JP2012201341A - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構造で、膨張完了時にエアバッグの端縁側が前後方向の中央側へ移動することを抑制できる頭部保護エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】頭部保護エアバッグ装置は、エアバッグ21が、前後方向に並設された複数の取付部37を車体側の取付座に取り付けて、車両の窓の上縁側に折り畳まれて収納される。後端に配置される取付部が、端側膨張部28の上方側に配置されて、膨張完了時の端側膨張部28の前方への移動を抑制可能に、上向きの引張力を作用させる引上げ用取付部37Fとする。取付部37Fを除いた取付部37を、対応する各取付座3を結んで平らに展開してなる展開取付ラインLM上の各取付座の配置位置に配置させつつ、端側膨張部28を非膨張の状態で平らに展開させて配置させた際に、取付部37Fは、展開取付ラインLM上の取付部37F用の取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DL分、下方に配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載されて、車両の側面衝突時に、乗員の頭部を保護可能なエアバッグを、車両の窓の車内側を覆うように、窓の上縁側から下方に展開膨張させる頭部保護エアバッグ装置に関する。
従来、頭部保護エアバッグ装置としては、エアバッグが、膨張用ガスの流入時、車両の窓の車内側(室内側)を覆うように、窓の上縁側から下方に展開膨張する構成としていた(例えば、特許文献1,2参照)。このエアバッグは、平らに展開した状態の下縁側を上縁側に接近させるように折り畳み、前後方向に並設された複数の取付部を車体側に取り付けて、車両の車内側の窓の上縁側に収納されていた。そして、エアバッグは、膨張すれば、エアバッグの下縁側に前後方向に縮まろうとする張力が発生し、前後方向の寸法が狭まれば、乗員を受け止める面積が狭まってしまう。
また、エアバッグの前端側には、車内側に乗員を拘束させておく拘束性能を向上させるために、エアバッグの下縁側に前後方向の張力を発生させるように、フロントピラー側に連結させる連結ベルトやテザー等の張力発揮用連結部が、配設されていた。
特開2005−350019号公報 特開2003−48504号公報
しかし、従来のエアバッグにおいて、連結ベルト等を設けていない後縁側では、膨張完了時、エアバッグの前後方向の中央側、すなわち、前方に移動することが避けられない。そこで、その移動分を見越して、膨張部のエリアを後縁側に延ばすように、膨張部の容積を広げて対処することになり、膨張用ガスを供給するインフレーターとして、大きな出力のものが必要となっていた。
この対処として、エアバッグの前後両端に、前後方向に延びる連結ベルト等の連結材を結合させることが考えられる。しかし、このようなエアバッグの前後両端に連結材を設ける構造では、エアバッグの車体への取付部間を結ぶ全体の長さより、膨張完了時の前後の連結材を含めたエアバッグの下縁側の前後方向の長さが短くなることから、エアバッグの下縁側を上縁側に接近させるように折り畳んで収納する際、長さ寸法が足りず、エアバッグを窓の上縁側の周縁に沿わせて収納することができない。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、簡便な構造で、膨張完了時にエアバッグの端縁側が前後方向の中央側へ移動することを抑制できる頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
<請求項1の説明>
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、エアバッグが、
膨張用ガスの流入時、車両の窓の車内側を覆うように、前記窓の上縁側から下方に展開膨張する構成とするとともに、
平らに展開した状態の下縁側を上縁側に接近させるように折り畳み、前後方向に並設された複数の取付部を対応する車体側の各取付座に取り付けて、前記車両の車内側の窓の上縁側に収納され、
前後方向の端部に、乗員頭部を保護可能に、膨張用ガスを流入させて車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨張する端側膨張部を配設させて構成される頭部保護エアバッグ装置であって、
複数の前記取付部の内で、前記エアバッグの端部側に配置される前記取付部が、
前記端側膨張部の上方側に配置されるとともに、
車両搭載状態での膨張完了時における前記端側膨張部の前記エアバッグの前後方向の中央側への移動を抑制可能に、前記後側膨張部の端縁側に対し、上向きの引張力を作用させる引上げ用取付部として、配設され、
前記各取付座を結んだ取付ラインであって、高さを維持した状態で、前後方向に沿った鉛直面上に展開させた展開取付ラインに対し、前記引上げ用取付部を除いた前記取付部を、前記展開取付ライン上の対応する前記各取付座の配置位置に配置させつつ、前記端側膨張部を非膨張の平らに展開させて配置させた際に、前記引上げ用取付部が、
前記展開取付ライン上の前記引上げ用取付部を取り付けるための前記取付座の配置位置より、下方に配置されるように、
