JP2012182406A - 太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池用封止膜及びこれを用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし、帯電を抑制するために、絶縁性を低下させ、且つ高い接着力を有する太陽電池用封止膜、及びこの封止膜を用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋剤を含む太陽電池用封止膜であって、更に、炭素原子数6〜30個であり、アミン価340mgKOH/g以上の脂肪族アミンを、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.1質量部より多く1.0質量部以下の含有量で含むことを特徴とする太陽電池用封止膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする太陽電池用封止膜に関し、特に、帯電を抑制するために絶縁性を低下させた太陽電池用封止膜に関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を電気エネルギーに直接、変換する太陽電池が広く使用され、更に、発電効率や耐候性等の点から開発が進められている。
太陽電池は、一般に、図1に示すように、ガラス基板などからなる表面側透明保護部材11、表面側封止膜13A、シリコン結晶系発電素子などの太陽電池用セル14、裏面側封止膜13B、及び裏面側保護部材(バックカバー)12をこの順で積層し、減圧で脱気した後、加熱加圧して表面側封止膜13A及び裏面側封止膜13Bを架橋硬化させて接着一体化することにより製造される。
このような太陽電池では、高い電気出力を得るために、複数の太陽電池用セル14を接続して用いられている。従って、太陽電池用セル14の絶縁性を確保するために、絶縁性のある封止膜13A、13Bを用いて太陽電池用セルを封止している。
また、薄膜シリコン系、薄膜アモルファスシリコン系太陽電池、セレン化銅インジウム(CIS)系太陽電池等の薄膜太陽電池の開発も進められており、この場合は、ガラスやポリイミド基板等の透明基板の表面に化学気相蒸着法等により半導体層等の発電素子層が形成され、その上に封止膜等を積層し、接着一体化することで製造される。
従来から、これらの太陽電池に用いられる封止膜としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAとも言う)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)等のエチレン−極性モノマー共重合体からなるフィルムが用いられている。特に、安価であり高い透明性を有することからEVAフィルムが好ましく用いられている。そして、封止膜用のEVAフィルムには、太陽電池セルの機械的な耐久性の確保や、湿気又は水の透過による内部の導線や電極の発錆の防止のため、高度な密着性及び接着強度で各部材を接着一体化させる機能が必要である。
そのため、従来から、EVAに対して架橋剤として有機過酸化物を添加することで、架橋構造による耐候性の向上や、シランカップリング剤を添加することで、接着力の向上が図られている(特許文献1)。
その一方で、EVAは絶縁性が高いため、帯電し易いという性質がある。太陽電池の種類によっては、封止膜が帯電することで表面分極が生じ、発電性能が低下する場合がある。
特開2000−183382号公報
従って、本発明の目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし、帯電を抑制するために、絶縁性を低下させ、且つ高い接着力を有する太陽電池用封止膜を提供することにある。
また、本発明の目的は、この封止膜を用いた太陽電池を提供することにある。
上記目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋剤を含む太陽電池用封止膜であって、更に、炭素原子数6〜30個であり、アミン価340mgKOH/g以上の脂肪族アミンを、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.1質量部より多く1.0質量部以下で含むことを特徴とする太陽電池用封止膜によって達成される。EVAを主成分とする太陽電池用封止膜に、前記炭素原子数、及びアミン価の脂肪族アミンを上記の範囲で含むことにより、高い接着力を維持し、且つ絶縁性を低下させることができる。この要因として、イオンを授受可能な脂肪族アミンが、EVA樹脂中で自由度が高い状態で存在するため、電子が流れ易くなるものと考えられる。なお、脂肪族アミンの含有量が上記下限以下の場合は、絶縁性を低下させる効果が得られない。また、上記上限より多い場合は、接着力が低下し、太陽電池用封止膜として十分な接着強度が得られない。
本発明に係る太陽電池用封止膜の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記脂肪族アミンが、下記式(I):
Figure 2012182406
[但し、式中Rは、H又は式;C2mNH(但し、mは1〜4の整数)を表し、nは 8〜25の整数を表す]
で表される脂肪族アミンである。より絶縁性の低下と、高い接着力の維持が可能となる。
(2)前記式(I)におけるRが、C2mNH(但し、mは1〜4の整数)である。更に絶縁性を低下させることができる。
(3)前記式(I)におけるnが、12〜20の整数である。
