以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした9種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や8種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示(透過色)と所定色表示(例えば青色表示や赤色表示など)とで変化させることなどにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ31Aの取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。図1に示す構成例では、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば7個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「3」、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば7個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
大当り図柄のうちで「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出されたことに基づき通常開放大当り状態が終了した後には、時短制御(時間短縮制御)とともに確変制御(確率変動制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示(導出)されたことに基づく通常開放大当り状態が終了した後に時短制御と確変制御が行われる大当り図柄は、確変大当り図柄(「確変A大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」(「確変A大当り」ともいう)と称される。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出されたことに基づき短期開放大当り状態が終了した後には、「確変A大当り」の場合と同様に、時短制御と確変制御がともに行われる。時短制御や確変制御が終了する条件は、「確変A大当り」の場合と同様であればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示(導出)されたことに基づく短期開放大当り状態が終了した後に時短制御と確変制御が行われる大当り図柄は、突確A大当り図柄(「第1突確大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち突確A大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確A大当り」(「第1突確大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出されたことに基づき短期開放大当り状態が終了した後には、確変制御のみが行われる。確変制御が終了する条件は、「確変A大当り」や「突確A大当り」の場合と同様であればよい。こうした「5」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示(導出)されたことに基づく短期開放大当り状態が終了した後に確変制御のみが行われる大当り図柄は、突確B大当り図柄(「第2突確大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち突確B大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確B大当り」(「第2突確大当り」ともいう)と称される。
なお、確変大当り図柄「7」や突確A大当り図柄「3」、および突確B大当り図柄「5」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。こうした大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態と称される。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置7を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が停止表示(導出)されるまでの期間において飾り図柄が可変表示されるときの表示態様であり、様々な共通点や相違点に着目して分類することができる。例えば、大当り組合せの確定飾り図柄となるか否かに対応した「大当り」や「ハズレ」、あるいは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるか否かに対応した「非リーチ」や「リーチ」といった、概略の分類をすることもできれば、変動パターンに応じた「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出の有無、あるいはリーチ演出の具体的な内容に対応した「ノーマルリーチ」や「スーパーリーチα」や「スーパーリーチβ」といった、詳細な分類をすることもできる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「9」の飾り図柄のうち、図柄番号が同一である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。特図ゲームにおける確定特別図柄が通常開放ラウンド大当り図柄となること(確変A大当り)に対応して、リーチ演出が実行された後などに、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変A」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる「3」や「5」の数字を示す特別図柄が停止表示(導出)される場合、あるいは小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、例えば予め定められた複数種類の開放チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、特殊表示結果となる確定飾り図柄として停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる「3」や「5」の数字を示す特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄となること(突確A大当り)に対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確A」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄のうち「5」の数字を示す特別図柄となること(突確B大当り)に対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確B」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1における演出状態が、複数種類の演出モードのうちいずれかに制御される。各々の演出モードにおいては、画像表示装置5での演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様、遊技効果ランプ9の点灯表示態様などといった、各種の演出態様が異なっている。パチンコ遊技機1における演出状態は、遊技状態の変化などに伴って、複数種類の演出モードのいずれかに切り替えられる(モード移行)。また、パチンコ遊技機1における演出状態は、所定の変動パターンによる可変表示が実行されることといった、所定条件が成立したことに基づいて、複数種類の演出モードのいずれかに切り替えられてもよい。
パチンコ遊技機1において確変制御が行われる高確状態であるときには、特図ゲームが開始されるごとに確変転落抽選が行われ、確変制御を終了させるか否かが決定される。そして、確変転落抽選に当選して確変制御を終了させると決定された確変転落決定時に、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となったときには、遊技者に所定の特典を付与するための演出などが行われる。一例として、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」に決定されたことに基づいて、特典付与演出となる所定演出が実行される。他の一例として、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」に決定されたことに基づいて、短期開放大当り状態における演出の実行に伴い、確変転落がなかった通常時とは異なる割合で所定の演出モードに切り替えられる。さらに他の一例として、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定されたことに基づいて、小当り遊技状態における演出の実行に伴い、高確状態ではないことを遊技者が認識しやすい切替態様で演出モードが切り替えられる。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」(確変A大当り)となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」(突確A大当り)となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」(突確B大当り)となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」および「大当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別など)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。なお、図柄確定コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されないようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する可変表示時間を、演出制御基板12の側で特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を完全停止表示して可変表示結果を確定させるようにしてもよい。
コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、時短付確変状態および時短状態のいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。また、短期開放大当り状態または小当り遊技状態のいずれかに制御されるときには、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンド、大入賞口開放開始コマンド、大入賞口開放終了コマンドの一部または全部が伝送されず、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどにより、短期開放大当り状態や小当り遊技状態における演出動作が実行されてもよい。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、確変転落決定用の乱数値MR0、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR0〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR0〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR0、MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの一部または全部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR0〜MR5の一部または全部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
確変転落決定用の乱数値MR0は、特図ゲームの実行が開始されるときに確変転落抽選を行い、確変制御を終了させるか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「106」の範囲の値をとる。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「確変A」、「突確A」、「突確B」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。
可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図6は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。確変転落抽選に当選して確変制御を終了する「確変転落あり」の場合に対応する変動パターンは、これらの変動パターン種別とは異なる変動パターン種別に分類されればよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図6に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図5に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図11に示すような変動パターン決定テーブル134の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル134において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される確変転落決定テーブル130の構成例を示している。確変転落決定テーブル130は、確変制御が行われる遊技状態(高確状態、確変状態)である場合に、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、確変制御を終了するか否かを決定する確変転落抽選を行うために参照されるテーブルである。確変転落決定テーブル130では、確変転落決定用の乱数値MR0と比較される数値(決定値)が、確変制御を終了する旨の「確変転落あり」、または確変制御を終了しない旨の「確変転落なし」といった決定結果のいずれかに割り当てられている。
図8は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル131の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル131は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル131では、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確低ベース状態(通常状態)や低確高ベース状態(時短状態)といった低確状態であるか、高確低ベース状態や高確高ベース状態といった高確状態(確変状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル131では、確変制御が行われる遊技状態であるか否かに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が高確低ベース状態や高確高ベース状態といった高確状態(確変状態)であり確変制御が行われている場合に、低確低ベース状態(通常状態)や低確低ベース状態(時短状態)といった低確状態であり確変制御が行われていない場合よりも多くの決定値が、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、いずれの遊技状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル131を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
遊技状態が複数種類のいずれであるかは、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグや確変フラグの状態(オフ/オン)を確認することにより特定できればよい。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態であるときに、時短制御や高開放制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、時短制御や高開放制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確低ベース状態や高確高ベース状態といった高確状態(確変状態)であるときに、確変制御が行われることに対応してオン状態にセットされる一方、確変制御が終了することに対応してクリアされてオフ状態となる。
特図表示結果決定テーブル131では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル131では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル131以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図9は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル132の構成例を示している。大当り種別決定テーブル132は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を「確変A」、「突確A」、「突確B」といった複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル132では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われる特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかという「変動特図」や、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「確変A」、「突確A」、「突確B」の大当り種別のいずれかに割り当てられている。
大当り種別決定テーブル132の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかや、変動特図が第1特図である場合の遊技状態が低確低ベース状態であるか否かに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、変動特図が第1特図である場合に、遊技状態が低確低ベース状態であるときには、所定範囲の決定値(「86」〜「100」の範囲の値)が「突確B」の大当り種別に割り当てられる一方で、遊技状態が低確低ベース状態以外であるときや、変動特図が第2特図である場合には、「突確B」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。また、変動特図が第1特図である場合には、「突確A」の大当り種別に対して決定値が割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確B」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。
このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合、さらには第1開始条件が成立したときの遊技状態が低確低ベース状態である場合と他の遊技状態である場合とで、大当り種別を「突確A」や「突確B」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確A」や「突確B」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば高開放制御が行われて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい高ベース状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確A」や「突確B」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確A」や「突確B」の大当り種別に割り当てられてもよい。こうして、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときよりも「突確A」や「突確B」の大当り種別に決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図10(A)に示す変動パターン種別決定テーブル(確変転落決定時)133Aと、図10(B)に示す変動パターン種別決定テーブル(大当り/小当り時)133Bと、図10(C)に示す変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cと、図10(D)に示す変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dとが、予め用意されている。
変動パターン種別決定テーブル(確変転落決定時)133Aは、確変制御が行われる高確状態における第1開始条件や第2開始条件の成立に基づく確変転落抽選により、確変制御を終了させることが決定された確変転落決定時に、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を用いて変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン種別決定テーブル(大当り/小当り時)133Bは、確変転落決定時以外のときに、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とする事前決定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を用いて変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cと変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dは、確変転落決定時以外のときに、可変表示結果を「ハズレ」とする事前決定結果に対応して、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を用いて変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cは、遊技状態が低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態であるときに使用テーブルとして選択される。一方、変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dは、遊技状態が低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態であるときに使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別決定テーブル(確変転落決定時)133Aでは、可変表示結果(「大当り」の場合には大当り種別も含む)ごとに、1の変動パターン種別に対してすべての決定値が割り当てられている。このように、確変転落決定時には、可変表示結果と予め対応付けられた1の変動パターン種別に決定できればよい。変動パターン種別決定テーブル(大当り/小当り時)133Bでは、可変表示結果(「大当り」の場合には大当り種別も含む)ごとに、1または2の変動パターン種別に対して決定値が割り当てられている。例えば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」である場合には、1の変動パターン種別CA3−1のみに対して、すべての決定値が割り当てられている。可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」または「突確B」である場合には、2の変動パターン種別CA4−1と変動パターン種別CA4−2に対して、決定値が割り当てられている。可変表示結果が「小当り」である場合には、1の変動パターン種別CA4−1のみに対して、すべての決定値が割り当てられている。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」または「突確B」である場合と、可変表示結果が「小当り」である場合には、いずれも変動パターン種別CA4−1に対して決定値が割り当てられている。すなわち、変動パターン種別CA4−1は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」または「突確B」である場合と、可変表示結果が「小当り」である場合に、いずれも決定可能となる共通変動パターン種別である。一方、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」または「突確B」である場合には、変動パターン種別CA4−2に決定値が割り当てられているのに対し、可変表示結果が「小当り」である場合には、変動パターン種別CA4−2に決定値が割り当てられていない。すなわち、変動パターン種別CA4−2は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」または「突確B」である場合にのみ決定可能となる固有変動パターン種別である。
変動パターン種別決定テーブル(大当り/小当り時)133Bでは、例えば可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」である場合と、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」または「突確B」である場合とで、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている。このように、変動パターン種別決定テーブル(大当り/小当り時)133Bでは、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cと変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dのそれぞれでは、合計保留記憶数としての特図保留記憶数に応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なっている。また、合計保留記憶数に応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。したがって、合計保留記憶数としての特図保留記憶数に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができ、また、異なる変動パターン種別に決定することができる。
変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cと変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dでは、互いに異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。例えば図6にも示すように、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3は遊技状態が低ベース状態である低ベース中に特有の変動パターン種別であり、変動パターン種別CA1−4及び変動パターン種別CA1−5は遊技状態が高ベース状態である高ベース中に特有の変動パターン種別である。
このように、変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cと変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dはそれぞれ、合計保留記憶数に応じて異なる変動パターン種別に割り当てられた決定値と、合計保留記憶数にかかわらず共通の変動パターン種別に割り当てられた決定値とを含んでいる。また、遊技状態が複数種類のうちいずれであるかに応じて異なる変動パターン種別に割り当てられた決定値と、遊技状態にかかわらず共通の変動パターン種別に割り当てられた決定値とを含んでいる。さらに、合計保留記憶数や遊技状態にかかわらず共通の変動パターン種別であっても、その変動パターン種別に割り当てられる決定値の個数は、合計保留記憶数や遊技状態に応じて異なっていてもよい。
図11は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル134の構成例を示している。変動パターン決定テーブル134は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル134では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターン(1または2以上の変動パターン)に割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件や第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された確変転落決定用の乱数値MR0や特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限記憶数に達するまで記憶する。特図保留記憶部151Aにおける保留データは、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が「4」に達したときと、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数の両方が「4」となり合計保留記憶数が「8」に達したときに、上限記憶数となる。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データも保留データに含まれ、保留番号と対応付けて特図保留記憶部151Aに記憶される。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞に対応して「1」を示す始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞に対応して「2」を示す始動口データが、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶される。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留データ(第1保留データ)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動条件の成立に基づく保留データ(第2保留データ)とを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。あるいは、第2特別図柄表示装置4Bにおける特図ゲームが第1特別図柄表示装置4Aにおける特図ゲームよりも優先して実行される場合には、有効な第2保留データが記憶されていれば、その第2保留データに対応する特図ゲームを実行し、有効な第2保留データが記憶されていない場合にのみ、第1保留データに対応する特図ゲームを実行すればよい。この場合には、始動口データ記憶部が設けられなくてもよい。
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR0、MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)となる電気部品による演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。具体的な一例として、ノーマル演出モードとなる演出モードMDN1と、スペシャル演出モードとなる演出モードMDA1〜MDA3、MDB1、MDB2という、合計6つの演出モードが設けられている。これらの演出モードは、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了したとき、飾り図柄の可変表示を実行中であるとき、または時短制御が終了したときといった、予め定められたモード移行条件のいずれかが成立したときに、現在の演出モードや大当り種別等に応じて切り替わる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
図13は、ノーマル演出モードとなる演出モードMDN1とスペシャル演出モードとなる各演出モードとの関係を示している。図14は、スペシャル演出モードとなる各演出モードの間の関係を示している。また、図15(A)は、各演出モードと遊技状態の関係を示し、図15(B)は、複数の演出モードの間で変更(切替え)が行われる場合に対応した演出モードの移行設定を示している。
例えば電源投入後といった、いずれの演出モードにも移行していないときには、ノーマル演出モードとしての演出モードMDN1となる。図13及び図15(B)に示すように、任意のスペシャル演出モード(演出モードMDA1〜MDA3、MDB1、MDB2のいずれか)である場合には、時短制御や高開放制御の終了による高ベース終了を契機として、図柄変動終了時に演出状態がノーマル演出モードとなる演出モードMDN1に移行する(モード移行TN)。したがって、演出モードMDN1であるときには、遊技状態が高ベース状態であることはない。一方、高確高ベース状態で高ベース終了となった場合には、遊技状態が高確低ベース状態に制御されるとともに、演出モードMDN1へのモード移行が行われることがある。したがって、演出モードMDN1であるときでも、遊技状態が高確状態(高確低ベース状態)である場合がある。
任意の演出モードにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」となったことを契機として、大当り遊技状態の終了時に演出状態が演出モードMDB1へと移行する(モード移行TB1)。一方、任意の演出モードにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」となったことを契機として、大当り遊技状態における大入賞口開放時に演出状態が演出モードMDB2へと移行する(モード移行TB2)。その後、確変転落抽選に当選して確変制御を終了する確変転落決定時には、演出モードMDA1〜MDA3のいずれかに移行する。なお、演出モードMDA1〜MDA3のいずれに移行するかは、可変表示結果や所定の決定結果に応じて異なる。こうして、演出モードMDB1や演出モードMDB2であるときには、図15(A)にも示すように、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる高確高ベース状態であることが確定し、遊技者が高確高ベース状態であることを確実に認識することができる。
演出モードMDN1であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」となったことや、可変表示結果が「小当り」となったことを契機として、大当り遊技状態や小当り遊技状態における大入賞口開放時に演出状態が演出モードMDA1〜MDA3のいずれかに移行する(図13に示すモード移行TA)。このとき、演出モードMDA1〜MDA3のいずれに移行するかは、可変表示結果に応じて異なる所定割合で決定される。また、演出モードMDA1〜MDA3のいずれかであるときにも、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」となったことや、可変表示結果が「小当り」となったことを契機として、演出状態が演出モードMDA1〜MDA3のうちで移行可能となる(図14に示すモード移行TA)。その他にも、例えば演出モードMDB1または演出モードMDB2であるときに、確変転落抽選に当選せず確変制御が終了せずに継続するときにも、変動パターンの決定結果などに基づいて演出モードMDA1〜MDA3のいずれかに移行することがある。こうして、演出モードMDA1〜MDA3のいずれかであるときには、図15(A)にも示すように、遊技状態が複数種類のいずれであるかを遊技者が認識することは困難になる。すなわち、演出モードMDA1〜MDA3のいずれかであるときには、遊技状態が高確状態や高ベース状態であるか否かを特定不能な共通演出が実行される。
なお、パチンコ遊技機1における演出モードの移行態様は、図13〜図15に示すものに限定されず、少なくとも可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」である場合と、可変表示結果が「小当り」である場合とに対応して、短期開放大当り状態または小当り遊技状態が終了した後に、確変制御が行われる高確状態であるか否かにかかわらず、共通の演出態様となる複数の演出モードのいずれかに移行することができればよい。こうした共通の演出モードに移行することにより、いわゆる潜伏確変といった、確変制御が行われているか否かを遊技者が認識不可能または認識困難な演出態様とすることができればよい。
演出制御基板12に搭載されたROM121などには、複数種類の演出モードに対応して複数の演出制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されればよい。また、ROM121には、それぞれの演出モードに共通の演出制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されてもよい。各演出モードでは、例えば背景画像や可変表示中に出現するキャラクタ画像、飾り図柄のモチーフといった、任意の演出態様を演出モードに応じて変化させることができればよい。また、各演出モードに応じて、飾り図柄の可変表示中にスピーカ8L、8Rから出力させる効果音を異ならせること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態様を異ならせることなどにより、各演出モードを区別してもよい。
