JP2012186347A - 薄膜太陽電池モジュールの製造方法、薄膜太陽電池モジュール製造システムおよび薄膜太陽電池モジュール。 - Google Patents

薄膜太陽電池モジュールの製造方法、薄膜太陽電池モジュール製造システムおよび薄膜太陽電池モジュール。 Download PDF

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Abstract

【課題】ノーキュア封止材を用いて、高い出力電力が得られる薄膜太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】裏面電極形成後に薄膜太陽電池の熱処理を行うことで、ノーキュア封止材を用いた薄膜太陽電池モジュールの出力電力を増加させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、薄膜太陽電池モジュールの製造方法、製造システムおよび薄膜太陽電池モジュールに関し、より詳しくは透明電極層と裏面電極層形成後に熱処理工程をふくむ薄膜太陽電池モジュールの製造方法、製造システムおよび薄膜太陽電池モジュールに関する。
シリコン系の太陽電池モジュールには、シリコン結晶の結晶太陽電池セルを用いた結晶タイプのもの、およびアモルファスシリコンや微結晶シリコンの薄膜太陽電池セルを用いた薄膜タイプのものがある。
例えば、特許文献1には、絶縁基板上に複数の薄膜太陽電池セルを直列接続して形成した集積型薄膜太陽電池デバイスを用いた薄膜太陽電池モジュールが記載されている。
図8は、特許文献1に開示された薄膜太陽電池モジュールの形成工程を、フロー図にしたものを示している。絶縁基板上に、透明電極膜、光電変換層、裏面電極膜がこの順に積層された短冊状の薄膜太陽電池セルの透明電極膜と、隣接する薄膜太陽電池セルの裏面電極膜が互いに電気的に接続することで、集積型薄膜太陽電池デバイスを形成している。これを、集積型薄膜太陽電池デバイス形成工程と示した。集積型薄膜太陽電池デバイスの端部に、P型電極端子部、及びN型電極端子部が形成され、P型電極端子部の中央部付近とN型電極端子部の中央部付近との間にわたる状態で、集積型薄膜太陽電池デバイスの上に絶縁膜が敷設される。P型電極端子部に正極集電部が接合され、N型電極端子部に負極集電部が接合される。これを、集電部取付け工程と示した。正極及び負極の集電部に対して、それぞれ薄膜太陽電池セルを横切る正極リード線及び負極リード線が接続され、近接したところで、立ち上がり端子部を形成する。これを、リード線取付け工程と示した。その後、立ち上がり端子部を貫通する状態で、集積型薄膜太陽電池デバイスの裏面電極膜側に封止絶縁フィルムとバックフィルムを載置した。これを、載置工程と示した。集積型薄膜太陽電池デバイス全体と、封止絶縁フィルムとバックフィルムをラミネート封止(以下、封止とする)される。これを、封止工程と示した。各立ち上がり端子部に端子ボックスが接続される。これを、端子ボックス取付け工程と示した。集積型薄膜太陽電池デバイスの全体を封止しているので、防水性が確保されているとともに、両リード線の引っ張り強度も強く、断線のおそれもなくなる。封止材としては、熱可塑性の高分子フィルムが好ましく、なかでもEVA(エチレンビニルアセテート樹脂)が最適である旨が記載されている。
特許文献2には、光電変換素子が形成された基板と、封止樹脂と、保護シートを重ねた状態で設置し、封止材を溶融させてラミネート(以下、封止とする)した後、キュア装置内で加熱して、封止材をキュアする光電変換装置の製造方法が開示されている。図8に示した特許文献1に記載の薄膜太陽電池モジュールの形成工程フロー図において、封止工程の後に、キュア装置内における加熱工程が加わったものである。封止材として、特許文献1と同じくEVAが用いられ、キュア装置内における加熱は、昇温、約150℃で10〜20分間保持、降温というプロセスで、合計約1時間行われる旨が記載されている。封止材としてEVAを用いる場合、水蒸気バリア性、および薄膜太陽電池セルとガラス基板への接着性を向上させるために、長時間加熱することで架橋反応をすすめるキュア工程が必要となる。
近年では新たな封止材として、キュアが不要となるノーキュア封止材の検討が進んでいる。ノーキュア封止材を用いることで、キュア工程及びキュア装置を省略でき、生産能力の向上と低コスト化が実現できるとされている。
特開2000−68542号公報 特開2002−246616号公報
しかしながら、ノーキュア封止材にて封止された薄膜太陽電池モジュールは、EVAで封止された薄膜太陽電池モジュールより出力電力が低くなるという問題が新たに生じている。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的はノーキュア封止材を用いて、高い出力電力が得られる薄膜太陽電池モジュールの製造方法を実現することにある。
本発明にかかわる薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、基板上に透明電極層と半導体層と裏面電極層を形成してなる薄膜太陽電池の上にノーキュア封止材と保護シートを載置する載置工程と、薄膜太陽電池とノーキュア封止材と保護シートを封止する封止工程とを含む製造方法であって、透明電極層と裏面電極層を形成した後、載置工程より前に、熱処理工程を有するものである。
