JP2012143072A - バッテリパック - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、充電装置の種類に応じて、保護回路が充電を停止させる保護電圧を設定するようにすることを目的とする。
【解決手段】充電装置に装着可能なバッテリパックは、前記充電装置からの電圧が前記バッテリパックに含まれる電池セルに供給されるように前記充電装置と前記電池セルとを接続し、前記充電装置からの電圧が前記電池セルに供給されないように前記充電装置と前記電池セルとの接続を切断する保護手段と、前記充電装置から前記電池セルに供給される電圧が所定の電圧よりも高い場合、前記充電装置と前記電池セルとが接続しないように前記保護手段を制御する制御手段と、前記充電装置から前記バッテリパックが受信したコマンドに応じて、前記所定の電圧を設定する設定手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、充電装置に装着可能なバッテリパックに関する。
従来、ビデオカメラや携帯電話等の電源として、繰り返し充電が可能な二次電池が使われている。近年では、これらの電子機器の小型化が進む一方、液晶パネルなどの大型化によって、より大容量で小型の電池が要望されている。そのため、このような電子機器の電源として、エネルギー密度が高く、かつ軽量なリチウムイオン電池が用いられている。さらに、電子機器において、複数の電池セルを直列に接続したリチウムイオン電池(セルパック)を用いるものがある。
このようなリチウムイオン電池を用いたバッテリパックと、バッテリパックを充電する充電装置とを有する充電システムにおいて、充電装置によってバッテリパックが充電される場合、リチウムイオン電池の電池セルに高い電圧が加えられてしまう場合があった。電池セルに高い電圧が加わる場合、各電池セルの性能の劣化や充電の安全性を損失する恐れがあった。これを防止するために、バッテリパックには、充電装置から各電池セルに加わる電圧が一定の電圧を超えた場合に、充電装置から供給される充電のための電源が電池セルに供給されないように電池セルを保護するための保護回路が設けられている。バッテリパックは、充電装置から各電池セルに供給される電圧を検出し、いずれか一つの電池セルに供給される電圧が所定の電圧を超えた場合、電池セルに充電装置からの電源供給が行われないように保護回路を動作させる。
また、リチウムイオン電池を充電する際、各電池セルに供給される電池セルの電圧が所定の電圧に上昇するまで定電流で充電した後、各電池セルに供給される電圧が所定の電圧を超えないように定電圧で充電する充電装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−150721号公報
バッテリパックは、各電池セルの電圧が所定の電圧V1を超えた場合、保護回路を動作させることにより、充電装置から供給される充電のための電源が電池セルに供給されないように制御していた。また、この場合、充電装置は、バッテリパックの各電池セルの電圧が所定の電圧V2を超えた場合、バッテリパックに電源供給を行わないようにバッテリパックへの充電を停止させていた。所定の電圧V1は、バッテリパックの種類に応じて異なる電圧であり、所定の電圧V2は、充電装置の種類に応じて異なる電圧である。
このため、所定の電圧V1が所定の電圧V2よりも低い場合、バッテリパックは、各電池セルの電圧が所定の電圧V2を超えていない場合でも、所定の電圧V1を超えた場合、保護回路により充電装置から供給される電源を電池セルに供給しないようにしていた。
このような場合、充電装置は、バッテリパックの電池セルの電圧が所定の電圧V2を超えるまでバッテリパックの充電を行えるにもかかわらず、バッテリパックによって、電池セルに充電装置からの電源供給が行われないように保護回路が動作してしまう。このため、充電装置は、バッテリパックを充電するための電流や電圧を制御できなくなったり、バッテリパックに対して誤動作を行う場合やバッテリパックの充電に関して誤表示を行う場合があった。
このような事態を防ぐため、バッテリパックの保護回路を適切に制御する必要があった。
そこで、本発明は、充電装置の種類に応じて、保護回路を制御するための電圧を設定することを目的とする。
