以下、図1乃至図36を用いて、本発明の一実施形態について説明する。なお、先ずは、図1乃至図9を用いて、本実施形態の概要を説明する。
〔実施形態の概要〕
<<実施形態の全体構成>>
図1は、本実施形態に係る伝送システム1の概略図である。図2は、伝送システムにおける画像データ、音声データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図3は、画像データの画質を説明する概念図である。
また、伝送システムには、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理システム、及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム、又は伝送システムにも適用される。なお、本実施形態では、「テレビ会議」と説明しているが、「ビデオ会議」と言われることもあり、両者は同じ内容である。
まず、図1に示されている伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa,10ab,…)、各伝送端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)、伝送管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100によって構築されている。
複数の端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データの送受信による伝送を行う。
なお、以下では、「伝送端末」を単に「端末」として表し、「伝送管理システム」を単に「管理システム」として表す。また、複数の端末(10aa,10ab,…)のうち任意の端末は、「端末10」と表され、複数のディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイは「ディスプレイ120」と表され、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d)のうち任意の中継装置は「中継装置30」と表されている。更に、テレビ会議の開始を要求する要求元としての端末は「要求元端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての端末は「宛先端末」と表されている。
また、図2に示されているように、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音声データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。ここでは、これら4つのセッションをまとめて、画像・音声データ用セッションsedとして示している。
ここで、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図3(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図3(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図3(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。
図1に示されている中継装置30は、複数の端末10の間で、コンテンツデータの中継を行う。管理システム50は、端末10からのログイン認証、端末10の通話状況の管理、宛先リストの管理等、及び中継装置30の通信状況等を一元的に管理する。なお、画像データの画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画の両方であってもよい。
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、端末10に各種機能を実現させる(又は、端末10を各種手段として機能させる)ための端末用プログラムが記憶され、端末10に端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させる(又は、中継装置30を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHD204には、管理システム50に各種機能を実現させる(又は、管理システム50を各種手段として機能させる)ための伝送管理用プログラムも記憶されており、管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、端末10、中継装置30、管理システム50、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、端末10、中継装置30、管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
ところで、端末(10aa,10ab,10ac,・・・)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。端末(10ba,10bb,10bc,・・・)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、端末(10ca,10cb,10cc,・・・)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。端末10d(a,10db,10dc,・・・)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各端末10、各中継装置30、管理システム50、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、各端末10は、複数の事業所間での通話や、同じ事業所内の異なる部屋間での通話だけでなく、同じ部屋内での通話や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通話で使われてもよい。各端末10が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
<<本実施形態の処理概要>>
続いて、図4乃至図6を用いて、本発明の実施形態の処理概要を説明する。なお、図4は、複数の端末間での会話中に、管理システムが一方の端末の状態を他方の端末に伝える処理を示した概念図である。
図4に示されているように、管理システム50には、端末管理テーブル、及び抑制情報管理テーブルが記憶されている。このうち、端末管理テーブルには、端末10を識別するための端末ID毎に、各端末10の宛先名が少なくとも関連付けられて管理されている。また、抑制情報管理テーブルには、マイクの故障やマイクの入力ミュート等の端末10における会話の抑制状態を示す会話抑制状態情報、及び、端末10における会話の抑制状態をテキストデータで表すメッセージが少なくとも関連付けられて管理されている。
この会話の抑制状態は、端末10での会話に関する機能が故障したことによって会話を抑制する状態であり、例えば、マイクの故障(マイク114の収音機能が故障)、カメラの故障(カメラ112の撮像機能が故障)、スピーカの故障(スピーカ115の音出力機能が故障)、及びディスプレイへの表示が故障(ディスプレイ120へ画像データを表示させる機能が故障)が挙げられる。
また、会話の抑制状態は、端末10での会話に関する抑制機能を実行したことによって会話を抑制する状態でもあり、例えば、マイク114の入力ミュート(マイク114の収音機能を一時停止する機能を実行)、カメラ112の撮像ミュート(カメラ112の撮像機能を一時停止する機能を実行)、スピーカ115の出力ミュート(スピーカ115の音出力機能を一時停止する機能を実行)、及びディスプレイ120への表示ミュート(ディスプレイ120への画像データの表示機能を一時停止する機能を実行)が挙げられる。なお、この場合の抑制機能は、故障の場合と異なり、端末10が正常に動作することによって実行される機能であって、しかも、この機能のうちで、実行されると音声又は画像による会話が制限される機能である。
一方、各端末10には、抑制状態アイコン管理テーブルが記憶されている。この抑制状態アイコン管理テーブルには、会話抑制状態情報毎に、各端末10の各ディスプレイ120に表示させるための抑制状態アイコンの画像データが関連付けられて管理されている。
このような状態で、端末10aaと端末10dbとの間で会話している際に、例えば、端末10aaで、利用者がマイクの入力ミュートの機能を実行した場合、端末10aaは、マイクの入力ミュートである旨を示す会話抑制状態情報が含まれた詳細稼動状態情報、及び端末10aaの端末ID「01aa」を、管理システム50に送信する(ST1)。
次に、管理システム50は、受信した詳細稼動状態情報の会話抑制状態情報「マイクミュート」を検索キーとして、抑制情報管理テーブルを検索することにより、対応するメッセージ「マイクミュート中です。」を抽出する(ST2)。更に、管理システム50は、受信された端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理テーブルを検索することにより、対応する端末名「AA端末」を抽出する(ST2)。そして、管理システム50は、端末10aaの通話の相手先である端末10dbに対して、上記端末10aaから受信した会話抑制状態情報「マイクミュート」、並びに、上記抽出したメッセージ「マイクミュート中です。」及び端末名「AA端末」を送信する(ST3)。これにより、端末10dbは、会話抑制状態情報、メッセージ、及び端末名を受信する。
次に、端末10dbは、受信された会話抑制状態情報「マイクミュート」を検索キーとして、稼動状態アイコン管理テーブルを検索することにより、対応する抑制状態アイコンの画像データを抽出する(ST4)。そして、端末10dbは、ディスプレイ120dbに対して、上記抽出された画像データに係る抑制状態アイコン、並びに、上記受信された端末名「AA端末」、及びメッセージ「マイクミュート中です。」を表示させる(ST5)。
これにより、端末10dbの利用者は、通話の相手先である端末10aaで、マイクの入力ミュートの機能が実行されたことを把握することができるため、端末10db側の利用者は、端末10aa側の利用者に話し掛けても、端末10aa側に音声が伝わらないということが分かる。
また、図5及び図6は、第2の伝送端末が会話の開始処理を行う前から、宛先端末の候補である第1の伝送端末の稼動状態を取得して、第2の伝送端末のディスプレイ120dbaに稼動状態アイコンを表示するための処理を示した概念図である。
図5に示されているように、管理システム50には、端末管理テーブル及び抑制情報管理テーブル以外に、宛先リスト管理テーブルも記憶されている。この宛先リスト管理テーブルには、会話の要求元端末を識別するための端末ID毎に、宛先端末の候補を識別するための端末IDが記憶されて管理されている。
なお、端末管理テーブルには、上記図4の例に加えて更に、端末ID毎に、この端末IDに係る端末の現時点の詳細稼動状態を示す詳細稼動状態情報が少なくとも関連付けられている。例えば、端末ID「01aa」に係る端末10aaの現時点での詳細稼動状態が「オンライン」で「通話可能」である場合には、詳細稼動状態情報は「オンライン(通話可能)」となる。また、例えば、端末ID「01aa」に係る端末10aaの詳細稼動状態が「オンライン」で「通話中」で「マイクが故障中」である場合には、詳細稼動状態情報は「オンライン(通話中・マイク故障)」となる。
更に、抑制情報管理テーブルには、上記図4に加えて更に、会話の抑制状態が、(1)端末10において音声の伝送に関する機能が故障したことによって生じた第1の状態(異常な状態)であるか、又は、(2-1)端末10において画像の伝送に関する機能が故障したことによって生じた状態、若しくは(2-2)端末10において音声又は画像の伝送に関する抑制機能が実行されたことによって生じた第2の状態(正常な状態)であるかを示す稼動状態情報が少なくとも関連付けられている。
第1の状態の例としては、会話中(通話中)にマイクが故障した場合のように、端末10の機能のうち利用者の聴覚に関する機能が故障したことによって、会話の抑制状態が生じた場合が挙げられる。この場合、故障中の端末10は、「オンライン」、「通話中」、及び「異常」の状態であるため、稼動状態情報は「オンライン(通話中・異常)」と定めている。なお、第1の状態としては、「異常」の称呼以外に、「故障」、「不具合」、「機能不全」、「トラブル」、「活動不能」「麻痺」、「障害」、「問題」、「非通常」、「不良」、「(一時)停止」、又は「不適切」等が挙げられる。
また、第2の状態における第1例としては、会話中(通話中)にカメラが故障した場合のように、端末10の機能のうち利用者の視覚に関する機能が故障したことによって、会話の抑制状態が生じた場合が挙げられる。この場合、故障中の端末10は、「オンライン」、「通話中」、及び「異常」の状態ではあるが、音声及び画像によるテレビ会議はできなくても、音声による電話会議はできるため、稼動状態情報は「オンライン(通話中・正常)」と定めている。
更に、第2の状態における第2例としては、会話中(通話中)にマイクミュートが実行された場合のように、端末10での会話に関する機能を正常に実行させることによって、会話の抑制状態が生じた場合が挙げられる。この場合、マイクミュート中の端末10は、「オンライン」、「通話中」、及び「正常」の状態であるため、稼動状態情報は「オンライン(通話中・正常)」と定めている。なお、第2の状態としては、「正常」の呼称以外に、「順調」、「常態」、「適正」、「普通」、「通常」、「異常なし」、「ノーマル」、「健全」、又は「適切」等が挙げられる。
一方、各端末10には、稼動状態アイコン管理テーブルが記憶されている。この稼動状態アイコン管理テーブルには、稼動状態情報毎に、宛先端末の候補の各稼動状態を示す稼動状態アイコンの画像データが関連付けられて管理されている。
このような状態で、図5に示されている第1の伝送端末としての要求元端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)との間で通話中に、第1の伝送端末でマイクの収音機能の故障が生じた場合に、第1の伝送端末を宛先候補としている第2の伝送端末(端末10ba)へ、第1の伝送端末の稼動状態を通知する場合について説明する。
まず、第1の伝送端末でマイクの故障が生じると、第1の伝送端末は、自己の端末ID「01aa」及びマイクの故障である旨を示す会話抑制状態情報「マイク故障」が含まれた詳細稼動状態情報を管理システム50に送信する(ST11)。
次に、管理システム50は、受信された詳細稼動状態情報の会話抑制状態情報「マイク故障」を検索キーとして、抑制情報管理テーブルを検索することにより、対応する稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」を抽出する(ST12)。また、管理システム50は、上記受信された第1の伝送端末の端末ID「01aa」を宛先としての端末IDとして宛先リスト管理テーブルを検索することにより、第1の伝送端末(端末10aa)を宛先とすることが可能な通話開始要求元としての第2の伝送端末(端末10ba)の端末ID「01ba」を抽出する(ST12)。更に、管理システム50は、上記抽出された第2の伝送端末の端末ID「01ba」を検索キーとして、端末管理テーブルを検索することにより、対応する詳細稼動状態情報「オンライン(通話可能)」を抽出する(ST12)。図5で示されている場合には、管理システム50は、第2の伝送端末(端末10ba)に対して、マイクの故障が生じた第1の伝送端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び第1の伝送端末に係る稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」を送信する(ST13)。
