JP2012149673A - ピストンリング本体製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のピストンリング本体を連続加工でき、ピストンリング本体がシリンダボアに対する高い追随性を有するピストンリング本体製造方法の提供。
【解決手段】素材2に対して引き抜きによる塑性加工工程(塑性加工装置8)、スリット形成工程(スリット形成装置12)、通油孔形成工程(通油孔形成装置14)、曲げ加工工程(巻き取りロール6)、切断加工工程を連続して実行するのでピストンリング本体の生産性が高い。スリット形成工程により形成されるスリット形状は台形であるので曲げ加工工程で各種の曲率を適用してもスリットの開口部が閉じない。このため曲げ加工工程での曲率の自由度が高く、径の異なる各種のシリンダボアに適合しやすい。特にスリットの形状は曲げ加工工程後に両内面が略平行となるので、適度でかつ十分な密度のスリットをピストンリング本体の内周側に形成する設計が可能となる。このためシリンダボアに対する追随性が高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、エキスパンダを内周側に組み合わせることにより内燃機関用ピストンリングを構成するピストンリング本体の製造方法に関する。
上記ピストンリング本体の製造方法が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
特許文献1では、内燃機関のシリンダボアへの摩擦損失を増やさずに追随性を高くするために、エキスパンダが配置されるオイルリング本体の内周面にスリット状にチャネルを形成している。
特許文献2では、オイルリング本体の装着性の向上のために、弱め線を形成して装着後に破壊させてエキスパンダと共に3ピースのオイルリングとするものである。
特許第4203412号公報(第8頁、図1) 特開2003−269610号公報(第4頁、図1〜5)
特許文献1では、成形は粉末冶金であり、その後にスリット加工を実行している。このことから複数のオイルリング本体の連続加工は不可能であり、生産性が低下する。特に熱管理、材料管理が煩雑で、更に成形したリングの内側からスリット加工を行う必要があるため生産性の低下が著しい。
特許文献2では、引き抜き加工の例を示しているが、スリット状チャネルは引き抜き加工では形成できない。このためオイルリング本体にスリットを形成した例は記載されていない。このようなオイルリング本体において、シリンダボアに対する追随性を改善するためには、リング状に形成されたオイルリング本体を内側から加工してスリットを形成する必要がある。このように特許文献2のオイルリング本体についても、シリンダボアに対して追随性の良好な形状にしようとすると、複数のオイルリング本体の連続加工は不可能となり、生産性が低下する。
本発明は、エキスパンダを内周側に組み合わせるピストンリング本体を複数連続加工できると共に、製造されたピストンリング本体がシリンダボアに対する高い追随性を有するものとなるピストンリング本体製造方法を提供することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載のピストンリング本体製造方法は、エキスパンダを内周側に組み合わせることにより内燃機関用ピストンリングを構成するピストンリング本体の製造方法であって、素材の塑性加工により、上下レールを柱部で連結した断面略I字形の直線状をなす線材を成形する塑性加工工程と、前記塑性加工工程により成形された直線状の線材に対して前記柱部の一面側に突出する前記上下レールの縁部に複数のスリットを形成するスリット形成工程と、前記スリット形成工程によりスリットが形成された直線状の線材を、前記スリットが形成された前記上下レールの縁部を内周側にして円周状に曲げ加工する曲げ加工工程とを実行するとともに、前記スリット形成工程は、前記スリットの開口部を、前記曲げ加工工程にて曲げ加工される曲率では閉じない幅に形成していることを特徴とする。
塑性加工工程では塑性加工により、上述のごとくの断面略I字形の直線状をなす線材を成形している。このような直線状の線材を成形することは塑性加工であれば極めて容易であり、素材から複数ピストンリング本体に相当する直線状の線材を連続して加工することができる。