本発明に係るバッテリパックは、充電装置に装着可能なバッテリパックであって、前記充電装置からの電圧が前記バッテリパックに含まれる電池セルに供給されるように前記充電装置と前記電池セルとを接続し、前記充電装置からの電圧が前記電池セルに供給されないように前記充電装置と前記電池セルとの接続を切断する保護手段と、前記充電装置から前記電池セルに供給される電圧が所定の電圧よりも高い場合、前記充電装置と前記電池セルとが接続しないように前記保護手段を制御する制御手段と、前記充電装置から前記バッテリパックが受信したコマンドに応じて、前記所定の電圧を設定する設定手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、充電装置の種類に応じて、保護回路を制御するための電圧を設定することができる。
本発明の実施例1に係る充電システムの一例を示す図である。 本発明の実施例1に係るバッテリパックに記録されている過充電保護電圧テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施例1に係るバッテリパックで行われる設定処理を示すフローチャートである。
[実施例1]
まず、実施例1に係る充電システムについて、図1を用いて説明する。実施例1に係る充電システムは、バッテリパック100と、充電装置200とを有する。バッテリパック100は、充電装置200に装着可能である。
<バッテリパック100>
バッテリパック100は、マイコン101、電池セル102、電池セル103、保護回路104、サーミスタ105及びメモリ106を有する。バッテリパック100は充電装置200に接続するための複数の接続端子を有しており、バッテリパック100の各接続端子と、充電装置200の各接続端子とが接続されることによって、バッテリパック100は充電装置200に装着される。
マイコン101は、バッテリパック100の各部を制御する。また、マイコン101は、メモリ106を有しており、メモリ106には、バッテリパック100の各部の動作を制御するコンピュータプログラム及び各部の動作に関するパラメータ等の情報が記憶されている。また、メモリ106は、図2に示す過充電保護電圧テーブルを記憶している。なお、過充電保護電圧テーブルについては後述する。バッテリパック100が充電装置200に装着される場合、バッテリパック100のマイコン101と、充電装置200の制御部203とは、バッテリパック100の接続端子と充電装置200の接続端子とを介して情報のやり取りを行う。また、マイコン101は、電池セル102に供給される電圧を検出することができ、電池セル103に供給される電圧を検出することができる。また、マイコン101は、検出した電池セル102に供給される電圧と、検出した電池セル103に供給される電圧とに応じて、バッテリパック100の充電を行うか、バッテリパック100の充電を停止するかを制御する。
また、マイコン101は、サーミスタ105から供給されるバッテリパック100の温度を示す情報に応じて、バッテリパック100の充電を行うか、バッテリパック100の充電を停止するかを制御する。
電池セル102及び電池セル103は、リチウムイオン電池等の充電や放電が可能な二次電池セルである。電池セル102及び電池セル103は図1に示すように2つ直列に接続されている。なお、バッテリパック100に内包されている電池セルの個数は、電池セル102と電池セル103とのように2個の電池セルに限定されるものではなく、1個の電池セルであってもよく、3個以上の電池セルを直列に接続したものであってもよいものとする。
また、電池セル102及び電池セル103はリチウムイオン電池等の非水溶媒系二次電池やニッケル−カドミウム(Ni−Cd)電池、ニッケル水素(Ni−H)電池、リチウム電池等の二次電池セルであってもよい。
充電装置200にバッテリパック100が装着され、充電が開始される場合、バッテリパック100内の電池セル102及び電池セル103は定電流定電圧方式によって充電される。
保護回路104はFET(Field Effect Transistor)等によって構成された回路であり、保護回路104の一端は電池セル102と接続され、他の一端はバッテリパック100の接続端子に接続されている。
バッテリパック100が充電装置200に装着されている場合、保護回路104の一端は電池セル102と接続され、他の一端は充電装置200に接続される。保護回路104はバッテリパック100が充電装置200に装着されている場合、電池セル102と充電装置200とを接続したり、電池セル102と充電装置200とを切断したりする。