これにより、第2の伝送端末(端末10ba)では、稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」に基づいて稼動状態アイコン管理テーブルを検索することにより、対応する稼動状態アイコン(「オンライン(通話中・異常)」を示すアイコン)の画像データを抽出する(ST14)。そして、第2の伝送端末(端末10ba)では、ディスプレイ120ba上に、稼動状態アイコンが示された宛先端末の宛先リストを表示させる(ST15)。
このように、第1の伝送端末における会話の抑制状態が、第1の伝送端末において音声の伝送に関する機能が故障したことによって生じた第1の状態であるか、又は第1の伝送端末において画像の伝送に関する機能が故障したことによって生じた若しくは第1の伝送端末において音声又は画像の伝送に関する抑制機能が実行されたことによって生じた第2の状態であるかということを、これから会話を開始しようとする第2の伝送端末の利用者に知らせることができる。これにより、第2の伝送端末の利用者は、通話を開始する処理をしたにも拘らず、第1の伝送端末のマイクの故障等により通話ができないため、会話を開始する処理が無駄になってしまったという事態を回避することができる。
なお、ディスプレイ120baに、既に「オンライン(通話中・正常)」を示す稼動状態アイコンが表示されている場合には、第1の伝送端末でマイクが故障すると、「オンライン(通話中・異常)」を示す稼動状態アイコンに変化することになる。
次に、第1の伝送端末としての要求元端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)との間での会話中に、第1の伝送端末においてカメラの故障が生じた場合に、第1の伝送端末を宛先候補としている第2の伝送端末(端末10ba)へ、第1の伝送端末の稼動状態を通知する場合について、図6を用いて説明する。なお、図5と図6は、基本的な処理は同じであるため、異なる部分を主として説明する。
図6に示されているように、第1の伝送端末(端末10aa)においてカメラの故障が生じた場合には、カメラの故障である旨を示す会話抑制状態情報「カメラ故障」が含まれた詳細稼動状態情報が、管理システム50に送信されることになる(ST21)。この場合、管理システム50では、抑制情報管理テーブルから、稼動状態情報「オンライン(通話中・正常)」を抽出し(ST22)、第2の伝送端末(端末10ba)に送信する(ST23)。これにより、第2の伝送端末(端末10ba)では、「オンライン(通話中・正常)」を示す稼動状態アイコンをディスプレイ120baに表示することになる(ST25)。
なお、ディスプレイ120baに、既に「オンライン(通話中・正常)」を示す稼動状態アイコンが表示されている場合には、たとえ第1の伝送端末(端末10aa)においてカメラの故障が生じたとしても、また同じ稼動状態アイコンが再度表示されるため、第1の伝送端末(端末10aa)の利用者にとっては、稼動状態アイコンが変化しないように見える。
以上のように、第1の伝送端末である要求元端末(端末10aa)においてカメラの故障が生じた場合、第1の伝送端末と実際に会話中の宛先端末(端末10db)の利用者は、図4に示されているごとく、カメラの故障が生じたことを把握する必要がある。しかし、第1の伝送端末(端末10aa)とまだ通話をしていない第2の伝送端末(端末10ba)の利用者は、少なくとも音声通話による電話会議を行うことができるため、カメラの故障が生じたことまでの詳細な稼動状態を知る必要がない。そのため、ディスプレイ120baには、「オンライン(通話中・正常)」を示す稼動状態アイコンが表示されるだけで十分である。
なお、仮に、第1の伝送端末とまだ通話をしていない第2の伝送端末のディスプレイ120ba上に、マイクの入力ミュートを示すアイコンのような詳細稼動状態を示すアイコンを表示してしまうと、図6に示されているディスプレイ120baには、4種類のアイコン以外に様々な種類のアイコンが表示されることになる。そのため、第2の伝送端末で単に宛先候補を選ぶ作業を行うだけの利用者にとっては、多数のアイコンにより、むしろ紛らわしくなってしまう。しかし、本実施形態では、マイクの入力ミュートが実行された場合やカメラの故障が生じた場合等では、全て「オンライン(通話中・正常)」を示す稼動状態アイコンが表示されるため、紛らわしさを解消することができる。
〔実施形態の詳細な内容〕
続いて、図7乃至図36を用いて、本実施形態の詳細な内容を説明する。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。図7は、本実施形態に係る端末10の外観図である。以下、端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図7に示されているように、端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、及び後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200及びカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図7は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、後述の内蔵型のカメラ112が設けられており、利用者、書類、及び部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図7で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
なお、中継装置30、伝送管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る端末10のハードウェア構成図である。図8に示されているように、本実施形態の端末10は、端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、端末用プログラム、画像データ、及び音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、端末10の電源のオン/オフを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119、及び上記各構成要素を図8に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、図7に示されている筐体1100の接続口1132に差し込まれたUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ電気的に接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、記録メディア106は、端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
更に、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルによって、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(記録メディア106等)に記録されて流通されるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
図9は、本発明の本実施形態に係る管理システムのハードウェア構成図である。管理システム50は、管理システム50全体の動作を制御するCPU201、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、伝送管理用プログラム等の各種データを記憶するHD204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、及び、上記各構成要素を図9に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記伝送管理用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記中継装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
また、プログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記プログラム提供システム用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図10は、本実施形態の伝送システム1を構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図10では、端末10、中継装置30、及び管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図1に示されているプログラム提供システム90及びメンテナンスシステム100は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図10では省略されている。
<端末の各機能構成>
端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14a、表示制御部14b、音声入力部15a、音声出力部15b、最終絞込部16、遅延検出部17、状態検知部18、記憶・読出処理部19、宛先リスト作成部20、及び抽出部21を有している。これら各部は、図8に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能される手段である。
また、端末10は、図8に示されているフラッシュメモリ104によって構築される不揮発性記憶部1000a、及び図8に示されているRAM103によって構築される揮発性記憶部1000bを有している。
(抑制状態アイコン管理テーブル)
不揮発性記憶部1000aには、図11に示されているような抑制状態アイコン管理テーブルによって構成されている抑制状態アイコン管理DB(Data Base)1001が構築される。抑制状態アイコン管理テーブルでは、端末10で会話が抑制された状態を示す会話抑制状態情報毎に、ディスプレイ120に表示される抑制状態アイコンの画像データが関連付けられて管理される。
ここで、会話抑制状態は、端末10での会話に関する機能が故障したことによって会話を抑制する状態を示しており、例えば、マイクの故障(マイク114の収音機能が故障)、カメラの故障(カメラ112の撮像機能が故障)、スピーカの故障(スピーカ115の音出力機能が故障)、及びディスプレイへの表示が故障(ディスプレイ120へ画像データを表示させる機能が故障)が挙げられる。また、関連付けられている抑制状態アイコンは、それぞれマイク、カメラ、スピーカ、及びディスプレイを示すアイコンにバツ(「×」で表示)が描かれている。
また、会話抑制状態は、端末10での会話に関する機能を実行したことによって会話を抑制する状態も示しており、例えば、マイク114の入力ミュート(マイク114の収音機能を一時停止する機能を実行)、カメラ112の撮像ミュート(カメラ112の撮像機能を一時停止する機能を実行)、スピーカ115の出力ミュート(スピーカ115の音出力機能を一時停止する機能を実行)、及びディスプレイ120への表示ミュート(ディスプレイ120への画像データの表示機能を一時停止する機能を実行)が挙げられる。また、関連付けられている抑制状態アイコンは、それぞれマイク、カメラ、スピーカ、及びディスプレイのアイコンに一本の斜線(「/」で表示)が描かれている。
(稼動状態アイコン管理テーブル)
不揮発性記憶部1000aには、図13に示されているような稼動状態アイコン管理テーブルによって構成されている稼動状態アイコン管理DB1002が構築される。稼動状態アイコン管理テーブルでは、宛先端末の候補となる端末10の稼動状態を示す稼動状態情報毎に、ディスプレイ120に表示される稼動状態アイコンの画像データが関連付けられて管理される。図12では、上から下にかけて、宛先端末の候補の稼動状態がオンライン(通話可能)である場合、オンライン(通話中・異常)である場合、オンライン(通話中・正常)である場合、及び、オフラインである場合が示されている。
このうち、「オンライン(通話可能)」の稼動状態は、宛先端末の候補が、オンラインの状態で、かつ通話を開始していない状態である。
また、「オンライン(通話中・異常)」の稼動状態は、宛先端末の候補が他の端末と通話中(会議中)の状態であるが、マイク114又はスピーカ115が故障した場合のように、端末において音声の伝送に関する機能が故障したことによって、会話の抑制が生じた状態である。この場合、音声通話による会話ができず、利用者が宛先端末との会話に参加しても十分な会話を行うことができないため、異常な稼動状態として取り扱うことにしている。
また、「オンライン(通話中・正常)」の稼動状態は、カメラ112の故障やディスプレイI/F117の故障のように、端末において画像の伝送に関する機能が故障したことによって生じたことにより、会話の抑制が生じた状態である。このように、たとえ故障であっても、故障の対象が、利用者の視覚に関する機能の場合には、音声による電話会話は実現できるため、正常な稼動状態として取り扱うことにしている。
更にまた、「オンライン(通話中・正常)」の稼動状態には、宛先端末の候補が他の端末と通話中(会議中)の状態であり、マイクの入力ミュート、スピーカの出力ミュート、カメラの撮影ミュート、又はディスプレイへの表示ミュートのように、端末において音声又は画像の伝送に関する抑制機能が実行されたことにより、会話の抑制が生じた状態も含まれる。この場合、利用者が宛先端末との会話を開始しても、この宛先端末でミュートの機能が解除されれば、音声及び画像による十分なテレビ会話を行うことができるため、正常な稼動状態として取り扱っている。
また、「オフライン」の稼動状態は、宛先端末の候補が、オフラインの状態である。
(端末の各機能構成)
次に、図10乃至及び図17を用いて、端末10の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、端末10の各機能構成部を説明するにあたって、図8に示されている各構成要素のうち、端末10の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図10に示されている端末10の送受信部11は、図8に示されているCPU101からの命令、及び図8に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、管理システム50より、宛先候補としての各端末の稼動状態を示す各稼動状態情報の受信を開始する。なお、この稼動状態情報は、オンライン(通話可能)、オンライン(通話中・異常)、オンライン(通話中・正常)、又はオフラインの各状態を示す情報である。
