JP2012141178A - 部分放電検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】多数のケーブルを長い距離に亘って引き回さずとも構成できる高圧電気機器の部分放電検出システムを提供する。
【解決手段】変圧器1,2に発生する部分放電を検出するため、それらの周囲に紫外線センサ3a〜3hと部分放電検出器11a〜11hを配置し、それらと電源基準位相検出器12とを信号ケーブル13により接続する。電源基準位相検出器12は、複数の部分放電検出器11に対して同期クロック信号を出力すると共に、交流電源電圧の基準位相を検出したタイミングで同期クロック信号に同期した電源基準位相信号を出力し、部分放電検出器11は、同期クロック信号に同期して紫外線センサ3により検出されるセンサ信号をA/D変換する。
【選択図】図1
【解決手段】変圧器1,2に発生する部分放電を検出するため、それらの周囲に紫外線センサ3a〜3hと部分放電検出器11a〜11hを配置し、それらと電源基準位相検出器12とを信号ケーブル13により接続する。電源基準位相検出器12は、複数の部分放電検出器11に対して同期クロック信号を出力すると共に、交流電源電圧の基準位相を検出したタイミングで同期クロック信号に同期した電源基準位相信号を出力し、部分放電検出器11は、同期クロック信号に同期して紫外線センサ3により検出されるセンサ信号をA/D変換する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、高圧電気機器に発生する部分放電を、複数の部分放電検出器を用いて検出する部分放電検出システムに関する。
一般に、変圧器や遮断器などの高圧で使用される電気機器については、当該電気機器の絶縁劣化時に発生する部分放電を検出することでその健全性を診断している。このような電気機器に発生する部分放電を検出するには、安全性確保の観点からAE(Acoustic Emission)センサや超音波センサ、紫外線センサなど、部分放電を非接触状態検出できるセンサを用いることが多い。部分放電の検出対象が比較的大きな電気機器の場合には、放電の発生個所を特定するため、上記のような非接触センサを電気機器の周囲に複数配置することがある。
このようなシステム構成の一例を、図11に示す。図11では、高圧の電気機器である例えば変圧器1,2の周囲に配置した紫外線センサ3a〜3hによって、変圧器1,2に発生した部分放電に伴い発生する紫外線を検出する。また、変圧器1の電圧端子には電源基準位相検出器4が接続されており、変圧器1に印加されている交流電圧の基準位相(ゼロクロス点)を検出する。部分放電検出装置5は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、各部分放電検出信号は、A/D変換器6a〜6hによりそれぞれA/D変換されると、CPU7により、電源位相検出部8を介して与えられる電源基準位相信号の出力状態と同時にRAM9に記憶される。尚、ROM10には、CPU7によって実行される制御プログラムが記憶されている。
図12は、部分放電検出装置5の動作を示すタイミングチャートであり、(a)は紫外線センサ3a〜3hが出力する部分放電検出信号である。(c)は電源基準位相検出器4によって出力される電源基準位相信号であり、部分放電検出装置5では、(b)A/D変換器6によりA/D変換されたデータの出力を示している。CPU7は、記憶された電源基準位相信号のデータから電源周期を求め、電源基準位相との時間差と電源周期から部分放電検出時の位相角を求める。この位相角により、部分放電とその他のノイズとの切り分けを行ったり、或いは部分放電が電気機器の縁面側で発生したものか、内部で発生したものかを判定する。
上述した構成では、複数の高圧電気機器が設置されている場所、例えば変電室などでは、紫外線センサ3が広い範囲に亘って多数配置されるため、それらの検出信号を引き込むために多数のケーブルが必要となり、ケーブルの費用、ケーブルの敷設作業時間、ケーブル運搬の費用等が嵩むことになる。また、この場合、紫外線センサ3より出力される数V程度のアナログ信号を、長いケーブルを介して伝送することになるため、信号がノイズの影響等を受け易くなる。
そこで、多数のケーブルを長い距離に亘って引き回さずとも構成できる部分放電検出システムを提供する。
実施形態によれば、電気機器に発生する部分放電を、非接触状態で検出する部分放電検出手段を有する部分放電検出器を複数配置し、電気機器に印加される交流電源電圧の基準位相を検出する基準位相検出手段を有する電源基準位相検出器を備える。そして、電源基準位相検出器と複数の部分放電検出器とを通信線を介して接続し、電源基準位相検出器は、複数の部分放電検出器に対してサンプリングクロック信号を出力すると共に、基準位相検出手段が基準位相を検出したタイミングでサンプリングクロック信号に同期した電源基準位相信号を出力する。
