JP2012189772A - トナー、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し水系媒体中で造粒されるトナーであって、前記結着樹脂が光学活性モノマーからなるポリエステル骨格を含有し、かつ該ポリエステル骨格中にステロイド環構造を有する樹脂を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このため、ポリ乳酸と、それ以外の樹脂を混合することで、トナーに必要な物性、及び熱特性等を確保することが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかし、ポリ乳酸は、トナーに汎用に用いられるポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル共重合体に対する相溶性及び分散性が極めて悪いため、このようにしてトナーを製造することが非常に困難である。
したがって画像濃度、ヘイズ度、定着性、耐熱保存性、及び環境変動性に優れ、経時での画像品質の変化が少ないと共に、ポリ乳酸を含有するトナー及びその関連技術は、未だ得られておらず更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
なお、下記(1)に記載の発明は、上記特許文献7に記載の発明と類似しているが、本発明のトナーは、結着樹脂にステロイド環構造をもつポリ乳酸系樹脂を用いることで低温定着性の改善、保存性の改善をしている点で相違するものである。また下記(7)に記載の発明は、前記のトナーと、被覆層に微粒子を含有させたキャリアとを組み合わせた二成分現像剤を用いることで、キャリア表面へのトナーのスペントを効果的に防止することができ、長期にわたって優れた画像を提供することが可能となったものである。
(2)前記結着樹脂はポリ乳酸系樹脂であり、結着樹脂中の全乳酸単位に対し、モノマー成分換算での光学異性体比率X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率 (%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す〕が、80%以下であることを特徴とする上記(1)に記載のトナー。
(3)前記ポリエステル骨格がL−乳酸ラクチドとD−乳酸ラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のトナー。
(4)前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)が45〜65℃であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかにに記載のトナー。
(5)前記トナーが離型剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトナー。
(6)前記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナー。
(8)前記キャリアの被覆層における微粒子がアルミナであることを特徴とする上記(7)に記載の二成分現像剤。
本発明のトナーは、その結着樹脂としてステロイド骨格を有するポリ乳酸を使用するものであり、また、二成分現像剤は前記のトナーと、被覆層に微粒子を含有しているキャリアとからなるものである。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含み、水系媒体中で造粒されるトナーであって、前記結着樹脂がポリエステル骨格を有するポリマーであり、前記ポリマーのポリエステル骨格中にステロイド環構造を有する樹脂(ポリ乳酸系生分解性樹脂)を使用してなるものである。
ステロイド環は、ペルヒドロシクロペンタノフェナントレイン核を基本構造とする、炭素環第一アルコールと、その誘導体の総称であり、コレステロール、胆汁酸、ステロイドホルモンなどを含むものである。本発明においては、ステロイド系化合物はその末端に水酸基を有していれば、従来既存の何れも使用することが出来るが、入手のしやすさ等を鑑みてコレステロールを使用することが好ましい。
使用可能な生分解性樹脂としては、例えば、微生物産生系として、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、天然物系として、エステル化澱粉、酢酸セルロース、キトサン、化学合成系として、ポリ乳酸、ポリカプラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリビニールアルコール、ポリグリコール酸などがある。特に、原料が再生可能なバイオマスであることが好ましく、更には、工業的に製造が可能なものであることがより好ましい。
具体的には、ネイチャーワークス社がポリ乳酸樹脂を商業的に販売していることなどから、ポリ乳酸がコスト的にも有利である。なお、ポリ乳酸樹脂は、下記の構造式を有する樹脂である。
(OCH(CH3)CO)n
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合により結合したポリマーであり、近年、環境に優しい生分解性プラスティックとして注目を集めている。即ち、自然界には、エステル結合を切断する酵素(エステラーゼ)が広く分布していることから、ポリ乳酸は環境中でこのような酵素により徐々に分解されて、単量体である乳酸に変換され、最終的には二酸化炭素と水になる。
また、重合されたポリ乳酸系樹脂(ステロイド環構造を含有するポリ乳酸)は非結晶性として得られるものであるが、こうした非結晶性樹脂を得るには、D体比率を上記の範囲とすることで達成できる。具体的には、ラクチドを用いる場合、L−ラクチド90〜10質量部、D−ラクチド10〜90質量部の併用が適当である。この範囲を逸脱すると、重合されたポリ乳酸樹脂は有機溶剤(酢酸エチル)への溶解性が不良なものとなる。
また、本発明において、上記トナー用樹脂には必要に応じて、従来公知のトナー用樹脂を添加することができる。従来公知のトナー用樹脂としては、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等があるが、顔料分散性、低温定着性の観点から、トナー用に開発されたポリエステル樹脂が好ましい。
これら必要に応じて添加することのできる従来公知のトナー用樹脂は1種類であっても、2種類以上を混合しても構わない。本発明の目的のひとつである環境への影響を考慮すると、これら添加することのできる従来公知のトナー用樹脂は、トナー用樹脂全体に対して、60質量%未満であることが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとの重縮合物、およびこれらの重縮合物の金属塩などが挙げられる。ポリオールとしてはジオールおよび3〜8価またはそれ以上のポリオールが、ポリカルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸および3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸、およびこれらの酸無水物または低級アルキルエステルが挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[NN−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基のC1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など]:ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオールビスフェノール類のAO付加物、およびこれらの併用である。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物または炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