操作入力受付部12は、図8に示されているCPU101からの命令、並びに図8に示されている操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図8に示されている電源スイッチ109をオンにすると、図10に示されている操作入力受付部12が電源オンを受け付けて、電源をオンにする。
ログイン要求部13は、図8に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源オンの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報及び要求元端末の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、利用者が電源スイッチ109をオンの状態からオフの状態にすると、送受信部11が管理システム50へ電源をオフする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が電源を完全にオフにする。これにより、管理システム50側では、端末10が電源オンから電源オフになったことを認識することができる。
撮像部14aは、図8に示されているCPU101からの命令、並びに図8に示されているカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。
音声入力部15aは、図8に示されているCPU101からの命令、及び図8に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、図8に示されているCPU101からの命令、及び図8に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。
表示制御部14bは、図8に示されているCPU101からの命令、及び図8に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。
具体的に、表示制御部14bは、要求元端末が所望の宛先端末とテレビ会議の通話を開始する前に、送受信部11による受信の開始後に受信された状態情報を反映させて各宛先名が含まれた宛先リストをディスプレイ120に表示させる。例えば、ディスプレイ120上には、表示制御部14bによって、図27に示されているような宛先リスト枠11−1が表示される。この宛先リスト枠11−1には、宛先名「日本 東京事業所 AB端末」11−2等の各宛先名が表示されており、宛先名毎に稼動状態情報を示した稼動状態アイコン(11−3a,11−3b,11−3c,11−3d)が表示される。これらのアイコン(11−3a,11−3b,11−3c,11−3d)は、図12に示されている稼動状態アイコンが宛先リストに表示されたものである。
また、宛先リスト枠11−1には、右側にスクロールバー11−4が表示され、三角形の上向き又は下向きの稼動状態アイコンが選択されることで、図27には表示されていない宛先候補の宛先名および状態を示した稼動状態アイコンが表示されることになる。
更に、表示制御部14bは、図4に示されているように、例えば、ディスプレイ120dbに対して、会話の相手を表わす画像の下側に、抑制状態アイコン、及びメッセージ(例えば、「AA端末はマイクミュート中です。」という内容)を重畳して表示させる。
最終絞込部16は、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を行うため、図8に示されているCPU101からの命令によって、図13に示されているような計測部16a、算出部16b、及び最終選択部16cを実現する。
このうち、計測部16aは、送受信部11によって受信された後述の事前送信情報毎に、送受信部11によって事前送信情報が受信される際の受信日時を計測する。算出部16bは、計測部16aによって受信日時が計測された事前送信情報毎に、この計測された受信時間と、この事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、事前送信情報の送信から受信までの所要時間(T)を算出する。最終選択部16cは、算出部16bによって算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報が中継された中継装置30を選択することで、最終的に1つの中継装置を選択する。
遅延検出部17は、図8に示されているCPU101からの命令によって実現され、他の端末10から中継装置30を介して送られて来る画像データ又は音声データの遅延時間(ms)を検出する。
状態検知部18は、自端末10のオンライン、自端末10のオフライン、自端末10の会話抑制状態等の各詳細稼動状態を検知する。この会話抑制状態は、マイク114の故障、カメラ112の故障、スピーカ115の故障、若しくはディスプレイI/F117の故障等のように、自端末10での会話に関する機能が故障したことによって生じた状態、又は、マイクの出力ミュート、カメラの撮像ミュート、スピーカの出力ミュート、若しくはディスプレイへの表示ミュート等のように、自端末10での会話に関する機能が実行されたことによって生じた状態である。
また、記憶・読出処理部19は、図8に示されているCPU101からの命令、及び図8に示すSSD105によって実行され、揮発性記憶部1000bに各種データを記憶したり、揮発性記憶部1000bに記憶された各種データを読み出す処理を行う。この揮発性記憶部1000bには、端末10を識別するための端末ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。更に、記憶・読出処理部19は、揮発性記憶部1000bに各種データを記憶したり、揮発性記憶部1000bに記憶された各種データを読み出す処理も行う。この揮発性記憶部1000bには、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データ及び音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ150から音声が出力される。
宛先リスト作成部20は、管理システム50から受信した、後述の宛先リスト情報及び各宛先候補としての端末10の状態情報に基づいて、図27に示されているような宛先候補の状態がアイコンで示された宛先リストの作成及び更新を行う。
なお、本実施形態の端末ID及び後述の中継装置IDは、それぞれ端末10及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
また、抽出部21は、マイクの故障等の会話抑制状態情報を検索キーとして抑制状態アイコン管理DB1001(図11参照)を検索することにより、対応する抑制状態アイコンの画像データを抽出する。また、「オンライン(通話可能)」等の稼動状態情報を検索キーとして稼動状態アイコン管理DB1002(図12)を検索することにより、対応する稼動状態アイコンの画像データを抽出する。なお、DB1001の後の括弧内の記載は、DB1001に構築されたテーブルを示す図面を表す。以下、その他の各DBについても同様である。
<中継装置の機能構成>
続いて、中継装置30の機能構成について説明する。中継装置30は、送受信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図9に示されている各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203上に展開された中継装置用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、中継装置30は、中継装置30の電源をオフにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部3000を有しており、この不揮発性記憶部3000は図9に示されているHD204により構築されている。
(変更品質管理テーブル)
不揮発性記憶部3000には、図15に示されているような変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB3001が構築される。変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先としての端末10のIPアドレス、及びこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各機能構成部を説明するにあたって、図9に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図10に示されている中継装置30の送受信部31は、図9に示されているCPU201からの命令、及び図9に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
状態検知部32は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「オンライン」、又は「オフライン」の状態がある。
データ品質確認部33は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理DB3001(図15参照)を検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。
変更品質管理部34は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、管理システム50から送られて来る、後述の品質情報に基づいて、変更品質管理DB3001の内容を変更する。例えば、端末IDが「01aa」である要求元端末(端末10aa)と、端末IDが「01db」である宛先端末(端末10db)との間で高画質の画像データを送受信することによってテレビ会議を行っている最中に、他のテレビ会議を行う要求元端末(端末10bb)と宛先端末(端末10ca)が通信ネットワーク2を介してテレビ会議を開始すること等によって、宛先端末(端末10db)で画像データの受信の遅延が生じた場合には、中継装置30は今まで中継していた画像データの画質を、高画質から中画質に下げる。このような場合に、中画質を示す品質情報に基づいて、中継装置30が中継する画像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理DB3001の内容が変更される。
データ品質変更部35は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、要求元端末から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の内容に基づいて変更する。記憶・読出処理部39は、図9に示されているCPU201からの命令、及び図9に示されているHDD205によって実現され、不揮発性記憶部3000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<管理システムの機能構成>
管理システム50は、送受信部51、端末認証部52、状態管理部53、抽出部54、端末状態取得部55、一次絞込部56、セッション管理部57、品質決定部58、記憶・読出処理部59、及び遅延時間管理部60を有している。これら各部は、図9に示されている各構成要素のいずれかが、HD204からRAM203上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、管理システム50は、管理システム50の電源をオフにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部5000を有しており、この不揮発性記憶部5000は図9に示されているHD204により構築されている。また、この不揮発性記憶部5000には、図27に示されている宛先リスト枠11−1のデータが記憶されている。
(中継装置管理テーブル)
不揮発性記憶部5000には、図16に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30の中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、稼動状態が示される状態情報が管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図16に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼動状態が「オンライン」で、管理システム50で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
(端末認証管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図17に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5002が構築されている。この端末認証管理テーブルでは、管理システム50によって管理される全ての端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図17に示されている端末認証管理テーブルにおいて、端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(端末管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図18に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5003が構築されている。この端末管理テーブルでは、各端末10の端末ID毎に、各端末10を宛先とした場合の宛先名、各端末10の詳細稼動状態、後述のログイン要求情報が管理システム50で受信された受信日時、及び端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。
例えば、図18に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の端末10aaは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、詳細稼動状態が「オンライン(通話可能)」で、管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
詳細稼動状態情報は、稼動状態アイコン管理DB1002(図12参照)で管理されている稼動状態情報よりも詳細な稼動状態を示す情報であり、オンライン(通話可能)、オンライン(通話中・正常)、オンライン(通話中・会話抑制状態情報)、又はオフラインの各状態が示される。「オンライン(通話中・正常)」の状態は、上記ミュートや故障が生じておらず、十分な会話を行うことができる状態である。
