JP2012165916A - 炊飯器及びご飯の黄ばみ抑制方法 - Google Patents

炊飯器及びご飯の黄ばみ抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的簡易な構成で、保温中のご飯の黄ばみを長期的に抑制することができる炊飯器を提供する。
【解決手段】炊飯用の釜を収容する容器と、当該釜を加熱する加熱手段と、前記容器を覆う蓋部と、前記釜内の内容物に可視光を照射する光照射部と、前記加熱手段及び前記光照射部を制御する制御部とを備えた炊飯器であり、前記制御部は、前記加熱手段による炊飯加熱終了後、保温の開始に合わせて光照射を開始するように前記光照射部を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炊飯後のご飯が保温中に黄ばむ現象を抑制するための炊飯器および方法に関する。
炊飯器では、長時間保温した場合に、ご飯の乾燥、変色(黄ばみ)、異臭が発生することが課題であった。このうちご飯の変色は、ご飯に含まれるアミノ化合物と糖などのカルボニル化合物とのメイラード反応によって生成するメラノイジンが主たる原因と考えられており、このメイラード反応は酸素が存在し、温度が高い場合にすみやかに進むことが知られている。
これら問題に対し、保温温度を低温と高温に切り替えることにより、できるだけ保温時の温度を低く保ちご飯の変色を抑える方法(特許文献1等)、保温温度が安定した時点で釜内部を減圧にして、酸素量を減らすことで雑菌の増殖とご飯の変色を抑制する方法(特許文献2)などが提案されている。
また保温時のご飯の腐敗と防臭を目的として、炊飯器に殺菌ランプを設けて、保温工程で紫外線照射を間欠的に行う炊飯器も提案されている(特許文献3、4)。
特開2005−192902号公報 特開2007−209481号公報 特開2010−35858号公報 特開2000−139696号公報
保温温度を比較的低温にする方法には、メイラード反応は遅らせることができるが、雑菌が繁殖しやすくなるという問題があり、また長期にわたって黄ばみを抑制することはできない。釜内を減圧にする方法は、そのための減圧ポンプ等を必要とし装置が複雑化、高コスト化するとともに、ポンプ駆動時に騒音が発生すると言う問題もある。
一方、特許文献3に記載された技術は、紫外線の殺菌作用を利用したものであるが、ご飯の黄ばみに対する抑制効果については検討されていない。
本発明は、比較的簡易な構成で、保温中のご飯の黄ばみを長期的に抑制することができる炊飯器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の炊飯器は、炊飯用の釜を収容する容器と、当該釜を加熱する加熱手段と、前記容器を覆う蓋部と、前記釜内の内容物に可視光を照射する光照射部と、前記加熱手段及び前記光照射部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記加熱手段による炊飯加熱終了後、保温の開始に合わせて光照射を開始するように前記光照射部を制御することを特徴とする。
光照射部が照射する可視光は、赤外線成分を含まず、波長400〜800nmの範囲の光を含むものである。
また本発明のご飯の黄ばみの抑制方法は、炊飯後のご飯を保温温度60度〜80度で加熱するとともに、波長400〜800nmの可視光を照射することを特徴とする。
本発明の炊飯器において、光照射部は種々の構造を採ることができ、例えば、光照射部は蓋部に備えられ、蓋部は、前記光照射部と、容器を覆う閉状態としたときに容器と一体として炊飯器の外観を与えるケース部と、光照射部をカバーする為の光透過性の材料からなる板材とから構成することができる。
或いは、光照射部は、蓋部の板材の釜外周に相当する領域に配置された光源と、その光源を封止するように設けられた樹脂層とで構成され、蓋部において光照射部に板材が重ねるように配置される構成とすることができる。
その場合、蓋部の板材に樹脂層を嵌合する開口が形成されており、該開口から光照射部の樹脂層が覗くように構成してもよい。
また光照射部を、光源と、光源を覆うレンズと、拡散シートとから構成することや、光源と、その光源を一辺または複数の辺に沿って配置した導光板と、導光板の反釜側と蓋部の間に挿入された反射部材とで構成することができる。
