以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打球発射装置から発射された遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9を用いて演出表示を実行するので、遊技者は、遊技の進行状況を把握しやすくなる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと(遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過することでもよい))した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのみを設けるようにし、演出表示装置9の表示画面上には合算保留記憶表示部18cを設けないようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態になる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、ランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグが初期値に設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される飾り図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10および可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、大当りにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、またはリーチ演出が実行されずに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
図6は、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチA1,A12,A21,A22,A31,A32の変動パターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルA21,A22、スーパーA31〜スーパーA34、スーパーB31〜スーパーB34の変動パターンが用意されている。
なお、この実施の形態では、リーチ演出を伴わない非リーチA11,A12,A21,A22,A31,A32の変動パターンは、いわゆる通常変動の変動パターンである。
図7は、可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応してあらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルA23,A24,S33,A34、スーパーA41〜スーパーA44、スーパーB41〜スーパーB44の変動パターンが用意されている。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:大当りの種類(通常大当り、確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム4:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(6)ランダム7:普通図柄の変動パターン(変動時間)決定する(普通図柄変動パターン判定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム7)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図9(A)左欄)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図9(A)右欄)とがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当りまたは確変大当り)にすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131を示す説明図である。大当り種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞が生じたときも第2始動入賞が生じたときも同じ大当り種別判定テーブルを使用するが、第1始動入賞が生じたときと第2始動入賞が生じたときとで、異なる大当り種別判定テーブルを使用するようにしてもよい。
また、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御する場合もあるように構成してもよい。小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(例えば、0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りを用いてもよい。突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(例えば、0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、突然確変大当りを使用する場合には、大当り種別判定テーブルに突然確変大当りに対応する判定値が設定されるが、第1始動入賞が生じたときと第2始動入賞が生じたときとで異なる大当り種別判定テーブルを使用するように構成されているときには、第2始動入賞が生じたときに使用されるテーブルにおいて、突然確変大当りに対応する判定値が設定されていないようにしてもよい。また、判定値が設定されていても、第1始動入賞が生じたときに使用されるテーブルに比べて、判定値数を少なくするようにしてもよい。第2始動入賞が生じたときに使用されるテーブルにおいて、突然確変大当りに対応する判定値が設定されていなかったり、少ない数の判定値が設定されている場合には、確変状態(第2始動入賞口14が開放されやすい)における払出性能が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
図10(A1),(A2),(B1),(B2)は、大当り時変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。大当り時変動パターン種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、図10(A1),(B1)に示すテーブルは、第1特別図柄の変動開始時に使用されるテーブルであり、図10(A2),(B2)に示すテーブルは、第2特別図柄の変動開始時に使用されるテーブルである。
各大当り時変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルA、ノーマルB、スーパーα、スーパーβの変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
第1特別図柄の変動開始時に使用される図10(A1)および図10(B1)に示す大当り時変動パターン種別判定テーブルにはノーマルAの変動パターン種別に対応する判定値と、スーパーαの変動パターン種別に対する判定値とが設定されている。第2特別図柄の変動開始時に使用される図10(A2)および図10(B2)に示す大当り時変動パターン種別判定テーブルには、ノーマルBの変動パターン種別に対する判定値と、スーパーβの変動パターン種別に対する判定値とが設定されている。
従って、第1特別図柄の変動時の変動パターン種別と、第2特別図柄の変動時の変動パターン種別とは異なる。その結果、第1特別図柄の変動時の変動パターンと、第2特別図柄の変動時の変動パターンとは異なることになる。
また、この実施の形態では、大当り種別を複数種類のうちのいずれ(この例では、通常大当りまたは確変大当り)にするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別(この例では、ノーマルAおよびスーパーαと、ノーマルBおよびスーパーβ)に決定することができる。
図11(A1),(A2)および図12(B1),(B2)は、ROM54に記憶されているはずれ時変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。はずれ時変動パターン種別判定テーブルは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図11(A1)および図12(B1)は、第1特別図柄の変動開始時に使用される。図11(A2)および図12(B2)は、第2特別図柄の変動開始時に使用される。
CPU56は、遊技状態が通常状態であるときには、図11(A1),(A2)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブル134Aを使用し、確変状態または時短状態であるときには、図12(B1),(B2)はずれ時変動パターン種別判定テーブルを使用を使用する。なお、確変状態と時短状態とで別のはずれ時変動パターン種別判定テーブルを使用するようにしてもよい。
図11(A1)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルにおいて、保留記憶数が「0」〜「2」である場合に対応して、「1」〜「201」の範囲の値が非リーチ1に割り当てられている。また、「202」〜「221」の範囲の値がノーマルAに割り当てられ、「222」〜「241」の範囲の値がスーパーαに割り当てられている。
また、保留記憶数が「3」,「4」である場合に対応して、「1」〜「221」の範囲の値が非リーチ2に割り当てられている。また、「222」〜「230」の範囲の値がノーマルAに割り当てられ、「231」〜「241」の範囲の値がスーパーαに割り当てられている。
そして、保留記憶数が「5」〜「8」である場合に対応して、「1」〜「231」の範囲の値が非リーチ3に割り当てられている。また、「232」〜「234」の範囲の値がノーマルAに割り当てられ、「235」〜「241」の範囲の値がスーパーαに割り当てられている。
図11(A2)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルでも、保留記憶数が「0」〜「2」である場合と、保留記憶数が「3」,「4」である場合と、保留記憶数が「5」〜「8」である場合とのそれぞれに対応して、非リーチ1、非リーチ2または非リーチ3の変動パターン種別と、ノーマルBおよびスーパーβの変動パターン種別とに対する判定値が割り当てられている。
図12(A1)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルにおいて、保留記憶数が「0」〜「2」である場合に対応して、「1」〜「101」の範囲の値が非リーチ1に割り当てられ、「102」〜「201」の範囲の値が非リーチ4に割り当てられている。また、「202」〜「221」の範囲の値がノーマルAに割り当てられ、「222」〜「241」の範囲の値がスーパーαに割り当てられている。
また、保留記憶数が「3」〜「8」である場合に対応して、「1」〜「231」の範囲の値が非リーチ4に割り当てられている。また、「232」〜「234」の範囲の値がノーマルAに割り当てられ、「235」〜「241」の範囲の値がスーパーαに割り当てられている。
図12(B2)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルでも、保留記憶数が「0」〜「2」である場合と、保留記憶数が「3」〜「8」である場合とのそれぞれに対応して、非リーチ1または非リーチ4の変動パターン種別と、ノーマルBおよびスーパーβの変動パターン種別とに対する判定値が割り当てられている。
図11および図12に示されたような設定によって、保留記憶数が所定数(例えば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の判定がなされる割合が低くなる。また、図6に示すように、「非リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間が「リーチ」に対応した変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されているので、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
また、図11および図12に示すように、第1特別図柄の変動時の変動パターン種別と、第2特別図柄の変動時の変動パターン種別とは異なる。その結果、第1特別図柄の変動時の変動パターンと、第2特別図柄の変動時の変動パターンとは異なることになる。
