総括として、直交角度ずれと楕円率の関係を図6に示す。この結果は実施例1、3、4同様数値シミュレーションにより得られたものである。
ただし、ここでは振幅のずれは規格化されており、リサージュ図形がX軸、Y軸と交差する点は1である。直交角度ずれが0の点は光90度ハイブリッドの直交が完全である場合(位相にして90度)であり、例えば、直交角度ずれが60度の点は光90度ハイブリッドの直交位相部が位相にして30度になっている場合を示す。
図6の実線で示されたシミュレーション結果より、位相が理想的な90度の場合、楕円率は1であり、位相が90度からずれるに従い楕円率が増加し、直交角度ずれが90度、つまり直交角度が0度の場合、楕円率は無限大になる。このように楕円率という指標を用いることで、角度ずれを一意に決定することが出来る。
さらに、実施例4に示したように、実デバイスで想定される振幅ずれに対し独立に(振幅に依存することなく)直交位相を測定することが可能となる。
なお、実施例1、3、4で楕円率が1以上になる結果を示しているが、長軸、短軸のとり方によって楕円率が1以下になる場合もあるが、これは逆数の関係になるだけであり、いずれにせよ直交位相を求めることが出来る点において本質的な差異はない。すなわち、実施例5の図6の点線に楕円率が1以下になる場合のシミュレーション結果を示している。この点線のシミュレーション結果は実線のシミュレーション結果の逆数をとったものである。
最後に、本位相測定方法の誤差要因と測定精度について述べる。
実施例5に示したように、二つの出力ポート間の振幅ずれは、本質的に本位相測定方法における誤差要因とはならないことが示された。本位相測定方法の誤差要因として挙げられるのは、光時間波形の時間方向へのずれであり、実際の測定において想定される時間方向のずれとしてチャネル間のスキューが挙げられる。
一例として、OIFのIntegrated Dual Polarization Intradyne Coherent Receiver におけるチャネルスキュー仕様を参照すると、規定は5psとなる。そこで、例えばビート周波数が200MHzで5psのスキュー成分が発生すると考える。この環境下で理想的な直交状態である光90度ハイブリッドを測定すると、シミュレーションより楕円率は約1.0063と求められる。
さらにこの楕円率のずれが位相測定誤差を発生させると想定し位相測定誤差を見積もると、上記ビート周波数200MHz、スキュー5psの環境下で楕円率が1と求められた場合、実際の光90度ハイブリッドの位相は90度ではなく、位相測定誤差として0.36度発生していることがシミュレーションにより求められる。一方、OIFの標準化において光90度ハイブリッド90度の位相ずれの許容範囲として±5度が決められている。
以上より、ジッター成分による位相測定誤差はOIF規定±5度の10%以下であり、±5度の検査を行うには十分な精度を保持していることが明白になった。
また、このシミュレーションより、ビート周波数を可能な限り小さくすることによって、ジッターによる誤差を低減できることがわかる。ただし、一般には信号光と局発光の周波数を微調整したとしても、光源の線幅などに起因し100MHz程度の周波数差は残存する。従って、本実施例でシミュレーションしたビート周波数200MHzは実際の測定で十分に実現できるものである。
以上で述べた実施例のすべてにおいて、光時間波形を取得しリサージュ図形を描画させるため、ビート周波数が光電変換部の帯域より小さく、かつ、リアルタイムオシロスコープの帯域より小さいことが必要条件となる。
また、すべての実施例においてビート周波数がある周波数で一定であると仮定しているが、ビート周波数は時間的に一定になる必要はなく、むしろ実際の単一波長レーザ光間の干渉によるビート周波数は時間的に揺らぐものである。つまり、本測定方法は2つの単一周波数レーザは光PLL制御のような周波数制御を行わない、いわゆるイントラダインによるものである。
しかし、本測定法に示したリサージュ図形を描画させることにより時間的に発生するビート周波数の揺らぎが発生したとしてもI相、Q相出力ポートからの光時間波形の位相関係は保存されるため、一意にリサージュ図形における楕円率に位相測定結果が反映される。
この意味において、より正確に直交位相を求めるために、ビート周波数が時間的に揺らぐにもかかわらず測定時間を長く取ることでリサージュ図形を平均化し、楕円率を求めることは非常に有効な手段である。これは特に、PLC技術で作製されるDPOHのように、本質的に直交位相が時間的にゆらぐことのないデバイスにおいて、時間平均をとることはより精密な測定を行ううえで効果的である。
さらに、本測定法は一般的な光90度ハイブリッドに適用できる他、本実施例で述べたようにDPOH、さらにはOIFで標準化が進む一体型のレシーバの光90度ハイブリッド部の位相測定に適用することができることを強調しておく。
本発明の光90度ハイブリッドの位相測定方法とその構成は、光通信ネットワークなどに使用される光通信機器に使用することができる。
1 偏波ビームスプリッタ(PBS : Polarization Beam Splitter)
2、35、44、45 光90度ハイブリッド
3 複屈折制御部
4 90度位相付与部
5 信号光入力ポート
6 局発光入力ポート
7〜14、18〜25 光90度ハイブリッド出力ポート
15 遅延干渉部
16、29 DPOH(Dual Polarization Optical Hybrid)
17 光信号入力ポート
26、33、34、39、40 信号光源
27 3dBカップラ
28a 偏波コントローラ
28b 周波数シフタ(AO:Acousto-Optic、変調器)
30、31、36、37 フォトディテクタ
32 オシロスコープ
38、54 リアルタイムオシロスコープ
41 Integrated Dual Polarization Intradyne Coherent Receiver(一体集積型受信器)
42 偏波ビームスプリッタ
43 ビームスプリッタ
46、47、48、49 バランスディテクタ
50、51、52、53 リニアアンプ

