JP2012180389A - インク組成物、画像形成方法及び印画物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シルセスキオキサン構造を含む基を有する重量平均分子量3,000以上の重合体、(成分B)単官能重合性化合物及び(成分C)重合開始剤を含有するインク組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
また、成形加工品を一つ一つの成形品へと打ち抜いて裁断する際に、衝撃に対する耐衝撃能が不十分であると裁断面又はその周辺にひび(周辺割れ)が生じてしまう問題がある。このような打ち抜き特性が低い製品は、製品価値が下がる。
項1.(成分A)シルセスキオキサン構造を含む基を有する重量平均分子量3,000以上の重合体、(成分B)単官能重合性化合物及び(成分C)重合開始剤を含有するインク組成物。
項2.前記(成分A)の重量平均分子量が、10,000〜200,000である、項1に記載のインク組成物。
項3.前記シルセスキオキサン構造が、下記式(A−1)で表される構造を含む、項1又は項2に記載のインク組成物。
式(A−1)
項4.前記シルセスキオキサン構造が、かご型構造である、項1〜項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
項5.前記(成分A)が、シルセスキオキサン構造を含む基を側鎖に有する、項1〜項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
項6.前記(成分A)におけるシルセスキオキサン構造を含む基が下記式(A−2)で表される基構造である、項1〜項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
式(A−2)
項7.前記式(A−2)において、Rxがアルキル基又はアリール基を表し、Ryが単結合を表す、項6に記載のインク組成物。
項8.更に、(成分D)着色剤を含有する、項1〜項7のいずれか1項に記載のインク組成物。
項9.前記(成分A)が、主鎖構造として(メタ)アクリレート繰り返し単位又はウレタン繰り返し単位(−NHCOO−)を含む、項1〜項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
項11.インク組成物中の全重合性化合物の合計含有量に対する、前記(成分B)単官能重合性化合物の含有量が、90質量%〜100質量%である、項1〜項10のいずれか1項に記載のインク組成物。
項12.前記(成分B)単官能重合性化合物が、N−ビニル化合物又は(メタ)アクリレート化合物を含む、項1〜項11のいずれか1項に記載のインク組成物。
項13.インクジェット記録用である、項1〜項12のいずれか1項に記載のインク組成物。
項14.項1〜項13のいずれか1項の記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、
前記付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む画像形成方法。
項15.前記インク付与工程が、インクジェット法によりインク組成物を付与する工程である、項14に記載の画像形成方法。
項16.項14又は項15に記載の画像形成方法を用いて形成される印画物。
本発明のインク組成物は、(成分A)シルセスキオキサン構造を含む基を有する重量平均分子量3,000以上の重合体、(成分B)単官能重合性化合物及び(成分C)重合開始剤を含有することを特徴とする。本発明のインク組成物は、インクジェット記録用であることが好ましい。以下、「(成分A)シルセスキオキサン構造を含む基を有する重量平均分子量3,000以上の重合体」、「(成分B)単官能重合性化合物」及び「(成分C)重合開始剤」を、それぞれ単に「(成分A)」、「(成分B)」及び「(成分C)」ともいう。
((成分A)シルセスキオキサン構造を含む基を有する重量平均分子量3,000以上の重合体)
本発明のインク組成物は、(成分A)シルセスキオキサン構造を含む基を有する重量平均分子量3,000以上の重合体を必須の成分として含有する。
式(A−1)
式(A−2)
以下、(成分A)のとりうる3種の態様((i)シルセスキオキサン構造を含む基を側鎖に有する態様、(ii)シルセスキオキサン構造を含む基を主鎖末端に有する態様、(iii)シルセスキオキサン構造を含む基を側鎖及び主鎖末端に有する態様)に関して、各々好ましい構造について詳細に説明をする。
以下、(成分A)がシルセスキオキサン構造を含む基を側鎖に有する態様の好ましい構造について説明をする。
式(i−1)
式(A−21)
前記式(i−1)中のRdで表されるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が更に好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。前記アルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造であっても環状構造であってもよいが、直鎖構造又は環状構造が好ましい。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
前記(i−1)中のWaにおける−SiRe 2−(Reはアルキル基)中のRe 2としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が更に好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。前記アルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造であっても環状構造であってもよい。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
前記式(i−1)で表される繰り返し単位の具体例(i−1―1)〜(i−1―3)を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
式(i−2)
例えば、(メタ)アクリレート繰り返し単位を有し、且つシルセスキオキサン構造を含む基を側鎖に有する場合の合成方法としては、シルセスキオキサン構造を含み、かつラジカル重合性基を有する単量体と、前述の(メタ)アクリレート繰り返し単位を与える単量体とを共重合することにより合成することができる。
以下、シルセスキオキサン構造を含む基を主鎖末端に有する態様の好ましい構造について説明をする。
式(A−22)
式(ii−1)