また、会話抑制状態情報は、端末において音声又は画像の伝送に関する機能が故障したことによって生じた状態(故障の状態)、又は、端末において音声又は画像の伝送に関する抑制機能が実行されたことによって生じた状態(抑制機能の実行状態)を示す情報である。このうち、「故障の状態」としては、上述のマイクの故障、カメラの故障、スピーカの故障、又はディスプレイI/Fの故障等が挙げられる。また、「抑制機能の実行状態」としては、上述のマイクの入力ミュート、カメラの撮像ミュート、スピーカの出力ミュート、又はディスプレイへの表示ミュート等が挙げられる。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図19に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議における通話の開始を要求する要求元端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図19に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末(端末10aa)からテレビ会議における会話の開始を要求することができる宛先端末の候補は、端末IDが「01ab」の端末10ab、端末IDが「01ba」の端末10ba、及び端末IDが「01bb」の端末10bb等であることが示されている。この宛先端末の候補は、任意の要求元端末から管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図20に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されている。このセッション管理テーブルでは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションID毎に、画像データ及び音声データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末の端末ID、宛先端末の端末ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図20に示されているセッション管理テーブルにおいて、選択用セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、端末IDが「01aa」の要求元端末(端末10aa)と、端末IDが「01db」の宛先端末(端末10db)との間で、画像データ及び音声データを中継しており、宛先端末(端末10db)において「2009年11月10日の14時00分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。なお、2つの端末10の間でテレビ会議を行う場合には、上記宛先端末ではなく要求元端末から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理してもよい。但し、3つ以上の端末10の間でテレビ会議を行う場合には、画像データ及び音声データの受信側の端末10から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理する。
(アドレス優先度管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図21に示されているようなアドレス優先度管理テーブルによって構成されている優先度管理DB5006が構築されている。このアドレス優先度管理テーブルでは、任意の端末10と任意の中継装置30において、一般的なIPv4におけるIPアドレスのうちの4組のドットアドレス(Dot Address)部分の「同」が多い程、アドレス優先度のポイントが高くなるように、ドットアドレスの同異とアドレス優先度とが関連付けられて管理される。この「同」は、ドットアドレス部分が同じであることを意味し、「異」は、ドットアドレス部分が異なることを意味する。例えば、図21に示されているアドレス優先度管理テーブルにおいて、ドットアドレスの上位から下位にかけて3つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「5」である。ドットアドレスの上位から下位にかけて2つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「3」である。この場合、最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度に関係ない。ドットアドレスの最上位の値が同じで、上位から2番目の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「1」である。この場合、上位から3番目及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。ドットアドレスの最上位の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「0」である。この場合、上位から2番目、3番目、及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。
(伝送速度優先度管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000に構築されている優先度管理DB5006には、図22に示されているような伝送速度優先度管理テーブルも含まれている。この伝送速度優先度管理テーブルでは、中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)の値が大きくなる程、伝送速度優先度のポイントが高くなるように、最大テータ伝送速度と伝送速度優先度とが関連付けられて管理される。例えば、図22に示されている伝送速度優先度管理テーブルにおいて、中継装置30における最大データ伝送速度が1000Mbps以上の場合には、伝送速度優先度のポイントが「5」である。中継装置30における最大データ伝送速度が100Mbps以上1000Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「3」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps以上100Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「1」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「0」である。
(品質管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図23に示されているような品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。この品質管理テーブルでは、要求元端末又は宛先端末における画像データの遅延時間(ms)が長い程、中継装置30で中継させる画像データの画質を下げるように、画像データの遅延時間と画像データの画質(画像の品質)とが関連付けられて管理される。
(抑制情報管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図24に示されているような抑制情報管理テーブルによって構成されている抑制情報管理DB5008が構築されている。この抑制情報管理テーブルでは、各端末10における会話の抑制状態を示す会話抑制状態情報毎に、宛先候補の端末10に送信するためのメッセージ、及び、稼動状態情報を関連付けて管理している。
この稼動状態情報は、図18に示されている詳細稼動状態ほどの詳細な情報ではなく、第1の状態の一例としての「オンライン(通話中・異常)」、又は第2の状態の一例としてのオンライン(通話中・正常)を示す情報である。この図24に示されている「オンライン(通話中・異常)」、「オンライン(通話中・正常)」は、それぞれ図12に示されている稼動状態の「オンライン(通話中・異常)」、「オンライン(通話中・正常)」と同じ内容の情報である。これにより、図12に示されている稼動状態アイコン管理DB1002を備えた端末10側と、図24に示されている抑制情報管理DB5008を備えた管理システム50側とで、情報の共有認識を行うことができる。
更に、会話抑制状態情報は、上述のごとく、大まかに「故障の状態」と「抑制機能の実行状態」に分けられるが、稼動状態情報は、会話抑制状態情報とは分け方が異なり、「端末において音声の伝送に関する機能が故障したことによって生じた第1の状態」と「端末において画像の伝送に関する機能が故障したことによって生じた、又は端末において音声又は画像の伝送に関する抑制機能が実行されたことによって生じた第2の状態」に分けられている。
また、図24に示されている「メッセージ」は、会話抑制状態情報を告知用のテキストデータとして表した情報である。例えば、会話抑制状態情報が「マイクミュート」の場合には、この会話抑制状態情報を文章化したものとして「マイクミュート中です。」という文言になっている。
(管理システムの各機能構成)
次に、管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、管理システム50の各機能構成部を説明するにあたって、図9に示されている各構成要素のうち、管理システム50の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部51は、図9に示されているCPU201からの命令、及び図9に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
端末認証部52は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、不揮発性記憶部5000の端末認証管理DB5002を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
状態管理部53は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、会話開始前にログイン要求してきた要求元端末の詳細稼動状態や、会話中に生じた故障又は各種ミュート等の詳細稼動状態を管理すべく、端末管理DB5003(図18参照)に、この要求元端末の端末ID、要求元端末の詳細稼動状態、管理システム50でログイン要求情報が受信された受信日時、及び要求元端末のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。また、状態管理部53は、利用者が端末10の電源スイッチ109をオンの状態からオフの状態にすることで、端末10から送られてきた、電源をオフする旨の稼動状態情報に基づいて、端末管理DB5003(図18参照)のオンラインを示す稼動状態をオフラインに変更する。
抽出部54は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、ログイン要求した要求元端末の端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004(図19参照)を検索し、要求元端末と通話することができる宛先端末の候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。
また、抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図19参照)を検索し、上記要求元端末の端末IDを宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDを抽出する。更に、抽出部54は、稼動状態が変更されて会話抑制状態情報が含まれた詳細稼動状態情報を送信してきた端末10の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図19参照)を検索し、上記端末10の端末IDを宛先端末の候補として登録している要求元端末のIDを抽出する。例えば、ログイン要求してきた要求元端末の端末ID、又は稼動状態が変更されて会話抑制状態情報が含まれた詳細稼動状態情報を送信してきた端末10の端末IDが「01ba」の場合、図19では、この端末ID「01ba」を宛先候補の端末10のIDとしている要求元端末の端末IDは、「01aa」及び「01db」となる。
また、抽出部54は、宛先リスト管理DB5004(図19参照)において端末10を宛先とすることが可能な要求元としての端末10の端末IDであって、かつ端末管理DB5003(図18参照)において稼動状態がオンラインで会話可能な状態の端末10である端末IDを抽出する。
端末状態取得部55は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、上記抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003(図18参照)を検索し、上記抽出部54によって抽出された端末ID毎に詳細稼動状態情報を読み出す。これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた要求元端末と会話することができる宛先端末の候補の詳細な稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、上記抽出部54によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003を検索し、ログイン要求してきた要求元端末の詳細な稼動状態も取得する。
一次絞込部56は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を支援するため、この最終絞り込み処理前の一次絞り込み処理を行う。そのために、一次絞込部56は、図9に示されているCPU201からの命令によって、図14に示されているように、選択用セッションID生成部56a、端末IPアドレス抽出部56b、一次選択部56c、及び優先度決定部56dを実現する。
このうち、選択用セッションID生成部56aは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する。端末IPアドレス抽出部56bは、要求元端末から送られてきた開始要求情報に含まれている要求元端末の端末ID、及宛先端末の端末IDに基づいて、端末管理DB5003(図18参照)を検索することにより、対応するそれぞれの端末10のIPアドレスを抽出する。一次選択部56cは、中継装置管理DB5001(図16参照)で管理されている中継装置30のうち、稼動状態が「オンライン」となっている中継装置30の中継装置IDを選択することにより、中継装置30の選択を行う。
また、一次選択部56cは、上記端末IPアドレス抽出部56bによって抽出された、要求元端末のIPアドレス、及び宛先端末のIPアドレスに基づいて、中継装置管理DB5001(図16参照)を検索することにより、上記選択された中継装置30のIPアドレスのドットアドレス毎に、上記要求元端末及び宛先端末の各IPアドレスにおける各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する。更に、一次選択部56cは、中継装置毎に、アドレス優先度のポイントにおいて端末10に対する高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにより、中継装置30の更なる選択を行う。
なお、本実施形態では、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにしているが、これに限られるものではなく、中継装置30を1つでも多く絞り込むことができれば、ポイントが高い上位3つ以上の中継装置30を選択するようにしてもよい。
優先度決定部56dは、優先度管理DB5006(図21参照)を参照して、上記一次選択部56cによって調査された中継装置30毎に、アドレス優先度のポイントを決定する。また、優先度決定部56dは、中継装置管理DB5001(図16参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理DB5006(図22参照)を検索することにより、上記一次選択部56cによる第1次の絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置30毎に伝送速度優先度のポイントを決定する。
