本明細書では、回路保護システムとともに用いるためのシステムおよび装置の典型的な実施形態について説明する。これらの実施形態によって、アーク・フラッシュが発生した後の回路保護システムから外へ出る排気ガス、熱、および圧力の流れが増える。たとえば、回路保護システムは、回路保護システムに結合された電力システム内での一次アーク・フラッシュの検出を示す信号を受信することができる。回路保護システムは次に、二次アーク・フラッシュを発生させて、一次アーク・フラッシュによって発生したエネルギーを電力システムから離れるように移すことができる。また、これらの実施形態によって、回路保護システムを備える機器エンクロージャから外へ出る排気ガス、熱、および圧力の流れが増える。排気ガスを回路保護デバイスから離れるように(たとえば、実質的に垂直方向等に)送ることによって、機器エンクロージャ内に位置する回路保護システムおよび他の任意の電気的な機器を、排気ガス、熱、および圧力の流れから保護する。
図1は、機器エンクロージャ102内に収容される典型的な電子機器スタック100の正面図である。スタック100は、1または複数のエレクトロニクス・モジュール104と、エレクトロニクス・モジュール104にたとえばアーク・フラッシュ事象からの保護をもたらす回路保護システム106と、を備える。エンクロージャ102は、複数のコンパートメントを備えている。たとえば、下部コンパートメント108、中央コンパートメント110(回路保護システム106を収容する)、および上部コンパートメント112(エレクトロニクス・モジュール104を収容する)である。エンクロージャ102は、上壁114が、エンクロージャ102の第1の側壁116と第2の側壁118との間を延びている。排気開口部(図1には示さず)たとえば通気口が、上壁114を通って延びて、排気プレナム(図1には示さず)に流れ連絡する状態で結合している。排気プレナムは、上壁114からエレクトロニクス・モジュール102の背後を通って下方に延びて、中央コンパートメント110内に入っている。そこでは、排気プレナムは回路保護システム106に対して位置決めされている。特に、回路保護システム106はアーク転送装置(図1には示さず)を備えている。アーク転送装置は、エレクトロニクス・モジュール104または電力供給などの回路内で検出されたアーク・フラッシュ事象から離れるようにエネルギーを移す。アーク転送装置はアーク閉じ込め装置であっても良い。これについては、以下に詳細に説明する。あるいは、アーク転送装置は、アーク・フラッシュ事象に付随するエネルギーを別の箇所に移して任意の好適な仕方で散逸させるボルト締め故障装置であっても良い。
図2は、図1の回路保護システム106とともに用いても良い典型的なアーク閉じ込め装置200の概略斜視図である。図3は、アーク閉じ込め装置200の断面概略図である。図4は、アーク閉じ込め装置200の部分分解図である。典型的な実施形態においては、アーク閉じ込め装置200は、上部カバー202(図2〜6)、排気マニホールド204(図3および4)、ショック・シールド206(図3および4)、および導体アセンブリ208(図4に示す)を備えている。図2、3、5、および6に示すように、導体アセンブリ208は、導体ベース210と導体カバー212とを備え、それらの間に複数の導電体(図示せず)が位置している。各導電体は、アーク光源電極216(図4)を支持する電極支持体214に結合されている。各アーク光源電極216は、導体カバー212上に堅固に取り付けられ、離間に配置されてアーク光源電極216間の電極間隙284を画定している。各導電体(図示せず)は、導体ベース210を通って延びて、電極216を電源(図示せず)たとえば電力バスに接続している。導体ベース210および導体カバー212を、任意の好適な電気絶縁材料および複合物で作って、電極216に対する電気絶縁性支持体にしても良い。
アーク・トリガリング装置(たとえばプラズマ・ガン282)が、間隙284に隣接して配置されている。たとえば、プラズマ・ガン282を、アーク光源電極216に対して中心に配置しても良く、また間隙284内のスペースの一部をイオン化するように構成しても良い。一実施形態においては、プラズマ・ガン282は、アーク軽減技術としてプラズマを噴射して、回路保護システム106に結合された電力システム内での一次アーク・フラッシュを示す信号に応答して二次アーク放電故障を形成する。一実施形態においては、プラズマ・ガン282はプラズマ・ガン・カバー218(図3)で覆われている。動作時には、アーク光源電極216によって、回路上で検出された一次アーク・フラッシュに付随するエネルギーを散逸させるのに用いるアーク(たとえば二次アーク・フラッシュ)を発生させて、その結果、アーク閉じ込め装置200内に排気ガス、熱、および圧力が生成される。
