JP2012176783A - 充填バルブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な液種に対する対応が容易かつ迅速に行える充填バルブを提供する。
【解決手段】充填液通路18を開閉する可動弁体15と固定弁座11eからなる液バルブ5と、可動弁体15を直線的に進退させることにより充填液通路18を開閉させる電動シリンダ3と、を備える充填バルブ装置1。充填バルブ装置1は、電動シリンダ3により可動弁体15を駆動制御するので、可動弁体15の駆動速度の変更が容易であり、液種に対応する最適な充填流量の設定を迅速に行なうことができる。また、電動シリンダ3により可動弁体15を駆動制御するので、任意の位置で可動弁体15の停止が可能となり、充填流量を多段階に設定することができる。したがって、本発明による充填バルブは様々な液種に対する対応が容易かつ迅速に行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液状飲料及び調味料等、粘度の異なる液体を容器へ充填する充填バルブ装置に関するものである。
コーヒー、お茶等の飲料を無菌状態で容器内に充填するために、充填装置を無菌チャンバ内に設置したものが従来から広く用いられている。この充填装置には、飲料容器に所定量の飲料を供給するための可変量(又は可変開度)充填バルブが設けられている。本出願人は特許文献1においてこの充填バルブの提案を行なっている。この充填バルブは、開度を最大限並びに最小限の2種類を選択し得るのみならず、それぞれの開度を液体の特性に対応して一定の範囲内で独立に調節可能なものである。
引用文献1の充填バルブは、充填液の通路を開閉して飲料の供給量を制御するための可動弁体を駆動させるのに空気圧シリンダを使用している。この充填バルブ(可動弁体)の可動量(ストローク)は、エアシリンタ゛のピストンに設けた調整機構を調整するとこで大・小の2種類のストロークを実現している。このように2種類の弁体ストロークを備えているのは、液種に適したストロークを採用することで適正な流量で飲料を容器に充填するためである。つまり、高粘度の飲料の場合には、単位時間当たりの充填流量が低粘度の飲料に比べて低下するので、弁体ストロークを大きくして充填流量を大きくするのである。
特開2010−52780号公報
充填する飲料の液種が大きく異なる場合、さらに弁体ストロークを変更する必要があり、さらに空気圧シリンダの駆動速度、つまり可動弁体の移動速度の変更も必要になることがある。そしてこの場合には、飲料充填装置の内部に入り、手動で弁体ストローククや空気圧シリンダの駆動速度の調整を行なう必要があり、非常に手間が掛かる。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、様々な液種に対する対応が容易かつ迅速に行える充填バルブ装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもとになされた本発明の充填バルブ装置は、充填液通路を開閉する可動弁体と固定弁座からなる液バルブと、可動弁体を直線的に進退させることにより充填液通路を開閉させる電動シリンダと、を備えることを特徴とする。
本発明の充填バルブ装置は、電動シリンダにより可動弁体を駆動制御することにより、可動弁体の駆動速度が容易に変更できるので、液種に対応する最適な充填流量の設定を迅速に行なうことができる。また、電動シリンダにより可動弁体を駆動制御することにより、任意の位置で可動弁体を停止できるので、充填流量を多段階に設定することができる。したがって、本発明による充填バルブ装置は様々な液種に対する対応が容易かつ迅速に行える。ここで、電動シリンダとは、よく知られるように、電動モータの正転、逆転によりロッドが往復動作をする機構を備える電動機である。なお、本発明において、可動弁体を固定弁座に近づける向きに移動させることを前進といい、可動弁体を固定弁座から離す向きに移動させることを後退ということにする。
充填バルブ装置を使用していると、可動弁体と固定弁座との一方又は双方のシール部分に摩耗が生じる。したがって、充填液通路を液バルブで確実に閉じるための可動弁体の位置(この位置を本発明において原点と定義する)を設定し直す必要がある。従来の空気圧シリンダを用いた充填バルブ装置は、この原点位置の設定を作業員の人手に頼っていた。ところが、電動シリンダにより可動弁体を動作させる本発明においては、電動シリンダに生ずるトルクを手がかりに原点位置を設定することができる。つまり、本発明の充填バルブ装置において、電動シリンダにより可動弁体を固定弁座に向けて前進させて、可動弁体が固定弁座に接することにより生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達した可動弁体の位置x1を原点として認識することができる。
