JP2012198240A - プッシャ、プッシャユニットおよび半導体試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プッシャを含む装置を小型化する。
【解決手段】半導体試験装置20において被試験半導体デバイス300を試験用ソケット500に向かって押圧するプッシャ200であって、熱源400に熱的に結合された本体部210と、それぞれが本体部210に対して物理的且つ熱的に結合され、本体部210からの押圧力により試験用ソケット500に向かって変位しつつ被試験半導体デバイス300の被押圧面に当接して、それぞれが被試験半導体デバイス300を押圧し且つそれぞれが熱源400からの熱を被試験半導体デバイス300に伝える複数のデバイス押圧部220とを備える。プッシャおよび被試験半導体デバイスの間の熱伝導効率を向上させ、正確で迅速な半導体試験を実現するプッシャを提供する。
【選択図】図1
【解決手段】半導体試験装置20において被試験半導体デバイス300を試験用ソケット500に向かって押圧するプッシャ200であって、熱源400に熱的に結合された本体部210と、それぞれが本体部210に対して物理的且つ熱的に結合され、本体部210からの押圧力により試験用ソケット500に向かって変位しつつ被試験半導体デバイス300の被押圧面に当接して、それぞれが被試験半導体デバイス300を押圧し且つそれぞれが熱源400からの熱を被試験半導体デバイス300に伝える複数のデバイス押圧部220とを備える。プッシャおよび被試験半導体デバイスの間の熱伝導効率を向上させ、正確で迅速な半導体試験を実現するプッシャを提供する。
【選択図】図1
Description
本発明はプッシャ、プッシャユニットおよび半導体試験装置に関する。より詳細には、半導体試験装置において被試験半導体デバイスを搬送して試験用ソケットに装着するプッシャユニットと、そのプッシャユニットに装着するプッシャ、更に、そのプッシャユニットを備えた半導体試験装置に関する。
半導体試験装置は、被試験半導体デバイスを試験用ソケットの位置に順次搬送して、押圧し、テスト部に実装された所定の試験プログラムに従って被試験半導体デバイスの各々に対して試験を実施し、試験結果に応じて搬送及び分類する。このような半導体試験装置の一連の動作においては、プッシャユニットが、被試験半導体デバイスを搬送と試験用ソケットへ押圧する。
半導体試験装置のプッシャユニットは、搬送にあたって被試験半導体デバイスをひとつずつ保持する保持部を備える。この保持部は、負圧源に接続されて、負圧の吸着力により被試験半導体デバイスを保持する。また、プッシャユニットは、保持部に保持された被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧するプッシャを備える。プッシャは、被試験半導体デバイスまたはその基板に直接に当接して押圧する押圧部と、押圧部を支持すると共に押圧部に印加する押圧力を伝える本体部と有する。
下記特許文献1には、被試験半導体デバイスを受け渡す複数の搬送手段を設けることにより、搬送中に被試験半導体デバイスを冷却させて連続的な処理ができる半導体試験装置の構造が提案されている。また、下記特許文献2には、被試験半導体デバイスを収容したトレイの変形に起因する被試験半導体デバイスの傾きに対応したIC搬送装置の構造が開示されている。
更に、下記特許文献3には、負圧を利用して被試験半導体デバイスを吸着して搬送する装置において、負圧発生手段を利用して被試験半導体デバイスに空気を吹きつけて冷却する機能を与えることが提案されている。また更に、下記特許文献4には、個別の搬送装置で被試験半導体デバイスのロードとアンロードをすることにより、試験工程の効率を向上させることが提案されている。
特開平09−175647号公報
特開平10−058367号公報
特開2000−171521号公報
特開2002−174658号公報
上記プッシャに、被試験半導体デバイスを加熱または冷却する機能の一部を担わせている半導体試験装置がある。この半導体試験装置において、プッシャは被試験半導体デバイスに直接に当接する部材なので、プッシャを介して熱を伝えることにより、被試験半導体デバイスを加熱または冷却する。これにより、試験中に被試験半導体デバイス自体が発生した熱を所望温度に冷却し、あるいは、プッシャに熱源を設けて被試験半導体デバイスを所望温度に加熱することができる。これにより、被試験半導体デバイスを所望の低温状態または高温状態を維持して試験が行われる。なお、プッシャは、外気とは遮断された恒温槽(チャンバ)の内部に収容されている。また、テストコスト低減する必要から、同時測定する個数は今後も増加する傾向にある。
一方、生産性を向上すべく、例えば4個、8個といった複数の被試験半導体デバイスを同時測定できる半導体試験装置がある。このような半導体試験装置においては、複数のプッシャの各々に加熱/冷却構造を設けている。
しかしながら、複数のプッシャの各々に熱源を設けることによりプッシャを含む装置全体が大型化するので、結果的に恒温槽も大型化することになり好ましくない。また、恒温槽の大型化ばかりではなく、同時測定個数に比例して加熱/冷却構造体の数も増加するので、半導体試験装置のコストも単純に増加するという問題がある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態として、共通の熱源に熱的に結合された複数のデバイス押圧部を備え、複数のデバイス押圧部の各々が被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して押圧することにより、被試験半導体デバイスの各々を半導体試験装置の試験用ソケットに押圧し且つ熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャが提供される。これにより、ひとつの熱源に接続された単一のプッシャで複数の被試験半導体デバイスを試験することができ、半導体試験工程の処理速度を向上させることができる。また、被試験半導体デバイスの数に合わせて熱源を設けたプッシャに比較すると、熱源のための消費電力を低減できる。
また、本発明の第2の形態として、本体部と、本体部に対して揺動できるように本体部に支持されたデバイス押圧部とを備え、デバイス押圧部が、被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して、被押圧面の傾斜に従って揺動することにより被押圧面に密着して、押圧面を均一に押圧して被試験半導体デバイスを半導体試験装置の試験用ソケットに向かって押圧するプッシャが提供される。これにより、被試験半導体デバイスまたはプッシャの傾き等に起因するプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止され、熱源と被試験半導体デバイスとを高い効率で熱的に結合させることができる。従って、エネルギー効率が高くなるだけではなく、精密で迅速な温度制御ができる。
また、本発明の第3の形態として、熱源に熱的に結合された本体部と、本体部に対して物理的且つ熱的に結合され、各々が被試験半導体デバイスの被押圧面を押圧する複数のデバイス押圧部とを備え、デバイス押圧部の各々が、被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して被試験半導体デバイスを半導体試験装置の試験用ソケットに向かって押圧し、且つ、熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャが提供される。これにより、被試験半導体デバイスまたはプッシャの傾き等に起因するプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止され、熱源と被試験半導体デバイスとを高い効率で熱的に結合させることができる。
更に、本発明の第4の形態として、熱源に熱的に結合された本体部と、本体部に対して物理的且つ熱的に結合され、且つ、本体部に対して揺動できるように本体部に支持され、被試験半導体デバイスの被押圧面を押圧するデバイス押圧部とを備え、デバイス押圧部が、被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して、被押圧面の傾斜に従って揺動することにより被押圧面に密着して、押圧面を均一に押圧し且つ被試験半導体デバイスを半導体試験装置の試験用ソケットに向かって押圧し、且つ、熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャが提供される。これにより、被試験半導体デバイスまたはプッシャの傾き等に起因するプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止され、熱源と被試験半導体デバイスとを高い効率で熱的に結合させることができる。従って、エネルギー効率が高くなるだけではなく、精密で迅速な温度制御ができる。
