JP2012171364A - Pneumatic radial tire - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、空気入りラジアルタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、剛性を悪化させることなく耐久性および軽量性に優れ、かつ、転がり抵抗も向上した空気入りラジアルタイヤに関する。 The present invention relates to a pneumatic radial tire (hereinafter, also simply referred to as “tire”), and more particularly, to a pneumatic radial tire that is excellent in durability and light weight without deteriorating rigidity and improved in rolling resistance.
現在、乗用車用ラジアルタイヤの骨格をなすカーカスの補強部材、特にカーカスのクラウン部の補強部材として一般に用いられているベルトは、主としてタイヤの赤道面に対し傾斜配列されたスチールコードのゴム引き層からなるスチールベルト層を2枚以上用い、これらベルト層中のスチールコードが互いに交差するようにして構成されている。 Currently, the belt commonly used as the reinforcing member of the carcass that forms the skeleton of the radial tire for passenger cars, especially the reinforcing member of the crown portion of the carcass, is mainly made of a rubberized layer of a steel cord that is inclined with respect to the equator plane of the tire. Two or more steel belt layers are used, and the steel cords in these belt layers intersect each other.
従来より、ベルト層の改良に関して、種々の検討がなされてきている。例えば、特許文献1には、補強素子を数本以内の束とし、その束を一定の分散で打ち込むことにより、ベルトの耐久性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献2には、ベルトの補強材として(1×2)構造のスチールコードを用いることにより、ベルト端で発生するセパレーション(BES)を抑制することができること、およびタイヤの軽量化が図れること、が開示されている。
Conventionally, various studies have been made on improvement of the belt layer. For example,
近年、自動車の高性能化に伴って、タイヤに対して、ますます高い性能が求められるようになってきている。また、自動車の燃費向上のためには、タイヤの軽量化も重要な課題となってきている。このような現状においては、特許文献1および2記載のベルト構造では、タイヤの耐久性および軽量性について、必ずしも十分なものとは言えなくなってきている。また、乗り心地性や操縦安定性などの性能面からもベルトには高い剛性を確保する必要があり、さらに、燃費向上については、タイヤの軽量化のみならず、転がり抵抗についても検討が必要となる。
In recent years, with higher performance of automobiles, higher performance is required for tires. In addition, weight reduction of tires has become an important issue for improving the fuel efficiency of automobiles. Under such circumstances, the belt structures described in
そこで、本発明の目的は、剛性を悪化させることなく耐久性および軽量性に優れ、かつ、転がり抵抗も向上した空気入りラジアルタイヤを提供することにある。 Accordingly, an object of the present invention is to provide a pneumatic radial tire that is excellent in durability and light weight without deteriorating rigidity and improved in rolling resistance.
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ベルト層とベルト補強層の構造を所定のものとすることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。 As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that the above problems can be solved by setting the belt layer and the belt reinforcing layer to have a predetermined structure, and the present invention is completed. It came to.
すなわち、本発明の空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビードコア間にわたりトロイド状をなして跨る少なくとも1枚のカーカス層からなるカーカスと、該カーカスのクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設されて接地部を形成するトレッド部と、該トレッド部と前記カーカスのクラウン領域との間に配置されて補強部を形成する、少なくとも2枚のベルト層からなるベルトと、該ベルトのタイヤ半径方向外側にタイヤ周方向に対し実質的に平行に配列された有機繊維コードのゴム引き布からなるベルト補強層を備える空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記ベルト層を構成する補強材が、2本のコードを撚らずに揃えた束であり、かつ、前記コードを構成する全てのフィラメントの径が同径であり、その径をa(mm)としたとき、隣り合う前記束同士の間隔が、前記コードの外接円を用いて表した間隔よりも期待値としてa/6(mm)以上増加し、
前記有機繊維コード1本当りの初期引張抵抗度が20GPa以下であり、かつ、前記ベルト補強層の全領域において、有機繊維コード1本当りの初期引張抵抗度に単位幅あたりに存在する有機繊維コード本数を乗じた、見かけのトリート初期引張抵抗度が400GPa/cm以下であることを特徴とするものである。ここで、初期引張抵抗度とはJIS L 1017に準拠して求めた値である。
That is, the pneumatic radial tire of the present invention is disposed on the outer side in the tire radial direction of the carcass formed of at least one carcass layer straddling a toroidal shape between a pair of left and right bead cores, and in the crown region of the carcass. A tread portion forming a portion, a belt comprising at least two belt layers disposed between the tread portion and the crown region of the carcass to form a reinforcing portion, and a tire radially outward of the belt In a pneumatic radial tire provided with a belt reinforcing layer made of rubberized cloth of organic fiber cords arranged substantially parallel to the circumferential direction,
The reinforcing material constituting the belt layer is a bundle in which two cords are aligned without twisting, and the diameters of all the filaments constituting the cord are the same, and the diameter is a (mm) Then, the interval between the adjacent bundles is increased by a / 6 (mm) or more as an expected value from the interval expressed using the circumcircle of the cord,
An organic fiber cord having an initial tensile resistance per organic fiber cord of 20 GPa or less and an initial tensile resistance per organic fiber cord per unit width in the entire region of the belt reinforcing layer. The apparent treat initial tensile resistance multiplied by the number is 400 GPa / cm or less. Here, the initial tensile resistance is a value determined in accordance with JIS L 1017.