配設されていることを特徴とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグにおける引上げ用取付部を除いた取付部を、展開取付ライン上の対応する各取付座の配置位置に配置させつつ、端側膨張部を非膨張の平らに展開させて配置させた際に、エアバッグの引上げ用取付部が、展開取付ライン上の引上げ用取付部を取り付けるための取付座の配置位置より、落差寸法を生じさせて、下方に配置されている。すなわち、引上げ用取付部が、展開取付ライン上の対応する取付座の配置位置より、落差寸法分、下方に配置されていることから、車両搭載状態でエアバッグが膨張を完了させれば、引上げ用取付部が、落差寸法分、逆に、上向きの引張力を端側膨張部の端縁側に作用させる。その結果、エアバッグは、引上げ用取付部に隣接するエアバッグの中央側の取付部を回転中心とするように、エアバッグの端側膨張部が、上方へ引っ張られて、エアバッグの端縁におけるエアバッグの中央側への移動が、抑制される。
そして、このような作用が、エアバッグの端側の引上げ用取付部を、単に、車体側の各取付座を結んで形成した展開取付ライン上の対応する取付座の配置位置より、落差寸法分、下方に配置させるだけで、達成できることから、簡便に構成できる。
また、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、引上げ用取付部とこの引上げ用取付部に隣接するエアバッグの中央側方向の取付部との間の直線距離は、展開取付ライン上の対応する取付座間の離隔距離(取付スパン)より、引上げ用取付部が下がって配置されている分、長くなる。そのため、エアバッグの下縁側を上縁側に接近させるように折り畳んでエアバッグを車両に搭載した際には、引上げ用取付部と引上げ用取付部に隣接するエアバッグの中央側方向の取付部との間は、若干の弛みを発生させるような余裕がある。この余裕は、膨張完了時の端側膨張部の端縁におけるエアバッグ中央側方向への収縮を、吸収できることから、引上げ用取付部自体の引上げ作用の他に、エアバッグの取付部間の余裕によっても、膨張完了時にエアバッグの端縁側が前後方向の中央側へ移動することを抑制できる。
したがって、本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、簡便な構造で、膨張完了時にエアバッグの端縁側が前後方向の中央側へ移動することを抑制できる。
特に、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグの端縁に、エアバッグから前後方向に沿って離れるボディ側の部位に先端を取り付けるような連結ベルトやテザー等の連結材を、別途、設けずに、端側膨張部のエリアの収縮を防止できる。そのため、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグの端縁側のボディ側にスペースの無い車両に、好適に搭載することができる。
なお、本発明の作用効果は、エアバッグの端側の取付部を、単に、隣接するエアバッグの中央側の取付部より、下方に配置させれば達成できるものではない。例えば、特許文献2のエアバッグでは、後端側の取付部が、その前方のエアバッグの中央側の取付部より、下方に配置されている。しかし、このように、単に、車体側の各取付座を結んで形成した展開取付ラインにエアバッグの各取付部を対応させて、後端側の取付部がその前方の取付部より下方に配置されていても、本発明のような、上向きの大きな引張力を生じさせる作用・効果を達成できない。
本発明の引上げ用取付部は、各取付座を結んだ取付ラインであって、高さを維持した状態で、前後方向に沿った鉛直面上に展開させた展開取付ラインを基準として、エアバッグを非膨張の平らに展開させて、引上げ用取付部を除く取付部を、展開取付ライン上の対応する各取付座の配置位置に合わせた際に、展開取付ライン上における引上げ用取付部に対応した取付座の取付位置より、落差寸法分、下方位置に配置させることにより、上記作用効果を達成できるものである。すなわち、引上げ用取付部を対応する取付座の配置位置より下方に配置させることが重要となる。そのため、エアバッグの端側を引張り上げる作用を大きくするためには、端側膨張部の領域を確保できる範囲で、対応する取付座の配置位置より下方に下げる距離(落差寸法)を大きくすればよい。
<請求項2の説明>
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、前記エアバッグは、
前記端側膨張部を非膨張の平らに展開させて配置させた状態で、前記引上げ用取付部の前記エアバッグの中央側方向で隣接する前記取付部を配置させた上縁部位に比べて、前記引上げ用取付部を配置させた上縁部位を、下方にオフセットするように、
前記エアバッグの前記端側膨張部の上縁に、下方へ込む凹部を設け、
該凹部の周縁の上縁側に、前記引上げ用取付部を配設させて、
構成することが望ましい。
このような構成は、エアバッグの中央側方向で隣接する取付部から、単に、段差を設けるように、落差寸法分、下方にずらして、引上げ用取付部を配置させれば、エアバッグを形成できて、より一層、簡便にエアバッグ装置を構成できる。
<請求項3の説明>
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、前記エアバッグの前記引上げ用取付部は、前記端側膨張部を含めた前記エアバッグの端部側を非膨張の平らに展開させた際、前記端側膨張部と重なるように、配設してもよい。
このような構成では、引上げ用取付部を、エアバッグの端側膨張部の下縁側に接近させるように、下げることとしても、引上げ用取付部の取付座付近を膨張した部位でカバーでき、ルーフ側に進入してくる乗員頭部を、取付座付近から保護することができて、乗員頭部を受け止める上下方向の幅寸法を、上方へ伸ばすように、大きく確保できる。
<請求項4の説明>
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置では、前記エアバッグが、前記端側膨張部と該端側膨張部の上方に配置される前記引上げ用取付部との間に、前記端側膨張部の周囲を囲んで、前記膨張用ガスを流入させない非膨張部としての周縁部を配置させて構成されていれば、
