JP2012167300A - メソポーラス金属膜及び低濃度界面活性剤水溶液からのメソポーラス金属膜の製造方法 - Google Patents

メソポーラス金属膜及び低濃度界面活性剤水溶液からのメソポーラス金属膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも大きな径を有するとともに、大きな比表面積を有することにより、大きな分子に対しても適用可能な高活性の触媒として使用できる白金系のメソポーラス金属膜を与える。
【解決手段】ブロックコポリマー界面活性剤及び白金を含む金属塩の希薄な水溶液を電気分解することにより、電極上に上記メソポーラス金属膜が形成される。
【選択図】なし

Description

本発明は白金などをはじめとする各種金属・合金を骨格に有するメソポーラス金属膜及びその製造方法を提供する。特に、細孔サイズを幅広く精密に制御し、薄膜を多孔質化することにより、表面積を大幅に増加させる技術である。
金属の中でも、白金(Pt)は耐久性があり、また展性に富む金属としての有用性とともに、多数の反応における触媒としての化学的な機能により、工業的触媒及び電池電極として広く使用されている。Ptは自動車、化学、石油精製、製薬、及び電子分野での重要な製造プロセスにおける不可欠な金属となっていて、現在では産業上広く使用されている。しかしながら、Ptは世界中で最も貴重且つ希少な金属の一つに相当する(地殻中の平均存在量はほぼ0.005mg kg−1であり、これは金(Au)に比べて約30倍希少である)。レアメタルの使用量を節減したいとする強い社会的要請に鑑みて、より大きな表面積を持つナノ構造材料を作製することによって、少ないPt使用量で高い機能性を確保するための技術開発が強く求められてきた。
これまで、ナノ粒子・ナノチューブ・ナノシート・ナノ樹枝状物を含む新規なナノ材料合成の活発な研究が長年進められてきた。大きな表面積を有するナノ粒子は逆ミセル法及び他のプロセスによって合成されてきた(非特許文献1、2参照)。しかしながら、その問題点として、熱的安定性が乏しいことがあげられる。それは、ナノ粒子はサイズが小さいために加熱された際に凝集する傾向があるからである。表面積はナノチューブ(非特許文献3)、ナノシート(非特許文献4)、ナノ樹枝状物(非特許文献5、6)について最大約20m/gに止まっているが、これは工業用触媒として使用されている白金黒と同じレベルである。二元系合金を用い、貴金属の方が選択的に溶け出す量が少ないことを利用した脱合金化プロセスは、界面活性剤を使用せずにナノポーラス金属を合成する伝統的な合成法であった。しかし、このやり方では、メソ細孔(mesopore)サイズを精密に制御するのは困難である(非特許文献7、8)。
上述の問題を克服するため、非常に均一なメソ細孔と極めて大きな表面積を有する金属ベースの新たなタイプのメソポーラス材料が急速に開発された。1990年代初期にメソポーラス材料が発見されて(非特許文献9〜11)以来、今日まで各種の組成を有する多数のメソポーラス材料(非特許文献9〜15)及び形態(morphology)(非特許文献16〜19)が報告されているが、金属ベースのメソポーラス材料、つまり「メソポーラス金属」は、金属触媒、バッテリー及び燃料電池電極、キャパシタ並びにセンサデバイスのいくつかの応用について相当に関心を持たれている。以前のメソポーラス金属合成では、直接複製(direct replication)の概念に基づき、テンプレート(つまり型)からの合成が行われた。大部分のメソポーラス金属は、「硬い」テンプレートとしてメソポーラスシリカを使用して作製された(非特許文献20、21)。最近、その代わりとなる「軟らかい」テンプレートとして、極めて高濃度の界面活性剤(50重量%超)から形成されるリオトロピック液晶が使用された(非特許文献22〜25)。このプロセスでは、界面活性剤/金属塩/水系の相平衡状態図を考慮して界面活性剤サイズと濃度を変化させることによって最終的なメソ構造を制御することができる(非特許文献25)。現在では、ブロックコポリマーを使用したり(非特許文献26、27)、あるいは液晶系に拡張剤(expander)を添加することによって(非特許文献28)、様々なメソ構造の多様性が報告されている。極く最近、ブロックコポリマーが配位子安定化された白金ナノ粒子とともに自己組織化する現象を利用した新しいメソ構造の作製プロセスが報告された(非特許文献29)。
メソポーラス金属についてのかなりの進歩にもかかわらず、その合成プロセスは依然として非常に複雑であり、またメソポーラス構造中の微細孔サイズの制御性はメソポーラスシリカ系のそれよりも大幅に低い(非特許文献12、30)。メソポーラス金属中のメソ細孔サイズは最大でも直径10nmに止まってきた。これは多くの応用にとって深刻な欠点である(非特許文献20〜23、26〜29)。現在、生体分子のような大きな分子に関する反応を目的とした大きなサイズの細孔を有するメソポーラス金属が強く求められている。また、メソ細孔サイズが大きくなったら、外部からのゲスト分子のアクセス性及び拡散性が更に改善されるものと期待される。