また、ひとつの実施の形態として、上記プッシャにおいて、デバイス押圧部が球面状の端部を有し、本体部が端部と相補的な形状の座部を有し、端部および座部が嵌合することにより両者が結合されている。これにより、被試験半導体デバイスの傾きに従ってデバイス押圧部が傾いた場合でも、プッシャの本体部とデバイス押圧部との熱的な結合効率は略変化しない。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、本体部およびデバイス押圧部の間に、熱伝導率の高い流動体が介在する。デバイス押圧部が円滑に揺動して被試験半導体デバイスによく密着する。また、プッシャの本体部およびデバイス押圧部の間の微細な間隙が熱伝導率の高い流動体により埋められるので、両者の間の熱的な結合効率も改善される。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、デバイス押圧部が、その押圧方向について本体部に対して変位できるように本体部から弾性支持されている。これにより、被試験半導体デバイスの高さ(厚さ)の変動、被試験半導体デバイスの傾き等によるプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止され、熱源と被試験半導体デバイスとを高い効率で熱的に結合させることができる。従って、エネルギー効率が高くなるだけではなく、精密で迅速な温度制御ができる。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、本体部およびデバイス押圧部の間の間隙が、熱伝導率の高い流動体で充填されている。これにより、プッシャの本体部とデバイス押圧部との間の熱的な結合が改善され、熱源から被試験半導体デバイスに至る効率の高い熱伝導路が形成される。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、デバイス押圧部が、弾性シートを介して本体部に支持されている。これにより、プッシャの本体部およびデバイス押圧部の間の熱的な結合が良好に保たれると共に、弾性シートによりデバイス押圧部の変位が許容されるので、被試験半導体デバイスの表面状態に従ってデバイス押圧部が密着する。従って、プッシャおよびデバイス押圧部の間に良好な熱的結合が形成される。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、本体部が、押圧方向に積層されて積層体をなす複数の弾性変形できる薄板材と、薄板材が相互に密着するように締結する締結部材とを含む。これにより、プッシャの本体部自体が弾性変形するので、被試験半導体デバイス表面の状態に応じてデバイス押圧部が変位すると同時に被試験半導体デバイスに向かって付勢され、プッシャおよび被試験半導体デバイスとの間は、高い効率で熱的に結合される。また、プッシャ本体部は変形こそするが全体が一体の部材なので、本体部における熱伝導率が低下することもない。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、デバイス押圧部が、一端が本体部に熱的に結合され、他端が被試験半導体デバイスに当接する当接面をなし、熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝播させる熱伝導部と、一端において本体部から被試験半導体デバイスに向かって付勢され、他端において被試験半導体デバイスの熱伝導部が押圧していない領域を試験用ソケットに向かって押圧する基板押圧部とを含む。これにより、熱伝導機能および押圧機能のそれぞれに最適化した設計ができるので、高い熱伝導性と、正確な押圧とを両立させることができる。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、デバイス押圧部がその表面に熱伝導率の高いシート状の弾性部材を備え、該弾性部材を介して被試験半導体デバイスを押圧する。これにより、プッシャのデバイス押圧部と被試験半導体デバイスの表面との間の僅かな間隙までもが弾性シートによって埋められるので、プッシャと被試験半導体デバイスとの間に効率の高い熱伝が形成される。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、熱源からデバイス押圧部を介して被試験半導体デバイスに伝導される熱の経路上に配置され、自身の配置された場所の温度を測定する温度センサを備える。これにより、熱源からの熱が所期の通りにプッシャに伝導されているかどうかを監視しながら半導体試験を実施できる。また、熱の経路上に複数の温度センサを配置することにより、何らかの原因で熱伝導が遮断された場合に、遮断箇所を容易に特定できる。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、デバイス押圧部が着脱できる。これにより、被試験半導体デバイスに直接に当接するデバイス押圧部を交換できるので、プッシャの磨耗等に容易に対処できると共に、仕様の異なる被試験半導体デバイスに対して試験を行う場合もプッシャの交換だけで対応できる。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、一端を熱源に熱的に結合され、他端を本体部に熱的に結合された熱的結合部を備え、熱的結合部に対して本体部およびデバイス押圧部が着脱でき、仕様の異なる他の本体部およびデバイス押圧部を装着できる。これにより、被試験半導体デバイスの仕様および試験内容に応じて適切なプッシャを装着して試験を行うことができる。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、本体部からの押圧力によりデバイス押圧部が試験用ソケット方向へ変位するときの変位量を規制する規制部材を更に備える。これにより、押圧すべき被試験半導体デバイスが存在していなかったときに、プッシャが過剰に変位することを防止できる。
また、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、ひとつの本体部に対して、複数のデバイス押圧部が装着されている。これにより、ひとつの熱源に接続された単一のプッシャで複数の被試験半導体デバイスを試験することができ、半導体試験工程の処理速度を向上させることができる。また、被試験半導体デバイスの数に合わせて熱源を設けたプッシャに比較すると、熱源のための消費電力を低減できる。また、上記のさまざまな形態は、デバイス押圧部の押圧面と被試験半導体デバイス表面の被押圧面との間のさまざまな不整合に起因する間隙の発生を解消できる。解消される不整合には、複数の被試験半導体デバイスをひとつのプッシャで押圧することによる接触状態のばらつきも含まれ、同時に押圧する複数の被試験半導体デバイスに対して、良好かつ均一な条件で試験を実施できる。
更に、他の実施の形態として、上記プッシャにおいて、デハイス押圧部のそれぞれが、本体部からの押圧力によりデバイス押圧部が試験用ソケット方向へ変位するときの変位量を規制する規制部材を備える。これにより、複数の被試験半導体デバイスを同時に押圧する仕様のプッシャにおいて一部の被試験半導体デバイスが存在していなかった場合に、存在している被試験半導体デバイスに過剰な押圧力が印加されたり、プッシャが傾いたりすることを防止できる。
また、本発明の第5の形態として、半導体試験装置において被試験半導体デバイスを保持して試験用ソケットに向かって押圧するプッシャユニットであって、熱源と、熱源に熱的に結合された本体部、及び、本体部に対して物理的且つ熱的に結合された複数のデバイス押圧部を有するプッシャであって、デバイス押圧部の各々が被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して、それぞれが被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧し且つそれぞれが熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャと、被試験半導体デバイスをそれぞれが保持する複数の保持部とを備えるプッシャユニットが提供される。これにより、ひとつの熱源に接続された単一のプッシャで複数の被試験半導体デバイスを試験することができ、熱源のための消費電力が低いプッシャユニットが提供される。
また、本発明の第6の形態として、半導体試験装置において被試験半導体デバイスを保持して試験用ソケットに向かって押圧するプッシャユニットであって、熱源と、熱源に熱的に結合された本体部、及び、本体部に対して揺動できるように本体部に支持され且つ本体部に対して熱的に結合されたデバイス押圧部とを有するプッシャであって、被試験半導体デバイスの表面の傾斜に従って揺動することにより被試験半導体デバイスの表面に密着して、被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧すると共に熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャと、被試験半導体デバイスを保持する保持部とを備えるプッシャユニットが提供される。これにより、被試験半導体デバイスの傾き等によるプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止され、熱源と被試験半導体デバイスとを高い効率で熱的に結合させることができる。従って、エネルギー効率が高くなるだけではなく、精密で迅速な温度制御ができるプッシャユニットが提供される。
