JP2012190712A - 膜電極接合体の検査方法 - Google Patents

膜電極接合体の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期の交流インピーダンス特性に基づいて膜電極接合体の寿命及び出力特性を判定可能な膜電極接合体の検査方法を提供する。
【解決手段】本発明の膜電極接合体の検査方法は、膜電極接合体の初期の交流インピーダンスを測定し、周波数をf(Hz)、インピーダンスの虚数部をIm(Z)(mΩcm2)としたとき、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の値が、周波数100(Hz)において、15(mF/cm2)以上22(mF/cm2)以下である場合、又は、周波数100(Hz)において、インピーダンスの絶対値が100(mΩcm2)以上250(mΩcm2)以下で、かつ、位相の絶対値が0.4(rad)よりも大きい場合、上記膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、膜電極接合体の検査方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、このリチウム二次電池は、一部のコードレス機器に対して十分な連続使用時間を保証することができない場合がある。
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)が検討されている。正極と、負極と、電解質としての固体高分子電解質膜とからなる電極・電解質一体化物である膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備え、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に各種燃料を用いるPEFCは、リチウムイオン二次電池よりも高エネルギー密度化が期待できる電池として注目されている。
燃料電池は、燃料及び酸素の供給さえ行えば、連続的に使用することができる。このような燃料電池に用いる燃料に関しては、水素、メタノールなどが提案され、種々開発が行われているが、高出力が期待できる点で、水素を燃料とする燃料電池が注目されている。
燃料電池の燃料源となる水素を製造する方法としては、例えば、特許文献1には、アルミニウム、マグネシウム及びそれらの合金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属材料を含み、水との反応により水素を発生する水素発生材料を用いることで、低温で簡便に水素を発生させる方法が開示されている。
ところで、燃料電池を検査、評価する方法として、交流インピーダンス法が知られている。交流インピーダンス法とは、負荷電流に重畳する交流の周波数を変えながら、燃料電池のインピーダンスを測定するものである。
例えば、特許文献2では、特定周波数について交流インピーダンスを予め測定し、特定周波数の交流を発電中に印加してインピーダンスを測定し、両者を比較することで、拡散抵抗と反応抵抗を求める技術が開示されている。特許文献3では、所定時間における出力電圧またはインピーダンスの変化から所定の運転条件の温度換算を行うことにより、燃料電池の寿命を算出する技術が開示されている。
特開2006−306700号公報 特開2002−367650号公報 特開2006−24437号公報
上述したように、交流インピーダンス法を利用して燃料電池の特性を判断する方法が提案されている。しかし、燃料電池の寿命(耐久性)を調べるには、長期間を要していた。また、これまで膜電極接合体の初期の交流インピーダンス特性に基づいて膜電極接合体の耐久性及び出力特性を判定する技術は提案されていない。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、膜電極接合体の初期の交流インピーダンス特性に基づいて膜電極接合体の耐久性及び出力特性を判定できる膜電極接合体の検査方法を提供する。
本発明の第1の膜電極接合体の検査方法は、膜電極接合体の初期の交流インピーダンスを測定し、周波数をf(Hz)、インピーダンスの虚数部をIm(Z)(mΩcm2)としたとき、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の値が、周波数100(Hz)において、15(mF/cm2)以上22(mF/cm2)以下である場合、上記膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定することを特徴とする。
本発明の第2の膜電極接合体の検査方法は、膜電極接合体の初期の交流インピーダンスを測定し、周波数100(Hz)において、インピーダンスの絶対値が100(mΩcm2)以上250(mΩcm2)以下で、かつ、位相の絶対値が0.4(rad)よりも大きい場合、上記膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定することを特徴とする。