本発明においては、前記有機繊維コード1本あたりの初期引張抵抗度は7GPa以上であることが好ましく、また、本発明においては、前記見かけのトリート初期引張抵抗度は150GPa/cm以下であることが好ましく、さらに、本発明においては、前記ベルト補強層は、最小のベルト幅を有するベルト層の端部より幅方向内側から最大のベルト幅を有するベルト層の端部より幅方向外側の範囲に配設されていることが好ましい。 In the present invention, the initial tensile resistance per one organic fiber cord is preferably 7 GPa or more, and in the present invention, the apparent treat initial tensile resistance is 150 GPa / cm or less. Preferably, in the present invention, the belt reinforcing layer is arranged in a range from the inner side in the width direction to the end of the belt layer having the maximum belt width from the end of the belt layer having the minimum belt width. It is preferable to be provided.
本発明によれば、剛性を悪化させることなく耐久性および軽量性に優れ、かつ、転がり抵抗も向上した空気入りラジアルタイヤを提供することができる。 According to the present invention, it is possible to provide a pneumatic radial tire that is excellent in durability and light weight without deteriorating rigidity and improved in rolling resistance.
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に本発明の一好適例の空気入りラジアルタイヤの断面図を示す。図示するタイヤは、カーカスのクラウン領域に配設されて接地部を形成するトレッド部1と、このトレッド部1の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部2と、各サイドウォール部2の内周側に連続するビード部3とを備えている。
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
FIG. 1 is a sectional view of a pneumatic radial tire according to a preferred embodiment of the present invention. The illustrated tire includes a
トレッド部1、サイドウォール部2およびビード部3は、一方のビード部3から他方のビード部3にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカス層からなるカーカス4により補強されている。また、トレッド部1は、以下で詳述する、カーカス4のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設した少なくとも2層、図示する例では2層の第1ベルト層5aと第2ベルト層5bとからなるベルトにより補強されている。また、ベルト5の全幅にタイヤ周方向に対し実質的に平行に配列された有機繊維コードのゴム引き布からなるベルト補強層6が配置されている。ここで、カーカス4のカーカス層は複数枚としてもよく、タイヤ周方向に対してほぼ直交する方向、例えば、70〜90°の角度で延びる有機繊維コードを好適に用いることができる。
The
まず、本発明の空気入りラジアルタイヤのベルト層5について説明する。
本発明においては、第1ベルト層5a、第2ベルト層5bを構成する補強材は、2本のコードを撚らずに揃えた束である。補強材をコード2本の束とすることにより、コードを束としない場合と比べて、ベルト層中の補強材の間隔が広くなり、ベルト幅方向端部のコード端を起点としたゴム剥離が容易に隣り合うコード間に伝播する、BESを抑制することができる。これにより、ベルトの耐久性を向上させることができる。また、本発明においては、コードを構成する全てのフィラメントの径を同径とし、その径をa(mm)としたとき、隣り合う束同士の間隔が、コードの外接円を用いて表した間隔よりも期待値としてa/6(mm)以上、好ましくは4a/11(mm)以上増加する。図2(a)〜(c)は、ベルト層の補強材として、(1×2)構造のコード2本を束7とした場合、図3(a)〜(c)は、(1+1)構造のコード2本を束17とした場合のコード束の断面の変化の例を示す断面図であり、以下、図2および図3を用いてコード径の変化について説明する。
First, the belt layer 5 of the pneumatic radial tire of the present invention will be described.