本発明の一側面によれば、ブロックコポリマー界面活性剤及び金属塩の水溶液の電気分解により、電極上にメソポーラス金属膜を形成するメソポーラス金属膜の製造方法が与えられる。
ここにおいて、前記水溶液中の前記ブロックコポリマー濃度は臨界ミセル濃度よりも大きくしてよい。
前記水溶液中の前記ブロックコポリマー濃度は1.0〜10w%の範囲であってよい。
前記ブロックコポリマーはEO4500−PO3200−EO4500、EO100−PO65−EO100、EO100−PO65−EO100、C16−EO20、オクタエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、C16EO、C16EO、C1633(OCHCH)nOH(nは10を主とする)、C1837(OCHCH)nOH(nは20を主とする)、C1837(OCHCH)nOH(nは10を主とする)、並びに(PEO)−(PPO)68−(PEO)、(PEO)20−(PPO)69−(PEO)20などのPEO−PPO−PEO型トリブロックポリマーから成る群から選ばれた物質であってよい。
前記金属は白金であってよい。
前記金属は更にルテニウム及びパラジウムから成る群から選択される少なくとも1種類の金属を含んでよい。
前記メソポーラス金属膜が形成される前記電極の表面は金、銅、アルミニウムなどの金属、ITO、導電性のシリコンから選択されてよい。
前記水溶液は更に拡張剤を含んでよい。
前記拡張剤は1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、n-ヘプタン、1,3,5−トリメチルベンゼン及び1,3,5−トリエチルベンゼンから成る群から選択されてよい。
本発明の他の側面によれば、金属ナノ粒子が結合した形態である骨格を有し、前記骨格中に10nmよりも大きな平均メソ細孔サイズを有するメソ細孔が形成されている、メソポーラス金属膜が与えられる。
ここにおいて、前記メソ細孔は球形であってよい。
前記金属は白金、並びに白金−ルテニウム合金、白金−パラジウム合金等の白金系合金から成る群から選択されてよい。
前記ナノ粒子の表面に原子段差を有してよい。
前記骨格の前記ナノ粒子間の結合部分に凹状表面を有してよい。
メソポーラス金属膜は金、銅、アルミニウムなどの金属、ITO及び導電性シリコンから成る群から選ばれた材料の上に形成されてよい。
前記金属ナノ粒子の平均直径は2.0〜3.5nmの範囲であってよい。
電気化学的活性表面積が40〜100m・g−1の範囲であってよい。
本発明によれば、従来のPt触媒などに比べて飛躍的に大きな比表面積を有するメソポーラスPt薄膜、その他の金属・合金からなるメソポーラス金属膜を提供できる。また、そのメソ細孔径も従来より広い範囲で精密に制御可能である。
メソポーラスPt膜合成の概念図。ここで使用される界面活性剤濃度はCMCを上回っている。 ITO基板上に付着したメソポーラスPt膜のSEM像。(a)及び(b)はPEO4500−PPO3200−PEO4500を、(c)及び(d)はF127を、また(e)及び(f)はBij58を夫々界面活性剤として使用した場合を示す。 各種の界面活性剤を使用して作製されたメソポーラスPt膜について観測された低角度XRDプロファイル。 Brij58を使って付着させたメソポーラスPt膜の高分解TEM像。点線の丸印は、メソ細孔を示す。 1Mのメタノールを含む0.5MのHSO中で、Brij58を使って付着させたメソポーラスPt膜を触媒とした場合(淡色)及び界面活性剤なしで付着させたバルクPt膜を触媒とした場合(黒色)の、メタノール酸化についての掃引速度20mVs−1における(a)サイクリックボルタモグラム及び(b)クロノアンペロメトリック曲線を示す図。出力値は、0.5MのHSO溶液中でのCV曲線によって計算された電気化学的に活性な表面積で正規化した。クロノアンペロメトリック曲線は0.6V(Ag/AgClに対して)で記録した。 Pt膜の典型的なSEM像。(a)界面活性剤なしで作製したもの。(b)界面活性剤F127を使用して作製したもの。(c)界面活性剤Brij58を使用して作製したもの。界面活性剤濃度の効果はF127系とBrij58系の両者について調べた。 Brij58を使用してAu基板上に作製したメソポーラスPt膜のSEM像。 1Mのメタノールを含む0.5MのHSO中での、Rrij58を使って付着させたメソポーラスPt膜を触媒とした場合(淡色)及び界面活性剤なしで付着させたバルクPt膜を触媒とした場合(黒色)の、メタノールの質量で正規化した酸化性能についての掃引速度20mVs−1におけるサイクリックボルタモグラム。両方の膜は厳密に同一の電気化学的条件(電位−0.2Vで10分間)の下に作製した。差込み図は、界面活性剤なしで付着させたバルクPt膜の場合についての拡大した曲線である。 Pt膜の典型的なSEM像。(a)PEO4500−PPO3200−PEO4500+TIPBzを使って作製したもの。(b)F127+TIPBzを使って作製したもの。