さらには光照射部を、光源と、光源に接続された光ファイバまたは導光ロッドにより構成することができる。その場合、光照射部の光源が、蓋外部の任意の場所に設置することができ、光源からの光は光ファイバにより蓋内に導光される。
本発明によれば、保温時のご飯の黄ばみを抑制し、腐敗や変色がなく、高い保温温度で保温されたご飯を提供することができる。
本発明の第一実施形態の炊飯器の概要を示す断面図。 第一実施形態の炊飯器の要部を示す図で、(a)は蓋部を下側から見た図、(b)は光照射装置の断面を示す図。 第一実施形態の炊飯器の制御フローを示すフローチャート。 第二実施形態の炊飯器の光照射装置の概要を示す図。 第三実施形態の炊飯器の光照射装置の概要を示す図。 第四実施形態の炊飯器の光照射装置の概要を示す図。 実施例に用いる実験用ケースを示す図。 実験例1で用いたLED電球の発光スペクトルを示す図。 実験例1の実験結果を示す図。 実験例2で用いた白熱電球の発光スペクトルを示す図。 実験例3で用いた紫外線ランプの発光スペクトルを示す図。
以下、本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
本実施形態の炊飯器の概要を図1に示す。この炊飯器10は、釜1と、釜1を収納する容器2と、釜1を加温するヒータ3と、釜1及び容器2とを覆う蓋部4と、蓋部4に固定された光照射装置5と、ヒータ3及び光照射装置5を制御する制御部6とを備えている。蓋部4は、容器2に対し開閉可能に或いは着脱可能に取り付けられ、炊飯時や保温時には、容器2に対し閉状態で固定されるようになっている。
釜1の材料は、ヒータ3の加熱方式によっても異なるが、熱伝導性のよい材料、例えばアルミニウム、ステンレスなどの金属、炭素材料、セラミックスなどからなり、容器2から取り外し可能である。容器2は、釜1との間に形成される空間に、ヒータ3、釜の温度を検出する温度センサ(不図示)、制御部6などが収納されている。また容器2には、炊飯器を動作させるための操作パネル7や表示用LEDなどが設けられている。
ヒータ3は、IH式、高周波式、抵抗熱方式など公知の加熱方式に対応した加熱手段からなる。加熱手段は、その加熱方式に応じて、炊飯用と保温用とを別個に設けてもよいし、同一の加熱手段が炊飯用と保温用を兼ねていてもよい。
蓋部4は、容器2を覆う閉状態としたときに、容器2と一体として炊飯器の外観を与えるケース部41と、光照射装置5と、光照射装置5をカバーするための光透過性の材料から成る板材42とからなる。板材42として、具体的には、架橋アクリル、ポリアリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィン、エポキシ樹脂などの高耐熱性樹脂を用いることができる。ケース部41と板材42との間の空間に、光照射装置5の配線(配線基板)や水滴を蒸発させるための蓋ヒータ、断熱材などが設置されている。また蓋部4の中央には、釜1内が所定の圧力以上になったときに、蒸気を逃がすための蒸気口43が設けられている。
光照射装置5は、釜1内のご飯に可視光を照射するものであり、本実施形態では、複数の光源が配置されている。光源としては、波長400〜800nmの可視光を発するものであって、波長800nm以上の赤外線成分を含まないものが用いられる。また波長400nm以下の紫外線成分も含まないものが好ましい。光の強度は、3000lx以上であればよく、好ましくは3500lx以上、より好ましくは4000lx以上である。このような光照射装置用の光源として、具体的には、発光ダイオード(LED)、蛍光ランプ、赤外線カットフィルタ付きの白熱電球、レーザー、有機ELなどが挙げられる。これら光源のうち、発光ダーオードは、少ない消費電力で高い発光強度を得ることができ、小型であり、且つ温度や湿度の変化に対して信頼性が高いため、特に好適である。
