JP2012140906A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2012140906A
JP2012140906A JP2010294395A JP2010294395A JP2012140906A JP 2012140906 A JP2012140906 A JP 2012140906A JP 2010294395 A JP2010294395 A JP 2010294395A JP 2010294395 A JP2010294395 A JP 2010294395A JP 2012140906 A JP2012140906 A JP 2012140906A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge port
cylinder
valve
peripheral surface
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010294395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5703752B2 (ja
Inventor
Takashi Shimizu
孝志 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2010294395A priority Critical patent/JP5703752B2/ja
Publication of JP2012140906A publication Critical patent/JP2012140906A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5703752B2 publication Critical patent/JP5703752B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】長円状の吐出ポートが形成された偏心回転式の圧縮機構を備えた圧縮機において、吐出弁の強度が低下するのを防止しながら開閉動作を円滑に行えるようにする。
【解決手段】吐出弁43の弁頭部43aを、吐出ポート1とほぼ同一方向にのびる長円形状に形成し、弁頭部43aの中心線であって吐出ポート1に沿う方向の中心線C1をアーム部43bの中心線C2に対して傾斜させて、弁頭部43aの中心をアーム部43bの中心線からずらす。
【選択図】図4

Description

本発明は、シリンダの内周面に沿ってピストンが公転する偏心回転式ピストン機構を備えた圧縮機に関するものである。
従来より、略環状のシリンダの内周面に沿ってピストンが公転する偏心回転式ピストン機構を備えた圧縮機が知られている。そして、これらの圧縮機の中には、特許文献1に示すように、上記シリンダの端面開口部を閉塞する端板を厚さ方向に貫通する吐出ポートが形成されているものがある。この吐出ポートは、シリンダとピストンとの間に形成されたシリンダ室の内外を連通するような位置に形成されている。
従来の一般的な圧縮機では、図7,図8に示すように、吐出ポート(51)は円形に形成されている。吐出ポート(51)は、円形に形成される場合、シリンダ室(52)の内周面よりも外側に開口のほぼ半分が位置するように形成される。吐出ポート(51)を吐出流速から定められる直径で形成すると、シリンダ室(52)の内周面よりも内側に形成した場合には一部が駆動軸(53)とピストン(54)との間の摺動面に一部がかかってしまい、潤滑油が吐出ポート(51)に流入してしまうためである。また、図7,8に示すように吐出ポート(51)を、その一部がシリンダ(55)の内周面よりも外側に位置するように形成すると、位置がずれるために吐出圧力損失が大きくなる。この吐出圧力損失を低減するために、シリンダ(55)の内周面には、シリンダ室(52)と吐出ポート(51)を連通する切り欠き(56)が形成される。吐出ポート(51)は吐出弁(57)で開閉される。
特開平5−133363号公報
一方、上記特許文献1の圧縮機では、図9,10に示すように、吐出ポート(51)がシリンダ(55)の内周面に沿うように長円状に形成されている。この場合、図示するように吐出ポート(51)の中心線に沿って吐出弁(リード弁)(57)を配置すると、シリンダの上端面を閉塞する端板(フロントヘッド)(58)の外径寸法によって吐出弁(51)の長さ寸法が規制される。つまり、吐出弁(57)を、吐出ポート(51)を開閉する弁頭部(57a)と、弁頭部(57a)から延出するアーム部(57b)と、フロントヘッド(58)に固定される基部(57c)とから構成されているとすると、フロントヘッド(58)の外径寸法が制限されている場合にはアーム部(57b)の長さ寸法(L)が短くなることがある。そうすると、リード弁(57)のバネ定数が大きくなるので、開閉動作をスムーズに行うためには板厚を薄くする必要が生じる。その結果、吐出完了時に低圧になるシリンダ室内と吐出完了時も高圧のシリンダ室外との圧力差で吐出弁(57)の曲げ応力が大きくなって、吐出弁(57)の信頼性が低くなるおそれがある。