トナーの着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。また、次に例示した色材はいずれも単独、または複数種を混合して用いることもできる。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーには、必要に応じて、離型剤を含有させてもよい。
離型剤(ワックス)としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラーとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温耐オフセットに対し効果を示す。トナーに含有されるワックスの量は、結着樹脂100質量部に対して、0〜20質量部、好ましくは2〜10質量部である。20質量部を超えると保存性が悪化してしまう。
なお、本発明におけるワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)による最大吸熱ピークとした。
本発明におけるトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。
本発明のトナーには、必要に応じて、公知の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、非反応性加水分解防止剤、耐光性改良剤、滑剤、有機可塑剤、他の生分解性熱可塑性樹脂、艶消し剤などの各種添加剤を適宜加えてもよい。
本発明のトナーは、有機溶媒中に少なくとも結着樹脂(ポリエステル骨格を有し、かつそのポリエステル骨格中にステロイド環構造を有するポリ乳酸系樹脂)及び着色剤を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液を水系媒体中で乳化乃至分散させてトナー母体粒子を造粒し、このトナー母体粒子に外添剤を添加することにより得られる。
トナーの体積平均粒径(Dv)は3〜10μm、好ましくは3〜8μmであり、Dv/Dn(個数平均粒径)は1.00〜1.40であり、好ましくは1.00〜1.25である。また、軟化点は50〜140℃、好ましくは50〜100℃であり、ガラス転移温度は40〜80℃、好ましくは45〜70℃である。
トナー材料(前記の結着樹脂、着色剤等)を有機溶媒に溶解乃至分散させることにより、トナー材料液を調製する。有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記樹脂の溶解性に優れることから、エステル系溶剤が好ましく、除去が容易であることから、酢酸エチルが特に好ましい。
前記有機溶媒の使用量は、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料100質量部に対して、40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が更に好ましい。
水系媒体としては、例えば、水、水と混和可能な溶剤等が挙げられ、2種以上併用してもよいが、中でも、水が好ましい。水と混和可能な溶剤としては、例えば、アルコール(例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
なお、前記水系媒体は、例えば、樹脂微粒子を水性溶媒に分散させることにより調製することができる。水性溶媒中の樹脂微粒子の添加量は、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜10質量%であることが好ましい。
また、不飽和基を2個以上有する単量体を用いて、樹脂微粒子を形成することもできる。不飽和基を2個以上有する単量体としては、例えば、メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(e)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
前記分散剤としては、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤が特に好ましい。
乳化スラリーは、トナー材料液を水系媒体中に乳化乃至分散させることにより調製されるが、攪拌しながら乳化乃至分散させることが好ましい。乳化乃至分散させる装置としては、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(以上、特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(以上、三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業株式会社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが好ましい。
乳化スラリーから、有機溶媒を除去する際には、反応系全体を徐々に昇温させて、乳化分散体中の有機溶媒を蒸発除去する方法、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒を除去すると共に、水性溶媒を蒸発除去する方法等が挙げられる。
乳化スラリーから有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に、所望により分級等を行うことができる。例えば、水系媒体中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子成分を取り除くことにより分級してもよいし、乾燥後のトナー母体粒子を分級してもよい。
なお、分散安定剤として、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに可溶な化合物を用いた場合には、塩酸等の酸で分散安定剤を溶解させた後に、水洗する方法等により、トナー母体粒子から分散安定剤を除去することができる。
本発明で用いるトナーとして、着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤を用いることができ、このような外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
本発明の二成分現像剤は、前記のトナーと磁性キャリアとの混合からなる。磁性キャリアとトナーとの混合割合は、磁性キャリア100質量部に対して、トナー3〜10質量部、好ましくは5〜8質量部である。
