JP2012175239A - 衛星通信方法、子局及び親局、衛星通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】DAMA方式の衛星通信方法において、子局に接続されたIP通信端末による通信を行う際に、IP通信端末のDNSプロトコル処理は通信回線で行われていた為、通信回線の利用効率が低下していた。
【解決手段】子局2に接続されたIP通信端末15から発した名前解決要求メッセージに基づき、DAMA方式の制御信号フォーマットに従う名前解決要求制御信号を生成し、上りCSC回線4により子局2から親局1へ送信する。親局1ではDNSサーバ装置9により相手のIP通信端末のアドレス情報を検索し、検索結果に基づき名前解決要求の回答制御信号を生成し、下りCSC回線5により発呼元の子局2へ送信する。発呼元の子局は名前解決要求の回答制御信号に基づき、名前解決要求の回答メッセージを再生し、相手IP通信端末へ送信する。
【選択図】図4

Description

この発明は、衛星を介した子局間または子局と親局間の通信に使用する通信回線を割り当てて接続する要求割当多元接続方式の衛星通信方法、およびこの衛星通信方法に使用される子局及び親局、衛星通信システムに関するものである。
昨今のインターネット通信の発達により、インターネットによるデータ通信が盛んに行われるに至り、さらにインターネットを介した音声通信もIPデータ通信システムの構築技術に支えられて普及しつつある。このIPデータ通信によるインターネットを介したデータ通信では、送信先端末の名前から送信先IPアドレスを解決するためのプロトコルが必要である。その代表的なプロトコルとして、RFC1034規格及びそれに関連する規格に規定されるDNS(Domain Name System)があり、このアプリケーション層でのDNSプロトコルにより、名前解決の仕組みが提供される。
一方、衛星通信分野においては、古くは1対1の衛星通信装置間での固定方式の通信から、要求割当多元接続方式(以下「DAMA方式」と呼ぶ。DAMAはDemand Assignment Multiple Accessの略である。)の通信、更にはCDMA或いはFDMA方式を用いた衛星通信地球局によるデータ通信が案出されるに至っている。
衛星通信は、広域性かつ公共性の観点から、また遠隔無線通信の特殊性に基づく通信の確立性の追求により、地上における有線通信とは異なる技術発展の経緯を有するものであった。
衛星通信におけるDAMA方式は、衛星通信回線を複数の子局により有効に利用するための方式であり、適宜、子局間または子局/親局間での通信に使用する通信回線を割り当てるために、通信回線とは異なる制御回線(「CSC回線」(Common Signaling Channel)と呼ばれる。)上で、子局から通信回線の割り当て要求を発し、この回線割当要求を親局にて受信し、親局によって通信回線を割り当てるものである。
特開平10−51370号公報(特許文献1)には、DAMA方式の衛星通信システムにおいて、子局に電話端末が接続されて子局間での電話による音声通信を行う場合に、親局に電話端末の固有番号の少なくとも一部、例えば、03(東京)や06(大阪)という部分と、中継する子局群の番号とを対応させた子局データファイルを設けた従来の技術が開示されている。
この従来の技術によれば、ある1つの子局に接続された電話端末から相手電話端末の固有番号をダイヤルしたときに、親局にて、その相手電話端末の固有番号の少なくとも一部により子局データファイルから対応する相手子局を選択し、当該1つの子局と相手子局との間に衛星通信回線を割り当てることにより、当該1つの子局からの発呼の際に相手子局を指定する必要がなく、操作性が向上される。
また、特許第3793083号公報(特許文献2)には、パケット交換データ伝送ネットワークを通じて第1のコンピュータ装置と第2のコンピュータ装置の間でパケットを安全に通信する方法として、一方のコンピュータ装置がネットワークアドレス翻訳および/またはプロトコル変換を行い、変換されたプロトコルに従ったパケットで第1のコンピュータ装置から第2のコンピュータ装置に伝送し、第2のコンピュータ装置は伝送されたプロトコルから変換される前のプロトコルに戻すようにしたものが開示されている。
特開平10−51370号公報 特許第3793083号公報
上述のように、例えばDNSプロトコルは、アプリケーション層での名前解決プロセスを提供するものであり、各IP通信端末のIP通信開始毎に名前解決処理が通信回線で生起される。DAMA方式の衛星通信において、IP通信端末を子局に接続して、子局間での衛星を介したデータ通信を行う際に、このような各種処理のために通信回線が頻繁に使用されることとなり、通信回線の音声及びデータ通信の利用効率が低下するという問題点がある。
