以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本実施の形態で用いる用語の概念として、「遊技機器」は、遊技機(パチンコ機やスロットマシン等)、カードユニット、Zカウンタ、カード発行装置、清算装置、ホール用管理装置、景品交換装置等の遊技場に設置される全ての機器を含む概念であり、「遊技用装置」は、上記、「遊技機器」から遊技機のみを排除した概念である。
まず、図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、スロットマシン(以下、S台と略称することがある)2が併設されており、そのスロットマシン2Sの所定側の側方位置に該スロットマシン2Sに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。
カードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受け付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値を持点に変換することによって、対応するスロットマシン2Sにおいて持点と引換えに賭数を設定して遊技ができるようにするための機能を有する。
ビジターカードおよび会員カードのいずれも、カード残高と遊技で獲得した持点とをカードの記録情報によって特定可能に記録する機能を備える。会員カードとビジターカードとの持点の取り扱いに関する違いは、会員カードが遊技で獲得した持点を遊技当日以降においても累積的に保存しておく貯メダル機能を利用できるカードである一方でビジターカードがその機能を利用できないカードである点にある。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
以下、特に会員カードおよびビジターカードの双方を単に“カード”とも称する。
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309などが設けられている。このカード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ327(図3参照)に受け付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受け付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードIDならびに会員IDにより特定される貯メダル数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニット315(図1では図示省略)が設けられている。
さらに、表示器312と再プレイボタン319との間に、貸出ボタン321、返却ボタン322、呼出ボタン798が設けられている。貸出ボタン321は、挿入されているカードにより特定されるプリペイド残高を引落して遊技に使用する持点を確保するための操作を行なうボタンである。返却ボタン322は、カード挿入/排出口309に挿入されているカードを返却するときに操作されるボタンである。呼出ボタン798は、遊技場の係員を呼出すときに遊技者によって操作されるボタンである。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、後述する持点数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持点が記録されているときにはその持点から所定数の持点が引落とされて遊技に利用するための持点が与えられるとともに、挿入されたカードが会員カードであり持点数が記録されておらずかつ貯メダルがホール用管理コンピュータ1等に記録されている場合には、その貯メダルから所定数の持点が引落とされて遊技に利用するための持点が与えられる。
なお、「貯メダル」とは、遊技場に預入れられた持点であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータ1やその他の管理コンピュータにより管理される。一方、「持点」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった持点数であって、未だに遊技場に預入れられていない持点のことである。なお、この持点を遊技場に設定された持点数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯メダル」と「持点」との違いは、遊技場に預入れるための貯メダル操作が行なわれて遊技場に預入れられた持点であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の持点であるかの点である。
本実施形態では、貯メダルデータは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ1等の上位サーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯メダルを検索できるように構成されている。一方、持点は、カードに直接記録している。
会員カードあるいはビジターカードでカード残高あるいは持点を特定可能に記録する方法としては、(a)カード自体にカード残高あるいは持点を記録する、(b)カード自体にはカード残高あるいは持点を記録せず、カードユニットに記録されたID等に関連付けてホール用管理コンピュータ1等のコンピュータでそのIDに対応するカード残高あるいは持点を記憶する、(c)カード自体にカード残高あるいは持点を記録するとともに、そのカードのID等に関連付けてホール用管理コンピュータ1等のコンピュータでそのIDに対応するカード残高あるいは持点を記憶する、という方法が考えられ、本実施の形態ではいずれの方法を採用してもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器344により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。そして、その紙幣額に応じた持点が遊技者に与えられる。
以下の説明においては、カードに記録されているプリペイド残高を引落として遊技に使用する持点を遊技者に与えることを“持点の貸出”と称する。
再プレイボタン319または貸出ボタン321の操作により与えられた持点、および紙幣挿入口302への紙幣の挿入により与えられた持点は、まとめてカードユニット3内にて記憶される。この持点は、表示器312に表示される。なお、持点を表示するための専用の表示器をカードユニット3に設けてもよい。カードユニット3は、スロットマシン2Sで設定された賭数分だけ記憶している持点を減算更新し、スロットマシン2Sにおいて発生した入賞相当分だけ記憶している持点を加算更新する。
スロットマシン2Sは、持点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその持点が加算更新される。このため、スロットマシン2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、スロットマシン2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
スロットマシン2Sの筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bに設けられた透視窓10から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、表示器51によって表示制御される表示領域51aが配置されている。なお、表示器51は液晶表示装置である。表示領域51aには、持点、ゲームにおいて設定された賭数、その他の各種の画像(図76あるいは図80〜図97参照)が表示される。
表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネル(図示省略)が設置されている。
また、前面扉2bには、メダル1枚分に相当する「持点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「持点=3」、ボーナスにおいては「持点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、チャンスボタン58、およびジョグダイヤル59がそれぞれ設けられている。
ジョグダイヤル59は、遊技者が回動操作することにより表示領域51aの各種表示項目(アイコン)等を選択指定するものである。遊技者がこのジョグダイヤル59を回動操作することにより表示領域51aに表示される表示画面上の各種表示項目において選択対象となるものが順次移動表示され、このジョグダイヤル59を回動操作して遊技者が選択したい表示項目を指定した上でチャンスボタン58を遊技者が押圧操作することにより、その選択された表示項目が指定されて遊技者の選択が確定されることになる。
また、前面扉2bには、エラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により付与された持点数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉2bには、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウエイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、カードユニット3を利用して確保した持点を使用して賭数を設定する。持点を使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)のうち賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓10に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち逆V字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、の4種類が入賞ラインとして定められている。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨るライン、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨るライン、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨るラインなどを含むものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓10に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L4上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた持点が遊技者に対して付与される。
また、本実施の形態におけるスロットマシン2Sにあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リール、2番目に停止するリールを第2停止リール、最後に停止するリールを第3停止リールと称し、それぞれのリールの停止操作を第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作と称する。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に引込んで停止表示させることができる。このようなリールの制御を引込み制御と称する。
次に、図2を参照して、スロットマシン2Sは、本体枠2aに対して前面扉2bがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前面扉2bにおける揺動中心とは反対側の端縁付近には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないばねによって下方向に押圧されている。一方、係合突起6a、6bに対向する本体枠2aの位置には係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の前面扉2bを本体枠2aに押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でばねの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、前面扉2bの裏面側に前面扉開放ソレノイド110(図3参照)が設けられており、この前面扉開放ソレノイド110が励磁されることによりばねの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、前面扉2bが開放される。
本体枠2aの上方部分における前面扉2bと接触する箇所に前面扉閉鎖検出器112(図3参照)が設けられており、前面扉2bが本体枠2aに押付けられてロック状態となったことが検出される。
次に、図3を参照して、カードユニット3とスロットマシン2Sとの制御回路の概略を説明する。
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたメイン制御部323が設けられている。このメイン制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
メイン制御部323には、ホール用管理コンピュータ1等と通信を行なうための外部通信部324が設けられているとともに、スロットマシン2Sの払出制御部31との通信を行なうためのCU通信制御部80が設けられている。カードユニット3にはスロットマシン2S側へ接続するためのコネクタ330が設けられており、スロットマシン2Sにはカードユニット3側へ接続するためのコネクタ220が設けられている。CU通信制御部80と払出制御部31とは、このコネクタ330、220と接続配線とを介して通信可能に接続される。
メイン制御部323のCPU805(図6参照)は、外部通信部324とホール用管理コンピュータ1との断線等の未接続エラーを検知したときに、表示制御部797にエラー表示コマンドを送信して表示器312にエラー表示を行なわせるとともに異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させる制御を実行する。
さらにメイン制御部323は、CU通信制御部80とS台通信制御部82との断線等の未接続エラーを検知したときに、表示制御部797にエラー表示コマンドを送信して表示器312にエラー表示を行なわせるとともに異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させ、かつホール用管理コンピュータ1にエラーが発生した旨の通知信号を送信する制御を実行する。
貨幣識別器344により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がメイン制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がメイン制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタ327が読取って、その読取り情報がメイン制御部323に入力されるとともに、メイン制御部323からカードリーダライタ327に対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタ327はそのデータを挿入されているカードに書込む。
メイン制御部323のCPU805は、カードリーダライタ327からの読取り情報に基づいてカードの適否を判定し、不適正なカード(偽造カード等)であると判定したときには、表示制御部797にエラー表示コマンドを送信して表示器312にエラー表示を行なわせるとともに異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させ、かつホール用管理コンピュータ1にエラーが発生した旨の通知信号を送信する制御を実行する。
メイン制御部323に対して表示制御部797が接続されており、表示器312に対し、メイン制御部323から残高あるいは持点数等の表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312が表示する。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号がメイン制御部323に入力される。遊技者が貸出ボタン321を操作することにより、その操作信号がメイン制御部323に入力される。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がメイン制御部323に入力される。遊技者が返却ボタン322を操作することによりその操作信号がメイン制御部323に入力される。
スロットマシン2Sには、スロットマシン2Sの遊技の進行制御(遊技制御)を行なう主制御基板116と、持点等に関する情報をカードユニット3へ送信する払出制御部31とが電気的に接続された状態で設けられている。さらに、スロットマシン2Sには、払出制御部31と電気的に接続された表示器用演出制御基板90と、その表示器用演出制御基板90と電気的に接続された表示器用ROM基板92とが設けられている。
カードユニット3側のメイン制御部323には、さらにCU通信制御部80が接続されており、このCU通信制御部80とスロットマシン2Sに設けられたS台通信制御部82とが、コネクタ330およびコネクタ220を介して電気的に接続されている。またS台通信制御部82と払出制御部31とは、ワンチップのLSI117で構成されている。そして、CU通信制御部80からS台通信制御部82へ、加算要求、減算要求、遊技許可/禁止要求、加算要求数、減算要求数の各種コマンドが送信され、その各種コマンドがS台通信制御部82から払出制御部31へ送信される。なお、主制御基板116とLSI117とをワンチップ化してもよい。
加算要求コマンドは、後述するように、プリペイド残高からの持点の貸出あるいは再プレイ貸出が行なわれる場合に払出制御部31へ送信され、払出制御部31は、それを受けて持点数を加算更新する。減算要求コマンドは、後述するように、持点の分割譲渡(持点共有処理)あるいはワゴンサービスが行なわれた場合に払出制御部31へ送信され、それを受けた払出制御部31は、持点数を減算更新する。
遊技許可/禁止要求コマンドは、払出制御部31に対して遊技の許可をする旨を要求するコマンドあるいは遊技の禁止を要求する旨のコマンドである。加算要求数とは、前述した加算要求コマンドにより持点数に加算する数を指定するコマンドである。減算要求数とは、前述した減算要求コマンドにより持点数から減算する数を指定するコマンドである。
主制御基板116には遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
主制御基板116は、所定範囲の乱数を発生させる乱数発生回路や、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路などを含む。主制御基板116は、この乱数発生回路から取得された乱数を用いて入賞役の内部抽選を行なう。
主制御基板116には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、スタート有効LED18、ウエイト中LED19、リプレイ中LED20、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されている。
主制御基板116は、賭数設定後のスタート操作を検出して可変表示装置(リール2L、2C、2R)を可変開始させるとともに1ゲームの結果を抽選し、ストップ操作に応じて各リールを停止させる。
ここで、スロットマシン2Sにおける主制御基板116により実行される処理について説明する。
本実施の形態のスロットマシン2Sにおいては、リール2L、2C、2Rにより構成される可変表示装置のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
なお、以下では、ビッグボーナスをBBと記載し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと記載する場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスと記載する場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
なお、スロットマシン2Sにおける“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
主制御基板116は、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作を検出することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7の操作を検出することによりリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
ただし、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数を自動設定する(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。
主制御基板116は、賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。
主制御基板116は、抽選処理の後にリール回転処理を行なう。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が1ゲーム規制時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
主制御基板116は、リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33L、33C、33Rにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。
主制御基板116は、リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、入賞ライン上に予め定めたいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理を行なう。入賞判定処理において、BB等の移行役に入賞したと判定したときには、ボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)を行なう。
主制御基板116は、入賞判定処理が終了すると、払出処理を行なう。払出処理では、付与すべき持点数を示す加算数信号をLSI117に対して出力する。また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス(BBやRB)中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行なわれる。
次に、スロットマシン2Sに搭載される主制御基板116以外の構成について説明する。
LSI117は、払出制御部31を含む。払出制御部31には、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。なお、主制御基板116に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータとLSI117のS台通信制御部82および払出制御部31とをワンチップ化してもよい。
払出制御部31は、カードユニット3とは別に遊技者の持点総数を記憶するための持点数カウンタを備える。払出制御部31は、遊技者所有の有価価値を引落として持点を確保する操作を遊技者が行なえば、カードユニット3から加算要求数信号が送信されてくるものであり、払出制御部31はその加算要求数信号を受けて持点数カウンタを加算更新する。一方、払出制御部31は、賭数が設定されると、持点数カウンタを減算更新する。
また、LSI117に対し、前面扉開放ソレノイド110と前面扉閉鎖検出器112とが電気的接続された状態で設けられている。
前面扉閉鎖検出器112により前面扉2bの閉鎖が検出されることによりその検出信号がLSI117に入力される。LSI117は、前面扉開放ソレノイド110に前面扉開放ソレノイド励磁信号を送信することにより、前面扉開放ソレノイド110を励磁して前面扉2bのロックを解除する。
表示器用演出制御基板90には、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
表示器用演出制御基板90には、表示器51と、スピーカ53,54と、チャンスボタン58と、ジョグダイヤル59とが設けられている。表示器用演出制御基板90は、CPU、RAM、VDPを含んでいる。表示器用演出制御基板90は、表示器用ROM基板92に搭載されているROMに対して、データ読込信号を入力することにより画像データを読出して表示器51へ表示データを送信し、表示器51に持点や賭数、あるいは小役に関するナビ演出等の表示画面を表示させる制御を行なう。
また、チャンスボタン58のボタン入力信号とジョグダイヤル59のダイヤル入力信号とが表示器用演出制御基板90へ入力され、表示器用演出制御基板90が、チャンスボタン入力信号とジョグダイヤル入力信号とを表示器51へ出力して、ジョグダイヤル59の操作およびチャンスボタン58の操作を反映した表示画面を表示器51に表示させる。
次に、カードユニット3とスロットマシン2Sとの間、およびスロットマシン2Sの各基板間で送受信される信号について説明する。
カードユニット3からスロットマシン2Sの払出制御部31へは、加算要求(持点+)と、減算要求(持点−)と、遊技許可要求と、遊技禁止要求と、加算要求数と、減算要求数とが、いずれも「コマンド」として送信される。
加算要求コマンドは、プリペイド残高を引き落としての持点の貸出あるいは再プレイボタン319の操作による持点の貸出が行なわれる場合に払出制御部31へ送信される。払出制御部31は、それを受けて持点数を加算更新する。減算要求コマンドは、持点の分割譲渡(持点共有処理)あるいはワゴンサービスが行なわれた場合に払出制御部31へ送信される。それを受けた払出制御部31は、持点数を減算更新する。
遊技許可/禁止要求コマンドは、払出制御部31に対して遊技の許可をする旨を要求するコマンドあるいは遊技の禁止を要求する旨のコマンドである。加算要求数とは、加算要求コマンドにより持点数に加算する持点数を指定するコマンドである。減算要求数とは、減算要求コマンドにより持点数から減算する持点数を指定するコマンドである。
一方、スロットマシン2Sの払出制御部31からカードユニット3へは、払出制御部31が格納している持点数カウンタの値を示す持点数と、入賞に応じた持点の加算数と、賭数設定に応じた持点の減算数と、各種の遊技状態等を示す外部出力情報とが送信される。
外部出力情報には、1枚BETスイッチ5あるいはMAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定された時点で送信される賭数設定情報(設定賭数を示す)、リール2L、2C、2Rの回転が開始した時点で送信されるリール始動情報、スタート操作により内部抽選が実行された時点で送信される内部当選状況情報(当選結果を示す)、第1〜第3停止操作の各々が実行された時点で送信される第1〜第3停止操作情報(停止リールの種類を示す)、表示結果が確定した時点で送信される結果情報(外れ、あるいは入賞役の種類を示す)が含まれる。
払出制御部31から主制御基板116へは、ヘルスチェックコマンドと入賞払出数受付コマンドと、BET不可信号とが送信される。ヘルスチェックコマンドは、主制御基板116が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。入賞払出数受付コマンドは、主制御基板116から送信される加算数を受付けたことを示すコマンドである。
BET不可信号は、持点数カウンタの値が賭数設定に必要な最小値未満になったことを示す信号である。主制御基板116は、このBET不可信号を受けたときに、それ以降、ゲームを新たに開始することができない遊技禁止状態にする。具体的には、賭数設定のための1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作を無効化する。
主制御基板116から払出制御部31へは、接続確認信号が返信される。接続確認信号は、主制御基板116と払出制御部31とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板116から払出制御部31へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御部31がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御部31が動作制御するように構成されている。
また、主制御基板116から払出制御部31へは、入賞検出時には「加算数+」の信号が送信される一方、リールの回転がスタートしたことが検出された時には「減算数+」の信号が送信される。「加算数+」は、入賞に応じて加算すべき持点数を示し、「減算数+」は賭数設定に応じて減算すべき持点数を示す。払出制御部31は、「加算数+」の信号に応じて、持点数カウンタの値を加算するとともに、カードユニット3へ送信するための「加算数」を加算する。また、払出制御部31は、「減算数+」の信号に応じて、持点数カウンタの値を減算するとともに、カードユニット3へ送信するための「減算数」を加算する。
さらに、主制御基板116から払出制御部31へは、既に説明した賭数設定やリール始動などを示す各種の外部出力情報が送信される。払出制御部31は、この外部出力情報を受信したタイミングで各外部出力情報をカードユニット3へ送信する。なお、これらの外部出力情報については、直接、主制御基板116からカードユニット3へ送信するように構成してもよい。
払出制御部31から表示器用演出制御基板90へは、表示器制御コマンドが送信される。この表示器制御コマンドは、遊技機情報コマンドとカードユニット(CU)操作コマンドとテストコマンドと演出コマンドとを含んでいる。遊技機情報コマンドは、BBやRT等のスロットマシンの遊技状態を示すコマンドであり、カードユニット操作コマンドは、カードユニット3を遊技者が操作したことに応じて送信されるコマンドである。テストコマンドは、表示器用演出制御基板90の演出表示動作をテストするためのコマンドである。演出コマンドは、遊技状態に応じた各種の演出画面への切換えを指示するためのコマンドである。
払出制御部31から表示器用演出制御基板90へは、300ms毎にコマンドが送信される。表示器用演出制御基板90は、コマンドの受信後300msを超える一定時間経過したにも拘らず次のコマンドを受信しない場合に回線断を検知し、タイムオーバ検知処理(エラー処理)を行なう。具体的には、前回のコマンドの受信から300msを超えたにも拘らず次のコマンドが送信されてこない場合にはエラーカウントを+1し、そのエラーカウントが連続10回カウントしたときに、表示器用演出制御基板90はタイムオーバを検知して通信状態を初期化し、表示器51にエラーアニメーションを表示させる制御を行なう。
次に図4を参照して、CU側とS台側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、CU側においてS台側の持点数の変動を算出して現在の持点数を管理している。S台側においても現在の持点数の算出・記憶を行なっている。ただし、S台側において、その持点数は、持点数が賭数設定に最低限必要な数未満(たとえば、0)となったときに極力早い段階で新たにゲームを開始できないようにするためだけに用いられる副次的なものである。本実施の形態においては、持点数の主たる管理をCU側において行なっているために、S台側に持点数の厳重に管理するための機能を設ける必要がなく、その分S台のコストを極力抑えることができる。
特に、CUに比べてS台は遊技場における入替えサイクルが短く早期に入替えが行なわれる。その関係上、S台側における持点数に関する主管理機能をCU側に持たせてS台側のコストを抑えることにより、S台を導入する遊技場のランニングコストを軽減することができるという利点がある。
図4では、CU側のメイン制御部323に設けられているRAMの記憶データと、S台側のLSI117に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、S台(スロットマシン2S)とCU(カードユニット3)とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、S台側のLSI117は、主制御基板116からメインチップIDを送信してもらい、そのメインチップIDをCU側に送信するとともに、LSI117自身が記憶している払出チップIDをCU側へ送信する。
CU側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU側とS台側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU側からS台側へ送信され、S台側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU側で識別された接続時刻の3つの情報がCU側とS台側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、S台側からCU側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じS台が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU側とS台側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU側からS台側へ送信されてその新たな接続時刻データをS台側において記憶することとなる。
また、CU側とS台側とにおいて動作指示および動作応答の送信が行なわれる毎にCU側とS台側とにおいてシーケンスナンバー(SQN)が「1」ずつ加算更新され、そのシーケンスナンバーがCU側とS台側とにおいて記憶される。このSQNとは、CUとS台との間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、最終SQNとは、その更新される通信番号の最後に更新された番号のことである。
本実施の形態におけるCUとS台とにおけるSQNのバックアップの具体的態様を説明する。CUは、動作指示でS台へ送信したSQNをバックアップ記憶し、次にS台からのSQNを受信すると、バックアップ記憶しているSQNをその受信したSQNに書換えて記憶する。そして、次の動作指示を送信するときに、バックアップ記憶しているSQNを1加算更新してS台へ送信し、その送信済みのSQNをバックアップ記憶する。CUではこのような処理を繰返す。
S台でも同様に、動作指示でCUから受信したSQNをバックアップ記憶し、次にS台からCUへ動作応答を送信するときに、バックアップ記憶しているSQNを1加算更新して送信し、その送信済みのSQNをバックアップ記憶する。そして、次の動作応答を受信したときに、バックアップ記憶しているSQNをその受信したSQNに書換えて記憶する。S台ではこのような処理を繰返す。
そして、後述する図52、図58〜図73のように、通信途中で通信断が発生したときには、通信の再接続までの間SQNがバックアップ記憶されるのであるが、S台側では、通信断の発生時期にかかわらず常に動作応答を送信した状態となっているため(図52、図58〜図73参照)、通信の再接続までの間バックアップ記憶しているSQNは常に最後に送信したSQNとなっている。一方、CU側では、通信断の発生時期に応じて動作指示を送信した状態または動作指示を受信した状態となっているため(図52、図58〜図73参照)、通信の再接続までの間バックアップ記憶しているSQNは最後に送信したものまたは最後に受信したもののいずれかとなる。
たとえば、CU側からS台側に対して、ある動作指示を送信するとともにそのときのシーケンスナンバーnを送信し、S台側ではその送信されてきたシーケンスナンバーnを記憶する。そして、動作応答をS台側からCU側へ返信するときにその記憶しているシーケンスナンバーnに1加算したもの(n+1)も合わせて送信する。CU側では返信されてきたシーケンスナンバーn+1が既に記憶していたシーケンスナンバーnより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次に動作指示を送るときにはシーケンスナンバーを+1してn+2のシーケンスナンバーをS台側へ送る。
次に、S台側からCU側へ現在持点関連情報(カウント中の持点関連情報)を送信する。この現在持点関連情報は、RAMの現在持点関連情報記憶領域において各カウンタによって記憶されている。
RAMの現在持点関連情報記憶領域には、図4に示されるように、加算数カウンタと、減算数カウンタと、外部出力情報カウンタと、持点数カウンタとの合計4種類のカウンタが設けられている。
加算数カウンタは、入賞の発生に応じて加算すべき持点数をカウントとするためのカウンタである。S台において入賞が発生すると、主制御基板116から持点加算数を特定可能な加算数信号がLSI117へ送信される。LSI117は、加算数信号に基づいて加算数カウンタを加算更新する。
減算数カウンタは、賭数設定に応じて減算すべき持点数をカウントするためのカウンタである。賭数設定操作が検出されると、主制御基板116からLSI117へ賭数設定信号が送信される。LSI117は、賭数設定信号に基づいて減算数カウンタを加算更新する。
外部出力情報カウンタは、遊技状態に変化が生じた回数をカウントするためのカウンタである。外部出力情報カウンタとしては、1枚BETスイッチ5あるいはMAXBETスイッチ6の操作により設定された賭数をカウントするカウンタ、リール2L、2C、2Rの回転が開始したときにカウントアップするカウンタ、スタート操作により内部抽選が実行されたときの内部当選役を入賞役別にカウントするカウンタ、リールの停止操作が行なわれたときに、その操作を第1〜第3停止操作別にカウントするカウンタ、表示結果が確定した時点でカウントアップするカウンタ、遊技状態が変化した時点でその遊技状態別にカウントアップするカウンタ、およびエラーが発生した時点でそのエラー種類別にカウントアップするカウンタが含まれる。
なお、遊技状態が変化した時点でその遊技状態別にカウントアップするカウンタには、BBに対応するカウンタ、RBに対応するカウンタ、RTに対応するカウンタなどが含まれる。LSI117は、主制御基板116から送信されてくる各種の外部出力情報に基づいて対応する外部出力情報カウンタを加算更新する。
持点カウンタは、現時点での遊技者の持点(持点総数)を記憶するためのカウンタである。LSI117は、加算数カウンタを加算更新する際に持点カウンタを加算数カウンタの加算分だけ加算更新し、減算数カウンタを加算更新する際に持点カウンタを減算数カウンタの加算分だけ減算更新する。
CUからS台へは、一定時間間隔でデータの送信を要求するコマンドが送信される。S台は、そのコマンドを受信したタイミングで上記4種類のカウンタ(加算数カウンタ、減算数カウンタ、外部出力情報カウンタ、持点数カウンタ)の値をCUへ送信する。さらに、S台は、図4に示されるように、上記4種類のカウンタのうちの持点数カウンタを除く3種類のカウンタについては、データ送信毎にそのカウンタ値を「前回持点関連情報」の記憶エリアにバックアップする。
すなわち、加算数カウンタの値は「加算数」として、減算数カウンタの値は「減算数」として、外部出力情報カウンタの値は「外部出力情報」として、それぞれ「前回持点関連情報」の記憶エリアに記憶される。なお、当該記憶エリアへの記憶の際には、それ以前に記憶されていたデータは消去される。すなわち、「前回持点関連情報」の記憶エリアには、新たなデータが上書き保存(書換え)される。
「前回持点関連情報」の記憶エリアにカウンタ値がバックアップされた加算数カウンタ、減算数カウンタ、および外部出力情報カウンタは、その後に初期化(0クリア)されて、次のデータのカウントに備えられる。
その結果、加算数カウンタ、減算数カウンタ、および外部出力情報カウンタには、前回、CUに対してデータ送信して以降の各データ(持点、外部出力情報)の変化量(CUへの未送信データ)が記憶されることになる。そして、次回、CUからデータの送信要求を受けたときには、前回、データの送信要求を受けたときから、今回、データの送信要求を受けたときまでのデータの変化量がCUへ送られることになる。一方、データ送信毎に初期化されない持点カウンタには、上記のとおり、現段階での持点総数が記憶されることになる。そして、CUからデータの送信要求を受ける毎に、現段階での持点総数がCUへ送信されることになる。すなわち、S台は、データ変化量の送信を指示するコマンドを受信する毎に、当該コマンドを前回受信してから今回受信するまでの間のデータ変化量を送信する。
換言すると、前回持点関連情報(直前に送信した現在持点関連情報)の記憶エリアに、直前にCU側に送信した現在持点関連情報である、加算数、減算数、外部出力情報のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、S台側からCU側へ現在持点関連情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
CU側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、総加算数(加算累計)、総減算数(減算累計)、外部出力情報累計、持点数を記憶している。
CUは、S台側から送信されてきた加算数カウンタの値に基づいて総加算数と持点数とを更新する。また、S台側から送信されてきた減算数カウンタの値に基づいて総減算数と持点数とを更新する。さらに、S台から送信されてきた外部出力情報カウンタの値に基づいて外部出力情報累計数を更新する。なお、外部出力情報累計数は、各外部出力情報カウンタの種類別に更新される。その結果、CU側では、「賭数」、「リール始動」、「入賞役別の内部当選」、「第1〜第3停止操作」、「表示結果」、「遊技状態の変化」別に、その数(回数)が累計される。
このように、CUは、S台より逐一送信されてくる現在持点関連情報によって持点数を更新することで最新の持点数を管理をすることが可能となる。同様に、CUは、S台より逐一送信されてくる現在持点関連情報によって総加算数、総減算数、外部出力情報総数を更新することで最新のそれらの情報を管理をすることが可能となる。
なお、CUは、S台側から加算数カウンタおよび減算数カウンタの値に加えて持点数カウンタのカウント値も受信しているが、自ら記憶している持点数は加算数カウンタおよび減算数カウンタの値に基づいて更新し、S台側から送られる持点数カウンタのカウント値は利用しない。このため、仮に、S台側から送られてきた持点数とCU側で管理している持点数とが一致しない場合でも、CU側の持点数がS台側から送られてきた持点数で更新されてしまうことはない。
さらに、CUは、S台側から送信されてきた持点数カウンタの値とCU側において更新されている現在の持点数とを照合して一致するか否かの整合性の判定を行なう。
一致するとの判定(一致確認)が行なわれたことを条件として、CUはS台との間で通常の(正常時の)動作要求(コマンド)の送信および通常の(正常時の)動作応答(レスポンス)の受信を継続する。一方、一致しないとの判定が行なわれたときには、CUは、エラー状態に移行する制御を行なう。
エラー状態に移行する制御としては、たとえば、表示器312によりエラー報知を行なうこと、あるいは、ホール用管理コンピュータ1にエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信すること(この場合、ホール用管理コンピュータ1によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)、係員による人為的な対応を促す所定の報知をすること等が考えられる。
あるいは、一致しないとの判定が行なわれたときには、CUは、持点数をCU側が管理している持点数に補正指示するためのコマンドを生成の上で、S台へ送信するようにすることも考えられる。この場合、S台には、自身が記憶している持点数を補正指示コマンドに従って補正する機能を設ける。なお、補正指示コマンドとしては、CU側で管理している持点数を指定したコマンドとしても、あるいは、CU側で管理している持点数と、S台側で記憶している持点数との差を示すコマンドとしてもよい。
このように、CUは、S台側から送信されてくる各種カウンタの値を受信し、現時点における持点数を特には加減算数カウンタの値に基づいて算出して管理するという持点数の主管理機能を有している。このため、S台には主管理機能を設ける必要がない。その分、遊技機の製造コストを低減できる。なお、本実施の形態では、持点数が0になったときに即座に遊技を禁止できるようにするなどの目的のために、S台側にも持点数を記憶させている。しかしながら、S台側に持点数を記憶するための持点数カウンタを設けないようにしてもよい。
CUは、算出された現時点における持点数とS台側から送信されてきた持点数カウンタの値とを照合して一致するか否かの判定を行なう持点数一致判定処理を行なう機能と、一致しないときにエラー状態に移行する制御(不一致時エラー制御)を行なう機能とを有する。
このように、本実施の形態では、S台側にも持点数を記憶させているが、その持点数がCU側で管理記憶している持点数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で遊技機側で記憶している持点数がCU側で管理記憶している持点数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU側にその判定機能を設けたが、たとえば、CUと接続されるホール用管理コンピュータ1によって、CU側で記憶している持点数とS台側で記憶している持点数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
また、図4に示すように、CUは、貯メダルを記憶する記憶領域と、受け付けた(挿入された)プリペイドカード(遊技カード)のカード残高を記憶する記憶領域とをさらに有する。CUのメイン制御部323(図3参照)は、貯メダルの使用を要求する入力(たとえば、CUに設けられた再プレイボタン319(図3参照)の押圧入力)に応じて貯メダルを記憶する記憶領域から所定数の貯メダルを減算する。また、CUのメイン制御部323(図3参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、貸出ボタン321の押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
また、このような遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、カードに記録された持点、あるいは貯メダル数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の持点数を持点数カウンタに加算するための加算要求数がCU側からS台側へ送信される。S台側では、それを受けて、持点数カウンタを加算更新する。
一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダー等を行なう操作が実行されたときに、その遊技者所有の遊技用価値の減算要求数がCU側からS台側へ送信される。S台側では、それを受けて、持点数カウンタを減算更新する。
図5は、CU側とS台側とのそれぞれで遊技履歴データの記憶を行なう制御態様を説明するための説明図である。なお、遊技履歴データとは、遊技者がS台2Sにより遊技を行なうことにより生成される遊技状態の履歴を示すデータのことであり、たとえば、スタート回数(リールの始動回数、つまりゲーム回数)、ビッグボーナスの発生回数、RTの発生回数、前回のビッグボーナスから今回のビッグボーナスまでのスタート回数、ベースの値等である。この遊技履歴データは、当該S台での一日を通しての遊技履歴データと、当該S台において遊技者毎に集計される遊技履歴データとがある。そして、後に詳しく説明するが、前者の遊技履歴データはS台側およびCU側の両方に設けられた当S台遊技履歴データ記憶部に記憶され、後者の遊技履歴データはS台側およびCU側の両方に設けられた現遊技者遊技履歴データ記憶部またはS台側のみに設けられたバックアップ記憶部に記憶される。つまり、当該S台での一日を通しての遊技履歴データと、当該S台において遊技者毎に集計される遊技履歴データとが、CU3とS台2Sの両方において記憶されている。
図5を参照して、遊技者がS台2Sにより遊技を行なうことによりビッグボーナス等の各種遊技データが発生しその遊技データが遊技履歴データ管理部291に入力される。この遊技者がS台で遊技を行なった結果発生する通常の遊技データは、例えば払出制御部31に設けられた遊技履歴データ管理部291の通常モード処理部により集計され、その集計された遊技履歴データが表示器用演出制御基板90に設けられた表示器用演出制御部292に入力され、その遊技履歴データが当S台遊技履歴データ記憶部に累積記憶される。この当S台遊技履歴データ記憶部は、本日の遊技履歴データを含めて10日分の遊技履歴データが記憶可能である。前述したジョグダイヤル59およびチャンスボタン58を遊技者が操作して表示させたい日の遊技履歴データを選択操作することにより、その選択された日の遊技履歴データが表示器51により表示される。この表示器用演出制御部292と遊技履歴データ管理部291との間での通信は、遊技履歴データ管理部291から表示器用演出制御部292への一方向通信である。
一方、遊技履歴データ管理部291に入力された前述の遊技データは、CU3のCU通信制御部80を経由して、例えばメイン制御部323に設けられた遊技履歴データ管理部391にも送信され、遊技履歴データ管理部391の通常モード処理部によりその遊技データが集計処理される。その集計処理された遊技履歴データがデータ記憶部392の当S台遊技履歴データ記憶部に記憶される。このCU3側の当S台遊技履歴データ記憶部は、当日の遊技履歴データのみが記憶可能に構成されている。そしてタッチパネルで構成されている表示器312を遊技者がタッチ操作して当S台遊技履歴データを表示させる操作が行なわれれば、その操作信号が遊技履歴データ管理部391に入力され、遊技履歴データ管理部391の制御により、当S台遊技履歴データ記憶部に記憶されている当日の遊技履歴データが表示器312により表示される。
一方、CU3では、遊技場に設置されている他のS台2Sの遊技履歴データも表示器312により表示できるように構成されている。具体的には、遊技者が表示器312に表示されている他S台情報表示の操作ボタンアイコンをタッチ操作することにより、その操作信号が遊技履歴データ管理部391に入力され、他S台情報処理部の働きにより他S台遊技履歴データ要求通知が遊技履歴データ管理部391からホール用管理コンピュータ1へ送信される。ホール用管理コンピュータ1は、他S台2Sの遊技履歴データを他CU3を経由して受信し、その受信した他S台遊技履歴データを遊技履歴データ管理部391へ返信する。遊技履歴データ管理部391は、その返信されてきた他S台遊技履歴データを他S台情報処理部により処理してその処理された他S台遊技履歴データをデータ記憶部392の他S台遊技履歴データ記憶部に記憶させる。そしてその記憶された他S台遊技履歴データを表示器312により表示する。