図16(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型の可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型の可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図16(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図16(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターンなど)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型の可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図17に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図17に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドやコントローラセンサユニット35Aまたはプッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体に供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図18のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図18に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR0〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図20は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、確変転落決定用の乱数値MR0や特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値とともに保留データとして、特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。また、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。なお、特別図柄通常処理において可変表示結果を事前決定するより前に、遊技状態が高確状態であれば、確変制御を終了するか否かの確変転落抽選が実行される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口扉により大入賞口を第1状態(開放状態)とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「確変A」、「突確A」、「突確B」のいずれであるかに対応して、大入賞口を第1状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「確変A」であることに対応して通常開放大当り状態に制御される場合には、各ラウンドにて大入賞口を第1状態とする期間の上限を「29秒」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確A」または「突確B」であることに対応して短期開放大当り状態に制御される場合には、各ラウンドにて大入賞口を第1状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定する。なお、大入賞口の開放回数となるラウンドの実行回数は、大当り種別にかかわらず「15回」に設定されればよい。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を第1状態(開放状態)としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を第1状態から第2状態(閉鎖状態)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を第2状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を第1状態(開放状態)とするラウンドの実行回数が所定回数(例えば「15」)に達したか否かを判定する処理や、所定回数に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を第1状態(開放状態)とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を第1状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を第1状態(開放状態)としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を第1状態から第2状態(閉鎖状態)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を第2状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図21は、特別図柄通常処理として、図19のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と対応付けて記憶されている保留データとして、確変転落決定用の乱数値MR0、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ、及び始動口データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR0〜MR3などを示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した保留データに含まれる始動口データから特定される始動口が、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかを判定する(ステップS234)。このとき、ステップS232にて読み出した始動口データが「1」を示す場合には第1始動入賞口であると判定する一方、始動口データが「2」を示す場合には第2始動入賞口であると判定すればよい。
ステップS234にて第1始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「1」)、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS235)。このときには、変動特図指定バッファの値を「1」に更新する(ステップS236)。ステップS234にて第2始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「2」)、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS237)。このときには、変動特図指定バッファの値を「2」に更新する(ステップS238)。
ステップS236、S238の処理のいずれかを実行した後には、確変転落抽選処理を実行する(ステップS239)。続いて、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル131を選択してセットする(ステップS240)。
CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」や「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS241)。ステップS241の処理により、大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果が導出される以前に決定することができる。また、小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果が導出される以前に決定することができる。
続いて、ステップS241にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS242)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS242;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS243)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル132を選択してセットする(ステップS244)。このときには、例えば変動特図指定バッファの格納値に対応して、特図ゲームにおいて可変表示される特別図柄(変動特図)が第1特図であるか第2特図であるかを特定すればよい。加えて、変動特図が第1特図である場合には、例えば確変フラグや時短フラグの状態(オフ/オン)に対応して、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確低ベース状態であるか、その他の遊技状態であるかを特定すればよい。
CPU103は、ステップS244の処理にてセットされた大当り種別決定テーブル132を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「確変A」や「突確A」、「突確B」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を「確変A」、「突確A」、「突確B」のいずれとするかを決定する(ステップS245)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS246)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「確変A」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「突確A」であれば「1」とし、「突確B」であれば「2」とすればよい。
ステップS245にて大当り種別を決定することにより、通常開放大当り状態と短期開放大当り状態のいずれに制御するかの決定や、大当り遊技状態の終了後に時短制御や高開放制御を行う高ベース状態とするかの決定が行われる。例えば、ステップS245にて大当り種別が「確変A」に決定された場合には、通常開放大当り状態に制御すると決定され、また、大当り遊技状態の終了後には確変制御とともに時短制御と高開放制御とを行う高確高ベース状態とすることが決定される。これに対して、大当り種別が「突確A」に決定された場合には、短期開放大当り状態に制御すると決定され、また、大当り遊技状態の終了後には高確高ベース状態とすることが決定される。大当り種別が「突確B」に決定された場合には、短期開放大当り状態に制御することが決定され、また、大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われる一方で時短制御や高開放制御が行われない高確低ベース状態とすることが決定される。
ステップS242にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS242;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS247)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS247;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS248)。
ステップS247にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS247;No)、ステップS246、S248の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS249)。一例として、ステップS247にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS247にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS242にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS245における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて、「7」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「突確A」とする決定結果に応じて、「3」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確B」とする決定結果に応じて、「5」の数字を示す特別図柄を確定特別図柄に設定する。
ステップS249にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS251)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図22は、図21のステップS239にて実行される確変転落抽選処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す確変転落抽選処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグの状態(オフ/オン)に対応して、高確状態における確変制御中であるか否かを判定する(ステップS401)。確変制御中ではないときには(ステップS401;No)、そのまま確変転落抽選処理を終了する。
ステップS401にて確変制御中であるときには(ステップS401;Yes)、確変制御を終了させる確変転落の有無を決定するための使用テーブルとして、確変転落決定テーブル130を選択してセットする(ステップS402)。続いて、例えば乱数回路104あるいは遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される確変転落決定用の乱数値MR0を示す数値データを抽出し、ステップS402にてセットした確変転落決定テーブル130を参照することにより、確変転落の有無を決定する(ステップS403)。このときには、ステップS403の処理による決定結果が確変制御を終了させる「確変転落あり」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS404にて「確変転落なし」と判定された場合には(ステップS404;No)、確変転落抽選処理を終了する。これに対して、「確変転落あり」と判定された場合には(ステップS404;Yes)、例えば確変フラグをクリアしてオフ状態とすることといった、確変制御を終了するための設定を行う(ステップS405)。また、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変転落時フラグをオン状態にセットしてから(ステップS406)、確変転落抽選処理を終了する。
このように、図21のステップS239にて図22に示すような確変転落抽選処理が実行される。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確状態であるときには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、特図表示結果を決定するより前に、確変制御を終了させるか否かが決定される。
図23は、変動パターン設定処理として、図19のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、確変転落時フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。確変転落時フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)、そのフラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS262)、確変転落決定時に対応して、変動パターン種別決定テーブル(確変転落決定時)133Aを選択し、使用テーブルにセットする(ステップS263)。
ステップS261にて確変転落時フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。大当りフラグがオンであるときには(ステップS264;Yes)、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「確変A」や「突確A」、「突確B」のいずれであるかを特定する(ステップS265)。
ステップS264にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS266)。小当りフラグがオンであるときや(ステップS266;Yes)、ステップS265の処理を実行した後には、特図表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応して、変動パターン種別決定テーブル(大当り/小当り時)133Bを選択し、使用テーブルにセットする(ステップS267)。
ステップS266にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS266;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグの状態(オフ/オン)に対応して、時短制御や高開放制御が行われる高ベース中であるか否かを判定する(ステップS268)。そして、高ベース中ではなく低ベース中であるときには(ステップS268;No)、低ベース中に特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cを選択し、使用テーブルにセットする(ステップS269)。一方、高ベース中であるときには(ステップS268;Yes)、高ベース中に特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dを選択し、使用テーブルにセットする(ステップS270)。
ステップS263、S267、S269、S270の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS271)。ここで、ステップS271の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
確変転落時フラグがオンであるときには、変動パターン種別決定テーブル(確変転落決定時)133Aを構成するテーブルデータのうちから、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果や大当り種別)に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、確変転落決定時に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
確変転落時フラグがオフであり、大当りフラグがオンであるときや、小当りフラグがオンであるときには、変動パターン種別決定テーブル(大当り/小当り時)133Bを構成するテーブルデータのうちから、特図ゲームにおける可変表示結果に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」または「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
確変転落時フラグがオフであり、大当りフラグや小当りフラグもオフであるときには、変動パターン種別決定テーブル(低ベース中ハズレ時)133Cまたは変動パターン種別決定テーブル(高ベース中ハズレ時)133Dを構成するテーブルデータのうちから、可変表示の開始時における合計保留記憶数に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「ハズレ」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。このときには、ステップS271の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするかが決定される。すなわち、ステップS271の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS271にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル134を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS272)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS272にてセットした変動パターン決定テーブル134を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS273)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS273の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR0〜MR3とともに、特図保留記憶部151Aにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS273の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS273の処理では、ステップS271における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS273にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS274)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS274の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS275)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS275の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS276)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS276での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図18に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS277)、変動パターン設定処理を終了する。