(4)前記脂肪族アミンが、N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン、N−ミリスチル−1,3−ジアミノプロパン、N−セチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−イコシル−1,3−ジアミノプロパン及びN−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパンからなる群から選択される少なくとも1種である。
(5)更に、架橋助剤を含む。
(6)前記架橋助剤が、トリアリルイソシアヌレートである。
また、上記目的は、本発明の太陽電池封止膜を用いたことを特徴とする太陽電池によって達成される。
本発明によれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする太陽電池用封止膜に、所定の範囲の含有量で、所定の脂肪族アミンが含まれているので、高い接着力を有し、且つ絶縁性が低下されている。これにより、太陽電池用封止膜として必要な接着強度を有し、封止膜の帯電が抑制される太陽電池用封止膜を得ることができる。
従って、本発明の太陽電池用封止膜を用いることで、封止膜の帯電によって発電性能が低下する種類の太陽電池であっても、発電性能を十分に発揮することができる。
一般的な太陽電池の概略断面図である。 接着力の評価である、180°ピール試験法を説明するための概略図である。
本発明の太陽電池用封止膜は、少なくともエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、架橋剤に加えて、炭素原子数6〜30個であり、アミン価340mgKOH/g以上の脂肪族アミンを含む。脂肪族アミンの含有量は、EVA100質量部に対して、0.1質量部より多く1.0質量部以下である。これにより、高い接着力を有し、且つ絶縁性を低下させることができる。この要因として、イオンを授受可能な脂肪族アミンが、EVA樹脂中で自由度が高い状態で存在するため、電子が流れ易くなるためと考えられる。
脂肪族アミンがEVA100質量部に対して0.1質量部以下では、絶縁性を低下させる効果が得られず、1.0質量部より多い場合は、前記脂肪族アミンがブリードアウト(添加剤の染み出し)するためか、接着力が低下し、太陽電池用封止膜としての接着強度が十分に得られず、太陽電池セル(太陽電池素子ともいう)の機械的な耐久性の確保や、湿気又は水の透過による内部の導線や電極の発錆の防止等の機能を発揮できない。
脂肪族アミンの含有量は、更に、EVA100質量部に対して、0.15〜1.0質量部が好ましく、0.2〜0.5質量部が特に好ましい。
以下、本発明の太陽電池用封止膜について、より詳細に説明する。
[脂肪族アミン]
脂肪族アミンは炭素原子数が6〜30個の脂肪族アミンであり、アミン価が340mgKOH/g以上であれば、飽和又は不飽和の炭化水素基、即ちアルキル基、アルキレン基、アルケニル基等を含む、第一級アミン、第二級アミン、及び第三級アミンのいずれでも良く、複数のアミノ基を有するものでも良い。
分子内に第一級アミノ基又は第二級アミノ基を少なくとも1個有する脂肪族アミンが好ましく、更に、第一級アミノ基を少なくとも1個有する脂肪族アミンが好ましい。ハンドリング性やEVAと混合し易い点(ブリードアウトし難い等)から、脂肪族アミンの炭素原子数は、8〜25が好ましく、12〜21が更に好ましい。また、アミン価は、試料1gを中和する塩酸の量から、アミン含量を水酸化カリウムのmg数に換算したものをいう。脂肪族アミンのアミン価は、340〜600mgKOH/gの範囲が好ましく、更に、340〜450mgKOH/gの範囲が好ましい。
前記脂肪族アミンは特に、下記式(I):
Figure 2012182406
[但し、式中Rは、H又は式;C2mNH(但し、mは1〜4の整数)を表し、nは8〜25の整数を表す]
で表される飽和脂肪族炭化水素基を有する脂肪族アミンが好ましい。
具体的には、例えば、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン、N−ミリスチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ペンタデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−セチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ヘプタデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−イコシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,2−ジアミノエタン等が挙げられる。これらの脂肪族アミンは、1種単独で用いても2種以上混合して用いても良い。また、N−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン等の数種の脂肪族アミンの混合物を用いても良い。N−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパンとしては、一例として、N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン、N−ミリスチル−1,3−ジアミノプロパン、N−セチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−イコシル−1,3−ジアミノプロパンを含んだものが市販されている。
絶縁性を低下させる効果の点で、上記式(I)におけるRはC2mNH(但し、mは1〜4の整数)が好ましく、特に、CNHが好ましい。
