JP2012180302A - 抗グラム陰性菌剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抗生剤と併用せず単独で用いた場合でも十分な殺菌作用を示す抗グラム陰性菌剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 次式(I):XXLR (I)
(但し、XXはLT、FS又はLSを示す)で表される繰り返し単位を少なくとも2個含み、そのC末端をアミド化したペプチド分子を含んでなる抗グラム陰性菌剤を提供する。当該繰り返し単位は、リンカーを介して結合していてもよく、LTLR及びFSLRから選択するのが好ましい。
【選択図】 図3

Description

本発明は、グラム陰性菌感染症の予防/治療に有効な薬剤に関する。より詳細には、グラム陰性菌の外膜に存在するYaeT複合体の形成を阻害することにより、グラム陰性菌に対する殺菌作用、増殖阻害作用、及び/又は薬剤排出阻害作用を発揮することのできる薬剤に関する。
多剤耐性の緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)やアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)等のグラム陰性菌は院内感染症の主要起因菌であり、免疫力が低下した患者を重篤な病態に至らしめる場合がある。これらの菌が多剤耐性化したものは感染症の治療が難しく大きな問題となっている。グラム陰性菌は内膜と外膜という二つの膜を備えており、抗生物質が有効に作用するためには、抗生物質はグラム陰性菌の複雑な膜構造を通過して細胞内部に到達する必要がある。ところが、薬剤修飾酵素、外膜の透過性の低下、標的の変化、薬剤排出ポンプによる薬剤の排出などによって抗生物質の効果が低下し、多剤耐性を獲得するものと考えられている。
緑膿菌の多剤耐性獲得に大きく貢献しているのが多剤排出ポンプである。このポンプは、菌内部に入った薬剤をエネルギーを使って積極的に細胞外に輸送、排出する。多剤排出ポンプは幾つかのファミリーに分類され、それらの中で、様々な抗生剤を排出することが知られているRND(resistance nodulation division)ファミリーのポンプは3種類のサブユニットから構成されている。緑膿菌には複数のRND型ポンプが存在するが、そのうちで主要なポンプはMexAB−OprMポンプである。
本発明者等は、緑膿菌のMexAB−OprMポンプに着目し、当該多剤排出ポンプを構成するサブユニットであるOprMのアミノ酸配列を改変することにより、緑膿菌の薬剤排出ポンプ機能を阻害し、抗生剤の薬効を増強する方法を開発し、当該効果を奏する薬剤並びに当該薬剤をスクリーニングする方法を提案した(特許文献1)。しかしながら、標的配列において変異が生ずると、当該方法の効果が失われる可能性があった。
一方、緑膿菌や大腸菌などを含むグラム陰性菌の研究が進んでおり、β−バレルプロテイン生合成にYaeT複合体が必須であることが知られるに至り(非特許文献1)、当該YaeTの立体構造も解明されてきている(非特許文献2)。YaeTは、YfgL、YfiO、NlpB及びSmpAなる4つのリポタンパク質と複合体を形成することにより、外膜タンパク質(OMP)の生合成を司っている。言い換えれば、YaeTの複合体形成を阻害すれば薬剤排出ポンプを含むOMPの外膜への輸送を阻止することができると考えられる。
本発明者等は、上記の事情に鑑み、グラム陰性菌の外膜におけるYaeT複合体の形成を阻害することにより、菌の生存に必要な外膜タンパク質(OMP)の輸送を遮断する方法及びそのための薬剤を開発した(特許文献2)。即ち、アミノ酸配列「LTLR」を含むペプチド分子が、YaeTとYfgLとの結合を阻害すること、アミノ酸配列「FIRLHP」の少なくとも一部を有するペプチド分子が、YaeTとYfiOとの結合を阻害すること、更には、これらのペプチド分子のC末端をアミド化することにより結合阻害効果が向上することを見出した。
しかしながら、上記のペプチド分子単独ではグラム陰性菌に対する殺菌作用は十分ではなく、完全に殺菌するためには抗生剤と併用することが必要であった。
国際公開第WO2007/091395号パンフレット 国際公開第WO2010/147145号パンフレット
Seokhee Kim等、Science、Vol. 317, pp.961−964 (2007) Rajeev Misra, ACS Chemical Biology, Vol. 2, pp.649−651 (2007)