なお、この実施の形態では、変動パターン種別判定用乱数と図11および図12に示されたはずれ時変動パターン種別判定テーブルとによってリーチにするか否か決定されることになるが、リーチ判定用乱数を用い、リーチ判定用乱数の値が所定の判定値と一致した場合に、リーチすることに決定するようにしてもよい。また、「滑り」や「擬似連」等の特殊演出の変動パターンを用いる場合には、はずれ時変動パターン種別判定テーブルにおいて、非リーチの変動パターン種別を、特殊演出の変動パターンを含む変動パターン種別と、特殊演出の変動パターンを含まない変動パターン種別とに分けて判定値を設定するようにしてもよい。
図13は、ROM54に記憶されている大当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。大当り変動パターン判定テーブルは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン判定テーブルには、変動パターン種別毎に、変動パターン判定用乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
図14(A),(B)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブルは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、リーチ状態にするか否かと変動パターン種別の決定結果とに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図14(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)が設定されている。図14(B)に示すはずれ変動パターン判定テーブルには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「はずれ」であり可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに決定するためのデータ(判定値)が設定されている。
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6〜図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドを用いて、例えば、第1特別図柄の可変表示時と第2特別図柄の可変表示時とで演出内容を異ならせることが可能になる。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD0XX(H)は、普通図柄の変動パターン(変動時間)を指定する演出制御コマンド(普通図柄変動パターンコマンド)である(それぞれ普通図柄変動パターンXXに対応)。
コマンドE101(H)は、普通図柄の可変表示(変動)の停止図柄がパターンAの当り図柄になったことを指定する演出制御コマンド(普通図柄当り指定(パターンA)コマンド)である。コマンドE102(H)は、普通図柄の可変表示(変動)の停止図柄がパターンBの当り図柄になったことを指定する演出制御コマンド(普通図柄当り指定(パターンB)コマンド)である。コマンドE103(H)は、普通図柄の可変表示(変動)の停止図柄がパターンCの当り図柄になったことを指定する演出制御コマンド(普通図柄当り指定(パターンC)コマンド)である。
コマンドE201(H)は、可変入賞球装置15の開放中に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。コマンドE202(H)は、可変入賞球装置15の開放中に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しなかったことを示す演出制御コマンド(第2始動口未入賞指定コマンド)である。
コマンドF400(H)は、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)になったときに送信されるコマンドであり、コマンドF401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドF400(H)およびコマンドF401(H)を、遊技状態が変化したときに送信するが、飾り図柄の変動開始の度に送信してもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図15に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
次に、CPU56が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。図16は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲートスイッチ32aがオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことを検出すると(ステップS511)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS512)を実行する。その後、ステップS500〜S505のいずれかの処理を実行する。
図17は、ゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理において、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS515)。最大値に達していなければ、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し(ステップS516)、ソフトウェア乱数である普通図柄当り判定用乱数(ランダム5)の値を抽出して、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS517)。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。
普通図柄プロセス処理におけるステップS500〜S505の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS500):CPU56は、まず、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS501)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS501):普通図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:変動パターンによって変動時間も特定される。)を、遊技球がゲート32を通過したときに抽出した普通図柄変動パターン判定用乱数(ランダム7)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS502)に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS502):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS503)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS503):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS500)を示す値(具体的には「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS504)を示す値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS504):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで、第2始動口スイッチ14aの検出信号を監視し、第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態を示したら、すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したら、入賞個数カウンタの値を+1するとともに、第2始動口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖して、まだ開放ラウンドが残っている場合には普通図柄プロセスタイマに普通電動役物閉鎖時間に相当する値をセットし、開放ラウンドが残っていない場合には普通図柄プロセスタイマに次回変動待機時間(次回の普通図柄の変動を開始するまでの待機時間)に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動閉鎖中処理(ステップS505)を示す値(具体的には「5」)に更新する。
普通電動役物閉鎖中処理(ステップS505):CPU56は、開放ラウンドが残っていない場合(最終回の開放が終了した場合)には、所定時間が経過するまで第2始動口スイッチ14aの検出信号を監視し、第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態を示したら、すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したら、入賞個数カウンタの値を+1するとともに、第2始動口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。所定時間が経過したときに、入賞個数カウンタの値が0であった場合には、第2始動口未入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、所定時間は、可変入賞球装置15の閉鎖時点から、可変入賞球装置15が閉鎖される直前に可変入賞球装置15に入った遊技球が第2始動口スイッチ14aで検出されるまでの時間である。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトした場合に、まだ開放ラウンドが残っているときには、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS504)を示す値(具体的には「4」)に更新する。開放ラウンドが残っていない場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS500)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図18は、普通図柄通常処理(ステップS500)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS521)。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0であれば、処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数および変動パターン決定用乱数を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS522)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS523)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および変動パターン決定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするか決定する普通図柄当り判定処理を実行する(ステップS524)。
図19は、普通図柄当り判定処理を示すフローチャートである。図19に示すように、普通図柄当り判定処理において、CPU56は、まず、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否か確認する(ステップS551)。なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かによって判定される。
CPU56は、遊技状態が通常遊技状態であるときは通常時当り判定テーブルを選択し(ステップS552)、遊技状態が確変状態であるときには確変時当り判定テーブルを選択する(ステップS553)。そして、ステップS522の処理で読み出した普通図柄当り判定用乱数の値と当り判定テーブル(通常時当り判定テーブルまたは確変時当り判定テーブル)に設定されている当り判定値とを比較する(ステップS554)。