また、本発明の第7の形態として、半導体試験装置において被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧するプッシャユニットであって、熱源と、熱源に熱的に結合された本体部、本体部に対して被試験半導体デバイスに対する押圧方向に変位可能に本体部から弾性支持され且つ本体部に熱的に結合されたデバイス押圧部を有するプッシャであって、被試験半導体デバイスの表面に密着して被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧すると共に熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャと、被試験半導体デバイスを保持する保持部とを備えるプッシャユニットが提供される。これにより、被試験半導体デバイスの高さ(厚さ)の変動によるプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止され、熱源と被試験半導体デバイスとを高い効率で熱的に結合させることができる。従って、エネルギー効率が高くなるだけではなく、精密で迅速な温度制御ができるプッシャユニットが提供される。
また、本発明の第8の形態として、熱源、熱源に熱的に結合された本体部と、本体部に対して物理的且つ熱的に結合された複数のデバイス押圧部とを有するプッシャであって、複数のデバイス押圧部は被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧し且つそれぞれが熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ、及び、被試験半導体デバイスをそれぞれが保持する複数の保持部を含むプッシャユニットと、プッシャユニットによって試験用ソケットに装着された被試験半導体デバイスに対する試験を実行するテスト部とを備える半導体試験装置が提供される。これにより、ひとつの熱源に接続された単一のプッシャで複数の被試験半導体デバイスを試験することができ、半導体試験工程の処理速度を向上させることができる。
また、本発明の第9の形態として、熱源、熱源に熱的に結合された本体部と、本体部に対して揺動できるように本体部に支持され且つ本体部に対して熱的に結合されたデバイス押圧部とを有するプッシャであって、被試験半導体デバイスの表面の傾斜に従って揺動することにより被試験半導体デバイスの表面に密着して被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧すると共に熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ、及び、被試験半導体デバイスを保持する保持部とを備えるプッシャユニットと、プッシャユニットによって試験用ソケットに装着された被試験半導体デバイスに対する試験を実行するテスト部とを備える半導体試験装置が提供される。これにより、被試験半導体デバイスの傾き等によるプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止され、エネルギー効率が高くなるだけではなく、精密で迅速な温度制御の下に半導体試験を実施できる。
また、本発明の第10の形態として、熱源、熱源に熱的に結合された本体部と、本体部に対して被試験半導体デバイスに対する押圧方向に変位可能に本体部から弾性支持され且つ本体部に熱的に結合されたデバイス押圧部とを有するプッシャであって、本体部からの押圧力により試験用ソケットに向かって変位しつつ被試験半導体デバイスの表面に密着して被試験半導体デバイスを押圧すると共に熱源からの熱を被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ、及び、被試験半導体デバイスを保持する保持部とを有するプッシャユニットと、プッシャユニットによって試験用ソケットに装着された被試験半導体デバイスに対する試験を実行するテスト部とを備える半導体試験装置が提供される。これにより、被試験半導体デバイスの高さ(厚さ)の変動によるプッシャおよび被試験半導体デバイスの接触面積の減少が防止される。従って、エネルギー効率が高くなるだけではなく、精密で迅速な温度制御の下に半導体試験を実施できる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションも発明となり得る。
上記のようなプッシャ、プッシャユニットおよびそれを備えた半導体試験装置は、ひとつのプッシャまたはプッシャユニットで複数の被試験半導体デバイスを取り扱うことができ、且つ、試験を実行するときにひとつの熱源から複数の被試験半導体デバイスに対して熱を伝えることができる。従って、被試験半導体デバイスに熱負荷を印加する半導体試験においても加熱のために消費されるエネルギーが小さい。また、一時に取り扱う被試験半導体デバイスの数に対して実装する熱源の数を少なくすることができるので、装置の寸法が拡大することもない。これにより、半導体試験を含む半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。ただし、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、プッシャユニット10の構造を示す縦断面図である。同図に示すように、プッシャユニット10は、ユニットケース100に組み付けられ、一対のデバイス押圧部220を備えたプッシャ200を備えている。
ユニットケース100は、図示されていない押圧力発生手段からの押圧力Pを受けるケース上部110と、保持部130を装着されたケース下部120とを含む。これらケース上部110とケース下部120は一体に結合されている。
ケース下部120には、保持部130が装着される。保持部130の内部は、図示されていない負圧源に接続されており、これにより、保持部130は、後述する被試験半導体デバイス300の平坦な基板320を吸着して保持する。なお、図1に示す保持部130の位置、個数、配置は一例であって、被試験半導体デバイス300の形状によって変わる。従って、例えば、保持部130がデバイス押圧部220に設けられる場合も有る。
また、ケース上部110とケース下部120との間にはプッシャ200の本体部210が収容されている。ケース上部110と本体部210との間には押圧バネ140が配されており、ケース上部110に印加された押圧力P1とこの押圧バネ140の押圧力P2との合力Pを本体部210に伝達する。従って、ユニットケース100とおよびプッシャ200は、一体に降下または上昇する。なお、本実施形態において、ケース上部110の中央付近には貫通穴が形成されており、本体部210がユニットケース100に対して上昇した場合に、本体部210の上面が逃げられるようになっている。
本体部210は、その上面に熱的結合部201を備えていて、外部の熱源400に接続されている。外部の熱源400は、室温よりも低温または高温である所望の試験温度条件に被試験半導体デバイス300を維持する加熱源または冷却源である。熱的結合部201の具体的な構造の第1の例としては、熱源400により加熱または冷却された流体が流通する媒体管を接続されて自身が昇温または降温する部材を挙げることができる。また、第2の例として、外部の加熱源または冷却源に加えて熱的結合部201にペルチェ素子とそのための電流量/電流方向を所望に制御する制御装置を備える装置構成を挙げることができる。このような熱的結合部201は、プッシャ200の本体部210を介して被試験半導体デバイス300との間で熱を伝達する。なお、高温試験にだけ対応すればよい場合は、冷却源を省略しても良い。また、熱的結合部201に加熱用のヒータを更に設ける場合もある。さらに、熱的結合部201にペルチェ素子を追加配置することにより熱応答を俊敏にして、より安定した温度制御を行うこともできる。
熱的結合部201は、本体部210の中央に配置されているので、熱は本体部210の両端に均等に伝えられる。なお、ここでは説明の便宜上「熱」と記載しているが、熱源400の温度が熱的結合部201の温度よりも低い場合は、熱的結合部201は冷却され、本体部210も冷却される。
本体部210の下面の水平方向の両端近傍は、互いに離隔して装着された一対のデバイス押圧部220が配置される。デバイス押圧部220の各々は、ケース下部120の下方まで延在して、下面に平坦な押圧面を有する。なお、前記した保持部130は、この押圧面の周囲を包囲するように形成されている。