導体カバー212は、複数の取付用アパーチャ(図示せず)を備えている。各アパーチャのサイズは、対応する固定メカニズムを内部に受け取って、導体カバー212を支持体(たとえば導体ベース210)に結合するように設定されている。また、導体カバー212は、複数の凹部222が内部に形成されたエッジ部分220を備えている(図4)。後でより詳細に説明するように、導体カバー212は、1または複数のはめ合い特徴部(たとえばリブ229)を備えている。この特徴部は、排気マニホールド204の排気ポート部材345内に形成された対応するはめ合い特徴部(たとえばスロット353)とはまり合うように構成されている。
上部カバー202は、上面242、へり244、および上面242とへり244との間を延びる側面246を備えている。へり244は、排気マニホールド支柱232(図2および4)を覆うようなサイズであり、また複数の取付用アパーチャ248を備えている。取付用アパーチャ248のサイズは、対応する固定メカニズム249(たとえばねじボルト)を内部に受け取って導体カバー212に結合するように設定されている。たとえば、上部カバー202の各取付用アパーチャ248は、排気マニホールド204の対応する取付用アパーチャ、および導体カバー212の対応する取付用アパーチャ222と、位置が合っている。
また、図3および4に示すように、ショック・シールド206は、電極216を覆うようなサイズであり、また電極216上に配置されてアーク光源がショック・シールド206内に収容されるようになっている。一実施形態においては、ショック・シールド206は導体カバー212の上面224に固定して結合されている。
典型的な実施形態においては、ショック・シールド206は上面226および側面228を備えている。複数の排気口230が、上面および側面226および228内に形成されている。排気マニホールド204はショック・シールド206を覆うようなサイズである。排気マニホールド204は複数の支柱232(図4)を備えている。各支柱232は取付用アパーチャ(図示せず)を備えている。取付用アパーチャのサイズは、対応する固定メカニズムを内部に受け取って排気マニホールド204を導体カバー212に結合するように設定されている。また、各支柱232のサイズは、導体カバー212の対応する凹部222内に収まるように設定されている。
典型的な実施形態においては、また図3に示すように、上部カバー202のサイズは、排気マニホールド204を覆ってマニフォールド204がカバー202によって収容されるように、またそれらの間にキャビティ238を画定して、通路または排気経路240(図3では一般的に矢印「P」で示す)として使用できるように、設定されている。典型的な実施形態においては、排気マニホールド204はまた、上面234を備え、その中を通って複数の排気口236が排気経路240と流れ連絡する状態で延びている。同様に、複数の排気口236は、ショック・シールド206の複数の排気口230と流れ連絡している。さらに加えて、排気マニホールド204は少なくとも1つの排気ポート部材345を備えている。排気ポート部材345は、上部カバー202の一部と協同して開口部または間隙358を画定するように構成された第1の排気ポート面351を備えている。間隙358は、排気経路240と流れ連絡する状態で配置され、またキャビティ238からアーク閉じ込め装置200の外へ排気ガス、熱、および圧力を逃がすための排気ポート350を与えるように配置されている。典型的な実施形態においては、排気マニホールド204は、排気マニホールド204の外部上に形成された2つの排気ポート部材345を備えている。
さらに、アーク閉じ込め装置200は、上部カバー202の周辺上に位置する1または複数の非導電性排気ダクト322を備えている。典型的な実施形態においては、図4〜6に例示するように、アーク閉じ込め装置200は2つの排気ダクト322を備えている。各排気ダクト322は、排気ポート350から排気ガスを、排気ダクト322と流れ連絡する状態で位置する排気プレナム(図示せず)内に送って、機器エンクロージャ102から外へ排気ガスを送る。