トルクTが予め設定されたトルクT1に達するとそれを超える位置へのロッドの移動が止められる停止機構を備える電動シリンダがある。この場合、上述したように、トルクT1が生じてロッドが停止した位置を可動弁体の原点として設定することができるが、トルクT1が生じた位置よりも可動弁体が後退した位置x2を原点に設定することができる。この後退した位置x2における電動シリンダに生ずるトルクT2は、T1>T2>0から設定される。そうすることで、可動弁体を固定弁座に押し付ける力を小さくできるので、摩耗量が低減されシール部材の寿命を長くできる。
また、トルクTが予め設定されたトルクT1に達する(位置x1)とそれを超える位置へのロッドの移動(前進又は後退)が止められるとともに、トルクTが0(ゼロ)になる位置x3までロッドを移動(後退又は前進)させる機構を備える電動シリンダがある。この場合、位置x3を原点に設定すると、充填液通路を確実に閉じることができない。しかもこの電動シリンダは、x1をその基準位置xsとしてロッドの位置を制御することが禁じられる。そこで、この電動シリンダの場合、ロッドを後退させることでトルクT1が生ずることに基づいて基準位置xsを認識し、次いで、ロッドを前進させることで可動弁体が固定弁座に接することにより生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達した可動弁体の位置x4を原点として認識する。
本発明によれば、電動シリンダにより可動弁体を駆動制御するので、様々な液種に対する対応が容易かつ迅速に行える。
また本発明によれば、原点を設定するのに作業員の負担を著しく軽減できる。
本実施の形態における充填バルブ装置の構成を示す部分断面図である。 本実施の形態における充填バルブ装置における原点の設定方法を模式的に示し、(a)はバルブが開いた状態を示し、(b)はバルブが閉じた状態を示す。 本実施の形態における充填バルブ装置における他の原点の設定方法を模式的に示し、(a)はバルブが開いた状態を示し、(b)はバルブが閉じた状態を示す。 本実施の形態における充填バルブ装置におけるその他の原点の設定方法を模式的に示し、(a)はバルブが開いた状態を示し、(b)はロッド軸を後退させてトルクを生じさせた状態を示し、(c)はバルブが閉じた状態を示す。 本実施の形態における充填バルブ装置を複数備え付けた無菌充填装置の概略構造を示す正面断面図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1において、充填バルブ装置1は、開口結合構造体2並びに軸継手17により、バルブ本体11が電動シリンダ3に連結されており、かつ充填液供給装置(図示せず)からの充填液供給管が給液パイプ11cに接続され、無菌充填装置60(図4参照)に取り付けられて稼動するように構成されている。
充填バルブ装置1は、バルブ本体11の下部の弁吐出口11a、上部の弁軸ガイド11d、中間部の弁取付フランジ11b、並びに給液パイプ11cを備えており、内部には弁軸10、弁体ロッド13、絞り14、可動弁体15が軸方向に移動可能に組み込まれている。なお、弁軸10の上端は、軸継手17により、電動シリンダ3のロッド軸32と緊密に連結されている。
電動シリンダ3は、種々の構成が公知であるのでここでの詳細は省略するが、例えばサーボモータなどの電動モータの回転運動をボールねじにより直線運動に変換するもの、中空の電動モータを使うことでナット側を回転させてネジ式の軸(ロッド)を直線運動に変換するもの、が一般的である。
電動シリンダ3は、シリンダ本体31と、ロッド軸32と、を備えている。シリンダ本体31内には例えば上述したサーボモータが設けられ、このサーボモータの回転運動を直線運動に変換するボールねじとロッド軸32とが緊密に連結される。この電動シリンダ3は、サーボモータの回転位置、速度を制御することにより、ロッド軸32の進退位置、進退速度を制御できる。可動弁体15は弁軸10などを介してロッド軸32に連結されているので、電動シリンダ3は、可動弁体15の進退位置、進退速度を制御できる。記載を省略する制御部により電動シリンダ3の駆動が制御される。
可動弁体15は、弁吐出口11aの直上に設けられた固定弁座11eに密着或いは隙間を隔てて対峙することにより、給液パイプ11c経由で飲料などの充填液が供給される充填液通路18を閉止或いは開く液バルブ5の機能を備えている。
また、弁体ロッド13は、下端に可動弁体15が、また、上端部には絞り14を備えた軸状の部品であり、例えばねじ止めによって弁軸10に、緊密に連結されている。
なお、弁軸ガイド11dと絞り14の間には、充填液通路18を外部雰囲気から隔離するベローズ16が備えられており、弁体ロッド13が上下動するたびに弁軸10と弁軸ガイド11dの隙間から外部雰囲気が漏れ入り、清浄な充填液が汚染するのを防ぐ。
