以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図24を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図5参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、通常大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。第3図柄表示装置81の具体的な表示内容については、図4を参照して後述する。
センターフレーム86には、第3図柄表示装置81の上方部において保留ランプ85が配設されている。第1図柄表示装置37にて停止図柄(15R確変大当たり図柄、15R通常大当たり図柄、2R確変大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、センターフレーム86の第3図柄表示装置81の下方部に、左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の大開放口(特定入賞口)65aが設けられている。可変入賞装置65は、具体的には、大開放口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。大開放口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態(閉鎖状態)になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が大開放口65aに入賞しやすい開状態(開放状態)を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている大開放口65aが、所定時間開放される。
この大開放口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大開放口65aが所定時間開放される。この大開放口65aの開閉動作は、最高で15回(15ラウンド)または2回(2ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。大開放口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、大開放口65aが所定時間開放され、その大開放口65aの開放中に、球が大開放口65a内へ入賞することを契機として大開放口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に図4を参照して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の変動演出画面を説明するための図であり、変動演出が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
パチンコ機10では、第1入球口64への入球を検出すると、大当たり抽選を行い、第1図柄表示装置37(LED37a)における変動表示とあわせて、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動表示(変動演出)を実行する。変動演出は、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように行われる。なお、図4に示すように、かかる横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図4に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。そして、毎回の遊技に際して、横にスクロールする変動演出の停止時に、いずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(例えば、同一の主図柄の組み合わせ)が揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。なお、横スクロールの場合には、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動演出が停止する。
そして、一の有効ライン上に揃った大当たり図柄の組み合わせが、同一の奇数図柄(奇数が対応づけられた主図柄)の組み合わせ、即ち、「1」「1」「1」、「3」「3」「3」、「5」「5」「5」、「7」「7」「7」、又は、「9」「9」「9」のいずれかである場合は、「15R確変大当たり」として大当たり動画が第3図柄表示装置81に表示されている間、大開放口65aが最大で15回(15ラウンド)開閉動作され、その後、遊技状態が「高確率状態」へ遷移する。
また、一の有効ライン上に揃った大当たり図柄の組み合わせが、同一の偶数図柄(偶数が対応づけられた主図柄)の組み合わせ、即ち、「0」「0」「0」、「2」「2」「2」、「4」「4」「4」、「6」「6」「6」、又は、「8」「8」「8」のいずれかである場合は、「15R通常大当たり」として大当たり動画が第3図柄表示装置81に表示されている間、大開放口65aが最大で15回(15ラウンド)開閉動作され、その後、遊技状態が「低確率状態」となるものの「時短状態」へと遷移する。
更に、一の有効ライン上に揃った大当たり図柄の組み合わせが、「3」「4」「1」のチャンス目であった場合は、「2R確変大当たり」として大当たり動画が第3図柄表示装置81に表示されている間、大開放口65aが最大で2回(2ラウンド)開閉動作され、その後、遊技状態が「高確率状態」へ遷移する。
このように、第1入球口64への入賞を契機として第3図柄表示装置81では第3図柄の変動表示が実行され、その変動演出の結果と有効ライン上に停止表示された第3図柄の組み合わせによって、大当たり抽選の結果と、その結果が大当たりの場合は大当たり種別判定の結果とが遊技者に通知される。よって、遊技者は、この第3図柄表示装置81にて実行される変動演出によって、大当たりとなる期待感や遊技状態が高確率状態となる期待感を持つことができ、遊技に対する興趣を高めることができるのである。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり抽選に用いられる大当たり乱数テーブル、大当たり種別の決定に用いられる大当たり種別テーブル、変動パターンの決定に用いられる変動パターンテーブル等が少なくとも格納されている。
また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタについて説明する。図6は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図10参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図16参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、そのメイン処理の中で不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。カウンタ用バッファは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。
このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。
これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリアに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図10参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図16参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう。)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。
大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブルによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定し、保留格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数値と一致しない場合は、外れと判定する。
ここで、大当たり乱数テーブルは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブルに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブルに格納されている。
MPU201は、大当たり抽選を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブルから読み出す。そして、MPU201は、大当たり抽選に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブルから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブルから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブルから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリアに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜9の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル(図示せず)とに基づいて、大当たり種別が決定される。本パチンコ機10では、上述した通り、大当たり種別として、15R確変大当たり、15R通常大当たり、及び、2R確変大当たりの4種類が用意されている。
大当たり種別テーブルでは、これらの各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。本実施形態では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜3」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「4〜7」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「8,9」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブルから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「2」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「6」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「9」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブルにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリアに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンを決定するために用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図10参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図16参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、カウンタ用バッファの変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。即ち、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
尚、図8を参照して後述する通り、ここで決定される変動時間は、パチンコ機10の機種や、同一機種であっても型式によって異なる。例えば、機種Aでは、7秒、10秒、20秒、25秒、30秒、35秒、60秒、90秒の中から変動時間を選択する一方、機種Bでは、5秒、8秒、16秒、20秒、25秒、29秒、50秒、90秒の中から変動時間を選択する。ROM22には、機種・型式毎に異なる変動パターンテーブルが格納されており、その変動パターンテーブルによって、機種・型式毎に異なる変動時間が決定される。
変動パターンテーブルとしては、15R確変大当たり及び15R通常大当たり時に用いられる第1変動パターンテーブルと、2R確変大当たり時に用いられる第2変動パターンテーブルと、停止種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチとなる外れ時に用いられる第3変動パターンテーブルと、停止種別が完全外れとなる外れ時に用いられる第4変動パターンテーブルとが用意されている。また、第4変動パターンテーブルには、遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)であるか否かに応じて、時短用第4変動パターンテーブルと、非時短用第4変動パターンテーブルとが用意されている。
MPU201は、変動パターンを決定する場合に、保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて行われた大当たり抽選、大当たり種別の判定や外れ時の停止種別と、その時の遊技状態(時短状態か否か)に基づいて、使用する変動パターンテーブルを第1〜第4変動パターンテーブルの中から抽出する。そして、抽出した変動パターンテーブルに従って、その時のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを特定することで、変動パターンを決定する。
15R確変大当たり及び15R通常大当たり時に用いられる第1変動パターンテーブルでは、選択される変動パターンとして、ノーマルリーチ変動(機種Aの場合:変動時間20秒、機種Bの場合:変動時間16秒)と、スーパーリーチA変動(機種Aの場合:変動時間30秒、機種Bの場合:変動時間25秒)と、スーパーリーチB変動(機種Aの場合:変動時間60秒、機種Bの場合:変動時間50秒)と、スーパーリーチC変動(機種A、機種B共に:変動時間90秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、機種A、機種Bとも、ノーマルリーチ変動に対して「0〜10」が対応付けられ、スーパーリーチA変動に対して「11〜99」が対応付けられ、スーパーリーチB変動に対して「100〜189」、スーパーリーチC変動に対して「190〜198」が対応付けられている。
2R確変大当たり時に用いられる第2変動パターンテーブルでは、選択される変動パターンとして、2R専用A変動(機種Aの場合:変動時間25秒、機種Bの場合:変動時間20秒)と、2R専用B変動(機種Aの場合:変動時間35秒、機種Bの場合:変動時間29秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、機種A、機種Bとも、2R専用A変動に対して「0〜49」が対応付けられ、2R専用B変動に対して「50〜198」が対応付けられている。
停止種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチとなる外れ時に用いられる第3変動パターンテーブルでは、選択される変動パターンとして、上述したノーマルリーチ変動(機種Aの場合:変動時間20秒、機種Bの場合:変動時間16秒)と、スーパーリーチA変動(機種Aの場合:変動時間30秒、機種Bの場合:変動時間25秒)およびスーパーリーチB変動(機種Aの場合:変動時間60秒、機種Bの場合:変動時間50秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、機種A、機種Bとも、ノーマルリーチ変動に対して「0〜99」が対応付けられ、スーパーリーチA変動に対して「100〜159」が対応付けられ、スーパーリーチB変動に対して「160〜198」が対応付けられている。
時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)において、停止種別が完全外れとなる外れ時に用いられる時短用第4変動パターンテーブルは、選択される変動パターンとして、短外れ変動(機種Aの場合:変動時間7秒、機種Bの場合:変動時間5秒)と、長外れ変動(機種Aの場合:変動時間10秒、機種Bの場合:変動時間8秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、機種A、機種Bとも、短外れ変動に対して「0〜190」が対応付けられ、長外れ変動に対して「191〜198」が対応付けられている。
また、時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)以外の状態において、停止種別が完全外れとなる外れ時に用いられる非時短用第4変動パターンテーブルは、選択される変動パターンとして、時短用第4変動パターンテーブルと同様に、短外れ変動(機種Aの場合:変動時間7秒、機種Bの場合:変動時間5秒)と、長外れ変動(機種Aの場合:変動時間10秒、機種Bの場合:変動時間8秒)とが用意されている。但し、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値の対応付けが、時短用第4変動パターンテーブルと異なっている。本実施形態の非時短用第4変動パターンテーブルにおける変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、機種A、機種Bとも、短外れ変動に対して「0〜99」が対応付けられ、スーパーリーチ変動に対して「100〜198」が対応付けられている。
ここで、時短用第4変動パターンテーブルは、遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態にあるときに、完全外れであるにも関わらず変動時間の比較的長い長外れ変動が多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。
そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)にあるときは、遊技状態が時短状態を除く通常状態(非時短状態)にあるときよりも、長外れ変動より変動時間の短い短外れ変動が選択され易いように、時短用第4変動パターンテーブル及び非時短用第4変動パターンテーブルを構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(例えば、別の変動種別カウンタにて予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、完全外れとなる場合の変動パターンの選択を、時短用第4変動パターンテーブルと非時短用第4変動パターンテーブルとに分けるように構成したが、遊技状態が時短状態ではない通常の状態(非時短状態)であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、時短用外れ用(確変)変動パターンテーブルを参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した時短用または非時短用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
また、上記説明では、各変動パターンテーブルにおいて、変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、機種Aと機種Bとで同一である場合について説明したが、必ずしも同一である必要はなく、機種Aと機種Bとで、変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが異なっていてもよい。機種や型式毎に、各変動パターンテーブルにおける変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが異ならせることにより、それぞれの機種や型式において、各変動パターンが選択される確率を変えることができる。
また、上記説明では、用意される変動パターンテーブルの種類(第1〜第4変動パターンテーブル)も機種Aと機種Bとで同じ場合について説明したが、必ずしもその種類が同じである必要はなく、各機種または各型式の仕様にあわせて、変動パターンテーブルを用意してもよい。また、上記説明では、機種Aと機種Bとで選択され得る変動パターン(変動時間)の数が同一として説明したが、必ずしもその数が同一である必要はなく、各機種または各型式の仕様にあわせて、選択される変動パターンの数が、変動パターンテーブルによって設定されるようにしてもよい。例えば、機種Bが2R確変大当たりに対応していない場合、機種Bにおいて第2変動パターンテーブルが用意されていなくてもよく、また、機種Bにおいて、2R専用A変動や2R専用B変動が選択されなくてもよい。
第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図10参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は非時短状態で2であり、その範囲は「240〜241」となる。また、当選することとなる乱数の値の数は時短状態で225あり、その範囲は「5〜229」となっている。