以下、(成分A)がシルセスキオキサン構造を含む基を側鎖及び主鎖末端に有する態様の好ましい構造について説明をする。
本発明のインク組成物は(成分B)単官能重合性化合物を必須の成分として含有する。
本発明のインク組成物に用いられる単官能重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物であっても、カチオン重合性化合物のいずれであってもよいが、ラジカル重合性化合物が好ましく、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。より具体的には、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればよい。
併用する場合、両者の割合(質量比)は例えば、アクリレート化合物:n−ビニル化合物=10〜90:90〜10程度、好ましくは30〜70:70〜30程度とすればよい。
本発明で用いることができる単官能重合性化合物として、カチオン重合性化合物も挙げられる。光酸発生剤から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性化合物として知られる各種公知のカチオン重合性の化合物を使用することができる。カチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本発明のインク組成物は、多官能重合性化合物を有していてもよい。本発明のインク組成物に用いられうる多官能重合性化合物としては、重合性基を2個以上有する重合性化合物であれば限定されない。
ラジカル重合可能な多官能化合物としては、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパン(PO変性)トリアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等のアクリレート化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリレート化合物等が挙げられる。その他、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物も挙げられる。なお、POはプロピレンオキシド、EOはエチレンオキシドを示す。更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性の化合物を用いることができる。
本発明のインク組成物は、重合開始剤を含有する。
本発明の重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれであってもよいが、光重合開始剤が好ましく挙げられる。光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を、重合性化合物の種類、インク組成物の使用目的に応じて、適宜選択して使用することができる。
本発明のインク組成物に使用する光重合開始剤は、外部エネルギー(光)を吸収して重合開始種であるラジカルを生成する化合物である。光重合開始剤において、重合を開始させる光とは、活性エネルギー線、すなわち、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線等を示し、好ましくは、紫外線である。
インク組成物における重合開始剤の含有量は、インク組成物に対して、1〜25質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である。
本発明のインク組成物は、着色剤を含有していてもよい。インク組成物に着色剤を添加することで、可視画像(有色画像)を形成しうるインク組成物とすることができる。
本発明のインク組成物に用いることのできる着色剤は、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の着色剤、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。また、染料としては、水溶性染料および油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
まず、インク組成物における着色剤として好ましく使用される顔料について述べる。
前記顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料および無機顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1質量部〜50質量部添加することが好ましい。
次に、本発明における着色剤として好ましく使用される染料について述べる。
染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落番号〔0023〕〜〔0089〕、特開2008−13646号公報の段落番号〔0136〕〜〔0140〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
本発明のインク組成物は実質的に水を含有しない、非水性インク組成物であることが好ましい。具体的には、インク組成物全量に対して、3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。
本発明のインク組成物には、さらに、上記以外の成分を添加することができる。以下順次説明する。
(連鎖移動剤)
本発明のインク組成物は、更に連鎖移動剤を含有していてもよい。
前記連鎖移動剤としては、重合反応において連鎖移動反応により、反応の活性点を移動させる物質であれば特に制限なく使用することができる。
連鎖移動剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物には、重合開始剤の活性エネルギー線照射による分解を促進させるために増感色素を添加することができる。
増感色素は、インク組成物に使用される重合開始剤に開始種を発生させる活性エネルギー線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的なインク組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ、350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられ、多核芳香族類およびチオキサントン類が好ましい類として挙げられる。
また、特開2008−95086号公報記載の増感色素も好適である。
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。