図5は回路保護システム106の概略斜視図であり、図6は回路保護システム106の部分分解図である。典型的な実施形態においては、回路保護システム106は、コントローラ300およびアーク閉じ込め装置200を備えている。フレーム302が、機器エンクロージャ102(図1)内でアーク閉じ込め装置200を支持するようなサイズに設定されている。典型的な実施形態においては、フレーム302は接地に電気的に結合されている。コントローラ300はフレーム302に結合されていて、回路保護システム106を機器エンクロージャ102に挿入するかまたは取り出すときに、コントローラ300がアーク閉じ込め装置200に固定されているようになっている。典型的な実施形態においては、フレーム302は、下壁304、第1の側壁306、および第2の側壁308を備えている。側壁306および308はそれぞれ、1または複数のローラ310を備えている。ローラ310のサイズは、エンクロージャ・コンパートメント(たとえば中央コンパートメント110(図1))内に設けられたラッキング・レール(図示せず)内に挿入されるかまたは共に用いられるように設定されている。
また、複数の第1の一次電気コネクタ312がアーク閉じ込め装置200に結合されていて、アーク閉じ込め装置200によってモニタおよび/または保護されている回路(図示せず)の複数の導体(図示せず)に、アーク閉じ込め装置200を電気的に接続することを容易にしている。また、コントローラ300(図5に示す)は、第1の二次電気コネクタ314を備えている。第1の二次電気コネクタ314は、コントローラ300を、診断および/またはプラズマ・ガン点火試験を行なう際に用いる第2の二次コネクタ(図示せず)に接続することを容易にするものである。位置表示器316が、上部カバー202に結合されているとともに、ラッキング・カセット(図5には示さず)内に設けられた開閉器(図示せず)と嵌合するように配向されていて、ラッキング・カセット内のアーク閉じ込め装置200の位置を表示することを容易にしている。これについては後で詳述する。たとえば、位置表示器316はフランジ318を備えている。フランジ318を通って1または複数の取付用アパーチャ320が延びている。取付用アパーチャ320のサイズは、対応する固定メカニズムを受け取って位置表示器316を上部カバー202に結合するように設定されている。したがって、上部カバー202は、1または複数の対応する取付用アパーチャ(図示せず)を備え、この取付用アパーチャは、フランジ318の対応する取付用アパーチャ320の真下に位置している。特に、位置表示器316をアーク閉じ込め装置200の任意の好適な部分に結合して、開閉器がラッキング・カセット内のアーク閉じ込め装置200の位置を示すことができるようにしても良い。
動作中に、コントローラ300が、たとえば、エレクトロニクス・モジュール104(図1)から、1または複数のモニタリング装置(図示せず)(たとえば電流センサ、電圧センサなど)によってモニタされた回路上での一次アーク・フラッシュの検出を示す信号を受信する。検出に応答して、コントローラ300は、プラズマ・ガン282にアブレーション・プラズマのプルームを放出させる。具体的には、プラズマ・ガン282は、プラズマを、アーク光源電極216(図4)間に画定された間隙284内に放出する。プラズマによって、電極216の先端間のインピーダンスが下がり、二次アーク・フラッシュの形成が可能になる。二次アーク・フラッシュから、熱、圧力、光、および/または音などのエネルギーが放出される。
二次アーク・フラッシュによって排気ガスも形成される。排気ガスはショック・シールド206の排気口230を通して送られる。排気ガスはまた、排気マニホールド204の排気口236(図4)を通して、排気マニホールド204と上部カバー202との間に画定された排気経路240(図2)内に送られる。排気ガスは、排気経路240に沿って流れて、排気ポート350を通って第1の方向に送られた後、排気ダクト322を通って第2の方向に送られ、アーク閉じ込め装置200から外へ出て、機器エンクロージャ102内の排気プレナム(図5および6に示さず)内に送られる。