即ち、パチンコ機10の遊技状態が時短状態であるときは、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜229」の範囲にある場合に当選と判定される。一方、パチンコ機10が非時短状態であるときは、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「241〜242」の範囲にある場合に当選と判定される。そして、当たりの場合は、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図10参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図13参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。ROM202には、上述した大当たり乱数テーブル、大当たり種別テーブル、変動パターンテーブルといった各種テーブルの他に、各サブ制御装置(払出制御装置111、音声ランプ制御装置113等)に対して送信される各種のコマンドデータを格納する領域が設けられており、その領域には、初期化コマンド領域202a、変動パターンコマンド領域202bが含まれている。
ここで、初期化コマンド領域202aは、音声ランプ制御装置113に対して送信する初期化コマンドのデータを格納する領域であり、変動パターンコマンド202bは、音声ランプ制御装置113に対して送信する変動パターンコマンドのデータを格納する領域である。ここで、図7,8を参照して、初期化コマンド領域202aに格納される初期化コマンドと、変動パターンコマンド202bに格納される変動パターンコマンドについて説明する。
まず、図7は、初期化コマンド領域202aに格納される初期化コマンドを説明する図である。この初期化コマンドは、主制御装置110が電源投入時に実行される立ち上げ処理中に音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンドである。ここで、主制御装置110が各サブ制御装置に対して出力するコマンドは2バイトで構成されており、この初期化コマンドは、上位バイト(上位8ビット)が初期化コマンドであることを示す固定値「F0h」によって構成され、下位バイト(下位8ビット)が「機種・型式ID」によって構成される。「機種・型式ID」は、パチンコ機10の機種および型式毎に割り振られた識別情報であり、00h〜7Fhのいずれか1つの値が各機種および型式に対して割り振られて、初期化コマンド領域202aに格納されている。つまり、この初期化コマンド領域202aに格納された機種・型式IDを参照することにより、主制御装置110が、どの機種・型式に対応した処理を実行するかを確認することができる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からこの初期化コマンドを受信すると、初期化コマンドに含まれる機種・型式IDを参照して、主制御装置110が対応する機種・型式と、音声ランプ制御装置113が対応する機種・型式と一致するか否かを判断する。そして、一致する場合には、音声ランプ制御装置113と接続された表示制御装置114に対して、その機種・型式IDを通知する。表示制御装置114では、その通知された機種・型式IDに基づいて、主制御装置110が対応する機種・型式と、表示制御装置114が対応する機種・型式とが一致するか否かを判断する。そして、一致する場合に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に対応する機種・型式の機種名および型式名を表示する。
これにより、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、すべて同一の機種・型式に対応したものが接続されていた場合に限り、第3図柄表示装置81にその機種名および型式名が表示される。
ここで、主制御装置110は、部品のリサイクルを可能とし、また、製造コストを安価とするために、対応する機種や型式が異なっていても接続されるものが固定化され、使用される部品はROM202を除いて各機種・型式で共通化されている。そして、機種・型式毎に異なるROM202を用意して主制御装置110に取り付けることで、異なる仕様を実現している。また、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114においても、対応する機種や型式が異なっていても接続されるものが同じ場合は、主制御装置110と同様に、ROM222やプログラムROM232以外の部品を共通化し、機種・型式毎に異なるROM222又はプログラムROM232を用意することによって、異なる機種や型式を実現している。
よって、異なる機種や型式であっても、各制御基板は見た目上同一の形をしており、他の部品との接続を行うコネクタ形状も同一であるので、製造時の作業ミスで複数の機種・型式に対応する主制御装置110や音声ランプ制御装置113、表示制御装置114が混在してしまうと、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114のうちいずれか一つにおいて、異なる機種や型式に対応した制御装置を誤って取り付けてしまうおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、すべて同一の機種・型式に対応したものが接続されていた場合に限り、電源投入時において、第3図柄表示装置81にその機種名および型式名が表示されるので、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
尚、上述した通り、本実施形態において、主制御装置110が各サブ制御装置に対して送信するコマンドを2バイトで構成しているが、その上位バイトの最上位ビットは必ず「1」とし、下位バイトの最上位ビットは必ず「0」としている。主制御装置110は、2バイトのコマンドを各サブ制御装置に対して1バイトずつ送信するように構成されている。各サブ制御装置は、主制御装置110から1バイトずつ送信されるコマンドを受信した場合に、その受信した1バイトのデータの最上位ビットを参照することで、その受信したデータがコマンドの上位バイトであるのか下位バイトであるのかを判断できる。
次いで、図8は、変動パターンコマンド領域202aに格納される変動パターンコマンドを説明する図である。変動パターンコマンドは、主制御装置110において決定した変動パターン(変動時間)を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドである。
上述した通り、主制御装置110で決定される変動時間は、パチンコ機10の機種や型式によって異なる。しかし、パチンコ機の演出構成は、機種・型式に関わらず基本的に同じであるので、コマンド構成も基本的に同じに設計されている。よって、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドも、図8に示す通り、コードが重複して使用される。
変動パターンコマンドは、初期化コマンドと同様に2バイトのコマンドであり、上位バイト(上位8ビット)は変動パターンコマンドであることを示す固定値「F1h」で構成される。そして、変動パターンコマンドの下位バイト(下位8ビット)によって、主制御装置110で決定された変動時間を示す。
例えば、機種Aでは、変動パターンコマンドの下位バイト「10h」によって変動時間が7秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「12h」によって変動時間が10秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「14h」によって変動時間が20秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「16h」によって変動時間が30秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「18h」によって変動時間が60秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「20h」によって変動時間が90秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「22h」によって変動時間が25秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「24h」によって変動時間が35秒であることを示す。
機種Aに対応した音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド「F110h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は7秒であると判断し、その具体的な変動態様として7秒の短外れ変動を選定して、選定した短外れ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F112h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は10秒であると判断し、その具体的な変動態様として10秒の長外れ変動を選定して、選定した長外れ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F114h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は20秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある20秒のノーマルリーチ変動の中から1つ選定して、選定したノーマルリーチ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
変動パターンコマンド「F116h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は30秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある30秒のスーパーリーチA変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチA変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F118h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は60秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある60秒のスーパーリーチB変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチB変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F120h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は90秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある90秒のスーパーリーチC変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチC変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
変動パターンコマンド「F122h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は25秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある25秒の2R専用A変動の中から1つ選定して、選定した2R専用A変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F124h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は35秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある35秒の2R専用B変動の中から1つ選定して、選定した2R専用B変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
一方、機種Bでは、変動パターンコマンドの下位バイト「10h」によって変動時間が5秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「12h」によって変動時間が8秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「14h」によって変動時間が16秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「16h」によって変動時間が25秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「18h」によって変動時間が50秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「20h」によって変動時間が90秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「22h」によって変動時間が20秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「24h」によって変動時間が29秒であることを示す。
機種Bに対応した音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド「F110h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は5秒であると判断し、その具体的な変動態様として5秒の短外れ変動を選定して、選定した短外れ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F112h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は8秒であると判断し、その具体的な変動態様として8秒の長外れ変動を選定して、選定した長外れ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F114h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は16秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある16秒のノーマルリーチ変動の中から1つ選定して、選定したノーマルリーチ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
変動パターンコマンド「F116h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は25秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある25秒のスーパーリーチA変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチA変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F118h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は50秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある50秒のスーパーリーチB変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチB変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F120h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は90秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある90秒のスーパーリーチC変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチC変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
変動パターンコマンド「F122h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は25秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある20秒の2R専用A変動の中から1つ選定して、選定した2R専用A変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F124h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は29秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある35秒の2R専用B変動の中から1つ選定して、選定した2R専用B変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
このように、主制御装置110は機種・型式毎に異なる変動時間を選定するが、その変動時間を音声ランプ制御装置113へ通知する変動パターンコマンドは、機種・型式に関わらず同一のコードによって構成される。よって、機種・型式毎にコマンドのコードを使い回ししてプログラム等を設計できるので、プログラムの作成を容易化できる。
図5に戻り、主制御装置110の説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ及び保留球格納エリアのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図16参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図15参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図14参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aを少なくとも有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(S714)にて設定される値)がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図13のS403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図11のS205参照)。
第1入球口64への入球(始動入賞)があった場合、保留球数カウンタ203aが4未満であれば、そのときの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3の各値をカウンタ用バッファより取得して、保留球格納エリアに格納する。一方、保留球カウンタ203aが4であれば、すでに4つの保留球が保留されていることを意味するので、その始動入賞は無視される。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図13のS405参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、その保留球数分の保留ランプ85を点灯する。ここで、音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、大開放口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図14参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドにより示される変動時間に基づいて、その変動時間で実行すべき変動演出の変動態様の設定、等といった制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ROM222には、この音声ランプ制御装置113がどの機種・型式に対応した処理を実行するかを示す機種・型式IDが格納されている。上述した通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からこの初期化コマンドを受信すると、初期化コマンドに含まれる機種・型式IDを参照して、主制御装置110が対応する機種・型式と、音声ランプ制御装置113が対応する機種・型式と一致するか否かをROM222に格納された機種・型式IDに基づいて判断する。そして、一致する場合には、音声ランプ制御装置113と接続された表示制御装置114に対して、その機種・型式IDを通知する。表示制御装置114では、その通知された機種・型式IDに基づいて、主制御装置110が対応する機種・型式と、表示制御装置114が対応する機種・型式とが一致するか否かを判断する。そして、一致する場合に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に対応する機種・型式の機種名および型式名を表示する。
これにより、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