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、長円状の吐出ポートが形成された偏心回転式ピストン機構を備えた圧縮機において、吐出弁の強度が低下するのを防止するとともに、開閉動作も円滑に行えるようにすることである。
第1の発明は、圧縮機構(30)と該圧縮機構(30)を駆動する駆動機構(20)とを備え、上記圧縮機構(30)が、略円環状のシリンダ(32)と、該シリンダ(32)の中空部に収容されて該シリンダ(32)の内周面(35)に対向する外周面(3)を有するピストン(2)と、該ピストン(2)の外周面(3)と上記シリンダ(32)の内周面(35)との間に形成されるシリンダ室(36)を吸入室(36b)及び圧縮室(36a)に区画するブレード(4)と、上記シリンダ(32)の端面開口部を閉塞する端板(31)を厚さ方向に貫通するとともに上記シリンダ(32)の内周面(35)に沿って長円状に形成された吐出ポート(1)と、該吐出ポート(1)を開閉する吐出弁(43)とを有する圧縮機を前提としている。
そして、この圧縮機は、上記吐出弁(43)が、上記吐出ポート(43)を開閉する弁頭部(43a)と、弁頭部(43a)から延出するアーム部(43b)と、アーム部(43b)の端部で上記端板(31)に固定される基部(43c)とを備え、上記弁頭部(43a)の中心が上記アーム部(43b)の中心線から偏倚するように形成されていることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、上記吐出弁(43)の弁頭部(43a)が、上記吐出ポート(1)と略同一方向にのびる長円形状に形成され、弁頭部(43a)の中心線であって吐出ポート(1)に沿う方向の中心線(C1)が上記アーム部(43b)の中心線(C2)に対して傾斜していることを特徴としている。
上記第1,第2の発明では、アーム部(43b)の中心線(C1)を吐出ポート(1)の中心線(C1)に対して角度をつけた状態にして吐出弁(1)を配置できる。そのため、端板(31)の外径寸法が制限されていたとしても、アーム部(43)の中心線(C1)が吐出ポート(1)の中心線(C1)に沿うように吐出弁(43)を形成する場合(図9参照)と比べて、アーム部(43b)の長さを長くできる(図4参照)。
第3の発明は、第2の発明において、上記弁頭部(43a)が、上記吐出ポート(1)の長円形状と略相似形であり、上記吐出ポート(1)よりも大きく形成されていることを特徴としている。
この第3の発明では、弁頭部(43a)の中心線を吐出ポート(1)の中心線に揃えるように吐出弁(43)を配置すると、アーム部(43b)の中心線が吐出ポート(1)の吐出ポートに対して傾斜する。したがって、アーム部(43)の中心線(C1)が吐出ポート(1)の中心線(C1)に沿うように吐出弁(43)を形成する場合(図9参照)と比べて、アーム部(43b)の長さを長くできる(図4参照)。
第4の発明は、第1から第3の発明のいずれか1つにおいて、上記吐出ポート(1)が、上記シリンダ(32)の内周面よりも径方向内側の位置に形成されていることを特徴としている。
この第4の発明では、吐出ポート(1)をシリンダ室(36)の内周面よりも内側に配置してアーム部(43b)が短くなりがちな場合でも、アーム部(43b)を十分な長さに形成することができる
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれか1つにおいて、上記端板(31)の外形が円形であることを特徴としている。
この第5の発明では、端板(31)の外形が円形であっても、アーム部(43b)の長さが十分な吐出弁(43)を効率よく配置できる。
上記第1,第2の発明によれば、端板(31)の外形が制限されていたとしても、吐出弁(43)のアーム部(43b)の長さを比較的長くすることができるので、吐出弁(43)の板厚を薄くしなくてもバネ定数が大きくなるのを防止できる。したがって、吐出弁(43)の開閉動作が円滑に行われるようにすることができる。また、吐出弁(43)の板厚を薄くしなくてもよいので、吐出完了時における圧縮室(36a)の内外の圧力差による曲げ応力を小さな値に抑えることができ、吐出弁(43)の信頼性が低下するのも防止できる。
上記第3の発明によれば、上記弁頭部(43a)を、吐出ポート(1)の長円形状と略相似形にして、上記吐出ポート(1)よりも大きく形成することにより、第1の発明の効果を容易に実現できる。また、吐出ポート(1)に対して弁頭部(43a)が外側に張り出す幅を一定にすることができるので、吐出ポート(1)を吐出弁(43)で安定して開閉できる。