本発明は、抗生剤と併用せず単独で用いた場合でも十分な殺菌作用を示す抗グラム陰性菌剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、緑膿菌など多くのグラム陰性菌のYfgLに保存されているアミノ酸配列であるLTLR、アシネトバクターの対応する配列であるFSLR、又は大腸菌の対応する配列であるLSLRを少なくとも2つ直列に結合させたアミノ酸配列を有し、そのC末端をアミド化したペプチド分子が、抗生剤と併用しなくてもグラム陰性菌に対して十分な殺菌作用を発揮することを見出し、本発明をなすに至った。
即ち本発明は、下記式(I):
XXLR (I)
(但し、XXはLT、FS又はLSを示す)で表される繰り返し単位を少なくとも2個含み、そのC末端をアミド化したペプチド分子を含んでなる抗グラム陰性菌剤を提供する。前記アミド化は、ペプチドC末端のカルボキシル基への疎水性官能基のアミド結合による付加であるのが好ましい。
本発明の抗グラム陰性菌剤によれば、従来の抗生物質が存在しなくても、グラム陰性菌のYaeT複合体形成を十分に阻害し、それにより殺菌作用、増殖阻害作用、及び/又は薬剤排出阻害作用が発揮されるため、外膜タンパク質の変異による多剤耐性化の問題が根本的に解決される。
グラム陰性菌の外膜及び内膜並びにYaeT複合体と外膜タンパク質との関係を説明する模式図である(非特許文献1から引用)。 緑膿菌、アシネトバクター、大腸菌のYfgLの、YaeTとの結合部位のアミノ酸配列を比較する図である。 (a)LTLRGLTLR−NHの投与量と緑膿菌(PAO1株)の生存率との関係を示すグラフである。(b)一定濃度(1mM又は2mM)LTLRGLTLR−NHの存在下でのHeLa細胞及びMG63細胞の生存率を示すグラフである。 OFLX(0.1μg/mL)の存在下および非存在下での緑膿菌(PAO1株)の生存率の濃度依存性を示すグラフである。 (a)LTLRGLTLR−NHの投与量と緑膿菌(PAO1株)の生存率との関係を示すグラフである。(b)LTLRGLTLR−NHの投与量とアシネトバクターの生存率との関係を示すグラフである。 (a)FSLRGFSLR−NHの投与量とアシネトバクターの生存率との関係を示すグラフである。(b)FSLRGFSLR−NHの投与量と緑膿菌(PAO1株)の生存率との関係を示すグラフである。
上記したように、本発明の抗グラム陰性菌剤は、従来の抗生剤と併用しなくてもYaeT複合体の形成を有効に阻害することにより、グラム陰性菌に対する殺菌作用、増殖阻害作用、及び/又は薬剤排出阻害作用を発揮することを特徴とする。
本発明における「グラム陰性菌」なる用語は、一般に用いられている意味で使用される。即ち、グラム染色においてクリスタルバイオレットによる染色が脱色される細菌の総称である。代表的なグラム陰性菌としては、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ菌、シュードモナス、ヘリコバクター等のプロテオバクテリア及びシアノバクテリアが含まれる。医学に関連して分類すると、桿菌としては、呼吸器系の傷害を惹起する緑膿菌、アシネトバクター、インフルエンザ菌など、泌尿器系の障害を惹起する大腸菌、ミラビリス変形菌など、消化器系の障害を惹起するヘリコバクター・ピロリ、ゲルトネル菌などが挙げられ、球菌としては、髄膜炎菌、カタラリス菌、淋菌が挙げられる。
グラム陰性菌におけるYaeT複合体は、膜タンパク質であるYaeTに、YfgL、YfiO、NlpB及びSmpAなる4つのリポタンパク質が集合して構成されている。中でも、YaeT複合体がOMPの生合成を行うためには、YfgL及びYfiOが結合することが必須とされており、これらのYaeTへの結合を阻害することによりOMPは生合成されないことになる。
本発明者等は、各種グラム陰性菌のYfgLのYaeTへの結合部位のアミノ酸配列を比較し、高度に保存されている領域を検討し、それら領域のアミノ酸配列を基にして様々なペプチド分子を合成して検討した結果、アミノ酸配列「LTLR」を含むペプチド分子がYaeTとYfgLとの結合と競合し、それらの結合を有効に阻害できることを見出した(特許文献2参照)。
図2において、緑膿菌の「LTLR」を含む領域、及び他のグラム陰性菌(アシネトバクター及び大腸菌)の対応する領域のアミノ酸配列を示す。緑膿菌における「LTLR」の「LT」の部分は、アシネトバクターでは「FS」、大腸菌では「LS」に置換されているが、「LR」及びそれに隣接する「G」は3種の菌で保存されている。