RAM223は、保留球数カウンタ223aを少なくとも有している。保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図19のS1107参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図20のS1207参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、保留ランプ85のランプ点灯に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ223aに示される値と同じ数だけ、保留ランプ85を点灯表示させる。これにより、遊技者は容易に保留球数を把握することができる。また、上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ403aと同期しながら、その値が変更される。従って、点灯表示される保留ランプ85の数も、主制御装置110の保留カウンタ403aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、保留ランプ85によって、保留球の数を正確に表示させることができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図19参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図19のS1104参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図20のS1202参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81の画面表示を制御する装置であり、第3図柄の変動表示(変動演出)、図6に示す特殊演出、大当たりを通知する画面、大当たり態様や、特殊態様2における2R以降において、大開放口65aが開閉動作するときに表示させる画面、大当たりの終了を通知する画面、といった種々の画面表示を、音声ランプ制御装置113(主制御装置111)から送信されるコマンドに従って制御するものである。
表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドやその他の各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。
ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。また、ROM232には、この表示制御装置114がどの機種・型式に対応した処理を実行するかを示す機種・型式IDが格納されている。上述した通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からこの初期化コマンドを受信すると、初期化コマンドに含まれる機種・型式IDを参照して、主制御装置110が対応する機種・型式と、音声ランプ制御装置113が対応する機種・型式と一致するか否かを判断する。そして、一致する場合には、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して、その機種・型式IDが通知される。表示制御装置114では、その通知された機種・型式IDに基づいて、主制御装置110が対応する機種・型式と、表示制御装置114が対応する機種・型式とが一致するか否かをROM232に格納された機種・型式IDに基づいて判断する。そして、一致する場合に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に対応する機種・型式の機種名および型式名を表示する。
これにより、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータ(キャラクタ情報)を圧縮された型式で記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示させる画像を生成するためにキャラクタROM235から読み出された複数のキャラクタ情報を解凍した型式で記憶する領域(図示せず)と、その解凍した複数のキャラクタ情報の少なくとも一部を用いて生成した1フレーム分の表示データを、その表示がなされるまで一時的に記憶するフレームバッファ領域(図示せず)とを有するメモリである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234のフレームバッファ領域に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図14参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図9を参照して、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成について説明する。図9(a)は、機種Aにおける主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成を模式的に示す模式図であり、図9(b)は、機種Bにおける主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成を模式的に示す模式図である。
本実施形態のパチンコ機10では、異なる機種・型式で、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成を図9に示すように異ならせている。
例えば、機種Aでは、図9(a)に示す通り、主制御装置110に設けられた音声ランプ制御装置113との接続用のコネクタ302に対し、入出力ポート205から延びる配線301aが次のように接続される。即ち、入出力ポート205の第1端子から延びる配線301aは、コネクタ302の1番ピンと接続され、入出力ポート205の第2端子から延びる配線301aは、コネクタ302の2番ピンと接続され、入出力ポート205の第3端子から延びる配線301aは、コネクタ302の3番ピンと接続され、・・・、入出力ポート205の第8端子から延びる配線301aは、コネクタ302の8番ピンと接続される。
また、機種Aでは、音声ランプ制御装置113に設けられた主制御装置110との接続用のコネクタ306に対し、入出力ポート225から延びる配線307aが、配線301aによる入出力ポート205の各端子とコネクタ301の各ピンとの接続組み合わせに対応して、次のように接続される。即ち、入出力ポート225の第1端子から延びる配線307aは、コネクタ306の1番ピンと接続され、入出力ポート225の第2端子から延びる配線307aは、コネクタ306の2番ピンと接続され、入出力ポート225の第3端子から延びる配線307aは、コネクタ306の3番ピンと接続され、・・・、入出力ポート225の第8端子から延びる配線307aは、コネクタ306の8番ピンと接続される。
そして、主制御装置110のコネクタ302と、音声ランプ制御装置113のコネクタ306は、配線ケーブル304によって接続される。
一方、機種Bでは、図9(b)に示す通り、主制御装置110に設けられた音声ランプ制御装置113との接続用のコネクタ302に対し、入出力ポート205から延びる配線301bが次のように接続される。即ち、入出力ポート205の第1端子から延びる配線301bは、コネクタ302の8番ピンと接続され、入出力ポート205の第2端子から延びる配線301bは、コネクタ302の7番ピンと接続され、入出力ポート205の第3端子から延びる配線301bは、コネクタ302の6番ピンと接続され、・・・、入出力ポート205の第8端子から延びる配線301bは、コネクタ302の1番ピンと接続される。
また、機種Bでは、音声ランプ制御装置113に設けられた主制御装置110との接続用のコネクタ306に対し、入出力ポート225から延びる配線307bが、配線301bによる入出力ポート205の各端子とコネクタ301の各ピンとの接続組み合わせに対応して、次のように接続される。即ち、入出力ポート225の第1端子から延びる配線307bは、コネクタ306の8番ピンと接続され、入出力ポート225の第2端子から延びる配線307bは、コネクタ306の7番ピンと接続され、入出力ポート225の第3端子から延びる配線307bは、コネクタ306の6番ピンと接続され、・・・、入出力ポート225の第8端子から延びる配線307bは、コネクタ306の1番ピンと接続される。
そして、主制御装置110のコネクタ302と、音声ランプ制御装置113のコネクタ306は、機種Aで用いられるものと同じ配線ケーブル304によって接続される。
ここで、従来より、パチンコ機10では、上述した通り、主制御装置110は、部品のリサイクルを可能とし、また、製造コストを安価とするために、対応する機種や型式が異なっていても接続されるものが固定化され、使用される部品はROM202を除いて各機種・型式で共通化されている。そして、機種・型式毎に異なるROM202を用意して主制御装置110に取り付けることで、異なる仕様を実現している。また、音声ランプ制御装置113においても、対応する機種や型式が異なっていても接続されるものが同じ場合は、主制御装置110と同様に、ROM222以外の部品を共通化し、機種・型式毎に異なるROM222を用意することによって、異なる機種や型式を実現している。
よって、異なる機種や型式であっても、各制御基板は見た目上同一の形をしており、他の部品との接続を行うコネクタ形状も同一であるので、製造時の作業ミスで複数の機種・型式に対応する主制御装置110や音声ランプ制御装置113が混在してしまうと、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及のうちいずれか一つにおいて、異なる機種や型式に対応した制御装置を誤って取り付けてしまうおそれがある。
そこで、パチンコ機10では、上述した通り、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、すべて同一の機種・型式に対応したものが接続されていた場合に限り、電源投入時に、第3図柄表示装置81にその機種名および型式名が表示されるように構成されている。これにより、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
しかしながら、電源投入時に、機種名および型式名が表示されるか否かで、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認するだけでは、表示が行われた否かを見逃してしまう可能性がある。特に、一の制御装置が別の機種・型式に対応したものであった場合、単に機種名および型式名が表示されないだけであるので、その画面表示の有無の確認を忘れやすい。
また、変動パターンコマンドは、上述した通り、機種・型式毎に演出構成が基本的に同じであるので、異なる機種・型式であっても同じコードが用いられる。よって、従来は、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されても、変動演出が行われてしまう。例えば、機種Aに対応する主制御装置110に、機種Bに対応する主制御装置113を接続した場合について考えると、第1入球口64に入賞があり、主制御装置110にて変動時間「7秒」を決定すると、主制御装置110は、変動パターンコマンド「F110h」を音声ランプ制御装置113に送信する。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド「F110h」を受信すると、変動時間が「5秒」と判断し、5秒間の短変動を第3図柄表示装置81にて実行するように、表示制御装置114に対して指示する。よって、主制御装置110が決定した変動時間とは異なるものの、変動演出そのものは第3図柄表示装置81にて実行される。
よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式のものが接続された場合であっても、従来は、パチンコ機10の製造時の検査において、第1入球口64に球を入れると、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるので、やはり、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式のものが接続されたことを発見しにくい。したがって、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されたパチンコ機10が出荷されてしまうおそれがある。
この対策として、主制御装置110に設けられた音声ランプ制御装置113との接続用のコネクタ302の形状、及び、音声ランプ制御装置113に設けられた主制御装置110との接続用のコネクタ306の形状を、それぞれ機種・型式毎に異ならせることが考えられる。例えば、機種Aでは、コネクタ302及びコネクタ306の形状(ピン配列)を8ピン×1列の形状とし、機種Bでは、コネクタ302及びコネクタ306の形状(ピン配列)を4ピン×2列の形状とする。
このようにすれば、例えば、機種Aの主制御装置110と機種Bの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとした場合、または、機種Bの主制御装置110と機種Aの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとした場合は、一方に8ピン×1列形状のコネクタに対応したコネクタを有し、他方に4ピン×2列形状のコネクタに対応したコネクタを有した配線ケーブル304という、本来用いることのない配線ケーブルが必要となる。よって、機種Aの主制御装置110と機種Bの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとした場合、または、機種Bの主制御装置110と機種Aの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとすることはない。
しかしながら、この場合は、機種・型式毎に形状の異なるコネクタ302,306や、配線ケーブル304、及び、配線パターンの異なる主制御装置110用の基板や音声ランプ制御装置113用の基板を用意しなければならないため、部品の使い回しができない。
これに対し、本実施形態におけるパチンコ機10では、図9に示す通り、配線301a,301b,307a,307bによる入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの接続組み合わせを、機種・型式毎に異ならせることによって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続されると、音声ランプ制御装置113では主制御装置110から送信されたコマンドを、バイト中の各ビットが入れ替わった状態で受信することになり、受信したコマンドを正しく解釈し処理することができない。
図9に示した例では、機種Aに対応する主制御装置110に機種Bに対応する音声ランプ制御装置113が接続された場合、または、機種Bに対応する主制御装置110に機種Aに対応する音声ランプ制御装置113が接続された場合は、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信されたコマンドを、バイト毎にビット単位で反転された状態で受信することになる。例えば、主制御装置110が変動パターンコマンドの上位バイト「F1h」を送信した場合、音声ランプ制御装置113では「8Fh」として受信することになる。これにより、音声ランプ制御装置113では、受信したコマンドを正しく解釈し処理することはできない。
よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続された場合は、パチンコ機10の製造時の検査において、第1入球口64に球を入れても、第3図柄表示装置81にて通常の変動演出が行われないので、容易に、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されていることを発見できる。一方で、コネクタ302,306や配線ケーブル304は、機種・型式によらず同一のものを使用できるので、それらを機種・型式によらず使い回しすることができる。よって、各部品の使い回しを可能にしつつ、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されたパチンコ機10の出荷を確実に抑制できる。
尚、配線301a,301b,307a,307bは、いずれも、その全部または一部がプリント配線ではなくワイヤによって構成され、基板製造時に、入出力ポート205,225の各端子に設けられたパッドと、コネクタ302,306の各ピンに設けられたパッドとが、各機種・型式によって定められた組み合わせでワイヤボンディングによって接続される。これにより、主制御装置110で用いられる基板や、音声ランプ制御装置113で用いられる基板として、それぞれ機種・型式によらずに同一のものを使用できるので、それらの基板を使い回ししながら、入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの接続組み合わせを機種・型式毎に容易に異ならせることができる。
また、配線301a,301b,307a,307bは、予め、入出力ポート205,225の各端子から延びる配線と、コネクタ302,306の各ピンから延びる配線とを基板上にてマトリクス上に交差させ、その交点部にヒューズを介して接続するように構成しておき、各機種・型式に対応する基板の製造時に、その機種・型式によって定められた、入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの組み合わせ以外の交点部に設けられたヒューズを溶断させてもよい。これにより、主制御装置110で用いられる基板や、音声ランプ制御装置113で用いられる基板として、それぞれ機種・型式によらずに同一のものを使用でき、それらの基板を使い回ししながら、入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの接続組み合わせを、機種・型式毎に容易に異ならせることができる。
また、配線301a,301b,307a,307bの中間部に、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を予め接続し、機種・型式毎に、入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの接続関係をPLD上で定義してもよい。これにより、主制御装置110で用いられる基板や、音声ランプ制御装置113で用いられる基板として、それぞれ機種・型式によらずに同一のものを使用でき、それらの基板を使い回ししながら、入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの接続組み合わせを、機種・型式毎に容易に異ならせることができる。
また、入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの接続組み合わせが、機種・型式毎に異なっていればよく、必ずしも図9(a),(b)に図示した組み合わせとする必要はない。
次に、図10から図16のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図10は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,9,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S105)、更に、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S106)。なお、変動処理の詳細については図11,12を参照して後述し、また、始動入賞処理の詳細については図13を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S107)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S108)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図11,12を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S105)について説明する。まず、図11は、この変動処理(S105)を示すフローチャートである。この変動処理(S105)は、タイマ割込処理(図10参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、大当たり中か否かを判別する(S201)。判別の結果、大当たり中であれば(S201:Yes)、変動表示は行えないので、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S203の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S204:No)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S205)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行し(S207)、そのまま本処理を終了する。なお、変動開始処理については、図12を参照して後述する。