(c)Brij58+TIPBzを使って作製したもの。観測されたメソ細孔サイズは、夫々22nm〜m51nm((a)PEO4500−PPO3200−PEO4500+TIPBz)、12nm〜25nm((b)F127+TIPBz)及び11nm〜14nm((c)Brij58+TIPBz)の範囲に渡っている。平均メソ細孔サイズは夫々31nm((a)PEO4500−PPO3200−PEO4500+TIPBz)、18nm((b)F127+TIPBz)、12nm((c)Brij58+TIPBz)である。 暗視野TEM、SEM像及び元素マッピング像。(a)〜(c)はメソポーラスPt−Ru合金、(d)〜(f)はメソポーラスPt−Pd合金の場合であり、何れの合金も50mol%のPt種を含むメッキ液から作製した。これらのメソ細孔サイズは、Brij58を使って作製したメソポーラスPtのものとほとんど同じ値(約7nm)である。いずれの合金の場合も、Pt種の還元電位の方が高いために、Ptが優先的に付着する。
本願では、直接複製に基づく従来の方法(非特許文献20〜23、26〜29)とは対照的に、界面活性剤の水溶液中での単純な電気めっき法により、多様な微細孔サイズを有する規則的なメソポーラス金属膜を得る方法を提案する。付着した(deposited)薄膜中のメソ細孔サイズは、使用される界面活性剤のサイズを変更し、また疎水性化合物を拡張剤として添加することにより、5nmから30nmの範囲で広く調節することができる。非イオン性界面活性剤やブロックコポリマーを使用する本方法は、メソポーラス金属膜中のメソ細孔サイズを幅広く制御する汎用の方法の道を開くものである。得られたメソポーラスPt膜の骨格はPtナノ粒子(直径が約3nm)が連結されたものから構成されている。興味深いことに、Pt原子結晶性はいくつかのPtナノ粒子に渡ってコヒーレントに広がっていて、多数の原子段差(atomic step)を与えていると考えられる。このような原子段差及び折れ曲がり(kink)は、メタノール分解に当たってC−H結合及びO−H結合の切断を促進することができるダングリングボンドを多数有する(非特許文献31、32)。表面積が大きいこと及び非常に独特なPt表面形状の結果、メタノール電解酸化(electrooxidation)の質量正規化性能は、非多孔質Pt膜に比較して劇的に増大する(7000%まで)。本発明の方法は、非常に簡単な手順を低コストで適用して表面積を劇的に増大させ、表面ナノ構造を改質することにより、触媒系中でのPt使用量を98.5%も削減するための、汎用かつ革命的な方法である。本合成方法は世界が「レアメタル」についての社会問題に関する困難に直面しないように救済する技術を与えると強く確信するものである。
なお、本発明のメソポーラス金属膜を構成する材料としては、白金に限定されるものではなく、電気化学的な手法(電析法など)で金属析出可能な金属であればよい。また、白金−ルテニウム合金(Pt−Ru)、白金−パラジウム合金(Pt−Pd)をはじめとする白金系合金などの多様な合金が使用可能である。また、このメソポーラス金属膜の製造に当たって使用するブロックコポリマーとしては、以下の実施例で例示したEO4500−PO3200−EO4500、F127(EO100−PO65−EO100)、Brij58(C16−EO20)以外にも多くの物質を使用することができる。そのようなブロックコポリマーとしては例えば以下のものを挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、オクタエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、C16EO、C16EO、アルドリッチ社製のBrij56(C1633(OCHCH)nOH、nは8〜12を主とする)、Brij78(C1837(OCHCH)nOH、nは16〜24を主とする)、Brij76(C1837(OCHCH)nOH、nは8〜12を主とする)(Brijは登録商標)などを用いることができる。さらに、L121((PEO)−(PPO)68−(PEO))、P123((PEO)20−(PPO)69−(PEO)20)などのトリブロックポリマー(PEO−PPO−PEO型)系も適用可能である。このように両親媒性ブロックコポリマーが有利であるが、これに限定されるものではない。また、メソ細孔の径を制御するために必要に応じて使用できる拡張剤としては、実施例中に例示した1,3,5−トリイソプロピルベンゼン以外の多くの物質があり、例えばn-ヘプタン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼンなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、Ptナノ粒子の平均直径は、メソポーラスPt膜の作製条件を変化させた場合でもほぼ2.0〜3.5nmの範囲に入る。
Ptではなく、他の合金で本発明のメソポーラス金属膜が形成されている場合でも、そのナノ粒子の平均直径はほぼ2.0〜3.5nmの範囲となる。更に、本発明におけるメソ細孔の直径は一般にほぼ3.0〜80nmの範囲で制御することが可能である。