バッテリパック100が充電装置200に装着されている場合、マイコン101によって、電池セル102及び電池セル103の少なくとも一方の電圧が所定の電圧V1を超えたと判定されたとき、マイコン101は、保護回路104をオフにするように制御する。マイコン101によってオフになるように制御された保護回路104は、電池セル102と充電装置200との接続を切断するように動作する。これによって、バッテリパック100は充電装置200からの電源供給を受け付けないので、充電装置200からバッテリパック100の電池セル102及び電池セル103に供給される充電のための充電電流は、電池セル102及び電池セル103に流れなくなる。
これによって、充電装置200からのバッテリパック100への電源供給は停止されるので、電池セル102及び電池セル103に過電流が流れることを防ぐことができる。
また、バッテリパック100が充電装置200に装着されている場合に、マイコン101によって、電池セル102及び電池セル103の両方の電圧が所定の電圧以下(電圧V1以下)であると判定されたとき、マイコン101は、保護回路104をオンにするように制御する。マイコン101によってオンになるように制御された保護回路104は、電池セル102と充電装置200とを接続するように動作する。これによって、バッテリパック100は充電装置200からの電源供給によって充電を行うため、充電装置200から供給される充電電流が電池セル102及び電池セル103に流れるようになる。
保護回路104をオンにしたり、オフにするように制御するための所定の電圧V1を、以下「過充電保護電圧」と呼ぶ。なお、過充電保護電圧の値はあらかじめメモリ106に記録されるものとする。マイコン101は、メモリ106に記録されている過充電保護電圧の値と、電池セル102に供給される電圧及び電池セル103に供給される電圧とを比較することで、保護回路104をオンにするように制御するか、オフにするように制御するかを判定する。
サーミスタ105は、バッテリパック100の温度を検出する。サーミスタ105によって検出されたバッテリパック100の温度を示す情報は、マイコン101に供給され、バッテリパック100の接続端子及び充電装置200の接続端子を介して充電装置200の制御部203に供給される。
バッテリパック100は、充電装置200に装着されている場合、バッテリパック100はバッテリパック100の接続端子及び充電装置200の接続端子を介して充電装置200から通信コマンドを受信することができる。この場合、マイコン101は、充電装置200から受信した通信コマンドに応じて、バッテリパック100全体を制御する。なお、通信コマンドとは、バッテリパック100と充電装置200とが通信を行う際に使用される情報である。
<充電装置200>
充電装置200は、AC入力部201、AC/DCコンバータ202、制御部203、電流制御部204、電流検出部205及び表示部206を有する。充電装置200はバッテリパック100が装着された場合、バッテリパック100に対して定電流定電圧方式によって充電を行う。なお、充電装置200は、バッテリパック100を充電するための機能を持つ電子機器であればよく、バッテリパック100を充電するための機能を持つデジタルスチルカメラやビデオカメラ等の電子機器であってもよいものとする。
充電装置200は、バッテリパック100と接続するための複数の接続端子を有しており、バッテリパック100の各接続端子と、充電装置200の各接続端子とが接続されることによって、バッテリパック100は充電装置200に装着される。
AC入力部201は、商用交流電源に接続され、供給された商用交流電源の電力を整流し、充電装置200に適する電力に変換する。
AC/DCコンバータ202はAC入力部201から供給される電力を制限し、バッテリパック100を充電するための電力を発生させる。また、AC/DCコンバータ202は、制御部203による制御に応じて、電池セル102及び電池セル103を充電するための充電電流及び充電電圧をバッテリパック100に供給する。なお、充電電流は、AC/DCコンバータ202からバッテリパック100に供給される一定の電流である。また、充電電圧は、AC/DCコンバータ202からバッテリパック100に供給される一定の電圧である。