また、IP通信端末による端末名称を指定したデータ通信を行なうためには、名前解決処理のためのサーバ装置(DNSにおいては、一般にDNSサーバと呼ばれるサーバ装置)が必要となり、このサーバ装置の配置と、その配置によって生じる各サーバ間での通信やサーバへ入出力する処理パケットの錯綜が、衛星を介した通信回線の利用効率を低下させないよう検討しておかなければならないという課題があった。
この発明は、上記のような問題点または課題を解決するためになされたもので、DAMA方式の衛星通信において、子局に接続されたIP通信端末による通信を行う際に、IP通信端末のアドレス登録処理や発着呼処理等を通信回線とは別の制御回線で行うことができる衛星通信方法、子局及び親局、衛星通信システムを得ることを目的とするものである。
この発明の衛星通信方法は、衛星を経由する制御回線により子局から親局に回線割り当てを要求し、親局により子局に対して通信回線を割り当て、子局と相手子局との間で衛星通信を行う回線割当型の衛星通信方法において、子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づいて、子局は制御回線により送信する制御信号を生成して制御回線により親局に送信し、制御信号を受信した親局は上記メッセージを再生するようにしたものである。
また、この発明の衛星通信方法に使用される子局は、子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づいて制御回線により送信する制御信号を生成する衛星GW装置と、この衛星GW装置により生成した制御信号を制御回線により親局へ送信する衛星通信装置とを備えたものである。
また、この発明の衛星通信方法に使用される親局は、子局から送信された制御信号を制御回線により受信する親局衛星通信装置と、この親局衛星通信装置により受信した制御信号に基づき、子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージを再生する回線制御装置とを備えたものである。
また、この発明の衛星通信システムは、衛星を経由する制御回線により子局から親局に回線割り当てを要求し、親局により子局に対して通信回線を割り当て、子局と相手子局との間で衛星通信を行う回線割当型の衛星通信システムにおいて、子局はそれに接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づいて制御回線により送信する制御信号を生成する衛星GW装置と、この衛星GW装置により生成した制御信号を制御回線により親局へ送信する衛星通信装置を備え、親局は子局から送信された制御信号を制御回線により受信する親局衛星通信装置と、この親局衛星通信装置により受信した制御信号に基づき、子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージを再生する回線制御装置を備えたものである。
この発明の衛星通信方法および衛星通信システムは、子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づいて、子局にて制御回線により送信する制御信号を生成して制御回線により送信し、この制御信号を受信した親局にて、上記メッセージを再生するので、通信回線を割り当てることなく、IP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージの処理を行うことができるので、通信回線の利用効率が高まる。
この発明の子局は、子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づき、制御回線により送信する制御信号を生成する衛星GW装置と、この衛星GW装置により生成した制御信号を制御回線により親局へ送信する衛星通信装置とを備えているので、通信回線を割り当てることなく、制御回線によりIP通信端末の名前解決を目的とするメッセージの処理を行うことができ、通信回線の利用効率を高めることができる。
この発明の親局は、子局から送信された制御信号を制御回線により受信する親局衛星通信装置と、この親局衛星通信装置により受信した制御信号に基づき、子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージを再生する回線制御装置とを備えているので、制御回線においてIP通信端末の接続処理を行うことができ、通信回線の利用効率を高めることができる。
