JP2012163228A - ボイラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】特に給水温度を考慮して、各ボイラひいてはシステム全体の効率を向上する。
【解決手段】燃焼量が比例制御されるボイラ2を備える。ボイラ2の排ガスはエコノマイザ13に通され、エコノマイザ13において、排ガス熱でボイラ2への給水を予熱する。エコノマイザ13に通されるか通された給水の温度を検出するために、温度センサ17が設けられる。比例制御の比例帯として、燃焼量の異なる複数の範囲が設定され、温度センサ17の検出温度が設定温度以下の場合には低燃焼用比例帯で燃焼量を制御し、設定温度を超える場合には中燃焼用比例帯で燃焼量を制御する。蒸気の使用負荷に応じてボイラ2の運転台数と各燃焼量を制御するに際し、温度センサ17の検出温度に基づき選択される比例帯で運転するボイラ2の数を最大にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼量が比例制御されるボイラを備えたボイラシステムに関するものである。
従来、たとえば下記特許文献1に開示されるように、複数のボイラを備えるボイラシステムにおいて、ボイラの運転台数と各燃焼量とを制御する台数制御方法が知られている。
特開2002−130602号公報
複数のボイラを備えるボイラシステムの運転状況をみると、実際のシステム負荷率は、多くの場合、最大燃焼量の半分以下の低い状態にあることが分かった。このような状況において、単に蒸気負荷に基づき燃焼量を調整するのでは、システム効率を向上させるのに限界がある。特に、ボイラへの給水の温度が変化すると、エコノマイザの伝熱壁における対数平均温度差が変化するため効率も変わるので、これを考慮する必要がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、特に給水温度を考慮して、各ボイラひいてはシステム全体の効率を向上することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、燃焼量が比例制御されるボイラと、このボイラからの排ガスが通され、排ガス熱で前記ボイラへの給水を予熱するエコノマイザと、このエコノマイザに通されるか通された給水の温度を検出する温度センサとを備え、前記比例制御の比例帯として、燃焼量の異なる複数の範囲が設定され、前記温度センサの検出温度が設定温度以下の場合には、燃焼量の最も小さい比例帯で燃焼量を制御することを特徴とするボイラシステムである。
エコノマイザにおいて、給水温度が低く、低負荷運転でも排ガス温度が給水温度付近まで下がらず潜熱回収できる場合、負荷率が低いほど、潜熱回収が放熱損失を上回るので、ボイラ効率が高まる。請求項1に記載の発明では、給水温度が設定温度以下の場合には、燃焼量の最も小さい比例帯で燃焼量を制御するので、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、前記ボイラを複数備え、蒸気の使用負荷に応じて前記ボイラの運転台数と各燃焼量を制御するに際し、前記温度センサの検出温度に基づき選択される比例帯で運転する前記ボイラの数を最大にすることを特徴とする請求項1に記載のボイラシステムである。
請求項2に記載の発明によれば、蒸気の使用負荷に応じてボイラの運転台数と各燃焼量を制御するに際し、給水温度に基づき選択される比例帯での運転を優先することで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項3に記載の発明は、前記比例制御の比例帯として、燃焼量が小さい順に、低燃焼用比例帯、中燃焼用比例帯および高燃焼用比例帯が設定され、前記温度センサの検出温度が前記設定温度以下の場合には、低燃焼用比例帯で燃焼量を制御し、前記温度センサの検出温度が前記設定温度を超える場合には、中燃焼用比例帯で燃焼量を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラシステムである。