一方、デバイス押圧部220の上端は球面状の球面端222を形成している。球面端222は、本体部210の下面に形成された同じ曲率の球面をなす座部212の内面に当接している。従って、球面端222が座部212の内面に沿って変位することにより、デバイス押圧部220は円滑に揺動できる。従って、デバイス押圧部220の下面とダイ310との当接面に傾斜が存在する場合でも、プッシャユニット10の押圧に伴ってデバイス押圧部220が円滑に揺動するので、デバイス押圧部220の当接面が被試験半導体デバイスに均一に当接する。
また、本体部210の座部212とデバイス押圧部220の球面端222は相補的な形状を有して相互に密着しているので、熱伝導特性の変動がほとんど無い。従って、上記のようなデバイス押圧部220の揺動があったとしても、本体部210およびデバイス押圧部220の間の熱伝導特性は変化しない。なお、座部212の周囲に止め具221が装着され、デバイス押圧部220の落下を防止している。
なお、本体部210およびデバイス押圧部220を含むプッシャ200は、熱伝導率に優れた材料で形成することが好ましい。具体的には、銅または銅を主体とする合金、アルミニウムまたはアルミニウムを主体とする合金、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミックスを例示できるが、これらに限定されるものではない。また、プッシャ200としての耐磨耗性、球面端222および座部212の間における摺動に対する潤滑性等を向上させる目的で、上記金属材料の表面をセラミックス等の硬質材料によって被覆し、あるいは硬質金属等によりメッキ処理することも好ましい。
また、座部212および球面端222の間の潤滑性を向上させると共にその微細な間隙を埋めて熱的な結合を向上させる目的で、熱伝導性の高い潤滑剤を両者の間に配することが好ましい。なお、熱電導性の高い潤滑剤としては、シリコンオイルを基材としてアルミナ、酸化チタン等のセラミックスを分散させたものが供給されている。
また、本体部210とデバイス押圧部220は、直接または上記潤滑剤を介して相互に密着する。これにより、熱的結合部201、本体部210およびデバイス押圧部220は、熱的に結合される。なお、球面端222と座部212とが、常時軽く当接するように、バネ部材(図示なし)でデバイス押圧部220を上方へ押圧支持することが望ましい。
図1はまた、後述する半導体試験装置20における試験領域も模式的に示している。同図に示す状態では、プッシャユニット10は一対の試験用ソケット500の上方に位置している。試験用ソケット500は、それぞれ、複数のコンタクトピン510をフレーム520で一体にして形成されている。また、この試験用ソケット500を用いて試験される被試験半導体デバイス300の一例は、ダイ310を実装された基板320を含み、基板320の下面に電気的接続を得るためのデバイス端子(図示なし)を備えている。
被試験半導体デバイス300の試験工程において、上記のように形成されたプッシャユニット10は、まず、試験に供する被試験半導体デバイス300が保持部130で吸着した状態で試験用ソケット500がある試験領域まで搬送される。
試験領域において、被試験半導体デバイス300が試験用ソケット500の上方まで搬送されると、プッシャユニット10は降下しながら押圧開始する。これにより、被試験半導体デバイス300のデバイス端子はコンタクトピン510に当接する。さらに、デバイス押圧部220の押圧面がダイ310を押圧することにより各デバイス端子はコンタクトピン510に強く押し付けられる。このとき、デバイス押圧部220は円滑に揺動しながら平面で当接した後、更に押圧が進む。
この結果、被試験半導体デバイス300のダイ310の平面に対して均一な押圧力にできる。従って、被試験半導体デバイス300に対する安定した接触熱抵抗が維持できる結果、安定した温度条件でデバイス試験ができる。また、ダイ310に対して部分的に過度な押圧ストレスが無くなる結果、デバイスの劣化や破損も解消できる。
また、デバイス押圧部220の押圧面がダイ310に密着しているので、熱的結合部201および本体部210を介して熱源400から伝達された熱は、デバイス押圧部220からダイ310にも効率良く伝達される。従って、単一の熱的結合部201の温度を適切に設定することにより、2個の被試験半導体デバイス300の両者は、ほぼ同一温度条件を維持できる。
この結果、2個の被試験半導体デバイス300は、1系統の熱的結合部201と熱源400への接続経路を、両者で共用できる利点が得られる。従って、個別に2系統の熱的結合部201と熱源400への接続経路を備える場合よりも高密度に実装でき、小型で安価に実現できる。また、試験実施中における2個の被試験半導体デバイス300の消費電力は近似した消費電力なので、1系統の熱的結合部201で実用的に温度管理できる。
さらに、この実施形態に係るプッシャユニット10は、一対のデバイス押圧部220を備えているので、2つの被試験半導体デバイス300を同時に取り扱うことができる。これにより、半導体試験装置20における試験工程において高密度に実装できる結果、同時測定個数を増加することもできる。
なお、製造ばらつき等により、ダイ310の表面が水平では無く、微少に傾斜している場合がある。また、一対の被試験半導体デバイス300の高さが相互に異なっていた場合、デバイス押圧部230がダイ310の一部にだけ当接するおそれがある。しかしながら、本実施形態において、デバイス押圧部230は、ダイ310を押圧するときにダイ310から受ける反力により揺動するので、その押圧面は傾斜したダイ310の被押圧面に追従し、密着できる。また、デバイス押圧部220が揺動する場合であっても、本体部210とデバイス押圧部220とは密着できる。従って、デバイス押圧部230とダイ310とが傾斜した状態であっても、各被試験半導体デバイス300に対して良好な熱伝導が維持できる。
図2は、上記図1で説明したプッシャユニット10を備えた半導体試験装置20の構造を模式的に示す図である。同図に示すように、半導体試験装置20は、プッシャユニット10を含むハンドラ610と、これに接続されたテスト部620とを備える。
テスト部620は、試験用ソケット500に接触状態にある被試験半導体デバイス300に対して電気的試験を実行するものであって、プッシャユニット10及びハンドラ610との通信制御を行うハンドラ制御部630と、ハンドラ610内で試験用ソケット500に装荷された被試験半導体デバイス300の各々に対する試験を実行する試験実行部640とを備える。さらに、テスト部(テスター本体)620は、これらハンドラ制御部630および試験実行部640を含むテスト部620全体の動作を統括する装置制御部650を備える。
ハンドラ610は、複数の被試験半導体デバイス300をストッカ(図示なし)から順次搬送して試験用ソケット500へ押圧載置して電気的試験を実行させる。ストッカには複数枚の搬送トレイ550が有り、各搬送トレイ550には多数の被試験半導体デバイス300が搭載されている。搬送装置(図示なし)によって搬送トレイ550から被試験半導体デバイス300が順次搬送されて、プッシャユニット10に渡される。
プッシャユニット10により複数個の被試験半導体デバイス300が搬送され、試験領域においてプッシャユニット10により吸着保持された状態で降下して、2つの被試験半導体デバイス300が試験用ソケット500へ押圧接触する。これら動作は、ハンドラ内制御装置(図示なし)により、テスト部620側のハンドラ制御部630と通信しながら、連携した搬送制御される。なお、半導体試験装置20の全体動作は、ハンドラ610側とテスト部620側とで試験開始情報、試験終了情報、試験結果の良否判定/分類情報、その他の通信情報を授受しながら、両者が連携して搬送制御とデバイス試験とが同期して実行される。
試験領域において、被試験半導体デバイス300が試験用ソケット500の上方に到達すると、プッシャユニット10が降下し、被試験半導体デバイス300は試験用ソケット500上に当接する。さらに、プッシャユニット10が被試験半導体デバイス300を試験用ソケット500に向かって押圧することにより、被試験半導体デバイス300のデバイス端子と試験用ソケット500の対応するコンタクトピン510とが電気的に接触する。
上記の接触状態で、試験実行部640は試験を実行して、試験の結果から個々の被試験半導体デバイス300の良否判定情報、電気的な特性等の情報を得る。この情報に基づいて分類された分類情報がハンドラ制御部630を介してハンドラ内制御装置へ送信される。ハンドラ制御部630は、試験済みの被試験半導体デバイス300を、プッシャユニット10および他の搬送装置(図示なし)により搬送して、前記分類情報に基づいて対応するストッカへ収容する。