この発明の実施の形態1に係る衛星通信方法のシステム構成を示す構成図である。 この発明の衛星通信方法で使用する回線の周波数軸上での配置を表す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る衛星通信システムの子局及び親局の構成を示す構成図である。 この発明の衛星通信方法による名前解決要求メッセージに対する処理を表す処理シーケンス図である。 この発明の実施の形態1に係る衛星通信方法において使用される名前解決要求メッセージとそれを制御信号に変換したフォーマットを示す図である。 この発明の実施の形態1に係る衛星通信方法において使用される名前解決要求メッセージに対する回答メッセージとそれを制御信号に変換したフォーマットを示す図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における衛星通信方法および衛星通信システム(子局及び親局)を図1乃至図6により説明する。
図1はこの発明の衛星通信方法を実現するためのシステム構成を示す構成図である。図1において、衛星通信システムは、地上に固定配置された制御局としての親局1、同じく地上の互いに異なる地点に配置された複数の地球局となる子局2、子局2間または子局2と親局1の間で通信を行なうための中継器が設けられ天空に配置される通信衛星3で構成される。
DAMA方式の衛星通信システムは、通信衛星3の中継器が保有する一定数の衛星回線を各子局2に対して共通に予め確保しておき、ある子局2から呼びが発生すると、制御局の親局1が衛星回線の割当制御を行って、この共通の衛星回線の中から空き回線を選んで、その子局2に割り当てるようにしたものである。
これらの割り当て制御するのが制御回線(CSC回線)4、5であり、また子局2が相手子局と通信するのが通信回線6である。
図1において、CSC回線4は子局2から親局1へ通信衛星3を介して制御信号を送信する上りCSC回線であり、CSC回線5は親局1から子局2へ通信衛星3を介して制御信号を送信する下りCSC回線である。
この上りCSC回線4により、子局2から通信回線6の割り当てを要求する回線割当要求信号を親局1へ送信し、親局1において子局間の通信回線6を割り当てる。割り当てられた通信回線6の回線情報は、下りCSC回線5により回線割当応答信号として親局1から子局2および通信相手となる他の子局2へ送信される。この回線割当応答信号を受信した子局2と相手子局2との間で通信衛星3を介した通信回線6により通信が行われる。この通信回線6は親局1と子局2との間の通信においても回線割り当てされるものである。
図2は、使用する回線の周波数軸上での配置を表す模式図である。図2に示すように、使用する回線は、上りCSC回線4、下りCSC回線5及び複数の通信回線6であり、上りCSC回線4及び下りCSC回線5に使用される周波数f1、f2は固定的に割り当てており、複数の周波数f3〜fnの回線を有した通信回線6は、衛星通信システムに割り当てられた周波数帯域において、上述のように子局2からの要求に基づき親局1によって適宜割り当てられるものである。
次に衛星通信システムに使用される親局1及び子局2の構成について説明する。図3はこの発明の実施の形態1に係る衛星通信システムの子局及び親局の構成を表す構成図である。
図3に示す親局1は、通信衛星3との間で無線波の送受信、変復調及び信号処理を行う親局衛星通信装置7、DAMA回線制御及びDNS処理を行う回線制御装置8、DNSサーバ装置9で構成される。
親局衛星通信装置7は、通信衛星3との間で電波の送受信を行う送受信機10、送受信する制御信号を変復調するCSC回線変復調部11、送信信号のフレーム処理及び誤り訂正符号処理、受信信号の誤り訂正処理及びフレーム処理を行う信号処理部12を備えている。送受信機10は信号の周波数変換や増幅等を行い、CSC回線変復調部11はPSK(位相シフト変復調)等の各種変復調方式に基づき、制御信号を変復調する。
回線制御装置8は、DAMA方式の回線制御を行うDAMA回線制御部13、DNSメッセージに基づく処理を行うDNSメッセージ処理部14を備え、DAMA回線制御部13は上りCSC回線4により子局2から受信する制御信号による制御処理、及び下りCSC回線5により子局2へ送信する制御信号の処理を行う。DNSメッセージ処理部14は子局2からの制御信号がDNSメッセージである場合に、DNSサーバ装置9に送信してDNSメッセージに基づく処理を行うもので、子局2からの制御信号を元のDNSメッセージに再生し、また回答メッセージに基づきCSC回線により送信する制御信号を生成するメッセージ処理手段として機能する。
DNSサーバ装置9は、子局2にPCなどのIP通信端末(後述する)を接続したときに静的若しくは動的に割り当てられるIPアドレス等のIP通信端末の情報を登録しておくもので、登録される情報は、各IP通信端末のドメイン名、IPアドレスが含まれるものとする。DNSサーバ装置9はDNSメッセージ処理部14からのDNSメッセージにより相手IP通信端末のIPアドレス等を検索する。したがってDNSサーバ装置9は検索手段としても機能している。