本発明にかかわる薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、ノーキュア封止材が、熱可塑性のアイオノマー樹脂、またはポリオレフィン系樹脂であるものである。
本発明にかかわる薄膜太陽電池ジュールの製造方法は、熱処理工程を、真空中または不活性ガス雰囲気中で行うものである。
本発明にかかわる薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、裏面電極層が、透明導電膜と金属膜からなるものである。
本発明にかかわる薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、熱処理工程を160℃以上200℃以下で行うものである。
本発明にかかわる薄膜太陽電池モジュール製造システムは、半導体層形成装置と、裏面電極層形成装置と、基板上に透明電極層と半導体層と裏面電極層が形成された薄膜太陽電池の熱処理を行う熱処理装置と、前記薄膜太陽電池とノーキュア封止材と保護シートを封止する封止装置を含むものである。
本発明にかかわる薄膜太陽電池モジュール製造システムは、薄膜太陽電池の、裏面電極層形成装置から熱処理装置への移送を、真空中で行うものである。
本発明にかかわる薄膜太陽電池モジュールは、基板上に透明電極層、半導体層、透明導電膜と金属膜からなる裏面電極層を形成し熱処理を行った薄膜太陽電池の上に、ノーキュア封止材と保護シートを載置したものである。
本発明に係る薄膜太陽電池モジュールの製造方法、製造システム及び薄膜太陽電池モジュールを用いることにより、生産効率が高く、低コストで、かつ高い出力電極が得られる薄膜太陽電池モジュールを提供できるという効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池モジュールの断面を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池モジュールの構造を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池モジュールの構造を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池モジュールの形成工程のフロー図である。 本発明の第1の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池の熱処理装置を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池の熱処理前後の出力電力の比を示す図である。 本発明の第1の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池の断面を模式的に示す図であり、(a)は実施例、(b)は比較例である。 本発明の第2の実施の形態を示すものであって、薄膜太陽電池モジュール製造システムの一部を模式的に示す図である。 従来技術を示すものであって、開示された薄膜太陽電池モジュールの形成工程をフロー図に表したものである。
本発明者により、ノーキュア封止材にて封止された薄膜太陽電池モジュールの出力電力が低くなる原因を検討したところ、特許文献2の薄膜太陽電池モジュールでは、封止材としてEVAを用いる際に必要となるキュア工程の副次的な効果として、薄膜太陽電池デバイスにアニール効果が発生していることが判明した。ノーキュア封止材で封止を行うとキュア工程がないため、上述の薄膜太陽電池デバイスのアニール効果が得られなくなっていることが、出力電力が低くなる原因だということがわかった。本発明は、出力電力が低くなるという課題を解決するものである。
なお、本願において、薄膜太陽電池とは、基板上に、少なくとも透明電極層、半導体層及び裏面電極層を有する構造をもつものを示しており、薄膜太陽電池デバイスとは、透明電極層、半導体層及び裏面電極層からなる素子を示している。薄膜太陽電池モジュールとは、薄膜太陽電池を封止した状態を示している。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る薄膜太陽電池モジュールの製造方法について、図面を参照し説明すれば以下のとおりである。
図1に、薄膜太陽電池モジュールの断面図を示す。薄膜太陽電池モジュールは、薄膜太陽電池100と、ノーキュア封止材11と、保護シート12が積層されてなる。絶縁基板1上に、透明導電膜からなる透明電極層2(特許文献1における透明電極膜)、半導体層3(特許文献1における光電変換層)、裏面電極層4(特許文献1における裏面電極膜)がこの順に積層されて複数の薄膜太陽電池デバイス200が形成されている。隣接する薄膜太陽電池デバイスにおいて、一方の透明電極層と他方の裏面電極層を互いに電気的に接続することで、複数の薄膜太陽電池デバイスが直列に接続された高電圧・高出力の集積型の薄膜太陽電池100を構成している。薄膜太陽電池デバイス200の一端に、正極端子部5(特許文献1におけるP型電極端子部)が形成され、他端に負極端子部6(特許文献1におけるN型電極端子部)が形成されている。正極端子部5は透明電極層2と電気的に接続され、負極端子部6は、裏面電極層4と電気的に接続される。これらの正極端子部5及び負極端子部6は、薄膜太陽電池デバイスとほぼ同一長であり、線状の電極取り出し部となる。このように同一長とすることにより、電流が局部的に集中することがなく、電流を均一に取り出すことができるため、シリーズ抵抗による出力電力の低下を抑制することができる。正極端子部5上に正極集電部7が接合され、負極端子部6に負極集電部8が接合されている。