被覆層に占める微粒子の割合は10〜70質量%、好ましくは10〜50質量%である。10質量%より少ないとトナー成分がキャリア表面に融着するいわゆる スペントトナーが発生しやすくなり、帯電量の低下がおこり画像濃度低下や異常画像発生する。逆に70質量%より多くてもキャリアの抵抗が下がるためトナーの帯電が低くなり同様に画像濃度低下などの異常画像が発生する。
また、被覆層の平均厚さは0.05〜1.00μm、好ましくは0.1〜0.5μmである。被覆層の平均厚さが0.05μmより薄いと被覆層のはがれが起こりキャリアの抵抗が下がるため、安定した画像が得られない。1.00μmより厚いと被覆層の強度が低下、膜削れの量が多くなり、異常画像の原因となってしまう。
また、その理由は定かではないが、均一な現像特性に関して、たとえトナーの特性が若干変化したとしても、現像特性が変化し難いことも本発明のキャリアの特徴の一つである。
前記フェライト芯材としては、次式、(MgO)x(MnO)y(Fe2O3)Z(ただし、xは1〜5mol%、yは40〜55mol%、zは40〜55mol%で示される)で表されるものが好ましい。前記フェライト芯材としては、上記組成の範囲を満足すれば、それ以外の成分(不純物や、置換や、処理による添加などによる成分)を含有しても問題ない。該成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばSnO2、SrO、アルカリ土類金属酸化物、Bi2O5、ZrOなどが挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂の少なくともいずれかであることが好ましい。これらの樹脂は、前記芯材に用いた場合に、トナーを均一に搬送させるとともに、トナーを均一に帯電させる効果を強く発揮させる。一方、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分のスペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。
前記キャリアを製造する方法として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前述した溶媒中に樹脂及び微粒子を十分に分散させ、樹脂被覆膜形成溶液を得、この溶液を芯材表面へ塗布し、乾燥する方法などが挙げられる。
静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、現像剤として本発明のトナー又は本件発明の2成分現像剤を用いる。
本発明のトナーを用いる画像形成装置の概略について以下述べる。
本発明の画像形成装置は静電潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有しており、使用するトナーとして本発明のトナーを用いる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るカラー画像形成装置の内部構成図の一例を示す。この具体例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写装置であるが、本発明の画像形成装置は本具体例に限ったものではない。
マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成部20を構成する。タンデム画像形成部20の直上には、図に示すように、さらに露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の
支持ローラ16押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。上述した2次転写装置22は、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
補給側攪拌室と現像側攪拌室は、図示されていない仕切り板で仕切られており、両端部に現像剤の受け渡す開口部がある。
現像側攪拌室の現像剤は現像スリーブに汲み上げられ、ドクタブレードによって量を規制され潜像坦持体との摺擦部に供給される。この時、ドクタブレードにより現像剤は最も大きな摺擦力を与えられる。
本発明においては、上述の感光体2、帯電手段3、現像手段4及びクリーニング手段5等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、少なくともブレードクリーニング部材を持つクリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
実施例及び比較例で用いた成分の各物性値の測定方法は次ぎのとおりである。
・ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)、カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF
・流速:0.45ml/min
・試料:0.15%の試料を0.4ml注入
・試料の前処理:トナーをテトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬株式会社製)に0.15質量%で溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μl注入して測定する。
試料の分子量(重量平均分子量)測定にあたっては、試料の有する分子量を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No.S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
電子写真現像剤用キャリアの静的抵抗値(体積固有抵抗)は、図3の概略図に示すキャリア抵抗測定装置によって測定する。
トナー(トナー母体粒子)の粒度分布は、コールターマルチサイザーを用いて行った。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIII型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。得られた体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)から両者の比(Dv/Dn)を求めた。
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、試料として1.5gのトナー(加熱開始温度:50℃、予熱時間:300秒)を昇温速度10℃/分で加熱しながら、プランジャーにより10kgの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点(1/2法)とした。
DSC(示差走査熱量計:TAインスツルメンツ社製、Q2000)を用いて、以下の方法により測定する。まず、トナー5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
・1st Heating:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持。
・冷却:温度制御なしで−20℃までクエンチ、−20℃到達後1分保持。
・2nd Heating:−20℃〜180℃、5℃/min.