In the present invention, the reinforcing material constituting the
通常、コード径Dcは、図2(a)に示す様に、フィラメント8の外接円9の直径により表わされている。しかしながら、(1×2)構造のコードは2本のフィラメント8を撚り合わせたコードであるため、コード内(外接円9内)でフィラメント8の位置が連続的に変化している。例えば、フィラメント8の位置が図2(b)、(c)のように45°ずつ変化すると、水平方向における実際のコード径は、外接円9より減少することになる。(1+1)構造のコードについても同様であり、図3(a)〜(c)に示す様に、フィラメント18の位置が、図3(b)、(c)のように45°ずつ変化すると、水平方向における実際のコード17の径は、外接円19より減少することになる。
Usually, the cord diameter Dc is represented by the diameter of the
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルトの補強材として、コードを2本束にして用いているが、上述のように、ベルト幅方向でコード径が変化すると、隣り合う束同士の間隔も、コード径の変化に合わせて、連続的に変化することになる。すなわち、隣り合う束同士の間隔に広い部分と狭い部分が現れることになる。この束同士の間隔が広い部分が存在することにより、ベルト幅方向端部のコード端を起点としたゴム剥離が容易に隣り合うコード間に伝播するBESを、より効果的に抑制することができる。その結果、ベルトの耐久性がさらに向上することになる。また、束同士の間隔が狭い部分が存在するため、ベルトの剛性を維持することができる。 The pneumatic radial tire of the present invention is used as a bundle of two cords as a belt reinforcing material, but as described above, when the cord diameter changes in the belt width direction, the interval between adjacent bundles is also As the cord diameter changes, it will change continuously. That is, a wide part and a narrow part appear in the interval between adjacent bundles. The presence of a portion having a wide space between the bundles can more effectively suppress BES that easily propagates between adjacent cords, with rubber peeling starting from the cord end of the belt width direction end. . As a result, the durability of the belt is further improved. In addition, since there is a portion where the distance between the bundles is narrow, the rigidity of the belt can be maintained.
次に、束間隔の増加量の期待値の算出方法について説明する。図4および図5は、(1×2)構造のコード2本を束とした場合の、束間隔の増加量の期待値を算出するための説明図である。まず、図4(a)に示す様に、隣り合う束7同士の近接するコードの一方をコードX、他方をコードYとし、コードXとコードYのそれぞれの外接円間の距離をWとする。次に、水平方向において、コードXおよびコードYの外接円間の距離と、コードXおよびコードYのフィラメント間距離と、が等しい状態をコードXおよびコードYの基本状態(図4(a))とする。図4(a)〜(h)は、例として、コードXが1ピッチで360°回転する場合において、基本状態からコードXを45°ずつ回転させた場合の断面形状をそれぞれ示す。図4(b)を参照するに、基本状態からコードXを45°回転させることにより、コードXとコードYの実際の間隔は、Wよりxz2だけ増加する。さらに、コードXを45°ずつ回転させると(図4(c)〜(h))、コードXとコードYの実際の間隔の増加量は、xz3〜xz8だけ変化する。なお、基本状態(図4(a))および基本状態から180°回転した状態(図4(e))のxz1およびxz5は0である。
Next, a method for calculating the expected value of the increase amount of the bundle interval will be described. 4 and 5 are explanatory diagrams for calculating an expected value of the increase amount of the bundle interval when two cords having a (1 × 2) structure are bundled. First, as shown in FIG. 4A, one of the adjacent codes of
コードYについても同様に、コードYが1ピッチで360°回転する場合において、コードYを45°ずつ回転させた場合の断面形状を、図5(a)〜(h)としてそれぞれ示す。図示するように、基本状態(図5(a))からコードYを45°回転させることにより(図5(b))、コードXとコードYの実際の間隔は、Wよりyz2だけ増加する。さらに、45°ずつ回転させると(図5(c)〜(h))、コードXとコードYの実際の間隔の増加量は、yz3〜yz8だけ変化することになる。 Similarly, for the code Y, when the code Y rotates 360 ° at one pitch, the cross-sectional shapes when the code Y is rotated by 45 ° are shown as FIGS. 5A to 5H, respectively. As shown in the figure, by rotating the code Y by 45 ° from the basic state (FIG. 5A) (FIG. 5B), the actual distance between the code X and the code Y increases by yz 2 from W. . Further, when the rotation is performed by 45 ° (FIGS. 5C to 5H), the actual amount of increase in the distance between the code X and the code Y changes by yz 3 to yz 8 .