図3に示す子局2および子局2に接続される装置の構成について説明する。子局2に接続されたPCなどのIP通信端末15は、他の子局2に接続されるIP通信端末15との間で主としてデータ通信を行うための装置である。このIP通信端末15はインターネットプロトコルに従うパケット通信が行える装置である。また、子局2はインタフェース装置16(以下、I/F16と記載する。)を介して、外部の他ネットワーク18とも接続され、この接続には、一般にプロキシサーバ17を経由する。
図3に示す子局2は、通信衛星3との間で無線波の送受信、変復調及び信号処理を行う衛星通信装置19、IP通信端末15による通信を子局2の衛星通信装置19を介して行うために、データや音声データの伝送処理を行う衛星ゲートウェイ装置(以下、衛星GW装置と記載する。)20で構成される。
衛星通信装置19は、送受信機21、CSC回線変復調部22、通信回線変復調部23、信号処理部24および制御部25を備え、送受信機21は通信衛星3との間で電波の送受信を行うものであり、信号の周波数変換や増幅等を行う。CSC回線変復調部22は送受信する制御信号を変復調するものであり、PSK(位相シフト変復調)等の各種変復調方式に基づき、制御信号を変復調する。通信回線変復調部23は送受信する通信信号を変復調するものであり、PSK(位相シフト変復調)等の各種変復調方式に基づき、通信信号を変復調する。信号処理部24は送信信号のフレーム処理及び誤り訂正符号処理、受信信号の誤り訂正処理及びフレーム処理を行うものである。制御部25はCSC回線変復調部22により受信した回線割当応答信号に基づき通信回線変復調部23の送受信周波数や帯域の制御を行うものである。
衛星GW装置20は、伝送制御部26、DNS処理部27および識別情報記憶部28を備え、伝送制御部26はIP通信端末15による通信における伝送データの識別を行い、衛星通信装置19とIP通信端末15との間で伝送データの受け渡しを行うもので、受信データがIP通信端末15からのDNSプロトコルによる名前解決要求メッセージであることを判別する判別手段としても機能している。DNS処理部27は伝送されるデータが名前解決を目的とするDNSプロトコルによる名前解決要求メッセージである場合に、そのメッセージ処理を行うもので、メッセージに基づきCSC回線により送信する制御信号を生成するメッセージ処理手段として機能する。識別情報記憶部28はDNS処理部27にて処理するDNSメッセージに含まれるIP通信端末15のドメイン名やプロシキIPアドレスなどの識別情報を記憶するものである。
図3に示す構成は、IP通信端末15の処理がDNSプロトコルにより行われる例について示すものであるが、同種のIP通信端末用通信処理を行うプロトコルに代替することができ、例えば、この発明では名前解決を目的とするメッセージのプロトコルとして、DNSプロトコルによる名前解決要求メッセージについて説明するが、NETBIOSでWINSサーバに名前を問い合わせるようなものについても適用できる。
その場合、図3に示すDNSサーバ装置9は、その代替されるプロトコルの実行に用いられるサーバ装置でよく、また親局1内のDNSメッセージ処理部14及び子局2内のDNS処理部27はそれぞれ、代替されるプロトコルにおいて、DNSメッセージ処理部14及びDNS処理部27と同様な処理を行うものとすればよい。
図3に図示しないが、親局1の親局衛星通信装置7内には、子局2の衛星通信装置19内の通信回線変復調部23に相当する回路部が、また親局1内には、子局2の衛星GW装置20に相当する装置があり、親局1に接続されるIP通信端末(図示省略)、またインタフェースを介した他のネットワークの装置(図示省略)が親局1を利用して、通信衛星3を介した通信回線6により、複数の子局2に接続されたIP通信端末15等との間で通信が行えるものである。この親局1において、IP通信端末等に提供される機能を果たす回路及び装置は、子局1に備えられた構成と同じ構成のものであると考えればよい。
次に、この親局1及び子局2の動作について、まず子局2に接続されたIP通信端末15間での通信衛星3を介したデータ通信を行う場合の動作を説明する。
子局2の伝送制御部26はIP通信端末15からの伝送データをバッファリングしながら信号処理部24へ伝送しており、伝送制御部26と信号処理部24へ伝送できる伝送データ量は、衛星通信装置19に割り当てられた通信回線の帯域幅に依存する。子局2は相手子局2とのデータ通信が必要になると、親局1に対して回線割当要求信号を上りCSC回線4により送信する。この回線割当要求信号は相手子局を特定する情報を含むものであり、伝送制御部26にて生成され、信号処理部24で信号処理されてCSC回線変復調部22により変調され、送受信機21により送信される。