この半導体試験装置20は、図1に示すように、単一の本体部210に対して複数のデバイス押圧部220を備えたプッシャ200を含むプッシャユニット10を備えている。また、各プッシャ200は、単一の熱源400及び単一の熱的結合部201により2つの被試験半導体デバイス300に均等の温度制御が維持できる。従って、単一の熱源とデバイス押圧部とを備えた半導体試験装置と比較した場合、高密度に実装でき、かつ小型で安価に実現できる。また、同一の試験領域であっても、より多数個の被試験半導体デバイスを同時測定することも可能となるので、試験コストの低減ができる。
図3は、他の実施形態に係るプッシャユニット30の構造を示す縦断面図である。なお、同図において、図1と共通の構成要素には共通の参照符号を付して重複する説明を省いている。
同図に示すように、この実施形態では、図1に示した試験領域の構造に対して、一対の試験用ソケット500のさらに外側に一対の規制部材530が付加されている。規制部材530は、プッシャ200の本体部210に固定されたバンパ532と、試験用ソケット500側に固定されたバンパ534とを含み、プッシャユニット30の昇降方向についてひとつの直線上に配置されている。従って、プッシャユニット30が一定の範囲を越えて降下すると、バンパ532、534が相互に当接して、それ以上の降下を規制する。
規制部材530が降下を規制する高さは、デバイス押圧部220による被試験半導体デバイス300の押圧を妨げないことが好ましい。よって、被試験半導体デバイス300が試験用ソケット500に正常に装荷されたときのデバイス押圧部220の高さまではバンパ532、534が当接しないようにバンパ532、534の高さが設定されている。
上記のバンパ532、534は、各押圧部材220のひとつひとつに設けられている。これにより、一方の保持部130で被試験半導体デバイス300が空の場合であっても、他方の保持部130に保持されている被試験半導体デバイス300の押圧条件は一定に維持できる結果、過大な押圧力が印加されることが防止される。また、空いている側のデバイス押圧部220が限度を超えて降下することに伴う試験用ソケット500の損傷が回避でき、また他方の保持部130が著しく傾斜することを防止できる。
図4は、他の実施形態に係るプッシャユニット40の構造を示す縦断面図である。同図においても、他の図と共通の構成要素には共通の参照符号を付して重複する説明を省いている。また、このプッシャユニット40は、デバイス押圧部240の形状とその装着構造が異なっている点を除けば、図1に示したプッシャユニット10と共通の構造を有している。
同図に示すように、このプッシャユニット40において、各デバイス押圧部230は、上端の周縁にフランジ部234を有し、上端の中央に突起状の突起232を有する。突起232の頂部は、略球面状に形成されている。また、デバイス押圧部230上端の他の領域は、略平坦な端面を形成している。これに対して、本体部210の下面には、デバイス押圧部230のフランジ部234を収容できる径を有する収容室214が形成され、デバイス押圧部230の上部を収容している。また、収容室214天面の中央には、デバイス押圧部230の突起232が度当たる度当り部215が形成されている。
さらに、収容室214の天面とデバイス押圧部230の上面との間には、熱伝導率の高い弾性シート236が挿入されている。これにより、デバイス押圧部230は、弾性シート236を介して本体部210から押圧される。また、この弾性シート236により、デバイス押圧部230と本体部210とが熱的にも結合されている。なお、収容室214下端の周囲には、フランジ部234の外径よりも小さな内径を有する止め具231が装着され、デバイス押圧部230の落下を防止している。
なお、熱伝導率の高い弾性シート236は、熱伝導シートと呼ばれることがある。また、止め具231とフランジ部234との隙間は、デバイス押圧部230が弾性シート236を軽く押圧した状態となるようにして、熱伝導が常に維持されるようにすることが望ましい。
以上のように構成されたプッシャユニット40が被試験半導体デバイス300を保持しつつ、試験用ソケット500に向かって降下したとき、まず、被試験半導体デバイス300の基板320下面が試験用ソケット500のコンタクトピン510に当接する。この状態でさらにプッシャユニット40が降下すると、デバイス押圧部230がその下面でダイ310をしだいに強く押圧する。
このため、弾性シート236は圧縮され、突起232が度当り部215の内面に当接してストッパとして機能すると共に、当接後の位置が固定されるので、所望の高さ位置で被試験半導体デバイス300を押圧維持できる。逆に、傾斜方向に対しては、弾性シート236により適度に傾斜揺動できる。この結果、デバイス押圧部230とダイ310とは密着接触できる。従って、安定した熱伝導が維持できる。こうして、被試験半導体デバイス300のデバイス端子と試験用ソケット500のコンタクトピン510との間に良好な電気的接続が確立される。
また、製造ばらつき等によってダイ310自身の表面が傾いていた場合には、デバイス押圧部230がダイ310の一部にだけ当接するおそれがある。しかしながら、本実施形態においては、弾性シート236の伸縮によりデバイス押圧部230が本体部210に対して傾斜揺動できるので、デバイス押圧部230をダイ310の表面の傾きに追従させて、密着させることができる。従って、デバイス押圧部230と被試験半導体デバイス300との接触面の全体で熱伝導できる。なお、この場合に弾性シート30がデバイス押圧部230の押圧方向に押し込まれて縮むが、突起232が度当り部215に度当たるとそれ以上弾性シート30が縮まずに、デバイス押圧部230がダイ310をさらに押圧する。
図5は、他の実施形態に係るプッシャユニット50の構造を示す縦断面図である。同図においても、他の図と共通の構成要素には共通の参照符号を付して重複する説明を省いている。また、このプッシャユニット50も、そのデバイス押圧部240の形状とその装着構造に特徴がある。
同図に示すように、このプッシャユニット50において、各デバイス押圧部240の上端は、周縁にフランジ部242を形成された平坦な端面を有している。本体部210の下面には、デバイス押圧部230のフランジ部242を収容できる径を有する収容室216が形成され、デバイス押圧部240の上部を収容している。さらに、収容室216内には、熱伝導率の高い流体246が充填されており、本体部210とデバイス押圧部240との間の熱伝導性を良好に保っている。
なお、収容室216下端の周囲には、フランジ部242の外径よりも小さな内径を有する止め具241が装着され、デバイス押圧部240の落下を防止している。また、流体246が外部へ流出しないように、デバイス押圧部240へOリング等(図示なし)を取り付けてシールする。流体246としては、シリコーン液、シリコングリス、水銀等の熱伝導性の優れた流体が好適に使用できる。
また、デバイス押圧部240の上端面と収容室216の天面との間には、押圧バネ244が挿入され、デバイス押圧部220を下方に向かって付勢している。これにより、デバイス押圧部240は、それぞれ、本体部210に対して弾性支持され、押圧方向に変位できるように装着されている。
以上のように構成されたプッシャユニット50が被試験半導体デバイス300を保持しつつ、試験用ソケット500に向かって降下したとき、まず、被試験半導体デバイス300の基板320下面が試験用ソケット500のコンタクトピン510に当接する。この状態でさらにプッシャユニット40が降下すると、押圧バネ244に付勢されたデバイス押圧部240がその下面でダイ310をしだいに強く押圧する。このとき、流体246によって適度に傾斜揺動できる結果、デバイス押圧部240とダイ310とは密着接触できる。従って、安定した熱伝導が維持できる。
また、何らかの理由でダイ310の厚さにばらつきがあった場合、または、基板からのダイ310の高さにばらつきがあった場合でも、押圧バネ244の弾性によりデバイス押圧部220が個別に変位して被試験半導体デバイス300の表面に密着する。従って、デバイス押圧部230から被試験半導体デバイス300に効率よく熱が伝達される。また、一方の被試験半導体デバイス300に対して過剰なあるいは過小な押圧力が印加されることがない。
図6は、他の実施形態に係るプッシャユニット60の構造を示す縦断面図である。同図においても、他の図と共通の構成要素には共通の参照符号を付して重複する説明を省いている。また、このプッシャユニット60も、デバイス押圧部250の形状とその構造に特徴がある。
同図に示すように、このプッシャユニット60において、デバイス押圧部250と本体部210とは一体に成型されている。よって、デバイス押圧部250と本体部210との間の熱伝導は良好である。一方、デバイス押圧部250の下端面には、熱伝導率の高い弾性を有する弾性シート252が貼付されている。従って、デバイス押圧部250は、弾性シート252を介して被試験半導体デバイス300を押圧する。
