JP2012202682A - 電界イオン化イオン源の調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】常に最良の条件で測定できるように、アセトンを用いて簡単に行なえるGC−MS用の電界イオン化イオン源の調整方法を提供する。
【解決手段】ガスクロマトグラフ装置から導入される試料分子をエミッターとカソードによって挟まれた高電界空間に導入管を介して導入し、該高電界空間を利用して試料分子をイオン化させる電界イオン化イオン源の調整方法であって、標準試料を前記導入管を介して前記高電界空間に導入し、生成された標準試料のイオンに基づいてイオン化条件を調整するようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、汎用性が高く、感度の最適化を容易に行なうことのできるGC−MS用の電界イオン化イオン源の調整方法に関する。
電界イオン化(Field Ionization:FI)は、試料をガス化して、ガス分子を強い電界を発生するエミッターに直接接触させることにより、試料をイオン化させる方法である。FIイオン源は、質量分析計(MS)に用いられるイオン源のうち、最もソフトなイオン化を行なえるイオン源のひとつとして広く知られている。
図1は、典型的なFIイオン源の構造を示したものである。図中101は、エミッターである。エミッター101は、通常、ウィスカーと呼ばれるヒゲ状の炭素材を表面に成長させた導線により作られている。試料ガスは、イオン源の外部から試料直接導入装置102を介して、真空にしたイオン化室103の内部に導入される。
エミッター101と対向電極104との間には−10kV程度の大きな電位差が設けられているので、エミッター101と接触した試料ガス分子は、その最外郭軌道にある電子が高電界を生じたエミッター101表面に向けてトンネル現象によってトンネリングされ、きわめて穏やかな条件下でイオン化される。生成したイオン105は、イオン集束用の対向電極104によりイオン化室103の外部に引き出され、図示しない質量分析部へと導入される。
図2は標準的なガスクロマトグラフ(GC)用FIイオン源のイオン化システムである。システムは、FIイオン源14、標準試料導入部1、GCインターフェイス3、GC4で構成される。
標準試料導入部1はロータリーポンプ(RP)7、FIイオン源14はロータリーポンプ(RP)7とターボモレキュラーポンプ(TMP)6でそれぞれ排気され、真空下に置かれている。
GCは、ガスボンベ8から供給されるヘリウムなどのキャリアガスがカラム内を流れることによって動作する。カラムは温度制御されたオーブン内に置かれている。
試料は、スプリットレス導入部5のセプタムから導入され、キャリアガスとともに高温に熱せられたカラム内を展開され、異なる成分ごとに分離されて、インターフェイス3を経由して、イオン源2に送られる。
図3はイオン源2の内部である。試料分子のイオン化は、エミッター10に対してカソード13に−10kV程度の電圧を印加した状態で、試料分子をエミッター10に吹き付けることにより行なわれる。
一般的には、質量分析を開始する際に、イオン源の最適なチューニングを行なうことが必要となる。通常、チューニングに用いられる標準試料には、気化しやすく、高感度で検出が可能なアセトンが用いられる。チューニング作業は、次のような手順で行なわれる。
1.エミッター10がGCキャピラリーカラム9の延長線上に来るように、目測で前後させて位置を合わせる。
2.アセトンを標準試料導入部1に溜めて、ニードルバルブなどで調節しながら、イオン源2の内部に送り込む。
3.エミッター10とカソード13の間に電位を供給し、アセトン分子のイオンを発生させ、レンズ12を調整しながら、最良の感度、分解能が得られるエミッター10の位置とレンズ12の条件をチューニングする。
4.イオン化の最良な条件が定まったら、アセトンを止めて、GCから測定試料を導入し、質量分析を開始する。
特許庁ホームページ、標準技術集、質量分析技術(マススペクトロメトリー)、1−2−6−7、電界イオン化(FI)。
発明協会公開技報、公技番号2010−501089。
特開昭53−26189号公報。
このようなFIイオン源において、GCで分離された試料は、GCキャピラリーカラム9の出口付近で拡散するため、エミッター10とGCキャピラリーカラム9との距離をかなり近づけてセットすることが求められる。
しかしながら、目測でエミッター10とGCキャピラリーカラム9の機械的な位置を合わせても、アセトン用の導入部とは別の導入部であるために、次のような理由により、アセトンで予め調整しておいても、最良な条件に必ずしも設定できない問題があった。