前記周縁部を、前記引上げ用取付部の直下において、上下方向の寸法を縮めて結合させた収縮部を設けて、形成してもよい。
このような構成では、収縮部を設けることにより、引上げ用取付部を、容易に、端側膨張部に接近させるように、下げることができる。すなわち、例えば、エアバッグの製造当初、まず、取付ライン上の各取付座の配置位置に対応させるように、各取付部を配置させてエアバッグを製造し、そして、引上げ用取付部の直下の周縁部に、カット部を設けるとともにカット部の周縁相互を結合し、あるいは、タックを設けて、収縮部を設ければ、所定の取付座の配置位置から落差寸法分、下げた位置に、引上げ用取付部を配置させて、容易にエアバッグを製造することができる。
さらに、このような構成では、収縮部による上下方向の縮め代の増減により、上下方向の引上げ用取付部の配置位置を容易に調整することができて、端側膨張部の端縁側への上向きの引張力を容易に調整できる。
本発明に係る第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置の車内側から見た正面図である。 第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグを、非膨張で平らに展開させた状態を示す図である。 第1実施形態のエアバッグの断面図であり、膨張完了時を併せて示した図2のIII−III部位に対応する図である。 第1実施形態のエアバッグを折り畳む工程を説明する図である。 第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置と比較例との作動時を示す正面図である。 第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置の車内側から見た正面図である。 第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグを、非膨張で平らに展開させた状態を示す図である。 第2実施形態のエアバッグの概略断面図であり、図7のVIII−VIII部位に対応する。 第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置と比較例との作動時を示す正面図である。 第2実施形態の作動時を順に示す断面図であり、図9のX−X部位に対応する。 第3実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグの製造を説明する図である。 第3実施形態のエアバッグの断面図であり、図11のXII−XII部位に対応する。 第3実施形態の頭部保護エアバッグ装置の作動時を示す正面図である。 第1実施形態のエアバッグの変形例を示すもので、非膨張で平らに展開させた状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1に示すように、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1は、エアバッグ21と、インフレーター16と、エアバッグカバー11と、を備えて構成されている。そして、エアバッグ21は、車両Vの車内側における窓(サイドウインド)W1,W2の上縁WU側において、フロントピラー部FPの下縁側から、中間ピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方まで、の範囲に、折り畳まれて収納されている。
インフレーター16は、図1に示すように、略円柱状のシリンダタイプとして、エアバッグ21における膨張用ガスGを流入させるための接続口部23に挿入され、エアバッグ21と連結されている。このインフレーター16は、取付ブラケット17により保持され、取付ブラケット17がボルト18止めされることにより、中間ピラー部CPの上方付近におけるルーフサイドレール部RRのインナパネル2に対し、ルーフヘッドライニング6の下縁6aに覆われて、取付固定されている。なお、インナパネル2は、車両Vのボディ(車体)1側の部材である。
各取付ブラケット13は、取付ボルト14によって、エアバッグ21の各取付部37をインナパネル2に取付固定している(図10参照)。なお、各取付ボルト14は、インナパネル2の各取付座3におけるナット等を設けたねじ孔3aに、締結されている。
エアバッグカバー11は、図1に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ5の下縁5a側と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング6の下縁6a側と、から構成されている。
エアバッグ21は、図1,5に示すように、インフレーター16からの膨張用ガスGを流入させ、折り畳み状態から展開して、窓W1,W2、中間ピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側を覆うように展開膨張する。そして、エアバッグ21は、図2,3に示すように、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部22aと車外側壁部22bとを離すように膨張するガス流入部22と、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを結合させたような状態として膨張用ガスGを流入させない非膨張部31と、を備えて構成されている。このエアバッグ21は、前端側の取付部37(37A)付近を除いて、ポリアミドやポリエステル等の糸から袋織りして製造されている。