さらに本実施の形態においては、S台2Sで遊技を行なった遊技者毎に遊技履歴データを集計してその遊技者毎遊技履歴データを表示器51、312により表示させることが可能である。その遊技者毎の遊技履歴データの集計を行なうには、S台2Sで遊技を行なっている遊技者を区別する必要がある。その遊技者を区別するための遊技者識別情報として、会員である遊技者が所持している会員用カードに記憶されているC−ID(カードID)を利用する。C−IDとは、カードに記憶されカード同士を識別するIDのことである。会員用カードは遊技場において会員になった遊技者に発行されるものであり会員と会員用カードとは一対一の対応関係である。そのため、会員用カードに記憶されているC−IDは、当該会員用カードを識別するだけでなく、会員遊技者をも識別可能である。よって、会員用カードに記憶されているC−IDは、遊技者を識別するための遊技者識別情報として機能する。
後に詳しく説明するが、会員である遊技者が会員カードをCU3へ挿入すれば、その挿入された会員カードに記憶されているC−IDが読取られてそのC−IDがデータ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶される。一方、読取られたC−IDはCU3からS台2Sへ送信され、S台2Sでは、その受信したC−IDを遊技履歴データ管理部291から表示器用演出制御部292に送信し、表示器用演出制御部292の現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶させる。
この状態で、遊技者がS台2Sにより遊技を行なうことにより、C−IDが現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されたときからの遊技履歴データが表示器用演出制御部292の現遊技者遊技履歴データ記憶部に累積記憶される。そして、遊技者が前述したジョグダイヤル59とチャンスボタン58とを操作して自分の遊技履歴データを表示する操作を行なえば、現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴aが表示器51により表示される。また、遊技履歴データ管理部391も、S台2Sから送信されてきた遊技データに基づいて通常モード処理部が遊技履歴データを集計し、データ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部にC−IDとしてAが記憶された段階から通常モード処理部により集計された遊技履歴データが現遊技者遊技履歴データ記憶部に累積記憶される。そして遊技者がタッチパネルからなる表示器312をタッチ操作して、自分の遊技履歴データを表示させる操作を行なえば、その操作検出信号が遊技履歴データ管理部391に入力されて遊技履歴データ管理部391がデータ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴aを表示器312に表示させる制御を行なう。
以上説明したように、当該S台での一日を通しての遊技履歴データと当該S台において遊技者毎に集計される遊技履歴データとは、S台側およびCU側の両方において、表示切換え操作により一方の遊技履歴データと他方の遊技履歴データとが切換え表示される。
S台2Sにより遊技を行なっている遊技者が挿入している会員カードを返却するべく返却ボタン322を押圧操作すればCU3から会員カードが排出される。すると、遊技履歴データ管理部391はデータ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されているC−IDと遊技履歴データとを消去する。その結果、表示器312を操作して現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴aを表示するための操作を行なったとしても、表示器312にその遊技履歴aが表示されない。
一方、会員カードがCU3から排出されるとCUからS台2Sに対してカード返却通知が送信され、そのカード返却通知を受けた遊技履歴データ管理部291は、表示器用演出制御部292にカード返却通知を送信する。それを受けた表示器用演出制御部292は、現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されているC−IDとしてのAと遊技履歴データaとをバックアップデータ記憶部に記憶させ、現遊技者遊技履歴データ記憶部のC−IDと遊技履歴データとを消去する。その結果、表示器51に遊技履歴データaを表示させる操作が行なわれたとしても表示器51には遊技履歴データaが表示されない。
返却ボタン322は通常は当該S台2Sによる遊技を終了させるときに操作されるが、遊技者が遊技を一旦中断して小用を済ませ再び遊技を行なっていたS台2Sへ戻ってきて遊技を再開する場合がある。そのような場合には、通常は後述する遊技中断操作を行なった後にカードを排出してそのカードを持参して遊技者が小用を済ませ、再度同じS台2Sに戻ってきてカードをCU3へ挿入するのであるが、そのような遊技中断の操作を行なうことなく遊技者が返却ボタン322を押圧操作してカードを抜き取りS台2Sから離席する場合がある。
そのような場合に当該S台2Sで他の遊技者が遊技を行なうことなく離席した同じ遊技者が当該S台2Sへ戻ってきて再度会員カードをCU3へ挿入した場合には、離席する前の当該遊技者の遊技履歴データを引継いでその遊技履歴データにさらに遊技再開後の遊技履歴データを加算更新して累積記憶するのが望ましい。それを実現するために、前述した表示器用演出制御部292に設けられているバックアップデータ記憶部にC−IDと遊技履歴データとをバックアップ記憶させているのである。そして、S台2Sに戻ってきた遊技者が会員カードをCU3へ挿入すれば、その会員カードのカード情報が読取られてその会員カードのC−IDを含む挿入カード情報がCU3からS台2Sへ送信される。S台2Sでは、その挿入カード情報に含まれているC−IDを遊技履歴データ管理部291が受信し、その受信したC−IDを表示器用演出制御部292へ伝送する。表示器用演出制御部292では、その伝送されてきたC−IDとバックアップデータ記憶部に記憶されているC−IDとを照合し、一致するか否かを判定する。一致する場合には離席した遊技者と同じ遊技者が再度遊技を再開したと判断し、バックアップデータ記憶部に記憶されているC−IDとしてのAと遊技履歴データとしてのaとを現遊技者遊技履歴データ記憶部に復帰させて現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶させる。そして、バックアップデータ記憶部の記憶データを削除する。バックアップデータ記憶部に記憶されていた遊技履歴データが現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されて引継がれた状態で、遊技者がS台2Sにより遊技を行なうことによりそれ以降発生した遊技履歴データが現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴データaに対して加算更新されて累積記憶される。
一方、CU3から送信されてきた挿入カード情報に含まれているC−IDとバックアップデータ記憶部に記憶されているC−IDとの比較結果両者が一致しないと判定された場合には、バックアップデータ記憶部に記憶されているC−IDとしてのAと遊技履歴データとしてのaとが消去される。
なお、変形例として、遊技履歴データ管理部291と表示器用演出制御部292との間での通信を双方向通信にした上で、次のような制御を行なってもよい。
表示器用演出制御部292によりバックアップデータ記憶部に記憶されているC−IDとCU3から送信されてきたC−IDとの比較結果、両者が一致するか否かの判定結果が表示器用演出制御部292、遊技履歴データ管理部291を経由してCU3の遊技履歴データ管理部391へ送信される。遊技履歴データ管理部391では、その送信されてきたC−ID判定結果が一致する旨の判定結果の場合には、その一致すると判定されたC−IDをデータ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶させる。またC−ID判定結果が一致するとの判定結果の場合にはそのC−ID判定結果の中に遊技履歴データaも含まれている。その遊技履歴データaを受信した遊技履歴データ管理部391はその遊技履歴データaをデータ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶させる。それ以降S台2Sにより遊技者が遊技を行なえば、当該遊技データが遊技履歴データ管理部391へ送信され、遊技履歴データ管理部391の通常モード処理部により集計されてその集計された遊技履歴データが現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴データaに加算更新されて累積記憶される。その状態で、遊技者が表示器312をタッチ操作して自分の遊技履歴データを表示させる操作を行なえば、前述と同様に現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴データが表示器312により表示される。
なお、表示器用演出制御部292のバックアップデータ記憶部は、所定時間(たとえば20分)が経過した時点で記憶しているバックアップデータを消去するように制御してもよい。
さらに本実施の形態では、試打モード(テストモード)処理機能が備えられている。この試打モードとは、遊技機メーカにおける遊技機製造時の出荷検査や遊技場における遊技機設置時の動作確認等を行なうモードである。遊技場の係員が試打モード用のテストカードをCU3へ挿入すれば、そのテストカードのカード情報が読取られ、遊技履歴データ管理部391の試打モード処理部が試打モードに移行するための処理を行なう。具体的には、試打モード通知をS台2Sへ送信し、その試打モード通知を受信した遊技履歴データ管理部291は試打モード処理部の働きにより試打モード通知を表示器用演出制御部292へ伝送する。それを受けた表示器用演出制御部292では、それ以降発生する遊技データに基づく遊技履歴データを試打遊技履歴データ記憶部に記憶する。この試打遊技履歴データ記憶部は、前述した当S台遊技履歴データ記憶部や現遊技者遊技履歴データ記憶部やバックアップデータ記憶部とは異なる記憶エリアで構成されており、この試打遊技履歴データ記憶部に試打モード中の遊技履歴データが記憶される。
そして、その試打遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴データが表示器51により表示される。
CU3においても、遊技履歴データ管理部391の試打モード処理部の働きにより、S台2Sから送信されてきた遊技データに基づいた遊技履歴データが集計されてその集計された遊技履歴データが試打モード時の遊技履歴データとして表示器312により表示される。
表示器312では、再集計ボタン等の操作ボタンアイコンも表示されており、集計表示された試打モード中の遊技履歴データを見た後、改めて試打モードによる遊技履歴データを集計表示したい場合には、再集計ボタンのアイコンをタッチ操作する。するとその操作検出信号が遊技履歴データ管理部391に入力され、遊技履歴データ管理部391から再集計通知がS台2Sの遊技履歴データ管理部291へ送信される。それを受けた遊技履歴データ管理部291は、表示器用演出制御部292に再集計指令を送信する。それを受けた表示器用演出制御部292は、試打遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴データを一旦消去した後、それ以降発生した遊技データに基づいた遊技データを改めて試打遊技履歴データ記憶部に記憶させる制御が行なわれる。そしてその改めて集計された試打遊技履歴データ記憶部の遊技データが表示器51により表示される。一方、CU3側においても、再集計ボタンのアイコンのタッチ操作の検出信号が遊技履歴データ管理部391に入力された後にS台2Sから送信されてきた遊技データに基づいて試打モード処理部が遊技履歴データを集計してその改めて集計し直された試打モード遊技履歴データが表示器312により表示される。
なお、S台は、リモコンから出力される無線信号(再集計指令信号)を受信したことに基いて、再集計指令を遊技履歴データ管理部391へ送り、遊技履歴データ管理部391から再集計通知がS台2Sの遊技履歴データ管理部291へ送信されるようにしてもよい。あるいは、S台の前面扉の開放を検出したことに基づいて、再集計指令を遊技履歴データ管理部391へ送るようにしてもよい。これらのように変形した場合には、再集計ボタンのアイコンを併せて表示していてもよく、再集計ボタンのアイコンは省略してもよい。
そして、返却ボタン322が押圧操作されてCU3に受付けられているテストカードが排出されることにより、カード返却通知が遊技履歴データ管理部391からS台2Sへ送信され、そのカード返却通知を受けた遊技履歴データ管理部291がカード返却通知を表示器用演出制御部292へ送信し、それを受けた表示器用演出制御部292が試打遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴データを消去する。
試打モード中において持点がなくなったときにはCU側から持点加算指令をS台へ送ることにより持点の加算を行なって遊技を可能としている。なお、試打モード中において持点がなくなったときには、CU側から持点加算指令をS台へ送ることなくS台側で自動的に持点の加算を行なって遊技を可能としてもよい。さらには、S台側で自動的に持点の加算を行なうのではなく、持点が0になっても引き続き賭数を設定することが許可されるようにして、遊技を続行できるように制御してもよい。
S台2Sには、RAMクリアスイッチ293が設けられている。このRAMクリアスイッチ293は、スイッチ操作されることにより、前述した主制御基板116や払出制御部31に対してRAMクリアの信号を出力してRAMの記憶データのクリアを行なうためのものである。RAMクリア出力信号が遊技履歴データ管理部291に入力されれば、そのRAMクリア信号が表示器用演出制御部292に入力され、表示器用演出制御部292のバックアップデータ記憶部に記憶されているデータが消去されるとともに、当S台遊技履歴データ記憶部の10日分の記憶データのうち一番古い記憶データが消去され、残りの9日分の記憶データが1つずつ古い日の記憶エリアにシフト記憶される。その結果、一番新しい記憶エリア(当日記憶エリア)が空きエリアとなる。この空きエリア(当日記憶エリア)に本日の遊技履歴データが記憶されることとなる。なお、RAMクリア信号の出力に応じて、当S台遊技履歴データ記憶部の一番新しい日の遊技履歴データ(古い日にシフトする前の遊技履歴データ)が表示器用演出制御部292、遊技履歴データ管理部291、遊技履歴データ管理部391を経由してホール用管理コンピュータ1へ送信され、ホール用管理コンピュータ1においてそのデータがバックアップ記憶されるように制御してもよい。
またRAMクリア処理部293からRAMクリア信号を受信した遊技履歴データ管理部291は、クリア通知をCU3へ送信し、そのクリア通知を受信した遊技履歴データ管理部391は、データ記憶部392の当S台遊技履歴データ記憶部に記憶されている遊技履歴データを消去する制御を行なう。その結果、表示器312による当P台遊技履歴データの表示が消去(クリア)される。
なお、カードがCU3に挿入されたカード保持中においては、RAMクリアスイッチ293の操作に基いてRAMクリア信号が出力されたとしても、遊技履歴データのクリア処理は行なわない。
また、S台は、リモコンから出力される無線信号(RAMクリア指令信号)を受信したことに基いて、RAMクリア信号を主制御基板116や払出制御部31へ出力するものとしてもよい。あるいは、CU側にクリアスイッチを設けて、このクリアスイッチの操作をCUが検出した場合に、CUからS台に対してRAMクリア信号が送信されるようにし、S台は、そのRAMクリア信号を受信したことに基いて、RAMクリア信号を主制御基板116や払出制御部31へ出力するものとしてもよい。これらの場合には、RAMクリアスイッチ293を併せて設けていてもよく、あるいは設けなくてもよい。
図6は、メイン制御部323とCU通信制御部80との制御回路および記憶している認証用情報の内容を示す図である。図6を参照し、メイン制御部323には、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)805、制御用のプログラムやデータを記憶しているROM(Read Only Memory)804、CPU805のワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)806、I/Oポート807、EEPROM(Electrically Erasable PROM)808が設けられている。
一方、CU通信制御部80にも、制御中枢としてのCPU810、制御用のプログラムやデータを記憶しているROM809、CPU810のワークエリアとして機能するRAM811、I/Oポート812、EEPROM813が設けられている。
メイン制御部323とCU通信制御部80とは、互いのI/Oポート807、812により通信を行なう。また図6では図示を省略しているが、I/Oポート807は上位サーバ801のI/Oポートとも通信可能に接続されている。またI/Oポート812は、S台通信制御部81のI/Oポートとも通信可能に接続されている。
そして、CU通信制御部80のROM809のチップ製造段階において、CU通信制御部のSID(固有ID)が記憶される。このCU通信制御部のSIDをICシリアルIDとも言う。メイン制御部323とCU通信制御部80との間での相互認証は、このSIDを用いた認証と後述する認証鍵(共通鍵)を用いた認証との2種類がある。後に詳しく説明するが、SIDを用いての認証は、互いに自分のSIDと相手のSIDとを記憶しておき、互いに相手が正しいSIDを記憶しているか否かを後述するチャレンジレスポンス方式により判定するものである。このSIDを用いての認証には、後述するように、BBシリアルID認証とCU通信制御部シリアルID認証とがあり、これらを総称してシリアルID認証という。また後述するように、認証鍵を用いた認証は、互いに共通鍵からなる認証鍵を記憶しておき、互いに記憶している認証鍵が一致するか否かを認証するものであり、これを機器認証という。
前述したように、CU通信制御部80のROM809には、そのチップ製造段階でCU通信制御部のSIDが記憶されている。したがって、メイン制御部323も、自己のSIDと相手方すなわちCU通信制御部80が記憶しているCU通信制御部のSIDとの両者を記憶しておく必要がある。
そして、CU3の製造段階において、ROMライタ等により、EEPROM813に、メイン制御部のSIDと認証鍵(共通鍵)が書込まれるとともに、EEPROM808に、メイン制御部のSIDが書込まれる。このメイン制御部のSIDをBBシリアルIDとも言う。
SIDによる相互認証の場合には、互いに相手と自分のSIDを記憶しておく必要があり、かつ共通鍵からなる認証鍵を用いた相互認証の場合にも、互いに共通の認証鍵を記憶しておく必要がある。しかし、CUが製造された段階においては、メイン制御部323に、CU通信制御部のSIDと認証鍵とが記憶されていない。これらCU通信制御部のSIDと認証鍵とは、CU通信制御部80からカードユニット3のメイン制御部323へ送信してもらい、EEPROM808により記憶する。
図7は、相互認証の結果異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図7を参照して、メイン制御部323、CU通信制御部80、S台通信制御部81、払出制御部31、あるいは主制御基板116において異常が発生した場合には、図7の矢印で示す通知が行なわれる。ここに言う異常は、メイン制御部323、CU通信制御部80、S台通信制御部81、払出制御部31、あるいは主制御基板116を、不正製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態が含まれる。図7に示される鍵管理サーバ800は、メイン制御部のSID毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵管理サーバである。また、鍵管理サーバ803は、主制御基板116と互いに通信可能な鍵管理サーバである。
まず、カードユニット3のCU通信制御部80により異常が発生した場合には、前述したメイン制御部323とCU通信制御部80との間で行なわれる相互認証の結果、メイン制御部323が異常を検知する。この相互認証では、前述したシリアルID認証と機器認証の他に、後述するセッション鍵による機器認証(図24参照)も含まれている。メイン制御部323がCU通信制御部80の異常を検知した場合には、メイン制御部323は上位サーバ801にその旨を通知するとともに、カードユニット3の表示制御部797に異常報知コマンドを送信し、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部797に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、メイン制御部323は外部通信部324からホール用管理コンピュータ1へ異常が発生した旨の信号を送信する。
また、CU通信制御部80により異常が発生したことはS台通信制御部81によっても検知される。S台通信制御部81が異常発生を検知した場合には、その旨を払出制御部31に通知し、払出制御部31がさらにその旨を主制御基板116へ通知する。主制御基板116では、その異常発生信号を受けて、膜板等に設けられた異常報知ランプを点灯または点滅する信号を出力するとともに、ホール用管理コンピュータ1に対して異常が発生した旨の信号を送信する。
カードユニット3のメイン制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりCU通信制御部80が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)をS台通信制御部81に通知する。S台通信制御部81はそれを受けて異常発生した旨を払出制御部31へ通知する。払出制御部31はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板116へ通知する。主制御基板116は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータ1へ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU通信制御部80がS台通信制御部81の異常を検知した場合には、その旨をメイン制御部323へ通知し、メイン制御部323がその旨を上位サーバ801へ通知する。
このように、CU通信制御部80は、メイン制御部323の異常を検知したときにはその旨をS台通信制御部81へ通知する一方、S台通信制御部81の異常を検知したときには、その旨をメイン制御部323へ通知するのであり、CU通信制御部80による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、CU通信制御部80は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、CU通信制御部80からの異常発生の通知を受けたS台通信制御部81は、その旨を払出制御部31へ通知し、払出制御部31は異常が発生した旨を主制御基板116へ通知する。主制御基板116はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
S台通信制御部81に異常が発生した場合には、その旨がCU通信制御部80により検知され、異常が発生した旨がメイン制御部323へ通知され、メイン制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともに上位サーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、S台通信制御部81に異常が発生して払出制御部31には異常が発生していない場合には、払出制御部31が異常発生した旨を検知し、その異常発生した旨を主制御基板116へ通知する。主制御基板116は、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御部31に異常が発生した場合には、主制御基板116がその異常を検知し、前述した異常発生報知用の制御を行なう。また払出制御部31に異常が発生してS台通信制御部81に異常が発生していない場合には、その異常発生をS台通信制御部81が検知し、異常が発生した旨をCU通信制御部80へ通知する。CU通信制御部80は、その通知を受けて異常が発生した旨をメイン制御部323へ通知する。メイン制御部323はその通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なうとともに上位サーバ801へ異常が発生した旨を通知する。
S台通信制御部81と払出制御部31との両方に異常が発生した場合には、その異常発生を主制御基板116が検知するとともにCU通信制御部80も異常が発生したことを検知する。
主制御基板116に異常が発生した場合には、払出制御部31がその異常を検知してS台通信制御部81へ異常が発生した旨を通知する。S台通信制御部81はそれを受けてCU通信制御部80へ異常発生した旨の通知を行ない、CU通信制御部80は、それを受けてメイン制御部323へ異常が発生した旨を通知する。メイン制御部323はそれを受けて前述した異常発生報知の制御を行なうとともに、上位サーバ801へ異常が発生した旨を通知する。
LSI117は、前述したように、CU通信制御部80に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板116へ通知する一方、主制御基板116に異常が発生した場合にはそれを検知してCU通信制御部80へ異常が発生した旨を通知する。このLSI117も、前述したCU通信制御部80と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、CU通信制御部80とLSI117とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。
次に図8を参照して、カードユニットとスロットマシンとの間で行なわれるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図8には、送信方向と送信情報の名称とその概略が示されている。送信方向がCUからS台のデータはコマンドであり、送信方向がS台からCUのデータはレスポンスである。
メイン制御部からCU通信制御部に対してリカバリ要求のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、S台に対してリカバリ情報の送信を要求するものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対してリカバリ応答のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CUに対してS台で保持しているリカバリ情報を送信するものである。
CUからS台に対し通信開始要求が送信される。この通信開始要求は、S台に対してリカバリ情報のクリアおよび接続ID(通信開始時刻)のバックアップを要求するものである。
S台からCUに対し通信開始応答が送信される。この通信開始応答は、CUに対してリカバリ情報のクリアおよび接続ID(通信開始時刻)のバックアップが終了したことを通知するものである。
CUからS台に対し動作指示が送信される。この動作指示は、S台に対して遊技動作を指示するとともに、持点等の遊技台情報の送信を要求するものである。
S台からCUに対し動作応答が送信される。この動作応答は、CUに対して遊技動作指示の実行結果を通知するとともに、持点等の遊技台情報を通知するものである。
CUからS台に対し通信切断要求が送信される。この通信切断要求は、S台に対して通信コネクションの切断を要求するものである。
S台からCUに対し通信切断応答が送信される。この通信切断応答は、CUに対し通信切断要求コマンドを受信したことを通知するものである。
CUからS台に対し疎通テスト要求が送信される。この疎通テスト要求は、S台に対し疎通データを通知するものである。
S台からCUに対し疎通テスト応答が送信される。この疎通テスト応答は、CUに疎通データを応答するものである。
次に図9、図10を参照して、メイン制御部とCU通信制御部との間で行なわれるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。図9、図10には、送信方向と送信情報の名称とその概略が示されている。送信方向がメイン制御部からCU通信制御部はコマンドであり、送信方向がCU通信制御部からメイン制御部のデータはレスポンスである。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、BBシリアルIDの認証を要求するBBシリアルID認証要求1が送信される。このBBシリアルID認証要求については、後に詳しく説明する。なお、BBシリアルIDは前述したメイン制御部323のSIDのことである。このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、BBシリアルIDの認証情報を通知するBBシリアルID認証応答1が送信される。このレスポンスの内容の詳細も、後述する。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、2回目のBBシリアルID認証要求2が送信される。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、2回目のBBシリアルID認証応答2が送信される。
次に、メイン制御部からCU通信制御部に対してICシリアルIDの認証を要求するICシリアルID認証要求1が送信される。このICシリアルID認証要求については、後に詳しく説明する。なお、ICシリアルIDは前述したCU通信制御部80のSIDのことである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、ICシリアルIDの認証情報を通知するICシリアルID認証応答1が送信される。このレスポンスの内容の詳細も、後述する。なお、このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、2回目のICシリアルID認証要求2が送信される。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、2回目のICシリアルID認証応答2が送信される。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、機器認証を要求するコマンド(機器認証要求1)が送信される。この機器認証は、メイン制御部とCU通信制御部とに記憶されている認証鍵(共通鍵)が同一の鍵であるか否かを認証するためのものであり、後に詳しく説明する。なお、このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、機器認証結果を通知するレスポンス(機器認証応答1)が送信される。このレスポンスの内容の詳細は、後述する。なお、このレスポンスはS台から送信されてくるものではなく、例外的なものである。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、2回目の機器認証を要求するコマンド(機器認証要求2)が送信される。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、2回目の機器認証結果を通知するレスポンス(機器認証応答2)が送信される。
機器認証要求1、2および機器認証応答1および2については、後述する図29に基づいて説明する。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、カウンタ情報を通知するカウンタ情報通知が送信される。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、カウンタ情報通知結果を通知するカウンタ情報通知応答が送信される。
カウンタ情報通知およびカウンタ情報通知応答については、後述する図25に基づいて説明する。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、ライタ管理情報を要求するライタ管理情報要求が送信される。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、ライタ管理情報を通知するライタ管理情報応答が送信される。
ライタ管理情報要求およびライタ管理情報応答については、後述する図25に基づいて説明する。なお、ライタ管理情報応答に含まれるデータとしては、コマンドコード、ライタID(ROMライタのID)、認証鍵のバージョン等である。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、認証鍵更新を要求するが認証鍵更新要求送信される。
認証鍵更新要求に含まれるデータとしては、コマンドコード、コマンドサイズ、出荷メーカコード、ライタID(ROMライタのID)、認証鍵のバージョン、認証鍵、H−MAC用鍵であるMAC鍵、MACが含まれている。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、認証鍵更新結果を通知する認証鍵更新応答が送信される。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、現在時刻を通知するコマンド(時刻通知)が送信される。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、時刻通知のコマンドを受信した旨の通知であるレスポンス(時刻応答)が送信される。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、S台通信制御部との認証を要求するコマンド(S台通信制御部認証要求)が送信される。CU通信制御部とS台通信制御部との間では、互いに相互認証を行なっている。その相互認証の結果であるCU通信制御部によるS台通信制御部の認証結果の要求がメイン制御部によって行なわれる。なお、このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、S台通信制御部との認証結果を通知するレスポンス(S台通信制御部認証応答)が送信される。なお、このレスポンスはS台から送信されてくるものではなく、例外的なものである。CU通信制御部80は、主制御基板116およびLSI117のチップID等の情報を取得してから認証結果をメイン制御部323へ返信する。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、機器情報を要求する機器情報要求が送信される。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、機器情報を通知する機器情報応答が送信される。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、CU通信制御部に通信(送信)状態を要求するコマンド(通信状態要求)が送信される。この通信(送信)状態は、メイン制御部とCU通信制御部との間での通信状態が正常であるか否かを要求するコマンドである。なお、このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、通信(送信)状態を通知するレスポンス(通信状態応答)が送信される。これは、メイン制御部とCU通信制御部との間での通信状態が適正であるか否かをCU通信制御部が判定し、その判定結果をメイン制御部に返信するレスポンスである。なお、このレスポンスはS台から送信されてくるものではなく、例外的なものである。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、S台通信制御部との再認証を要求するコマンド(S台通信制御部再認証要求)が送信される。CU通信制御部とS台通信制御部との間では、互いに相互認証を行なっている。その相互認証の結果であるCU通信制御部によるS台通信制御部の認証結果の要求がメイン制御部によって行なわれる。なお、このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、S台通信制御部再認証要求電文の応答を通知するレスポンス(S台通信制御部再認証応答)が送信される。CU通信制御部はS台通信制御部間での認証を再度実行し、メイン制御部はS台通信制御部再認証応答を受信することにより認証結果を取得する。なお、このレスポンスはS台から送信されてくるものではなく、例外的なものである。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、BBシリアルIDの認証を要求するBBシリアルID認証要求Aが送信される。このBBシリアルID認証要求Aについては、後に詳しく説明する。このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、BBシリアルIDの認証情報を通知するBBシリアルID認証応答Aが送信される。このレスポンスの内容の詳細も、後述する。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、BBシリアルIDの認証を要求するBBシリアルID認証要求Bが送信される。このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、BBシリアルIDの認証情報を通知するBBシリアルID認証応答Bが送信される。
BBシリアルID認証要求AおよびB、BBシリアルID認証応答AおよびBは、図31に基づいて後述する。機器認証要求AおよびB、機器認証応答AおよびBは、図31に基づいて後述する。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、機器認証を要求するコマンド(機器認証要求A)が送信される。この機器認証は、メイン制御部とCU通信制御部とに記憶されている認証鍵(共通鍵)が同一の鍵であるか否かを認証するためのものであり、後に詳しく説明する。なお、このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、機器認証結果を通知するレスポンス(機器認証応答A)が送信される。このレスポンスの内容の詳細は、後述する。なお、このレスポンスはS台から送信されてくるものではなく、例外的なものである。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、機器認証を要求するコマンド(機器認証要求B)が送信される。この機器認証は、メイン制御部とCU通信制御部とに記憶されている認証鍵(共通鍵)が同一の鍵であるか否かを認証するためのものであり、後に詳しく説明する。なお、このコマンドはS台まで送信されるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、機器認証結果を通知するレスポンス(機器認証応答B)が送信される。このレスポンスの内容の詳細は、後述する。なお、このレスポンスはS台から送信されてくるものではなく、例外的なものである。
CU通信制御部からメイン制御部に対して、認証鍵更新を要求する認証鍵設定要求が送信される。認証鍵設定要求は、メイン制御部に対して認証鍵設定情報を通知するレスポンスであり、専用ICライタ(ROMライタ)から書込まれた認証鍵情報(図7のEEPROM813に記憶されている認証鍵)をCU通信制御部からメイン制御部へ送信するレスポンスである。認証鍵設定要求に含まれる情報としては、コマンドコード、コマンドサイズ、出荷メーカコード、ライタID(ROMライタのID)、認証鍵のバージョン、認証鍵、H−MAC用鍵としてのMAC鍵、暗号用パディング文字(乱数)、MACである。これらのコード情報は、コマンドコード以外については、ECBのブロック暗号モードを用いて暗号鍵としてBBシリアルIDを使用して暗号化して送信する。
メイン制御部からCU通信制御部に対して、認証鍵更新結果を通知する認証鍵設定応答が送信される。認証鍵設定応答は、CU通信制御部に対して認証鍵情報設定結果を通知するコマンドである。認証鍵設定応答に含まれる情報としては、コマンドコード、コマンドサイズ、更新結果、暗号用パディング文字(乱数)、MACが含まれる。コマンドコード以外については、ECBのブロック暗号モードを用いて暗号鍵としてBBシリアルIDを使用して暗号化して送信する。
次に図11〜図19に基づいて、図8および図10に示したコマンド/レスポンスのうち、特に、リカバリ応答、通信開始要求、動作指示、動作応答、通信状態応答、機器情報応答について、その内容を詳細に説明する。
まず、図11を参照して、リカバリ応答を説明する。このリカバリ応答のレスポンスは、CUに対して、S台で保持しているリカバリ情報(リカバリデータ)を送信するものである。この「リカバリ情報」とは、CUがリカバリ処理の実行に伴ってS台に対してリカバリ要求のコマンドを送信したときにS台がCUへリカバリ応答として送信するためにバックアップ記憶しているデータのことである。S台からCUへ送信されるリカバリ情報としては、図11に示すように、接続時刻、最終シーケンスナンバー、C−ID、前回持点関連情報および現在持点関連情報である。
図11以降に示す「暗号」の列は、送信するデータを暗号化しているか否かを示す欄であり、×印が暗号化しておらず、○印が暗号化している旨を示している。この暗号に用いる鍵は、セッション鍵(電文鍵とも言う)を用いており、これについては後述する。
接続時刻は、S台でバックアップしてある接続時刻(通信開始時にCUから受信した接続時刻のデータ)である。最終シーケンスナンバーとは、CUから受信しS台でバックアップしていたシーケンスナンバーのことである。C−IDとは、S台でバックアップしていたC−IDである。前回持点関連情報は、前回通知した持点関連情報のことであり、前回通知した加算数である前加算数、前回通知した減算数である前減算数、前回通知した外部出力情報である前外部出力情報の各情報である。
現在持点関連情報は、最新の持点関連情報のことであり、現在S台で保持している持点数である現持点数、現在S台で保持している加算数である現加算数、現在S台で保持している減算数である現減算数、現在S台で保持している外部出力情報の各情報である。
なお、図11中の※が付されている情報は、S台でバックアップするデータであり、工場出荷時およびバックアップデータが不定の場合にはALL0をセットする。
図11に示した(注1)における各種数の意味および確定ポイントが図16に示されている。各種数の意味および確定ポイントの内容に関しては図16に示すとおりであるが、以下に補足説明をする。
持点数とは、S台が保持している持点数のことである。なお、S台の持点数とCUの補正後の持点数とが一致するかをCUがチェックし、不一致の場合には、CUはS台に対して通信切断要求のコマンドを送信して通信切断状態にするとともにS台の遊技を停止させる(図52等参照)。そして、CUはリカバリ処理を実行し、通信開始要求をS台に送信することによって(図33参照)、その通信開始要求のコマンドに含まれているデータ補正要求に従って持点補正要求をS台に送信し、S台の持点をCU側において補正した後の持点数に補正させる処理を行なう。
加算数とは、「入賞」により持点に加算される数を示すが、CUより送信する「加算要求数」はこれには含まれない。CUは、S台から送信される加算数のデータに基いて、保持している持点を加算更新する。ただし、CUは、カードを保持していない状態で本データを受信した場合には持点数の加算は行なわない。
減算数とは、賭数が設定されることによって、持点から減算される持点数を示すが、CUより送信する減算要求数はこれには含まれない。CUは、S台から送信される減算数のデータに基いて、保持している持点数を減算更新する。ただし、CUは、カードを保持していない状態で本データを受信した場合には持点数の減算は行なわず、また、CUは自身の保持している持点数が0の場合、減算を行なわない。
外部出力情報とは、各種の遊技状態等を示す情報である。S台は、CUへ通知したすべての外部出力情報を前外部出力情報としてバックアップし、現外部出力情報を0クリアする。外部出力情報には、図16に示す複数種類のものがある。
賭数設定情報は、1ゲームに設定された賭数を示す情報である。リール始動情報は、リールが回転開始したことを示す情報である。スタート操作情報は、賭数が設定された後にリールを回転開始させるためのスタート操作がされたことを示す情報である。内部当選状況情報は、ビッグボーナス、ボーナス、小役(種類別)、リプレイなどの役の当選結果(外れを含む)を示す情報である。なお、本スロットマシンにおいては、たとえば、スタート操作が検出されたタイミングで乱数値が抽出されて当選判定され、そのタイミングでこの内部当選状況情報がS台からCUへ送信される。
第1〜第3停止操作情報は、リールについて、第1停止操作が行なわれたこと、第2停止操作が行なわれたこと、第3停止操作が行なわれたことをそれぞれ示す情報であり、停止操作が検出されたタイミングで出力される。第1〜第3停止情報は、リールが第1停止、第2停止、第3停止したことのそれぞれを示す情報である。結果確定情報は、全リールが停止したこと、およびその結果(外れ、あるいは入賞役の種類)を示す情報である。CUは、これらの外部出力情報をS台から受信し、格納する。
次に、図12を参照して、通信開始要求のコマンドは、S台に対して持点およびシーケンスナンバーの補正および新規通信ID(通信開始時刻)のバックアップを要求するものである。
この通信開始要求の具体的データとしては、図12の下方に示されているように、接続時刻とデータ補正要求とシーケンスナンバーと持点のデータとがある。接続時刻とは、CUとS台との通信が開始されたときの時刻のことであり、CUが保持しており、CUからS台へ送信される。そしてこの接続時刻が通信の接続IDとして使用される。
データ補正要求とは、CUがS台に対してデータの補正を要求するものであり、Bit0〜Bit2の3ビットで構成されている。Bit0は、クリア要求の有無を指定するビットであり、「0」のときにはクリア要求無し、「1」のときにはクリア要求有が指定される。クリア要求有のときには、「持点」「シーケンスナンバー」「加算数」「減算数」「外部出力情報」等のS台側で保持しているバックアップデータを0クリアする要求がS台に対してなされる。
Bit1は、シーケンスナンバーの補正要求があるか否かを指定するビットであり、「0」の場合にはシーケンスナンバー補正要求無し、「1」のときにはシーケンスナンバー補正要求有が指定される。
Bit2は、持点補正要求の有無を指定するビットであり、「0」のときには持点補正要求有、「1」のときには持点補正要求無しが指定される。Bit3〜7は予備である。
なお、図20以降のフローチャートでは、要求の有無を指定するBitが、「0」のときには当該要求無と表現され、「1」のときには当該要求有と表現されている。たとえば、データ補正要求のBit0が、「1」のときは「クリア要求有」、「0」のときには「クリア要求無」と表現される。また、データ補正要求の欄に括弧書で示しているように、「クリア要求」を「リカバリクリア」、「シーケンスナンバー補正要求」を「SQN補正」、「持点補正要求」を「持点補正」と表現している。
シーケンスナンバー(SQNとも言う)は、CUで記憶しているシーケンスナンバーのことである。持点とは、CUで記憶している持点数のことである。
CUはこの通信開始要求のコマンド送信時に、接続時刻のバックアップおよび、「メインチップID」および「払出チップID」のバックアップを行なう。
S台は、この通信開始要求を受信した際には次の処理を行なう。
クリア要求ONの場合、「持点」「シーケンスナンバー」「加算数」「減算数」「外部出力情報」等のS台側で保持しているバックアップデータを0クリアする。
シーケンスナンバー補正要求ONの場合、通知されたシーケンスナンバーにS台で保持しているシーケンスナンバーを上書きする。
持点補正要求ONの場合、通知された持点にS台で保持している持点を上書きする。
接続時刻のバックアップを行なう。
なお、上記S台で行なわれる各処理は、上から順に実行される。
次に、図13に示す動作指示のコマンドは、S台に対して「持点の加算」、「持点の減算」、「遊技許可/禁止」、「持点およびシーケンスナンバーのクリア」動作を指示するとともに、各種遊技台情報の送信を要求するものである。CUはこのコマンドを使用して、S台の状態を定期的に確認する。
動作指示のコマンドに含まれるデータには、図13に示すように「動作要求」、「CU状態」、「加算要求数」、「減算要求数」、「カード残高」が含まれる。
動作要求としてBit0〜Bit5の6ビットのデータがCUからS台へ送信される。Bit0について、「1」のときに持点数加算要求有が指示され「0」のときに持点数加算要求無が指示される。Bit1について、「1」のときに持点数減算要求有が指示され「0」のときに持点数減算要求無が指示される。Bit2について、「1」のときに遊技許可要求有が指示され「0」のときに遊技許可要求無が指示される。
Bit3について、「1」のときに遊技禁止要求有が指示され「0」のときに遊技禁止要求無が指示される。Bit4について、「1」のときに持点数およびシーケンスナンバーのクリア要求有が指示され、「0」のときに持点数およびシーケンスナンバーのクリア要求無が指示される。
S台はCUから設定された「遊技許可/遊技禁止」およびS台が保持している持点の残数、S台のエラーの状態等を総合的に見てゲーム開始の可否を判断する。S台が遊技許可の設定値を変更する契機は、CUからの遊技許可要求受信時である。また、S台が遊技禁止の設定値を変更する契機は、CUからの遊技禁止要求受信時、通信断検知時、またはS台電源起動時である。
Bit5は前面扉開要求(前扉開放要求)に用いられる。
このBit0〜Bit5のうちの複数のビットが「1」となっている場合には、S台はBit0から順に実行する。
また、動作要求のBit0が「1」のときにのみ有効となる加算要求数のデータがCUからS台へ送信される。この加算要求数のデータは、持点数に加算する値を示すものである。
動作要求のBit1が「1」のときにのみ有効となる減算要求数のデータがCUからS台へ送信される。この減算要求数のデータは、持点数より減算する値を示すものである。
ここで、図14(a)を参照して、動作指示コマンドの動作要求の各ビットについて、特に、CUがそのデータを送信する契機と、そのデータを受信したS台の動作とを詳細に説明する。
まず、Bit0の「持点数加算要求」データをCUが送信する契機は、プリペイド残高が消費されたとき、または貯メダル再プレイにより持点が引き落とされたときである。これを受信したS台は、自ら保持している持点に対して、その受信データが指示している加算要求数の値を加算する。
Bit1の「持点数減算要求」データをCUが送信する契機は、ワゴンサービスによる持点の減算をするタイミング、または他の遊技者に持点を分け与えるための共有のタイミングである。これを受信したS台は、自ら保持している持点からその受信データが指示している減算要求数の値を減算する。