以下では、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例における膜の作製条件、原材料、使用機器、測定方法などの詳細については[作成条件等]のセクションでまとめて説明する。
[実験結果]
メソポーラスPt膜はKPtCl及び両親媒性ブロックコポリマー(非イオン界面活性剤)を含む水溶液から電気分解により付着させた。異なる分子量を持つ3種類の非イオン界面活性剤、すなわちEO4500−PO3200−EO4500、F127(EO100−PO65−EO100)及びBrij58(C16−EO20)を使用した。メッキ液中の界面活性剤濃度は1.0wt%に設定した。この濃度は界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)よりも高い。また、KPtClの濃度は20mMとした。この電解液を使用し、図1に示すようにして作用電極に取り付けられたAu基板上に電気分解によるPt膜の付着を行った。この電気分解の際の詳細な条件については[作成条件等]を参照されたい。このようにして作製されたPt膜表面の形態を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。その結果を図2に示す。Pt種(Pt species)は基板上にクラックや孔隙なしで一様に付着した。電気化学メッキではガスの発生などの副反応が起こることがあるが、これが膜中のクラック発生及びメソポーラス秩序の低下に関係する。ここでの反応においては低電位付着によりガスの発生が効果的に抑止され、クラックのない連続Pt膜が形成された。
鎖長の異なる各種の界面活性剤を使用することによって、図2に示すように、メソ細孔サイズを5nm〜20nmの範囲に調節することができた。トリブロックコポリマーPEO4500−PPO3200−PEO4500は使用した界面活性剤中で最も大きな分子量を持つが、これにより最大のメソ細孔サイズが実現された(観察されたメソ細孔は直径が約20nmであった)。F127を使用して作製された膜では、直径が約12nmのメソ細孔が観測された。ジブロックコポリマー(Brij58)を使って作製された膜のメソ細孔サイズは直径が約7nmであると概算された。比較実験においては、界面活性剤なしでPt膜を作製した。この場合は、図6(a)からわかるようにはっきりしたナノ構造は確認できず、溶解している界面活性剤がメソポーラス構造の生成に当たって重要な役割を演じていることが示された。また、非常に興味深いことに、高分解SEM観察から、メソポーラス構造の骨格は、平均サイズが約3nmであるナノ粒子が連結していて形成していることがわかった。また、PEO4500−PPO3200−PEO4500やF127を用いた場合は、いくつかのナノ粒子が集合して厚い骨格を形成していた。他方、Brij58の場合には、骨格の厚さは一つのPtナノ粒子のサイズに等しい約3nmにまで小さくなった。図2(f)に示すように、この場合には各Ptナノ粒子は壁の両側で露出している。従って、Ptナノ粒子のほとんど全ての表面がメソ細孔上に露出して、電気化学的に活性の表面領域として利用することができる。
更に、得られたメソポーラスPt膜のメソ細孔の配列の秩序性をSAXS(小角X線散乱)測定によって評価した。その結果を図3に示す。それぞれのプロファイルは、ブロードな回折ピークを確認した。ピークトップの位置は、PEO4500−PPO3200−PEO4500の場合には約31nm、F127の場合に約22nm、またBrij58の場合約12nmであった。この値は、メソ細孔の大きさと細孔壁の厚さを合わせた値になっており、図2のSEM観察の結果と一致した。また、使用される界面活性剤の分子量の増加につれて、ピーク幅は徐々にブロードになっていく。このことは、ここで採用した界面活性剤の中では、Brij58が、最も秩序性の高いメソ細孔構造を形成していることを示唆している。
上述したBrij58を用いて作製したメソポーラスPt薄膜の骨格の微細構造を、高分解TEMを用いて解析した(図4)。SEM観察結果と同様に、いくつかのナノ粒子が集合して骨格を形成していた。各Ptナノ粒子は互いに結合され、また{111}面の格子縞はいくつかのナノ粒子に渡って伸びている。一般的な金属ナノ粒子はしばしば{111}面や{100}面の低次表面(low index surface)に見られるファセット結晶形態を示す(非特許文献31)が、本件で得られた各ナノ粒子は不定形であってより高次の表面(higher index surface)、すなわち多数の段差を有する表面を有する特徴的形態を呈する。このような特徴的形態、すなわち多数の段差及び凹状表面は、触媒反応の活性サイトとしてだけではなく、触媒物質のための有効空間形状(effective space geometries)としても働く。