図24は、特別図柄停止処理として、図19のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が停止表示(導出)されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、図柄確定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じてEXTデータが異なる当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、遊技制御カウンタ設定部154などに設けられた時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS303)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS304;Yes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS305)。また、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS306)。例えば、ステップS306の処理では、特図表示結果が「小当り」である場合に対応したEXTデータとなる当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS307)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS308)。
ステップS304にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS304;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS309)。ステップS308、S309の処理のいずれかを実行した後には、高ベース状態(時短状態)における時短制御や高開放制御を終了させるか否かの判定を行ってから(ステップS310)、特別図柄停止処理を終了する。一例として、ステップS310の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、時短回数カウント値が「0」となったときには、高ベース状態を終了させると判断して、時短フラグをクリアすることにより、時短制御や高開放制御を終了させる。
ステップS310にて時短制御や高開放制御を終了させると判定されたときには、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってもよい。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態のうち、高ベース状態が終了して低ベース状態となったことを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、演出制御基板12の側で高ベース中における特図ゲームの実行回数をカウントすることなどにより、主基板11の側とは独立して高ベース状態が終了するか否かを特定できるようにしてもよい。
図25は、大当り終了処理として、図19のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図19に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「突確B」であるか否かを判定する(ステップS323)。そして、大当り種別が「確変A」または「突確A」であり、「突確B」ではない場合には(ステップS323;No)、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、高ベース状態(時短状態)にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。
ステップS323にて大当り種別が「突確B」である場合や(ステップS323;Yes)、ステップS324の処理を実行した後には、例えば確変フラグをオン状態にセットするといった、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。こうして、大当り遊技状態が終了した後には、大当り種別にかかわらず、少なくとも確変制御が行われる高確状態に制御される。ステップS325の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
図26は、普通図柄プロセス処理として、図18のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR5が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図26に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Bに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Bに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Bから読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどに基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、時短フラグがオンである場合に、時短フラグがオフである場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定がなされる割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
また、普図表示結果決定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、高ベース状態(時短状態)であるときでは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。さらに、普図表示結果決定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態とする回数である傾動制御回数を設定してもよい。このとき、時短フラグがオンである場合には、時短フラグがオフである場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、高ベース状態であるときには、第2始動入賞口が拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を拡大開放状態とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図27のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図27に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図28は、演出制御プロセス処理として、図27のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示中演出設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示中演出設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図29(A)は、可変表示開始設定処理として、図28のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS501)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS501;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、有効ライン上において、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS502;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rの有効ライン上にて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が有効ライン上において左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS501にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS501;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」や「突確B」といった「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS505)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS505;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS506)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3、PC1−8のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4〜PC1−7のいずれかが指定された場合には、例えばステップS504と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS505にて「突確」または「小当り」以外の「確変A」であると判定されたときには(ステップS505;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS507)。一例として、ステップS507の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの有効ライン上に揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS503、S504、S506、S507の処理のいずれかを実行した後には、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンがスーパーリーチαを伴う変動パターンであるか否かを判定する(ステップS514)。ステップS514では、図5に示す変動パターンPA3−1、PA3−3、PA4−1、PA4−3のいずれかであるか否かを判定すればよい。
スーパーリーチαを伴う変動パターンであると判定された場合(ステップS514;Yes)、スーパーリーチαのリーチ演出において、画像表示装置5の背景に表示する背景画像を決定する(ステップS515)。
この実施の形態では、スーパーリーチαでは、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったときに、画像表示装置5の背景に複数種類の背景画像うちいずれかを表示させるリーチ演出が実行される。そして、いずれの背景画像が表示されるかによって、可変表示結果が「大当り」となる期待度を報知する。例えば、この実施の形態では、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタDのうちいずれかの背景画像が表示される。ステップS515では、図29(B)に示す決定割合で、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに基づいて背景画像が決定される。図29(B)に示す決定例では、スーパーリーチαにおける背景画像として、可変表示結果が「大当り」である場合、5%の割合でキャラクタAに決定され、10%の割合でキャラクタBに決定され、25%の割合でキャラクタCに決定され、60%の割合でキャラクタDに決定されるようになっている。また、可変表示結果が「ハズレ」である場合、60%の割合でキャラクタAに決定され、25%の割合でキャラクタBに決定され、10%の割合でキャラクタCに決定され、5%の割合でキャラクタDに決定されるようになっている。このような設定により、スーパーリーチαにおける背景画像は、キャラクタD>キャラクタC>キャラクタB>キャラクタAの順番で、可変表示結果が「大当り」となる期待度が高いことを報知することができる。
ステップS514にてスーパーリーチαを伴う変動パターンでないと判定された場合や(ステップS514;No)、ステップS515の処理を実行した後には、飾り図柄の変動中に演出モードを移行させる演出の設定を行う変動中移行演出設定処理が実行される(ステップS508)。続いて、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS509)。その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS510)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、ステップS515における背景画像の決定結果に応じて、特図変動時演出制御パターンが選択される。また、例えばステップS508の変動中移行演出設定処理で変動中移行演出を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した特図変動時演出制御パターンが選択されてもよい。
ステップS510の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS511)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS512)。このときには、例えばステップS511にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS513)、可変表示開始設定処理を終了する。
図30は、変動中移行演出設定処理として、図29のステップS508にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す変動中移行演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出モードを移行させる移行演出の指定があるか否かを判定する(ステップS601)。例えば図5に示す変動パターンのうち、変動パターンPA2−3、PA3−5、PA4−5、PC1−6〜PC1−8のいずれかが指定されたときに、移行演出の指定があると判定すればよい。移行演出の指定がない場合には(ステップS601;No)、変動中移行演出設定処理を終了する。
変動パターンPA2−3、PA3−5、PA4−5、PC1−6〜PC1−8のうち、変動パターンPA2−3以外の変動パターンは、確変転落抽選にて確変制御を終了することが決定された場合に、可変表示結果の決定内容に応じて、使用パターンに決定される。変動パターンPA2−3は、確変転落抽選にて確変制御を終了することが決定されなかった場合でも、可変表示結果が「ハズレ」となるときに、所定割合で使用パターンに決定される。
ステップS601にて移行演出の指定がある場合には(ステップS601;Yes)、時短制御中の変動中移行演出の実行を制限する所定期間中であるか否かを判定する(ステップS610)。時短制御中の変動中移行演出の実行を制限する所定期間内であると判定された場合(ステップS610;Yes)、移行演出の指定がある変動パターンであっても、変動中移行演出は実行せずに、ノーマルリーチのリーチ演出のみを実行することを決定して(ステップS611)、変動中移行演出設定処理を終了する。
時短制御中の変動中移行演出の実行を制限する所定期間は、変動中移行演出が実行されることが望ましくない期間などが予め定められる。そのような期間においては、移行演出の実行を制限し、ノーマルリーチのリーチ演出に置き換えている。
例えば、時短制御が終了する直前の所定期間(例えば、時短制御が終了する前の10回(時短制御が開始されてから91〜100回目)の可変表示中)において、変動中移行演出の実行が制限される。この実施の形態では、特図ゲームが開始されるごと確変転落抽選に実行されるが、転落抽選によって確変制御が終了する確率は、図7に示すように2/106となっている。従って、時短制御が終了する直前においてはすでに確変制御が終了している可能性が高い。また、時短制御が終了する直前では、間もなく時短制御の終了を契機にモード移行が実行されるという状況である。このように遊技状態を推定しやすく、間もなくモード移行が実行される状況において、変動中移行演出を実行する意義が低い。このように、時短制御が終了する直前の所定期間において、変動中移行演出の実行を制限することで、意義が低い演出の実行を防止できる。
また、大当り遊技状態が終了してから直後の所定期間(例えば、大当り遊技状態終了後5回可変表示が実行されるまでの期間)において、変動中移行演出の実行が制限される。この実施の形態では、大当り遊技状態の終了の直後は、確変状態となる。また、上述のように、転落抽選によって確変制御が終了する確率は、2/106となっている。従って、大当り遊技状態が終了してから直後の所定期間において確変制御が実行されている可能性が高い。このような期間において、確変状態である期待度が低下する変動中移行演出が実行されると遊技者は落胆してしまう。このように、大当り遊技状態が終了してから直後の所定期間において、変動中移行演出の実行を制限することで、遊技者を落胆させてしまうような演出の実行を防止できる。
また、モード移行が実行された後の所定期間(例えば、モード移行後3回可変表示が実行されるまでの期間)において、変動中移行演出の実行が制限される。モード移行が実行されてからすぐに変動中移行演出が実行されると演出が煩雑になり、演出モードによる遊技状態の把握が困難になる。このように、モード移行が実行された後の所定期間において、変動中移行演出の実行を制限することで、演出が煩雑になり、演出モードによる遊技状態の把握が困難になることを防止できる。
ステップS610にて時短制御中の移行演出の実行を制限する所定期間内でないと判定された場合(ステップS610;No)、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出モードバッファの格納値(演出モードバッファ値)を読み取ることにより、現在の演出モードを特定する(ステップS602)。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPA2−3が指定されたか否かを判定する(ステップS603)。
ステップS603にて変動パターンPA2−3以外の変動パターンであると判定されたときには(ステップS603;No)、変動中移行演出用の移行先モードを決定する(ステップS604)。このときには、例えば図31に示すように、現在の演出モードに応じた決定割合で、移行先モードが決定される。ステップS604の処理により決定される移行先モードは、飾り図柄の可変表示中に変動中移行演出が実行されることにより現在の演出モードから切り替えられた後の演出状態である。
ステップS603にて変動パターンPA2−3であると判定されたときには(ステップS603;Yes)、例えば遊技状態指定コマンドのEXTデータに基づいて、現在の遊技状態を特定する(ステップS605)。そして、ステップS605にて特定された遊技状態に基づき、移行先モードを決定する(ステップS606)。このときには、例えば図32(A)〜(D)に示すように、現在の遊技状態に応じた決定割合で、移行先モードが決定される。なお、ステップS602の処理により特定された現在の演出モードがノーマル演出モードとしての演出モードMDN1であるときには、変動パターンPA2−3の指定に対応する変動中移行演出は実行せずに、ノーマルリーチのリーチ演出のみが実行されてもよい。
ステップS604の処理は、確変転落抽選にて確変制御を終了することが決定された場合に実行される。一方、ステップS606の処理は、確変転落抽選にて確変制御を終了しない旨の決定に基づいて所定の変動パターンPA2−3が指定されたときに実行される。したがって、ステップS604における移行先モードの決定割合と、ステップS606における移行先モードの決定割合とに基づいて、各演出モードであるときに確変制御が行われる高確状態である可能性を示唆することができる。