この弾性シート252により、ダイ310の傾きおよび厚さのばらつき等にかかわらず、デバイス押圧部250の押圧面とダイ310の表面とを密着させることができる。また、ダイ310表面に微細な起伏があった場合でも、弾性シート252の弾性により、デバイス押圧部250とダイ310とを密着させることができる。従って、プッシャ200と被試験半導体デバイス300との間の熱伝導を高めることができる。
図7は、他の実施形態に係るプッシャユニット70の構造を示す縦断面図である。同図において、図6のプッシャユニット60と共通の構成要素には共通の参照符号を付して重複する説明を省いている。
同図に示すように、このプッシャユニット70では、プッシャ200の本体部210は、各々が弾性変形できる熱伝導の良い複数の薄板材218、例えばグラファイトシートを積層して形成されている。また、薄板材218の両端近傍において、デバイス押圧部260から上方に延在する貫通部262と、貫通部262の先端に装着されたナット264を締結部材として、薄板材218は相互に締結されている。さらに、本体部210の中央部も、熱的結合部201から下方に延在する貫通部266と、その先端に装着されたナット268とにより、薄板材218が締結されている。
ただし、いずれの締結箇所においても、薄板材218どうしは接着されておらず、相互に独立して変形する。一方、締結箇所において締めつけられた薄板材218は相互に強く接触しているので、熱を相互によく伝える。また、本体部210とケース上部110との間に2個の押圧バネ140がデバイス押圧部220に対応する位置に配設されている。従って、ユニットケース100が下方に変位したとき、押圧バネ140を介してプッシャ210が押圧される。
以上のように形成された本体部210は、被試験半導体デバイス300を押圧するときに、ダイ310から受ける反力に応じて薄板材218が撓む。従って、ダイ310表面の傾き、変位等に従って変形してデバイス押圧部260の押圧面をダイ310に密着させ、両者の間の良好な熱伝導を維持する。
なお、この実施形態では、本体部210自体が弾性を有するので、ユニットケース100と本体部210との間の押圧バネは省略している。また、本体部210の中央に位置する熱的結合部201をユニットケース100により直接に押圧する構造となっている。
図8は、他の実施形態に係るプッシャユニット80の構造を示す縦断面図である。同図においても、他の図と共通の構成要素には共通の参照符号を付して重複する説明を省いている。なお、図8において左側はプッシャ200の中央を鉛直方向に切断した部分断面図であり、右側は正面から見た部分正面図である。図8に示す実施形態において、デバイス押圧部は、被試験半導体デバイス300のダイ310に熱を伝達するための熱伝導部280と、被試験半導体デバイス300を試験用ソケット500に向かって押圧する基板押圧部270とを個別に備えている。
この実施形態では、熱伝導部280は、本体部210と一体に形成される。従って、本体部210と熱伝導部280との間の熱伝導性は良好である。一方、基板押圧部270は、熱伝導部280の回りを囲む断面四角のドーナツ形状の本体とこの本体から延伸する脚部272を有する。また、基板押圧部270の上端とケース上部110との間には、弱い弾性の押圧バネ274が挿入される。なお、基板押圧部270の下端は、ケース下部120に支持される。
以上のように形成されたプッシャユニット80が被試験半導体デバイス300を保持しつつ試験用ソケット500に向かって降下する。このとき、熱伝導部280とダイ310との当接面は非接触の状態である。次に、被試験半導体デバイス300の基板320下面のデバイス端子(図示なし)が試験用ソケット500のコンタクトピン510に当接する。この状態でさらにプッシャユニット80が降下すると、基板押圧部270の弱い弾性の押圧バネ274が縮んでくる結果、熱伝導部280とダイ310との当接面は接触状態になる。
こうして、被試験半導体デバイス300のデバイス端子と試験用ソケット500のコンタクトピン510との間に良好な電気的接続が確立される。ここで、熱伝導部280とダイ310との当接面が傾斜している場合に、コンタクトピン510側の押圧ストロークが長いピン(例えばポゴピン)ものを使用することが望ましい。この場合には、被試験半導体デバイス300側が揺動して、熱伝導部280とダイ310との当接面が密着接触できる。
ここで、固定された熱伝導部280は本体部210に対して変位しないので、いわば優先的にダイ310に当接して専ら熱伝導に寄与する。これに対して弾性支持された基板押圧部270は、基板320の傾斜や高さ等にばらつきがあっても柔軟に変位できるので熱伝導部280とダイ310とは容易に密着接触できる。
ここまでに説明した各プッシャユニット10、30、40、50、60、70、80は、複数の被試験半導体デバイス300を同時に押圧すべく複数のデバイス押圧部220、230、240、250、260、280または基板押圧部270を備えているにもかかわらず、どの押圧部においても被試験半導体デバイス300に対して良好な熱的結合を得ている。これにより、半導体試験装置20においてひとつのプッシャユニット10、30、40、50、60、70、80で、複数個の被試験半導体デバイス300を均一に加熱または冷却することができる。
また、上記の実施形態のうちから複数の構造を組み合わせてプッシャユニットを形成することもできる。例えば、図1に示した構造と図5に示した構造を組み合わせることにより、被試験半導体デバイス300の傾きに対しても厚さのばらつきに対しても対応できるプッシャユニットが実現される。また、図3に示した規制部材530は、いずれの実施形態に対しても有効に適用できる。
なお、実施形態として示した一連のプッシャユニット10、30、40、50、60、70、80、90のプッシャ200において、デバイス押圧部220、230、240、250、260を揺動できる構造または弾性支持する構造は、被試験半導体デバイス300に対して熱負荷を印加しあるいは被試験半導体デバイス300を冷却する試験装置20だけではなく、被試験半導体デバイス300を単純に押さえつける熱伝導には関係しないプッシャユニットにおいても有利に作用する。
即ち、デバイス押圧部220が、その押圧面全体で均一に被試験半導体デバイス300に当接するので、被試験半導体デバイス300に局部的に大きな圧力が印加され、あるいは、押圧部220の角で被試験半導体デバイスが傷つけられることがない。従って、単一被試験半導体デバイス300を押圧するプッシャユニットと同じ試験品質で試験を実行でき、且つ、単一のプッシャ200で複数の被試験半導体デバイス300を押圧するプッシャユニットを実現できる。
また、ここまでの実施形態は、それぞれが複数のデバイス押圧部220、230、240、250、260を備えていた。しかしながら、これらのデバイス押圧部220、230、240、250、260の構造は、単一のデバイス押圧部220を備えたプッシャユニット90に対しても適用できる。
図9は、単一の被試験半導体デバイス300を押圧するプッシャユニット90の例を示す断面図である。同図に示すように、このプッシャユニット90は、図1に示したプッシャユニット10と同じ構造で装着されたデバイス押圧部220をひとつ備えている。
この実施形態でも、図1に示した実施形態と同様に、デバイス押圧部220は、その球面端222をやはり球面状の座部212に支持されている。従って、デバイス押圧部220は、被試験半導体デバイス300の傾きに従って揺動してその表面に密着する。これにより、本体部210およびデバイス押圧部220の間の熱伝導も、デバイス押圧部220およびダイ310の間の熱伝導も、いずれもが良好に保たれる。従って、被試験半導体デバイス300の製造ばらつきで、特に傾きのばらつきが大きなデバイスに対して有効である。
更に、実施形態として示した一連のプッシャユニット10、30、40、50、60、70、80、90は、半導体試験装置20に組み込んで供給する他、チェンジキットとしてプッシャユニット10、30、40、50、60、70、80、90を単体で供給して、既存の半導体試験装置20に実装させることもできる。また更に、プッシャ200を単独で供給して、既存のプッシャユニットに組み込むこともできる。
図10は、プッシャ200を含むチェンジキット610を容易に交換できるプッシャユニット15のひとつの実施形態の構造を模式的に示す断面図である。なお、同図において、他の図と共通の構成要素には同じ参照符号を付して重複する説明を省いている。
同図に示すように、このプッシャユニット15は、熱的結合部201を含む常設部620と、プッシャ200を含み常設部620に対して着脱できるチェンジキット部610とを備えている。常設部620とチェンジキット部610は、その各側面に装着されたラッチ622、612により相互に結合されている。ただし、このラッチ622、612は開放することができ、その場合はチェンジキット部610を取り外すことができる。