ガラス転移点は、2nd Heatingのサーモグラムにおいてミッドポイント法を採用して値を読み取り、ガラス転移点として評価を行った。
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagio MP C−5000)を定着装置の設定温度を変えられるように改造した。これに実施例に示す現像剤、リコー社製タイプ6200紙をセットし、複写テストを行った。各定着温度で得られた画像を、「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社製、幅18mm、JIS Z−1522)を貼り付け、30℃に設定した上記定着装置の定着ローラを通過させた後、テープを剥し、テープ剥離前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定した。両者の比率(剥離後/剥離前)が最初に95%を超える定着ローラの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。
〔評価基準〕
◎◎:最低定着温度が150℃未満
◎ :最低定着温度が150℃以上、160℃未満
○ :最低定着温度が160℃以上、170℃未満
△ :最低定着温度が170℃以上、180℃未満
× :最低定着温度が180℃以上
各トナー4gを、直径5cm、高さ2cmの開封系の円筒容器に入れ、温度45℃、相対湿度65%の環境下で、72時間放置した。放置後、トナーを入れた容器を軽く振り、トナーの凝集の発生の有無を目視により観察し、以下の評価基準に従って保存性を評価した。
〔評価基準〕
◎:トナーの凝集は全く認められない。
○:トナーの凝集の粒が1〜2個観測される。
△:トナーの凝集の粒が3〜5個観測される。
×:トナーの凝集の粒が6個以上観測される。
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagio MP C−5000)改造機に現像剤をセットし、単色モードで50%画像面積の画像チャートを300,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(XRite社製)により測定を行なった。表2に、測定値が、1.8以上2.2未満の場合は◎で、1.4以上1.8未満の場合は○で、1.2以上1.4未満の場合は△で、および、1.2未満の場合は×で表示した。
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagio MP C−5000)改造機に現像剤をセットし、単色モードで50%画像面積の画像チャートにて300,000枚のランニング評価を行なった。そして、このランニングを終えたキャリアの帯電低下量をもって判断した。抵抗低下量は単色モードにて0.5%画像面積の画像チャートで300,000枚のランニング評価を行なった。そして、このランニングを終えたキャリアの抵抗低下量をもって判断した。
ここでいう帯電量変化量とは、常温常湿室(温度23.5℃ 湿度60%RH)で30分間以上は開封系にて調湿し、初期のキャリア6.000gとトナー0.452gをステンレス製容器へ加えた後、密封し、YS−LD〔(株)ヤヨイ社製振とう機〕にて目盛150で5分間運転し、約1100回の振幅により摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法[東芝ケミカル(株)製:TB−200]にて測定した帯電量(Q1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記方法と同様の方法で測定した帯電量(Q2)を差し引いた量のことを言い、目標値は±10.0(μc/g)以内である。
また、ここでいう抵抗変化量とは、初期のキャリアを前述した抵抗測定方法にて求めた抵抗値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことを言い、目標値は絶対値で3.0[Log(Ω・cm)]以内である。また、抵抗変化の原因は、キャリアの結着樹脂膜の削れ、トナー成分のスペント、キャリア被覆膜中の粒子脱離などであるため、これらを減らすことで、抵抗変化量を抑えることができる。
−キャリア1の製造−
下記の組成をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂、及びシリコーン樹脂のブレンド被覆層形成溶液を調製した。
〔被覆層形成溶液の組成〕
・アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 21.0部
・グアナミン溶液(固形分70質量%) 6.4部
・微粒子としてのアルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)]
7.6部
・シリコーン樹脂溶液[固形分23質量%、SR2410、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製] 65.0部
・アミノシラン[固形分100質量%、SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製] 0.3部
・トルエン 60部
・ブチルセロソルブ 60部
なお、被覆層の厚み測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆層を観察することができるため、その厚みの平均値をもって被覆層の厚みとした。
−キャリア2の製造−
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0、平均粒径20μm]を用いた以外は、前記キャリア1と同様にして、[キャリア2]を作製した。この[キャリア2]の静抵抗値は12.2(logΩ・cm)であった。