図5(a)に示す0.5M硫酸のCV曲線(cyclic voltammogram curve)は、Pt電極表面(図示せず)上の水素の吸着と脱着に対応する2つのピークを示す。メソポーラスPt膜の活性面積は水素原子の吸着/脱着に必要とした電荷を積分することによって求められた。PEO4500−PPO3200−PEO4500、F127及びBrij58によって付着させたメソポーラスPt膜についての電気化学的活性表面積(electrochemically active surface area、ECSA)は、それぞれ31m・g−1、32m・g−1及び43m・g−1であった。これらのメソポーラスPt膜は商業的に入手可能な白金黒の場合(20m・g−1)よりも高いECSAを示す。Brij58によって付着させた膜のECSAはPluronic F127やPEO4500−PPO3200−PEO4500によって付着させた膜の場合よりも高くなった。このことにより、微細孔サイズと壁厚の両者が減少することでメソポーラスPt膜のECSAが向上することが明らかになった。従って、膜中に高密度の多孔性構造を持つナノ構造を生成することによって、Pt膜のECSAが向上し、より大きな体積当たりの表面積が実現される。具体的には、本発明によれば、40〜100m・g−1という、従来報告されている範囲を凌駕するECSAを有するメソポーラス金属Pt膜を実現することができる。
Au基板上にBrij58を使って作製したメソポーラスPt膜は最も高いECSAを有するが、この膜を電解触媒(electrocatalyst)として調べた。その結果を図7に示す。この膜と界面活性剤を使用せずに作製したPt膜とを、電解触媒メタノール酸化を解析することにより比較した。メタノール酸化反応は直接メタノール型燃料電池応用に重要である。酸性条件下でのメタノール酸化のCV曲線を図5(a)及び図8に示す。メソポーラスPt膜はメタノールの電解触媒酸化について際立って高い接触電流(catalytic current)を示した。正方向掃引と負方向掃引上で起こる2つの明らかなピークはメタノール酸化プロセスの典型的な特徴である。とりわけ、正方向掃引におけるメソポーラスPt膜の触媒ピーク電流密度は、図8に示すところの界面活性剤なしで作製したPt膜のそれよりも約70倍大きい。従って、非常に簡単な手順を使って表面積を劇的に増大しまた表面ナノ構造を生成することにより、触媒系中のPt使用量を98.5%削減することができるようになった。更に驚くべきことには、Pt表面積で正規化した後でさえも、図5(a)に示すように、本発明のメソポーラスPt膜は界面活性剤なしで作製したPt膜の場合に比べて約10倍も高い電流値を示した。その上、メソポーラスPt膜の開始電位(onset potential)(約0.15V)はバルクPt膜の場合に比べて負の方向にシフトしていた。このことは、メタノールの電気化学的酸化はメソポーラスPt膜を使用した方が起こりやすいことを意味している。その理由は後で説明する。図5(b)に示すところの2000秒に渡って0.6Vで記録されたクロノアンペロメトリック曲線(chronoamperometric curve)は、メソポーラスPt膜の電流密度は時間範囲全体でバルクPt膜の場合よりも大きいことを示している。これは、メソポーラスPt膜の触媒性能が安定していることを示すものである。
[メソポーラス構造の形成機構の検討]
本形成機構を理解するため、溶解した界面活性剤(F127)の濃度を0.1w%から2w%まで変化させた。F127の濃度をCMC(F127のCMC濃度は0.7w%)(非特許文献33、34)よりも低くすると、図6(b)に示すように、多孔性構造は得られなかった。他方、F127の濃度がCMCよりも高い場合には、膜中に多数の球形のメソ細孔が形成された。図6(c)に示すように、Brij58系においても同様な状況が観測された。上のデータから、メソポーラスPt膜は界面活性剤ミセルの金属種とともに集合することによって電着すると考えることができる。メッキ液中では、溶解したPtイオンは、水分子が配位されることにより金属−水錯体を形成する。配位した水分子は、通常は界面活性剤ミセルのエチレンオキシド(EO)基と相互作用する(非特許文献24)ので、溶解したPtイオンは界面活性剤ミセルの外側EO領域内で吸着を起こす。従って、電気化学的付着(つまり、電位電圧の印加)を行っている間、Pt種は界面活性剤ミセルとともに作用電極へ移動すると考えられる。従って、界面活性剤ミセルは構造規定剤(structural direct agent)として働くことができる。実際、メソポーラスPt膜中の平均サイズは使用された界面活性剤ミセル中の疎水性コアの平均サイズ(非特許文献35、36)とほとんど同一である。もう一つの実験において、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン(0.006g、TPBz)を元の溶液(つまり、このような有機拡張剤が入っていない、メソポーラスPt膜作成用の溶液)に溶解することでこの物質を界面活性剤ミセルのコアに導入すると、これにより得られたメソ細孔サイズは、図9に示すように、PEO4500−PPO3200−PEO4500の場合に31nmまで、F127の場合は18nmまで、またBrij58の場合は12nmまで夫々拡張された。全体として、メソ細孔サイズは、有機拡張剤を使用しないで作製した元のメソ細孔サイズに比べて70〜80%増大した。この証拠は、界面活性剤ミセルの集合に基づいた上述の形成機構を強く裏付けている。