S204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S204:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S208)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S208:No)、デモコマンドを設定して(S209)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S208:Yes)、そのまま本処理を終了する。S209の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図16参照)の外部出力処理(S801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S210)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S210:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S210:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S212)。第1図柄の停止図柄の設定は、図12を参照して後述する変動開始処理(S207)によって予め行われる。即ち、変動開始処理(S207)では、S206の処理により、保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり種別が決定される。そして、第1図柄表示装置37の停止表示として、大当たりの場合は、その決定された大当たり種別に対応する停止図柄が設定され、外れの場合は外れに対応する停止図柄が設定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図12を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S207)について説明する。図12は、変動開始処理(S207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S207)は、タイマ割込処理(図10参照)の変動処理(図11参照)の中で実行され、保留球格納エリアの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり抽選および小当たり判定を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動時間)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選を行う(S301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブルの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブルの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S301の処理では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S301:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定し、それに基づいて大当たり時の表示態様(停止図柄)を設定する(S302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブルとによって設定される大当たり種別、即ち、15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれであるか、に基づいて、第1図柄表示装置37の停止図柄(LED37aの点灯状態)および第3図柄表示装置81の停止図柄が設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S303)。この変動パターンの決定は、保留球格納エリアの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値と、S302の処理で決定された大当たり種別によって選定される変動パターンテーブルとに基づいて行われる。上述した通り、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりであった場合は第1変動パターンテーブルを選定し、大当たり種別が2R確変大当たりであった場合は、第2変動パターンテーブルを選定する。そして、選定した変動パターンテーブルにおいて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値を対応づけている変動パターンを、これから開始する変動表示の変動パターンとして決定する。
S301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S301:No)、外れと判定して、外れ時の表示態様(停止図柄)が設定される(S307)。S307の処理では、第1図柄表示装置37の停止図柄を外れ図柄に対応した停止図柄に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別(停止図柄)として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが、設定されている。
次に、外れ時の変動パターン(変動時間)を決定する(S308)。この変動パターンの決定は、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、各種条件に基づいて選定された変動パターンテーブルとに基づいて行われる。ここで、S307の処理により決定された第3図柄表示装置81の停止種別が、前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチである場合は、第3変動パターンテーブルが選定され、該第3図柄表示装置81の停止種別が完全外れである場合は、時短用第4変動パターンテーブル又は非時短用第4変動パターンテーブルが選定される。時短用第4変動パターンテーブルは、パチンコ機10の遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)にある場合に選定され、パチンコ機10の遊技場がそれ以外の場合は、非時短用第4変動パターンテーブルが選定される。そして、選定した変動パターンテーブルにおいて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値を対応づけている変動パターンを、これから開始する変動表示の変動パターンとして、決定する。
S303又はS308の処理が終わると、そのS303又はS308の処理で決定された変動パターン(変動時間)を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S309)。次いで、S302又はS307の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S310)、変動開始処理を終了する。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図16)のS801の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図13のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S106)を説明する。図13は、この始動入賞処理(S106)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S106)は、タイマ割込処理(図10参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、第3図柄表示装置81における連続予告演出開始の許可判定処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S403)、更に、前記ステップS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S404)。
次いで、S403の処理によって更新された保留球数カウンタ203aの値Nを含めた保留球数コマンドを作成して設定する(S405)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図16)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の保留級数カウンタ223aを更新し、その保留級数カウンタ223aで示される数分の保留ランプ85を点灯表示する。
そして、始動入賞処理を終了し、タイマ割込み処理に戻る。
図14は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図15を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図15は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S704)、オンされていれば(S704:Yes)、処理をS712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S705)、記憶されていなければ(S705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S705:Yes)、RAM判定値を算出し(S706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS712へ移行する。なお、図16のS812の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S713,S714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S713,S714)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S713,S714)を実行する。RAMの初期化処理(S713,S714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S713)、その後、RAM203の初期値を設定する(S714)。RAM203の初期化処理の実行後は、S710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S709)、S710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S710の処理では、音声ランプ制御装置113へ初期化コマンドを送信し(S710)、そして、割込みを許可し(S711)、後述するメイン処理に移行する。
音声ランプ制御装置113は、S711により送信された初期化コマンドを受信すると、初期化コマンドに含まれる機種・型式IDを参照して、主制御装置110が対応する機種・型式と、音声ランプ制御装置113が対応する機種・型式と一致するか否かを判断する。そして、一致する場合には、音声ランプ制御装置113と接続された表示制御装置114に対して、その機種・型式IDを通知する。表示制御装置114では、その通知された機種・型式IDに基づいて、主制御装置110が対応する機種・型式と、表示制御装置114が対応する機種・型式とが一致するか否かを判断する。そして、一致する場合に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に対応する機種・型式の機種名および型式名を表示する。
これにより、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、すべて同一の機種・型式に対応したものが接続されていた場合に限り、第3図柄表示装置81にその機種名および型式名が表示されるので、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
次に、図16を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図16は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS801〜S805の各処理が実行され、その残余時間でS808,S809のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図10参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S801)。
具体的には、タイマ割込処理(図10参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図13参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンドや、大開放口65aを開閉動作させている場合に第3図柄表示装置81に各種画面を表示させるのに必要な告知コマンドA、告知コマンドB、突確コマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドA、エンディングコマンドB等を、音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S803)、次いで、大当たり状態である場合において、可変入賞装置65の大開放口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S804)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大開放口65aを開放し、大開放口65aの最大開放時間が経過したか、又は大開放口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大開放口65aを閉鎖する。この大開放口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S805)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S806)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S806:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S807)、既に所定時間が経過していれば(S807:Yes)、処理をS801へ移行し、上述したS801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S807:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S808,S809)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S808)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S802の処理と同一の方法によって実行する(S809)。
ここで、S801〜S805の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S806の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S806:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図14のNMI割込処理が実行されたということなので、S810以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S810)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S811)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S812)、RAM203のアクセスを禁止して(S813)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S806の処理は、S801〜S805で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS808とS809の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図17から図20を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図17を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図17は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1018の電源断処理(図18参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S902)。図18を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図18のS1015参照)、S1018の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1018の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S902:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S903)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S906の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S903:Yes)、S904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S903:No)、S908へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S903:Yes)、S904へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S903:No)、S908へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S902:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1018の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S904の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S904)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0F1h」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0F1h」であるか否かを確認し、「0F1h」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0F1h」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S905:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S906)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S905:No)、RAM223の異常を報知して(S907)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S908の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S908)。電源断フラグはS1018の電源断処理の実行前にオンされる(図18のS1017参照)。つまり、電源断フラグは、S1018の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S908:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S909)、RAM223の初期値を設定した後(S910)、割込み許可を設定して(S911)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS904からS906の処理を経由してS908の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S908:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS909をスキップして、処理をS910へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S910)、割込み許可を設定して(S911)、メイン処理へ移行する。
なお、S909のクリア処理をスキップするのは、S904からS906の処理を経由してS908の処理へ至った場合には、S904の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図18を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図18は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回S1001の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1001)、1m秒以上経過していなければ(S1001:No)、S1002〜S1012の処理を行わずにS1013の処理へ移行する。S1001の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1002〜S1012が表示や音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1013の変動表示処理やS1014のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1014の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1013の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1001の処理で1m秒以上経過していれば(S1001:Yes)、まず、S1003〜S1014の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1002)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1009の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1003)、その後電源投入報知処理を実行する(S1004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1005の処理へ移行する。