上記第4の発明によれば、吐出ポート(1)をシリンダ室(36)の内周面よりも内側に配置してアーム部(43b)が短くなりがちな場合でも、アーム部(43b)を十分な長さに形成することができるので、吐出弁(43)の安定した動作と信頼性を両立できる。
上記第5の発明によれば、端板(31)の外形が円形であっても、アーム部(43b)の長さが十分な吐出弁(43)を効率よく配置できるので、第1から第4の発明を効果的に実現できる。
本実施形態に係る圧縮機の縦断面図である。 図1の圧縮機の圧縮機構を示す横断面図であり、圧縮室が最小容積のときの状態を示す図である。 図1の圧縮機の圧縮機構を示す横断面図であり、圧縮室が最大容積のときの状態を示す図である。 フロントヘッドをシリンダから外した状態での圧縮機構の上面図ある。 圧縮機構の変形例を示す横断面図である。 吐出ポートの変形例を示す平面図である。 従来の圧縮機構の平面図である。 図7の圧縮機構の断面図である。 長円形の吐出ポートを備えた従来の圧縮機構の平面図である。 図9の圧縮機構の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明の実施形態に係る圧縮機は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されるものである。
図1は、本実施形態に係る圧縮機(10)の縦断面図である。この圧縮機(10)は、ケーシング(11)と電動機(駆動機構)(20)と偏心回転式ピストン機構部(圧縮機構)(30)とを備えている。
−ケーシング−
上記ケーシング(11)は、両端を閉塞した縦長円筒状の密閉容器で構成されており、円筒状の胴部(12)と該胴部(12)の上端側を閉塞する上部鏡板(13)と該胴部(12)の下端側を閉塞する下部鏡板(14)とを備えている。上記胴部(12)には、該胴部(12)の下側部分を貫通してインレットチューブ(15)が取り付けられている。また、上部鏡板(13)の上側部分を貫通して吐出管(16)が取り付けられている。
このケーシング(11)に、上記電動機(20)及び上記圧縮機構(30)が収容されている。また、下部鏡板(14)の底部には、油溜め部(17)が形成されている。この油溜め部(17)には、上記圧縮機構(30)の摺動部分を潤滑する潤滑油が貯留される。
−電動機−
上記電動機(20)は、共に円筒状に形成されたステータ(21)及びロータ(22)を備えている。上記ステータ(21)は、上記ケーシング(11)の胴部(12)に固定されている。このステータ(21)の中空部に上記ロータ(22)が配置されている。このロータ(22)の中空部には、該ロータ(22)を貫通するように回転軸(駆動軸)(23)が固定されており、ロータ(22)と回転軸(23)が一体で回転するようになっている。
この回転軸(23)は、上下に延びる主軸部(24)を有し、この主軸部(24)の下端寄りに偏心部(25)が一体に形成されている。この偏心部(25)は、主軸部(24)よりも大径に形成されている。また、上記偏心部(25)の軸心は、主軸部(24)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。
また、主軸部(24)の下端部には遠心ポンプ(26)が設けられている。この遠心ポンプ(26)は、上記油溜め部(17)の潤滑油に浸漬している、そして、上記回転軸(23)の回転に伴い潤滑油を回転軸(23)内の給油路(図示省略)へ汲み上げた後で、圧縮機構(30)および電動機(20)の各摺動部へ供給する。
−圧縮機構−
上記圧縮機構(30)は、図1に示すように、下側から上側に向かって、リアヘッド(33)、シリンダ(32)及びフロントヘッド(端板)(31)の順で積層され、これらの部材(31,32,33)が、上下方向へ延びる複数のボルト(34)で締結されて一体化されている。
−リアヘッド−
上記リアヘッド(33)の中心部分には、該リアヘッド(33)を厚さ方向へ貫通する貫通孔部が形成されている。この貫通孔部の内周面が上記回転軸(23)の主軸部(24)を回転支持するすべり軸受を構成する。
−シリンダ−
上記シリンダ(32)の中心部分には、該シリンダ(32)を厚さ方向へ貫通する略円形状の貫通孔部が形成されている。そのため、シリンダ(32)は円環状に形成されている。このシリンダ(32)の上端面開口部がフロントヘッド(31)で閉塞され、上記シリンダ(32)の下端面開口部がリアヘッド(33)で閉塞されることにより、上記シリンダ(32)における貫通孔部の部分が閉空間となる。この閉空間(中空部)がシリンダ室(36)を構成する。このシリンダ室(36)には、上記回転軸(23)の偏心部(25)に外嵌する揺動ピストン(2)が収容されている。なお、この揺動ピストン(2)の形状については、詳しく後述する。