図2に、光源として複数のLED51を板材42に配置した光照射装置の一例を示す。図2の(a)は、板材42を下側(釜側)から見た図、(b)はLED51と板材42の構成例を示す断面図である。(a)に示すように、板材42の釜4外周に相当する領域(図中、点線で囲まれた領域)内の円周上に、6個の光源51を配置している。板材42の中央は、蒸気口が設けられる開口43である。LED51は、基板510上にLED素子511を実装し、その上に封止用の透明樹脂或いは蛍光体含有樹脂からなる樹脂層513を設けたもので、図示する例では樹脂層は半球状の形状を有している。図1では、光照射装置5はLED51を板材42に重ねるように配置したものを示したが、(b)では、板材42に半球状の樹脂層を嵌合する開口を形成しておき、この開口から半球状の樹脂層が覗くように構成した場合を示している。また上記高耐熱樹脂やガラスで、LEDが実装された基板全体を覆い、LED素子の封止と、板材42としての機能を兼ねるようにしてもよい。
ここでは、光源の構成として、基板にLED素子を直接実装し、封止機能とレンズ機能を兼ね備えた樹脂層を設ける例を示したが、基板上に予め面実装タイプのLEDを実装し、さらに必要に応じてアウターレンズを加えた構成としてもよいし、基板上にスルーホールタイプのLEDを実装する構成としてもよい。
また図2では、光源を6個円周状に配置しているが、炊飯器内のご飯に可視光が適切に照射されればよく、個数配置形状を制限するものではない。
蓋部4(板材42)に取り付けた光照射装置5は、蓋部4と容器2とを接続する接続部を通るケーブル(図示せず)により、容器2側に設けられた制御部6に接続されている。炊飯器を電源に接続するためのコンセント及び電線(図示せず)は、容器2側に接続され、ヒータ3、光照射装置5及び制御部6に電力を供給する。
制御部6は、マイクロコンピュータからなり、米の量や使用者が設定する炊きかげん等に対応してプログラムされた処理フローに基づき、ヒータ3や光照射装置5を駆動制御する。処理フローのプログラムは予めマイクロコンピュータのメモリ内に組み込まれている。
次に制御部6による処理フローを説明する。図3に処理フローを示す。
まず操作パネル7を介して、炊飯スイッチがオンされると、所定の炊飯プログラムに従い、炊飯を行う(ステップ301、302)。炊飯プログラムは、炊飯の開始から蒸らし時間を経て炊飯が完了するまでの時間軸に対し炊飯時の火力(供給電力)の変化(温度の変化)を予め定めたものであり、実際に炊飯器に入れたコメの量や操作パネルを介してユーザーが設定する条件などに基づき、パラメータを変化させて実行される。一般的には、本炊きは100〜130℃、蒸らしは85〜100℃に設定される。炊飯が終了し且つ蒸らし時間が経過した後、引き続き保温を行うことがプログラムされている場合(或いは保温しないことを選択する情報が入力されていない場合)には、保温用の加熱手段(ヒータ3)を駆動し、温度センサからの情報に基づきオン−オフ制御を行い、所定の保温温度範囲を保つようにする。温度範囲は85℃以下、70℃以上範囲、好ましくは75℃前後に設定される(ステップ303、304)。
この保温の開始に同期して、光照射装置5を駆動し、可視光の照射を開始する(ステップ305)。光照射は、ヒータ4のオン−オフに同期させて間欠的に行ってもよいし、連続的に照射してもよい。光照射は、操作パネルを介した保温の停止又は電源のオフがあるまで継続される(ステップ305、306)。
なお図2のフローでは、光照射は保温と同期させる場合を説明したが、保温時のヒータの制御とは独立して光照射を行うことも可能である。例えば、保温はしないが、光照射のみを行わせることも可能であり、その場合、細菌増殖の抑制効果はないものの、緩やかに進行するメイラード反応を抑制することができる。
本実施形態によれば、炊飯完了の保温中のご飯に可視光を照射することで、保温温度を高く保った状態でメイラード反応の進行を抑制し、ご飯の黄ばみを防止することができる。
なお上記実施形態では、炊飯器の蓋の内板に直接光照射装置を取り付けた場合を説明したが、光照射装置の構造は炊飯器内のご飯に可視光が照射されればよく、種々の変更が可能である。以下、光照射装置の変更例を説明する。なお、以下の各実施形態において、光照射装置を除く炊飯器の各要素及び制御部の機能は、第一実施形態と同様であるので説明を省略し、光照射装置の部分を主として説明する。
<第二実施形態>
本実施形態の炊飯器は、レンズや光拡散シートなどの光学部材と光源とを組み合わせた光照射装置を用いていることを特徴としている。図4に一例を示す。