本発明によれば、膜電極接合体の初期の交流インピーダンス特性に基づいて膜電極接合体の耐久性及び出力特性の良否を判定することができる。
式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の周波数特性をLinearスケールで表した図である。 インピーダンスの絶対値の周波数特性をLogarithmicスケールで表した図である。 位相の絶対値の周波数特性をLogarithmicスケールで表した図である。 Cole−Coleプロットを示す図である。 本発明の膜電極接合体を備えた燃料電池の一例を示す構成図である。 累積時間が0〜100時間までの寿命試験結果を示す図である。 累積時間が0〜500時間までの寿命試験結果を示す図である。 累積時間が0〜2000時間までの寿命試験結果を示す図である。
本発明者らは、膜電極接合体の耐久性及び出力特性の良否を、初期の交流インピーダンス特性に関連付けて判断する技術を模索したところ、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の周波数特性に基づいて膜電極接合体の耐久性及び出力特性を評価できることを見出すとともに、インピーダンスの絶対値の周波数特性及び位相の周波数特性に基づいて膜電極接合体の耐久性及び出力特性を評価できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
式{−1/[2πfIm(Z)]}は、Yuxiu Liu,Michael W.Murphy,Daniel R.Baker,Wenbin Gu,Chunxin Ji,Jacob Jorne, and Hubert A.GasteigerがJournal of The Electrochemical Society,156(8),B970−B980(2009)で報告した論文"Proton Conduction and Oxygen Reduction Kinetics in PEM Fuel Cell Cathodes:Effects of Ionomer−to−Carbon Ratio and Relative Humidity"で提案されている式である。
本発明の第1の膜電極接合体の検査方法は、膜電極接合体の初期の交流インピーダンスを測定し、周波数をf(Hz)、インピーダンスの虚数部をIm(Z)(mΩcm2)としたとき、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の値が、周波数100(Hz)において、15(mF/cm2)以上22(mF/cm2)以下である場合、上記膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定することを特徴とする。これにより、膜電極接合体の初期の交流インピーダンス特性に基づいて膜電極接合体の耐久性及び出力特性の良否を判定できる。
ここで、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の値を上記範囲内とした理由について説明する。コンデンサ容量は、電極における電気二重層の形成具合に依存するものである。コンデンサ容量が22(mF/cm2)を超えると、電気二重層の厚みが極めて薄い箇所が多くなる場合があり、出力特性は良好であっても、使用しているうちに層の厚みの薄い部分から経時変化が発生し、良好な耐久性が得られない。一方、コンデンサ容量が15(mF/cm2)未満では、電気二重層の面積が小さい場合があり、これは例えば、酸素還元反応を行う三相界面の面積が小さくなることにつながり、その結果、良好な出力特性が得られない。
本発明の第2の膜電極接合体の検査方法は、膜電極接合体の初期の交流インピーダンスを測定し、周波数100(Hz)において、インピーダンスの絶対値が100(mΩcm2)以上250(mΩcm2)以下で、かつ、位相の絶対値が0.4(rad)よりも大きい場合、上記膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定することを特徴とする。これにより、膜電極接合体の初期の交流インピーダンス特性に基づいて膜電極接合体の耐久性及び出力特性の良否を判定できる。
ここで、インピーダンスの絶対値を上記範囲内とした理由について説明する。インピーダンスの絶対値が250(mΩcm2)を超えると、外部負荷を接続した場合に、抵抗成分が大きくなり、良好な出力特性が得られない。このため、インピーダンスの絶対値の上限値は、250(mΩcm2)とした。一方、インピーダンスの絶対値は小さいほど好ましいが、インピーダンスの絶対値が100(mΩcm2)未満になると、膜電極接合体を作製することが難しく、実用的な観点から、インピーダンスの絶対値の下限値は100(mΩcm2)とした。
また、位相の絶対値を0.4(rad)よりも大きい値としたのは、位相の絶対値が0.4(rad)以下になると、膜電極接合体の耐久性が劣るからである。
以下、膜電極接合体について説明する。
(膜電極接合体)