制御部203は、充電装置200の各部を制御する。また、制御部203は、バッテリパック100が充電装置200に装着されている場合、バッテリパック100の接続端子と、充電装置200の接続端子とを介して、バッテリパック100のマイコン101と通信を行うことができる。また、制御部203は、定電流定電圧方式でバッテリパック100の充電を行うようにAC/DCコンバータ202を制御する。なお、制御部203は、サーミスタ105から供給されるバッテリパック100の温度を示す情報に応じて、バッテリパック100の温度が異常であるか否かを判定する。制御部203によって、バッテリパック100の温度が異常であると判定された場合、制御部203は、バッテリパック100への充電を停止する。制御部203によって、バッテリパック100の温度が異常であると判定されていない場合、制御部203は、バッテリパック100への充電を停止しないようにする。
また、制御部203は、電池セル102に供給される電圧及び電池セル103に供給される電圧を各々検出することができる。制御部203によって、電池セル102及び電池セル103のうち少なくとも一方の電圧が所定の電圧V2を超えたと判定されたとき、制御部203は、バッテリパック100への充電を停止するようにAC/DCコンバータ202を制御する。この場合、充電装置200からバッテリパック100への電源供給は停止される。
また、制御部203によって、電池セル102及び電池セル103の両方の電圧が所定の電圧V2以下であると判定されたとき、制御部203は、バッテリパック100への充電を行うようにAC/DCコンバータ202を制御する。この場合、充電装置200からバッテリパック100への電源供給は停止されない。
充電装置200がバッテリパック100への充電を行ったり、バッテリパック100への充電を停止したりするように制御するための所定の電圧V2を、以下「充電制御電圧」と呼ぶ。
電流制御部204は、制御部203からの指示に応じて、バッテリパック100に供給する充電電流を制御する。
電流検出部205は、バッテリパック100が充電装置200に装着されている場合、バッテリパック100の電池セル102及び電池セル103に流れる電流を検出する。電流検出部205によって検出された電流の値は、電流検出部205から制御部203に通知される。制御部203は電流検出部205から通知された電流値に基づいて、電流制御部204がバッテリパック100に供給する充電電流を制御する。
表示部206はLEDやLCD等の表示器を含み、制御部203の指示に応じて、バッテリパック100の充電状態を表示する。また、バッテリパック100の充電状態以外に充電電流の値や充電電圧の値等の情報や所定のアイコンを表示しても良い。また、バッテリパック100が充電装置200に装着されている場合、充電装置200は、バッテリパック100を制御するための通信コマンドを充電装置200の接続端子及びバッテリパック100の接続端子を介してバッテリパック100に送信できる。
実施例1において、バッテリパック100及び充電装置200は、バッテリパック100の接続端子及び充電装置200の接続端子を介して通信コマンドや情報のやり取りを行うようにした。しかし、これに限定されることなく、バッテリパック100及び充電装置200は、例えば、RFIDや無線LAN等の無線通信方式によって、通信コマンドや情報のやり取りを行うようにしてもよいものとする。
次に、バッテリパック100のメモリ106に記録されている過充電保護電圧テーブルについて説明する。図2に示される過充電保護電圧テーブルにおける「通信コマンド」とは、バッテリパック100と充電装置200とが通信を行う際に用いられる通信コマンドを示す情報である。「通信コマンド」は、例えば、図2に示される「A1」、「B1」及び「C1」等のコマンドである。
また、図2に示される過充電保護電圧テーブルにおける「充電装置の種類」とは、各通信コマンドに対応する充電装置の種類を示す情報である。「充電装置の種類」は、例えば、図2に示される「Type A」、「Type B」及び「Type C」等であって、通信コマンド「A1」、「B1」及び「C1」の各々と対応づけられている。
また、図2に示される過充電保護電圧テーブルにおける「過充電保護電圧」とは、各充電装置の種類に対して、マイコン101が保護回路104をオンにするように制御したり、オフにするように制御したりするための閾値となる電圧を示す情報である。「過充電保護電圧」は、例えば、図2に示される「4.230V」、「4.250V」及び「4.300V」等である。過充電保護電圧テーブルにおける過充電保護電圧は、充電装置200から電池セル一つ当たりに供給される最大の充電電圧を示す。なお、図2に示す過充電保護電圧テーブルにおいて、「通信コマンド」、「充電装置の種類」及び「過充電保護電圧」は、各々が関連付けられているものとする。