すると、複数の部分放電検出器は、サンプリングクロック信号に同期して部分放電検出手段により検出される部分放電電圧をサンプリングし、電源基準位相信号を基準として部分放電が発生したタイミングを検出すると、電源基準位相検出器に対してサンプリングデータ及び部分放電が発生したタイミングのデータを送信する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。尚、図11と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図1は、本実施形態における部分放電検出システムの構成を概略的に示す機能ブロック図である。本実施形態では、部分放電検出装置5に替えて、各紫外線センサ(部分放電検出手段)3a〜3hにそれぞれ対応して部分放電検出器11a〜11hが個別に配置されている。また、電源基準位相検出器4に替えて電源基準位相検出器12が配置されており、各部分放電検出器11a〜11hと電源基準位相検出器12とはそれぞれシリアル通信機能を備え、シリアル通信信号と、同期クロック信号(サンプリングクロック信号)とを伝送するための信号ケーブル(通信線)13によって接続されている。
以下、第1実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。尚、図11と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図1は、本実施形態における部分放電検出システムの構成を概略的に示す機能ブロック図である。本実施形態では、部分放電検出装置5に替えて、各紫外線センサ(部分放電検出手段)3a〜3hにそれぞれ対応して部分放電検出器11a〜11hが個別に配置されている。また、電源基準位相検出器4に替えて電源基準位相検出器12が配置されており、各部分放電検出器11a〜11hと電源基準位相検出器12とはそれぞれシリアル通信機能を備え、シリアル通信信号と、同期クロック信号(サンプリングクロック信号)とを伝送するための信号ケーブル(通信線)13によって接続されている。
図2は、電源基準位相検出器12の内部構成を示す機能ブロック図であり、図3は各部の信号波形を示すタイミングチャートである。波形整形回路(基準位相検出手段)14は、図3(a)に示す電源基準電圧信号が与えられると、必要に応じて分圧やレベルシフトを行い、図示しないコンパレータにより基準電圧と比較することで図3(b)に示す矩形波信号をタイミング制御部15に出力する。上記矩形波信号の立ち上がりエッジが、交流電源電圧のゼロクロス点(振幅が負側から正側に変化)に対応する。尚、波形整形回路14より出力される矩形波信号は交流電源周波数相当のクロック信号となるから、当該クロック信号の周波数を検出すれば、交流電源の周波数が検出できる(電源周波数検出手段)。タイミング制御部15は、発振回路16より与えられるクロック信号(例えば数10kHz程度の周波数)を、上記矩形波信号の立ち上がりエッジに同期させて同期クロック信号を出力する。
電源基準位相検出器12は、更にCPU17とシリアルインターフェイス(I/F)18とを備えており、外部とのシリアル通信が可能に構成されている。タイミング制御部15は、上記矩形波信号の立ち上がりエッジに同期して、同期クロック信号1パルス分の幅を有するワンショットパルスを生成すると、電源基準位相信号としてシリアルI/F18に出力する(図3(c)参照)。
CPU17がシリアルI/F18内部の送信用データバッファ(図示せず)にコマンドデータ(制御情報)を書き込むと、シリアルI/F18は、電源基準位相信号が与えられたタイミングで、デフォルトでハイレベルの通信バスを1クロック分だけロウレベルにドライブしてスタートビットをバス上に出力する(図3(e)参照)。それから、タイミング制御部15より与えられる同期クロック信号に従い書き込まれたコマンドデータをシリアルデータに変換して送信する。また、シリアルI/F18が、外部より送信されたシリアルデータをデータバッファに取り込んで受信すると、CPU17は、そのデータをパラレルに読み出す。
リアルタイムクロック(時刻計時手段)40は、時刻を計時する時計機能を備えたICであり、CPU17に対して例えば年/月/日/時/分/秒等のデータを出力する。そして、波形整形回路14より出力される矩形波信号はCPU17に対しても与えられており、CPU17は、その立上がりエッジの出力タイミングでリアルタイムクロック40の時刻データ(年/月/日を含む)を読み出す。その時刻データは、シリアル通信によって各部分放電検出器11に送信される。また、CPU17は、今回に取得した時刻データと、前回に上記矩形波信号の立上がりエッジが入力されたタイミングで読み出した時刻データとの差をとることで、交流電源の周期を算出できる(電源周波数検出手段)。
