JP2012196059A - 電力利用調整装置、システムおよびプログラム - Google Patents

電力利用調整装置、システムおよびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】需要家のプライバシーを保護しつつ、電力利用の調整を行うことが可能な電力利用調整装置、システムおよびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の電力利用調整装置は、受信部と、集計部と、調整部と、送信部と、を備える。受信部は、複数の需要家装置から、時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を、複数の需要家装置で共通の正規分布に従って生成される全体平均値が0となる乱数により時間帯ごとに撹乱した情報である撹乱情報を受信する。集計部は、受信した複数の撹乱情報を時間帯ごとに集計する。調整部は、撹乱情報が含まれない時間帯を除く各時間帯における撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間帯における撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行う。送信部は、複数の需要家装置に対して、調整の結果を表す調整情報を送信する。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、電力利用調整装置、システムおよびプログラムに関する。
スマートグリッドと呼ばれる次世代エネルギー供給システムは、情報ネットワーク技術を利用して電力の需要と供給のバランスを制御することで、再生可能エネルギーの有効利用を図りながら、電力のより一層の安定供給を実現する仕組みである。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用した発電は、気象条件などによる出力変動が大きいため、その出力変動を他の制御可能な電源や蓄電池、電力需要の調整などにより吸収するための需給制御を行うことが求められる。このような需給制御の需要側における取り組みとして、デマンドレスポンスと呼ばれる技術がある。
デマンドレスポンスは、需要逼迫時の需要ピーク抑制、軽負荷時への需要シフトによる負荷平準化、再生可能エネルギー大量導入時の短周期変動抑制などを目的として、ユーティリティ事業者側からの要請に基づき需要家側での電力利用を制限するものである。デマンドレスポンスの実現方式としては、様々な方式が考えられる。例えば、ユーティリティ事業者などに設けたサーバが、電力供給の契約を結んだ各需要家から電力の利用予定に関する情報を収集し、将来の想定される電力使用量の総量を見積もって上述したデマンドレスポンスの目的に合わせた調整を行い、一部の需要家に対して電力の利用予定の変更を依頼する方式などが、その一例として挙げられる。
このような方式でデマンドレスポンスを実現する場合、サーバが収集する情報が不正に盗み出されると、この情報から需要家の生活パターンなどを推察することができるため、プライバシーの侵害に繋がる。
松山隆司、「エネルギーの情報化とは?背景,目的,基本アイディア,実現手法」、会誌「情報処理」、一般社団法人情報処理学会、2010年8月15日、Vol.51 No.8、p.926-933
本発明が解決しようとする課題は、需要家のプライバシーを保護しつつ、電力利用の調整を行うことが可能な電力利用調整装置、システムおよびプログラムを提供することである。
実施形態の電力利用調整装置は、受信部と、集計部と、調整部と、送信部と、を備える。受信部は、需要家ごとに設けられ、需要家が予定している時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を記憶した複数の需要家装置から、前記予定情報を、複数の前記需要家装置で共通の正規分布に従って生成される全体平均値が0となる乱数により時間帯ごとに撹乱した情報である撹乱情報を受信する。集計部は、受信した複数の前記撹乱情報を時間帯ごとに集計する。調整部は、前記撹乱情報が含まれない時間帯を除く各時間帯における前記撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間帯における前記撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行う。送信部は、複数の前記需要家装置に対して、前記調整の結果を表す調整情報を送信する。
予定情報の一例を説明する説明図。 各家庭での電気利用状況を模式的に示す概念図。 電力利用調整システムの一構成例を示す構成図。 電力利用調整サーバおよびHEMSサーバにおいて実現される機能構成の一例を示す機能ブロック図。 電力利用量調整部による調整の一例を説明する説明図。 情報数調整部による調整の一例を説明する説明図。 第1実施例における調整部の処理の流れを示すフローチャート。 第2実施例における調整部の処理の流れを示すフローチャート。 第3実施例における調整部の処理の流れを示すフローチャート。
[電力利用調整システムの概要]
まず、本実施形態にかかる電力利用調整システムの概要について説明する。本実施形態にかかる電力利用調整システムは、電力の供給に関わる事業を展開するユーティリティ事業者が、当該ユーティリティ事業者との間で契約を結んだ需要家に対して、電力利用の制限を受け入れることを要請し、その要請に従うようなインセンティブを需要家に与えることで、デマンドレスポンスを実現するシステムである。
本実施形態では、ユーティリティ事業者側に設けられた電力利用調整サーバ(電力利用調整装置)と、各需要家の家庭に設けられたHEMS(Home Energy Management System)サーバ(需要家装置)とが、通信ネットワークを介して通信可能に接続されたシステム構成を想定している。各HEMSサーバは、各需要家が予定している時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を記憶しており、この予定情報を電力利用調整サーバに対して送信する。電力利用調整サーバは、各HEMSサーバからの予定情報を収集し、電力供給を行う設備への負担が少なくなるように少なくとも一部の予定情報を調整(アレンジ)し、調整を行った予定情報の送信元であるHEMSサーバに対して、調整の結果を表す調整情報を送信する。電力利用調整サーバがHEMSサーバに送信する調整情報は、その家庭での電力利用について、ある時間帯で予定されている電力利用量を他の時間帯にシフトするような電力利用時間の変更を依頼する情報を含んでいる。