このような過充電保護電圧テーブルはあらかじめ、メモリ106に記録されているものとする。なお、充電装置の種類と関連付けられている過充電保護電圧は、バッテリパック100が充電装置から取得したものであってもよく、バッテリパック100が充電装置から取得した情報から算出されるものであってもよい。また、充電装置の種類と関連付けられている過充電保護電圧は、充電装置の充電制御電圧に応じて設定される電圧に応じて設定されるものとする。充電装置の種類と関連付けられている過充電保護電圧は、充電装置が充電中に、保護回路104が電池セル102と充電装置200との接続を切断したとしても、過充電保護電圧に対応する充電装置が誤動作や誤表示を行わないように設定されるものである。
マイコン101は、通信コマンドを充電装置200から受信した場合、受信した通信コマンドと、図2のような過充電保護電圧テーブルとに応じて充電装置200の種類を判定する。また、マイコン101は、充電装置200の種類を判定した場合、マイコン101が判定した充電装置200の種類に対応する過充電保護電圧を過充電保護電圧テーブルから読み出して、保護回路104をオンにするか、オフにするかを制御するために設定する。
バッテリパック100によって行われる設定処理について、図3のフローチャートを用いて説明を行う。図3に示す設定処理は、バッテリパック100が充電装置200に装着されている場合であって、バッテリパック100の動作モードが充電を開始するモードになった場合、バッテリパック100によって保過充電保護電圧を設定するために行われる処理である。
S101において、マイコン101は、バッテリパック100が充電装置200に装着されていることを確認する。マイコン101によって、バッテリパック100が充電装置200に装着されていると判定された場合(S101でYES)、本フローチャートはS101からS102に進む。マイコン101によって、バッテリパック100が充電装置200に装着されていないと判定された場合(S101でNO)、本フローチャートは終了する。
S102において、マイコン101は、充電を行うために必要な情報を取得するために、充電装置200と通信を行う。この場合、本フローチャートは、S102からS103に進む。充電を行うために必要な情報には、バッテリパック100と充電装置200とが通信の認証を行うための情報が含まれる。また、充電を行うために必要な情報は、充電装置200がバッテリパック100に供給する充電電流を示す情報及び充電装置200がバッテリパック100に供給する充電電圧を示す情報と、充電装置200の充電におけるマージンを示す情報等が含まれる。例えば、充電装置200がバッテリパック100に供給する充電電流を示す情報とは、充電装置200がバッテリパック100に供給する最大の充電電流を示す情報及び充電装置200がバッテリパック100に供給する最小の充電電流を示す情報等である。また、例えば、充電装置200がバッテリパック100に供給する充電電圧を示す情報とは、充電装置200がバッテリパック100に供給する最大の充電電圧を示す情報及び充電装置200がバッテリパック100に供給する最小の充電電圧を示す情報等である。
S103において、マイコン101は、充電装置200から通信コマンドを受信したか否かを判定する。マイコン101によって、充電装置200から通信コマンドを受信していないと判定された場合(S103でNO)、本フローチャートは、S103からS104に進む。なお、充電装置200からの通信コマンドの受信に失敗した場合も、マイコン101によって、充電装置200から通信コマンドを受信しなかったと判定された場合(S103でNO)と同様に、本フローチャートは、S103からS104に進むものとする。
マイコン101によって、充電装置200から通信コマンドを受信したと判定された場合(S103でYES)、本フローチャートは、S103からS105に進む。
S104において、マイコン101は、保護回路104を制御するための過充電保護電圧を、あらかじめメモリ106に記録されている第1の電圧に設定する。なお、第1の電圧とは、例えば「4.230V」である。この場合、マイコン101によって電池セル102及び電池セル103のうち少なくとも一方の電圧が第1の電圧「4.230V」を超えたと判定されたとき、マイコン101は、保護回路104をオフにするようにする。また、マイコン101によって電池セル102及び電池セル103の両方の電圧が第1の電圧「4.230V」以下であると判定されたとき、マイコン101は保護回路104をオンにするようにする。