Bit2の「遊技許可要求」データをCUが送信する契機は、遊技禁止から、遊技許可に切り替えるタイミングである。これを受信したS台は、遊技者による遊技を許可する。具体的には賭け操作を許可する。
Bit3の「遊技禁止要求」データをCUが送信する契機は、遊技許可から、遊技禁止に切り替えるタイミングである。これを受信したS台は、遊技者による遊技を禁止する。具体的には賭け操作を禁止する。
Bit4の「持点数及びシーケンスナンバーのクリア要求」データをCUが送信する契機は、カード返却のタイミングである。これを受信したS台は、自ら保持している持点及びシーケンスナンバーを0クリアする。
Bit5の「前面扉開要求」データをCUが送信する契機は、前面扉開の要求検出時である。これを受信したS台は、賭け操作を禁止することで遊技禁止状態とし、その後、所定のウエイト時間が経過してから前面扉のロック状態を解除する。
図13に戻り、動作指示コマンドの「CU状態」について説明する。動作指示コマンドの「CU状態」データは、Bit0〜Bit5の6Bitで構成されている。図13に示すように、Bit0〜Bit5は、それぞれ、「カード保持中」、「カード挿入処理中」、「加算表示中」、「減算表示中」、「クリア表示中」、「試打モード中」に対応している。
ここで、図14(b)を用いて、これらの「CU状態」のデータについて詳細に説明する。
まず、Bit0は、CU側にカードが保持されているか否かを示し、1のときにカード保持中、0のときにカード非保持中を表す。Bit1は、CU側でカードが挿入されてから残高が確定するまでのカード挿入処理中(カード情報読み取り、照合等)であるか否かを示し、1のときにカード挿入処理中、0のときにカード挿入処理中以外を表す。Bit2は、CU側で持点を加算更新する加算表示中であるか否かを示し、1のときに持点加算表示中、0のときに持点加算表示中以外を表す。Bit3は、CU側で持点を減算更新する減算表示中であるか否かを示し、1のときに持点減算表示中、0のときに持点減算表示中以外を表す。Bit3は、CU側で持点およびシーケンスナンバーをクリア表示中であるか否かを示し、1のときにクリア表示中、0のときにクリア表示中以外を表す。
次に、Bit5は、試打モード中か否かを示し、Bit5が「1」のときには試打モード中であることを示す。CUは、試打モード中は、S台より通知される加算数および減算数のデータを無視し、また、S台側の持点が0になったことを検出した場合にはS台側の持点を自動で加算する。
このCU状態は、Bit0〜Bit5の6ビットで構成されているが、Bit0〜Bit15の16ビットで構成し、各ビットで次のような情報を送信できるようにしてもよい。
Bit0:1=カード挿入処理中
Bit1:1=現金投入処理中
Bit2:1=一般カード(ビジターカード)保持中
Bit3:1=会員カード保持中
Bit4:1=テストカード保持中
Bit7〜5:予備
Bit8:1=プリペイド貸出表示中
Bit9:1=再プレイ貸出表示中
Bit10:1=貯メダル分割表示中(貯メダル共有表示中)
Bit11:1=ワゴンサービス表示中
Bit12:1=クリア表示中
Bit13:1=休憩中
Bit15〜14:予備
なお、これらのCU状態のデータは、S台側の表示制御用に設けているが、これらのデータを利用して表示制御をするか否かはS台側の仕様に委ねられている。本実施の形態では、これらのデータに基づいて表示制御を行なうスロットマシンを想定しているが、その表示制御は必須ではない。
図13に戻り、動作指示コマンドの「加算要求数」を説明する。「加算要求数」データは、持点に加算する値を示す。このデータは、「動作要求」のBit0=1のときのみ有効である。次に、動作指示コマンドの「減算要求数」データは、持点から減算する値を示す。このデータは、「動作要求」のBit1=1のときのみ有効である。
次に、動作指示コマンドの「カード残高」データは、CUに挿入されているカードのプリペイド残高を示す。また、CUからS台へ送信されるC−IDは、状態に応じて次のようなデータが設定される。カード未挿入時には「ALL00h」が設定される。カード保持中にはカードのC−IDが設定される。試打モード中には「ALLFFh」が設定される。
なお、このカード保持中を、CUに挿入されているカードが会員カードである場合とビジターカードである場合とで、両者が区別できるようなデータとなるようにしてもよい。たとえば、「カード保持中」を2Bitで構成し、会員カード保持中では1Bit目、ビジターカード保持中では2Bit目を「1」にする。さらに、ビジターカードの場合には基本的には、CU内に常時カードが保持されている状態となっているために、ビジターカードの場合にはそのビジターカードに残額がある場合にだけカード保持中として(Bitを1として)C−IDを送信するように制御してもよい。また、ビジターカードにはC−IDを記憶させず、会員カードにのみC−IDを記憶させるようにしてもよい。
また、CUからS台には、CUで表示中のエラーコードが送信される。なお、エラー未発生中のCUエラーコードのデータとしては「ALL00h」が送信される。
次に、図15を参照して、動作応答を説明する。この動作応答のレスポンスは、CUに対して指示動作の実行結果および持点数等の遊技台情報を通知するものである。
シーケンスナンバーとしては、動作指示で受信したシーケンスナンバーに1をインクリメントした値が作成され、これが動作応答に含められる。
C−IDとは、S台でバックアップされているC−IDである。
実行結果としては、Bit0〜Bit5の6ビットのデータとしてS台からCUへ送信される。
なお、図15に括弧書きで示しているように、「持点数加算拒否」を単に「加算拒否」とも言い、「持点数減算拒否」を単に「減算拒否」とも言い、「遊技許可拒否」を単に「許可拒否」とも言い、「遊技禁止拒否」を単に「禁止拒否」とも言い、「持点数およびシーケンスナンバーのクリア拒否」を単に「クリア拒否」とも言い、「ガラス扉開拒否」を単に「ガラス開拒否」とも言う。
Bit0について、「1」のときには持点数加算拒否の実行結果が示され、「0」のときには持点数の加算を拒否しない旨の実行結果が示される。Bit1について、「1」のときには持点数減算拒否の実行結果が示され、「0」のときには持点数の減算を拒否しなかった旨の実行結果が示される。Bit2について、「1」のときには遊技許可拒否の実行結果が示され、「0」のときには遊技許可を拒否しなかった旨の実行結果が示される。
Bit3について、「1」のときには遊技禁止拒否の実行結果が示され、「0」のときには遊技禁止を拒否しなかった旨の実行結果が示される。
Bit4について、「1」のときには持点数およびシーケンスナンバークリア拒否の実行結果が示され、「0」のときには持点数およびシーケンスナンバークリアを拒否しなかった旨の実行結果が示される。
Bit5について、「1」のときには前面扉の開放を拒否した旨の実行結果が示され、「0」のときには前面扉の開放を拒否しなかった旨の実行結果が示される。
S台からCUへ送信される持点関連情報(現在の持点関連情報)として、持点数、加算数、減算数、外部出力情報がある。
「持点数」とは、現在の持点数(加算・減算を演算した結果の持点数)である。「加算数」とは、入賞により獲得した持点数のことであり、送信時に複数の入賞がある場合は合算した値である。CU3は、現在保持している持点数に加算数のデータを加算するが、カードを保持していない状態で本データを受信した場合は持点数の加算は行なわない。
「減算数」とは、賭数の設定により消費された持点数のことである。CU3は、現在保持している持点数から減算数のデータを減算するが、カードを保持していない状態で本データを受信した場合は持点数の減算は行なわない。また、CU3は、自身の保持している持点数が0の場合、持点数の減算は行なわない。外部出力情報は、図16を用いて説明したとおりの複数種類の情報である。
加算数を受信したCUは、保持している持点数にこの加算数を加算する。なお、S台は、通知した加算数の値を前加算数としてバックアップし、現加算数を0クリアする。
減算数を受信したCUは、保持している持点数から受信した減算数を減算する。なお、S台は、通知した減算数の値を前減算数としてバックアップし、現減算数を0クリアする。
つまり、CUは、「加算数」および「減算数」を使用して現在記憶している持点数(持点トータル数)を補正する。具体的には、持点数+加算数−減算数を算出し、その算出結果を新たな持点数(持点トータル個数)に補正する。そして、S台から送信されてきた持点トータル個数情報とその補正後の持点数(持点トータル個数情報)とが一致するか否かチェックし、一致しない場合には、リカバリ処理を行なって通信開始要求のコマンドをS台へ送信し、そのコマンドに含まれているデータ補正要求のデータ(Bit2が「1」のデータ)とCUが記憶している持点数のデータとによりS台の持点数(持点トータル個数情報)をCU側における補正後の持点数(持点トータル個数情報)に補正する処理を行なう。
S台からCUへ遊技台の状態を通知するための遊技台状態のデータが送信される。この遊技台状態のデータは、遊技台状態1、遊技状態2、遊技台エラー状態1、および遊技台エラー状態2からなる。
このうち、遊技台エラー状態2としては、Bit0〜3の各ビットが用意されているが、これは予備として設けられており、実際のエラー状態の指定には用いられていないメーカ固有のエラー情報に対応するためのものである。
図15に示した(注2)における遊技台状態1、遊技台状態2、遊技台エラー状態1の各ビットの詳細を図17に示す。以下補足説明を行なう。
図17(a)を参照して、遊技台状態1のBit0における遊技許可状態/遊技禁止状態は、CUにより遊技が許可されているか禁止されているかを示すものであり、CUからのコマンドによる指示を受けたS台は、その指示された状態へ遷移する。また通信異常が発生した場合には、S台は自ら遊技禁止状態へ遷移する。
Bit1における待機中/遊技中は、ファン(遊技者)がプレイ中(リールが回転している)か否かを示すデータであり、ファン(遊技者)がプレイでない状態が待機中であり、ファン(遊技者)がプレイ中である状態が遊技中である。Bit3の遊技完了は、S台において全てのリールの回転が停止しているか否かを表わすものである。3つのリールのうちの少なくとも1つが回転している状態が遊技未完了(Bit3=0)であり、全てのリールの回転が停止している状態が遊技の完了(Bit3=1)である。また、リールの回転開始から規定時間以上経過しても全てのリールの回転が停止しない場合、S台はタイムアウトし、異常を報知(表示または警報)するとともに、その旨をCUへ送信する。
Bit4における遊技台リセットは、遊技機(S台)の初期リセット信号を示すものであり、S台の起動後30秒間「1」をセットする。Bit5における遊技台履歴情報ありは、S台で「スタート回数(始動回数)」「ビッグボーナス回数」等の遊技台履歴情報を保持しているか否かを示すデータであり、「0」のときには遊技台履歴情報無しが示され、「1」のときには遊技台履歴情報有りが示される。S台はRAMクリアにより遊技台履歴情報をクリアしたら本データをOFFとする。また、RAMクリア後「スタート回数(始動回数)」」、「大当り回数」等のデータを加算したタイミングで本データをONにする。なお、S台との遊技台履歴データを合わせるため、CU3は本データOFFを検知したらCU3で保持している遊技台履歴データもクリアする。
図15の(注3)に示した遊技台状態2の各ビットの詳細を図17(b)に示す。以下に補足説明を行なう。
Bit0のビッグボーナスは、ビッグボーナス中に「1」がセットされる。Bit1のレギュラーボーナスは、レギュラーボーナス中に「1」がセットされる。Bit2のRTは、RT中に「1」がセットされる。
図15の(注3)に示した遊技台エラー状態1の各ビットの詳細を図17(c)に示す。以下に補足説明を行なう。
遊技台エラー状態1は、Bit0〜Bit2の3ビットで構成されており、各ビットの詳細は図17(c)の注4に示されている。Bit0は、前面扉が開放中であるか否かを示すビットであり、開放中のときに「1」がセットされる。Bit1は、リール回転エラーが発生中であるか否か示すビットであり、リール回転エラーが発生中のときに「1」がセットされる。なお、リール回転エラーは、たとえば、リールの回転開始後、所定時間が経過してもリールに設けた基準位置検出センサがリールの回転基準位置を検出しないようなエラーである。Bit2は、不正入賞エラーが発生中であるか否かを示すエラーであり、不正入賞エラーが発生中のときに「1」がセットされる。なお、不正入賞エラーは、たとえば、リールの停止出目と内部当選フラグが一致しないようなエラー、あるいはリールの停止出目と加算数とが一致しないようなエラーである。
Bit0〜Bit2は、いずれも「1」がセットされた後に、S台の電源ON/OFFにより復帰して「1」となる。
遊技台エラー状態2は、メーカ固有のエラー情報を示すものであり、Bit0〜Bit3の4ビットにより、遊技機エラー1発生中、遊技機エラー2発生中、遊技機エラー3発生中、遊技機エラー4発生中が示される。
図18は、CU通信制御部からメイン制御部へ送信されるレスポンス(通信状態応答)を示す図である。この通信状態応答のレスポンスは、16進数列で示され、0x00で通信状態がOK(適正)であることが示される。これ以外の場合、すなわち、0x01、0x02、0x03、0x04、0x10の場合には、図18に示すように異常であることが示される。図18において、CRC−NGとは、パリティチェックの結果NGすなわち異常であることを意味している。また、MAC−NGとは、Message Authentication CodeのNGのことである。復号NGとは、暗号化されて送信されてきたデータを復号した結果適正なデータにならず異常であることを意味している。データ長NGとは、受信したデータの長さが正規の長さでない異常であることを意味している。断線検知とは、S台とCUとの間の断線の発生を検知した異常であることを意味している。
図19は、CU通信制御部からメイン制御部へ送信される機器情報応答のレスポンスを示す図である。CU通信制御部からCUに対して通知する機器情報としては、コマンドコード、コマンドサイズ、取得結果、主制御チップID、メーカコード、形式コード、払出制御チップID、メーカコード、形式コード、および、MACである。
図19を参照して、CU通信制御部からCUへ機器情報応答のレスポンスが送信される。この機器情報応答のレスポンスは、CUに対して主制御チップIDと払出制御チップIDとの情報を送信するものである。コマンドコードにより、コマンドのコードが特定される。コードサイズにより、コマンドのデータサイズが特定される。取得結果により、OK(収集済情報有)と、NG(収集済情報無)と、未収集とのいずれかが特定される。主制御チップIDとは、S台の主制御基板116に記録されているチップIDのことであり、払出制御チップIDとは、払出制御部31に記憶されているS台の払出チップIDのことである。
図20〜図79は、CUのメイン制御部323におけるCPUで実行される処理と、LSI117に搭載されたCPUで実行される処理とタイミングチャートによって示している。
上記のとおり、本実施の形態では、動作応答によってS台からCUに対して加算数および減算数の他、S台の遊技状態の変化(BET操作検出、スタート操作検出、リールの回転開始、リールの回転停止、BBへ移行、RBへ移行、RTへ移行、あるいはATへ移行など)に応じて、各々に対応する外部出力情報も送信される。しかし、以下のタイミングチャートにおいては、図4を用いて説明したような外部出力情報の送信動作、およびS台・CU双方での記憶処理の図示を省略している。
また、以下の図20〜図79では、動作応答に含まれる、加算拒否(持点数加算拒否)、減算拒否(持点数減算拒否)、許可拒否(遊技許可拒否)、禁止拒否(遊技禁止拒否)、クリア拒否(持点数及びシーケンスナンバークリア拒否)、前面扉開拒否の各々について、ビットが立っている(=1)状態を「ON」と記載する一方、ビットが立っていない(=0)状態を「OFF」と記載している。
まず、図20を参照して、CUとS台との間でのコマンドおよびレスポンスの送受信の態様を説明する。CUからS台に対してコマンドが送信され、S台はそのコマンドに応答してレスポンスをCUに返信する。CUは、そのレスポンスを受信した後、次のコマンドをS台に送信し、S台はそのコマンドに応答してレスポンスをCUへ返信する。図20に示すように、CUからS台への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またS台からCUへのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CUとS台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、S台は、4.1秒の1ゲーム規制時間が経過する間に2ゲームを実行することができないものである。その結果、本実施の形態では、1ゲームの間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、S台からCUへは、持点数の変化量を通知するための動作応答のレスポンスが1ゲーム期間よりも短い間隔で次々と送信されることになる。当然のことながら、1ゲーム期間で賭数設定が生じる回数が1回であるとともに発生し得る入賞の回数は1回である。つまり、1ゲーム期間で持点の減算と加算とが生じうる機会はそれぞれ1回である。この1ゲーム期間に動作応答のレスポンスが次々と送信される訳であるから、S台は、持点数の変化量を細やかにCUに対して通知可能となる。一方、CUは、S台側での持点の変化を細やかに反映させた持点管理が可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をS台の1ゲーム規制時間と一致させることも考えられる。あるいは、その送信間隔を1ゲーム規制時間の半分としてもよく、それ以下としてもよい。さらには、この実施の形態では、S台はCUからのコマンドを受けて動作応答を返信するものであるが、これに代えて、BET操作が検出されたとき、および入賞が発生したときに、S台は減算数または加算数を通知するデータを送信するものとしてもよい。
次に、図21を参照して、CU側で通信断が検知された場合の処理を説明する。CUがS台に対してコマンドを送信してから1秒間後までにレスポンスを受信できなかった場合には、再度同じコマンドをS台に送信する。さらにその1秒後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをS台に送信するという2回目の再送を行なう。2回目の再送を行なってから1秒後までにS台からレスポンスを受信できなかった場合には、CUはこの段階で通信異常と判断する。この通信異常は、図3に示したコネクタ330または220が離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはS台の電源断などの原因が考えられる。
CUは、通信異常と判断した後、5秒後に、再度接続シーケンスを開始するべく、機器情報要求のコマンドをS台へ送信する。この機器情報要求のコマンドをS台へ送信して接続シーケンスを開始する処理の具体的内容は、図23に基づいて後述する。
次に図22を参照して、S台側で通信断を検知した場合の処理を説明する。CUからS台へコマンドが送信され、S台ではそのコマンドに応答してレスポンスをCUへ送信する。次にCUからのコマンドがS台に送信されてこない状態が4秒間継続した場合には、S台は、通信断と判断し、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6を操作しても賭数設定されない“賭数操作無効状態(遊技禁止状態)”として遊技を禁止するとともに、未接続状態へ遷移する。この通信断の発生原因も、図21で説明したものと同様に、コネクタ330または220の離脱、接続配線の断線、あるいはCUの電源断などが考えられる。
次に図23を参照して、電源起動時の接続シーケンスの処理を説明する。この図23の接続シーケンスの処理は、CUとS台との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中(図34参照)において、CUの電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げた場合である。
まず、電源起動時においては、S台では遊技を停止させてから通信を開始する。CUでは、まず認証シーケンスの処理が実行される。この認証シーケンスの処理の具体的制御内容は、図24〜図32に示すサブルーチンプログラムのフローチャートにおいて示される。この認証シーケンスの処理により、CUからS台に対して、機器情報要求のコマンドが送信される。S台では、それを受けて、機器情報応答のレスポンスを返信する。この機器情報応答のレスポンスには、メインチップIDと払出チップIDとが含まれている。
機器情報応答を受信したCUは、機器情報応答に含まれる情報を記憶し、応答があったS台(受信したメインチップIDと払出チップIDとにより特定されるS台)に対して、認証要求のデータをS台へ送信する。
認証要求を受信したS台は、認証応答をCUへ返信する。
次に、図23に示した認証シーケンスの処理の具体的制御内容を図24〜図32に基づいて説明する。
図24の(a)と(b)とは、図23に示した認証シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図23に示した認証シーケンスは、CUの電源が起動されたときの認証シーケンスとS台(遊技機)の電源が起動されたときの認証シーケンスとの2種類がある。CUの電源が起動されたときの認証シーケンスは、図24(a)に示されている。図24(a)を参照して、メイン制御部323は、上位サーバ801(図98参照)との認証を完了してから通信を開始する。CU通信制御部80は、S台通信制御部81との認証を行なう。その後通信を開始する。そして、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、まずCU通信制御部認証シーケンスが実行され、次にチップID認証シーケンスが実行される。
S台(遊技機)の電源が起動されたときの認証シーケンスは図24(b)に示されている。図24(b)を参照して、メイン制御部323とCU通信制御部80とにおいて、S台との通信断が検出された後、CU通信制御部80はS台との通信復旧後、S台との認証を行なう。その後、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、チップID認証シーケンスが実行される。それ以降、S台との通信が可能となる。
図25は、図24(a)に示したCU通信制御部認証シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。メイン制御部323は上位サーバ801との認証を完了してから通信を開始する。そして、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、BBシリアルID認証シーケンスが実行される。このBBシリアルID認証シーケンスによりBBシリアルIDすなわち図7に示したEEPROM808に記憶されているメイン制御部のSIDの認証が行なわれる。次に、メイン制御部323は、上位サーバ801よりCU通信制御部のシリアルIDを取得している場合にのみ、CU通信制御部シリアルID認証シーケンスを実行する。このCU通信制御部シリアルID認証シーケンスによりCU通信制御部シリアルIDの認証が行なわれる。
次にメイン制御部323からCU通信制御部80へライタ管理情報要求のコマンドが送信される。このライタ管理情報とは、図7に基づいて説明したEEPROM813、808への認証用情報の書込の際に使用したROMライタに関する情報である。たとえば、ROMライタのID、ROMライタのメーカコード、ROMライタが記憶している鍵のバージョン等のデータである。
メイン制御部323は、CU通信制御部80から送信されてきたライタ管理情報応答に含まれているライタ管理情報とメイン制御部323が記憶しているライタ管理情報とを照合し両者が整合するか否かチェックする。このライタ管理情報による照合チェックの結果、偶々メイン制御部323とCU通信制御部80との認証鍵が一致する場合であっても或る程度のセキュリティが確保され、セキュリティが向上する。
次にメイン制御部323とCU通信制御部80との間で、認証鍵による機器認証シーケンスが実行される。次にメイン制御部323からCU通信制御部80へカウンタ情報の送信を要求するカウンタ情報通知のコマンドが送信される。CU通信制御部はそれを受けて、CTRモードの初期ベクタを通知するべくカウンタ情報通知応答のレスポンスをメイン制御部323へ送信する。単純なブロック暗号の利用モードであるECBモードを用いる場合には、或る鍵で同一の平文を暗号化すると、同一の暗号文になるために、暗号対象となる平文の或る部分が他の部分と同じであるかどうかが暗号文の比較によって判断できてしまうという不都合があり、それを解消するためにCTRモードの初期ベクタをCU323へ通知する。このカウンタ情報の通知により暗号化のモード設定が行なわれる。この暗号化のモード設定は遊技場においての毎日の電源立上げ毎に再設定されるので、セキュリティが向上する。カウンタ情報の設定以降の通信の暗号文にさらにスクランブルがかけられる。たとえば、このスクランブル処理が行なわれないと、暗号化はされていても毎日同じ暗号データがやり取りされることになってしまい、暗号が破られやすくなる。スクランブルをかけることによりこのような不都合を解消することができる。
次に、メイン制御部323が上位サーバ801より更新情報を取得している場合にのみ、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で認証鍵更新シーケンスが実行される。この認証鍵更新シーケンスにより、認証鍵を新たなものに変更することができる。
次にメイン制御部323は現在の時刻をCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、その時刻情報を受信して、EEPROM813に記憶している認証鍵と受信した時刻情報とからセッション鍵(電文鍵)を生成して、時刻応答としてメイン制御部323へ送信する。セッション鍵(電文鍵)の生成方法としては、どのようなものであってもよいのであるが、たとえば、受信した時刻情報と認証鍵とを所定のアルゴリズムに従って合成して(例えばイクスクルーシブオア)生成したり、あるいは、受信した時刻情報を認証鍵により暗号化してその暗号結果をセッション鍵(電文鍵)としてもよい。このセッション鍵は、電源OFFでクリアされ、次の電源ONで再び生成される。
次に、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、図29に示す機器認証シーケンスと同様の認証シーケンスをセッション鍵を用いて実行する。そして、認証結果適正である場合に、それ以降メイン制御部323とCU通信制御部80との間での暗号通信をセッション鍵を用いて暗号化および復号して行なう。
図26は、図24(a)(b)に示したチップID認証シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。メイン制御部323は、CU通信制御部80との認証を完了してから通信を開始する。そして、メイン制御部323からCU通信制御部80へ払出制御認証結果要求のコマンドが送信される。この払出制御認証結果要求のコマンドは、S台2SのLSI117に設けられているS台通信制御部81をCU通信制御部80が認証したその認証結果を要求するものである。CU通信制御部80は払出制御チップ(LSI)のS台通信制御部81との認証結果を通知するための払出制御認証結果応答のレスポンスをメイン制御部323へ送信する。
次にメイン制御部323からCU通信制御部80へ機器情報要求のコマンドが送信される。この機器情報要求のコマンドは、CU通信制御部のチップIDを要求するものである。CU通信制御部80は、CU通信制御部80のチップIDを機器情報応答としてメイン制御部323へ送信する。それを受けたメイン制御部323は、上位サーバ801に機器情報(チップID)を照合するべく問合せして、NG(不適正)のときには以降の通信を停止する。NGでない場合には、以降、S台に対して業務電文の送信が可能となる。そして、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、リカバリ要求、リカバリ応答、動作指示、動作応答のコマンドレスポンスの送受信が実行される。
図27は、図25に示したBBシリアルID認証シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであるり、チャレンジレスポンス方式の認証が行なわれる。チャレンジレスポンス方式の認証とは、一般的に、文字列等に特殊な処理を施すことにより、通信途中にIDなどが盗聴されるのを防ぐ認証方式のことであり、たとえば、認証する側が認証を受けたい側に対してランダムな数値列(これを「チャレンジコード」と呼ぶ)を送信し、そのチャレンジコードを受信した側がID等とその受信したチャレンジコードとを所定のアルゴリズムに従って合成してレスポンスコードを生成して返信する。そのレスポンスコードを受信した側では、送信したチャレンジコードと予め記憶しているID等から同じようにレスポンスコードを生成し、送られてきたレスポンスコードと生成したレスポンスコードとを比較して一致するか否か判定する認証を行なう。
本実施の形態においては、まずメイン制御部323からCU通信制御部80へBBシリアルID要求1のコマンドが送信される。それを受けたCU通信制御部80は、BBシリアルID認証応答1としてチャレンジコードを要求するレスポンスを送信する。それを受けたメイン制御部323は、BBシリアルIDすなわち図7に示したEEPROM808に記憶されているメイン制御部のSIDを用いてチャレンジコードを生成し、そのチャレンジコードをBBシリアルID認証要求としてCU通信制御部80へ送信する。それを受けたCU通信制御部80は、BBシリアルIDすなわち図7に示したEEPROM813に記憶されているメイン制御部のSIDを用いてレスポンスコードを生成し、そのレスポンスコードをBBシリアルID認証応答2としてメイン制御部323へ送信する。それを受けたメイン制御部323では、そのレスポンスコードをチェックして適正であるか否かを判定する。不適正(NG)のときには以降の通信を行なわないように制御する。
このチャレンジコードの生成とレスポンスコードの生成とのアルゴリズムは、どのようなものであってもよいのであるが、その一例を以下に記載する。チャレンジコードの生成として、BBシリアルIDのコードデータ(2進数)に対して同じデータ長の乱数(2進数)を生成し、BBシリアルIDと乱数とのイクスクルシブオア(排他的論理和)を算出し、その算出結果をチャレンジコードとしてCU通信制御部80へ送信する。一方、CU通信制御部80におけるレスポンスコードの生成としては、受信したチャレンジコードに対してBBシリアルID(2進数)のイクスクルシブオアを算出する。メイン制御部323側のBBシリアルIDとCU通信制御部80側のBBシリアルIDとが一致しておれば、乱数に対して2回同じBBシリアルIDのイクスクルシブオアを演算したこととなり、その結果は元の乱数となる。そしてその元の乱数をレスポンスコードとしてメイン制御部323へ送信する。メイン制御部323は、生成した乱数とレスポンスコードとして送られてきた乱数とが一致するか否かを判定し、一致する場合には適正と判定する一方一致しない場合には不適正(NG)と判定する。
図28は、図25に示したCU通信制御部シリアルID認証シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずメイン制御部323からCU通信制御部80へCU通信制御部シリアルID認証要求1が送信される。それを受けたCU通信制御部80は、CU通信制御部シリアルIDすなわち図7に示したROM809に記憶されているCU通信制御部のSIDを用いてチャレンジコードAを生成し、そのチャレンジコードAをCU通信制御部シリアルID認証応答1としてメイン制御部323へ送信する。それを受けたメイン制御部323は、CU通信制御部シリアルIDすなわち図7に示したEEPROM808に記憶されているCU通信制御部のSIDを用いてレスポンスコードAを生成し、そのレスポンスコードAをCU通信制御部シリアルID認証要求2としてCU通信制御部80へ送信する。それを受けた通信制御部80は、そのレスポンスコードAをチェックして適正であるか否かを判定する。そしてその判定結果(チェック結果)とチャレンジコードBの要求を含むCU通信制御部シリアルID認証応答2をメイン制御部323へ送信する。それを受けたメイン制御部323は、チェック結果が不適正(NG)であった場合には、以降の通信を行なわないように制御する。
この図28に示したチャレンジコードの生成およびレスポンスコードの生成のアルゴリズムは、どのようなものであってもよいが、たとえば図27で説明したイクスクルシブオアを用いたアルゴリズムを使用することができる。
チャレンジレスポンス方式の認証のアルゴリズムは上記のものに限らず、次のようなものでもよい。たとえば、CU通信制御部80において乱数R1を生成し、CU通信制御部80に記憶さているCU通信制御部のSID(SIDMという)を鍵として乱数R1を暗号化してチャレンジコードAを生成する。式で示せば、チャレンジコードA=ESIDM(R1) となる。これをメイン制御部323へ送信し。メイン制御部323において記憶しているSIDMで復号してレスポンスコードAを生成する。式で表わせば、レスポンスコードA=DSIDM(チャレンジコードA)=DSIDM(ESIDM(R1))=R1 となる。これを通信制御部80へ返信し、通信制御部80において先に生成していた乱数R1と返信されてきたレスポンスコードA(=R1)とが一致するか否か照合し、一致することを条件に認証成功と判断する。
さらに、メイン制御部323において乱数R2を生成し、メイン制御部323に記憶さているメイン制御部のSID(SIDTという)を鍵として乱数R2を暗号化してチャレンジコードBを生成する。式で示せば、チャレンジコードB=ESIDT(R2) となる。これを通信制御部80へ送信し、通信制御部80において記憶しているSIDTで復号してレスポンスコードBを生成する。式で表わせば、レスポンスコードB=DSIDT(チャレンジコードB)=DSIDT(ESIDT(R2))=R2 となる。これをメイン制御部323へ返信し、メイン制御部323において先に生成していた乱数R2と返信されてきたレスポンスコードB(=R2)とが一致するか否か照合し、一致することを条件に認証成功と判断する。
図29は、図25に示した機器認証シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この機器認証シーケンスは、暗号鍵(認証鍵)を使用した暗号化・復号化認証シーケンスであり、ブロック暗号モードとしてECBモードを用いる。まずメイン制御部323は機器認証要求1をCU通信制御部80へ送信する。それを受けたCU通信制御部80は、乱数Aを生成しその乱数Aを図7で示したEEPROM813に記憶されている認証鍵により暗号化する。またMACを作成する。このMACとは、Message Authentication Codeのことである。たとえば、生成した乱数Aを所定のハッシュ関数を利用して演算した値をMACとする。つまり生成した乱数Aのメッセージ・ダイジェストがMACとなる。そしてCU通信制御部80はメイン制御部323に対して暗号化乱数AとMACとを機器認証応答1として送信する。
それを受けたメイン制御部323は、受信した暗号化乱数Aを図7に示したEEPROM808に記憶している認証鍵により復号して元の平文の乱数Aを生成し、その乱数Aを前記所定のハッシュ関数を利用してMACを計算する。そして計算したMACとCU通信制御部80から送信されてきたMACとが一致するか否かをチェックする。一致すれば適正と判断し一致しない場合には不適正(NG)と判断する。
次にメイン制御部323は、乱数Bを生成し、図7に示したEEPROM808に記憶されている認証鍵を用いてその乱数Bを暗号化する。さらに乱数Bを所定のハッシュ関数を利用して演算してMACを作成する。そしてその暗号化乱数BとMACとをさらに機器認証応答1に基づいた認証結果とを機器認証要求2としてCU通信制御部80へ送信する。それを受けたCU通信制御部80は、図7に示したEEPROM813に記憶されている認証鍵を用いて受信した暗号化乱数Bを復号して元の平文の乱数Bにする。そしてその乱数Bを所定のハッシュ関数を利用して演算してMACを計算する。その計算されたMACと受信したMACとが一致するか否かをチェックし、一致する場合には適正と判定し不一致の場合には不適正(NG)と判定する。そしてその判定結果を機器認証応答2としてメイン制御部323へ送信する。判定結果が不適正(NG)の場合には、以降の通信を行なわないように制御する。
図30は、図25に示した認証鍵更新シーケンスのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。メイン制御部323は、上位サーバ801から認証鍵の更新要求があった場合に、その認証鍵更新要求をCU通信制御部80へ送信する。この上位サーバ801からの更新要求には、新たな認証鍵のデータも含まれている。メイン制御部323は、図7に示すEEPROM808に記憶されている認証鍵を、上位サーバ801から送信されてきた新たな認証鍵に更新するとともに、上位サーバ801から送信されてきた認証鍵更新要求をCU通信制御部80へ送信する。それを受けたCU通信制御部80は、図7に示すEEPROM813に記憶されているの認証鍵を送信されてきた新たな認証鍵に更新する処理を行ない、その結果を認証鍵更新応答としてメイン制御部323へ送信する。
それを受けたメイン制御部は、通信制御部80との間で、新たに更新された認証鍵を用いての機器認証シーケンスを実行する。この機器認証シーケンスは、図29に示した制御と同じ認証シーケンスである。そして認証結果が適正である場合には、以降その認証鍵を使用して通信を行なう。
図31は、認証鍵のEEPROM808への記憶設定を示すフローチャートであり、CU通信制御部80から認証鍵をメイン制御部323へ送信してもらい、メイン制御部323のEEPROM808にその認証鍵を記憶する。
図31を参照して、この認証鍵設定シーケンスは、カードユニット(CU)製造時の認証鍵書込シーケンスである。まずメイン制御部323は、CU通信制御部80との認証鍵が書込まれていないことを条件として、CU通信制御部80から認証鍵情報の送信を待つ。CU通信制御部80は、専用のICライタ(ROMライタ)からの要求により通信を開始する。そしてCU通信制御部80からBBシリアルIDすなわち図7に示したEEPROM808に記憶されているメイン制御部のSIDの認証要求Aをメイン制御部323へ送信する。それを受けたメイン制御部323は、CU通信制御部80に対してチャレンジコードを要求するためのBBシリアルID認証応答AをCU通信制御部80へ送信する。それを受けた通信制御部80は、BBシリアルIDすなわち図7に示したEEPROM813に記憶されているメイン制御部のSIDを用いてチャレンジコードを生成し、そのチャレンジコードをBBシリアルID認証要求Bとしてメイン制御部323へ送信する。
それを受けたメイン制御部323は、BBシリアルIDすなわち図7に示したEEPROM808に記憶されているメイン制御部のSIDを用いてレスポンスコードを生成し、そのレスポンスコードをBBシリアルID認証応答BとしてCU通信制御部80へ送信する。それを受けたCU通信制御部80は、そのレスポンスコードが適正であるか否かを判定し、適正(OK)のときのみ、以降に示す認証鍵情報の送信を行なう。この図35に示したチャレンジレスポンス認証も、図27や図28に示したチャレンジレスポンス認証と同じアルゴリズム(例えばイクスクルーシブオア)を用いることができる。
そして、CU通信制御部80は、認証結果適正であると判断したときに、専用ICライタ(ROMライタ)から書込まれた認証鍵情報すなわち図7に示したEEPROM813に記憶されている認証鍵の情報を認証鍵設定要求としてメイン制御部323へ送信する。それを受けたメイン制御部323は、送信されてきた認証鍵を図7に示すEEPROM808に記憶させ、記憶させた旨を示す認証鍵設定応答をCU通信制御部80へ送信する。
これにより、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で共通の認証鍵(共通鍵)が記憶されたこととなる。そして、CU通信制御部80は、その共通の認証鍵を使用して以降機器認証を行なう。この機器認証は、図29に示した機器認証シーケンスと同様のものである。そして機器認証の結果適正であると判定された場合に、以降の通信は行なわず、リセット待ちの状態となる。
次に、図23に戻り、認証応答を受信したCUは、次にリカバリ要求をS台へ送信する。それを受けたS台では、S台内部(具体的には払出制御部31)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCUへ返信する。このリカバリデータとしては、接続時刻、最終SQN(シーケンスナンバー)、C−ID、前回持点関連情報、および現在持点関連情報が含まれている。正確には、図11に示した各種データであり、以降のフローチャートで「リカバリデータ」と言えば、正確には図11に示した各種データのことである。なお、本実施例では、リカバリデータに含まれている「最終SQN」とは、前述したように、S台が最後に送信したSQNのことである。
このリカバリ応答を受信したCUはその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CUとS台との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、後述するようにトラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CUは、「動作指示」を送信する度にこのSQN(シーケンスナンバー)をカウントアップする。ただし、動作指示の再送時の際にはカウントアップしない。CUは「動作要求」の送信時にSQNおよびその要求内容をバックアップする。S台は、「動作指示」で受信したSQNを記憶し、そのまま「動作応答」にてCUへ送り返す。S台は、前回受信したSQNと同じSQNの動作指示を受信した場合には、通信不良が発生してCUが動作指示を再送したその再送電文と判断する。
CUは、リカバリ処理が終了した後、メインチップID、払出チップID、接続時刻をS台から受信した値に更新するとともに、SQNを「0」に更新し、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドとして、SQN補正ON、持点補正ON、SQN=0、持点=0のコマンドをS台へ送信する。S台では、それを受けて、S台でバックアップしていた「シーケンスナンバー」および「持点」をCUの情報にあわせる(SQN=0、持点=0)。また、通知された「接続時刻」をバックアップする。そして、S台は、通信開始応答をCUへ返信する。これ以降、CUとS台との間で、動作指示のコマンドおよび動作応答のレスポンスの送受信が行なわれる。
CUは、前述したように、この動作指示を送信する毎にシーケンスナンバー(SQN)を1ずつカウントアップする。まず最初の動作指示において、遊技許可要求無、SQN=0、C−ID=00hの動作指示コマンドをS台へ送信する。S台では、それを受けて、SQN=1、C−ID=00h、前加算数=0、前減算数=0のデータをバックアップする。また、S台は、現在持点関連情報である加算数、減算数の各カウンタの値を0クリアする。そして、S台は、動作応答として、SQN=1、C−ID=00h、持点数=0、加算数=0、減算数=0、および遊技禁止(遊技停止状態)のレスポンスをCUへ送信する。
その動作応答を受けたCUは、その動作応答に基づき、SQN=1をバックアップし、現在の持点数0+受信した加算数0−受信した減算数0を算出して現在の持点数0をバックアップするとともに、加算数累計=0、減算数累計=0をバックアップする。
次に、CU側で起動処理が終了した段階でCUは、遊技許可要求有、SQN=n、C−ID=00hの動作指示をS台へ送信し、それを受けたS台は、動作応答として、遊技可拒否OFF、SQN=n+1、C−ID=00h、持点数=0、加算数=0、減算数=0、および遊技許可のレスポンスをCUへ返信する。
図25のセッション鍵による認証シーケンスの結果適正な認証結果が得られた場合に、図32に示す業務電文シーケンスを実行する。図32(a)は業務電文シーケンスが正常の場合を示しており、図32(b)は業務電文シーケンスが異常の場合を示している。
まず図32(a)を参照して、メイン制御部323からCU通信制御部80に対して、動作指示のコマンドが送信された後、その動作指示電文の通信状態の確認要求(通信状態要求)をCU通信制御部80へ送信する。CU通信制御部80は、動作指示電文の受信状況(MAC異常、CRC異常、復号異常、データ長異常、断線検知)を通信状態応答としてメイン制御部323へ通知する(図18参照)。
メイン制御部323は、その受信した通信状態応答に基づいて通信状態を確認し、正常な場合には正常と判断する。
一方、CU通信制御部80は、前述の動作指示のコマンドを受信したことに基づいてその動作指示のコマンドをP台(具体的にはP台通信制御部81)へ送信する。それを受けたP台では、動作応答をCU通信制御部80へ返信し、CU通信制御部80はそれを受けてその動作応答のレスポンスをメイン制御部323へ送信する。
一方、業務電文シーケンスが異常の場合が図32(b)に示されている。図32(a)との相違点としては、CU通信制御部80から送信されてきた通信状態応答を受信したメイン制御部323が、その通信状態応答に基づいて通信状態を確認し、異常と判断する点である。これは、送信されてきた通信状態応答のレスポンスが、図18に示す0x00以外の数値データであった場合に、異常と判断される。メイン制御部323は、異常と判断した場合には、通信状態の確認のリトライを実行する。具体的には、再度動作指示のコマンドをCU通信制御部80へ送信した後、再度通信状態要求をCU通信制御部80へ送信し、CU通信制御部80から返信されてきた通信状態応答に基づいて通信状態の異常が発生しているか否かを判断する。メイン制御部323が、リトライを実行した結果なお通信状態の異常であると判断した場合には、通信状態の異常報知制御を行なう。この通信状態の異常報知制御としては、たとえば、表示制御部797へ異常報知コマンドを送信して表示器312により通信状態の異常報知を行なったり、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅制御したり、あるいは、ホール用管理コンピュータ1に通信状態の異常が発生した旨の信号を送信したりすることが考えられる。このリトライの実行回数は、図32(b)では1回のものを示したが、2回以上実行するものであってもよい。
次に、図33を参照して、CUとS台とを再接続した際の接続シーケンスの処理を説明する。ここで言う「再接続時」とはCUとS台との通信が異常終了した後の通信再開時のことである。この「異常終了」は、後述する、図45のカード保持中に電源が起動したとき、図52のS台が加算拒否したときにCU自ら通信を切断したとき、図58〜図73のCU側に電源断が生じた場合である。後述するように、CUは接続シーケンスを再開するときに、a.待機中(図34参照)以外の状態での接続シーケンスの再開である、b.自ら通信切断要求を送信して通信を切断した後での接続シーケンスの再開である(図52参照)、または、c.CUがバックアップしているSQNとS台から送信されてきたSQNとが不整合である、か否かを判断し、a〜cのいずれかと判断したときに、正常な通信の終了でない(異常終了)と判断し、図23ではなく図33の再接続時の接続シーケンスを実行する。
この再接続時の接続シーケンスは、図23で説明した電源起動時の接続シーケンスと類似しており、ここでは主に相違点を説明する。
まず、S台が賭数操作無効状態(遊技禁止状態)として遊技を禁止してから通信を開始する時期が、CUからの機器情報要求のコマンドを受信した直後となる。これは、CUからの機器情報要求をS台が受けて初めて再接続されたことをS台が認識できるためである。
次に、図23の接続シーケンスは電源起動時であるために、CUからS台に対してリカバリクリアONの通信開始要求のコマンドを送信し、S台でそれを受けてリカバリデータのクリアを行なうとともに、最初の動作指示で送られてくるSQN=1に従ってシーケンスナンバー(SQN)を1にし、前回持点関連情報と現在持点関連情報とをすべて「0」にクリアする。
しかし、図33の接続シーケンスの場合には、再接続時であるために、S台内部でバックアップしているリカバリ情報とCU側で記憶している情報とが一致しない場合がある。そこで、CUでは、リカバリ処理を開始した後、リカバリ応答に含まれているS台側のリカバリデータ(前回持点関連情報、現在持点関連情報等)の内容に合せて、持点等の補正を行なう処理を実行する。
具体的には、S台から送られてきたリカバリデータに含まれている加算数および減算数に基づいて、CUが記憶している持点数+加算数−減算数を演算し、記憶している持点数をその演算された新たな持点数に補正する処理を行ない、その補正後の持点数とS台からリカバリデータとして送信されてきた持点数とを比較し、一致するか否かを判断する。
不一致の場合には、通信開始要求として持点補正ONすなわちデータ補正要求のBit2を「1」にしたコマンドをS台へ送信する。また、S台から送られてきたリカバリデータに含まれている最終SQNとCUが記憶している最終SQNとを比較して一致するか否かを判断し、一致しない場合には通信開始要求としてSQN補正ONすなわちデータ補正要求のBit1を「1」としたコマンドをS台へ送信する。また、補正すべき正しい持点数=300とSQN=3とを通信開始要求に含めてS台へ送信する。
S台は、その通信開始要求のコマンドを受信し、S台でバックアップしていた「シーケンスナンバー」および「持点」をCUの情報に合せる補正処理を行なう。具体的には、SQN=3、持点=300に補正し、また通知された「接続時刻」をバックアップする処理を行なう。
そして、CUでは、リカバリ処理が終了した段階で、S台から送信されてきたメインチップID、払出チップIDをバックアップするとともに、再接続時の時刻である接続時刻をバックアップする。そして、シーケンスナンバーについては、S台から送信されてきた最終SQNが異常でない場合に、そのシーケンスナンバー(SQN)を継続する。
一方、CUにおいて、リカバリ処理を開始した後、通信相手であるS台が一致しないと判断された場合、またはSQNが異常であると判断された場合には、S台から送信されてきたリカバリ応答に含まれている現持点数を、一旦、遊技者所有の遊技用記録媒体(カード等)に記録する。そして、その後、その記録媒体の貯メダルを使用するべく再プレイボタン319を操作し、その貯メダルを持点に変換した後再遊技を可能とする。その際には、図23に示した電源起動時の接続シーケンスと同様に、CUからS台へ送信される通信開始要求として、リカバリクリアONが送信され、S台はそれを受けてリカバリデータをクリアする。またCUでは、シーケンスナンバーを「0」とし、最初の動作指示においてSQN=1をS台に送信し、S台ではそのSQN=1をバックアップする。また、S台では、前加算数=0、前減算数=0をバックアップするとともに、加算数、減算数の各カウンタ値を0クリアする。