静電ポテンシャルの影響下で界面活性剤水溶液を使用したメソポーラス及びナノポーラスPt膜及びZnO膜について、文献が極くわずか存在する(Ptについては非特許文献37、ZnOについては非特許文献38)。これらの文献では、界面活性剤濃度がCMCよりも低かったとしても電極表面上でのミセル形成は、界面活性剤と電極表面との相互作用により起こりえる(非特許文献37−40)。しかしながら、基板の疎水性、界面活性剤のイオン強度及び対イオンを精密に制御することが肝要である。また、使用する界面活性剤は、陽イオン性のCTAB及び陰イオン性のSDS低分量界面活性剤に限定されていた。従って、その結果得られたメソ細孔はサイズが最大3nmであった(非特許文献37)。それとは対照的に、非イオン性ブロックコポリマーを使用する本発明の方法ではメソポーラス金属膜中の微細孔サイズを幅広く制御するための汎用の方法を与えるものである。中性の電荷を有する非イオン性ブロックコポリマーの自己集合プロセスは、イオン性界面活性剤とは異なり、基板へのバイアス電圧によって外部から制御されることはない。従って、Pt付着の前にメッキ溶液中で界面活性剤を球状のミセルに組み立てる必要がある。このような組み立ては従来のCTAB系やSDS系では必要とされない(非特許文献37)。
[独特なPt骨格形成による電気化学的活性の増大]
既に説明したように、高度のPt結晶性を有するユニークなナノ粒子から骨格が形成されたが、これは以下に示すところの推測による生成機構により合理的に説明することができる。電気化学的付着を開始すると、Pt種は界面活性剤ミセルとともに作用電極表面に近づく。Pt種はミセルのEOチェーンと絡み合っている。かくして、最初の還元によって金属原子の一次グラスター(Pt)が形成される。一次グラスターからの等方性粒成長は、Ptナノ粒子が熱的に安定となる(約3nm)まで連続して進行する。一般に、一次Ptグラスターは等方性成長により球体となって、Pt粒の表面エネルギーを最小化する。成長する粒はミセル中の水分子とEO領域の両方を押しのける。すると、EO領域はわずかに歪んで塑性変形を受ける。この段階で、成長したナノ粒子がEO領域内に納められて安定化される。Pt付着の進行につれて、第1のPtナノ粒子の外部表面上に生成された他の核から単結晶状の状態を維持しながら第2のPtナノ粒子が形成される。
得られたメソポーラスPt膜の骨格厚はミセル中の疎水性EO領域のシェル厚によって決まることがわかる。図2(f)に示すBrij58の場合には非常に薄い壁(約4nm)が形成された。界面活性剤中のEOユニットの個数が増加すると厚いEOシェルはいくつかのナノ粒子を収容することが可能となり、図2(b)及び図2(d)に示すように、壁厚は13nmまで増加した。
高度の結晶性を持って連結したPtナノ粒子は、大きな表面積のみならず、図4に示す凹状の表面形状を持つ豊富な原子段差も提供する。これにより、メタノールの電解酸化に好ましい表面構造(非特許文献41、42)を有する膜がもたらされる。メソポーラスPt膜の触媒活性の向上には、おそらくはその特定のメソポーラス構造が凹状の表面形状を有する豊富な原子段差とともに最も寄与している。ナノ粒子サイズ及び原子レベルの表面構造がPt触媒活性を向上させる主要な要因であることは一般に知られている(非特許文献31、32、41〜43)。図4で観測される原子段差(例えば、黒の楕円で示す領域内に見られる平行線状の構造の端が段差になっている)はメタノール分解におけるC−H及びO−H結合の切断を促進することができる多くのダングリングボンドを有し、従って図5に示すように、これらの段差は高度な触媒サイトとして働いてメタノールの電解酸化を加速することができる(非特許文献32、41)。
[将来展望]
本発明の方法では、極めて希薄な界面活性剤溶液を使用して比較的大きな分子でもアクセス可能な微細孔を有する膜を生成し、各種の界面活性剤を切り替えて使用しまた有機拡張剤を添加することによって、微細孔サイズを効果的に制御する。また、そのメッキ溶液は数回再利用でき、高い再現性を示す。これによって出来上がるメソポーラスPt膜は、大きな表面積とメタノール酸化に対する電極触媒特性(electrocatalytic properties)を非メソポーラスPt膜の場合に比べて劇的に向上させる。更には、本発明の電気化学プロセスにより、図10に示すように、多様な組成のPtベースの他のメソポーラス合金膜を簡単に作製することができる。これは、バッテリーの電極として従来よりも極めて高い性能を実現するために重要となる。本発明の他の重要な事項として、非イオン性ブロックコポリマーを使用する方法はメソポーラス金属膜中での微細孔サイズを広く制御するための汎用の方法を与える。具体的には、PEO−PPO−PEOのようなトリブロックコポリマーは、それの低コスト性、商業的入手可能性、また生分解性により、大きなメソ細孔の多孔質化剤(porogen)としての有力な候補である。このユニークな合成機構により、技術的に重要な構造を持った他の金属及び半導体のナノ構造膜が生成されるものと期待される。