図20は、普通図柄当り判定テーブル(通常時当り判定テーブルおよび確変時当り判定テーブル)を示す説明図である。図20(A)に示す通常時当り判定テーブルには、普通図柄の表示結果「3」(当り図柄)およびパターンA(可変入賞球装置15の開放時間0.5秒、開放回数(開放ラウンド数)1回)に対応する当り判定値「3」と、普通図柄の表示結果「5」(当り図柄)およびパターンB(可変入賞球装置15の開放時間1.5秒、開放回数1回)に対応する当り判定値「5」とが設定されている。
図20(B)に示す確変時当り判定テーブルには、普通図柄の表示結果「5」(当り図柄)およびパターンB(可変入賞球装置15の開放時間1.5秒、開放回数1回)に対応する当り判定値「3」,「7」,「10」と、普通図柄の表示結果「7」(当り図柄)およびパターンC(可変入賞球装置15の開放時間3.0秒、開放回数2回)に対応する当り判定値「5」,「6」,「9」,「11」とが設定されている。
なお、この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数を用いて当りにするか否かと、当りのパターンを決定するが、普通図柄当り判定用乱数を用いて当りにするか否かを決定し、当りにすることに決定された場合に、他の乱数を用いて当りのパターンを決定するようにしてもよい。
CPU56は、ステップS554の処理による比較の結果、当りになる場合(普通図柄当り判定用乱数の値がいずれかの当り判定値と一致した場合)には(ステップS555)、普通図柄当りフラグをセットし(ステップS556)、パターン(パターンA、パターンBまたはパターンC)を記憶する(ステップS557)。
そして、CPU56は、普通図柄通常処理において、普通図柄当りフラグがセットされている場合には(ステップS525)、ステップS557の処理で記憶したパターンに応じた普通図柄当り指定コマンド(普通図柄当り指定(パターンA)コマンド、普通図柄当り指定(パターンB)コマンドまたは普通図柄当り指定(パターンC)コマンド)を送信する制御を行う(ステップS526)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS501)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS527)。
図21は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS501)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、普通図柄当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS531)。普通図柄当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、普通図柄変動パターン判定用乱数(ランダム7)を読み出し、読み出した普通図柄変動パターン判定用乱数と普通図柄変動パターン判定テーブルとを用いて当り時の普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS532)。そして、決定した普通図柄の変動パターンを指定する普通図柄変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS533)。普通図柄当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、普通図柄の変動パターンをはずれ変動パターン(例えば、変動時間が4秒)に決定する(ステップS534)。
図22は、普通図柄変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図22において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は普通図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。図22に示すように、普通図柄変動パターン判定テーブルにおいて、当り時の普通図柄の変動パターンに対応する判定値が設定されている。CPU56は、ステップS132の処理で、普通図柄変動パターン判定用乱数の値に一致する判定値に対応する変動パターンを、当り時の普通図柄の変動パターンとして決定する。
その後、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに、変動パターンで特定される普通図柄の変動時間に相当する値をセットする(ステップS535)。また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS502)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS536)。
その後、CPU56は、普通図柄変動処理において、普通図柄の変動時間が経過したら、普通図柄表示器10に停止図柄を導出表示し、普通図柄停止時処理では、CPU56は、停止図柄が当り図柄の場合には可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放するように制御する。
また、普通電動役物開放中処理において、開放時間が経過したら可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行うが、上述したように、開放時間が経過するまで、第2始動口スイッチ14aの検出信号を監視し、第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態を示したら、すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したら、入賞個数カウンタの値を+1するとともに、第2始動口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
また、CPU56は、普通電動役物閉鎖中処理において、閉鎖時間(インターバル時間)が経過したら(最終回の開放が済んでいない場合)、または次回の普通図柄の変動を開始するまでの待機時間が経過したら(最終回の開放が終了している場合)、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行うが、上述したように、所定時間が経過するまで第2始動口スイッチ14aの検出信号を監視し、第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態を示したら、すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したら、入賞個数カウンタの値を+1するとともに、第2始動口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。所定時間が経過したときに、入賞個数カウンタの値が0であった場合には、第2始動口未入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、入賞個数カウンタの値が0であったということは、可変入賞球装置15が開放しているときに全く遊技球が第2始動入賞口14に入賞しなかったということである。
次に、特別図柄および大入賞口の制御を説明する。
図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。そして、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S308の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大当り表示処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100が大当りの発生を報知するための制御を行っている時間が経過したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図24は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。なお、ステップS214Aの処理では、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(ランダム2,3,4:図8参照)を生成するためのカウンタから値を抽出する。図25に示すように、第1保留記憶バッファには、保留記憶数の上限値と同数の保存領域が確保されている。CPU56は、ステップS214Aの処理において、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域に値を格納する。なお、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム4)も抽出して、保存領域に格納するようにしてもよい。また、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや第1保留記憶バッファおよび保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1増やす(ステップS215A)。また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS216A)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS217A)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214B)。なお、ステップS214Bの処理では、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(ランダム2,3,4:図8参照)を生成するためのカウンタから値を抽出する。図25に示すように、第2保留記憶バッファには、保留記憶数の上限値と同数の保存領域が確保されている。CPU56は、ステップS214Bの処理において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域に値を格納する。
次いで、CPU56は、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1増やす(ステップS215B)。また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS216B)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS217B)。
なお、ステップS212A〜217Aの処理とステップS212B〜217Bの処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをRAM55の所定領域にセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択する。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS52)。第2保留数カウンタの値が0でなければ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留数カウンタの値が0であれば、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶にもとづく処理(特別図柄の変動)が優先して実行されることになる。つまり、第2保留数カウンタの値が0でない場合には、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されて、第2始動入賞に応じた保留記憶にもとづいて可変表示が開始されることになる。第1始動入賞に応じた保留記憶にもとづいて可変表示が開始されるのは、第2保留数カウンタの値が0であるとき(第2始動入賞にもとづく保留記憶がないとき)に限られる。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。