上記プッシャ15において、常設部620は、ロワーケース621およびアッパーケース623を積層して形成されたケース部と、フランジ部203を一体に有する熱的結合部201とを備えている。フランジ部203は、弾性部材624により上方から下方に向かって圧力P0で付勢されており、後述するプッシャ200を上方から圧下している。ただし、何らかの理由でプッシャ200が変位した場合は、熱的結合部201はそれに追従して上昇することも傾動することもできる。
また、常設部620には、アッパーケース623およびロワーケース621を上下に貫通する連通管135と、連通管135の下端に結合されてロワーケース621の下面に開口するコネクタ139も備えている。連通管135の上端は、図示されていない減圧源に結合されている。
一方、チェンジキット部610は、やはりロワーケース112およびアッパーケースにより形成されたユニットケース100と、押圧バネ140によりユニットケース100に対して下方に向かって付勢されたプッシャ200とを備えている。また、ユニットケース100の下面には、複数の保持部130も装着されている。
ここで、保持部130の内部132は、ロワーケース112およびケース上部110にそれぞれ形成された連通管134、136を介して、ケース上部110の上面に開口したコネクタ138に連通している。また、コネクタ138は常設部620の下面に装着されたコネクタ135に結合されている。従って、常設部620とチェンジキット部610とが結合された状態では、保持部130の内部132は、減圧源に結合されている。なお、常設部620のロワーケース621内部では、連通管135は複数の分岐部137に結合されており、複数の保持部130のそれぞれを減圧源に結合されている。また、各保持部130の外側には、側壁部材114が装着されており、保持した被試験半導体デバイス300を位置決めする。
上記のように形成されたプッシャユニット15は、保持部130に結合された減圧源を駆動することにより、被試験半導体デバイス300を保持部130に保持できる。また、試験用ソケット500上に被試験半導体デバイス300を降下させ、さらに、常設部620を上方から圧力P1で圧下して押圧バネ140に発生した力P2により、プッシャ200が押圧される。こうして、最終的に、デバイス押圧部220を介して被試験半導体デバイス300が試験用ソケット500のコンタクトピン510に向かって押圧できる。
また、上記の動作において、被試験半導体デバイス300に当接するプッシャ200には、熱的結合部201が上方から当接し、付勢部材624により押圧されている。また、熱的結合部201は弾性支持されているので、プッシャ200の変位および傾きに追従できる。従って、熱的結合部201の下面は、その全体でプッシャ200に密着するので、プッシャ200は熱源400に効率よく結合される。
さらに、何らかの理由で一対の被試験半導体デバイス300上面の高さが異なっていた場合でも、プッシャ200はユニットケース100に対して変位できるので、双方の被試験半導体デバイス300を均等に押圧できる。また、個々の被試験半導体デバイス300が何らかの理由で傾斜していた場合でも、コンタクトピンは自身の弾性により伸縮するので、その範囲で対応できる。従って、プッシャ200のデバイス押圧部220の下面は、被試験半導体デバイス300に全面で密着する。従って、熱源400と被試験半導体デバイス300との熱的な結合も緊密になる。
なお、上記のプッシャユニット15において、プッシャ200のデバイス押圧部220に、既に説明した他の実施形態に係るプッシャユニット10、30、40、50、60、70、80、90のデバイス押圧部220の構造を適用できることはいうまでもない。これにより、デバイス押圧部220と被試験半導体デバイス300との熱的な結合を良好にできることは、既に述べた通りである。
また、ひとつの実施形態として、プッシャユニット15に温度センサを装着することができる。即ち、図10に示す通り、熱的結合部201およびプッシャ200の結合部付近に温度センサ710、720を設けることにより、半導体試験中の温度を精密に管理できる。ここで、温度センサ710、720は、熱的結合部201側に設けても、プッシャ200側に設けても、あるいは、その両方に設けてもよい。
温度センサ720を熱的結合部201側に設けた場合は、熱源400の発生する温度と熱的結合部201の温度変化とを比較することにより、両者の結合を監視できる。また、温度センサ710をプッシャ200側に設けた場合は、プッシャ200に実際に伝達された熱量を監視できる。さらに、温度センサ720、710を熱的結合部201およびプッシャ200の両方に設けた場合は、それぞれの温度だけではなく、熱的結合部201およびプッシャ200の熱的な結合状態そのものを監視できる。
なお、これは一例に過ぎず、より多くの場所に温度センサを配置することができる。また、図中に示すように、チェンジキット部610側に装着された温度センサ710は、コネクタ712、714を介して半導体試験装置10に結合されている。従って、後述するようにチェンジキット部610を交換した場合でも、必要に応じて温度センサ710を半導体試験装置に接続することかできる。
図11は、図10に示したプッシャユニット15のラッチ612、622を開放して、チェンジキット部610を外した状態を示す図である。同図に示すように、チェンジキット部610は、常設部620から分離することができる。従って、ラッチ612およびコネクタ138の位置さえ同じならば、他のチェンジキット部610を装着することができる。
図12は、そのような例を示す図である。即ち、図12に示すプッシャユニット16は、図10および図11に示したプッシャユニット15と共通の常設部620に対して、プッシャユニット15とは異なるチェンジキット部630を装着して形成されている。
ここで装着されているチェンジキット部630では、プッシャ200は、押圧バネ140を介することなく、ケース上部110から直接に押圧される。また、独立した保持部130は備えておらず、デバイス押圧部222が被試験半導体デバイス300を直接に保持するように形成されている。
即ち、デバイス押圧部222は、その内部を上下に貫通する貫通穴133を備えている。この貫通穴133は、ケース上部110に形成された連通穴136に連通し、さらに、コネクタ138を介して常設部620のコネクタ139に連通している。従って、貫通穴133は、減圧源に結合されており、デバイス押圧部222の下面に被試験半導体デバイス300を吸着して保持できる。
なお、ここで取り扱われる被試験半導体デバイス300では、ダイ312と基板322との寸法が略同じである。従って、図10および図11に示したように保持部130が広い間隔で装着された構造では、この被試験半導体デバイス300を保持できない。これに対して、図12に示すプッシャユニット16では、デバイス押圧部220自体に吸着機能があるので、基板322の寸法にかかわらず被試験半導体デバイス300を保持できる。
また、デバイス押圧部222が被試験半導体デバイス300を直接に吸着しているので、両者の間の熱伝導も良好である。従って、熱的結合部201の熱は、被試験半導体デバイス300に効率よく伝達される。
図13は、図12に示したプッシャ16の常設部620とチェンジキット部630とを分離した状態を示す。同図に示すように、常設部620は、図10および図11に示したプッシャユニット15の常設部620そのものである。
これに対して、チェンジキット部630は、図12を参照して説明した通り独特の構造を有しており、被試験半導体デバイス300を直接に保持できるプッシャ200を備えている。ただし、チェンジキット部630において、図10および図11に示したチェンジキット部610と同じ位置にコネクタ138が配置されている。従って、共通の常設部620に対してチェンジキット610または630を交換できる構造とすることにより、様々な仕様の被試験半導体デバイス300の試験を容易に実施することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることは当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
Claims (24)
- 共通の熱源に熱的に結合された複数のデバイス押圧部を備え、
前記複数のデバイス押圧部の各々が前記被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して押圧することにより、前記被試験半導体デバイスの各々を半導体試験装置の試験用ソケットに押圧し且つ前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ。 - 本体部と、前記本体部に対して揺動できるように前記本体部に支持されたデバイス押圧部とを備え、
前記デバイス押圧部が、被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して、前記被押圧面の傾斜に従って揺動することにより前記被押圧面に密着して、前記押圧面を均一に押圧して前記被試験半導体デバイスを半導体試験装置の試験用ソケットに向かって押圧するプッシャ。 - 熱源に熱的に結合された本体部と、前記本体部に対して物理的且つ熱的に結合され、各々が被試験半導体デバイスの被押圧面を押圧する複数のデバイス押圧部とを備え、