なお、本実施形態では、家庭単位での需要家を想定しているが、オフィスビルなどの建物を単位とした需要家や、工場を単位とした需要家、地域を単位とした需要家などが含まれる場合にも、同様の電力利用調整システムを構築できる。オフィスビルなどの建物を単位とした需要家の場合は、上記HEMSサーバを、BEMS(Building Energy Management System)サーバに置き換えればよい。また、工場を単位とした需要家の場合は、上記HEMSサーバを、FEMS(Factory Energy Management System)サーバに置き換えればよい。また、地域を単位とした需要家の場合は、上記HEMSサーバを、CEMS(Community Energy Management System)サーバに置き換えればよい。
図1は、本実施形態にかかる電力利用調整システムにおいて、HEMSサーバから電力利用調整サーバに送信される予定情報の一例を説明する説明図である。予定情報は、一例として、図1に示すように、単位時間ごとの電力利用量がグラフ形式で表現される情報である。図1における横軸は時間帯を表す時間枠で区切った時刻を表し、縦軸は各時間枠における電力利用量を表している。この図1に例示する予定情報は、各時間枠において矩形ブロックの個数分だけの電力を利用する予定であることを示している。なお、予定情報の起算点(図1の横軸の開始点)や時間枠の大きさ、時間枠の数、一ブロックに相当する電力量、予定情報を送信するタイミングなどは、電力利用調整システムで統一したルールを予め定めておけばよい。また、そのルールを月ごと、季節ごとなどといった所定期間ごとに随時変更することも可能である。各HEMSサーバは、上記のルールに従って、予め定められたタイミングで予め定められた期間についての予定情報を送信する。
電力利用調整サーバは、複数のHEMSサーバから収集した予定情報を統合して、時間枠ごとの電力利用量の総和を求める。また、電力利用調整サーバは、例えば、電力供給設備の監視や制御を行うグリッド監視制御装置などから、時間帯ごとの供給可能な電力量の分布を表す供給電力情報を取得する。そして、電力利用調整サーバは、例えば、電力利用量の総和が供給可能な電力量を超える時間枠、あるいは、電力利用量の総和が時間枠ごとに設定した目標値に対して大きく乖離している時間枠があれば、少なくとも一部の予定情報を調整することによって、その時間枠での一部の電力利用量を他の時間枠にシフトさせて、電力供給設備の負担を軽減させる。そして、電力利用調整サーバは、この調整の結果を表す調整情報を、調整を行った予定情報の送信元であるHEMSサーバに送信し、調整結果の受け入れを要請する。
本実施形態にかかる電力利用調整システムは、以下のような従来にない特徴を持つ。すなわち、従来のデマンドレスポンスを実現するシステムでは、需要家側に対してある時間帯での電力利用の制限のみを要請するのに対して、本実施形態にかかる電力利用調整システムでは、需要家に対して、複数の時点において相補的に電力利用を調整することを要請するものとなっている。つまり、本実施形態にかかる電力利用調整システムは、需要家の電力利用をある時間帯で制限した場合、その制限される電力量を他の時間帯での電力供給により補完するシステムとなっている。
具体的には、例えば、あるHEMSサーバから送信された予定情報に対して、電力利用調整サーバが、ある時間枠における電力利用量を50W減らすような調整を行う場合、これと同時に、別の時間枠における電力利用量を50W増やす調整を行う。つまり、電力利用調整サーバは、ある時間枠における50Wの電力利用量を別の時間枠にシフトさせるような調整を行う。そして、この予定情報を送信したHEMSサーバに対して、ある時間枠における50Wの電力利用量を他の時間枠にシフトさせるような調整の受け入れ要請を含む調整情報を送信する。なお、別の時間枠における電力利用量の補完は必ずしも完全な補完でなくてもよく、ある時間枠において制限した電力利用量の一部を別の時間枠において補完するようにしてもよい。
ユーティリティ事業者との間で契約を結んだ需要家は、電力利用調整サーバによる調整結果を受け入れることでインセンティブが与えられるため、多くの場合、この調整結果を受け入れることになる。ここで、需要家に対してインセンティブを与える方法としては様々なものが考えられるが、本実施形態では、電気料金を低額にするようなインセンティブを想定する。
図2は、本実施形態で想定している各家庭での電気利用状況を模式的に示す概念図である。ユーティリティ事業者との間で契約を結んだ需要家の家庭に対しては、普通電力と特殊電力との2種類の電力を供給する。普通電力は、特段の手続きを必要とせず、電気機器をコンセントに接続すれば供給される電力である。一方、特殊電力は、電気機器をHEMSサーバに接続した上でコンセントに接続することで供給される電力、あるいは、HEMSサーバに接続されたコンセントに電気機器を接続することで供給される電力である。
特殊電力は普通電力に比べて利用料金が低額であるが、電力利用調整サーバからの要請に従って利用が制限される。つまり、電力利用調整サーバから送信された調整情報に従ってHEMSサーバが供給を制限する電力が、特殊電力である。この特殊電力を利用する場合は、普通電力を利用する場合に比べて利便性が低下する。このような利便性低下の代償として、特殊電力は低額な利用料金で利用することができる。なお、上記のように利用が制限される特殊電力の利用料金を低額にすること以外にも、例えば、特殊電力を利用する電気機器の購入代金を低額にするといった方法も考えられる。
電力利用調整サーバは、各HEMSサーバから送信される予定情報に対して、契約によって定められた延長倍率(契約倍率)の範囲内で電力利用量のシフトを行うことが可能である。ここで、延長倍率とは、予定情報における電力利用量のシフト幅を表す指標であり、例えば、延長倍率2倍は、ある時間枠Tにおける電気利用量を時間枠2Tまでシフトすることを意味し、延長倍率4倍は、ある時間枠Tにおける電気利用量を時間枠4Tまでシフトすることを意味する。一般的に、上記の特殊電力の利用料金は契約倍率に応じて定められ、契約倍率が大きいほど特殊電力の利用料金が低額となる。