以上のように、特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S308の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、ランダムRと大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図9(A)参照)とを比較し(ステップS73)、それらが一致したら、大当りにすることに決定し大当りフラグをセットする(ステップS74)。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。ランダムRの値が大当り判定値に一致しない場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS74〜S76の処理を実行しない。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りになる確率が高くなるように構成されている。具体的には、確変状態では、あらかじめ大当り判定値が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)を使用し、通常状態では大当り判定値が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)を使用する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かによって確認される。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行させるときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。
また、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム2(大当り種別判定用乱数)を読み出し、大当りの種別(通常大当りまたは確変大当り)を、大当り種別判定テーブルにおいてランダム2の値に一致する大当り種別判定値(図9(B)参照)に応じた種別に決定する(ステップS75)。
そして、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS76)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS77)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS78)。
図28は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム3を読み出す(ステップS90)。そして、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、遊技状態および特別図柄ポインタに設定されているデータに応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り時変動パターン種別判定テーブル(図10(A1),(A2),(B1),(B2)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、選択した大当り時変動パターン種別判定テーブルに設定されている判定値におけるランダム3に一致する値に対応する変動パターン種別を決定する(ステップS102)。また、大当り変動パターン判定テーブル(図13参照)における変動パターン種別に応じたテーブル(ノーマルA、ノーマルB、スーパーαまたはスーパーβの部分)を選択する(ステップS103)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム4を読み出し(ステップS104)、ステップS103の処理で選択したテーブルに設定されている判定値におけるランダム4の値に一致する値に対応する変動パターンを決定する(ステップS105)。そして、ステップS106に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、はずれ時変動パターン種別判定テーブル(図11および図12参照)を選択する(ステップS93)。なお、遊技状態が通常状態であるときには、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じて、図11(A1)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルまたは図11(A2)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルを選択し、確変状態または時短状態であるときには、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じて、図12(B1)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルまたは図12(B2)に示すはずれ時変動パターン種別判定テーブルを選択する。また、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム3を読み出し、選択したはずれ時変動パターン種別判定テーブルにおける合算保留記憶数(合算保留記憶数カウンタの値)に応じた領域において、ランダム3の値と一致する値に対応した変動パターン種別を決定する(ステップS94)。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム4の値を読み出す(ステップS95)。リーチすることに決定した場合(リーチの変動パターン種別が選択された場合)には、図14(B)に示すはずれ変動パターン判定テーブル(リーチ)における変動パターン種別に応じたテーブル(ノーマルA、ノーマルB、スーパーαまたはスーパーβの部分)を選択し(ステップS96,S97)、リーチしないことに決定した場合(非リーチの変動パターン種別が選択された場合)には、図14(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブル(非リーチ)における変動パターン種別に応じたテーブル(非リーチ1、非リーチ2、非リーチ3または非リーチ4の部分)を選択する(ステップS98)。そして、ランダム4の値にもとづいて、選択したテーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS99)。その後、ステップS106に移行する。
ステップS106では、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
図29は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図15参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS114に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS76の処理で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りでないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。
ステップS114では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS115)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、特別図柄ポインタに設定されている値に対応する特別図柄保留記憶表示器の点灯個数を1減らす(ステップS116)。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS117)。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS141に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。
また、開放回数カウンタに開放回数(例えば、第1特別図柄の変動が行われたときには2:第2特別図柄の変動が行われたときには15)をセットする(ステップS137)。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態における大入賞口の開放回数は固定的(例えば、第1特別図柄の変動が行われたときには2回:第2特別図柄の変動が行われたときには15回)であるが、大入賞口の開放回数を、例えば、乱数を用いた抽選によって決定するようにしてもよい。抽選によって決定する場合には、第2特別図柄の変動が行われたときには、第1特別図柄の変動が行われたときに比べて、多い開放回数が選択されやすいようにする。すなわち、第2特別図柄の変動が行われたときには、第1特別図柄の変動が行われたときに比べて、大当り遊技状態における大入賞口が開放状態に制御される回数の選択割合を高くする。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
ステップS141では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。また、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、時短フラグをリセットする(ステップS144)。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS145)。
図32は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行うとともに(ステップS404)、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(ステップS406)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図33および図34は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(ステップS421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(ステップS432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10)になっているか否か確認する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(ステップS438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(ステップS440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS441)。なお、インターバル期間は、例えば2秒である。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことを例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS442)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS443)。
図35は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、CPU56は、大当り終了時間タイマの値を−1する(ステップS450)。大当り終了時間タイマの値が0でない場合には(ステップS451)、処理を終了する。大当り終了時間タイマの値が0になった場合には、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときには、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS452,S453)。また、高確率状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS454)。そして、ステップS457に移行する。
大当り種別を示すデータが確変大当りでないときには、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットし(ステップS455)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS456)。
また、大当りフラグをリセットし(ステップS457)、RAM55における大当り種別を示すデータをクリア(0にする)する(ステップS458)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS459)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図36は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