そしてスリット形成工程ではこの直線状の線材に対して柱部の一面側に突出する上下レールの縁部に複数のスリットを形成する。このような縁部へのスリット形成は、直線状の線材に対する加工であることから、スペース的な制約を受けずに、各種切削装置などにより容易に加工でき、複数ピストンリング本体に相当する線材に対して連続してスリットを形成できる。
したがって複数ピストンリング本体に相当する線材を塑性加工工程からスリット形成工程へと連続して加工処理することができる。
そして曲げ加工工程ではスリットが形成された上下レールの縁部を内周側にして円周状に曲げ加工している。直線状の線材を円周状にする曲げ加工であるので、複数のピストンリング本体に対する加工は連続的にできる。
したがって複数ピストンリング本体に相当する素材を塑性加工工程、スリット形成工程、及び曲げ加工工程へと連続して加工処理することができる。
このように複数のピストンリング本体が連続加工できるので、以後は、個々のピストンリング本体に切り離す工程を加えることにより、容易にピストンリング本体を複数連続生産することができる。
そしてスリット形成工程では、スリットの開口部を、曲げ加工工程にて曲げ加工される曲率では閉じない幅に形成している。このため曲げ加工後の線材においてスリットの開口部が閉じていないので、スリットによる線材の低剛性効果が維持される。更に内周側ではスリット間に存在する上下レールの縁部によりエキスパンダを十分に保持できる。
このように本発明のピストンリング本体の製造方法は、エキスパンダを内周側に組み合わせるピストンリング本体を複数連続加工できると共に、製造されたピストンリング本体がシリンダボアに対する高い追随性を有するものとなる。
請求項2に記載のピストンリング本体製造方法では、請求項1に記載のピストンリング本体製造方法において、前記塑性加工工程によりなされる塑性加工は、引き抜き加工であることを特徴とする。
引き抜き加工を採用することにより、素材を連続加工して容易に複数のピストンリング本体分の直線状線材を生産できる。
請求項3に記載のピストンリング本体製造方法では、請求項1又は2に記載のピストンリング本体製造方法において、前記スリット形成工程は、前記上下レールの縁部に形成するスリットの断面を台形とすると共に、この台形の短い方の底は前記柱部側に形成することを特徴とする。
このような台形断面状態に形成されたスリットを内周側にして曲げ加工することから、曲げ加工工程で各種の曲率を適用してもスリットの開口部が閉じないようにできる。すなわちスリットの開口部の幅が0にならないようにできる。このことから曲げ加工による曲率の自由度が高くでき、径の異なる各種のシリンダボアに適合しやすくなる。
請求項4に記載のピストンリング本体製造方法では、請求項3に記載のピストンリング本体製造方法において、前記スリット形成工程は、前記スリットを、前記曲げ加工工程での曲げ加工により前記台形の斜辺が略平行になる形に形成することを特徴とする。
スリット形成工程では曲げ加工工程後にスリット断面の台形における斜辺が略平行となるように、スリット形状を形成しているので、個々のピストンリング本体のスリットの開口部は閉じることなく、かつ幅が広すぎない適切な幅に設定できる。このことから、ピストンリング本体の径の大きさに対応して高い追随性を生じさせることができる、適度でかつ十分な密度のスリットを、ピストンリング本体の内周側に形成する設計が可能となる。
請求項5に記載のピストンリング本体製造方法では、請求項1〜4のいずれか一項に記載のピストンリング本体製造方法において、前記曲げ加工工程により曲げ加工された前記線材を、合口が存在するリング状に切断する切断加工工程を実行することを特徴とする。
このような切断加工工程にて、連続加工した複数のピストンリング本体を、個々のピストンリング本体に切り離して複数のピストンリング本体を一度に生産できる。
このように連続生産されたピストンリング本体は、請求項1で述べたごとく、スリットを形成している上下レールの縁部でエキスパンダを十分に保持できると共に、シリンダボアに対する追随性が高いものとなる。