ガス流入部22は、接続口部23、ガス供給路部24、前側膨張部26、及び、後側膨張部28を備えて構成されている。接続口部23は、エアバッグ21の上縁21a側の前後方向の中間部位から上方へ延びて、インフレーター16からの膨張用ガスGをガス流入部22内に流入させるように、インフレーター16と接続される。ガス供給路部24は、接続口部23と連通し、エアバッグ21の上縁21a側の前後方向の中央付近で前後方向に沿って配設され、前側膨張部26と後側膨張部28との間で両者を連通させるように、配設されている。
前側膨張部26は、車両Vの前席の窓W1と中間ピラー部CPとの車内側を覆うもので、後側膨張部28は、車両Vの後席の窓W2とリヤピラー部RPとの車内側を覆うように配設されている。前側膨張部26は、後部上端をガス供給路部24の前端と連通させ、後側膨張部28は、前部上端をガス供給路部24の後端と連通させている。
なお、接続口部23内には、ガス供給路部24の前端内まで挿入されて、インフレーター16からの膨張用ガスGを前後両側に分岐させる図示しない整流布が配設されている。そして、インフレーター16の膨張用ガスGは、接続口部23を経て、整流布により分岐され、前側に流れる膨張用ガスGが前側膨張部26内に流入し、後側に流れる膨張用ガスGが、ガス供給路部24を経て、後側膨張部28内に流入し、それぞれ、前側膨張部26と後側膨張部28とが膨張することとなる。
前側膨張部26は、前後方向の中央で大きく配置される本体セル部26aと、前端で上下方向に沿って配設される縦セル部26bと、前端上部で前方に突出する押出セル部26cと、本体セル部26aの後縁下端に連通する逆U字状の調圧セル部26dと、を備えて構成されている。押出セル部26cは、フロントピラー部FPのフロントピラーガーニッシュ5の上端側を素早く押し開いて、エアバッグ21の前端付近を円滑に下方に展開させるためのものである。調圧セル部26dは、本体セル部26aより遅れて膨張するように、本体セル部26aから絞られて連通しており、本体セル部26a等での乗員受け止め時におけるエアバッグ21の内圧上昇時、急激な内圧上昇を抑制できるように、本体セル部26aから膨張用ガスGを流入させて膨らむ。
後側膨張部28は、エアバッグ21の前後方向の端部、すなわち、後端側の端側膨張部を構成するものである。後側膨張部28は、後端下部側の略長方形状の本体セル部28aと、前端で上下方向に配設される縦セル部28bと、ガス供給路部24の後端から後方に延びるように配設される押出セル部28cと、を備えて構成されている。押出セル部28cは、エアバッグカバー11としてのルーフヘッドライニング6の下縁6aにおけるリヤピラー部RPの上方の部位6auを、素早く押し開くためのものであり、この部位6auの素早い押し開きにより、折り畳まれた本体セル部28aが、リヤピラーガーニッシュ9の車内側に円滑に展開できる。
エアバッグ21の非膨張部31は、周縁部32、取付部37、及び、閉じ部39から構成されている。周縁部32は、ガス流入部22の周囲を囲むように、形成されている。周縁部32の上縁33は、後端側に略長方形の凹部32aが形成されて、後端側の端側上縁部位33bが、その前方の中央側上縁部位33aより、段差を付けて下がるように、形成されている。
閉じ部39は、線状閉じ部39a,39b,39c,39dと、板状閉じ部39eとを備えて構成されている。板状閉じ部39eは、周縁部32の下縁34側からガス供給路部24まで上方に延びるように略長方形板状として、前側膨張部26と後側膨張部28とを区画している。線状閉じ部39aは、前側膨張部26内に配設され、周縁部32の下縁34から上方に延びて前側膨張部26の縦セル部26bと本体セル部26aとを区画し、線状閉じ部39cは、調圧セル部26d内を区画するように、周縁部32の下縁34側から上方に延びている。線状閉じ部39bは、板状閉じ部39eの上端から前方に延びて下がり、本体セル部26aと調圧セル部26dとを区画するように配設されている。線状閉じ部39dは、周縁部32の後縁35から前方に延びて下方に下がるL字状に延びて、押出セル部28cと本体セル部28aとを区画し、さらに、縦セル部28bと本体セル部28aとを区画するように配設されている。
取付部37は、エアバッグ21の上縁21a側における周縁部32から上方へ突出するように、複数(実施形態では6個)形成されている。各取付部37には、取付ボルト14(図10参照)を挿通させる取付孔37aが、形成されている。各取付部37には、既述したように、ボディ1側のインナパネル2に取り付けるための取付ブラケット13が固着され、そして、各取付孔37aを挿通する取付ボルト14が各取付座3のねじ孔3aに締結されることにより、各取付部37が、インナパネル2の各取付座3に固定される。
なお、前端の取付部37Aは、既述したように、エアバッグ21の袋織りで形成された部位に対して、ポリアミド等の織布から形成された別体の布材を縫合して、形成されている。この取付部37Aは、膨張完了時のエアバッグ21の下縁21b側に前後方向に沿った張力を発揮させる張力発生用取付部を構成するものであり、フロントピラー部FPの下部付近に固定されて、エアバッグ21の膨張完了時、エアバッグ21の下縁21b側、具体的には、取付部37Aとフロントピラー部FPから離れた取付部37(37F)とを結ぶライン上に、強い張力を発揮させ、エアバッグ21における乗員の室内側への拘束性を良好にするように、構成されている。
そして、後端側の取付部37(37F)は、中央側上縁部位33aより段差を設けて下がった端側上縁部位33bから上方に突出されており、エアバッグ21の前後方向の中央側となる前方側で隣接する隣接取付部37Eより、落差寸法DL分、下方に配設されて、エアバッグ21の膨張完了時、端側膨張部28の端縁側、すなわち、後縁29側を上方に引き上げる作用をなす引上げ用取付部37Fとしている。