図37は、ステップS702の処理で更新される乱数を生成するためのカウンタによる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)キャラクタ選択用乱数:第1ステップ演出で使用する告知用キャラクタの種類を選択する
(2)告知態様選択用乱数:告知態様の種類(第2ステップ演出の種類)を決定する
なお、遊技効果を高めるために、飾り図柄の停止図柄を決定するための乱数などの上記の乱数以外の乱数も用いられる。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、当り告知演出および入賞告知演出に関する告知処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図38〜図40は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはRAMに形成されているコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存される。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図15参照)であるのか解析する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で示された数の表示を合算保留記憶表示部18cに表示する(ステップS626)。また、RAMに記憶されている合算保留記憶数(具体的には、合算保留記憶数カウンタの値)を、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で示された数にする(ステップS627)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cの表示を1減らす(ステップS629)。また、RAMに記憶されている合算保留記憶数の値を1減らす(ステップS630)。
なお、ステップS629の処理では、RAMに形成されている第2保留記憶数カウンタの値が0でなければ、合算保留記憶表示部18cにおける第2保留記憶に対応する表示を1減らす。第2保留記憶数カウンタの値が0であれば、合算保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶に対応する表示を1減らす。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
なお、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットするときに、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。また、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットするときに、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。
受信した演出制御コマンドが普通図柄変動パターンコマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その普通図柄変動パターンコマンドを、RAMに形成されている普通図柄変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS652)。そして、普通図柄変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄当り指定コマンド(普通図柄当り指定(パターンA)コマンド、普通図柄当り指定(パターンB)コマンドまたは普通図柄当り指定(パターンC)コマンド)であれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、その普通図柄当り指定コマンドを、RAMに形成されている当り指定コマンド格納領域に格納する(ステップS655)。そして、当り指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第2始動口入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドが第2始動口未入賞指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、第2始動口未入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
図41は、図36に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図42は、図41に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図43は、図41に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS820)。また、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示特定指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、受信した表示特定指定コマンドが表示結果2指定(通常大当り指定)コマンドまたは表示結果3指定(確変大当り指定)コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を、左中右の飾り図柄が一致した飾り図柄の組合せに決定する。その際、受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示特定指定コマンドが表示結果1指定(はずれ指定)コマンドであって、受信した変動パターンコマンドがリーチ演出を伴う変動パターンコマンドを示している場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を、左右の飾り図柄が一致し中図柄が不一致の飾り図柄の組合せに決定する。受信した変動パターンコマンドがリーチ演出を伴わない変動パターンコマンドを示している場合には、演出制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を、左右の飾り図柄が不一致の飾り図柄の組合せに決定する。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、入賞告知演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS822)。入賞告知演出中フラグは、入賞告知演出が実行されていることを示すフラグである。入賞告知演出中フラグがセットされていない場合には、ステップS831に移行する。入賞告知演出中フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、第2特別図柄の変動が開始されるか否か、具体的には第2特別図柄の変動に同期して飾り図柄の変動を開始するのか否か確認する(ステップS823)。第2特別図柄の変動が開始されるか否かは、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かによって確認される。
第2特別図柄の変動が開始される場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンと告知演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS824)。また、入賞告知演出中フラグをリセットする(ステップS825)。そして、ステップS833に移行する。
なお、ステップS824の処理での告知演出の種類とは、具体的には、飾り図柄の変動に伴って実行される第3ステップ演出の種類であるが、第2ステップ演出に相当する入賞告知演出の種類に応じて決まる。入賞告知演出の種類については後述する。
ステップS831では、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。
図44は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データおよびランプ制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(飾り図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における飾り図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データに設定されている態様で発光体の点滅を制御する。
図44に示すプロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。また、プロセステーブルは、告知演出の種類にも応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。
図45は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。図45に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データに従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の演出が実現される。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。後述するように、演出制御用CPU101が変動制御タイマがタイムアウトする毎に飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込むことによって、飾り図柄の変動が実現される。また、音演出に関わる音番号データは、プロセステーブルには設定されていない。音声データROM704に格納されている音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりであるから、演出制御用CPU101は、例えば飾り図柄の変動開始時に音番号データを音声出力基板70に出力する。なお、出力済みの音声データにもとづく音出力を中断させたいときには、演出制御用CPU101は、音声出力基板70に、例えば中断を示す音番号データを出力すればよい。
図43に示すステップS824において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンおよび告知演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する。また、ステップS831において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。
演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS833,S834)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(飾り図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた音番号データ(告知演出を伴う場合には、変動パターンおよび告知演出の種類に応じた音番号データ)を音声出力基板70に出力する(ステップS835)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS836)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS837)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS838)。
なお、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
図46は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、入賞告知演出中フラグがセットされていないことを条件に(ステップS844)、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS845)。
第3ステップ演出が開始される前に実行される当り告知演出および入賞告知演出は、ステップS707の告知処理で実行される。また、入賞告知演出が実行されるときには入賞告知演出中フラグがセットされる。そして、ステップS845の処理によって飾り図柄の変動中に実行される演出(演出表示装置9におけるキャラクタ画像や背景画像を用いた表示演出等)が実行されるが、入賞告知演出中フラグがセットされている場合には、ステップS845の処理を実行しないので、入賞告知演出(第2ステップ演出)が実行されているときには、飾り図柄の変動に伴って実行される表示演出が中断されることになる。