また、EVAとの相溶性の点で、上記式(I)におけるnは12〜20が好ましく、14〜18が更に好ましい。具体的には、N−ミリスチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ペンタデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−セチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ヘプタデシル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−オレイル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。また、これらの混合物として、上記のN−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。
本発明において脂肪族アミンは、特に、N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン、N−ミリスチル−1,3−ジアミノプロパン、N−セチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−イコシル−1,3−ジアミノプロパン、及びN−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[エチレン−酢酸ビニル共重合体]
本発明に使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)における酢酸ビニルの含有量は、EVA100質量部に対して20〜35質量部、さらに22〜30質量部、特に24〜28質量部とするのが好ましい。EVAの酢酸ビニル単位の含有量が低い程、得られる封止膜が硬くなる傾向がある。酢酸ビニルの含有量が20質量部未満では、高温で架橋硬化させる場合に、得られる封止膜の透明性が充分でない恐れがある。また、35質量部を超えると封止膜の硬さが不十分となる場合があり、更にカルボン酸、アルコール、アミン等が発生し封止膜と保護部材等との界面で発泡が生じ易くなる恐れがある。
本発明の太陽電池封止膜においては、EVAに加えて、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体及びそのカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体のようなエチレン−ビニルエステル共重合体等のエチレン−極性モノマー共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB)、及び塩化ビニル樹脂を副次的に使用しても良い。
[架橋剤]
本発明において架橋剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋構造を形成することができるものである。架橋剤は、有機過酸化物又は光重合開始剤を用いることが好ましい。なかでも、接着力、透明性、耐湿性、耐貫通性の温度依存性が改善された封止膜が得られることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
前記有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
前記有機過酸化物としては、樹脂の加工温度・貯蔵安定性の観点から例えば、ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、スクシニックアシドパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイル+ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサネート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイックアシド、tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサン、tert−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、等が挙げられる。
ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤としては、70℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであればいずれも使用可能であるが、半減期10時間の分解温度が50℃以上のものが好ましく、調製条件、成膜温度、硬化(貼り合わせ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して適宜選択できる。使用可能なベンゾイルパーオキサイド系硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤は1種でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機過酸化物として、特に、2,5−ジメチル−2,5ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。これにより、優れた絶縁性を有する太陽電池用封止膜が得られる。
前記有機過酸化物の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜2質量部、より好ましくは0.2〜1.5質量部であることが好ましい。前記有機過酸化物の含有量は、少ないと得られる封止膜の絶縁性が低下する恐れがあり、多くなると共重合体との相溶性が悪くなるおそれがある。