Claims (5)

  1. 光QPSK信号を復調する光90度ハイブリッドの信号光入力ポートと局発光入力ポートのそれぞれに単一波長レーザ光を入力し、
    前記光90度ハイブリッドの出力ポートのうちI相信号及びQ相信号を出力する2ポートの出力光を光電変換し、
    光電変換により得られた2つの電気信号の一方をX軸、他方をY軸としてXY平面上に描画してリサージュ図形として描画し、
    X軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離と、
    Y軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離との比より、前記光90度ハイブリッドの直交位相を測定することを特徴とする光部品の位相測定方法。
  2. 前記比を楕円率と定義し、この楕円率から直交角度ずれを判定することにより、前記光90度ハイブリッドの直交位相を測定することを特徴とする請求項1の光部品の位相測定方法。
  3. 光QPSK信号を復調する光90度ハイブリッドの信号光入力ポートに、単一波長レーザ光を入力する第1の信号光源と、
    光QPSK信号を復調する光90度ハイブリッドの局発光入力ポートに、単一波長レーザ光を入力する第2の信号光源と、
    前記光90度ハイブリッドの出力ポートのうちI相信号及びQ相信号を出力する2ポートの出力光を光電変換する光電変換部と、
    光電変換により得られた2つの電気信号の一方をX軸、他方をY軸としてXY平面上に描画してリサージュ図形として描画すると共に、X軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離と、Y軸から45度回転させた軸に前記リサージュ図形が接する接点と原点との間の距離との比を視認できるように表示するオシロスコープと、
    を有することを特徴とする光部品の位相測定装置。
  4. 前記光電変換部が、バランスレシーバとリニアアンプで構成され、
    前記オシロスコープが、リアルタイムオシロスコープであることを特徴とする請求項3の光部品の位相測定装置。
  5. 前記信号光入力ポートに入力する単一波長レーザ光の光周波数と、前記局発光入力ポートに入力する単一波長レーザ光の光周波数の差周波数が、前記光電変換部の帯域より小さく、かつ、前記リアルタイムオシロスコープの帯域より小さいことを特徴とする請求項4の光部品の位相測定装置。
JP2011065164A 2011-03-24 2011-03-24 光部品の位相測定方法と位相測定装置 Pending JP2012202728A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011065164A JP2012202728A (ja) 2011-03-24 2011-03-24 光部品の位相測定方法と位相測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011065164A JP2012202728A (ja) 2011-03-24 2011-03-24 光部品の位相測定方法と位相測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012202728A true JP2012202728A (ja) 2012-10-22

Family

ID=47183910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011065164A Pending JP2012202728A (ja) 2011-03-24 2011-03-24 光部品の位相測定方法と位相測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012202728A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015190952A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 トヨタ自動車株式会社 物体変位量検知信号処理装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04198927A (ja) * 1990-11-29 1992-07-20 Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> 光位相検波方式
JP2003222534A (ja) * 2001-11-21 2003-08-08 Mitsutoyo Corp 位相差誤差検出装置及びそれを用いた内挿誤差見積装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04198927A (ja) * 1990-11-29 1992-07-20 Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> 光位相検波方式
JP2003222534A (ja) * 2001-11-21 2003-08-08 Mitsutoyo Corp 位相差誤差検出装置及びそれを用いた内挿誤差見積装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015190952A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 トヨタ自動車株式会社 物体変位量検知信号処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9077454B2 (en) Optical detector for detecting optical signal beams, method to detect optical signals, and use of an optical detector to detect optical signals
EP0409260B1 (en) Receiver for coherent optical communication
US8285153B2 (en) Single chip two-polarization quadrature synthesizer, analyser and optical communications system using the same
EP1686707B1 (en) Optical receiver and optical reception method compatible with differential quadrature phase shift keying
JP3001943B2 (ja) 偏波スイッチング光源、光受信装置及びコヒーレント光伝送システム
US8526102B2 (en) PLC-type demodulator and optical transmission system
JP5737874B2 (ja) 復調器及び光送受信機
JP5339910B2 (ja) 光復調装置および方法
US9236940B2 (en) High bandwidth demodulator system and method
US9755759B2 (en) Polarisation-independent coherent optical receiver
EP0241039A2 (en) Optical-fibre transmission system with polarization modulation and heterodyne coherent detection
US20100196008A1 (en) Methods and apparatus for recovering first and second transmitted optical waves from a polarization multiplexed optical wave
JP4675796B2 (ja) 自動分散補償型光伝送システム
CN109150314A (zh) 变频移相一体化光子微波混频装置
JP2009182888A (ja) Dqpsk偏波多重方式に対応した光受信装置
US11757534B1 (en) Self-coherent receiver based on single delay interferometer
CN101860397B (zh) 连续平衡路径补偿的光电接收机及其补偿方法
CN115242315B (zh) 一种偏振无关的dqpsk解调集成光芯片
JP2012202728A (ja) 光部品の位相測定方法と位相測定装置
JPH0371729A (ja) コヒーレント光通信用受信装置
JP2020182059A (ja) モニタ受信器、測定方法及び光90°ハイブリット集積回路
US20120301158A1 (en) Optical Receiver

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130213

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20130304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140304