[プライバシー保護の必要性]
以上説明したように、本実施形態にかかる電力利用調整システムでは、電力利用調整サーバが、複数のHEMSサーバから各需要家が予定している時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を収集して調整を行う。ここで、電力利用調整サーバが収集する予定情報は各需要家の生活パターンなどを推察できる情報であるため、電力利用調整サーバに対する攻撃などによって予定情報そのものが流出する可能性があると、各需要家のプライバシーの侵害に繋がる。このような課題に対して、本実施形態にかかる電力利用調整システムでは、仮に電力利用調整サーバが攻撃されたとしても、予定情報そのものが電力利用調整サーバから流出しないようにしておくことで、需要家のプライバシー保護を図る仕組みを取り入れている。
この仕組みを簡単に説明すると、まず、各HEMSサーバが、予定情報を時間帯ごとに乱数により撹乱した撹乱情報を電力利用調整サーバに送信する。この予定情報の撹乱には、各HEMSサーバで共通の正規分布に従って生成される全体平均値が0となる乱数を用いる。電力利用調整サーバは、各HEMSサーバから受信した複数の撹乱情報を時間帯ごとに集計する。そして、電力利用調整サーバは、撹乱情報が含まれない時間帯を除く各時間帯における撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間帯における撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行う。
ここで、各HEMSサーバから受信した撹乱情報は、上述したように、時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を各HEMSサーバで共通の正規分布に従って生成した全体平均値が0となる乱数により撹乱した情報である。したがって、撹乱情報の総数が十分に大きい時間帯については、大数の法則により、その時間帯における撹乱情報の総和がその時間帯に予定されている電力利用量の総量とほぼ等しいと見なすことができる。そこで、電力利用調整サーバは、各時間帯における撹乱情報の総和から電力利用量の総量を推定できるように、各時間帯における撹乱情報の総数が基準値以上になるようにするとともに、各時間帯における撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たすように、ある時間帯の撹乱情報を他の時間帯にシフトさせるような調整を行う。なお、制御条件とは、電力供給設備の負担を軽減させるために必要な条件であり、例えば、電力利用量の総量が供給可能な電力量の上限値を超えないといった条件や、電力利用量の総量が時間枠ごとに設定した目標値に対して所定範囲内に収まっているといった条件となる。
電力利用調整サーバは、以上のような調整を行って、その調整の結果を表す調整情報を各HEMSサーバに送信する。調整情報を受信した各HEMSサーバは、受信した調整情報に従った特殊電力の供給制御を実行する。本実施形態にかかる電力利用調整システムでは、以上のような仕組みを取り入れることで、仮に電力利用調整サーバに対する攻撃によって電力利用調整サーバから情報が流出したとしても、その情報は予定情報を撹乱した撹乱情報、もしくは、時間帯ごとの撹乱情報の総和であり、予定情報そのものが流出することがないため、需要家のプライバシー保護が図られる。以下、このようなプライバシー保護のための仕組みを中心に、本実施形態にかかる電力利用調整システムの具体例について、さらに詳しく説明する。
[電力利用調整システムの構成]
図3は、本実施形態にかかる電力利用調整システムの一構成例を示す構成図である。本実施形態にかかる電力利用調整システムは、図3に示すように、電力利用調整サーバ10と、複数のHEMSサーバ20とが、通信ネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。通信ネットワーク40は、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)またはインターネットなどである。
電力利用調整サーバ10は、装置全体の制御や基本演算を実行するCPU(Central Processing Unit)などの制御部と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disc)ドライブ装置などの補助記憶部と、これらを接続するバスとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、電力利用調整サーバ10は、通信ネットワーク40を介して通信を行う通信I/F(Interface)をさらに備える。
HEMSサーバ20は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御部と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶する不揮発性メモリ等の補助記憶部と、外部の装置と通信を行う通信I/F(Interface)と、これらを接続するバスとを備えており、専用ハードウェアあるいは組み込み機器と同様の構成となっている。また、HEMSサーバ20は、通信ネットワーク40を介して通信を行う通信I/F(Interface)をさらに備える。また、HEMSサーバ20には、各種情報を表示する表示装置と、需要家による操作入力を受け付ける操作ボタンやキーボードなどの入力装置とが接続される。
図4は、本実施形態にかかる電力利用調整システムを構成する電力利用調整サーバ10およびHEMSサーバ20において実現される機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、図4においては、図示を簡略化するためにHEMSサーバ20を1つのみ図示しているが、複数のHEMSサーバ20の各々が図4に示す機能構成を共通に備えている。
HEMSサーバ20は、図4に示すように、予定情報生成部21、乱数生成部22、撹乱処理部23、撹乱情報送信部24、調整情報受信部25および電力供給制御部26を備えている。予定情報生成部21、乱数生成部22、撹乱処理部23および電力供給制御部26の機能は、上記のCPUが主記憶部や補助記憶部に記憶された各種プログラムを実行することにより実現される。また、撹乱情報送信部24および調整情報受信部25の機能は、CPUが主記憶部や補助記憶部に記憶された各種プログラムを実行して通信I/Fの動作を制御することにより実現される。