実施の形態1のピストンリング本体製造方法の工程図。 (a)〜(d)実施の形態1の各工程での線材形状の変化を示す説明図。 実施の形態1のスリット形成装置によるスリット形成説明図。 実施の形態1の曲げ加工工程でコイル状に巻き取られたコイル状線材の形状説明図。 (a),(b)実施の形態1において直線状線材からコイル状線材への形状変化説明図。 実施の形態1で製造されたピストンリング本体を示す斜視図。 実施の形態1で製造されたピストンリング本体の内周側にコイルエキスパンダ(破線)を配置した状態の説明図。 (a),(b)実施の形態2のピストンリング本体製造方法により成形されたスリット形成工程後の直線状線材と切断加工工程後のピストンリング本体との形状を示す平面図。 (a),(b)他の実施の形態のピストンリング本体製造方法によるスリット形状の説明図。
[実施の形態1]
〈構成〉図1は上述した発明が適用されたピストンリング本体製造方法の工程を示している。本実施の形態では、内燃機関用ピストンリングである2ピースオイルリングとして、コイル状のエキスパンダと共に組み合わせて用いるピストンリング本体を製造する工程である。尚、図1の(a)〜(d)は図2の(a)〜(d)に対応している。
ここで、素材(ここでは鋼製線状素材)2は送り出しロール4から送り出され、最終的に巻き取りロール6にてコイル状に曲げ加工されると共に巻き取られる。素材2の移動速度は送り出しロール4と巻き取りロール6とにより調節されている。
送り出しロール4から送り出された素材2の断面形状は図2の(a)に示すごとく円形である。尚、円形でなくても他の形状、例えば矩形などであっても良い。
そしてまず素材2に対して、塑性加工工程として、塑性加工装置8により、図2の(b)に示すごとくの断面略I字形の直線状線材10とする加工が行われる。直線状線材10は上下レール10a,10bを柱部10cで連結した形状とされており、このことにより断面略I字形をなしている。
本実施の形態において、塑性加工装置8は引き抜き加工装置であり、引き抜きにより素材2を孔ダイスに通過させることにより断面略I字形の直線状線材10を連続的に成形加工する。
この断面略I字形の直線状線材10は次にスリット形成工程としてスリット形成装置12により加工される。スリット形成装置12は、図2の(c)に示すごとく柱部10cの一面側に突出する上下レール10a,10bの縁部10d,10eに複数のスリット11を形成する。このことにより上下レール10a,10bの一面側の縁部10d,10eは不連続となる。
スリット形成装置12は、図3に示したごとく複数枚の円盤鋸12aを回転させることにより台形状のスリット11を直線状線材10に形成するものである。各円盤鋸12aは先端部が断面台形の鋸歯を形成している。このため、上下レール10a,10bの縁部10d,10eには、断面が台形状のスリット11が形成される。
この台形は、柱部10c側を短い方の底11dとしている。したがって直線状線材10においては、スリット11の開口部11aは長い方の底に相当する。更に、台形は等脚台形であるので、台形の底11dに対する両内面11b,11c(台形の斜辺に相当)の角度は同一である。この台形の底11dに対する両内面11b,11cの角度は、後述する曲げ加工工程により円周状に直線状線材10が曲げられた場合に、その曲率に対応して両内面11b,11cが略平行となるように設定されている。
尚、スリット形成装置12は、送り出しロール4によって素材2が送り出されることにより生じる直線状線材10の所定送り出し量、ここでは円盤鋸12aの数に対応する送り出し量毎に、円盤鋸12aの数に対応した数のスリット11を一度に形成する。そしてスリット11を形成した後は、直線状線材10から離れ、再度、次の所定送り出し量に対して複数のスリット11を形成する。この処理を繰り返すことで直線状線材10に対して連続的にスリット11を形成する。
次に通油孔形成工程として通油孔形成装置14により図2の(d)に示すごとく直線状線材10の柱部10cに通油孔10gを形成する。
通油孔形成装置14は、プレス機であり、パンチ14aにより同時に複数の通油孔10gを柱部10cに形成する。パンチ14aの数及び配置幅は、前記所定送り出し量に対応しており、スリット形成装置12と同様に、所定送り出し量毎にパンチ14aにより通油孔10gを形成する。このことにより連続的に通油孔10gを形成する。