図4は、部分放電検出器11の内部構成を示す機能ブロック図であり、図5は、各部の信号波形を示すタイミングチャートである。部分放電検出器11は、電源基準位相検出器12と同様に、CPU21,RAM22,ROM23,シリアルI/F24を備え、更に、電源周期検出部25,電源位相検出部26,A/D変換器27を備えており、これらはバスを介して接続されている。シリアルI/F24,電源位相検出部26には、シリアル通信信号と同期クロック信号とが与えられており、A/D変換器27には、紫外線センサ3より出力されるセンサ信号と同期クロック信号とが与えられている。電源周期検出部25には、電源位相検出部26の出力信号が与えられている。
電源位相検出部26は、シリアル通信信号の冒頭の1ビットであるスタートビットを例えばその立下りで検出して、ロウレベルのワンショットパルスを電源基準位相信号として出力する(図5(d),(e)参照)。電源周期検出部25は、上記電源基準位相信号の出力間隔,すなわち、交流電源周期又は交流電源周期に相当する時間をカウントしてカウントデータを出力する。A/D変換器27は、同期クロック信号の周期毎に紫外線センサ3のセンサ信号をA/D変換する(図5(a)〜(c)参照)。尚、紫外線センサ3は、前記センサ信号を、検出した紫外線量に応じてアナログ的に変化する電圧信号として出力するものである。
次に、本実施形態の作用について図6を参照して説明する。図6は、部分放電検出器11により実行される、本実施形態の要部に係る処理内容を示すフローチャートである。部分放電検出器11は、電源位相検出部26を介してシリアル信号のスタートビットを検出すると(ステップS1)、その時点でRAM22のワークエリアに記憶されている検出データ(後述するステップS6で処理されたデータを)を、同じRAM22の格納領域に転送して記憶させると、ワークエリアを初期化する(ステップS2)。A/D変換器27は、上述したように同期クロック信号の周期毎に(ステップS3:YES)センサ信号をA/D変換し(ステップS4)、CPU21は、A/D変換データを遂次比較してセンサ信号のピークレベルを検出する(ステップS5)。ピークが検出されなければ(NO)ステップS1に戻り、ピークが検出されれば(YES)ステップS6に移行する。
ステップS6では、CPU21がピークレベル値,(交流電源のゼロクロス位相を基準として)ピークが検出された位相,検出回数,ピークレベルの平均値,検出位相の平均値を算出し、これらの検出データをRAM22のワークエリアに書き込む。また、CPU21は、図6に示すフローチャートとは異なる処理において、電源基準位相検出器12よりスタートビットに続いて送信されたコマンドデータを、シリアルI/F24のデータバッファにアクセスして読み出す。
したがって、部分放電検出器11は、図6に示したようにシリアル通信におけるスタートビットを検出する毎にステップS2を実行しても良いが、電源基準位相検出器12より送信されたコマンドが「測定指示」を示すものである場合にだけステップS2を実行しても良い。そして、電源基準位相検出器12より送信されたコマンドが、データの返信を要求するものである場合に、部分放電検出器11は、その時点でRAM22に記憶されているデータを読み出して電源基準位相検出器12に返信することで、電源基準位相検出器12は、各部分放電検出器11により検出されたデータを一括して収集することができる。
以上のように本実施例によれば、変圧器(高圧電気機器)1,2に発生する部分放電を非接触状態で検出するため、それらの周囲に紫外線センサ3a〜3hと部分放電検出器11a〜11hを配置し、それらと電源基準位相検出器12とを信号ケーブル13により接続する。電源基準位相検出器12は、複数の部分放電検出器11に対して同期クロック信号を出力すると共に、交流電源電圧の基準位相を検出したタイミングで同期クロック信号に同期した電源基準位相信号を出力し、部分放電検出器11は、同期クロック信号に同期して紫外線センサ3により検出されるセンサ信号(部分放電電圧)をA/D変換(サンプリング)する。