1.GCキャピラリーカラム9の出口のカット面が完全垂直ではないので、出口で試料が曲がって拡散してしまう。
2.エミッター10に高電位を印加すると、電位力でエミッター10が撓み、位置がずれてしまう。
3.FIのエミッター10とGCキャピラリーカラム9の出口との位置関係は、感度的に非常に微妙であり、目視では、必ずしも正確に合わせられない。
本発明の目的は、上述した点に鑑み、常に最良の条件で測定できるように、アセトンを用いて簡単に行なえるGC−MS用の電界イオン化イオン源の調整方法を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明にかかる電界イオン化イオン源の調整方法は、
ガスクロマトグラフ装置から導入される試料分子をエミッターとカソードによって挟まれた高電界空間に導入管を介して導入し、該高電界空間を利用して試料分子をイオン化させる電界イオン化イオン源の調整方法であって、
標準試料を前記導入管を介して前記高電界空間に導入し、生成された標準試料のイオンに基づいてイオン化条件を調整することを特徴としている。
また、前記イオン化の条件は、前記ガスクロマトグラフ装置の導入管と前記エミッターとの位置関係、前記エミッターと前記カソードに印加される電位、または電界イオン化イオン源の後段に置かれている質量分析装置へのイオンの収束条件を制御する電界イオン化イオン源に内蔵されたレンズに印加される電位のいずれか1つを含むことを特徴としている。
また、前記イオン化の条件の調整は、前記ガスクロマトグラフ装置の導入管と前記エミッターの位置関係を、該導入管の試料吹き出し口に対して、前記エミッターの位置の微調整が可能な微動機構を用い、前記カソードに高電圧を印加した状態または一時的に高電圧を切った状態で前記エミッターを前記試料吹き出し口に対して位置移動させることにより行ない、前記質量分析装置で観測されるイオン量が高電圧印加状態の中、最大レベルに達したとき、前記エミッターと前記試料吹き出し口との位置関係が最適になったと判断することを特徴としている。
また、前記標準試料は、前記ガスクロマトグラフ装置と電界イオン化イオン源とを結ぶインターフェイス部から電界イオン化イオン源に導入されることを特徴としている。
また、前記標準試料は、前記ガスクロマトグラフ装置へのキャリアガス導入ラインから導入されることを特徴としている。
また、前記標準試料は、前記ガスクロマトグラフ装置のセプタムから導入されることを特徴とする請求項1記載の電界イオン化イオン源。
また、上記標準試料導入路に加え、イオン源の器壁から直接導入できる標準試料導入路を併設したことを特徴としている。
また、前記標準試料は、アセトンであることを特徴としている。
本発明の電界イオン化イオン源の調整方法によれば、
ガスクロマトグラフ装置から導入される試料分子をエミッターとカソードによって挟まれた高電界空間に導入し、該高電界空間を利用して試料分子から電子を脱離させることにより試料分子をイオン化させる電界イオン化イオン源において、
試料分子のイオン化の条件を予め最適にチューニングする目的で用いられる標準試料を、ガスクロマトグラフ装置からの導入ラインを用いてイオン源に導入することにより決定できるようにしたので、
常に最良の条件で測定できるように、アセトンを用いて簡単に行なえるGC−MS用の電界イオン化イオン源の調整方法を提供することが可能になった。
従来のFIイオン源の一例を示す図である。 従来の標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン源のイオン化システムの一例を示す図である。 従来の標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン源の一例を示す図である。 本発明にかかる標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン化システムの一実施例を示す図である。 本発明にかかる標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン化システムの別の実施例を示す図である。 本発明にかかる標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン化システムの別の実施例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
図4は、本発明にかかる標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン化システムの一実施例を示す図である。
システムは、FIイオン源(イオン化室)14、標準試料導入部1、GCインターフェイス3、GC4で構成される。