また、セッション管理部57は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、不揮発性記憶部5000のセッション管理DB5005(図20参照)に、選択用セッションID生成部56aで生成された選択用セッションID、要求元端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部57は、セッション管理DB5005(図20参照)に対して、選択用セッションID毎に、端末10の最終選択部16cで最終的に1つに選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
品質決定部58は、図9に示されているCPU201からの命令によって実現され、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理DB5007(図23参照)を検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。
記憶・読出処理部59は、図9に示されているCPU201からの命令、及び図9に示されているHDD205によって実行され、不揮発性記憶部5000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
遅延時間管理部60は、上記宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、端末管理DB5003(図18参照)を検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理DB5005(図20参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
<<実施形態の処理または動作>>
次に、図25乃至図36を用いて、本実施形態に係る伝送システム1における処理方法を説明する。なお、図25は、各中継装置30から管理システム50に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を示したシーケンス図である。図26は、複数の端末10の間で通話を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図27は、本実施形態の宛先リストを示す概念図である。図28は、中継装置30を絞り込む処理を示したシーケンス図である。図29は、中継装置30を絞り込む処理を示した処理フロー図である。図30は、中継装置30の絞り込み処理を行う際の優先度のポイントの計算状態を示した図である。図31は、端末10が中継装置30を選択する処理を示したシーケンス図である。図32は、端末で中継装置30を選択する処理を示した処理フロー図である。図33は、端末間で画像データ及び音声データを送受信する処理を示したシーケンス図である。
まず、図25を用いて、各中継装置30から管理システム50に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を説明する。まず、各中継装置30では、図10に示されている状態検知部32が、自装置である中継装置30の稼動状態を定期的に検知している(ステップS1−1〜4)。そして、管理システム50側で各中継装置30の稼動状態をリアルタイムで管理させるべく、各中継装置30の送受信部31は、定期的に通信ネットワーク2を介して管理システム50へ各状態情報を送信する(ステップS2−1〜4)。これら各状態情報には、中継装置30毎の中継装置IDと、これら各中継装置IDに係る中継装置30の状態検知部32で検知された稼動状態とが含まれている。なお、本実施形態では、中継装置(30a,30b,30d)は、正常に稼動して「オンライン」となっている一方で、中継装置30cは稼働中ではあるが、中継装置30cの中継動作を実行するためのプログラムに何らかの不具合が生じて、「オフライン」となっている場合が示されている。
次に、管理システム50では、各中継装置30から送られて来た各状態情報を送受信部51が受信し、記憶・読出処理部59を介して不揮発性記憶部5000の中継装置管理DB5001(図16参照)に、中継装置ID毎に稼動状態情報を記憶して管理する(ステップS3−1〜4)。これにより、図16に示されるような中継装置管理テーブルに対して、中継装置ID毎に「オンライン」、「オフライン」、又は「故障」のいずれかの稼動状態が記憶されて管理される。またこの際に、中継装置ID毎に、管理システム50で状態情報が受信された受信日時も記憶されて管理される。なお、中継装置30から状態情報が送られない場合には、図16に示されている中継装置管理テーブルの各レコードにおける稼動状態のフィールド部分及び受信日時のフィールド部分が空白になるか、又は、前回の受信時の稼動状態及び受信日時をそれぞれ示す。
次に、図26を用いて、端末10aaと端末10dbとの間で、通話を開始する前の準備段階における各管理情報の送受信処理について説明する。なお、図26では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、利用者が、図8に示されている電源スイッチ109をオンにすると、図10に示されている操作入力受付部12が電源オンを受け付けて、電源をオンにする(ステップS21)。そして、ログイン要求部13は、上記電源オンの受け付けを契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元端末としての自端末である端末10aaを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して不揮発性記憶部1000aから読み出されて、送受信部11に送られたデータである。なお、端末10aaから管理システム50へログイン要求情報が送信される際は、受信側である管理システム50は、送信側である端末10abのIPアドレスを把握することができる。
次に、管理システム50の端末認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、不揮発性記憶部5000の端末認証管理DB5002(図17参照)を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。この端末認証部52によって、同一の端末ID及びパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理DB5003(図18参照)に、端末10aaの端末ID及び宛先名で示されるレコード毎に、稼動状態、上記ログイン要求情報が受信された受信日時、及び端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。これにより、図18に示されている端末管理テーブルには、端末ID「01aa」に、詳細稼動状態「オンライン(通話可能)」、受信日時「2009.11.10.13:40」及び端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
そして、管理システム50の送受信部51は、上記端末認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS25)。本実施形態では、端末認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
要求元端末(端末10aa)では、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部11が通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS26)。これにより、管理システム50の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
次に、抽出部54は、ログイン要求した要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図19参照)を検索し、要求元端末(端末10aa)と通話することができる宛先端末の候補の端末IDと、この端末IDに対応する宛先名を読み出すことによって抽出する(ステップS27)。ここでは、要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」に対応する宛先端末(10ab,10ba,10bb,…)のそれぞれの端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」、…)と、これらに対応する端末名(「日本 東京事業所 AB端末」、「日本 大阪事業所 BA端末」、「アメリカ ワシントン事業所 DB端末」、…)が抽出される。
次に、管理システム50の送受信部51は、記憶・読出処理部59を介して記憶部6000から宛先リスト枠のデータ(図27で示されている宛先リスト枠11−1部分のデータ)を読み出す(ステップS28)と共に、この宛先リスト枠並びに上記抽出部54によって抽出された端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、端末ID、宛先名)」を、要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS29)。これにより、要求元端末(端末10aa)では、送受信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が揮発性記憶部1000bへ宛先リスト情報を記憶する(ステップS30)。
このように、本実施形態では、各端末10で宛先リスト情報を管理するのではなく、管理システム50が全ての端末10の宛先リスト情報を一元管理している。よって、伝送システム1に新たな端末10が含まれるようになったり、既に含まれている端末10に替えて新機種の端末10を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、管理システム50側で一括して対応するため、各端末10側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
また、管理システム50の端末状態取得部55は、上記抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」、…)を検索キーとして、端末管理DB5003(図18参照)を検索し、上記抽出部54によって抽出された端末ID毎に、対応する詳細稼動状態情報を読み出すことで、宛先候補としての端末(10ab,10ba,10bb,…)の各詳細稼動状態情報を取得する(ステップS31)。
次に、送受信部51は、上記ステップS27で使用された検索キーとしての端末ID「01ab」と、対応する宛先端末(端末10ab)の稼動状態情報「オフライン」を、通信ネットワーク2を介して要求元端末(端末10aa)に送信する(ステップS32)。また、同じくステップS32の一環として、送受信部51は、端末ID「01ba」と、対応する宛先端末(端末10ba)の稼動状態情報「オンライン(通話可能)」等、残りの稼動状態情報も個別に要求元端末(端末10aa)へ送信する。
なお、「詳細稼動状態情報」が、「オンライン(通話可能)」、「オンライン(通話中・正常)」及び「オフライン」の場合は、その状態の内容がそのまま「稼動状態情報」として、要求元端末(端末10aa)に送信される。
また、「詳細稼動状態情報」が、例えば「オンライン(通話中・マイク故障)」のように第1の状態を示す場合には、抽出部21が会話抑制状態情報「マイク故障」に基づいて抑制情報管理DB(図24参照)を検索することにより、対応する稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」が抽出され、要求元端末(端末10aa)に送信される。このように、要求元端末(端末10aa)には、「マイクの故障」のように、どのような異常が生じているかまでは伝えられず、単に「異常」であることが伝えられる。
更に、詳細稼動状態情報が、例えば「オンライン(通話中・マイクミュート)」のように第2の状態を示す場合には、抽出部21が会話抑制状態情報「マイクミュート」に基づいて抑制情報管理DB(図24参照)を検索することにより、対応する稼動状態情報「オンライン(通話中・正常)」が抽出され、要求元端末(端末10aa)に送信される。このように、各種ミュート状態の場合には、要求元端末(端末10aa)には、マイクの入力ミュートのように、どのようなミュートであるかだけでなく、ミュートされている状態であることすら伝えられない。
更にまた、詳細稼動状態情報が、例えば、「オンライン(通話中・カメラ故障)」のように第2の状態を示す場合には、抽出部21が会話抑制状態情報「カメラ故障」に基づいて抑制情報管理DB(図24参照)を検索することにより、対応する稼動状態情報「オンライン(通話中・正常)」が抽出され、要求元端末(端末10aa)に送信される。このように、たとえ故障であっても、音声通話の続行は可能であるため、ミュートと同様に、正常な状態であるとして、要求元端末(端末10aa)に伝えられる。
次に、要求元端末(端末10aa)の記憶・読出処理部19は、順次、管理システム50から受信した端末の稼動状態情報を揮発性記憶部1000bに記憶する(ステップS33)。よって、要求元端末(端末10aa)は、この要求元端末(端末10aa)と会話することができる宛先端末の候補である端末10ab等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
次に、要求元端末(端末10aa)の宛先リスト作成部20は、揮発性記憶部1000bに記憶されている宛先リスト情報及び端末の稼動状態情報、並びに稼動状態アイコン管理DB1002の端末の稼動状態情報に対応する稼動状態アイコンの画像データに基づいて、宛先候補としての端末10の状態を反映させた宛先リストを作成すると共に、表示制御部14bが、ディスプレイ120に対して、図27に示されているような宛先リストを表示する(ステップS34)。
管理システム50の抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図19参照)を検索し、上記要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDを抽出する(ステップS35)。図19に示されている宛先リスト管理テーブルでは、抽出される他の要求元端末の端末IDは、「01ab」、「01ba」、及び「01db」である。
次に、管理システム50の端末状態取得部55は、上記ログイン要求して来た要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理DB5003(図18参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末(端末10aa)の詳細稼動状態情報を取得する(ステップS36)。