薄膜太陽電池デバイス200の裏面電極層4の側に、複数の太陽電池デバイスを覆うようにして、ノーキュア封止材11と保護シート12(特許文献1におけるバックフィルム)が積層され、薄膜太陽電池モジュールを構成している。
図1で示した薄膜太陽電池デバイス200は、基板側から光が入射するいわゆるスーパーストレート型である。光は絶縁基板1側から入射することになるため、光の入射側を表面側としたときに裏面側となる電極層を裏面電極層4としている。
図2(a)(b)に、薄膜太陽電池モジュールの構造を模式的に示す。図1に示した薄膜太陽電池100の裏面電極側から全体をみた図である。(a)は、薄膜太陽電池100上への正負の集電部、正負の引出し電極を取付けた状態を示しており、(b)は、封止材と保護シートと端子ボックスを取付ける状態を示している。
図2(a)に示すように、正極端子部5に正極集電部7を接合し、負極端子部6に負極集電部8を接合する。正極の引出し電極9(特許文献1における正極リード線)は、一端を正極集電部7と直角な姿勢でT字型に接続する。正極の引出し電極9の他端は、薄膜太陽電池デバイスのほぼ中央部に位置し、かつ薄膜太陽電池デバイスの面に対して垂直に折り曲げられた立ち上がり端子部となっている。負極も同様に、負極の引出し電極10(特許文献1における負極リード線)の一端を負極集電部8と直角な姿勢でT字型に接続し、他端は立ち上がり端子部となっている。
図2(b)に示すように、立ち上がり端子部を貫通孔13に通線する状態で、薄膜太陽電池100の裏面全体に、ノーキュア封止材11と保護シート12(特許文献1におけるバックフィルム)を載置する。載置した後、ラミネート装置を用いて、圧力をかけ、加熱しながら封止(特許文献2におけるラミネート)した。封止後、この立ち上がり端子部に対して接続する状態で端子ボックス14を取り付ける。
図3に、図1、2の薄膜太陽電池モジュールの形成工程のフロー図の一例を示す。図1に断面図を示した薄膜太陽電池デバイス200の形成工程は、フロー図の基板搬入工程S1(Sはステップを表す。以下同様)から第3レーザスクライブ工程S9に該当する。図2(a)(b)に示した模式図は、フロー図の集電部取付け工程S11から端子ボックス取付け工程S15に該当する。
まず、基板搬入工程S1で、薄膜太陽電池デバイスを積層する絶縁基板1を搬入する。絶縁基板1としては、ガラスやポリイミド等の耐熱性樹脂が用いられる。
次に、基板洗浄・乾燥工程S2で、搬入した基板を純水等で洗浄、乾燥させる。洗浄した基板を乾燥させる方法としては、エアブロー、加熱乾燥等の方法がとられる。
次に、透明電極層形成工程S3で、透明電極層2を形成する。透明電極層2としては、たとえば、SnO(酸化スズ)、ZnO(酸化亜鉛)、ITO(Indium Tin Oxide)からなる層を用いることができる。製膜方法としては、蒸着法、スパッタリング法、熱CVD法などが用いられる。なお、絶縁基板1上に、透明電極層2が形成された状態の基板を搬入し用いてもよく、透明電極層2を形成した後に、透明電極層2の表面に凹凸をつけるために、エッチング等を行ってもよい。
次に、第1レーザスクライブ工程S4で、透明電極層2を分離する。薄膜太陽電池デバイスを直列接続し集積型の薄膜太陽電池を形成するためには、各薄膜太陽電池デバイスの透明電極層2、半導体層3、裏面電極層4を分離する必要がある。S4では、まず透明電極層2の分離を行う。レーザスクライブに用いるレーザ光としては、YAGレーザ光の基本波、第2高調波、YVOレーザ光の基本波、第2高調波等を用いることができる。
次に、半導体層形成工程S5で、半導体層3を形成する。半導体層3としては、プラズマCVD法で製膜されたアモルファスシリコンや微結晶シリコンが用いられる。たとえば、アモルファスシリコンからなるp層、i層及びn層が順次積層されたシングル構造、微結晶シリコンからなるp層、i層及びn層が順次積層されたシングル構造、アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層及びn層が順次積層された構造と微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層が順次積層された構造を組み合わせたタンデム構造、p層、i層及びn層が順次積層された構造を3つ組み合わせたトリプル構造がある。または、アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層及びn層が順次積層された構造と微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層が順次積層された構造との間にZnO等からなる中間層が挿入された構造も用いることができる。あるいは、アモルファスシリコン薄膜からなるp層と、微結晶シリコンからなるi層とn層を組み合わせた構造のように、p層、i層、n層のうち少なくとも1層をアモルファスシリコンから構成し、残りの層を微結晶シリコンから構成して、p層、i層、n層にアモルファスシリコンと微結晶シリコンを混在させてもよい。