ここまでは、束間隔の増加量の算出の方法として、コードXおよびコードYを45°ずつ回転させた場合を例に挙げて説明してきたが、本発明においては、同様の考え方に基づき、コードXおよびコードYが1ピッチで360°回転する場合において、コードXおよびコードYを基本状態から1°ずつ回転させ、xz1〜xz360およびyz1〜yz360を求める。得られた値を基に、下記式、
により、束間隔の増加量の期待値を算出する。なお、コード構造が(1×2)構造を例として説明したが、他の構造のコードについても同様の手順で算出することができる。
Up to this point, the case where the code X and the code Y are rotated by 45 ° has been described as an example of the calculation method of the increase amount of the bundle interval. However, in the present invention, the code is calculated based on the same concept. When X and code Y rotate 360 ° at one pitch, code X and code Y are rotated by 1 ° from the basic state, and xz 1 to xz 360 and yz 1 to yz 360 are obtained. Based on the obtained value, the following formula:
Thus, an expected value of the increase amount of the bundle interval is calculated. The code structure has been described by taking the (1 × 2) structure as an example, but codes of other structures can be calculated in the same procedure.
上記式により算出された束間隔の増加量の期待値が、a/6(mm)以上、好ましくは4a/11(mm)以上増加するコードを、2本束としてベルトの補強材として用いることにより、剛性を悪化させることなく耐久性および軽量性に優れた空気入りラジアルタイヤを得ることができる。上記関係を満足するコード構造としては、(1×2)構造、(1+1)構造等が挙げられる。 By using a cord in which the expected value of the increase amount of the bundle interval calculated by the above formula increases by a / 6 (mm) or more, preferably 4a / 11 (mm) or more, as a bundle of belts as a bundle of two A pneumatic radial tire excellent in durability and light weight can be obtained without deteriorating rigidity. Examples of the code structure that satisfies the above relationship include a (1 × 2) structure and a (1 + 1) structure.
本発明においては、ベルト層への補強材の打込み数は35〜65本/50mmであることが好ましい。打込み数を、上記範囲とすることにより、ベルト強度とBES抑制を高度に両立することができる。より好ましくは40〜59本/50mmである。 In the present invention, it is preferable that the number of the reinforcing material driven into the belt layer is 35 to 65/50 mm. By setting the number of drivings within the above range, both belt strength and BES suppression can be achieved at a high level. More preferably, it is 40-59 pieces / 50 mm.
また、本発明においては、タイヤの軽量化と耐久性の向上の観点から、ベルト層の厚みは0.70mmより大きく1.20mm未満であることが好ましい。ベルト層の厚みを上記範囲にすることで、耐久性と軽量性を良好に得ることができる。より好ましくは0.80〜1.10mmである。 In the present invention, the thickness of the belt layer is preferably greater than 0.70 mm and less than 1.20 mm from the viewpoint of weight reduction and durability improvement of the tire. By setting the thickness of the belt layer within the above range, durability and lightness can be favorably obtained. More preferably, it is 0.80 to 1.10 mm.
さらに、本発明においては、ベルト補強コードを構成するフィラメントのフィラメント径は0.23〜0.30mmであることが好ましい。フィラメント径を上記範囲とすることにより、ベルト強度と軽量性を良好に得ることができる。 Furthermore, in the present invention, the filament diameter of the filament constituting the belt reinforcing cord is preferably 0.23 to 0.30 mm. By setting the filament diameter in the above range, the belt strength and light weight can be obtained satisfactorily.
なお、本発明においては、フィラメントの撚り方向、撚りピッチ等の条件については、特に制約されるものではなく、用途に応じて、常法に従い適宜構成することが可能である。また、フィラメントの材質等については特に制限はないが、スチールフィラメントが好適である。スチールフィラメントとしては、引張り強さは、好適には2700N/mm2以上のものを好適に用いることができる。高い抗張力を有するモノフィラメントコードとしては、少なくとも0.72質量%、特には少なくとも0.82質量%の炭素を含有するものを、好適に用いることができる。 In the present invention, the conditions such as the twist direction and the twist pitch of the filament are not particularly limited, and can be appropriately configured according to a conventional method depending on the application. Moreover, there is no restriction | limiting in particular about the material of a filament, However, A steel filament is suitable. As the steel filament, a tensile strength of 2700 N / mm 2 or more can be suitably used. As the monofilament cord having a high tensile strength, one containing at least 0.72% by mass, particularly at least 0.82% by mass of carbon can be suitably used.