親局1は上りCSC回線4をモニタしており、子局2から送信された回線割当要求信号を送受信機10で受信して、CSC回線変復調部11で復調し、信号処理部12に伝送して信号処理して再生する。親局2の信号処理部12により再生された回線割当要求信号はDAMA回線制御部13に入力され、DAMA回線制御部13はシステム専用帯域(通信システムに与えられる使用できる周波数帯域のこと)中の空き領域を検索し、空き領域に通信回線を割り当て、その中心周波数と帯域幅の情報、及び当該回線割当要求をした子局2と相手子局2とを特定する情報を含む回線割当応答信号を生成し、信号処理部12へ出力する。回線割当応答信号は、信号処理部12により信号処理され、CSC回線変復調部11により変調され、送受信機10から下りCSC回線5により子局2へ送信される。
子局2と相手子局2は、下りCSC回線5をモニタしており、親局1から送信された回線割当応答信号を送受信機21で受信すると、これをCSC回線変復調部22で復調し、信号処理部24で再生する。信号処理部24は親局1から割り当てられた通信回線6の中心周波数と帯域幅に通信回線変復調部23を設定して子局2間での通信を行う。ここで割り当てられる通信回線6は子局2から相手子局2への送信回線、相手子局2から子局2への送信回線である。子局2間での通信が終了すると、子局2の伝送制御部26にて通信終了信号が生成されて、上りCSC回線4により親局2へ送信され、親局2は割り当てていた通信回線6を開放し、システム専用帯域中の空き領域とする。
子局2間での通信は1対のIP通信端末15間で行われる場合だけでなく、当該子局2間で複数対のIP通信端末15間で行われる場合もあり、IP通信端末15の対の増減によりデータ伝送量が増減する。データ伝送量が増減した場合には、子局2の伝送制御部26により帯域変更要求信号を生成して上りCSC回線4により親局2に送信する。親局2は帯域変更要求信号を受信して、DAMA回線制御部13にて通信回線の再割り当てを行うようにしてもよい。親局2のDAMA回線制御部13は回線再割当応答信号を生成して下りCSC回線5により子局2に送信し、これを受信した子局2及び相手子局2は通信周波数帯域を変更する。
このような通信回線6の再割り当てによって、システム専用帯域の柔軟な運用が行えるものである。なお、親局1が子局2との間で通信を開始する場合の回線割当は、直接親局1のDAMA回線制御部13で行い、回線割当応答信号を相手子局2へ下りCSC回線5により送信すればよい。
次に、この親局1及び子局2の動作について、子局2に接続されたIP通信端末15間での通信衛星3を介したIP通信を行う場合の動作を説明する。IP通信端末15がDNSプロトコルに基づいてIP通信を開始する前に、IP通信端末15を子局2に接続したときに静的若しくは動的に割り当てられるIPアドレス等のIP通信端末15の情報を親局1のDNSサーバ装置9に登録しておくものとする。登録される情報は、各IP通信端末15のドメイン名、IPアドレスが含まれるものとする。
次に、IP通信端末15から送信先IP端末15の名前解決要求が発せられた場合の処理について説明する。このIP通信端末15から発せられる呼出信号に対する処理のうち、以下ではDNSプロトコルによる名前解決要求メッセージが発せられた場合の処理を例にとり説明する。
図4は名前解決要求メッセージに対する処理を表す処理シーケンス図である。ステップS1によりIP通信端末15の操作者が相手IP通信端末の接続サーバ名を入力するなどして相手先を指定すると、IP通信端末15にて名前解決要求メッセージが生成され、ステップS2により名前解決要求メッセージが衛星GW装置20内の伝送制御部26へ送信される。この段階での名前解決要求メッセージは、相手IP通信端末15のIPアドレスは不明である。相手IP通信端末15のIPアドレスは、例えば、親局1内のDNSサーバ装置9などに設定されている。
衛星GW装置20内の伝送制御部26は、トランスポート層で伝送されてくるデータ中から、上記のIP通信端末15が発したDNSメッセージを識別し、メッセージが名前解決要求メッセージの場合、DNS処理部27へ転送する。この識別方法の一例として、トランスポート層のプロトコルによるパケット記述内容(DNSサーバのIPアドレスやポート番号、プロトコル番号等の内容)により識別する方法が考えられる。即ち、IP通信端末15が発する名前解決要求メッセージの宛先アドレスやポート番号、プロトコル番号が特定の値(例えば、親局1内のDNSサーバ装置9のIPアドレス、子局2のIPアドレスや、マルチキャストアドレス等)を示していることに基づいて、この特定の値を検知することにより、DNSメッセージであると識別できる。