一例として、図32(A)および(C)に示す決定例においては、遊技状態が高確高ベース状態または高確低ベース状態といった高確状態であることに対応して、演出モードMDA1を移行先モードとする決定割合が、演出モードMDA2や演出モードMDA3を移行先モードとする決定割合よりも高くなる。また、図32(B)および(D)に示す決定例においては、遊技状態が低確高ベース状態または低確低ベース状態といった低確状態であることに対応して、演出モードMDA1を移行先モードとする決定割合が、演出モードMDA2や演出モードMDA3を移行先モードとする決定割合よりも低くなる。したがって、演出モードMDA1が移行先モードに決定された場合には、演出モードMDA2や演出モードMDA3が移行先モードに決定された場合よりも、高確状態である可能性(高確信頼度)が高くなる。他方、演出モードMDA3が移行先モードに決定された場合には、演出モードMDA1や演出モードMDA2が移行先モードに決定された場合よりも、高確信頼度が低くなる。こうして、演出モードMDA1における各種の演出は、演出モードMDA2や演出モードMDA3における各種の演出よりも高確状態であるときの実行割合が高くなる。一方、演出モードMDA3における各種の演出は、演出モードMDA1や演出モードMDA2における各種の演出よりも高確状態ではないときの実行割合が高くなる。
ただし、図31に示す決定例において、演出モードMDB1から演出モードMDA1を移行先モードとする決定割合は、演出モードMDB1から演出モードMDA3を移行先モードとする決定割合よりも低い。また、図32(A)に示す決定例においては、遊技状態が高確高ベース状態といった高確状態であることに対応して、演出モードMDB1から演出モードMDA3を移行先モードとする決定割合が、演出モードMDB1から演出モードMDA1を移行先モードとする決定割合よりも高くなる。演出モードがMDB1からMDA3に移行した場合には、演出モードがMDB1からMDA1に移行した場合よりも、高確状態である可能性(高確信頼度)が高くなる。即ち、通常は、MDA1>MDA2>MDA3という順番で高確信頼度が高くなっているが、例外として、高確高ベース状態であることが確定している演出モードであるMDB1からMDA3に移行した場合には、MDA3>MDA1>MDA2という順番で高確信頼度が高くなるように決定割合を変化させている。このような設定により、極端な演出モードの転落による遊技者の期待感の喪失を防止することができるようになる。
図31に示す決定例では、現在の演出モードが演出モードMDA3である場合に、モード移行を行わず、演出モードMDA3のまま維持することに決定される。これに対して、現在の演出モードが演出モードMDA3である場合には、ノーマル演出モードとなる演出モードMDN1を移行先モードに決定してもよい。これにより、確変転落決定時に対応した変動中移行演出では、演出状態がスペシャル演出モードに含まれる演出モードMDA3から、ノーマル演出モードとなる演出モードMDN1へと切り替えられるようにしてもよい。
ステップS604、S606の処理のいずれかにより移行先モードを決定した後には、その移行先モードをRAM122の所定領域に記憶してから(ステップS607)、変動中移行演出設定処理を終了する。
図33は、可変表示中演出処理として、図28のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、変動中移行演出を実行するための移行演出期間であるか否かを判定する(ステップS522)。移行演出期間は、例えば変動パターンに対応して選択された特図変動時演出制御パターンなどにおいて、予め定められていればよい。
ステップS522にて移行演出期間であるときには(ステップS522;Yes)、飾り図柄の可変表示中(変動中)において変動中移行演出を実行するための演出制御を行う(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、特図変動時演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
この実施の形態では、変動中移行演出において、プッシュボタン31Bの操作を促し、プッシュボタン31Bが操作されたか否かによって、移行先の演出モードが変化する操作演出が実行される。移行演出期間内で予め定められたボタン操作有効期間において、プッシュボタン31Bの操作が検出された場合には、図30のステップS604やS606の処理で決定された演出モードに移行する変動中移行演出が実行される。一方、ボタン操作有効期間において、プッシュボタン31Bの操作が検出されなかった場合には、図30のステップS604やS606の処理の決定結果によらず、モードMDA3の演出モードに移行する変動中移行演出が実行される。このように、操作演出においてプッシュボタン31Bを操作しなかった場合には、遊技状態(高確状態であるか否か)に関わらず一律モードMDA3の演出モードに移行するので、遊技者は現在の遊技状態を把握しづらくなる。一方、操作演出においてプッシュボタン31Bを操作した場合には、図30のステップS604やS606の処理において、現在の遊技状態などに基づいて決定された演出モードに移行するので、遊技者は現在の遊技状態を把握しやすくなる。このようにすることで、操作演出において操作した場合には遊技者に現在の遊技状態を把握しやすくなるというメリットを与えることができ、操作演出における操作を促進することができる。
なお、このような操作演出は、全ての変動中移行演出において実行されるのではなく、変動パターンが特定の変動パターンである場合など、一部の移行演出において実行されるようにしてもよい。また、操作演出は、プッシュボタン31Bを操作させるものに限定されず、スティックコントローラ31Aやトリガボタンなど他の操作手段を操作させるものであってもよい。
ステップS523の処理に続いて、ボタン操作有効期間において、プッシュボタン31Bの操作が検出されなかったか否かを判定する(ステップS529)。ボタン操作有効期間において、プッシュボタン31Bの操作が検出されなかった場合(ステップS529;Yes)、RAM122の所定領域にすでに記憶されている移行先の演出モードをモードMDA3に変更する(ステップS530)。
ステップS522にて移行演出期間ではないときや(ステップS522;No)、ステップS530の処理を実行した後、または、ステップS529においてプッシュボタン31Bの操作が検出されたと判定された場合(ステップS529;No)、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS524)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS521にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS525)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS525;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS525にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS525;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS526)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS527)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS528)、可変表示中演出処理を終了する。
図34は、特図当り待ち処理として、図28のステップS173にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、図33のステップS527にて設定された当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS541;No)、当り開始指定コマンドのうちで、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS542)。
ステップS542にて大当り開始指定コマンドの受信があったときには(ステップS542;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS543)。そして、例えば受信した当り開始指定コマンドのEXTデータなどに対応して、大当り種別が「突確A」または「突確B」に対応した「突確」が指定されたか否かを判定する(ステップS544)。このとき、大当り種別が「確変A」に対応する「突確」以外が指定された場合には(ステップS544;No)、確変制御を終了する「確変転落あり」であるか否かを判定する(ステップS545)。例えば、ステップS545の処理では、飾り図柄の可変表示における変動パターンなどに基づいて、「確変転落あり」か否かを判定すればよい。
ステップS545にて「確変転落あり」ではないと判定されたときには(ステップS545;No)、特図当り待ち処理を終了する。一方、「確変転落あり」と判定されたときには(ステップS545;Yes)、予め定められた特典付与演出の実行を開始するための設定を行う(ステップS546)。こうして、「確変転落あり」となる確変転落決定時に、大当り種別が「確変A」となり通常開放大当り状態に制御すると決定されたことに対応して、遊技者に所定の特典を付与するための特典付与演出を実行することができる。
なお、特典付与演出の実行を開始するタイミングは、大当り組合せの最終停止図柄が導出されてから、大当り遊技状態に制御される旨の報知(ファンファーレ演出)が行われるまでの所定タイミングであってもよいし、ファンファーレ演出の開始と同一のタイミングであってもよいし、ファンファーレ演出の実行中における所定タイミングであってもよい。また、ファンファーレ演出の実行に伴い特典付与演出を実行することに代えて、あるいは、これとともに、例えば大当り遊技状態における大当り中演出の実行や、大当り遊技状態の終了時における大当り終了演出(エンディング演出)の実行に伴い、確変転落がなかった通常時とは異なる特典を付与するための特典付与演出が実行されてもよい。一例として、図34に示すステップS546の処理による特典付与演出の設定に基づいて、図28に示すステップS176の大当り中演出処理では、特典付与演出を実行するための演出動作制御が行われるようにしてもよい。
特典付与演出のような通常時とは異なる演出を実行するタイミングとしては、飾り図柄の可変表示が開始されてから、大当り組合せの最終停止図柄が導出されるより前の所定タイミングとすることが考えられる。この場合には、例えば飾り図柄の可変表示態様を通常時とは異なる表示態様とすることなどにより、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」となることに対応した演出態様とすることもできる。しかしながら、可変表示結果となる最終停止図柄が導出される以前に特典付与演出を実行すると、可変表示結果が「大当り」となることを遊技者が確実に認識することができないため、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」となることに対応した演出の印象が低下するおそれがある。そこで、可変表示結果が「大当り」となったことを遊技者が認識してから特典付与演出を実行することにより、大当り遊技状態の終了後に再び高確状態となることに対し、遊技者に安堵感や喜悦感を与えやすくなる。
ステップS546の処理を実行したときには、変動中移行演出用に決定された移行先モードの記憶をクリアしてから(ステップS547)、特図当り待ち処理を終了する。ここで、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」となり通常開放大当り状態に制御された後には、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御されることに伴い、演出状態が演出モードMDB1に切り替えられる。そのため、ステップS547の処理により移行先モードの記憶をクリアしても、大当り遊技状態の終了後における演出状態の制御に異常が生じることはない。
ステップS542にて大当り開始指定コマンドの受信がないときには(ステップS542;No)、当り開始指定コマンドのうちで、小当り遊技状態の開始を指定する小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS548)。このとき、小当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS548;No)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS548にて小当り開始指定コマンドの受信があったときには(ステップS548;Yes)、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS549)。そして、ステップS544にて「突確」が指定された場合や(ステップS544;Yes)、ステップS549の処理を実行した後には、開放時移行演出設定処理を実行してから(ステップS550)、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS541にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには(ステップS541;Yes)、例えば演出モードバッファ値を読み取ることにより、現在の演出モードを特定する(ステップS551)。そして、特定された演出モードがノーマル演出モードとしての演出モードMDN1であるか否かを判定する(ステップS552)。
ステップS552にて演出モードMDN1とは異なる演出モードであると判定されたときには(ステップS552;No)、高ベース状態の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS553)。ステップS552にて演出モードMDN1であると判定されたときや(ステップS552;Yes)、ステップS553にて高ベース状態の終了タイミングではないと判定されたときには(ステップS553;No)、変動中移行演出用に記憶された移行先モードを読み出す(ステップS554)。このときには、移行先モードとして有効な演出モードの記憶があるか否かを判定する(ステップS555)。
ステップS555にて移行先モードの記憶があるときには(ステップS555;Yes)、移行先モードにおいて各種の演出を開始するための設定を行う(ステップS556)。例えば、演出モードバッファ値を移行先モードに対応した値に更新するとともに、演出制御パターンが格納された演出制御パターンテーブルを、移行先モードに対応したテーブルに切り替えることなどにより、移行先の演出モードに対応した演出態様にて各種の演出(例えば背景画像の表示といった画像表示装置5における演出画像の表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9の点灯表示など)が行われるようにすればよい。このときには、変動中移行演出用に決定された移行先モードの記憶をクリアする(ステップS557)。
ステップS553にて高ベース状態の終了タイミングであると判定されたときには(ステップS553;Yes)、演出モードをノーマル演出モードである演出モードMDN1に復帰させるための設定を行う(ステップS558)。例えば、演出モードバッファ値を演出モードMDN1に対応した値に更新するとともに、演出制御パターンテーブルを演出モードMDN1に対応したテーブルに切り替える。
ステップS555にて移行先モードの記憶がないときや(ステップS555;No)、ステップS557、S558の処理のいずれかを実行した後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS559)、特図当り待ち処理を終了する。
図35(A)は、開放時移行演出設定処理として、図34のステップS550にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図35(A)に示す開放時移行演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば当り開始指定コマンドのEXTデータなどに基づいて、可変表示結果(特図表示結果および大当り種別)を特定する(ステップS621)。そして、特定された可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A」であるか否かを判定する(ステップS622)。
ステップS622にて大当り種別が「突確A」であると判定されたときには(ステップS622;Yes)、開放時移行演出用の移行先モードが演出モードMDB2に決定される(ステップS623)。一方、ステップS622にて可変表示結果が「小当り」であると判定されたときや、大当り種別が「突確A」以外の「突確B」であると判定されたときには(ステップS622;No)、確変転落の有無を特定する(ステップS624)。そして、ステップS624にて特定された確変転落の有無などに基づき、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」である場合、または可変表示結果が「小当り」である場合に対応した移行先モードを決定する(ステップS625)。
ステップS625の処理では、例えば図35(B)に示すように、可変表示結果や確変転落の有無に応じた決定割合で、移行先モードが決定される。ステップS625の処理により決定される移行先モードは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」である場合に対応した短期開放大当り状態や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した小当り遊技状態にて、大入賞口が第1状態(開放状態)となる大入賞口開放時に開放時移行演出が実行されることによる切替後の演出状態である。
ステップS625の処理は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」である場合と、可変表示結果が「小当り」である場合に実行される。そして、確変転落の有無に応じて異なる割合で移行先モードが決定される。したがって、ステップS625における移行先モードの決定割合に基づいて、各演出モードであるときに確変制御が行われる高確状態である可能性を示唆することができる。
また、確変転落抽選により確変制御を終了する旨の決定がなされた確変転落決定時には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」であるか、可変表示結果が「小当り」であるかに応じて、異なる演出モードが移行先モードに決定される。図35(B)に示す決定例では、可変表示結果が「突確B(大当り)」で「確変転落あり」である場合には、移行先モードが常に演出モードMDA1に決定される。
他方、可変表示結果が「小当り」で「確変転落あり」である場合には、移行先モードが図14などに示すモード移行TKHに従って決定され、演出モードMDA1〜MDA3のうちで、高確信頼度が高い演出モードから低い演出モードへと移行させるように決定される。なお、演出モードMDA3である場合には、モード移行を行わず、演出モードMDA3のまま維持すればよい。あるいは、演出モードMDA3である場合には、ノーマル演出モードとなる演出モードMDN1を移行先モードに決定してもよい。これにより、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定された場合には、演出状態がスペシャル演出モードに含まれる演出モードMDA3から、ノーマル演出モードとなる演出モードMDN1へと切り替えられる開放時移行演出が実行されるようにしてもよい。
可変表示の開始以前における演出状態が演出モードMDB1である場合には、確変転落決定時の変動パターンに対応して実行される図30に示すステップS604の処理により変動中移行演出用の移行先モードが演出モードMDA1〜MDA3のいずれかに決定され、その決定結果に基づく変動中移行演出が実行された後に、開放時移行演出が実行されることになる。そのため、ステップS625の処理が実行されるときには、演出状態が演出モードMDA1〜MDA3のいずれかとなっており、開放時移行演出が実行されることで、さらにモード移行TKHに従った演出状態の変更が行われる。したがって、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定された場合には、開放時移行演出の実行後における演出状態が演出モードMDA1となることがない。