標準試料導入部1はロータリーポンプ(RP)7、FIイオン源14はロータリーポンプ(RP)7とターボモレキュラーポンプ(TMP)6でそれぞれ排気され、真空下に置かれている。
GCは、ガスボンベ8から供給されるヘリウムなどのキャリアガスがカラム内を流れることによって動作する。カラムは温度制御されたオーブン内に置かれている。
試料は、スプリットレス導入部5のセプタムから導入され、キャリアガスとともに高温に熱せられたカラム内を展開され、異なる成分ごとに分離されて、インターフェイス3を経由して、イオン源2に送られる。
本実施例では、GC4内のキャピラリーカラム9の出口付近に三方ジョイント21を設けて、追加したラインに抵抗管22とアセトン23のラインを切り替えられる三方コック24を設ける。抵抗管22には、キャピラリーカラム9の10〜100倍程度の通過抵抗を有するものを用いる。
本実施例の動作は次の通りである。
1.本測定前のアセトンを用いたFIイオン源14のチューニングの際に、三方コック24をアセトン23側に切り替えると、気化しやすいアセトンは、減圧されている三方コック24側に流れ出し、三方ジョイント21とキャピラリーカラム9を通ってFIイオン源14に到達する。キャピラリーカラム9から出たアセトンは、エミッター10に触れてイオン化され、これによりMSを観測しながら、エミッター10の位置調整を含めた最適なチューニングが行なえる。
2.MSを観測しながらの、エミッター10の位置調整は、GCから延びたキャピラリーカラム9の試料吹き出し口に対して、10ミクロンのオーダーでエミッター10の前後動による位置の微調整が可能なマイクロメーターをFIイオン源に予め設けておき、対向電極に高電圧を印加した状態または一時的に高電圧を切った状態で、エミッター10をキャピラリーカラム9の試料吹き出し口に対してイオン光軸上を位置移動させることにより行なう。そして、MSで観測されるイオン量が高電圧印加状態の中、最大レベルに達したとき、エミッター10とキャピラリーカラム9の試料吹き出し口との位置関係がチューニングにより最適になったと判断する。
3.アセトンを用いたチューニングが終了したら、三方コック24を抵抗管22側に切り替える。切り替えたら、通常のGC試料に対してFIイオン源による質量分析測定を始める。尚、抵抗管22の使用目的は、三方ジョイント21のデッドボリュームによるGCクロマトピークのテーリングを抑えることである。
4.これにより、アセトンでチューニングされた最適条件とまったく同じ条件下で、未知試料のFIイオン化と質量分析を行なうことができる。
尚、本実施例と類似した試料導入系を備えたガスクロマトグラフ質量分析装置として、特開昭54−92388号公報の第1図に開示されたガスクロマトグラフ質量分析装置がすでに知られている。ところが、その時代には、ガラス管の内壁に液相を設けた内径1mm以下のキャピラリーカラムはまだ実用化されておらず、ほとんどすべてが内径2〜3mmを超えるパックドカラムであった。パックドカラムには液相がなく、吸着剤がガラス管内に直接充填されていた。
パックドカラムの場合、試料の分離に多量のキャリアガスを必要とし、カラムの出口付近ではガスが多すぎるので、ジェットセパレーターでHeガスなどのキャリアガス(軽い成分)を取り除き、重い試料成分のみを選別して、イオン化室内に導入することが行なわれていた。このようなガスクロマトグラフ質量分析装置は、高感度化のために精密な位置合わせを必要とするFIには適しておらず、実際、ラフな調整で高感度が得られるEI/CI専用であることが多く、FIに応用されたことはほとんどなかった。
今回の発明は、ガラス管の内壁に液相を設けた内径1mm以下のキャピラリーカラムに用いて好適なFIガスクロマトグラフ質量分析装置である。特開昭54−92388号公報の例との根本的な違いは、キャピラリーカラムの出口部とエミッターとの位置関係を、マイクロメーターを用いることにより、10ミクロン単位で精密に微調整ができるように構成されている点である。
従来のFIでは、標準試料のアセトンをイオン化室内に大量に導入し、後段の質量分析部に誘導する際に重要となるイオン集束用の対向電極のチューニングを行なうことで、取りあえず良しとしていた。しかしながら、イオン化室内に大量の標準試料を導入したのでは、イオン集束用の対向電極のチューニングには問題がないとしても、キャピラリーカラムの出口部とエミッターとの位置関係の精密なチューニングは、ほとんどできないのが実際であった。
本発明では、ガスクロマトグラフで実際に用いられているキャピラリーカラムの出口部から、少量の標準試料のアセトンをエミッターの近傍に導入して、キャピラリーカラムの出口部とエミッターとの位置関係を、マススペクトルをモニターしながらマイクロメーターで精密に微調整することにより、初めてFIの高感度化のために有効なチューニングを行なえるようにした。