[作成条件等]
原材料:KPtClはナカライテスク株式会社から購入した。Pluronic F127及びBrij58はアメリカ合衆国のSigma-Aldrich Corporationから入手した。PEO4500−PPO3200−PEO4500はカナダのPolymer Source Companyに発注した。
電気分解付着:Ptメソポーラス膜の電気化学的作製は、電気化学装置(アメリカ合衆国のCHI Instrument, Inc.のCHI 842B電気化学アナライザー)を用いて行われ、Ag/AgCl(飽和KCl)電極の基準電極と、白金線の対電極と、作用電極とを用いる標準の三電極セルシステムを使用した。作用電極は酸化インジウム(ITO)基板あるいは金基板を含むものを用いた。電解液の作製については、1.0w%非イオン性界面活性剤(例えばPluronic F127、PEO4500−PPO3200−PEO4500及びBrij58 C16EO20)を20mMのKPtCl水溶液に溶解した。Pt付着は、−0.2Vの電位で10分間、室温において攪拌せずに行った。付着後、作製されたままの膜をエタノール中に12時間漬けて非イオン性の界面活性剤を抜き取り、次に更に特性解析するため脱イオン水で完全に洗浄して空気中で乾燥した。
電解液(メッキ液)中のブロックコポリマー界面活性剤の濃度は当該界面活性剤のCMCよりも高くする必要があり、また流動性のあるメッキ液を作製するためにある上限値よりも低くする必要がある。ブロックコポリマー界面活性剤濃度が過大な場合には、基板上に均一に金属がメッキできないという問題が起こる。界面活性剤濃度は1.0wt%〜10wt%の範囲がより望ましい。なお、Pt付着処理時の電位は−0.0V(vs AgAgCl)〜−0.5V(vs AgAgCl)の範囲とするのが好ましい。作用電極と対極の間の好ましい電位差の電圧範囲は−0.1V(vs AgAgCl)〜−0.2V(vs AgAgCl)である。また、付着処理時間は1分〜10分の範囲が好ましい。これよりも短時間の処理では、これまでに説明したPt膜の好ましい骨格構造の成長が不十分となる。逆にあまり長時間の処理を行うと、Pt粒子が過度に集積することにより、比表面積の減少、メソ細孔の狭小化などの問題が起こる。付着処理の際の温度を上げると、金属の電析速度が上がり、均一な薄膜が電着できなくなるなどの問題が起こる。また、低温で処理を行うとメソポーラス骨格構造形成の進行が緩慢になる。好ましい処理温は20〜30℃の範囲である。
メソポーラス金属膜は上述の実施例ではAuまたはITO基板上に付着させたが、導電性があるという性質を有するものであれば、各種の材料を基板として使用することができる。具体的には、たとえば銅、アルミニウムなどの金属基板、導電性のシリコン基板などが使用可能である。
メソポーラス金属膜を構成する金属/合金をPtから別のものに変更したり、あるいはメッキ液の他の成分(使用するブロックコポリマーなど)を変更しても上の処理条件は変化しない。
既に説明したように、メッキ液中には、必要に応じてTPBzなどの拡張剤を添加することができる。メッキ液中のTPBzの濃度は、0.001wt%〜10wt%の範囲が好ましい。この範囲内でTPBzの濃度を変化させることにより、メソ細孔サイズの増大量を100〜300%の範囲で変化させることが可能である。また、他の物質を拡張剤として使用する場合にも同様の傾向が見られる。
特性解析:日立HR−SEM S−5500顕微鏡によってSEM像を得た。コーティングしていないサンプルを直接観察した。加速電圧は10kVであった。透過型電子顕微鏡検査(TEM)は、300kVで動作させたJEOL JEM−3010(Cs−0.6mm、点分解能1.7Å)を使用して行った。小角X線散乱(SAXS)パターンは、カメラ長(camera length)=700mmで、40kV及び30mAで動作させたRigaku NANO−Viewer(Cu Kα放射)によって記録した。Ptナノ粒子、更にメソ細孔のサイズ分布を評価するため、観測されたSAXSプロファイルを球形モデル及びΓ分布関数を使用して解析した。フィッティングを行う2θ範囲は、メソ細孔構成からの散乱をPtナノ粒子からのものから識別できるように、慎重に選択した。これについては図3の説明を参照されたい。メタノールの電極触媒酸化(electrocatalytic oxidation)測定を1Mのメタノールを含む0.5M HSO溶液中で行った。掃引速度は20mVs−1であった。電極触媒検査において、電気化学的活性表面積(ECSA)を使って電流を正規化した。ECSAは水素吸着及び脱着プロセスに関連する電荷から求め、変換係数210μCcm−2を使用した。Pt重量は掻き取ったPt膜の重量から求めた。