次に図34を参照して、待機中における処理を説明する。この待機中とは、S台において遊技が行なわれていない状態でかつCUにおいてカードが挿入されておらず、貸出ボタン321や再プレイボタン319が何ら操作されていない状態中のことである。
まずCUからS台に対して、加算要求無、減算要求無、SQN=n、C−ID=00hの動作指示のコマンドが送信される。それを受けたS台では、動作応答のレスポンスとして、SQN=n+1、C−ID=00h、持点数=0、加算数=0、減算数=0、および遊技禁止のデータを送信する。CUでは、SQN=n+2、加算要求数=0、および減算要求数=0をバックアップする。CUからS台への次の動作指示のコマンドにおいては、SQN=n+2、C−ID=00hのデータが送信される。これを受けたS台では、SQN=n+3、C−ID=00h、前加算数=0、前減算数=0をバックアップするとともに、加算数、減算数、および持点数の各カウンタ値を0クリアする。
そして、S台は、動作応答として、SQN=n+3、C−ID=00h、持点数=0、加算数=0、減算数=0、および遊技禁止のレスポンスをCUへ送信する。CUでは、S台からの動作応答のレスポンスを受信する毎に、C−ID=00h、持点数=0、加算累計=0、減算累計=0をバックアップする。
図35を参照して、カードが挿入されたときのCUとS台との処理を説明する。
CUでは、カードが挿入されると、カードリーダライタ327にカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報をカードリーダライタ327が読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。
この挿入時処理においては、挿入されたカードに記録されているC−IDをCUが読取ってそのC−IDをS台へ送信するカード挿入要求のコマンドがS台へ送信される。それを受けたS台では、CUに対してC−IDの受信が終了したことを通知するカード挿入応答のレスポンスがCUへ返信される。さらに、この挿入時処理として、後述する図40に示すような制御が実行される。
CUは、カードの挿入が行なわれた後所定期間カード残高問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいはプリペイド残高等をたとえばホール用管理コンピュータ1等の上位のサーバに問合せている最中であることを表示器312に表示するとともにS台側の表示器51に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。CUは、図76等で後述するように、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示するとともに、カード保持中ON、C−ID、カード挿入処理中ONを含む動作指示をS台へ送信する。
S台では、その動作指示のコマンドを受信することにより、LSI117がカード保持中ONおよびカード挿入処理中ONを含む表示器制御コマンドを表示器用演出制御基板90に送信し、挿入されたカードの問合せ中である旨を表示器用演出制御基板90が表示器51に表示させる制御を行なう(図76参照)。
その後S台は、動作応答として、SQN=n+3、C−ID、持点数=0、加算数=0、減算数=0、遊技禁止を含むレスポンスをCUへ送信する。
CUでは、カード残高の問合せの結果挿入されたカードの残高および持点が確認できた段階で残高および持点を確定させる。CUでは、その確定したカードのプリペイド残高を表示器312に表示させる制御を行なうとともに、確定した持点(5000)を持点として遊技機(S台)へ送信している最中である加算表示中の表示を表示器312に表示させる(図76参照)。
そして、SQN=n+4、C−ID、持点=0(更新前持点数)+5000(加算要求数)=5000および持点=0をバックアップする。この時点で持点の消費を確定させる。
次に、動作指示として、加算要求有、カード保持中ON、カード挿入処理中OFF、加算表示中ON、SQN=n+4、C−ID、加算要求数=5000およびカード残高=7000を含むコマンドをS台へ送信する。なお、カード保持中とカード挿入処理中の動作指示は、図13で説明したように、会員カードとビジターカードとで分けてこれらカードの種類毎に区別して動作指示を送信し、S台において、カードの種類毎に区別して動作の表示を行なうようにしてもよい。
S台では、加算表示中ONと加算要求数=5000とを含む動作指示のコマンドをLSI117が受信することにより、加算表示中ONと加算要求数=5000とを含む表示器制御コマンドをLSI117から表示器用演出制御基板90へ送信する。表示器用演出制御基板90は、それを受けて、表示器51に持点として5000点を加算中である旨の表示(加算表示中)を行なう(図76参照)。
図36は、図26に示した挿入時処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャート図である。本実施の形態において破線で示すステップは変形例の制御内容を示している。また、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図36において、S1〜S7の各ステップはCUが実行し、S8〜S10、S12〜S15はS台が実行する。
まずCUは、ステップ(以下単にSという)1により、中断中であるか否かの判定を行なう。この中断中であるか否かは、後述する図43に示した中断操作が行なわれて遊技中断のシーケンスが実行されたか否かにより判断する。中断中である場合には、S2により、挿入されたカードのC−IDと中断操作されたカードのC−IDとが一致するか否か判定し、一致しない場合にはS5によりその挿入されたカードを排出して待機中(図34参照)へ移行する。
一方、挿入されたカードのC−IDと中断操作されたカードのC−IDとが一致する場合には、中断操作した遊技者が再びその遊技機に戻ってきて遊技を開始したと判断されるために、制御がS4へ進み、中断状態を解除し、S6により遊技を再開する処理が実行される。
一方、S1により中断中でないと判断された場合には、挿入されたカードのC−IDをS台へ送信する処理がS3により行なわれる。S台では、そのC−IDを受信し、その受信したC−IDとバックアップエリア(図5に示すバックアップデータ記憶部)に記憶されているC−IDとを比較する(S8)。そしてS9によりその比較結果が一致するか否か判定し、一致しない場合には、離席した遊技者とは異なる遊技者が遊技を開始したと判断し、この挿入時処理のサブルーチンプログラムが終了する。
なお、変形例の制御内容として、S15とS7との処理を行なってもよい。S15により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)に記憶されている遊技履歴データとC−IDとをCUへ送信した後削除する。CUでは、それを受信して、受信したデータを上位サーバ801へ送信する。上位サーバ801では、その受信した遊技履歴データとC−IDとをバックアップ記憶する。
一方、S9により一致すると判定された場合にはS12へ進み、バックアップエリア(バックアップデータ記憶)の遊技履歴データを現エリア(図5に示す遊技者遊技履歴データ記憶部)に戻し、その遊技履歴データから新たに遊技履歴データの加算更新を開始する。
なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理を行なってもよい。S9でYESの場合には、制御はS10へ進み、前回のカードが排出されてから所定時間(たとえば20分間)経過したか否かの判断がなされ、経過していないS10により所定時間が経過していると判断された場合には、S13により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)の遊技履歴データとC−IDとを削除する処理がなされる。また、S12の後、S15により、遊技者が同一である旨の通知をCUへ送信する。なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理およびS15、S7の処理を全て行なうように制御してもよい。
次に、図37を参照して、挿入された記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高を消費するときの処理を説明する。この図37の処理では、プリペイド残高が「1000」で、現時点における持点が「10」となっている。まずCUからS台に対し、加算要求無、加算表示中OFF、SQN=n、C−ID、加算要求数=0、および減算要求数=0のコマンドが送信される。それを受けたS台では、動作応答として、SQN=n+1、C−ID、持点数=10、加算数=0、減算数=0、遊技可のレスポンスが返信される。
一方、CUにおいては、1回の貸出操作により、500円分すなわち25点の貸出を行なう。CUにおいて貸出ボタン(貸出ボタン)321が押下操作された場合に、SQN=n+2、C−ID、持点数=10(更新前持点数)+25(加算要求数)=35および残高=500をバックアップする。このように、残高消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU側単独で確定する。
そして、CUは、動作指示として、加算要求有、加算表示中ON、SQN=n+2、C−ID、加算要求数=25、およびカード残高=500のコマンドをS台へ送信する。それを受けたS台では、その動作指示のコマンドに含まれている加算表示中ONと加算要求数25とを含む表示器制御コマンドをLSI117が表示器用演出制御基板90へ送信する。表示器用演出制御基板90は、それを受けて、表示器51に持点数25を加算中である画面を表示させる。
次に、S台は、SQN=n+2、C−ID、前加算数=0、前減算数=0をバックアップするとともに、レスポンスを作成した後、加算数、減算数の各カウンタ値を0クリアし、現在の持点数10に対して加算要求数25を加えた35の値に持点数を更新する。
そして、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+3、C−ID、持点数=35、加算数=0、減算数=0、遊技可のレスポンスを返信する。
それを受けたCUでは、SQN=n+3、C−ID、持点数=10(更新前持点数)+25(加算要求数)+0(加算数)−0(減算数)=35を計算してバックアップするとともに、加算累計=0、減算累計=0をバックアップする。
やがて、CU側での持点加算の表示が終了すると、図69示すように、CU側からS台側へ加算表示中OFFを含む動作指示コマンドが送信される。
次に、図38を参照して、貯メダルを消費する再プレイ時における処理を説明する。この図38では、挿入された記録媒体(カード等)により特定される貯メダルが「1000」であり、当初の持点が「0」の状態となっている。この図38における再プレイの処理は、図37で示した残高の消費のときの処理と類似している。
CU側では、遊技者所有の遊技用記録媒体(会員用カード等)が挿入されてそのカードにより特定される貯メダルが存在する状態で、再プレイボタン319が押下操作された場合に、SQN=n+2、C−ID、持点数=0(更新前持点数)+25(加算要求数)=25、加算要求数=25、減算要求数=0、貯メダル=975をバックアップする。なお、貯メダルは、1000−25=975と算出される。
そして、CUは、動作指示として、加算要求有、加算表示中ON、SQN=n+2、C−ID、加算要求数=25、減算要求数=0を含むコマンドをS台へ送信する。それを受けたS台では、その動作指示のコマンドに含まれている加算表示中ONと加算要求数25とを含む表示器制御コマンドをLSI117が表示器用演出制御基板90へ送信する。表示器用演出制御基板90は、それを受けて、表示器51に持点数25を加算中である画面を表示させる。
その他の処理においては、図37の処理と同様である。以上説明したように、貯メダルの消費はS台からの動作応答のレスポンスを待つことなく再プレイボタン319の押下操作が行なわれた時点でCU側単独で確定し、持点数は、S台からの動作応答のレスポンスを待って確定する。
次に、図39を参照して、CU側の指示による持点数の減算(ワゴンサービス等)の処理を説明する。遊技場においては、遊技者所有の持点を消費してドリンク等を遊技者に提供するというワゴンサービスが行なわれている。このようなワゴンサービスを遊技者が受ける場合には、遊技者が表示器312をタッチ操作し(図87〜図91参照)、ワゴンオーダーをすることにより、遊技者が注文したオーダー内容がカードユニット3のIR感光ユニット320から赤外線信号として遊技場の店員が所持しているリモコンに入力される。
遊技場の店員はリモコンに入力されたオーダー内容に従ってワゴンサービスを行なう。図39においては、遊技者所有の持点が「1000」ある状態で、使用持点数「300」を消費するワゴンオーダーが発生した場合を示している。ワゴンオーダーが発生すると、CUは、SQN=n+2、C−ID、加算要求数=0、減算要求数としてワゴンオーダー発生に伴う持点の使用数である「300」をバックアップする処理を行なう。この段階では、CUは持点から実際に300の減算は行なわず、単に減算要求数として「300」をバックアップするのみである。そして、CUからS台へ、動作指示として、減算要求有、減算表示中ON、SQN=n+2、C−ID、加算要求数=0および減算要求数=300のコマンドを送信する。
それを受けたS台は、自身が記憶している持点数カウンタの値が、減算要求数以上であるか否かを判定する。なお、この判定はLSI117により実行される。図39では、持点数カウンタの値が、減算要求数以上である場合を想定している。S台では、減算表示中ONと減算要求数=300とを含む動作指示のコマンドをLSI117が受信することにより、減算表示中ONと減算要求数=300とを含む表示器制御コマンドをLSI117から表示器用演出制御基板90へ送信する。表示器用演出制御基板90は、それを受けて、表示器51に持点として300を減算中である旨の表示(減算表示中)を行なう。
次に、S台は、SQN=n+3、C−ID、前加算数=0、前減算数=0をバックアップするとともに、加算数、減算数の各カウンタの値を0クリアする。そして、減算要求数=300に従って、現在の持点数1000から減算数300を減算した「700」に持点数を更新する。
そして、S台からCUへ、動作応答として、減算拒否OFF、SQN=n+3、C−ID、現持点数=700、加算数=0、減算数=0、遊技可のレスポンスを返信する。
そして、CUでは、SQN=n+3、C−ID、持点数=1000(更新前持点数)−300(減算要求数)+0(加算数)−0(減算数)=700を算出し、持点数を「700」に修正して、これをSQN=n+3とともにバックアップする。このように、持点数の減算は、S台からの動作応答のレスポンスを待って初めて確定する。
また、CUは、C−ID、加算累計=0、減算累計=0をバックアップする。
一方、S台が、自身が記憶している持点数カウンタの値が減算要求数未満であると判定した場合には、S台は、減算要求数に応じた持点数の減算を実行しない。また、この場合、S台はCUに対して、動作応答として、減算拒否ONの動作応答を返信する。これにより、CUには、S台が減算要求を拒否したために減算要求に基づく持点の減算が行なわれなかったことが通知される。
以上、図39を用いて説明したように、CUの指示に基づいた持点数の減算は、S台からの動作応答のレスポンスを待って初めて確定する。一方、図38を用いて説明したように、CUの指示に基づいた貯メダル消費は、CUが貯メダル消費を受け付けた時点で確定する。
このように、「CUの指示に基づいた持点数の減算」と「CUの指示に基づいた貯メダル消費」とで確定時期を異ならせたのは、以下の理由による。
CUがワゴンオーダーなどの持点数の減算処理を受け付けた段階では持点数に余裕があったために減算指示を送信したものの、減算指示をS台が受けた段階で持点が遊技に用いられた結果、減算指示に対応する持点数が残っていない場合もある。
このような場合に、CUが減算処理を受け付けた段階でCUで記憶している持点数に基づいて減算を確定してしまうと、実際には遊技機側で持点数が残っていないにも関わらず減算が確定されることとなり、矛盾が生じてしまう。そこで、本実施の形態では、「CUの指示に基づいた持点数の減算」については、S台からの動作応答のレスポンスを待って確定させるようにしている。
これに対して、「CUの指示に基づいた貯メダル消費」については、その指示がS台に届いた時点でS台が記憶している持点数が変動したとしても、加算指示に対応する持点を加算することに問題は生じない。このため、処理の迅速化の観点より、「CUの指示に基づいた貯メダル消費」についてはCUが貯メダル消費を受け付けた時点で確定させるようにしている。
次に、図40を参照して、遊技中にビッグボーナスが発生した場合の処理を説明する。この図40では、当初の持点数が1000であり、遊技中のS台とCUとの間で動作指示および動作応答の送受信が行なわれている最中に、ビッグボーナスが発生した状態が示されている。
まず、CUにおいて、SQN=nおよびC-IDをバックアップし、CUからS台に対して、動作指示として、加算要求無、減算要求無、SQN=n、C-IDのコマンドを送信する。それを受けたS台では、3BETのゲームが開始されている。その結果、S台では、SQN=n+1、前加算数=0、前減算数=3をバックアップするとともに、持点数=1000+0(加算数)−3(減算数)=997を算出して、持点数を997に更新する。さらに、レスポンスの作成後、加算数、減算数の各カウンタ値を0クリアする。
そして、S台は、動作応答として、SQN=n+1、持点数=997、加算数=0、減算数=3、遊技可、ビッグボーナスOFFのレスポンスをCUへ送信する。このように、S台は、減算数および加算数のみならず、持点数もCUへ送信している。その結果、CUは、S台で記憶している持点数が、CUで管理している持点数と一致しているか否かを判定できる。
動作応答のレスポンスを受けたCUでは、持点数=1000+0−3=997を計算してその997を持点数としてバックアップするとともに、加算数累計=0、減算数累計=3をバックアップする。
このような動作指示のコマンドおよび動作応答のレスポンスの送受信を繰返し実行している最中に、S台においてビッグボーナスが発生し、持点関連情報が、持点数=1012、加算数=15、減算数=0に変動する。そしてS台においてビッグボーナス入賞が発生してビッグボーナスがスタートする。ビッグボーナス入賞によって、たとえば、15点の持点が遊技者に付与される。すると、S台は、SQN=n+N+1、前加算数=15、前減算数=0をバックアップするとともに、持点数=997+15(加算数)−3(減算数)=1012を算出して、持点数を1012に更新する。さらに、レスポンスの作成後、加算数、減算数の各カウンタ値を0クリアする。さらに、S台は、動作応答として、SQN=n+N+1、持点数=1012、加算数=15、減算数=0、遊技可、ビッグボーナスONのレスポンスをCUへ送信する。
CUは、それを受けて、ビッグボーナス入賞が発生し、ビッグボーナスがスタートしたことを検知する。さらに、CUは、SQN=n+N+1、持点数=997+15(加算数)−3(減算数)=1012を計算してその1012に持点数を修正してバックアップするとともに、加算数累計=15、減算数累計=0をバックアップする。
次に、図41を参照して、S台で遊技をしている最中に持点がなくなったことが検知された場合の処理を説明する。当初の持点数=6とし、まずCUは、SQN=n、C−ID、加算要求数=0、および減算要求数=0をバックアップし、動作指示として、加算要求無、減算要求無、およびSQN=nのコマンドをS台へ送信する。S台においては、たとえば、賭数3が設定されたことに基づいて、SQN=n+1、C−ID、前加算数=0、前減算数=3をバックアップする。そしてレスポンス作成後、加算数、減算数の各カウンタ値を0クリアする。
そして、S台は、動作応答として、SQN=n+1、C−ID、持点数=3、加算数=0、減算数=3、遊技可のレスポンスをCUへ送信する。CUでは、SQN=n+1、C−ID、持点数=6+0−3=3を算出してその後に持点数を修正してバックアップするとともに、加算累計=0、減算累計=3をバックアップする。
その後、暫く、コマンドとレスポンスとのやりとりが継続する。
その後、S台において、さらに賭数3が設定されたゲームが開始されると、減算数=3となる。その結果、持点数=3−3=0となる。この持点数=0になった段階で、S台においては、持点なしが検出される。すなわち、LSI117は、自身で記憶している持点数カウンタの値に基づいて持点残数が賭数設定に必要な数以下であることを判定する。この段階で、LSI117は賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御して新たな遊技の開始を禁止する。具体的には、LSI117から主制御基板116に対して、賭数設定の禁止を通知するためのBET不可信号が送信される。これを受けた主制御基板116は、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作を無効化する。なお、持点なしが検出された段階でゲーム実行中、すなわち可変表示装置が可変表示中であった場合、S台は、その可変表示ゲームは続行させ、次回のゲームの開始を禁止する。
CUでは、SQN=n+N、C−ID、加算要求数=0、および減算要求数=0をバックアップし、動作指示として、加算要求無、減算要求無、C−ID、およびSQN=n+NのコマンドをS台へ送信する。
S台では、C−ID、SQN=n+N+1をバックアップするとともに、前加算数=0、前減算数=3をバックアップし、減算数=3を含むレスポンスを作成した後、加算数、減算数の各カウンタ値を0クリアする。
そして、S台は、動作応答として、SQN=n+N+1、C−ID、持点数=0、加算数=0、減算数=3、遊技禁止の動作応答をCUへ送信する。この動作応答は、「1つ目の動作応答を送信してから賭数操作無効状態にするまでの間に特定された変化量を特定可能な更新情報」である。
CUでは、それを受けて、持点数=3+0−3=0を算出して持点数を0に修正してバックアップするとともに、SQN=n+N+1、C−IDをバックアップし、さらに加算累計=0、減算累計=6に修正する。
このように、持点数の主たる管理はCUで行なっているが、遊技禁止制御(賭数設定禁止制御)を行なうか否かの判定のときにのみ、S台側における持点数を利用する。これにより、CUで管理記憶している持点数に基づいて遊技禁止制御を行なう場合に比較して、持点数の変動に即した遊技禁止制御をリアルタイムで行なうことができる。
次に図42を参照して、カードの返却操作があったときの処理を説明する。当初持点数=500の状態で、CUからS台への動作指示、それに応えてS台からCUへの動作応答が行なわれた段階で、返却ボタン322が押下操作された場合に、CUは、次の動作指示として、遊技を禁止させるための禁止要求有、クリア要求無、クリア表示中OFF、SQN=n+2、C−IDのコマンドをS台へ送信する。S台では、そのコマンドに含まれる禁止要求有の指示に従って、賭数設定ができない賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御する。その後、1ゲーム規制時間(たとえば、4.1秒)以上の所定時間に対応するウエイトを設ける。前記所定時間は、たとえば、10秒である。このウエイト時間の間、S台とCUとの間でポーリングを継続する。このようにウエイト時間を設けることによって、CUから禁止要求のコマンドを受信した段階で既にゲームが開始していた場合(可変表示装置が可変表示中であった場合)に、そのゲーム結果が確定する前にカードの返却処理が行なわれることを防止している。
なお、このポーリングの間においては、S台からCUに対して、準備中であることを示すデータを繰り返し送信する一方、CUからS台に対して、禁止要求を繰り返し送るようなシーケンスを採用してもよい。
あるいは、このポーリングの間においては、S台からCUに対して、準備中であることを示すデータを1回送信する一方、CUからS台に対して、準備中であることを承諾したことを示すデータを1回送信し、その後は、ゲーム終了に至るまで、CUからは何らの指令を含まない動作指示を繰り返し送るようなシーケンスを採用してもよい。
または、このポーリングの間においては、S台からCUに対して、禁止拒否を示すデータを送信する一方、CUからS台に対して、禁止要求を繰り返し送るようなシーケンスを採用してもよい。
そして、ウエイト時間が経過した段階で、S台は、動作応答として、SQN=n+N+1、C−ID、持点数=500、加算数=0、減算数=0、遊技禁止、遊技完了ONのレスポンスをCUへ送信する。このときに送信される持点数が、遊技終了時の最終の持点数となる。なお、このシーケンス例は、ウエイト時間中に入賞が発生することがなく、加算数も減算数も共に変化しなかった場合を示している。仮にウエイト時間中に入賞が発生した場合には、その入賞に応じた持点数が「加算数」としてCUへ送信されることになる。
この動作応答を受けたCUは、SQN=n+N+2とクリア要求有のデータとをバックアップする。さらに、動作応答に含まれる、「加算数、減算数」に応じて、記憶している「持点数、総加算数、総減算数」の各データを更新する。これによって、遊技終了時の持点数がCU側で確定されることになる。このように、最終の持点数をCU側で確定しているために、S台側に持点管理機能を設ける必要がなく、その分、S台のコストを極力抑えることができる。
SQN=n+N+2とクリア要求有のデータとをバックアップしたCUは、続いて、動作指示として、クリア要求有、クリア表示ON、SQN=n+N+2、C−IDのコマンドをS台へ送信する。その後、CUはクリア中である旨の表示(クリア表示中)を表示器312に表示させる(図96、図97参照)。この「クリア要求有」が、S台の持点数の初期化を指示するデータである。
S台では、CUから送信されてきたコマンドに含まれているクリア表示中ONを含む表示器制御コマンドをLSI117が表示器用演出制御基板90へ送信する。表示器用演出制御基板90は、それを受けて、表示器51にクリア中である表示画面(クリア表示中の画面)を表示させる。
なお、この例では、CUは、返却ボタン322の操作に基づいた「遊技終了を要求する信号」の入力を受けて、遊技終了時の持点数を確定させている。しかしながら、「遊技終了を要求する信号」としては、返却ボタン322の操作に基づいた信号に限られない。
たとえば、CUに、遊技者の指紋を認証する指紋認証部を設ける。遊技機の開始時には、指紋認証部による認証を必須とし、遊技者が遊技開始時にCUに挿入した遊技カードにより特定される指紋情報と、指紋認証部により検出された指紋情報とが一致することを条件として遊技を許可する。さらに、遊技終了時にも指紋認証部による認証を必須とし、指紋認証部により検出された指紋情報が遊技開始時に検出された指紋情報と一致することを条件として遊技を終了させる。この場合には、「遊技終了を要求する信号」は、指紋認証部で検出される指紋情報となる。
あるいは、返却ボタン322に相当するボタンをS台側に設けてもよい。
その他、遊技機設置島全体を管理するサーバ等から遊技終了要求信号がCUに入力された場合には、返却ボタン322の操作の有無に関わらず、遊技を終了させてもよい。この場合、サーバから入力される遊技終了要求信号によって「遊技終了を要求する信号」が構成される。
図46の説明に戻る。クリア要求有、クリア表示中、SQN=n+N+2、C−IDのコマンドを受信したS台は、現在記憶エリアに更新記憶されている遊技履歴データとC−IDとをバックアップエリアにシフトして記憶する。
次に、S台は、動作応答として、クリア要求を拒否しない旨のクリア拒否OFF、SQN=0、C−ID、持点数=0、加算数=0、減算数=0、遊技禁止、遊技完了ONのレスポンスをCUへ送信する。そしてCUは、SQN=0、持点=0、カード記録持点=500をバックアップする。このカード記録持点=500は、クリア要求直前に受信した持点数に基く値である。
その後、CUは、挿入されているカードに持点=500を記録して排出して遊技者に返却する。そして、動作指示として、禁止要求無、クリア要求無、クリア表示中OFF、SQN=m、C−ID=00hを含むコマンドをS台へ送信する。その後、S台は、動作応答として、SQN=m+1、C−ID=00h、持点数=0、加算数=0、減算数=0、遊技禁止、遊技完了ON、特賞OFFおよび確変OFFのレスポンスをCUへ送信する。なお、カードの持点を直接カードに記録するのではなくて、上位サーバにて当該カードのカード番号に対応付けて持点を記憶するようにしてもよい。その場合には、CUが記憶している持点数と挿入されている当該カードのカード番号とを上位サーバへ送信し、上位サーバにて受信したカード番号に対応付けて記憶している持点を検索し、その持点をCUが記憶している持点数に対応する値に更新する。その後CUがカードを排出する。このように、カードの持点を直接カードに記録することと、上位サーバにてカード番号に対応付けて持点を記憶することの両者を総称して、カードに持点を「対応付ける」と表現する。
図43は、遊技を中断するときのカードユニットとスロットマシンとの処理の一例を示す図である。
図42のカードを返却するときのカードユニットとスロットマシンとの処理に類似しており、相違点としては、返却ボタンの押下の代わりに中断操作が行なわれる。この中断操作は、遊技者が小用を済ませるべく遊技を一時中断するための操作であり、遊技者が遊技場の店員を呼び、店員に遊技中断のためのリモコン操作を行なってもらう。すると、そのリモコンから出力された赤外線信号をIR受光ユニット315が受光して電子信号に変換してメイン制御部323に入力する。S台は、CUからの禁止要求を受けて、BET操作を禁止してゲームができない状態にする。なお、リールが回転中に禁止要求を受けた場合には、前述と同様にゲーム終了までのウエイト時間(たとえば、10秒)を設けており、そのウエイト時間経過までは、動作応答として遊技禁止、遊技完了OFFが返信される。
また、この遊技中断処理の場合には、CUが遊技完了を検知してもクリア要求をS台へ送信しない。その結果、S台においては、中断した遊技者に関するデータ(C−ID、持点数等)を記憶保持している。そしてCUはカードを排出するときに、持点0のカードを排出して遊技者に返却する。その後、中断中は他の遊技者の遊技が禁止される(図36参照)。
図44を参照して、前面扉2bのロックを解除して開放するときの処理を説明する。まず、最初の動作指示としては、前面扉の開放要求のない前面扉開要求無の指示を含むコマンドがCUからS台へ送信される。それを受けたS台は、動作応答として、持点数=500を含む通常のレスポンスをCUへ返信する。
この段階で、たとえばS台においてスタート操作をしてリール2L、2C、2Rが回転を開始した後に表示器51の表示にトラブルが発生するなどして、遊技者が遊技場の係員を呼出した場合に、遊技場の係員は、所持しているリモコンを操作して前面扉2bのロックを解除して開放させるための赤外線信号をIR感光ユニット320に送信する。
それを受けたIR感光ユニット320は、受信した赤外線信号に含まれる前面扉開放指示信号をメイン制御部323へ入力する。その前面扉開の指示入力を受けたCUは、動作指示として、遊技を禁止させて前面扉を開放させるため、禁止要求有、前面扉開要求有、およびSQN=n+2のコマンドをS台へ送信する。
S台は、それを受けて、まず、賭数設定ができない賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御する。これによりBET操作が禁止される。ただし、その時点ですでにリール2L、2C、2Rが回転している場合があり、このようなゲーム中の場合に、そのゲームの進行自体を停止させることはしない。また、S台は、上記のコマンドを受けたときにBET操作を禁止するものの、前面扉のロックを即座に解除することはしない。
たとえば、この図44では、賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御された段階でリール2L、2C、2Rが回転中である場合を示している。
次に、S台は、1ゲーム規制時間に対応する4.1秒以上のウエイト時間(たとえば、10秒)を設ける。このウエイト時間の間、S台とCUとの間でポーリングを継続する。このようにウエイト時間を設けることによって、CUから禁止要求有のコマンドを受信した段階で既にゲームが開始していた場合(可変表示装置が可変表示中であった場合)に、そのゲーム結果が確定する前に前面扉2bが開放されてしまうことを防止している。
S台は、ウエイト時間が経過するまでの間、レスポンスとして、禁止拒否OFF、遊技禁止の動作応答をCUに返信する。一方、CUは、これに対して、禁止要求有、前面扉開要求有のコマンドを送信することを継続する。
やがて、賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御された段階で既に進行していたゲームの結果が確定し、たとえば、ここでは10点の入賞が発生したものとする。すると、図44に示すように、賭数操作無効状態(遊技禁止状態)においても、その間で持点加算すべき事情が生じた場合には、S台からCUに向けて、その加算数(ここでは加算数=10)を含む動作応答が送信される。すなわち、S台は、遊技禁止状態にしている間において持点が変化したときにもその変化量を特定して、その変化量をCUへ送信する。その結果、CU側では、遊技禁止状態となってから遊技結果が確定するまでの間の持点の変化量をも含めた持点を管理可能となる。
やがて、ウエイト時間が経過すると、S台(LSI117)は、前面扉開放ソレノイド110を励磁して前面扉2bのロックを解除して前面扉2bを開放する。また図15に示した遊技台状態における前面扉開発生中のBit6のビットをONすなわち「1」にする処理を行ない、以降、前面扉2bが閉じるまで(前面扉閉鎖検出器112からの検出信号が入力されるまで)ONのまま維持する。そして、S台は、動作応答として、前面扉開拒否OFF、C−ID、遊技禁止、および前面扉開発生中の応答を含むレスポンスをCUへ返信する。
CUでは、前面扉開要求のコマンドに対して拒否されなければすなわち前面扉開拒否OFFの応答を含むレスポンスが返信されてくれば、前面扉2bは開放されたと判断する。
以上、図44を用いて説明したとおり、本実施の形態によれば、S台の前面部材の具体例となる前面扉2bの閉塞状態について、遊技進行に影響を与えることなくCU側からのコマンドによって解除可能となる。
なお、S台のLSI117は、CUから前面扉開放要求有のコマンドを受信したときに、ゲーム中、すなわち、リール2L、2C、2Rのいずれか1つが回転中であるか否かを判定し、リール2L、2C、2Rのいずれか1つが回転中である場合には、すべてのリール2L、2C、2Rが停止した後、あるいはすべてのリール2L、2C、2Rが停止して入賞発生時の持点加算数の演算時間経過後に、前面扉2bの閉塞状態を解除するようにしてもよい。
この場合、S台は、可変表示装置(リール2L、2C、2R)で図柄が可変表示しているゲームの最中にロック手段によるロックの解除を指示するための情報(前面扉開放要求有のコマンド)が受信されたときには当該ゲームが終了し前記遊技禁止状態にするまで前記ロック手段によるロックを解除させる制御を遅延させることになる。
あるいは、S台のLSI117は、CUから前面扉開放要求有のコマンドを受信したときに、ゲーム中であるか否かを判定し、ゲーム中である場合には前面扉を開放せずにCUに対して前面扉開放拒否ONのレスポンスを返すようにしてもよい。つまり、S台は、CUから前面扉開放要求有のコマンドを受信したときにゲーム中でない場合に限って、前面扉開放要求を受け付けるようにしてもよい。
次に図45を参照して、CUがカード保持中に電源起動されてそのときにS台が接続されていない異常が発生したときの処理を説明する。カードが挿入されてS台で遊技をしている最中にCUとS台との間の通信断が発生したために、CUの電源を再起動した段階で、CUからリカバリ要求のコマンドがS台へ送信される。しかし、S台の未接続異常が発生しているために、S台からのレスポンスがCUに返信されてこない。
すると図21で説明したように、CUは、リカバリ要求のコマンドをS台に再送する。それにも拘らずS台からのレスポンスが返信されてこない場合には、2回目のリカバリ要求をS台に再送する。その2回目の再送に対してもS台からレスポンスが返信されてこない場合には、この段階でCUは、通信異常と判断し、未接続によりエラーが発生した旨の表示を表示器312により行なわせる制御を実行する。なお、リカバリ要求の代わりに、機器情報要求のコマンドを送信するようにしてもよい。
この状態で、遊技場の店員がそのCUに対してリモコン操作し、挿入されているカードを強制的に排出する赤外線信号をIR感光ユニット320へ出力すると、その強制排出信号がメイン制御部323へ入力される。CUはそれを受けて、CUでバックアップしている「持点数」を挿入されているカードの「持点(貯メダル)」に加算するとともに、CUの「持点数」「接続時刻」を0クリアしたうえで、挿入されているカードを排出する指令をカードリーダライタ327へ出力する。それを受けたカードリーダライタ327は、取込んでいるカードを排出する。
なお、持点を直接カードに記録するのではなくて、上位サーバにて当該カードのカード番号に対応付けて持点を記憶するようにしてもよい。その場合には、CUが記憶している持点数と挿入されている当該カードのカード番号とを上位サーバへ送信し、上位サーバにて受信したカード番号に対応付けて記憶している持点を検索し、その持点をCUが記憶している持点数に対応する値に更新する。その後CUがカードを排出する。
その後、CUは、S台に対してリカバリ要求のコマンドを送信して接続シーケンス(図33参照)の再開処理を行なう。CUは、カードが挿入された状態(待機中以外の状態)での接続シーケンスの再開であると判断し、図23の電源起動時の接続シーケンスではなく図33の再接続時の接続シーケンスを実行する。S台の未接続異常が発生してから接続シーケンス(図33参照)の再開処理が実行されて最初の動作応答をS台が送信するまでの間に、加算数(たとえばj)または減算数(たとえばr)が発生している場合の処理は、図33の再開処理で行なわれる。
図33を参照して、CUは、リカバリ応答をS台から受信することにより、持点数=0+j(加算数)+r(減算数)を算出して、その算出結果である持点数=j+rをバックアップする。そして、図33で説明したように、SQN補正ON、持点補正ON、およびSQNの値と持点の値とを含む通信開始要求をS台に送信して、S台のSQNと持点数とを補正させる。
次に図46を参照して、CUからの動作指示(要求動作無)がS台に未到達の場合の処理を説明する。なお、ここでは、3BETによる1ゲームが開始してから入賞が発生し、15点が遊技者に付与されるまでの間でのシーケンスを例示する。
S台は、CUからの動作指示のコマンドを受信したことにより、現在持点関連情報記憶領域に記憶されている現加算減算数を、前持点関連情報記憶領域に、前加算減算数としてバックアップ記憶させ、現在持点関連情報記憶領域に記憶されている現加算減算数のデータを0クリアするというバックアップクリア処理を行なうのであるが、図46の場合にはCUからの動作指示がS台に未到達である。ゆえに、S台では、前述のバックアップクリア処理が行なわれない。その結果、賭数設定により減算数が発生し、また、入賞の発生により加算数が発生するたびに、それらデータを現在持点関連情報記憶領域に現在持点関連情報として加算記憶する。
まず、現時点の持点数=520のある時点において、S台がCUに対して3BETのゲーム開始前に動作応答(加算数および減算数ともに0)を返信したものとする。続いて、CUが動作指示として要求無、SQN=nのコマンドをS台に送信する。しかし、そのコマンドがS台に到達しないために、S台からのレスポンスがCUに返信されない。その結果、図21に基づいて説明したように、CUは同じ動作指示のコマンドを再度S台へ送信する。この再度の送信もS台に到達しなかった場合に、S台からのレスポンスがCUに返信されないために、CUは同じ動作指示について2回目の再送信を行なう。この再送信が繰返されるときには、SQNの値がnで維持され、「1」の加算更新は行なわれない。その間に3BETのゲームが開始し、やがてそのゲームが終了する。
2回目の再送信でコマンドがS台に到達した場合に、その動作指示の到達までの間において、S台では、前述したように、3BETゲームが開始・終了しており、賭数設定に応じた減算数が3発生するとともに、入賞に応じた加算数が15発生している。このため、S台は、ゲームの開始時に減算数=3のデータを現在持点関連情報として記憶し、さらにゲームの終了時に加算数=15のデータを現在持点関連情報として記憶している。そして、その記憶されている加算数=15、減算数=3を用いて、現時点における持点数=520+15−3=532を計算し、動作応答として、SQN=n+1、持点数=532、加算数=15、減算数=3の動作応答のレスポンスをCUへ送信する。
CUはそれを受けて、持点数=520+15(加算数)−3(減算数)=532を算出し、その532に持点数を修正して記憶する処理を行なう。
このように、S台は、初めの動作応答を送信してから所定期間が経過しても動作応答の送信を指示する動作指示を受信できない状態が継続する間、ゲームの進行に伴う持点の変化量に基づいて、記憶している変化量を更新する。そして、やがて、動作指示が受信されたときに、その更新されている持点の変化量を加算数および減算数として送信する。
次に図47を参照して、S台からの動作応答(要求動作無に対する応答)がCUに未到達の場合の処理を説明する。この図47に示す場合には、CUからのコマンドがS台に入力されるために、前述したバックアップクリア処理が実行されるが、次回のCUからS台に送信されてくるコマンドのSQNの値が前回のSQNの値と同じであるために、S台は、CUへ送信した動作応答のレスポンスがCUに到達していないことによる再送であると判断し、前回持点関連情報である前加算減算数のデータを0クリアすることなくそれらデータに対して現在持点関連情報としての現加算減算数を加算する。
なお、図47では、3BETによる第1ゲームが開始してから入賞が発生し、10点が遊技者に付与され、続いて3BETによる第2ゲームが開始した段階までS台からの動作応答が未到達であった場合のシーケンスを例示する。
具体的には、現時点の持点数=520として、まずCUが動作指示として要求無、SQN=nのコマンドをS台へ送信する。それを受けたS台側では、3BET操作が検出されており、その段階で加算数=0、減算数=3、持点=517のデータが生成されている。この場合、S台は、加算数=0、減算数=3のデータを前加算数、前減算数にバックアップ記憶させるとともにSQN=n+1をバックアップ記憶し、これらを含む動作応答のコマンドを作成して、SQN=n+1、持点数=517、加算数=0、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。また、S台は、現在持点関連情報としての現加算数および現減算数のデータを0クリアする。
ところが、そのレスポンスがCUに到達しないために、CUでは、前回と同じ動作指示すなわち要求無、SQN=nのコマンドをS台へ送信する。
それを受けたS台側では、10点相当の入賞が発生しており、その段階で加算数=10、減算数=0、持点=527のデータが生成されている。S台は、今回受信した動作指示のコマンドのSQNと前回受信した動作指示のコマンドのSQNとが同じnの値であるために、送信した動作応答のレスポンスがCUに到達しなかったことによる再送であると判断し、前回持点関連情報としての前加算数および前減算数のデータをクリアすることなくそれらデータに対して現在持点関連情報としての現加算数および現減算数のデータを加算してバックアップする。その結果、前加算数=0+10=10、前減算数=3+0=3となる。
S台は、これらデータからなる動作応答のレスポンスを作成した後、現加算数および現減算数のデータを0クリアする。そして、動作応答として、S台は、SQN=n+1、持点数=527、加算数=10、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。しかし、このレスポンスもCUに到達しないために、CUでは、再度同じ動作指示(要求無、SQN=n)のコマンドをS台へ送信する。
それを受けたS台では、前回のSQNと今回のSQNとがともにnであり変化していないことを判断して動作応答のレスポンスがCUに到達していないための再送信であることを検知する。この段階で、S台側では、第2ゲームを開始するための3BET操作が検出されており、加算数=0、減算数=3、持点=524のデータが生成されている。
この場合、S台は、前回持点関連情報としての前加算数および前減算数のデータをクリアすることなくそれらデータに対して現在持点関連情報としての現加算数および現減算数のデータを加算してバックアップする。その結果、前加算数=10+0=10、前減算数=3+3=6となる。
S台は、これらデータからなる動作応答のレスポンスを作成した後、現加算数および現減算数のデータを0クリアする。そして、動作応答として、S台は、SQN=n+1、持点数=524、加算数=10、減算数=6のレスポンスをCUへ送信する。
この動作応答のレスポンスがCUに到達したために、CUでは、持点数=520+10−6=524を算出し、その524に持点のデータを修正して記憶する処理を行なう。
このように、先に送信した動作応答がCUに到達しなかったときには、S台は、未達の動作応答を再送した上で次の動作応答を送信するのではなく、未達であった情報を合算した後の情報を次の動作応答として送信する。その結果、遊技用装置では、持点数に関する情報を確実かつ効率的に収集可能となる。なお、図47の例では、S台からの動作応答が1回未達の場合について説明したが、仮に動作応答が2回未達であった場合には、3回目に送信される動作応答には、2回目に送信された動作応答の情報を合算した合算値が含められることになる。
次に図48を参照して、CUからの動作指示(加算要求)がS台に未到達の場合の処理を説明する。現時点での持点数=520とし、貯メダル再プレイまたはプリペイド残高からの引落とし操作があった場合の加算要求数=25とし、まずCUが動作指示として、加算要求有、SQN=n、および加算要求数=25のデータを含むコマンドをS台へ送信する。
しかしそのコマンドがS台に到達しないために、S台からのレスポンスがCUに返信されてこない。その結果、前述と同様に、CUは同じ動作指示のコマンドを再送信する。その再送信のコマンドもS台に到達しなかったためにそれに対応するS台からのレスポンスがCUに送信されてこない。よって、前述と同様にCUは同じ動作指示のコマンドについて2回目の再送信を行なう。この2回目の再送信コマンドがS台に到達する。CUからの動作指示のコマンドの未到達期間においては、S台では、前述のバックアップクリア処理を行なうことなく、現在持点関連情報としての現加算減算数に加減算データを加算して記憶する。
そして、S台は、現時点の持点数=520+25(加算要求数)+10(現加算数)−3(現減算数)=552を算出し、現時点の持点数データを552とし、動作応答のレスポンスを作成する。具体的には、S台は、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=552、加算数=10、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。
CUは、それを受けて、持点数=520+25+10−3=552を算出し、その615に持点数データを修正して記憶する。
次に図49を参照して、S台からの動作応答(加算要求に対する応答)が未到達の場合の処理を説明する。ここでは、当初の持点数=520で、貯メダル再プレイまたはプリペイド残高から引落として遊技使用するための操作が行なわれて25点の加算要求が発生した場合を説明する。また、ここでは、S台側において3BETによる第1ゲームが開始してから入賞が発生せず、続いて3BETによる第2ゲームが開始した後に10点が付与される入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
まずCUは、動作指示として、加算要求有、SQN=n、および加算要求数=25のコマンドをS台へ送信する。それを受けたS台側では、賭数3の第1ゲームを開始させるために減算数=3が生じている、そこで、S台側では、記憶現在持点関連情報として、加算数=0、減算数=3、ならびにSQN=n+1のデータを、前回持点関連情報記憶領域にバックアップ記憶させるとともに、持点数=520+25+0−3=542を算出して持点数=542を記憶する。
そして、S台は、動作応答のレスポンスを作成した後、現在持点関連情報記憶領域の記憶データを0クリアし、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=542、加算数=0、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。
しかし、そのレスポンスがCUに到達しなかったために、CUは、前回と同じ動作指示のコマンドをS台に再送信する。その再送信に際しては、SQNを「1」加算更新することなく前回と同じ値nのSQNをS台へ送信する。
S台では、そのコマンドを受信してSQNが前回と同じnの値となっているために、送信したレスポンスがCUに到達しなかったことによる再送であることを検知し、受信したコマンドに加算要求数=25が含まれているもののそのコマンドに基づいた持点の加算更新を行なわない。つまり、加算要求に応じた加算更新は2重実行しない。
また、S台側では、その段階で、賭数3の第2ゲームを開始させるために減算数=3が生じている、そこで、S台側では、前回持点関連情報記憶領域に既に記憶されている前回持点関連情報に対して現在持点関連情報記憶領域に記憶されているデータすなわち加算数=0、減算数=3を、加算して記憶する。そして、持点数=542+0−3=539を算出し、持点数を539に修正したうえで記憶する。
その後、S台は、動作応答のレスポンスを作成する。具体的には、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=539、加算数=0、減算数=6をレスポンスとしてCUへ送信する。
このレスポンスもCUに到達しなかったために、CUは同じ動作指示のコマンドについて2度目の再送信を行なう。
S台では、前述と同様に再送検知を行ない、加算要求数=25を受信しつつもそれに伴う加算更新は行なわず、加算要求に応じた加算更新の2重実行を行なわない。また、この段階で、S台側では第2ゲームが入賞したことによって、加算数=10が生じている。そこでS台側では、前述と同様に、前回持点関連情報記憶領域への記憶、持点数の算出、レスポンスの生成、現在持点関連情報記憶領域の0クリアを行なった後、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=549、加算数=10、減算数=6のレスポンスをCUへ送信する。このレスポンスがCUに到達したために、CUでは、持点数=520+25+10−6=549を算出し、持点数を549に修正して記憶する。