なお、車両Vのボディ1側のインナパネル2の各取付座3では、隣接取付部37Eを取り付ける取付座3Eと引上げ用取付部37Fを取り付ける取付座3Fとは、略同じ高さとして、配設されている(図1参照)。
第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1の車両Vへの搭載は、まず、平らに展開したエアバッグ21の下縁21b側を、取付部37を設けた上縁21a側に接近させるように折り畳み、ついで、破断可能な図示しない折り崩れ防止用のラッピング材により、エアバッグ21を巻く。
なお、エアバッグ21の折り畳みは、図4に示すように、ガス供給路部24を含むエアバッグ21の上縁21aのエリアを、蛇腹折りする蛇腹折り部42とし、その下方部位のエリアをロール折りするロール折り部43として、折り畳んでいる。端側上縁部位33b付近では、引上げ用取付部37Fが隣接取付部37Eより低い(落差寸法DL分)ことから、中央側上縁部位33a等に比べて、蛇腹折りの折り数を少なくしている。
そして、エアバッグ21を折り畳んだ後、取付ブラケット17を取り付けたインフレーター16を、エアバッグ21の接続口部23と接続させ、また、エアバッグ21の各取付部37に取付ブラケット13を取り付ければ、図4に示すように、エアバッグ組付体41を形成できる。
その後、取付ブラケット13を組み付けた各取付部37を、ボディ1側のインナパネル2の対応する取付座3に配置させ、各取付孔37aに挿通させる等して、取付ボルト14を取付座3のねじ孔3aに締結し、さらに、取付ブラケット17をボルト18止めし、インフレーター16をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体41をボディ1に取り付ける。ついで、インフレーター16に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ5やルーフヘッドライニング6をボディ1に取り付け、さらに、中間ピラーガーニッシュ8やリヤピラーガーニッシュ9をボディ1に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置S1を、車両Vに搭載することができる。
第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1の車両Vへの搭載後、インフレーター16が作動されれば、インフレーター16からの膨張用ガスGが、図2の二点鎖線に示すように、エアバッグ21における接続口部23からガス供給路部24に流入し、エアバッグ21の前側膨張部26や後側膨張部28に流入することから、エアバッグ21は、くるんでおいた図示しないラッピング材を破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ5やルーフヘッドライニング6の下縁5a,6a側のエアバッグカバー11を押し開いて、下方へ突出しつつ、図1の二点鎖線や図5のAに示すように、窓W1,W2、中間ピラー部CP、リヤピラー部RPの車内側を覆うように、大きく展開膨張することとなる。
そして、実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1では、エアバッグ21の後端側の引上げ用取付部37Fが、エアバッグ21の後側膨張部28の後縁29側を上方へ引き上げて、後側膨張部28のエアバッグ21の前後方向の中央側となる前方移動を抑制でき、広い面積を確保して、後側膨張部28が後席の乗員の頭部を受け止めて保護することができる。
この引上げ用取付部37Fの後縁29側を上方へ引き上げる引張力は、つぎのようにして発生させている。すなわち、まず、全体の取付部37を取り付けるためのボディ1側の各取付座3(3A,3B,3C,3D,3E,3F)を並設させた取付ラインLN(図1参照)と、エアバッグ21の非膨張で平らに展開させた状態と、を比較する。取付ラインLNは、車両Vの車内側から見た正面図において、図1に示すように、窓W1,W2の上縁WU側の各取付座3を結ぶラインで表される。
しかし、この取付ラインLNは、実際には、車両Vのボディ1側のインナパネル2に対応して、三次元的に屈曲しており、平らに展開させたエアバッグ21に対応させるために、三次元的な取付ラインLNを前後方向に沿った鉛直面上の二次元に展開させた展開取付ラインLMに変換させる必要がある。そして、この展開取付ラインLMは、エアバッグカバー11の配置と略同様に、ルーフヘッドライニング6の下縁6a側に対応する前後方向に延びた横ラインLM2と、フロントピラーガーニッシュ5の下縁5a側に対応して、横ラインLM2の前端から斜め下方向の前方に延びる斜めラインLM1と、を備えてなる。
そして、通常、展開取付ラインLMに、平らに展開したエアバッグ21の各取付部37が配置されていれば、各取付部37を各取付座3にボルト14止めすることにより、エアバッグ21を車両Vに搭載することができる。
しかし、実施形態の場合には、引上げ用取付部37Fを除いた取付部37A,37B,37C,37D,37Eを展開取付ラインLMの対応する各取付座3A,3B,3C,3D,3Eの配置位置3AP,3BP,3CP,3DP,3EPに配置させつつ、後側膨張部28を非膨張の状態で平らに展開させて配置させた際に、引上げ用取付部37Fは、図2に示すように、横ラインLM2上の引上げ用取付部37Fを取り付けるための取付座3Fの配置位置3FPより、下方に配置される。なぜなら、引上げ用取付部37F自体は、隣接取付部37Eを配置させた中央側上縁部位33aより下方に位置する端側上縁部位33bに、配置されて、落差寸法DL分、隣接取付部37Eより下方に配置されている。そして、車両Vのボディ1側の取付座3F自体は、図1から解るように、隣接する前方側の取付座3Eと同じ高さとしているからである。