なお、当り告知演出(第1ステップ演出)が実行されるときにも、飾り図柄の変動に伴って実行される表示演出を中断することが好ましい。
ステップS844の処理によって、入賞告知演出が実行されている場合にはそちらの演出が優先されることになり、告知処理で実行される入賞告知演出を阻害しないようにすることができる。また、当り告知演出(第1ステップ演出)が実行されるときにも飾り図柄の変動に伴って実行される表示演出を中断するようにした場合には、告知処理で実行される当り告知演出を阻害しないようにすることができる。なお、飾り図柄の変動自体は、ステップS846〜S848の処理で実現されるので、当り告知演出および入賞告知演出が実行されても、飾り図柄の変動が行われなくなるわけではない。
変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS846)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS847)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS848)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS851)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS853)。なお、飾り図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、飾り図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、図44に例示されたプロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は飾り図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS841の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたことを確認した時点で、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく飾り図柄の演出制御は終了する。
図46は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS862)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS862の処理で大当り表示図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS863)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS864)。
ステップS863の処理で大当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS871)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS872)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS873)。また、ファンファーレ演出に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS874)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS875)。
図48および図49は、図36に示されたメイン処理における告知処理(ステップS707)を示すフローチャートである。告知処理において、演出制御用CPU101は、入賞告知演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS880)。入賞告知演出中フラグがセットされている場合には、ステップS901に移行する。
入賞告知演出中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、当り告知後フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。当り告知後フラグがセットされている場合には、ステップS888に移行する。
当り告知後フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、当り指定コマンドを受信したことを示す当り指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS882)。当り指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。
当り指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、当り指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS883)、告知用キャラクタを選択する処理を実行する(ステップS884)。ステップS884の処理では、演出制御用CPU101は、普通図柄変動パターンコマンド格納領域に格納されている普通図柄変動パターンコマンドと、当りの種類(当り指定コマンド格納領域に格納されている普通図柄当り指定(パターンA)コマンド、普通図柄当り指定(パターンB)コマンドまたは普通図柄当り指定(パターンC)コマンドで示されるパターンA、パターンBまたはパターンC)とに応じて、キャラクタ選択用乱数を用いて、告知用キャラクタを選択する。なお、キャラクタ選択用乱数を生成するためのカウンタの値は、ステップS702の乱数更新処理において更新されている。
また、選択された告知用キャラクタのキャラクタ画像は、第1ステップ演出に相当する当り告知演出で使用されるキャラクタの画像であるが、入賞告知演出(第2ステップ演出)、および入賞告知演出に続いて実行される飾り図柄の変動中における演出(第3ステップ演出)でも使用されるので、入賞告知用キャラクタということがある。
図50は、告知用キャラクタを選択するために設けられている告知用キャラクタ選択テーブルを示す説明図である。告知用キャラクタ選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに格納されている。
図50に示すように、告知用キャラクタ選択テーブルとして、普通図柄当り指定(パターンA)コマンドを受信している場合に使用されるテーブル、すなわち、パターンAの当りに対応するテーブル(図50(A)参照)と、普通図柄当り指定(パターンB)コマンドを受信している場合に使用されるテーブル、すなわち、パターンBの当りに対応するテーブル(図50(B)参照)と、普通図柄当り指定(パターンC)コマンドを受信している場合に使用されるテーブル、すなわち、パターンCの当りに対応するテーブル(図50(C)参照)とがある。
それぞれのテーブルには、普通図柄の当り図柄が導出表示されたときに実行された普通図柄変動パターンに応じて、複数種類の告知用キャラクタに対応する判定値が設定されている。なお、図50には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
演出制御用CPU101は、ステップS884の処理において、キャラクタ選択用乱数を生成するためのカウンタから値を読み出し、読み出した値をキャラクタ選択用乱数とする。また、普通図柄変動パターンコマンド格納領域に格納されている普通図柄変動パターンコマンドに格納されているデータが示す当りのパターンに対応する告知用キャラクタ選択テーブルを選択する。そして、選択したテーブルにおいて、キャラクタ選択用乱数の値に一致する判定値に対応するキャラクタを、入賞告知用キャラクタ(第1ステップ演出で使用するキャラクタ)として選択する。
次いで、演出制御用CPU101は、選択した告知用キャラクタのキャラクタ画像を演出表示装置9に表示することによって、当り告知演出を実行する(ステップS886)。また、当り告知演出に応じた音を出力させるための音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS886)。また、当り告知後フラグをセットする(ステップS887)。
なお、当り告知演出は、所定期間(例えば、1秒)継続して実行されるが、図48では、そのことは記載省略されている。
ステップS888では、演出制御用CPU101は、可変入賞球装置15の開放に遊技球が第2始動入賞口14に全く入賞しなかったことを指定する第2始動口未入賞指定コマンドを受信したことを示す第2始動口未入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。第2始動口未入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2始動口未入賞指定コマンド受信フラグをリセットするとともに(ステップS889)、当り告知演出後フラグをリセットする(ステップS890)。
また、可変入賞球装置15の開放に遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを指定する第2始動口入賞指定コマンドを受信したことを示す第2始動口入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS891)、第2始動口入賞指定コマンド受信フラグをリセットするとともに(ステップS892)、当り告知演出後フラグをリセットする(ステップS893)。
そして、第2ステップ演出に相当する入賞告知演出の態様(告知態様)を決定する(ステップS894)。
図51は、告知態様を決定するために設けられている告知態様選択テーブルを示す説明図である。告知態様選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに格納されている。
図51に示すように、告知態様選択テーブルとして、当り告知演出においてキャラクタAが使用されている場合に使用されるテーブル(図51(A)参照)と、当り告知演出においてキャラクタBが使用されている場合に使用されるテーブル(図51(B)参照)と、当り告知演出においてキャラクタCが使用されている場合に使用されるテーブル(図51(C)参照)と、当り告知演出においてキャラクタDが使用されている場合に使用されるテーブル(図51(D)参照)とがある。
演出制御用CPU101は、ステップS894の処理において、告知態様選択用乱数を生成するためのカウンタから値を読み出し、読み出した値を告知態様選択用乱数とする。また、当り告知演出において使用されたキャラクタの種類に対応する告知態様選択テーブルを選択する。そして、選択したテーブルにおいて、告知態様選択用乱数の値に一致する判定値に対応する態様を、告知態様に決定する。なお、告知態様選択用乱数を生成するためのカウンタの値は、ステップS702の乱数更新処理において更新されている。
また、図51に例示する態様において、「キャラクタ高速移動」は、演出表示装置9において、キャラクタ画像が高速で移動するように表示されることを示す。「キャラクタ低速移動」は、演出表示装置9において、キャラクタ画像が低速で移動するように表示されることを示す。「キャラクタ拡大」は、演出表示装置9において、キャラクタ画像が拡大表示されることを示す。
演出制御用CPU101は、告知態様を決定したら、決定した告知態様に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS896)。プロセステーブルは、図44に例示された構成と同様、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データおよびランプ制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9などの演出装置を制御することによって、入賞告知演出を実行する。なお、告知態様に応じたプロセステーブルに設定されているプロセスタイマの値の合計による時間は、いずれの場合にも、次回の飾り図柄の変動が開始されるまでの時間よりも長い時間になるように、大きな値に設定されている。そのように設定しておけば、第3ステップ演出が実行開始されるまで、入賞告知演出が必ず継続される。