続いて、本発明の空気入りラジアルタイヤのベルト補強層6について説明する。
一般に、ベルト補強層6を設けることで、高速耐久性、摩耗性、トレッドカットなどにより生じた外傷から浸入した水分による錆などに対する耐久性(市場耐久性)を向上させることができることが知られている。ベルト補強層6は高剛性であるほど、ロードノイズ低減や高速耐久性に優れており、低剛性であるほど、転がり抵抗低減に優れていることも知られている。しかしながら、ベルト補強層6を配置することによって、走行中ベルト層5bとベルト補強層6間でせん断歪みが生じ、セパレーションの発生核となり早期故障を誘発する原因となるという問題を有している。
Next, the
In general, it is known that the provision of the
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルト層5の補強材として、束間隔の増加量の期待値が、a/6(mm)以上のコードを用いている。このようなコードは、コード径が幅方向のみが変化するものではなく、タイヤ半径方向についても同様にコード径が変化する。従って、ベルト補強層6を有するタイヤにおいては、図6に示すように、例えば、ベルト補強コードとして1×2構造のコードを用いた場合、ベルト層5bのコードの束27とベルト補強層6の有機繊維コード10との実際の間隔が局所的に広い部分と狭い部分が存在する。層間ゲージの狭い部分が存在すると層間の局所的な歪みが大きくなり、上記セパレーションの問題が顕著となる。
In the pneumatic radial tire of the present invention, a cord having an expected value of an increase in the bundle interval of a / 6 (mm) or more is used as a reinforcing material for the belt layer 5. In such a cord, the cord diameter does not change only in the width direction, and the cord diameter similarly changes in the tire radial direction. Accordingly, in the tire having the
ベルト層とベルト補強層間のせん断歪は、ベルト補強層のコード剛性およびベルト層のコード剛性が大きいほど大きくなるため、これらは小さい方が好ましい。そこで、本発明においては、ベルト補強層6を構成する有機繊維コード10の1本当りの初期引張抵抗度を20GPa以下とし、かつ、ベルト補強層6の全領域において、有機繊維コード10の1本当りの初期引張抵抗度に単位幅あたりに存在する有機繊維コード本数を乗じた見かけのトリート初期引張抵抗度を400GPa/cm以下とする。
Since the shear strain between the belt layer and the belt reinforcing layer increases as the cord rigidity of the belt reinforcing layer and the cord layer increases, the smaller one is preferable. Therefore, in the present invention, the initial tensile resistance per one
有機繊維コード10の1本あたりの初期引張抵抗度を20GPa以下とすることで、ベルト層5bとベルト補強層6間に生じるせん断歪みを軽減しつつ、転がり抵抗を向上させることができる。また、有機繊維コード1本の初期引張抵抗度が20GPaより大きいとタイヤ加硫時のベルトへの拘束力が高いため、ベルト補強層補強コードとベルト補強コードの距離が短くなり、かえってセパレーションの発生核となってしまう。好適には3〜7GPaである。また、見かけのトリート初期引張抵抗度が400GPa/cmより大きいと、有機繊維コードの打込み本数が増大し、コード間距離が小さくなり、やはりセパレーションが発生しやすくなる。好適には、100〜150GPaである。なお、一般的に上記セパレーション現象はベルト端近傍で発生する。そこで、本発明においては、図1に示す様にベルト補強層6はベルト5の全幅を覆う構造としてもよい(いわゆる、キャップ構造)が、ベルト5の端部をベルト補強層6で覆う構造としてもよい(いわゆる、レイヤー構造)。この場合、ベルト補強層6は、最小のベルト幅を有するベルト層の端部より幅方向内側から最大のベルト幅を有するベルト層の端部より幅方向外側の範囲に配置することが好ましい。
By setting the initial tensile resistance per one
上記有機繊維コードとしては、ナイロン繊維からなるコードやポリエチレンテレフタレート(PET)からなるコードを好適に用いることができ、これらの複合コードを用いてもよい。また、有機繊維コードは上記物性を満足するものであればコード径や、コード構造、撚り数等については特に制限されるものではない。なお、ベルト補強層6は、その配設幅より狭い幅寸法を持ち、1本以上の補強コードをゴム引きしてなるリボン状シートを、複数回螺旋巻回することにより、好適に形成することができる。
As the organic fiber cord, a cord made of nylon fiber or a cord made of polyethylene terephthalate (PET) can be suitably used, and a composite cord of these may be used. The organic fiber cord is not particularly limited with respect to the cord diameter, the cord structure, the number of twists and the like as long as the above physical properties are satisfied. The
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルトの構造が上記要件を満足するものであれば、それ以外の具体的なタイヤ構造については、特に制限されるものではない。また、タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。 In the pneumatic radial tire of the present invention, the specific tire structure other than that is not particularly limited as long as the belt structure satisfies the above requirements. Moreover, as gas with which a tire is filled, inert gas, such as nitrogen, argon, helium other than the air which adjusted normal or oxygen partial pressure, can be used.