図示する光照射装置50は、複数のLED素子またはLED51と、それを覆うレンズ53と、拡散シート55とからなる。レンズ53は、架橋アクリル、ポリアリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィン、エポキシ樹脂などの、光学用途に用いられる高耐熱高耐薬品グレードのエンジニアリングプラスチック材料を射出成型やプレス成型することにより製造されたものを用いることができ、基板等にネジ止め、かしめ止め、接着剤等で固定される。或いは、LED51の製造時にLED素子を封止する樹脂をレンズ状に形成したものでもよい。拡散シート55としては、レンズ53と同様の高耐熱性樹脂やエンジニアリングプラスチック材料からなり、表面に光拡散のための微小の凹凸を有する板材を用いることができる。表面の微小の凹凸は、例えば押し出し成型、射出成型、プレス成型等の公知の手法により賦形して形成してもよいし、シリカビーズ等の微粒子を分散させた上記樹脂材料を成膜することにより形成してもよい。
本実施形態の光照射装置50は、基板上に実装した複数のLEDがそれぞれレンズで覆われ、且つ基板全体が拡散シート55で覆われているので、そのまま蓋部4のケース部41に固定し、蓋部4を構成することができる。
本実施形態の光照射装置によれば、光源と光拡散性のある光学部材を組み合わせて光照射装置としたことにより、釜内のご飯に、より均一に光が照射されるので、高い黄ばみ抑制効果が得られる。
<第三実施形態>
本実施形態の炊飯器は、導光板と光源とを組み合わせた光照射装置を用いていることを特徴としている。図5に一例を示す。
図示する光照射装置50’は、蓋部4の対向する両辺部に沿って配列した複数の光源51と、端面が光源51の列と対向するように設置された導光板52とからなる。本実施例でも光源51としてはLED素子を用いているが、これに限定されない。導光板52は、端面から入射した光を、端面と直交する面(面積の広い面)から出射するもので、公知の面状光源等に使用される導光板であって耐熱性のある材料から成るものであれば使用することができる。具体的には、架橋アクリル、ポリアリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィン、エポキシ樹脂などの、光学用途に用いられる高耐熱高耐薬品グレードのエンジニアリングプラスチック材料を射出成型やプレス成型により板状にしたものを使用することができる。なお図では、導光板の平行な二つの端面に光源51が配置されている例を示したが、光源は一つの端面のみに配置されてよいし、3つ又は全部の端面に配置されていてもよい。導光板は、第二実施形態の拡散シートと同様に蓋部4の板材42を兼ねることができる。
さらに光照射装置50’の光利用効率を上げるために、導光板の反射面(半釜側)と蓋部4との間に高反射部材を挿入してもよい。高反射部材としては、一般に面状光源で使用される発泡PET等の高反射シートを用いてもよいし、上記高耐熱高耐薬品性樹脂をフィルム状に成型し、表面にAlやAg合金等の金属薄膜を成膜した高反射フィルムを用いてもよい。また蓋部4の導光板52に対面している面にAlやAg合金等の金属薄膜を成膜して高反射率となるように鏡面加工を施してもよい。
この光照射装置50’では、両辺部に配列した光源51が照射する可視光は、導光板52に導入されて、釜側に出射される。光は導光板52を介して照射されるので、第二実施形態と同様に均等な光を釜内のご飯に照射することができる。
<第四実施形態>
本実施形態の炊飯器は、光源と光ファイバ又は導光ロッドを組み合わせた光照射装置を用いていることを特徴としている。図6に一例を示す。
図示する光照射装置50”は、蓋部4の板材42に固定された複数のLED51と、各LED51に接続された光ファイバ又は導光ロッド54から成る。光ファイバとしては、ポリイミドや金属などで被覆された高耐熱グレードの光ファイバを用いることが好ましい。また導光ロッド54としては、架橋アクリル、ポリアリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィン、エポキシ樹脂などの、光学用途に用いられる高耐熱高耐薬品グレードのエンジニアリングプラスチック材料を射出成型やプレス成型により棒状にしたものを使用することができる。導光ロッドは、側面に溝やドット形状を賦形することにより、側面からも光が出射される構造としてもよい。