演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS896)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS897)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(飾り図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、告知態様に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS898)。また、入賞告知演出を実行中であることを示す入賞告知演出中フラグをセットする(ステップS899)。
ステップS901では、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を−1する。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS902)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS903)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS904)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS905)。
図48および図49に示された告知処理では、
「当り指定コマンドを受信していたら当り告知演出を実行」(第1ステップ演出に相当する当り告知演出を実行したことを示す当り告知演出後フラグセット)
→「第2始動口入賞指定コマンドを受信していたら入賞告知演出を開始、すなわちプロセステーブルにもとづく演出制御を開始」(第2ステップ演出に相当する入賞告知演出を実行していることを示す入賞告知演出中フラグセット)
→「プロセステーブルにもとづいて入賞告知演出を実行」
の順に処理が進められている。
なお、入賞告知演出を実行していることを示す入賞告知演出中フラグがセットされている場合に、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の変動が開始されるときに、入賞告知演出中フラグがリセットされ、入賞告知演出で使用されたキャラクタと同じキャラクタを用いた飾り図柄変動中の演出(第3ステップ演出に相当)が開始される(図43におけるステップS822〜S824参照)。
また、この実施の形態では、第1ステップ演出(当り告知演出)および第2ステップ演出(入賞告知演出)においてキャラクタ画像を用いた演出を実行するようにしたが、第1ステップ演出および第2ステップ演出において、直接的な報知を行うようにしてもよい。例えば、図52に示すように、第1ステップ演出において、第2始動入賞口24への遊技球の入賞を促す報知(図52(A)に示す例では、「電チューに入れろ」の文字表示)を行い、第2ステップ演出において、第2始動入賞口24に遊技球が入賞したことの告知(図52(B)に示す例では、「成功」の文字表示)を行うようにしてもよい。
以上のようにして、遊技球の通過領域の通過、普通識別情報の可変表示および可変入賞装置への遊技球の入賞に関する演出と、可変表示手段において実行される識別情報の可変表示とを関連させる演出が実行されるので、遊技の興趣をより向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、特別図柄表示器として、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとが設けられていたが、1つの特別図柄表示器が設けられている場合にも、本発明を適用することができる。1つの特別図柄表示器が設けられている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば、第1始動入賞にもとづく特別図柄の変動開始時に第1始動入賞にもとづく変動であることを示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、第2始動入賞にもとづく特別図柄の変動開始時に第2始動入賞にもとづく変動であることを示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図43におけるステップS823の処理において、第2始動入賞にもとづく変動であることを示す演出制御コマンドを受信したか否かによって、第3ステップ演出を実行すべきか否か判定する。
また、上記の実施の形態では、演出開始の条件が成立したら、常に、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出を順に実行したが、実行しない場合があってもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、当り指定コマンドを受信したときに第1ステップ演出を開始するか否かを乱数等を用いた抽選によって決定し、開始することに決定された場合に、第1ステップ演出を開始するようにしてもよい。
図53は、図50に示された告知用キャラクタ選択テーブルの他の例を示す説明図である。図53に示す例では、告知用キャラクタ選択テーブルにおいて、第1ステップ演出を実行しない(「演出しない」)ことに対する判定値も割り当てられている。なお、図53には、普通図柄当り指定(パターンA)コマンドを受信している場合に使用されるテーブルのみが示されているが、普通図柄当り指定(パターンB)コマンドを受信している場合に使用されるテーブルおよび普通図柄当り指定(パターンC)コマンドを受信している場合に使用されるテーブルにも、第1ステップ演出を実行しないことに対する判定値も割り当てられている。
図53に示す告知用キャラクタ選択テーブルを用いる場合には、演出制御用CPU101は、図48に示された告知処理におけるステップS884の抽選処理において「演出しない」に決定した場合には、ステップS885〜S887の処理を実行しない。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄の表示結果をはずれにすることに決定した場合にもコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドを受信したときに第1ステップ演出を開始するか否かを乱数等を用いた抽選によって決定し、開始することに決定された場合に、第1ステップ演出を開始するようにしてもよい。ただし、抽選によって第1ステップ演出を開始するか否か決定するように構成する場合には、当り指定コマンドを受信したときには、普通図柄の表示結果をはずれにすることに決定したことを示すコマンドを受信した場合に比べて、高い割合で、第1ステップ演出を開始することに決定する。
図54は、遊技球のゲート通過、普通図柄の変動、可変入賞球装置15の開閉状態および飾り図柄の変動等の関係の一例を示す説明図である。
図54に示すように、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて、普通図柄の変動が実行されるが、そのときに、演出制御装置9において、第1ステップ演出としての当り告知演出が実行される。また、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合には可変入賞球装置15が1回または複数回開放状態に制御されるが(図54には、1回開放される例が示されている。)、可変入賞球装置15に形成されている第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、演出制御装置9において、第2ステップ演出としての入賞告知演出が実行される。入賞告知演出は、可変入賞球装置15に設けられている第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづく特別図柄(第2特別図柄)および飾り図柄の変動(可変表示)が開始されるまで継続して実行される。なお、可変入賞球装置15が開放しているときに全く遊技球が第2始動入賞口14に入賞しなかった場合には、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、第2始動口未入賞指定コマンドを演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2始動口未入賞指定コマンドを受信した場合には、入賞告知演出を実行しない。
また、図54には、普通図柄の変動開始時に当り告知演出が実行される例が示されているが、当り告知演出を、普通図柄の変動開始の時点から可変入賞球装置15の開放時までの期間における任意の時期に実行するようにしてもよい。
そして、図54には、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづく飾り図柄の変動が、スーパーリーチβの変動パターン種別に属する変動パターンによって実行されることが示されている。なお、入賞告知演出に続いて実行される飾り図柄の変動中の演出は、第2ステップ演出に続いて実行される第3ステップ演出に相当する。
この実施の形態では、スーパーリーチβの変動パターン種別に属する変動パターンは、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動において使用され、第1始動入賞口13への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動では使用されない(図10〜図12参照)。
また、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動において、ノーマルBの変動パターン種別に属する変動パターンが使用されることもあるが、ノーマルBの変動パターン種別に属する変動パターンは、第1始動入賞口13への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動では使用されない(図10〜図12参照)。すなわち、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづく識別情報の可変表示の態様は、第1始動入賞口13への遊技球の入賞にもとづく識別情報の可変表示の態様と異なっている。
図55は、当り告知演出、入賞告知演出、および入賞告知演出が実行された後の飾り図柄の変動中の演出の一例を示す説明図である。図55(A)に示す例では、第1ステップ演出としての当り告知演出として、演出表示装置9に、キャラクタ画像9bが表示される。なお、図55(A)には、飾り図柄の変動中に当り告知演出が実行される例が示されているが、当り告知演出の契機になる遊技球のゲート32の通過は飾り図柄の変動に関係なく発生するので、飾り図柄が変動していないときに当り告知演出が実行されることもある。
また、図55(B)に示す例では、第2ステップ演出としての入賞告知演出において、演出表示装置9の画面に、キャラクタ画像9bが飛び出るような表示がなされる。
なお、図55(B)には、飾り図柄の変動中に入賞告知演出が実行される例が示されているが、入賞告知演出の契機になる第2始動入賞口14への遊技球の入賞は飾り図柄の変動に関係なく発生するので、飾り図柄が変動していないときに入賞告知演出が実行されることもある。
図55(C)には、図55(B)に例示された入賞告知演出の後に継続して実行される演出(第3ステップ演出が開始されるまで継続して実行される第2ステップ演出に相当)が示されている。図55(C)に示す例では、第3ステップ演出としての入賞告知演出が実行された後の飾り図柄の変動中の演出において、演出表示装置9の画面に、キャラクタ画像9bが移動するような表示がなされる。
なお、当り告知演出の実行時に、スピーカ27L,27Rから、当りを報知するような音声出力も併せて行われることが好ましい。また、入賞告知演出の開始時に、スピーカ27L,27Rから、入賞を報知するような音声出力も併せて行われることが好ましい。
また、この実施の形態では、第3ステップ演出が開始されるまで継続して実行される第2ステップ演出は、第2ステップ演出と同じ演出であるが(図57および図58参照)、第3ステップ演出が第2ステップ演出を発展させた演出であれば、第2ステップ演出とは異なる態様の演出であってもよい。
図56は、入賞告知演出の種類の例を示す説明図である。図56(A)〜(D)に示す例では、4種類のキャラクタ画像9a,9b,9c,9dのいずれかが、入賞告知演出において用いられる。なお、図56(B)に示されたキャラクタ画像9bが、図55に例示されたキャラクタ画像9bである。また、キャラクタ画像9a,9b,9c,9dは。図50に示されたキャラクタA,キャラクタB,キャラクタC,キャラクタDに対応する。また、入賞告知演出において用いられるキャラクタ画像は、当り告知演出において用いられるキャラクタ画像と同じものである。