このように、確変転落決定時に短期開放大当り状態に制御すると決定されたときには、確変転落決定時に小当り遊技状態に制御すると決定されたときとは異なる演出モードに移行させ、移行先の演出モードに対応した各種の演出が実行される。こうした移行先モードの決定に基づいて、確変転落決定時に短期開放大当り状態となるか小当り遊技状態となるかを、遊技者が認識できるという特典を付与することができる。
ステップS623、S625の処理のいずれかを実行した後には、移行先モードの決定結果に応じた開放時移行演出を実行するための演出制御パターンを選択し、使用パターンにセットする(ステップS626)。また、変動中移行演出用に決定された移行先モードの記憶をクリアしておく(ステップS627)。そして、大入賞口を第1状態(開放状態)とすることに対応する開放時移行演出を開始するための設定を行ってから(ステップS628)、開放時移行演出設定処理を終了する。
図36は、エンディング演出処理として、図28のステップS177にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図36に示すエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられたエンディング演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS571)。ここで、エンディング演出中フラグは、エンディング演出が実行されることなどに対応して、後述するステップS574の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS571にてエンディング演出中フラグがオフであるときには(ステップS571;No)、エンディング演出時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS572)。そして、エンディング演出となる演出動作を開始するための設定を行う(ステップS573)。その後、エンディング演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS574)、エンディング演出処理を終了する。こうして、ステップS573の処理によりエンディング演出となる演出動作が開始された後に、ステップS572にて設定されたエンディング演出時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた演出制御プロセス処理にてエンディング演出処理が実行されるごとに、ステップS571にてエンディング演出中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS571にてエンディング演出中フラグがオンであるときには(ステップS571;Yes)、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS575)。このとき、エンディング演出時間が経過していなければ(ステップS575;No)、エンディング演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS576)、エンディング演出処理を終了する。
ステップS575にてエンディング演出時間が経過したときには(ステップS575;Yes)、エンディング演出中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS577)。また、例えば当り終了指定コマンドのEXTデータなどに基づいて、可変表示結果(特図表示結果および大当り種別)を特定する(ステップS578)。そして、特定された可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」であるか否かを判定する(ステップS579)。
ステップS579にて大当り種別が「確変A」であると判定されたときには(ステップS579;Yes)、演出モードMDB1において各種の演出を開始するための設定を行う(ステップS580)。例えば、演出モードバッファ値を演出モードMDB1に対応した値に更新するとともに、演出制御パターンテーブルを演出モードMDB1に対応したテーブルに切り替える。これにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」であることに基づく大当り遊技状態(通常開放大当り状態)が終了した後に、遊技状態が高確高ベース状態となることに対応して、演出状態を演出モードMDB1に移行させる。
ステップS579にて大当り種別が「確変A」ではないと判定されたときには(ステップS579;No)、変動中移行演出や開放時移行演出の実行に対応して決定された移行先モードにおいて各種の演出を開始するための設定を行う(ステップS581)。
ステップS580、S581の処理のいずれかを実行した後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS582)、エンディング演出処理を終了する。
図37は、各演出モードにおける背景画像の一例を示す図である。図37(A)は、演出モードMDB1、MDB2において画像表示装置5に表示される背景画像の一例である。図37(A)に示すように、演出モードMDB1、MDB2では、宇宙をモチーフとした背景画像が表示される。なお、演出モードMDB1と演出モードMDB2とで背景色を異ならせることで両者を区別可能にしてもよい。図37(B)は、演出モードMDA1において画像表示装置5に表示される背景画像の一例である。図37(B)に示すように、演出モードMDA1では、空をモチーフとした背景画像が表示される。図37(C)は、演出モードMDA2において画像表示装置5に表示される背景画像の一例である。図37(C)に示すように、演出モードMDA2では、山をモチーフとした背景画像が表示される。図37(D)は、演出モードMDA3において画像表示装置5に表示される背景画像の一例である。図37(D)に示すように、演出モードMDA3では、海をモチーフとした背景画像が表示される。なお、ノーマル演出モードとなる演出モードMDN1では、背景画像は表示されない。
図38は、変動中移行演出が実行される場合の演出動作例を示す図である。ここでは、図38(A)に示すように、演出モードがMDB1であり、遊技状態は高確高ベース状態であるものとする。このときに、変動中移行演出を実行することに対応した変動パターン(例えば変動パターンPA2−3)に決定された場合には、図30のステップS606において、現在の遊技状態に応じて移行先の演出モードが決定される。
変動中移行演出では、例えば、図38(B)に示すように、画像表示装置5に遊技者に注目させるような画像を表示させた後に、図38(C)に示すように、プッシュボタン31Bの操作を促す表示がなされる。
ここで、プッシュボタン31Bの操作がなされた場合には、例えば、図38(D)に示すように、「成功」という文字が表示され、図30のステップS606における決定結果に応じて、図38(E)に示すようにモードMDA1の演出モードや、図38(F)に示すようにモードMDA3の演出モードに移行する。
ボタン操作有効期間においてプッシュボタン31Bの操作がさされなかった場合には、例えば、図38(G)に示すように、「失敗」という文字が表示され、図30のステップS606における決定結果によらず、図33のステップS530において、移行先の演出モードがモードMDA3に変更されて、図38(F)に示すようにモードMDA3の演出モードに移行する。
この実施の形態では、ノーマル演出モードであるモードMND1を除く各スペシャル演出モードにおいて、図38(A)、(E)、(F)、(H)に示すように、画像表示装置5に高確状態である期待度が表示される。このような期待度の表示は、演出制御用CPU120が、現在の演出モードに基づいて、図39に示す表示設定に参照することにより、画像表示装置5に表示するようにすればよい。図38(A)、(E)、(F)、(H)では、図39の設定例に従った期待度の表示が行われている。
図39に示すように、高確高ベース状態であることが確定する演出モードMDB1、MDB2である場合には、「確変確定」である旨が表示される。図31、図32(A)〜(D)における移行先モードの決定例では、演出モードがMDA1>MDA2>MDA3の順番に高確状態である割合が高くなるようになっているので、その期待度の高さが星(☆)の数で表示される。ただし、図31、図32(A)〜(D)における移行先モードの決定例では、演出モードがMDB1からMDA1、MDA2、MDA3に移行した場合には、演出モードがMDA3>MDA1>MDA2の順番に高確状態である割合が高くなるようになっているので、期待度の高さの表示(星の数)がそれに従って変化する。また、変動中移行演出における操作演出でプッシュボタン31Bの操作が検出されなかった場合には、モードMDA3に移行するようになっているので、この場合には、演出モードがMDB1から移行したか否かに関わらず、最低の期待度が表示されるようになっている。なお、変動中移行演出における操作演出でプッシュボタン31Bの操作が検出されずにモードMDA3に移行した場合には、遊技状態に応じたモード移行制御ではないので、高確状態の期待度が不明である表示(例えば「?」など)がされるようにしてもよい。
このようにすることで、各演出モードの高確状態の期待度を遊技者に認識させやすくなる。特に、同じモードMDA3であっても、高確状態の期待度が低いモードMDA3であるのか、高確状態の期待度が高いモードMDA3であるのかを認識させやくなる。
図40は、スーパーリーチαのリーチ演出において画像表示装置5の背景に表示される背景画像の一例を示す図である。スーパーリーチαのリーチ演出では、可変表示結果が「大当り」となるかに応じて、図40(A)〜(D)に示すキャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタDのうちいずれかの背景画像が表示される。
図40(A)〜(D)に示すように、スーパーリーチαにおける背景画像は、画像表示装置5の「右」の飾り図柄表示エリア5Rに重複して表示されるようになっている。従って、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されることにより、背景画像の視認性が悪くなってしまう。そこで、この実施の形態では、スーパーリーチαを伴う可変表示においては、「1」〜「9」を示す英数字と、キャラクタ画像などの付随情報と、から構成される飾り図柄から付随情報を消去するようにして、背景画像の視認性を確保している。
以下、スーパーリーチαを伴う可変表示において、英数字と、キャラクタ画像などの付随情報と、から構成される飾り図柄から付随情報を消去する場合の具体例について説明する。以下の表示制御は、スーパーリーチαを実行することに対応した図柄変動制御パターンに基づいて、演出制御用CPU120がステップS172の処理を実行することよって実現される。例えば、図41(A)に示すように、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに、英数字「1」と付随情報(ここでは、かばのキャラクタ画像)とから構成される飾り図柄が停止し、リーチ状態となる。
その後、図41(B)に示すように、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止した飾り図柄の付随情報が消去され英数字のみの表示となる。なお、図41(B)では、「1」の数字を示す飾り図柄によりリーチ状態となっているが、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにおけるリーチ状態を構成しない他の飾り図柄(「2」や「9」)からも付随情報を消去している。これにより、背景画像の視認性をより高めることができる。
図41(B)において、画像表示装置5には、図29のステップS515における決定結果に応じて、図40(A)〜(D)に示す、背景画像のいずれかが表示される(図41においては省略)。このとき、図41(B)、(C)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cでは、英数字と付随情報とから構成される飾り図柄の可変表示が行われる。
そして、図41(D)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに飾り図柄が停止する所定時間前に、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止した飾り図柄の付随情報が再表示される。
その後、可変表示結果が「大当り」に決定されている場合には、図41(E)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止している飾り図柄と同じ飾り図柄が有効ライン上で停止し、図41(F)に示すように、「大当り」である旨が表示される。
また、可変表示結果が「ハズレ」に決定されている場合には、図41(G)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止している飾り図柄と異なる飾り図柄が有効ライン上で停止し、図41(H)に示すように、「ハズレ」である旨が表示される。
図43(A)は、図41に示すように、単一の有効ライン(シングルライン)においてリーチ状態となって、スーパーリーチαのリーチ演出が実行される場合の画像表示装置5における表示のタイミングチャートである。図43(A)に示すように、時刻t0に可変表示が開始された後、「左」の飾り図柄表示エリア5Lに飾り図柄(左図柄)が停止し(時刻t1)、「右」の飾り図柄表示エリア5Rに飾り図柄(右図柄)が停止する(時刻t2)。その後、図41(B)に示すように、左図柄及び右図柄から付随情報が消去され(時刻t3)、スーパーリーチαのリーチ演出(背景画像の表示)が実行される。そして、左図柄及び右図柄の付随情報が再表示され(時刻t4)、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに飾り図柄(中図柄)が停止する(時刻t5)。
この実施の形態では、背景画像の視認性の確保のために、単に左図柄及び右図柄の付随情報を消去するだけでなく、図41(D)に示すように、中図柄が停止する前に、左図柄及び右図柄の付随情報を再表示させる。例えば、左図柄及び右図柄の付随情報を消去したまま、付随情報を伴う中図柄が停止した場合、有効ライン上に同じ英数の中図柄が揃ったとしても、全く同じ飾り図柄が揃うわけではないので、可変表示結果が「大当り」であることがわかりにくくなってしまう。そこで、図41(D)に示すように、中図柄が停止する前に、左図柄及び右図柄の付随情報を再表示させることで、図41(E)に示すように、同じ飾り図柄が揃うので、可変表示結果が「大当り」となったことを分かりやすくすることができる。
続いて、複数の有効ライン(ダブルライン)においてリーチ状態となって、スーパーリーチαのリーチ演出が実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を説明する。例えば、図42(A)に示すように、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに英数字のみの飾り図柄が停止し、斜めの2つの有効ラインにおいてリーチ状態(ダブルリーチ)となったものとする。図41(A)に示す例では、「中」の飾り図柄表示エリア5Cの中央に「1」または「2」の数字を示す飾り図柄が停止すれば「大当り」となる状態である。
その後、図42(B)において、画像表示装置5には、図29のステップS515における決定結果に応じて、図40(A)〜(D)に示す、背景画像のいずれかが表示される(図42においては省略)。このとき、図42(B)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cでは、英数字と付随情報とから構成される飾り図柄の可変表示が行われる。
そして、図41(D)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに飾り図柄が停止する所定時間前に、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止した飾り図柄のうち「1」の英数字に対応する付随情報が再表示される。この実施の形態では、中図柄は「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「9」→「1」という順番でスクロール表示される。「1」または「2」の数字を示す飾り図柄でダブルリーチとなった場合、先ず、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに「1」の数字を示す飾り図柄が停止して「大当り」となる可能性があり、その後、「2」の数字を示す飾り図柄が停止して「大当り」となる可能性がある。そこで、ダブルリーチとなった場合には、先に「大当り」となる可能性があることに対応した飾り図柄の付随情報が再表示されるようになっている。
その後、図42(D)に示すように、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止した飾り図柄のうち「2」の英数字に対応する付随情報が再表示される。
そして、図42(E)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに「1」の数字を示す飾り図柄が停止しなかった場合には、図42(F)「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止した飾り図柄のうち「1」の英数字に対応する付随情報を再び消去する。これにより、ダブルリーチのように複数の有効ラインにおいてリーチ状態となった場合にも、背景画像の視認性を確保できる。
その後、可変表示結果が「大当り」に決定されている場合には、例えば、図42(G)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止している「2」の数字を示す飾り図柄と同じ飾り図柄が有効ライン上で停止し、図42(H)に示すように、「大当り」である旨が表示される。
図43(B)は、図42に示すように、複数の有効ライン(ダブルライン)においてリーチ状態となって、スーパーリーチαのリーチ演出が実行される場合の画像表示装置5における表示のタイミングチャートである。図43(B)に示すように、時刻t10に可変表示が開始された後、「左」の飾り図柄表示エリア5Lに飾り図柄(左図柄)が停止し(時刻t11)、「右」の飾り図柄表示エリア5Rに飾り図柄(右図柄)が停止する(時刻t12)。その後、図42(A)に示すように、左図柄及び右図柄から付随情報が消去され(時刻t13)、スーパーリーチαのリーチ演出(背景画像の表示)が実行される。そして、先に「大当り」となる可能性があることに対応した左図柄及び右図柄の付随情報が再表示され(時刻t14)、その後に「大当り」となる可能性があることに対応した左図柄及び右図柄の付随情報が再表示され(時刻t15)、先に「大当り」となる可能性があることに対応した左図柄及び右図柄の付随情報が再び消去される(時刻t16)。その後、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに飾り図柄(中図柄)が停止する(時刻t17)。
なお、スーパーリーチαを伴う可変表示において、消去した付随情報を再表示させる方法は、図41や図42に示したように、突然再表示させるものに限定されず、徐々に再表示させるようにしてもよい。例えば図43に示すように、左図柄及び右図柄の付随情報として透明度の高い付随情報の再表示を開始し(時刻t6)、その後徐々に透明度を低下させていくことで、付随情報の再表示が完了する(時刻t7)ようにしてもよい。この場合、付随情報の再表示が完了してから、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに飾り図柄(中図柄)が停止する(時刻t8)。このように、透明度を変化させることで付随情報を再表示させることで、付随情報が再表示されることが分かるので、いきなり再表示させる場合よりも、付随情報が再表示される前に背景画像を確認しやすくなる。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が第1状態(例えば開放状態)に変化するラウンドが行われることで、遊技者が多数の賞球を得られる有利な状態となる。