上記シリンダ(33)には、図2に示すように、平面視で一部がシリンダ室(36)に開口するブッシュ溝(40)が形成されている。このブッシュ溝(40)は円形状の溝であり、このブッシュ溝(40)に半月状に形成された一対のブッシュ(41)が内嵌している。
なお、このブッシュ(41)の円弧面はブッシュ溝(40)の内周面に対して摺接可能であり、この円弧面の反対側のフラット面は、後述する上記揺動ピストン(2)に形成されたブレード(4)の側面に対して摺接可能である。
また、上記シリンダ(33)には、該シリンダ(33)における内周面(35)と外周面(37)との間を径方向へ貫通する吸入管通路(42)が形成されている。この吸入管通路(42)に、上記インレットチューブ(15)の端部が挿入固定されている。
−揺動ピストン−
上記揺動ピストン(2)は、図2に示すように、該揺動ピストン(2)の厚さ方向へ貫通する貫通孔部が形成されている。この貫通孔部に上記駆動軸(23)の偏心部(25)が摺動自在に内嵌している。
また、揺動ピストン(2)の外周面(3)と上記シリンダ(32)の内周面(35)との間に上記シリンダ室(36)が形成されている。揺動ピストン(2)の外周面(3)はシリンダ(32)の内周面(35)に対向して1点で実質的に接している。
上記揺動ピストン(2)は、該揺動ピストン(2)の外周面(3)から径方向外方へ突出するブレード(4)を備えている。上述したように、このブレード(4)が、上記一対のブッシュ(41)の間に進退自在に挟み込まれている。そして、このブレード(4)により、上記シリンダ室(36)が圧縮室(36a)及び吸入室(36b)に区画される。
この揺動ピストン(2)には、上記ブレード(4)の両側面の加工精度を向上させるため、該ブレード(4)の付け根部に、いわゆるヌスミ加工が施されている。
本実施形態では、このヌスミ加工により、上記揺動ピストン(2)の外周面(3)の一部がカットされている。このカットにより、上記外周面(3)におけるブレード(4)の付け根部の周辺に平面部(3a)が形成される。そして、この平面部(3a)に臨む位置に上記圧縮室(36a)の死容積となる隙間部(c)が形成される。なお、上記揺動ピストン(2)の外周面(3)において、この平面部(3a)以外の部分は円筒面(6)である。
上記揺動ピストン(2)の運動は、この揺動ピストン(2)における円筒面(6)の一部とシリンダ(32)における内周面(35)の一部とが、常に実質的に接した状態(厳密にはミクロンオーダーの微小な隙間があるが、その微小な隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)で行われる。
−フロントヘッド−
上記フロントヘッド(31)の中心部分には、該フロントヘッド(31)を厚さ方向へ貫通する貫通孔部が形成されている。この貫通孔部の内周面が上記回転軸(23)の主軸部(24)を回転支持するすべり軸受を構成する。また、上記フロントヘッド(31)の中心部分よりも外側寄りを厚さ方向に貫通する吐出ポート(1)が形成されている。この吐出ポート(1)については、詳しく後述する。
フロントヘッド(端板)(31)は外形が円形である。また、フロントヘッド(31)はシリンダ(32)よりも外径が小さな円板状に形成されている。
上記フロントヘッド(31)の上面には、フロントヘッド(31)をシリンダ(32)から外した状態の平面図である図4に仮想線で示すように、リード弁(吐出弁)(43)が取り付けられている。このリード弁(43)は可撓性を有する板状に形成され、このリード弁(43)の一端部(基部(43c))が締付ボルトによって上記フロントヘッド(31)に固定されている。そして、このリード弁(43)の他端部(弁頭部(43a))で上記吐出ポート(1)の流出口を開閉するようになっている。
また、上記フロントヘッド(31)の上面には、上記吐出ポート(1)の流出口を覆うマフラカバー(44)が設けられている。このマフラカバー(44)の内側に吐出空間部(45)が形成されている。また、このマフラカバー(44)には、該マフラカバー(44)を貫通して吐出空間部(45)と上記ケーシング(11)の内部空間とを連通する貫通孔(47)が形成されている。
−吐出ポート−
上記吐出ポート(1)は、上述したように、上記フロントヘッド(31)に形成されている。この吐出ポート(1)の開口形状は、図2に示すように略長円形状である。具体的には、この吐出ポート(1)はシリンダ(32)の内周面(35)に沿って長円状に形成されている。
図2は、上記ブレード(4)の圧縮室(36a)側で互いに圧接する上記揺動ピストン(2)及び上記シリンダ(32)が、互いに離反する直前の状態を示している。この状態のとき、上記圧縮室(36a)の容積は最小である。そして、この最小容積の部分が隙間部(c)である。