共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Science」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明のインク組成物には、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
本発明のインク組成物には、酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。
有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。
また、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第ViiのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
本発明のインク組成物には、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明のインク組成物には、溶媒を含まないことが好ましいが、極微量の非硬化性の有機溶媒を添加してもよい。
具体的には、インク組成物に対して、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒、などが挙げられる。
本発明のインク組成物には、各種油溶性の高分子化合物を添加することができる。
油溶性高分子化合物としては、アクリル系共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
また、本発明のインク組成物を膜としたときに、タック性改善等の目的で表面に偏析しやすい高分子化合物も好適である。これらの高分子化合物は特開2008−248119号公報段落番号〔0017〕〜〔0037〕、特開2005−250890号公報段落番号〔0015〕〜〔0034〕などに記載されたSi、F原子を含む高分子、長鎖アルキル基を側鎖に有する高分子などが利用可能である。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
なお、界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。
有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
(インク組成物の好ましい物性)
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用途で好適に用いられる、このため、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40℃〜80℃、好ましくは25℃〜30℃)において、粘度が、7mPa・s〜30mPa・sであることが好ましい。より好ましくは7mPa・s〜20mPa・sである。
尚、上記メカニズムは推察であり、本発明は上記メカニズムに限定されるものではない。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に、本発明のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、を含む。更に、活性エネルギー線を照射し、インク組成物を硬化させた後に硬化した画像を有する印画物を得る工程を有していても良い。前記インク付与工程は、平版印刷用途やスクリーン印刷用途など種々の印刷用途に用いられるが、市販の装置を含んだインクジェット法によりインクを吐出して画像が形成されることが好ましい。
印画物成形体の製造に用いられる記録媒体としては、成形可能な樹脂材料からなる記録媒体が用いられ、例えば、PET、ポリカーボネート、ポリスチレン等が挙げられる。
次に示す顔料、分散剤、及び単官能モノマーを混合して、各色の顔料分散物(Y1、M1、C1、K1及びW1)を調製した。
・顔料:C.I.ピグメントイエロー12 10部
・分散剤:高分子分散剤
〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕 5部
・単官能モノマー:2−フェノキシエチルアクリレート[ビスコート#192、大阪有機化学社製、ラジカル重合性モノマー] 85部
・顔料:C.I.ピグメントレッド57:1 15部
・分散剤:高分子分散剤
〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕 5部
・単官能モノマー:2−フェノキシエチルアクリレート 80部
・顔料:C.I.ピグメントブルー15:3 20部
・分散剤:高分子分散剤
〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕 5部
・単官能モノマー:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
・顔料:C.I.ピグメントブラック7 20部
・分散剤:高分子分散剤
〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕 5部
・単官能モノマー:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
・顔料:MICROLITH WHITE R−A(BASF・ジャパン社製)
20部
・分散剤:高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、
ソルスパース32000〕 5部
・単官能モノマー:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
(成分A)として以下に示す重合体を合成した。
200ml三つ口フラスコに、ジメチルアセトアミド134.3g、キシリレンジイソシアナート10.38g(1.1当量/OH基)、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL UM−90(3/1))18.87g、商品名PSS−(2,3−Propanediol)propoxy−Heptaisobutyl substituted(シグマアルドリッチジャパン社製)28.49gを80℃、20時間反応し末端イソシアナート基を有するウレタンプレポリマーを得た。その後、メタノール4gを添加し、さらに10時間反応した。大量のメタノールに反応生成物を注ぎ再沈精製を行い、減圧乾燥し56gの下記表14に記載の構造の重合体(P−1)を得た。
原料及び配合割合を下記表9〜13のようにした以外は、(P−1)と同様にして、下記表14〜19に記載の構造の重合体(P−2)〜(P−8)及び(P−12)〜(P−14)を合成した。