本発明においては、「LTLR」並びに対応する「FSLR」又は「LSLR」からなる繰り返し単位を少なくとも2個含むペプチド分子が、単に「LTLR」を含むペプチド分子に比較して格段に優れた殺菌効果を示すことを新たに見出した。驚くべきことに、その殺菌効果は、程度の差はあるものの、種を越えて有効であることも判明した。
即ち、本発明の抗グラム陰性菌剤を構成する繰り返し単位は「LTLR」、「FSLR」又は「LSLR」であり、この繰り返し単位の数は少なくとも2個である。繰り返し単位数の上限は特に限定されないが、細胞膜を通過して効果を発揮させるためには、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下程度である。
本発明の抗グラム陰性菌剤を構成する繰り返し単位は、直接結合されていてもよいが、リンカーを介して結合していてもよい。リンカーとしては、特に限定されないが、各種アミノ酸等を挙げることができる。例えば、前記「LTLR」に隣接して保存されている「G」をリンカーとするのが好ましい。
即ち、本発明の抗グラム陰性菌剤の更なる態様は、下記式(I):
XXLR (I)
(但し、XXはLT、FS又はLSを示す)で表される繰り返し単位を少なくとも2個含み、当該繰り返し単位がリンカーを介して結合し、そのC末端をアミド化したポリペプチド分子からなる。
また、本発明の抗グラム陰性菌剤を構成する上記のペプチド分子は、そのC末端をアミド化したものであることを特徴としている。当該アミド化は、ペプチドC末端のカルボキシル基とアミノ基含有化合物とのカップリングによって行われるが、当該アミノ基含有化合物としては、疎水性官能基を有しているものが好ましい。
アミド化に用いられるアミノ基含有化合物としては、特に限定されないが、アンモニア、脂肪族又は芳香族アミン、アミノ酸等が挙げられ、アミノ酸としては、トリプトファン等の複素環式アミノ酸、フェニルアラニン、チロシン等の芳香族アミノ酸、バリン、ロイシン、イソロイシン等の分岐アミノ酸、アラニン等の脂肪族アミノ酸が含まれる。
本発明におけるペプチド分子では、そのC末端をアミド化することにより殺菌作用が格段に向上する。本発明者等は、C末端の負電荷がアミド結合によって打ち消されるために膜透過性が向上することが一因ではないかと考えている。
さらに、本発明におけるアミド化に用いられるアミノ基含有化合物としては、疎水性官能基を有しているものが特に好ましい。例えば、C末端にβナフチルアミン(βNA)をアミド結合させたペプチド分子(LTLRGLTLR−βNA)では、アミノ基が結合したペプチド分子(LTLRGLTLR−NH)に比較しても、その殺菌作用は格段に向上し、緑膿菌の生存率は、10μMのLTLRGLTLR−βNAの存在下では95%であったが、100μMでの生存率は0%であった。
このことは、前記XXLRの繰り返し単位からなるポリペプチドのC末端近傍に疎水性環境を導入することにより、当該ペプチド分子の殺菌作用が更に向上することを示唆している。
従って、本発明の抗グラム陰性菌剤を構成するペプチド分子のC末端をアミド化する代わりに、例えば脂肪族又は芳香族の高級アルコールといった疎水性基を有する化合物をC末端カルボキシル基にエステル結合させたとしても高い殺菌作用を発揮すると考えられる。
なお、本発明の抗グラム陰性菌剤は、本発明の効果を阻害しない限り、ペプチド分子に前記以外の各種化学修飾を施したものであってもよい。
本発明において標的としているYaeTとYfgL及びYfiOとの相互作用部位は菌の外膜と内膜の間にあるペリプラズムに存在する(図1参照)。従って、本発明の薬剤(ペプチド分子)が外部から作用部位に到達するためには、外膜を通過する必要がある。
本発明の抗グラム陰性菌剤は、ペプチド分子のC末端がアミド化され、C末端の負電荷が消失しているので、それ自身で外膜を通過できると考えられる。それゆえ、本発明の抗グラム陰性菌剤は、例えばポリミキシンB、コリスチン等の細胞膜変質作用を有する抗生剤といった外膜の透過性を向上させる薬剤と同時投与しなくても十分な殺菌作用を発揮し、グラム陰性菌感染症の治療薬として使用できる。
しかしながら、本発明の抗グラム陰性菌剤と抗生剤(膜変質作用の有無に関わらず)とを同時投与すると、殺菌作用が更に向上することも確認された。
本発明の抗グラム陰性菌剤を構成するアミド化ペプチド分子が外膜を通過してYaeT複合体形成部位に到達し、外膜タンパク質の生合成を阻害することにより膜が脆弱化し、同時投与した抗生剤に対して、より感受性となり、大きな殺菌効果を奏するものと考えられる。
よって、本発明の更なる態様は、上記ペプチド分子と抗生剤(膜変質作用の有無によらない)とを含有することを抗グラム陰性菌剤である。