S1005の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1006)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1007)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1007の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1009)、その後音編集・出力処理を実行する(S1010)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1010の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1011)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1012)、S1013の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1009のランプ編集処理が実行される。なお、S1010の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。また、カウンタ更新処理では、RAM223に設けられた各種カウンタの更新が行われる。
S1013の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドを生成し、生成したコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する(S1013)。この変動表示処理の詳細については、図20を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1014)。このコマンド判定処理の詳細については、図19を参照して後述する。
S1014の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1015)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1015の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1015:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1017)、電源断処理を実行する(S1018)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1019)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1015の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1015:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1016)、RAM223が破壊されていなければ(S1016:No)、S1001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1016:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図19を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1014)について説明する。図19は、このコマンド判定処理(S1014)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1014)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図18参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1101)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1101:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動時間)を抽出して(S1102)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図20参照)において、この記憶された変動パターンに基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1101:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1103)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1103:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S1104)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出して、RAM233に記憶する(S1105)。そして、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1103:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1106)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1106:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S1107)。そして、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2008の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
S1106の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1106:No)、次いで、主制御装置110より初期化コマンドを受信したか否かを判別する(S1108)。そして、初期化コマンドを受信したと判別された場合(S1108:Yes)、初期化コマンドに含まれる機種・型式IDが、ROM222に格納された機種・型式IDと一致するか否かを判別する(S1109)。
ここで、初期化コマンドに含まれる機種・型式IDが、ROM222に格納された機種・型式IDと一致すると判別された場合(S1109:Yes)、その機種・型式IDの情報を含む表示用初期化コマンドを設定し(S1110)、メイン処理へ戻る。一方、初期化コマンドに含まれる機種・型式IDが、ROM222に格納された機種・型式IDと一致しない場合は(S1109:No)、表示用初期化コマンドを設定することなく、メイン処理へ戻る。
表示制御装置114では、表示用初期化コマンドによって通知された機種・型式IDに基づいて、主制御装置110が対応する機種・型式と、表示制御装置114が対応する機種・型式とが一致するか否かを判断する。そして、一致する場合に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に対応する機種・型式の機種名および型式名を表示する。これにより、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、すべて同一の機種・型式に対応したものが接続されていた場合に限り、第3図柄表示装置81にその機種名および型式名が表示されるので、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
S1108の処理の結果、初期化コマンドを受信していないと判別された場合(S1108:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1111)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
主制御装置110より受信した確定コマンドは、このS1111の処理によって、表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用確定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行した第3図柄の変動演出を確定表示させる。また、主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1111の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用デモコマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にてデモ画面を表示させる。
また、音声ランプ制御装置113で対応していないコマンドを受信していた場合は、エラー画面の表示や、通常では実行されない特殊態様での変動演出の実行を第3図柄表示装置81にさせるべく、エラー画面の表示または特殊態様による変動演出の実行を指示するコマンドを、表示制御装置114に対して送信する。
上述した通り、本パチンコ機10では、配線301a,301b,307a,307bによる入出力ポート205,225の各端子とコネクタ302,306の各ピンとの接続組み合わせを、機種・型式毎に異ならせており(図9参照)、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続されると、音声ランプ制御装置113では主制御装置110から送信されたコマンドを、バイト中の各ビットが入れ替わった状態で受信することになる。即ち、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続された場合、音声ランプ制御装置113は、対応していないコマンドを受信することになる。よって、この場合は、S1111の処理によって、第3図柄表示装置81にエラー画面が表示され、又は、特殊態様による変動演出が実行されるので、パチンコ機10の製造時の検査において、互いに異なる機種・型式に対応する主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されていることを、容易に発見できる。
尚、S1111の処理において、音声ランプ制御装置113で対応していないコマンドを受信していた場合は、そのコマンドを無視して何も処理を実行しないようにしてもよい。これにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続され、音声ランプ制御装置113が対応していないコマンドを受信した場合は、第3図柄表示装置81等において何ら表示が行われないので、互いに異なる機種・型式に対応する主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されている可能性があることを容易に発見できる。
次に、図20を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1013)について説明する。図20は、この変動表示処理(S1013)を示したフローチャートである。この変動表示処理(S1013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図18参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを示制御装置114に送信するために設定する処理である。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S1201)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1201:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S1201:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1202)、次いで、コマンド判定処理(図19参照)のS1102の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(変動時間)と、S1105の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S1203)。
そして、RAM223に設けられたカウンタの値と、S1203の処理より取得した変動パターン種別および停止種別とに基づいて、詳細な変動パターンを決定する(S1204)。ここで、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS1204によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
S1204の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1205)。また、S1203の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1206)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S1207)、変動表示処理を終了してメイン処理へ戻る。
次に、図21及び図24を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ236より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図21を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図21は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源が投入された場合に起動され、電源が断されるまで実行され続けるものである。
電源が投入されてMPU231によりメイン処理が実行されると、まず、初期設定処理を実行する(S1301)。具体的には、まず、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM235に記憶された圧縮型式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM234に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、解凍したキャラクタ情報を記憶したビデオRAM234内の領域とは異なるビデオRAM234内の領域に用意されたフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他、初期化に必要な設定を行う。
初期設定処理が完了すると、次いで、割込許可を設定し(S1302)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。そして、S1302の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図22(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図22(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S1401)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図22(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図22(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画および表示を画像コントローラ236に対して指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ236からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ236において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ236に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ236では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
このV割込処理では、図22(b)に示すように、まず、コマンド判定処理(S1501)を実行する。この、コマンド判定処理(S1501)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。コマンド判定処理の詳細については、図23,24を参照して後述する。
コマンド判定処理(S1501)が終了すると、次いで、表示設定処理(S1502)を実行する。表示設定処理(S1502)では、コマンド判定処理(S1501)などによって定められた第3図柄表示装置81に表示すべき画面の種別に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を、具体的に特定する。
表示設定処理(S1502)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S1503)。このタスク処理では、表示設定処理(S1502)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクタ(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクタ(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった、描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、描画処理を実行する(S1504)。この描画処理では、タスク処理(S1503)で決定された、1フレームを構成する各種キャラクタの種別やそれぞれのキャラクタの描画に必要なパラメータを、画像コントローラ236に対して送信する。これにより、画像コントローラ236では、これらの情報に従って、画像の描画処理を実行すると共に、1V前に受信した情報に従って描画した画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを第3図柄表示装置81へ送信する制御を行う。
その後、その他の必要な処理、例えば、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行した後(S1505)、V割込処理を終了する。
次いで、図23を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S1501)の詳細について説明する。図23は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S1601)、未処理の新規コマンドがなければ(S1601:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S1601:Yes)、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S1603)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用初期化コマンドがあるか否かを判定し(S1604)、表示用初期化コマンドがあれば(S1604:Yes)、初期化コマンド処理を実行して(S1605)、S1601の処理に戻る。
ここで、図24を参照して、初期化コマンド処理(S1605)の詳細について説明する。図24は、初期化コマンド処理を示すフローチャートである。この初期化コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用初期化コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用初期化コマンドでは、まず、表示用初期化コマンドに含まれる機種・型式IDがROM232に格納された機種・型式IDと一致するか否かを判定する(S1651)。そして、表示用初期化コマンドに含まれる機種・型式IDが、ROM222に格納された機種・型式IDと一致すると判別された場合(S1651:Yes)、その機種・型式IDが割り振られた機種名および型式名を第3図柄表示装置81に表示させる設定を行って(S1652)、コマンド判定処理に戻る。一方、表示用初期化コマンドに含まれる機種・型式IDが、ROM222に格納された機種・型式IDと一致しない場合は(S1652:No)、S1652の処理をスキップして、メイン処理へ戻る。
これにより、表示用初期化コマンドに含まれる機種・型式IDがROM232に格納された機種・型式IDと一致する場合にのみ、第3図柄表示装置81にその機種名および型式名が表示される。ここで、表示用初期化コマンドは、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から初期化コマンドを受信したときに、その初期化コマンドに含まれる機種・型式IDとROM222に格納された機種・型式IDとが一致する場合、即ち、同一の機種・型式に対応した主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されていた場合に、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ送信されるコマンドである。よって、第3図柄表示装置81に、機種名および型式名が表示されるのは、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、すべて同一の機種・型式に対応したものが接続されていた場合に限られる。従って、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