次に曲げ加工工程として、巻き取りロール6により、スリット11が形成されている縁部10d,10eを内側にして、直線状線材10を図4に示すごとくコイル状に巻き取り、コイル状線材16とする。
このことにより、図5の(a)に示す直線状線材10が、図5の(b)に示すコイル状線材16のごとく湾曲させられて円周状となる。
この曲げ加工では、スリット11の開口部11aが閉じない曲率(すなわち開口部11aの幅が0とならない曲率)で円周状に曲げ加工してコイル状線材16を形成している。特に本実施の形態では、曲げ加工後の形状として図5の(b)に示すごとく、スリット11の両内面11b,11cが略平行となるように、スリット形成工程においてスリット11の台形形状を設定している。
そして切断加工工程として、このコイル状線材16を破線Cの幅で切断する。このことにより図6に示すごとく合口18aを有するピストンリング本体18を、コイル状線材16の巻き数に応じた個数を一度に得られる。
尚、この後、成形精度を確保するための型にピストンリング本体18を収納し、熱処理することにより、ピストンリング本体18を完成する。
このピストンリング本体18に対して図7に破線で示すごとくコイルエキスパンダ20を内周側に配置して2ピースオイルリングが完成する。そしてこの2ピースオイルリングを、内燃機関用ピストンのオイルリング溝に装着する。
ピストンリング本体18の内周側の縁部10d,10eにはスリット11が形成されているが、スリット11の間の縁部10d,10eは、内周側に突出しており、コイル保持爪10h,10iとしての機能を保持している。したがって、スリット11が形成されていても、コイル保持爪10h,10iによりコイルエキスパンダ20がピストンリング本体18から外れるのを防止できる。
〈作用〉次に本実施の形態の作用について説明する。塑性加工工程で成形しているのは、断面略I字形の直線状線材10である。このような直線状線材10の成形加工は塑性加工、特に引き抜き加工であることから極めて容易であると共に、素材2から複数ピストンリング本体18に相当する直線状線材10を成形する加工が連続的にできる。
そしてスリット形成工程ではこの直線状線材10に対する加工であるので、スペース的な制約を受けずに、各種切削装置などにより、ここでは回転する円盤鋸12aにより容易に加工できる。このスリット形成工程も複数ピストンリング本体18に相当する直線状線材10に対して連続して実行できる。
更に塑性加工直後の直線状線材10に対してスリット11が形成できるので、素材2を、塑性加工工程からスリット形成工程へと連続して加工処理することができる。
そして曲げ加工工程では直線状線材10を円周状に曲げ加工している。スリット11は前述したごとくの台形に形成されていることから、曲げ加工してもスリット11の両内面11b,11cは略平行であり、スリット11の開口部11aは閉じることなく、円滑に曲げ加工できる。したがって通油孔形成工程を間に挟んでいるがスリット形成工程から曲げ加工工程へと複数ピストンリング本体18に相当する直線状線材10を連続して加工処理することができる。
そして最後に切断加工工程を実行して合口18aを有するピストンリング本体18を一度に得られる。
〈効果〉(1)上述したごとく複数のピストンリング本体18に相当する素材2を塑性加工工程、スリット形成工程、及び曲げ加工工程へと連続して加工処理することができる。
本実施の形態では、同時に通油孔形成工程及び切断加工工程も連続的に実行しており、複数のピストンリング本体18に相当する素材2に対して、塑性加工工程、スリット形成工程、通油孔形成工程、曲げ加工工程、切断加工工程が連続的に実行できる。
このように複数のピストンリング本体18が連続加工でき、容易にピストンリング本体18を複数連続生産することができる。このことによりピストンリング本体18の生産性を高くすることができる。
(2)曲げ加工工程により得られたコイル状線材16は、内周側に開口部11aが閉じていないスリット11が形成されている。このことから、最終的に実現される個々のピストンリング本体18は、スリット11による低剛性効果が維持されてシリンダボアに対する追随性が高いものになると共に、コイル保持爪10h,10iでコイルエキスパンダ20を十分に保持できる。