予定情報生成部21は、入力装置27を利用した需要家による操作入力に応じて、需要家が予定している時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報(図1に例示した時間枠ごとの電力利用量がグラフ形式で表現される情報)を生成する。なお、ここでは、需要家が入力装置27を用いて電力利用の予定を直接入力する場合を想定しているが、過去に利用した時間帯ごとの電力利用量の実績を履歴データとして保存しておき、この履歴データに基づいて将来の電力利用を予測して予定情報を生成するようにしてもよい。
乱数生成部22は、予定情報生成部21からのリクエストに応じて、予定情報生成部21が生成した予定情報を時間枠(時間帯)ごとに撹乱するための乱数を生成して記憶する。乱数生成部22が生成する乱数は、各HEMSサーバ20で共通の正規分布に従って生成する全体平均値が0となる乱数である。乱数生成部22は、各HEMSサーバ20で共通の乱数生成パラメータを使用して、予定情報の時間枠ごとに上記のような乱数を生成する。なお、時間枠ごとに使用する乱数生成パラメータも共通である。
乱数生成パラメータとしては、ある確率分布の平均や分散などを示すものがあり、よく知られたアルゴリズムを用いて、その確率分布に従う乱数を生成するために用いられる。例えば、一様分布から採取する一様乱数であればメルセンヌ・ツイスタ法、正規分布から採取する正規乱数であればボックス・ミュラー(BoxMuller)法が利用できる。これらは、もとの確率分布の平均や分散を用いて計算される。例えば、平均μ、分散σ2に従う正規乱数は一様乱数をBoxMuller法で変換して平均0、分散1の正規乱数を生成して、σをかけて、μを加えることで得ることができる(参考文献1参照)。BoxMuller法で利用する一様乱数の生成法としては例えばメルセンヌ・ツイスタ法が存在している(参考文献2参照)。
(参考文献1)Box, G. E. P. and E. Muller : A note on the generation of normal deviates, Ann. math. stat., 29, pp. 610-611, 1958.
(参考文献2)Matsumoto, M. and T. Nishimura : "MersenneTwister," ACM Transcript on Modeling and Computer Simulation, Vol.8 No.1, 1998.
撹乱処理部23は、予定情報生成部21が生成した予定情報を、乱数生成部22が生成した乱数を用いて時間枠ごとに撹乱して撹乱情報を生成する。ここで、時間枠ごとの予定情報をP_{i,j}、時間枠ごとの乱数をR_{i,j}とすると、時間枠ごとの撹乱情報d_{i,j}は、以下のように表される。
d_{i,j}=P_{i,j}+R_{i,j}
ただし、iはHEMSサーバ20を識別するインデックス、jは時間枠の順番を表すインデックスである。
撹乱情報送信部24は、撹乱処理部23により生成された撹乱情報を、通信ネットワーク40を介して電力利用調整サーバ10に送信する。
調整情報受信部25は、電力利用調整サーバ10から通信ネットワーク40を介して送信された調整情報を受信する。この電力利用調整サーバ10から送信された調整情報は、上述したように、ある時間帯で予定されている電力利用量を他の時間帯にシフトするような電力利用時間の変更を依頼する情報を含んでいる。
電力供給制御部26は、調整情報受信部25が受信した調整情報に従って、上述した特殊電力の供給を制御する。このとき、元の予定情報に対してどのように調整が行われたかを需要家が認識できるように、調整後の予定情報をグラフ形式で表示装置28に表示することが望ましい。
電力利用調整サーバ10は、図4に示すように、撹乱情報受信部(受信部)11、集計部12、調整部13および調整情報送信部(送信部)14を備えている。集計部12および調整部13の機能は、上記のCPUが主記憶部や補助記憶部に記憶された各種プログラム(電力利用調整プログラム)を実行することにより実現される。また、撹乱情報受信部11および調整情報送信部14の機能は、CPUが主記憶部や補助記憶部に記憶された各種プログラム(電力利用調整プログラム)を実行して通信I/Fの動作を制御することにより実現される。
撹乱情報受信部11は、各HEMSサーバ20から通信ネットワーク40を介して送信された撹乱情報を受信する。この撹乱情報は、各HEMSサーバ20によって管理される需要家の予定情報を時間枠ごとに乱数で撹乱した情報であり、元の予定情報は秘匿されている。
集計部12は、撹乱情報受信部11が各HEMSサーバ20から受信した複数の撹乱情報を時間枠ごとに集計する。ここで、各時間枠における撹乱情報の総数をmとすると、集計部12が集計した時間枠jにおける撹乱情報の総和Σm{j}は、以下のように表される。
Σm{j}=Σmd_{i,j}=ΣmP_{i,j}+ΣmR_{i,j}
ここで、時間枠jにおける撹乱情報の総数mが十分に大きければ、大数の法則により、乱数の総和ΣmR_{i,j}が、乱数の全体平均値である0に近づくことになり、時間枠jにおける撹乱情報の総和Σm{j}は、時間枠jにおける予定情報の総和ΣmP_{i,j}、つまり、時間枠jにおいて予定されている電力利用量の総量とほぼ等しいと見なすことができる(参考文献3参照)。
(参考文献3)Jakob Bernoulli, Ars Conjectandi: Usum & Applicationem Praecedentis Doctrinae in Civilibus, Moralibus & Oeconomicis, 1713, Chapter 4, (Translated into English by Oscar Sheynin)
調整部13は、集計部12が集計した時間枠ごとの撹乱情報に対して、撹乱情報が含まれない時間枠を除く各時間枠における撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間枠における撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行う。調整部13は、例えば、電力利用量調整部13aと情報数調整部13bとを備え、これら電力利用量調整部13aと情報数調整部13bの一方または双方による撹乱情報の調整を行い、また、必要に応じてこれらの調整を繰り返すことによって、最終的に、上記のような調整結果が得られるように撹乱情報を調整する。