図57および図58は、当り告知演出および入賞告知演出と、スーパーリーチβの変動パターン種別に属する変動パターンによる飾り図柄の変動例を示す説明図である。図57および図58に示す例では、飾り図柄の変動が開始された後(図57(A)参照)、遊技球がゲート32を通過したことを条件に当り告知演出が実行されることが示されている(図57(B)参照)。なお、当り告知演出は、遊技球がゲート32を通過した後に行われる当りとするか否かの抽選の結果が当りであったことを条件に開始される。
また、普通図柄表示器10の当り図柄が導出表示された後、可変入賞球装置15における第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合に、入賞告知演出が実行されることが示されている(図57(C),(D)参照)。
そして、図57(E),(F)に示すように、入賞告知演出が開始された後の飾り図柄の変動中の演出では、演出表示装置9における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄の変動が実行されているときに、キャラクタ画像9bが移動するような表示演出がなされる。
図57(G),(H)および図58(I)〜(K)には、第3ステップ演出としての入賞告知演出が実行された後の飾り図柄の変動中の演出が示されている。入賞告知演出が実行された後の飾り図柄の変動中の演出では、演出表示装置9における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて飾り図柄の変動が実行されているときに、キャラクタ画像9bが移動するような表示演出がなされ(図57(G),(H)参照)、飾り図柄の表示結果(停止図柄)が大当り図柄になる場合には、箱の画像9fが開いて中に大当りを想起させるような物が存在する表示演出がなされる(図58(I),(J)参照)。飾り図柄の表示結果(停止図柄)がはずれ図柄になる場合には、箱の画像9fが開いて中にはずれを想起させるような物が存在する表示演出がなされる(図58(I),(K)参照)。
また、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動においてのみ使用されるノーマルBの変動パターン種別に属する変動パターンによって飾り図柄の変動が行われるときにも、図57に示されたような、キャラクタ画像9bを用いた表示演出が実行される。
また、第2ステップ演出に相当する入賞告知演出でキャラクタ画像9bが用いられた場合には、飾り図柄の変動中にキャラクタ画像9bを用いた表示演出が実行される。入賞告知演出でキャラクタ画像9a(図56(A)参照)が用いられた場合には、飾り図柄の変動中でもキャラクタ画像9aを用いた表示演出が実行される。入賞告知演出でキャラクタ画像9c(図56(C)参照)が用いられた場合には、飾り図柄の変動中でもキャラクタ画像9cを用いた表示演出が実行される。入賞告知演出でキャラクタ画像9d(図56(D)参照)が用いられた場合には、飾り図柄の変動中でもキャラクタ画像9dを用いた表示演出が実行される。
なお、図57(B)に例示された当り告知演出は、上述したように、図48および図49に示された告知処理で実行される(ステップS884〜S886参照)。また、図57(D)〜(F)に例示された入賞告知演出は、図48および図49に示された告知処理で実行される(ステップS894〜S898,S901〜S905参照)。また、図57(G),(H)および図58(I)〜(K)に例示された演出は、飾り図柄変動開始処理および飾り図柄変動中処理で実行される(ステップS822〜S824,S840A,S841〜S845参照)。
図54に示すように、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出は、段階的に実行される。また、第2ステップ演出に続いて実行される第3ステップ演出では、第2ステップ演出で用いられたキャラクタ画像と同じキャラクタ画像が用いられる。よって、遊技者に、可変入賞球装置15への遊技球の入賞にもとづく第2ステップ演出と、特別図柄の可変表示中に演出表示装置9で実行される第3ステップ演出とが関連しているかのように感じさせることができる。
また、この実施の形態では、第2ステップ演出において、第1ステップ演出で用いられるキャラクタ画像と同じ画像が用いられる。すなわち、第1ステップ演出において選択された画像の種類に応じて、第2ステップ演出で用いる画像の種類が決定される。よって、遊技者に、普通図柄の変動も、特別図柄の可変表示中に演出表示装置9で実行される第3ステップ演出とが関連しているかのように感じさせることができる。
なお、上記の実施の形態では、普通図柄の変動開始時に第1ステップ演出に相当する当り告知演出が実行されたが、当り告知演出を、普通図柄の変動開始の時点から可変入賞球装置15の開放時までの期間における任意の時期に実行するようにしてもよい。また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときに第2ステップ演出に相当する入賞告知演出を開始するようにしたが、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときから次に飾り図柄の変動が開始されるときまでの任意の時期に入賞告知演出を開始するようにしてもよい。また、飾り図柄の変動開始時から第3ステップ演出を開始するようにしたが、飾り図柄の変動中の任意の時期に第3ステップ演出を開始するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動において使用され、第1始動入賞口13への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動では使用されない第3ステップ演出として、スーパーリーチβ(第3ステップ演出時にしか出現しない特殊リーチ)の変動パターン種別に属する変動パターンおよびノーマルBの変動パターン種別に属する変動パターンによる変動時の演出を例にしたが、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動において使用されるが第1始動入賞口13への遊技球の入賞にもとづいて実行される飾り図柄の変動では使用されない第3ステップ演出として、他の演出を用いてもよい。例えば、「滑り」や「擬似連」等の特殊演出の変動パターンを用いてもよい。「滑り」は、左中右の図柄表示エリア9L、9C、9Rのうち例えば2つの図柄表示エリアで飾り図柄を仮停止表示させた後、図柄が滑るように変動して表示図柄が変化する変動パターンである。「擬似連」は、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。
また、第3ステップ演出として、特殊リーチと特殊演出とを組み合わせてもよい。また、第3ステップ演出時にしか出現しないキャラクタ画像、音、LED等の発光体の点滅パターン等を用いてもよく、それらと、特殊リーチや特殊演出を組み合わせてもよい。
さらに、第3ステップ演出が開始された後、飾り図柄の変動中に、第4ステップ演出→第5ステップ演出→第6ステップ演出のように、徐々に発展(例えば、各ステップの演出における遊技者に与えられる印象は共通するが主表示画像(例えば、キャラクタ画像や背景画像)の態様や種類が変化していく。)していくような演出(いわゆるステップアップ予告演出)を行ってもよい。ステップアップ予告演出とは、一の始動入賞に対して実行される図柄の可変表示(変動表示)中に実行される予告演出の一種であり、特に予告演出の態様(表示、音、ランプ(LEDを含む)、可動物等による)が複数段階に変化するような予告演出のことである。一般には、変化する回数(ステップ数)が多いほど、大当りの信頼度が高くなる。また、予告の対象になるのは、例えば大当りであるが、確変大当り、リーチ、特定の態様のリーチ、確変大当りへの昇格等を予告する演出であってもよい。さらに、ステップ数によって予告の対象が変化するようにしてもよい。例えば、第4ステップ演出まで進むと「リーチ確定」、第5ステップ演出まで進むと「スーパーリーチ確定」、第6ステップ演出まで進むと「大当り確定」となるようなものでもよい。なお、上記の実施の形態に適用する場合には、第4ステップ演出、第5ステップ演出および第6ステップ演出で使用されるキャラクタ画像は、第3ステップ演出で使用されるキャラクタ画像と同じであることが好ましい。
また、第3ステップ演出は、遊技機に設けられている演出表示装置9等の演出装置を用いた演出に限られない。例えば、演出表示装置9に、特定のWebサイトと接続するためのQRコード(登録商標)などの二次元バーコードを表示するようにしてもよい。その場合、遊技者は、携帯電話機などを介してWebサイトに接続し、Webサイトから第3ステップ演出に相当する報知を受けることができ、演出表示装置9等における演出から受ける興趣以外の遊技の興趣を得ることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて開始される特別図柄の変動の表示結果が大当り図柄になるか否かを判定し、判定結果を特定可能なコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞にもとづいて開始される特別図柄の変動の表示結果が大当り図柄になることを示すコマンドを受信した場合には、実際に特別図柄の変動に同期した飾り図柄の変動が開始される前に、大当りになることを予告的に報知する演出を行う。そのような制御を行うことによって、予告的な報知も連動させた第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出を行うことができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、上記の実施の形態では、演出開始の条件が成立したら、常に、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出を順に実行したが、演出開始の条件とは別の他の条件が成立している場合にのみ、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出が実行可能であるようにしてもよい。例えば、可変表示の実行条件が成立しにくい遊技状態である低ベース状態において、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出が実行可能であるようにしてもよい。また、可変入賞球装置15の1回の開放状態において複数個の遊技球が第2始動入賞口14に入した場合に、最初に入賞した遊技球についてのみ、第2ステップ演出および第3ステップ演出を実行するようにしてもよい。また、演出表示装置9において、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出以外の演出(例えば、飾り図柄の可変表示)が実行されているときや、実行されることに決定されている場合には、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出を実行しないようにしてもよい。また、演出表示装置9において、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出以外の演出が実行されているときや、実行されることに決定されている場合には、第1ステップ演出、第2ステップ演出または第3ステップ演出を開始するが、任意の時期に中止するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出は、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9において実行されたが、遊技機に設けられている他の演出装置を用いて第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出を実行するようにしてもよい。
図59は、第1〜第3ステップ演出の変形例を説明するための説明図である。図59には、遊技領域における演出表示装置9が設けられている構造物が示されている。図59に示す構造物には、演出装置としての小型の液晶表示装置17が設けられている。そして、液晶表示装置17の表示画面において、図55、図57および図58に例示された第1ステップ演出、第2ステップ演出および第3ステップ演出が実行される。
なお、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。