(3)スリット形成工程により形成されたスリット11の形状は前述したごとくの台形である。したがって曲げ加工工程で各種の曲率を適用してもスリット11の開口部11aが閉じないようにできることから、曲げ加工工程での曲率の自由度が高くでき、径の異なる各種のシリンダボアに適合しやすくなる。
特にスリット11の形状は、曲げ加工工程後に両内面11b,11cが略平行となる形状とされている。このためピストンリング本体18の径の大きさに対応して、適度でかつ十分な密度のスリット11を、ピストンリング本体18の内周側に形成する設計が可能となる。このことからシリンダボアに対する高い追随性を実現できる。
(4)上述したごとく十分なスリット密度にすることで、細いスリット11にできることから、円盤鋸12aなどの切削加工時に直線状線材10に加わる応力を比較的小さくできる。このため直線状線材10に歪みが生じにくくピストンリング本体18の成形精度を高くできる。
[実施の形態2]
〈構成〉本実施の形態においてスリット形成工程後の直線状線材110を図8の(a)に、切断加工工程後のピストンリング本体118を図8の(b)に示す。
図示するごとく直線状線材110においてスリット形成装置により形成されるスリット111の幅は広くしている。
したがってピストンリング本体118においてコイル保持爪113は、周方向の3個所で均等に配置されている。このコイル保持爪113、上下レールで合計6つのコイル保持爪113によりコイルエキスパンダ120が保持される。
ただし切断加工工程では1組のコイル保持爪113の中央で切断して合口118aを形成している。このため、実際には1組のコイル保持爪113は2組の爪部113a,113bに分割している。すなわちピストンリング本体118は、合口118aの位置で対向する先端にそれぞれ1組の爪部113a,113bを有していることになる。
〈作用〉前記実施の形態1にて説明した作用が生じていると共に、更にスリット111の幅が極端に広いので、コイル保持爪113によりコイルエキスパンダ120が保持できる状態でも、ピストンリング本体118の剛性が特に低くできる。
更に合口118aを挟んで対向した爪部113a,113bが存在することにより、合口118aでのコイルエキスパンダ120の保持性は高くなる。
〈効果〉前記実施の形態1の(1)〜(3)の効果と共に、シリンダボアに対する更に高い追随性を生じる。更に爪部113a,113bの存在により、コイル保持爪113を少なくしてもコイルエキスパンダ120の保持性は十分となる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1の構成において、送り出しロール4からの素材2の送り出し量を定速に維持しても良い。この場合には素材2の送り出し速度に対応させてスリット形成装置12及び通油孔形成装置14を図1の右側に移動しながら、円盤鋸12aの数に対応する数のスリット11及び通油孔10gを形成する。
そしてスリット11及び通油孔10gを形成した後は、図1の左側に移動することで、加工開始位置に戻って、再度、複数のスリット11及び通油孔10gを移動しつつ形成する。これを繰り返すことによっても連続的にスリット11及び通油孔10gの形成が可能である。前記実施の形態2についても同様である。
・前記実施の形態1では、スリット形成工程の後に通油孔形成工程がなされたが、塑性加工装置8から出てきた直線状線材10に対して、通油孔形成工程を実行した後にスリット形成工程を実行しても良い。前記実施の形態2についても同様である。
・前記実施の形態1においてスリット形成工程により形成されるスリット11は等脚台形であったが、柱部10c側を短い方の底とする台形であれば等脚に限らない。すなわち図3に示した2つの内面11b,11c(台形の斜辺)と底11dとの角度は異なっていても良い。前記実施の形態2についても同様である。
・前記実施の形態1において、スリット11は円盤鋸12aにより形成されたが、その他の手法、例えばグラインダ加工装置、レーザ加工装置により形成しても良い。通油孔10gについても、通油孔形成装置14のパンチ14a以外の手法、例えばレーザ加工装置により形成しても良い。レーザ加工ならば、直線状線材10に対する歪みもほとんど無く、成形精度が更に高まる。前記実施の形態2についても同様である。