また、このDNSメッセージのフォーマットは、図5(a)に示すように、一般にヘッダ、質問、回答、オーソリティ、追加情報により構成されており、ヘッダ等に記述されるDNSプロトコル特有の記述を検知することにより、DNSメッセージであることを識別するようにしても良く、伝送制御部26は、種々の方法により、IP通信端末15からなる端末装置群から伝送されてくるパケットのうち、IP通信端末15からのパケットがDNSメッセージであることを識別するようにすることができる。DNS処理部27は、伝送制御部26から転送された名前解決要求メッセージについて、相手IP通信端末15のIPアドレスを上りCSC回線4により問い合わせるための名前解決要求制御信号を生成する。
この名前解決要求制御信号は、図5(a)に示す名前解決要求メッセージをCSC回線4で伝送できるようにDAMA方式の制御信号フォーマットに変換したものであり、そのフォーマットは図5(b)に示すように、ヘッダ部とデータ部で構成され、ヘッダ部には自局の子局ID、信号識別、信号長、相手IP通信端末15のドメイン名などを含む。またデータ部には図5(a)に示す名前解決要求メッセージとそれ以外のデータが格納されている。ヘッダ部の信号識別は、制御信号がDNSメッセージのうち名前解決要求メッセージであることを示す符号とする。以下、DNSプロトコルに従う信号は「〜メッセージ」と記載し、DAMA方式の制御信号は「〜制御信号」と記載する。
また、DNS処理部27は、その後のDNSメッセージの処理に必要となる情報(発呼したIP通信端末15のドメイン名、プロキシサーバのIPアドレス、相手IP通信端末のドメイン名等の情報)を識別情報記憶部28へ出力する。名前解決要求制御信号のデータ長が上りCSC回線4において1つの制御信号に許されるデータ長より長い場合には、複数個の制御信号に分けて送信してもよい。名前解決要求制御信号は伝送制御部26、信号処理部24、CSC回線変復調部22を経由して送受信機21から、図4に示すステップS3において、上りCSC回線4により親局1に送信される。
親局衛星通信装置7は上りCSC回線4により名前解決要求制御信号を受信し、これをCSC回線変復調部11で復調および信号処理部12で信号処理して、ステップS4により、回線制御装置8へ出力する。回線制御装置8内のDNSメッセージ処理部14は名前解決要求制御信号に基づき、相手IP通信端末15のドメイン名を含む名前解決要求メッセージを再生し、ステップS5によりDNSサーバ装置9へ出力する。DNSサーバ装置9は名前解決要求メッセージを受けて、相手IP通信端末15のドメイン名に対応するIPアドレス、その相手子局2が接続されている子局番号を検索する。DNSサーバ装置9は、相手IP通信端末15のIPアドレス、子局番号を含む名前解決要求の回答である応答メッセージを生成する。この名前解決要求の回答(応答メッセージ)のフォーマットは、図6(a)に示すように、名前解決要求メッセージの「回答」部に、相手IP通信端末15のIPアドレス、子局番号などが記述されたものとなる。DNSサーバ装置9は名前解決要求の回答(応答メッセージ)を、ステップS6により回線制御装置8内のDNSメッセージ処理部14へ出力する。
DNSメッセージ処理部14は、DNSサーバ装置9からの応答メッセージに基づき、名前解決要求の回答制御信号を生成し、ステップS7により、親局衛星通信装置7へ出力する。この名前解決要求の回答制御信号のフォーマットは、名前解決要求の回答(応答メッセージ)をCSC回線5で伝送できるようにDAMA方式の制御信号フォーマットに変換したものであり、図6(b)に示すように、ヘッダ部とデータ部で構成され、ヘッダ部には、信号識別、発信元の子局番号、信号長、相手子局の子局番号、相手IP通信端末15のドメイン名、IPアドレスなどを含む。またデータ部には図6(a)に示す名前解決要求の回答(応答メッセージ)とそれ以外のデータが格納されている。データ長が長い場合には、名前解決要求の回答制御信号を複数に分けてもよい。親局衛星通信装置7は、DNSメッセージ処理部14より入力された名前解決要求の回答制御信号を、ステップS8において、下りCSC回線5により発呼元の子局へ送信する。発呼元の子局2では、衛星通信装置19により下りCSC回線5により名前解決要求の回答制御信号を受信し、衛星GW装置20により、名前解決要求の回答制御信号から相手IP通信端末15のIPアドレスを読出し、図6(a)に示すDNSプロトコルによる名前解決要求の回答メッセージを復元する。衛星GW装置20は、ステップS9において、名前解決要求の回答メッセージを相手IP通信端末15へ送信する。
以上の一連の処理は次のような手順となる。