図において各排気ダクト322を、一例として、限定することなく、略三角形の断面を有すると示しているが、各排気ダクト322には、任意の一般的に都合の良い断面を有するパイプ、チューブ、またはチャネルが含まれていても良いと考えられる。同様に、図の実施形態では、一例として、限定することなく、2つの排気ポート350を例示しているが、当然のことながら、任意の数の排気ポートを、説明したように形成しても良く、また排気経路240と流れ連絡する状態で配置しても良い。同様に、図の実施形態では、一例として、限定することなく、2つの排気ダクト322が、対応する排気ポート350に流れ連絡する状態で接続されているのを例示しているが、当然のことながら、任意の数の排気ダクト322を一実施形態において提供しても良い。一実施形態においては、図6に示すように、各排気ダクト322および324が、下部または第1の排気ダクト部分326および上部または第2の排気ダクト部分328(下部排気ダクト部分326に結合されている)を備えている。たとえば、下部排気ダクト部分326は、少なくとも部分的に最上端部332の周辺に沿って延びるへり330を備えている。へり330のサイズは、上部排気ダクト部分328の底端部334内に挿入されるように設定されている。下部排気ダクト部分326は、底端部338の少なくとも一部に沿ってフランジ336を備える。フランジ336は複数の取付用アパーチャ340を備えている。取付用アパーチャ340のサイズは、対応する固定メカニズムを内部に受け取って、上部カバー202に結合するように設定されている。たとえば、下部排気ダクト部分326の各取付用アパーチャ340は、上部カバー202の対応する取付用アパーチャ248および排気マニホールド204の対応する取付用アパーチャと位置が合っている。同様に、上部排気ダクト部分328は最上端部344の少なくとも一部に沿ってフランジ342を備えている。フランジ342は複数の取付用アパーチャ346を備えている。取付用アパーチャ346のサイズは、対応する固定メカニズムを内部に受け取って、上部カバー202に結合するように設定されている。たとえば、上部排気ダクト部分328の各取付用アパーチャ346は、上部カバー202の対応する取付用アパーチャ348と位置が合っている。好ましくは、図5および6に示すように、上部排気ダクト部分328の末端部は、保護メッシュまたはスクリーン347によって構成されていて、排気ダクト322内に物体の望ましくない入力が生じることを防止するようになっている。
図7は、回路保護システム106(図1に示す)とともに用いても良い典型的なラッキング・カセット400の概略斜視図である。ラッキング・カセット400の構成は、アーク閉じ込め装置200(図2〜4に示す)を支持し、回路保護システム106をエンクロージャ102(図1に示す)内の機器ラック(図示せず)内にラック入りさせることを容易にするように設定されている。典型的な実施形態においては、ラッキング・カセット400は、底部表面またはトレイ402、第1の側壁404、および対向する第2の側壁(図示せず)を備えている。背壁406が、第1の側壁404と第2の側壁との間を延びている。また、ラッキング・カセット400は、背壁406から内壁410を通って延びる複数の突出部408を備えている。突出部408は、内壁410に対して移動可能であり、アーク閉じ込め装置200をラッキング・カセット400内に挿入したときに、突出部408が背壁406内に押し戻されて第2の一次コネクタを露出させるようになっている。第1の一次コネクタ312(図5に示す)の構成は、背壁406と内壁408との間に位置する対応する複数の第2の一次コネクタ(図示せず)に結合して、アーク閉じ込め装置200を機器スタック100(図1に示す)の線路電圧に接続するように設定されている。加えて、複数の横材(図7には示さず)がカセット400に結合されていて、排気プレナムの部品を回路保護システム106に結合することを容易にしている。
回路保護システム106が機器ラック内の第1の位置(たとえば試験位置)にラック入りされると、第1の一次コネクタ312が第2の一次コネクタから接続が切られ、第1の二次コネクタ314は第2の二次コネクタに電気的に結合される。具体的には、第2の二次コネクタは背壁406から離れるように前進して、第1の二次コネクタ314への電気的接続を維持する。回路保護システム106が試験位置にラック入りされると、アーク閉じ込め装置200は試験モードになって、デバイス・インターフェースおよび信号制御の試験が可能になる。たとえば、コントローラ300への電力の供給が、アーク・フラッシュ検出部品を試験するためにおよび/または接続モードの間にプラズマ・ガン・コンデンサ・バンクが適切に充電されたか否かを試験するために行なわれる。回路保護システム106が第1の位置にラック入りされると、排気ダクト322および324がエンクロージャ102内の排気プレナムと位置合わせされて、たとえばプラズマ・ガンの試験の間にアーク閉じ込め装置200内で発生する任意の排気ガスをエンクロージャ102から外へ送ることが容易になる。