図5は、膜電極接合体の一例を模式的に示す断面図である。図5に示す膜電極接合体(MEA)は、図5において上から、負極ガス拡散層12、負極触媒層13、固体高分子電解質膜14、正極触媒層15、正極ガス拡散層16の順に積層した積層体である。このような構成のMEAを集電体11、17により挟み、シール材18で封止することにより燃料電池が構成される。燃料電池は、負極に水素などの燃料を供給し、正極に空気(酸素)を供給することで、発電する。
<触媒層>
負極触媒層13は、負極ガス拡散層12を介して拡散してきた水素などの燃料を酸化する機能を有している。正極触媒層15は、正極ガス拡散層16を介して拡散してきた酸素を還元する機能を有する。
負極触媒層13及び正極触媒層15(以下、単に触媒層ともいう。)としては、従来公知の燃料電池に用いられているMEAに係る触媒層と同様の構成とすることができ、例えば、金属触媒を担持した導電性材料と、プロトン伝導性材料とを含有する。また、必要に応じて、樹脂バインダを更に含有していてもよい。
触媒層に用いる金属触媒としては、例えば、白金微粒子や、白金合金微粒子などを用いることができる。白金合金微粒子は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウム及び金よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素と白金との合金で構成されるものである。金属触媒の平均粒径は、触媒活性を高めるために、1〜50nmとすることが好ましい。
金属触媒を担持する導電性材料としては、例えば、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料を用いることができるが、これらに限定されない。また、金属触媒を担持した導電性材料における金属触媒の含有量は、特に限定されないが、例えば、導電性材料100質量部に対して、10〜500質量部であることが好ましい。
触媒層に用いるプロトン伝導性材料としては、プロトンを移動させる機能を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなどのプロトン伝導性高分子材料を使用することができる。
触媒層におけるプロトン伝導性材料の含有量は、金属触媒を担持した導電性材料100質量部に対して、2〜200質量部であることが好ましい。この場合、触媒層において十分なプロトン伝導性が得られ、電気抵抗値が大きくなりすぎず、電池性能の良好な燃料電池を得ることができる。
触媒層に樹脂バインダを使用する場合、樹脂バインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(E/TFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などのフッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、アイオノマー、ブチルゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体及びエチレン・アクリル酸共重合体などの非フッ素樹脂;などを用いることができる。
触媒層に樹脂バインダを使用する場合、樹脂バインダの含有量は、金属触媒を担持した導電性材料100質量部に対して、0.01〜100質量部であることが好ましい。この場合、触媒層について十分な結着性が得られ、電気抵抗値が大きくなりすぎず、電池性能の良好な燃料電池を得ることができる。
触媒層の厚みについては特に制限されないが、例えば、5〜100μmと設定できる。
<ガス拡散層>
負極ガス拡散層12及び正極ガス拡散層16(以下、単にガス拡散層ともいう。)としては、従来公知の燃料電池に用いられているMEAに係るガス拡散層と同様の構成とすることができる。具体的には、多孔性の電子伝導性材料などから構成されたもの、例えば、撥水処理を施した多孔性の炭素材料(炭素シート)などが用いられる。また、ガス拡散層の触媒層側には、更なる撥水性向上及び触媒層との接触向上を目的として、フッ素樹脂粒子[ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粒子など]を含む炭素粉末のペーストを塗布してもよい。
ガス拡散層の厚みについては特に制限されないが、例えば、50〜500μmと設定できる。
<固体高分子電解質膜>
固体高分子電解質膜14は、プロトンを輸送可能であり、かつ電子伝導性は示さない材料で構成された膜であれば、特に制限はない。固体高分子電解質膜を構成し得る材料としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、具体的には、デュポン社製の「ナフィオン」(登録商標)、旭硝子社製の「フレミオン」(登録商標)、旭化成工業社製の「アシプレックス」(商品名)などが挙げられる。その他、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなども、固体高分子電解質膜の材料として用いることができる。