このように、S台では、CUから送信されてきた加算要求数データを含むコマンドを受信しても、そのコマンドに含まれるSQNの値が前回のコマンドのSQNの値と同じであった場合には、再送信であると判断し、追加の加算要求であると判断せず、持点の加算更新を行なわず、加算要求に応じた加算更新の2重実行を行なわない。
次に図50を参照して、CUからの動作指示(減算要求)がS台に到達しなかった場合の処理を説明する。当初の持点数=520で、ワゴンオーダー等の発生により300点の減算要求が発生した場合を説明する。まずCUは、動作指示として、減算要求有、SQN=n、および減算要求数=300のコマンドをS台へ送信する。ところがそのコマンドがS台に到達しなかったために、S台からのレスポンスがCUへ返信されない。よって、CUは再度同じ動作指示のコマンドをS台へ送信する。この再送信のコマンドもS台に到達しなかったためにS台からのレスポンスがCUへ返信されない。そこでCUは同じ動作指示のコマンドについて、2回目の再送信を行なう。この2回目の再送信のコマンドがS台に到達する。
S台では、CUからの動作指示のコマンドが未到達の期間中、図46の処理と同様に、加算数および減算数が発生するたびに現在持点関連情報記憶領域にそれらデータを記憶する。たとえば、この図50では、加算数=10、減算数=0になっていたものとする。すると、3回目の動作指示のコマンドがようやくS台に入力された段階で、持点=520−300+10−0=230を算出して、その持点=230を記憶する。そして、動作応答として、減算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=230、加算数=10、減算数=0のレスポンスをCUへ送信する。
CUではそれを受けて、持点=520−300+10−0=230を算出し、その230に持点を修正して記憶する。
このように、CUは、持点からの減算を行なう際には、まず減算要求有および減算要求数のデータを含む動作指示のコマンドをS台へ送信し、それに対する動作応答としてのレスポンスがCUへ返信されてきたのを待って、減算要求分を持点から減算する。持点を加減算して現在の持点を管理する主管理機能はCU側にあるものの、S台において遊技の進行に伴い刻々変化する持点に対してCU側ではS台からの加減算数を含む動作応答が返信されてきて初めて持点の加減算を行なって現在の持点を算出することができるのであり、そのS台からの動作応答を待つ期間分、S台に比べてCUでの持点の算出時期が遅れる。
したがって、CU側での現時点の持点データはS台に対して時間遅れのあるデータであり、仮にCU側での現時点の持点が減算要求数分あるからといっても、S台側では実際には減算要求数分の持点が残っていない恐れもある。ゆえに、本実施の形態においては、持点の減算に際しては、CUはS台からの動作応答のレスポンスを待って、減算要求分の持点の減算を行なうようにしているのである。
次に図51を参照して、S台からの動作応答(減算要求に対する応答)がCUに到達しなかった場合の処理を説明する。ここでは、S台側において3BETによるゲームが開始した後に10点が付与される入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=520、減算要求数=300として、まずCUは、動作指示として、減算要求有、SQN=n、および減算要求数=300のコマンドをS台へ送信する。それを受けたS台側では、賭数3のゲームを開始させるために減算数=3が生じている、そこで、S台側では、現在持点関連情報としての、加算数=0、減算数=3、ならびにSQN=n+1のデータを、前回持点関連情報記憶領域にバックアップ記憶させるとともに、持点数=520−300+0−3=217を算出して持点数=217を記憶する。
そして、S台は、動作応答のレスポンスを作成した後、現在持点関連情報記憶領域の記憶データを0クリアし、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=217、加算数=0、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。
しかし、そのレスポンスがCUに到達しなかったために、CUは、前回と同じ動作指示のコマンドをS台に再送信する。その再送信に際しては、SQNを「1」加算更新することなく前回と同じ値nのSQNをS台へ送信する。
S台では、そのコマンドを受信してSQNが前回と同じnの値となっているために、送信したレスポンスがCUに到達しなかったことによる再送であることを検知し、受信したコマンドに減算要求数=300が含まれているもののそのコマンドに基づいた持点の減算更新を行なわない。つまり、減算要求に応じた減算更新は2重実行しない。
また、S台では、コマンドの再送検知を行なったために、図47の処理と同様に、前回持点関連情報記憶領域に既に記憶されている前回持点関連情報に対して現在持点関連情報記憶領域に記憶されているデータすなわち加算数=10、減算数=3を加算して記憶する。なお、ここでの加算数=10は、ゲームの入賞結果に基づくものである。さらに、持点数=217+10−0=227を算出し、持点数を227に修正したうえで記憶する。
その後、S台は、動作応答のレスポンスを作成する。具体的には、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=227、加算数=10、減算数=3をレスポンスとしてCUへ送信する。
このレスポンスもCUに到達しなかったために、CUは同じ動作指示のコマンドについて2度目の再送信を行なう。
S台では、前述と同様に再送検知を行ない、減算要求数=300を受信しつつもそれに伴う減算更新は行なわず、減算要求に応じた減算更新の2重実行を行なわない。そして前述と同様に、前回持点関連情報記憶領域への記憶、持点数の算出、レスポンスの生成、現在持点関連情報記憶領域の0クリアを行なった後、動作応答として、加算拒否OFF、SQN=n+1、持点数=227、加算数=10、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。このレスポンスがCUに到達したために、CUでは、持点数=520−300+10−3=227を算出し、持点数を185に修正して記憶する。
このように、S台では、CUから送信されてきた加算要求数データを含むコマンドを受信しても、そのコマンドに含まれるSQNの値が前回のコマンドのSQNの値と同じであった場合には、再送信であると判断し、追加の減算要求であると判断せず、持点の減算更新を行なわず、減算要求に応じた減算更新の2重実行を行なわない。
次に図52を参照して、CUの加算要求に対してS台が加算拒否の応答を返信した場合の処理を説明する。ここでは、S台側において10点が付与される入賞が発生し、その後に新たなゲームが開始されていない場合のシーケンスを例示する。また、ここでは、当初の持点数=520、CUに挿入されている遊技用記録媒体(カード)の残高=1000円とする。
まずCUから動作指示として、要求無およびSQN=n、C−IDのコマンドがS台へ送信される。それを受けたS台側では、入賞の発生によって加算数=10が生じている、そこで、S台は、持点=520+3−0=523を算出してその持点数、加算数、減算数のデータ、SQN=n+1、C−IDを含む動作応答をCUへ返信する。CUはその動作応答に基づいて持点を算出して持点=523に修正する。
次に貸出ボタン321が押下操作され、CUは、動作指示として、加算要求有、SQN=n+2、、C−ID、および加算要求数=25のコマンドをS台へ送信する。S台では、何らかの理由で、加算を拒否する加算拒否ONを含む動作応答のレスポンスをCUへ返信する。
CUは、加算拒否OFFを含む動作応答を受信したために、S台において持点の加算ができず、S台とCUとの間に持点の差異が生じたことを判別する。この場合、CUは、通信コネクションを切断するために、通信切断要求のコマンドをS台へ送信する。それを受けたS台は、通信切断応答のレスポンスをCUへ返信し、通信コネクションを切断する。さらに、S台は、遊技禁止状態にする。具体的には、LSI117から主制御基板116へBET不可信号が送信されて、新たにゲームを開始できない状態に制御される。
S台は、さらに、リカバリデータとして、SQN=n+3、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=0、現在数としての、現持点数=520、現加算数=3、現減算数=0を記憶する。
次に、CUとS台との間で、チップID認証を行なった後、リカバリ要求のコマンド、リカバリ応答のレスポンスの送受信が行なわれる。このリカバリ応答のレスポンスでは、S台側において記憶している前述したリカバリデータがCU側に送信される。
CUは、そのリカバリデータ(現加算数=3、現減算数=0)に従って、持点数=545+3−0=548を算出してバックアップする。以降、図33に示した再接続時(接続シーケンス)の処理に移行し、CUは、通信開始要求において、持点補正ON、持点=548を含むコマンドをS台へ送信する。S台はこれを受けて、持点=548に補正する。CUは、自ら通信切断要求を送信して通信を切断した後での接続シーケンスの再開であると判断し、図23の電源起動時の接続シーケンスではなく図33の再接続時の接続シーケンスを実行する。
この図52の処理においても、残高の消費は、S台からの動作応答のレスポンスを待つことなくCU側で確定するものであるために、S台からの動作応答として加算拒否ONを含むレスポンスが返信されてきたとしても、それ以前の段階で既に残高消費がCU側において確定している。
次に図53を参照して、CUの減算要求に対してS台が減算拒否の応答を返信した場合の処理を説明する。ここでは、途中でS台側において3BETによるゲームが開始した場合のシーケンスを例示する。
まず、当初の持点数=502として、動作指示のコマンドおよび動作応答のレスポンスをCUとS台との間で1往復送受信した段階で、加算数=0、減算数=0になっているために、持点に変化はない。
この段階でワゴンサービスのオーダー等が発生して500点の減算要求が生じた場合に、CUは、動作指示として、減算要求有、SQN=n+2、および減算要求数=500のコマンドをS台へ送信する。このコマンドを受けた段階では、S台側では、賭数3のゲームを開始させるために減算数=3が生じており、S台が把握している現時点における持点数=502−3=499となっている。その結果、減算要求数(500)に対して現時点の持点数(499)の方が少ないために、500の減算要求に応えることができない。よって、S台は、動作応答として、減算要求を拒否する旨を示す減算拒否ON、SQN=n+3、持点数=499、加算数=0、減算数=3、のレスポンスをCUへ送信する。
CUは、それを受けて、持点=502+0−3=499を算出して持点を499に修正する。そして、減算拒否の検知を行ない、減算キャンセルの処理を行なう。この減算キャンセルの処理は、たとえば、表示器312により、「持点不足で減算できません」などのメッセージを表示する。
そして以降、通常の動作指示および動作応答のやりとりを繰り返す。
次に図54を参照して、CUのクリア指示要求に対してS台がクリア拒否の応答を返信した場合の処理を説明する。返却ボタンが押された直後に10点の入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=520で返却ボタン322が押下操作されたときに、図42の処理と同様に、CUはS台に対して、動作指示として、禁止要求有およびクリア要求無のデータを含むコマンドをS台へ送信する。S台では、それを受けて、賭数設定ができない賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御するとともに、S台に対して、禁止拒否OFF、遊技禁止、遊技完了OFFの動作応答を返す。その後、1ゲーム規制時間に対応する4.1秒以上のウエイト時間(たとえば、10秒)を設ける。このウエイト時間の間、S台とCUとの間でポーリングを継続する。そして、ウエイト時間が経過した段階で、S台は、動作応答として、遊技禁止、遊技完了ONのレスポンスをCUへ送信する。これによって、CUは、S台が遊技禁止状態になったと判断する。
その後、CUは、持点を更新した上で、クリア要求有およびクリア表示中ONの動作指示のコマンドをS台へ送信する。それを受けたS台は、何らかの理由でクリアできない旨を示すクリア拒否ONの動作応答のレスポンスをCUへ送信する。CUは、このレスポンスによってクリア拒否を検知する。そして、CUは、動作指示としてクリア要求無を含むコマンドをS台へ送信し、クリアキャンセルの処理を行なう。このクリアキャンセルの処理は、たとえば「返却操作されましたがクリアできずキャンセルします」などのメッセージを表示器312に表示する等の処理である。
この動作指示を受けて、S台は、返却操作に応じたクリア処理がキャンセルされたものと判断する。そして、S台は、クリア拒否OFFを含む動作応答をCUへ送信する。以降CUとS台との間で動作指示および動作応答の通常のポーリングを行なう。
次に、図55を参照して、CUの遊技許可要求に対してS台が許可拒否の応答を返信した場合の処理を説明する。当初の持点数=520とし、何らかの遊技禁止要因が発生したトラブル状態において、S台の遊技が禁止されている状態で動作指示のコマンドおよび動作応答のレスポンスがCUとS台との間で送受信され、図55の「遊技禁止要因解消」の段階で遊技禁止要因が解消されたとする。
そのときに、CUは、動作指示として、遊技許可要求有およびSQN=n+2のコマンドをS台へ送信する。しかし、S台は、何らかの理由で、ゲーム継続できない状態すなわち遊技許可要求を拒否する許可拒否ONを含む動作応答のコマンドをCUへ返信する。
CUは、それを受けて、遊技許可されるまで、動作指示として遊技許可要求有を含むコマンドをS台へ繰返し送信する。
次に図56を参照して、CUの遊技禁止要求に対してS台が禁止拒否の応答を返信した場合の処理を説明する。当初の持点数=520とし、CUとS台との間で通常の動作指示のコマンドおよび通常の動作応答のレスポンスの送受信が行なわれ、図56の「遊技禁止要因発生」の段階で、たとえば返却ボタン322が操作される等の遊技禁止要因が発生したとする。この段階でCUは、動作指示として、遊技禁止要求有およびSQN=n+2のコマンドをS台へ送信する。S台では、何らかの理由で遊技禁止要求を拒否する禁止拒否ONを含む動作応答のレスポンスをCUへ返信する。CUは、それを受けて遊技禁止拒否を検知し、遊技禁止されるまで、動作指示として、遊技禁止要求有を含むコマンドをS台へ送信する。
次に図57を参照して、CUの前面扉開要求に対してS台が前面扉開拒否の応答を返信した場合の処理を説明する。ここでは、10点が付与される入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=520として前面扉2bの開放指示の入力が検知された場合に、図57では図示されていないが、図44の処理と同様に、CUは動作指示として、禁止要求有および前面扉開要求有のコマンドをS台へ送信する一方、S台は、それを受けて、賭数操作無効状態(遊技禁止状態)にするとともに、動作応答として、禁止拒否OFFおよび遊技禁止を含むレスポンスをCUへ送信する。そして、図44の処理と同様に、S台は、1ゲーム規制時間に対応する4.1秒以上のウエイト時間(たとえば、10秒)を設ける。この間で、S台側で入賞の発生に伴って加算数=10が生じており、S台からCUへは、加算数=10を含む動作応答が送信される。その後、ウエイト時間中においてもCUからS台に対して禁止要求有および前面扉開要求有のコマンドが送信される。
ところが、S台は、それを受けて、何らかの理由で前面扉2bのロックを解除して開放することを拒否する前面扉開拒否ONを含む動作応答のレスポンスをCUへ送信する。
CUはそれを受けて前面扉開拒否を検知し、動作指示として前面扉開要求無を含むコマンドをS台へ送信するとともに、前面扉開キャンセルの処理を行なった後以降通常のポーリングを実行する。この前面扉開キャンセルの処理は、たとえば、「前面扉の開放ができません」などのメッセージを表示器312により表示させる等の処理である。
次に、図58を参照して、加減算データに関する動作応答到達後のCU側での電源断発生時のリカバリ処理を説明する。ここでは、10点の入賞が発生した後、3BETによる新たなゲームが開始した後に入賞が発生せずにゲームが終了した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=520でSQN=nの状態で、CUは動作指示のコマンドをS台に送信する。それを受けたS台側では、入賞の発生によって加算数=10が生じている、そこで、S台は、動作応答として、SQN=n+1、C−ID、持点数=530、加算数=10、減算数=0の加減算データを含む動作応答をCUへ送信する。その動作応答がCUに到達したことによってCUは持点数を530に修正する。その段階でCUにおいて電源断が発生した場合に、以降CUからのコマンドがS台へ送信されなくなる。
この場合、S台は、図22で説明したように、4秒以上コマンドを受信できなかった場合には、通信断と判断し、未接続状態へ遷移するとともに遊技禁止状態(図面の“プレー停止”)にする。ただし、図58に示すように、電源断が発生した段階で既に減算数=3が設定されており、新たなゲームが開始されている。この場合には、新たに開始されたゲームの進行自体を停止することはない。その結果、減算数=3に基づいて減算データの記憶が現在持点関連情報記憶領域でなされ、それに伴って持点=530+0−3=527が算出されてその持点=527が記憶される。
次にCUにおいて電源断が復旧して起動した場合に、図33の処理と同様に、まず、通信制御ICシーケンスが行なわれる。次に、CUとS台との間で、チップID認証を行なった後、リカバリ要求のコマンド、リカバリ応答のレスポンスの送受信が行なわれる。このリカバリ応答のレスポンスでは、S台側において記憶している前述したリカバリデータがCU側に送信される。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+1、C−ID、前回数としての、前加算数=10、前減算数=0、現在数としての、現持点数=527、現加算数=0、現減算数=3を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり、S台側のリカバリデータに含まれるSQNとCU側で記憶しているSQNとが一致していると判断し、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=530(CUの持点数)+0(現加算数)−3(現減算数)=527、加算累計=10、減算累計=3に修正する。
なお、この図58では、10点の入賞が発生した後、3BETによる新たなゲームが開始した後に入賞が発生せずにゲームが終了した場合を例に挙げた説明した。しかし、3BETによる新たなゲームが開始した直後に、図58の「切断検知(プレー停止)」が発生して、賭数操作不能状態となり、その後に入賞が発生するような場合も考えられる。
このような場合には、「切断検知(プレー停止)」後に発生した入賞による持点加算分も含めてリカバリデータが生成される。たとえば、その入賞が15点の入賞であるとすれば、図58の「リカバリデータ」のうちの「現在数」について、「現加算数=15」、「現持点数=527+15」となる。
以下、さらにリカバリに関する説明を行なうが、いずれの場合においても、「切断検知(プレー停止)」後に外部出力情報(図16に示した賭数設定情報、リール始動情報、内部当選状況情報、第1〜第3停止操作情報、第1〜第3停止情報、結果確定情報)に変化が生じた場合には、その変化に応じた外部出力情報も含めてリカバリデータが生成される。
次に図59を参照して、動作指示到達前のCU側における電源断発生時のリカバリ処理を説明する。ここでは、3BETによる1ゲームが開始してから10点の入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=520として、動作指示のコマンドを受けたS台が、動作応答として、SQN=n+1、、C−ID、持点数=517、加算数=0、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。それに伴ってCUは、持点=517に修正する。その後、CUは、動作指示として、要求無、SQN=n+2、C−IDのコマンドをS台へ送信する。そのコマンドがS台に到達せず、その直後にCUにおいて電源断が発生した場合に、図22の処理と同様に、S台は、最後のレスポンスを送信した後4秒間以上コマンドが受信できなかった場合に、通信断と判断して未接続状態へ遷移するとともに、遊技禁止状態にする。ただし、図59に示すように、電源断が発生した段階ですでにゲームが開始されている場合には、すでに開始されたゲームの進行自体を停止することはない。その結果、図59の例では、既に開始されたゲームの結果として10点の入賞が発生し、加算数=10が生じている。この加算数に基づいた記憶が現在持点関連情報記憶領域でなされ、それに伴って持点=517+10−0=527が算出されてその持点=527が記憶される。
次に、CUにおいて電源断が復旧して起動した場合に、図33の処理と同様にCU通信制御部認証シーケンスおよびチップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+1、、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=3、現在数としての、現持点数=527、現加算数=10、現減算数=0を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり動作指示送信中でなく、かつCU側のSQNがS台側より1つ進んでいるため、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=517(CUの持点数)+10(現加算数)−0(現減算数)=527、加算累計=10、減算累計=0に修正する。
次に図60を参照して、加減算データに関する動作応答到達前にCU側で電源断が発生したときのリカバリ処理を説明する。ここでは、3BETによる1ゲームが開始してから10点の入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
図60では、当初の持点数=520として、1回目の動作指示および動作応答がCUとS台との間で送受信された後、2回目の動作指示がS台に送信され、SQN=n+3、C−ID、持点数=517、加算数=0、減算数=0の動作応答がS台からCUに送信されている。
しかし、その2回目の動作応答がCUに到達せず、その動作応答に従った動作応答処理をCUが実行する前にCUで電源断が発生している。この場合、S台は、2回目の動作応答の送信後4秒が経過した時点でコマンドが送信されてこなければ通信切断検知して遊技禁止状態とする。
次にCUにおいて電源断が復旧して起動した場合に、図33の処理と同様に、CU通信制御部認証シーケンスおよびチップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+3、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=0、現在数としての、現持点数=527、現加算数=10、現減算数=0を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり、かつCU側のSQNがS台側より1つ遅れているため、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=517(CUの持点数)+0(現加算数)+10(現加算数)−0(現減算数)−0(現減算数)=527、加算累計=0(現加算数)+10(現加算数)、減算累計=0(現減算数)+0(現減算数)に修正する。
図61は、図58に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手が不一致の場合の制御内容を示すフローチャートである。(a)はCUが新たなCUに取替えられて不一致となった場合、(b)はS台が新たなS台に取替えられて不一致となった場合を示している。
たとえばCUが故障して電源断が発生し、その故障したCUを新たなCUに取替えることが遊技場でよく行なわれる。遊技場においては、ユニットストッカで複数台のCUがエージングされている。このエージングとは、上位サーバと接続されたスタンバイ状態のことである。そのユニットストッカにエージングされているCUに故障したCUを取替えてS台と接続し、再起動させた状態が図61(a)に示されている。この場合、S台から送られてくる機器情報応答に基づいて接続されている相手(S台)が違うと判断し、S台のリカバリデータを持点の補正に使用しない。この場合、S台はCU未接続時に未送信データを表示しているため、未送信データがある場合、遊技場の店員によりPOSでカードの持点数を手補正する。具体的には、S台側でメンテナンス画面を表示器51に表示させることにより、CUへの未送信データを確認できるようにし、未送信データが表示されていれば遊技場の店員による人為的な手補正を行なう。これにより、遊技者が損失を被らないようにしている。
なお、この人為的な手補正の代わりに、破線で示すように、一定条件下自動補正するようにしてもよい。この自動補正の変形例を以下に説明する。
まず、CUは、C−IDが含まれたリカバリ応答を受信し、そのC−IDを一時記憶しておく。その状態で、カードが挿入されるのを待ち、カードが挿入された段階で、そのカードに記録されているC−IDを読取り、その挿入されたカードのC−IDとリカバリ応答として送られてきたC−IDとが一致するか否か判定し、一致する場合に下記のとおりのバックアップ値に補正する処理を行なう。
持点数=527、加算累計=0、減算累計=3
なお、C−IDの判定結果が不一致の場合にはリカバリ応答に含まれている現持点数を上位サーバ801へ送信する処理を行なう。その際、リカバリデータに含まれているC−IDも上位サーバ801へ送信するようにしてもよい。それを受けた上位サーバ801では、C−IDに対応付けて受信した現持点数をバックアップ記憶する。このC−IDの判定結果が不一致となる場合としては、遊技者が遊技をしている最中にCUが故障してエージングされている新たなCUと取替える取替作業中に遊技者が遊技の続行を諦めてしまい、取替作業終了後に他の遊技者が遊技を開始するべくカード挿入した場合である。このような場合には、取替作業中に遊技の続行を諦めてしまった遊技者に対してなんらかの損失補填を行なう必要がある。このような遊技の続行を諦めた遊技者が上位サーバ801に自己が所有する会員カードのC−IDを読取らせてバックアップされている現持点数を貯メダルとして当該会員カードに対応付けて排出し、景品交換等ができるようにする。また、遊技の続行を諦めた遊技者が一旦遊技場から立ち去った後、その立ち去った遊技者がその遊技場に再度来店した場合にも損失補填できるようにするべく、数日間上位サーバ801に現持点数をバックアップさせておき、再度来店した遊技者が上位サーバ801に自己が所有する会員カードのC−IDを読取らせてバックアップされている現持点数を当該会員カードに対応付けて排出し、景品交換等ができるようにしてもよい。
なお、バックアップ値の自動補正をする条件として、C−IDの一致判定に加えて、所定時間(たとえば20分間)が経過していないことを条件としてもよい。つまり、故障したCUを新たなCUに取替えて接続する作業は、10分程度で終了するために、その取替作業が十分実行可能な所定時間(たとえば20分間)が経過した後において、カードが挿入されてたとえC−IDが一致すると判定されたとしても、バックアップデータの自動補正は行なわないように制御してもよい。
また、故障したCUが軽微な故障であって通信可能な場合には、そのCUをユニットストッカに戻してユニットストッカからストッカIDと共に持点数とC−IDとを上位サーバ801へ送信し、かつ、S台と接続された新たなCUがS台からのリカバリデータに基づいて補正した持点数等のデータを上位サーバ801へ送信し、上位サーバ801において、両者の持点数等のデータを照合して一致するか否かを確認するように制御してもよい。そして一致しない場合には異常判定を行ない異常報知等の所定の異常処理を行なう。
さらに、S台から送信されてくるリカバリデータに基づいてCUがデータ補正を行なう代わりに、上位サーバ801からリカバリデータをダウンロードしてCUがデータ補正を行なうようにしてもよい。具体的には、CUは定期的に上位サーバ801へ持点数とC−ID等のデータを送信して上位サーバ801でバックアップ記憶しておき、新たなCUに交換されてS台に接続された後のリカバリ応答に含まれているC−IDとそのCUに挿入されたカードに記録されているC−IDとが一致したときに、そのC−IDを上位サーバ801へ送信してそのC−IDに対応してバックアップ記憶されている持点数等のリカバリデータをダウンロードしてそのCUへ記憶させるようにしてもよい。
図61(b)は、電源断の後S台が新たなものに取替えられて接続された場合が示されている。その場合に、まず起動処理が行なわれて、機器情報要求、機器情報応答、認証要求、認証応答、リカバリ要求、リカバリ応答が送受信される。そして、CUは、機器情報応答に基づいて接続相手のS台が異なると判断し、そのS台のリカバリデータを持点の補正に使用しない。新たなS台に取替えられる前に設置されていた元のS台のリカバリデータについては、遊技場の店員介在の下、POSで人為的に手補正する。
図62は、図59に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手が不一致の場合の制御が示されている。この図62の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
図63は、図60に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手不一致の場合の制御を示している。この図63の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
次に、図64を参照して、加算要求到達前の段階でCU側において電源断が発生したときのリカバリ処理を説明する。ここでは、3BETによる1ゲームが開始してから入賞が発生し、10点が遊技者に付与されるまでの間でのシーケンスを例示する。
当初の持点数=13でプリペイド残高が1000円として、通常の動作指示と通常の動作応答とをCUとS台との間で送受信し、その間に生じた加算数=0および減算数=3に基づいて持点=10となった段階で、貸出ボタン321が押下操作されている。
すると、CUは、SQN=n+2、加算要求数=25とし、残高=1000円−500円=500円を算出して残高を500円に更新して残高の消費をこの段階で確定する。そしてCUは、動作指示として、加算要求有、SQN=n+2、C−ID、加算要求数=25を含むコマンドをS台へ送信する。このコマンドがS台へ到達しなかった場合に、S台は、最後のレスポンスを送信してからコマンドを受信しない状態が4秒継続した段階で、切断を検知して遊技禁止状態にする。
一方、CUでは、図21に基づいて説明したように、コマンドの未到達に伴ってS台からのレスポンスがない場合に、同じコマンドを繰返し送信し、2回目の再送を行なった後においてもレスポンスが返信されてこないときに、通信異常(通信断)を検知し、それから5秒後に再接続シーケンスを開始する。
再接続シーケンスを開始した後には、図33の処理と同様に、CU通信制御部認証シーケンスおよびチップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+1、、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=3、現在数としての、現持点数=20、現加算数=10、現減算数=0を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり、かつCU側のSQNがCU側のSQNより1つ進んでいるため、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=10(CUの持点数)+25(加算要求数)+10(現加算数)−0(現減算数)=45、加算累計=10、減算累計=0に修正する。
次に図65を参照して、加算要求に対する動作応答到達前の段階でCU側において電源断が発生したときのリカバリ処理を説明する。なお、ここでは、途中で3BETによるゲームが開始してから15点の入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=5、プリペイド残高=1000円とし、通常の動作指示および通常の動作応答がCUとS台との間で送受信された後に、貸出ボタン321が押下操作されている。するとCUでは、SQN=n+2、、C−ID、加算要求数=25にするとともに、残高=1000円−500円=500円を算出し、残高を500円にしてこの段階で残高の消費を確定させる。そして、CUは、動作指示として、加算要求有、SQN=n+2、C−ID、加算要求数=25のコマンドをS台へ送信する。
それを受けたS台側では、賭数3のゲームを開始させるために減算数=3が生じている、そこで、S台側では、動作応答として、SQN=n+3、C−ID、持点数=27、加算数=0、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。このレスポンスがCUに到達せず、CUにおいてこのレスポンスに応じた動作応答処理を行なう前に電源断が発生した場合に、以降CUからのコマンドがS台へ送信されなくなる。S台では、図22で説明したように、4秒以上コマンドを受信できなかった場合には、通信断と判断し、未接続状態へ遷移するとともに、遊技禁止状態にする。また、S台側ではその間に入賞の発生によって加算数=10が生じており、現在持点関連情報記憶領域の記憶が更新され、また、持点=27+10=37が算出されてその持点=37が記憶される。
次にCUにおいて電源断が復旧して起動した場合に、図33の処理と同様に、CU通信制御部認証シーケンスおよびチップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+3、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=3、現在数としての、現持点数=37、現加算数=10、現減算数=0を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり、かつCU側のSQNがS台より1つ遅れているため、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=5(CUの持点数)+25(加算要求数)+0(前加算数)+10(現加算数)−3(前減算数)−0(現減算数)=37、加算累計=0(前加算数)+10(現加算数)、減算累計=3(前減算数)+0(現減算数)に修正する。
図66は、図64に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手不一致の場合の制御を示している。この図66の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
図67は、図65に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手不一致の場合の制御を示す図である。この図67の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
次に図68を参照して、減算要求到達前の段階でCU側において電源断が発生したときのリカバリ処理を説明する。ここでは、3BETによる1ゲームが開始してから10点の入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=520として、CUとS台との間で通常の動作指示および通常の動作応答の送受信が行なわれ、その間に生じた減算数=3に応じて持点数=517になった段階で、ワゴンサービスの要求等によって300の減算要求が発生した場合に、CUでは、SQN=n+2、減算要求数=300として、減算要求有、SQN=n+2、C−ID、減算要求数=300のコマンドをS台へ送信する。
このコマンドがS台に到達しなかった場合に、S台は、最後のレスポンスを送信してからコマンドを受信しない状態が4秒継続した段階で、切断を検知して遊技禁止状態にする。
一方、CUでは、図21に基づいて説明したように、コマンドの未到達に伴ってS台からのレスポンスがない場合に、同じコマンドを繰返し送信し、2回目の再送を行なった後においてもレスポンスが返信されてこないときに、通信異常(通信断)を検知し、それから5秒後に再接続シーケンスを開始する。
再接続シーケンスを開始した後には、チップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
再接続シーケンスを開始した後には、図33の処理と同様に、機器情報要求、機器情報応答、認証要求、認証応答、リカバリ要求、リカバリ応答…の送受信をCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+1、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=3、現在数としての、現持点数=527、現加算数=10、現減算数=0を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり、かつCU側のSQNがS台側のSQNより1つ進んでいるため、減算要求がS台において実行されていないと判断し、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=517(CUの持点数)+10(現加算数)−0(現減算数)=527、加算累計=10、減算累計=0に修正する。
このように、CUは、SQNの値に基づいてS台において減算要求が実行されていないと判断したことにより、リカバリ処理に伴うバックアップ値の修正において、300の減算要求が発生しておりながらも持点数から減算要求数300の減算を行なわない。
次に図69を参照して、減算要求に対する動作応答の到達前の段階においてCU側で電源断が発生したときのリカバリ処理を説明する。ここでは、S台側において10点が付与される入賞が発生した後に、3BETによるゲームが開始し、その後に10点が付与される入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
当初の持点数=520とし、CUとS台との間で通常の動作指示および通常の動作応答の送受信がなされ、その間に発生した加算数に応じて持点数=530となった段階で、300のワゴンサービスの要求が発生した場合に、CUは、SQN=n+2、減算要求数=300とし、動作指示として、減算要求有、SQN=n+2、C−ID、減算要求数=300のコマンドをS台へ送信する。
それを受けたS台側では、賭数3のゲームを開始させるために減算数=3が生じている、そこで、S台は、SQN=n+3、C−ID、持点数=227、加算数=0、減算数=3のレスポンスをCUへ送信する。ところが、そのレスポンスがCUに到達せず、CUにおいてそのレスポンスに応じた動作応答の処理が実行される前に電源断が発生した場合に、以降CUからのコマンドがS台へ送信されなくなる。
S台では、図22で説明したように、4秒以上コマンドを受信できなかった場合には、通信断と判断し、未接続状態へ遷移するとともに、遊技禁止状態にする。また、その間に10点の入賞が発生しており、これに伴い現在持点関連情報記憶領域のデータが更新され、それに伴って持点=227+10=237が算出されてその持点=237が記憶される。
次にCUにおいて電源断が復旧して起動した場合に、図33の処理と同様に、CU通信制御部認証シーケンスおよびチップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+3、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=3、現在数としての、現持点数=237、現加算数=10、現減算数=3を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり、かつCU側のSQNがS台より1つ遅れているために、S台が減算指示を受信していると判断し、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=530(CUの持点数)+0(前加算数)+10(現加算数)−3(前減算数)−0(現減算数)=537、加算累計=0(前加算数)+10(現加算数)、減算累計=3(前減算数)+0(現減算数)に修正する。
さらに、CUは、持点補正ON、持点=537の通信開始要求コマンドをS台へ送信する。S台は、それを受けて、持点を537に修正して記憶する。
このように、S台が減算指示を受信していると判断した場合においても、減算キャンセルの処理を行なう理由は、減算指示を受信したS台側において必ずその減算指示に従った減算処理を行なっているとは限らず、S台側で減算の拒否が行なわれた可能性もある。このようなS台側での減算の拒否が行なわれた場合には、CU側において減算を確定してしまうと持点の残数がマイナス値となるという不都合が生じる。このような理由により、減算キャンセルを行なう。その結果、このようなCU側電源断発生時において、S台側では持点残数が不足するために減算指示を拒否したはずであるにもかかわらず、減算が行なわれたこととなってS台側の持点の残数がマイナス値になってしまう不都合を防止できる。
図70は、図68に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手不一致の場合の制御を示している。この図70の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
図71は、図69に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手不一致の場合の制御を示している。この図71の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
次に図72を参照して、クリア要求到達前の段階でCU側において電源断が発生したときのリカバリ処理を説明する。ここでは、S台側において3BETによるゲームが開始した後に10点が付与される入賞が発生した場合のシーケンスを例示する。
図72のシーケンスにおいては、挿入されている記録媒体(カード)を返却するための返却ボタン322が押下操作された段階で持点数=500である。図72では、図42の処理と同様に、CUはS台に対して、動作指示として、遊技を禁止するための禁止要求有およびクリア要求無のデータを含むコマンドをS台へ送信する。S台では、それを受けて、賭数設定ができない賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御する。その後、1ゲーム規制時間に対応する4.1秒以上のウエイト時間(たとえば、10秒)を設ける。このウエイト時間の間、S台とCUとの間でポーリングを継続する。そして、ウエイト時間が経過した段階で、S台は、動作応答として、SQN=n+N、C−ID、持点数=497、加算数=0、減算数=3、遊技禁止、遊技完了ONのレスポンスをCUへ送信する。
その後、CUは、持点を497に更新した上で、クリア要求有、クリア表示中ON、SQN=n+N+1、C−IDの動作指示のコマンドをS台へ送信する。ところが、そのコマンドがS台に到達しなかった場合に、S台は、最後のレスポンスを送信してからコマンドを受信しない状態が4秒継続した段階で、切断を検知して遊技禁止状態にする。
一方、CUでは、図21に基づいて説明したように、コマンドの未到達に伴ってS台からのレスポンスがない場合に、同じコマンドを繰返し送信し、2回目の再送を行なった後においてもレスポンスが返信されてこないときに、通信異常(通信断)を検知し、それから5秒後に再接続シーケンスを開始する。
再接続シーケンスを開始した後には、図33の処理と同様に、CU通信制御部認証シーケンスおよびチップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=n+N、C−ID、前回数としての、前加算数=0、前減算数=3、現在数としての、現持点数=507、現加算数=10、現減算数=0を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUでは、通信相手が同じであり、かつCU側のSQNがS台側のSQNより1つ進んでいるため、クリア要求は到達していないと判断し、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=497(現持点数)+10(現加算数)−0(現減算数)=507、加算累計=10、減算累計=0に修正する。
次に図73を参照して、クリア要求に対する動作応答の到達前の段階でCU側において電源断が発生した場合のリカバリ処理を説明する。ここでは、S台側において新たにゲームが開始されず、また、入賞も発生していない場合のシーケンスを例示する。
図73のシーケンスにおいては、挿入されている記録媒体(カード)を返却するための返却ボタン322が押下操作された段階で持点数=500である。図73では、図42の処理と同様に、CUはS台に対して、動作指示として、遊技を禁止するための禁止要求有およびクリア要求無のデータを含むコマンドをS台へ送信する。S台では、それを受けて、賭数設定ができない賭数操作無効状態(遊技禁止状態)に制御する。その後、1ゲーム規制時間に対応する4.1秒以上のウエイト時間(たとえば、10秒)を設ける。このウエイト時間の間、S台とCUとの間でポーリングを継続する。そして、ウエイト時間が経過した段階で、S台は、動作応答として、SQN=n+N、C−ID、持点数=500、加算数=0、減算数=0、遊技禁止、遊技完了ONのレスポンスをCUへ送信する。
そして、CUが、SQN=n+N+1にし、動作指示として、クリア要求有、クリア表示中ON、SQN=n+N+1、C−IDを含むコマンドをS台へ送信する。
そして、S台は、この動作指示を受けて、クリア要求に従って持点を0クリアして持点=0にするとともに、SQNも0クリアしてSQN=0にしたうえで、動作応答として、SQN=0、、C−ID、持点数=0、加算数=0、減算数=0のレスポンスをCUへ送信する。このレスポンスがCUに到達せず、CUにおいて、そのレスポンスに応じた動作応答処理を行なう前の段階で電源断が発生した場合に、以降CUからのコマンドがS台へ送信されなくなる。S台では、図22で説明したように、4秒以上コマンドを受信できなかった場合には、通信断と判断し、未接続状態へ遷移する。
次にCUにおいて電源断が復旧して起動した場合に、図33の処理と同様に、CU通信制御部認証シーケンスおよびチップID認証シーケンスの実行と、リカバリ要求およびリカバリ応答の送受信とをCUとS台とが行なう。
S台では、リカバリデータとして、SQN=0、前回数としての、前加算数=0、前減算数=0、現在数としての、現持点数=0、現加算数=0、現減算数=0を記憶し、リカバリ応答としてCUへ送信する。
CUは、S台側のSQNが0のため、CU側にクリア要求が到達し、CU側ではクリア処理が実行されていると判断し、リカバリ応答で送信されてきたリカバリデータを基にバックアップ値を修正する処理を行なう。具体的には、持点数=500(CUのバックアップ値)+0(現加算数)−0(現減算数)=500、加算累計=0(現加算数)、減算累計=0(現減算数)に修正する。
以上、説明したとおり、S台は、通信不能状態が発生した場合でも、その直前にCUへ送信した加算数等のデータをバックアップしている。そして、S台は、通信不能状態の発生直前にCUへ送信したデータと、その送信以後に新たに生じた加算数等のデータとを含むリカバリデータを、リカバリ処理の際にCUへ送信する。そのリカバリデータには、通信不能状態の発生直前にCUへ送信したデータのSQNが含まれている。CUは、このSQNと、自ら記憶しているSQNとを比較判定することによって、通信不能状態の発生直前にS台がCUへ送信したデータ(直前送信済み更新情報)をCUが受信する前に通信不能状態が発生したか否かをCUが判定できるようになる。
なお、図58〜図73では、通信不能状態となってから遊技禁止状態(切断検知(プレー停止))となるまでの間のS台側の遊技データの変化は「加算=0、減算=3」のみであるが、その間でさらに遊技データが変化した場合には、S台は、その変化したデータに基づいてさらに記憶値を更新する。
図74は、図72に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手不一致の場合の制御を示している。この図74の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
図75は、図73に示したCU側電源断発生時のリカバリにおいて通信相手不一致の場合の制御を示している。この図75の制御においても、前述の図61で説明した制御動作と同様の制御が実行される。ここでは説明の繰返しを省略する。
図76は、図35に示したカードの挿入時における制御動作に対応してCU側とS台側とで表示される画面の遷移を示す図である。図76のうち、「CU」の左側に示す画面図がCUの表示器312の画面図である。一方、「S台」の右側に示す画面図がS台の表示器51の画面図である。図76を参照して、まずカードが挿入されていない状態では、待機中、動作要求なしの動作指示のコマンドがCUからS台へ送信され、動作応答として待機中、持点=0のレスポンスがS台からCUへ返信される。
このようなコマンドおよびレスポンスの送受信中においては、図76左上の[通常画面(カード未挿入)]に示すように、CUの表示器312に、「カード種別」のタイトルの欄に「なし」、「持点」のタイトルの欄に「0点」が表示される。またS台の表示器51には、図76右上の[通常画面(カード未挿入)]に示すように、「持点」のタイトルの欄に「0点」、「カード残高」のタイトルの欄に「0円」が表示される。なお、表示器312および表示器51には、現時点におけるS台の遊技状態を示す各種データが表示される。たとえば、図76では、スタート回数、BB回数、RT回数、最高連チャンの回数が表示されるとともに、BB間スタート回数が棒グラフとして表示される。
スタート回数は、リール2L、2C、2Rが始動した回数、すなわち、ゲーム回数である。BB回数は、BB入賞が発生した回数である。RT回数は、RT(Replay Time)となった回数である。最高連チャンの回数は、BBが終了してから所定ゲーム数内でBB入賞が発生することが連続した回数のうちの最大回数である。BB間スタート回数は、或る回のBBと次の回のBBとの間でのゲーム回数である。
CU側の表示器312には、1回の貸出操作でプリペイド残高から引き落とす貸出金額がいくつに設定されているかを示す設定値金額表示部(図76の「貸点金額設定」)、カード残高の金額表示部(図76の「カード残高」)、再プレイ点数の表示部(図76の「再プレイ点数」)、貯メダル数の表示部(図76の「貯メダル」)、貸出のレートの表示部(図76の「貸点」)が設けられている。
さらにCU側の表示器312は、タッチパネルで構成されており、各表示画面の左上に、「台情報」「設定変更」「注文メニュー」の表示項目が表示されており、そのいずれかを選択してタッチ操作することにより、そのタッチ操作された表示画面に切換わる。図76では、「台情報」が選択された状態の画面が表示されている。