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜3および比較例1〜4>
図1に示すタイヤと同様のタイプのタイヤを、タイヤサイズ205/55R16にて作製した。ベルト層は、下記表1および2に示す構造のスチールコードを2本束としたベルト補強材を用いて作製した。ベルト補強層は、同表中の構造を有する有機繊維コードを補強材として用いて作製した。ベルトは2枚のベルト層の積層構造であり、ベルト角度はタイヤ周方向に対して±30°とした。ベルト補強層は周方向に対して実質平行とし、ベルト全面を覆うように配置した。得られた各タイヤについて、下記の手順に従い、耐摩耗性(剛性)、耐久性、タイヤ重量、市場耐久性および転がり抵抗の評価を行った。
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
<Examples 1-3 and Comparative Examples 1-4>
A tire of the same type as the tire shown in FIG. 1 was produced with a tire size of 205 / 55R16. The belt layer was produced using a belt reinforcing material in which two steel cords having the structures shown in Tables 1 and 2 below were bundled. The belt reinforcing layer was produced using an organic fiber cord having the structure shown in the table as a reinforcing material. The belt has a laminated structure of two belt layers, and the belt angle is ± 30 ° with respect to the tire circumferential direction. The belt reinforcing layer was arranged substantially parallel to the circumferential direction so as to cover the entire belt surface. About each obtained tire, according to the following procedure, abrasion resistance (rigidity), durability, tire weight, market durability, and rolling resistance were evaluated.
<耐摩耗性>
実車耐久走行(限界走行モードにて1周3.5kmの既設サーキットを20周走行)後のタイヤ残溝深さ(センターリブ溝)を測定し、比較例1のタイヤを100として指数評価した。この値が100±2の場合は従来品と同等として△、102より大きければ○、98より小さければ×とした。結果を表1および2に併記する。なお、耐摩耗性が小さいということは、トレッド接地面積が小さいことを意味し、ベルトの剛性の判断基準となる。
<Abrasion resistance>
The tire remaining groove depth (center rib groove) after actual vehicle durability running (running an existing circuit of 3.5 km per lap for 20 laps in the limit running mode) was measured, and index evaluation was performed with the tire of Comparative Example 1 being 100. When this value is 100 ± 2, it is equivalent to the conventional product, and Δ is greater than 102, and x is smaller than 98. The results are shown in Tables 1 and 2. Note that the low wear resistance means that the tread contact area is small and is a criterion for judging the rigidity of the belt.
<耐久性>
各供試タイヤを、6.5J×16のリムに取り付け、規定内圧を充填し、乗用車に装着した。舗装路を40000km走行した後、タイヤを解剖して、ベルト端部のセパレーション長さを調査した。結果は、値が小さいほど良好な結果を示す。また、比較例1のタイヤと同等以上の場合を○、劣っている場合を×とした。結果を表1および2に併記する。
<Durability>
Each test tire was attached to a 6.5 J × 16 rim, filled with a specified internal pressure, and attached to a passenger car. After traveling 40,000 km on the paved road, the tires were dissected and the separation length of the belt end was examined. A result shows a favorable result, so that a value is small. Moreover, the case where it was equal to or more than that of the tire of Comparative Example 1 was marked with ◯, and the case where it was inferior was marked with ×. The results are shown in Tables 1 and 2.
<タイヤ重量>
各タイヤ1本当たりの重量を測定し、比較例1のタイヤを100として指数評価した。この値が100未満の場合を○、100以上の場合を×とした。結果を表1および2に併記する。
<Tire weight>
The weight per tire was measured, and index evaluation was performed with the tire of Comparative Example 1 as 100. The case where this value was less than 100 was marked with ◯, and the case where it was 100 or more was marked with ×. The results are shown in Tables 1 and 2.