マイコン101によって、保護回路104を制御するための過充電保護電圧が「第1の電圧」に設定された場合、本フローチャートは終了する。なお、保護回路104の過充電保護電圧が「第1の電圧」に設定された場合、マイコン101は、保護回路104の過充電保護電圧が「第1の電圧」に設定されていることを示す情報をメモリ106に記録する。
S105において、マイコン101は、S103において充電装置200から受信された通信コマンドと、メモリ106に記録されている過充電保護電圧テーブルとに応じて、充電装置200の種類を判定できるか否かを判定する。
マイコン101は、S103において受信された通信コマンドが過充電保護電圧テーブルに記録されている通信コマンドのいずれかに対応しているか否かを判定することによってS105の処理を行う。マイコン101は、S103で受信された通信コマンドが過充電保護電圧テーブルに記録されていないと判定した場合、S103で受信された通信コマンドと、過充電保護電圧テーブルとに応じて、充電装置200の種類を判定できないと判定する(S105でNO)。この場合(S105でNO)、本フローチャートはS105からS104に進む。
マイコン101は、S103で受信された通信コマンドが過充電保護電圧テーブルに記録されていると判定した場合、S103で受信された通信コマンドと、過充電保護電圧テーブルとに応じて、充電装置200の種類を判定できると判定する(S105でYES)。この場合(S105でYES)、本フローチャートはS105からS106に進む。
S106において、マイコン101は、S103でバッテリパック100が充電装置200から受信した通信コマンドと、メモリ106に記録されている過充電保護電圧テーブルとに応じて、充電装置200の種類を判定する。さらに、マイコン101は、充電装置200の種類から充電装置200に対応する過充電保護電圧を判定する。例えば、S103において、バッテリパック100が充電装置200から受信した通信コマンドが「B1」である場合、マイコン101は、充電装置200の種類が「Type B」であると判定し、過充電保護電圧が「4.250V」であると判定する。
また、例えば、S103において、バッテリパック100が充電装置200から受信した通信コマンドが「A1」である場合、マイコン101は、充電装置200の種類が「Type A」であると判定し、過充電保護電圧が「4.230V」であると判定する。
また、例えば、S103において、バッテリパック100が充電装置200から受信した通信コマンドが「C1」である場合、マイコン101は、充電装置200の種類が「Type C」であると判定し、過充電保護電圧が「4.300V」であると判定する。
マイコン101によって、充電装置200に対応する過充電保護電圧が判定された場合、本フローチャートは、S106からS107に進む。
S107において、マイコン101は、S106において判定された充電装置200に対応する過充電保護電圧が、メモリ106に記録されている第1の電圧「4.230V」と一致するか否かを判定する。マイコン101によって、S106において判定された充電装置200に対応する過充電保護電圧が、第1の電圧「4.230V」と一致すると判定された場合(S107でYES)、本フローチャートはS107からS104に進む。
マイコン101によって、S106において判定された充電装置200に対応する過充電保護電圧が、第1の電圧「4.230V」と一致しないと判定された場合(S107でNO)、本フローチャートはS107からS108に進む。
S108において、マイコン101は、充電装置200から電池セル102に供給されている電圧と、充電装置200から電池セル103に供給されている電圧とを測定し、電池セル102と電池セル103との間のセルバランスを検出する。マイコン101は、測定した電池セル102に供給されている電圧と、測定した電池セル103に供給されている電圧との差分から、電池セル102と電池セル103との間のセルバランスを検出する。なお、セルバランスとは、電池セル102と、電池セル103との電位差である。
なお、マイコン101は、S107で検出したセルバランスをメモリ106に記録する。電池セル102と電池セル103との間のセルバランスがメモリ106に記録された場合、本フローチャートはS108からS109に進む。
S109において、マイコン101は、保護回路104を制御するための過充電保護電圧を、第2の電圧に設定する。