回路保護システム106が機器ラック内の第2の位置(たとえば接続位置)にラック入りされると、第1の一次コネクタ312が第2の一次コネクタに電気的に結合され、第1の二次コネクタ314は第2の二次コネクタに電気的に結合される。具体的には、突出部408が背壁406内に押し戻されて、接続されている第2の一次コネクタおよび第1の一次コネクタ312を露出させる。回路保護システム106が接続位置にラック入りされると、アーク閉じ込め装置200がアクティブになる。たとえば、コントローラ300への電力の供給が、プラズマ・ガン・コンデンサ・バンク(図示せず)を充電するために行なわれる。プラズマ・ガン・コンデンサ・バンクは、電極216(図4に示す)間で二次アーク・フラッシュを起こすのに用いるプラズマ・ガン(図示せず)に電力を提供するために用いられる。回路保護システム106が第2の位置にラック入りされると、排気ダクト322および324がエンクロージャ102内の排気プレナムと位置合わせされて、アーク閉じ込め装置200内で発生した任意の排気ガスをエンクロージャ102から外へ、たとえばアーク閉じ込め装置200内で二次アーク・フラッシュが形成された後に送ることが容易になる。
回路保護システム106が機器ラック内の第3の位置(たとえば切断位置)にラック入りされると、第1の一次コネクタ312は第2の一次コネクタから接続が切られ、第1の二次コネクタ314は第2の二次コネクタ(図示せず)から接続が切られる。加えて、突出部408が背壁406から離れるように前進して、第2の一次コネクタを内壁410の背後にシールドする。回路保護システム106が切断位置にラック入りされたら、回路保護システム106を機器ラックから取り外して補修および/または交換しても良い。また、位置表示器316は、第1の側壁404に沿って設けられた開閉器412と嵌合する。開閉器412から開閉装置コントローラ(図示せず)に、アーク閉じ込め装置200がラック入りの用意ができていることを示す信号が送信される。回路保護システム106が第3の位置にラック入りされたときに、排気ダクト322および324は、エンクロージャ102内の排気プレナムとは位置は合っていない。
図8は機器エンクロージャ102の平面図であり、図9は機器エンクロージャ102の断面図である。典型的な実施形態においては、エンクロージャ102は、下部コンパートメント108、中央コンパートメント110、および上部コンパートメント112を備えている。中央コンパートメント110には回路保護システム106が収容され、上部コンパートメント112にはエレクトロニクス・モジュール104が収容されている。これはたとえば、電源、ヒューズ、リレー、光センサ、および/または一次アーク・フラッシュを検出するための他の任意の好適な回路構成である。上壁114は、第1の側壁116と第2の側壁118との間を延びている。排気開口部(たとえば通気口)が、上壁114を通って延びて、内部の排気プレナム502に流れ連絡する状態で配置または結合されている。排気プレナム502が、上壁114から下方にエレクトロニクス・モジュール104の背後を延びて、中央コンパートメント110内に入っている。そこでは、排気プレナム502が回路保護システム106に隣接して位置している。エンクロージャ102はまた、下部、中央、および上部コンパートメント108、110、および112の背後に配置された後方コンパートメント504を備えている。回路保護システム106では、複数の導体506が、後方コンパートメント504内の第1の一次コネクタ312を介して結合されている。
図10は機器エンクロージャ102の斜視図であり、図11は機器エンクロージャ102の排気管理部分の部分分解図であり、図12は機器エンクロージャ102の排気管理部分の概略図である。図10に示すように、第1の障壁508および第2の障壁510がそれぞれ、回路保護システム106に結合されている。より具体的には、第1の横材512(図12に示す)がカセット400に結合されている。第1の障壁508は、第1の横材512に結合されて、排気プレナム502を回路保護システム106に対して位置決め、および/または排気プレナム502を回路保護システム106と流れ連絡する状態で結合している。第1の障壁508によって、たとえば、排気ガスおよび/または汚染物質が後方コンパートメント504内に流れ出ることが防止されている。同様に、第2の横材514(図12に示す)がカセット400に結合されている。第2の障壁510は、第2の横材514に結合されて、排気プレナム502を回路保護システム106に対して位置決め、および/または排気プレナム502を回路保護システム106と流れ連絡する状態で結合している。第2の障壁510によって、排気ガスまたは他の汚染物質がコントローラ300(図5および6に示す)に接触することが防止されている。典型的な実施形態においては、排気プレナム502は、第1の障壁508、第2の障壁510、第1の側壁116、および第2の側壁118の間に画定されている。