また、光重合開始剤としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用することができるが、配合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタ−ルなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレ−トなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系又は、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみの1種単独または2種以上の混合で使用することができる。
前記光重合開始剤の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.5〜5.0質量部であることが好ましい。
[架橋助剤]
本発明の太陽電池用封止膜は、さらに架橋助剤を含むことが好ましい。前記架橋助剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体のゲル分率を向上させ、封止膜の接着性及び耐久性を向上させることができる。
前記架橋助剤の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、一般に10質量部以下、好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.1〜2.5質量部で使用される。これにより、更に接着性に優れる封止膜が得られる。
前記架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
[接着向上剤]
本発明の太陽電池用封止膜は、太陽電池内部の封止性能を考慮すると、優れた接着力を有するのが好ましい。そのために、接着向上剤をさらに含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、優れた接着力を有する太陽電池用封止膜を形成することが可能となる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
前記シランカップリング剤の含有量はエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.1〜0.7質量部、特に0.3〜0.65質量部であることが好ましい。
[その他]
本発明の太陽電池用封止膜は、膜の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤、本発明における化合物Iの他のアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。可塑剤の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
アクリロキシ基含有化合物及びメタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることができる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオピル基を挙げることができる。アミドの例としては、ジアセトンアクリルアミドを挙げることができる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
エポキシ含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
前記アクリロキシ基含有化合物、前記メタクリロキシ基含有化合物、または前記エポキシ基含有化合物は、それぞれエチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対してそれぞれ一般に0.5〜5.0質量部、特に1.0〜4.0質量部含まれていることが好ましい。
更に、本発明の太陽電池用封止膜は、紫外線吸収剤、光安定剤および老化防止剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤を含むことにより、照射された光などの影響によってエチレン−酢酸ビニル共重合体が劣化し、太陽電池用封止膜が黄変するのを抑制することができる。紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なお、上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の配合量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
また、光安定剤を含むことによっても、照射された光などの影響によってエチレン−酢酸ビニル共重合体の劣化し、太陽電池用封止膜が黄変するのを抑制することができる。光安定剤としてはヒンダードアミン系と呼ばれる光安定剤を用いることが好ましく、例えば、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63LA−63p、LA−67、LA−68(いずれも(株)ADEKA製)、Tinuvin744、Tinuvin 770、Tinuvin 765、Tinuvin144、Tinuvin 622LD、CHIMASSORB 944LD(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)、UV−3034(B.F.グッドリッチ社製)等を挙げることができる。なお、上記光安定剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
老化防止剤としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。