−キャリア3の製造−
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0、平均粒径70μm]を用いた以外は、前記キャリア1と同様にして、[キャリア3]を作製した。この[キャリア3]の静抵抗値は10.9(logΩ・cm)であった。
−キャリア4の製造−
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0、平均粒径=15μm]を用いた以外は、前記キャリア1と同様にして、[キャリア4](比較例)を作製した。この[キャリア4]の静抵抗値は10.5(logΩ・cm)であった。
−キャリア5の製造−
芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0、平均粒径=75μm]を用いた以外は、前記キャリア1と同様にして、[キャリア5](比較例)を作製した。この[キャリア5]の静抵抗値は12.5(logΩ・cm)であった。
−キャリア6の製造−
被覆層形成溶液中に微粒子としてのアルミナ粒子を含まない以外は、前記キャリア1と同様にして、[キャリア6](比較例)を作製した。この[キャリア6]の静抵抗値は13.5(logΩ・cm)であった。
−樹脂1の製造−
300mLの四つ口セパラブルフラスコ中に、L−ラクチド170g、D−ラクチド30g、コレステロール6.8g(1.4モル%、対ラクチド100モル%)を投入し、内温を徐々に150℃まで昇温し、その後、10mmHgで30min.脱水処理を行った。次いで、N2パージ下で170℃まで昇温し、目視下で系が均一化したことを確認した後、2−エチルヘキサン酸スズ50mgを系に投入して重合反応を行った。この際、系の内温が190℃を超えないように制御した。2時間の反応時間経過後、系を再び流出ラインに切り替え、190℃、10mmHgの条件下で脱ラクチドし、重合反応を完結させて、ポリ乳酸系樹脂(樹脂1)を製造した。この樹脂1の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂2の製造−
コレステロールの量を1.4モル%から0.7モル%に変更した以外は、樹脂1の製造と同様にしてポリ乳酸系樹脂(樹脂2)を製造した。この樹脂2の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂3の製造−
コレステロールの量を1.4モル%から0.35モル%に変更した以外は、樹脂1の製造と同様にしてポリ乳酸系樹脂(樹脂3)を製造した。この樹脂3の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂4の製造−
L−ラクチドの量を170gから200gに、D−ラクチドの量を30gから0gに変更し、樹脂1の製造と同様にしてポリ乳酸系樹脂(樹脂4:比較例)を製造した。この樹脂4の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂5の製造−
L−ラクチドの量を170gから180gに変更し、D−ラクチドを30gから20gに変更した以外は、樹脂1の製造と同様にしてポリ乳酸系樹脂(樹脂5:比較例)を製造した。この樹脂5の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂6の製造−
コレステロール1.4モル%をラウリルアルコール1.4モル%に変更した以外は、樹脂1の製造と同様にしてポリ乳酸系樹脂(樹脂6:比較例)を製造した。この樹脂6の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂7の製造−
コレステロール1.4モル%をビスヒドロキシエチレンテレフタレート1.4モル%に変更した以外は、樹脂1の製造と同様にしてポリ乳酸系樹脂(樹脂7:比較例)を製造した。この樹脂7の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂8の製造−
樹脂1の製造で得たコレステロールを主鎖末端に有するポリ乳酸系樹脂を四つ口セパラブルフラスコに入れ、酢酸エチル溶液に溶解させ、50重量%溶液を調製する。これを90℃のオイルバス中で加熱し、リフラックス状態とした状態で、イソホロンジイソシアネート(ポリ乳酸系樹脂100モル%に対し50モル%)を加え、次いで2−エチルヘキサン酸スズを樹脂重量に対して200ppm添加し、2時間反応を行った。その後、真空乾燥機を使用して溶媒を除去し、キャスト膜として樹脂8を得た。この樹脂8の各種特性は表1に示すとおりである。
−樹脂9の製造−
使用するポリ乳酸系樹脂が樹脂6の製造で得たポリ乳酸系樹脂であること以外は、樹脂8の製造と同様にして樹脂9(比較例)を得た。この樹脂9の各種特性は表1に示すとおりである。
下記の処方により、本発明のトナー(1、2、3、8)、及び比較のトナー(6、7、9)を作製した。なお、樹脂4、5は酢酸エチルに不溶なためトナー化できなかった。
樹脂1を100部、カーボンブラック「MOGUL L」(キャボット社製)4部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン S−34」(オリエント化学工業社製)1部、及びポリプロピレンワックス「NP−105」(三井化学社製)1部を、110部の酢酸エチルに溶解し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)で分散させて樹脂溶液を得た。