また、第1の障壁508は、第1の部分516、第2の部分518、および第3の部分520を備えている。第1の部分516は、底端部522から実質的に垂直方向に、上壁114に結合する対向する最上端部52まで延びている。第2の部分518は、底端部526および対向する最上端部528を備えている。最上端部528は、底端部522にある角度をなして結合して、排気ガスを回路保護システム106から離れるように上方に排気プレナム502を通して送ることを容易にしている。第3の部分520はまた、第1の横材512に結合する底端部530と、底端部526に結合する対向する最上端部532と、を備えている。同様に、第2の障壁510は、第1の部分534および第2の部分536を備えている。第1の部分534は、底端部538から実質的に垂直方向に、上壁114に結合する対向する最上端部540まで延びている。第2の部分536は、底端部542および対向する最上端部544を備えている。最上端部544は、底端部538にある角度をなして結合していて、排気ガスを回路保護システム106から離れるように上方に排気プレナム502を通して送ることを容易にしている。また、底端部542は第2の横材514に結合している。典型的な実施形態においては、第3の障壁546は底端部542に結合されている。より具体的には、第3の障壁546は、第2の障壁510の前面548に底端部542において結合されている。第3の障壁546は、第1の部分534に実質的に垂直に配向されている。また、第1の部分534および第3の障壁546によって上部コンパートメント112が画定されている。加えて、第1の部分534および第3の障壁546によって、エレクトロニクス・モジュール104(図1に示す)が排気ガスからシールドされている。
図13は、機器エンクロージャ102の上壁114の側面図である。ワイヤ・チャネル550が、少なくとも部分的に第1の側壁116と第2の側壁118(両方とも図1に示す)との間の上壁114を渡って延びている。ワイヤ・チャネル550によって、ケーブル布線をエンクロージャ102内にまたはそこから外に配線することが可能にする。また、蓋552が、上壁114に結合(たとえば1または複数のヒンジを用いて移動可能に結合)されている。蓋552は、少なくとも部分的に第1の側壁116と第2の側壁118との間の上壁114を渡って延びている。蓋552は、排気プレナム502(図10および11に示す)を少なくとも部分的に覆うように配向されている。また、複数のスペーサ554が上壁114に結合されている。スペーサ554によって、排気プレナム502の最上端部において蓋552と通気口(図示せず)との間の間隙556が画定されている。回路保護システム106(図1に示す)内の二次アーク・フラッシュによって発生した排気ガスが、回路保護システム106から排気プレナム502を通って放出されて、通気口(図示せず)を通ってエンクロージャ102を出る。回路保護システム106によって発生した二次アーク・フラッシュの中には、蓋552を持ち上げるのに十分な力で排気ガスを通気口を通して放出するのに十分な圧力を発生させないものがある場合がある。したがって、間隙556によって、排気ガスが排気プレナム502から逃げることが可能になる。また、蓋552によって、汚染物質がエンクロージャ102および/または回路保護システム106に排気プレナム502を介して入ることが防止される。