エコノマイザにおいて、給水温度が低いと、負荷率が低いほど、潜熱回収が放熱損失を上回るので、ボイラ効率が高まる。一方、給水温度が高いと、低負荷運転を行なった場合、排ガス温度が給水温度付近まで低下し潜熱回収はできないが放熱損失は大きくなるため、中程度の負荷率でのボイラ効率が最も高くなる。請求項3に記載の発明によれば、給水温度が設定温度以下の場合には、低燃焼用比例帯で燃焼量を制御し、給水温度が設定温度を超える場合には、中燃焼用比例帯で燃焼量を制御することで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項4に記載の発明は、前記低燃焼用比例帯は、最大燃焼量の5〜35%より内側の範囲で設定され、前記中燃焼用比例帯は、最大燃焼量の40〜70%より内側の範囲で設定されることを特徴とする請求項3に記載のボイラシステムである。
請求項4に記載の発明によれば、最大燃焼量の5〜35%の範囲内で低燃焼を行い、最大燃焼量の40〜70%の範囲内で中燃焼を行うことで、ボイラシステムの効率を向上することができる。
請求項5に記載の発明は、前記温度センサは、前記エコノマイザへの給水温度を検出する位置に設けられ、前記設定温度は、40〜50℃の範囲で設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
請求項5に記載の発明によれば、エコノマイザ入口における給水温度を用いて、簡易に安定した制御を行うことができる。
さらに、請求項6に記載の発明は、前記エコノマイザには、前記ボイラからの排ガスが上方から下方へ通されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のボイラシステムである。
仮に、ボイラからの排ガスをエコノマイザの下から上へ流す場合、低負荷運転かつ給水温度が低い場合、排ガス温度が低くなるエコノマイザ上部において排ガス中の水分が一部結露し、この結露水が重力に従い下方へ適下する。そして、滴下した結露水が高温の排ガスにより再蒸発したり、エコノマイザの伝熱部に滞留したりして、伝熱を阻害するため非効率となるおそれがある。ところが、請求項6に記載の発明によれば、ボイラからの排ガスをエコノマイザの上から下へ流すので、低負荷運転かつ給水温度が低い場合、排ガス温度が低くなるエコノマイザ下部において排ガス中の水分が一部結露しても、その結露水は重力に従い下方へすぐに滴下して排出することができるため、伝熱を阻害することがない。
本発明によれば、特に給水温度を考慮して、各ボイラひいてはシステム全体の効率を向上することができる。
本発明のボイラシステムの一実施例を示す概略図である。 図1のボイラシステムの各ボイラを示す概略図であり、一部を切り欠いて断面にして示している。 放熱損失が異なる場合におけるボイラ負荷率とボイラ効率との関係図である。 給水温度が異なる場合におけるボイラ負荷率とボイラ効率との関係図である。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のボイラシステム1の一実施例を示す概略図である。また、図2は、本実施例のボイラシステム1の各ボイラ2を示す概略図であり、一部を切り欠いて断面にして示している。
本実施例のボイラシステム1は、複数のボイラ2,2,…と、これらボイラ2の運転台数と各燃焼量を制御する制御器3とを備える。
各ボイラ2は、本実施例では多管式の小型貫流ボイラであり、互いに同一の構成とされている。つまり、各ボイラ2の出力(最大燃焼量および相当蒸発量)は同一である。各ボイラ2は、液体燃料を燃焼させる油焚きボイラでもよいが、本実施例では気体燃料を燃焼させるガス焚きボイラとされる。
各ボイラ2は、上部管寄せ4と下部管寄せ5との間を多数の水管6,6,…で接続した缶体7を備える。この缶体7は、縦向き円筒状の丸型缶体でもよいが、本実施例では、直方体状の角型缶体とされる。低負荷運転では、ボイラ2が停止と再起動とを繰り返す場合があるが、ボイラ2の再起動時のプレパージの送風量は炉内容積に比例するので、そのプレパージによる放熱損失を低減するためには、炉内容積を比較的小さくできるノンファーネス(登録商標)缶体としての角型缶体が好ましい。
缶体7にはバーナ8が設けられ、バーナ8には燃料と燃焼用空気とが供給され、バーナ8において燃料の燃焼が図られる。本実施例のバーナ8は、缶体7の側面に設けられ、完全予混合式である。この場合、バーナ8には、送風機(図示省略)からの燃焼用空気路9が接続されており、この燃焼用空気路9の中途には、ガス燃料を噴出させるノズル(図示省略)が設けられている。従って、送風機からの燃焼用空気に、ノズルからのガス燃料が混合されて、バーナ8へ送られ、バーナ8において燃焼を図られる。
バーナ8は、燃焼量を調整可能とされており、燃焼量に応じた量の燃焼用空気とガス燃料とが供給される。燃焼用空気の流量は、送風機をインバータ制御して回転数を変えるか、これに代えてまたはこれに加えて、燃焼用空気路9の中途にダンパを設けてその開度を制御することで、調整される。一方、ガス燃料の流量は、前記ノズルへのガス供給路に設けたガスバルブの開度を制御することで、調整される。
缶体7には、バーナ8と反対側の端部に、排ガス路10が接続されている。排ガス路10は、煙道11および排気筒12を備え、中途にはエコノマイザ13が設けられている。バーナ8において燃料を燃焼させると、その燃焼ガスは缶体7内において水管6内の水と熱交換し、排ガスとして缶体7から排出される。そして、缶体7からの排ガスは、エコノマイザ13を介して、排気筒12から大気中へ放出される。缶体7内では、各水管6内の水が、バーナ8からの燃焼ガスにより加熱され、蒸気化される。この蒸気は、上部管寄せ4から気水分離器(図示省略)などを介して、蒸気ヘッダ14へ供給され、そこから各種の蒸気使用設備(図示省略)へ送られる。
エコノマイザ13は、ボイラ2からの排ガスが通され、その排ガス熱でボイラ2への給水を予熱する。エコノマイザ13への給水路15に設けた給水ポンプ16を制御することで、ボイラ2の下部管寄せ5への給水の有無が切り替えられる。また、エコノマイザ13への給水路15には、エコノマイザ13入口における給水温度を検出する温度センサ17が設けられている。
エコノマイザ13は、縦向き、横向き、または斜めのいずれで設置されてもよい。エコノマイザ13を縦向きに設置する場合、排ガスは、上方から下方へ通されてもよいし、下方から上方へ通されてもよい。図示例では、エコノマイザ13は縦向きに設置されると共に、排ガスが上方から下方へ通される。この場合、排ガス流と給水とが対向流になるように、給水はエコノマイザ13の下方から上方へ流すのがよい。
排ガスをエコノマイザ13の下方から上方へ通す場合、低負荷運転かつ給水温度が低い場合、排ガス温度が低くなるエコノマイザ13上部において排ガス中の水分が一部結露し、この結露水が重力に従い下方へ適下し、その滴下した結露水が高温の排ガスにより再蒸発したり、エコノマイザ13の伝熱部に滞留したりして、伝熱を阻害するおそれがあるが、排ガスをエコノマイザ13の上方から下方へ通す場合には、そのような不都合を防止することができる。すなわち、排ガスをエコノマイザ13の上方から下方へ通す場合、低負荷運転かつ給水温度が低い場合、排ガス温度が低くなるエコノマイザ13下部において排ガス中の水分が一部結露しても、その結露水は重力に従い下方へすぐに滴下して排出することができるため、伝熱を阻害するおそれはない。
各ボイラ2からの蒸気は、蒸気ヘッダ14へ供給され、その蒸気ヘッダ14の蒸気が、一または複数の各種の蒸気使用設備へ送られる。蒸気ヘッダ14には、圧力センサ18が設けられている。この圧力センサ18により蒸気ヘッダ14内の蒸気圧を監視することで、蒸気の使用負荷を把握することができる。すなわち、蒸気ヘッダ14内の蒸気圧が下がれば、蒸気使用設備における蒸気使用量が各ボイラ2からの蒸気供給量よりも多く、逆に、蒸気ヘッダ14内の蒸気圧が上がれば、蒸気使用設備における蒸気使用量が各ボイラ2からの蒸気供給量より少ないことになる。そこで、制御器3は、蒸気ヘッダ14内の圧力を設定圧力に維持するように、ボイラ2の運転台数と各燃焼量を制御する。
各ボイラ2の他、各温度センサ17および圧力センサ18は、制御器3に電気的に接続されている。制御器3は、温度センサ17による検出温度と、圧力センサ18による検出圧力とに基づき、ボイラ2の運転台数と各燃焼量とを制御する。
本実施例では、各ボイラ2は、燃焼量を比例制御される。この比例制御の比例帯として、本実施例では、燃焼量の小さい順に、低燃焼用比例帯、中燃焼用比例帯および高燃焼用比例帯が設定されている。各ボイラ2は、この内のいずれかの比例帯が選択されて、その比例帯で燃焼量が制御される。つまり、選択された比例帯で設定される燃焼量の範囲で、燃焼量つまり火力を調整して、蒸気ヘッダ14内の蒸気圧を所望に維持するよう制御される。
各比例帯を最大燃焼量の何パーセントの範囲で設定するかは適宜に設計されるが、好適には、低燃焼用比例帯は、最大燃焼量の5〜35%より内側の範囲で設定され、中燃焼用比例帯は、最大燃焼量の40〜70%より内側の範囲で設定され、高燃焼用比例帯は、中燃焼用比例帯上限値〜100%より内側の範囲で設定される。たとえば、低燃焼用比例帯を最大燃焼量の5〜35%、中燃焼用比例帯を最大燃焼量の40〜70%、高燃焼用比例帯を最大燃焼量の80〜100%と設定することができる。但し、高燃焼時は、100%燃焼を継続するようにしてもよい。
低燃焼用比例帯、中燃焼用比例帯および高燃焼用比例帯の内、いずれの比例帯で制御するかは、基本的には、温度センサ17により検出される給水温度に基づき決定される。具体的には、温度センサ17の検出温度が設定温度以下の場合には、低燃焼用比例帯で燃焼量を制御し、温度センサ17の検出温度が設定温度を超える場合には、中燃焼用比例帯で燃焼量を制御する。その理由は次のとおりである。
まず、前提として、放熱損失の影響について説明する。
図3は、放熱損失が異なる場合におけるボイラ負荷率とボイラ効率との関係図である。なお、相当蒸発量は3000kg/h、運転圧力は0.49MPa、給水温度は15℃、給気温度は35℃、燃料は天然ガス13A、負荷率100%時の定格効率98%のボイラである。
この図から分かるように、全体的な傾向として、ボイラ負荷率を下げるほど、ボイラ効率は高くなる。但し、放熱損失が0.2%を超える(特に0.3%以上)の場合、ボイラ負荷率20%(ターンダウン比1:5)が最高効率運転ポイントとなり、負荷率をこれより下げると(ターンダウン比をこれ以上拡大すると)効率が下がることが分かる。
なお、放熱損失には、たとえば、排ガス熱、ボイラ本体や排ガス路10からの放熱、燃料の未燃焼分または不完全燃焼による損失、各部からのドレン、蒸気や温水の漏れなどによる損失が含まれる。また、放熱損失は、一般に負荷率100%時の熱入力に対する割合として示され、ボイラ負荷率を下げると反比例して増大する。たとえば、負荷率100%時の放熱損失が0.5%の場合、負荷率10%では10倍の5.0%となる。本実施例では、ボイラ2の放熱損失は、好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.6%以下とする。
また、本実施例では、ボイラ効率は、好ましくは96%以上であり、さらに好ましくは97%であり、たとえば98%である。なお、ボイラ効率とは、全供給熱量に対する出蒸気の総吸収熱量の割合を意味し、100%負荷時における瞬間効率(設計効率)である。ボイラ効率が96%以上であると、図3や図4に示すように、ボイラ負荷率が低いほどボイラ効率が漸増する傾向が発現しやすくなる。
次に、給水温度の影響について説明する。
図4は、給水温度が異なる場合におけるボイラ負荷率とボイラ効率との関係図である。なお、相当蒸発量は3000kg/h、運転圧力は0.49MPa、給気温度は35℃、燃料は天然ガス13A、放熱損失は0.2%(負荷率100%時)のボイラである。
この図から明らかなとおり、給水温度が変化すると、ボイラ効率も変化する。ボイラ2への給水温度が変化すると、エコノマイザ13の伝熱管における対数平均温度差が変化するためである。
給水温度が低い(35℃以下)場合、エコノマイザ13において排ガス温度を大きく低下させることができ、エコノマイザ13の伝熱管表面での結露が発生しやすく、潜熱回収ができる。その際、ボイラ負荷率が低いほど、つまり燃焼量が小さいほど、エコノマイザ13を通過後の排ガス温度を下げて、排ガスによる熱損失を抑制できる。これにより、ボイラ負荷率が低いほど、ボイラ効率を高めることができる。従って、給水温度が設定温度以下の場合には、低燃焼用比例帯で燃焼量を制御するのが好ましい。図3のピーク点をも考慮して、低燃焼用比例帯には20%を含む範囲を設定するのがよい。つまり、低燃焼用比例帯は、最大燃焼量の20%近辺、たとえば5〜35%より内側の範囲で設定するのがよい。
このように、エコノマイザ13において、給水温度が低く、低負荷運転でも排ガス温度が給水温度付近まで下がらず潜熱回収できる場合、負荷率が低いほど、潜熱回収が放熱損失を上回るので、ボイラ効率が高まる。よって、温度センサ17による検出温度が設定温度以下の場合には、低燃焼用比例帯で燃焼量を制御することで、ボイラシステム1の効率を向上することができる。
一方、給水温度が高い(55℃以上)場合、エコノマイザ13の伝熱管表面での結露が発生しなくなる。すると、ボイラ負荷率が低いほど、放熱損失の影響が大きくなる一方、ボイラ負荷率が高いほど、排ガスの潜熱損失が大きくなる。これにより、ボイラ負荷率が中程度において、ボイラ効率が最大となる。図示例の場合、負荷率45%が最高効率運転ポイントである。従って、給水温度が設定温度を超える場合には、中燃焼用比例帯で燃焼量を制御するのが好ましい。図4のピーク点を考慮して、中燃焼用比例帯には45%を含む範囲を設定するのがよい。つまり、中燃焼用比例帯は、最大燃焼量の45%近辺、たとえば40〜70%より内側の範囲で設定するのがよい。
このように、エコノマイザ13において、給水温度が高いと、低負荷運転を行なった場合、排ガス温度が給水温度付近まで低下し潜熱回収はできないが放熱損失は大きくなる一方、負荷率が高すぎても排ガスの潜熱損失が大きくなるため、中程度の負荷率でのボイラ効率が最も高くなる。よって、温度センサ17による検出温度が設定温度を超える場合には、中燃焼用比例帯で燃焼量を制御することで、ボイラシステム1の効率を向上することができる。
前記設定温度(比例帯を切り替えるための閾値)は、排ガスの露点(排ガス中の水分の結露温度)を考慮して定められる。この露点を左右するものとして、燃料組成、気温、湿度および空気比があるので、これを考慮して設定または変更される。通常、40℃以上(40〜100℃)に設定され、典型的には40〜50℃に設定され、たとえば45℃に設定される。
制御器3は、上述のようにして設定された比例帯で燃焼させるボイラ2を1台ずつ増加させるように、複数のボイラ2それぞれの燃焼量を制御する。すなわち、制御器3は、まず、上述した手法で温度センサ17の検出温度に基づき比例帯を選択して、たとえば低燃焼用比例帯で1台目のボイラ2を運転し、この1台目のボイラ2だけでは圧力センサ18の検出圧力を所望に維持できず蒸気が不足する場合には、2台目のボイラ2を運転するというように、蒸気負荷に対応できるまで、ボイラ2の運転台数を増加させる。2台目以降のボイラ2についても、温度センサ17の検出温度に基づき同様に比例帯が選択される。もし、すべてのボイラ2を低燃焼用比例帯で運転しても、蒸気負荷に対応できず蒸気が不足する場合には、蒸気負荷に対応できるまで(つまり圧力センサ18の検出圧力が所望に維持されるまで)、1台ずつ中燃焼用比例帯に切り替え、さらにすべてのボイラ2を中燃焼用比例帯で運転しても蒸気が不足する場合には、1台ずつ高燃焼用比例帯に切り替えればよい。
温度センサ17の検出温度が設定温度を超えることで、初期状態から中燃焼用比例帯が選択される場合も同様に、中燃焼用比例帯で運転されるボイラ2を優先して蒸気負荷に対応し、それでは蒸気が不足する場合に、1台ずつ高燃焼用比例帯に切り替えればよい。
逆に、蒸気負荷が小さくなる場合には、1台ずつ比例帯を下げたり、さらに運転を停止したりしていけばよい。なお、ここではボイラ2の運転台数や比例帯の切替えを1台ずつ行ったが、複数台を同時に増減させてもよい。
このようにして、本実施例のボイラシステム1によれば、複数のボイラ2を備え、制御器3は、圧力センサ18による検出される蒸気圧力により蒸気の使用負荷を把握し、その蒸気の使用負荷に応じてボイラ2の運転台数と各燃焼量を制御する。その際、温度センサ17により検出される給水温度に基づき設定された燃焼量(比例帯)で燃焼させるボイラ2の数を最大数または設定数にするように制御することで、ボイラシステム1の効率を向上することができる。つまり、温度センサ17により検出される給水温度に基づき設定される燃焼量(比例帯)で燃焼させるのを優先しつつ、蒸気の使用負荷に対応する。
たとえば、4台のボイラ2を備えるボイラシステム1において、各ボイラ2の蒸気生成能力が2t/h、蒸気使用設備の必要蒸気量が2t/hであるとする。そして、説明の便宜上、低燃焼用比例帯で運転することで、各ボイラ2の蒸気生成能力が500kg/h、中燃焼用比例帯で運転することで、各ボイラ2の蒸気生成能力が1t/hであるとする。
給水温度が設定温度以下(たとえば15℃)である場合、各ボイラ2を低燃焼用比例帯で運転すれば、蒸気生成能力が500kg/hのボイラ2が4台あるので、ボイラシステム1全体としての蒸気生成能力は、必要蒸気量と同じ2t/hとなる。そして、このような運転が、ボイラシステム1の効率を最もよくすることになる。
一方、給水温度が設定温度を超える(たとえば45℃)場合、4台のボイラ2の内、2台のボイラ2のみ中燃焼用比例帯で運転すればよい。蒸気生成能力が1t/hのボイラ2が2台あるので、ボイラシステム1全体としての蒸気生成能力は、必要蒸気量と同じ2t/hとなる。そして、このような運転が、ボイラシステム1の効率を最もよくすることになる。
本発明のボイラシステム1は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特にボイラ2の種類や構成は、前記実施例の構成に限らない。また、ボイラ2の設置台数は問わず、たとえば1台だけを備えていても、その1台を効率よく運転することができる。また、相当蒸発量が互いに異なるボイラ2が設置されていてもよい。
また、各ボイラ2は、比例動作を含んでいればよく、たとえばPID制御されてもよい。さらに、複数台のボイラ2の内、一部ボイラ2は、燃焼量を比例制御されるのではなく、段階制御(典型的には停止、低燃焼、中燃焼および高燃焼の四位置制御)されてもよい。その場合も、温度センサ17の検出温度が設定温度以下の場合には低燃焼状態とし、設定温度を超える場合には中燃焼状態とするのを優先するよう制御すればよい。
また、比例帯として、低燃焼用比例帯、中燃焼用比例帯および高燃焼用比例帯を設定したが、比例帯の数は適宜に変更可能である。いずれの場合も、温度センサ17の検出温度が設定温度以下の場合には、燃焼量の最も小さい比例帯で燃焼量を制御するのがよい。
また、前記実施例では、温度センサ17によりエコノマイザ13の入口側の水温を検出して、これを設定温度(以下、第一設定温度という)と比較して、比例帯を切り替える例について説明したが、エコノマイザ13の出口側の水温を検出して、これを第二設定温度と比較して、比例帯を切り替えるようにしてもよい。その場合、第二設定温度は、第一設定温度よりも、エコノマイザ13での加熱分だけ高い温度を設定すればよい。さらに、温度センサ17は、エコノマイザ13における水温ではなく、排ガスの温度(典型的にはエコノマイザ13を通過した直後の排ガス温度)を検出して、これを第三設定温度(たとえば55〜60℃の範囲内で設定される温度)と比較して、比例帯を切り替えるようにしてもよい。いずれにしても、各設定温度は、排ガスの露点、つまり排ガス中の水分が結露する温度を基準に設定や変更される。その露点を左右するのが、燃料組成、気温、湿度、空気比であるから、これらに基づき温度閾値が設定や変更される。
また、ボイラ2は、高燃焼状態で最初の起動がなされるように制御してもよい。この場合、冷態起動時を高燃焼で行うので、蒸気圧を早期に所望まで高めることができる。
さらに、低負荷運転の場合、ボイラ2を停止させると、再起動時のプレパージの送風により放熱損失が増すので、ボイラ2の停止時に、パイロットバーナを連続的に燃焼させておくことで、再起動時のプレパージをなくしてもよい。この場合、ボイラ2は、メインバーナと、これへの点火用のパイロットバーナとを備え、プレパージは最初の起動時1回のみで、パイロットバーナによる種火を残した状態としておくことで、プレパージを行わない構成とできる。このようなパイロット燃焼は、低燃焼よりも更に小さな燃焼であって、蒸気圧力を上昇させることはない程度の燃焼である。なお、油焚きボイラの場合、停止からの再起動時のプレパージを防止するために、未燃ガスを缶体内に滞留させないために送風機の回転数を減少させて、微風量で送風状態を維持する微風パージを行ってもよい。
1 ボイラシステム
2 ボイラ
3 制御器
13 エコノマイザ
14 蒸気ヘッダ
17 温度センサ
18 圧力センサ

Claims (6)

  1. 燃焼量が比例制御されるボイラと、
    このボイラからの排ガスが通され、排ガス熱で前記ボイラへの給水を予熱するエコノマイザと、
    このエコノマイザに通されるか通された給水の温度を検出する温度センサとを備え、
    前記比例制御の比例帯として、燃焼量の異なる複数の範囲が設定され、
    前記温度センサの検出温度が設定温度以下の場合には、燃焼量の最も小さい比例帯で燃焼量を制御する
    ことを特徴とするボイラシステム。
  2. 前記ボイラを複数備え、
    蒸気の使用負荷に応じて前記ボイラの運転台数と各燃焼量を制御するに際し、前記温度センサの検出温度に基づき選択される比例帯で運転する前記ボイラの数を最大にする
    ことを特徴とする請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記比例制御の比例帯として、燃焼量が小さい順に、低燃焼用比例帯、中燃焼用比例帯および高燃焼用比例帯が設定され、
    前記温度センサの検出温度が前記設定温度以下の場合には、低燃焼用比例帯で燃焼量を制御し、
    前記温度センサの検出温度が前記設定温度を超える場合には、中燃焼用比例帯で燃焼量を制御する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラシステム。
  4. 前記低燃焼用比例帯は、最大燃焼量の5〜35%より内側の範囲で設定され、
    前記中燃焼用比例帯は、最大燃焼量の40〜70%より内側の範囲で設定される
    ことを特徴とする請求項3に記載のボイラシステム。
  5. 前記温度センサは、前記エコノマイザへの給水温度を検出する位置に設けられ、
    前記設定温度は、40〜50℃の範囲で設定される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のボイラシステム。
  6. 前記エコノマイザには、前記ボイラからの排ガスが上方から下方へ通される
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のボイラシステム。
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