またCU側の表示器312には、各表示画面の下方部分に、「返却」「貸出」「再プレイ」「呼出」の選択操作表示部が設けられており、遊技者がこれら表示部のいずれかを選択してタッチ操作することにより、CUに指令を入力することができる。たとえば「返却」をタッチすれば、挿入されているカードが返却され、「貸出」をタッチすれば、挿入されたカードに記録されているプリペイド残高と引き換えにして持点が貸出される。
また「再プレイ」をタッチすれば、挿入されているカード(会員カード)の持点あるいは貯メダルを用いた再プレイを行なうことができる。「呼出」をタッチすれば、遊技場の係員を呼出すための報知がなされる。
カードが挿入された時点でCUは動作指示としてカード挿入処理中、動作要求なしのコマンドをS台へ送信する。S台では、それを受けて、CU側でカード挿入処理が開始されたことを検知する。この動作指示のコマンドの送受信以降、上位サーバ(たとえばホール用管理コンピュータ1)への問合せ中の状態となる。この問合せ中の状態では、CU側の表示器312では、上から2番目の[カード残高問合せ中画面]に示されているように「問合せ中」の表示が行なわれ、またS台側の表示器51では、上から2番目の[通常画面(カード残高問合せ中)]に示されているように画面左下隅に、サーバからICへの矢印表示がなされて挿入されているカードをサーバに問合せている絵が表示される。なお表示画面中の「IC」は、カード(ICカード)を示している。
前述の動作指示を受信したS台では、動作応答として待機中、持点=0のレスポンスをCUへ返信する。
CUでは、サーバへ問合せることによって挿入されているカードの照合がなされてその挿入されているカードの持点(=5000)と残高(=7000)とが確定すれば、動作指示として、カード保持中、加算要求数=5000、カード残高=7000のコマンドをS台へ送信する。このコマンドの送信以降CUは加算表示中となる。このコマンドを受信したS台では、CU側でカード残高および持点が確定したことを検知し、それ以降加算表示中となる。
加算表示中においては、CUの表示器312では、上から3番目の[貸出中画面]に示されているように持点の表示欄に「5000点」が表示されて遊技機に向かって矢印表示がなされ、持点5000点を遊技機へ送信している最中であることが遊技者に表示される。一方、S台においては、表示器51により、上から3番目の[通常画面(貸出中)]に示されているように、ICから持点表示部およびカード残高表示部に向かって矢印表示され、これにより貸出に伴う加算中である表示(加算表示中)がなされる。そして、持点表示部に「5000点」、カード残高表示部に「7000円」が表示される。
次に、S台からCUへ、動作応答として持点=5000を含むレスポンスが送信される。CUでは、加算表示中を示す持点の移動表示を開始してから2〜3秒経過した段階で、加算表示中を終了させ、挿入されているカード種別を示す「会員」、持点として「5000発」を表示器312に表示する状態に切換わる。一方、S台では、加算表示中としての持点の移動表示を開始してから2〜3秒経過後に加算表示中を終了させ、表示器51による持点の移動表示を終了させる。
このように、問合せ中や加算表示中などの動作処理の開始の表示は、CUとS台とでタイミングを合せて開始させる一方、それら動作処理の表示の終了は、CUからS台へなんら終了指令等を送信せず、S台側において独自のタイミングで終了させることができ、CU側での終了タイミングに拘束されることがない。その結果、S台側独自の個性的な表示を行なうことができる。
図77は、遊技中に遊技者が持点を他人に分割譲渡して持点共有を行なう場合の制御処理を示すフローチャートである。この図77および後述する図78、図79に示すフローチャートでは、遊技者が遊技を継続しつつ持点を他人に分割譲渡して持点共有を行なうことができる制御を示している。
図77を参照して、まず持点=5000の会員カードとしてのカードAがCUに挿入される。この会員カードがCUに挿入された場合には、その会員カードの遊技用価値(持点、貯メダルおよびプリペイド残高)がすべて0になったとしても遊技終了時にその会員カードを遊技者に返却しなければならない。
カードAが挿入された後、CUは、そのカードAの持点である「5000」をS台側において加算させるための加算要求数=5000を含むコマンドをS台へ送信する。S台では、それを受けて、持点=5000に更新した上で、動作応答として持点=5000を含むレスポンスをCUへ送信する。その後S台において遊技が開始され、遊技の実行に伴って持点が減少して4000となった段階で、1000点分の持点を他人に譲渡して持点共有を行なう持点共有(1000点)の指定操作が行なわれた場合に、それ以降CUとS台とにおいて持点分割中の状態となる。
他人に分割譲渡(持点共有)する持点が記録されたカードBはCU内のカードストック部にストックされているストックカードをカードリーダライタ327に取出して補填してそのカードBに持点を書込んでCUから排出するのであるが、そのカードBを排出するにはまず先に既にカードリーダライタ327に挿入されているカードAを排出する必要がある。その際、カードA(遊技者所有の会員カード)に現時点におけるすべての持点(=4000)を書込んで排出した場合には、持点=0となってそれ以降遊技を続行することができなくなる。
そこで、遊技をしながら持点分割(持点共有)を行なうことを可能にするために、カードAを「持点=0」の状態でCUから排出し、持点に相当する持点をCUに担保情報として残しておくように制御する。なお、カードの持点を直接カードに記録するのではなくて、上位サーバにて当該カードのカード番号に対応付けて持点を記憶するようにしてもよい。その場合には、挿入されているカードAのカード番号と持点数=0とを上位サーバへ送信し、上位サーバにて受信したカード番号に対応付けて記憶している持点を検索し、その持点を0に更新する。その後CUがカードAを排出する。
カードA(持点=0)がCUのカードリーダライタ327から排出された後、CU内のストックカードB(持点=0)をカードリーダライタ327に取出して補填する。その時点で、S台において遊技の続行に伴って持点が減算し、持点=3800の状態となっている。そして、カードBに分割譲渡(持点共有)する持点である1000を書込むために、減算要求数=1000の動作要求(動作指示)を含むコマンドがCUからS台へ送信される。S台では、それを受けて、現時点の持点数3800から1000を減算して持点数=2800にし、その持点数=2800を含む動作応答をCUへ送信する。CUは、それを受けて持点=2800のデータをバックアップ記憶する。
次に、CUは、カードリーダライタ327によりカードBに「持点=1000」を書込み、そのカードBを返却(排出)する。この排出されたカードBを遊技者が他人に手渡すことによりその他人に持点を分割譲渡(持点共有)することができる。なお、カードの持点を直接カードに記録するのではなくて、上位サーバにて当該カードのカード番号に対応付けて持点を記憶する場合には、カードBのカード番号と分割譲渡(持点共有)する持点である1000とを上位サーバへ送信し、上位サーバにて受信したカード番号に対応付けて持点=1000を記憶するとともに、当該カードが分割譲渡(持点共有)されたカードであり1000点が持点共有により生じた持点であることを履歴として記憶しておく。その後CUがカードBを排出する。
CUは、カードBを排出した後、先に排出した遊技者の会員カードであるカードAの再挿入待ちの状態となり、カードAの挿入を促す表示を表示器312により行なう(図85参照)。そして、それを見た遊技者がカードAをCUへ挿入する。その時点で持点=2750となっている。カードAがCUへ挿入されれば、CUは、その挿入されたカードAと持点共有処理に伴って一旦排出されたカードAとが同じものであるか否か(たとえば双方のカード番号が一致するか否か)を判別し、一致しない場合はそのカードAを排出する一方、一致する場合は持点分割(持点共有)の処理が終了し、その旨が表示器312により表示される(図86参照)。
挿入されたカードAには遊技終了後のカード返却時に持点を持点として書込んでCUから排出される。
図78は、遊技者が持点5000点分が記録されたビジターカードBをCUへ挿入して遊技を行ないつつ持点の分割譲渡(持点共有)を行なった場合の制御動作が示されている。この場合には、先に挿入されているカードBが、必ずしも遊技者に返却する必要のないビジターカードであるために、その先に挿入されているビジターカードBに他人に分割する持点を書込んで排出しそのビジターカードBを他人に譲渡することによって持点共有を行なうようにしている。
まずビジターカードB(持点=5000)をCUに挿入することにより、その挿入されたカードBに記録されている5000の持点すべてを持点として加算する加算要求数=5000を含む動作要求(動作指示)がCUからS台へ送信される。
S台はそれを受けて、持点=5000を記憶するとともに、持点=5000を含む動作応答をCUへ返信する。その段階からS台で遊技が可能となり遊技中の状態となる。
そして、持点が遊技に使用されて持点=4000となった後に、1000点分の持点を他人に分割譲渡する持点共有(1000点)の指定が遊技者によって行なわれる。この段階から持点分割中の状態となる。この段階ではさらに持点が遊技に用いられて持点=3800となっている。そして、CUから分割譲渡(持点共有)のための1000点分の持点を減算する減算要求数=1000を含む動作要求がCUからS台へ送信される。S台は、それを受けて、現時点の持点3800から1000を減算して持点=2800とし、持点=2800を含む動作応答をCUへ返信する。CUでは、それを受けて、持点=2800のデータをバックアップ記憶する。そして、カードリーダライタ327に保持されているカードBに「持点=1000」を書込んでそのカードBを返却(排出)する。
この段階で、持点の分割譲渡(持点共有)の処理が終了する。その後においても遊技者がS台で遊技を続行し、遊技者が遊技を終了するべく返却ボタン322を押圧操作すれば、図42に示したカードの返却処理に移行し、CU内にストックされているストックカードがカードリーダライタ327に取出されて、その時点における持点に相当する持点のデータがそのストックカードに記録されて排出される。
なお、カードの持点を直接カードに記録するのではなくて、上位サーバにて当該カードのカード番号に対応付けて持点を記憶する場合には、カードBのカード番号と分割譲渡(持点共有)する持点である1000とを上位サーバへ送信し、上位サーバにて受信したカード番号に対応付けて記憶している持点を検索し、その持点をCUから受信した持点数に対応する値(=1000点)に更新するとともに、当該カードが分割譲渡(持点共有)されたカードであり1000点が持点共有により生じた持点であることを履歴として記憶しておく。
その後CUがカードBを排出する。そして、遊技終了時に排出されるストックカードについても、そのカード番号とカード排出時点における持点数のデータとを上位サーバへ送信し、上位サーバにて受信したカード番号に対応付けて持点=1000を記憶するとともに、前述のカードBの所有者がこのストックカードの所有者に変更された旨の履歴を記憶て記憶しておく。その後CUがストックカードを排出する。
図79は、持点の分割譲渡(持点共有)の他の例を示すフローチャートである。図77に示した制御処理との相違点を主に説明する。この図79に示すフローチャートでは、持点の分割譲渡(持点共有)を行なう際に、既に挿入されている遊技者の会員用カードであるカードAを先に返却する点は図77と同じであるが、その返却の際に、持点分割中に遊技を続行するのに必要となる持点(担保点200点)を確保した上で残りの持点をカードAに持点として記録した上で排出する点が、図77と異なる。
具体的には、まず、遊技者がタッチパネルからなる表示器312を操作して1000点を分割譲渡する持点共有の指定を行なう。するとCUは、分割譲渡する共有持点1000点と前述した担保点200点とをCUに残し、残りの持点3800を算出する。具体的には、現時点の持点(5000)−担保点(200)−共有持点(1000)=3800を算出する。そしてその算出された3800の持点を減算するべく、減算要求数=3800を含む動作要求のコマンドをCUがS台へ送信する。S台は、それを受けて、現在の持点5000から3800を減算し、残りの持点1200を算出して記憶する。そしてその持点=1200を含む動作応答をCUへ返信する。
CUでは、その動作応答(レスポンス)を受信し、担保点=200、共有持点=1000をCUに残した上で、カードリーダライタ327に保持されているカードAに持点=3800を書込んで排出する。このように、S台において遊技を続行しながら持点の分割譲渡(持点共有)を行なうため、CUにプレイ用の担保点(プレイ:200点)を残して挿入されていたカードAの返却を行なうのである。
その後、CUは、CU内にストックされているストックカード(持点0のカードB)をカードリーダライタ327に取出して補填する。その間にも、S台では遊技が続行されており、その結果加算数=10、減算数=60が発生している。その結果、持点=1200+10(加算数)−60(減算数)=1150となっている。
そして、CUにおいて、共有持点1000点を分割譲渡(持点共有)するべく、減算要求数=1000を含む動作要求のコマンドをS台へ送信する。
S台では、それを受けて、現在の持点1150から減算要求数1000を減算して残りの持点=150を算出し、持点=150を含む動作応答のレスポンスをCUへ送信する。
CUでは、それを受信し、カードBに「持点=1000」を書込んで返却(排出)する。遊技者はその排出されたカードBを他人に与えることにより持点の分割譲渡(持点共有)を行なうことができる。
カードBが排出された後CUは、先に排出した遊技者の会員カードAの再挿入を促す表示を表示器312により行なう。それを見た遊技者は先に排出されたカードA(持点=3800)をCUへ再挿入する。その間にもS台で遊技が続行されておりその結果加算数=10、減算数=85が発生している。そのために、カードAが再挿入された時点での持点=150+10−85=75となっている。
そして、カードAが再挿入された時点でCUは、その挿入されたカードAと持点共有処理に伴って一旦排出されたカードAとが同じものであるか否か(たとえば双方のカード番号が一致するか否か)を判別し、一致しない場合はそのカードAを排出する一方、一致する場合はCUは、そのカードAに記録されている持点=3800を持点としてS台に加算させるべく、加算要求数=3800を含む動作要求のコマンドをS台へ送信する。S台は、それを受けて、持点=75+3800=3875を算出し、現在の持点として記憶するとともに、その持点=3875を含む動作応答のレスポンスをCUへ送信する。
なお、カードの持点を直接カードに記録するのではなくて、上位サーバにて当該カードのカード番号に対応付けて持点を記憶する場合には、カードBのカード番号と分割譲渡(持点共有)する持点である1000とを上位サーバへ送信し、上位サーバにて受信したカード番号に対応付けて持点=1000を記憶するとともに、当該カードが分割譲渡(持点共有)されたカードであり1000点が持点共有により生じた持点であることを履歴として記憶しておく。その後CUがカードBを排出する。
図80〜図97は、CUの表示器312により表示される画面図である。
まず、図80〜図86に基づいて、図77に示した持点共有を行なう場合の表示器312に表示される表示画面を説明する。
図80を参照して、画面左半分の上方に表示された「メニュー」の表示項目(アイコン)を遊技者がタッチして表示された複数のメニューの中から持点共有を遊技者が選択指定した状態が、図80に示す持点共有の表示画面である。持点共有(持点の分割譲渡)は、遊技者所有の持点からの分割譲渡あるいは貯メダルからの分割譲渡のいずれも可能である。そのために、まず「持点共有元を選択してください」のメッセージ表示がなされ、選択対象となる持点を表わす表示項目(アイコン)と貯メダルを表わす表示項目(アイコン)とが表示される。
図80の右半分の表示画面では、現時点で挿入されているカードの状態が表示されている。図80では、会員カードが挿入されており、その会員カードは、カード残高が0円、持点が0点、貯メダルが500点、現時点における持点が10000点であることが示されている。
また、CUの状態として、カード残高から持点を貸出す際の貸出単位金額が500円であり、その500円相当の25点が払出数であることが表示されている。さらに、遊技者が紙幣をCUに挿入して挿入されているカードのカード残高をリロードできるという「入金可」の状態であることが示されている。
遊技者は、画面左半分の「持点」または「貯メダル」のいずれかをタッチ操作して持点共有元の選択入力を行なう。ここでは、「持点」を選択した場合を示す。
遊技者が「持点」を選択した場合には、次に図81に示す画面が表示される。画面左半分に「共有する持点数を選択ください」のメッセージ表示がなされるとともに、共有持点数の選択対象として、100点、200点、300点、4000点、500点、700点、1000点、1500点、2000点の9種類が表示される。遊技者はこの9種類の中から1つをタッチして選択入力する。ここでは、「1000点」を選択入力した場合を説明する。
遊技者が「1000点」を選択入力すれば、次に図82に示す画面が表示される。図82に示す画面では、「持点が上記明細で分割されます。よろしいですか?」のメッセージが表示されるとともに、共有持点数の明細として、自分のカードの持点数が9000となり、他人に分割譲渡(持点共有)する共有のカードの持点数が1000となることが表示されている。そして、「持点共有開始」の表示項目(アイコン)と「キャンセル」の表示項目(アイコン)とが表示される。遊技者はそれら表示項目のいずれかにタッチして選択入力する。「キャンセル」を選択すれば持点共有がキャンセルされる。一方、「持点共有開始」が選択入力されれば、共有持点数の明細に示したとおりの持点共有処理が開始される。
遊技者が「持点共有開始」を選択入力すれば、次に図83に示す画面が表示される。図83に示す画面では、「自分のカードが排出されます」のメッセージ表示がなされるとともに、持点共有処理の進行状況を示す持点共有処理状況画像が表示される。この持点共有処理状況画像は、処理の順番として1、2、3の3種類あり、第1処理では、自分(遊技者)のカードの排出、第2処理として共有のカードの排出、第3処理として排出された自分のカードの再挿入が表示されている。そして「状況」の欄に、上から「処理」「待ち」が表示されており、現時点では第1処理が処理中であることが示されている。そして、第1処理から破線で自分のカードが排出される画像が示されている。
図83の右半分の画面では、現時点におけるS台においての持点である10000点が点滅表示される。
自分のカードの排出が終了した段階で次に図84に示す画面が表示される。図84では、「状況」の欄に、第1処理としての自分のカードの排出が「済」であり、次に第2処理としての共有カードの排出が処理中であることが示されている。そして第2処理から矢印で共有カードが排出されている状態が示されている。この共有カードの排出が終了した段階で次に図85に示す画面が表示される。
図85に示す画面では、第1処理としての自分のカードの排出が済であり、かつ第2処理としての共有のカードの排出が済であり、現時点では自分のカードの再挿入が処理中であることが示されている。そして第3処理の箇所に矢印で自分のカードを挿入する画像が表示されている。
遊技者が自分のカードをCUに再挿入した段階で、次に図86の画面が表示される。図86では、「持点共有が完了しました」のメッセージが表示されるとともに、持点共有処理状況として、第1処理、第2処理、第3処理のすべてが済であることが示される。そして、1000点分の持点共有が完了したために、現時点におけるS台における持点が10000−1000=9000で、9000点となっていることが表示されている。
次に図87〜図93は、図39に示したワゴンサービスの制御処理が実行された場合の表示器312による表示画面の図である。
まず、図87を参照して、画面左半分の上方部分に表示されている「ワゴンサービス」の表示項目(アイコン)を遊技者がタッチして選択入力した状態が図87の表示画面である。まず始めに、「注文する種類を選択してください」のメッセージ表示がなされて、ワゴンメニューとして、「定番メニュー5品」、「ドリンク類30品」、「フード類10品」、「スイーツ類20品」の4種類のメニューが表示されるとともに、「注文状況確認」のアイコンが表示されている。
図87の右半分の画面には、S台における現時点での持点数として1000点が表示されている。遊技者は、現時点の持点数が1000点であることを考慮しつつ、その1000点の範囲内で注文することのできるワゴンメニューを選択する。たとえば「ドリンク類30品」を遊技者が選択した場合には、次に図88に示す画面が表示される。図88では、「注文する商品を選んでください」のメッセージが表示されるとともに、ドリンク類の中に含まれるメニューが6種類示されており、各メニューを注文する際に必要となる持点数が表示されている。遊技者は、現時点における持点数が1000点であることを考慮しつつ表示されたメニューの中から注文するものをタッチして選択入力する。なお、左画面の各種メニューが表示されている右側に、正三角形のアイコンと逆三角形のアイコンとが表示されている。正三角形のアイコンを遊技者がタッチした場合には画面が下にスクロールされて画面上方部分が表示される状態となる。一方図88に示す逆三角形のアイコンを遊技者がタッチすれば画面が上にスクロールされて画面下方部分が表示される状態となる。
図88において、遊技者が25点を必要とするコーヒーのメニューを選択した上で、図89の「注文商品明細」のタイトル欄に表示された「商品追加」のアイコンをタッチして再度図87のワゴンメニューの表示画面に戻り、図87における「フード類10品」のメニューを選択してフード類のメニューが表示された状態でその中から100点の持点を必要とする「ハンバーガー」のメニューが選択され、さらにその上で、図89の「注文商品明細」のタイトル欄に表示された「商品追加」のアイコンをタッチして再度図87のワゴンメニューの表示画面に戻り、図87における「スイーツ類20品」のアイコンが選択入力され、スイーツ類の表示画面の中から遊技者が50点の持点を必要とする「アイス」を選択した場合を説明する。
その場合には、次に図89に示す画面が表示され、今までに選択入力された注文商品の明細が表示される。この注文明細では、注文した商品名、消費持点数、注文した商品の数量が表示される。図89の場合には、消費持点数25点のハンバーガーが1品、消費持点数15点のコーヒーが1品、消費持点数10点のアイスが1品注文されていることが示されている。そして、合計の消費持点数が50点であることが表示されている。さらに、注文商品明細の数量の欄に「追加」のアイコンが表示されており、遊技者がこの追加のアイコンをタッチして入力することにより、1回タッチする毎に数量が「1」加算される。また数量の右側に各注文賞品に対応して「削除」のアイコンが表示されている。遊技者がこのアイコンをタッチ入力することにより、対応する商品の注文を削除することが可能となる。たとえば1番上の「削除」をタッチすれば、ハンバーガーの注文が削除され、2番目の「削除」をタッチすることによりコーヒーの注文が削除され、3番目の「削除」をタッチすることによりアイスの注文が削除される。
さらに、この注文商品明細の下方に、「商品追加」のアイコンが示されており、これを遊技者がタッチすることにより、前述したように再度図87のワゴンメニューの表示画面に戻り、遊技者が注文商品を選択して追加注文することが可能となる。
また図89の注文商品明細の下方に「キャンセル」のアイコンが示されており、遊技者がこのアイコンをタッチすることにより、現時点までに注文しているすべての注文商品をキャンセルすることができる。
さらに、注文商品明細の下方に「注文」のアイコンが示されており、遊技者がこれをタッチ操作することにより、注文商品明細に示されたとおりのワゴンサービスの注文処理が実行されることとなる。
図89の表示画面において遊技者が「アイス」の注文に対応する「削除」のアイコンをタッチ操作した場合に、図90に示す画面が表示される。図90では、「アイス」の注文が取消された状態が示されている。
一方、図89において「注文」のアイコンを遊技者がタッチ操作した場合には、図91に示す画面が表示される。図91の表示画面では、注文商品の問合せ中の画像が表示される。消費持点数の合計である50点と現時点におけるS台での持点数1000点との間で送受信が行なわれていることを示す矢印表示がなされ、交信中であることが示される。この交信中であることを示す矢印の表示は、具体的には、図92を参照して、まず消費持点数「50」点からS台の「1000」点の方向に矢印が表示され、「問合せ中」の文字が表示される。
この表示がなされた後に、S台の「1000」点から消費持点数「50」点の方向へ矢印表示がなされ、「問合せ中」の文字が表示される。そして、これら両表示を複数回繰返して表示する。その表示の後、次に図93の画面が表示される。図93の画面では、「注文商品を受付いたしました 持点より上記消費持点数分を引落しいたしました」のメッセージが表示されるとともに、注文商品受付完了の表示がなされて受付けた注文商品の明細および総消費持点数「50」点であることが表示される。そして、画面右半分には、50点の消費の結果、現在のS台における持点が「950」点になっていることが表示される。
図94と図95とは、図35に示したカード挿入処理における加算表示中の表示画面であり、図76に示したCU側の表示器312の表示画面のうち上から3番目の表示画面の他の例を示している。
図94を参照して、画面左半分には、画面構成は違うものの図76のCU側の表示画面と同様の内容を示す遊技台情報が示されている。
図94の画面右側には、CUからS台へ、CUに挿入されたカードの持点である1000点がすべてS台側に移動している最中である表示がなされている。
そして持点移動が完了した段階で、次に図95に示す表示画面に切換わり、画面右側において「持点移動完了!」のメッセージが表示されるとともに、持点の欄が0点になり、S台における持点として1000点が表示され、その「1000」が点滅表示される表示がなされる。
図96および図97は図42に示したカードの返却処理におけるクリア表示中を示す表示画面である。まず、図96を参照して、画面右半分において、S台における現時点の持点が1000点であることが表示され、その「1000」が点滅表示される。そして、S台から持点の表示欄に持点移動がなされている状態が示されるとともに、「持点移動中」の文字が表示される。
そして、持点の移動が完了した段階で、次に図97に示す表示画面に切換わり、S台側における持点が0点になった状態が表示されるとともに、持点として1000点が表示され、その「1000」が点滅表示される。
以上、説明したとおり、本実施の形態によれば、持点数の管理をCU側において行なっているために、S台側にその管理機能を設ける必要がなく、その分、S台のコストを極力抑えることができる。特に、S台は、より趣向性の高い遊技をいち早く提供できるようにするために遊技場における入替えサイクルが短く、1年あるいは早い場合には数ヶ月の単位で早期に入替えが行なわれる傾向にある。また、目まぐるしく変化する遊技者の趣向をいち早く取り入れた新台が次々と開発されているところ、遊技場における台交換のサイクルも早まる傾向にある。
一方、CUは、趣向性の観点から入替えが行なわれることは少なく、一般的には、故障に応じて機器交換が行なわれ、故障によって交換した場合であっても、適切な修理を終えると再利用されるものである。そして、故障が発生しなければ数年は入れ替えが行なわれることがない。
このため、持点の管理機能をS台側ではなくCU側に持たせてS台のコストを抑えることにより、S台を導入する遊技場のランニングコストを軽減することができるという利点がある。
図98は、セキュリティ確保のための認証鍵や固有ID(SIDとも言う)からなる認証用情報を配信するための全体システムを示す図である。鍵管理サーバ800と上位サーバ801、上位サーバ801とメイン制御部323、メイン制御部323とCU通信制御部80、CU通信制御部80とS台通信制御部82、払出制御部31と主制御基板116、および主制御基板116と鍵管理サーバ803とが、認証用情報を用いて相互に認証を行なっており、互いに相手機器が適正なものであるか否かを判断している。そして、適正なものであるとの認証結果が得られたことを条件として、互いに通信を行なう。メイン制御部323とCU通信制御部80との間での相互認証に用いる認証用情報の配信を、図98に基づいて以下に説明する。
これらCU通信制御部80のSIDと認証鍵とは、図98の鍵管理サーバ800からカードユニット3のメイン制御部323へ送信してもらい、EEPROM808により記憶する。具体的には、図98を参照して、鍵管理サーバ800は、メイン制御部323のSID毎に対応付けて、CU通信制御部80のSIDと認証鍵とを記憶している。カードユニットメーカは、カードユニット3の製造段階で前述したようにEEPROM808にメイン制御部323のSIDを記憶させ、そのメイン制御部323のSIDに対応するCU通信制御部80のSIDすなわち既にROM809に記憶されているCU通信制御部80のSIDとEEPROM813に記憶されている認証鍵とを、EEPROM808に記憶されているメイン制御部323のSIDとともに鍵管理サーバ800へ送信する。すると、鍵管理サーバ800はそれを受信し、送信されてきたメイン制御部323のSIDに対応付けて送信されてきたCU通信制御部80のSIDと認証鍵とを記憶する。このようにして、鍵管理サーバ800では、メイン制御部323のSIDとそれに対応するCU通信制御部80のSIDおよび共通鍵である認証鍵からなるペアの認証用情報のデータベースが構築される。
このように、メイン制御部323のSIDは、それ自体認証用情報であるが、鍵管理サーバ800に送信されて鍵管理サーバ800において対応するCU通信制御部80のSIDと認証鍵とを特定するための認証用情報特定情報にも兼用されている。
カードユニット3が遊技場に設置された後当該カードユニット3の最初の電源投入時において、メイン制御部323は、EEPROM808に記憶しているメイン制御部323のSIDを上位サーバ801を経由して鍵管理サーバ800へ送信する。鍵管理サーバ800は、受信したメイン制御部323のSIDに対応付けて記憶されているCU通信制御部80のSIDと認証鍵とを検索し、その検索されたCU通信制御部80のSIDと認証鍵とを上位サーバ801を経由してメイン制御部323へ返信する。メイン制御部323は、それを受信して、EEPROM808にその受信したCU通信制御部80のSIDと認証鍵とを記憶する。その結果、CU通信制御部80のROM809に記憶されたCU通信制御部808のSIDと同じ(ペアの)SIDがEEPROM808に記憶されるとともに、EEPROM813に記憶されている認証鍵と同じ(ペアの)認証鍵がEEPROM808に記憶される。
メイン制御部323とCU通信制御部80との間では、EEPROM808に記憶されているCU通信制御部80のSIDを用いて、ROM809に記憶されているCU通信制御部80のSIDが正しいか否かを認証することによりCU通信制御部80が適正なものであるか否かを判定するCU通信制御部80シリアルID認証を行なうとともに、EEPROM813に記憶されているメイン制御部323のSIDを用いてEEPROM808に記憶されているメイン制御部323のSIDが正しいか否かを判定してメイン制御部323が正しいものであるか否かを判定するBBシリアルID認証が行なわれる。さらに、メイン制御部323とCU通信制御部80との間で、互いに共通の認証鍵を記憶しているか否かを、EEPROM808に記憶している認証鍵とEEPROM813に記憶している認証鍵とを用いて判定するという機器認証が行なわれる。
次に、認証用情報の一部であるCU通信制御部80のSIDと認証鍵とをメイン制御部323へ配信するその配信元を鍵管理サーバ800にしている理由を説明する。
たとえば、前述の図5を参照して、チップ製造時にCU通信制御部80のSIDをROM809に記憶させるのと同様に、メイン制御部323においてもチップ製造時にCU通信制御部80のSIDをROM804に記憶させた場合には、同じCU通信制御部80のSIDが記憶されたメモリチップをメイン制御部323とCU通信制御部80との両者に搭載しなければならず、メモリチップの搭載工程においてそれぞれペアのメモリチップを搭載しなければならず、搭載工程が煩雑となるという不都合が生ずる。
そこで、たとえば、CU通信制御部80にペアの認証用情報のうちの一方すなわちCU通信制御部80のSIDとメイン制御部323のSIDと認証鍵とを記憶させておき、カードユニット3が製造された段階でまたは遊技場に設置されて最初の電源投入の段階で、CU通信制御部80に記憶されている一方の認証用情報をメイン制御部323へ送信してもらい、メイン制御部323のたとえばEEPROM808により、その送信されてきた認証用情報すなわちメイン制御部323のSIDとCU通信制御部80のSIDと認証鍵とを記憶するという方法が考えられる。
しかし、この方法の場合には、認証用情報がCU通信制御部80からメイン制御部323へ送信されるために、その間における認証用情報の漏洩等の虞が生じ、セキュリティ上問題が生ずる。特に、メイン制御部323とCU通信制御部80との間においては、前述したように、通信インターフェイス仕様が公開されており、その公開された通信インターフェイス仕様に従って認証用情報が送信されるのであり、その分認証用情報の漏洩の虞が高まるという不都合が生ずる。しかも、メイン制御部323とCU通信制御部80とは、例えば上位サーバ801や鍵管理サーバ800に比べてローカルエリアに位置するデバイスであり、かつその数も上位サーバ801や鍵管理サーバ800に比べて多いために、不正を試みる者が容易にアクセスして認証用情報の傍受(盗聴)を行なうことを許してしまう虞がある。
さらに、このCU通信制御部80からメイン制御部323へ認証用情報を送信する場合には、次のような不都合も生じる。たとえばCU通信制御部80を不正に製造されたCU通信制御部80に差し替え、その後CU通信制御部80からメイン制御部323へ認証用情報を送信してメイン制御部323でその認証用情報を記憶させるという不正行為が行なわれた場合には、メイン制御部323とCU通信制御部80との間での相互認証においては、何ら異常である旨の判定が行なわれず、CU通信制御部80の不正を発見することができない。つまり、相互認証を行なう一方から相互認証を行なう他方へ認証用情報を供給する方式の場合には、相互認証を行なう一方を不正なものに差替えた後認証用情報を供給することにより不正行為を許してしまうというセキュリティーホールが生じるのである。
以上のような不都合を防止するべく、上位サーバ801に記憶されている認証用情報をダウンロードしてメイン制御部323に記憶するというダウンロード方式を採用している。
次に、図99を参照して、図5、図36で説明した実施の形態の変形例を説明する。図99は、図5に示したCU側とS台側とのそれぞれの遊技履歴データの記憶を行なう制御態様の変形例を説明するための説明図である。ここでは、図6、図40、図111との相違点を主に説明する。
図5の場合には、S台2Sに設けられたRAMクリアスイッチ293を操作することにより遊技履歴データをクリアするものを示したが、この図99に示す変形例においては、ホール用管理コンピュータ1からCU3へ送信されてくるクリア指令に基づいて遊技履歴データをクリアする。遊技履歴データのクリアは、遊技場の営業開始前に当該遊技場に設置された各遊技機について行なう必要がある。ゆえに、各S台毎に設置されているRAMクリアスイッチの操作ではなく、ホール用管理コンピュータ1からの各CU3へのクリア指令信号の一斉配信による遊技履歴データのクリアの方が便利である。
遊技場の係員がホール用管理コンピュータ1を操作して、またはホール用管理コンピュータ1に内蔵されているクロック機能によって遊技場の営業開始時刻前の所定時刻になることにより、ホール用管理コンピュータ1から各CU3へクリア指令信号が一斉配信される。そのクリア指令信号を受信したCU3は、遊技履歴データ管理部391に設けられているクリア処理部の働きにより、データ記憶部392の当S台遊技履歴データ記憶部の記憶を消去する。その結果、表示器312による当S台遊技履歴データの表示が消去(クリア)される。また、クリア処理部の働きにより、クリア指令信号をS台2Sの遊技履歴データ管理部291へ送信する。
クリア指令信号を受信した遊技履歴データ管理部291は、クリア処理部の働きにより、表示器用演出制御部292のバックアップデータ記憶部に記憶されているデータが消去されるとともに、当S台遊技履歴データ記憶部の10日分の記憶データのうち一番古い記憶データが消去され、残りの9日分の記憶データが1つずつ古い日の記憶エリアにシフト記憶される。その結果、一番新しい記憶エリア(当日記憶エリア)が空きエリアとなる。この空きエリア(当日記憶エリア)に本日の遊技履歴データが記憶されることとなる。
また、この図99に示す変形例においては、遊技者が離席した後当該離席した遊技者と次に遊技を行なう遊技者との同一性の判断をCU3側において行なっている。離席した遊技者の遊技者特定情報であるC−IDがデータ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている。その後離席したS台2Sにおいて再度遊技を行なうべく遊技者がカードをCU3に挿入した場合に、その挿入されたカードの情報が読取られてその挿入カード情報に含まれるC−IDと現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されている離席した遊技者のC−IDとが比較されて両者が一致するか否かが判定される。両者が一致すると判定された場合にはCU3の遊技履歴データ管理部391からS台2Sの遊技履歴データ管理部291に対して同一コマンドが送信される一方、両者が一致しないと判定された場合には、相違コマンドが送信される。
それら同一/相違コマンドを受信した遊技履歴データ管理部291は、同一コマンドである場合にはバックアップデータ記憶部に記憶されているC−IDと遊技履歴データとを現遊技者遊技履歴データ記憶部に復帰させて記憶させる制御を行なう。一方、相違コマンドを受信した場合には、バックアップデータ記憶部に記憶されているバックアップデータを消去する制御を行なう。
また、S台2Sは、CU3の遊技履歴データ管理部291からカード返却通知を受信した場合には、現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されているC−IDとしてのAと遊技履歴データaとをバックアップデータ記憶部に記憶させ、現遊技者遊技履歴データ記憶部のC−IDと遊技履歴データとを消去することによって、現遊技者遊技履歴データ記憶部の記憶データをバックアップデータ記憶部にシフトさせて記憶する制御を行なう。
なお、この図99も、前述した図5と同様に、ビジターカードではなく会員カードのC-IDが読取られた場合にのみ遊技者の同一性を確認して現遊技者遊技履歴データに記憶して遊技履歴を引継いで集計する。
図100は、図99に示した変形例における挿入時処理の制御を示すフローチャートである。この図100の制御は、図36に示した制御の一部を変更したものであり、同一の制御ステップについては同一のステップ番号を付しており、ここでは主に相違点について説明する。この図100においても、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図100において、S1、S2、S4〜S7、S20、S21の各ステップはCUが実行し、S22、S10、S12、S13、S15はS台が実行する。
S1により中断中でないと判断された場合には制御がS20へ進み、今回挿入されたカードと前回挿入されたカードとのC−IDを比較し一致するか否か判定する。次にS21により、その判定結果に基づくコマンドをS台へ送信する制御が行なわれる。具体的には、一致するとの判定結果の場合には同一コマンド、一致しないとの判定結果の場合には相違コマンドがS台へ送信される。
S台においては、その送信されてきたコマンドが一致コマンドであるか否かの判定がS22により行なわれ、一致することを条件として、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)の遊技履歴データを現エリア(現遊技者遊技履歴データ記憶部)に戻し、遊技履歴データの更新を再開する制御(S12)が行なわれる。
なお、この図100に示す変形例においては、図36に示したS14の制御は実行されない。
この変形例において、前述の同一コマンドの送信の代わりに、データ記憶部392の現エリア(現遊技者遊技履歴データ記憶部)に記憶されている遊技履歴データaを遊技機(S台2S)へ送信してもよい。遊技履歴データaを受信した遊技機(S台2S)では、その受信した遊技履歴データaを現エリア(現遊技者遊技履歴データ記憶部)に記憶し、遊技履歴データaを引継いで新たな遊技履歴データを加算更新する。この場合には、遊技機(S台2S)においてバックアップエリア(バックアップデータ記憶部)が不要になる。
次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を以下に説明する。
(1) 上記した実施の形態には、以下の構成の発明が開示されている。
遊技者により遊技が行なわれるスロットマシン(スロットマシン2S)と、該スロットマシンと通信可能に接続された遊技用装置(カードユニット3)とを備える遊技用システムであって、
前記スロットマシンは、
該スロットマシンを制御する第1の制御手段(主制御基板116)と、
該第1の制御手段と通信可能に接続された第2の制御手段(LSI117)とを含み、
前記第1の制御手段は、
前記スロットマシンの制御中に発生するエラーを判定するエラー判定手段(主制御基板116のCPU)と、
該エラー判定手段によりエラーの発生が判定されたときに異常を報知する制御を行なう異常報知制御手段(主制御基板116のCPU、I/Oポート)とを含み、
前記第2の制御手段は、
前記遊技用装置と通信可能に接続され(コネクタ330、220により接続され)、
前記第1の制御手段の異常を判定する異常判定手段(図25の認証シーケンス)を含み、さらに、
前記異常判定手段により前記第1の制御手段の異常が判定されたときに異常が発生したことを通知する異常通知情報を前記遊技用装置へ出力する出力手段(主制御基板116の異常を検知した払出制御部31がS台通信制御部82からCU通信制御部80へ通知する)を含み、
前記遊技用装置は、前記異常通知情報を受信したときに異常を報知する制御を行なうことを特徴とする、遊技用システム。
このような構成によれば、スロットマシンの制御中にエラーが発生した場合に異常を報知する制御機能を有する第1の制御手段自体の異常が第2の制御手段によって判定され、その第1の制御手段自体の異常が発生したことが第1の制御手段から遊技用装置へ出力され、遊技用装置において異常を報知する制御を行なうために、異常発生時に異常報知制御機能を有する第1の制御手段自体に異常が存在する場合においても、良好に異常報知制御を行なうことができる。
(2) 上記実施の形態においては、CU通信制御部80やS台通信制御部82は、メイン制御部323や払出制御部31から送られてきた情報を受信してそのままその情報をS台あるいはCUへ送信するが、受信した情報を加工(プロトコル変換やシリアル/パラレル変換等)してその加工した情報を送信するものであってもよい。
(3) 図24〜図32の認証シーケンスと業務電文シーケンスは、メイン制御部323と通信制御部80との制御であるが、図24〜図32の認証シーケンスと業務電文シーケンスとの制御を、スロットマシン2Sの払出制御部31とS台通信制御部82とで行ってもよく、さらには、遊技場に設置されたその他の遊技機器(カード発行装置、清算装置、ホール用管理装置、景品交換装置等)において行ってもよい。
また、図32に示した業務電文シーケンスを、たとえば、ホール用管理コンピュータ1に接続された島コンピュータとスロットマシンのコンピュータとの間で行ってもよく、また、メイン制御部と通信制御部を備えたZカウンタにおいて、その通信制御部が景品管理装置に接続されており、メイン制御部と通信制御部との間で行ってもよい。さらには、たとえば貯メダル管理装置と接続された通信制御部をカードユニットに設け、その通信制御部とカードユニットのメイン制御部との間において図32に示した業務電文シーケンスを実行してもよい。
(4) 図27に示したBBシリアルID認証シーケンスは、メイン制御部のSIDとCU通信制御部のSIDとの2種類のSIDを用いた認証であるが、1種類のSID(たとえばCU用SID)を用いてメイン制御部とCU通信制御部との認証を行なってもよい。この場合には、互いに同じSIDを記憶していることの認証が行なわれることになる。
(5) 前述の実施の形態においては、持点数をCU側に設けた表示器312により表示させるようにしているとともに、S台側の表示器51により持点数の表示を行なうようにしている。持点数をCU側の表示器により表示する場合には、表示部のないS台にも、本実施の形態におけるCUを適用して持点数の表示ができるというメリットがある。一方、S台側に持点数表示部を設ける場合には、その表示制御をCU側で行なってもよい。あるいは、その表示制御をS台側で行なってもよい。表示制御をS台側で行なう場合には、表示すべき持点数の情報をCU側からもらい受けるようにすることによって、持点数表示部にはCUで管理している持点数を表示することが可能となる。また、このように、表示制御をS台側で行なうと、装飾的(演出的)価値の高い持点数の表示を行なうことが可能になるというメリットがある。なお、表示制御をS台側で行なう場合、表示すべき持点数の情報をCU側からもらい受けるのではなく、S台自身が記憶している持点数カウンタの値に基づいて、持点数の表示制御をするものとしてもよい。
(6) 前述の実施の形態においては、ワゴンサービス等によって持点を減算する際に、図39等に基づいて説明したように、S台からの応答を待って減算確定するものを示した。しかし、これに限らず、CU側において記憶している持点の数が減算要求の数に比べて十分多い場合(たとえば30数以上多い場合)、S台からの応答を待つことなくCU側単独で持点の減算処理を行なって、その後にS台に対して減算要求の動作指示を送信するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、CUからS台にコマンドを送信してS台がそれに応えてレスポンスをCUに返信するものを示したが、逆に、S台からコマンドをCUに送信し、CUがそれに応えてレスポンスをS台へ返信する通信形態であってもよい。
具体的には、払出制御部31で生成されたコマンド(動作指示)をS台通信制御部82へ送信し、そのコマンド(動作指示)をS台通信制御部82からCUへ送信する。そのコマンド(動作指示)に応じたレスポンス(動作応答)がCUからS台通信制御部82へ返信され、そのレスポンス(動作応答)をS台通信制御部82が払出制御部31へ送信する。
この場合には、図21に示したコマンドの再送を払出制御部31が実行する。つまり、払出制御部31は、コマンド送信後1秒間レスポンスをS台通信制御部82から受信できなかった場合にはコマンドをS台通信制御部82へ再送する。さらに、図32(a)(b)で示した通信状態要求の送信および通信状態の確認のリトライも払出制御部31が実行する。つまり、払出制御部31は、動作指示をS台通信制御部82へ送信した後通信状態要求を送信し、S台通信制御部82から返信されてくる通信状態応答に基づいて通信状態を確認する。そして、確認結果異常と判断した場合は、再度動作指示を送信した後通信状態要求を送信し、通信状態の確認のリトライを実行する。
(8) さらに、前述の実施の形態においては、定期的(たとえば200ms)毎にCUとS台との間で通信を行なっているが、それに代えて、通信の必要性が生じたときにCUまたはS台の一方から他方にデータを送信して交信するようにしてもよい。
(9) 前述の実施の形態においては、S台からCUに対して、加算拒否ON、減算拒否ON、クリア拒否ONなどの要求に従わない拒否信号を含む動作応答をCUに返信し、CU側でその拒否ONに基づいて要求が拒否されたことを判別するようにしている。しかしこれに限定されるものではなく、拒否ONの動作応答をS台が返信する代わりに、CUからの要求に従っていない加算減算数や持点のデータを含む動作応答をCUへ返信し、CU側で、その返信されてきたデータ(加算減算数や持点等)が要求に従ったものであるか否かを判別し、それにより要求が拒否されたか否かを判別するようにしてもよい。
(10) 前述の実施の形態においては、CUでの電源断やCUとS台との間での通信断が検知された場合に、プレイ停止状態にするものを示したが、それに限定されるものではなく、S台側において遊技が続行できる状態に制御してもよい。その場合に、通信断が発生してからそれら異常が復旧して起動するまでの間において続行された遊技に伴って生成された加算減算数データをS台側で累積記憶しておき、起動時にそれらデータおよび持点のデータをCUに送信してCU側のデータのバックアップ値を修正するようにしてもよい。
(11) 前述の実施の形態においては、S台は、CUからのコマンドが所定時間(たとえば4秒間)送信されてこないときに、図22の処理によって通信断と判断している。しかし、次のような方法で通信断の判断を行なってもよい。
スロットマシン2Sとカードユニット3とが電気的に接続されているか否かを検出する接続検出器をスロットマシン2Sに設ける。図3を参照して、CU通信制御部80と払出制御部31とは前述したように信号線で接続されているが、その信号線の他にカードユニット3からの所定電圧(たとえば5V)がスロットマシン2S側に入力される接続検知用信号線を設ける。この接続検知用信号線とCU通信制御部80および払出制御部31の間での信号線とが、同じケーブルで構成されており、そのケーブルの断線あるいはコネクタ330、220の離脱さらにはカードユニット3の電源断が生じた場合には、接続検知用信号線の電圧が0Vとなるために、それを接続検出器が検出し、その検出信号が払出制御部31に入力されるように構成する。払出制御部31は、その検出信号が入力されたことにより、ケーブルの断線あるいはコネクタ330、220の離脱さらにはカードユニット3の電源断が生じたことを判定する。
(12) 図33の処理において、S台は、補正ONを含む通信開始要求(補正要求)を受けたときに、S台でその補正要求を拒否できないようにプログラムされている。しかし、S台において、補正ONを含む通信開始要求(補正要求)を受けたにもかかわらず、持点等の補正ができない重度のエラーが発生している場合もある。このような重度のエラー状態を考慮して、CU側において、補正ONを含む通信開始要求(補正要求)の送信後、S台から送信されてくる動作応答の内容をチェックして、S台側の持点等が正しく修正されているか否かを判定し、修正されていないときには、エラー状態に移行する制御を行なうようにしてもよい。
つまり、CUは、図33の補正ONを含む通信開始要求(補正要求)を受信した後においても未だスロットマシン(たとえばS台)において持点等の加算ができないことを判別したときに、予め定められたエラー状態に移行する制御を行なうエラー制御手段を含む。
エラー状態に移行する制御としては、たとえば、表示器312により重度のエラー報知を行なうとともに、ホール用管理コンピュータ1に重度のエラーが発生した旨の通知を行なってホール用管理コンピュータ1によるエラー報知を行なって、係員による人為的な対応を促す等が考えられる。