電子機器スタック100(図1に示す)を組み立てる典型的な方法は、第1の障壁508(図10〜12に示す)を第1の横材512(図12に示す)に結合することと、第2の障壁510(図10〜12に示す)を第2の横材514(図12に示す)に結合して、第1の障壁508および第2の障壁510によって排気プレナム502(図10および11に示す)が画定されるようにすることと、を含む。典型的な実施形態においては、排気プレナム502を、第1および第2の排気ダクト322および324(図5および6に示す)に流れ連絡する状態で結合して、エンクロージャ102(図1に示す)から外へ排気ガスを送る。また、本方法は、第1の側壁116(図1に示す)を第1の障壁508および第2の障壁510に結合することと、第2の側壁118(図1に示す)を第1の障壁508および第2の障壁510に結合して、第1の障壁508、第2の障壁510、第1の側壁116、および第2の側壁118によって排気プレナム502が画定されるようにすることと、を含む。
第3の障壁546(図11および12に示す)を次に、第2の障壁510の前面548(図11に示す)に結合する。第3の障壁546を、第2の障壁510に、より具体的には第1の部分534(図11に示す)に、実質的に垂直に配向して、第2の障壁510および第3の障壁546によって上部コンパートメント112(図1に示す)が画定されるようにする。また、第2の障壁510および第3の障壁546によって、上部コンパートメント112が、回路保護システム106によって放出される排気ガスからシールドされる。より具体的には、第2の障壁510および第3の障壁546によって、エレクトロニクス・モジュール104(図1に示す)が排気ガスからシールドされる。
さらに、上壁114(図1に示す)を、第1の障壁508および第2の障壁510に結合する。通気口(図示せず)が上壁114を通って延び、この通気口を排気プレナム502に流れ連絡する状態で結合して、排気ガスがエンクロージャ102から出ることができるようにする。蓋552(図13に示す)を、上壁114に移動可能に結合する。また、蓋552を、通気口の少なくとも一部を覆うように配向する。
以上、配電機器を保護するためのデバイス内で用いる装置の典型的な実施形態について詳細に述べている。システム、方法、および装置は、本明細書で説明した特定の実施形態には限定されず、むしろ、方法の動作ならびに/またはシステムおよび/もしくは装置の構成要素は、本明細書で説明した他の動作および/または構成要素から独立および別個に用いても良い。さらに、説明した動作および/または構成要素を、他のシステム、方法、および/または装置において規定しても良いし、またはこれらと組み合わせて用いても良く、本明細書で説明したようなシステム、方法、および記憶媒体のみを用いて実行することに限定されない。
本発明を典型的な回路保護環境と関連して説明しているが、本発明の実施形態は、多数の他の汎用または専用の回路保護環境または構成とともに動作可能である。回路保護環境は、本発明の任意の態様の用途または機能の範囲について何ら限定を示唆することは意図されていない。また、回路保護環境は、典型的な動作環境において例示した部品の任意の一つまたは組み合わせに関する任意の依存関係または要求を有するものと解釈すべきではない。
特に指示がない限り、本明細書で例示および説明した本発明の実施形態における動作の実行または実施の順序は本質的ではない。すなわち、動作は、特に指示がない限り、任意の順序で実施しても良く、また本発明の実施形態には、さらなる動作または本明細書で開示したものよりも少ない動作が含まれていても良い。たとえば、特定の動作を、別の動作の前に、同時に、または後に実行または実施することは、本発明の態様の範囲内であると考えられる。
本発明の態様またはその実施形態の要素を導入するとき、冠詞「a」「an」「the」および「前記(said)」は、要素のうちの1または複数が存在していることを意味することが意図されている。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、包含的であることが意図されており、列記した要素以外のさらなる要素が存在していても良いことを意味している。
この書面の説明では、実施例を用いて、本発明を、ベスト・モードも含めて開示するとともに、どんな当業者も本発明を実施できるように、たとえば任意のデバイスまたはシステムを作りおよび用いること、ならびに取り入れた任意の方法を実行することができるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、請求項によって定められるとともに、当業者に想起される他の実施例を含んでいても良い。このような他の実施例は、請求項の文字通りの言葉使いと違わない構造要素を有する場合、または請求項の文字通りの言葉使いとの違いが非実質的である均等な構造要素を含む場合には、請求項の範囲内であることが意図されている。