図3は、図2の状態から上記揺動ピストン(2)の回転角が進み、上記ブレード(4)の吸入室(36b)側で上記揺動ピストン(2)及び上記シリンダ(32)が互いに圧接した直後の状態を示している。この状態のとき、上記圧縮室(36a)の容積は最大である。
図2及び図3からわかるように、上記吐出ポート(1)は、シリンダ(32)の内周面(35)よりも内側に位置するように形成されている。具体的には、上記吐出ポート(1)は、上記シリンダ(32)の内周面(35)と上記偏心部(25)の外周面との間であって、上記圧縮室(36a)に連通し且つ上記吸入室(36b)に非連通となる位置に設けられている。また、図2からわかるように、上記吐出ポート(1)は、その一部が上記圧縮室(36a)の隙間部(c)に開口する位置に設けられている。
−吐出弁−
吐出弁(43)は、図4に示すように、上記吐出ポート(1)を開閉する弁頭部(43a)と、弁頭部(43a)から延出するアーム部(43b)と、アーム部(43b)の端部で上記フロントヘッド(31)に固定される基部(43c)とを備えている。吐出弁(43)の弁頭部(43a)は、吐出ポート(1)に沿う方向の中心線(C1)が上記アーム部(43b)の中心線(C2)から傾斜するように形成されている。つまり、吐出弁(43)の弁頭部(43a)が、上記吐出ポート(1)と略同一方向にのびる長円形状に形成される(弁頭部(43a)の中心線が吐出ポート(1)の中心線に揃うような長円形状に形成される)一方で、弁頭部(43a)の中心線(C1)はアーム部(43b)の中心線(C2)に対して傾斜している。そして、上記弁頭部(43a)の中心が上記アーム部(43b)の中心線からずれて位置するように形成されている。
また、弁頭部(43a)は、上記吐出ポート(1)の長円形状とほぼ相似形であり、上記吐出ポート(1)よりも外形が大きい。より具体的には、弁頭部(43a)は、吐出ポート(1)からの弁頭部(43a)の張り出し幅が全周にわたって一定になるように形成されている。
このように、本実施形態では、弁頭部(43a)の中心線(C1)に対してアーム部(43b)の中心線(C2)が傾斜するように吐出弁(43)を形成している。そして、弁頭部(43a)の中心線(C1)とアーム部(43b)の中心線(C2)とに角度をつけることにより、本実施形態では、図9に示すように両中心線を同じ方向に形成する場合と比較して、フロントヘッド(31)の外径寸法が同じでも、アーム部(43b)の長さ寸法Lを長くできるようにしている。
−圧縮機の運転動作−
次に、上記圧縮機(10)の運転動作について説明する。
上記電動機(20)に通電すると、上記ロータ(22)とともに回転軸(23)が回転し、上記揺動ピストン(2)が上記ブッシュ(41)を支点として揺動する。この揺動運動によって、上記圧縮室(36a)及び吸入室(36b)の容積が周期的に増減することで、上記圧縮機(10)による冷媒の吸入行程、圧縮行程及び吐出行程が行われる。以下、具体的な運転動作の説明において、上記回転軸(23)の回転角が0°と360°のときに上記揺動ピストン(2)が上死点(ブレード(4)がシリンダ室(36)から後退した位置)に位置し、180°のときに下死点(ブレード(4)がシリンダ室(36)側へ進出した位置)に位置する。
上記回転軸(23)の回転角が0°の状態から僅かに回転して、上記揺動ピストン(2)と上記シリンダ室(25)との圧接部分が、上記吸入管通路(42)の開口部を通過すると、該吸入管通路(42)が開放される。これにより、上記吸入管通路(42)を通じて吸入室(36b)へ冷媒が吸入され始める(図3を参照)。
その後、上記回転軸(23)の回転が進み、該回転軸(23)の回転角が360°、つまり一回転して上記揺動ピストン(2)が上死点の位置に戻ったときに、上記吸入管通路(42)が閉鎖状態となる。これにより、上記吸入室(36b)への冷媒の吸入行程が完了する。この吸入行程の間、上記吸入室(36b)と上記吐出ポート(1)とは非連通の状態である。
その後、上記回転軸(23)の回転角が360°の状態から僅かに回転すると、吸入完了した吸入室(36b)が圧縮室(36a)に変わり、該圧縮室(36a)が収縮し始める。このとき、圧縮室(36a)と吐出ポート(1)とは連通しているが、上記圧縮室(36a)の圧力が所定圧力に達していないので、上記リード弁(43)は閉じたままである。したがって、上記圧縮室(36a)から冷媒は吐出されない。
さらに、上記回転軸(23)の回転角が進むにつれて、上記圧縮室(36a)の容積が縮小していき、該圧縮室(36a)の冷媒が圧縮される。そして、この圧縮室(36a)の圧力が所定圧力に達すると、上記リード弁(43)が開き、圧縮室(36a)から冷媒が吐出される。