次に、第2レーザスクライブ工程S6で、半導体層3を分離する。この時、レーザ光としては、第1レーザスクライブ工程と同様のものが使える。
次に、裏面電極層形成工程S7において裏面電極層4を形成する。裏面電極層4は、Ag、Al、Ti等の金属膜単膜や金属膜の積層膜でもよく、SnO、ZnO、ITOなどの透明導電膜を半導体層3に接するように形成し、その上に金属膜を形成した透明導電膜と金属膜の積層膜であってもよい。製膜法としては、蒸着法、スパッタリング法等が用いられる。
次に、熱処理工程S8で、熱処理装置を用いて、薄膜太陽電池基板の熱処理を行う。熱処理は、裏面電極形成工程S7より後で、載置工程S13までの間で行うことが好ましい。熱処理によるアニール効果は、半導体層のp層、n層に含まれるドーパントが活性化し、内部電界が大きくなることによってキャリア収集率が向上すること、透明導電膜の屈折率が変化し、吸収率が小さくなることによって光損失が低減したこと、透明導電膜のキャリア濃度が増加し、半導体層と透明導電膜との界面抵抗、透明導電膜と金属膜との界面抵抗が減少することなどの要因によっておこると考えられる。裏面電極形成工程S7より後が望ましいのは、薄膜太陽電池デバイスを形成する透明電極層、半導体層、裏面電極層が成膜されている状態であるので、各層と、各層の界面にアニール効果を得ることができるため、高いアニール効果を得ることができるためである。載置工程S13までに熱処理を行うのが望ましいのは、載置工程S13で、薄膜太陽電池100上に封止材と保護シートが載置されるため、熱処理温度が制限されるからである。本実施の形態で用いるノーキュア封止材は、軟化する温度以上で熱処理を行うと、流動して封止層の膜厚が局所的に薄くなり、封止性能が低下する恐れがあるからである。例えば、アイオノマー樹脂は、80℃〜90℃で軟化するため、100℃を超える熱処理は不適である。ノーキュア封止材を載置する前に行うことで、ノーキュア封止材の物性に制限されず、熱処理の温度を選択することができるので、高いアニール効果を得ることができるようになる。
熱処理は、真空雰囲気、または窒素やアルゴンなどの不活性ガスを充填した雰囲気で行うことが望ましい。裏面電極層として最表面にあるのは、AgやAl等の金属膜であるため、酸素などの活性ガスを含む雰囲気中で熱処理を行うと、表面近傍の金属層が活性ガスと反応した酸化物層等が形成され、正極や負極の集電部との接触抵抗の上昇、裏面電極層と集電部を接合する際に用いる半田との接合強度の低下の可能性があるからである。熱処理を、真空雰囲気、または窒素やアルゴンなどの不活性ガスを充填した雰囲気で行うことで、集電部との接触抵抗の上昇や、半田との接合強度の低下を防ぐことができる。
次に、第3レーザスクライブ工程S9で、裏面電極層4を分離する。裏面電極層4を分離する際に、あわせて半導体層3も分離することが望ましい。裏面電極層4のみをレーザ光で分離する場合、レーザ条件によっては、裏面電極層4の分離溝直下のレーザ光があたった半導体層3が結晶化し、隣接する薄膜太陽電池デバイス間で短絡が発生することがある。これを防止するために、裏面電極層4と半導体層3をあわせて分離することが望ましい。あわせて半導体層3も分離した場合、図1に示したように、裏面電極層4と半導体層3がつながった分離溝が形成される。工程S1から工程S9で、薄膜太陽電池デバイスが直列に接続された薄膜太陽電池100が形成される。
次に、セル特性の測定工程S10で、セルとしての出力電力を測定する。出力電力を測定し、特性が低ければ、この後の集電部取付け工程S11からはそのセルは除外するという判断を行ってもよい。また、必要に応じて特性の低いセルに対して特性を向上させる対応を行い、集電部取付け工程S11以降の工程を行ってもよい。セル特性の測定工程S10は、必ず必要な工程ではないが、生産効率の向上という観点からは、存在するほうが望ましい工程である。
セル特性の測定工程S10は、熱処理工程S8の後、集電部取付け工程S11の前にあることが望ましい。セル特性の測定工程S10が、熱処理工程S8の後にあることで、熱処理によるアニール効果を得た後の薄膜太陽電池の出力電力を測定することができるため、薄膜太陽電池モジュール形成の早い段階で、モジュール完成時に十分な特性の得られないものを除くことが可能となる。また、集電部取付け工程S11の前にセル検査工程S10を入れることで、十分な特性が得られない薄膜太陽電池に集電部取付け工程S11以降の対応を行うことを避けることが可能となる。