そして、送受信部51は、上記ステップS35で抽出された端末ID(「01ab」、「01ba」、及び「01db」)に係る端末(10ab,10ba,10db)のうち、端末管理DB5003(図18参照)で詳細稼動状態情報が「オンライン(通話可能)」となっている端末(10ba,10db)に、上記ステップS36で取得された要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」と稼動状態情報「オンライン(通話中・正常)」を送信する(ステップS37−1,S37−2)。なお、送受信部51が端末(10ba,10db)に稼動状態情報を送信する際に、各端末ID(「01ba」、「01db」)に基づいて、図18に示されている端末管理テーブルで管理されている端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した要求元端末(端末10aa)を宛先として通話することができる他の宛先端末(10db,10ba)のぞれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び稼動状態情報「オンライン(通話中・正常)」を伝えることができる。
一方、他の端末10でも、上記ステップ21と同様に、利用者が図9に示されている電源スイッチ109をオンにすると、図10に示されている操作入力受付部12が電源オンを受け付け、上記ステップS22〜S38−1,2の処理と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
続いて、図28を用いて、中継装置30を絞り込む処理を説明する。なお、図28では、全て図2に示されている管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される。また、本実施形態においては、要求元端末(端末10aa)は、宛先の候補としての端末10のうち、上記ステップS32によって受信した端末の状態情報により、稼動状態がオンラインである端末(10ba,10db)の少なくとも一方と通話を行うことができる。そこで、以下では、要求元端末(端末10aa)の利用者が、宛先端末(端末10db)と通話を開始することを選択した場合について説明する。
まず、利用者が図8に示されている操作ボタン108を押下して端末10dbを選択すると、図10に示されている操作入力受付部12は、端末10dbとの通話を開始する要求を受け付ける(ステップS41)。そして、端末10aaの送受信部11は、要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」が含まれ、通話を開始したい旨を示す開始要求情報を、管理システム50へ送信する(ステップS42)。これにより、管理システム50の送受信部51は、上記開始要求情報を受信すると共に、送信元である要求元端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」を把握することになる。そして、状態管理部53は、開始要求情報に含まれる要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」及び宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」に基づき、端末管理DB5003(図18参照)の端末管理テーブルにおいて、上記端末ID「01aa」及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通話中」に変更する(ステップS43)。なお、この状態では、要求元端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)は、通話を開始していないが、通話中状態となり、他の端末10が要求元端末(端末10aa)又は宛先端末(端末10db)と通話する場合、要求元端末(端末10aa)及び宛先端末(端末10db)の会話に参加することになり、三者間通話の状態になる。
次に、中継装置30を選択するためのセッションを実行する処理を説明する。まず、図10に示されている選択用セッションID生成部56aは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する(ステップS44)。そして、セッション管理部57は、不揮発性記憶部5000のセッション管理DB5005(図20参照)に、上記ステップS44で生成された選択用セッションID「se1」、要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」を関連付けて記憶して管理する(ステップS45)。
次に、管理システム50の一次絞込部56は、中継装置管理DB5001、端末管理DB5003、及び優先度管理DB5006に基づいて、要求元端末(端末10aa)と、宛先端末(端末10db)との通話を中継するための中継装置30の一次絞り込みを行う(ステップS46)。
ここで、図10及び図29を用いて、ステップS46における処理を更に詳細に説明する。まず、端末IPアドレス抽出部56bは、要求元端末(端末10aa)から送られてきた開始通信情報に含まれている要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及宛先端末(端末10db)の端末ID「01db」に基づいて、端末管理DB5003(図18参照)を検索することにより、対応する端末(10aa,10db)のIPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)を抽出する(ステップS46−1)。次に、一次選択部56cは、中継装置管理DB5001(図16参照)で管理されている中継装置30の稼動状態のうち、「オンライン」になっている中継装置(30a,30b,30d)の各中継装置ID(111a,111b,111d)を選択する(ステップS46−2)。また、一次選択部56cは、上記ステップS46−1で抽出された、要求元端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」、及び宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」に基づいて、中継装置管理DB5001(図16参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって選択された中継装置(30a,30b,30d)の各IPアドレス(「1.2.1.2.」,「1.2.2.2」,「1.3.2.2」)のドットアドレス毎に、上記要求元端末(端末10aa)及び宛先端末(端末10db)の各IPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)における各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する(ステップS46−3)。
次に、優先度決定部56dは、優先度管理DB5006(図21参照)を参照して、上記ステップ46−3によって調査された中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントを決定する(ステップS46−4)。この決定処理の結果を表に表すと、図30に示されているような状態になる。なお、図30は、中継装置30の絞り込み処理を行う際の優先度のポイントの計算状態を示した図である。この図30では、中継装置ID毎に、アドレス優先度のポイント、伝送速度優先度のポイント、及び統合ポイントが示されている。また、アドレス優先度のポイントは、更に、各中継装置30の要求元端末(端末10aa)に対するポイント及び宛先端末(端末10db)に対するポイントが示されている。統合ポイントは、アドレス優先度の2つのポイントのうちの高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントの合計である。
本実施形態では、中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は要求元端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.同.異」であるため、図30に示されているように、アドレス優先度のポイントは「5」になる。また、図1に示されているように、中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」に対して、図21に示されているように、「同.異.異.異」であるため、図30に示されているように、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は要求元端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「3」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.異.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。更に、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は要求元端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.異.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.同.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「5」になる。
次に、図29に戻って、優先度決定部56dは、中継装置管理DB5001(図16参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理DB5006(図22参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって第1次絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置(30a,30b,30d)毎に伝送速度優先度のポイントを決定する(ステップS46−5)。本実施形態では、図16に示されているように、中継装置30aの最大データ伝送速度が100(Mbps)であるため、図22に示されている伝送速度優先度を参照すると、伝送速度優先度が3ポイントになる。また、同様に、中継装置30bの最大データ伝送速度について計算すると1000(Mbps)であるため、伝送速度優先度が5ポイントになる。また同様に、中継装置30dの最大データ伝送速度について計算すると10(Mbps)であるため、伝送速度優先度が1ポイントになる。
次に、一次選択部56cは、中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントにおいて端末(10aa,10db)のうち高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択する(ステップ46−6)。本実施形態では、図30に示されているように、中継装置ID(111a,111b,111d)は、それぞれ統合ポイントが「8」、「8」、「6」であるため、中継装置ID「111a」に係る中継装置30a、及び中継装置ID「111b」に係る中継装置30bが選択されることになる。
以上のステップS46における絞り込み処理が終了すると、図10に示されている送受信部51は、通信ネットワーク2を介して、宛先端末(端末10db)へ、上記絞り込まれた中継装置30の数を伝達するための中継装置絞込情報を送信する(ステップS47)。この中継装置絞込情報には、上記ステップ46によって絞り込まれた中継装置30の数「2」、要求元端末(端末10aa)の端末ID「01aa」、及び上記選択用セッションID「se1」が含まれている。これにより、端末10dbは、選択用セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30の数がいくつで、どの端末10からテレビ会議を開始したいとの要求があったのかを把握することができると共に、中継装置絞込情報の送信元である管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
そして、端末10dbは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、上記中継装置絞込情報の受信が完了した旨を示す受信完了情報を送信する(ステップS48)。この受信完了情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、管理システム50は、セッションID「se1」で実行されている中継装置数の伝達が完了した旨と共に、送信元である宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、図31及び図32を用いて、宛先端末(端末db)が中継装置30を選択する処理を説明する。なお、図31は、全て図2に示されている管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される。
まず、管理システム50は、テレビ会議を開始する前に、上記ステップS46によって絞り込まれた中継装置(30a,30b)のそれぞれに対して、事前に中継を要求する旨の事前中継要求情報を送信する(ステップS61−1,2)。この事前中継要求情報には、セッションID「se1」、要求元端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」、及び宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」が含まれている。これにより、各中継装置(30a,30b)は、どの選択用セッションのものであるか、要求元端末が何であるか、及び宛先端末が何であるかを把握することができると共に、事前中継要求情報の送信元である管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)のそれぞれは、送受信部31から通信ネットワーク2を介して、上記ステップS61−1,2によって把握した要求元端末(端末10aa)へ、テレビ会議の開始前に自装置としての各中継装置(30a,30b)へ、後述のping(Packet Internet Groper)が含まれた事前送信情報を送信させる旨を示す事前送信要求情報を送信する(ステップS62−1,2)。この事前送信情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、要求元端末(端末10aa)は、セッションID「se1」で実行されている中継装置30の選択処理において、各中継装置(30a,30b)に事前送信情報を送信することを把握すると共に、事前送信要求情報の送信元である中継装置(30a,30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」,「1.2.2.2」)を把握することができる。
なお、管理システム50から直接、要求元端末(端末10ba)に対して、宛先端末(端末10db)のIPアドレスを通知せずに、上記ステップS61−1のように中継装置10aaに対して宛先端末(端末10db)のIPアドレスを通知し、上記ステップS61−2のように中継装置10aaが要求元端末(端末10ba)に対し、自装置(中継装置10aa)に対して事前送信要求情報を送信するように要求するのは、各端末10には、他の端末10のIPアドレスを知らせないようにして、セキュリティーを確保するためである。