そして、電源基準位相信号を基準として部分放電が発生したタイミングを検出すると、電源基準位相検出器12に対してサンプリングデータ及び部分放電が発生したタイミングのデータを送信する。したがって、従来のように、複数の紫外線センサ3a〜3hと部分放電検出装置5との間をそれぞれケーブルで接続するために長い距離に亘って引き回す必要が無く、ケーブルの費用やケーブルの敷設作業時間、ケーブル運搬の費用等が嵩むことがない。また、この場合、紫外線センサ3より出力されるアナログ信号がノイズの影響等を受けることも回避できる。更に、部分放電検出システムの全体をよりコンパクトにして、且つ同システムをフレキシブルに構成できる。
更に、電源基準位相検出器12と部分放電検出器11とはシリアル通信を行い、電源基準位相検出器12は、電源基準位相信号として、交流電源の基準位相を検出したタイミングでシリアル通信の開始を示すスタートビットを出力するようにした。したがって、スタートビットを基準として、部分放電が発生した位相のタイミングを検出できる。また、電源基準位相検出器12は、シリアル通信により部分放電検出器11に制御情報を送信する。具体的には、制御情報として部分放電電圧の測定指示コマンドを送信するので、部分放電検出器11は、電源基準位相検出器12より測定指示コマンドが与えられた場合に検出したデータを送信することが可能となる。
また、電源基準位相検出器12側にリアルタイムクロック40を備え、時刻データをシリアルデータとして送信することで、各部分放電検出器11側に時計機能を具備しなくても検出データの時刻を知ることができる。そして、受信した時刻情報と検出データ,電源基準位相信号データ(例えば同期クロック信号の周期毎に、当該信号がアクティブか,インアクティブかを示すデータ)を併せて記憶しておけば、各部分放電検出器11に分散して記憶されたデータであっても、それぞれのデータの時刻同期性を確保することができる。
その他、例えば電源基準位相検出器12において、上述したようにリアルタイムクロック40の時刻データの差によって交流電源周期(又は周波数)を算出し、その交流電源周波数を制御情報として各部分放電検出器11に送信することもできる。これにより、部分放電検出器11については、電源周期検出部25にて電源周期または電源周波数を算出するハードウェアや、または対応する機能を実現するためのソフトウェアが不要となる。
また、電源については、決められた電源周波数に対する部分放電発生時の位相角を測定することが多い。そこで、上述のように電源基準位相検出器12において電源周期または電源周波数を算出する手段を具備する場合に、予め測定対象となる電源周波数を設定しておき、当該電源周波数を検出した時にシリアル通信で測定指示コマンドを送信することにより、各部分放電検出器11において所望の電源周波数における検出データを検出することができる。
(第2実施形態)
図7ないし図9は第2実施形態であり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施形態の構成は基本的に第1実施形態と同様であり、電源基準位相検出器12と部分放電検出器11とがデータを送受信する場合の手順をより具体的に示す。
図7,図8は第1実施形態の図3,図5相当図である。電源基準位相検出器12はシリアル通信を開始する場合、図7(d)に示すように、スタートビットの後に、例えば4ビットのアドレス,4ビットのコマンド,必要に応じて8ビットのデータを続けて送信する。これらのビット数は計19ビットとなるので、交流電源の1周期内で少なくもこれらをシリアルに送信できるように、同期クロック信号の周波数を選択する。
図7ないし図9は第2実施形態であり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施形態の構成は基本的に第1実施形態と同様であり、電源基準位相検出器12と部分放電検出器11とがデータを送受信する場合の手順をより具体的に示す。
図7,図8は第1実施形態の図3,図5相当図である。電源基準位相検出器12はシリアル通信を開始する場合、図7(d)に示すように、スタートビットの後に、例えば4ビットのアドレス,4ビットのコマンド,必要に応じて8ビットのデータを続けて送信する。これらのビット数は計19ビットとなるので、交流電源の1周期内で少なくもこれらをシリアルに送信できるように、同期クロック信号の周波数を選択する。
次に、第2実施形態の作用について図8及び図9を参照して説明する。図9(a)は第1実施形態の図6相当図であり、ステップS2’では、検出データをRAM22に格納することに替えて、シリアルI/F24の送信データバッファに格納するようになっている。そして、図9(b)は、部分放電検出器11が行うシリアル通信の処理部分を示すフローチャートである。