次に、集電部取付け工程S11で、正極端子部5に正極集電部7を接合し、負極端子部6に負極集電部8を接合する。各集電部は、各電極端子部と同形・同大であることが好ましく、材料としては銅箔が好ましい。接合は、電気的かつ機械的に行われ、接合の手段としては、半田付けまたは導電性ペーストなどを用いる。半田付けの場合には、電極端子部と集電部のいずれか一方または両方にあらかじめ銀入り半田ペーストを塗布する方法が好ましい。また、半田付け時に半導体層に局所的加熱を与えないようにするため、パルスヒート方式にて半田付けすることが望ましい。
次に、引出し電極取付け工程S12で、正極の引出し電極9の一端を正極集電部7と接続し、他端は立ち上がり端子部を形成する。同様に、負極の引出し電極10の一端を負極集電部8と接続し、他端は正極の引出し電極9の立ち上がり端子部に近接して立ち上がり端子部を形成する。
正極の引出し電極9及び負極の引出し電極10は、正極集電部7、負極集電部8と同一材料すなわち銅箔で作られており、各集電部と各引出し電極の接合手段としては、半田付けまたはスポット溶接などを用いる。
正極集電部7、負極集電部8、正極の引出し電極9及び負極の引出し電極10は、フラットケーブルの形状が望ましい。半導体素子に局所的な荷重による負荷をかけるのを避けるためである。ここでは、集電部と引出し電極が別の部品となっている場合について説明したが、T字型の集電部と引出し電極があらかじめ一体となっている部品を用いてもよい。
正極の引出し電極9及び負極の引出し電極10は、絶縁被膜で覆われている。正極の引出し電極9及び負極の引出し電極10は、複数の薄膜太陽電池デバイスにまたがっているが、絶縁被膜の存在により、隣接する薄膜太陽電池デバイスが引出し電極を介して短絡することはない。正極端子部5の中央部付近と負極端子部6の中央部付近との間にわたる状態で、薄膜太陽電池上に絶縁膜を敷設してもよい。絶縁膜の材料としては、例えばイミド系の高分子樹脂又はエポキシ系の高分子樹脂が用いられる。また、接着性や低コスト化の観点から、ノーキュア封止材と同じ材料としてもよい。なお、絶縁膜を敷設する場合は、この後で述べる載置工程S13の際に行うことが、作業性の観点から望ましい。
次に、載置工程S13で、立ち上がり端子部を貫通孔13に通線する状態で、薄膜太陽電池の裏面全体に、ノーキュア封止材11、保護シート12を載置する。
ノーキュア封止材とは、架橋反応工程が不要な封止材料のことである。ノーキュア封止材の中でも、生産工程での管理、作業の容易性から、熱可塑性樹脂が望ましい。なお、従来薄膜太陽電池モジュールの封止材として用いられてきたEVA(エチレンビニルアセテート樹脂)も熱可塑性樹脂であるが、短時間の熱処理では十分な特性を得ることができず、長時間加熱いわゆるキュアを行うことで、架橋反応が進行し、高い接着性、水蒸気バリア性を得られることになる。ノーキュア封止材の熱可塑性樹脂の中でも特に、EVAと比較して、薄膜太陽電池100の裏面電極層4として用いられる金属膜への接着性が高く、水蒸気バリア性も高いアイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂が望ましい。
ノーキュア封止材11は、フィルム状のものが望ましい。粉末状、液状のものでも、使用することは可能であるが、作業性、生産効率を考慮すると、フィルム状が望ましい。フィルムの厚さとしては、250〜500μm程度が望ましい。正極の引出し電極9、負極の引出し電極10を確実に埋没させることができるからである。
保護シート12としては、薄膜太陽電池モジュールの耐候性、絶縁性を確保するため、金属箔を樹脂ではさみこんだものを用いている。PET/Al/PET(PET:ポリエチレンテレフタレート)の3層構造のものが、安価で、耐候性、絶縁性を確保することができるため、望ましい。
次に、封止工程S14で、薄膜太陽電池100上に、ノーキュア封止材11、保護シート12を載置した後、封止装置を用いて、圧力をかけながら加熱し、封止した。薄膜太陽電池全体を封止してあるので、防水性が確保されるとともに、正極及び負極の引出し電極の引っ張り強度も強く、断線のおそれもなくなる。
次に、端子ボックス取付け工程S15で、端子ボックス14を取り付ける。薄膜太陽電池100の封止後の状態は、正極の引出し電極9及び負極の引出し電極10の立ち上がり端子部が保護シートから突出しており、この立ち上がり端子部に対して接続する状態で端子ボックス14を取り付ける。この取付けに際しては、端子ボックス14の内部にシリコーン樹脂を充填し、端子ボックス14と保護シート12とをシリコーン樹脂で接着してある。
次に、モジュール特性の測定工程S16で、薄膜太陽電池モジュールとしての特性を測定する。
図4に、熱処理工程S8で用いる熱処理装置の一例を示す。
熱処理装置は、複数の薄膜太陽電池を収容して一括で熱処理できるバッチ処理装置であることが好ましい。薄膜太陽電池が十分なアニール効果を得る為には、熱処理時間を短くすることには限界がある。一度の熱処理で多数の基板を処理できる装置を使用することで、熱処理装置の単位時間あたりの処理能力を向上でき、製造ラインのボトルネックとなることを防止できるからである。本実施の形態で用いた熱処理装置は、カセット16に薄膜太陽電池100を複数枚入れ、搬送用ローラー15で、出し入れを行う機構を持っており、バッチ処理できる装置となっている。シースヒーター20と熱交換機21を用いて加熱を行う。真空雰囲気、または窒素やアルゴンなどの不活性ガスを充填した雰囲気で加熱を行うことができるように、ポンプ17とガス導入ライン18がついている。また、必要に応じて、装置内に気体の流れをつくることができるファン19がついている。ガラス基板を用いた場合、熱処理後すぐにカセットを取り出すと熱割れが発生する為、カセットを取り出す前に基板を冷却する必要がある。窒素等の気体を入れながら、ファン19で気体の流れをつくると、効率よく冷却することが可能となり、熱処理装置のタクトをあげることができる。