また、例えば大当り遊技状態が終了したことといった、所定条件が成立したことに基づいて、特図表示結果が「大当り」となる確率が通常状態(低確低ベース状態)よりも高い高確状態に制御される。高確状態にて確変制御が行われているときに、図21に示すステップS239の確変転落抽選処理が実行された場合には、図22に示すステップS401の処理にて確変制御中であるとの判定結果に基づいて、ステップS403の処理により確変転落の有無が決定される。ステップS239の確変転落抽選処理は、ステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であるとして可変表示の開始条件が成立してから、ステップS241の処理により特図表示結果が決定されるより前に実行される。
図22に示すステップS401の処理にて「確変転落あり」に決定された場合には、ステップS405の処理により確変制御を終了する設定が行われるとともに、ステップS406の処理により確変転落時フラグがオン状態にセットされる。その後、図21に示すステップS241の処理により特図表示結果が「大当り」に決定されたことに基づいて、遊技者に所定の特典を付与するための動作制御が行われる。
一例として、図21に示すステップS245の処理にて大当り種別が「確変A」に決定された場合には、図34のステップS544で「突確」以外の指定という判定結果や、ステップS545で「確変転落あり」という判定結果が得られ、これらの判定結果に基づくステップS546の処理により、特典付与演出を開始するための設定が行われる。こうした設定に基づいて、例えば図28に示すステップS176の大当り中演出処理では、図44に示すような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示する大当り時の特典付与演出が実行されればよい。図44に示す特典付与演出では、2次元バーコードを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示され、遊技者が携帯端末機を用いた撮影を行うことなどにより、特典画像や特典楽曲などを取得することができる。
なお、特典付与演出では、特典画像や特典楽曲を取得するための2次元バーコードを示す演出画像を表示するものに限定されず、例えばプレミア演出となる演出画像の表示や効果音の出力、発光体の点灯、演出用模型の動作などであってもよい。あるいは、遊技者が所持する携帯端末機との無線通信により、遊技者に特典を付与するための情報が提供されてもよい。より具体的には、携帯端末機にて実行されるゲームで使用可能なキャラクタやアイテムのデータとして、通常の設定にはない特別なキャラクタやアイテムのデータが提供されてもよい。
図45は、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」に決定された場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、まず、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される以前の演出状態が演出モードMDA2であり、図45(A)に示すような「山モード」に対応した背景画像が表示されている。図23のステップS271では、ステップS263にて選択された変動パターン種別決定テーブル(確変転落決定時)133Aを参照して、可変表示結果が「突確B(大当り)」に対応する変動パターン種別CA4−4に決定される。また、ステップS273では、ステップS272にて選択された変動パターン決定テーブル134を参照して、変動パターン種別CA4−4に対応する変動パターンPC1−7に決定される。こうして決定された変動パターンは、ステップS276におけるコマンドの送信設定に基づく変動パターン指定コマンドの送信により、主基板11から演出制御基板12の側へと通知される。
演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が図29に示すステップS508の変動中移行演出設定処理を実行したときに、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−7が指定されたことから、図30のステップS601にて移行演出の指定があると判定する。また、ステップS603にて変動パターンPA2−3以外の変動パターンであることから、ステップS604の処理により変動中移行演出用の移行先モードが決定される。このときには、例えば図31に示すように、現在の演出モードMDA2に対応して、図14に示すモード移行TKHに従った移行先モードとして、演出モードMDA3に決定される。こうして、飾り図柄の可変表示中に実行される変動中移行演出において、例えば図45(B)に示すような「モードダウン!」というメッセージを示す演出画像の表示などが行われて、演出状態が演出モードMDA2から演出モードMDA3へと切り替えられる。演出モードMDA3は「海モード」であり、これに対応した背景画像の表示などが行われる。
その後、例えば図45(C)に示すような開放チャンス目となる最終停止図柄が導出されて、飾り図柄の可変表示が終了する。このときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」であることから、図34のステップS544にて「突確」の指定であると判定され、ステップS550の開放時移行演出設定処理が実行される。ここでは、図35(A)のステップS622にて「突確A」ではないと判定され、ステップS625にて可変表示結果が「突確B(大当り)」で確変転落の有無が「確変転落あり」に対応した移行先モードが決定される。こうして、確変転落決定時に可変表示結果が「突確B(大当り)」に決定されたことに基づいて、開放時移行演出用の移行先モードが演出モードMDA1に決定される。開放時移行演出では、例えば図45(D0)に示すような特別可変入賞球装置7における大入賞口の開放制御期間などに対応して、図45(D)に示すような演出モードを複数種類のうちから選択するためのルーレット演出などが実行されればよい。そして、演出モードMDA1が選択されたことを示す報知演出として、例えば図45(E)に示すような「空モード開始!!」というメッセージを示す演出画像の表示とともに、演出状態が演出モードMDA3から演出モードMDA1へと切り替えられればよい。
図46は、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定された場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、まず、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始される以前の演出状態が演出モードMDB2であり、図46(A)に示すような「宇宙モード」に対応した背景画像が表示されている。図23のステップS271では、ステップS263にて選択された変動パターン種別決定テーブル(確変転落決定時)133Aを参照して、可変表示結果が「小当り」に対応する変動パターン種別CA4−5に決定される。また、ステップS273では、ステップS272にて選択された変動パターン決定テーブル134を参照して、変動パターン種別CA4−5に対応する変動パターンPC1−8に決定される。こうして決定された変動パターンは、変動パターン指定コマンドの送信により主基板11から演出制御基板12の側へと通知される。
演出制御基板12の側では、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−8が指定されたことから、図30のステップS601にて移行演出の指定があると判定する。また、ステップS603にて変動パターンPA2−3以外の変動パターンであることから、ステップS604の処理により変動中移行演出用の移行先モードが決定される。例えば現在の演出モードMDB2に対応して、図31に示すようなモード移行TKHに従い、図14に示す演出モードMDB2からの移行先モードが演出モードMDA2に決定される。飾り図柄の可変表示中に実行される変動中移行演出では、例えば図46(B)に示すような「モードダウン!」というメッセージを示す演出画像の表示などが行われて、演出状態が演出モードMDB2から演出モードMDA2へと切り替えられる。
その後、例えば図46(C)に示すような開放チャンス目となる最終停止図柄が導出されて、飾り図柄の可変表示が終了する。このときには、可変表示結果が「小当り」であることから、図34のステップS548にて小当り開始指定コマンドの受信があったと判定され、ステップS550の開放時移行演出設定処理が実行される。そして、図35(A)のステップS625にて可変表示結果が「小当り」で確変転落の有無が「確変転落あり」に対応した移行先モードが決定される。こうして、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定されたことに基づいて、図14に示す演出モードMDA2からのモード移行TKHに従った開放時移行演出用の移行先モードが演出モードMDA3に決定される。開放時移行演出では、例えば図46(D0)に示すような特別可変入賞球装置7における大入賞口の開放制御期間などに対応して、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B」の場合と同様に、図46(D)に示すようなルーレット演出などが実行されればよい。そして、演出モードMDA3が選択されたことを示す報知演出として、例えば図46(E)に示すような「海モード開始!!」というメッセージを示す演出画像の表示とともに、演出状態が演出モードMDA2から演出モードMDA3へと切り替えられればよい。
このように、確変転落決定時に可変表示結果が「突確B(大当り)」に決定されたことに基づいて開放時移行演出が実行されるときには、移行先モードが常に演出モードMDA1に決定される。演出モードMDA1は、遊技状態が高確状態であるか否かを特定不能な共通演出を実行する複数の演出モードMDA1〜MDA3のうちで、高確状態である可能性(高確信頼度)が最も高い演出モードである。一方、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定されたことに基づいて開放時移行演出が実行されるときには、移行先モードがモード移行TKHに従って決定される。図13や図14に示すように、モード移行TKHは、演出モードMDA1〜MDA3のうちで、高確信頼度が高い演出モードから低い演出モードへと移行させる。したがって、モード移行TKHに従って演出モードMDA1が移行先モードに決定されることはなく、小当り遊技状態となる以前の演出モードにおける各種の演出よりも、高確状態ではないときの実行割合が高い演出モードにおける各種の演出が実行される。
こうして、確変転落決定時に可変表示結果が「突確B(大当り)」に決定されたことに基づいて、短期開放大当り状態の終了後における演出状態を、高確状態であるか否かを特定不能な複数の演出モードMDA1〜MDA3のうちで、高確状態である可能性(高確信頼度)が最も高い演出モードMDA1とする。これにより、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」に決定されたことに基づいて、大当り遊技状態の終了後には高確状態に制御されることを遊技者が認識することができるという、特典を付与することができる。
また、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定されたことに基づいて、小当り遊技状態の終了後における演出状態を、高確状態であるか否かを特定不能な複数の演出モードMDA1〜MDA3のうちで、モード移行TKHに従って、小当り遊技状態となる以前の演出モードよりも高確信頼度が低い演出モードとする。これにより、確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定されたことに基づいて、小当り遊技状態の終了後には高確状態に制御されないことを遊技者が認識することができるという、特典を付与することができる。
図35(B)に示す決定例では、可変表示結果が「小当り」で確変転落の有無が「確変転落なし」のときにも、移行先モードが演出モードMDA1に決定されることはない。そのため、開放時移行演出における移行先モードが演出モードMDA1に決定された場合には、可変表示結果が「突確B(大当り)」であったことが確定する。したがって、開放時移行演出が実行されて演出モードMDA1に切り替えられることは、高確状態に制御されることの報知となる。すなわち、移行先モードを演出モードMDA1とする開放時移行演出は、高確状態に制御されることを報知する特別演出となる。また、開放時移行演出の実行後における演出モードMDA1での各種の演出は、高確状態であることを報知する特別演出となる。このように、演出モードの切替態様のみによって、高確状態に制御されることを報知してもよい。
可変表示結果が「突確A(大当り)」に決定されたときには、確変転落決定時であるか否かにかかわらず、図35(A)のステップS623にて演出モードMDB2が移行先モードに決定される。演出モードMDB2であるときには、高確高ベース状態であることが確定し、遊技者が高確高ベース状態であることを確実に認識することができる。
なお、確変転落決定時に可変表示結果が「突確A(大当り)」または「突確B(大当り)」に決定されたときには、開放時移行演出などに伴い、あるいは開放時移行演出などとは別個に、高確状態に制御されることを報知する所定演出が実行されてもよい。一例として、確変転落決定時に可変表示結果が「確変A(大当り)」に決定された場合と同様の特典付与演出が、開放時移行演出に伴い、あるいは開放時移行演出などとは別個に実行されてもよい。これにより、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」に決定されたことに基づいて、大当り遊技状態の終了後には高確状態に制御されることを遊技者が明確に認識することができるという、特典を付与することができる。
図45(D)や図46(D)に示す開放時移行演出としてのルーレット演出は、可変表示結果が「突確A(大当り)」、「突確B(大当り)」または「小当り」に決定されたことに基づいて、短期開放大当り状態や小当り状態に制御されている所定期間内にて実行されるものであればよい。ルーレット演出では、例えば演出モードMDB2(例えば宇宙モード)や演出モードMDA1(例えば空モード)、演出モードMDA2(例えば山モード)、演出モードMDA3(例えば海モード)といった、短期開放大当り状態や小当り遊技状態の終了後に移行可能となる複数種類の演出モードのうちで、開放時移行演出用の移行先モードとして選択した演出モードが報知されればよい。ここで、確変転落決定時に可変表示結果が「突確B(大当り)」に決定されたときには、高確状態に制御されることを報知する所定演出として、高確状態であることが確定する演出モードMDB2を移行先モードとして選択して報知するルーレット演出等の開放時移行演出が実行されてもよい。すなわち、確変転落決定時に可変表示結果が「突確B(大当り)」に決定されたことに基づいて、確変転落決定時以外に可変表示結果が「突確B(大当り)」に決定された場合には移行することがない演出モードに移行できるようにすることで、高確状態に制御されることを遊技者が明確に認識できるという特典を付与してもよい。
あるいは、ルーレット演出等の開放時移行演出は、可変表示結果が「突確B(大当り)」または「小当り」に決定されたことに基づいて、3つの演出モードMDA1〜MDA3のうちから移行先モードとして選択した演出モードを報知するものであってもよい。可変表示結果が「突確A(大当り)」に決定された場合には、ルーレット演出を実行せずに移行先モードとして演出モードMDB2が選択されたことを確定的に報知する開放時移行演出が実行されるようにしてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図41〜図43に示すように、画像表示装置5における背景画像によって「大当り」となる期待度を示すスーパーリーチαを伴う可変表示が実行される場合には、背景画像の視認性の確保のために左図柄及び右図柄の付随情報を消去する。また、単に左図柄及び右図柄の付随情報を消去するだけでなく、図41(D)に示すように、中図柄が停止する前に、左図柄及び右図柄の付随情報を再表示させる。例えば、左図柄及び右図柄の付随情報を消去したまま、付随情報を伴う中図柄が停止した場合、有効ライン上に同じ英数の中図柄が揃ったとしても、全く同じ飾り図柄が揃うわけではないので、可変表示結果が「大当り」であることがわかりにくくなってしまう。そこで、図41(D)に示すように、中図柄が停止する前に、左図柄及び右図柄の付随情報を再表示させることで、図41(E)に示すように、同じ飾り図柄が揃うので、可変表示結果が「大当り」となったことを分かりやすくすることができる。
また、図41(B)では、「1」の数字を示す飾り図柄によりリーチ状態となっているが、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにおけるリーチ状態を構成しない他の飾り図柄(「2」や「9」)からも付随情報を消去している。これにより、背景画像の視認性をより高めることができる。
また、図42(E)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに「1」の数字を示す飾り図柄が停止しなかった場合には、図42(F)「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止した飾り図柄のうち「1」の英数字に対応する付随情報を再び消去する。これにより、ダブルリーチのように複数の有効ラインにおいてリーチ状態となった場合にも、背景画像の視認性を確保できる。
図31、図31に示す決定例では、通常は、MDA1>MDA2>MDA3という順番で高確信頼度が高くなっているが、例外として、高確高ベース状態であることが確定している演出モードであるMDB1からMDA3に移行した場合には、MDA3>MDA1>MDA2という順番で高確信頼度が高くなるように決定割合を変化させている。このような設定により、極端な演出モードの転落による遊技者の期待感の喪失を防止することができるようになる。
図38(A)、(E)、(F)、(H)では、図39の設定例に従った期待度の表示が行われている。このようにすることで、各演出モードの高確状態の期待度を遊技者に認識させやすくなる。特に、同じモードMDA3であっても、高確状態の期待度が低いモードMDA3であるのか、高確状態の期待度が高いモードMDA3であるのかを認識させやくなる。
変動中移行演出において、プッシュボタン31Bの操作を促し、プッシュボタン31Bが操作されたか否かによって、移行先の演出モードが変化する操作演出が実行される。移行演出期間内で予め定められたボタン操作有効期間において、プッシュボタン31Bの操作が検出された場合には、図30のステップS604やS606の処理で決定された演出モードに移行する変動中移行演出が実行される。一方、ボタン操作有効期間において、プッシュボタン31Bの操作が検出されなかった場合には、図30のステップS604やS606の処理の決定結果によらず、モードMDA3の演出モードに移行する変動中移行演出が実行される。このように、操作演出においてプッシュボタン31Bを操作しなかった場合には、遊技状態(高確状態であるか否か)に関わらず一律モードMDA3の演出モードに移行するので、遊技者は現在の遊技状態を把握しづらくなる。一方、操作演出においてプッシュボタン31Bを操作した場合には、図30のステップS604やS606の処理において、現在の遊技状態などに基づいて決定された演出モードに移行するので、遊技者は現在の遊技状態を把握しやすくなる。このようにすることで、操作演出において操作した場合には遊技者に現在の遊技状態を把握しやすくなるというメリットを与えることができ、操作演出における操作を促進することができる。