CPU21は、電源基準位相信号がアクティブとなることで(図8(e)参照)シリアルデータの受信開始を認識すると(ステップS11:YES)、それに続いてシリアルI/F24の受信データバッファに格納されている4ビットのアドレスが、予め自身に割り当てられているアドレスに一致するか否かを判断する(ステップS12)。自身のアドレスに一致すれば(YES)、アドレスに続く4ビットのコマンドが返信要求コマンドか否かを判断し(ステップS13)、返信要求コマンドであれば(YES)、ステップS2’において既に送信データバッファに格納しているデータを上記コマンドに続いて送信する(ステップS14)。
以上のように第2実施形態によれば、電源基準位相検出器12が、通信対象を特定するアドレスに続き、制御情報として部分放電電圧の測定結果の返信を要求する返信要求コマンドを送信すると、部分放電検出器11は、前記アドレスが自身を宛先とするものであれば、返信要求コマンドに応じて検出データを電源基準位相検出器12に送信する。したがって、部分放電の検出処理と、その検出に基づくデータの送信とを一連の処理として行うことができる。
(第3実施形態)
図10は第3実施形態を示す図2相当図であり、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。第3実施形態の電源基準位相検出器31は、発振回路16に替えて、例えばデジタル回路で構成されたPLL(Phase Locked Loop)回路32を備えている。第1実施形態で述べたように、波形整形回路14より出力される矩形波信号は交流電源周波数相当のクロック信号となる。そして、PLL回路32は、上記クロック信号を基準として所定の倍率で逓倍したクロック信号をタイミング制御部15に出力する。
図10は第3実施形態を示す図2相当図であり、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。第3実施形態の電源基準位相検出器31は、発振回路16に替えて、例えばデジタル回路で構成されたPLL(Phase Locked Loop)回路32を備えている。第1実施形態で述べたように、波形整形回路14より出力される矩形波信号は交流電源周波数相当のクロック信号となる。そして、PLL回路32は、上記クロック信号を基準として所定の倍率で逓倍したクロック信号をタイミング制御部15に出力する。
すなわち、第1,第2実施形態では、部分放電を検出するA/D変換周期(サンプリング周期)は固定であったが、その場合、電源の周期(電源周波数)が変わると、部分放電発生時に検出する位相角の分解能が相対的に変化することになり、分解能が変動してしまう。そこで、第3実施形態では、同期クロック信号の周波数を可変として、電源基準位相信号の周波数に応じて変更する。
PLL回路32の逓倍率は、例えば以下の式に基づいて設定する。
同期クロック信号周波数[Hz]
= 電源周波数[Hz] ×(360[°]/所望位相分解能[°])
例えば、電源周波数50Hzで所望位相分解能が0.5°の場合、同期クロック周波数は
50×(360/0.5)=36000[Hz]
となる。すなわち、PLL回路32の逓倍率を「720」に設定しておけば、電源周波数例えば60Hzの場合でも、位相分解能が0.5°となるように同期クロック信号周波数が変更されるようになる。
同期クロック信号周波数[Hz]
= 電源周波数[Hz] ×(360[°]/所望位相分解能[°])
例えば、電源周波数50Hzで所望位相分解能が0.5°の場合、同期クロック周波数は
50×(360/0.5)=36000[Hz]
となる。すなわち、PLL回路32の逓倍率を「720」に設定しておけば、電源周波数例えば60Hzの場合でも、位相分解能が0.5°となるように同期クロック信号周波数が変更されるようになる。
以上のように第3実施形態によれば、電源基準位相検出器31を、波形整形回路14により検出した交流電源周波数に応じて、同期クロック信号の周波数を変更するように構成する。具体的には、交流電源周波数の変動に対してA/D変換分解能が一定となるように、同期クロック信号の周波数を設定するので、交流電源周波数の変化を意識することなくシステムを構成することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
紫外線センサ3の配置数は、適宜変更して良い。
部分放電検出器11において、電源周期検出部25や電源位相検出部26が行う機能を、CPU21がソフトウェアで実現しても良い。
紫外線センサ3の配置数は、適宜変更して良い。
部分放電検出器11において、電源周期検出部25や電源位相検出部26が行う機能を、CPU21がソフトウェアで実現しても良い。
シリアル通信におけるアドレス,コマンド,データの各ビット数についても適宜変更して良い。