そのため、隣接取付部37Eより下方に位置する引上げ用取付部37Fが、横ラインLM2上で、隣接取付部37Eと高さを略一致させるように並んで、インナパネル2の取付座3Fに取り付けられれば、その後の膨張完了時、隣接取付部37Eと引上げ用取付部37Fとの上下方向の落差寸法DL分、落差寸法DLのないエアバッグ210(図5のB参照)に比べて、後側膨張部28の後縁29を、上方へ大きく引き上げることができる。
なお、エアバッグ210は、落差寸法DLを設けずに、引上げ用取付部37Fを端側取付部47として、隣接取付部37Eと同じ高さに配置させたものであり、この端側取付部47が相違するだけで、同様な折り畳みでインフレーター16と接続し、そして、実施形態と同様に、車両Vに搭載している。
以上のように、第1実施形態では、エアバッグ21における引上げ用取付部37Fを除いた取付部37を、展開取付ラインLM上の対応する各取付座3の配置位置3AP,3BP,3CP,3DP,3EPに配置させつつ、端側膨張部28を非膨張の平らに展開させて配置させた際に、エアバッグ21の引上げ用取付部37Fが、展開取付ラインLMの横ラインLM2上の取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DLを生じさせて、上下方向(鉛直方向)に沿った下方に配置されている。すなわち、引上げ用取付部37Fが、横ラインLM2上の対応する取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DL分、下方に配置されていることから、車両搭載状態でエアバッグ21が膨張を完了させれば、図5のAに示すように、引上げ用取付部37Fが、落差寸法DL分、逆に、上向きの引張力Tを後側膨張部28の後縁29側に作用させる。その結果、エアバッグ21は、引上げ用取付部37Fに隣接するエアバッグ21の中央側の隣接取付部37Eを回転中心とするように、後側膨張部28が、上方へ引っ張られて、エアバッグ21の後縁21cにおけるエアバッグ21の中央側(前方側)への移動が、抑制される。
そして、このような作用が、エアバッグ21の後端側の引上げ用取付部37Fを、単に、各取付座3を結んで形成した展開取付ラインLM上の対応する取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DL分、下方に配置させるだけで、達成できることから、簡便に構成できる。
また、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1では、引上げ用取付部37Fと隣接するエアバッグ21の中央側方向の隣接取付部37Eとの間の直線距離SL(図2参照)は、横ラインLM2上の対応する取付座3E,3F間(配置位置3EP,3FP間)の離隔距離(取付スパン)FS(図1,2参照)より、引上げ用取付部37Fが下がって配置されている分、長くなる。そのため、エアバッグ21の下縁21b側を上縁21a側に接近させるように折り畳んでエアバッグ21を車両Vに搭載した際には、引上げ用取付部37Fと隣接する隣接取付部37Eとの間は、周縁部32の上縁33側自体に若干の弛みを発生させるような余裕がある。この余裕は、膨張完了時の後側膨張部28の端縁29におけるエアバッグ中央側方向(前方)への収縮を、吸収できることから、引上げ用取付部37F自体の引上げ作用の他に、エアバッグ21の取付部37E,37F間の余裕によっても、膨張完了時にエアバッグ21の後縁21c側が前後方向の中央側(前方側)へ移動することを抑制できる。
したがって、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1では、簡便な構造で、膨張完了時にエアバッグ21の後縁21c側が前後方向の中央側となる前方側へ移動することを抑制できる。
さらに、第1実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1では、エアバッグ21の後縁21cに、エアバッグ21から前後方向に沿って離れるボディ1側の部位に先端を取り付けるような連結ベルトやテザー等の連結材を、別途、設けずに、後側膨張部28のエリアの収縮を防止できる。そのため、実施形態の頭部保護エアバッグ装置S1では、エアバッグ21の後縁21c側のボディ1側にスペースの無い車両に、例えば、近接してバックドアやバックパネルが配設されている車両に、好適に搭載することができる。
また、第1実施形態では、エアバッグ21が、後側膨張部28を非膨張の平らに展開させて配置させた状態で、引上げ用取付部37Fに隣接する隣接取付部37Eを配置させた中央側上縁部位33aに比べて、引上げ用取付部37Fを配置させた端側上縁部位33bを、下方にオフセットするように、エアバッグ21の後側膨張部28の上縁21aに、下方へ込む凹部32aを設け、凹部32aの周縁の端側上縁部位に33bに、引上げ用取付部37を配設させている。
このような構成は、エアバッグ21の中央側方向で隣接する隣接取付部37Eから、単に、周縁部32の上縁33側に段差を設けるように、落差寸法DL分、下方にずらして、引上げ用取付部37Fを配置させれば、エアバッグ21を形成できて、より一層、簡便にエアバッグ装置S1を構成できる。
勿論、エアバッグの前後方向の端部側の引上げ用取付部は、第1実施形態のように、エアバッグ自体の上縁から上方に突出させるように配設せずに、エアバッグの端側膨張部と車幅方向で重なるように、設けてもよい。
図6〜10に示す第2実施形態の頭部保護エアバッグ装置S2のエアバッグ21Aでは、引上げ用取付部37Fが、前後方向の端側の膨張部となる後側膨張部28と車幅方向で重なるように、配設されている。具体的には、後側膨張部28の上端の押出セル部28cの車外側Oに、引上げ用取付部37Fが配設されている。このエアバッグ21Aでは、押出セル部28cがエアバッグ21Aの後縁21cまで長く延びるように配設されている。