電力利用量調整部13aは、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たさない時間帯がある場合に、その時間帯の撹乱情報を他の時間帯にシフトさせる調整を行う。ここで制御条件とは、上述したように、電力利用量の総量が供給可能な電力量の上限値を超えないといった条件や、電力利用量の総量が時間枠ごとに設定した目標値に対して所定範囲内に収まっているといった条件である。なお、供給可能な電力量は、例えば、グリッド監視制御装置などから上述した供給電力情報を取得することで把握できる。例えば、図5に示すように、時間枠T2において、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が上限値Wmaxを超えているとする。このような場合は、電力利用量調整部13aが、例えば、時間枠T2における電力利用量Waに相当する撹乱情報を、電力利用量の総量が少ない時間枠T3にシフトさせ、時間枠T2における電力利用量Wbに相当する撹乱情報を、電力利用量の総量が少ない時間枠T5にシフトさせるといった調整を行う。
情報数調整部13bは、撹乱情報を含む時間枠のうち、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠がある場合に、その時間枠に、他の時間枠の撹乱情報をシフトさせる調整を行う。例えば、図6に示すように、時間枠T1における撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量と、時間枠T3における撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量とがほぼ等しくなっているが、時間枠T1における撹乱情報の総数が10000個であるのに対して、時間枠T3における撹乱情報の総数が2個であるとする。ここで、撹乱情報の総数に対する基準値、つまり、大数の法則により乱数の総和を0と見なすことができる撹乱情報の総数が5000個であるとすると、時間枠T3における撹乱情報の総数は基準値を大きく下回っているため、時間枠T3における撹乱情報の総和は、実際の電力利用量の総量に対して大きな誤差を含んでいる可能性が高い。そこで、このような場合は、情報数調整部13bが、例えば、時間枠T1に10000個ある撹乱情報のうちの5000個を時間枠T3にシフトさせ、時間枠T3に2個ある撹乱情報のうちの1個を時間枠T1にシフトさせるといった調整を行う。これにより、時間枠T1と時間枠T3の双方で、撹乱情報の総数を基準値以上として、撹乱情報の総和を実際の電力利用量の総量として扱うことが可能となる。
調整情報送信部14は、調整部13による調整の結果を表す調整情報を、調整した撹乱情報の送信元である各HEMSサーバ20に対して送信する。ここで、調整情報送信部14が送信する調整情報は、上述したように、ある時間帯(時間枠)で予定されている電力利用量を他の時間帯(時間枠)にシフトするような電力利用時間の変更を依頼する情報を含んでいる。この調整情報を受信した各HEMSサーバ20は、上述したように、受信した調整情報に従って需要家に対する特殊電力の供給を制御する。
[調整部による調整の詳細]
調整部13が上記の電力利用量調整部13aによる調整と情報数調整部13bによる調整とを組み合わせて撹乱情報の調整を行う場合、電力利用量調整部13aによる調整を行った後に情報数調整部13bによる調整を行う方法と、情報数調整部13bによる調整を行った後に電力利用量調整部13aによる調整を行う方法とが考えられる。また、情報数調整部13bによる調整を行った後に電力利用量調整部13aによる調整を行う場合、制御条件を満たさない時間枠における撹乱情報のすべてを他の時間枠にシフトさせる方法と、制御条件を満たさない時間枠における撹乱情報の一部を他の時間枠にシフトさせる方法とが考えられる。以下、これら3つのパターンの調整方法を実施例として説明する。
<第1実施例>
まず、電力利用量調整部13aによる調整を行った後に情報数調整部13bによる調整を行う例(第1実施例)について説明する。第1実施例の調整方法は、電力利用調整サーバ10に対して撹乱情報を送信するHEMSサーバ20の数が十分に大きく、各時間枠における撹乱情報の総数が基準値を超えることが想定されるような環境において有効な方法である。
図7は、第1実施例における調整部13の処理の流れを示すフローチャートである。調整部13の処理が開始されると、まず、ステップS101において、電力利用量調整部13aが、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていない時間枠があるか否かを判定する。そして、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていない時間枠があれば(ステップS101:Yes)、ステップS102において、電力利用量調整部13aが、制御条件を満たしていない時間枠における撹乱情報のすべてまたは一部を他の時間枠にシフトさせることで、各時間枠における電力利用量の総量が制御条件を満たすように調整してステップS103に進む。一方、すべての時間枠において、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていれば(ステップS101:No)、ステップS102における調整を行うことなくステップS103に移行する。
次に、ステップS103において、情報数調整部13bが、撹乱情報を含む時間枠のうち、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠があるか否かを判定する。そして、撹乱情報を含む時間枠のうち、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠があれば(ステップS103:Yes)、ステップS104において、情報数調整部13bが、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠に、他の時間枠における撹乱情報のすべてまたは一部をシフトさせる調整を行う。そして、ステップS101に戻って以降の処理を繰り返す。一方、撹乱情報を含むすべての時間枠において撹乱情報の総数が基準値以上となっていれば(ステップS103:No)、調整部13の処理を終了する。