なお、第2の電圧の算出方法については、以下に説明を行う。マイコン101は、以下に示す(1)の式に応じて、第2の電圧を算出する。
第2の電圧=(最大充電電圧÷2)+(セルバランス÷2)+マージン(1)
最大充電電圧は、S102において、バッテリパック100が充電装置200から取得した充電装置200がバッテリパック100に供給する最大の充電電圧を示す情報から得られる情報である。また、最大充電電圧は、各充電装置の種類ごとに異なる。
セルバランスは、S108において、マイコン101が検出した電池セル102と、電池セル103とのセルバランスである。
マージンは、S102において、バッテリパック100が充電装置200から取得した充電におけるマージンを示す情報から得られた情報である。また、マージンは、各充電装置の種類ごとに異なる。
以下、マイコン101が第2の電圧を算出する一例について説明を行う。
例えば、最大充電電圧を「8.450V」とし、セルバランスを「0.02V」とし、マージンを「0.015V」とする。
これらの値を(1)の式に当てはめた場合、第2の電圧は、「4.250V」となる。
この場合、マイコン101は、保護回路104を制御するための過充電保護電圧を第2の電圧「4.250V」に設定する。このため、マイコン101によって電池セル102及び電池セル103のうち少なくとも一方の電圧が第2の電圧「4.250V」を超えたと判定されたとき、マイコン101は、保護回路104をオフにするように制御する。また、マイコン101によって電池セル102及び電池セル103の両方の電圧が第2の電圧「4.250V」以下であると判定されたとき、マイコン101は保護回路104をオンにするように制御する。この場合、本フローチャートは、終了する。なお、保護回路104の過充電保護電圧が「第2の電圧」に設定された場合、マイコン101は、保護回路104の過充電保護電圧が「第2の電圧」に設定されていることを示す情報をメモリ106に記録する。
なお、(1)の式は、電池セルが2個の場合を例として挙げたものであるので、バッテリパック100に3個以上の電池セルがある場合、マイコン101は、(1)の式と異なる式に応じて、第2の電圧を算出するものとする。
なお、充電を行っている間、保護回路104を制御するための過充電保護電圧を「固定値」に設定する場合、マイコン101は、S109の第2の電圧を算出する際におけるセルバランスの値を、余裕を持った値にすることが必要となる。例えば、保護回路104を制御するための過充電保護電圧を「固定値」に設定する場合、S109において、マイコン101は、セルバランスを「0.12V」とする。この場合に、最大充電電圧を「8.450V」とし、セルバランスを「0.02V」とし、マージンを「0.015V」とすると、マイコン101は、保護回路104の過充電保護電圧を、第2の電圧「4.300V」に設定するようにする。これにより、S109において、マイコン101は、電池セル102と電池セル103との間のセルバランスに応じて、適切な過充電保護電圧を設定することができるため、電池セル102及び電池セル103の安全性を高めることができる。
このように、実施例1に係るバッテリパック100は、充電装置200から受信した通信コマンドに応じて、保護回路104をオフにするための閾値となる過充電保護電圧を変更することができる。
このことにより、バッテリパック100は、充電装置200からの電源供給が電池セル102及び電池セル103に行われないように保護回路104を動作させた場合であっても、充電装置200に誤動作や誤表示を行わせないようにすることができる。したがって、バッテリパック100は、保護回路104の過充電保護電圧を充電装置200の種類に応じて適切に設定することができる。
さらに、バッテリパック100は、電池セル102及び電池セル103が過充電されないように電池セル102及び電池セル103を充電装置200の種類に応じて、電池セル102及び電池セル103を保護することができる。
なお、マイコン101は、S108及びS109の処理に応じて第2の電圧をバッテリパック100において算出するようにした。しかし、これに限られることなく、マイコン101は、S106において判別された充電器の種類に対応する過充電保護電圧をメモリ106の過充電保護電圧テーブルから読み出して、第2の電圧として設定するようにしてもよい。