そして、このエアバッグ21Aでも、ボディ1側の各取付座3を並設させたような展開取付ラインLMに対し、引上げ用取付部37Fを除いた取付部37を、展開取付ラインLMの対応する各取付座3の配置位置に配置させつつ、後側膨張部28を非膨張の状態で平らに展開させて配置させた際に、引上げ用取付部37Fが、展開取付ラインLMの横ラインLM2上における引上げ用取付部37F用の取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DL分、下方に配置されるように配設されている。
そのため、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、エアバッグ21Aを折り畳んで、取付ブラケット13やインフレーター16を取り付けて、車両Vに搭載し、展開膨張させれば、図9のAに示すように、引上げ用取付部37Fが、対応する取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DL分、下がって配設されていたことから、車両搭載状態で展開膨張すれば、その落差寸法DL分、落差寸法DLを設けずに取付部47を設けたエアバッグ211(図9のB参照)に比べて、後縁29側を上方に引き上げることができて、第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
さらに、第2実施形態では、エアバッグ21Aの引上げ用取付部37Fを後側膨張部28の上端側の押出セル部28cと車幅方向で重ねることができ、引上げ用取付部37Fの取付座3F付近を膨張した部位(押出セル部)28cでカバーでき(図9のAや図10のB参照)、リヤピラー部RPの上方のルーフ側に進入してくる乗員頭部を、取付座3F付近から保護することができて、乗員頭部を受け止める上下方向の幅寸法WLを、上方へ伸ばすように、大きく確保できる。
なお、第2実施形態では、エアバッグ21Aの折り畳み時、押出セル部28cは、図10のAに示すように、他のガス供給路部24等と同様に、蛇腹折りしておけばよい。
また、第2実施形態では、引上げ用取付部37Fを、本体セル部28aと押出セル部28cとの間の線状閉じ部39dに縫合等により結合させて、後側膨張部28の押出セル部28cの車外側Oに配置させた(図8参照)。しかし、引上げ用取付部37Fは、後側膨張部28に対し、車幅方向の車内側Iで重なるように配設させてもよい。
第3実施形態の頭部保護エアバッグ装置S3では、図11〜13に示すように、エアバッグ21Bが、後側膨張部28と後側膨張部28の上方に配置される引上げ用取付部37Fとの間に、後側膨張部28の周囲を囲んで、膨張用ガスGを流入させない非膨張部31としての周縁部32を配置させて構成されている。
そして、周縁部32が、引上げ用取付部37Fの直下において、上下方向の寸法を縮めて結合させた収縮部45を設けて、形成されている。この収縮部45は、図11、図12のAに示すように、エアバッグ用素材20の後縁21cに、三角状の部位をカットするカット部44を設けて、離れた上下の縁45b,45c相互を縫合等により結合したり、図12のBに示すように、三角状の部位を摘まんでタック45aを設けて、合わせた縁45b,45c相互を縫合等により結合したり、あるいは、その後、図12のCに示すように、摘まんだ部位をカットして、形成している。
このエアバッグ21Bでも、収縮部45を設けたことにより、当初の位置の取付部47より、引上げ用取付部37Fが下がる。すなわち、このエアバッグ21Bでも、ボディ1側の各取付座3を並設させたような展開取付ラインLMに対し、引上げ用取付部37Fを除いた取付部37を、展開取付ラインLMの対応する各取付座3の配置位置に配置させつつ、後側膨張部28を非膨張の状態で平らに展開させて配置させた際に、引上げ用取付部37Fが、展開取付ラインLMの横ラインLM2上における引上げ用取付部37F用の取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DL分、下方に配置される。
そのため、第3実施形態でも、第1,2実施形態と同様に、エアバッグ21Bを折り畳んで、取付ブラケット13やインフレーター16を取り付けて、車両Vに搭載し、展開膨張させれば、引上げ用取付部37Fが、展開取付ラインLM上の取付座3Fの配置位置3FPより、落差寸法DL分、下がって配設されていたことから、車両搭載状態で展開膨張すれば、その落差寸法DL分、落差寸法DLを設けずに取付部47を設けたエアバッグに比べて、後縁29側を上方に引き上げることができて、第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
さらに、第3実施形態では、収縮部45を設けることにより、引上げ用取付部47Fを、容易に、後側膨張部28に接近させるように、下げることができる。すなわち、例えば、エアバッグ21Bの製造当初、まず、展開取付ラインLM上の各取付座3の配置位置に対応させるように、各取付部37を配置させてエアバッグを製造し、そして、引上げ用取付部37Fの直下の周縁部32に、カット部44を設けるとともにカット部44の周縁45b,45c相互を結合し、あるいは、タック45aを設けて、収縮部45を設ければ、所定の取付座3Fの配置位置3FPから落差寸法DL分、下げた位置に、引上げ用取付部37Fを配置させて、容易にエアバッグ21Bを製造することができる。
また、このような構成では、収縮部45による上下方向の縮め代の増減により、上下方向の引上げ用取付部37Fの配置位置を容易に調整することができて、後側膨張部28の後縁29側への上向きの引張力を容易に調整できる。