上述した本発明の太陽電池用封止膜を形成するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、上記の各材料をスーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を通常の押出成形、又はカレンダ成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。また、前記組成物を溶剤に溶解させ、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することによりシート状物を得ることもできる。尚、製膜時の加熱温度は、架橋剤が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、50〜90℃、特に40〜80℃とするのが好ましい。太陽電池用封止膜の厚さは、特に制限されないが、50μm〜2mmの範囲であればよい。
[太陽電池]
本発明の太陽電池の構造は、本発明の太陽電池用封止膜を用いていれば、特に制限されない。例えば、表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に、本発明の太陽電池用封止膜を介在させて架橋一体化させることにより太陽電池用セルを封止させた構造などが挙げられる。なお、本発明において、太陽電池セルの光が照射される側(受光面側)を「表面側」と称し、太陽電池セルの受光面とは反対面側を「裏面側」と称する。
前記太陽電池において、太陽電池用セルを十分に封止するには、例えば、図1に示すように表面側透明保護部材11、表面側封止膜13A、太陽電池用セル14、裏面側封止膜13B及び裏面側保護部材12を積層し、加熱加圧など常法に従って、封止膜を架橋硬化させればよい。
前記加熱加圧するには、例えば、前記積層体を、真空ラミネータで温度135〜180℃、さらに140〜180℃、特に155〜180℃、脱気時間0.1〜5分、プレス圧力0.1〜1.5kg/cm2、プレス時間5〜15分で加熱圧着すればよい。この加熱加圧時に、表面側封止膜13Aおよび裏面側封止膜13Bに含まれるエチレン−酢酸ビニル共重合体を架橋させることにより、表面側封止膜13Aおよび裏面側封止膜13Bを介して、表面側透明保護部材11、裏面側透明部材12、および太陽電池用セル14を一体化させて、太陽電池用セル14を封止することができる。
なお、本発明の太陽電池用封止膜は、図1に示したような単結晶又は多結晶のシリコン結晶系の太陽電池セルを用いた太陽電池だけでなく、薄膜シリコン系、薄膜アモルファスシリコン系太陽電池、セレン化銅インジウム(CIS)系太陽電池等の薄膜太陽電池の封止膜にも使用することもできる。この場合は、例えば、ガラス基板、ポリイミド基板、フッ素樹脂系透明基板等の表面側透明保護部材の表面上に化学気相蒸着法等により形成された薄膜太陽電池素子層上に、本発明の太陽電池用封止膜、裏面側保護部材を積層し、接着一体化させた構造、裏面側保護部材の表面上に形成された太陽電池素子上に、本発明の太陽電池用封止膜、表面側透明保護部材を積層し、接着一体化させた構造、又は表面側透明保護部材、表面側封止膜、薄膜太陽電池素子、裏面側封止膜、及び裏面側保護部材をこの順で積層し、接着一体化させた構造等が挙げられる。
本発明の太陽電池用封止膜は、絶縁性が低下され、帯電が抑制されているので、帯電による表面分極の影響で発電性能が低下する種類の太陽電池に使用することで、発電性能を十分に発揮できる太陽電池とすることができる。また、本発明の太陽電池用封止膜は高い接着力を有するので、太陽電池素子の機械的な耐久性の確保や、湿気又は水の透過による内部の導線や電極の発錆の防止等の機能は、従来の封止膜と同様に発揮され、耐久性、耐候性が高い太陽電池とすることができる。
本発明の太陽電池に使用される表面側透明保護部材11は、通常珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
本発明で使用される裏面側保護部材12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムが好ましく用いられる。また、耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンフィルム、特にフッ化ポリエチレンフィルム/Al/フッ化ポリエチレンフィルムをこの順で積層させたフィルムでも良い。
なお、本発明の太陽電池(薄膜太陽電池を含む)は、上述した通り、表面側及び/又は裏面側に用いられる封止膜に特徴を有する。したがって、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、および太陽電池用セルなどの前記封止膜以外の部材については、従来公知の太陽電池と同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1〜3、比較例1〜8)
表1に示す配合で各材料をロールミルに供給し、70℃で、混練して太陽電池用封止膜組成物を調製した。前記太陽電池用封止膜組成物を、70℃で、プレス成形し、放冷後、太陽電池用封止膜(200mm×200mm×厚さ0.4mm)を作製した。
なお、脂肪族アミンのアミン価は次のように測定した。即ち、脂肪族アミン試料1gを精秤し、中性エチルアルコール(エチルアルコール(99.5%)を0.5M塩酸標準液で中和したもの)50mlに溶解した試料溶液に、ブロムクレゾールグリーン指示薬を数滴加え、0.5M塩酸標準液で滴定した。次いで、0.5M塩酸標準液使用量:A(ml)、塩酸標準液のファクター:F、及び試料採取量:W(g)から次式により、アミン価を算出した。
式:アミン価(mgKOH/g)=28.05×F×A(ml)/W(g)