また導光ロッド54は、板材42に固定されたLED51に対し、ソケット等によって着脱可能であることが好ましい。導光ロッド54の径は、結合する光源の径上の径であることが好ましい。取り扱い性の観点から、導光ロッドを束ねるなど一体化されており、一度に着脱できる構造を採ることが好ましい。また長さは、LED51に対し着脱可能なものである場合には、蓋部4を閉じたときに、導光ロッド54の先端が、釜1の底部に達しない長さであれば、特に限定されない。導光ロッドが、LED51に固定されている場合には、蓋部4を容器2との接続部で回転させて開閉する際に、その回転を妨げない長さとする必要がある。
本実施形態の炊飯器は、炊飯を開始する前に、導光ロッド54をLED51に装着した状態で、蓋部4をセットする。炊飯後、保温が開始されるとともにLED51の発光が開始されると、光は導光ロッド54を通して、ご飯の内部に照射され、ご飯内部の黄ばみを防止することができる。板材42に固定された複数のLED51の一部に導光ロッド54を装着し、他の一部は装着しないことにより、ご飯の内側及び内部から光を照射することができる。
なお図6では、光源51が蓋4に設置されている場合を示したが、光ファイバを用いる場合には、光源の位置は蓋内部に限定されず、例えば、炊飯器の外側や容器2側に設置することも可能である。この場合、蓋から光ファイバを引き出した構造とし、その端部を光コネクタを介して光源に接続する。
以上、本発明の炊飯器の概要と炊飯器に備えられる光照射装置の具体的な構造の実施形態について説明したが、本発明の炊飯器は、保温中のご飯に可視光を照射する機能を備えていればよく、上述した構造は一例であって、種々の変更が可能である。
また本発明の要旨は、保温中のご飯に対し所定の可視光照射することであり、炊飯器のみならず、ご飯を保存するための容器全てに適用することが可能である。
本発明による黄ばみ抑制効果を確認するために、下記の実験を行った。
<実験例1>
米(「あきたこまち」(商品名):無洗米)を2合計量し、3合炊きのマイコン式炊飯器にセットし、1時間の浸水後、無洗米モードで炊き上げた。炊き上がり後10分間蒸らし、シャリきりをした後、色度を色度測定システム(Radiant Imaging社製、ProMetric1200)を用い、昼光色蛍光ランプ(日立アプライアンス製:ハイホワイト)による照明下で測定した。測定は、ご飯の画像を取り込み、その画像を660個の領域に区分し、各領域の色度の平均値をそのご飯の色度とした。
一方、ご飯に対する光の照射の条件のみを異ならせるために、図7に示すケース70を作製した。ケース70は、遮光性の材料からなり、中央に仕切り71があり2つの空間に分かれている。仕切り71は、光は通さないが、透湿性のある材料(セラミックス)からなり、2つの空間の温度及び湿度は同一に保たれ且つ一方からの光が他方には漏れないように構成されている。仕切りの両側に上述のご飯を1合ずつ入れ、半分が透明で残りの半分は遮光が施されている蓋72でケース70を密閉した。透明の蓋で覆われている側をサンプル1、遮光されている側をサンプル2とした。透明の蓋72aを介して、LED電球(パナソニック製:LDA7L-A1、明るさ450lm)75を、ご飯の上面から10cmの高さに設置した。このLED電球を設置したご飯入りのケース70を、温度を75℃に設定した恒温槽に配置し、24時間保温するとともに、LED電球による光照射を継続した。用いたLED電球のスペクトルを図8に示す。なお保温中、湿度は特に制御しなかった。
24時間経過後、恒温槽からケース70を取り出し、蓋をあけて、サンプル1及びサンプル2の色度を、炊き上がり後と同様に測定した。結果を表1及び図9に示す。図9は、CIEのxy座標で、測定660点の平均値を示し、初期状態と24時間保温後の変化を矢印で示している。
Figure 2012165916
なお表1の「Index」は、xy座標変化の量を示し、xy座標変化値のx値とy値から、Index=√(x+y)により求めた値である。