部分放電検出器11において、ステップS6における算出等を全て行う必要はなく、電源基準位相検出器12側には紫外線センサ3のセンサ信号をA/D変換したデータだけを送信して、その他の算出処理を部分放電検出器11側で行うようにしても良い。
電源基準位相検出器が送信する制御情報については、個別のアプリケーションに応じてその他必要となるものを適宜選択して送信すれば良い。
電源基準位相検出器と部分放電検出器とが行う通信は、シリアル通信に限ることは無い。
部分放電検出器11において、ステップS6における算出等を全て行う必要はなく、電源基準位相検出器12側には紫外線センサ3のセンサ信号をA/D変換したデータだけを送信して、その他の算出処理を部分放電検出器11側で行うようにしても良い。
電源基準位相検出器が送信する制御情報については、個別のアプリケーションに応じてその他必要となるものを適宜選択して送信すれば良い。
電源基準位相検出器と部分放電検出器とが行う通信は、シリアル通信に限ることは無い。
リアルタイムクロック40は必要に応じて設ければ良い。また、交流電源の周期は、矩形波信号の立ち上がりエッジ間隔をカウントするカウンタによって検出しても良い。
非接触式のセンサは紫外線センサ3に限ることなく、その他、AEセンサや超音波センサ等を用いても良い。
電気機器は、変圧器に限ることは無い。
非接触式のセンサは紫外線センサ3に限ることなく、その他、AEセンサや超音波センサ等を用いても良い。
電気機器は、変圧器に限ることは無い。
図面中、1,2は変圧器(高圧電気機器)、3は紫外線センサ(部分放電検出手段)、11は部分放電検出器、12は電源基準位相検出器、13は信号ケーブル(通信線)、14は波形整形回路(基準位相検出手段,電源周波数検出手段)、31は電源基準位相検出器、40はリアルタイムクロック(時刻計時手段,電源周波数検出手段)を示す。
Claims (9)
- 電気機器に発生する部分放電を、非接触状態で検出する部分放電検出手段を有する複数の部分放電検出器と、
前記電気機器に印加される交流電源電圧の基準位相を検出する基準位相検出手段を有する電源基準位相検出器とを備え、
前記電源基準位相検出器と前記複数の部分放電検出器とは、通信線を介して接続されており、
前記電源基準位相検出器は、前記複数の部分放電検出器に対してサンプリングクロック信号を出力すると共に、前記基準位相検出手段が基準位相を検出したタイミングで前記サンプリングクロック信号に同期した電源基準位相信号を出力し、
前記複数の部分放電検出器は、前記サンプリングクロック信号に同期して部分放電検出手段により検出される部分放電電圧をサンプリングし、前記電源基準位相信号を基準として前記部分放電が発生したタイミングを検出すると、前記電源基準位相検出器に対して前記サンプリングデータ及び前記部分放電が発生したタイミングのデータを送信することを特徴とする部分放電検出システム。 - 前記電源基準位相検出器と前記複数の部分放電検出器とはシリアル通信を行い、
前記電源基準位相検出器は、前記電源基準位相信号として、基準位相検出手段が基準位相を検出したタイミングで前記シリアル通信の開始を示すスタートビットを出力することを特徴とする請求項1記載の部分放電検出システム。 - 前記電源基準位相検出器は、通信により前記部分放電検出器に制御情報を送信することを特徴とする請求項1又は2記載の部分放電検出システム。
- 前記電源基準位相検出器は、前記基準位相に基づいて前記交流電源電圧周波数を検出する電源周波数検出手段を備え、前記制御情報として、前記電源周波数検出手段により検出した前記交流電源電圧の周波数を送信することを特徴とする請求項3記載の部分放電検出システム。
- 前記電源基準位相検出器は、電源周波数検出手段により検出した電源周波数に応じて、前記サンプリングクロック信号の周波数を変更すること特徴とする請求項4記載の部分放電検出システム。
- 前記電源基準位相検出器は、前記電源周波数の変動に対してサンプリング分解能が一定となるように、前記サンプリングクロック信号の周波数を設定することを特徴とする請求項5記載の部分放電検出システム。
- 前記電源基準位相検出器は、時刻計時手段を備え、前記制御情報として時刻情報を送信することを特徴とする請求項3ないし6の何れかに記載の部分放電検出システム。
- 前記電源基準位相検出器は、前記制御情報として、部分放電電圧の測定指示コマンドを送信することを特徴とする請求項3ないし7の何れかに記載の部分放電検出システム。
- 前記電源基準位相検出器は、前記制御情報として、部分放電電圧の測定結果の返信を要求する返信要求コマンドを送信することを特徴とする請求項3ないし8の何れかに記載の部分放電検出システム。
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