<市場耐久性>
得られたタイヤ4本を6.5J×16のリムに取り付け、規定内圧を充填し、4輪車に装着した。5万km実地走行した後、4輪をドラムにて時速120kmとなる様に回転させ、故障するまでの時間を計測し、タイヤ4本の平均値を算出した。得られた数値を比較例1を100とする指数とした。この数値が大きいほど市場耐久性に優れている。得られた結果を表1および2に示す。
<Market durability>
Four obtained tires were attached to a 6.5 J × 16 rim, filled with a specified internal pressure, and attached to a four-wheeled vehicle. After running on the actual road for 50,000 km, the four wheels were rotated with a drum at 120 km / h, the time until failure was measured, and the average value of four tires was calculated. The obtained numerical value was taken as an index with Comparative Example 1 as 100. The larger this value, the better the market durability. The obtained results are shown in Tables 1 and 2.
<転がり抵抗>
外径1707.6mm、幅350mmのスチール平滑面を有する回転ドラムを用い、4500N(460kg)の荷重の作用下で、80km/hの速度で回転させた時の惰行法をもって測定した。得られた値につき、比較例1を100とする指数で表した。この値が小さいほど転がり抵抗に優れていることを示す。得られた結果を表1および2に示す。
<Rolling resistance>
Using a rotating drum having a steel smooth surface with an outer diameter of 1707.6 mm and a width of 350 mm, the measurement was performed by the coasting method when rotating at a speed of 80 km / h under the action of a load of 4500 N (460 kg). About the obtained value, it represented with the index which makes Comparative Example 1 100. It shows that it is excellent in rolling resistance, so that this value is small. The obtained results are shown in Tables 1 and 2.
※2:見かけのトリート初期引張抵抗度
※3:ポリエチレンナフタレート
※2:見かけのトリート初期引張抵抗度
※4:ポリエチレンテレフタレート
表1および2より本発明の空気入りラジアルタイヤは、剛性を悪化させることなく耐久性および軽量性に優れ、かつ、転がり抵抗も向上していることが確かめられた。 From Tables 1 and 2, it was confirmed that the pneumatic radial tire of the present invention was excellent in durability and light weight without deteriorating rigidity and improved in rolling resistance.
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス
5a 第1ベルト層
5b 第2ベルト層
6 ベルト補強層
7,17 束
8,18 フィラメント
9,19 外接円
10 有機繊維コード
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記ベルト層を構成する補強材が、2本のコードを撚らずに揃えた束であり、かつ、前記スチールコードを構成する全てのフィラメントの径が同径であり、その径をa(mm)としたとき、隣り合う前記束同士の間隔が、前記コードの外接円を用いて表した間隔よりも期待値としてa/6(mm)以上増加し、
前記有機繊維コード1本当りの初期引張抵抗度が20GPa以下であり、かつ、前記ベルト補強層の全領域において、有機繊維コード1本当りの初期引張抵抗度に単位幅あたりに存在する有機繊維コード本数を乗じた、見かけのトリート初期引張抵抗度が400GPa/cm以下であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 A carcass composed of at least one carcass layer straddling a pair of left and right bead cores in a toroidal shape, a tread portion disposed on the outer side in the tire radial direction of the crown region of the carcass, and a tread portion; And a belt composed of at least two belt layers disposed between the crown region of the carcass and forming a reinforcing portion, and arranged substantially parallel to the tire circumferential direction on the outer side in the tire radial direction of the belt. In a pneumatic radial tire provided with a belt reinforcing layer made of a rubberized cloth of organic fiber cord,
The reinforcing material constituting the belt layer is a bundle in which two cords are aligned without twisting, and the diameters of all the filaments constituting the steel cord are the same, and the diameter is a (mm ), The interval between the adjacent bundles is increased by a / 6 (mm) or more as an expected value from the interval expressed using the circumscribed circle of the cord,
An organic fiber cord having an initial tensile resistance per organic fiber cord of 20 GPa or less and an initial tensile resistance per organic fiber cord per unit width in the entire region of the belt reinforcing layer. A pneumatic radial tire characterized by an apparent treat initial tensile resistance of 400 GPa / cm or less multiplied by the number.
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