(手順1)子局2に接続されたIP通信端末15が発するDNSプロトコルに従う名前解決要求メッセージを、子局2の衛星GW装置20において識別し、DAMA方式のCSC回線にて伝送可能な形式の名前解決要求制御信号に変換し、上りCSC回線4により親局1へ送信する。
(手順2)親局1の回線制御装置8において、名前解決要求制御信号からDNSプロトコルに従う名前解決要求メッセージを再生し、相手IP通信端末のIPアドレスをDNSサーバ装置9に問合せる。
(手順3)DNSサーバ装置9からの応答メッセージに基づき、親局1の回線制御装置8は、相手子局を特定したDAMA方式のCSC回線にて伝送可能な形式の名前解決要求の回答制御信号に変換し、発呼元の子局2へ下りCSC回線5により送信する。
(手順4)発呼元の子局2にて名前解決要求の回答制御信号からDNSプロトコルに従う名前解決要求の回答メッセージを再生し、相手IP通信端末15へ送信する。
このような処理により、衛星回線上では通信回線6を割り当てることなく、CSC回線により名前解決要求(またはその回答)メッセージの受け渡しをすることができ、通信回線6がDNSメッセージの生起の度ごとに回線割り当てされることを抑制することができ、通信回線の利用効率が高くなる。
なお、以上はIPデータ通信を行なうためのプロトコルがDNSである場合を説明したが、他のIPデータ通信用プロトコルについても同様である。
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2における衛星通信方法、子局及び親局、衛星通信システムを説明する。
実施の形態1の発明は、IP通信端末15によるIP通信のための各種処理信号を送受信する制御回線としてCSC回線を用いていたが、実施の形態2の発明は、実施の形態1の上りCSC回線4及び下りCSC回線5の代わりに、CSC回線及び通信回線とは別に設けた子局1および親局2間の上り及び下り制御回線(図2には図示しないが、上りCSC回線4及び下りCSC回線5に相当する。)を設け、この制御回線によりIP通信のための各種信号処理を行なうようにしたものである。
上りCSC回線4及び下りCSC回線5は元々DAMA方式を成立させる制御用の回線であり、この回線においてIP通信端末によるIP通信のための各種処理信号を送受信すると回線が混雑し、本来のDAMA制御が十分に機能しなくなることも予測し得る。その場合には、IP通信端末によるIP通信のための各種処理信号は、上りCSC回線4及び下りCSC回線5の代わりに、CSC回線及び通信回線とは別に、子局1および親局2間に上り及び下り制御回線を設け、この制御回線により送受信するようにしてもよい。
上記の名前解決要求メッセージに対する名前解決要求制御信号及び応答信号をこの制御回線により子局2と親局1との間で送受信することにより、CSC回線および通信回線においてIP通信端末の接続処理が大量に発生しDAMAの回線制御機能が損なわれて通信効率が低下することを防止することができる。
1:親局 2:子局
3:通信衛星 4:上りCSC回線
5:下りCSC回線 6:通信回線
7:親局衛星通信装置 8:回線制御装置
9:DNSサーバ装置(検索手段) 13:DAMA回線制御部、
14:DNSメッセージ処理部 15:IP通信端末
19:衛星通信装置 20:衛星GW装置
26:伝送制御部(判別手段) 27:DNS処理部(メッセージ処理手段)

Claims (14)

  1. 衛星を経由する制御回線により子局から親局に回線割り当てを要求し、上記親局により上記子局に対して通信回線を割り当て、上記子局と相手子局との間で衛星通信を行う回線割当型の衛星通信方法において、上記子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づいて、上記子局は上記制御回線により送信する制御信号を生成して上記制御回線により上記親局に送信し、上記制御信号を受信した上記親局は上記メッセージを再生することを特徴とする衛星通信方法。
  2. 請求項1に記載の衛星通信方法に使用される子局は、上記子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づいて上記制御回線により送信する制御信号を生成する衛星GW装置と、この衛星GW装置により生成した上記制御信号を上記制御回線により上記親局へ送信する衛星通信装置とを備えたことを特徴とする子局。
  3. 上記衛星GW装置は、接続されたIP通信端末からの受信データから、その受信データが上記IP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージであることを判別する判別手段と、この判別手段により上記IP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージであることを判別したときに、上記メッセージに基づき上記制御回線により送信する制御信号を生成するメッセージ処理手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の子局。