充填バルブ装置1は、電動シリンダ3を駆動することにより可動弁体15の固定弁座11eに対する位置を制御することができる。充填液の充填を行なう場合には、可動弁体15を固定弁座11eから離なす。その中で、充填流量を少なくする場合には可動弁体15を固定弁座11eに近づけ、充填流量を多くする場合には可動弁体15を固定弁座11eから遠ざける。可動弁体15から固定弁座11eまでの距離は、容器に充填される充填液(液種)の粘度によっても調整される。つまり、同じ充填流量を得る場合、粘度の低い充填液は可動弁体15を固定弁座11eに近づけ、粘度の高い充填液は可動弁体15を固定弁座11eから遠ざける。また、充填液を容器に充填する場合、充填バルブ装置1から噴流状態で供給される充填液が容器の底に当たって跳ね返ることで泡が必要以上に生じることを避けるために、充填当初は充填流量を少なくし、後に充填流量を増やすことがある。そのために、可動弁体15から固定弁座11eまでの距離が調整される。このように、充填バルブ装置1は、可動弁体15の位置を適宜調整しながら充填液の充填を行なう。
可動弁体15の駆動源を電動シリンダ3とする充填バルブ装置1によると、可動弁体15の駆動速度が容易に変更できるので、液種が変更された後に最適な充填流量の設定を迅速に行なうことができる。また、任意の位置で可動弁体15を容易に停止できるので、充填流量を多段階に設定することができる。したがって、本発明による充填バルブ装置1は様々な液種に対する対応が容易かつ迅速に行える。
また、空気圧シリンダを用いた従来の充填バルブは、長時間使用すると空気圧シリンダ内のオリフィスにゴミが混入するなどして可動弁体15の駆動に支承がでることがある。そうすると、規定量の充填液が充填されないまま容器が充填装置から排出されるおそれもある。これに対して充填バルブ装置1は、電動シリンダ3を可動弁体15の駆動源としており空気の供給設備が不要なため、ゴミの混入による上述した充填不良がなくなる。
充填バルブ装置1の使用開始に当たって可動弁体15の原点の位置が設定される。これは、充填液の充填を行わない場合に充填液通路18を確実に閉じることはもちろん、原点を基準にして可動弁体15の位置を正確に制御することが液種に応じた適切な充填流量を得るため、あるいは、1つの容器に対して充填流量を充填開始からの経過時間に応じて可動弁体15の位置を正確に制御するためである。ところが、充填バルブ装置1を長期間に亘って使用していると可動弁体15と固定弁座11eとの一方又は双方のシール部分に摩耗が生じる。なお、可動弁体15、固定弁座11eともにステンレス鋼などの金属材料で構成されるが、シール部分には樹脂によるシール材が配置されることが一般的である。したがって、充填液通路18を液バルブ5で確実に閉じるためには、可動弁体15の原点を設定し直す必要がある。本実施の形態では、3通りの原点の設定手法を提案する。いずれの設定手法も電動シリンダ3(モータ)に生ずるトルクTを利用する点で共通する。
<第1の設定手法>
図2を参照して第1の設定手法を説明する。
電動シリンダ3は、それに生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達すると、動作が停止されるように設定されている。つまり、可動弁体15が前進して固定弁座11eに接触すると電動シリンダ3にトルクTが生じてその値がトルクT1に達すると、電動シリンダ3が停止して可動弁体15はそれ以上前進することがない。
そこで、図2(a)に示すように固定弁座11eから離れた位置に可動弁体15を後退させておき、そこから電動シリンダ3を作動させて可動弁体15を前進させる。図2(b)に示すように可動弁体15が固定弁座11eに接触すると電動シリンダ3にトルクTが生ずる。トルクTがトルクT1に達すると電動シリンダ3は動作が停止される。電動シリンダ3は、可動弁体15が停止した位置x1を原点として認識し、記憶する。なお、第1の手法において、原点として認識される位置x1と、電動シリンダ3の基準位置xsは一致する。電動シリンダ3は、この基準位置xsを基準にして可動弁体15の位置を制御する。第2の手法も同様である。
以後、電動シリンダ3は、充填液通路18を閉じるときに位置x1に向けて可動弁体15を前進させる。なお、充填バルブ装置1の使用開始に先立って原点の設定を行なうとともに、充填バルブ装置1を相当期間使用した後に原点の再設定を行なうことにより、充填液通路18を確実に閉じることができる。原点の再設定については、作業員の操作にしたがって行なうことができるが、充填バルブ装置1の使用経過時間、あるいは充填した容器の本数などの使用頻度に応じて、図示を省略した制御部からの指示に従って、充填バルブ装置1(電動シリンダ3)が自動的に行なうこともできる。