なお、引上げ用取付部37Fの落差寸法DLは、小さすぎては、引張力を発揮し難く、また、大きすぎては、逆に、端側膨張部の下縁を上昇させて、保護エリアを狭めてしまうことから、5〜150mm、望ましくは、50〜100mmとすることが望ましい。
また、各実施形態では、引上げ用取付部37Fを、エアバッグ21,21A,21Bの前後方向の最も端となる後端に配置させた取付部として、説明したが、エアバッグが前後方向を逆の構成としていれば、エアバッグの最も前端となる取付部を、前側膨張部の前縁側に上向きの引張力を作用させる引上げ用取付部として構成すればよい。
また、各実施形態のエアバッグ21,21A,21Bでは、一つの引上げ用取付部37Fを配設させた場合を示した。しかし、端縁側の引上げ用取付部に隣接する取付部自体を、展開取付ライン上の対応する取付座の配置位置より、落差寸法を設けて、下方に配置させてもよい。例えば、図14に示すエアバッグ21Cのように、最も端(後端)とする引上げ用取付部37Gを、展開取付ライン(横ライン)LM2上の対応する取付座3Gの配置位置3GPより落差寸法DL1分下げるとともに、その前方で隣接する取付部37Fも、展開取付ライン(横ライン)LM2上の対応する取付座3Fの配置位置3FPより落差寸法DL2分下げるように配置してもよい。すなわち、エアバッグ21の端縁側には、複数の引上げ用取付部37F,37Gを設けてもよい。なお、複数の引上げ用取付部37F,37Gを設ける場合、対応する取付座3F,3Gの配置位置3FP,3GPに対する落差寸法DL1,DL2は、エアバッグ21Cの端縁29側に円滑に上向きの引張力を作用できるように、エアバッグ21Cの前後方向の中央側に向かうにしたがって、小さくすることが望ましい。
1…(車体)ボディ、
3(3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G)…取付座、
3AP,3BP,3CP,3DP,3EP,3FP,3GP…(展開取付ライン上の対応する取付座の)配置位置、
21,21A,21B,21C…エアバッグ、
21a,33…上縁、
21b,34…下縁、
22…ガス流入部、
22a…車内側壁部、
22b…車外側壁部、
28…(端側膨張部)後側膨張部、
29…(端側膨張部の端縁)後縁、
31…非膨張部、
32…周縁部、
37(37A,37B,37C,37D,37E)…取付部、
37F,37G…引上げ用取付部、
45…収縮部、
LN…取付ライン、
LM…展開取付ライン、
V…車両、
W1,W2…窓、
G…膨張用ガス、
S1,S2,S3…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. エアバッグが、
    膨張用ガスの流入時、車両の窓の車内側を覆うように、前記窓の上縁側から下方に展開膨張する構成とするとともに、
    平らに展開した状態の下縁側を上縁側に接近させるように折り畳み、前後方向に並設された複数の取付部を対応する車体側の各取付座に取り付けて、前記車両の車内側の窓の上縁側に収納され、
    前後方向の端部に、乗員頭部を保護可能に、膨張用ガスを流入させて車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨張する端側膨張部を配設させて構成される頭部保護エアバッグ装置であって、
    複数の前記取付部の内で、前記エアバッグの端部側に配置される前記取付部が、
    前記端側膨張部の上方側に配置されるとともに、
    車両搭載状態での膨張完了時における前記端側膨張部の前記エアバッグの前後方向の中央側への移動を抑制可能に、前記後側膨張部の端縁側に対し、上向きの引張力を作用させる引上げ用取付部として、配設され、
    前記各取付座を結んだ取付ラインであって、高さを維持した状態で、前後方向に沿った鉛直面上に展開させた展開取付ラインに対し、前記引上げ用取付部を除いた前記取付部を、前記展開取付ライン上の対応する前記各取付座の配置位置に配置させつつ、前記端側膨張部を非膨張の平らに展開させて配置させた際に、前記引上げ用取付部が、
    前記展開取付ライン上の前記引上げ用取付部を取り付けるための前記取付座の配置位置より、下方に配置されるように、
    配設されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグが、
    前記端側膨張部を非膨張の平らに展開させて配置させた状態で、前記引上げ用取付部に対して前記エアバッグの中央側方向で隣接する前記取付部を配置させた上縁部位に比べて、前記引上げ用取付部を配置させた上縁部位を、下方にオフセットするように、
    前記エアバッグの前記端側膨張部の上縁に、下方へ込む凹部を設け、
    該凹部の周縁の上縁側に、前記引上げ用取付部を配設させて、
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグの前記引上げ用取付部が、前記端側膨張部を含めた前記エアバッグの端部側を非膨張の平らに展開させた際、前記端側膨張部と重なるように、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグが、前記端側膨張部と該端側膨張部の上方に配置される前記引上げ用取付部との間に、前記端側膨張部の周囲を囲んで、前記膨張用ガスを流入させない非膨張部としての周縁部を配置させて構成され、
    前記周縁部が、前記引上げ用取付部の直下において、上下方向の寸法を縮めて結合させた収縮部を設けて、形成されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
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