(評価方法)
(1)体積固有抵抗
上記で作製した各太陽電池用封止膜の100mmx100mmの大きさのサンプルを作製し、離型PET(厚さ0.75mm)で挟み、真空ラミネーターにて100℃、10分間仮圧着した後、オーブンに入れ、150℃、30分間加熱し架橋させた。
作製した各サンプルについて、高抵抗率計(ハイレスタUP(三菱化学社製))とプローブ(UR−100(三菱化学社製))を用いて、25℃、60℃環境下でそれぞれ体積固有抵抗(LogΩ・cm)を測定した(印加電圧、1000V×1分)。脂肪族アミンを配合していない封止膜(比較例1)の体積固有抵抗を参考に、25℃環境下で14.5以下、60℃環境下で13.5以下の体積固有抵抗を合格とした。
(2)ガラス接着力
接着力は180°ピール試験(JIS K 6584、1994年)により評価した。180°ピール試験は、具体的には、下記手順に従って、図2に示すように行った。
ガラス基板21(厚さ3mm)/上記各太陽電池用封止膜23/離型PET(厚さ0.75mm)をこの順で積層し、得られた積層体を真空ラミネーターで真空脱気し、100℃、10分間予備圧着した後、さらにオーブンに入れ、温度150℃、30分間架橋させた。これを、ガラス基板21と太陽電池用封止膜23との間の一部を剥離して、太陽電池用封止膜23を180°折り返して引張試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて引っ張り速度100mm/分時の引き剥がし力を測定し、ガラス接着力[N/cm]とした。ガラス接着力は、従来品と同等として、16N/cm以上を合格とした。
(3)判定
(1)(2)の評価がいずれも合格の場合を○とし、それ以外を×とした。
(評価結果)
各サンプルの体積固有抵抗及びガラス接着力の結果を表1に示す。
Figure 2012182406
実施例1〜3において、EVA100質量部に対して、本発明に係る脂肪族アミンとして、上記式(I)を満たす脂肪族アミンのN−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン、N−ミリスチル−1,3−ジアミノプロパン、N−セチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−イコシル−1,3−ジアミノプロパンの混合物であるN−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパンを0.15〜1.00質量部配合した太陽電池封止膜を評価した。その結果、各温度の体積固有抵抗及びガラス接着力とも合格であった。それに対し、脂肪族アミンを配合していない比較例1、並びに脂肪族アミンをEVA100質量部に対して0.10質量部配合した比較例2では、体積固有抵抗が不合格であった。また、脂肪族アミンをEVA100質量部に対して0.12質量部配合した比較例3ではガラス接着力が不合格であった。また、アミン化合物を配合した場合でも、アミン価が340mgKOH/g未満の脂肪族アミンやアミノ含有シランカップリング剤を配合した比較例4〜8では、体積固有抵抗が上昇し、不合格であった。
以上により、所定の脂肪族アミンを所定量配合したことにより、高い接着力を維持し、且つ絶縁性を低下させ、帯電を抑制できることが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、発電性能を十分に発揮できる太陽電池を提供することができる。
11 表面側透明保護部材
12 裏面側保護部材
13A 表面側封止膜
13B 裏面側封止膜
14 太陽電池用セル
21 ガラス基板
23 太陽電池用封止膜

Claims (8)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋剤を含む太陽電池用封止膜であって、
    更に、炭素原子数6〜30個であり、アミン価340mgKOH/g以上の脂肪族アミンを、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.1質量部より多く1.0質量部以下で含むことを特徴とする太陽電池用封止膜。
  2. 前記脂肪族アミンが、下記式(I):
    Figure 2012182406
    [但し、式中Rは、H又は式;C2mNH(但し、mは1〜4の整数)を表し、nは8〜25の整数を表す]
    で表される脂肪族アミンである請求項1に記載の太陽電池用封止膜。
  3. 前記式(I)におけるRが、C2mNH(但し、mは1〜4の整数)である請求項2に記載の太陽電池用封止膜。
  4. 前記式(I)におけるnが12〜20の整数である請求項2又は3に記載の太陽電池用封止膜。
  5. 前記脂肪族アミンが、N−ラウリル−1,3−ジアミノプロパン、N−ミリスチル−1,3−ジアミノプロパン、N−セチル−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−1,3−ジアミノプロパン、N−イコシル−1,3−ジアミノプロパン及びN−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の太陽電池用封止膜。
  6. 更に、架橋助剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。
  7. 前記架橋助剤が、トリアリルイソシアヌレートである請求項6に記載の太陽電池用封止膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池封止膜を用いたことを特徴とする太陽電池。
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