・前記各実施の形態においては、スリット11,111としては、スリット形成工程で台形に形成し、曲げ加工工程で台形のスリット11,111の斜辺が略平行(スリット全体として略長方形)となるようにしていた。これ以外のスリット形状としては、半円形などの形状にしても良い。
・前記各実施の形態で用いた円盤鋸は先端の断面形状が台形であったが、図9の(a)に示すごとく鋸歯の断面先端が円形の円盤鋸212aを用いても良い。この円盤鋸212aをスリット形成工程で用いることにより、直線状線材210には、柱部210c側の底211dが丸くなった略台形のスリット211が形成される。
この直線状線材210を、曲げ加工工程にて円周状に湾曲させると、図9の(b)に示すごとく両内面211b,211cが略平行となり、スリット211は略長方形となる。
尚、スリット形成工程で、スリット211の開口部211aが図9の(a)よりも幅広くなる円盤鋸212aを用いることで、曲げ加工工程にて円周状に湾曲させた場合にもスリット211を略台形状に維持しても良い。前記各実施の形態においても同様である。
2…素材、4…送り出しロール、6…巻き取りロール、8…塑性加工装置、10…断面略I字形の直線状線材、10a,10b…上下レール、10c…柱部、10d,10e…内周側の縁部、10g…通油孔、10h,10i…コイル保持爪、11…スリット、11a…開口部、11b,11c…内面、11d…台形の底、12…スリット形成装置、12a…円盤鋸、14…通油孔形成装置、14a…パンチ、16…コイル状線材、18…ピストンリング本体、18a…合口、20…コイルエキスパンダ、110…直線状線材、111…スリット、113…コイル保持爪、113a,113b…爪部、118…ピストンリング本体、118a…合口、120…コイルエキスパンダ、210…直線状線材、210c…柱部、211…スリット、211a…開口部、211b,211c…内面、211d…底、212a…円盤鋸。

Claims (5)

  1. エキスパンダを内周側に組み合わせることにより内燃機関用ピストンリングを構成するピストンリング本体の製造方法であって、
    素材の塑性加工により、上下レールを柱部で連結した断面略I字形の直線状をなす線材を成形する塑性加工工程と、
    前記塑性加工工程により成形された直線状の線材に対して前記柱部の一面側に突出する前記上下レールの縁部に複数のスリットを形成するスリット形成工程と、
    前記スリット形成工程によりスリットが形成された直線状の線材を、前記スリットが形成された前記上下レールの縁部を内周側にして円周状に曲げ加工する曲げ加工工程と、
    を実行するとともに、
    前記スリット形成工程は、前記スリットの開口部を、前記曲げ加工工程にて曲げ加工される曲率では閉じない幅に形成していることを特徴とするピストンリング本体製造方法。
  2. 請求項1に記載のピストンリング本体製造方法において、前記塑性加工工程によりなされる塑性加工は、引き抜き加工であることを特徴とするピストンリング本体製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のピストンリング本体製造方法において、前記スリット形成工程は、前記上下レールの縁部に形成するスリットの断面を台形とすると共に、この台形の短い方の底は前記柱部側に形成することを特徴とするピストンリング本体製造方法。
  4. 請求項3に記載のピストンリング本体製造方法において、前記スリット形成工程は、前記スリットを、前記曲げ加工工程での曲げ加工により前記台形の斜辺が略平行になる形に形成することを特徴とするピストンリング本体製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のピストンリング本体製造方法において、前記曲げ加工工程により曲げ加工された前記線材を、合口が存在するリング状に切断する切断加工工程を実行することを特徴とするピストンリング本体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107642432A (zh) * 2016-07-21 2018-01-30 通用汽车环球科技运作有限责任公司 活塞环及制造方法

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