この間も、上記圧縮室(36a)及び上記吐出ポート(1)の連通状態が続いている。そして、上述したように、上記圧縮室(36a)が隙間部(c)だけになっても(図2を参照)、上記圧縮室(36a)と上記吐出ポート(1)とは連通している。
したがって、上記揺動ピストン(2)の回転中において、上記圧縮室(36a)を閉鎖することなく、圧縮室(36a)と吸入室(36b)との間を非連通にすることができる。上記圧縮室(36a)が閉鎖されないことで流体の過圧縮を防止することができ、圧縮室(36a)と吸入室(36b)とを非連通にすることで流体の再膨張を防止することができる。
このような動作が繰り返されることにより、上記圧縮機(10)による冷媒の吸入、圧縮及び吐出が連続的に行われる。この動作の間に吐出弁(43)が開閉するが、吐出弁(43)は、アーム部(43b)を長い寸法で形成できるので、開閉動作を円滑に行う。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記のようにアーム部(43b)を弁頭部(43a)に対して傾斜するように吐出弁(43)を形成しているので、吐出弁(43)の板厚を薄くしなくても吐出弁(43)のバネ定数を小さな値に抑えることができる。したがって、吐出弁(43)の開閉動作をスムーズに行うようにすることが可能となる。
また、仮に吐出弁(43)の板厚を薄くすると、吐出が終わって吐出弁(43)が閉じたときに、シリンダ室(36)の内部の低圧圧力とシリンダ室(36)の外部の高圧圧力との圧力差により、吐出弁(43)の曲げ応力が大きくなるのに対して、本実施形態によれば吐出弁(43)の板厚を薄くしなくてもよいので曲げ応力が大きくなるのを防止できる。したがって、吐出弁(43)の信頼性が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態では吐出ポート(1)を略長円形状にしているので、吐出ポート(1)を円形状にする場合に比べて、吐出ポート(1)をシリンダ室(36)の内周面の内側に配置しても、その開口面積を大きくすることができる。このことにより、上記圧縮室(36a)から上記吐出ポート(1)へ流れる冷媒などの流体の流動抵抗を小さくすることができる。
また、吐出ポート(1)をシリンダ室(36)の内周面よりも内側に配置してアーム部(43b)が短くなりがちな場合でも、アーム部(43b)を十分な長さに形成することができるので、吐出弁(43)の安定した動作と信頼性を両立できる。
−実施形態の変形例−
図5及び図6(a)に示す上記実施形態の変形例は、上記実施形態とは違い、上記吐出ポート(1)の内周面が、上記シリンダ(32)の内周面(35)に沿う曲面形状で形成されている。
この変形例では、上記吐出ポート(1)の内周面の一部を上記シリンダ(32)の内周面(35)に沿う曲面形状にすることにより、該内周面(35)が平面形状の場合に比べて、上記吐出ポート(1)を上記シリンダ(32)の内周面(35)へ近づけることができる。これにより、上記吐出ポート(1)の開口面積をさらに大きくすることができ、上記圧縮室(36a)から上記吐出ポート(1)へ流入する流体の流動抵抗をより一層小さくすることができる。
なお、上記吐出ポートは、図6(b)に示すように楕円形に形成してもよい。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、偏心回転式ピストン機構部(30)がスイング型のものであったが、これに限定されず、ピストンとブレードが別部品で構成されるローリングピストン型のものであってもよい。この場合にも、ピストン(2)とブレード(4)との圧接部分の近傍に吐出ポート(1)を設け、この吐出ポート(1)を吐出弁(43)で開閉するようにすればよい。
また、上記実施形態では、吐出弁(43)の弁頭部(43a)を吐出ポート(1)の長円形状とほぼ相似の形状にして、吐出ポート(1)からの弁頭部(43a)の張り出し幅が全周にわたって一定になるようにしているが、弁頭部(43a)の形状は必ずしも吐出ポート(1)と相似形にしなくてもよい。例えば、弁頭部(43a)を円形にしてもよいが、その場合でも、弁頭部(43a)の中心がアーム部の中心線からずれた位置にあれば、吐出ポート(1)に沿う方向への弁頭部(43a)中心線(C1)が上記アーム部(43b)の中心線(C2)に対して傾斜し、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、シリンダの内周面に沿ってピストンが公転する偏心回転式ピストン機構を備えた圧縮機について有用である。
1 吐出ポート
2 ピストン
3 外周面
4 ブレード
20 駆動機構
30 圧縮機構
31 端板
32 シリンダ
35 内周面
36 シリンダ室
36a 圧縮室
36b 吸入室
43 吐出弁
43a 弁頭部
43b アーム部
43c 基部