次に、要求元端末(端末10aa)は、送受信部11から通信ネットワーク2を介して各中継装置(30a,30b)へ事前送信情報を送信する(ステップS63−1,2)。この事前送信情報は、画像データ及び音声データの送信に先立って、これら画像データ及び音声データの代わりに各中継装置(30a,30b)を介して宛先端末(端末10db)へ送信されることで、要求元端末(端末10aa)の送信から宛先端末の受信までの所要時間を計測するために用いられる情報である。また、この事前送信情報には、要求元端末(端末10aa)、中継装置(30a,30b)、及び宛先端末(端末10db)が通信可能に接続されていることを確認するためのping、要求元端末(端末10aa)から事前送信情報が送信された送信日時、及びセッションID「se1」が含まれている。これにより、各中継装置(30a,30b)は、選択用セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元である要求元端末(端末10aa)のIPアドレス「1.2.1.3」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)は、上記ステップS61−1,2によって受信された事前中継要求情報に含まれている宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」に対して、上記事前送信情報を中継する(ステップS64−1,2)。これにより、宛先端末(端末10db)は、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元(中継元)である中継装置(30a,30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」,「1.2.2.2」)を把握することができる。
次に、宛先端末(端末10db)の最終絞込部16は、事前送信情報に基づいて、最終的にテレビ会議で画像データ及び音声データを中継する1つの中継装置30に絞り込む(ステップS65)。
ここで、図13及び図32を用いて、ステップS65における処理を更に詳細に説明する。まず、図13に示されている最終絞込部16の計測部16aは、各中継装置(30a,30b)によって中継された事前送信情報毎に、端末10dbの送受信部11で受信した際の受信日時を計測する(ステップS65−1)。次に、算出部16bは、上記受信時間が計測された事前送信情報毎に、上記受信日時と上記事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、各事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する(ステップS65−2)。次に、最終選択部16cは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継予定の中継装置30の数「2」に相当する数の事前送信情報を全て受信したかを判断する(ステップS65−3)。そして、全て受信していない場合には(NO)、最終選択部16cは、端末10dbで事前送信情報を受信してから所定時間(ここでは1分間)経過したかを判断する(ステップS65−4)。更に、所定時間経過していない場合には(NO)、上記ステップS65−1に戻る。一方、上記ステップ65−3において、全て受信した場合(YES)、又は上記ステップS65−4において、所定時間経過した場合(YES)には、最終選択部16cは、これまでに算出部16bで算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報を中継した中継装置30を1つ選択する(ステップS65−5)。本実施形態では、中継装置30aによって中継された事前送信情報が、中継装置30bによって中継された事前送信情報よりも送信から受信までの所要時間が短かったものとして、中継装置30aが選択される例を示している。
次に、宛先端末(端末10db)は、送受信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、中継装置30aを選択した旨を示す選択情報を送信する(ステップS66)。この選択情報には、セッションID「se1」、及び、選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」が含まれている。これにより、管理システム50は、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30aが選択されたことを把握できると共に、選択情報の送信元である端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、管理システム50のセッション管理部57は、セッション管理DB5005(図20参照)のセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」が含まれるレコードの中継装置IDのフィールド部分に、上記最終的に1つに選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」を記憶して管理する(ステップS67)。そして、管理システム50の送受信部51は、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、中継を開始する旨の要求が示された中継開始要求情報を送信する(ステップS68)。この中継開始要求情報には、中継される要求元端末(端末10aa)及び宛先端末(端末10db)の各IPアドレス(「1.2.1.3」,「1.3.2.4」)が含まれている。これにより、中継装置30aは、端末(10aa,10db)の間で、低解像度、中解像度、及び高解像度の3つ画像データ、並びに、音声データを通話するためのセッションを確立する(ステップS69)。これにより、端末(10aa,10db)は、テレビ会議による通話を開始することができる。
なお、上記ステップS47において、管理システム50が宛先端末(端末10db)に中継装置絞込情報を送信することに伴い、ステップS48〜S64−1,2を経て、宛先端末(端末10db)側で中継装置の選択処理(ステップS65)を行ったが、これに限るものではなく、上記ステップS47において、管理システム50が要求元端末(端末10aa)に中継装置絞込情報を送信することで、その後ステップS64−1,2までは、各情報の送信元と受信元が、要求元端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)とで入れ替わるようにしてもよい。これにより、要求元端末(端末10aa)が上記ステップS65に替わって中継装置の選択処理を行うことができ、また、上記ステップS66に替わって選択情報の送信も行うことができる。
続いて、図10及び図33を用いて、要求元端末と宛先端末との間で、テレビ会議の通話を行うために、画像データ及び音声データを送受信する処理を説明する。なお、端末10aaから端末10dbに画像データ及び音声データを送信する一方向の処理と、端末10dbから端末10aaに画像データ及び音声データを送信する逆方向の処理とで、画像データ及び音声データの送受信や後述の遅延時間の検出等は同じ処理であるため、上記一方向の通信について説明し、上記逆方向の通信は省略する。
まず、要求元端末(端末10aa)は、図2に示されている画像・音声データ用セッションsedによって、撮像部14aで撮像された被写体の画像データ、及び音声入力部15aで入力された音声の音声データを、送受信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ送信する(ステップS81)。なお、本実施形態では、図3に示されている低解像度、中解像度、及び高解像度の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信している。これにより、中継装置30aでは、送受信部31で上記3つの解像度の画像データ及び音声データを受信する。そして、データ品質確認部33が、宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理DB3001(図15参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質を抽出することで、中継する画像データの画像の品質を確認する(ステップS82)。本実施形態では、確認された画像データの画像の画質が「高画質」であり、送受信部31で受信した画像データの画質と同じであるため、中継装置30aは、画像・音声データ用セッションsedによって、そのままの画質の画像データ、及びそのままの音質の音声データで、宛先端末(端末10db)に転送する(ステップS83)。これにより、宛先端末(端末10db)は、送受信部11で、低解像度、中解像度、高解像度の3つから成る高画質の画像データ、及び音声データを受信する。そして、表示制御部14bが、3つの画質の画像データを組み合わせて、ディスプレイ120に画像を表示させると共に、音声出力部15bが音声データに基づく音声を出力させることができる。
次に、端末10dbの遅延検出部17は、送受信部11で受信された画像データの受信の遅延時間を一定時間毎(例えば、1秒毎)に検出する(ステップS84)。なお、本実施形態では、遅延時間が200(ms)である場合について、以下説明を続ける。
宛先端末(端末10db)の送受信部11は、管理情報用セッションseiによって、通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、遅延時間「200(ms)」を示す遅延情報を送信する(ステップS85)。これにより、管理システム50は、遅延時間を把握すると共に、遅延情報の送信元である端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、管理システム50の遅延時間管理部60は、上記宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、端末管理DB5003(図18参照)を検索することで、対応する端末ID「01db」を抽出し、更に、セッション管理DB5005(図20参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記端末ID「01db」のレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間「200(ms)」を記憶して管理する(ステップS86)。
次に、品質決定部58は、上記遅延時間「200(ms)」を検索キーとして、品質管理DB5007(図23参照)を検索し、対応する画像データの画質「中画質」を抽出することで、画質を「中画質」に決定する(ステップS87)。
次に、送受信部51は、セッション管理DB5005(図20参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記端末ID「01db」に関連付けられている中継装置ID「111a」を検索キーとして、中継装置管理DB5001(図16参照)を検索し、対応する中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」を抽出する(ステップS88)。そして、送受信部51は、管理情報用セッションseiによって、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、上記ステップ87によって決定された画像データの画質「中画質」を示す品質情報を送信する(ステップS89)。この品質情報には、上記ステップS86において検索キーとして用いた宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」が含まれている。これにより、中継装置30aでは、変更品質管理部34が、変更品質管理DB3001(図15参照)に、送信先の端末10(ここでは、宛先端末(端末10db))のIPアドレス「1.3.2.4」、及び中継される画像データの画質「中画質」を関連付けて記憶して管理する(ステップS90)。
次に、端末10aaは、引き続き上記ステップS81と同様に、画像・音声データ用セッションsedによって、中継装置30aへ、低画質、中画質、及び高画質の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信する(ステップS91)。これにより、中継装置30aでは、上記ステップS82と同様に、データ品質確認部33が、宛先端末(端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理DB3001(図15参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質「中画質」を抽出することで、中継される画像データの画像の品質を確認する(ステップS92)。本実施形態では、確認された画像データの画質が「中画質」であり、送受信部31で受信された画像データの画質「高画質」よりも低くなるため、データ品質変更部35は、画像データの画質を「高画質」から「中画質」に抑制することで、画像データの画像の品質を変更する(ステップS93)。
そして、送受信部31は、画像・音声データ用セッションsedによって、通信ネットワーク2を介して端末10dbへ、上記画像データの画質が「中画質」に変更された画像データ、及び音声の音質が変更されていない音声データを送信する(ステップS94)。これにより、宛先端末(端末10db)は、送受信部11で、低解像度、及び中解像度の2つから成る中画質の画像データ、及び音声データを受信する。そして、表示制御部14bが、2つの解像度の画像データを組み合わせて、ディスプレイ120に画像を表示させると共に、音声出力部15bが音声データに基づく音声を出力させることができる。
このように、画像データを受信する宛先端末(端末10db)で、受信の遅延が生じた場合には、中継装置30aは画像の品質を変更し、テレビ会議に参加している人に違和感を与えないようにすることができる。
続いて、図34乃至図36を用いて、要求元端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)との間で通話中に、要求元端末側で、マイクの故障が生じた場合及びマイクの入力ミュートの機能を実行した場合について説明する。なお、図34は、端末の稼動状態が変更された場合に、管理システムが他の端末へ変更された状態を伝えるためのシーケンス図である。図35は、ディスプレイにアイコン及びメッセージが表示された状態を示した図である。図36は、ディスプレイにアイコン及びメッセージが表示された状態を示した図である。なお、図34乃至図36は、上述の図4乃至図6で説明した内容を更に詳細に説明するための図面である。
まず、要求元端末(端末10aa)と宛先端末(端末10db)との間で会話している際に、要求元端末(端末10aa)のマイク114が故障した場合、要求元端末(端末10aa)では、端末10aaの稼動状態を検知する状態検知部18が、マイク114の故障を検知する(ステップS101)。そして、要求元端末(端末10aa)の送受信部11は、通信ネットワーク2を介して管理システム50へ、会話抑制状態情報「マイク故障」を含んだ詳細稼動状態情報「オンライン(通話中・マイク故障)」、及び端末ID「01aa」を送信する(ステップS102)。これにより、管理システム50の送受信部51は、詳細稼動状態情報「オンライン(通話中・マイク故障)」及び端末ID「01aa」を受信することになる。