(13) S台側では、次のようにして加算数をカウントしてもよい。
S台側に加算数をカウントするためのカウンタとして、カウンタAとカウンタBとを設ける。初めに、カウンタAによって加算数をカウントする。加算数の送信タイミングになれば、カウンタAのカウント値をCUへ送信する。その後、カウンタAの値は維持し、以降はカウンタBにて加算数をカウントする。加算数の送信タイミングになれば、カウンタBのカウント値をCUへ送信する。その後、カウンタBの値は維持する一方、カウンタAのカウント値を0クリアし、以降はカウンタAにて加算数をカウントする。以下、カウンタA、Bによる上記のカウントを繰り返す。
以上のカウント方法は、S台側での減算数のカウントに利用してもよい。あるいは、外部出力情報のカウントに利用してもよい。
(14) S台は、加算数と減算数との2つの情報をCUに送信するのではなく、加算数と減算数とを加減算した後の1つの情報をCUに送信してもよい。つまり、このような情報によっても、「前記変化量を特定可能な更新情報」が構成される。
(15) 通信方式は、上記のコマンド-レスポンス方式に限定されるものではない。S台は、CUからのコマンドを待つことなく所定時間間隔で持点等の持点関連情報をCUに送信するものとしてもよい。あるいは、S台は、所定時間間隔で持点関連情報を送信するのではなく、予め定めた情報量が得られる毎に、持点関連情報をCUに送信するものとしてもよい。たとえば、加算であれば、1つあるいは2つ以上の予め定めた数の加算数が生じる毎に加算数をCUに送信するように構成することが考えられる。
(16) 本実施の形態では、S台側に加算数カウンタと減算数カウントとの2つのカウンタを設けた。しかしながら、これらの2つのカウンタに代えて、持点の増加(入賞の発生等)により加算し、持点の減少(賭数設定等)により減算する1つの加減算カウンタを用いるようにしてもよい。この場合には、この1つの加減算カウンタの値をS台からCUへ送信する。
(17) 本実施の形態は、次の構成を含む。
前記遊技用装置は、持点の減算を指示するためのコマンドを前記スロットマシンへ送信した後、当該コマンドに対する応答を受信する前に、前記スロットマシンとの間での通信コネクションを再確立させる処理に移行した場合、通信コネクションを再確立させる処理において前記スロットマシン側から送信されてきたデータに基づいて、持点の減算を指示するためのコマンドが前記スロットマシンへ到達していたか否かを判定する到達判定手段を含み、前記コマンド送信手段は、持点の減算を指示するためのコマンドが到達していたと前記到達判定手段により判定されたとき、当該コマンドによる持点の減算指示をキャンセルするためのコマンドを前記スロットマシンへ送信し、前記副持点更新手段は、持点の減算を指示するためのコマンドによる持点の減算指示をキャンセルするためのコマンドを受信したとき、持点の減算を指示するためのコマンドに基づいて既に持点を減算済みである場合および持点不足により持点を減算していない場合のいずれであっても、前記副持点記憶手段が記憶している持点に減算指示のキャンセル分に対応する持点を加算する。
(18) 本実施の形態では、返却ボタン322の操作により、遊技終了を要求する信号がCUに入力される。しかし、CUは、遊技終了を要求する信号を管理コンピュータなどから入力可能に構成してもよい。
(19) CUとS台とは、有線接続でなく、無線により通信可能に接続してもよい。
(20) 払出制御部31の機能を主制御基板116に設けることによって、払出制御部31をスロットマシン2Sに設けないようにしてもよい。
(21) 払出制御部31は、スロットマシン2S側で記憶している持点数カウンタが0になった段階で遊技停止する制御を行なう。しかしながら、払出制御部31は、持点数カウンタが0以外の所定値になった段階でその制御を実行するものとしてもよい。たとえば、前記所定値を遊技者がスロットマシンの所定の操作スイッチを用いて予め指定入力できるようにする。払出制御部31は、持点数カウンタが遊技者指定の所定値に達した段階で、遊技禁止状態とする。これにより、遊技者は、持点の残数が予め指定した数になった段階で自動的に遊技を停止させることが可能となる。
(22) 前述した実施の形態では、スロットマシン2S側に演出部50が設けられており表示器51により各種表示がなされるものを示したが、この演出部50を備えていないスロットマシン2Sであってもよい。その場合には、前述したカード挿入処理中ON、加算表示中ON、電算表示中ON、クリア表示中ON等の動作指示を含むコマンドがS台2Sへ送信されてきても、S台2Sでは、そのコマンドに応じた表示制御は行なわず、CU側の表示器312のみによる表示となる。
(23) 図77〜図79に示した貯メダル共有処理においては、他人に分割譲渡(貯メダル共有)するために排出されるカードBをCU内にストックされているストックカードを用いたが、その代わりに、他人に譲渡するためのカードBをCUの外部からカード挿入/排出口309に挿入し、その挿入されたカードBに分割譲渡(貯メダル共有)用の貯メダルを記録して排出するようにしてもよい。その場合には、図83〜図86に示した共有処理状況の表示画面において、第1処理である自分のカードの排出処理と第2処理である共有のカードの排出処理との間に、共有のカードの挿入処理が付け加わることとなる。
(24) 図78に示した貯メダル共有処理では、始めにビジターカードBを挿入して遊技を開始しているが、その代わりに、遊技者が紙幣をCUの紙幣挿入口302に挿入して遊技を開始してもよい。その場合には、貯メダル共有に用いられる譲渡用のカードBをCU内のカードストック部から取出して共有分の持点に対応付けて排出し、遊技終了時に持点数に対応付けて遊技者に返却するカードもCU内のカードストック部から取出して排出するようにしてもよい。また、紙幣の挿入により遊技を開始した後、入賞の発生によって持点数が生じた段階でカードストック部から取出したカードにその時点の持点数を対応付けてもよい。その場合に、遊技に伴って持点数が変動したときに前記カードに対応付けられた持点数も同様に変動させる。そして、貯メダル共有の操作がなされたときに、前記カードに対応付けられた持点数を共有分の持点に変更して該カードを譲渡用のカードとして排出し、再度カードストック部から取出したカードに、前記持点数から共有分の持点を減算した残りを対応付けるようにしてもよい。
(25) 前述の実施の形態では、CUが接続シーケンスを再開するときに、待機中(図34参照)以外の状態での接続シーケンスの再開と判断、自ら通信切断要求を送信して通信を切断した後での接続シーケンスの再開であると判断、または、CUがバックアップしているSQNとS台から送信されてきたSQNとが整合しないと判断したときに、図23ではなく図33の再接続時の接続シーケンスを実行する。しかし、それらに加えてまたはそれらのいずれかに代えて、接続シーケンスの再開に伴ってS台から遊技中(待機中以外のとき)に通信コネクションの切断が発生したことを示す信号(たとえばリカバリデータ等)をCUへ送信し、CUがその信号に基づいて図33の再接続時の接続シーケンスを実行するようにしてもよい。
(26) 図77〜図79に示した持点の分割譲渡(貯メダル共有)の処理において、現時点の持点が分割譲渡する持点よりも所定数以上多いと判定したことを条件に分割譲渡(貯メダル共有)を許容するようにしてもよい。図77と図78の場合には、たとえば、現時点の持点が分割譲渡する持点よりも200点以上多いと判定したことを条件に分割譲渡(貯メダル共有)を許容する。また、図79の場合には、現時点の持点から担保点(=200)を減算した値が分割譲渡する持点よりも100点以上多いと判定したことを条件に分割譲渡(貯メダル共有)を許容する。
(27) 図77、図79に示した持点の分割譲渡(貯メダル共有)の処理において、カードAを排出した後カードBを排出するまでの間において、遊技中の持点数がカードBに書込んで譲渡する貯メダルに満たなくなった場合には、持点共有を取消してカードBの排出を行なわないように制御する。
(28) 前述した実施の形態では、貯メダルと持点との単位が同じものを示したが、それに限らず、両者の単位が異なるようにしてもよい。たとえば、持点数「1」を貯メダルに換算すれば「10」になるようにしてもよい。
(29) 図78では、遊技終了時の返却操作がなされたときに、カードストック部にストックされているカード(ストックカード)を取出してそのストックカードに持点数を対応付けて排出するものを示したが、その代わりに、遊技場の係員に新たなカードを持参してもらい、そのカードをカード挿入/排出口309に挿入して持点数を対応付け、そのカードを排出するようにしてもよい。
(30) 上記実施の形態では、会員カードとビジターカードとの2種類のカードを示したが、カードの種類はこれに限らず、たとえばビジターカードの1種類のみであってもよい。
(31) 図5に示すRAMクリアスイッチ293による手動操作によるRAMクリアの代わりに、クロック機能を設けて遊技場の営業開始時刻になると自動的にRAMクリア信号が出力されるようにしてもよい。その自動的に出力されたRAMクリア信号により前述したように遊技履歴データがクリアされる。
(32) 前述した実施の形態においては、遊技履歴データのリカバリ処理において、CU側のデータに合せる制御を行なっているが、これら遊技履歴データについてはS台が管理している情報であるため、基本的に一致、不一致に関係なく、S台側が保持している遊技履歴データに基づいてCU側の遊技履歴データを更新するように制御してもよい。但し、トータルの持点数、加算累計および減算累計のデータについては、CU側の記憶データに合せる。
(33) 前述した実施の形態においては、試打モードへの移行はテストカードをCUに挿入することにより行なっていたが、それに代えてあるいはそれに加えて、上位サーバ801からの移行指令あるいは遊技場の店員によるリモコン操作によって試打モードへの移行を行なうように制御してもよい。このようなリモコン操作による試打モードへの移行は、客待ち中においてリモコン操作により試打モードに移行させることが可能となる。そして、試打モードとして、遊技場における営業外の客寄せイベントとして使用する第1試打モードと、係員等による動作確認のための第2試打モードとの、2種類設けてもよい。
さらに、前述の実施の形態においては、試打モード中において持点(または持点数)がなくなったときにはCU側から持点加算指令(または持点数加算指令)をS台(またはS台)へ送ることにより持点の加算(または持点数の加算)を行なって遊技を可能としているが、CU側からの持点加算指令(または持点数加算指令)を送ることなく、S台(またはS台)において持点(または持点数)がなくなっても継続して遊技ができるように制御してもよい。
(34) 前述したC−IDは、変化することのない固定のコードデータで構成されたものであるが、それに代えて、カードから読み取られるC−IDがその読取時刻に応じて変化する動的IDコードであってもよい。そして、CUにカードが挿入されてCUがC−IDを読取ったときにその読取時刻とともにC−IDをCUが記憶しておき、その読取時刻とC−IDとの両データに基づいて遊技者が特定できるように構成してもよい。例えば、CUがC−IDを読取る際に、現在時刻Tをカードに入力し、カード内において、C−IDをTで暗号化ET(C−ID)し、そのET(C−ID)とTとをペアで出力する。CUは、そのET(C−ID)をTで復号DT(ET(C−ID))してC−IDを抽出する。
(35) 前述の実施の形態においては、C−IDに基づいて遊技者が特定されて同一の遊技者が遊技を行なっているか否かの判定を行なうようにしたが、それに代えてあるいはそれに加えて、遊技者の指紋や静脈等の生体情報を読取る生体情報読取手段をCUあるいはS台に設け、その生体情報読取手段により読取られた生体情報読取手段に基づいて遊技者の同一性を判別するバイオメトリクス認証を採用してもよい。
(36) 前述の実施の形態においては、図5に示したように、カードの返却に伴って、現遊技者遊技履歴データ記憶部に記憶されているデータをバックアップデータ記憶部にシフトして記憶させるものを示したが、その代わりに、カードの返却に伴って、現遊技者遊技履歴データ記憶部をバックアップデータ記憶部に切換えてかつバックアップデータ記憶部を現遊技者遊技履歴データ記憶部に切換えるように制御してもよい。その場合には、切換えられた現遊技者遊技履歴データ記憶部の記憶データが表示器51により表示されることとなる。
(37) 前述の実施の形態においては、図5等に基づいて説明したように、C−IDの一致判定をS台側において行なっていたが、その一致判定をCU側において行なってもよい。その場合には、S台2Sのバックアップデータ記憶部に記憶されているC−IDをCU側に送信してもらい、それを受信したCU側において、挿入されたカードに記録されているC−IDを読取り、その読取ったC−IDとS台から送信されたC−IDとの一致判定を行なう。そして、CU3において、C−IDが不一致であると判定した場合に、S台2Sに対してクリアコマンドを送信する。そのクリアコマンドを受信したS台2Sでは、バックアップデータ記憶部に記憶されているデータを消去する。
一方、CU3において、C−IDが一致すると判定された場合には、S台2Sに対し、バックアップデータ記憶部に記憶されている遊技履歴データを現遊技者遊技履歴データ記憶部に復帰させてその遊技履歴データを引継いで新たな遊技履歴データの加算更新を行なうための指令情報をCU3からS台2Sへ送信する。この指令情報は、引継ぎ指令情報等のようなコードデータであってもよいが、引継ぐためのバックアップ遊技履歴データすなわちS台2Sのバックアップデータ記憶部に記憶されている遊技履歴データをCU側において記憶しておき、そのバックアップされている遊技履歴データを引継ぎ指令情報としてS台2Sへ送信するようにしてもよい。その場合には、S台におけるバックアップデータ記憶部は不要となる。
(38) 前述の実施の形態においては、図61〜図63、図66、図67、図70、図71、図74、図75に示したように、C−IDの同一性の判定をCU側で行なうものを示したが、この同一性判定をS台側で行なうようにしてもよい。つまり、以下のような構成を持たせたスロットマシンにしてもよい。
持点による遊技が可能であり、遊技領域に遊技媒体を発射して遊技が行なわれ、遊技者所有の遊技用価値を用いて持点を加算する遊技用装置と通信する通信部を備え、入賞の発生に応じて持点が加算されるスロットマシンであって、
遊技への使用および入賞の発生に応じた持点の変化量を特定する特定手段と、
持点を記憶する持点記憶手段と、
前記持点記憶手段が記憶している持点を前記変化量に応じて更新する持点更新手段と、
前記変化量を特定可能な更新情報と前記持点記憶手段に記憶されている持点とを前記通信部から前記遊技用装置へ送信する制御を行なう情報送信制御手段と、
遊技を行なう遊技者を特定する遊技者特定情報を記憶する遊技者特定情報記憶手段と、
前記遊技用装置と接続されて通信が開始された際に、遊技者特定情報読取手段により読取られた遊技者特定情報と前記遊技者特定情報記憶手段に記憶されている遊技者特定情報とにより同一の遊技者が特定されるか否かを判定する同一判定手段と、
該同一判定手段による判定結果を前記通信部から前記遊技用装置へ送信する制御を行なう同一判定結果送信制御手段とを備えた、スロットマシン。
(39) 前述した実施の形態においては、動作指示および動作応答にC−IDを含めて送受信している。その送受信の最中に異なるC−IDがS台からCUへ送信されてきたときには、エラーと判定して、CU側において加算数および減算数の更新を行なわないように制御してもよい。このように制御した場合には、コマンドおよびレスポンスの送受信の最中にノイズによってC−IDが一時的に狂ったデータとなる虞がある。その場合に、たとえばCU側において受信した動作応答中に含まれているC−IDがコマンドとして送信したC−IDと異なっていた場合には、CU側においてはエラーと判定してその送信されてきた動作応答に含まれている加算数や減算数に基づいて加減算更新制御を実行しない。その結果、次回のコマンドおよびレスポンスの送受信においてノイズで狂っていないC−IDがS台側から送信されてきた場合に、C−IDが一致して正常であると判定されながらも、その動作応答に含まれている持点数(トータル持点数)とCUが記憶しているトータル持点数とが食い違うこととなり、前述の実施の形態では、そのような場合には、CUが記憶している持点数に補正するコマンドをS台へ送信し、S台が記憶している持点数がCU側の記憶数に書替えられる。その結果、ノイズによりC−IDが狂う1つ前のレスポンスに基づいて更新された1つ前の古い持点数にS台の持点数が書替えられることとなり、正しい持点数が誤った持点数に書替えられる場合が生ずる。
このような不都合を解消するために、レスポンスに含まれているC−IDがCU側のC−IDと異なったとしても、1回のレスポンスだけで判断するのではなく、数回(たとえば2回)続けてレスポンス中のC−IDがCU側のC−IDと狂った場合に限り、異常と判定するように制御するのが望ましい。これを実現する具体的方法としては、以下の2つの方法が考えられる。
まず第1の方法として、1回目のレスポンスに含まれているC−IDがCU側のC−IDと食い違っている場合に、次のコマンドの送信に際してSQNを加算更新することなくそのままS台へ送信する。すると、S台においては、図47に基づいて説明したように、レスポンスがCUに到達していないと判断して加算数等に前回送信データを追加してその追加された加算数等を次回のレスポンスとしてCUへ送信する制御を行なう。CUにおいては、その次回のレスポンスに含まれているC−IDがCU側のC−IDと一致している場合には、適正と判断して、その前回送信データを追加した加算数等に基づいて数の更新制御を行なう。その結果、正しい持点数に更新することが可能となる。一方、次回のレスポンスにふくまれているC−IDもCU側のC−IDと異なっていた場合には、2回連続してC−IDが異なっているためにCUは異常と判定し、そのレスポンスに含まれる加算数や減算数に基づいて持点数の更新を行なわず、以降所定のエラー処理制御を行なうようにしてもよい。
第2の方法としては、C−IDの不一致の間CU側で別個に加算更新しておき、正しいC−IDを受信したときにその別個に加算更新されているデータを持点トータル数等に一括加算更新する。
以上説明した変形例の構成をまとめると、以下のようになる。
遊技用装置は、
持点を記憶する持点記憶手段と、
所定の識別情報を記録する遊技用装置側識別情報記憶手段と、
該遊技用装置側識別情報記憶手段に記憶されている識別情報を定期的に前記スロットマシンへ送信する制御を行なう遊技用装置側識別情報送信制御手段とを含み、
前記スロットマシンは、
遊技への使用および入賞の発生に応じた持点の変化量を特定する特定手段と、
前記変化量を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段と、
前記遊技用装置側識別情報送信制御手段の制御により送信されてきた識別情報を記憶するスロットマシン側識別情報記憶手段と、
該スロットマシン側識別情報記憶手段に記憶されている識別情報を定期的に前記遊技用装置へ送信する制御を行なうスロットマシン側識別情報送信制御手段とを含み、
前記遊技用装置は、
前記更新情報を受信する情報受信手段と、
前記主持点記憶手段が記憶している持点を前記更新情報に基づいて更新する持点更新手段と、
前記スロットマシン側識別情報送信制御手段の制御により送信されてきた識別情報と前記遊技用装置側識別情報記憶手段に記憶されている識別情報とを照合して整合しているか否かを判定する整合判定手段と、
該整合判定手段の判定結果所定回数連続して整合していない旨の判定が行なわれれたときに異常判定を行なう異常判定手段とを含み、
前記持点更新手段は、
前記異常判定手段による異常判定が行なわれたときに、前記整合判定手段により不整合であると判定された期間中における前記スロットマシンでの持点の変化量の合計に相当する持点の更新を行なわず、
前記異常判定手段による異常判定が行なわれる以前に送信されてきた識別情報に基づいて前記整合判定手段が正常であるとの判定を行なったときに、前記整合判定手段により不整合であると判定された期間中における前記スロットマシンでの持点の変化量の合計に基づいた持点の更新を行なう。
このような構成によれば、適正な識別情報が送信されたにもかかわらずノイズ等により一時的に狂った識別情報が受信されたとしても、遊技用装置において異常と誤判定して更新情報に基づく持点の更新を行なわないことによる不都合を防止できる。
(40) 前述の実施の形態では、表示器312に表示された再集計ボタン等の操作ボタンアイコンがタッチ操作されることにより、改めて試打モードによる遊技履歴データの再集計を行なうものを示したが、その代わりにまたはそれに加えて、前面扉2bの開放を検出することにより改めて試打モードによる遊技履歴データの再集計を行なうように制御してもよい。
(41) 前述の実施の形態の内容は、スロットマシンばかりでなくパチンコ遊技機のような遊技機にも適用できる。
ここに、パチンコ遊技機タイプの遊技機とは、記録媒体(カード)を受付けて該記録媒体に記録されている記録情報により特定される遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)を遊技に使用可能にする遊技用装置(カードユニット3)と通信する通信部を備え、遊技領域に遊技媒体を発射して遊技が行なわれる遊技機である。
また、他の表現をすれば、パチンコ遊技機タイプの遊技機とは、持点による遊技が可能であり、遊技領域に遊技媒体を発射して遊技が行なわれ、遊技者所有の遊技用価値を用いて持点を加算する遊技用装置と通信する通信部を備え、入賞の発生に応じて持点が加算される遊技機である。
(42) 前述の実施の形態においては、図4で説明したように、CUが記憶している持点数とS台から送られてきた持点数とが一致するか否かCUが判断し、不一致の場合にはS台側の持点数をCU側の持点数に合わせる補正用のコマンドを送信しているが、コマンド送信の判断基準としてC−IDの一致不一致をさらに付加してもよい。例えば、CUが記憶している持点数とS台から送られてきた持点数とが不一致であってもそれだけでは補正用のコマンドを送信せず、さらにS台から送られてきたC−IDがCUの記憶しているC−IDと不一致であるとCUが判断した場合に、補正用のコマンドを送信する。これにより、ノイズ等何らかの原因でC−IDのデータが狂うような異常が生じた場合に、補正用のコマンドを送信してS台側での持点数を正しい値に補正することができる。
さらにS台から送られてきたC−IDがCUの記憶しているC−IDと一致するとCUが判断した場合に、補正用のコマンドを送信するようにしてもよい。これにより遊技者が代わっていない状態でS台側の持点数が狂うという異常が生じた場合に、補正用のコマンドを送信してS台側での持点数を正しい値に補正することができる。
(43) 前述の実施の形態においては、RAMクリアスイッチ293のスイッチ操作により、当S台遊技履歴データ記憶部の10日分の記憶データのうち一番古い記憶データが消去され、残りの9日分の記憶データが1つずつ古い日の記憶エリアにシフト記憶されるが、このような当S台遊技履歴データのシフト制御を実行する条件として、遊技場の開店前の時間帯であることを付加してもよい。つまり、遊技場の開店前の所定時間帯にRAMクリアスイッチ293のスイッチ操作が行なわれたことを条件として、当S台遊技履歴データのシフト制御を実行する。
(44) 前述の実施の形態においては、CU通信制御部認証シーケンスをメイン制御部323とCU通信制御部80との間で実行しているが、それに加えて、S台のLSI117と主制御基板116との間、払出制御部31とS台通信制御部82との間で実行してもよい。
(45) 図99で説明した変形例においては、ホール用管理コンピュータ1から送信されてきたクリア指令がCU3に入力されるものを示したが、その代わりにまたはそれに加えて、CU3にクリアスイッチを設け、クリアスイッチを操作することにより、前述した遊技履歴データをクリアする処理を行なうようにしてもよい。また、リモコン操作により遊技履歴データをクリアできるようにしてもよい。具体的には、遊技場の係員がCU3のIR感光ユニット320にリモコンを向けてクリア操作することにより、その操作信号(赤外線)をIR感光ユニット320が受光し、遊技履歴データをクリアする処理を行なう。
(46) CUのコマンド送信間隔を変更可能としたもよい。たとえば、CUに設けた送信間隔切換え用のスイッチを操作することによって、コマンドの送信間隔を細やかに変更設定可能とすることが考えられる。この場合、CUには、予め複数種類の送信間隔データ記憶したテーブルを設けておき、スイッチ操作に応じた送信間隔がそのテーブルから選択されるようにする。あるいは、CUは、管理コンピュータからの切り替え指令に応じて送信間隔を切り替え可能としてもよい。なお、送信間隔の切り替えは、たとえば、CUとS台とで通信を開始する際の相互認証時に行なわれるようにしてもよい。
(47) 本実施の形態には、「遊技用価値を用いて1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、複数種類の図柄を可変表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果として所定の入賞ライン上に導出表示された図柄の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出されるより前に前記入賞を発生させる入賞図柄の組合せの前記入賞ライン上への導出を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記可変表示装置に表示結果を導出させるための操作を受け付ける導出操作受付手段と、前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作受付手段が受け付けた操作に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞を発生させる入賞図柄の組合せのうち遊技用価値の付与を伴う付与入賞図柄の組合せが前記入賞ライン上に導出されたときに、所定量の遊技用価値を遊技者に付与する遊技用価値付与手段とを含む、スロットマシン。」が開示されている。
(48) スロットマシンでは、入賞役に対応する払出数が予め定められており、しかも、パチンコ遊技機のように短期間で入賞が連続して発生することはなく、あくまでも1ゲーム毎に入賞が発生する。また、賭数もたとえば、1〜3のいずれかに定められている。このため、200msの時間間隔で動作応答を送信する限りにおいては、通常、その動作応答に含まれる加算数のデータは、入賞役に対応する払出数と一致する。同様に、動作応答に含まれる減算数のデータは、賭数のいずれかと一致する。たとえば、入賞役に対応する払出数が3、5、10、15のいずれかであるとするならば、動作応答に含まれる加算数は、それらのうちのいずれかとなる。同様に、設定できる賭数が1,2,3のいずれかであるならば、動作応答に含まれる減算数のデータは、1〜3のいずれかとなる。
そこで、CUに通知された動作応答に含まれる加算数および減算数が、予め定めた値以外である場合には、CUはエラーが発生したものと判断して、エラー報知をしたり、あるいは、遊技を禁止することを指令するコマンドをS台に送るようにしてもよい。
さらに、1ゲームを開始するときに賭数設定によって減算数データが生成され、1ゲームが終了したときに入賞によって加算数データが生成されるから、通常は、リトライなどが発生した場合でない限り、1つの動作応答に含まれる加算数および減算数のうちの一方は0になる。
そこで、CUに通知された動作応答に含まれる加算数および減算数のうちのいずれか一方が0でない場合には、その動作応答がリトライデータ等でなければ、CUはエラーが発生したものと判断して、エラー報知をしたり、あるいは、遊技を禁止することを指令するコマンドをS台に送るようにしてもよい。
さらに、スロットマシン2Sには、1ゲームを消化するために最低必要な時間として1ゲーム規制時間が定められており、本実施の形態では、たとえば、それは4.1秒である。このため、通常であれば、0を超える加算数または減算数を含む複数の動作応答がCUに送信されてくることはない。また、通常であれば、0を超える減算数を含む動作応答がCUに送信されてきてから1ゲーム規制期間の間にさらに0を超える減算数を含む動作応答がCUに送信されてくることはない。同様に、通常であれば、0を超える加算数を含む動作応答がCUに送信されてきてから1ゲーム規制期間の間にさらに0を超える加算数を含む動作応答がCUに送信されてくることはない。そこで、これらの事象が発生した場合には、CUはエラーが発生したものと判断して、エラー報知をしたり、あるいは、遊技を禁止することを指令するコマンドをS台に送るようにしてもよい。
(49) 本実施の形態では、入賞が発生したときに加算数のデータが生成されて、これが動作応答としてCUに送信される。しかし、リプレイ入賞が発生したときの持点増加数は0であって、しかも、次回のゲームは先のリプレイ入賞が発生したゲームと同じ賭数が自動的かつ持点を減じることなく設定される。そこで、リプレイ入賞時の動作応答は、「(a)リプレイ入賞時の加算数は0とし、リプレイ入賞が発生した次のゲームでの賭数設定に伴う減算数も0とする。」、「(b)リプレイ入賞時の加算数は,そのリプレイ入賞を発生させたゲームの賭数とし、リプレイ入賞が発生した次のゲームでの賭数設定に伴う減算数もその賭数と同じとする。」の2パターンが考えられる。また、いずれの場合にも、リプレイ入賞は、外部出力情報の1つとしてもよい。すなわち、複数種類の外部出力情報の1つとしてリプレイ入賞を加えて、リプレイ入賞回数の総数をCUで記憶できるようにしてもよい。また、リプレイ入賞に限らず、すべての入賞役を外部出力情報の対象として、いずれかの入賞役による入賞が発生する毎にその入賞役に対応するカウンタをS台で更新し、そのデータを含む動作応答をCUに送信するようにしてもよい。
(50) スロットマシンは、一旦、可変表示装置が回転を開始すれば、その回転を停止させなければ1ゲームを終了させることができない。このため、CU側から送信した遊技停止の任意のタイミングで遊技を中断することは不可能である。それゆえ、本実施の形態では、たとえば、可変表示装置の回転中に遊技カードを返却するための禁止要求(図42参照)が発生した場合には、そのゲームの終了を待って最終持点を確定させてから遊技カードの返却に応じることとした。
しかしながら、このような構成の場合には、遊技者が停止操作をしない限り、遊技カードを返却できないことになる。そこで、リールが回転中に遊技カード返却操作が検出された場合、停止操作を促すようなメッセージをS台が液晶表示装置等にあるいはCUが表示器312などに表示することも考えられる。あるいは、可変表示装置の回転中に遊技カードを返却するための禁止要求が発生した場合には、その禁止要求を拒否する旨のレスポンスをS台からCUへ返信することによって、ゲーム中のカード返却を受け付けないようにしてもよい。あるいは、CUは、カードの返却操作を検出した段階でゲーム実行中であるか否かを判断して、ゲーム実行中である場合には、カードの返却操作を受け付けないようにしてもよい。なお、ゲーム実行中であるか否かは、S台から送信されてくる外部出力情報である「リールの回転開始」および「リールの回転停止」に基づいて判断できる。
(51) スロットマシン2Sにおいては、たとえば、AT等のある種のサービス的な遊技状態に移行するか否かの抽選演出をゲーム中に液晶表示装置などで行ないし、そのゲームの終了後、さらにその抽選演出を引き続いて所定期間実行した後に抽選演出の結果を表示してもよい。ただし、このような連続的な抽選演出をした場合には、1ゲーム終了後、その抽選演出の結果が表示される前に、カードの返却操作が行なわれる可能性がある。このような場合には、抽選演出を中断して、現時点の持点を確定させてカードを返却してもよい。
(52) 本実施の形態では、持点数=0をS台側で検出して賭数操作無効状態に制御することとした。しかしながら、検出対象の持点残数=0は例示である。たとえば、賭数=3のみ有効である遊技状態においては、S台は、持点数が3未満となったことを検出して賭数操作無効状態に制御する。同様に、賭数=2のみ有効である遊技状態においては、S台は、持点数が2未満となったことを検出して賭数操作無効状態に制御する。要するに、S台は、現在の遊技状態において最低限必要な賭数と持点数とを比較して前者が後者未満となれば、賭数操作無効状態に制御する。
このような制御をした場合には、持点残数が0の場合の他、たとえば、1や2のような端数である場合にも賭数操作無効状態となる場合があり、この段階で遊技者が遊技を終える操作をした場合には端数が記録されたあまり価値のない遊技カードを返却する必要がある。特に、遊技者がそもそもカードを用いた遊技を行なわず、専ら現金をCUに投入して遊技をしていたような場合には、価値のない遊技カードをわざわざ新たに発券しなければならず、不経済である。そこで、現金を用いた遊技が行なわれており、遊技者がカードの返却操作をした段階での持点が所定値未満である場合、CUは、通常の遊技カードに代えて、端数を印字した用紙をプリントアウトするようにしてもよい。
(53) 本実施の形態に係るスロットマシン2Sは、予め内部抽選に当選し、かつ、いわゆる目押しによって当選図柄を停止させることによって入賞が発生する。しかしながら、このようなスロットマシンに代えて、必ず内部抽選どおりの結果が可変表示装置に停止表示されるようなスロットマシンであってもよい。この場合、停止操作をしなくとも所定時間の経過で各リールが次々と自動停止していくようなスロットマシンとしてもよく、あるいは、各リール別に停止操作ボタンを設けながらも、どのようなタイミングで停止操作をしても必ず内部抽選どおりの結果が停止表示されるようなスロットマシンとしてもよい。
このように、必ず内部抽選どおりの結果が停止表示するようなスロットマシンを採用した場合には、内部抽選が実行された段階で既に入賞の有無および入賞に基づいて加算すべき持点数が確定する。そこで、たとえば、内部抽選をリールのスタート操作が検出されたときに実行する場合には、そのスタート操作の時点で賭数設定による持点の減算数と入賞に応じた持点の加算数とが確定することになる。このような場合、S台は、動作応答として賭数設定に伴う減算数を送信する際に併せて入賞に応じた加算数を送ってもよい。つまり、加算数のデータを実際の入賞の発生タイミングよりも早い段階で送信するようにしてもよい。
さらに、CUは、遊技終了操作に応じて、カードを排出(返却)するのではなく、持点を特定可能な所定のチケットやトークンなどを排出するようにしてもよい。
(54) 可変表示装置は回胴ではなく液晶表示装置によって構成してもよい。
(55) 本実施の形態においては、持点数をCU側に設けた表示器312とS台側に設けた表示器51との双方により表示しているが、いずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。持点数をCU側の表示器により表示する場合には、表示部のないS台にも、本実施の形態におけるCUを適用して持点数の表示ができるというメリットがある。一方、S台側で持点数を表示する場合には、その表示制御をCU側で行なってもよい。あるいは、その表示制御をS台側で行なってもよい。表示制御をS台側で行なう場合には、表示すべき持点数の情報をCU側からもらい受けるようにすることによって、表示器51にはCUで管理している持点数を表示することが可能となる。また、このように、表示制御をS台側で行なうと、装飾的(演出的)価値の高い持点数の表示を行なうことが可能になるというメリットがある。なお、表示制御をS台側で行なう場合、表示すべき持点数の情報をCU側からもらい受けるのではなく、S台自身が記憶している持点数カウンタの値に基づいて、持点数の表示制御をするものとしてもよい。
(56) 前述の実施の形態においては、ワゴンサービス等によって持点を減算する際に、図39等に基づいて説明したように、S台からの応答を待って減算確定するものを示した。しかし、これに限らず、CU側において記憶している持点の数が減算要求数に比べて十分多い場合(たとえば30以上多い場合)、S台からの応答を待つことなくCU側単独で持点の減算処理を行なって、その後にS台に対して減算要求の動作指示を送信するようにしてもよい。
(57) 前述した実施の形態においては、CUからS台にコマンドを送信してS台がそれに応えてレスポンスをCUに返信するものを示したが、逆に、S台からコマンドをCUに送信し、CUがそれに応えてレスポンスをS台へ返信する通信形態であってもよい。
(58) 本実施の形態では、CUはコマンド送信後、1秒間のうちにレスポンスを受信できなかった場合はコマンドを最大2回再送し、依然、応答がなければ通信異常と判断して5秒後に接続シーケンスを再開するものである(図21参照)。このため、最初のコマンドの送信から3秒以内に応答がなければ、接続シーケンスが再開されることになる。しかしながら、これに代えて、CUが最初のコマンドの送信から通信異常と判断するまでの時間をより長いもの、たとえば、S台側で複数ゲームが進行し得る所定時間(たとえば、15秒、20秒、30秒など)としてもよい。この場合、たとえば、図46を例に挙げると、CUは、S台からの動作応答を受信した後、コマンドの再送を2回でなく、3回、4回と前記所定時間が経過する前であれば繰り返し行なうことになる。なお、この場合のコマンドの再送間隔は、200msであっても、それを超える長い時間間隔であってもよく、あるいは、再送の開始からある時間が経過するまでと、それ以降とでコマンドの再送間隔を変更(たとえば、甲後半では再送間隔を長くする)しても構わない。そして、前記所定時間の経過前に再送コマンドがようやくS台に到達すると、それまでに進行していた複数ゲーム分の持点の変化量を示す動作応答がS台からCUへ送信されることになる。
(59) 前述した実施の形態では、スロットマシン2S側に表示領域51aが設けられており、これにより、持点等に関する情報を表示するものを示したが、持点等に関する情報を表示する表示領域51aを備えていないスロットマシン2Sであってもよい。その場合には、前述したカード挿入処理中ON、加算表示中ON、電算表示中ON、クリア表示中ON等の動作指示を含むコマンドがスロットマシン2Sへ送信されてきても、スロットマシン2Sでは、そのコマンドに応じた表示制御は行なわず、CU側の表示器312のみによる表示となる。
(60) 図77〜図79に示した持点の分割譲渡(持点共有)の処理において、現時点の持点が分割譲渡する持点よりも所定数以上多いと判定したことを条件に分割譲渡(持点共有)を許容するようにしてもよい。図77と図78の場合には、たとえば、現時点の持点が分割譲渡する持点よりも200以上多いと判定したことを条件に分割譲渡(持点共有)を許容する。また、図79の場合には、現時点の持点から担保点(=200)を減算した値が分割譲渡する持点よりも100点以上多いと判定したことを条件に分割譲渡(持点共有)を許容する。
(61) 遊技中断あるいはカード返却操作があった場合に、ウエイト時間の経過を待つのではなく、回転中のすべてのリールが停止して表示結果および持点数が確定したことを条件にして、S台からCUに対して遊技完了ONのレスポンスが返信されるようにしてもよい。
(62) S台は、外部出力情報として、さらに、図15に示した「遊技台状態」の各種情報を送信するようにし、CUは、これらを他の外部出力情報と同様に累積記憶等するようにしてもよい。
(63) 試打モードにおいて、任意の遊技状態を選択できるようにしてもよい。たとえば、S台は、試打モード中の遊技状態として、「ビッグボーナス状態」、「レギュラーボーナス状態」、「RT状態」、「AT状態」、およびそれら以外の「通常遊技状態」を予め記憶しておき、試打モード中の係員の選択操作に基いて、いずれかの遊技状態に切り換える制御を行なう。
(64) S台は、試打モード終了時に試打モード中の遊技履歴を消去するのではなく、試打モード用の格納エリア(S台に搭載されるメモリ)に試打モード中の遊技履歴を保存しておくようにしてもよい。
(65) 上記実施の形態では、持点方式のスロットマシンとして、遊技においてメダルなどの物理的な遊技媒体を一切用いる必要のないスロットマシンを例に挙げて説明した。このようなスロットマシンを採用した場合には、遊技媒体が不要になるため、スロットマシンに遊技媒体の搬送経路や遊技媒体の貯留部を設ける必要がない。その結果、スロットマシンの構造を簡略化でき、スロットマシンの小型化あるいは低コスト化を図ることが可能になる。
しかしながら、このようなスロットマシンに換えて、持点方式を採用しつつも、メダルあるいは遊技玉などの遊技媒体を所定方向へ移動させることに連動して持点を更新させるようなスロットマシンを採用することも考えられる。
たとえば、スロットマシン内に多数の遊技媒体を封入し、その封入した遊技媒体を所定方向に循環させる循環経路を設ける。なお、循環経路の所定箇所には必要に応じて遊技媒体を排出・投入可能な排出・投入部を設けてもよい。
持点の加算条件が成立すると、スロットマシンは、循環経路内の複数の遊技媒体のうち、加算する持点数に応じた数の遊技媒体を循環経路内の所定の第1の箇所から第2の箇所へと移動させるとともに、記憶している持点を加算更新し、かつ、持点を加算するための応答コマンドをCUへ送信する。CUは、記憶している持点数を加算更新する。
また、持点の減算条件が成立すると、スロットマシンは、循環経路内の複数の遊技媒体のうち、減算する持点数に応じた数の遊技媒体を循環経路内の前記第2の箇所から前記第1の箇所へと移動させるとともに、記憶している持点を減算更新し、かつ、持点を減算するための応答コマンドをCUへ送信する。CUは、記憶している持点数を減算更新する。
なお、減算条件が成立した場合にも、加算条件が成立した場合と同じく、第1の箇所から第2の箇所へと遊技媒体と移動させるものとしてもよい。あるいは、加算条件が成立した場合にのみ、遊技媒体の移動を行なうものとしてもよく、または、減算条件が成立した場合にのみ、遊技媒体の移動を行なうものとしてもよい。
また、遊技媒体の移動に対応して持点が更新されていることを遊技者に認識させるために、前記第1の箇所と前記第2の箇所との間を移動する遊技媒体を透視可能な透視部をスロットマシンの正面側の所定位置に設けることが望ましい。
さらに、前記第1の箇所と前記第2の箇所との間には遊技媒体を移動させるための移動通路を複数条設けておけば、1回の加算条件あるいは減算条件の成立で更新すべき持点の更新数が多い場合(たとえば、入賞に基づく払出数が多い場合、貸出指令に基づく加算数が多い場合、賭数がMAX値である場合)に、持点の更新数に対応する遊技媒体を速やかに移動させることができる。その結果、持点の更新表示が終了しているにも関わらず遊技媒体の移動が延々と続くような違和感のある動作になることを防止できる。
また、前記第1の箇所と前記第2の箇所とが鉛直方向上部と下部との関係になるように配置すれば、前記第1の箇所から前記第2の箇所へと遊技媒体を自重による自然落下させることができ、遊技媒体の移動機構を単純化できる。この場合には、持点の加算更新および減算更新の双方共に遊技媒体を前記第1の箇所から前記第1の箇所へと流下させるものとする。または、持点の加算更新と持点の減算更新との一方の場合にのみ、遊技媒体を前記第1の箇所から前記第1の箇所へと流下させるものとしてもよい。あるいは、持点の加算更新用の流下経路と、持点の減算更新用の流下経路とを別個に設けて、加算更新視認用の透視窓と、減算更新視認用の透視窓をそれぞれ設けてもよい。
特に、上記遊技媒体として、遊技球を用いた場合には、遊技媒体が球形であることからメダルを用いた場合よりも遊技媒体の循環をスムーズに行なえる。また、遊技球としては、遊技店でごく普通に用いられるパチンコ玉を採用することが考えられる。この場合、たとえば、スロットマシンのメダル1枚の価値(持点=1の価値)に対してパチンコ玉5球が対応するものとすれば、持点数が更新される場合には更新持点数の5倍のパチンコ玉を第1の箇所と第2箇所との間で移動させることになる。また、第1の箇所と第2の箇所との間に設けた透視窓から視認されるパチンコ玉は、専ら、持点の更新が行なわれていることを遊技者に示すための“見せ玉”として機能することになる。
また、上記の例では、持点方式を採用しつつも、遊技媒体を所定方向へ移動させることに連動して持点を更新させるようなスロットマシンを採用することを説明したが、メダルあるいは遊技玉といった遊技媒体に代えて、その移動に連動して持点を更新させるための専用の物体(たとえば、一般的なパチンコ玉とは異なる材質から成る球形物体など)を採用してもよい。
さらに、上記の例において、遊技媒体の移動に連動して持点を更新する場合には、入賞が発生し、あるいは賭数設定が確定がした段階で持点を更新するとともに遊技媒体を移動させてもよく、または、持点を1つ更新した段階で、対応する数の遊技媒体の移動を行なってもよい。
あるいは、逆に、先に遊技媒体を移動させて、その遊技媒体の移動を検出する毎に持点を更新するようにしてもよい。たとえば、遊技媒体1つにつき持点数=1が対応するとした場合には、次のように構成する。すなわち、移動した遊技媒体を検出するための検出手段をスロットマシンに設けておき、入賞の発生または賭数設定の確定が生じた段階で、更新すべき持点数に相当する遊技媒体の移動を開始させ、検出手段でその遊技媒体が1つ検出される毎に、持点を1つ更新する。
(66) 上記実施の形態では、遊技中に遊技者が一旦離席した場合でも、離席前にCU3に挿入されていた会員カードのC-IDと、その後にCU3に挿入された会員カードのC-IDとを照合することによって遊技者の遊技履歴データを復帰させた。このような、遊技履歴データの復帰は、離席前に挿入されていたカードが会員カードの場合にのみ許可し、離席前に挿入されていたカードがビジターカードの場合には許可しないようにしてもよい。あるいは、逆に、ビジターカードの場合でもC-IDに基いて遊技履歴データが復帰されるように構成してもよい。
(67) 上記実施の形態では、リールが回転開始すると、停止操作が検出されない限りリールが回転し続け、リールが自動停止しないスロットマシンを例に挙げて説明した。しかしながら、リールの回転開始から所定時間が経過しても停止操作が検出されない場合にリールの回転が自動停止するようなスロットマシンを採用してもよい。この場合、CUから禁止要求のコマンドを受信した段階でリールが回転中のときには、S台は、リールが自動停止するまでの時間が経過した後、あるいはリールが停止していることをセンサにて検出した後に、動作応答として遊技完了ONのレスポンスをCUへ送信するようにする。
(68) S台は、設定情報をS台からCUへ送信する構成を採用してもよい。この場合、CUは、受信した設定情報をホール用管理コンピュータ1などの外部の管理装置へ送信する構成を採用してもよい。これによって、管理装置において各S台の設定情報を管理可能となる。
設定情報としては、たとえば、S台の設定部を操作することにより設定される当選確率の設定値を例示できる。S台は、内部抽選する際に設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は、たとえば、1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。設定値1〜6では、各入賞役の当選確率が定められている。
あるいは、設定情報としては、演出情報を例示できる。演出情報は、たとえば、表示画面に表示させるキャラクタの種類である。より詳しくは、AT時の表示画面において登場させるキャラクタの種類である。
S台は、この種の設定情報を、上記実施の形態において説明した複数種類のレスポンスのうちのいずかに含ませてCUへ送信する。たとえば、リカバリ応答に含ませた場合には、リカバリが発生する毎に設定情報がS台からCUへ送信されることになる。あるいは動作応答に含ませた場合には、ゲーム中、繰り返し設定情報がS台からCUへ送信されることになる。
あるいは、設定情報の送信を要求するコマンド、およびこれに応答するレスポンスの電文をさらに設けてもよい。この場合、S台は設定情報の送信を要求するコマンドを受信したときに、設定情報を含むレスポンスをCUへ送信することになる。また、CUは、外部の管理装置(たとえば、ホール用管理コンピュータ1)から設定情報の送信要求を受けたときに、S台に対して設定情報の送信を要求するコマンドを送信する構成としてもよい。このときのコマンドとしては、設定情報を要求するための専用のコマンドを採用してもよいが、動作指示コマンド等を流用してもよい。たとえば、動作指示コマンドを流用する場合には、動作指示コマンド内に設定情報の要求の有無を示すデータを付加すればよい。
以下、本実施の形態に含まれる各種手段等および各種手段等の組合せから奏される作用効果を列挙する。
(1−1) 持点による遊技が可能であり、入賞の発生に応じて持点が加算されるスロットマシン(スロットマシン2S)と、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持数、あるいは貯数)を用いて持点を加算するとともに前記スロットマシンと通信可能に接続(コネクタ330、220と接続配線)される遊技用装置(カードユニット3)とからなる遊技用システムであって、
前記スロットマシンは、
遊技への使用および入賞の発生に応じた持点の変化量(加算数、減算数)を特定する特定手段(スロットマシン制御用のマイクロコンピュータ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報(加算数および減算数を含む動作応答)を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(払出制御部31)とを含み、
前記遊技用装置は、
持点を記憶する主持点記憶手段(「持点数」を記憶するRAM)と、
前記更新情報を受信する情報受信手段(CU通信制御部80)と、
前記主持点記憶手段が記憶している持点を前記更新情報に基づいて更新する持点更新手段(メイン制御部323)とを含む。
このような構成によれば、持点管理を遊技用装置側において行なっているために、スロットマシン側に持点管理機能を設ける必要がなく、その分、スロットマシンのコストを極力抑えることができる。
特に、スロットマシンは、より趣向性の高い遊技をいち早く提供できるようにするために遊技場における入替えサイクルが遊技用装置に比べて短い傾向にある。その関係上、持点管理機能をスロットマシン側ではなく遊技用装置側に持たせてスロットマシンのコストを抑えることにより、スロットマシンを導入する遊技場のランニングコストを軽減することができるという利点がある。
(1−2) 前記スロットマシンは、
持点を記憶する副持点記憶手段(持点数カウンタ)と、
前記副持点記憶手段が記憶している持点を前記変化量に応じて更新する副持点更新手段(払出制御部31)とを含み、
前記スロットマシンは、前記副持点記憶手段が記憶している持点に基づいた遊技制御(持点数カウンタが0になれば賭数設定禁止)を行なう一方、
前記遊技用装置は、遊技終了を要求する信号(返却ボタン322の操作信号)が入力されたときに、前記主持点記憶手段が記憶している持点を遊技終了時の持点として確定させる持点確定手段(メイン制御部323;図42)を含む。
このような構成によれば、遊技終了時の持点を遊技用装置側で確定させているために、スロットマシン側に持点確定機能を設ける必要がなく、その分、スロットマシンのコストを極力抑えることができる。
(1−3) 前記遊技用装置は、
前記主持点記憶手段が記憶している持点を表示する持点表示部(表示器312)と、