Claims (5)

  1. 圧縮機構(30)と該圧縮機構(30)を駆動する駆動機構(20)とを備え、
    上記圧縮機構(30)が、略円環状のシリンダ(32)と、該シリンダ(32)の中空部に収容されて該シリンダ(32)の内周面(35)に対向する外周面(3)を有するピストン(2)と、該ピストン(2)の外周面(3)と上記シリンダ(32)の内周面(35)との間に形成されるシリンダ室(36)を吸入室(36b)及び圧縮室(36a)に区画するブレード(4)と、上記シリンダ(32)の端面開口部を閉塞する端板(31)を厚さ方向に貫通するとともに上記シリンダ(32)の内周面(35)に沿って長円状に形成された吐出ポート(1)と、該吐出ポート(1)を開閉する吐出弁(43)とを有する圧縮機であって、
    上記吐出弁(43)は、上記吐出ポート(43)を開閉する弁頭部(43a)と、弁頭部(43a)から延出するアーム部(43b)と、アーム部(43b)の端部で上記端板(31)に固定される基部(43c)とを備え、上記弁頭部(43a)の中心が上記アーム部(43b)の中心線から偏倚するように形成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記吐出弁(43)の弁頭部(43a)が、上記吐出ポート(1)と略同一方向にのびる長円形状に形成され、弁頭部(43a)の中心線であって吐出ポート(1)に沿う方向の中心線(C1)が上記アーム部(43b)の中心線(C2)に対して傾斜していることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記弁頭部(43a)は、上記吐出ポート(1)の長円形状と略相似形であり、上記吐出ポート(1)よりも大きく形成されていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1から3のいずれか1つにおいて、
    上記吐出ポート(1)は、上記シリンダ(32)の内周面よりも径方向内側の位置に形成されていることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1から4のいずれか1つにおいて、
    上記端板(31)の外形が円形であることを特徴とする圧縮機。
JP2010294395A 2010-12-29 2010-12-29 圧縮機 Expired - Fee Related JP5703752B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010294395A JP5703752B2 (ja) 2010-12-29 2010-12-29 圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010294395A JP5703752B2 (ja) 2010-12-29 2010-12-29 圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012140906A true JP2012140906A (ja) 2012-07-26
JP5703752B2 JP5703752B2 (ja) 2015-04-22