この場合、例えば、S106で、充電装置200の種類が「Type B」であると判定された場合、S109において、マイコン101は、保護回路104を制御するための過充電保護電圧を「Type B」に対応する第2の電圧「4.250V」に設定する。この場合、マイコン101は、S108の処理及びS109における第2の電圧の算出のための処理を行う必要はない。なお、S109における第2の電圧は、マイコン101によって(1)の式を用いて算出された過充電保護電圧ではなく、充電装置200の種類に対応する過充電保護電圧であるものとする。
また、例えば、S106で、充電装置200の種類が「Type A」であると判定された場合、S109において、マイコン101は、保護回路104を制御するための過充電保護電圧を、「Type A」に対応する第2の電圧「4.230V」に設定する。
また、例えば、S106で、充電装置200の種類が「Type C」であると判定された場合、S109において、マイコン101は、保護回路の動作を制御するための過充電保護電圧を、「Type C」に対応する過充電保護電圧「4.300V」に設定する。
また、マイコン101は、第1の電圧とは別に、充電装置200にあらかじめ記録されている過充電保護電圧を第2の電圧として設定するようにしてもよい。
(他の実施例)
本発明に係るバッテリパック100は、実施例1で説明したバッテリパック100に限定されるものではない。また、本発明に係る充電装置200も実施例1で説明した充電装置200に限定されるものではない。例えば、本発明に係るバッテリパック100及び充電装置200は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
また、実施例1で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、実施例1で説明した様々な機能を実現することになる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。
100:バッテリパック、 101:マイコン、 102,103:電池セル、104:保護回路、105:サーミスタ、106:メモリ 200:充電装置

Claims (6)

  1. 充電装置に装着可能なバッテリパックであって、
    前記充電装置からの電圧が前記バッテリパックに含まれる電池セルに供給されるように前記充電装置と前記電池セルとを接続し、前記充電装置からの電圧が前記電池セルに供給されないように前記充電装置と前記電池セルとの接続を切断する保護手段と、
    前記充電装置から前記電池セルに供給される電圧が所定の電圧よりも高い場合、前記充電装置と前記電池セルとが接続しないように前記保護手段を制御する制御手段と、
    前記充電装置から前記バッテリパックが受信したコマンドに応じて、前記所定の電圧を設定する設定手段とを有することを特徴とするバッテリパック。
  2. 前記充電装置からコマンドを受信していない場合、前記設定手段は、前記所定の電圧が第1の電圧になるように前記所定の電圧を設定し、
    前記充電装置からコマンドを受信した場合、前記設定手段は、前記コマンドに応じて、前記所定の電圧が第2の電圧になるように前記所定の電圧を設定し、
    前記第2の電圧は、前記充電装置の種類に対応する電圧であることを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
  3. 前記設定手段は、前記バッテリパックが受信したコマンドを送信した充電装置の種類を判定し、判定した充電装置の種類に応じて、前記所定の電圧が前記第2の電圧になるように前記所定の電圧を設定することを特徴とする請求項2に記載のバッテリパック。
  4. 前記第2の電圧は、前記バッテリパックに記録されている電圧であることを特徴とする請求項2または3に記載のバッテリパック。
  5. 前記充電装置から前記バッテリパックに供給される電圧と、前記充電装置から前記電池セルに供給される電圧とに応じて、前記第2の電圧を算出する算出手段とを有し、
    前記第2の電圧は、前記算出手段によって算出された電圧であることを特徴とする請求項2から3のいずれか1項に記載のバッテリパック。
  6. 前記充電装置から前記電池セルに供給される電圧が前記所定の電圧以下である場合、前記制御手段は、前記充電装置と前記電池セルとが接続するように前記保護手段を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリパック。
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