なお、図3のフロー図は、基板側から光が入射するいわゆるスーパーストレート型の薄膜太陽電池モジュール形成工程のフロー図である。基板の逆側から光を入射させるいわゆるサブストレート型の薄膜太陽電池モジュールであれば、基板上に裏面電極層、半導体層、透明電極層の順に形成していくため、透明電極形成工程S3と、裏面電極形成工程S7とが逆となる。本発明は、スーパーストレート型、サブストレート型のいずれでも同じ作用・効果を得ることができる。
また、レーザを用いて透明電極層、半導体層、裏面電極層の各層の分離を行い、薄膜太陽電池デバイスが直列に接続された集積型の薄膜太陽電池を形成する方法について説明したが、ウオータージェット、エッチング等のレーザスクライブ以外の方法によって各層の分離を行ってもよい。また本発明は、集積を行わない薄膜太陽電池においても同じ作用・効果を得ることができる。

(実施例1)
第1の実施の形態を、実施例1A、1B及び比較例1A、1Bを用いて具体的に説明する。封止材としてノーキュア封止材を用いても、薄膜太陽電池デバイスに熱処理を行えば、従来のEVAと同等以上の効率が得られることを示すものである。
実施例1Aとして、以下のようにして、図1に示した薄膜太陽電池100を得た。まず、SnOからなる透明電極層が形成されたガラスの絶縁基板を搬入し、純水で基板を洗浄したのち、エアブローで乾燥させ、YAGレーザの基本波を用いて第1レーザスクライブを行った。その上にアモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層及びn層が順次積層された構造と微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層が順次積層された構造を組み合わせたタンデム構造の半導体層を形成し、YAGレーザの第2高調波を用いて第2レーザスクライブを行った。半導体層上にZnOからなる透明導電膜とAgからなる金属膜をこの順で形成し、裏面電極層とした。透明導電膜の膜厚は50nmであり、金属膜の膜厚は500nmとなるように設定し、スパッタリング装置で成膜を行った。その後、熱処理装置内で、180℃、30分の熱処理を行った。熱処理中は、ロータリーポンプを用いて真空引きを行った。次いで、YAGレーザの第2高調波を用いて、第3レーザスクライブを行い、薄膜太陽電池デバイスが直列に接続された集積型の薄膜太陽電池デバイスを得た。その後、セル特性の測定を行い、特性確認を行った。
図2(a)(b)に示したように、薄膜太陽電池デバイスの一端に透明電極層と電気的につながるように正極集電部を接合し、他端に裏面電極層と電気的につながるように負極集電部を接合した。そして、正極集電部に正極の引出し電極、負極集電部に負極の引出し電極を接合した。接合部に半田ペーストを塗りつけ、スポット溶接で半田づけを行うことで接合している。また、正極及び負極の引出し電極を絶縁被膜で覆い、引出し電極が原因で薄膜太陽電池デバイスの短絡がおこることがないようにしている。フィルム状のノーキュア封止材のひとつであるアイオノマー樹脂と、PET/Al/PETからなる保護シートを載置した。アイオノマー樹脂の厚さは約300μm、保護シートの厚さは約100μmである。その後、ラミネート装置を用いて、圧力をかけながら、170℃、7分で加熱封止した。その後、薄膜太陽電池に、端子ボックスを取付け、モジュール特性の測定を行った。
実施例1Bは、実施例1Aと異なる点は、熱処理温度を150℃、40分に変更した点である。
比較例1Aは、実施例1Aと異なる点は、熱処理工程を行わなかった点である。
比較例1Bは、実施例1Aと異なる点は、熱処理工程を行わず、更に、封止材としてフィルム状のEVAを用いた点である。EVAの厚さは、約500μmであり、加熱封止は、130℃、7分で行い、その後、150℃、40分のキュアを行った。
表1に、実施例1A、1B及び比較例1A、1Bの封止材の種類と、熱処理条件、封止条件、キュア条件、及び疑似太陽光(AM1.5、100mW・cm)を照射して、その出力電力を計測した結果を示す。なお、表中の出力電力は、封止材としてEVAを用いた比較例1Bの出力電力を1.00としたときの相対値である。各10サンプルを作成し、その平均値を記載した。
実施例1A、1Bと比較例1Bを比較すると、熱処理を行うことで、封止材としてノーキュア封止材であるアイオノマー樹脂を用いても、EVAを用いたときと同等以上の出力電力が得られたことがわかる。熱処理によって、薄膜太陽電池デバイスにアニール効果が発生して出力電力が向上したためと考えられる。より詳細には、熱処理によって、半導体層のp層、n層に含まれるドーパントが活性化し、内部電界が大きくなることによってキャリア収集率が向上したことが考えられる。また、透明電極層及び裏面電極層で用いている透明導電膜の屈折率が変化し、吸収率が小さくなることによって光損失が低減したこと、透明導電膜のキャリア濃度が増加し、半導体層と透明導電膜との界面抵抗、あるいは透明導電膜と金属膜との界面抵抗が減少することなど複数の要因によって、出力電力が向上したと考えられる。