Family

ID=46677414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010294395A Expired - Fee Related JP5703752B2 (ja) 2010-12-29 2010-12-29 圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5703752B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013139725A (ja) * 2011-12-28 2013-07-18 Daikin Industries Ltd 揺動ピストン式圧縮機
CN103982435A (zh) * 2014-05-28 2014-08-13 珠海凌达压缩机有限公司 压缩机缸体端盖、压缩机气缸及压缩机

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4829404U (ja) * 1971-08-13 1973-04-11
US5004408A (en) * 1988-10-04 1991-04-02 Empresa Brasileira De Compressores S/A Embraco Discharge system for rotary rolling piston compressor
JPH0466391U (ja) * 1990-10-15 1992-06-11

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4829404U (ja) * 1971-08-13 1973-04-11
US5004408A (en) * 1988-10-04 1991-04-02 Empresa Brasileira De Compressores S/A Embraco Discharge system for rotary rolling piston compressor
JPH0466391U (ja) * 1990-10-15 1992-06-11

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013139725A (ja) * 2011-12-28 2013-07-18 Daikin Industries Ltd 揺動ピストン式圧縮機
CN103982435A (zh) * 2014-05-28 2014-08-13 珠海凌达压缩机有限公司 压缩机缸体端盖、压缩机气缸及压缩机

Also Published As

Publication number Publication date
JP5703752B2 (ja) 2015-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6772301B2 (ja) 回転シリンダピストン圧縮機のポンプ本体及びそれを用いた圧縮機
JP4385565B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5644494B2 (ja) 圧縮機
JP5703752B2 (ja) 圧縮機
JP5685939B2 (ja) 圧縮機
JP5017842B2 (ja) 回転式圧縮機
JP6090379B2 (ja) 回転式圧縮機
JP2013139725A (ja) 揺動ピストン式圧縮機
JP2013142351A (ja) ベーン型圧縮機
JP2013072362A (ja) 圧縮機
JP4978461B2 (ja) 回転式圧縮機
JP3742849B2 (ja) ロータリー圧縮機
JP4887790B2 (ja) 回転式流体機械
JP6019669B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5923983B2 (ja) 回転式圧縮機
JP2013139724A (ja) 揺動ピストン式圧縮機
JP5423538B2 (ja) 回転式圧縮機
JP3972149B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5861456B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5929189B2 (ja) 揺動ピストン式圧縮機
JP2011214510A (ja) 回転式圧縮機
JP5499841B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5915175B2 (ja) 回転式圧縮機
JP4635819B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5011963B2 (ja) 回転式流体機械

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130910

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20131004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140715

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150209

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5703752

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees