JP2012159256A - 空気調和機用熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下に隣り合う冷媒パスが個別に除霜される場合であっても、着霜を抑制することができる空気調和機用熱交換器を提供する。
【解決手段】上側冷媒パスP2を構成する複数の伝熱管1,2のうち、上側冷媒パスP2と下側冷媒パスP1との境界領域Bに隣接する位置にあり、かつ空気の流れに沿った方向の下流側に位置する下流側伝熱管21は、これよりも上流側に位置し、かつ境界領域Bに隣接する位置にある上流側伝熱管11よりも低い位置に設けられている。フィン35は、フィン35の表面に付着した水滴を下流側に案内するガイド部31,33を有している。ガイド部31,33は、少なくとも境界領域Bに設けられており、上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延びている。
【選択図】図2
【解決手段】上側冷媒パスP2を構成する複数の伝熱管1,2のうち、上側冷媒パスP2と下側冷媒パスP1との境界領域Bに隣接する位置にあり、かつ空気の流れに沿った方向の下流側に位置する下流側伝熱管21は、これよりも上流側に位置し、かつ境界領域Bに隣接する位置にある上流側伝熱管11よりも低い位置に設けられている。フィン35は、フィン35の表面に付着した水滴を下流側に案内するガイド部31,33を有している。ガイド部31,33は、少なくとも境界領域Bに設けられており、上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延びている。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気調和機に用いられる熱交換器に関するものである。
空気調和機の暖房運転時において外気の温度が低い場合、室外の熱交換器に着霜が生じることがあり、この霜を除去するために除霜が行われる。除霜の方式としては、例えば暖房運転を所定時間継続した後、四路切換弁を切り換えて冷媒回路を冷房サイクルにすることにより除霜する方式が知られている(逆サイクルデフロスト)。しかし、この方式では、除霜のための大きな熱量が得られる反面、除霜運転中には暖房運転を停止する必要があるので、その間の快適性が低下することがある。この点を改善するために、除霜運転を行いつつ暖房運転も継続可能な空気調和機が提案されている。
例えば特許文献1には、2つの冷媒パスを有する室外熱交換器を備え、各冷媒パスと絞り装置との間に電磁弁がそれぞれ配設された空気調和機が開示されている。この空気調和機では、一方の冷媒パスに冷媒を流して暖房運転を連続して行いつつ、他方の冷媒パスを電磁弁で閉じて室外ファンの空気の流れによって前記他方の冷媒パスの除霜を行う(風の熱量によるデフロスト)。
また、特許文献2には、圧縮機の吐出配管から室外熱交換器の入口側配管につながるバイパスを通じて吐出ガスを室外熱交換器に送り、この熱量により霜をとかす方式(正サイクルデフロスト)を採用した空気調和機が提案されている。この空気調和機は、2つの室外熱交換器(第1室外熱交換器及び第2室外熱交換器)と、2つの膨張弁(第1膨張弁及び第2膨張弁)とを備えている。第1室外熱交換器の除霜を行うときには、第1膨張弁を閉じて第1室外熱交換器に前記吐出ガスの一部を供給する一方で、第2膨張弁の絞り操作を行うことにより、除霜運転と暖房運転を同時に行う。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されている除霜運転を行うだけでは、次のような理由からフィンにおいて局所的な着霜が生じることがある。
例えば上下に隣り合う2つの冷媒パスを含む熱交換器において、上側冷媒パスで除霜が行われているときには、これに隣り合う下側冷媒パスを用いて暖房運転が行われている。したがって、除霜中の上側冷媒パスと下側冷媒パスとの境界領域及びその近傍は、暖房運転中の下側冷媒パスによって冷却されるので、他の領域に比べて霜が溶けにくい環境にある。そして、上側冷媒パスの除霜運転が終了し、この上側冷媒パスの暖房運転が再開され、下側冷媒パスの除霜が開始された場合も同様であり、前記境界領域及びその近傍では他の領域に比べて霜が溶けにくい。
したがって、上側冷媒パスの除霜によって生じた水滴が前記境界領域に流下してそこに滞留したり、さらに流下して下側冷媒パスの領域に流れ込んだりすると、前記境界領域及びその近傍において着霜が生じやすい。しかも、上記のように冷媒パス毎に順に除霜運転が行われることにより着霜現象が繰り返されると、前記境界領域に霜が堆積することになる。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上下に隣り合う冷媒パスが個別に除霜される場合であっても、着霜を抑制することができる空気調和機用熱交換器を提供することにある。
(1) 本発明の空気調和機用熱交換器は、鉛直方向に配置される板状のフィン(35)と、前記フィン(35)を貫通し、内部を冷媒が流通する複数の伝熱管(1,2)とを備え、前記フィン(35)に沿って流れる空気と前記冷媒との間で熱交換する熱交換器である。前記複数の伝熱管(1,2)は、鉛直方向に配列されるとともに前記空気の流れに沿った方向に配列されている。この空気調和機用熱交換器は、上下に隣り合う上側冷媒パス(P2)と下側冷媒パス(P1)とを含む複数の冷媒の経路を有している。この空気調和機用熱交換器は、空気調和機に用いられて前記上側冷媒パス(P2)と前記下側冷媒パス(P1)が個別に除霜される。
前記上側冷媒パス(P2)を構成する複数の伝熱管(1,2)のうち、前記上側冷媒パス(P2)と前記下側冷媒パス(P1)との境界領域(B)に隣接する位置にあり、かつ前記空気の流れに沿った方向の下流側に位置する下流側伝熱管(21)は、これよりも上流側に位置し、かつ前記境界領域(B)に隣接する位置にある上流側伝熱管(11)よりも低い位置に設けられている。
前記フィン(35)は、前記フィン(35)の表面に付着した水滴を前記下流側に案内するガイド部(31,33)を有しており、前記ガイド部(31,33)は、少なくとも前記境界領域(B)に設けられており、前記上流側から前記下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延びている。
冷媒パス毎に順に除霜が行われ、この除霜中に他の冷媒パスを用いて暖房運転が継続される場合には、上述したようにフィン(35)における境界領域(B)において着霜が特に生じやすい傾向にある。また、除霜中の上側冷媒パス(P2)において霜が溶けて生じる水滴は、重力によってフィン(35)の表面を流下しつつ、空気の流れに押されてフィン(35)の表面を下流側に移動する傾向にある。すなわち、前記水滴は、フィン(35)の表面を下流側に向かって斜め下方に移動する傾向にある。
これらの傾向、すなわち境界領域(B)における着霜傾向及び水滴の挙動の傾向に着目がなされることにより、本構成では、上側冷媒パス(P2)の複数の伝熱管のうち、境界領域(B)に隣接する下流側伝熱管(21)は、境界領域(B)に隣接する上流側伝熱管(11)よりも低い位置に設けられている。すなわち、下流側伝熱管(21)は、上流側伝熱管(11)に対して下流側に向かって斜め下方に位置している。しかも、本構成では、フィン(35)には、少なくとも境界領域(B)に、上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延びるガイド部(31,33)が設けられている。
したがって、例えば除霜中の上側冷媒パス(P2)の上流側伝熱管(11)において生じた水滴が下流側に向かって斜め下方に移動した場合であっても、上流側伝熱管(11)の斜め下方には、下流側伝熱管(21)が設けられているので、水滴が下側冷媒パス(P1)の領域に流れ込むのを抑制することができる。これにより、境界領域(B)近傍の下側冷媒パス(P1)の領域において着霜が生じるのを抑制できる。
しかも、上側冷媒パス(P2)の除霜により生じた水滴が境界領域(B)に流下した場合であっても、前記水滴は、前記傾斜方向に延びるガイド部(31,33)に沿って下流側に案内される。このようにガイド部(31,33)によって下流側に案内された水滴は、空気の流れにさらに押されてフィン(35)の下流側の端辺から排水されやすくなる。しかも、ガイド部(31,33)において複数の水滴が集合して下流側に案内される場合には、ガイド部(31,33)において水滴が大きくなるので、各水滴は落下しやすくなる。したがって、除霜により生じた水滴の排水性が向上する。
以上のように、境界領域(B)を基準として上側冷媒パス(P2)における下流側伝熱管(21)と上流側伝熱管(11)を本構成のように配置し、かつ境界領域(B)を基準としてガイド部(31,33)を本構成のように配置することにより、上側冷媒パスと下側冷媒パスが個別に除霜される場合であっても、境界領域(B)及びその近傍における着霜を効果的に抑制することができる。
(2) また、前記空気調和機用熱交換器において、前記ガイド部(31,33)は、前記フィンにおける前記空気の流れの上流側の端辺まで延びているのが好ましい。
この構成では例えばフィン(35)の上流側の端辺に沿って流下する水滴は、そのまま下方に移動するのではなく、ガイド部(31,33)によって捕捉され、このガイド部(31,33)に沿って確実に下流側に案内される。
(3) また、前記空気調和機用熱交換器において、前記ガイド部(31,33)は、前記フィンにおける前記空気の流れの下流側の端辺まで延びているのが好ましい。
この構成では、水滴は、ガイド部(31,33)に沿ってフィン(35)の下流側の端辺まで確実に案内される。これにより、水滴をフィンからより効果的に剥離させ、水滴の排水性をより高めることができる。
(4) 前記空気調和機用熱交換器において、前記ガイド部は、前記傾斜方向に延びるスリット(31)であり、前記スリット(31)は、前記境界領域(B)及びその近傍に偏在しているのが好ましい。
この構成では、前記ガイド部としての前記スリット(31)は、前記境界領域(B)及びその近傍に重点的に設けられている。前記境界領域(B)及びその近傍は、上記したように暖房運転中の下側冷媒パス(P1)の領域に水滴が流れ込むのを抑制するうえで重要な領域である。この重要な領域に設けられたガイド部によって水滴が下側冷媒パス(P1)の領域に流れ込むのが抑制される。その一方で、この重要な領域(前記境界領域(B)及びその近傍)以外の領域においては、前記スリット(31)は、相対的に少ないか又は設けられていない。したがって、フィン(35)の全面にわたってスリット(31)をほぼ均一に設ける場合と比較して、スリット(31)を設けることに起因するフィン(35)の熱交換面積の減少を抑制できる。
(5) 前記空気調和機用熱交換器において、前記ガイド部は、前記傾斜方向に延びるスリット(31)であり、前記スリット(31)は、前記下流側に向かうにつれて開口幅が大きくなる拡幅部(32)を有していてもよい。
スリット(31)に案内されて下流側に流れる水滴は、スリット(31)の幅方向両側に位置する表面に跨るようにして付着している。前記拡幅部(32)は下流側に向かうほど開口幅が大きくなるので、拡幅部(32)に到達した水滴は、下流側に向かうほどスリット(31)の両側に跨った状態を維持しにくくなる。これにより、この水滴は、スリット(31)の幅方向の一方側の表面から離れて他方側の表面にのみ付着した状態となり、空気の流れによってフィン(35)から剥離しやすくなる。
(6) 前記空気調和機用熱交換器において、前記ガイド部は、前記傾斜方向に延びる凸部(33)であってもよく、この場合において、前記凸部(33)は、前記フィン(35)の前記上流側の縁部から前記フィン(35)の前記下流側の縁部までほぼ連続して形成されていてもよい。
ガイド部がスリット(31)の場合には、前記上流側の縁部から前記下流側の縁部まで連続して形成することは困難であるが、ガイド部が凸部(33)である場合には、前記上流側の縁部から前記下流側の縁部まで連続して形成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、除霜運転時の排水性に優れた空気調和機用熱交換器を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
<空気調和機の全体構成>
図1に示す本実施形態の空気調和機用熱交換器51は、図略の空気調和機に用いられる。この空気調和機は、利用ユニットと熱源ユニットとを備えている。前記利用ユニットは、利用側熱交換器、利用側膨張弁、利用側ファンなどを有している。前記熱源ユニットは、圧縮機、四路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側膨張弁、アキュムレータ、熱源側ファンなどを有している。これらの利用ユニット及び熱源ユニットの各機器は、液冷媒配管及びガス冷媒配管で接続され、冷媒回路を構成している。本実施形態の空気調和機用熱交換器51は、前記熱源ユニットに用いられる前記熱源側熱交換器である。
図1に示す本実施形態の空気調和機用熱交換器51は、図略の空気調和機に用いられる。この空気調和機は、利用ユニットと熱源ユニットとを備えている。前記利用ユニットは、利用側熱交換器、利用側膨張弁、利用側ファンなどを有している。前記熱源ユニットは、圧縮機、四路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側膨張弁、アキュムレータ、熱源側ファンなどを有している。これらの利用ユニット及び熱源ユニットの各機器は、液冷媒配管及びガス冷媒配管で接続され、冷媒回路を構成している。本実施形態の空気調和機用熱交換器51は、前記熱源ユニットに用いられる前記熱源側熱交換器である。
前記空気調和機は、前記四路切換弁を切り換えることにより、冷房運転及び暖房運転を行うことができる。また、前記空気調和機は、外気温度が低い環境下において暖房運転を行うことによって熱源側熱交換器51に生じた霜を、除霜運転により除去することができる。後述するように、本実施形態の熱源側熱交換器51は、複数の冷媒パスを有している。そして、前記空気調和機は、熱源側熱交換器51の冷媒パス毎に除霜運転が可能であり、除霜運転中の冷媒パス以外の冷媒パスを用いて暖房運転を継続することができる。
冷媒パス毎に除霜運転を行いつつ他の冷媒パスを用いて暖房運転を継続するための空気調和機の全体構成は、特に限定されない。この全体構成としては、例えば特許文献1に開示されているような風の熱量によるデフロスト方式、特許文献2に開示されているような正サイクルデフロスト方式などの種々の方式を採用できる。
<熱源側熱交換器>
図1に示すように、本実施形態の熱源側熱交換器51は、金属製の薄板状の複数のフィン35と、各フィン35に形成された図略の貫通孔に挿通されて各フィン35に接した状態で取り付けられた金属製の複数の伝熱管1,2とを含む。複数のフィン35は、隣同士が所定の間隔をあけられた状態で厚み方向に配列されている。各フィン35は、鉛直方向に平行な方向に延びる姿勢で配置されている。
図1に示すように、本実施形態の熱源側熱交換器51は、金属製の薄板状の複数のフィン35と、各フィン35に形成された図略の貫通孔に挿通されて各フィン35に接した状態で取り付けられた金属製の複数の伝熱管1,2とを含む。複数のフィン35は、隣同士が所定の間隔をあけられた状態で厚み方向に配列されている。各フィン35は、鉛直方向に平行な方向に延びる姿勢で配置されている。
各伝熱管は、その長手方向が水平方向に延びる姿勢で配置されている。各伝熱管の端部は、近傍の他の伝熱管の端部とU字管部3(3a,3b)により連結されている。複数の伝熱管1,2の内部には冷媒が流れる。この熱源側熱交換器51では、フィン35同士の隙間をフィン35の表面に沿って流れる空気と、各伝熱管内を流れる冷媒とを熱交換させる。
なお、本実施形態において、鉛直方向とは、重力の方向に厳密に平行な方向のみを意味しているのではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で重力の方向に対して多少傾斜している場合も含む。また、水平方向とは、重力の方向に厳密に直交する方向のみを意味しているのではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で重力の方向に直交する方向対して多少傾斜している場合も含む。
前記熱源ユニットにおいて、図略の熱源側ファンは、熱源側熱交換器51に対して、空気の流れAの上流側又は下流側に配設されている。この熱源側ファンの運転により、前記熱源ユニットにおいて空気の流れA(図2参照)が生じて、この空気が熱源側熱交換器51のフィン35間を通過する。フィン35間を通過する空気の流れAは水平方向を向いている。ただし、ここでいう水平方向の空気の流れは、前記熱源側ファンを熱源側熱交換器51に対して上述のように配置して運転したときに生じる流れであるので、重力の方向に厳密に直交する方向のみを意味しているのではない。本実施形態において、水平方向の空気の流れとは、例えば図2において、熱源側熱交換器51よりも右側の領域から左側の領域に向かって熱源側熱交換器51のフィン35間を横方向に通過する空気の流れ全般を含む概念である。
図2に示すように、複数の伝熱管1,2は、鉛直方向に配列されているとともに空気の流れAに沿った方向に配列されている。具体的には、熱源側熱交換器51は、複数の伝熱管1が鉛直方向にほぼ等間隔に並ぶ列D1と、複数の伝熱管2が鉛直方向にほぼ等間隔に並ぶ列D2とを有し、列D1が空気の流れAに沿った方向の上流側に位置し、列D2が列D1よりも下流側に位置している。
複数の伝熱管1,2は、複数の冷媒の経路を構成している。複数の冷媒の経路は、冷媒パスP1と、この冷媒パスP1の上方に隣接する冷媒パスP2と、この冷媒パスP2の上方に隣接する冷媒パスP3とを含む。隣り合う冷媒パス同士の境目は、図2において二点鎖線Lで示している。
前記空気調和機では、冷媒パスP1の除霜運転中は、冷媒パスP2及び冷媒パスP3を用いて暖房運転を継続し、冷媒パスP2の除霜運転中は、冷媒パスP1及び冷媒パスP3を用いて暖房運転を継続し、冷媒パスP3の除霜運転中は、冷媒パスP1及び冷媒パスP2を用いて暖房運転を継続する。
例えば冷媒パスP2は、列D1における8つの伝熱管11〜18と、列D2における8つの伝熱管21〜28と、これらを伝熱管の端部において連結する複数のU字管部3(3a,3b)とを含む。図1に示すように、複数のU字管部3aは、熱源側熱交換器51の幅方向の一方側(図1では右側)の端部に配設されており、複数のU字管部3bは、熱源側熱交換器51の幅方向の他方側(図1では左側)の端部に配設されている。
図1のII−II線断面図である図2では、各U字管部3aを実線で描いており、各U字管部3bを破線で描いているが、実際には各U字管部3は、熱源側熱交換器51の前記一方側の端部又は他方側の端部において伝熱管同士を連結している。したがって、図2では、各U字管部3によって前記一方側の端部又は他方側の端部において連結される伝熱管の組合せを示している。
また、図2に示すように、冷媒パスP2では、列D1の伝熱管12に冷媒流入管4が接続され、列D1の伝熱管18及び列D2の伝熱管28に冷媒流出管5がそれぞれ接続される。本実施形態では、冷媒流入管4及び2つの冷媒流出管5は、熱源側熱交換器51の前記一方側の端部(図1では右側)に配設されている。
冷媒流入管4を通じて冷媒パスP2に流入した冷媒は、伝熱管12、伝熱管11、伝熱管21及び伝熱管22の順に各伝熱管内を流れる。伝熱管22は、2方向に分岐したU字管部3aによって伝熱管13と伝熱管23に連結されている。したがって、伝熱管22内を流れる冷媒は、2方向に分岐して伝熱管13と伝熱管23に流れる。伝熱管13に流れた冷媒は、伝熱管14、伝熱管15、伝熱管16、伝熱管27及び伝熱管28を経て冷媒流出管5に流出する。伝熱管23に流れた冷媒は、伝熱管24、伝熱管25、伝熱管26、伝熱管17及び伝熱管18を経て冷媒流出管5に流出する。
冷媒パスP2において、列D2の最下部に位置する伝熱管21は、列D1の最下部に位置する伝熱管11よりも低い位置に設けられている。列D2の下から2番目に位置する伝熱管22は、列D1の伝熱管11よりも高い位置で、かつ列D1の下から2番目に位置する伝熱管12よりも低い位置に設けられている。列D1及び列D2の他の伝熱管1,2についても同様の規則で配列されている。すなわち、列D2の伝熱管21〜28と列D1の伝熱管11〜18は、高さ方向に交互に配置されている。
冷媒パスP2とこの下方に位置する冷媒パスP1に着目すると、上側の冷媒パスP2を構成する複数の伝熱管1,2のうち、下側の冷媒パスP1に隣接する位置にあり、かつ空気の流れAに沿った方向の下流側に位置する下流側伝熱管21は、これよりも上流側に位置する上流側伝熱管11よりも低い位置に設けられている。
なお、他の冷媒パスの構成も冷媒パスP2と同様であるのでその説明を省略する。
各フィン35は、列D1の上下に隣り合う伝熱管1,1同士の間の領域に隆起部37を有し、列D2の上下に隣り合う伝熱管2,2同士の間の領域に隆起部37を有している。各隆起部37は、フィン35の他の領域よりも若干突出しており、空気がフィン35間を流れるときに乱流を生じさせる役割を果たす。これにより、熱交換の効率が向上する。
各フィン35は、フィン35の表面に付着した水滴を空気の流れAの下流側に案内する複数のスリット31を有している。各スリット31は、空気の流れAの上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延設されている。各スリット31は、フィン35を貫通する貫通孔である。
複数のスリット31は、フィン35において、空気の流れAの上流側の領域に設けられた複数の第1スリット31aと、空気の流れAの下流側の領域に設けられた複数の第3スリット31cと、これらの領域の間の領域に設けられた複数の第2スリット31bとを有している。各第1スリット31aは、フィン35の上流側の端辺まで達する孔であり、空気の流れAの上流側の方向に開口している。各第3スリット31cは、フィン35の下流側の端辺まで達する孔であり、空気の流れAの下流側の方向に開口している。
各第1スリット31aの下流側端部は、列D1の上下に隣り合う伝熱管1同士の間の領域に位置している。具体的には、各第1スリット31aの下流側端部は、列D1の各伝熱管1の半径方向の中心を結んだ直線上にほぼ位置している。
各第2スリット31bの上流側端部は、列D1の上下に隣り合う伝熱管1同士の間の領域に位置している。具体的には、各第2スリット31bの上流側端部は、列D1の各伝熱管1の半径方向の中心を結んだ直線上にほぼ位置している。各第2スリット31bの下流側端部は、列D2の上下に隣り合う伝熱管2同士の間の領域に位置している。具体的には、各第2スリット31bの下流側端部は、列D2の各伝熱管2の半径方向の中心を結んだ直線上にほぼ位置している。
各第3スリット31cの上流側端部は、列D2の上下に隣り合う伝熱管2同士の間の領域に位置している。具体的には、各第3スリット31cの上流側端部は、列D2の各伝熱管2の半径方向の中心を結んだ直線上にほぼ位置している。
第1スリット31a、第2スリット31b及び第3スリット31cは、階段状に並ぶスリット群を構成している。本実施形態の熱源側熱交換器51は、複数のスリット群を有している。例えば、1つのスリット群は、下流側端部が伝熱管13の真下にある第1スリット31aと、上流側端部が伝熱管12の真下にあり、下流側端部が伝熱管22の真下にある第2スリット31bと、上流側端部が伝熱管21の真下にある第3スリット31cとからなる。
図2に示すように、各スリット群は、第1スリット31a、第2スリット31b及び第3スリット31cの順に上流側から下流側に向かって階段状に下降している。また、第1スリット31aの下流側端部の鉛直方向下方に第2スリット31bの上流側端部が位置し、第2スリット31bの下流側端部の鉛直方向下方に第3スリット31cの上流側端部が位置している。したがって、例えば第1スリット31aに流下してきた水滴は、この第1スリット31aが含まれるスリット群に沿って下流側に案内される経路をたどることが可能になる。
また、フィン35における空気の流れAの上流側の端辺及びその近傍は、着霜しやすい領域である。前述したように、本実施形態では、空気の流れAの上流側の領域に設けられた各第1スリット31aは、フィン35の上流側の端辺まで達する孔であり、空気の流れAの上流側の方向に開口している。したがって、例えばフィン35の上流側の端辺に沿って流下する水滴は、そのまま下方に移動するのではなく、いずれかの第1スリット31aによって捕捉され、この第1スリット31aに沿って確実に下流側に案内される。
また、本実施形態では、空気の流れAの下流側の領域に設けられた各第3スリット31cは、フィン35の下流側の端辺まで達する孔であり、空気の流れAの下流側の方向に開口している。したがって、水滴は、第3スリット31cに沿ってフィン35の下流側の端辺まで確実に案内される。これにより、水滴をフィンからより効果的に剥離させ、水滴の排水性をより高めることができる。
上側の冷媒パスP2と下側の冷媒パスP1との間の境界領域B及びその近傍は、暖房運転中の下側の冷媒パスP1の領域に水滴が流れ込むのを抑制するうえで重要な領域である。したがって、少なくとも境界領域B及びその近傍にはスリット31が設けられている。なお、本実施形態では、各フィン35において、境界領域B及びその近傍だけでなく、上記のような規則性に基づいて複数のスリット群がフィン35の全面にわたってほぼ均一に配設されている。
以上説明したように、本実施形態では、上下に隣り合う上側冷媒パスP2と下側冷媒パスP1とを含む複数の冷媒の経路を有している。そして、例えば上側冷媒パスP2において除霜が行われると、霜が溶けて生じる水滴は、前記傾斜方向に延設されたスリット31に流下し、このスリット31に沿って下流側に案内される。このように複数の水滴がスリット31において集合して下流側に案内されるので、スリット31において水滴が大きくなる。これにより、各水滴は落下しやすくなるので、熱交換器において除霜運転時の排水性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上側冷媒パスP2において、下側冷媒パスP1に隣接する位置にある複数の伝熱管のうち、空気の流れAに沿った方向の下流側に位置する下流側伝熱管21は、これよりも上流側に位置する上流側伝熱管11よりも低い位置に設けられている。すなわち、下流側伝熱管21は、上流側伝熱管11に対して下流側に向かって斜め下方に位置している。したがって、上流側伝熱管11において生じた水滴が下流側に向かって斜め下方に移動した場合であっても、上流側伝熱管11の斜め下方には、下流側伝熱管21が設けられているので、水滴が下側冷媒パスP1の領域に流れ込むのを抑制することができる。本実施形態では、除霜運転を行いつつ暖房運転を継続する場合に、除霜運転時の排水性に優れているので、前述したような逆サイクルデフロストを実行するのを極力控えることができ、場合によってはノンストップの暖房運転も可能になる。
(変形例1)
図3は、熱源側熱交換器51の変形例1を示している。この変形例1では、複数のスリット31は、冷媒パスP2とその下方に位置する冷媒パスP1との間の境界領域B及びその近傍に偏在し、冷媒パスP3とその下方に位置する冷媒パスP2との間の境界領域B及びその近傍に偏在している。言い換えると、この変形例1では、図2の熱源側熱交換器51のように複数のスリット31がフィン35の全面にわたってほぼ均一に配設されているのではなく、複数のスリット31が境界領域B及びその近傍に重点的に設けられている。その一方で、それ以外の領域にはスリット31は設けられていない。例えば冷媒パスP2では、この冷媒パスP2の鉛直方向の中央領域Cにはスリット31は設けられていない。
図3は、熱源側熱交換器51の変形例1を示している。この変形例1では、複数のスリット31は、冷媒パスP2とその下方に位置する冷媒パスP1との間の境界領域B及びその近傍に偏在し、冷媒パスP3とその下方に位置する冷媒パスP2との間の境界領域B及びその近傍に偏在している。言い換えると、この変形例1では、図2の熱源側熱交換器51のように複数のスリット31がフィン35の全面にわたってほぼ均一に配設されているのではなく、複数のスリット31が境界領域B及びその近傍に重点的に設けられている。その一方で、それ以外の領域にはスリット31は設けられていない。例えば冷媒パスP2では、この冷媒パスP2の鉛直方向の中央領域Cにはスリット31は設けられていない。
図3において冷媒パスP2と冷媒パスP1に着目すると、これらの境界領域B及びその近傍には、階段状に並ぶスリット群が2つ設けられている。2つのうち上方のスリット群は、下流側端部が冷媒パスP2の伝熱管13の真下にある第1スリット31aと、上流側端部が冷媒パスP2の伝熱管12の真下にあり、下流側端部が冷媒パスP2の伝熱管22の真下にある第2スリット31bと、上流側端部が冷媒パスP2の伝熱管21の真下にある第3スリット31cとからなる。下方のスリット群は、下流側端部が冷媒パスP2の伝熱管11の真下にある第1スリット31aと、上流側端部が冷媒パスP1の伝熱管18の真下にあり、下流側端部が冷媒パスP1の伝熱管28の真下にある第2スリット31bと、上流側端部が冷媒パスP1の伝熱管27の真下にある第3スリット31cとからなる。
このように境界領域Bを挟むようにして上下に複数のスリット群が重点的に設けられていることにより、次のような効果が得られる。例えば冷媒パスP2において除霜運転が行われ、これと同時に冷媒パスP1を用いて暖房運転が行われている場合、2つのスリット群のうち、前記上方のスリット群は、冷媒パスP2において生じた水滴を冷媒パスP1の領域に極力入り込まないようにする役割を有している。また、前記下方のスリット群は、冷媒パスP2において生じた水滴が仮に冷媒パスP1の領域に入り込んだ場合であっても、その水滴が冷媒パスP1において再び霜になる前に下方のスリット群に沿って下流側に適切に案内することができる。
この変形例1では、スリット31は、境界領域B及びその近傍に重点的に設けられている。境界領域B及びその近傍は、暖房運転中の下側冷媒パスP1の領域に水滴が流れ込むのを抑制するうえで重要な領域である。この重要な領域に設けられたスリット31によって水滴が下側冷媒パスP1の領域に流れ込むのが抑制される。その一方で、この重要な領域以外の領域Cにおいては、スリット31は設けられていない。したがって、フィン35の全面にわたってスリット31をほぼ均一に設ける場合と比較して、スリット31を設けることに起因するフィン35の熱交換面積の減少を抑制できる。
(変形例2)
図4(A)は、熱源側熱交換器51の変形例2を示す図であり、図4(B)は、この変形例2における水滴の挙動の一例を示す図である。図4(A)に示すように、この変形例2では、各第3スリット31cは、下流側に向かうにつれて開口幅が大きくなる拡幅部32を有している。この拡幅部32は、第3スリット31cの下流側の端部近傍に設けられている。拡幅部32の下流側端部は、空気の流れAの下流側の方向に開口している。
図4(A)は、熱源側熱交換器51の変形例2を示す図であり、図4(B)は、この変形例2における水滴の挙動の一例を示す図である。図4(A)に示すように、この変形例2では、各第3スリット31cは、下流側に向かうにつれて開口幅が大きくなる拡幅部32を有している。この拡幅部32は、第3スリット31cの下流側の端部近傍に設けられている。拡幅部32の下流側端部は、空気の流れAの下流側の方向に開口している。
拡幅部32では、第3スリット31cの周縁のうち下側の周縁の一部が下流側に向かうにつれて第3スリット31cの延設方向311から離隔する方向に傾斜が大きくなっている。
図4(B)に示すように、第3スリット31cに案内されて下流側に流れる水滴Wは、第3スリット31cの上流側に位置しているときには、第3スリット31cの幅方向両側に位置する表面に跨るようにして付着している。この水滴Wが第3スリット31cの下流側に移動して拡幅部32に到達すると、拡幅部32は下流側に向かうほど開口幅が大きくなるので、下流側に向かうほど第3スリット31cの両側に跨った状態を維持しにくくなる。これにより、この水滴Wは、第3スリット31cの幅方向の一方側の表面から離れて他方側の表面にのみ付着した状態となり、空気の流れAによってフィン35から剥離しやすくなる。
なお、この変形例2では、図4(A),(B)において図示を省略しているが、上下に並ぶ冷媒パスと冷媒パスとの間の境界領域Bにもスリット31が設けられている。
(変形例3)
図5(A)は、熱源側熱交換器51の変形例3を示す図であり、図5(B)は、図5(A)のVB−VB線断面図である。図5(A),(B)に示すように、この変形例3では、スリット31に代えてガイド部としての凸部33が複数設けられている。各凸部33は、空気の流れAの上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延設されている。各凸部は、図5(B)に示すような凸形状が上流側端部から下流側端部まで連続している。
図5(A)は、熱源側熱交換器51の変形例3を示す図であり、図5(B)は、図5(A)のVB−VB線断面図である。図5(A),(B)に示すように、この変形例3では、スリット31に代えてガイド部としての凸部33が複数設けられている。各凸部33は、空気の流れAの上流側から下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延設されている。各凸部は、図5(B)に示すような凸形状が上流側端部から下流側端部まで連続している。
複数の凸部33は、フィン35において、空気の流れAの上流側の領域に設けられた複数の第1凸部33aと、空気の流れAの下流側の領域に設けられた複数の第3凸部33cと、これらの領域の間の領域に設けられた複数の第2凸部33bとを有している。各第1凸部33aは、図3の変形例1における第1スリット31aと同様の位置に設けられている。各第2凸部33bは、図3の変形例1における第2スリット31bと同様の位置に設けられている。各第3凸部33cは、図3の変形例1における第3スリット31cと同様の位置に設けられている。
この変形例3では、変形例1のスリット31と同様の位置に凸部33を設けたとしても、フィン35の表面積が変形例1のように減少しないので、変形例1に比べて熱交換の効率を高めることができる。
なお、この変形例3では、図5(A),(B)において図示を省略しているが、上下に並ぶ冷媒パスと冷媒パスとの間の境界領域Bにも凸部33が設けられている。
(変形例4,5)
図6(A)は、熱源側熱交換器51の変形例4を示す図であり、図6(B)は、熱源側熱交換器51の変形例5を示す図である。変形例4では、各凸部33は、フィン35の上流側の縁部からフィン35の下流側の縁部までほぼ連続して形成されている。ガイド部が凸部33である場合には、各凸部33を前記上流側の縁部から前記下流側の縁部まで連続して形成することができる。このように各凸部33が連続した形態である場合、各凸部33に流下した水滴は、その凸部33に沿ってフィン35の下流側の縁部まで案内されやすくなり、排水性をより向上させることができる。
図6(A)は、熱源側熱交換器51の変形例4を示す図であり、図6(B)は、熱源側熱交換器51の変形例5を示す図である。変形例4では、各凸部33は、フィン35の上流側の縁部からフィン35の下流側の縁部までほぼ連続して形成されている。ガイド部が凸部33である場合には、各凸部33を前記上流側の縁部から前記下流側の縁部まで連続して形成することができる。このように各凸部33が連続した形態である場合、各凸部33に流下した水滴は、その凸部33に沿ってフィン35の下流側の縁部まで案内されやすくなり、排水性をより向上させることができる。
また、変形例4のように各凸部33をフィン35の上流側の縁部からフィン35の下流側の縁部までほぼ連続して形成すると、例えばフィン35の材質や厚みなどによってはフィン35が凸部33の部分において折れ曲がることがある。その場合には、図6(B)の変形例5のような形態とすることで折れ曲がりを抑制しつつ排水性を向上させることができる。
この変形例5では、フィン35に長尺凸部33dと、この長尺凸部33dよりも延設方向の長さが小さい短尺凸部33eとが形成されている。長尺凸部33dは、フィン35の上流側の縁部から下流側の縁部の近傍まで延設されており、短尺凸部33eは、長尺凸部33dの下方に配置され、フィン35の下流側の縁部の近傍のみに形成されている。この変形例5では、各長尺凸部33dに流下した水滴は、その長尺凸部33dに沿ってフィン35の下流側の縁部近傍まで案内された後、その下方に位置する短尺凸部33eに流下して短尺凸部33eに沿ってフィン35の下流側の縁部まで案内される。このように水滴が長尺凸部33dに沿ってフィン35の下流側の縁部近傍まで案内されるので、排水性に優れている。また、長尺凸部33d及び短尺凸部33eが共にフィン35の上流側の縁部から下流側の縁部まで連続していないので、フィン35の折れ曲がりも抑制できる。
なお、この変形例4,5では、図6(A),(B)において図示を省略しているが、上下に並ぶ冷媒パスと冷媒パスとの間の境界領域Bにも凸部33が設けられている。
(変形例6)
これまで説明した各実施形態では、ガイド部がフィンの上流側の領域、中央の領域、及び下流側の領域に設けられている場合を例示したが、これに限定されない。例えば図7(A)に示す変形例6のように、スリット31などのガイド部が少なくとも最上流境界領域B1に配設された形態であってもよい。この最上流境界領域B1は、上側冷媒パスP2を構成する複数の伝熱管のうち空気の流れAに沿った方向の最上流に位置する伝熱管11と、下側冷媒パスP1を構成する複数の伝熱管のうち前記最上流に位置する伝熱管18との間の領域である。特に最上流境界領域B1には、他の部位よりも霜Fが堆積しやすいからである。具体的には、次の通りである。
これまで説明した各実施形態では、ガイド部がフィンの上流側の領域、中央の領域、及び下流側の領域に設けられている場合を例示したが、これに限定されない。例えば図7(A)に示す変形例6のように、スリット31などのガイド部が少なくとも最上流境界領域B1に配設された形態であってもよい。この最上流境界領域B1は、上側冷媒パスP2を構成する複数の伝熱管のうち空気の流れAに沿った方向の最上流に位置する伝熱管11と、下側冷媒パスP1を構成する複数の伝熱管のうち前記最上流に位置する伝熱管18との間の領域である。特に最上流境界領域B1には、他の部位よりも霜Fが堆積しやすいからである。具体的には、次の通りである。
すなわち、冷媒パス毎に順に除霜が行われ、この除霜中に他の冷媒パスを用いて暖房運転が継続される場合には、次のような着霜現象が生じることがある。例えば図7(B)に示す熱交換器において、上側冷媒パスP2で除霜が行われているときには、これに隣り合う下側冷媒パスP1を用いて暖房運転が行われている。したがって、除霜中の上側冷媒パスP2のうち下側冷媒パスP1との境界領域及びその近傍は、霜が溶けにくい環境にある。そして、上側冷媒パスP2の除霜運転が終了し、上側冷媒パスP2の暖房運転が再開され、下側冷媒パスP1の除霜が開始された場合も同様であり、前記境界領域及びその近傍では霜が溶けにくい。この現象に加え、さらに、図7(B)に示すように複数の列(列D1,D2)を有する熱交換器においては、空気の流れAに沿った方向の最上流の列D1(すなわち空気が最初にあたる伝熱管の列)、及び列D1の近傍のフィン35の表面に特に着霜Fが生じやすい。
これらのことから、図7(B)に示すように、上側冷媒パスP2と下側冷媒パスP1との境界領域のうち、上側冷媒パスP1の伝熱管11と、下側冷媒パスP1の伝熱管18との間の最上流境界領域B1は、特に着霜しやすい。そして、除霜により生じた水滴が最上流境界領域B1に流下してそこに滞留すると、その水滴が再び霜となることがある。この着霜現象が繰り返されると、最上流境界領域B1に霜Fが堆積する。
したがって、図7(A)に示すように、スリット31などのガイド部が少なくとも最上流境界領域B1に配設されていることにより、たとえ水滴が最上流境界領域B1に流下したとしても、この水滴はガイド部によって下流側に案内される。これにより、最上流境界領域B1に水滴が滞留するのが抑制されるので、最上流境界領域B1に霜が堆積するのを抑制できる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば前記実施形態では、図2などに示すように、伝熱管の列が2列(列D1と列D2)設けられている場合を例示したが、3列以上であってもよい。例えば3列(列D1、列D2及び列D3)に伝熱管が配列されている場合、上側冷媒パスP2を構成する複数の伝熱管のうち、下側冷媒パスP1に隣接する位置にある伝熱管は3つ存在することになる。これら3つの伝熱管は、次のように配置される。すなわち、3つの伝熱管のうち、上流側の列D1の伝熱管が最も高い位置にあり、下流側の列D3の伝熱管が最も低い位置にあり、中央の列D2の伝熱管が列D1の伝熱管と列D3の伝熱管の間の高さに位置する。伝熱管の列が4列以上の場合も同様である。
また、前記実施形態では、各冷媒パスが各列8つの伝熱管により構成されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば各冷媒パスが各列6つの伝熱管により構成されていてもよく、各冷媒パスが各列4つの伝熱管により構成されていてもよく、他の構成であってもよい。また、冷媒パス毎に伝熱管の本数が異なっていてもよい。
1(11〜18) 伝熱管
2(21〜28) 伝熱管
3(3a,3b) U字管部
31 スリット
32 拡幅部
33 凸部
35 フィン
51 空気調和機用熱交換器
B 境界領域
E 冷媒パスの入口
O 冷媒パスの出口
P(P1〜P3) 冷媒パス
2(21〜28) 伝熱管
3(3a,3b) U字管部
31 スリット
32 拡幅部
33 凸部
35 フィン
51 空気調和機用熱交換器
B 境界領域
E 冷媒パスの入口
O 冷媒パスの出口
P(P1〜P3) 冷媒パス
Claims (6)
- 鉛直方向に配置される板状のフィン(35)と、前記フィン(35)を貫通し、内部を冷媒が流通する複数の伝熱管(1,2)とを備え、前記フィン(35)に沿って流れる空気と前記冷媒との間で熱交換する熱交換器であり、前記複数の伝熱管(1,2)が鉛直方向に配列されるとともに前記空気の流れに沿った方向に配列されており、上下に隣り合う上側冷媒パス(P2)と下側冷媒パス(P1)とを含む複数の冷媒の経路を有し、空気調和機に用いられて前記上側冷媒パス(P2)と前記下側冷媒パス(P1)が個別に除霜される空気調和機用熱交換器において、
前記上側冷媒パス(P2)を構成する複数の伝熱管(1,2)のうち、前記上側冷媒パス(P2)と前記下側冷媒パス(P1)との境界領域(B)に隣接する位置にあり、かつ前記空気の流れに沿った方向の下流側に位置する下流側伝熱管(21)は、これよりも上流側に位置し、かつ前記境界領域(B)に隣接する位置にある上流側伝熱管(11)よりも低い位置に設けられており、
前記フィン(35)は、前記フィン(35)の表面に付着した水滴を前記下流側に案内するガイド部(31,33)を有しており、前記ガイド部(31,33)は、少なくとも前記境界領域(B)に設けられており、前記上流側から前記下流側に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜方向に延びている空気調和機用熱交換器。 - 前記ガイド部(31,33)は、前記フィン(35)における前記空気の流れの上流側の端辺まで延びている、請求項1に記載の空気調和機用熱交換器。
- 前記ガイド部(31,33)は、前記フィン(35)における前記空気の流れの下流側の端辺まで延びている、請求項1又は2に記載の空気調和機用熱交換器。
- 前記ガイド部は、前記傾斜方向に延びるスリット(31)であり、
前記スリット(31)は、前記境界領域(B)及びその近傍に偏在している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機用熱交換器。 - 前記ガイド部は、前記傾斜方向に延びるスリット(31)であり、
前記スリット(31)は、前記下流側に向かうにつれて開口幅が大きくなる拡幅部(32)を有している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機用熱交換器。 - 前記ガイド部は、前記傾斜方向に延びる凸部(33)であり、
前記凸部(33)は、前記フィン(35)の前記上流側の縁部から前記フィン(35)の前記下流側の縁部までほぼ連続して形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機用熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011020313A JP2012159256A (ja) | 2011-02-02 | 2011-02-02 | 空気調和機用熱交換器 |
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JP2011020313A JP2012159256A (ja) | 2011-02-02 | 2011-02-02 | 空気調和機用熱交換器 |
Publications (1)
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JP2011020313A Withdrawn JP2012159256A (ja) | 2011-02-02 | 2011-02-02 | 空気調和機用熱交換器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014083650A1 (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-05 | 三菱電機株式会社 | 空気調和装置 |
-
2011
- 2011-02-02 JP JP2011020313A patent/JP2012159256A/ja not_active Withdrawn
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WO2014083650A1 (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-05 | 三菱電機株式会社 | 空気調和装置 |
JP5980349B2 (ja) * | 2012-11-29 | 2016-08-31 | 三菱電機株式会社 | 空気調和装置 |
JPWO2014083650A1 (ja) * | 2012-11-29 | 2017-01-05 | 三菱電機株式会社 | 空気調和装置 |
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