以上の通りであり、本実施の形態は電動シリンダ3に生ずるトルクTを利用することにより、原点の設定を作業員の手作業に頼っていた従来の空気圧シリンダに比べて、迅速かつ正確に原点を設定することができる。
また、本実施の形態によると、原点を迅速かつ正確に設定(再設定)することにより、原点を基準とする可動弁体15の位置制御も正確に行なうことができるので、様々な液種に対して正確に多段階の充填を行なうことができる。
<第2の設定手法>
図3を参照して第2の設定手法を説明する。
第2の設定手法は第1の設定手法を応用するものであり、電動シリンダ3は、それに生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達すると、動作が停止されるように設定されている。
しかし、第2の設定手法は、トルクTがトルクT1に達して電動シリンダ3の動作が停止した位置x1を原点とするのではなく、図3(b)に示すように位置x1よりも後退した位置x2を原点として認識する。なお、図3(a)に示すように、固定弁座11eから離れた位置に可動弁体15を後退させておき、そこから電動シリンダ3を作動させて可動弁体15を前進させることは第1の手法と同様である。
この位置x2においても可動弁体15は固定弁座11eに接触することで、充填液通路18は閉じられている。ただし、第1の設定手法に比べて可動弁体15が固定弁座11eに押し付けられる力は低くなる。このような位置x2は、位置x2において電動シリンダ3に生ずるトルクをT2とすると、トルクT2はトルクT1より小さく、かつ、0を超える範囲とされる。つまり、トルクT2は、T1>T2>0を満足する。
第2の手法によると、可動弁体15が固定弁座11eに押し付けられる力を低くする。したがって、第2の手法によると、第1の手法により得られる効果に加えて、可動弁体15及び固定弁座11eのシール部分の摩耗を低減できるので、当該シール部材の寿命を長くできる。
この効果を得るためには、トルクT1の値にもよるが、トルクT2は、0.6T1≧T2≧0.1T1の範囲から選択されるのが好ましく、0.4T1≧T2≧0.2T1の範囲から選択されるのがより好ましい。
<第3の設定手法>
次に、図4を参照して第3の設定手法を説明する。
第3の設定手法に係る電動シリンダ3は、それに生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達すると、動作が一旦は位置x1で停止されるがトルクTが0(ゼロ)になる位置x3まで可動弁体15が後退した後に停止する機構を備える。そして、この電動シリンダ3は位置x3を自己の基準位置xsとして認識する。このようにトルクTが0になる位置まで後退するのは、トルク(負荷)がかかった状態で基準位置xsが設定されるのを避けるためである。この電動シリンダ3においても、この基準位置xsに基づいて可動弁体15(ロッド軸32)の進退位置を制御する。この電動シリンダ3の場合、位置x1を原点に設定することができない一方、基準位置xsを原点に設定すると可動弁体15と固定弁座11eの間に隙間が生じてしまい充填液通路18を閉じることができない。第3の設定手法では、以上の特性を備えた電動シリンダ3の場合にも、原点を適切に設定することのできる手法を提案する。
第3の手法は、図4に示すように、可動弁体15を所定の位置まで後退させると電動シリンダ3のシリンダ本体31に接するトルク発生部材35をロッド軸32に固定する。そして、図4(a)〜(b)に示すように、可動弁体15(ロッド軸32)を後退させてシリンダ本体31にトルク発生部材35を接触させて電動シリンダ3にトルクT1を生じさせる。そうすると、電動シリンダ3はトルクTが0になる位置x4まで前進して停止する。電動シリンダ3にこの位置x4を自己の基準位置xsとして認識させる。次いで、電動シリンダ3は固定弁座11eに接してトルクT1が生ずるまで可動弁体15を前進させるとともに、トルクT1が生じた位置x1を原点として認識する。なお、すでに基準位置xsが認識されているので、可動弁体15が固定弁座11eに接触してトルクT1が生じたとしても可動弁体15が後退することはない。
以上のように、第3の手法によると、トルクT1に達した位置からトルクTが0(ゼロ)になる位置まで変位した位置を基準位置xsとして認識する電動シリンダ3においても、迅速かつ正確に原点を設定することができる。
なお、ここでは断面がU字状のトルク発生部材35を用いたがこれに限定されるものでなく、その目的を達成できるものであればいかなる形態の部材をも用いることができる。
<無菌充填装置の例>
図5は、本発明の充填バルブ装置を複数備え付けた無菌充填装置60の概略構造を示す正面断面図であり、当該装置は通常の食品包装作業場の無塵雰囲気の中に設置される。