[実施例2]
図5は、本発明にかかる標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン化システムの別の実施例を示す図である。
システムは、FIイオン源(イオン化室)14、標準試料導入部1、GCインターフェイス3、GC4で構成される。
標準試料導入部1はロータリーポンプ(RP)7、FIイオン源14はロータリーポンプ(RP)7とターボモレキュラーポンプ(TMP)6でそれぞれ排気され、真空下に置かれている。
GCは、ガスボンベ8から供給されるヘリウムなどのキャリアガスがカラム内を流れることによって動作する。カラムは温度制御されたオーブン内に置かれている。
試料は、スプリットレス導入部5のセプタムから導入され、キャリアガスとともに高温に熱せられたカラム内を展開され、異なる成分ごとに分離されて、インターフェイス3を経由して、イオン源2に送られる。
本実施例では、スプリットレス導入部5のキャリアガスラインに切り替えコック16を設けて、アセトン15のラインに接続させる構成である。
本実施例の動作は次の通りである。
1.本測定前のアセトンを用いたFIイオン源14のチューニングの際に、切り替えコック16をアセトン15側に切り替えると、気化しやすいアセトンは、キャリアガスに乗ってスプリットレス導入部5の側に流れ出し、GC4とGCインターフェイス3を通ってFIイオン源14に到達する。キャピラリーカラム9から出たアセトンは、エミッター10に触れてイオン化され、これによりMSを観測しながら、エミッター10の位置調整を含めた最適なチューニングが行なえる。このとき、GCのオーブン温度を予め室温にしておき、アセトンがカラム液層を犯さないようにする。
2.MSを観測しながらの、エミッター10の位置調整は、GCから延びたキャピラリーカラム9の試料吹き出し口に対して、10ミクロンのオーダーでエミッター10の前後動による位置の微調整が可能なマイクロメーターをFIイオン源に予め設けておき、対向電極に高電圧を印加した状態または一時的に高電圧を切った状態で、エミッター10をキャピラリーカラム9の試料吹き出し口に対してイオン光軸上を位置移動させることにより行なう。そして、MSで観測されるイオン量が高電圧印加状態の中、最大レベルに達したとき、エミッター10とキャピラリーカラム9の試料吹き出し口との位置関係がチューニングにより最適になったと判断する。
3.アセトンを用いたチューニングが終了したら、切り替えコック16をガスボンベ8側に切り替える。切り替えたら、通常のGC試料に対してFIイオン源による質量分析測定を始める。この段階になれば、GCのオーブン温度を上昇させても、もはや問題はない。
4.これにより、アセトンでチューニングされた最適条件とまったく同じ条件下で、未知試料のFIイオン化と質量分析を行なうことができる。
[実施例3]
図6は、本発明にかかる標準的なガスクロマトグラフ用FIイオン化システムの別の実施例を示す図である。
本実施例は、実施例2の変形で、ヘリウムガスラインを独自に設けて、スプリットレス導入部5のセプタム17からアセトンを導入して、FIイオン源のチューニングを行なう方法である。
本実施例の動作は次の通りである。
1.本測定前のアセトンを用いたFIイオン源14のチューニングの際に、アセトンを通したキャリアガスをスプリットレス導入部5のセプタム17から導入すると、気化しやすいアセトンは、キャリアガスに乗ってスプリットレス導入部5からGC4に導入され、GC4とGCインターフェイス3を通ってFIイオン源14に到達する。キャピラリーカラム9から出たアセトンは、エミッター10に触れてイオン化され、これによりMSを観測しながら、エミッター10の位置調整を含めた最適なチューニングが行なえる。このとき、GCのオーブン温度を予め室温にしておき、アセトンがカラム液層を犯さないようにする。
2.MSを観測しながらの、エミッター10の位置調整は、GCから延びたキャピラリーカラム9の試料吹き出し口に対して、10ミクロンのオーダーでエミッター10の前後動による位置の微調整が可能なマイクロメーターをFIイオン源に予め設けておき、対向電極に高電圧を印加した状態または一時的に高電圧を切った状態で、エミッター10をキャピラリーカラム9の試料吹き出し口に対してイオン光軸上を位置移動させることにより行なう。そして、MSで観測されるイオン量が高電圧印加状態の中、最大レベルに達したとき、エミッター10とキャピラリーカラム9の試料吹き出し口との位置関係がチューニングにより最適になったと判断する。