実施例1Aと実施例1Bを比較すると、熱処理温度を高くした実施例1Aのほうが高い出力電力を得ることができたことがわかる。封止材として用いたアイオノマー樹脂は、80℃〜90℃で軟化するため、100℃を超える熱処理は不適であるが、封止材を載置する前に熱処理を行っているので、封止材の物性に制限されず高い温度をかけることが可能となった。熱処理温度を高くすることで、高いアニール効果を得ることができるようになっただけでなく、熱処理時間を短くすることができることも確認された。すなわち、高い出力電力が得られるようになっただけでなく、生産効率向上という効果も得られた。
また、比較例1Aと比較例1Bを比較すると、ノーキュア封止材を用いたことで薄膜太陽電池モジュールの出力電力が低下したことがわかる。

(実施例2)
本実施例においては、高いアニール効果を得ることができる熱処理温度を得るために、以下の検討を行った。
図5に、熱処理温度と、熱処理前後の薄膜太陽電池の出力電力の比との関係を示す。検討に用いた薄膜太陽電池モジュールの構成、形成工程は、実施例1Aと熱処理温度のみが異なるものであり他は同じである。高いアニール効果が得られる温度を探すために、図3で示した裏面電極層形成工程S7の後、熱処理工程S8は行わず、第3レーザスクライブ工程S9を行い、集積型の薄膜太陽電池を作成し、セル特性の測定工程S10を行った。その後、各温度で熱処理を行い、再度、セル特性を測定し、熱処理前後の集積型の薄膜太陽電池の出力電力の比較を行った。熱処理時間はいずれも30分で、真空中で熱処理を行った。
図5の結果から、熱処理の温度は、160℃から200℃が望ましい。160℃より低い温度でも、アニール効果はあるが、十分ではなく、出力電力を大きく向上させるものではない。200℃より高い温度も同様である。アニール効果が高いという観点から、より好ましくは、170℃から190℃である。

(実施例3)
本実施例においては、裏面電極層が金属膜のみからなる比較例3Cを作成し、裏面電極が透明導電膜と金属膜からなる実施例1Aと比較する検討を行った。裏面電極層に透明導電膜がある時とない時の熱処理によるアニール効果を比較するためである。
図6に、薄膜太陽電池デバイスの一部断面の模式図を示す。層構造を示した模式図である。(a)は実施例1で説明した実施例1Aの断面を示しており、(b)は比較例3Cの断面を示している。実施例1Aと比較例3Cとの違いは、薄膜太陽電池の裏面電極層の構成のみであり、その他の構成、形成プロセスは同じである。裏面電極層4として、(a)に示した実施例1Aでは、ZnOからなる透明導電膜22とAgからなる金属膜23をこの順で形成し、(b)に示した比較例3Cでは、Agからなる金属膜23のみを形成している。透明導電膜22の膜厚は約50nmであり、金属膜23の膜厚は約500nmである。
まず、実施例2と同様にして、熱処理前のセル特性の測定工程S10を行った。その後、180℃、30分の熱処理を真空中で行い、再度、セル特性を測定し、熱処理前後の薄膜太陽電池の出力電力の比較を行った。
各10サンプル作成し、熱処理前後の出力電力の比の平均値をとったところ、実施例1Aは、1.06であり、比較例3Cは、1.03であった。透明導電膜と金属膜からなる裏面電極層を用いた場合の方が、裏面電極層に透明導電膜がない場合と比較して、熱処理による大幅な出力電力の向上が得られることがわかった。これは、透明導電膜の屈折率の変化による光の吸収率のダウン、透明導電膜と半導体層、透明導電膜と金属膜との界面特性の改善によるコンタクト抵抗ダウンという透明導電膜を熱処理することによるアニール効果が得られたことが原因だと考えられる。

(第2の実施形態)
本実施の形態においては、薄膜太陽電池モジュール製造システムに関して述べる。
図7に、薄膜太陽電池モジュールの製造システムを構成する装置を示す。薄膜太陽電池モジュール製造システムは、少なくとも、半導体層形成装置24と、裏面電極層形成装置25と、熱処理装置26と、封止装置27からなる。
半導体層形成装置24とは、透明電極層が形成された基板上に半導体層を形成する装置を示し、裏面電極層形成装置25とは、半導体層上に裏面電極層を形成する装置を示し、熱処理装置26とは、薄膜太陽電池の熱処理を行う装置を示している。封止装置27とは、熱処理を行った薄膜太陽電池とノーキュア封止材と保護シートを加熱しながら封止する装置を示す。封止を行う際には、加熱とあわせて加圧することが望ましい。また、封止材が装置につき汚れることを防止するためのシート等を封止装置内に載置してもよい。