時短制御が終了する直前の所定期間(例えば、時短制御が終了する前の10回(時短制御が開始されてから91〜100回目)の可変表示中)において、変動中移行演出の実行が制限される。この実施の形態では、特図ゲームが開始されるごと確変転落抽選に実行されるが、転落抽選によって確変制御が終了する確率は、図7に示すように2/106となっている。従って、時短制御が終了する直前においてはすでに確変制御が終了している可能性が高い。また、時短制御が終了する直前では、間もなく時短制御の終了を契機にモード移行が実行されるという状況である。このように遊技状態を推定しやすく、間もなくモード移行が実行される状況において、変動中移行演出を実行する意義が低い。このように、時短制御が終了する直前の所定期間において、変動中移行演出の実行を制限することで、意義が低い演出の実行を防止できる。
また、大当り遊技状態が終了してから直後の所定期間(例えば、大当り遊技状態終了後5回可変表示が実行されるまでの期間)において、変動中移行演出の実行が制限される。この実施の形態では、大当り遊技状態の終了の直後は、確変状態となる。また、上述のように、転落抽選によって確変制御が終了する確率は、2/106となっている。従って、大当り遊技状態が終了してから直後の所定期間において確変制御が実行されている可能性が高い。このような期間において、確変状態である期待度が低下する変動中移行演出が実行されると遊技者は落胆してしまう。このように、大当り遊技状態が終了してから直後の所定期間において、変動中移行演出の実行を制限することで、遊技者を落胆させてしまうような演出の実行を防止できる。
また、モード移行が実行された後の所定期間(例えば、モード移行後3回可変表示が実行されるまでの期間)において、変動中移行演出の実行が制限される。モード移行が実行されてからすぐに変動中移行演出が実行されると演出が煩雑になり、演出モードによる遊技状態の把握が困難になる。このように、モード移行が実行された後の所定期間において、変動中移行演出の実行を制限することで、演出が煩雑になり、演出モードによる遊技状態の把握が困難になることを防止できる。
また、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」または「小当り」に決定されたことに基づいて、特典付与演出が実行され、あるいは開放時移行演出において確変転落決定時以外とは異なる特別な演出モードの切替えが行われて、遊技者に所定の特典が付与される。これにより、高確状態が終了しても大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御される場合の遊技興趣を向上させることができる。
確変転落決定時に可変表示結果が「突確B(大当り)」に決定されたときには、例えば開放時移行演出による移行先モードを演出モードMDA1にするといった、高確状態であることを認識可能に報知する特別演出が実行される。これにより、高確状態が終了しても短期開放大当り状態に制御される場合の遊技興趣を向上させることができる。
確変転落決定時に可変表示結果が「小当り」に決定されたときには、例えば開放時移行演出による移行先モードを、複数の演出モードMDA1〜MDA3のうちで、モード移行TKHに従って決定し高確信頼度が低い演出モードとすることにより、高確状態ではないときの実行割合が高い共通演出が実行される。これにより、高確状態が終了したときに小当り遊技状態に制御されたことを認識しやすくして遊技興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
例えば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける有効ラインの数が単一である表示制御と、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける有効ラインの数が複数である表示制御と、を切替可能にしたパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。有効ラインの数が複数である表示制御とは、例えば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに2以上の飾り図柄を同時に停止表示できるようにしたものにおいて、横一列や斜め一列に同じ飾り図柄が揃ったときに「大当り」となる表示制御である。
図47は、有効ラインの数が単一である表示制御と、有効ラインの数が複数である表示制御と、を切替可能にしたパチンコ遊技機1における可変表示開始設定処理(図28のステップS171)の一例を示すフローチャートである。図47に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、有効ラインの数が単一である表示制御(シングルライン制御)と、有効ラインの数が複数である表示制御(複数ライン制御)と、を切り替えるか否かを判定するための有効ライン切替判定を行う(ステップS516)。
ステップS516では、所定の切替条件が成立しているかを判定すればよい。例えば、変動パターンが特定の変動パターン(特定のリーチを伴う変動パターン、特定の可変表示演出を伴う変動パターンなど)であるか否かや、乱数を用いた抽選に当選したか否かを判定すればよい。具体的には、例えば、「擬似連」の可変表示演出を伴う変動パターンであるか否かを判定し、「擬似連」の可変表示演出を伴う変動パターンである場合には、所定の割合で切替条件が成立していると判定するようにすればよい。
続いて、ステップS516における有効ライン切替判定に従って、有効ラインの切替設定を行う(ステップS517)。例えば、ステップS516において、シングルライン制御と、複数ライン制御と、を切り替えると判定された場合には、「擬似連」の可変表示演出の擬似連変動の開始時に、シングルライン制御と、複数ライン制御と、の切り替える旨の設定を行う。
この変形例では、シングルライン制御から複数ライン制御に切り替えられた場合には(ステップS518;Yes)、その可変表示においてリーチ状態となる場合には、必ず複数の有効ラインにおいてリーチ状態となるような設定がなされる(ステップS519)。その後、図29(A)のステップS501以降と同様の処理がなされる。
複数ライン制御のおいては、単一の有効ラインにおいてリーチ状態(シングルラインリーチ)となった場合よりも、複数の有効ラインにおいてリーチ状態((J)複数ラインリーチ)となった場合のほうが、「大当り」となる候補が増えるため、見かけ上遊技者にとって有利である。シングルライン制御から複数ライン制御に切り替えられたにも関わらず、シングルラインリーチとなると、見かけ上遊技者にとって有利でないリーチになったものと認識され、遊技者を落胆させてしまうとともに、複数ライン制御への切り替えが無意味であると認識されてしまうおそれがある。そこで、シングルライン制御から複数ライン制御に切り替えられた場合には、その可変表示においてリーチ状態となる場合には、必ず複数の有効ラインにおいてリーチ状態とすることで、遊技者を落胆させてしまうことを防止でき、シングルライン制御から複数ライン制御への切り替えの演出効果を高めることができる。
なお、ステップS519において、複数の有効ラインにおいてリーチ状態となるような設定がなされたときには、図29(A)のステップS504やステップS507において、複数の有効ラインにおいてリーチ状態となる最終停止図柄が決定されればよい。
上記実施の形態では、スーパーリーチαのリーチ演出が実行されるとき、背景画像の視認性を高めるため、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにおける飾り図柄から、リーチ状態を構成しない他の飾り図柄も含め、付随情報を消去し、英数字のみの表示となるようになっていた。これに限定されず、背景画像の視認性を確保できるような場合にはリーチ状態を構成する飾り図柄のみから付随情報を消去するようにしてもよいし、より背景画像の視認性を高めるため、リーチ状態を構成しない他の飾り図柄そのものを消去するようにしてもよい。
また、図42、図43(B)に示すように、ダブルリーチとなった場合には、先に「大当り」となる可能性があることに対応した飾り図柄の付随情報が再表示され、その飾り図柄が揃わなかった場合には、その飾り図柄の付随情報が再び消去されるようになっていたが、ダブルリーチなど複数の有効ラインにおいてリーチ状態となった場合、背景画像の視認性の確保ができ、「大当り」となることを好適に煽れる方法であれば、付随情報の消去、再表示の方法はこれに限定されない。
また、スーパーリーチαのリーチ演出が実行されるときに、飾り図柄から付随情報を消去した後に、当該付随情報が再表示されるタイミングが複数あってもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じて、異なる割合で付随情報が再表示されるタイミングを選択するようにして、付随情報が再表示されるタイミングに応じて、可変表示結果が「大当り」となる信頼度が異なるようにしてもよい。このようにすることで、付随情報が再表示されるタイミングに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
上記実施の形態では、スーパーリーチαにおける背景画像は、可変表示結果が「大当り」となるか否かに基づいて決定されるようになっていたが、他の条件に基づいて背景画像を決定するようにしてもよい。例えば、可変表示結果が「大当り」となるか否かに加えて、いずれの演出モードであるかに応じて背景画像を決定するようにしてもよい。このようにすることで、各演出モードにおける演出態様(モチーフなど)に合致した背景画像(キャラクタ画像)などを決定することができるようになる。また、スーパーリーチαにおける背景画像は段階的に変化するものであってもよい。例えば、所定の段階まで変化可能な画像を表示し、スーパーリーチαのリーチ演出中にその画像がいずれの段階まで変化した(ステップアップした)かに応じて、可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、図38、図39に示すうように、ノーマル演出モードであるモードMND1を除く各スペシャル演出モードにおいて、高確状態である期待度を表示していた。期待度の表示の方法は星の数で表示するものに限定されず、数値で表示したり、期待度を示すキャラクタ画像を表示するようなものであってもよい。また、期待度の表示は画像表示装置5において行うものに限定されず、専用の表示装置に表示してもよいし、音声やランプによって報知するものであってもよい。なお、高確状態である期待度の表示は必ず行われるものでなくてもよい。例えば、演出モードがMDB1からMDA1、MDA2、MDA3に移行した場合など、高確状態である期待度が変化する場合のみ高確状態である期待度を表示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、変動移行演出が実行されてモード移行したときに、通常は、移行後の演出モードが、MDA1>MDA2>MDA3という順番で高確信頼度が高くなっているが、例外として、高確高ベース状態であることが確定している演出モードであるMDB1からMDA3に移行した場合には、MDA3>MDA1>MDA2という順番で高確信頼度が高くなるように決定割合を変化させていた。変動中移行演出に限定されず、可変表示結果が「突確B」や「小当り」となったことに対応して、開放時移行演出が実行されてモード移行したときにも同様のモード移行制御が行われるようにしてもよい。具体的には、図35(B)に示す決定例において、大入賞口開放後の遊技状態が高確状態であるときにモードMDA3に移行する割合が、モードMDA1やMDA2より高くなるようにすればよい。このようにすることによっても、極端な演出モードの転落による遊技者の期待感の喪失を防止することができるようになる。
また、通常は、MDA1>MDA2>MDA3という順番で高確信頼度が高くなっているが、例外として、高確状態か否かが特定できない演出モードのうち、最も高確信頼度が高いモードMDA1からモードMDA3に移行した場合には、モードMDA1からモードMDA2に移行した場合よりも、高確信頼度が高くなるようにしてもよい。このようにすることによっても、極端な演出モードの転落による遊技者の期待感の喪失を防止することができるようになる。
また、確変転落決定時に可変表示結果が「大当り」に決定されたことに基づいて、特典付与演出が実行されることと、開放時移行演出において確変転落決定時以外とは異なる特別な演出モードの切替えを行うことのうち、いずれか一方を行うことができる構成を備えるものであってもよい。
上記実施の形態では、図25に示す大当り終了処理においてステップS325の処理が実行されることにより、大当り遊技状態が終了した後には、大当り種別にかかわらず、少なくとも確変制御が行われる高確状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り遊技状態の終了後に高確状態に制御されない「非確変」の大当り種別が設けられてもよい。なお、大当り種別が「非確変」の場合に基づく大当り遊技状態が終了した後には、所定回数の特図ゲームが実行されるまで高ベース状態(低確高ベース状態)に制御されればよい。あるいは、大当り種別が「非確変」の場合に基づく大当り遊技状態が終了した後には、低ベース状態(低確低ベース状態)に制御されてもよい。
こうした「非確変」の大当り種別を設けたパチンコ遊技機1の一例として、図48(A)に示すような複数の演出モードMON1、MOA1、MOA2、MOB1が設けられたものであってもよい。図48(B)は、これらの演出モードの間で変更(切替え)が行われる場合に対応した演出モードの移行設定を示している。この例では、大当り種別が「非確変」の場合に基づく大当り遊技状態の終了後に、所定回数の特図ゲームが実行されるまで高ベース状態(低確高ベース状態)に制御されるものとする。パチンコ遊技機1において、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変A」に決定された場合には、所定条件が成立したとして、大当り遊技状態の終了後に高確状態(高確高ベース状態)へと制御される。一方、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定された場合には、所定条件が成立しなかったとして、大当り遊技状態の終了後に低確状態(高確高ベース状態)へと制御される。
図48(A)に示す複数の演出モードのうち、演出モードMON1はノーマル演出モードであり、演出モードMOA1、MOA2、MOB1は、遊技状態が高ベース状態となるときに移行可能なスペシャル演出モードである。任意のスペシャル演出モードであるときに、時短制御や高開放制御の終了による高ベース終了を契機として、図柄変動終了時に演出状態がノーマル演出モードとなる演出モードMON1に移行する(モード移行UN)。したがって、演出モードMON1であるときには、遊技状態が高ベース状態であることはない。一方、高確高ベース状態で高ベース終了となった場合には、遊技状態が高確低ベース状態に制御されるとともに、演出モードMON1へのモード移行が行われることがある。したがって、演出モードMON1であるときでも、遊技状態が高確状態(高確低ベース状態)である場合がある
可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、例えば大当り遊技状態における大当り中演出の実行または終了に伴い、大当り遊技状態の終了後における演出状態の移行先モードとなる演出モードが決定される。図48(C)は、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別や確変転落の有無に応じた移行先モードの決定例を示している。図48(C)に示す決定例では、可変表示結果が「確変A(大当り)」で確変転落の有無が「確変転落あり」の場合に、移行先モードが常に演出モードMOB1に決定される。一方、可変表示結果が「非確変(大当り)」の場合には、確変転落の有無にかかわらず、移行先モードが演出モードMOB1に決定されることがない。したがって、大当り遊技状態の終了後における移行先モードが演出モードMOB1に決定された場合には、可変表示結果が「確変A(大当り)」であったことが確定する。したがって、大当り遊技状態の終了後に演出モードMOB1となることは、高確状態に制御されることの報知となる。すなわち、大当り遊技状態の終了後における演出モードMOB1での各種の演出は、高確状態であることを報知する特別演出となる。このように、演出モードの切替態様のみによって、高確状態に制御されることを報知してもよい。
あるいは、確変転落決定時に可変表示結果が「確変A(大当り)」に決定されたときには、大当り遊技状態の終了後における演出モードの移行に伴い、あるいは演出モードの移行とは別個に、高確状態に制御されることを報知する所定演出が実行されてもよい。一例として、確変転落決定時に可変表示結果が「確変A(大当り)」に決定されたことに基づいて、上記実施の形態と同様の特典付与演出が実行される一方で、確変転落決定時に可変表示結果が「非確変(大当り)」に決定されたときには、特典付与演出を実行しないように規制(制限または禁止)してもよい。
このように、確変転落決定時に可変表示結果が「確変A(大当り)」に決定され、大当り遊技状態に制御するとともに、高確状態に制御するための所定条件が成立したことに基づいて、所定条件が成立しなかった場合とは異なる特別な演出モードの切替えが行われ、あるいは特典付与演出が実行されて、高確状態であることが報知される。また、遊技者に所定の特典が付与される。これにより、高確状態が終了しても大当り遊技状態に制御され、さらに所定条件が成立して高確状態に制御される場合の遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、確変転落決定時に可変表示結果が「突確B(大当り)」や「小当り」に決定されたことに基づいて、変動中移行演出により1回目のモード移行(モードダウン)が行われ、開放時移行演出により2回目のモード移行が行われる。これに対して、変動中移行演出と開放時移行演出のいずれか一方によるモード移行のみが行われ、他方によるモード移行は行われないことがあるようにしてもよい。変動中移行演出と開放時移行演出のいずれを実行するかは、変動パターンや可変表示結果に応じた所定割合で決定されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、例えば演出状態が演出モードMDA1、MDA2のいずれかであるときなどに、モード移行TKHにより、高確信頼度が高い演出モードから1段階だけ低い演出モードへと移行させている。これに対して、モード移行TKHに従った移行先モードとして、高確信頼度が高い演出モードから2段階以上低い演出モードへと移行させることがあるようにしてもよい。一例として、演出モードMDA1であるときのモード移行TKHにより、演出モードMDA3を移行先モードに決定可能としてもよい。また、遊技状態が低ベース状態であるときには、例えば演出モードMDA1、MDA2といった、スペシャル演出モードからのモード移行TKHによる移行先モードが、ノーマル演出モードとしての演出モードMDN1に決定されることがあるようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機にも本発明を適用することができる。
上記実施の形態のパチンコ遊技機1は、前記可変表示手段は、複数種類の識別情報の可変表示を行う複数列の可変表示部から構成される可変表示手段を備え、当該可変表示部では識別情報を可変表示させる組合せゲームが行われ、当該ゲームにおいて確定停止状態で表示された全列の識別情報の組合せから大当り及びはずれを認識できるとともに、前記大当りとなる場合には、前記複数列の識別情報の可変表示を開始させた後、前記複数列のうち特定列の識別情報が同一種類の識別情報となって一旦停止状態で表示され、かつ前記特定列以外の列の識別情報が可変表示するリーチ状態を形成し、その後に前記特定列以外の識別情報として前記特定列の識別情報と同一種類の識別情報を導出して前記大当りを認識できる識別情報の組合せを確定停止状態で表示させる遊技機であってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。