表1及び図9の結果からも明らかなように、光照射を行ったサンプル1では、光照射を行わなかったサンプル2に比べ、色の変化量すなわち変色が少ないことが確認された。通常、人の目は、xy座標で約0.005以上の色度変化から色の違いを認知できると言われており、サンプル1では、人が認知できる変色がないのに対し、サンプル2では、人が認知できる変色を生じていることがわかる。確認のため、保温後のサンプル1とサンプル2とでどちらが白く見えるかを20人の人にアンケートを取った結果、95%(19人)がサンプル1のほうが白いと回答した。
<実験例2>
実験例1における光照射装置(電球色LED電球)を白熱電球(日立アプライアンス社製ソフトシリカ:60W)に代えて、それ以外は実験例1のサンプル1と同様に実験を行った。白熱電球の発光スペクトルを図10に示す。LED電球と白熱電球の差は、図8と図10の比較からわかるように、発光スペクトルに含まれる赤外線成分の有無であり、前者は赤外線成分を含まないが、後者は含む。白熱電球による光照射を行って24時間保温したサンプル(サンプル3)は、目視で変色が確認され、表1に示す結果からもわかるように、実験例1のサンプル1及びサンプル2と比較しても、色度変化が大きかった。これは、サンプル3では、赤外線照射によってご飯の乾燥が進み、乾燥による変色を起こしているためである。
<実験例3>
実験例1における光照射装置(電球色LED電球)を、紫外線ランプ(スタンレー電気社製:ピーク波長254nm)に代えて、その配置する位置をご飯上面から2cmの位置に変更し、それ以外は実験例1のサンプル1と同様に実験を行った。紫外線ランプの発光スペクトルを図11に示す。紫外線ランプは10V駆動であり、管電流は10mAであった。結果を表1に併せて示す。表中、紫外線照射をしたご飯をサンプル4、紫外線照射をしなかったご飯をサンプル5とした。
表1の結果からも明らかなように、紫外線照射をしないサンプル5の結果は、当然ながら実験例1のサンプル2(光照射なし)とほぼ同様であった。一方、紫外線照射をした場合には、大きく色度が変化し、目視でもご飯全体が黄ばんだことが一目瞭然であった。したがって、黄ばみ防止のためには、照射光の発光スペクトルに紫外線成分が無いことも望ましい。
以上の各実験例の結果から、赤外線成分を含まない可視光の照射によって、紫外線では得られない効果、即ち黄ばみ抑制が得られることが確認された。
1・・・釜
2・・・容器
3・・・ヒータ
4・・・蓋部
5、50、50’、50”・・・光照射装置

Claims (6)

  1. 炊飯用の釜を収容する容器と、当該釜を加熱する加熱手段と、前記容器を覆う蓋部と、前記釜内の内容物に可視光を照射する光照射部と、前記加熱手段及び前記光照射部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記加熱手段による炊飯加熱終了後、保温の開始に合わせて光照射を開始するように前記光照射部を制御することを特徴とする炊飯器。
  2. 請求項1に記載の炊飯器であって、
    前記光照射部が照射する可視光は、赤外線成分を含まず、波長400〜800nmの範囲の光を含むことを特徴とする炊飯器。
  3. 請求項1又は2に記載の炊飯器であって、
    前記光照射部の光源は、LED素子からなることを特徴とする炊飯器。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の炊飯器であって、
    前記光照射部は、前記蓋部に設けられていることを特徴とする炊飯器。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の炊飯器であって、
    前記制御部は、光照射を連続して行うように前記光照射部を制御することを特徴とする炊飯器。
  6. 炊飯後の保温時のご飯の黄ばみを抑制する方法であって、
    保温温度60度〜80度の加熱とともに、波長400〜800nmの可視光を照射することを特徴とするご飯の黄ばみの抑制方法。
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JP2010035859A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Sanyo Electric Co Ltd 電気調理器
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