200ml三つ口フラスコに、ジメチルアセトアミド134.3g、キシリレンジイソシアナート10.38g(1.1当量/OH基)、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL UM−90(3/1))47.18g、を80℃、20時間反応し末端イソシアナート基を有するウレタンプレポリマーを得た後、PSS−(3−Mercapto)propyl−Heptaisobutyl substituted(シグマアルドリッチジャパン社製)3.76g(1.1当量/イソシアナート基)を添加し、さらに10時間反応した。メタノールに注ぎ再沈精製を行い、減圧乾燥し58.0gの(P−9)を得た。
原料及び配合割合を下記表11〜13のようにした以外は、(P−9)と同様にして、下記表17〜19に記載の構造の重合体(P−10)〜(P−11)及び(P−15)〜(P−17)を合成した。
※2:表中の括弧内の数値は、繰り返し単位を構成する単量体の割合(モル比)を表す。
なお、上記表中の略称は下記原料を表す。
IPDI:(イソホロンジイソシアナート、下記構造、シグマアルドリッチジャパン社製)
UM−90(3/1):(ETERNACOLL UM−90(3/1):ポリカーボネートジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール(3:1)ベース、宇部興産社製)
UH−50:(ETERNACOLL UH−50:ポリカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオールベース、宇部興産社製)
PPG300:(ポリプロピレングリコールジオール、数平均分子量300、和光純薬社製)
PPG700:(ポリプロピレングリコールジオール、数平均分子量700、和光純薬社製)
PPG1000:(ポリプロピレングリコールジオール、数平均分子量1000、和光純薬社製)
プラクセル205U:(ポリカプロラクトンジオール、数平均分子量530、ダイセル社製)
MMA:メチルメタアクリレート(BASF・ジャパン社製)
MAA:メタクリル酸
ACMO:アクリロイルモルホリン(興人社製)
NVP:N−ビニルピロリドン(東亞合成社製、アロニックスM−150)
nBA:n−ブチルアクリレート(BASF・ジャパン社製)
iBA:イソブチルアクリレート(BASF・ジャパン社製)
2−ジアミノプロパン:(東京化成社製)
N−メチルジエタノールアミン:(シグマアルドリッチジャパン社製)
特開2010−13514号公報における実施例17に記載されているアクロイル変性シルセスキオキサン(商品名AC−SQ、東亜合成)を比較化合物として用いた。
−実施例1−
次に示す成分を混合して、実施例1のインク組成物を調製した。
・・・20.0部
・NVC(N−ビニルカプロラクタム、V−CAP、
BASF・ジャパン社製、ラジカル重合性化合物:(成分B)単官能
重合性化合物) ・・・40.0部
NVF(N−ビニルホルムアミド、(成分B)単官能重合性化合物)
・・・10.0部
FA−513(ジシクロペンタニルアクリレート:(成分B)単官能
重合性化合物) ・・・16.0部
ACMO(アクリロイルモルホリン:(成分B)単官能重合性
化合物) ・・・10.0部
・顔料分散物(上記K1) ・・・13.6部
・Irgacure819(入手先BASF・ジャパン社製:(成分C)
重合開始剤) ・・・6.0部
・(P−1)(成分A) ・・・5部
・Byk 307〔BYK Chemie社製、界面活性剤〕・・0.05部
顔料分散物、重合性化合物(単官能重合性化合物及び多官能重合性化合物)及び(成分A)を下表に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜31及び比較例1〜2を調製した。
なお、表中の略称は以下を表す。
IBOA:イソボルニルアクリレート
NVC:N−ビニルカプロラクタム
NVF:N−ビニルフォルムアミド
FA−513:ジシクロペンタニルアクリレート
ACMO:アクリロイルモルホリン
(多官能重合性化合物)
HDDA:ヘキサメチレンジアクリレート[日本触媒社製]
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート[NKエステルAPG−200、新中村化学社製]
TMP(PO)TA:トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート[アロニックスM−310、東亞合成社製]
<インクジェット画像記録>
まず、調製されたインク組成物を絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過した。
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置(商品名LuxelJet UV350GTW、富士フイルム社製)を用いて、ファインモード、ランプ5のモードにて記録媒体(軟質塩化ビニルシート、厚み50μm、AVERY DENNISON社製)への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行いノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8pl〜30plのマルチサイズドットを600×450dpi(dot per inch)の解像度で射出できるよう駆動し、ベタ画像を形成した。なお、本発明でいうdpi(dot per inch)とは、2.54cm当たりのドット数を表す。
調製したインク組成物を75%RH、60℃で3日保存した後、吐出温度(45℃±2℃)まで放冷をした。続いて、45℃±2℃の温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で算出した。実施例のインク組成物は、全て粘度の変化が1.3以下であり、保存安定性が良好な結果であった。
インクのヘッドノズルでの吐出安定性を評価するために、下記の条件でピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置により60分連続吐出におけるノズルロス個数の評価を行った。
実験は、PET基板上に実施例1〜31および比較例1〜2のインク組成物を、下記条件で吐出して、露光(露光量:1000mW/cm2)を行った場合のノズルロス数(ノズルが詰まってしまった数)を数えた。実施例のインク組成物は、いずれもノズルロスが0個以上5個未満のものであり、吐出安定性が良好な結果であった。
チャンネル数:318/ヘッド
駆動周波数:4.8kHz/dot
インク滴:7滴、42pl