この溶液を水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(MON−7、三洋化成工業社製)4部、及び酢酸エチル20部の混合液中にを投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)を用いて13,000rpmにて2分間混合して水系媒体分散液を得た。これを30℃、8時間放置して脱溶剤した後、水への分散、濾過による洗浄作業を3回繰り返して粒子表面を洗浄した後、濾過し、その後45℃にて48時間乾燥させ、目開き75μmの篩を通過させてトナー母体を得た。
このトナー母体100部に対し、外添剤として「アエロジル R−972」(日本アエロジル社製)1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー1を得た。
トナー1の体積平均粒径(Dv)は6.2μm、Dv/Dn(個数平均粒径)は1.1、軟化点は52℃、ガラス転移温度は50℃であった。
樹脂1に代えて樹脂2を用いた以外は、トナー1の作製と同様にしてトナー2を得た。
トナー2のDvは6.2μm、Dv/Dnは1.1、軟化点は66℃、ガラス転移温度は65℃であった。
樹脂1に代えて樹脂3を用いた以外は、トナー1の作製と同様にしてトナー3を得た。
トナー3のDvは6.1μm、Dv/Dnは1.2、軟化点は69℃、ガラス転移温度は67℃であった。
樹脂1に代えて樹脂6を用いた以外は、トナー1の作製と同様にしてトナー6を得た。
トナー6のDvは6.2μm、Dv/Dnは1.1、軟化点は58℃、ガラス転移温度は55℃であった。
樹脂1に代えて樹脂7を用いた以外は、トナー1の作製と同様にしてトナー7を得た。
トナー7のDvは6.1μm、Dv/Dnは1.1、軟化点は60℃、ガラス転移温度は58℃であった。
樹脂1に代えて樹脂8を用いた以外は、トナー1の作製と同様にしてトナー8を得た。
トナー8のDvは6.1μm、Dv/Dnは1.1、軟化点は69℃、ガラス転移温度は68℃であった。
樹脂1に代えて樹脂9を用いた以外は、トナー1の作製と同様にしてトナー9を得た。
トナー9のDvは6.3μm、Dv/Dnは1.2、軟化点は57℃、ガラス転移温度は56℃であった。
表2で示す組み合わせのトナー5質量部と、キャリア95質量部とを、ターブラーミキサー(Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik社、T2F)で5分間攪拌して、実施例1〜6及び比較例1〜6の二成分現像剤を作製した。
これら二成分現像剤の評価結果をまとめて表2に示す。
10 中間転写体
14・15・16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成部
22 2次転写装置
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
55 切換爪
56排出ローラ
57 排紙トレイ
60 帯電装置
61 現像装置
62 1次転写装置
64 除電装置
63 感光体クリーニング装置
61現像装置
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
(図2について)
1 プロセスカートリッジ
2 感光体
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
(図3について)
71 セル
72a、72b 電極
73 キャリア
Claims (11)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し水系媒体中で造粒されるトナーであって、前記結着樹脂が光学活性モノマーからなるポリエステル骨格を含有し、かつ該ポリエステル骨格中にステロイド環構造を有する樹脂を含むことを特徴とするトナー。
- 前記結着樹脂はポリ乳酸系樹脂であり、該結着樹脂中の全乳酸単位に対し、モノマー成分換算での光学異性体比率X(%)=|X(L体)−X(D体)|〔ただし、X(L体)は乳酸モノマー換算でのL体比率 (%)、X(D体)は乳酸モノマー換算でのD体比率(%)を表す〕が、80%以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記ポリエステル骨格がL−乳酸ラクチドとD−乳酸ラクチドの混合物を開環重合して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)が45〜65℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーが離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
- トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤であって、前記トナーは請求項1〜6のいずれかに記載のトナーであり、前記磁性キャリアは、平均粒径20〜70μmのフェライト芯材と、該芯材表面に少なくとも微粒子及び樹脂を含有する被覆層とを有するものであることを特徴とする二成分現像剤。
- 前記キャリアの被覆層における微粒子がアルミナであることを特徴とする請求項7に記載の二成分現像剤。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、請求項1〜6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記トナーが、請求項1〜6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記現像剤が、請求項1〜6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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