  4. 請求項1に記載の衛星通信方法に使用される親局は、上記子局から送信された制御信号を上記制御回線により受信する親局衛星通信装置と、この親局衛星通信装置により受信した制御信号に基づき、上記子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージを再生する回線制御装置とを備えたことを特徴とする親局。
  5. 衛星を経由する制御回線により子局から親局に回線割り当てを要求し、上記親局により上記子局に対して通信回線を割り当て、上記子局と相手子局との間で衛星通信を行う回線割当型の衛星通信方法において、上記子局に接続されたIP通信端末からのDNSプロトコルによる名前解決要求に基づき、上記子局は上記制御回線により送信する第1の制御信号を生成して上記制御回線により上記親局に送信し、上記第1の制御信号を受信した親局は宛先である上記相手子局のIP通信端末のIPアドレスを検索し、上記名前解決要求への回答を生成して上記制御回線により上記子局へ第2の制御信号を送信し、上記第2の制御信号を受信した上記子局は、上記名前解決要求への回答を再生して上記相手子局のIP通信端末へ送信することを特徴とする衛星通信方法。
  6. 請求項5に記載の衛星通信方法に使用される子局は、上記子局に接続されたIP通信端末を含む端末装置からの受信データから、その受信データが上記IP通信端末からのDNSプロトコルによる名前解決要求メッセージであることを判別する判別手段、およびこの判別手段によりDNSプロトコルによる名前解決要求メッセージであることを判別したときに、上記名前解決要求メッセージに基づき上記制御回線により送信される第1の制御信号を生成するメッセージ処理手段を有する衛星GW装置と、上記衛星GW装置で生成された上記制御信号を上記制御回線により上記親局へ送信する衛星通信装置を備えたことを特徴とする子局。
  7. 請求項5に記載の衛星通信方法に使用される親局は、上記子局から送信された第1の制御信号を上記制御回線により受信する親局衛星通信装置と、この親局衛星通信装置により受信した第1の制御信号に基づき上記名前解決要求メッセージの宛先である相手子局のIP通信端末のIPアドレスを検索する検索手段と、この検索手段の検索結果から上記名前解決要求への回答メッセージを作成して第2の制御信号を生成するメッセージ処理手段とを備え、上記第2の制御信号を上記制御回線により上記子局に送信するようにした親局。
  8. 上記制御回線は、CSC回線により構成したことを特徴とする請求項1または請求項5に記載の衛星通信方法。
  9. 上記制御回線は、上記通信回線及びCSC回線とは別に設けた制御回線により構成したことを特徴とする請求項1または請求項5に記載の衛星通信方法。
  10. 上記制御回線は、CSC回線により構成したことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項6のいずれか1項に記載の子局。
  11. 上記制御回線は、上記通信回線及びCSC回線とは別に設けた制御回線により構成したことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項6のいずれか1項に記載の子局。
  12. 上記制御回線は、CSC回線により構成したことを特徴とする請求項4または請求項7に記載の親局。
  13. 上記制御回線は、上記通信回線及びCSC回線とは別に設けた制御回線により構成したことを特徴とする請求項4または請求項7に記載の親局。
  14. 衛星を経由する制御回線により子局から親局に回線割り当てを要求し、上記親局により上記子局に対して通信回線を割り当て、上記子局と相手子局との間で衛星通信を行う回線割当型の衛星通信システムにおいて、上記子局はそれに接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージに基づいて上記制御回線により送信する制御信号を生成する衛星GW装置と、この衛星GW装置により生成した上記制御信号を上記制御回線により上記親局へ送信する衛星通信装置を備え、上記親局は上記子局から送信された制御信号を上記制御回線により受信する親局衛星通信装置と、この親局衛星通信装置により受信した制御信号に基づき、上記子局に接続されたIP通信端末からの名前解決を目的とするメッセージを再生する回線制御装置とを備えた衛星通信システム。
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