以上詳細に説明したように、本発明によって提供されるメソポーラス金属膜は、そのECSAが非常に大きいことにより、高い触媒活性を発揮することができる。それに加えて、本発明ではメソ細孔サイズを従来のメソポーラス金属構造の場合よりも大きくすることができ、しかもそのサイズに対する制御性も良好である。これにより、本発明は従来のメソポーラス金属よりも大きな分子に対しても高い触媒活性を示すだけではなく、メソ細孔サイズを自由に制御することで、反応に対する高い選択性を実現することができる。従って、本発明によって提供されるメソポーラス金属膜は触媒として非常に広範な分野への応用が期待される。その他、触媒に限らず、大きな比表面積などが要求されるあらゆる分野への応用も可能である。
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Claims (17)

  1. ブロックコポリマー界面活性剤及び金属塩の水溶液の電気分解により、電極上にメソポーラス金属膜を形成するメソポーラス金属膜の製造方法。
  2. 前記水溶液中の前記ブロックコポリマー濃度は臨界ミセル濃度よりも大きい、請求項1に記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  3. 前記水溶液中の前記ブロックコポリマー濃度は1.0〜10w%の範囲である、請求項2に記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  4. 前記ブロックコポリマーはEO4500−PO3200−EO4500、EO100−PO65−EO100、EO100−PO65−EO100、C16−EO20、オクタエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、C16EO、C16EO、C1633(OCHCH)nOH(nは10を主とする)、C1837(OCHCH)nOH(nは20を主とする)、C1837(OCHCH)nOH(nは10を主とする)、並びに(PEO)−(PPO)68−(PEO)、(PEO)20−(PPO)69−(PEO)20などのPEO−PPO−PEO型トリブロックポリマーから成る群から選ばれた物質である、
    請求項1から3の何れかに記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  5. 前記金属は白金である、請求項1から4の何れかに記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  6. 前記金属は更にルテニウム及びパラジウムから成る群から選択される少なくとも1種類の金属を含む請求項5に記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  7. 前記メソポーラス金属膜が形成される前記電極の表面は金、銅、アルミニウムなどの金属、ITO、導電性のシリコンから選択される、請求項1から6の何れかに記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  8. 前記水溶液は更に拡張剤を含む、請求項1から7の何れかに記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  9. 前記拡張剤は1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、n-ヘプタン、1,3,5−トリメチルベンゼン及び1,3,5−トリエチルベンゼンから成る群から選択される、請求項8に記載のメソポーラス金属膜の製造方法。
  10. 金属ナノ粒子が結合した形態である骨格を有し、前記骨格中に10nmよりも大きな平均メソ細孔サイズを有するメソ細孔が形成されている、メソポーラス金属膜。
  11. 前記メソ細孔は球形である、請求項10に記載のメソポーラス金属膜。
  12. 前記金属は白金、並びに白金−ルテニウム合金、白金−パラジウム合金等の白金系合金から成る群から選択される、請求項10または11に記載のメソポーラス金属膜。
  13. 前記ナノ粒子の表面に原子段差を有する、請求項10から12の何れかに記載のメソポーラス金属膜。
  14. 前記骨格の前記ナノ粒子間の結合部分に凹状表面を有する、請求項10から13の何れかに記載のメソポーラス金属膜。
  15. 金、銅、アルミニウムなどの金属、ITO及び導電性シリコンから成る群から選ばれた材料の上に形成されている、請求項10から14の何れかに記載のメソポーラス金属膜。
  16. 前記金属ナノ粒子の平均直径は2.0〜3.5nmの範囲である、請求項10から15の何れかに記載のメソポーラス金属膜。
  17. 電気化学的活性表面積が40〜100m・g−1の範囲である、請求項10から16の何れかに記載のメソポーラス金属膜。
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