図23に戻って、コマンド判定処理の説明を続ける。S1604の処理において、表示用初期化コマンドがないと判別されると(S1604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S1606)、表示用確定コマンドがあれば(S1606:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S1607)、S1601の処理へ戻る。確定コマンド処理では、変動演出を確定表示させる確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示させる設定を行う。
S1606の処理において、表示表確定コマンドがないと判別されると(S1606:No)、次いで、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S1608)、表示用デモコマンドがあれば(S1608:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S1609)、S1601の処理へ戻る。デモコマンド処理では、デモ画面を第3図柄表示装置81に表示させる設定を行う。
S1608の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S1608:No)、次いで、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S1610)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S1610:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S1611)、S1601の処理へ戻る。変動パターンコマンド処理では、表示用変動パターンコマンドで示される変動態様、即ち、主制御装置110で決定された変動パターン(変動時間)に基づいて音声ランプ制御装置113にて選定された具体的な変動態様に従って、第3図柄表示装置81に変動演出を実行させる設定を行う。
S1610の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S1610:No)、次いで、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S1612)、表示用停止種別コマンドがあれば(S1612:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S1613)、S1601の処理へ戻る。停止種別コマンド処理では、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出の確定表示において、表示用停止種別コマンドで示される停止種別で確定表示されるように設定を行う。
S1612の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S1612:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S1622)、S1601の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS1601の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S1601:Yes)、再びS1602〜S1622の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S1601〜S1622の処理が繰り返し実行され、S1601の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
以上、説明したように、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置110において、配線301a,301bによる入出力ポート205の各端子とコネクタ302の各ピンとの接続組み合わせを、機種・型式毎に異ならせ、また、音声ランプ制御装置113において、配線307a,307bによる入出力ポート225の各端子とコネクタ306の各ピンとの接続組み合わせを、配線301a,301bによる入出力ポート205の各端子とコネクタ301の各ピンとの接続組み合わせに対応させて、機種・型式毎に異ならせている(図9参照)。
ここで、パチンコ機10では、上述した通り、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114が、すべて同一の機種・型式に対応したものが接続されていた場合に限り、電源投入時に、第3図柄表示装置81にその機種名および型式名が表示されるように構成されている。これにより、パチンコ機10の製造時の検査において、電源投入後に第3図柄表示装置81に機種名および型式名が表示されるか否かによって、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認することができる。
しかしながら、電源投入時に、機種名および型式名が表示されるか否かで、各制御装置が同一の機種・型式に対応した正しい組み合わせのものが接続されているか否かを確認するだけでは、表示が行われた否かを見逃してしまう可能性がある。特に、一の制御装置が別の機種・型式に対応したものであった場合、単に機種名および型式名が表示されないだけであるので、その画面表示の有無の確認を忘れやすい。
また、変動パターンコマンドは、上述した通り、機種・型式毎に演出構成が基本的に同じであるので、異なる機種・型式であっても同じコードが用いられる。よって、従来は、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されても、変動演出が行われてしまう。例えば、機種Aに対応する主制御装置110に、機種Bに対応する主制御装置113を接続した場合について考えると、第1入球口64に入賞があり、主制御装置110にて変動時間「7秒」を決定すると、主制御装置110は、変動パターンコマンド「F110h」を音声ランプ制御装置113に送信する。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド「F110h」を受信すると、変動時間が「5秒」と判断し、5秒間の短変動を第3図柄表示装置81にて実行するように、表示制御装置114に対して指示する。よって、主制御装置110が決定した変動時間とは異なるものの、変動演出そのものは第3図柄表示装置81にて実行される。
よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式のものが接続された場合であっても、従来は、パチンコ機10の製造時の検査において、第1入球口64に球を入れると、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるので、やはり、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式のものが接続されたことを発見しにくい。したがって、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されたパチンコ機10が出荷されてしまうおそれがある。
この対策として、主制御装置110に設けられた音声ランプ制御装置113との接続用のコネクタ302の形状、及び、音声ランプ制御装置113に設けられた主制御装置110との接続用のコネクタ306の形状を、それぞれ機種・型式毎に異ならせることが考えられる。例えば、機種Aでは、コネクタ302及びコネクタ306の形状(ピン配列)を8ピン×1列の形状とし、機種Bでは、コネクタ302及びコネクタ306の形状(ピン配列)を4ピン×2列の形状とすることである。
このようにすれば、例えば、機種Aの主制御装置110と機種Bの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとした場合、または、機種Bの主制御装置110と機種Aの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとした場合は、一方に8ピン×1列形状のコネクタに対応したコネクタを有し、他方に4ピン×2列形状のコネクタに対応したコネクタを有した配線ケーブル304という、本来用いることのない配線ケーブルが必要となる。よって、機種Aの主制御装置110と機種Bの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとした場合、または、機種Bの主制御装置110と機種Aの音声ランプ制御装置113とを誤って接続しようとすることはない。
しかしながら、この場合は、機種・型式毎に形状の異なるコネクタ302,306や、配線ケーブル304、及び、配線パターンの異なる主制御装置110用の基板や音声ランプ制御装置113用の基板を用意しなければならないため、部品の使い回しができない。
これに対し、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置110において、配線301a,301bによる入出力ポート205の各端子とコネクタ302の各ピンとの接続組み合わせを、機種・型式毎に異ならせ、また、音声ランプ制御装置113において、配線307a,307bによる入出力ポート225の各端子とコネクタ306の各ピンとの接続組み合わせを、配線301a,301bによる入出力ポート205の各端子とコネクタ301の各ピンとの接続組み合わせに対応させて、機種・型式毎に異ならせている。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続されると、音声ランプ制御装置113では主制御装置110から送信されたコマンドを、バイト中の各ビットが入れ替わった状態で受信することになり、受信したコマンドを正しく解釈し処理することができない。
よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続された場合は、パチンコ機10の製造時の検査において、第1入球口64に球を入れても、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われないので、容易に、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されていることを発見できる。したがって、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されたパチンコ機10の出荷を確実に抑制できる。
次いで、図25を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。図25(a)は、第2実施形態の機種Aにおける主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成を模式的に示す模式図であり、図25(b)は、第2実施形態の機種Bにおける主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成を模式的に示す模式図である。
上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110において、配線301a,301bによる入出力ポート205の各端子とコネクタ302の各ピンとの接続組み合わせを、機種・型式毎に異ならせ、また、音声ランプ制御装置113において、配線307a,307bによる入出力ポート225の各端子とコネクタ306の各ピンとの接続組み合わせを、配線301a,301bによる入出力ポート205の各端子とコネクタ301の各ピンとの接続組み合わせに対応させて、機種・型式毎に異ならせた。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110における入出力ポート205及びコネクタ302の配線301と、音声ランプ制御装置113における入出力ポート225及びコネクタ306の配線307とは、機種・型式毎に同じとして、配線301による入出力ポート205の各端子とコネクタ302の各ピンとの接続組み合わせと、配線307による入出力ポート225の各端子とコネクタ306の各ピンとの接続組み合わせとを、機種・型式に関わらず同一とする一方、コネクタ302及びコネクタ306に対して、ピンの割り当てを変換する2次コネクタ311a,311b及び2次コネクタ312a,312bを機種・型式毎に用意し、その2次コネクタ311a,311bをコネクタ302に嵌めて設置し、2次コネクタ312a,312bをコネクタ306に嵌めて設置する。
尚、第2実施形態におけるパチンコ機10の構成は、第1実施形態におけるパチンコ機10の構成と、上記の接続部を除いて同一である。また、第2実施形態におけるパチンコ機10の各制御装置110〜114で実行される各種処理は、全て第1実施形態におけるパチンコ機10の各制御装置110〜114で実行される各種処理と同一である。そこで、以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
以下、第2実施形態における主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の具体的な構成について説明する。まず、主制御装置110では、機種A,Bとも、入出力ポート205から延びる配線301はコネクタ302と次のように接続される。即ち、入出力ポート205の第1端子から延びる配線301は、コネクタ302の1番ピンと接続され、入出力ポート205の第2端子から延びる配線301は、コネクタ302の2番ピンと接続され、入出力ポート205の第3端子から延びる配線301は、コネクタ302の3番ピンと接続され、・・・、入出力ポート205の第8端子から延びる配線301は、コネクタ302の8番ピンと接続される。
また、音声ランプ制御装置113では、機種A,Bとも、入出力ポート225から延びる配線307はコネクト306と次のように接続される。即ち、入出力ポート225の第1端子から延びる配線307は、コネクタ306の1番ピンと接続され、入出力ポート225の第2端子から延びる配線307は、コネクタ306の2番ピンと接続され、入出力ポート225の第3端子から延びる配線307は、コネクタ306の3番ピンと接続され、・・・、入出力ポート225の第8端子から延びる配線307は、コネクタ306の8番ピンと接続される。
このように、入出力ポート205に接続されたコネクタ302に対し、第2実施形態では、機種・型式毎にコネクタ302のピンの割り当てを変換する2次コネクタ311a,311bをコネクタ302に嵌めて設置する。また、入出力ポート225に接続されたコネクタ306に対し、第2実施形態では、機種・型式毎にコネクタ306のピンの割り当てを変換する2次コネクタ312a,312bをコネクタ306に嵌めて設置する。
機種Aの主制御装置110のコネクタ302に嵌めて設置される2次コネクタ311aは、コネクタ302のピンの割り当てを以下のように変換する。即ち、コネクタ302の1番ピンを2次コネクタ311aの1番ピンとし、コネクタ302の2番ピン311aを2次コネクタの2番ピンとし、コネクタ302の3番ピンを2次コネクタ311aの3番ピンとし、・・・、コネクタ302の8番ピンを2次コネクタ311aの8番ピンとする。これにより、入出力ポート205の第1端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311aの1番ピンから出力され、入出力ポート205の第2端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311aの2番ピンから出力され、入出力ポート205の第3端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311aの3番ピンから出力され、・・・、入出力ポート205の第8端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311aの8番ピンから出力される。
また、機種Aの音声ランプ制御装置113のコネクタ306に嵌めて設置される2次コネクタ312aは、主制御装置110の2次コネクタ311aによるピンの割り当ての変換に対応して、コネクタ306のピンの割り当てを以下のように変換する。即ち、コネクタ306の1番ピンを2次コネクタ312aの1番ピンとし、コネクタ302の2番ピンを2次コネクタ312aの2番ピンとし、コネクタ302の3番ピンを2次コネクタ312aの3番ピンとし、・・・、コネクタ302の8番ピンを2次コネクタ312aの8番ピンとする。これにより、2次コネクタ312aの1番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第1端子へ入力され、2次コネクタ312aの2番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第2端子へ入力され、2次コネクタ312aの3番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第3端子へ入力され、・・・、2次コネクタ312aの8番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第8端子へ入力される。
そして、第2実施形態において、機種Aでは、主制御装置110の2次コネクタ311aと、音声ランプ制御装置113の2次コネクタ312aとが、配線ケーブル304によって接続される。
一方、機種Bの主制御装置110のコネクタ302に嵌めて設置される2次コネクタ311bは、コネクタ302のピンの割り当てを、以下のように変換する。即ち、コネクタ302の1番ピンを2次コネクタ311bの8番ピンとし、コネクタ302の2番ピン311bを2次コネクタの7番ピンとし、コネクタ302の3番ピンを2次コネクタ311bの6番ピンとし、・・・、コネクタ302の8番ピンを2次コネクタ311bの1番ピンとする。これにより、入出力ポート205の第1端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311bの8番ピンから出力され、入出力ポート205の第2端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311bの7番ピンから出力され、入出力ポート205の第3端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311bの6番ピンから出力され、・・・、入出力ポート205の第8端子から出力されたビットデータは、2次コネクタ311bの1番ピンから出力される。
また、機種Bの音声ランプ制御装置113のコネクタ306に嵌めて設置される2次コネクタ312bは、主制御装置110の2次コネクタ311bによるピンの割り当ての変換に対応して、コネクタ306のピンの割り当てを以下のように変換する。即ち、コネクタ306の1番ピンを2次コネクタ312bの8番ピンとし、コネクタ302の2番ピンを2次コネクタ312bの7番ピンとし、コネクタ302の3番ピンを2次コネクタ312bの6番ピンとし、・・・、コネクタ302の8番ピンを2次コネクタ312bの1番ピンとする。これにより、2次コネクタ312bの1番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第8端子へ入力され、2次コネクタ312bの2番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第7端子へ入力され、2次コネクタ312bの3番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第6端子へ入力され、・・・、2次コネクタ312bの8番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第1端子へ入力される。
そして、第2実施形態において、機種Bでは、主制御装置110の2次コネクタ311bと、音声ランプ制御装置113の2次コネクタ312bとが、配線ケーブル304によって接続される。
このように、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部を構成することにより、第1実施形態と同様に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続されると、音声ランプ制御装置113では主制御装置110から送信されたコマンドを、バイト中の各ビットが入れ替わった状態で受信することになり、受信したコマンドを正しく解釈し処理することができない。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続された場合は、パチンコ機10の製造時の検査において、第1入球口64に球を入れても、第3図柄表示装置81にて通常の変動演出が行われないので、容易に、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されていることを発見できる。
一方で、コネクタ302,306や配線ケーブル304は、機種・型式によらず同一のものを使用できるので、それらを機種・型式によらず使い回しすることができる。更に、本実施形態では、第1実施形態のように、主制御装置110の入出力ポート205の各端子とコネクタ302の各ピンとを接続する配線301における接続組み合わせや、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225の各端子とコネクタ306の各ピンとを接続する配線307における接続組み合わせを、機種・型式によって異ならせる必要がなく、配線301,307を機種・型式によらず基板上に形成できる。よって、主制御装置110を構成する基板や音声ランプ制御装置113を構成する基板も、機種・型式によらずに使い回すことができる。よって、各部品の使い回しを可能にしつつ、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されたパチンコ機10の出荷を確実に抑制できる。