3.アセトンを用いたチューニングが終了したら、スプリットレス導入部5のセプタム17からアセトンのラインを取り外す。その後、通常のGC試料に対してFIイオン源による質量分析測定を始める。この段階になれば、GCのオーブン温度を上昇させても、もはや問題はない。
4.これにより、アセトンでチューニングされた最適条件とまったく同じ条件下で、未知試料のFIイオン化と質量分析を行なうことができる。
[実施例4]
FIイオン化法とは別に、エミッターに試料を付着させてエミッターに通電して昇温させ、試料イオンを生成させるFD(Field Desorption、電界脱離)イオン化法としてエミッターを用いる場合には、エミッター10とキャピラリーカラム9の試料吹き出し口との位置関係のチューニングは必要ない。
すなわち、FDイオン化法では細かな位置調整が省けるので、従来の装置を示す図2の標準試料導入部1を削除せずに残しておき、FDイオン化法でレンズ電極のチューニングをアセトンで行なう際の、チューニング用標準試料導入部として利用しても良い。そうすれば、FIだけでなく、FDにも対応可能なイオン源となる。
さらに、FIのチューニングにおいても、粗調整(Coarse)の場合には従来の標準試料導入部1をアセトン導入路として使用し、精密調整(Fine)の段階になってから本発明のGCのキャピラリーカラム側からアセトンを流す方式を利用することも考えられる。なぜなら、キャピラリーカラム内に長時間アセトンを流し続けると、カラムの液層を溶かしてしまう危険性があるからである。
ゆえに、本実施例のように構成することにより、FIとFDの両方のイオン化法に対応した、優れたイオン源を提供することが可能になる。
1:標準試料導入部、2:イオン源、3:GCインターフェイス、4:GC、5:スプリットレス導入部、6:ターボモレキュラーポンプ、7:ロータリーポンプ、8:ガスボンベ、9:キャピラリーカラム、10:エミッター、11:アセトン、12:レンズ、13:カソード、14:FIイオン源(イオン化室)、15:アセトン、16:切り替えコック、17:セプタム、21:三方ジョイント、22:抵抗管、23:アセトン、24:三方コック

Claims (8)

  1. ガスクロマトグラフ装置から導入される試料分子をエミッターとカソードによって挟まれた高電界空間に導入管を介して導入し、該高電界空間を利用して試料分子をイオン化させる電界イオン化イオン源の調整方法であって、
    標準試料を前記導入管を介して前記高電界空間に導入し、生成された標準試料のイオンに基づいてイオン化条件を調整することを特徴とする電界イオン化イオン源の調整方法。
  2. 前記イオン化の条件は、前記ガスクロマトグラフ装置の導入管と前記エミッターとの位置関係、前記エミッターと前記カソードに印加される電位、または電界イオン化イオン源の後段に置かれている質量分析装置へのイオンの収束条件を制御する電界イオン化イオン源に内蔵されたレンズに印加される電位のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1記載の電界イオン化イオン源の調整方法。
  3. 前記イオン化の条件の調整は、前記ガスクロマトグラフ装置の導入管と前記エミッターの位置関係を、該導入管の試料吹き出し口に対して、前記エミッターの位置の微調整が可能な微動機構を用い、前記カソードに高電圧を印加した状態または一時的に高電圧を切った状態で前記エミッターを前記試料吹き出し口に対して位置移動させることにより行ない、前記質量分析装置で観測されるイオン量が高電圧印加状態の中、最大レベルに達したとき、前記エミッターと前記試料吹き出し口との位置関係が最適になったと判断することを特徴とする請求項2記載の電界イオン化イオン源の調整方法。
  4. 前記標準試料は、前記ガスクロマトグラフ装置と電界イオン化イオン源とを結ぶインターフェイス部から電界イオン化イオン源に導入されることを特徴とする請求項1記載の電界イオン化イオン源の調整方法。
  5. 前記標準試料は、前記ガスクロマトグラフ装置へのキャリアガス導入ラインから導入されることを特徴とする請求項1記載の電界イオン化イオン源の調整方法。
  6. 前記標準試料は、前記ガスクロマトグラフ装置のセプタムから導入されることを特徴とする請求項1記載の電界イオン化イオン源の調整方法。
  7. 請求項4、5、または6記載の標準試料導入路に加え、イオン源の器壁から直接導入できる標準試料導入路を併設したことを特徴とする電界イオン化イオン源の調整方法。
  8. 前記標準試料は、アセトンであることを特徴とする請求項1記載の電界イオン化イオン源の調整方法。
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