以上のように、第1実施例では、撹乱情報を送信するHEMSサーバ20の数が十分に大きいため、各時間枠における撹乱情報の総数が基準値を超えていると仮定して、最初に電力利用量調整部13aによる調整を行う。そして、電力利用量調整部13aによる調整後の各時間枠における撹乱情報の総数を確認し、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠が生じている場合にのみ、情報数調整部13bによる調整を行うようにしている。したがって、調整部13による処理が極めて簡便になるという利点がある。
<第2実施例>
次に、情報数調整部13bによる調整を行った後に、電力利用量調整部13aにより、制御条件を満たさない時間枠における撹乱情報のすべてを他の時間枠にシフトさせる調整を行う例(第2実施例)について説明する。第2実施例の調整方法は、電力利用調整サーバ10に対して撹乱情報を送信するHEMSサーバ20の数が第1実施例よりも少なく、撹乱情報の総数が基準値未満となる時間枠が発生することが想定される環境で、且つ、各時間枠における電力利用量の総量に対する制御条件(例えば上限値Wmax)が、時間枠によって異なっている場合において有効な方法である。
図8は、第2実施例における調整部13の処理の流れを示すフローチャートである。調整部13の処理が開始されると、まず、ステップS201において、情報数調整部13bが、撹乱情報を含む時間枠のうち、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠があるか否かを判定する。そして、撹乱情報を含む時間枠のうち、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠があれば(ステップS201:Yes)、ステップS202において、情報数調整部13bが、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠に、他の時間枠における撹乱情報のすべてまたは一部をシフトさせる調整を行ってステップS203に進む。一方、撹乱情報を含むすべての時間枠において撹乱情報の総数が基準値以上となっていれば(ステップS201:No)、ステップS202における調整を行うことなくステップS203に移行する。
次に、ステップS203において、電力利用量調整部13aが、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていない時間枠があるか否かを判定する。そして、すべての時間枠において、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていれば(ステップS203:No)、調整部13の処理を終了する。一方、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていない時間枠があれば(ステップS203:Yes)、ステップS204において、電力利用量調整部13aが、制御条件を満たしていない時間枠における撹乱情報のすべてを他の時間枠にシフトさせることで、各時間枠における電力利用量の総量が制御条件を満たすように調整する。このとき、撹乱情報の総数が基準値以上となっている時間枠における撹乱情報のすべてをまとめて他の時間枠にシフトさせるため、シフト先の時間枠においても、撹乱情報の総数は基準値以上である。したがって、電力利用量調整部13aによる調整を行った後に情報数調整部13bによる調整を改めて行う必要はない。また、シフト先の時間枠として、元の時間枠よりも制御条件が緩く(例えば、上限値Wmaxが大きい)、撹乱情報のすべてをシフトさせても電力利用量の総量が制御条件を満たす時間枠を選択することで、すべての時間枠で電力利用量の総量が制御条件を満たすような調整が可能となる。
以上のように、第2実施例では、最初に情報数調整部13bによる調整を行うため、各時間枠における撹乱情報の総和がその時間枠における電力利用量の総量とほぼ等しくなっている状態で、電力利用量調整部13aによる調整を行うことができる。そして、電力利用量の総量が制御条件を満たさない時間枠の撹乱情報を他の時間枠にシフトさせる場合に、その時間枠における撹乱情報のすべてをまとめてシフトさせるようにしているため、情報数調整部13bによる調整を再度行う必要がなく、調整部13による処理を効率よく行うことができるという利点がある。
<第3実施例>
次に、情報数調整部13bによる調整を行った後に、電力利用量調整部13aにより、制御条件を満たさない時間枠における撹乱情報の一部を他の時間枠にシフトさせる調整を行う例(第3実施例)について説明する。第3実施例の調整方法は、電力利用調整サーバ10に対して撹乱情報を送信するHEMSサーバ20の数が第1実施例よりも少なく、撹乱情報の総数が基準値未満となる時間枠が発生することが想定される環境で、且つ、各時間枠における電力利用量の総量に対する制御条件(例えば上限値Wmax)がほぼ共通となっている場合において有効な方法である。
図9は、第3実施例における調整部13の処理の流れを示すフローチャートである。調整部13の処理が開始されると、まず、ステップS301において、情報数調整部13bが、撹乱情報を含む時間枠のうち、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠があるか否かを判定する。そして、撹乱情報を含む時間枠のうち、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠があれば(ステップS301:Yes)、ステップS302において、情報数調整部13bが、撹乱情報の総数が基準値未満の時間枠に、他の時間枠における撹乱情報のすべてまたは一部をシフトさせる調整を行ってステップS303に進む。一方、撹乱情報を含むすべての時間枠において撹乱情報の総数が基準値以上となっていれば(ステップS301:No)、ステップS302における調整を行うことなくステップS303に移行する。