次に、管理システム50の状態管理部53は、上記受信された端末ID「01aa」に基づいて、端末管理DB5003(図18参照)の対応するレコードの稼動状態のフィールド部分を「オンライン(通話中・正常)」から、詳細稼動状態情報に反映させた「オンライン(通話中・マイク故障)」に変更すると共に、詳細稼動状態情報が受信された受信日時に基づいて、レコードの受信日時のフィールド部分を変更する。
次に、抽出部54は、上記受信された端末ID「01aa」に基づいて、端末管理DB5003(図18参照)を検索することにより、対応する宛先名「日本 東京事業所 AA端末」を抽出する(ステップS104)。更に、抽出部54は、会話抑制状態情報「マイク故障」に基づいて、抑制情報管理DB5008(図24参照)を検索することにより、対応するメッセージ「マイクが故障です。」を抽出する(ステップS105)。
次に、送受信部51は、上記ステップS105で抽出された端末名及びメッセージを、上記受信された詳細稼動状態情報に含まれている会話抑制状態情報「マイク故障」と共に、通信ネットワーク2を介して、要求元端末(端末10aa)の会話相手である宛先端末(端末10db)へ送信する(ステップS106)。これにより、宛先端末(端末10db)の送受信部11は、会話抑制状態情報「マイク故障」、端末名、及びメッセージを受信する。
次に、宛先端末(端末10db)の抽出部21は、受信された会話抑制状態情報「マイク故障」に基づいて抑制状態アイコン管理DB1001(図11参照)を検索することにより、対応する抑制状態アイコンの画像データを抽出する(ステップS107)。そして、表示制御部14bは、ディスプレイ120dbに対して、図35に示されているように、会議相手を表わす画像の下側に、抑制状態アイコン、及びメッセージ(例えば、「AA端末はマイク故障です。」という内容)を重畳して表示させる(ステップS108)。
一方、管理システム50の抽出部54は、上記ステップS102によって受信された詳細稼動状態情報に含まれている会話抑制状態情報「マイク故障」に基づいて抑制情報管理DB5008(図24参照)を検索することにより、対応する稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」を抽出する(ステップS109)。
また、抽出部54は、上記ステップS102によって受信された要求元端末(端末10aa)のID「01aa」を宛先端末の候補の端末IDとして宛先リスト管理DB(図19参照)を検索することにより、端末10aaを宛先とすることが可能な要求元端末の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)を抽出する(ステップS110)。
更に、抽出部54は、上記ステップS110によって抽出された各端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)に基づいて、端末管理DB5003(図18参照)を検索することにより、対応する各稼動状態情報(「オフライン」、「オンライン(通話可能)」、「オンライン(通話中・正常)」)を抽出する(ステップS111)。そして、送受信部51は、上記ステップS110によって抽出された端末IDのうち、上記ステップS111によって抽出された稼動状態情報が「オンライン(通話可能)」である端末ID「01ba」に係る端末10baに対して、上記ステップS109によって抽出された稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」を、通信ネットワーク2を介して送信する(ステップS112)。これにより、端末10baの送受信部11は、稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」及び端末ID「01aa」を受信する。
これに対して、端末10baでは、抽出部21が、上記ステップS112によって受信された稼動状態情報「オンライン(通話中・異常)」に基づいて稼動状態アイコン管理DB1002(図12参照)を検索することにより、対応する稼動状態アイコンを抽出する(ステップS113)。そして、表示制御部14bは、ディスプレイ120baに対して、図5に示されている宛先リストの端末10aaの稼動状態アイコンが「オンライン(通話中・正常)」から「オンライン(通話中・異常)」の稼動状態アイコンに変更する(ステップS114)。
また、上記例では、要求元端末(端末10aa)でマイクが故障した場合について説明したが、マイクの入力ミュート機能を実行した場合も起こりうる。このような場合は、会話抑制状態情報が「マイクミュート」となるが、上記例と基本的に同様の処理が行われるため、以下では、相違する処理のみを説明する。
更に、マイクの入力ミュートの機能が実行された場合のステップS108におけるディスプレイ120dbの表示内容については、図36に示されているように、通話の相手を表わす画像の下側に、抑制状態アイコン、及びメッセージ(例えば、「AA端末はマイクミュート中です。」という内容)が表示されることになる。
更にまた、マイクの入力ミュートの機能が実行された場合のステップS114におけるディスプレイ120baの表示内容については、図6に示されているように、「オンライン(通話中・正常)」を示す稼動状態アイコンは、変わらずに表示されることになる。
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように本実施形態によれば、宛先端末の候補において音声の伝送に関する機能が故障したことによって生じた第1の状態(音声通話が不可能な状態)であるか、又は、宛先端末の候補において画像の伝送に関する機能が故障したことによって生じた若しくは、宛先端末の候補において音声又は画像の伝送に関する抑制機能が実行されたことによって生じた第2の状態(少なくとも音声通話が可能な状態)であるかということを、これから会話を開始しようとする端末10aaの利用者に知らせることができる。これにより、これから会話に参加しようとする利用者は、会話に参加する処理をしたにも拘らず、音声通話ができないため、会話に参加する処理が無駄になってしまうという事態を回避することができるという効果を奏する。
具体的には、宛先端末の候補において、マイクの故障等のように音声通話が不可能な状態が生じた場合には、参加しようとする利用者に、予め故障が生じたことを知らせることができる。これにより、参加しようとする利用者が会話への参加を開始するための処理をしたにも拘らず、会話が実質的にできないために、参加を開始するための処理が無駄になってしまうという事態を回避することができるという効果を奏する。
一方、宛先端末の候補において、カメラの故障やマイクの入力ミュート等のように、少なくとも音声通話が可能な状態が生じた場合には、参加しようとする利用者が会話に参加しても、音声通話は可能か、又はミュートの機能を解除することで会話を実質的に継続することができる。そのため、わざわざ参加しようとする利用者に、予めカメラの故障が生じたことやマイクの入力ミュートが実行されたことを知らせるまでもない。逆に、会話を開始していない利用者に、予めカメラの故障が生じたことやマイクミュートが実行されたことまでの詳細な稼動状態を知らせるとなると、詳細な稼動状態を示すために、図27に示される宛先リストの稼動状態アイコンの種類が非常に増えてしまう。そのため、会話を開始する前に単に宛先候補を選ぶ作業を行うだけの利用者にとっては、多種類のアイコンにより、却って紛らわしくなってしまう。これに対して本実施形態では、このような紛らわしさを生じさせないという効果も奏する。
また、通信ネットワーク2のうち、中継装置30のIPアドレス等のLAN2の環境を把握することができたとしても、インターネット2i全体の環境までは把握することは困難であるため、まずは把握できる環境の情報から、画像データ及び音声データを中継する複数の中継装置の30のうち2つ以上までに絞り込む。そして、次に複数の端末10の間で画像データ及び音声データを実際に送受信する前に、画像データ及び音声データに替えて、事前送信情報を送受信させてみることで、実際に最も早く事前送信情報を中継することができる1つの中継装置30に絞り込むことができるという効果を奏する。
即ち、端末10のIPアドレスの何れかに近い上位2つ以上のIPアドレスがそれぞれ割り当てられている中継装置30を選択することで、最終的に使用される中継装置30の候補を2つ以上残すことができる。これにより、その後、実際に候補としての各中継装置30を介して、要求元端末と宛先端末の間で事前送信情報を送受信することで、上記2つ以上の候補の中継装置30のうち、送受信に要した所要時間が最短の事前送信情報を中継した中継装置30に絞り込むことができる。よって、現状の通信ネットワーク2の環境下で最大限に高品質の画像データ又は音声データを送受信することを実現することができるという効果を奏する。
また、本実施形態では、中継装置30を絞り込む際に、テレビ会議を行う端末10のIPアドレスに近いIPアドレスの中継装置30を優先的に選択するだけでなく、各中継装置30における最大データ伝送速度も考慮して、2つ以上の中継装置30が選択されている。これにより、現実の通信ネットワーク2の環境に即した中継装置30の候補を絞り込むことができるという効果を奏する。
更に、本実施形態では、中継装置30を絞り込む際に、稼動状態がオンラインである中継装置30の中から絞り込むため、現実の通信ネットワーク2の環境に更に即した中継装置30の候補を絞り込むことができる。
<<実施形態の補足>>
なお、上記実施形態では、図27に示されているように、宛先名11−2等とアイコン11−3a等を示した状態の宛先リスト枠11−1が表示されるが、これに限るものではなく、宛先リスト枠11−1は無く、宛先名11−2等とアイコン11−3a等のみが表示されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態における中継装置30、管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。また、プログラム提供システム90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供システム90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。更に、プログラム提供システム90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
また、上記本実施形態の端末用プログラム、中継装置用プログラム、又は伝送管理用プログラムが記憶された記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたHD204、及びこのHD204を備えたプログラム提供システム90は、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ、上記端末用プログラム、中継装置用プログラム、及び伝送管理用プログラムが利用者等に提供される場合に用いられる。
更に、上記実施形態では、図13に示されている変更品質管理テーブル、及び図23に示されている品質管理テーブルによって、中継装置30で中継される画像データの画像の品質の一例として、画像データの画像の解像度に着目して管理したが、これに限られるものではなく、品質の他の例として、画像データの画質の深度、音声データの音声におけるサンプリング周波数、音声データの音声におけるビット長などに着目して管理してもよい。
また、図16、図18、及び図20では、受信日時について管理しているが、これに限るものではなく、受信日時のうち少なくとも受信時間を管理すればよい。
更に、上記実施形態では、図18で端末のIPアドレスを管理することとしたが、これに限るものではなく、通信ネットワーク2上で端末10を特定するための端末特定情報であれば、それぞれのFQDN(Fully Qualified Domain Name)を管理してもよい。この場合、周知のDNS(Domain Name System)サーバによって、FQDNに対応するIPアドレスが取得されることになる。なお、「通信ネットワーク2で端末10を特定するための端末特定情報」だけでなく、「通信ネットワーク2上における端末10への接続先を示した端末接続先情報」、又は「通信ネットワーク2上における端末10への宛先を示した端末宛先情報」と表現してもよい。
また、上記実施形態では、伝送システム1の一例として、テレビ会議システムの場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、インターネット電話等の電話システムであってもよい。また、伝送システム1は、カーナビゲーションシステムであってもよい。この場合、例えば、端末10の一方が自動車に搭載されたカーナビゲーション装置に相当し、端末10の他方が、カーナビゲーションを管理する管理センターの管理端末若しくは管理サーバ、又は他の自動車に搭載されているカーナビゲーション装置に相当する。
更に、伝送システム1は、携帯電話機の通信システムであってもよい。この場合、例えば、端末10は携帯電話機に相当する。この場合の宛先リストの表示例は、図33に示されている。即ち、携帯電話機としての端末10は、携帯電話機の本体10−1、この本体10−1に設けられたメニュー画面表示ボタン10−2、本体10−1に設けられた表示部10−3、本体10―1の下部に設けられたマイク10−4、本体10−1に設けられたスピーカ10−5を備えている。このうち、「メニュー画面表示ボタン」10−2は、各種アプリケーションを示すアイコンが表示されているメニュー画面を表示させるためのボタンである。表示部10−3は、タッチパネルになっており、利用者が宛先名を選択することで、相手の携帯電話機と通話を行うことができる。
また、上記実施形態では、コンテンツデータの一例として、視覚(sight)データとしての画像データ、及び聴覚(hearing)データとしての音声データについて説明したが、これに限るものではなく、正常の五感データであってもよい、例えば、コンテンツデータが触覚(touch)データの場合、一方の端末側でユーザが接触して得た感覚が、他方の端末側に伝達される。更に、コンテンツデータが嗅覚(smell)データの場合、一方の端末側の匂い(臭い)が、他の端末側に伝達される。また、コンテンツデータが味覚(taste)データの場合、一方の端末側の味覚が、他の端末側に伝達される。
更に、コンテンツデータは、画像(視覚)データ、音声(聴覚)データ、触覚データ、嗅覚データ、及び味覚データのうち、少なくとも1つのデータであればよい。
また、上記実施形態では、伝送システム1によってテレビ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。
更に、上記実施形態では、宛先端末(端末10db)側で中継装置30aが絞り込まれたが、これに限るものではなく、宛先端末(端末10db)が要求元端末(端末10aa)又は管理システム50へ、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を示した所要時間情報を全て送信することで、要求元端末(端末10aa)側又は管理システム50側で、最終的に1つの中継装置30aが絞り込まれるようにしてもよい。