固体高分子電解質膜14の厚みについては特に制限されないが、例えば、5〜200μmと設定できる。
固体高分子電解質膜14の大きさは、平面視で、触媒層よりも大きく、固体高分子電解質膜の外縁部が触媒層の外縁部からはみ出している。これは、固体高分子電解質膜の平面視での大きさが触媒層よりも小さいと、ガスシールができないため、燃料がクロスオーバーして発電困難となるからである。
<集電体>
集電体11には、燃料を負極に導入するための燃料導入孔(図示せず)が複数設けられている。集電体17には、酸素を正極に導入するための酸素導入孔(図示せず)が複数設けられている。
集電体11、17の材質としては、電子伝導性及び耐食性の高いものであれば特に制限されないが、例えば、黒鉛、カーボンと樹脂との混練物、ステンレス鋼、ステンレス鋼に金や白金をメッキしたもの、チタン、チタンに金や白金をメッキしたもの、ステンレス鋼−銅クラッド、ステンレス鋼−銅クラッドに金や白金をメッキしたものなどが挙げられる。
<シール材>
シール材18は、触媒層の側面に配置され、燃料の流出を抑制するものである。シール材としては、燃料電池分野などにおいてシール材として公知の各種材料を用いることができる。具体的には、シリコンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、PTFEフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
(燃料電池)
燃料電池は、上記したMEAを少なくとも一つ有していればよく、その他の構成及び構造については、特に制限されず、従来公知の燃料電池で適用されている各種構成及び構造を採用することができる。図5では、燃料電池は、MEAを1つ備えている場合について示しているが、MEAを複数備えている場合は、複数のMEAは直列または並列に電気的に接続される。
燃料電池は、上述したように、燃料極となる負極側に水素などの燃料を供給し、酸素極となる正極側に空気(酸素)を供給することで発電する。図5では示していないが、例えば、集電体17に設けられた複数の酸素導入孔にブロアなどを用いて酸素を含む空気を送ることで、酸素導入孔内に空気が導入される。そして、酸素導入孔内に導入された空気は、正極拡散層16を通じて正極触媒層15に供給され、発電に利用される。一方、集電体11に設けられた複数の燃料導入孔に燃料を導入すると、燃料導入孔内に導入された燃料は、負極拡散層12を通じて負極触媒層13に供給され、発電に利用される。
以下、実施例に基づいて本発明の膜電極接合体の検査方法について詳細に説明する。
(交流インピーダンス測定)
まず、固体高分子電解質膜が異なる4種類の膜電極接合体MEA1〜4を用意した。なお、MEA1〜4は、固体高分子電解質膜以外の構成材料は同じものを用いた。そして、MEA1〜4の電極間に周波数を変化させながら電流を印加し、MEAの作製初期の交流インピーダンスを測定した。
図4に、MEA1〜4に関するCole−Coleプロットを示す。図4において、縦軸は、インピーダンスZの虚数部Im(Z)(mΩcm2)を示し、横軸は、インピーダンスZの実数部Re(Z)(mΩcm2)を示している。従来では、このようなCole−Coleプロットを用いて実軸との交点で抵抗を評価するなどしていたが、本発明では、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の周波数特性、インピーダンスの絶対値の周波数特性、及び位相の絶対値の周波数特性に着目した。各周波数特性については下記のようにして検討した。
<式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の周波数特性>
図1は、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の周波数特性をLinearスケールで表した図である。図1において、縦軸は、{−1/[2πfIm(Z)]}の値(mF/cm2)を示し、横軸は周波数(Hz)を示している。
図1に示すように、周波数100(Hz)における{−1/[2πfIm(Z)]}の値は、MEA1は19.6(mF/cm2)、MEA2は18.9(mF/cm2)、MEA3は24.2(mF/cm2)、MEA4は10.6(mF/cm2)であった。
<インピーダンスの絶対値の周波数特性>
図2は、インピーダンスの絶対値の周波数特性をLogarithmicスケールで表した図である。図2において、縦軸は、インピーダンスZの絶対値|Z|(mΩcm2)、横軸は、周波数(Hz)を示している。
図2に示すように、周波数100(Hz)におけるインピーダンスの絶対値│Z│は、MEA1は134(mΩcm2)、MEA2は161(mΩcm2)、MEA3は236(mΩcm2)、MEA4は481(mΩcm2)であった。
<位相の絶対値の周波数特性>
図3は、位相の絶対値の周波数特性をLogarithmicスケールで表した図である。図3において、縦軸は、位相の絶対値を表す−phase(rad)を示し、横軸は、周波数(Hz)を示している。