温度:45℃
ブロッキング感度は、前記インクジェット画像記録で用いたインク組成物を、バー塗布により12μmのベタ画像を作成し、高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用いて紫外線照射(露光)して画像を硬化させ印画物を得た。1000mJ/cm2きざみで露光エネルギーを増加させて形成した画像を用いて、どの程度の露光エネルギーでブロッキングが生じるかを確認した。具体的には、紫外線照射後の形成した各々の画像上に、画像形成されていない記録媒体(軟質塩化ビニルシート)を500枚重ね載せ、一日放置した。更に、重ねた記録媒体への転写を目視評価した。転写を容易に確認できない場合を合格ラインとし、転写を容易に確認できる場合を不合格ラインとし、合格ラインに達するまでに要した露光エネルギー量〔mJ/cm2〕をブロッキング感度と定義した。
ブロッキング感度の許容範囲は12,000mJ/cm2以下であり、6,000mJ/cm2以下であることが好ましい。
前記インクジェット画像記録において、記録媒体(軟質塩化ビニルシート)を、FassonPE(Fasson社製ポリエチレンフイルム:膜厚100μm)に換え、インクジェット画像記録後の高圧水銀灯による紫外線照射を、積算露光量12,000mJ/cm2,照度:2,140mW/cm2に換えて紫外線照射した他は同様にして、延伸率評価用の印画物を得た。
得られた延伸率評価用の印画物を軸長5cm×幅2.5cmにカットし、引っ張り試験機(島津製作所社製)を用いて、速度30cm/minで延伸させ、硬化膜が破断する伸び率を測定した。初期長から2倍の長さまで伸びた状態を伸び率100%と定義した。延伸率の許容範囲は200%以上であり、300%以上であることが好ましい。
延伸率評価用の印刷物を以下に示す方法で成形加工し、得られた印刷物成形体を観察し、加工適性を評価した。
−評価基準−
A:ひび割れ又は白抜けの発生が確認できなかった。
B:ひび割れ又は白抜けの発生が若干確認された。
C:ひび割れ又は白抜けの発生が多く、真空成形が行えなかった。
(打ち抜き特性評価)
真空成型評価用と同じサンプルを用いて、ハンマーを穴あけポンチ(φ=10mm)に打つけることによってサンプルの打ち抜きを行い、下記評価基準により評価した。
−評価基準−
A:穴周辺に割れは光学顕微鏡による確認でもほとんど発生しなかった。
B:穴周辺に目視では確認できない程度の微細な割れが発生した。
C:穴周辺に目視で確認可能な割れが発生した。
さらには、本発明のインク組成物は、インクの保存安定性及び吐出安定性及びブロッキング感度が良好である。
Claims (16)
- (成分A)シルセスキオキサン構造を含む基を有する重量平均分子量3,000以上の重合体、
(成分B)単官能重合性化合物、及び
(成分C)重合開始剤を含有するインク組成物。 - 前記(成分A)の重量平均分子量が、10,000〜200,000である、請求項1に記載のインク組成物。
- 前記シルセスキオキサン構造が下記式(A−1)で表される構造を含む、請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
式(A−1)
(式(A−1)中、Rxはハロゲン原子、シアノ基、―SH基、−PRa 2(Raはアリール基)、アミノ基、アリール基又はアルキル基を表し、Ryは−COO−、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンオキシ基、−SO2−、−SiRb 2−(Rbはアルキレン基又はハロゲン原子)及び−NH−からなる群から選ばれる少なくとも1種の基、又は単結合を表す。*は結合位置を表す。) - 前記シルセスキオキサン構造がかご型構造である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(成分A)が、シルセスキオキサン構造を含む基を側鎖に有する重合体である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(成分A)におけるシルセスキオキサン構造を含む基が下記式(A−2)で表される基である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
式(A−2)
(式(A−2)中、Rxはハロゲン原子、シアノ基、―SH基、−PRa 2(Raはアリール基)、アミノ基、アリール基又はアルキル基を表し、Ryは−COO−、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンオキシ基、−SO2−、−SiRb 2−(Rbはアルキレン基又はハロゲン原子)及び−NH−からなる群から選ばれる少なくとも1種の基、又は単結合を表す。複数存在するRx及びRyは互いに同一であっても異なっていてもよい。*は結合位置を表す。) - 前記式(A−2)において、Rxがアルキル基又はアリール基を表し、Ryが単結合を表す、請求項6に記載のインク組成物。
- 更に、(成分D)着色剤を含有する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(成分A)が、主鎖構造として(メタ)アクリレート繰り返し単位又はウレタン繰り返し単位(−NHCOO−)を含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インク組成物全量に対する前記(成分A)の含有量が0.1〜20質量%である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インク組成物中の全重合性化合物の合計含有量に対する、前記(成分B)単官能重合性化合物の含有量が、90質量%〜100質量%である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(成分B)単官能重合性化合物が、N−ビニル化合物又は(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1〜請求項13のいずれか1項の記載のインク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、
前記付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む画像形成方法。 - 前記インク付与工程が、インクジェット法によりインク組成物を付与する工程である、請求項14に記載の画像形成方法。
- 請求項14又は請求項15に記載の画像形成方法を用いて形成される印画物。
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