裏面電極形成装置25から熱処理装置26へ、搬送室31を通って真空中で移送させることができる。真空中とは、大気開放は行わないという意味であり、裏面電極層を形成するために必要な高真空状態を示すものではない。裏面電極層形成後、大気中に薄膜太陽電池を搬出する場合、金属膜表面に酸化物が形成されることを防ぐため、基板温度が下がるまで待つことが望ましい。また、絶縁基板としてガラス基板を用いた場合は、基板温度が高い状態で大気にさらすと、表面が急速に冷え熱応力により割れが発生するため、基板温度が下がるまで待つ必要がある。真空中で薄膜太陽電池を熱処理装置に搬送すれば、基板温度が下がるまで待たなくてもよいため、生産効率をあげることができる。
裏面電極層形成装置25は、透明導電膜成膜室29、金属膜成膜室30を有し、ローダー28があることが望ましい。ローダー28と成膜室29の間に、加熱室を設けてもよい。また、各成膜室に加熱機構を設けてもよい。熱処理装置26は、熱処理室32を有し、アンローダー33があることが望ましい。熱処理は、透明導電膜や金属膜の成膜に比べ、処理時間が長いため、熱処理室32は複数枚同時に処理できる構造としておくことが望ましい。熱処理は真空雰囲気、または窒素やアルゴンなどの不活性ガスを充填した雰囲気である密閉された容器内で行われることが好ましいため、熱処理室にも、排気機構を設けておくことが望ましい。
基板上に透明電極層を形成する透明電極層形成装置、搬入した基板、又はレーザスクライブ後の基板を洗浄する基板洗浄装置、レーザスクライブを行うレーザ装置、集電部を接続する接続装置、引出し電極の接続装置、セル特性検査装置等の装置が、本実施の形態の薄膜太陽電池モジュール製造装置システムに追加されても、同じ効果を得ることができる。
以上、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、具体的に説明を行ったが、本発明はそれらに限定されるものではない。上述した2つの実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、薄膜太陽電池モジュールの製造方法、及び薄膜太陽電池モジュールの製造システムおよび薄膜太陽電池モジュール全般に広く適用することができる。
100 薄膜太陽電池
200 薄膜太陽電池デバイス
1 絶縁基板
2 透明電極層
3 半導体層
4 裏面電極層
5 正極端子部
6 負極端子部
7 正極集電部
8 負極集電部
9 正極の引出し電極
10 負極の引出し電極
11 ノーキュア封止材
12 保護シート
13 貫通孔
14 端子ボックス
15 搬送用ローラー
16 カセット
17 ポンプ
18 ガス導入ライン
19 ファン
20 シースヒーター
21 熱交換機
22 透明導電膜
23 金属膜
24 半導体層形成装置
25 裏面電極層形成装置
26 熱処理装置
27 封止装置
28 ローダー
29 透明導電膜成膜室
30 金属膜成膜室
31 搬送室
32 熱処理室
33 アンローダー

Claims (8)

  1. 基板上に透明電極層と半導体層と裏面電極層を形成してなる薄膜太陽電池の上にノーキュア封止材と保護シートを載置する載置工程と、前記薄膜太陽電池と前記ノーキュア封止材と前記保護シートを封止する封止工程とを含む薄膜太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記透明電極層と前記裏面電極層を形成した後、前記載置工程より前に、熱処理工程を有する薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記ノーキュア封止材が、熱可塑性のアイオノマー樹脂、またはポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記熱処理工程は、真空中または不活性ガス雰囲気中で行う請求項1または2に記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記裏面電極層が、透明導電膜と金属膜からなる請求項1から3のいずれかに記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記熱処理工程は、160℃以上200℃以下で行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 半導体層形成装置と、
    裏面電極層形成装置と、
    基板上に透明電極層と半導体層と裏面電極層が形成された薄膜太陽電池の熱処理を行う熱処理装置と、
    前記薄膜太陽電池とノーキュア封止材と保護シートを封止する封止装置を含む薄膜太陽電池モジュール製造システム。
  7. 前記裏面電極層形成装置から前記熱処理装置への移送は、真空中で行うことを特徴とする請求項6記載の薄膜太陽電池モジュール製造システム。
  8. 基板上に透明電極層、半導体層、透明導電膜と金属膜からなる裏面電極層を形成し熱処理を行った薄膜太陽電池の上に、ノーキュア封止材と保護シートを載置した薄膜太陽電池モジュール。
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RU2803020C1 (ru) * 2023-03-01 2023-09-05 Александр Александрович Цывин Способ пайки полупроводниковых кристаллов

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