前記更新情報の送信を指示するための情報(動作指示)を前記スロットマシンへ送信する指示情報送信手段(CU通信制御部80)とを含み、
前記スロットマシンは、
前記更新情報の送信を指示するための情報を受信する指示情報受信手段(払出制御部31)を含み、
前記情報送信手段は、前記更新情報の送信を指示するための情報を受信する毎に、当該情報を前回受信してから今回受信するまでの間の前記変化量(現在持点関連情報)を示す更新情報を送信する(図4の加算数カウンタおよび減算数カウンタの値、図40)。
このような構成によれば、遊技用装置の指示に応じて、スロットマシンから遊技用装置に対して、前回の更新情報の送信時を基準とした前記変化量を示す更新情報が逐一送信される。このため、遊技用装置は、逐一送信されてくる更新情報によって持点を更新することによって最新の持点管理をすることが可能となる。
(1−4) 前記情報送信手段は、前記副持点記憶手段が記憶している持点(持点数カウンタの値)を前記遊技用装置へ送信し(図4の持点数カウンタの値、図40)、
前記遊技用装置は、
前記主持点記憶手段が記憶している持点と、前記副持点記憶手段が記憶している持点との整合性を判定する判定手段(図4;持点数の一致を判定)を含み、
前記判定手段によって不整合と判定されたときに、所定の不整合発生時処理(表示器312によりエラー報知、リカバリ処理を行なってデータ補正要求のBit2が「1」のデータ(持点補正ON)とCUが記憶している持点数のデータを含む通信開始要求をS台へ送信し、S台の持点数の記憶をCUの持点数に合わせる補正を行なうなど)を実行する。
このような構成によれば、スロットマシン側で記憶している持点が遊技用装置側で記憶している持点と整合しない異常を検出できる。さらに、そのような異常が発生した場合には、不整合発生時処理による対処が可能となる。
(1−5) 前記指示情報送信手段は、前記判定手段によって不整合と判定されたときに、前記副持点記憶手段が記憶している持点を前記主持点記憶手段が記憶している持点に補正するための補正情報(持点補正ONと持点数とを含む通信開始要求)を前記スロットマシンへ送信し、
前記指示情報送信手段は、前記補正情報を前記スロットマシンへ送信し(持点補正ONと持点数とを含む通信開始要求のS台への送信)、
前記スロットマシンは、前記補正情報に基づいて前記副持点記憶手段が記憶している持点を補正する持点補正手段(払出制御部31;持点数を持点補正ONと持点数とに従って補正)を含む。
このような構成によれば、不正行為、その他の原因によってスロットマシン側で記憶している持点の大きさに異常が生じることによって遊技用装置側で記憶している持点とスロットマシン側で記憶している持点とが整合しなくなった場合でも、スロットマシン側で記憶している持点を遊技用装置側で記憶している持点に補正可能となる。
(1−6) 前記スロットマシンは、遊技の続行に必要な持点残数の有無を前記副持点記憶手段が記憶している持点に基づいて判定する持点残数判定手段(払出制御部31、図41)を含む。
このような構成によれば、判定時に更新情報の送信が間に合わないことによって、遊技用装置側で記憶している持点と実際の持点(スロットマシン側で記憶している持点数)との間にズレが生じていても、実際の持点に基づいた判定をすることができる。
(1−7) 前記指示情報送信手段は、遊技禁止を指示するための情報を前記スロットマシンへ送信し(図44の動作指示(禁止要求有))、
前記スロットマシンは、遊技禁止を指示するための情報を受信したときに、持点による遊技が行なわれない状態にするための遊技禁止手段(払出制御部31はBET(賭数設定)を禁止)を含む。
このような構成によれば、遊技用装置側でスロットマシンによる遊技の禁止をコントロールできる。
(1−8) 前記指示情報送信手段は、前記副持点記憶手段が記憶している持点の値を初期値にすることを指示するための情報を前記スロットマシンへ送信し(図42、図73の動作指示(クリア要求有))、
前記スロットマシンは、前記副持点記憶手段が記憶している持点の値を初期値にすることを指示するための情報を受信したことに基づいて前記副持点記憶手段が記憶している持点の値を初期値にする持点初期化手段(図42、図73(払出制御部31は、持点数カウンタの値を0に初期化する)を含む。
このような構成によれば、スロットマシンに記憶されている持点を遊技用装置側で初期化指示することができる。
(1−9) 持点による遊技が可能であり入賞の発生に応じて持点が加算されるスロットマシン(スロットマシン2S)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ330)を備え、遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、持数、あるいは貯数)を用いて持点を加算する遊技用装置(カードユニット3)であって、
持点を記憶する持点記憶手段(「持点数」を記憶するRAM)と、
遊技への使用および入賞の発生に応じた持点の変化量を特定可能な更新情報を前記スロットマシンより受信する情報受信手段(CU通信制御部80)と、
前記持点記憶手段が記憶している持点を前記更新情報に基づいて更新する持点更新手段(メイン制御部323)とを含む。
このような構成によれば、持点管理を遊技用装置側において行なっているために、スロットマシン側に持点管理機能を設ける必要がなく、その分、スロットマシンのコストを極力抑えることができる。
特に、スロットマシンは、より趣向性の高い遊技をいち早く提供できるようにするために遊技場における入替えサイクルが遊技用装置に比べて短い傾向にある。その関係上、持点管理機能をスロットマシン側ではなく遊技用装置側に持たせてスロットマシンのコストを抑えることにより、スロットマシンを導入する遊技場のランニングコストを軽減することができるという利点がある。
(1−10) 遊技終了を要求する信号(返却ボタン322の操作信号)が入力されたときに、前記持点記憶手段が記憶している持点を遊技終了時の持点として確定させる持点確定手段(メイン制御部323;図42)を含む。
このような構成によれば、遊技終了時の持点を遊技用装置側で確定させているために、スロットマシン側に持点確定機能を設ける必要がなく、その分、スロットマシンのコストを極力抑えることができる。
(1−11) 遊技への使用および入賞の発生に応じて前記スロットマシン側で更新している持点を前記スロットマシンより受信したときに、当該受信した持点と、前記持点記憶手段が記憶している持点との整合性を判定する判定手段(図4;持点数の一致を判定)を含み、
前記判定手段によって不整合と判定されたときに、所定の不整合発生時処理(表示器312によりエラー報知、リカバリ処理を行なってデータ補正要求のBit2が「1」のデータ(持点補正ON)とCUが記憶している持点数のデータを含む通信開始要求をS台へ送信し、S台の持点数の記憶をCUの持点数に合わせる補正を行なうなど)を実行する。
このような構成によれば、スロットマシン側で記憶している持点が遊技用装置側で記憶している持点と整合しない異常を検出できる。さらに、そのような異常が発生した場合には、不整合発生時処理による対処が可能となる。
(1−12) 前記判定手段によって不整合と判定されたときに、前記スロットマシンが記憶している持点を前記持点記憶手段が記憶している持点に補正するための補正情報を前記スロットマシンへ送信する補正情報送信手段(持点補正ONと持点数との送信)を含む。
このような構成によれば、不正行為、その他の原因によってスロットマシン側で記憶している持点の大きさに異常が生じることによって遊技用装置側で記憶している持点とスロットマシン側で記憶している持点とが整合しなくなった場合でも、スロットマシン側で記憶している持点を遊技用装置側で記憶している持点に補正可能となる。
(2−1) 遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、貯メダル数)を用いて持点を加算する遊技用装置(カードユニット3)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ220)と、複数種類の図柄を可変表示させる可変表示装置(リール2L、2C、2R)とを備え、持点で賭数を設定することにより1ゲームが開始可能になるとともに前記可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果により発生した入賞に応じて持点が加算されるスロットマシン(スロットマシン2S)であって、
賭数の設定および入賞の発生に応じた持点の変化量(加算数、減算数)を特定する特定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ、払出制御用マイクロコンピュータ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報(加算数および減算数を含む動作応答)を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(LSI117)と、
持点を記憶する持点記憶手段(持点数カウンタ)と、
持点の減算を指示するための情報(図39の減算要求有を含む動作指示)、および前記遊技用装置が当該遊技用装置側で記憶している持点に対して前記遊技用価値の使用分の持点を加算をすることに連動して当該遊技用装置側より送信される持点の加算を指示するための情報(図37、図38の加算要求有を含む動作指示)を受信する指示情報受信手段(LSI117)と、
前記持点記憶手段が記憶している持点を前記変化量に応じて更新するとともに前記持点の加算を指示するための情報に応じて加算更新する持点更新手段(LSI117、図4)と、
持点の減算を指示するための情報を受信したときに、当該情報が減算指示する大きさの持点が前記持点記憶手段に記憶されているか否かを判定する持点判定手段(図39;LSI117)とを含み、
前記情報送信手段は、前記情報が減算指示する大きさの持点が前記持点記憶手段に記憶されていると前記持点判定手段によって判定されたときに持点減算の承諾応答(図39;減算拒否OFFを含む動作応答)を前記遊技用装置へ送信することにより、前記遊技用装置に対して、当該遊技用装置側で記憶している持点から前記情報によって減算指示した持点の減算を行なわせる(図39;持点の減算は、動作応答を待って確定)ことを可能とする。
このような構成によれば、スロットマシンから持点の変化量を送信するために、持点管理を遊技用装置側において行なうことが可能となる。その結果、スロットマシン側に持点管理機能を設ける必要がなく、その分、スロットマシンのコストを極力抑えることができる。
特に、スロットマシンは、より趣向性の高い遊技をいち早く提供できるようにするために遊技場における入替えサイクルが遊技用装置に比べて短い傾向にある。その関係上、持点管理機能をスロットマシン側ではなく遊技用装置側に持たせてスロットマシンのコストを抑えることにより、スロットマシンを導入する遊技場のランニングコストを軽減することができるという利点がある。
また、遊技用価値を用いた持点の加算要求に応じてスロットマシン側での持点加算が速やかに行なわれる一方、持点の減算要求が生じた場合には、その直後に遊技状況次第で持点が減算要求に不足するものとなっているおそれがあることから、これに対する承諾応答の返信を条件に、遊技用装置側での持点の減算を行なわせる。その結果、遊技用価値に基づいた持点の加算要求あるいは持点の減算要求が生じた場合に、それらの要求に応じた処理を迅速かつ確実に行なうことが可能となる。
(2−2) 前記持点更新手段は、持点の減算指示をキャンセルするための情報(図69;通信開始要求)を受信したとき、前記持点記憶手段が記憶している持点を補正する(図69)。
このような構成によれば、次のような効果が奏される。すなわち、スロットマシン側に減算指示が到着した段階で、遊技進行の関係からスロットマシン側で記憶している持点が減算指示分に満たない場合がある。このとき、通信不良等の原因でスロットマシンが減算指示を拒否してきたか否かが遊技用装置側で不明である場合、減算を確定させてしまうと、スロットマシン側の持点がマイナスになるという不都合が生じる。しかし、このときに、持点の減算指示をキャンセルするための情報を受信することによって、スロットマシンは、前記持点記憶手段が記憶している持点を補正するため、スロットマシン側の持点がマイナスになる不都合を防止できる。
(2−3) 前記情報送信手段は、減算指示された大きさの持点が前記持点記憶手段に記憶されていないと前記持点判定手段によって判定されたときに減算拒否応答を前記遊技用装置へ送信する(図53;減算拒否ONの動作応答)。
このような構成によれば、スロットマシン側に減算指示が到着した段階で、遊技進行の関係からスロットマシン側で記憶している持点が減算指示分に満たない状態になった場合に、スロットマシンは、遊技用装置に対して減算の取消を求めることが可能となる。
(2−4) 前記持点記憶手段が記憶している持点に基づいた遊技制御を行なう遊技制御手段(図41;持点数カウンタが0になれば賭数操作無効状態に制御)を含む。
このような構成によれば、スロットマシンにおける遊技制御はスロットマシン自身が記憶している持点に基づいて行なうために、遊技用装置で記憶する持点に基づいて遊技制御を行なう場合に比較して、持点の変動に即した遊技制御をリアルタイムで行なうことができる。
(2−5) 前記指示情報受信手段は、持点の更新情報の送信を指示するための情報を前記遊技用装置より受信し(LSI117)、
前記情報送信手段は、前記更新情報の送信を指示するための情報を受信する毎に、当該情報を前回受信してから今回受信するまでの間の前記変化量(現在持点関連情報)を示す更新情報を送信する(図4;加算数カウンタおよび減算数カウンタ)。
このような構成によれば、遊技用装置の指示に応じて、スロットマシンから遊技用装置に対して、前回の更新情報の送信時を基準とした前記変化量を示す更新情報が逐一送信される。このため、遊技用装置では、逐一送信されてくる更新情報によって持点を更新することによって最新の持点管理をすることが可能となる。
(2−6) 前記持点記憶手段が記憶している持点(持点数カウンタの値)を前記遊技用装置が記憶している持点に補正するための補正情報(補正指示コマンド)を受信したときに、当該補正情報に基づいて前記持点記憶手段が記憶している持点を補正する持点補正手段(LSI117;持点数を補正指示コマンドに従って補正)を含む。
このような構成によれば、不正行為、その他の原因によってスロットマシン側で記憶している持点の大きさに異常が生じることによって遊技用装置側で記憶している持点とスロットマシン側で記憶している持点とが整合しなくなった場合でも、スロットマシン側で記憶している持点を遊技用装置側で記憶している持点に補正可能となる。
(2−7) 前記情報送信手段は、前記更新情報を予め定めた1ゲーム規制時間(4.1s)よりも短い時間間隔(200ms)で順次送信する(図20)。
このような構成によれば、1ゲーム規制時間よりも短い間隔で更新情報が送信されるために、更新情報によって通知される持点の変化量が1ゲームの間で順次送信されることになる。その結果、遊技用装置に対して、持点の変化量を細やかに通知することが可能となる。
(2−8) 遊技の続行に必要な持点残数の有無を前記副持点記憶手段が記憶している持点に基づいて判定する持点残数判定手段(LSI117、図41)を含む。
このような構成によれば、判定時に更新情報の送信が間に合わないことによって、遊技用装置側で記憶している持点と実際の持点(スロットマシン側で記憶している持点)との間にズレが生じていても、実際の持点に基づいた判定をすることができる。
(2−9) 遊技禁止を指示するための情報を受信したとき(図44の動作指示(禁止要求有))に、新たなゲームを開始できない遊技禁止状態にするための遊技禁止手段(LSI117および主制御基板116は賭数操作無効状態に制御、図44の「BET禁止」)を含む。
このような構成によれば、遊技用装置側から遊技の禁止指示を受けて、新たなゲームを開始できない遊技禁止状態にすることが可能となる。
(2−10) 前記持点記憶手段が記憶している持点の値を初期値にすることを指示するための情報を前記遊技用装置より受信(図42、図73の動作指示(クリア要求有))したことに基づいて前記持点記憶手段が記憶している持点の値を初期値にする持点初期化手段(図42、図73(LSI117は、持点数カウンタの値を0に初期化する)を含む。
このような構成によれば、遊技用装置側からの指示を受けて、スロットマシンに記憶されている持点を初期化可能となる。
(2−11) 前記情報送信手段が送信した前記更新情報により特定された変化量を記憶するとともに1回前に前記情報送信手段が送信した前記更新情報により特定された変化量を記憶するための2つの変化量記憶手段(図4;現加算数を記憶する加算数カウンタ、現減算数をカウントする減算数カウンタ、前回持点関連情報としての前加算数を記憶する領域および前減算数を記憶する領域)と、
前記遊技用装置から送信されてきた所定の情報(SQN)に基づいて前記遊技用装置への前記更新情報の到達を判定する到達判定手段(LSI117、図47)とを含み、
前記情報送信手段は、前記到達判定手段により前記更新情報が到達したと判定されなかったときに、前記2つの変化量記憶手段に記憶された変化量の合算値を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する(図47)。
このような構成によれば、前記更新情報が到達したと判定されなかったときには、前記2つの変化量記憶手段に記憶された変化量の合算値を特定可能な更新情報が前記遊技用装置へ送信されるため、持点に関する情報を遊技用装置において確実かつ効率的に収集させることが可能となる。
(2−12) 前記情報送信手段は、前記変化量を特定可能な更新情報の送信を指示する情報を前記遊技用装置より受信する毎に、前記更新情報を前記遊技用装置へ送信し(図4、図47等参照)、
前記更新情報として前記情報送信手段が送信した前記更新情報により特定された変化量を記憶するための変化量記憶手段(加算数カウンタ、減算数カウンタ)を含み、
前記変化量記憶手段は、前記更新情報を送信してから所定期間が経過しても前記更新情報の送信を指示する情報を受信できない状態が継続する間、前記特定手段が順次特定した変化量に基づいて、記憶している変化量を更新し(図46)、
前記情報送信手段は、前記特定手段が順次特定した変化量に基づいた変化量が前記変化量記憶手段に記憶されている状態で前記更新情報の送信を指示する情報が受信されたときに、前記変化量記憶手段に記憶されている変化量を特定可能な更新情報を送信する(図46)。
このような構成によれば、遊技用装置とスロットマシンとの通信が途絶えた状態が継続した場合であっても、その間における持点に関する情報を遊技用装置において確実に収集させることが可能となる。
(3−1) 遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、貯メダル数)を用いて持点を加算する遊技用装置(カードユニット3)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ220)と、複数種類の図柄を可変表示させる可変表示装置(リール2L、2C、2R)とを備え、持点で賭数を設定することにより1ゲームが開始可能になるとともに前記可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果により発生した入賞に応じて持点が加算されるスロットマシン(スロットマシン2S)であって、
前記スロットマシンの前面を開閉可能に覆っている前面部材(前面扉2b)と、
該前面部材を閉塞状態でロックするロック手段(前面扉開放ソレノイド110、係合突起6a、6b,係合受け片7a、7b)と、
賭数の設定および入賞の発生に応じた持点の変化量(加算数、減算数)を特定する特定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ、払出制御用マイクロコンピュータ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報(加算数および減算数を含む動作応答)を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(LSI117)と、
前記遊技用装置から送信されてくる前記ロック手段によるロックの解除を指示するための情報(図44;前面扉開放要求有)を受信したときに、新たなゲームを開始できない遊技禁止状態(賭数操作無効状態)にするための遊技禁止手段(図44;LSI117および主制御基板116によるBET禁止)と、
前記遊技禁止手段により前記遊技禁止状態にしてから前記ロック手段によるロックを解除させる制御を行なう解除制御手段(図44;LSI117によるロック解除)とを含み、
該解除制御手段は、前記ロック手段によるロックの解除を指示するための情報(図44;前面扉開放要求有)が受信されたときには所定条件が成立するまで前記ロック手段によるロックを解除させる制御を遅延させる遅延手段(図44;LSI117はウエイト時間が経過するまで(またはゲーム中である場合にはゲーム終了まで)前面扉開放ソレノイド110の励磁を遅延させる)を含む。
このような構成によれば、前面部材の閉塞状態を遊技用装置側からの指示にて遊技結果に影響を与えることなく解除可能となる。
(3−2) 前記特定手段は、前記遊技禁止手段により前記遊技禁止状態にしている間において前記持点が変化したときにも該変化量を特定し(図44;S台は、遊技禁止状態にしている間において持点が変化したときにもその変化量(図44では加算数=10)を特定する。)、
前記情報送信手段は、前記遊技禁止手段により前記遊技禁止状態にしている間において前記特定手段により前記持点の変化量が特定されたときに、該変化量を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する(図44の加算数=10の動作応答)。
このような構成によれば、遊技禁止状態となって以降の持点の変化量をも含めた持点を遊技用装置に管理させることが可能となる。
(3−3) 前記所定条件は、予め定めた1ゲーム規制時間(4.1秒)以上の時間が経過することである。
このような構成によれば、遊技禁止状態としたときにゲーム中であったとしても、そのゲームの終了前に前面部材の閉塞を解除してしまうことがない。
(3−4) 前記遅延手段は、前記可変表示装置で図柄が可変表示しているゲームの最中に前記ロック手段によるロックの解除を指示するための情報が受信されたときには当該ゲームが終了し前記遊技禁止状態にするまで前記ロック手段によるロックを解除させる制御を遅延させる(図44)。
このような構成によれば、遊技禁止状態としたときにゲーム中であったとしても、そのゲームの終了前に前面部材の閉塞を解除してしまうことがない。
(4−1) 遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、貯メダル数)を用いて持点を加算する遊技用装置(カードユニット3)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ220)と、複数種類の図柄を可変表示させる可変表示装置(リール2L、2C、2R)とを備え、持点で賭数を設定することにより1ゲームが開始可能になるとともに前記可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果により発生した入賞に応じて持点が加算されるスロットマシン(スロットマシン2S)であって、
ゲームの進行に応じて変化する遊技データの変化量(加算数、減算数、外部出力情報)を特定する特定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ、払出制御用マイクロコンピュータ、加算数カウンタ、減算数カウンタ、外部出力情報カウンタ)と、
前記変化量を特定可能な更新情報(加算数、減算数、および外部出力情報を含む動作応答)を前記遊技用装置へ送信する情報送信手段(LSI117)と、
前記遊技用装置から信号が送信されてこない通信不能状態が発生したときから、通信不能状態から復旧させて前記スロットマシンとの間でのデータの整合性を回復させる復旧処理が実行されるまでの間において、前記特定手段により特定された遊技データの変化量を記憶する通信不能時記憶手段(図58〜図75;CUの電源断の直前に送信した動作応答の送信後からCUが起動してリカバリ処理が行なわれるまでの間における加算数、減算数、持点数等を現在数として記憶する、加算数カウンタ、減算数カウンタ、持点数カウンタ等、ならびに前回数の各データ)とを含み、
前記情報送信手段は、前記復旧処理が行なわれたことにより、前記通信不能時記憶手段に記憶されている遊技データの変化量を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する(図58〜図75;CUの電源断の直前に送信した動作応答の送信後からCUが起動してリカバリ処理が行なわれるまでの間におけるリカバリデータをリカバリ応答として送信)。
このような構成によれば、通信不能状態になってから復旧するまでの間におけるスロットマシン側での遊技データの変化量をも反映させた正確な遊技データの管理を遊技用装置にさせることが可能となる。
(4−2) 前記通信不能状態が発生したときに新たなゲームを開始できない遊技禁止状態にするための遊技禁止手段(図58〜図75;切断検知でプレー停止(賭数操作無効状態または遊技禁止状態))をさらに含み、
前記通信不能時記憶手段は、前記通信不能状態が発生したときから前記遊技禁止手段により前記遊技禁止状態になった後前記遊技データが変化し得ない状態に達するまでの間において前記特定手段により特定された遊技データの変化量を記憶する(図58〜図75;CUの電源断の直前の動作応答の送信以降からプレー停止(賭数操作無効状態または遊技禁止状態)して以降に変化した加算数、減算数等を記憶する)。
このような構成によれば、通信不能状態になってから遊技データが変化し得ない状態に達するまでの間におけるスロットマシン側での遊技データの変化量をも反映させた正確な遊技データの管理を遊技用装置にさせることが可能となる。
(4−3) 前記通信不能時記憶手段は、前記通信不能状態が発生する直前に前記遊技用装置に送信した遊技データの変化量である直前送信済み変化量をバックアップするために記憶しており(図58〜図75;前回数)、
前記情報送信手段は、
前記直前送信済み変化量を特定可能な直前送信済み更新情報を前記更新情報とともに前記遊技用装置へ送信し(図13、図58〜図75;前回数としてのリカバリデータをリカバリ応答として送信)、
前記直前送信済み更新情報を前記遊技用装置が受信する前に前記通信不能状態が発生したか否かを前記遊技用装置が判定できるようにするための通信不能発生時期判定用情報(SQN、図13(b))を前記遊技用装置へ送信する。
このような構成によれば、遊技用装置においては、通信不能状態が発生する直前に遊技用装置に送信された遊技データの変化量が遊技用装置に到達しなかったとしても、その旨を判定して、直前送信済み更新情報による特定される直前送信済み変化量をも含めて遊技データを更新可能となり、通信不能状態が発生する直前に遊技用装置に送信された遊技データの変化量の未到達の場合も、正確な遊技データの管理が可能となる。
(4−4) 前記情報送信手段は、前記遊技用装置との間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号(SQN)を、前記通信不能発生時期判定用情報として前記遊技用装置へ送信する。
このような構成によれば、遊技用装置側において、データの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号を利用して、通信不能状態が発生する直前に遊技用装置に送信された遊技データの変化量が遊技用装置に到達したか否かを判定することが可能となる。
(5−1) 遊技者所有の遊技用価値(プリペイド残高、貯メダル数)を用いて持点を加算する遊技用装置(カードユニット3)と通信可能に接続するための接続部(コネクタ220)と、複数種類の図柄を可変表示させる可変表示装置(リール2L、2C、2R)とを備え、持点で賭数を設定することにより1ゲームが開始可能になるとともに前記可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果により発生した入賞に応じて持点が加算されるスロットマシン(スロットマシン2S)であって、
持点を記憶する持点記憶手段(持点数カウンタ)と、
賭数の設定に必要な持点残数の有無を前記持点記憶手段が記憶している持点に基づいて判定する持点残数判定手段(LSI117、図41)と、
新たなゲームを開始できない遊技禁止状態にするための遊技禁止手段(図41〜図44;LSI117による賭数操作無効化)とを含み、
前記遊技禁止手段は、
所定情報(図42、図44;禁止要求有を含む動作指示)が前記遊技用装置から送信されてきたときに前記遊技禁止状態にする所定情報対応遊技禁止手段((図42、図44)と、
前記持点残数判定手段により賭数の設定に必要な持点残数無しと判定されたときに前記遊技禁止状態にする持点対応遊技禁止手段(図41)とを含む。
このような構成によれば、持点式のスロットマシンで遊技禁止状態にする方法として、スロットマシンにおける持点が減少したときにはスロットマシン側においてその旨を判別してで遊技禁止状態にでき、しかも、所定情報が遊技用装置から送信されてきたことによってもで遊技禁止状態になるために、遊技用装置からの指令にも対応することができ、遊技禁止状態にする必要が生じた原因に応じてスロットマシン自ら遊技禁止状態にする場合と遊技用装置からの指令に応じて遊技禁止状態にする場合との両方に対応可能となる。
(5−2) 前記接続部には、前記持点記憶手段とは別に持点を記憶して更新するための遊技用装置を接続可能であり(図3、図4参照)、
賭数の設定および入賞の発生に応じた持点の変化量を特定する特定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ、払出制御用マイクロコンピュータ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
前記遊技用装置へ、前記変化量を特定可能な更新情報(加算数および減算数を含む動作応答)を送信する情報送信手段(LSI117)とをさらに含む。
このような構成によれば、持点管理を遊技用装置側において行なうことが可能になるために、スロットマシン側に持点管理機能を設ける必要がなく、その分、スロットマシンのコストを極力抑えることができる。
特に、スロットマシンは、より趣向性の高い遊技をいち早く提供できるようにするために遊技場における入替えサイクルが遊技用装置に比べて短い傾向にある。その関係上、持点管理機能をスロットマシン側ではなく遊技用装置側に持たせてスロットマシンのコストを抑えることにより、スロットマシンを導入する遊技場のランニングコストを軽減することができるという利点がある。
また、持点管理を遊技用装置側において行なう関係上、持点が減少したときに遊技用装置側からの指令を待って遊技禁止状態に制御する方法を採用した場合は、スロットマシンにおける持点が減少しその減少状態が遊技用装置に送信されて初めて遊技用装置において持点が減少したことを把握できるのであり、その間のタイムラグだけ遊技禁止状態に制御する時期が遅れてしまう虞があるが、スロットマシンにおける持点が減少したときにはスロットマシン側においてその旨を判別して遊技禁止状態にしているために、前述のタイムラグによる不都合を防止することができる。しかも、所定情報が遊技用装置から送信されてきたことによっても遊技禁止状態になるために、遊技用装置からの指令にも対応することができる。
(5−3) 前記情報送信手段は、前記更新情報を送信してから前記持点対応遊技禁止手段によって前記遊技禁止状態するまでの間に前記特定手段により特定された前記変化量を特定可能な更新情報を前記遊技用装置へ送信する(図41;「持点数=3、加算数=0、減算数=3」の1つ目の動作応答を送信してから、3BETされることによって賭数操作無効状態になるまでの間に変化した変化量である「持点数=0、加算数=0、減算数=3」の動作応答がさらに送信されている)。
このような構成によれば、前回の更新情報の送信時点から遊技禁止状態となるまでの間における持点の変化量を遊技用装置側において把握でき、遊技禁止状態になった後の最終的な持点を遊技用装置側において管理可能となる。
(5−4) スロットマシンの前面を開閉可能に覆っている前面部材(前面扉2b)と、
該前面部材を閉塞状態でロックするロック手段(前面扉開放ソレノイド110、係合突起6a、6b、係合受け片7a、7b)とをさらに含み、
前記所定情報は、前記ロック手段によるロックの解除を指示するときに送信される情報(図14;動作要求Bit3=1の遊技禁止要求、図44;禁止要求有)である。
このような構成によれば、前面部材のロックを解除して開放するときに、遊技用装置からの指令に対応して遊技禁止状態にすることができる。
(5−5) 前記所定情報は、前記遊技用装置に遊技終了を要求するときに送信される情報(図14;動作要求Bit3=1の遊技禁止要求、図42;禁止要求有を含む動作指示)である。
このような構成によれば、遊技終了を要求する信号が入力されたときに、遊技用装置からの指令に対応して遊技禁止状態にすることができる。
(6−1) 本発明は、記録媒体(カード)を受付けて該記録媒体に記録されている記録情報により特定される遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持点数、あるいは貯メダル数)を遊技に使用可能にする遊技用装置(カードユニット3)と通信する通信部(S台通信制御部82)と、表示状態が変化可能な可変表示装置とを備え、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、導出表示された表示結果が予め定められた特定の表示結果となったときに入賞が発生可能となるスロットマシン(スロットマシン2S)であって、
遊技者毎に遊技履歴データを集計する遊技履歴データ集計手段(図99;遊技履歴データ管理部291の通常モード処理部と表示器用演出制御部292の現遊技者遊技履歴データ記憶部)と、
該遊技履歴データ集計手段により集計された遊技履歴データを記憶する遊技履歴データ記憶手段(図99;遊技データ記憶部392の現遊技者遊技履歴データ記憶部とバックアップデータ記憶部)とを含み、
該遊技履歴データ記憶手段は、前記遊技用装置に受付けられている前記記録媒体が排出された後においても前記遊技履歴データの記憶を保持し(図99;バックアップデータ記憶部に遊技履歴データの記憶を保持し)、
前記遊技履歴データ集計手段は、同一の遊技者であることを示す指令情報(同一コマンド)を前記遊技用装置から受信したことを条件として(図100;S22によりYの判定がなされ)、前記遊技履歴データ記憶手段に記憶されている遊技履歴データに対して新たな遊技履歴データを累積して集計する引継集計手段(図100;S12)を含む。
このような構成によれば、前の遊技者と今回の遊技者とが同一の場合に、前の遊技者の遊技履歴データとして集計された遊技履歴データに対して今回の遊技者の遊技履歴データを累積して集計するために、遊技をしていた遊技者が一旦離席して再度戻ってきて遊技を再開した場合に、同一の遊技者であると判定されて離席前における遊技履歴データを引継いで遊技履歴データの累積集計が可能となり、同一の遊技者であるにも拘らず離席の前後で遊技履歴データが途切れてしまう不都合を防止することができる。
(6−2) 上記(6−1)のスロットマシンにおいて、前記記録媒体が排出された後に遊技が再開されるときにおいて前記指令情報が前記遊技用装置から送信されてこないこと(図100;相違コマンドが送信されてきてS22によりNの判定がなされたこと)を条件として、前記記録媒体の排出前に遊技を行なっていた遊技者の遊技履歴データを消去する遊技履歴データ消去手段(図100;S15)を含むように構成されてもよい。
このような構成によれば、前の遊技者と今回の遊技者とが同一の場合に、前回の遊技者の遊技履歴データがスロットマシンに送信されてくるために、それを受信したスロットマシンにおいて、その受信した遊技履歴データに対して今回の遊技者の遊技履歴データを累積して集計できるために、遊技をしていた遊技者が一旦離席して再度戻ってきて遊技を再開した場合に、同一の遊技者であると判定されて離席前における遊技履歴データを引継いで遊技履歴データの累積集計が可能となり、同一の遊技者であるにも拘らず離席の前後で遊技履歴データが途切れてしまう不都合を防止することができる。
(6−3) 上記(6−1)または(6−2)のスロットマシンにおいて、前記遊技履歴データ集計手段は、
遊技中の遊技者の遊技履歴データを記憶する遊技中データ記憶手段(図99;表示器用演出制御部292の現遊技者遊技履歴データ記憶部)と、
遊技を終了した遊技者の遊技履歴データをバックアップするための終了データ記憶手段(図99;表示器用演出制御部292のバックアップデータ記憶部)と、
前記遊技用装置から前記記録媒体が排出されたことに応じて、前記遊技中データ記憶手段に記憶されている遊技履歴データを遊技を終了した遊技者の遊技履歴データとして前記終了データ記憶手段によりバックアップし(図99;カード返却通知の受信により、現遊技者遊技履歴データ記憶部の記憶データをバックアップデータ記憶部にシフトさせて記憶し)、前記遊技用装置から前記指令情報を受信したときに、前記終了データ記憶手段によりバックアップされている遊技履歴データを前記遊技中データ記憶手段により遊技中の遊技者の遊技履歴データとして記憶する状態に切換えるデータ記憶切換え手段(図99、図100;S12)とを含むように構成されてもよい。
このような構成によれば、遊技者が同一であると判定されたときに、終了データ記憶手段によりバックアップされている遊技履歴データが遊技中データ記憶手段により遊技中の遊技者の遊技履歴データとして記憶する状態に切換えられるために、それ以降の遊技においてその遊技中データ記憶手段に記憶されている遊技履歴データを引継いでそれに新たな遊技履歴データを加算更新して累積記憶することができる。
(6−4) 上記(6−1)〜(6−3)のいずれかのスロットマシンにおいて、前記引継集計手段は、会員の遊技者に発行された会員用記録媒体が前記遊技用装置に受付けられたことを条件として、前記遊技履歴データ記憶手段に記憶されている当該会員の遊技履歴データに対して新たな遊技履歴データを累積して集計する(図99;会員カードのC-IDの場合のみ現遊技者遊技履歴データに記憶して遊技履歴を集計する)ように構成されてもよい。
このような構成によれば、会員用記録媒体が記録媒体受付部に受付けられたことを条件として同一と判定された遊技者に対応する遊技履歴データに対して新たな遊技履歴データが累積して集計されるために、遊技履歴データの引継ぎ集計の利点を会員の遊技者に限定することができ、遊技者が会員になることを促進させることができる。
(7−1) 本発明は、持点による遊技が可能であり、遊技者所有の遊技用価値を用いて持点を加算する遊技用装置と通信する通信部(S台通信制御部82)と、表示状態が変化可能な可変表示装置とを備え、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、導出表示された表示結果が予め定められた特定の表示結果となったときに入賞が発生可能となり、入賞の発生に応じて持点が加算されるスロットマシン(スロットマシン2S)であって、
遊技への使用および入賞の発生に応じた持点の変化量を特定する特定手段(スロットマシン制御用のマイクロコンピュータ、加算数カウンタ、減算数カウンタ)と、
持点を記憶する持点記憶手段(持点数カウンタ)と、
前記持点記憶手段が記憶している持点を前記変化量に応じて更新する持点更新手段(払出制御部117)と、
前記変化量を特定可能な更新情報と前記持点記憶手段に記憶されている持点とを前記通信部から前記遊技用装置へ送信する制御を行なう情報送信制御手段(図40;加算数、減算数を含む動作応答を送信)と、
遊技を行なう遊技者を特定する遊技者特定情報を記憶する遊技者特定情報記憶手段(図99;表示器用演出制御部292の現遊技者遊技履歴データ記憶部)と、
前記遊技用装置との通信の開始の際に前記遊技者特定情報記憶手段に記憶されている遊技者特定情報を前記通信部から前記遊技用装置へ送信する制御を行なう遊技者特定情報送信制御手段(図23、図33、図58〜図75;C-IDを含むリカバリ応答を送信)とを備えた。
このような構成によれば、遊技用装置がスロットマシンと接続されて通信が開始された際に、スロットマシンと前記遊技用装置との接続後遊技を行なう遊技者と該接続前に遊技を行なっていた遊技者との同一性を判定するための情報として、遊技者特定情報記憶手段に記憶されている遊技者特定情報が通信部から遊技用装置へ送信されるために、接続後遊技を行なう遊技者と該接続前に遊技を行なっていた遊技者との同一性を判定でき、異なる遊技者であるにも拘らず同一の遊技者とみなしてしまう不都合を防止することができる。
(7−2) 上記(7−1)のスロットマシンにおいて、前記情報送信制御手段は、前記更新情報と前記持点記憶手段に記憶されている持点とを前記通信部から前記遊技用装置へ定期的(図20;200ms毎)に送信する制御を行ない、
前記通信部は、前記遊技用装置による前記更新情報に基づいた持点の更新結果と、
前記持点記憶手段に記憶されている持点との整合性の判定の結果、不整合との判定のときに該遊技用装置から送信されてくる補正情報を受信し(補正指示コマンドの受信)、
該受信した補正情報に基づいて前記持点記憶手段が記憶している持点を補正する持点補正手段(払出制御部117が持点数を補正指示コマンドに従って補正)をさらに備えている、ように構成されてもよい。
このような構成によれば、不正行為、その他の原因によってスロットマシン側で記憶している持点の大きさに異常が生じることによって遊技用装置側で記憶している持点とスロットマシン側で記憶している持点とが整合しなくなった場合でも、スロットマシン側で記憶している持点を遊技用装置側で記憶している持点に補正可能となる。
(8−1) 本発明は、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能にする遊技用装置と通信する通信部(S台通信制御部82)と、表示状態が変化可能な可変表示装置とを備え、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、導出表示された表示結果が予め定められた特定の表示結果となったときに入賞が発生可能となるスロットマシン遊(スロットマシン2S)であって、
当該遊技機での遊技の実行により生成される遊技履歴データを記憶する遊技履歴データ記憶手段(図5;表示器用演出制御部292の当S台遊技履歴データ記憶部)と、
該遊技履歴データ記憶手段に記憶されている遊技履歴データを表示する遊技履歴データ表示手段(表示器51)と、
前記遊技履歴データ記憶手段に記憶されている遊技履歴データの少なくとも一部を消去する遊技履歴データ消去手段(RAMクリアスイッチ293)と、
該遊技履歴データ消去手段により遊技履歴データが消去されたときに、前記遊技用装置において遊技履歴データに基づいて実行する履歴表示をクリアするためのクリア指令を前記遊技用装置へ送信する制御を行なうクリア指令送信制御手段(図5;クリア通知を送信する遊技履歴データ管理部291)とを含む。
このような構成によれば、スロットマシン側において遊技履歴データの少なくとも一部が消去された場合にクリア指令が遊技用装置に送信され、遊技用装置側においてそのクリア指令に従って履歴表示のクリア処理が行なわれるために、スロットマシン側と遊技用装置側とにおける履歴表示の齟齬を防止することができる。
(8−2) 上記(8−1)のスロットマシンにおいて、前記遊技履歴データ記憶手段は、
本日の遊技履歴データを記憶する本日履歴データ記憶部(10日分の記憶エリアの内の本日の記憶エリア)と、
前日以前の遊技履歴データを記憶する過去履歴データ記憶部(10日分の記憶エリアの内の本日以外の記憶エリア)とを含み、
前記遊技履歴データ消去手段は、本日データ記憶部の記憶データを過去履歴データ記憶部にシフトして記憶させるとともに本日履歴データ記憶部の記憶データを消去する(10日分の記憶エリアの内の1番古い記憶エリアのデータを消去して各記憶エリアのデータを1つずつ古い記憶エリアにシフトすることにより、本日の記憶エリアデータを消去する)。
このような構成によれば、スロットマシン側において、本日履歴データ記憶部に記憶されている本日の遊技履歴データを、前日以前の遊技履歴データを記憶する過去履歴データ記憶部にシフトして記憶させるとともに本日履歴データ記憶部の記憶データが消去されるために、スロットマシン側において、本日の遊技履歴データを前日以前の過去の遊技履歴データとして記憶保持することができ、その過去の遊技履歴データを有効利用することも可能となる。
(8−3) 上記(8−1)または(8−2)のスロットマシンにおいて、遊技中に発生する遊技データを前記遊技用装置へ送信する制御を行なう遊技データ送信制御手段(遊技データを送信する遊技履歴データ管理部291)をさらに含むように構成されてもよい。
このような構成によれば、スロットマシンから送信されてきた遊技中に発生する遊技データに基づいて遊技用装置側において遊技履歴データを更新して記憶することができ、遊技用装置において表示する遊技履歴データを遊技機とは別に更新記憶することができる。
(9−1) 本発明は、記録媒体(カード)を受付けて該記録媒体に記録されている記録情報により特定される遊技者所有の有価価値プリペイド残高、持点数、あるいは貯メダル数)を遊技に使用可能にする遊技用装置(カードユニット3)と通信する通信部(S台通信制御部82)と、表示状態が変化可能な可変表示装置とを備え、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、導出表示された表示結果が予め定められた特定の表示結果となったときに入賞が発生可能となるスロットマシン(スロットマシン2S)であって、
スロットマシンの動作確認を行なうテストモードの通知を前記遊技用装置から受けていない通常遊技中に遊技者が遊技を行なうことにより生成される遊技履歴データを更新する通常遊技中データ更新手段(図6;表示器用演出制御部292の当S台遊技履歴データ記憶部)を含み、
前記テストモードの通知を前記遊技用装置から受けたことに基づいて、前記通常遊技中データ更新手段による遊技履歴データの更新をさせない状態にする(図5、図99;試打モード処理部の働きにより、遊技履歴データを当P台遊技履歴データ記憶部や当S台遊技履歴データ記憶部に記憶させるのではなく試打遊技履歴データ記憶部に記憶させる)。
このような構成によれば、スロットマシンの動作確認を行なうテストモードの通知を受けていない通常遊技中に遊技者が遊技を行なうことにより生成される遊技履歴データを更新する通常遊技中データ更新手段が設けられているために、スロットマシンにおいて通常遊技中における遊技履歴データの集計が可能となる。
しかも、スロットマシンがテストモードの通知を受けたことに基づいて、通常遊技中データ更新手段による遊技履歴データの更新をさせない状態になるために、テストモードでの遊技履歴データとは区別して通常遊技中における遊技履歴データだけを集計することが可能となる。
(9−2) 上記(9−1)に記載のスロットマシンにおいて、前記テストモード中の遊技履歴データを前記遊技用装置へ送信する制御を行なうテストモード中データ送信制御手段(図5、図99;試打モード中の遊技データを送信する遊技履歴データ管理部291)を含むように構成されてもよい。
このような構成によれば、テストモード中の遊技履歴データが遊技用装置により表示されるために、その遊技用装置に表示されたテストモード中の遊技履歴データを見ながら各種調整作業を行なうことが可能となり、作業効率が向上する。
(9−3) 上記(9−1)または(9−2)に記載のスロットマシンにおいて、前記通常遊技中に遊技者が遊技を行なうことにより生成される遊技履歴データとは別に、前記テストモード中の遊技履歴データを記憶するテストモード中データ記憶手段(図5、図99;表示器用演出制御部292の試打遊技履歴データ記憶部)を含むように構成されてもよい。
このような構成によれば、スロットマシンが、通常遊技中の遊技履歴データとは別にテストモード中の遊技履歴データを記憶するテストモード中データ記憶手段を含んでいるために、通常遊技中の遊技履歴データとは区別してテストモード中の遊技履歴データを記憶しておくことが可能となる。
(9−4) 上記(9−3)に記載のスロットマシンにおいて、前記テストモード中データ記憶手段は、前記テストモード中に所定操作(表示器312に表示されている再集計ボタンのアイコンのタッチ操作)が行なわれたことに基づいて、記憶している遊技履歴データを一旦クリアした後新たに前記テストモード中の遊技履歴データの記憶を再開する(再集計通知の受信に基づいて試打モード処理部が試打遊技履歴データ記憶部の記憶をクリアする)ように構成されてもよい。
このような構成によれば、テストモード中に所定操作が行なわれたことに基づいて、テストモード中データ記憶手段が記憶している遊技履歴データを一旦クリアした後新たにテストモード中の遊技履歴データの記憶が再開されるために、たとえばテストモードによる遊技履歴データに基づいて各種調整作業を行なった後その調整後の稼動データを集計するべく再度新たにテストモードによる遊技履歴データを集計する等のように、テストモードによる遊技履歴の集計を最初からやり直すことが可能となる。
(9−5) 上記(9−4)のスロットマシンにおいて、前記スロットマシンは、前記テストモード中データ記憶手段に記憶されている前記テストモード中の遊技履歴データを表示する制御を行なうテストモード中データ表示制御手段(表示器51に試打モード時の遊技履歴データを表示させる制御を行なう試打モード処理部)を含むように構成されてもよい。
このような構成によれば、スロットマシンにおいてテストモード中の遊技履歴データが表示されるために、そのスロットマシンにおいて表示されたテストモード中の遊技履歴データを見て各種調整作業を行なうことが可能となる。
(9−6) 上記(9−1)〜(9−5)のいずれかのスロットマシンにおいて、遊技に使用される持点を遊技に伴って更新する持点更新手段(持点数カウンタ)を含み、
該持点更新手段は、前記テストモード中においては持点が所定値以下にならないように更新する(持点数加算指令の受信に基づいて持点数の加算を行なう)ように構成されてもよい。
このような構成によれば、テストモード中においては持点が所定値以下にならないために持点に拘らずテストモードによる遊技履歴の集計を継続することが可能となる。
(9−7) 上記(9−6)のスロットマシンにおいて、前記持点更新手段は、前記テストモード中において持点が所定値となったときに前記スロットマシンに対して持点を所定値を超える値にするための指令(持点数加算指令)を前記遊技用装置から受信したことに基づいて、持点が所定値以下にならないように更新する(持点数加算指令の受信に基づいて持点数の加算を行なう)ように構成されてもよい。
このような構成によれば、テストモード中において持点が所定値となったときにスロットマシンに対して持点を所定値を超える値にするための指令を遊技用装置から受信したことに基づいて、持点が所定値以下にならないように更新されるために、テストモード中において持点が所定値となった後においても遊技履歴データを集計するための指令を出力する機能を有する遊技用装置を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。