前記デバイス押圧部の各々が、前記被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して前記被試験半導体デバイスを半導体試験装置の試験用ソケットに向かって押圧し、且つ、前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ。 - 熱源に熱的に結合された本体部と、前記本体部に対して物理的且つ熱的に結合され、且つ、前記本体部に対して揺動できるように前記本体部に支持され、被試験半導体デバイスの被押圧面を押圧するデバイス押圧部とを備え、
前記デバイス押圧部が、被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して、前記被押圧面の傾斜に従って揺動することにより前記被押圧面に密着して、前記押圧面を均一に押圧し且つて前記被試験半導体デバイスを半導体試験装置の試験用ソケットに向かって押圧し、且つ、前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ。 - 前記デバイス押圧部が球面状の端部を有し、前記本体部が前記端部と相補的な形状の座部を有し、前記端部および座部が嵌合することにより両者が結合されている請求項2または請求項4に記載のプッシャ。
- 前記本体部および前記デバイス押圧部の間に、熱伝導率の高い流動体が介在する請求項5に記載のプッシャ。
- 前記デバイス押圧部が、その押圧方向について前記本体部に対して変位できるように前記本体部から弾性支持されている請求項2または請求4に記載のプッシャ。
- 前記本体部および前記デバイス押圧部の間の間隙が、熱伝導率の高い流動体で充填されている請求項7に記載のプッシャ。
- 前記デバイス押圧部が、弾性シートを介して前記本体部に支持されている請求項7に記載のプッシャ。
- 前記本体部が、前記押圧方向に積層されて積層体をなす複数の弾性変形できる薄板材と、前記薄板材が相互に密着するように締結する締結部材とを含む前記請求項2または請求項4に記載のプッシャ。
- 前記デバイス押圧部が、
一端が前記本体部に熱的に結合され、他端が前記被試験半導体デバイスに当接する当接面をなし、前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝播させる熱伝導部と、
一端において前記本体部から前記被試験半導体デバイスに向かって付勢され、他端において前記被試験半導体デバイスの前記熱伝導部が押圧していない領域を前記試験用ソケットに向かって押圧する基板押圧部と
を含む請求項3または請求項4に記載のプッシャ。 - 前記デバイス押圧部がその表面に熱伝導率の高いシート状の弾性部材を備え、該弾性部材を介して前記被試験半導体デバイスを押圧する請求項3または請求項4に記載のプッシャ。
- 前記熱源から前記デバイス押圧部を介して前記被試験半導体デバイスに伝導される熱の経路上に配置され、自身の配置された場所の温度を測定する温度センサを備える請求項3から請求項12までのいずれか1項に記載のプッシャ。
- 前記デバイス押圧部が着脱できる請求項1から請求項13までの何れか1項に記載のプッシャ。
- 一端を前記熱源に熱的に結合され、他端を前記本体部に熱的に結合された熱的結合部を備え、前記熱的結合部に対して前記本体部および前記デバイス押圧部が着脱でき、仕様の異なる他の前記本体部および前記デバイス押圧部を装着できる請求項14に記載のプッシャ。
- 前記本体部からの押圧力により前記デバイス押圧部が前記試験用ソケット方向へ変位するときの変位量を規制する規制部材を更に備える請求項1から請求項13までの何れか1項に記載のプッシャ。
- ひとつの前記本体部に対して、複数の前記デバイス押圧部が装着されている請求項2から請求項15までの何れか1項に記載のプッシャ。
- 前記デバイス押圧部のそれぞれが、前記本体部からの押圧力により前記デバイス押圧部が前記試験用ソケット方向へ変位するときの変位量を規制する規制部材を備える請求項17に記載のプッシャ。
- 半導体試験装置において被試験半導体デバイスを保持して試験用ソケットに向かって押圧するプッシャユニットであって、
熱源と、
前記熱源に熱的に結合された本体部、及び、前記本体部に対して物理的且つ熱的に結合された複数のデバイス押圧部を有するプッシャであって、前記デバイス押圧部の各々が前記被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して、それぞれが前記被試験半導体デバイスを前記試験用ソケットに向かって押圧し且つそれぞれが前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャと、
前記被試験半導体デバイスをそれぞれが保持する複数の保持部と
を備えるプッシャユニット。 - 半導体試験装置において被試験半導体デバイスを保持して試験用ソケットに向かって押圧するプッシャユニットであって、
熱源と、
前記熱源に熱的に結合された本体部、及び、前記本体部に対して揺動できるように前記本体部に支持され且つ前記本体部に対して熱的に結合されたデバイス押圧部とを有するプッシャであって、前記被試験半導体デバイスの表面の傾斜に従って揺動することにより前記被試験半導体デバイスの表面に密着して、前記被試験半導体デバイスを前記試験用ソケットに向かって押圧すると共に前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャと、
前記被試験半導体デバイスを保持する保持部と
を備えるプッシャユニット。 - 半導体試験装置において被試験半導体デバイスを試験用ソケットに向かって押圧するプッシャユニットであって、
熱源と、
前記熱源に熱的に結合された本体部、前記本体部に対して前記被試験半導体デバイスに対する押圧方向に変位可能に前記本体部から弾性支持され且つ前記本体部に熱的に結合されたデバイス押圧部を有するプッシャであって、前記被試験半導体デバイスの表面に密着して前記被試験半導体デバイスを前記試験用ソケットに向かって押圧すると共に前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャと、
前記被試験半導体デバイスを保持する保持部と
を備えるプッシャユニット。 - 熱源、前記熱源に熱的に結合された本体部と、前記本体部に対して物理的且つ熱的に結合された複数のデバイス押圧部とを有するプッシャであって、前記複数のデバイス押圧部は被試験半導体デバイスの被押圧面に当接して前記被試験半導体デバイスを前記試験用ソケットに向かって押圧し且つそれぞれが前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ、及び、前記被試験半導体デバイスをそれぞれが保持する複数の保持部を含むプッシャユニットと、
前記プッシャユニットによって前記試験用ソケットに装着された前記被試験半導体デバイスに対する試験を実行するテスト部と
を備える半導体試験装置。 - 熱源、前記熱源に熱的に結合された本体部と、前記本体部に対して揺動できるように前記本体部に支持され且つ前記本体部に対して熱的に結合されたデバイス押圧部とを有するプッシャであって、被試験半導体デバイスの表面の傾斜に従って揺動することにより前記被試験半導体デバイスの表面に密着して前記被試験半導体デバイスを前記試験用ソケットに向かって押圧すると共に前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ、及び、前記被試験半導体デバイスを保持する保持部とを備えるプッシャユニットと、
前記プッシャユニットによって前記試験用ソケットに装着された前記被試験半導体デバイスに対する試験を実行するテスト部と
を備える半導体試験装置。 - 熱源、前記熱源に熱的に結合された本体部と、前記本体部に対して被試験半導体デバイスに対する押圧方向に変位可能に前記本体部から弾性支持され且つ前記本体部に熱的に結合されたデバイス押圧部とを有するプッシャであって、前記本体部からの押圧力により試験用ソケットに向かって変位しつつ前記被試験半導体デバイスの表面に密着して前記被試験半導体デバイスを押圧すると共に前記熱源からの熱を前記被試験半導体デバイスに伝えるプッシャ、及び、前記被試験半導体デバイスを保持する保持部とを有するプッシャユニットと、
前記プッシャユニットによって前記試験用ソケットに装着された前記被試験半導体デバイスに対する試験を実行するテスト部と
を備える半導体試験装置。
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-
2012
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