次に、ステップS303において、電力利用量調整部13aが、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていない時間枠があるか否かを判定する。そして、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていない時間枠があれば(ステップS303:Yes)、ステップS304において、電力利用量調整部13aが、制御条件を満たしていない時間枠における撹乱情報の一部を他の時間枠にシフトさせることで、各時間枠における電力利用量の総量が制御条件を満たすように調整する。そして、ステップS301に戻って以降の処理を繰り返す。一方、すべての時間枠において、撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が制御条件を満たしていれば(ステップS303:No)、調整部13の処理を終了する。
以上のように、第3実施例では、最初に情報数調整部13bによる調整を行うため、各時間枠における撹乱情報の総和がその時間枠における電力利用量の総量とほぼ等しくなっている状態で、電力利用量調整部13aによる調整を行うことができる。そして、電力利用量の総量が制御条件を満たさない時間枠の撹乱情報を他の時間枠にシフトさせる場合に、その時間枠における撹乱情報の一部をシフトさせるようにしているため、各時間枠における電力利用量の総量に対する制御条件がほぼ共通となっている場合であっても、適切に調整を行うことができるという利点がある。
なお、本実施形態にかかる電力利用調整システムでは、上述したように、電力利用調整サーバ10の調整部13において、電力利用量調整部13aと情報数調整部13bによる調整を繰り返すことで、最終的に制御条件を満たす調整結果が得られるように撹乱情報を調整する。しかしながら、各需要家の予定情報によっては、電力利用量調整部13aと情報数調整部13bによる調整を繰り返しても、制御条件を満たすような調整を行えない場合も想定される。このような場合には、ユーティリティ事業者から各家庭に供給される普通電力と特殊電力との2種類の電力のうち、特殊電力に関して供給の停止または制限が行われる。普通電力は供給の停止や制限がされないので、各需要家は、安定的な電力供給を受ける必要がある用途については、普通電力を利用すればよい。このような特殊電力の供給停止や制限については、ユーティリティ事業者と各需要家との間の契約において、契約倍率に関わらず特殊電力の供給停止や制限が生じる可能性があることを特約として定めておけばよい。
[実施形態の効果]
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態にかかる電力利用調整システムによれば、各HEMSサーバ20が、各HEMSサーバ20で共通の正規分布に従って生成される全体平均値が0となる乱数を用いて、予定情報を時間帯ごとに撹乱した撹乱情報を生成し、電力利用調整サーバ10に送信する。電力利用調整サーバ10は、各HEMSサーバ20から受信した複数の撹乱情報を時間帯ごとに集計し、撹乱情報が含まれない時間帯を除く各時間帯における撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間帯における撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行って、調整の結果を表す調整情報を各HEMSサーバ20に送信する。したがって、例えば電力利用調整サーバ10に対する攻撃などによって仮に電力利用調整サーバ10から情報が流出したとしても、流出する情報は、予定情報を時間帯ごとに撹乱した撹乱情報、時間帯ごとの撹乱情報の総和であり、個々の需要家の予定情報そのものが流出することはないため、需要家のプライバシー保護が図られることになる。このように、本実施形態にかかる電力利用調整システムによれば、需要家のプライバシーを保護しつつ、電力供給設備の負担を軽減させるような電力利用の調整を適切に行うことができる。
なお、需要家による電力利用の予定を考慮して電力供給の制御を行う技術としては、非特許文献1に記載された技術が知られている。しかしながら、この非特許文献1に記載された技術では、需要家のプライバシー保護については想定されておらず、需要家のプライバシーを保護するための仕組みが検討されていない。また、この非特許文献1に記載された技術を適用した場合の電力供給制御は、需要家による電力利用の予定に合わせて無駄な電力供給を制限するような制御となる。これに対して、本実施形態にかかる電力利用調整システムでは、需要家の電力利用をある時間帯で制限した場合、その制限される電力量を他の時間帯での電力供給により補完するようにしており、需要家に対して、複数の時点において相補的に電力利用を調整することを要請するシステムとなっている。このように、需要家に対して必要な電力量の供給を保証しながら電力利用の制限を要請するシステムであるため、利便性の高いデマンドレスポンスを実現することができる。
なお、本実施形態にかかる電力利用調整システムにおいて、中心的な役割を果たす電力利用調整サーバ10は、上述したように、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成を採用し、コンピュータによって実行される電力利用調整プログラムにより、上述した各機能構成を実現する構成とすることができる。
電力利用調整サーバ10で実行される電力利用調整プログラムは、例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、電力利用調整サーバ10で実行される電力利用調整プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、電力利用調整サーバ10で実行される電力利用調整プログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。さらに、電力利用調整サーバ10で実行される電力利用調整プログラムを、ROMなどに予め組み込んで提供するように構成してもよい。
電力利用調整サーバ10で実行される電力利用調整プログラムは、上述した撹乱情報受信部11、集計部12、調整部13および調整情報送信部14を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から電力利用調整プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶部上にロードされ、撹乱情報受信部11、集計部12、調整部13および調整情報送信部14が主記憶部上に生成されるようになっている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記の実施形態として説明した電力利用調整システムでは、電力利用調整サーバ10が、撹乱情報受信部11、集計部12、調整部13および調整情報送信部14を機能構成として備えているが、これらの各機能が複数の装置(ハードウェア)に分かれて実現される構成としてもよい。
10 電力利用調整サーバ
11 撹乱情報受信部
12 集計部
13 調整部
13a 電力利用量調整部
13b 情報数調整部
14 調整情報送信部
20 HEMSサーバ
21 予定情報生成部
22 乱数生成部
23 撹乱処理部
24 撹乱情報送信部
25 調整情報受信部
40 通信ネットワーク

Claims (7)

  1. 需要家ごとに設けられ、需要家が予定している時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を記憶した複数の需要家装置から、前記予定情報を、複数の前記需要家装置で共通の正規分布に従って生成される全体平均値が0となる乱数により時間帯ごとに撹乱した情報である撹乱情報を受信する受信部と、
    受信した複数の前記撹乱情報を時間帯ごとに集計する集計部と、
    前記撹乱情報が含まれない時間帯を除く各時間帯における前記撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間帯における前記撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行う調整部と、
    複数の前記需要家装置に対して、前記調整の結果を表す調整情報を送信する送信部と、を備えることを特徴とする電力利用調整装置。
  2. 前記調整部は、
    前記撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が前記制御条件を満たさない時間帯がある場合に、該時間帯の前記撹乱情報を他の時間帯にシフトさせる調整を行う電力利用量調整部と、
    前記撹乱情報を含む時間帯のうち、前記撹乱情報の総数が前記基準値未満の時間帯がある場合に、該時間帯に、他の時間帯の前記撹乱情報をシフトさせる調整を行う情報数調整部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力利用調整装置。
  3. 前記調整部は、前記電力利用量調整部による調整を行った後、前記撹乱情報を含む時間帯のうち、前記撹乱情報の総数が前記基準値未満の時間帯がある場合に、前記情報数調整部により、該時間帯に、他の時間帯の前記撹乱情報をシフトさせる調整を行うことを特徴とする請求項2に記載の電力利用調整装置。
  4. 前記調整部は、前記情報数調整部による調整を行った後、前記撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が前記制御条件を満たさない時間帯がある場合に、前記電力利用量調整部により、該時間帯における前記撹乱情報のすべてを他の時間帯にシフトさせる調整を行うことを特徴とする請求項2に記載の電力利用調整装置。
  5. 前記調整部は、前記情報数調整部による調整を行った後、前記撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が前記制御条件を満たさない時間帯がある場合に、前記電力利用量調整部により、該時間帯における前記撹乱情報の一部を他の時間帯にシフトさせる調整を行うことを特徴とする請求項2に記載の電力利用調整装置。
  6. 需要家ごとに設けられ、需要家が予定している時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を記憶した複数の需要家装置と、通信ネットワークを介して複数の前記需要家装置に接続された電力利用調整装置と、を備え、
    複数の前記需要家装置は、
    前記予定情報を生成する予定情報生成部と、
    複数の前記需要家装置で共通の正規分布に従って全体平均値が0となる乱数を生成する乱数生成部と、
    前記予定情報を前記乱数により時間帯ごとに撹乱する撹乱処理部と、
    前記予定情報を前記乱数により時間帯ごとに撹乱した情報である撹乱情報を前記電力利用調整装置に対して送信する撹乱情報送信部と、
    前記電力利用調整装置から、前記撹乱情報に対する調整の結果を表す調整情報を受信する調整情報受信部と、を備え、
    前記電力利用調整装置は、
    複数の前記需要家装置から前記撹乱情報を受信する撹乱情報受信部と、
    受信した複数の前記撹乱情報を時間帯ごとに集計する集計部と、
    前記撹乱情報が含まれない時間帯を除く各時間帯における前記撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間帯における前記撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行う調整部と、
    複数の前記需要家装置に対して、前記調整の結果を表す前記調整情報を送信する調整情報送信部と、を備えることを特徴とする電力利用調整システム。
  7. 需要家ごとに設けられ、需要家が予定している時間帯ごとの電力利用量を表す予定情報を記憶した複数の需要家装置から、前記予定情報を、複数の前記需要家装置で共通の正規分布に従って生成される全体平均値が0となる乱数により時間帯ごとに撹乱した情報である撹乱情報を受信する機能と、
    受信した複数の前記撹乱情報を時間帯ごとに集計する機能と、
    前記撹乱情報が含まれない時間帯を除く各時間帯における前記撹乱情報の総数が基準値以上となり、且つ、各時間帯における前記撹乱情報の総和から推定される電力利用量の総量が所定の制御条件を満たすように調整を行う機能と、
    複数の前記需要家装置に対して、前記調整の結果を表す調整情報を送信する機能と、をコンピュータに実現させるための電力利用調整プログラム。
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