尚、2次コネクタ311a,311bはコネクタ302にネジ止めし、また、嵌め込んだ後に2次コネクタ311a,311bがコネクタ302から取り外せない状態とする嵌め殺しにされているのがよく、2次コネクタ312a,312bはコネクタ306にネジ止めし、また、嵌め込んだ後に2次コネクタ312a,312bがコネクタ306から取り外せない状態とする嵌め殺しにされているのがよい。これにより、組み立て作業中に、2次コネクタ311a、311b,312a,312bがコネクタ302,306から外れ、外れたまま配線ケーブルを取り付けたり、誤った機種・型式に対応する2次コネクタ311a,311b,312a,312bをコネクタ302,306に取り付けたりすることを防止できる。
また、2次コネクタ311a,311b,312a,312bは、基板の作成工程でコネクタ302,306に嵌め込まれるようにし、2次コネクタ311a,311b,312a,312bがコネクタ302,306に嵌め込まれた状態で、基板を完成させるようにするのがよい。パチンコ機10を組み立てる場合、多くの部品が用いられるので、使用する部品を誤りやすい。一方、基板の作成工程では、使用する部品が限られ、また、1のラインで製造する基板も原則1種類に限られる場合が多いので、使用する部品を間違える頻度は少ない。よって、2次コネクタ311a,311b,312a,312bがコネクタ302,306に嵌め込まれた状態で、基板を完成させることによって、多くの部品と共に各基板を取り付けてパチンコ機10を組み立てる際に、誤った機種・型式に対応する2次コネクタ311a,311b,312a,312bがコネクタ302,306に取り付けられることを抑制できる。
また、2次コネクタ311a,311b,312a,312bは、機種・型式毎に、色や外観形状が異なっているとよい。これにより、2次コネクタ311a,311b,312a,312bの色や外観形状から、その2次コネクタ311a,311b,312a,312bがどの機種・型式に対応したものかを容易に判断できる。よって、一の機種・型式に対応したROM202,222が搭載された基板のコネクタ302,306に、異なる機種・型式の2次コネクタ311a,311b,312a,312bが嵌め込まれるのを抑制できる。また、パチンコ機10の組み立ての際に、その2次コネクタ311a,311b,312a,312bの色や外観形状から、どの機種・型式に対応した基板であるかを容易に判断できるので、誤った機種・型式に対応した基板を有する主制御装置110や音声ランプ制御装置113を取り付けてしまうミスを抑制できる。
また、主制御装置110に取り付けられる2次コネクタ311a,311bの色や外見形状と、音声ランプ制御装置113に取り付けられる2次コネクタ312a,312bの色や外見形状とが、機種・型式毎に統一されてもよい。これにより、パチンコ機10の組み立ての際に、同一の色や外観形状を有する2次コネクタ311a,311b,312a,312bが取り付けられた基板を有する主制御装置110と音声ランプ制御装置113とを組み合わせてパチンコ機10に取り付ければ、異なった機種・型式に対応した主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されて取り付けられることを抑制することができる。
尚、図25の例では、機種A、機種B共に2次コネクタを取り付ける場合について説明したが、1機種については2次コネクタを取り付けなくてもよい。例えば、図25の例でいえば、機種Aは2次コネクタをあえて取り付ける必要はない。1機種については2次コネクタを非取り付けとすることにより、その機種における製造コストの増加を抑制できる。
また、2次コネクタによる変換後のピンの割り当てが、機種・型式毎に異なっていればよく、必ずしも図25(a),(b)に図示した組み合わせとする必要はない。
次いで、図26を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。図26(a)は、第3実施形態の機種Aにおける主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成を模式的に示す模式図であり、図26(b)は、第3実施形態の機種Bにおける主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の構成を模式的に示す模式図である。
上述の第2実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のコネクタ302及び音声ランプ制御装置113のコネクタ306に対して、それぞれ、ピンの割り当てを変換する2次コネクタ311a,311b及び2次コネクタ312a,312bを機種・型式毎に用意し、その2次コネクタ311a,311bをコネクタ302に嵌めて設置し、2次コネクタ312a,312bをコネクタ306に嵌めて設置した。
これに対し、第3実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のコネクタ302a,302bにおいて、入出力ポート205から入力されたデータの各ビットと、コネクタ302a,302bの各ピンとの接続組み合わせ(結線パターン)を、機種・型式毎に異ならせ、また、音声ランプ制御装置113のコネクタ306a,306bにおいて、入出力ポート205から入力されたデータの各ビットと、コネクタ302a,302bの各ピンとの接続組み合わせ(結線パターン)を、機種・型式毎に異ならせている。
尚、第3実施形態におけるパチンコ機10の構成は、第1実施形態や第2実施形態におけるパチンコ機10の構成と、上記の接続部を除いて同一である。また、第3実施形態におけるパチンコ機10の各制御装置110〜114で実行される各種処理は、全て第1実施形態や第2実施形態におけるパチンコ機10の各制御装置110〜114で実行される各種処理と同一である。そこで、以下の説明では、第1実施形態、第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
以下、第3実施形態における主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部の具体的な構成について説明する。まず、主制御装置110では、機種A,Bとも、入出力ポート205から延びる配線301はコネクタ302a,302bと次のように接続される。即ち、入出力ポート205の第1端子から延びる配線301は、コネクタ302a,302bの第1入力端子と接続され、入出力ポート205の第2端子から延びる配線301は、コネクタ302a,302bの第2入力端子と接続され、入出力ポート205の第3端子から延びる配線301は、コネクタ302a,302bの第3入力端子と接続され、・・・、入出力ポート205の第8端子から延びる配線301は、コネクタ302a,302bの第8入力端子と接続される。
また、音声ランプ制御装置113では、機種A,Bとも、入出力ポート225から延びる配線307はコネクト306a,306bと次のように接続される。即ち、入出力ポート225の第1端子から延びる配線307は、コネクタ306a,306bの第1出力端子と接続され、入出力ポート225の第2端子から延びる配線307は、コネクタ306a,306bの第2出力端子と接続され、入出力ポート225の第3端子から延びる配線307は、コネクタ306a,306bの第3出力端子と接続され、・・・、入出力ポート225の第8端子から延びる配線307は、コネクタ306a,306bの第8出力端子と接続される。
一方、機種Aのコネクタ302aは、コネクタ302aの各入力端子と各ピンとの結線パターンを以下のようにしている。即ち、コネクタ302aにおいて、第1入力端子と1番ピンとを結線し、第2入力端子と2番ピンとを結線し、第3入力端子と3番ピンとを結線し、・・・、第8入力端子と8番ピンとを結線する。これにより、入出力ポート205の第1端子から出力されたビットデータは、コネクタ302aの1番ピンから出力され、入出力ポート205の第2端子から出力されたビットデータは、コネクタ302aの2番ピンから出力され、入出力ポート205の第3端子から出力されたビットデータは、コネクタ302aの3番ピンから出力され、・・・、入出力ポート205の第8端子から出力されたビットデータは、コネクタ302aの8番ピンから出力される。
また、機種Aのコネクタ306aは、コネクタ306aの各出力端子と各ピンとの結線パターンを、主制御装置110のコネクタ302aにおける各出力端子と各ピントの結線パターンに対応して、以下のようにしている。即ち、コネクタ306aにおいて、第1出力端子と1番ピンとを結線し、第2出力端子と2番ピンとを結線し、第3出力端子と3番ピンとを結線し、・・・、第8出力端子と8番ピンとを結線する。これにより、コネクタ306aの1番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第1端子へ入力され、コネクタ306aの2番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第2端子へ入力され、コネクタ306aの3番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第3端子へ入力され、・・・、コネクタ306aの8番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第8端子へ入力される。
これに対し、機種Bのコネクタ302bは、コネクタ302bの各入力端子と各ピンとの結線パターンを以下のようにしている。即ち、コネクタ302bにおいて、第1入力端子と8番ピンとを結線し、第2入力端子と7番ピンとを結線し、第3入力端子と6番ピンとを結線し、・・・、第8入力端子と1番ピンとを結線する。これにより、入出力ポート225の第1端子から出力されたビットデータは、コネクタ302bの8番ピンから出力され、入出力ポート205の第2端子から出力されたビットデータは、コネクタ302bの7番ピンから出力され、入出力ポート225の第3端子から出力されたビットデータは、コネクタ302bの6番ピンから出力され、・・・、入出力ポート225の第8端子から出力されたビットデータは、コネクタ302bの1番ピンから出力される。
また、機種Bのコネクタ306bは、コネクタ306bの各出力端子と各ピンとの結線パターンを、主制御装置110のコネクタ302bにおける各出力端子と各ピントの結線パターンに対応して、以下のようにしている。即ち、コネクタ306bにおいて、第1出力端子と8番ピンとを結線し、第2出力端子と8番ピンとを結線し、第3出力端子と3番ピンとを結線し、・・・、第8出力端子と1番ピンとを結線する。これにより、コネクタ306aの1番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第8端子へ入力され、コネクタ306aの2番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第7端子へ入力され、コネクタ306aの3番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第6端子へ入力され、・・・、コネクタ306aの8番ピンに入力されたデータは、入出力ポート225の第1端子へ入力される。
このように、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部を構成することにより、第1実施形態や第2実施形態と同様に、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続されると、音声ランプ制御装置113では主制御装置110から送信されたコマンドを、バイト中の各ビットが入れ替わった状態で受信することになり、受信したコマンドを正しく解釈し処理することができない。よって、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで異なる機種・型式に対応するものが接続された場合は、パチンコ機10の製造時の検査において、第1入球口64に球を入れても、第3図柄表示装置81にて通常の変動演出が行われないので、容易に、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されていることを発見できる。
一方で、配線ケーブル304は、機種・型式によらず同一のものを使用できるので、それらを機種・型式によらず使い回しすることができる。また、第2実施形態のように、主制御装置110の入出力ポート205の各端子とコネクタ302a,302bの各ピンとを接続する配線301における接続組み合わせや、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225の各端子とコネクタ306a,306bの各ピンとを接続する配線307における接続組み合わせを、機種・型式によって異ならせる必要がなく、配線301,307を機種・型式によらず基板上に形成できる。よって、主制御装置110を構成する基板や音声ランプ制御装置113を構成する基板も、機種・型式によらずに使い回すことができる。よって、各部品の使い回しを可能にしつつ、異なる機種・型式の主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されたパチンコ機10の出荷を確実に抑制できる。
また、この第3実施形態では、第2実施形態と異なり、コネクタ302a,302b,306a,306bの中で、機種・型式毎に異なった配線組み合わせ(結線パターン)を持たせているので、基板作成工程において、機種・型式に合ったコネクタ302a,302b,306a,306bを基板に取り付ければよい。よって、部品点数が少なくなり、また、基板作成工程も増加しないので、製造に係るコストを抑えることができる。
尚、コネクタ302a,302b,306a,306bは、機種・型式毎に、色や外観形状が異なっているとよい。これにより、コネクタ302a,302b,306a,306bの色や外観形状から、そのコネクタ302a,302b,306a,306bがどの機種・型式に対応したものかを容易に判断できる。よって、一の機種・型式に対応したROM202,222が搭載された基板に、異なる機種・型式のコネクタ302a,302b,306a,306bが取り付けられるのを抑制できる。また、パチンコ機10の組み立ての際に、そのコネクタ302a,302b,306a,306bの色や外観形状から、どの機種・型式に対応した基板であるかを容易に判断できるので、誤った機種・型式に対応した基板を有する主制御装置110や音声ランプ制御装置113を取り付けてしまうミスを抑制できる。
また、主制御装置110に取り付けられるコネクタ302a,302bの色や外見形状と、音声ランプ制御装置113に取り付けられるコネクタ306a,306bの色や外見形状とが、機種・型式毎に統一されてもよい。これにより、パチンコ機10の組み立ての際に、同一の色や外観形状を有するコネクタ302a,302b,306a,306bが取り付けられた基板を有する主制御装置110と音声ランプ制御装置113とを組み合わせてパチンコ機10に取り付ければ、異なった機種・型式に対応した主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されて取り付けられることを抑制することができる。
また、コネクタ内の結線パターンは、機種・型式毎に異なっていればよく、必ずしも図26(a),(b)に図示した結線パターンとする必要はない。
尚、上記実施形態に記載の各種コマンドが、特許請求の範囲に記載の「遊技制御指令」に対応し、上記実施形態に記載のROM202に格納された制御プログラムや固定値データが、特許請求の範囲に記載の「制御用データ」に対応し、上記実施形態に記載の第3図柄の変動演出が、特許請求の範囲に記載の「識別情報の変動演出」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、主制御装置110に設けられたコネクタ302(302a,302b)、及び、音声ランプ制御装置113に設けられたコネクタ306(306a,306b)が、1バイト(8ビット)のデータを送受信するものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、コネクタ302,306は複数ビットの任意のデータ長のデータ、例えば、16ビットのデータを送受信可能なものであってもよい。この場合についても、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部について、上述した構成を適用でき、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施形態では、主制御装置110に設けられたコネクタ302(302a,302b)のピンの配列、及び、音声ランプ制御装置113に設けられたコネクタ306(306a,306b)のピンの配列が、8ピン×1列の場合について記載したが、各コネクタ302,306のピンの配列は任意のものであってもよい。例えば、各コネクタ302,306のピンの配列が4ピン×2列のものであってもよい。即ち、第1実施形態では、4ピン×2列の各コネクタ302,306における各ピンと、入出力ポート205,225の各端子との配線301,307による接続組み合わせを、機種・型式毎に異ならせてもよい。また、第2実施形態では、4ピン×2列の各コネクタ302,306に対して、ピンの割り当てを変換する2次コネクタ311a,311b,312a,312bを機種・型式毎に用意し、一の機種・型式に対応する2次コネクタ311a,311b,312a,312bを各コネクタ302,306に嵌め込んで、その機種・型式の主制御装置110の基板および音声ランプ制御装置113の基板を構成してもよい。また、第3実施形態では、4ピン×2列の各コネクタ302a、302b,306a,306bの中で、各入力端子または各出力端子と各ピンとの接続組み合わせ(結線パターン)が機種・型式毎に異ならせ、一の機種・型式に対応したコネクタ302a、302b,306a,306bを基板に取り付けて、その機種・型式の主制御装置110の基板および音声ランプ制御装置113の基板を構成してもよい。これにより、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記各実施形態では、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との接続部について、上述した構成をなす場合について説明したが、これは一例であり、主制御装置110と他のサブ制御装置との接続部について、上述した構成を適用してもよい。例えば、主制御装置110と払出制御装置112との接続部について、上述した構成を適用してもよい。これにより、主制御装置110に対して、異なる機種・型式に対応したサブ制御装置(例えば、払出制御装置112)が接続された場合、払出制御装置112は、主制御装置110から送信されるコマンドを正しく解釈して処理できないので、出荷前のチェック時に、異なる機種・型式の主制御装置110とサブ制御装置とが接続されていることを発見できる。したがって、異なる機種・型式の主制御装置110とサブ制御装置とが接続されたパチンコ機10の出荷を確実に抑制できる。
また、主制御装置110と他のサブ制御装置との接続部だけでなく、一のサブ制御装置とその一のサブ制御装置と接続される他のサブ制御装置との接続部、例えば、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との接続部について、上述した構成を適用してもよい。これにより、音声ランプ制御装置113に対して、異なる機種・型式に対応した表示制御装置114が接続された場合、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドを正しく解釈して処理できないので、出荷前のチェック時に、異なる機種・型式の音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とが接続されていることを発見できる。したがって、異なる機種・型式の音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とが接続されたパチンコ機10の出荷を確実に抑制できる。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。この場合、主制御装置110と表示制御装置114との接続部について、上述した構成を適用してもよい。また、表示制御装置114と音声ランプ制御装置113との接続部について、上述した構成を適用してもよい。
さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて、各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる画像を制御してもよい。この場合、主制御装置110と、その1つの制御装置との接続部について、上述の構成を適用してもよい。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす(図20のS1207参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図11参照)において、変動開始処理(S207)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図11のS205参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの遊技制御指令に基づいて動作する従制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、複数の前記遊技制御指令と前記遊技機の仕様に対応した制御用データとを記憶する記憶手段と、遊技の状況に応じて前記記憶手段に記憶された複数の遊技制御指令の中から前記従制御手段に対して送信する一の遊技制御指令を選択する選択手段と、その選択手段により選択された前記遊技制御指令の少なくとも一部を複数ビットのデータとして同時に出力する出力手段と、その出力手段により出力された複数ビットのデータに対してビットの並べ変えを予め決められた規則で行う並べ変え手段と、その並べ変え手段によりビットの並べ変えが行われたデータを前記従制御手段へ送信する送信手段と、を備え、前記並べ変え手段は、前記記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられた並べ変え手段とは異なる規則で、前記ビットの並べ変えを行うことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、主制御基板によって遊技の制御が行われ、また、その主制御手段からの遊技制御指令に基づいて従制御手段が動作するものであり、主制御手段は、複数の遊技制御指令と遊技機の仕様に対応した制御用データとを記憶する記憶手段を有している。そして、主制御手段は、選択手段によって、遊技の状況に応じて記憶手段に記憶された複数の遊技制御指令の中から従制御手段に対して送信する一の遊技制御指令を選択し、その選択手段により選択された遊技制御指令の少なくとも一部を、出力手段によって複数ビットのデータとして同時に出力する。このとき、出力手段により出力された複数ビットのデータに対し、並べ変え手段によってビットの並べ変えが予め決められた規則で行われ、そのビットの並べ変えが行われたデータが、送信手段によって従制御手段へ送信される。ここで、並べ変え手段は、該遊技機の記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられた並べ変え手段とは異なる規則で、ビットの並べ変えを行う。よって、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が遊技機に取り付けられた場合、そのビットの並べ変えが異なった規則で行われるので、従制御手段では正しく遊技制御指令を解釈し動作することができない。よって、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合、遊技機は明らかに通常とは異なる動作を行うので、少なくとも主制御手段と従制御手段とが異なった仕様に対応するものであることを容易に発見することができる。また、並べ変え手段を設けることによって、主制御手段と従制御手段とを接続する接続ケーブルは、仕様によって異ならせる必要がない。よって、少なくとも接続ケーブルを使い回しできる。従って、このような部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機A1において、前記従制御手段は、前記主制御手段より送信されたデータを受信する受信手段と、その受信手段により受信されたデータを、前記従制御手段と接続されるべき主制御手段に設けられた前記並べ替え手段による並べ替えの規則に基づいて再度並べ変える再並べ変え手段と、その再並べ変え手段により並べ変えられたデータを入力する入力手段と、その入力手段に入力されたデータに基づいて前記遊技制御指令を解釈し、動作する動作手段と、を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、従制御手段は、主制御手段より送信されたデータを受信手段により受信すると、その受信手段により受信されたデータは、再並べ変え手段により、従制御手段と接続されるべき主制御手段に設けられた並べ替え手段による並べ替えの規則に基づいて再度並べ変えられる。そして、その再並べ変え手段により並べ変えられたデータが入力手段に入力され、動作手段は、その入力手段に入力されたデータに基づいて遊技制御指令を解釈し動作する。これにより、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が遊技機に取り付けられた場合、再並べ変え手段は、異なって接続された主制御手段の並べ変え手段と異なる規則で再度並べ変えを行うので、正常にデータの並べ変えを行うことができない。よって、従制御手段では、動作手段において、従制御手段では正しく遊技制御指令を解釈し動作することができない。よって、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合、遊技機は明らかに通常とは異なる動作を行うので、少なくとも主制御手段と従制御手段とが異なった仕様に対応するものであることを容易に発見することができる。また、従制御手段は、再並べ変え手段を設けることによって、主制御手段と従制御手段とを接続する接続ケーブルを、仕様によって異ならせる必要がない。よって、少なくとも接続ケーブルを使い回しできる。従って、このような部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機A2において、前記動作手段は、前記再並べ変え手段により並び変えられ前記入力手段に入力されたデータに基づいて解釈された遊技制御指令が仕様によって定義されていない異常なものであった場合、その異常を報知するように動作することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動作手段は、再並べ変え手段により並べ変えられて入力手段に入力されたデータに基づいて解釈された遊技制御指令が仕様によって定義されていない異常なものであった場合、その異常を報知するように動作するよう構成されている。ここで、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合、再並べ変え手段では正常にデータの並べ変えを行うことができない。よって、この場合は、動作手段において、その異常に並べ変えられたデータに基づいて解釈された遊技制御指令が異常であると判断されるので、その異常を報知させることができる。よって、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合、その異常の報知によって、少なくとも主制御手段と従制御手段とが異なった仕様に対応するものであることを容易に発見することができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において、前記遊技機は、識別情報の動的表示を実行する表示手段を備え、前記従制御手段は、前記主制御手段からの遊技制御指令に基づいて、前記表示手段に前記識別情報の動的表示を実行させるものであり、前記動作手段は、前記再並べ変え手段により並び変えられ前記入力手段に入力されたデータに基づいて解釈された遊技制御指令が仕様によって定義されていない異常なものであった場合、通常時とは異なる態様で前記表示手段に前記識別情報の動的表示を実行させることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動作手段は、再並べ変え手段により並び変えられて入力手段に入力されたデータに基づいて解釈された遊技制御指令が仕様によって定義されていない異常なものであった場合、通常時とは異なる態様で表示手段に識別情報の動的表示を実行させるように構成されている。ここで、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合、再並べ変え手段では正常にデータの並べ変えを行うことができない。よって、この場合は、動作手段において、その異常に並べ変えられたデータに基づいて解釈された遊技制御指令が異常であると判断されるので、表示手段に対し、通常時とは異なる態様で識別情報の動的表示を行わせることができる。よって、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合、その通常時とは異なる態様の識別情報の動的表示によって、少なくとも主制御手段と従制御手段とが異なった仕様に対応するものであることを容易に発見することができるという効果がある。
遊技機A1〜A4のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記複数ビットのデータを同時に出力する出力端子を有し、前記送信手段は、前記ビットの並べ変えが行われたデータを入力する入力端子を有しており、前記並べ変え手段は、前記出力手段の出力端子と前記送信手段の入力端子とをビット毎に接続する配線によって構成され、前記出力手段の出力端子と前記送信手段の入力端子とを接続するビットの組み合わせによって並べ変えの規則が決められており、その組み合わせが、前記記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられた並べ変え手段とは異なることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1〜A4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、並べ変え手段は、出力手段の出力端子と送信手段の入力端子とをビット毎に接続する配線によって構成され、出力手段の出力端子と送信手段の入力端子とを接続するビットの組み合わせによって並べ変えの規則が決められており、その組み合わせが、記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられた並べ変え手段とは異なるように構成されている。よって、この並べ変え手段を設けることによって、主制御手段と従制御手段とを接続する接続ケーブルだけでなく、送信手段や出力手段も、仕様によって異ならせる必要がない。従って、より多くの部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機A2〜A4,B1のいずれかにおいて、前記受信手段は、前記受信したデータを出力する第2出力端子を有し、前記入力手段は、前記再度並べ変え手段により並べ変えられたデータを入力する第2入力端子を有しており、前記再並べ変え手段は、前記受信手段の第2出力端子と前記入力手段の第2入力端子とをビット毎に接続する配線によって構成され、前記受信手段の第2出力端子と前記入力手段の第2入力端子とを接続するビットの組み合わせによって、前記従制御手段と接続されるべき主制御手段に設けられた前記並べ替え手段による並べ替えの規則に基づいて再度並べ変えを行うことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機A2〜A4,B1のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、再並べ変え手段は、受信手段の第2出力端子と入力手段の第2入力端子とをビット毎に接続する配線によって構成され、受信手段の第2出力端子と入力手段の第2入力端子とを接続するビットの組み合わせによって、従制御手段と接続されるべき主制御手段に設けられた並べ替え手段による並べ替えの規則に基づいて再度並べ変えを行うように構成されている。よって、この再並べ変え手段を設けることによって、主制御手段と従制御手段とを接続する接続ケーブルだけでなく、受信手段や入力手段も、仕様によって異ならせる必要がない。従って、より多くの部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機A1〜A4のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記主制御手段に取り付けられたコネクタにより構成され、前記並べ変え手段および前記送信手段は、前記コネクタに対して嵌め込み可能に形成された2次コネクタにより構成され、該2次コネクタを介して前記従制御手段と接続されることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1〜A4のいずれかの奏する効果に加え、出力手段は、主制御手段に取り付けられたコネクタにより構成され、並べ変え手段および送信手段は、コネクタに対して嵌め込み可能に形成された2次コネクタにより構成され、該2次コネクタを介して従制御手段と接続されるので、主制御手段と従制御手段とを接続する接続ケーブルだけでなく、出力手段も仕様によって異ならせる必要がない。従って、より多くの部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機A1〜A4,C1のいずれかにおいて、前記入力手段は、前記従制御手段に取り付けられた第2コネクタにより構成され、前記受信手段および前記再並べ変え手段は、前記第2コネクタに対して嵌め込み可能に形成された第2の2次コネクタにより構成され、該第2の2次コネクタを介して前記主制御手段と接続されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機A1〜A4,C1のいずれかの奏する効果に加え、入力手段は、従制御手段に取り付けられた第2コネクタにより構成され、受信手段および再並べ変え手段は、第2コネクタに対して嵌め込み可能に形成された第2の2次コネクタにより構成され、該第2の2次コネクタを介して前記主制御手段と接続されるので、主制御手段と従制御手段とを接続する接続ケーブルだけでなく、入力手段も、仕様によって異ならせる必要がない。従って、より多くの部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記2次コネクタは、前記コネクタに嵌め込まれた後に該コネクタに対してネジ締めされ、又は、前記コネクタから取り外し不能に該コネクタに嵌め込まれることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、2次コネクタは、コネクタに嵌め込まれた後に該コネクタに対してネジ締めされ、又は、コネクタから取り外し不能に該コネクタに嵌め込まれるので、組み立て作業中に、2次コネクタがコネクタから外れ、外れたまま配線ケーブルを取り付けたり、一の仕様に対応する主制御手段に対して、別の仕様に対応する2次コネクタをコネクタに取り付けたりすることを防止できるという効果がある。
遊技機C2において、前記第2の2次コネクタは、前記第2コネクタに嵌め込まれた後に該第2コネクタに対してネジ締めされ、又は、前記第2コネクタから取り外し不能に該第2コネクタに嵌め込まれることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、第2の2次コネクタは、第2コネクタに嵌め込まれた後に該第2コネクタに対してネジ締めされ、又は、第2コネクタから取り外し不能に該第2コネクタに嵌め込まれるので、組み立て作業中に、第2の2次コネクタがコネクタから外れ、外れたまま配線ケーブルを取り付けたり、一の仕様に対応する従制御手段に対して、別の仕様に対応する第2の2次コネクタをコネクタに取り付けたりすることを防止できるという効果がある。
遊技機C1〜C3のいずれかにおいて、前記2次コネクタは、前記記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられた2次コネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1〜C3のいずれかの奏する効果に加え、2次コネクタは、記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられた2次コネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有するので、2次コネクタの色や外観形状から、その2次コネクタがどの仕様の遊技機に対応したものかを容易に判断できる。よって、一の仕様に対応した主制御手段に、異なる仕様に対応した2次コネクタが嵌め込まれるのを抑制できるという効果がある。また、遊技機の組み立ての際に、その2次コネクタの色や外観形状から、どの仕様に対応した主制御手段であるかを容易に判断できるので、誤った仕様に対応した主制御手段を取り付けてしまうミスを抑制できるという効果がある。
遊技機C2又はC4において、前記第2の2次コネクタは、前記記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の従制御手段に設けられた第2の2次コネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有することを特徴とする遊技機C6。
遊技機C5によれば、遊技機C1〜C3のいずれかの奏する効果に加え、第2の2次コネクタは、記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の従制御手段に設けられた第2の2次コネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有するので、第2の2次コネクタの色や外観形状から、その第2の2次コネクタがどの仕様の遊技機に対応したものかを容易に判断できる。よって、一の仕様に対応した従制御手段に、異なる仕様に対応した第2の2次コネクタが嵌め込まれるのを抑制できるという効果がある。また、遊技機の組み立ての際に、その第2の2次コネクタの色や外観形状から、どの仕様に対応した従制御手段であるかを容易に判断できるので、誤った仕様に対応した従制御手段を取り付けてしまうミスを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A4のいずれかにおいて、前記出力手段、前記並べ変え手段および前記送信手段は、前記主制御手段に取り付けられた1つのコネクタにより構成され、該コネクタを介して前記従制御手段と接続されることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1〜A4のいずれかの奏する効果に加え、出力手段、並べ変え手段および送信手段は、主制御手段に取り付けられた1つのコネクタにより構成され、該コネクタを介して前記従制御手段と接続されるので、そのコネクタを主制御手段に取り付けるだけで、多くの部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機A1〜A4,D1のいずれかにおいて、前記受信手段、前記再並べ変え手段および前記入力手段は、前記従制御手段に取り付けられた1つの第2コネクタにより構成され、該第2コネクタを介して前記主制御手段と接続されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機A1〜D4,D1のいずれかの奏する効果に加え、受信手段、再並べ変え手段および入力手段は、従制御手段に取り付けられた1つの第2コネクタにより構成され、該第2コネクタを介して主制御手段と接続されるので、そのコネクタを従制御手段に取り付けるだけで、多くの部品の使い回しを容易としつつ、従制御手段が対応する仕様とは異なる仕様の制御用データが記憶された記憶手段を有する主制御手段が誤って遊技機に取り付けられた場合に、そのことを容易に発見できるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記コネクタは、前記記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられたコネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有することを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、コネクタは、記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の主制御手段に設けられたコネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有するので、コネクタの色や外観形状から、そのコネクタがどの仕様の遊技機に対応したものかを容易に判断できる。よって、一の仕様に対応した主制御手段に、異なる仕様に対応したコネクタが取り付けられるのを抑制できるという効果がある。また、遊技機の組み立ての際に、そのコネクタの色や外観形状から、どの仕様に対応した主制御手段であるかを容易に判断できるので、誤った仕様に対応した主制御手段を取り付けてしまうミスを抑制できるという効果がある。
遊技機D2において、前記第2コネクタは、前記記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の従制御手段に設けられた第2コネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有することを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第2コネクタは、記憶手段に記憶された制御用データとは異なる制御用データが記憶された遊技機の従制御手段に設けられた第2コネクタとは異なる色が付され、又は、異なる外観形状を有するので、第2コネクタの色や外観形状から、その第2コネクタがどの仕様の遊技機に対応したものかを容易に判断できる。よって、一の仕様に対応した従制御手段に、異なる仕様に対応した第2コネクタが取り付けられるのを抑制できるという効果がある。また、遊技機の組み立ての際に、その第2コネクタの色や外観形状から、どの仕様に対応した従制御手段であるかを容易に判断できるので、誤った仕様に対応した従制御手段を取り付けてしまうミスを抑制できるという効果がある。
遊技機A1〜A4,B1,B2,C1〜C6,D1〜D4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機E1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA4、B1、B2、C1、C2、D1、D2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機E2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大開放口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA4、B1、B2、C1、C2、D1、D2のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機E3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。