図3に示すように、周波数100(Hz)における位相の絶対値は、MEA1は0.65(rad)、MEA2は0.55(rad)、MEA3は0.28(rad)、MEA4は0.30(rad)であった。
次に、MEA1〜4の出力特性とそれらを用いた燃料電池の耐久性を下記のように評価した。
(出力特性)
MEA1〜4について300(mA/cm2)の電流密度での電圧値を測定し、電圧値が0.6(V)を超えている場合は良好と判断することとしたところ、MEA1、MEA2、MEA3は良好であったが、MEA4は劣っていた。
(耐久性)
燃料電池の耐久性を評価するために、次の寿命試験を行った。まず、MEA1〜4を備えた燃料電池を準備し、各燃料電池を0.65(V)の定電圧で10分間発電させ、さらに、電流密度300(mA/cm2)の定電流で8時間発電させた後、電圧(V)を測定し、発電を停止させた。これを1サイクルとし、これを繰り返し行って電圧値の変化に基づいて耐久性を評価した。この寿命試験では、電圧値が0.5(V)を下回ると、MEAが劣化したと判断し、寿命試験を終了することとした。
寿命試験の結果を、図6、図7、図8に示した。図6は、累積時間が0〜100時間までの寿命試験結果を示し、図7は、累積時間が0〜500時間までの寿命試験結果を示し、図8は、累積時間が0〜2000時間までの寿命試験結果を示している。図6〜8において、累積時間とは、300(mA/cm2)で定電流状態にした状態の累積時間である。
図6〜図8に示すように、MEA3は、累積時間50時間程度で劣化し、MEA4は、600時間程度で劣化した。一方、MEA1とMEA2はいずれも、累積時間が2000時間に至るまで顕著な劣化は見られず、耐久性が良好であることが分かった。
MEA1〜4の出力特性と耐久性について表1にまとめた。
Figure 2012190712
表1と図1とから分かるように、周波数100(Hz)における式{−1/[2πfIm(Z)]}の値が15(mF/cm2)以上22(mF/cm2)以下の範囲内であるMEA1とMEA2は、耐久性及び出力特性が良好であった。一方、周波数100(Hz)における式{−1/[2πfIm(Z)]}の値が22(mF/cm2)を超えているMEA3は、出力特性は良好であったが、耐久性が劣っていた。また、周波数100(Hz)における式{−1/[2πfIm(Z)]}の値が15(mF/cm2)未満であるMEA4は、出力特性が劣っていた。
以上から、膜電極接合体の初期の交流インピーダンスの測定結果に基づいて得られる周波数100(Hz)における{−1/[2πfIm(Z)]}の値が15(mF/cm2)以上22(mF/cm2)以下の範囲内であれば、耐久性及び出力特性が良好な膜電極接合体であると判定できることが分かった。
また、表1と図2及び図3とから分かるように、周波数100(Hz)におけるインピーダンスの絶対値が100(mΩcm2)以上250(mΩcm2)以下で、かつ、位相の絶対値が0.4(rad)より大きいMEA1とMEA2は、耐久性及び出力特性が良好であった。一方、位相の絶対値が0.4(rad)以下であるMEA3は、耐久性が劣っていた。周波数100(Hz)におけるインピーダンスの絶対値が250(mΩcm2)を超え、位相の絶対値が0.4(rad)以下であるMEA4は、出力特性が劣っていた。
よって、膜電極接合体の初期の交流インピーダンスの測定結果に基づいて得られる周波数100(Hz)におけるインピーダンスの絶対値が100(mΩcm2)以上250(mΩcm2)以下で、かつ、位相の絶対値が0.4(rad)より大きい場合、膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定できることが分かった。
本発明は、民生用コージェネレーションや自動車用などの移動体用発電器、携帯用電源として有用な燃料電池に用いられる膜電極接合体の検査方法として利用可能である。
11 集電体
12 負極ガス拡散層
13 負極触媒層
14 固体高分子電解質膜
15 正極触媒層
16 正極ガス拡散層
17 集電体
18 シール材

Claims (2)

  1. 膜電極接合体の初期の交流インピーダンスを測定し、
    周波数をf(Hz)、インピーダンスの虚数部をIm(Z)(mΩcm2)としたとき、式{−1/[2πfIm(Z)]}で表されるコンデンサ容量の値が、周波数100(Hz)において、15(mF/cm2)以上22(mF/cm2)以下である場合、前記膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定することを特徴とする膜電極接合体の検査方法。
  2. 膜電極接合体の初期の交流インピーダンスを測定し、
    周波数100(Hz)において、インピーダンスの絶対値が100(mΩcm2)以上250(mΩcm2)以下で、かつ、位相の絶対値が0.4(rad)よりも大きい場合、前記膜電極接合体の耐久性及び出力特性は良好であると判定することを特徴とする膜電極接合体の検査方法。
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