抗生剤としては、特に限定されず、従来から一般に使用されているものが使用できる。例えば、上記した膜変質作用を持つ抗生剤に加えて、膜変質作用を持たないものとして、セファロスポリン系抗生剤であるセファレキシン、セフォタキシム等、フルオロキノロン系抗生剤であるオフロキサシン、シプロフロキサシン等、アミノグリコシド系抗生剤であるアミカミン等、カルバペネム系抗生剤であるメロペネム等が挙げられる。
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例等において、グラム陰性菌(緑膿菌又はアシネトバクター)の生菌数の測定方法は次の通りである。
37℃で一晩培養した菌の一部をフレッシュなLB培地に添加して、同じ温度で培養を続ける。菌の濁度(600nmでの吸光度)が0.7〜0.8に達したとき、その菌液をLB培地に加えて100〜200倍希釈した菌液を調製し、実験に供する。
菌液60〜80μLとペプチド等の溶液を加えて最終的に100μLにした溶液を37℃で攪拌しながら一定時間(3時間)培養する。培養後、菌液をPBS溶液で希釈し、その希釈液をLB寒天プレートに播き、37℃で一晩培養する。翌日プレートに生えたコロニーの数をカウントすることで生菌数を求める。
(実施例1)
上記の実験系にペプチド分子「LTLRGLTLR−NH」を種々の濃度で加えた条件で培養した。それぞれの条件下で、緑膿菌の生菌数を測定し、ペプチドを添加しないときの生菌数に比べて、ペプチド添加によって生菌数がどのように変化するかを測定した。結果を図3(a)のグラフに示した。
HeLa細胞及びMG63細胞の生存率の測定
LTLRGLTLR−NHを1mMあるいは2mMになるように、HeLa細胞およびMG63細胞に添加した。それを2日間37℃で培養した後に、MTTアッセイ方法によって生細胞数をカウントした。ペプチドを添加しない場合の生細胞数と比較して、その効果を調べた。その結果を図3(b)に示す。
(実施例2)
実施例1において、ペプチド分子に加えて抗生剤(OFLX:0.1μg/mL)を添加した場合の生存率を測定した。結果を図4(b)に示す。図4(a)は図3(a)と同じデータであり、ここではOFLX添加効果を見るための基準として記した。
抗生剤を共存させることにより、殺菌能力が更に向上したことは明らかである。
(実施例3)
実施例1において、細菌をアシネトバクターに換えた場合の生存率を測定した。結果を図5に示す。実施例1で述べたように、本発明の抗グラム陰性菌剤であるペプチド分子「LTLRGLTLR−NH」は、緑膿菌に対する優れた殺菌作用を示したが(図5(a))、アシネトバクターに対しても十分な殺菌作用を示すことがわかった(図5(b))。
(実施例4)
実施例1で使用したペプチド分子「LTLRGLTLR−NH」を別のペプチド分子「FSLRGFSLR−NH」に換えて、緑膿菌及びアシネトバクターの生存率を測定した。
アシネトバクターのアミノ酸配列と同じ「FSLR」を有するペプチド分子を用いた場合、アシネトバクターに対する優れた殺菌作用が観察された(図6(a))。一方、このペプチド分子は、緑膿菌に対する殺菌作用を発揮することも確認された(図6(b))。
以上の実験結果から、「XXLR(XX:LS、FS又はLS)」の繰り返し単位を2以上有するペプチド分子からなる本発明の抗グラム陰性菌剤は、単独で優れた殺菌作用を示し、当該作用は抗生剤の同時投与によって更に向上すること、また、本発明の抗グラム陰性菌剤の殺菌作用は種を越えて有効であることが明らかになった。

Claims (6)

  1. 下記式(I):
    XXLR (I)
    (但し、XXはLT、FS又はLSを示す)で表される繰り返し単位を少なくとも2個含み、そのC末端をアミド化したペプチド分子を含んでなる抗グラム陰性菌剤。
  2. 前記繰り返し単位の数が2〜20であることを特徴とする、請求項1に記載の抗グラム陰性菌剤。
  3. 前記繰り返し単位がリンカーを介して結合していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗グラム陰性菌剤。
  4. 前記リンカーがGであることを特徴とする、請求項3に記載の抗グラム陰性菌剤。
  5. 前記繰り返し単位が、LTLR又はFSLRであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗グラム陰性菌剤。
  6. 抗生剤を更に含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗グラム陰性菌剤。
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