無菌充填装置60は、充填バルブ装置1等を取り付ける回転体61の周囲、上面及び下面を無菌チャンバ65で包囲した構造を持ち、無菌チャンバ65と、回転体61の天蓋61c、側板61b、台盤61a、胴61d及び上部水封シール67、下部水封シール66等で密封する空間(図5において、ハッチングを施された空間)が無菌雰囲気に保たれている。
回転体61の下部を占める円筒形の胴61dの下端には、旋回台ベアリング63が備えられており、回転体61を水平面上で旋回自在に支持するとともに、旋回台ベアリング63のベアリング外輪に設けられたリングギア(いずれも図示を省略)に駆動装置70の出力ギア71が噛み合い駆動することによって、当該回転体61は水平面内で旋回する。64は給液管で、ロータリジョイント61eと給液パイプ11c(図5では省略)の間に接続されている。
回転体61の台盤61aの外周近くには、旋回軸を中心とする円周上に、等ピッチで複数の充填バルブ装置1が垂直に取り付けられており、弁取付フランジ11bより下の部分、即ち弁吐出口11aのみが無菌雰囲気中に露出されている。
回転する胴61dには、前記弁吐出口11aに相応する位置に容器把持手段62が付設されており、容器Vは無菌充填装置60の入口(図示せず)を通過してから出口(図示せず)に至るまで、支持されて回転体61並びに台盤61aとともに旋回する。この間に充填バルブ装置1は、液バルブ5の開度を調節しながら効率よく飲料などの充填液を清浄な容器Vに無菌雰囲気で、高い精度で充填することができる。本実施の形態によると、作業員の手作業に頼ることなく、開度の調整を行なうことができる。
無菌充填装置60は、複数の支柱68によって高床式の構造になっており、許可された運転若しくは保全作業員が、作業場の床上に設けられている充填装置の出入口(図示せず)から、回転体61の内側に入ることが可能になっている。回転体61の内側は、前記無菌雰囲気より隔離されているので、人手や工具の無菌化処理が不要となり、作業員は所定の服装のまま、要すれば手工具を用いて支持台69の上に立って作業をすることができることから準備に手間取ることもなく、作業性を改善できる。
なお、上記実施の形態では、無菌充填装置60内に電動シリンダ3を剥き出しで配置しているが、例えば金網などの電磁シールド材で電動シリンダ3を覆うことにより、外部からのノイズによる電動シリンダ3の誤動作を防止することができる。
また、モータの異常な発熱による電動シリンダ3の駆動性能の低下を防止するために、電動シリンダ3に冷却機構を設けることができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1 充填バルブ装置
3 電動シリンダ
5 液バルブ
11 バルブ本体
11e 固定弁座
15 可動弁体
16 ベローズ
18 充填液通路
31 シリンダ本体
32 ロッド軸
35 トルク発生部材
60 無菌充填装置

Claims (4)

  1. 充填液通路を開閉する可動弁体と固定弁座からなる液バルブと、
    前記可動弁体を直線的に進退させることにより充填液通路を開閉させる電動シリンダと、
    を備えることを特徴とする充填バルブ装置。
  2. 前記電動シリンダにより前記可動弁体を前進させて、前記可動弁体が前記固定弁座に接することにより生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達した可動弁体の位置x1を原点として認識する、
    請求項1に記載の充填バルブ装置。
  3. 前記電動シリンダが、トルクTが予め設定されたトルクT1に達するとそれを超える位置へのロッドの移動が止められる停止機構を備える電動シリンダであって、
    当該電動シリンダにより前記可動弁体を前進させて、前記可動弁体が前記固定弁座に接することにより生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達した可動弁体の位置x1よりも後退した位置であって、前記電動シリンダに生ずるトルクT2がT1>T2>0の値を示す位置x2を原点として認識する、
    請求項1に記載の充填バルブ装置。
  4. 前記電動シリンダが、トルクTが予め設定されたトルクT1に達するとそれを超える位置へのロッドの移動が止められるとともに、トルクが0(ゼロ)になるまで前記ロッドを移動させる機構を備える電動シリンダであって、
    前記ロッドを後退させることでトルクT1が生ずることに基づいて前記電動シリンダの基準位置xsと認識し、次いで、前記ロッドを前進させることで前記可動弁体が前記固定弁座に接することにより生ずるトルクTが予め設定されたトルクT1に達した可動弁体の位置x4を原点として認識する、
    請求項1に記載の充填バルブ装置。
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